(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-06
(45)【発行日】2024-02-15
(54)【発明の名称】搬送装置および自動倉庫システム
(51)【国際特許分類】
B65G 47/57 20060101AFI20240207BHJP
B65G 1/00 20060101ALI20240207BHJP
B65G 1/127 20060101ALI20240207BHJP
B65G 17/16 20060101ALI20240207BHJP
【FI】
B65G47/57 B
B65G1/00 501B
B65G1/127 B
B65G17/16 C
(21)【出願番号】P 2020013935
(22)【出願日】2020-01-30
【審査請求日】2022-12-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000103426
【氏名又は名称】オークラ輸送機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【氏名又は名称】山田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【氏名又は名称】樺澤 襄
(72)【発明者】
【氏名】金 建隆
(72)【発明者】
【氏名】田中 紀行
(72)【発明者】
【氏名】榊原 康徳
(72)【発明者】
【氏名】江川 徹
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】実開昭64-032825(JP,U)
【文献】特表2014-526426(JP,A)
【文献】特開2016-166079(JP,A)
【文献】特開2017-226506(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/57
B65G 1/00
B65G 1/127
B65G 17/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送物を搭載する搬送台、この搬送台を上昇させる上昇搬送部、およびこの上昇搬送部で上昇された前記搬送台を下降させる下降搬送部を有し、前記上昇搬送部と前記下降搬送部とが第1方向に並ぶ搬送装置本体と、
前記上昇搬送部の前記第1方向に対して交差する第2方向の一側に配設され、前記上昇搬送部に向けて前記搬送物を送り込む第1搬入部と、
前記上昇搬送部の前記第2方向の一側または他側に配設され、前記上昇搬送部に向けて前記搬送物を送り込む第2搬入部と、
前記上昇搬送部に向けて前記第2搬入部から送り込まれた前記搬送物を前記下降搬送部から受け入れて搬出する第1搬出部と、
前記上昇搬送部に向けて前記第1搬入部から送り込まれた前記搬送物を前記下降搬送部から受け入れて搬出する第2搬出部と
を備え、
前記搬送台は、前記第2方向に並び、それぞれに前記搬送物を搭載可能な少なくとも2箇所の搭載位置を有し、
前記搬送装置本体は、前記第1搬入部から送り込まれる前記搬送物を受け入れて前記上昇搬送部を上昇する前記搬送台に受け渡す第1受渡部と、前記第2搬入部から送り込まれる前記搬送物を受け入れて前記上昇搬送部を上昇する前記搬送台に受け渡す第2受渡部とを有し、
前記第1受渡部または前記第2受渡部の少なくとも一方は、前記上昇搬送部を挟んで前記第1搬入部または前記第2搬入部に対向するように配設されており、前記第1搬入部または前記第2搬入部から前記上昇搬送部に送り込まれる前記搬送物を受け入れる受入位置と、この受入位置で受け入れた前記搬送物を前記搬送台の前記搭載位置のうち前記搬送物を送り込んだ前記第1搬入部または前記第2搬入部から離れた側の前記搭載位置に受け渡す受渡位置とに、前記上昇搬送部内を前記第2方向に移動可能な受渡機構を有する
ことを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
