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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-06
(45)【発行日】2024-02-15
(54)【発明の名称】収納容器および収納庫
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/40 20160101AFI20240207BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20240207BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240207BHJP
   H01F 38/14 20060101ALI20240207BHJP
   H04M 1/11 20060101ALI20240207BHJP
【FI】
H02J50/40
H02J50/10
H02J7/00 301D
H02J7/00 301B
H01F38/14
H04M1/11 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020004034
(22)【出願日】2020-01-15
(65)【公開番号】P2021112080
(43)【公開日】2021-08-02
【審査請求日】2022-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000214836
【氏名又は名称】長野日本無線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104787
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 伸司
(72)【発明者】
【氏名】小林 茂
【審査官】佐藤 卓馬
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-141170(JP,A)
【文献】特開2018-038211(JP,A)
【文献】特開2016-092145(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/40
H02J 50/10
H02J 7/00
H01F 38/14
H04M 1/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状の底板と、
前記底板の上面に当該底板の幅方向に沿って起立した状態で配置された複数の仕切り板とを備えて、隣接する各一対の前記仕切り板の各対向面と前記底板の上面とで区画されて形成された複数の収納エリア内に、受電コイルを有する携帯端末を1台ずつ縦置き収納可能な収納容器であって、
複数の副送電コイルが直列接続されて構成されると共に1つの交流電源によって駆動されて前記受電コイルに給電する送電コイルを備え、
各前記収納エリアを構成する前記各対向面を前記底板の奥行き方向に沿って第1領域および第2領域の2つに分割したときに、当該各対向面のうちの前記幅方向に沿って同じ第1方向に向く一方の対向面における前記第1領域のそれぞれに前記副送電コイルが1つずつ配設され、かつ当該各対向面のうちの前記幅方向に沿って前記第1方向とは逆向きの第2方向に向く他方の対向面における前記第2領域のそれぞれに前記副送電コイルが1つずつ配設されている収納容器。
【請求項2】
平板状の底板と、
前記底板の上面に当該底板の幅方向に沿って起立した状態で配置された複数の仕切り板とを備えて、隣接する各一対の前記仕切り板の各対向面と前記底板の上面とで区画されて形成された複数の収納エリア内に、受電コイルを有する携帯端末を1台ずつ縦置き収納可能な収納容器であって、
複数の第1副送電コイルが直列接続されて構成されると共に1つの交流電源によって駆動されて前記受電コイルに給電する第1送電コイルと、
複数の第2副送電コイルが直列接続されて構成されると共に他の1つの交流電源によって駆動されて前記受電コイルに給電する第2送電コイルとを備え、
各前記収納エリアを構成する前記各対向面を前記底板の奥行き方向に沿って第1領域および第2領域の2つに分割したときに、当該各対向面のうちの前記幅方向に沿って同じ第1方向に向く一方の対向面における前記第1領域のそれぞれに前記第1副送電コイルが1つずつ配設され、かつ当該各対向面のうちの前記幅方向に沿って前記第1方向とは逆向きの第2方向に向く他方の対向面における前記第2領域のそれぞれに前記第2副送電コイルが1つずつ配設されている収納容器。
【請求項3】
平板状の底板と、前記底板の上面に当該底板の幅方向に沿って起立した状態で配置された複数の仕切り板とを備えて、隣接する各一対の前記仕切り板の各対向面と前記底板の上面とで区画されて形成された複数の収納エリア内に、受電コイルを有する携帯端末を1台ずつ縦置き収納可能な収納容器であって、複数の副送電コイルが直列接続されて構成されると共に1つの交流電源によって駆動されて前記受電コイルに給電する送電コイルを備え、各前記収納エリアを構成する前記各対向面のうちの前記幅方向に沿って同一方向に向く一方の対向面のそれぞれに前記副送電コイルが1つずつ配設されている収納容器を上面に1または2以上載置可能な1または2以上の棚板と、前記交流電源と、前記棚板および前記交流電源が内部に配置された箱状の筐体とを備えている収納庫であって、
前記収納容器の前記底板には、前記送電コイルに接続された第1コイルが配設され、
前記棚板における前記収納容器の載置部位には、当該載置部位に載置された当該収納容器の前記第1コイルと結合する第2コイルが前記交流電源に接続された状態で配設され、
前記交流電源は、前記第2コイルおよび前記第1コイルを介して前記送電コイルを駆動する収納庫。
【請求項4】
請求項記載の収納容器を上面に1または2以上載置可能な1または2以上の棚板と、前記交流電源と、前記棚板および前記交流電源が内部に配置された箱状の筐体とを備えている収納庫であって、
前記収納容器の前記底板には、前記送電コイルに接続された第1コイルが配設され、
前記棚板における前記収納容器の載置部位には、当該載置部位に載置された当該収納容器の前記第1コイルと結合する第2コイルが前記交流電源に接続された状態で配設され、
前記交流電源は、前記第2コイルおよび前記第1コイルを介して前記送電コイルを駆動する収納庫。
【請求項5】
請求項記載の収納容器を上面に1または2以上載置可能な1または2以上の棚板と、前記交流電源と、前記棚板および前記交流電源が内部に配置された箱状の筐体とを備えている収納庫であって、
前記収納容器の前記底板には、前記第1送電コイルおよび前記第2送電コイルに接続された第1コイルが配設され、
