(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-06
(45)【発行日】2024-02-15
(54)【発明の名称】ポップアップ式撮影モジュール及び端末
(51)【国際特許分類】
G03B 17/02 20210101AFI20240207BHJP
G03B 17/04 20210101ALI20240207BHJP
H02K 33/00 20060101ALI20240207BHJP
H04N 23/50 20230101ALI20240207BHJP
【FI】
G03B17/02
G03B17/04
H02K33/00 A
H04N23/50
(21)【出願番号】P 2019553060
(86)(22)【出願日】2019-07-29
(86)【国際出願番号】 CN2019098198
(87)【国際公開番号】W WO2020220490
(87)【国際公開日】2020-11-05
【審査請求日】2019-09-26
【審判番号】
【審判請求日】2022-08-26
(31)【優先権主張番号】201910363554.0
(32)【優先日】2019-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516180667
【氏名又は名称】北京小米移動軟件有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Xiaomi Mobile Software Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.018, Floor 8, Building 6, Yard 33, Middle Xierqi Road, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ 杰明
(72)【発明者】
【氏名】▲チン▼ 宏志
【合議体】
【審判長】山村 浩
【審判官】松川 直樹
【審判官】野村 伸雄
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-533448(JP,A)
【文献】特開2009-237193(JP,A)
【文献】特開2012-32778(JP,A)
【文献】特開平5-149334(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0059329(KR,A)
【文献】韓国登録特許第10-1513879(KR,B1)
【文献】中国特許出願公開第108834354(CN,A)
【文献】中国実用新案第208128327(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B15/00
G03B17/02-17/04
H04N5/222-5/257
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュールケーシング、撮影ケーシング、n個のコイル、第1磁石及び第2磁石を含み、前記nは1より大きい整数であるポップアップ式撮影モジュールにおいて、
前記モジュールケーシングには、前記撮影ケーシングのポップアップホールが形成され、前記撮影ケーシングの上方の内部には、カメラが備えられ、前記ポップアップホールが前記モジュールケーシングの上部に位置し、
前記n個のコイルは並列されて配置され、前記撮影ケーシングの下方の外壁を軸方向に囲み、
前記第1磁石と前記第2磁石は、前記モジュールケーシング内に備えられ、且つ前記撮影ケーシングのポップアップする方向及び格納する方向に垂直な方向において前記n個のコイルの両側に位置し、
前記撮影ケーシングのポップアップ過程で、前記n個のコイルの第1コイルセットと第2コイルセットにより、
電磁界の第1の組み合わせを発生し、前記第1磁石と前記第2磁石との磁力駆動により、前記撮影ケーシングをプッシュして、前記モジュールケーシングからポップアップさせ、
前記撮影ケーシングの格納過程で、前記n個のコイルの前記第1コイルセットと前記第2コイルセットにより、
電磁界の第2の組み合わせを発生し、前記第1磁石と前記第2磁石との磁力駆動により、前記撮影ケーシングを前記モジュールケーシングに格納させ、
前記
電磁界の第1の組み合わせは、前記n個のコイルの前記第1コイルセットが発生する第1電磁界と前記n個のコイルの前記第2コイルセットが発生する第2電磁界を含み、前記第1電磁界は、
前記第1コイルセットと前記第1磁石及
び前記第2磁石とが互いに吸引する電磁界であり、前記第2電磁界は、
前記第2コイルセットと前記第1磁石及び前記第2磁石とが互いに排斥する電磁界であり、
前記
電磁界の第2の組み合わせは、前記第1コイルセットが発生する第3電磁界と前記第2コイルセットが発生する第4電磁界を含み、前記第3電磁界は、
前記第1コイルセットと前記第1磁石及び前記第2磁石とが互いに排斥する電磁界であり、前記第4電磁界は、
前記第2コイルセットと前記第1磁石及び前記第2磁石とが互いに吸引する電磁界であり、
前記第1コイルセットは、前記第2コイルセットよりも前記ポップアップホールに近く配置され、
前記第1コイルセットと前記第2コイルセットは、ぞれぞれ、前記n個のコイルのうちの一部のコイルからなる
ことを特徴とするポップアップ式撮影モジュール。
【請求項2】