前記第2搬入部は、前記上昇搬送部の前記第2方向の他側に配設され、
前記第1搬出部は、前記下降搬送部の前記第2方向の一側に配設され、
前記第2搬出部は、前記下降搬送部の前記第2方向の他側に配設され、
前記第1受渡部は、前記第1搬入部から前記上昇搬送部に送り込まれる前記搬送物を前記搬送台の前記第2方向の他側の前記搭載位置に受け渡す前記受渡機構を有し、
前記第2受渡部は、前記第2搬入部から前記上昇搬送部に送り込まれる前記搬送物を前記搬送台の前記第2方向の一側の前記搭載位置に受け渡す前記受渡機構を有する
ことを特徴とする請求項1記載の搬送装置。
【請求項3】
前記第2搬入部は、前記上昇搬送部の前記第2方向の一側に配設され、
前記第1搬出部は、前記下降搬送部の前記第2方向の一側に配設され、
前記第2搬出部は、前記下降搬送部の前記第2方向の他側に配設され、
前記第1受渡部は、前記第1搬入部から前記上昇搬送部に送り込まれる前記搬送物を前記搬送台の前記第2方向の他側の前記搭載位置に受け渡す前記受渡機構を有し、
前記第2受渡部は、前記第2搬入部から前記上昇搬送部に送り込まれる前記搬送物を前記搬送台の前記第2方向の一側の前記搭載位置に受け渡す
ことを特徴とする請求項1記載の搬送装置。
【請求項4】
前記第2搬入部は、前記上昇搬送部の前記第2方向の一側に配設され、
前記第1搬出部は、前記下降搬送部の前記第2方向の他側に配設され、
前記第2搬出部は、前記下降搬送部の前記第2方向の一側に配設され、
前記第1受渡部は、前記第1搬入部から前記上昇搬送部に送り込まれる前記搬送物を前記搬送台の前記第2方向の一側の前記搭載位置に受け渡し、
前記第2受渡部は、前記第2搬入部から前記上昇搬送部に送り込まれる前記搬送物を前記搬送台の前記第2方向の他側の前記搭載位置に受け渡す前記受渡機構を有する
ことを特徴とする請求項1記載の搬送装置。
【請求項5】
前記搬送台は、前記第2方向に向けて櫛歯状に設けられた複数のフォーク部を有し、
前記受渡機構は、前記受入位置で前記搬送物を受け入れる方向に搬送する複数の受渡搬送体を有し、これら受渡搬送体は前記受渡位置で前記上昇搬送部を上昇する前記搬送台の前記フォーク部間の位置に配置される
ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか一記載の搬送装置。
【請求項6】
搬送台と、
前記搬送台を上昇させる上昇搬送部と、
前記上昇搬送部に向けて搬送物を送り込む搬入部と、
前記上昇搬送部に向けて前記搬入部から送り込まれる前記搬送物を受け入れて前記上昇搬送部を上昇する前記搬送台に受け渡す受渡部と
を備え、
前記搬送台は、前記上昇搬送部に向けて前記搬入部から前記搬送物を送り込む方向に並び、それぞれ前記搬送物を搭載可能な少なくとも2箇所の搭載位置を有し、
前記受渡部は、前記上昇搬送部を挟んで前記搬入部に対向するように配設されており、前記搬入部から前記上昇搬送部に送り込まれる前記搬送物を受け入れる受入位置と、この受入位置で受け入れた前記搬送物を前記搬送台の前記搭載位置のうち前記搬入部から離れた側の前記搭載位置に受け渡す受渡位置とに、前記上昇搬送部内を移動可能とする
ことを特徴とする搬送装置。
【請求項7】
前記搬送台は、前記受渡部の
移動方向に沿った方向に向けて櫛歯状に設けられた複数のフォーク部を有し、
前記受渡部は、前記受入位置で前記搬送物を受け入れる方向に搬送する複数の受渡搬送体を有し、これら受渡搬送体は前記受渡位置で前記上昇搬送部を上昇する前記搬送台の前記フォーク部間の位置に配置される
ことを特徴とする請求項6記載の搬送装置。
【請求項8】
多階層に形成された保管部と、
前記保管部の各階層に配設され、前記保管部に対して搬送物を出し入れ可能な移送部と、
前記第2搬入部および前記第2受渡部と前記第2搬出部がそれぞれ前記保管部の各階層に対応して設けられ、前記第1搬入部から送り込まれた前記搬送物である入庫品を前記第2搬出部から前記移送部に向けて搬出し、前記移送部から前記搬送物である出庫品を前記第2搬入部に受け入れて前記第1搬出部から搬出する請求項1ないし5いずれか一記載の搬送装置と