前記棚板における前記収納容器の載置部位には、当該載置部位に載置された当該収納容器の前記第1コイルと結合する第2コイルが前記交流電源に接続された状態で配設され、
前記交流電源は、前記第2コイルおよび前記第1コイルを介して前記第1送電コイルおよび前記第2送電コイルを駆動する収納庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートフォンやタブレットなどの携帯端末を複数収納可能であって各携帯端末に同時に給電(複数の携帯端末を同時に充電)可能な収納容器、およびこの収納容器を載置可能な棚板を備えて収納容器に収納された携帯端末に同時に給電し得る収納庫に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の収納庫として、下記の非特許文献1には、収納容器としてのワイヤレス充電トレイが筐体としてのモバイルラックに上下方向に間隔を空けて複数搭載されて構成されたスマホ充電保管庫が開示されている。各ワイヤレス充電トレイの上面には、Qi規格対応の同じワイヤレス充電器(ワイヤレスチャージャー)がトレイの幅方向に沿って横にした状態(携帯端末を載せる上面がほぼ水平になる状態)で複数並べて設置されている。各ワイヤレス充電器は、給電用の平面コイルと、直流電圧(例えば、USB規格の給電仕様での代表的な直流電圧である5V)の供給を受けて動作して、平面コイルを駆動するための百kHz程度の駆動パルスを生成して平面コイルに出力する駆動回路の構成部品が実装された回路基板とが、円板状のケースに収納されて構成されている。また、スマホ充電保管庫では、上記の直流電圧を生成するための電源装置がモバイルラックの内部に収納されている。
【0003】
このスマホ充電保管庫は、携帯端末がQi規格対応の機種であれば、充電ケーブルを接続しなくてもワイヤレス充電トレイに設置されたワイヤレス充電器の上に置くだけで手軽に充電することができるというメリットと、コネクタがむき出しの状態で先端に取り付けられた充電ケーブルを不要にできることから、漏電事故や短絡事故などの発生を防止することができるというメリットとを備えている。
【0004】
しかしながら、このスマホ充電保管庫では、上記のようなメリットを備えているものの、複数の携帯端末を各ワイヤレス充電トレイの上面にほぼ水平の状態で(平面的に)トレイの幅方向に沿って並べて載置する構成のため、携帯端末の収納効率がよくないという課題が存在している。そこで、本願出願人は、下記の非特許文献2に開示されているタブレット収納保管庫のような、各トレイの上面に仕切り板を一定の間隔(携帯端末の厚みを超える間隔。例えば、30mm~40mm程度の間隔)で配置すると共に隣接する仕切り板の間に携帯端末(タブレットなど)を縦置き収納する構成の保管庫に対して、上記のワイヤレス充電器を縦置きで各仕切り板に配置して、携帯端末の収納効率を向上させる収納庫(非接触給電装置)を開発した。この収納庫により、ワイヤレス充電を採用することによる上記のメリットを維持しつつ、携帯端末の収納効率についても向上させることが可能となる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】”スマホ充電保管庫「モバイルラック」用ワイヤレス充電トレイ”、[online]、CenterPEER、[令和元年12月19日検索]、インターネット(URL:https://www.centerpeer.com/casestudies/5916.html/)
【文献】”タブレット収納保管庫”、[online]、SANWA SUPPLY、[令和元年12月19日検索]、インターネット(URL:https://sanwa.co.jp/product/syohin.asp?code=CAI-CAB26WN)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、本願出願人が開発した上記の収納庫について再度、検討を行った結果、上記のワイヤレス充電器は、平面コイルだけでなく、平面コイル用の駆動回路もケース内に収納されている構成のため、このワイヤレス充電器には、給電動作時に、平面コイルの発熱に駆動回路の発熱が加わることから全体としての発熱が大きくなることがあるという課題が存在することを見い出した。また、このような場合には、ワイヤレス充電器自体の温度、ひいてはこのワイヤレス充電器で充電されている携帯端末の温度も上昇するという改善すべき課題が存在していることも見い出した。
【0007】
本発明は、かかる課題を改善すべくなされたものであり、携帯端末を縦置き収納として収納効率を向上させつつ、給電中の発熱による携帯端末の温度上昇を抑制し得る収納容器、およびこの収納容器を収納し得る収納庫を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成すべく請求項記載の収納容器は、平板状の底板と、前記底板の上面に当該底板の幅方向に沿って起立した状態で配置された複数の仕切り板とを備えて、隣接する各一対の前記仕切り板の各対向面と前記底板の上面とで区画されて形成された複数の収納エリア内に、受電コイルを有する携帯端末を1台ずつ縦置き収納可能な収納容器であって、複数の副送電コイルが直列接続されて構成されると共に1つの交流電源によって駆動されて前記受電コイルに給電する送電コイルを備え、各前記収納エリアを構成する前記各対向面を前記底板の奥行き方向に沿って第1領域および第2領域の2つに分割したときに、当該各対向面のうちの前記幅方向に沿って同じ第1方向に向く一方の対向面における前記第1領域のそれぞれに前記副送電コイルが1つずつ配設され、かつ当該各対向面のうちの前記幅方向に沿って前記第1方向とは逆向きの第2方向に向く他方の対向面における前記第2領域のそれぞれに前記副送電コイルが1つずつ配設されている。
【0010】
また、請求項記載の収納容器は、平板状の底板と、前記底板の上面に当該底板の幅方向に沿って起立した状態で配置された複数の仕切り板とを備えて、隣接する各一対の前記仕切り板の各対向面と前記底板の上面とで区画されて形成された複数の収納エリア内に、受電コイルを有する携帯端末を1台ずつ縦置き収納可能な収納容器であって、複数の第1副送電コイルが直列接続されて構成されると共に1つの交流電源によって駆動されて前記受電コイルに給電する第1送電コイルと、複数の第2副送電コイルが直列接続されて構成されると共に他の1つの交流電源によって駆動されて前記受電コイルに給電する第2送電コイルとを備え、各前記収納エリアを構成する前記各対向面を前記底板の奥行き方向に沿って第1領域および第2領域の2つに分割したときに、当該各対向面のうちの前記幅方向に沿って同じ第1方向に向く一方の対向面における前記第1領域のそれぞれに前記第1副送電コイルが1つずつ配設され、かつ当該各対向面のうちの前記幅方向に沿って前記第1方向とは逆向きの第2方向に向く他方の対向面における前記第2領域のそれぞれに前記第2副送電コイルが1つずつ配設されている。