前記第1磁石と前記第2磁石は永久磁石であり、
互いに向かいあう前記第1磁石の極性と前記第2磁石の極性とは同じであることを特徴とする請求項1に記載のポップアップ式撮影モジュール。
【請求項3】
前記モジュールケーシングには、位置制限槽が備えられ、
前記撮影ケーシングには、前記位置制限槽に対応する位置制限部が備えられ、
前記撮影ケーシングのポップアップ過程または前記撮影ケーシングの格納過程において、前記撮影ケーシングの前記位置制限部は、前記位置制限槽でスライドすることを特徴とする請求項1に記載のポップアップ式撮影モジュール。
【請求項4】
前記ポップアップ式撮影モジュールは、第1レール止板と第2レール止板とを含み、
前記第1レール止板は、前記第1磁石と前記撮影ケーシングとの間に備えられ、
前記第2レール止板は前記第2磁石と前記撮影ケーシングとの間に備えられることを特徴とする請求項1に記載のポップアップ式撮影モジュール。
【請求項5】
前記ポップアップ式撮影モジュールは、磁気シールド層を含み、前記磁気シールド層は、前記n個のコイルと前記撮影ケーシングとの間に備えられることを特徴とする請求項1
に記載のポップアップ式撮影モジュール。
【請求項6】
前記ポップアップ式撮影モジュールは、前記n個のコイルと結合する給電回路を含み、
前記給電回路は、フレキシブル回路であることを特徴とする請求項1に記載のポップアップ式撮影モジュール。
【請求項7】
ボディケーシング、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のポップアップ式撮影モジュール、及び前記ポップアップ式撮影モジュールに対応する電流制御アセンブリを含み、
前記電流制御アセンブリは、給電回路を用いて前記ポップアップ式撮影モジュールの前記n個のコイルとそれぞれ結合されることを特徴とする端末。
【請求項8】
前記電流制御アセンブリは、
カメラポップアップコマンドを受信し、前記カメラのポップアップコマンドに基づいて、前記n個のコイルに第1電流を供給するように前記給電回路を制御して、前記n個のコイルが前記第1電磁界の組み合わせを発生するようにし、
カメラ格納コマンドを受信し、前記カメラ格納コマンドに基づいて、前記n個のコイルに第2電流を供給するように前記給電回路を制御して、前記n個のコイルが前記第2電磁界の組み合わせを発生するようにすることを特徴とする請求項7の記載において請求項1を引用する場合の端末。
【請求項9】
前記電流制御アセンブリは、電流変化の情報が保存し、前記電流変化の情報は、各前記コイルが前記撮影ケーシングのポップアップ過程と前記撮影ケーシングの格納過程の中で電流が時間の流れに沿って変化する状況を示すことを特徴とする請求項7に記載の端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は2019年4月30一提出した中国専利出願201910363554.0号の優先権を主張し、上記中国専利出願全ての内容を本願に引用して参考とする。
【0002】
本公開の実施例は、端末の技術分野に関するものであり、特にポップアップ式撮影モジュール及び端末に関するものである。
【背景技術】
【0003】
端末のフロントカメラは豊富な機能を提供する。例えば、写真機能、撮影機能、ゲームエンターテイメント機能、ロック解除の支払い機能などを提供する。端末(例えば、フルスクリーン携帯電話)の画面占め割合がますます高くしていたので、フロントカメラが端末の前面パネルに占めるスペースが圧縮される。フルスクリーンの携帯電話を一例として、関連技術には、フルスクリーンの携帯電話にポップアップ式撮影モジュールを提供するために、上記のポップアップ式撮影モジュールをフルスクリーン携帯電話の中間フレームの上の端に備える。撮影していない状態では、ポップアップ式撮影モジュールは、格納状態で、フルスクリーン携帯電話の内部に隠す。撮影状態では、ポップアップ式撮影モジュールは、ポップアップ状態で、フルスクリーン携帯電話の中間フレームの上部に露出される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
関連技術では、上記のポップアップ式撮影モジュールは、モーター、ギアアセンブリ、スクリューなどの機械装置によって実現されるので、構造が複雑であり、占めるスペースが大きい問題が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本公開の実施例は、ポップアップ式撮影モジュール及び端末を提供する。上記の技術方案は以下の通りである。
【0006】
本公開の実施例の第1方面によると、モジュールケーシング、撮影ケーシング、n個のコイル、第1磁石及び第2磁石を含み、前記nは1より大きい整数であるポップアップ式撮影モジュールにおいて、前記モジュールケーシングには、前記撮影ケーシングのポップアップホールが形成され、前記撮影ケーシングの上方の内部には、カメラが備えられ、前記n個のコイルは並列に備えられ、前記撮影ケーシングの下方の外壁を軸方向に囲み、前記第1磁石と前記第2磁石は、前記モジュールケーシング内に備えられ、前記n個のコイルは、前記第1磁石と前記第2磁石との間に備えられる。
【0007】
オプションで、前記第1磁石と前記第2磁石は永久磁石であり、極性が互いに相対する。
【0008】