を備えることを特徴とする自動倉庫システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送物を搬送する搬送装置および自動倉庫システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、垂直方向に多階層の保管部を有する自動倉庫においては、多階層の保管部に対して搬送物を垂直方向に搬送して入庫、出庫するための搬送装置が用いられている。
【0003】
この搬送装置では、例えば、多階層の保管部のそれぞれに対向して配設される入出庫部と、入出庫部と間隔を空けて対向設置される入出庫ステーションと、入出庫部と入出庫ステーションとの間に設置された垂直搬送部とを備えている。
【0004】
垂直搬送部は、鉛直面内で周回移動し、上昇方向と下降方向との搬送経路で搬送物を搬送する上昇搬送部と下降搬送部を有している。そして、搬送物を入庫する場合は、入出庫ステーションから上昇搬送部が搬送物を受け入れ、下降搬送部から対応する入出庫部に搬送物が送り出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、搬送物を出庫する場合は、入出庫部から上昇搬送部が搬送物を受け入れ、下降搬送部から入出庫ステーションに搬送物が送り出されることになる。つまり、出庫と入庫とは逆方向の動作になるため、1つの搬送装置で搬送物の出し入れを並行して行うことはできず、搬送物を効率よく搬送できない。
【0007】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、搬送物を効率よく搬送できる搬送装置および自動倉庫システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の搬送装置は、搬送物を搭載する搬送台、この搬送台を上昇させる上昇搬送部、およびこの上昇搬送部で上昇された前記搬送台を下降させる下降搬送部を有し、前記上昇搬送部と前記下降搬送部とが第1方向に並ぶ搬送装置本体と、前記上昇搬送部の前記第1方向に対して交差する第2方向の一側に配設され、前記上昇搬送部に向けて前記搬送物を送り込む第1搬入部と、前記上昇搬送部の前記第2方向の一側または他側に配設され、前記上昇搬送部に向けて前記搬送物を送り込む第2搬入部と、前記上昇搬送部に向けて前記第2搬入部から送り込まれた前記搬送物を前記下降搬送部から受け入れて搬出する第1搬出部と、前記上昇搬送部に向けて前記第1搬入部から送り込まれた前記搬送物を前記下降搬送部から受け入れて搬出する第2搬出部とを備え、前記搬送台は、前記第2方向に並び、それぞれに前記搬送物を搭載可能な少なくとも2箇所の搭載位置を有し、前記搬送装置本体は、前記第1搬入部から送り込まれる前記搬送物を受け入れて前記上昇搬送部を上昇する前記搬送台に受け渡す第1受渡部と、前記第2搬入部から送り込まれる前記搬送物を受け入れて前記上昇搬送部を上昇する前記搬送台に受け渡す第2受渡部とを有し、前記第1受渡部または前記第2受渡部の少なくとも一方は、前記上昇搬送部を挟んで前記第1搬入部または前記第2搬入部に対向するように配設されており、前記第1搬入部または前記第2搬入部から前記上昇搬送部に送り込まれる前記搬送物を受け入れる受入位置と、この受入位置で受け入れた前記搬送物を前記搬送台の前記搭載位置のうち前記搬送物を送り込んだ前記第1搬入部または前記第2搬入部から離れた側の前記搭載位置に受け渡す受渡位置とに、前記上昇搬送部内を前記第2方向に移動可能な受渡機構を有するものである。
【0009】