【0011】
また、請求項3記載の収納庫は、平板状の底板と、前記底板の上面に当該底板の幅方向に沿って起立した状態で配置された複数の仕切り板とを備えて、隣接する各一対の前記仕切り板の各対向面と前記底板の上面とで区画されて形成された複数の収納エリア内に、受電コイルを有する携帯端末を1台ずつ縦置き収納可能な収納容器であって、複数の副送電コイルが直列接続されて構成されると共に1つの交流電源によって駆動されて前記受電コイルに給電する送電コイルを備え、各前記収納エリアを構成する前記各対向面のうちの前記幅方向に沿って同一方向に向く一方の対向面のそれぞれに前記副送電コイルが1つずつ配設されている収納容器を上面に1または2以上載置可能な1または2以上の棚板と、前記交流電源と、前記棚板および前記交流電源が内部に配置された箱状の筐体とを備えている収納庫であって、前記収納容器の前記底板には、前記送電コイルに接続された第1コイルが配設され、前記棚板における前記収納容器の載置部位には、当該載置部位に載置された当該収納容器の前記第1コイルと結合する第2コイルが前記交流電源に接続された状態で配設され、前記交流電源は、前記第2コイルおよび前記第1コイルを介して前記送電コイルを駆動する。
また、請求項4記載の収納庫は、請求項記載の収納容器を上面に1または2以上載置可能な1または2以上の棚板と、前記交流電源と、前記棚板および前記交流電源が内部に配置された箱状の筐体とを備えている収納庫であって、前記収納容器の前記底板には、前記送電コイルに接続された第1コイルが配設され、前記棚板における前記収納容器の載置部位には、当該載置部位に載置された当該収納容器の前記第1コイルと結合する第2コイルが前記交流電源に接続された状態で配設され、前記交流電源は、前記第2コイルおよび前記第1コイルを介して前記送電コイルを駆動する。
【0012】
また、請求項5記載の収納庫は、請求項記載の収納容器を上面に1または2以上載置可能な1または2以上の棚板と、前記交流電源と、前記棚板および前記交流電源が内部に配置された箱状の筐体とを備えている収納庫であって、前記収納容器の前記底板には、前記第1送電コイルおよび前記第2送電コイルに接続された第1コイルが配設され、前記棚板における前記収納容器の載置部位には、当該載置部位に載置された当該収納容器の前記第1コイルと結合する第2コイルが前記交流電源に接続された状態で配設され、前記交流電源は、前記第2コイルおよび前記第1コイルを介して前記第1送電コイルおよび前記第2送電コイルを駆動する。
【発明の効果】
【0013】
求項記載の収納庫では、収納容器に収納された各携帯端末に対して非接触給電(ワイヤレス給電)するための送電コイルを構成する複数の副送電コイルは、互いに直列に接続されて、共通の入力端子に供給される駆動信号によって駆動される(つまり、1つの交流電源によって駆動される)。したがって、この収納庫によれば、各副送電コイルが配設された仕切り板に駆動回路を設ける必要が無いことから、駆動回路を配設しない分だけ仕切り板の厚みを薄くできると共に、仕切り板における発熱を少なくすることができるため、携帯端末を縦置き収納するときの収納効率を向上させつつ、給電中の発熱による携帯端末の温度上昇を抑制することができる。
【0014】
請求項1,2記載の収納容器およびこの収納容器のうちのいずれかが載置された請求項4,5記載の収納庫によれば、副送電コイルが各収納エリアを構成する一対の対向面のそれぞれに配設されているため、上記した収納容器および収納庫と同等の効果を発揮しつつ、向きを意識することなく携帯端末を収納エリアに収納して携帯端末に効率よく給電することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】収納容器1Aの構成を説明するための斜視図である。
図2】収納容器1Aの構成を説明するための正面図である。
図3】収納容器1Aに配設された送電コイル4Aに関する電気回路図である。
図4図3に示す電気回路の各構成要素の収納容器1Aでの配置を説明するための説明図である。
図5】収納容器1Aへの携帯端末100(携帯端末100~携帯端末100)の収納状態を説明するための斜視図である。
図6】収納容器1Aへの携帯端末100(携帯端末100~携帯端末100)の収納状態を説明するための正面図である。
図7】収納容器1Aに携帯端末100(携帯端末100~携帯端末100)が収納されている状態での収納容器1Aから各携帯端末100への給電動作を説明するための説明図である。
図8】収納庫50の正面図である。
図9】収納庫50への収納容器1A(1B)の収納状態を説明するための斜視図である。
図10】携帯端末100(携帯端末100~携帯端末100)が収納された収納容器1Aを収納庫50の棚板51に載置した状態での収納容器1A側の電気回路および収納庫50側の電気回路の電気回路図である。
図11】収納容器1Bの構成を説明するための斜視図である。
図12】収納容器1Bの電気回路の各構成要素についての収納容器1Bでの配置を説明するための説明図である。
図13】収納容器1Bの電気回路の各構成要素についての収納容器1Bでの他の配置を説明するための説明図である。
図14】携帯端末100に装着して使用するカバー110a,110bの構成を説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、収納容器および収納庫の実施の形態について説明する。
【0017】
まず、収納容器の一例としての収納容器1Aの構成について図面を参照して説明する。
【0018】
収納容器1Aは、図1,2に示すように、底板2、複数(n個。nは2以上の整数)の仕切り板(本例では一例として、5個の仕切り板3,3,3,3,3。以下、特に区別しないときには仕切り板3ともいう)、および送電コイル4Aを備えている。
【0019】
底板2は、上面2aにおける後述する携帯端末100の載置領域が平坦な平板状に形成されている。なお、図示はしないが、底板2の上面2aにおける周縁部分には、仕切り板3よりも高さの低い壁部が全周に亘って起立した状態で形成されていてもよい。底板2の上記の載置領域には、後述する収納エリアARが複数形成されて、各収納エリアARには携帯端末100が縦置き収納されるが、このようにして底板2の周縁部分に壁部を形成することにより、収納容器1Aがトレイ形状(お盆形状)となって(つまり、収納容器1Aがトレイ(お盆)として機能して)、携帯端末100が収納エリアARから滑り落ちないようにすることが可能となる。
【0020】