オプションで、前記撮影ケーシングのポップアップ過程で、前記n個のコイルは、第1電磁界の組み合わせを発生し、前記第1磁石と前記第2磁石との駆動により、前記撮影ケーシングをプッシュして、前記モジュールケーシングからポップアップさせ、前記撮影ケーシングの格納過程で、前記n個のコイルは、第2電磁界の組み合わせを発生し、前記第1磁石と前記第2磁石との駆動により、前記撮影ケーシングを引き出し、前記モジュールケーシングに格納させる。
【0009】
オプションで、前記n個のコイルは、第1コイルセットと第2コイルセットとを含み、前記ポップアップ過程または前記格納過程において、前記第1コイルセットと前記第2コイルセットは、それぞれ磁性が反対の電磁界を発生し、前記撮影ケーシングのポップアップまたは格納を駆動する。
【0010】
オプションで、前記モジュールケーシングには、位置制限槽が備えられ、前記撮影ケーシングには、前記位置制限槽に対応する位置制限部備えられ、前記ポップアップ過程または前記格納過程において、前記撮影ケーシングの前記位置制限部は、前記位置制限槽でスライドする。
【0011】
オプションで、前記ポップアップ式撮影モジュールは、第1レール止板と第2レール止板とを含み、前記第1レール止板は、前記第1磁石と前記撮影ケーシングとの間に備えられ、前記第2レール止板は前記第2磁石と前記撮影ケーシングとの間に備えられる。
【0012】
オプションで、前記ポップアップ式撮影モジュールは、磁気シールド層を含み、前記磁気シールド層は、前記n個のコイルと前記撮影ケーシングとの間に備えられる。
【0013】
オプションで、前記ポップアップ式撮影モジュールは、前記n個のコイルと結合する給電回路を含み、前記給電回路は、フレキシブル回路である。
【0014】
本公開の実施例の第2方面によると、ボディケーシング、前記ポップアップ式撮影モジュール、及び前記ポップアップ式撮影モジュールに対応する電流制御アセンブリを含み、前記電流制御アセンブリは、給電回路を用いて前記ポップアップ式撮影モジュールの前記n個のコイルとそれぞれ結合される。
【0015】
オプションで、前記電流制御アセンブリは、カメラポップアップコマンドを受信し、前記カメラのポップアップコマンドに基づいて、前記n個のコイルに第1電流を供給するように前記給電回路を制御して、前記n個のコイルが前記第1電磁界の組み合わせを発生するようにし、カメラ格納コマンドを受信し、前記カメラ格納コマンドに基づいて、前記n個のコイルに第2電流を供給するように前記給電回路を制御して、前記n個のコイルが前記第2電磁界の組み合わせを発生する。
【0016】
オプションで、前記電流制御アセンブリは、電流変化の情報が保存し、前記電流変化の情報は、各前記コイルが前記ポップアップ過程と前記格納過程の中で電流が時間の流れに沿って変化する状況を示す。
【0017】
本公開の実施例の技術案によれば、下記のような有益な効果を含むことができる。
【0018】
本公開の実施例のポップアップ式撮影モジュールは、コイルが通電された後、磁石と相互に作用して、ポップアップ式撮影モジュールのポップアップと格納を実現することができる。関連技術と比較したとき、モーター、ギアアセンブリ、スクリューなどの機械装置によってポップアップや格納を実現することに対して、ポップアップ式撮影モジュール構造の複雑さを降下させることができるだけでなく、チャージされているスペースも節約することができる。
【0019】
理解するのは、上記の一般的な説明と後述する詳細な説明は、単に例示的で解釈的なものであり、本開示を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
ここの図面は、明細書に併合されて明細書の一部を構成し、本発明に合致する実施例を示し、明細書と一緒に本発明の原理を解釈する。
【
図1】本公開の一例示的な実施形態のポップアップ式撮影モジュールの構造の例示図である。
【
図2】第1磁石と第2磁石の極性が反対の例示図である。
【
図3】第1磁石と第2磁石の極性が反対の例示図である。
【
図4】モジュールケーシングの位置制限槽の構造を示す例示図である。
【
図5】撮影ケーシングの位置制限部の構造を示す例示図である。
【
図6】本公開の一例示的な実施形態の端末の構造の例示図である。
【
図7】撮影ケーシングがポップアップ状態である端末の形態の平面図である。
【
図8】撮影ケーシングがポップアップ状態である端末の形態の左側面図である。
【
図9】撮影ケーシングがポップアップ状態である端末の形態の正面図である。
【
図10】撮影ケーシングがポップアップ状態である端末の形態の右側面図である。
【
図11】撮影ケーシングがポップアップ状態である端末の形態の背面図である。
【
図12】撮影ケーシングがポップアップ状態である端末の形態の底面図である。
【
図13】撮影ケーシングがポップアップ状態である部分的な正面図である。
【
図14】撮影ケーシングがポップアップ状態である部分的な背面図である。
【
図15】撮影ケーシングが
格納状態である端末の形態の平面図である。
【
図16】撮影ケーシングが
格納状態である端末の形態の左側面図である。
【
図17】撮影ケーシングが
格納状態である端末の形態の正面図である。
【
図18】撮影ケーシングが
格納状態である端末の形態の右側面図である。
【
図19】撮影ケーシングが
格納状態である端末の形態の背面図である。
【