また、本発明の搬送装置は、搬送台と、前記搬送台を上昇させる上昇搬送部と、前記上昇搬送部に向けて搬送物を送り込む搬入部と、前記上昇搬送部に向けて前記搬入部から送り込まれる前記搬送物を受け入れて前記上昇搬送部を上昇する前記搬送台に受け渡す受渡部とを備え、前記搬送台は、前記上昇搬送部に向けて前記搬入部から前記搬送物を送り込む方向に並び、それぞれ前記搬送物を搭載可能な少なくとも2箇所の搭載位置を有し、前記受渡部は、前記上昇搬送部を挟んで前記搬入部に対向するように配設されており、前記搬入部から前記上昇搬送部に送り込まれる前記搬送物を受け入れる受入位置と、この受入位置で受け入れた前記搬送物を前記搬送台の前記搭載位置のうち前記搬入部から離れた側の前記搭載位置に受け渡す受渡位置とに、前記上昇搬送部内を移動可能とするものである。
【0010】
また、本発明の自動倉庫システムは、多階層に形成された保管部と、前記保管部の各階層に配設され、前記保管部に対して搬送物を出し入れ可能な移送部と、前記第2搬入部および前記第2受渡部と前記第2搬出部がそれぞれ前記保管部の各階層に対応して設けられ、前記第1搬入部から送り込まれた前記搬送物である入庫品を前記第2搬出部から前記移送部に向けて搬出し、前記移送部から前記搬送物である出庫品を前記第2搬入部に受け入れて前記第1搬出部から搬出する請求項1ないし5いずれか一記載の搬送装置とを備えるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、搬送物を効率的に搬送できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施の形態を示す搬送装置を備えた自動倉庫システムの概略平面図である。
【
図2】同上搬送装置の搬送装置本体の正面図である。
【
図3】同上搬送装置の1段目であって第1搬入部および第1受渡部と第1搬出部および第1送出部の平面図である。
【
図4】同上搬送装置の第1搬入部および第1受渡部の側面図である。
【
図5】同上搬送装置の2段目以上であって第2搬入部および第2受渡部と第2搬出部および第2送出部の平面図である。
【
図6】同上搬送装置の第2搬入部および第2受渡部の側面図である。
【
図7】同上搬送装置による入出庫の流れを示し、(a)は入庫の流れを示す平面図、(b)は出庫の流れを示す平面図である。
【
図8】同上搬送装置による入出庫の流れを示し、(a)は上昇搬送部での入出庫の流れを示す側面図、(b)は下降搬送部での入出庫の流れを示す側面図である。
【
図9】同上搬送装置による上昇搬送部での入庫動作を(a)(b)(c)に示す第1搬入部および第1受渡部の側面図である。
【
図10】
図9に続く同上搬送装置による上昇搬送部での入庫動作を(a)(b)に示す第1搬入部および第1受渡部の側面図である。
【
図11】同上搬送装置による下降搬送部での入庫動作を(a)(b)に示す側面図である。
【
図12】同上搬送装置による上昇搬送部での出庫動作を(a)(b)に示す第2搬入部および第2受渡部の側面図である。
【
図13】同上搬送装置により搬送物を搬送可能なレイアウトの変形例を(a)(b)(c)に示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0014】
図1に自動倉庫システム10の概略平面図を示す。自動倉庫システム10は、倉庫本体11、およびこの倉庫本体11に対して物品である搬送物12の入庫および出庫を行う搬送装置13を備えている。
【0015】
倉庫本体11は、長手状でかつ互いに平行状に間隔を空けて配設される2列の保管部16、およびこれら保管部16間を長手方向に沿って移動する搬送台車である移送部17を備えている。保管部16は上下方向に多階層に設けられているとともに、各階層の保管部16毎に長手方向に沿って搬送物12を保管する複数の保管領域が設けられている。移送部17は、各階層の保管部16毎に個別に設置されている。各移送部17は、両側の保管部16に対して搬送物12を出し入れする受渡機構を備えている。各移送部17は、保管部16の一端側に進入した位置で、搬送装置13に対して搬送物12の受け渡しをする。なお、保管部16に入庫する搬送物12を入庫品A、保管部16から出庫する搬送物12を出庫品Bという。
【0016】
また、搬送装置13は、2列の保管部16の長手方向の一端側に設置されている。なお、以下、保管部16の長手方向に対して交差する方向(2列の保管部16が並ぶ方向)を第1方向X、この第1方向Xに対して交差する方向を第2方向Yという。