各仕切り板3,3,3,3,3は、底板2の上面2aに底板2の幅方向(矢印Aで示す方向。幅方向Aともいう)に沿って、起立した状態で(具体的には、仕切り板3同士がほぼ平行となるように起立した状態で)で配置されている。この構成により、収納容器1Aでは、隣接する各一対の仕切り板3の各対向面と底板2の上面2aとで区画されて形成された複数の収納エリアAR内に、受電コイル101を有する携帯端末100を1台ずつ縦置き収納可能となっている(図5,6参照)。
【0021】
本例では、仕切り板3は、仕切り板3,3,3,3,3の5つであることから、隣接する一対の仕切り板3,3の各対向面(仕切り板3における幅方向Aに向く2つの壁面11,12のうちの仕切り板3側の壁面12(以下、対向面12ともいう)と、仕切り板3における幅方向Aに向く2つの壁面11,12のうちの仕切り板3側の壁面11(以下、対向面11ともいう))と、上面2aとで区画されて、1つ目の収納エリアARが形成される。また、一対の仕切り板3,3の各対向面(仕切り板3の仕切り板3側の壁面12(以下、対向面12ともいう)と、仕切り板3における幅方向Aに向く2つの壁面11,12のうちの仕切り板3側の壁面11(以下、対向面11ともいう))と、上面2aとで区画されて、2つ目の収納エリアARが形成される。また、一対の仕切り板3,3の各対向面(仕切り板3の仕切り板3側の壁面12(以下、対向面12ともいう)と、仕切り板3における幅方向Aに向く2つの壁面11,12のうちの仕切り板3側の壁面11(以下、対向面11ともいう))と、上面2aとで区画されて、3つ目の収納エリアARが形成される。また、一対の仕切り板3,3の各対向面(仕切り板3の仕切り板3側の壁面12(以下、対向面12ともいう)と、仕切り板3における幅方向Aに向く2つの壁面11,12のうちの仕切り板3側の壁面11(以下、対向面11ともいう))と、上面2aとで区画されて、4つ目の収納エリアARが形成される。
【0022】
本例では一例として、携帯端末100は1種類であることから、この携帯端末100の厚みに合わせて、この厚みよりも若干広めの等間隔で各仕切り板3が配置されているため、各収納エリアAR~ARは、ほぼ同じ広さ(幅)に形成されている。なお、図示はしないが、収納する携帯端末100が2種類以上であって、厚みが異なるときには、各収納エリアAR~ARは、収納される携帯端末100の厚みに合わせた広さ(幅)にする必要があることから、各仕切り板3の間隔は、収納される携帯端末100の厚みに合わせて個別に規定される(この場合、各仕切り板3は非等間隔で配置される)。
【0023】
送電コイル4Aは、図3に示すように、複数(n-1個。本例ではnは5であることから、4個)の副送電コイル(平板状のコイル)21,21,21,21。以下、特に区別しないときには副送電コイル21ともいう)がこの順番で直列接続されて構成されている。本例では、送電コイル4Aは、磁界共振結合方式の非接触給電(ワイヤレス給電)を行うことから、副送電コイル21およびこの副送電コイル21に直列接続された共振コンデンサ22,23で構成される直列回路、副送電コイル21およびこの副送電コイル21に直列接続された共振コンデンサ22,23で構成される直列回路、副送電コイル21およびこの副送電コイル21に直列接続された共振コンデンサ22,23で構成される直列回路、並びに副送電コイル21およびこの副送電コイル21に直列接続された共振コンデンサ22,23で構成される直列回路が直列に接続されて構成されている。なお、各共振コンデンサ22,23、各共振コンデンサ22,23、各共振コンデンサ22,23、および各共振コンデンサ22,23については、特に区別しないときには、共振コンデンサ22,23ともいう。また、送電コイル4Aは、一対の入力端子24,25に供給される高周波交流信号(例えば、MHz帯の交流信号)としての駆動信号S1によって駆動される。また、各副送電コイル21に接続する共振コンデンサについては、2つの共振コンデンサ22,23を接続する構成に限定されるものではなく、1つの共振コンデンサ(共振コンデンサ22,23のうちのいずれか1つ)を接続する構成を採用することもできる。
【0024】
また、送電コイル4Aを構成する各副送電コイル21は、各収納エリアAR,AR,AR,ARを構成する各対向面のうちの幅方向Aに沿って同一方向に向く一方の対向面のそれぞれに1つずつ配設されている。具体的には、本例では一例として、図1,2に示すように、幅方向A(各図中の左右方向)に沿って同一方向(左方向)を向く一方の対向面(収納エリアARを形成する対向面11、収納エリアARを形成する対向面11、収納エリアARを形成する対向面11、収納エリアARを形成する対向面11)に、副送電コイル21,21,21,21がそれぞれ配設されている。
【0025】
また、本例では、送電コイル4Aは、図1,4に示すように、入力端子24を基端として仕切り板3側から仕切り板3に向けて、各仕切り板3,3,3,3を乗り越えるようにして、かつ共振コンデンサ22,22,22,22が介装された状態で延びる一つの線状導体と、入力端子25を基端として仕切り板3側から仕切り板3に向けて、各仕切り板3,3,3,3を乗り越えるようにして、かつ共振コンデンサ23,23,23,23が介装された状態で上記の一つの線状導体と平行に延びる他の線状導体とが、仕切り板3の壁面11、仕切り板3の壁面11、仕切り板3の壁面11、および仕切り板3の壁面11において互いの間隔が広く形成されることで、副送電コイル21,21,21,21として機能するように構成されている。また、この2つの線状導体は、先端側(仕切り板3側)において接続されている。なお、副送電コイル21,21,21,21については、上記の構成に限定されるものではなく、図示はしないが、線状導体が仕切り板3の壁面11、仕切り板3の壁面11、仕切り板3の壁面11、および仕切り板3の壁面11において平板状に複数巻回されて平面コイルとして形成されたものであってもよい。
【0026】
また、図1,2では、理解の容易のため、各共振コンデンサ22,23については図示していないが、図4に示す各仕切り板3の各2つの壁面11,12および上端面13(仕切り板3~3の各上端面13,13,13,13,13図2参照)についての展開図(上面2aを介して連続する展開図)において示されるように、本例では一例として、各共振コンデンサ22,23は、各収納エリアARを形成する一対の対向面のうちの幅方向Aに沿って他の同一方向(右方向)を向く他方の対向面に配設する構成を採用している。なお、各共振コンデンサ22,23の配置については、この構成に限定されるものではなく、対応する副送電コイル21と同じ壁面に配設したり、上端面13に配設したりする構成を採用してもよい。
【0027】