図20】撮影ケーシングが
格納状態である端末の形態の底面図である。
【
図22】撮影ケーシングのポップアップ過程と
格納過程のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、例示的な実施例について詳細に説明し、その実例は図面に表わす。下記の説明において、図面に関する説明に対して別々のことを表わさない場合、異なる図面で表わす同じ数字は同一または類似するの要素を表わす。下記の例示的な実施例で説明している実施方式は、本開示と一致するすべての実施方式を代表するものではない。逆に、これらは添付されている請求の範囲に記載される本開示の一方面と一致する装置および方法の一例にすぎない。
【0022】
図1を参照すると、これは、本公開の一例示的な実施例で提供されるポップアップ式撮影モジュールの構造例示図を示す。上記ポップアップ式撮影モジュールは、モジュールケーシング10、撮影ケーシング21、n個のコイル22、第1磁石23及び第2磁石24を含み、nは1以上の整数である。
【0023】
本公開の実施例において、前記カメラは、フロントカメラであることができ、後カメラであることもできる。本公開の実施例は、これについて限定しない。カメラを使用する場合は、ポップアップ式撮影モジュール中の撮影ケーシング21は、ポップアップ状態で、端末の外部に露出され、カメラを使用していない場合は、ポップアップ式撮影モジュールの撮影ケーシング21は、格納状態であり、端末内部に隠す。
【0024】
本公開の実施例において、前記カメラの種類について限定しない。例えば、上記カメラは、シミュレーションカメラであることができ、デジタルカメラであることもできる。カメラがシミュレーションカメラの場合、より高い画素を提供することができる。
【0025】
ただし、ポップアップ式撮影モジュールは、1つまたは複数のカメラを含むことができ、それぞれのカメラは、同じ機能を実現でき、または異なる機能を実現することもできる。本公開の実施例は、これについて限定しない。
【0026】
上記モジュールケーシング10には、撮影ケーシング21のポップアップホールが形成され、撮影ケーシング21上方の内部には、カメラ(図示せず)が備えられる。撮影ケーシング21がポップアップホールを通って端末外部に露出される場合には、撮影ケーシング21内のカメラは撮影することができる。
【0027】
オプションで、前記モジュールケーシング10は、立方体形状であることができる。
【0028】
オプションで、前記撮影ケーシング21のカメラのレンズと反対の一面には、レンズシートが設置されて、カメラを保護することができる。
【0029】
本公開の実施例において、前記モジュールケーシング10は端末に固定されて、ポップアップ式撮影モジュール全体を支持することができ、同時にポップアップ式撮影モジュールと端末内部の他の部材を隔離することができるので、シール、ほこり防止、防水などの機能を実現することができる。
【0030】
上記n個のコイル22は、並列されるように具備され、軸方向に撮影ケーシング21の下方の外壁を囲むことができる。上記n個のコイル22は、コイルアレイを形成する。オプションで、前記n個のコイル22の分布方向は撮影ケーシング21のポップアップと格納方向と一致する。
【0031】
第1磁石23及び第2磁石24は、モジュールケーシング10内に備えられ、n個のコイル22は、第1磁石23と第2磁石24との間に備えられる。
【0032】
一実施例において、前記第1磁石23と第2磁石24は、永久磁石であることができる。他の一実施例において、前記第1磁石23と第2磁石24は、電磁石であることができる。本公開の実施例は、これについて限定しない。
【0033】
オプションで、前記第1磁石23と第2磁石24の極性は、相手になることができる。すなわち、第1磁石23の撮影ケーシング21の一端に近い極性は、第2磁石24の撮影ケーシング21の一端に近い極性と同じであることができる。例えば、
図2を参照すると、第1磁石23の撮影ケーシング21の一端に近い部分は、N極であり、第2磁石24の撮影ケーシング21の一端に近い部分もN極である。また、例えば、
図3を参照すると、第1磁石23の撮影ケーシング21の一端に近い部分は、S極であり、第2磁石24の撮影ケーシング21の一端に近い部分もS極である。
【0034】
撮影ケーシング21のポップアップ過程では、n個のコイル22は、第1電磁界の組み合わせを発生し、第1磁石23と第2磁石24の駆動により、撮影ケーシング21をプッシュしてモジュールケーシング10からポップアップさせる。
【0035】
コイルに電流が通過した後、電磁界を発生することができる。上記電磁界は、磁石の磁場と相互吸引または相互排斥することができる。コイルの電磁界と磁石の磁場との間に互いに吸引する場合には、コイルと磁石は互いに近づき、逆に、コイルの電磁界と磁石の磁場との間に互いに排斥する場合には、コイルと磁石は互いに離れることになる。本公開の実施例において、磁石がモジュールケーシング10内に具備され、モジュールケーシング10が端末に固定されるので、磁石は移動することができず、コイルは磁石に近づいたり離れることができるように移動することができる。
【0036】