【0017】
搬送装置13は、搬送装置本体20、第1搬入部21、第2搬入部22、第1搬出部23、および第2搬出部24を備えている。
【0018】
搬送装置本体20は、搬送物12を上昇させる上昇搬送部26、およびこの上昇搬送部26で上昇された搬送物12を下降させる下降搬送部27を有している。これら上昇搬送部26と下降搬送部27とは第1方向Xに並んで配設されている。上昇搬送部26は、第2方向Yの一側域26aと他側域26bを有する。下降搬送部27は、第2方向Yの一側域27aと他側域27bを有する。
【0019】
第1搬入部21は、搬送装置本体20の上昇搬送部26における第2方向Yの一側つまり保管部16側に対して反対側で、上昇搬送部26に対して第2搬入部22よりも下部側の1箇所に配設されている。第1搬入部21は、外部から入庫品Aを受け入れて上昇搬送部26に順次送り込むことができる入口ステーションコンベヤである。本実施の形態では、
図3および
図4に示すように、第1搬入部21は、上昇搬送部26に入庫品Aを投入する入口投入コンベヤ21a、および外部から受け入れた入庫品Aを入口投入コンベヤ21aに供給する入口アキュームコンベヤ21bを備えている。入口投入コンベヤ21aおよび入口アキュームコンベヤ21bには、ベルトコンベヤが用いられているが、ローラコンベヤなどを用いてもよい。
【0020】
第2搬入部22は、搬送装置本体20の上昇搬送部26における第2方向Yの他側つまり保管部16側で、各階層の保管部16毎に対応して上下方向に複数段に配設されている。第2搬入部22は、保管部16から出庫する出庫品Bを受け入れて上昇搬送部26に順次送り込む出庫ステーションコンベヤである。本実施の形態では、
図5および
図6に示すように、第2搬入部22は、上昇搬送部26に出庫品Bを投入する出庫投入コンベヤ22a、および保管部16から出庫する出庫品Bを受け入れて出庫投入コンベヤ22aに供給する出庫アキュームコンベヤ22bを備えている。出庫投入コンベヤ22aおよび出庫アキュームコンベヤ22bは、ベルトコンベヤが用いられているが、ローラコンベヤなどを用いてもよい。
【0021】
第1搬出部23は、搬送装置本体20の下降搬送部27における第2方向Yの一側で、下降搬送部27に対して第2搬出部24よりも下部側の1箇所に配設されている。第1搬出部23は、保管部16から出庫する出庫品Bを下降搬送部27から受け入れて外部に送り出す出口ステーションコンベヤである。
【0022】
第2搬出部24は、搬送装置本体20の下降搬送部27における第2方向Yの他側で、各階層の保管部16毎に対応して上下方向に複数段に配設されている。各第2搬出部24は、保管部16に入庫する入庫品Aを下降搬送部27から受け入れて各移送部17に受け渡すアキュームコンベヤなどによって構成される入庫ステーションコンベヤである。
【0023】
そして、搬送装置本体20は、第1搬入部21から上昇搬送部26に送り込まれる入庫品Aを下降搬送部27から所定の第2搬出部24に送り出し、所定の第2搬入部22から上昇搬送部26に送り込まれる出庫品Bを下降搬送部27から第1搬出部23に送り出すように動作する。さらに、搬送装置本体20では、入庫品Aの入庫と出庫品Bの出庫とを並行して処理するように動作する。
【0024】
【0025】
搬送装置本体20は、フレーム30、搬送機構31、受渡部である第1受渡部32、受渡部である第2受渡部33、第1送出部34、および第2送出部35を備えている。
【0026】
フレーム30は、倉庫本体11とともに設置面上に立設されている。
【0027】
また、搬送機構31は、フレーム30に設置されている。搬送機構31は、複数の搬送台37、およびこれら搬送台37を上昇搬送部26と下降搬送部27との間で循環移動させる機構部38を備えている。
【0028】
搬送台37の構成を
図3ないし