また、収納容器1Aでは、入力端子24,25に供給される駆動信号S1については、本例では一例として、底板2の下面側に配設された第1コイル31から例えばジャイレータ/整合回路32(図10参照)を介して供給される。この第1コイル31は、後述する収納庫50に配設された後述の棚板51に内蔵されている送電コイルとしての第2コイル55と結合する受電コイルとして機能する。また、収納庫50側の第2コイル55は、収納庫50に内蔵された後述の交流電源52によって駆動される(交流電源52から出力される高周波交流信号で駆動される)。この構成により、本例の収納容器1Aでは、駆動信号S1については、収納庫50側の交流電源52から非接触(ワイヤレス)で送電コイル4Aに供給される。
【0028】
以上のように構成された収納容器1Aでは、図5,6に示すように、受電コイル101,101,101,101(以下、特に区別しないときには、受電コイル101ともいう)を有する携帯端末100,100,100,100(以下、特に区別しないときには、携帯端末100ともいう)が、各収納エリアAR,AR,AR,AR内に1台ずつ縦置き収納される。この場合、携帯端末100では、通常は、液晶や有機LEなので構成されたディスプレイが正面に配設され、受電コイル101が背面に配設されている。したがって、携帯端末100は、収納容器1A側の副送電コイル21から受電コイル101に効率よく電力供給されるように、図5,6に示すように、受電コイル101が副送電コイル21と近接する向きで収納エリアAR内に収納される。
【0029】
携帯端末100,100,100,100が収納エリアAR,AR,AR,AR内に収納された状態での収納容器1A側の送電コイル4A(副送電コイル21,21,21,21)と各携帯端末100内部の受電コイル101を含む電気回路とについての接続図を図7に示す。なお、本例の収納容器1A側の送電コイル4Aについては上記したように共振コンデンサ22,23が直列に接続されており、同図では、この送電コイル4A側の構成に対応して、一例として携帯端末100,100,100,100において、各受電コイル101,101,101,101に共振コンデンサ102,102,102,102(以下、特に区別しないときには、共振コンデンサ102ともいう)を直列に接続する構成(つまり、収納容器1Aと携帯端末100との間での電力の送受の結合回路をS-S方式とする構成)が採用されている。なお、同図では、各携帯端末100,100,100,100に内蔵されている整流平滑回路、電源回路(バッテリおよびその充放電回路を含む)、および電源回路から電力の供給を受けて動作する他の電気回路(いずれも図示せず)をすべて、受電コイル101および共振コンデンサ102の直列回路(受電回路)に対する負荷103,103,103,103として示している。
【0030】
この収納容器1Aおよび各携帯端末100の構成により、各携帯端末100が収納エリアAR内に正しい向きで収納されているときには、各携帯端末100は収納容器1A内の送電コイル4Aから正常に給電されて、内蔵されているバッテリを正常に充電することが可能となる。なお、各携帯端末100については、各受電コイル101に共振コンデンサ102が直列に接続される上記の構成に限定されるものではなく、図示はしないが、各受電コイル101に共振コンデンサ102が並列に接続され構成(つまり、収納容器1Aと携帯端末100との間での電力の送受の結合回路としてS-P方式を採用する構成)とすることもできるし、さらには収納容器1A側の送電コイル4Aに共振コンデンサを並列に接続すると共に携帯端末100側の受電コイル101にも共振コンデンサを並列に接続する構成(つまり、収納容器1Aと携帯端末100との間での電力の送受の結合回路としてP-P方式を採用する構成)とすることもできる。
【0031】
次に、収納庫の一例としての収納庫50の構成について図8,9を参照して説明する。
【0032】
収納庫50は、1または2以上(図8では一例として3つ)の棚板51、交流電源52、および筐体53を備えて構成されている。各棚板51は、一例として平面視長方形の平板で形成されて、その上面に収納容器1Aを1または2以上載置可能(図8では一例として3つ載置可能)に構成されている。本例では一例として、各棚板51の上面には、収納容器1Aの底板2の幅に合わせた間隔で位置決め材54が複数(同図では一例として4つ)設置されていて、各棚板51の上面における隣接する一対の位置決め材54で挟まれた領域(同図では3つの領域)が、収納容器1Aの載置部位となっている。
【0033】
また、各棚板51の各載置部位における上面側には、第2コイル55が配設されている。また、各棚板51には、図10に示すように、各載置部位に配設された第2コイル55毎に、第2コイル55に直列接続される共振コンデンサ56,57が配設されている。また、この第2コイル55およびこの共振コンデンサ56,57で構成される各直列回路は、直列に接続された状態で交流電源52に接続されて、交流電源52から出力される高周波交流信号(例えば、MHz帯の交流信号。一例として6MHzの交流信号。)で駆動される。本例の収納庫50では、一例として、図8に示すように、交流電源52は、棚板51と同数(本例では3つ)配設されて、各棚板51に配設された第2コイル55およびコンデンサ56の各直列回路は、各棚板51に対応する1つの交流電源52から出力される高周波交流信号で駆動される。なお、各交流電源52については、図8に示すように、収納庫50におけるほぼ同じ位置に纏めて配置する構成を採用してもよいし、図示はしないが、対応する棚板51の近傍にそれぞれ配置する構成や、対応する棚板51自体に配置する構成を採用していもよい。また、各第2コイル55は、各棚板51の上面における載置部位に収納容器1Aが載置されているときには、収納容器1A側の第1コイル31(上記したように、送電コイル4Aに駆動信号S1を供給するコイル)と結合する。この構成により、交流電源52は、第2コイル55および第1コイル31を介して収納容器1A側の送電コイル4Aに駆動信号S1を非接触(ワイヤレス)で供給する。
【0034】
携帯端末100,100,100,100が収納された状態の収納容器1Aを収納庫50の棚板51の載置部位に載置した状態での収納容器1A側の電気回路と収納庫50側の電気回路と(1つの棚板51およびこの棚板51に対応する1つの交流電源52に着目したときの電気回路)についての接続図を図10に示す。
【0035】
なお、収納庫50側の交流電源52から各収納容器1A側の送電コイル4Aへの駆動信号S1の供給方法については、上記したように送電コイルとしての第2コイル55と受電コイルコイルとしての第1コイル31を使用した非接触(ワイヤレス)給電に限定されるものではない。例えば、図示はしないが、収納容器1Aの底板2の下面に送電コイル4Aの入力端子24,25に接続される金属接点(端子)を一対配置すると共に、各棚板51の上面における載置部位に他の一対の金属接点(交流電源52に配線を介して接続されている接点(端子))を一対配置して、各棚板51の上面における載置部位に収納容器1Aが載置されたときに、収納容器1A側の金属接点と棚板51側の金属接点とが電気的に接続されることで、交流電源52から送電コイル4Aへ駆動信号S1が供給される方法を採用することもできる。