オプションで、前記n個のコイルは、第1コイルセット及び第2コイルセットを含むことができる。ここで、第1コイルセットは、モジュールケーシング10のポップアップホールに近い少なくとも一つのコイルを含み、第2コイルセットは、モジュールケーシング10のポップアップホールと離れる少なくとも一つのコイルを含む。
【0037】
ポップアップ過程または格納過程で、第1コイルセットと第2コイルセットは、それぞれ極性が反対の電磁界を発生し、撮影ケーシングのポップアップまたは格納を駆動させることができる。
【0038】
撮影ケーシング21のポップアップ過程では、前記第1電磁界の組み合わせは、第1コイルセットが発生する第1電磁場と第2コイルセットが発生する第2電磁場を含むことができる。ここで、第1電磁は、第1磁石23及び第2磁石24と、互いに吸引する電磁界であり、第2電磁は、第1磁石23及び第2磁石24と、互いに排斥する電磁界である。
【0039】
第1電磁界が第1磁石23及び第2磁石24と、互いに吸引する電磁界の場合、第1磁石23と第2磁石24は、第1コイルセットに対して吸引力を持つので、第1コイルセットを引き出し、モジュールケーシング10のポップアップホールに近い方向に移動させる。第2電磁界が第1磁石23及び第2磁石24と、互いに排斥する電磁界の場合、第1磁石23と第2磁石24は、第2コイルセットに対して排斥力を持つので、第2コイルセットをプッシュして、モジュールケーシング10のポップアップホールに近い方向に移動させる。これにより、n個のコイル22は、第1磁石23と第2磁石24の駆動により、撮影ケーシング21をプッシュして、モジュールケーシング10からポップアップさせる。
【0040】
撮影ケーシング21の格納過程では、n個のコイル22は、第2電磁界の組み合わせを発生し、第1磁石23と第2磁石24の駆動により、撮影ケーシング21をモジュールケーシングに格納させる。
【0041】
第1コイルセットと第2コイルセットに対して前に説明したので、ここでその説明を省略する。
【0042】
撮影ケーシング21の格納過程では、第2電磁界の組み合わせは、第1コイルセットが発生する第3電磁界と第2コイルセットが発生する第4電磁界を含む。ここで、第3電磁は、第1磁石23及び第2磁石24と、互いに排斥する電磁界であり、第4電磁は、第1磁石23及び第2磁石24と、互いに吸引する電磁界である。
【0043】
第3電磁界が第1磁石23及び第2磁石24と、互いに排斥する電磁界の場合、第1磁石23と第2磁石24は、第1コイルセットに対して排斥力を持つので、第1コイルセットをプッシュして、モジュールケーシング10のポップアップホールと離れる方向に移動させる。第4電磁界が第1磁石23及び第2磁石24と、互いに吸引する電磁界の場合、第1磁石23と第2磁石24は、第2コイルセットに対して吸引力を持つので、第2コイルセットを引き出し、モジュールケーシング10のポップアップホールと離れる方向に移動させる。これにより、n個のコイル22が第1磁石23と第2磁石24の駆動により、撮影ケーシング21をモジュールケーシング10に格納させる。
【0044】
オプションで、
図4を参照すると、モジュールケーシング10には、位置制限槽11が備えられる。
図5を参照すると、撮影ケーシング21には、位置制限槽11と対応する位置制限部12が備えられる。ポップアップ過程または
格納過程で、撮影ケーシング21の位置制限部12は、位置制限槽11でスライドする。
【0045】
上記位置制限槽11は、モジュールケーシング10の内壁に備えられる。位置制限槽11は、長方形の槽またはU型槽またはT型槽などであることができる。本公開の実施例は、これについて限定しない。
【0046】
上記位置制限部12は、撮影ケーシング21のモジュールケーシング10のポップアップホールと離れる一側に備えられる。一例示的な実施形態において、前記位置制限部12は、撮影ケーシング21に備えられる位置制限ネジや位置制限ボルトであることができる。上記位置制限スクリューまたは位置制限ボルトは位置制限槽11に対応する。別の一例示的な実施形態において、前記位置制限部12は、撮影ケーシング21に一体に形成されたボス部であることができ、上記ボス部は位置制限槽11に対応する。
【0047】
一方、本公開の実施例において、位置制限槽11の数量について限らず、一つまたは複数個であることができ、これに対応されるように、位置制限部12も一つまたは複数個であることができる。
【0048】
本公開の実施例において、位置制限槽と位置制限部は、互いに対応される。一方面において、撮影ケーシングは、ポップアップ過程または格納過程で、位置制限部は位置制限槽内でスライドし、別の一方面において、位置制限槽の長さが制限されているので、撮影ケーシングの最大移動距離にたいして制限するので、撮影ケーシングがモジュールケーシングから脱離することを防止することができる。
【0049】
オプションで、
図1を参照すると、ポップアップ式撮影モジュールは、第1レール止板25と第2レール止板26をさらに含む。ここで、第1レール止板25は、第1磁石23と撮影ケーシング21との間に備えられ、第2レール止板26は、第2磁石24と撮影ケーシング21との間に備えされる。
【0050】
前記第1レール止板25と第2レール止板26は、モジュールケーシング10の内部の両側に対称となるように備えられ、第1レール止板25が第1磁石23と撮影ケーシング21との間に備えられて、第1磁石23と撮影ケーシング21を隔離させ、第2レール止板26が、第2磁石24と撮影ケーシング21との間に備えられて第2磁石24と撮影ケーシング21を隔離させる。