図6に示す。搬送台37には、第2方向Yの2箇所に搬送物12を搭載可能な搭載位置40が設けられている。2箇所の搭載位置40は、搬送台37の第2方向Yの一側(第1搬入部21および第1搬出部23側)が一側搭載位置40aであり、他側(第2搬入部22および第2搬出部24側)が他側搭載位置40bである。搬送台37の一側搭載位置40aは上昇搬送部26の一側域26aおよび下降搬送部27の一側域27aを移動し、搬送台37の他側搭載位置40bは上昇搬送部26の他側域26bおよび下降搬送部27の他側域27bを移動する。
【0029】
搬送台37は、第2方向Yの両側が櫛歯状に設けられている。すなわち、搬送台37は、第2方向Yの中央の台部41、およびこの台部41から第2方向Yの両側に櫛歯状に突出された複数のフォーク部42を有している。複数のフォーク部42間は、上下方向、および第2方向Yの外側方にそれぞれ開口されている。
【0030】
搬送台37の各搭載位置40a,40bにおける第2方向Yの両側および第1方向Xの両側に、各搭載位置40a,40bに搭載された入庫品Aまたは出庫品Bの位置ずれを規制する規制部43,44が設けられている。第2方向Yの両側の規制部43は、各フォーク部42の先端から上方に突設されている。搬送台37の第2方向Yの両側には、一方の対角位置に連結部45が設けられ、他方の対角位置に移動部46が設けられている。移動部46は、例えば回転自在のローラを1つもしくは複数有している。
【0031】
機構部38は、
図2、
図3および
図5に示すように、フレーム30の第2方向Yの一側において、上下4箇所に回転可能に配設された一側スプロケット49と、これら一側スプロケット49に張設された無端状の一側チェーン50と、この一側チェーン50と干渉しない位置で環状に設けられた一側ガイドレール部51とを有し、また、フレーム30の第2方向Yの他側において、上下4箇所に回転可能に配設された他側スプロケット52と、これら他側スプロケット52に張設された無端状の他側チェーン53と、この他側チェーン53と干渉しない位置で環状に設けられた他側ガイドレール部54とを有している。
【0032】
搬送装置本体20が備える上昇搬送部26および下降搬送部27における第1方向Xの一端側(
図2および
図3左側)に沿って一側チェーン50および他側ガイドレール部54の一部が上下方向に配置され、上昇搬送部26および下降搬送部27における第1方向Xの他端側(
図2および
図3右側)に沿って一側ガイドレール部51および他側チェーン53の一部が上下方向に張設されている。
【0033】
各搬送台37の一側の連結部45が一側チェーン50に連結され、一側の移動部46が一側ガイドレール部51に移動可能に配置され、また、他側の連結部45が他側チェーン53に連結され、他側の移動部46が他側ガイドレール部54に移動可能に配置されている。各搬送台37は、一側チェーン50および他側チェーン53に支持されるとともに各移動部46が各ガイドレール部51,54に支持されることにより、常に水平状態に保たれている。
【0034】
なお、上昇搬送部26と下降搬送部27との上端間には、上昇搬送部26から下降搬送部27に搬送台37が水平移動する上側搬送部55が配設されている。上昇搬送部26と下降搬送部27との下端間には、下降搬送部27から上昇搬送部26に搬送台37が水平移動する下側搬送部56が配設されている。下側搬送部56は、搬送台37のみが移動し、基本的に搬送物12が移動することはない。
【0035】
そして、機構部38では、フレーム30に設置されたモータ57によって一側スプロケット49および他側スプロケット52が連動して回転駆動されることにより、一側チェーン50および他側チェーン53が連動して回動され、複数の搬送台37が水平状態を保ったまま、上昇搬送部26、上側搬送部55、下降搬送部27および下側搬送部56に亘って循環移動する。搬送台37が循環移動する方向は、搬送台37が上昇搬送部26を上昇し、下降搬送部27を下降する一方向である。
【0036】
また、第1受渡部32は、