【0036】
次に、収納容器1Aおよび収納庫50の動作について、これらの使用方法と併せて説明する。
【0037】
最初に、図5,6に示すように、充電しようとする携帯端末100を、収納容器1Aの収納エリアAR内に上記した正しい向きで収納する。また、携帯端末100が1つの収納容器1Aの収納エリアARの数を上回るときには、収納容器1Aを複数使用して、それぞれの収納エリアAR内に携帯端末100を収納する。
【0038】
次いで、携帯端末100が収納された1または2以上の収納容器1Aを収納庫50まで搬送して、図8に示すように、収納庫50の棚板51の載置部位に載置する。続いて、収納庫50に内蔵されている交流電源52を作動させる。これにより、各棚板51の各載置部位に配設された各第2コイル55が、交流電源52から出力される高周波交流信号で駆動される。
【0039】
この場合、各棚板51の載置部位に載置された収納容器1Aでは、第2コイル55と結合する第1コイル31にも高周波交流信号が発生し、この高周波交流信号は、第1コイル31に接続されている送電コイル4A(つまり、副送電コイル21,21,21,21)に駆動信号S1として供給される。各副送電コイル21,21,21,21は、それぞれが配設された仕切り板3,3,3,3の壁面11,11,11,11で形成される各収納エリアAR,AR,AR,ARに収納されている携帯端末100,100,100,100の各受電コイル101,101,101,101とS-S方式の結合回路を構成する。このため、収納容器1Aおよび収納庫50は、各携帯端末100,100,100,100への給電を実行する。したがって、各携帯端末100,100,100,100では、収納容器1Aおよび収納庫50から供給された電力で、内蔵されているバッテリが充電される。
【0040】
このように、この収納容器1Aおよび収納庫50では、各携帯端末100に対して非接触給電(ワイヤレス給電)するための送電コイル4Aを構成する副送電コイル21,21,21,21は、互いに直列に接続されて、共通の入力端子24,25に供給される駆動信号S1によって駆動される(つまり、共通の駆動信号S1により、言い換えれば、1つの交流電源によって駆動される)。したがって、この収納容器1Aおよび収納庫50によれば、副送電コイル21,21,21,21が配設された仕切り板3,3,3,3に駆動回路を設ける必要が無いことから、駆動回路を配設しない分だけ仕切り板3,3,3,3の厚みを薄くできると共に、仕切り板3,3,3,3における発熱を少なくすることができるため、携帯端末100を縦置き収納するときの収納効率を向上させつつ、給電中の発熱による携帯端末100の温度上昇を抑制することができる。
【0041】
なお、上記の収納容器1Aでは、携帯端末100への給電を正常に行うためには、携帯端末100を収納エリアAR内に上記したような正しい向きで収納する必要があり、収納する向きを間違えたときには、携帯端末100への給電が行えないか、仮に給電が行えたとしても、その効率は極めてよくないという改善すべき点が存在している。
【0042】
この点を改善するために、下記の収納容器1Bを採用することもできる。以下では、この収納容器1Bについて説明する。なお、収納容器1Aと同一の構成については同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0043】
収納容器1Bは、図11に示すように、底板2、仕切り板3,3,3,3,3、および送電コイル4Bを備えている。
【0044】
送電コイル4Bは、上記したように仕切り板3の数をn個としたときに、2(n-1)個の副送電コイルが直列接続されて構成されている。図11に示す例のように、5つの仕切り板3,3,3,3,3を備えた構成のときには、送電コイル4Bは、8個の副送電コイル21,21,21,21,21,21,21,21がこの順番で直列接続されて構成されている。
【0045】
具体的には、図11,12に示すように、各収納エリアAR,AR,AR,ARを構成する各対向面(対向面12と対向面11、対向面12と対向面11、対向面12と対向面11、対向面12と対向面11)を底板2の奥行き方向(矢印Bで示す方向。奥行き方向Bともいう)に沿って第1領域RE1および第2領域RE2の2つに分割したときに、上記の各対向面のうちの幅方向Aに沿って同じ第1方向(図11では左方向)に向く一方の対向面(対向面11,11,11,11)における第1領域RE1のそれぞれに副送電コイル21,21,21,21が1つずつこの順で配設され、かつ上記の各対向面のうちの幅方向Aに沿って第1方向とは逆向きの第2方向(図11では右方向)に向く他方の対向面(対向面12,12,12,12)における第2領域RE2のそれぞれに副送電コイル21,21,21,21が1つずつこの順で配設されている。
【0046】
また、この送電コイル4Bにおいても、上記した送電コイル4Aと同様にして、図12に示すように、各副送電コイル21には共振コンデンサ22,23が直列に接続されて、この副送電コイル21および共振コンデンサ22,23の直列回路同士がさらに直列に接続されて構成されている。具体的には、送電コイル4Bは、副送電コイル21および共振コンデンサ22,23で構成される直列回路、副送電コイル21および共振コンデンサ22,23で構成される直列回路、副送電コイル21および共振コンデンサ22,23で構成される直列回路、副送電コイル21および共振コンデンサ22,23で構成される直列回路、副送電コイル21および共振コンデンサ22,23で構成される直列回路、副送電コイル21および共振コンデンサ22,23で構成される直列回路、副送電コイル21および共振コンデンサ22,23で構成される直列回路、並びに副送電コイル21および共振コンデンサ22,23で構成される直列回路が、前半の4つの直列回路が仕切り板3(底板2の一方の端部側)から始まって仕切り板3(底板2の他方の端部側)までの第1領域RE1に形成されると共に、後半の4つの直列回路がこの仕切り板3(底板2の他方の端部側)で折り返して仕切り板3(底板2の一方の端部側)までの第2領域RE2に形成されるという形式で直列に接続されて構成されている。
【0047】