【0051】
本公開の実施例において、レール止板によって磁石と撮影ケーシングが隔離されるので、撮影ケーシングがポップアップ過程と格納過程で発生する摩擦が磁石に対して損傷させることを避けることができ、また、撮影ケーシングのポップアップと格納に対して良い潤滑性を提供することができる。
【0052】
オプションで、
図5を参考すると、コイルの断面に沿って切開した後の例示図を示す。ポップアップ式撮影モジュールは、磁気シールド層27をさらに含む。磁気シールド層27は、n個のコイル22と撮影ケーシング21との間に備えられる。
【0053】
本公開の実施例において、コイルの内部環に磁気シールド層を備えることにより、コイルが通電された後に発生される電磁界の磁界強度を向上させることができ、カメラの動作の干渉を降下させることができる。
【0054】
オプションで、
図1を参照すると、ポップアップ式撮影モジュールは、n個のコイルと結合する給電回路28をさらに含むことができる。給電回路28は、フレキシブル回路であることができる。上記給電回路28は、n個のコイルに給電する。一方、前記給電回路28は、カメラに給電することができる。
【0055】
上記のように、本開示の実施例のポップアップ式撮影モジュールは、コイルが通電された後、磁石と相互に作用することにより、ポップアップ式撮影モジュールのポップアップと格納を実現することができる。関連技術と比較したとき、モーター、ギアアセンブリ、スクリューなどの機械装置によってポップアップや格納を実現することにたいして、ポップアップ式撮影モジュールの構造の複雑さを降下させることができるだけでなく、占めるスペースも節約することができる。
【0056】
一方、本公開の実施例において、位置制限槽と位置制限部互いに対応されることによって、撮影ケーシングがポップアップ過程または格納過程で、位置制限部は位置制限槽でスライドすることができ、かつ、位置制限槽の長さが制限されることによって、撮影ケーシングの最大移動距離に対して制限することができるので、撮影ケーシングがモジュールケーシングから脱離することを防止することができる。
【0057】
次に、本公開の実施例において、レール止板が磁石と撮影ケーシングを隔離させることで、撮影ケーシングがポップアップ過程と格納過程で発生する摩擦が磁石に対して損傷させることを避けることができ、また、撮影ケーシングのポップアップと格納に対して良い潤滑性を提供することができる。
【0058】
また、本公開の実施例において、コイルの内部環に磁気シールド層を備えることにより、コイルが通電された後に発生される電磁界の磁界強度を向上させ、カメラの動作の干渉を降下させることができる。
【0059】
図6を参照すると、本開示の一例示的な実施形態の端末の構造の例示図を示す。上記端末は、スマートフォン、タブレット、電子書籍リーダー、ゲーム機、ウェアラブル機器、医療機器等であることができる。
【0060】
端末200は、ボディケーシング210、ポップアップ式撮影モジュール220、およびポップアップ式撮影モジュール220に対応する電流制御アセンブリ230を含むことができる。
【0061】
上記ボディケーシング210は、端末200の本体フレームである。ボディケーシング210は、一般的に六面体形状である。上記六面体の一部の端または角は円形円弧面取りを形成することができる。ボディケーシング210の正面は、一般的にフィレ長方形または直角の正方形であることができる。オプションで、ボディケーシング210は、中間フレーム211を含むことができる。中間フレーム211は、ボディケーシング210の周りのフレームである。
【0062】
上記ポップアップ式撮影モジュール220は、モジュールケーシング10、カメラ、撮影ケーシング21、n個のコイル22、第1磁石23及び第2磁石24を含む。nは1より大きい整数である。カメラを使用する場合は、特にフロントカメラを使用する場合は、ポップアップ式撮影モジュール220中の撮影ケーシング21は、ポップアップ状態で端末の外部に露出されるので、撮影ケーシング21内のカメラは撮影することができる。
図7から
図12を参照すると、撮影ケーシングがポップアップ状態の端末の形態の六面図を例示的に示し、順番に、平面図、左側面図、正面図、右側面図、背面図および底面図である。一方、
図13及び
図14を参照すると、撮影ケーシング21がポップアップ状態の部分的な正面図と背面図を例示的に示している。フロントカメラを使用しない場合は、撮影ケーシング21は、
格納状態であり、端末の内部に隠すので、撮影ケーシング21内のカメラを保護することができる。
図15から
図20を参照すると、撮影ケーシングが
格納状態である端末の形態の六面図を例示的に示す図であり、順序に、平面図、左側面図、正面図、右側面図、背面図および底面図である。
【0063】
図21を参照すると、端末の内部構造の例示図を例示的に示している。ポップアップ式撮影モジュール220のモジュールケーシング10がボディケーシング210に固定して結合され、ボディケーシング210と収容キャビティを形成して、撮影ケーシング21が収容キャビティ内に位置する。
【0064】
オプションで、モジュールケーシング10は、ネジ接続、溶接、接着などの方法によりボディケーシング210に固定して結合することができる。
【0065】
ポップアップ式撮影モジュール220に対し、上記で説明したので、ここで、その説明を省略する。
【0066】
前記電流制御アセンブリ230は、給電回路により、ポップアップ式撮影モジュール220のn個のコイル22のそれぞれと結合して、各コイルに供給される電流を独立に制御して電磁界の組み合わせを発生させることができ、磁石の磁場と相互作用して、撮影ケーシング21のポップアップと格納を制御することができる。
【0067】
オプションで、
図6を参照すると、端末200は、ディスプレイ240を含むことができる。ディスプレイ240は、画像と色彩を表示することができる。上記ディスプレイ240は、タッチディスプレイであることができ、タッチディスプレイは、表示する機能以外に、ユーザーのタッチ操作(例えば、クリック、スライド、押しなどの操作)の機能を備える。一方、前記ディスプレイ240は、OLED(Organic Light-Emitting Diode、有機発光ダイオード)スクリーンであることができる。
【0068】
オプションで、前記端末200は、処理アセンブリ250をさらに含むことができる。上記処理アセンブリ250は、端末200全体の中央制御システムであることができ、ロジック部分のコントロールセンターであることができる。処理アセンブリ250は、メモリ内のソフトウェアを実行し、及びメモリ内のデータベースを使用して端末を制御することができる。上記処理アセンブリは、CPU(Central Processing Unit、中央プロセッサ)であることができ、またはMCU(Micro Control Unit、マイクロ処理装置)であることができる。
【0069】
ただし、上記電流制御アセンブリ230は、前記処理アセンブリ250に集成されることができ、または、処理アセンブリ250とは別に設置されて処理アセンブリ250と結合することができる。
【0070】
一方、前記端末200は、電源260をさらに含むことができる。前記電源260は、端末200の全体部材に電力を供給する。本公開の実施例において、前記電源260は、電流制御アセンブリ230と処理アセンブリ250とそれぞれ結合されて電流制御アセンブリ230と処理アセンブリ250に電源を供給することができる。
【0071】
上記のように、本開示の実施形態の端末は、ポップアップ式撮影モジュールを含むことができる。上記ポップアップ式撮影モジュールは、電流制御アセンブリの制御により、撮影ケーシングのポップアップと格納を実現することができる。関連技術と比較したとき、モーター、ギアアセンブリ、スクリューなどの機械装置によってポップアップや格納を実現することにたいして、ポップアップ式撮影モジュール構造の複雑さを降下させただけでなく、占める空間も節約することができる。
【0072】
以下、端末200のポップアップ式撮影モジュール220の撮影ケーシング21のポップアップ過程と格納過程について詳細に説明する。本実施例において、電流制御アセンブリ230と処理アセンブリ250は、互いに独立して端末200に備えられる。
【0073】
図22を参照すると、撮影ケーシング21のポップアップ過程と
格納過程のフローチャートを例示的に示している。
【0074】
端末200の処理アセンブリ250は、ユーザーが端末200を操作してトリガされたコマンドを受信する。上記のコマンドは、カメラポップアップコマンドまたはカメラ格納コマンドであることができる。処理アセンブリ250は、上記コマンドを電流制御アセンブリ230に発送する。電流制御アセンブリ230は、給電回路によって撮影ケーシングのn個のコイル22の中の各コイルの電流を制御して、撮影ケーシング21のポップアップまたは格納を制御する。ここで、電源260は、前記電流制御アセンブリ230と処理アセンブリ250に電源を供給する。
【0075】
つぎに、電流制御アセンブリ230が撮影ケーシング21のポップアップを制御する過程と格納を制御する過程について説明する。
【0076】
1、撮影ケーシング21のポップアップ過程では、電流制御アセンブリ230は、カメラポップアップコマンドを受信し、カメラポップアップコマンドに基づいて、n個のコイル22に第1電流を供給するように給電回路を制御して、n個のコイル22が第1電磁界の組み合わせを発生するようにする。
【0077】
上記カメラポップアップコマンドは、電流制御アセンブリ230がn個のコイル22に第1電流を供給するようにするためのコマンドである。カメラポップアップコマンドは、撮影アプリケーションを操作して、トリガすることができる。端末は、上記の撮影アプリケーションを利用して、カメラを使用することができる。上記撮影アプリケーションは、オペレーティングシステム自体が持っている撮影アプリケーションであることができ、第3者が提供する撮影アプリケーションであることもできる。本公開の実施例は、これについて限定しない。前記第3者が提供する撮影アプリケーションは、オペレーティングシステムの最初にインストールされるか、ユーザーがダウンしてインストールされることもできる。
【0078】
ユーザーは端末にインストールされた撮影アプリケーションのアイコンをクリックして、端末で上記撮影アプリケーションを動作させることができる。また、ユーザーは、音声の方式を用いて上記撮影アプリケーションを動作させることができる。例えば、ユーザーは「カメラ起動」の音声を録音して、対応的に、端末が上記音声を収集した後、前記撮影アプリケーションを操作することができる。端末は、上記の撮影アプリケーションを操作した後、上記撮影アプリケーションを利用して、カメラが撮影できるようにすることができる。