この構成の送電コイル4Bを備えたことにより、収納容器1Bでは、収納エリアARを構成する一対の対向面12,11のそれぞれに副送電コイル21(副送電コイル21,21)が配設され、収納エリアARを構成する一対の対向面12,11のそれぞれに副送電コイル21(副送電コイル21,21)が配設され、収納エリアARを構成する一対の対向面12,11のそれぞれに副送電コイル21(副送電コイル21,21)が配設され、かつ収納エリアARを構成する一対の対向面12,11のそれぞれに副送電コイル21(副送電コイル21,21)が配設されている。
【0048】
また、送電コイル4Bを構成する8個の副送電コイル21,21,21,21,21,21,21,21については、上記のような底板2の一方の端部側から始まって底板2の他方の端部側まで形成されると共に、この底板2の他方の端部側で折り返して一方の端部側まで形成されるという形式の構成に代えて、図13に示す形式で構成することもできる。以下、この送電コイル4Bについて説明する。
【0049】
図13に示すように、この送電コイル4Bは、8個の副送電コイル21,21,21,21,21,21,21,21がこの順番で仕切り板3(底板2の一方の端部側)から仕切り板3(底板2の他方の端部側)まで順次形成されるという形式で直列に接続されて構成されている。
【0050】
具体例の一例として、図13の構成では、収納エリアARを構成する対向面12における第2領域RE2に副送電コイル21が形成され、収納エリアARを構成するもう1つの対向面11における第1領域RE1に副送電コイル21が形成されている。また、収納エリアARを構成する対向面12における第2領域RE2に副送電コイル21が形成され、収納エリアARを構成するもう1つの対向面11における第1領域RE1に副送電コイル21が形成されている。また、収納エリアARを構成する対向面12における第2領域RE2に副送電コイル21が形成され、収納エリアARを構成するもう1つの対向面11における第1領域RE1に副送電コイル21が形成されている。また、収納エリアARを構成する対向面12における第2領域RE2に副送電コイル21が形成され、収納エリアARを構成するもう1つの対向面11における第1領域RE1に副送電コイル21が形成されている。
【0051】
また、この図13の送電コイル4Bにおいても、上記した図11,12の送電コイル4Bと同様にして、各副送電コイル21~21に共振コンデンサ22,23が直列に接続されている。したがって、この送電コイル4Bもまた、副送電コイル21および共振コンデンサ22,23で構成される直列回路、副送電コイル21および共振コンデンサ22,23で構成される直列回路、副送電コイル21および共振コンデンサ22,23で構成される直列回路、副送電コイル21および共振コンデンサ22,23で構成される直列回路、副送電コイル21および共振コンデンサ22,23で構成される直列回路、副送電コイル21および共振コンデンサ22,23で構成される直列回路、副送電コイル21および共振コンデンサ22,23で構成される直列回路、並びに副送電コイル21および共振コンデンサ22,23で構成される直列回路が直列に接続されて構成されている。
【0052】
この図13に示す構成の送電コイル4Bを備えた収納容器1Bにおいても、収納エリアARを構成する一対の対向面12,11のそれぞれに副送電コイル21(副送電コイル21,21)が配設され、収納エリアARを構成する一対の対向面12,11のそれぞれに副送電コイル21(副送電コイル21,21)が配設され、収納エリアARを構成する一対の対向面12,11のそれぞれに副送電コイル21(副送電コイル21,21)が配設され、かつ収納エリアARを構成する一対の対向面12,11のそれぞれに副送電コイル21(副送電コイル21,21)が配設されている。
【0053】
このように、この図11,12に示す形式や図13に示す形式で構成された送電コイル4Bを備えた収納容器1B、およびこの収納容器1Bが載置された収納庫50では、各携帯端末100に対して非接触給電(ワイヤレス給電)するための副送電コイル21が上記したように携帯端末100用の各収納エリアAR,AR,AR,ARを構成する一対の対向面のそれぞれに配設されている。この構成により、収納エリアARを例に挙げて説明すると、携帯端末100が、その背面側(受電コイル101の配設側)が対向面12に向く状態で収納エリアARに収納されたときには、対向面12に配設された副送電コイル21が携帯端末100の受電コイル101に給電し、一方、その背面側(受電コイル101の配設側)が他の対向面11に向く状態で収納エリアARに収納されたときには、対向面11に配設された副送電コイル21が携帯端末100の受電コイル101に給電する。
【0054】
したがって、この収納容器1Bおよび収納庫50によれば、上記した収納容器1Aおよびこの収納容器1Aを備えた収納庫50と同等の効果を発揮しつつ、向きを意識することなく携帯端末100を収納エリアARに収納して携帯端末100に効率よく給電することができる。
【0055】
また、上記の送電コイル4Bのうちの図11,12に示す送電コイル4Bは、全体として1つの送電コイルとして構成されて、一対の入力端子24,25に供給される駆動信号S1によって駆動される構成を採用しているが、図示はしないが、この送電コイル4Bにおける第1領域RE1側の副送電コイル21,21,21,21と、第2領域RE2側の副送電コイル21,21,21,21とを分割して、副送電コイル21,21,21,21(第1副送電コイル)で一対の入力端子(駆動信号S1用の入力端子)を有する1つの送電コイル(第1送電コイル)を構成し、副送電コイル21,21,21,21(第2副送電コイル)で他の一対の入力端子(駆動信号S1用の入力端子)を有する他の1つの送電コイル(第2送電コイル)を構成するようにしてもよい。この場合、この2つの送電コイル(第1および第2送電コイル)には、ジャイレータ/整合回路32を介して第1コイル31が接続されて、第1コイル31から駆動信号S1が供給される。
【0056】
また、上記の各収納容器1A,1Bでは、携帯端末100を縦置き収納する構成に起因して、各収納エリアARを形成する各対向面を有する一対の仕切り板3(隣接する2つの仕切り板3)の間隔が狭くなっている。このため、収納容器1Aでは、副送電コイル21,21,21,21の各間隔も狭くなっている。また、収納容器1Bでは、図11,12に示す送電コイル4Bについては、副送電コイル21,21,21,21の各間隔と、副送電コイル21,21,21,21の各間隔が共に狭くなっている。また、図13に示す送電コイル4Bについては、副送電コイル21,21,21,21の各間隔と、副送電コイル21,21,21,21の各間隔が共に狭くなっている。
【0057】
このように、1つの仕切り板3を挟んで対向する2つの副送電コイル21の間隔が狭い構成では、互いの磁界が相互に干渉することを軽減するために、副送電コイル21の背面側に平板状またはシート状の磁気シールド材を配置するのが好ましい。一例として、図2の収納容器1Aに適用した例を示すと、同図に示すように、各副送電コイル21,21,21,21の背面に磁気シールド材26をそれぞれ配置する。具体的な磁気シールド材26の配置構造としては、副送電コイル21と仕切り板3の壁面とで挟まれた状態で仕切り板3の壁面上に配置される構造(つまり、仕切り板3の壁面上に配置された磁気シールド材26上に副送電コイル21が配置される構造)や、仕切り板3の内部に配置される構造を採用することができる。また、磁気シールド材26自体の構造としては、アルミなどの金属材料のみで構成される構造や、磁性材のみで構成される構造や、この金属材料で構成された層とこの磁性材で構成された層の積層体で構成される構造を採用することができる。この場合、金属材料のみで構成される構造の磁気シールド材26では、副送電コイル21と電気的に絶縁した状態で配置する必要があったり、低周波帯の磁界に対するシールド性はあまり高くなかったりするものの、本例でのMHz帯のような高周波帯の磁界に対するシールド性は良好であり、またアルミだけで構成することもできることから、低コスト化および軽量化が可能である。また、磁性材のみで構成される構造の磁気シールド材26では、磁気シールドの効果に加えて、副送電コイル21のインダクタンスを上げる効果も有することから、副送電コイル21の巻数の低減や導体ロスの低減を図ることが可能となる。ただし、この構造の磁気シールド材26では、磁気飽和やロスを考慮したときにある程度の厚みにする(例えば、金属材料のみで構成される構造の磁気シールド材26よりも厚くする)必要があり、また磁性材は金属材料に比べて一般的に高価であるため、金属材料のみで構成される構造と比べて低コスト化が難しくなる。また、金属材料と磁性材の積層体で構成される構造の磁気シールド材26では、磁気シールド性能を他の構造と比較して高くすることが可能となる。ただし、この効果を発揮させるためには、この構造の磁気シールド材26は、副送電コイル21の背面に、この背面に近い側から、磁性材の層、金属材料の層の順に位置するように配置される必要がある。
【0058】
また、上記の例では、各収納容器1A,1Bおよび収納庫50を用いて充電される携帯端末として、受電コイル101が内蔵された携帯端末100を挙げて説明したが、例えば、受電コイル101が内蔵されたケースが装着された携帯端末についても、各収納容器1A,1Bおよび収納庫50を用いて充電することができる。
【0059】
また、送電コイル4Bを備えた収納容器1Bでは、各収納エリアARにおいて、図11に示すように、それぞれの収納エリアARを構成する2つの対向面のうちの1つの対向面の第1領域RE1に1つの副送電コイル21が形成され、他の1つの対向面の第2領域RE2に他の1つの副送電コイル21が形成される構成、つまり2つの副送電コイル21が底板2の奥行き方向Bに沿って互い違いの状態(対向しない状態)で配設されている。このため、携帯端末100側の受電コイル101が1つのときには、上記したように携帯端末100の収納エリアARへの収納方向に拘わらず、携帯端末100への給電が可能になるものの、受電コイル101の一部にしか収納容器1B側の副送電コイル21が対向しない構成に起因して給電の効率の更なる向上が望めない。
【0060】
そこで、図14に示す2つのカバー(ジャケット)110のうちのいずれかを携帯端末100に装着して、収納エリアARに収納することもできる。この場合、図14に示す2つのカバー110のうちの左側のカバー110(以下、区別のためカバー110aともいう)には、携帯端末100に装着されて収納エリアAR(同図では収納エリアARを例に挙げている)に収納されたときに、仕切り板3側に向く表面における副送電コイル21と対向する位置に一つの受電コイル111(以下、区別のため受電コイル111aともいう)が配設され、かつ仕切り板3側に向く表面における副送電コイル21と対向する位置にもう一つの受電コイル111(以下、区別のため受電コイル111bともいう)が配設されている。また、カバー110aには、図示はしないが、2つの受電コイル111a,111bを介して給電される電力に基づき携帯端末100用の電圧を生成する電気回路と、この電気回路で生成された電圧を携帯端末100に供給するための電力ケーブルとが配設されている。
【0061】
このカバー110aを携帯端末100に装着して収納容器1Bに収納することにより、収納エリアARの2つの副送電コイル21,21から対応する受電コイル111a,111bに同時に給電できるため、給電効率を大幅に向上させることが可能となる。
【0062】
また、図14に示す2つのカバー110のうちの右側のカバー110(以下、区別のためカバー110bともいう)には、携帯端末100に装着されて収納エリアARに収納されたときに、仕切り板3,3のうちのいずれかに向く表面(同図では一例として、仕切り板3側に向く表面)における副送電コイル21と対向する位置に一つの受電コイル111aが配設され、かつカバー110bを介して副送電コイル21と対向する位置にもう一つの受電コイル111bが配設されている。また、カバー110bにも、図示はしないが、2つの受電コイル111a,111bを介して給電された電力に基づき携帯端末100用の電圧を生成する電気回路と、この電気回路で生成された電圧を携帯端末100に供給するための電力ケーブルとが配設されている。
【0063】
このカバー110bを携帯端末100に装着して収納容器1Bに収納することにより、図14に示すように、受電コイル111a,111b側の面を仕切り板3側に向けて収納エリアARに収納したときには、受電コイル111aが副送電コイル21と直接対向し、一方、図14に示す状態から天地を逆にして収納エリアARに収納したときには、受電コイル111bが副送電コイル21と直接対向する。したがって、このカバー110bを携帯端末100に装着して収納容器1Bに収納することにより、収納の際に天地を逆にしたとしても、受電コイル111a,111bのうちのいずれか1つが、副送電コイル21,21のうちのいずれか1つと直接対向するため、給電効率を向上させることが可能となる。
【符号の説明】
【0064】
1A,1B 収納容器
2 底板
2a 上面
,3,3,3,3 仕切り板
4A,4B 送電コイル
11,11,11,11 対向面
12,12,12,12 対向面
21,21,21,21 副送電コイル
31 第1コイル
50 収納庫
51 棚板
52 交流電源
53 筐体
55 第2コイル
A 幅方向
AR,AR,AR,AR 収納エリア
図1
図2
図3
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図9
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