【0079】
一方、端末に実体ボタンまたはタッチコントロールボタンを設置したり、またはユーザーの音声、手の姿勢トリガーなどにより撮影アプリケーションを操作して、前記カメラのポップアップコマンドをトリガすることができる。
【0080】
電流制御アセンブリは、前記カメラのポップアップコマンドを受信した後、現在の撮影ケーシング21のポップアップが必要であることを知って、電流制御アセンブリは、給電回路を制御してn個のコイル22に第1電流を供給する。前記第1電流は、n個のコイル22が第1電磁界の組み合わせが発生するようにする。前記第1電磁組み合わせは、第1コイルセットが発生する第1電磁場と第2コイルセットが発生する第2電磁場を含む。ここで、第1電磁は、第1磁石及び第2磁石と互いに吸引する電磁界であり、第2電磁は、第1磁石及び第2磁石と互いに排斥する電磁界であるので、撮影ケーシングのポップアップを駆動することができる。
【0081】
2、撮影ケーシング21の格納過程では、電流制御アセンブリ230は、カメラの格納コマンドを受信する。カメラ格納コマンドに基づいて、n個のコイル22に第2電流を供給するように給電回路を制御して、n個のコイルが第2電磁界の組み合わせを発生するようにする。
【0082】
撮影ケーシング21のポップアップ過程と対応するように、前記カメラ格納コマンドは、電流制御アセンブリ230がn個のコイル22に第2電流を提供するようにするコマンドである。カメラ格納コマンドは、撮影アプリケーションをオフすることにより、トリガされることができる。
【0083】
電流制御アセンブリ230は、前記カメラの格納コマンドを受信した後、現在の撮影ケーシング21を格納する必要があることを知って、電流制御アセンブリは、給電回路を制御してn個のコイル22に第2電流を供給する。前記第2電流は、n個のコイル22が第2電磁界の組み合わせを発生するようにする。前記第2電磁組み合わせは、第1コイルセットが発生する第3電磁界と第2コイルセットが発生する第4電磁界を含む。ここで、第3電磁界は、第1磁石23及び第2磁石24と、互いに排斥する電磁界であり、第4電磁界は、第1磁石23及び第2磁石24と、互いに吸引する電磁界であるので、撮影ケーシング21の格納を駆動することができる。
【0084】
オプションで、前記電流制御アセンブリ230には、電流変化の情報が保存されることができる。電流変化の情報は、各コイルがポップアップ過程と格納過程中の電流が時間の経過に応じて変化する状況を示す。
【0085】
前記電流変化の情報は、電流制御アセンブリ230にあらかじめ保存することができる。撮影ケーシング21のポップアップ過程または格納過程で、前記電流変化の情報を直接使用することができる。前記電流変化の情報は、一つの周期(撮影ケーシング21のポップアップ過程と格納過程を含む)のうち、電流が時間の流れに沿って変化する曲線であることができる。
【0086】
図23を参照すると、電流の変化曲線の例図を例示的に示している。前記電流変化曲線は、ポップアッププロセスの電流変化曲線と
格納過程の電流変化曲線を含む。
【0087】
ここで、曲線inは、第n個のコイルのうち電流の変化を示す。例えば、曲線i1は第1のコイルの中の電流の変化を示し、曲線i2は第2のコイルの中の電流の変化を示し、曲線i3は、第3のコイルの中の電流の変化などを示す。Imaxは、全体の周期中の電流の最大値を示し、-Imaxは全体の周期の中で、逆電流の最大値を示し、tは時間を示す。
【0088】
図23からわかるように、前記電流の変化曲線は、正弦曲線と類似している。これは、第1磁石23と第2磁石24の極性が相対であるので、第1磁石23と第2磁石24との間には、磁場強度が最も弱い位置が示し、上記の位置の両側の磁気ラインは、互いに反対である。したがって、第1磁石23と第2磁石24の磁石両端(つまり磁場強度が最も大きい)の位置でのみ電流を最大に印加して、コイルの推進効率を向上させ、発熱を減らし、電気消費を降下させることができる。
【0089】
本公開の実施例において、電流制御アセンブリは、n個のコイルのうち、各コイルの電流変化の情報を事前に保存する。電流制御アセンブリは、前記電流変化の情報を直接使用してn個のコイルのうちの電流を制御して、撮影ケーシングのポップアップと格納を制御することができる。関連技術と比較したとき、モーター、ギアアセンブリ、スクリューなどの機械装置を使用することにたいして、撮影ケーシングのポップアップと格納効率を向上させることができ、ポップアップや格納の時間を短縮させることができる。
【0090】
理解すべきことは、本文に記載されている「複数個」は、2つまたは2つ以上を指す。「および/または」は、関連対象の関連関係を説明し、これは3つの関係が存在する。例えば、Aおよび/またはBは、Aが単独で存在するか、AとBが同時に存在するか、Bが単独で存在する3つの状況を示すことができ、符号「/」は、前後の関連対象が「または」との関係を指す。
【0091】
以上、本公開例示的な実施例は、本開示を限定するものではない。本開示の精神および原則に属するものであれば、いかなる修正、等価交換と改善などはすべて本開示の保護範囲に含まれる。