図2に示すように、上昇搬送部26の下部側(最下部)に配設されている。第1受渡部32は、
図3および
図4に示すように、第1搬入部21から送り込まれる入庫品Aを受け入れて上昇搬送部26の下側から上昇してくる搬送台37の他側の搭載位置40である他側搭載位置40bに受け渡す。
【0037】
第1受渡部32には、受渡機構60が用いられている。第1受渡部32の受渡機構60は、上昇搬送部26の第2方向Yの他側つまり第1搬入部21に対して反対側に配設され、第2方向Yから上昇搬送部26内つまり搬送台37の上昇経路に対して進退可能とする。
【0038】
受渡機構60は、受渡ユニット61、およびこの受渡ユニット61を第2方向Yから上昇搬送部26内つまり搬送台37の上昇経路に対して進退させる移動ユニット62を備えている。
【0039】
受渡ユニット61は、上昇搬送部26外に退避した退避位置を原点位置とし、また、上昇搬送部26内への進入時に、第1搬入部21から送り込まれる入庫品Aを受け入れる受入位置A1と、受け入れた入庫品Aを搬送台37の他側の搭載位置40である他側搭載位置40bに受け渡す受渡位置A2とに移動可能とする。
【0040】
受渡ユニット61は、入庫品Aを受け入れて搬送する複数の受渡搬送体63、これら受渡搬送体63に受け入れる入庫品Aを所定の停止位置に停止させるストッパ部64、複数の受渡搬送体63およびストッパ部64を支持する支持部65を備えている。
【0041】
受渡搬送体63は、第1方向Xに所定の間隔をあけて配置されている。受渡搬送体63は、上昇搬送部26内の受渡位置A2に移動した状態で上昇搬送部26を上昇する搬送台37と干渉しないように、搬送台37の複数のフォーク部42間の位置に対応して配置されている。すなわち、第1受渡部32には、上昇搬送部26を上昇する搬送台37に櫛歯状に配置されている複数のフォーク部42と干渉しないように、複数の受渡搬送体63が櫛歯状に配置されている。
【0042】
受渡搬送体63は、例えばフリーローラコンベヤにて構成されている。受渡搬送体63は、複数のフリーローラ66、およびこれら複数フリーローラ66を第2方向Yに沿って配置してそれぞれ回転自在に支持する支持フレーム67を備えている。支持フレーム67は、上昇搬送部26に進入される先端側に対して反対の基端側が支持部65に取り付けられている。すなわち、受渡搬送体63は、支持部65に片持ち状態に支持されている。支持フレーム67は、先端側が上昇し、基端側が下降するように傾斜状に配置されている。したがって、複数のフリーローラ66の上面側で構成される搬送面が第1搬入部21から入庫品Aを受け入れる受入方向に下降傾斜されている。そして、受渡搬送体63は、第1搬入部21から送り込まれる入庫品Aを受入方向に向けて搬送する。なお、複数のフリーローラ66の上面側で構成される搬送面の傾斜角度は、第1搬入部21から送り込まれる入庫品Aを受入方向に向けて搬送可能でかつストッパ部64に衝突時の衝撃が小さいように、例えば6°程度が好ましい。
【0043】
なお、受渡搬送体63は、例えば樹脂などの滑りやすい材質または表面加工した棒状部材でもよい。あるいは、第2方向Yに複数のローラやベルトを回転駆動するようにしてもよい。また、受渡搬送体63の搬送面を傾斜させることは必ずしも必要ではなく、第1搬入部21により入庫品Aを受渡搬送体63上に送り込むことができれば受渡搬送体63の搬送面は傾斜させなくても構わない。
【0044】
ストッパ部64は、各受渡搬送体63に対応して配置される複数の緩衝部68、およびこれら緩衝部68を支持するストッパフレーム69を備えている。緩衝部68は、受渡搬送体63で受入方向に搬送する入庫品Aを所定の停止位置に停止させる際の衝突時の衝撃を緩和するもので、例えば衝撃吸収マットなどの衝撃吸収材が用いられている。なお、緩衝部68は、例えばショックアブソーバなどを用いてもよい。ストッパフレーム69は、上昇搬送部26に進入される先端側に対して反対の基端側が支持部65に取り付けられている。ストッパフレーム69の先端側には、各受渡搬送体63の配置に対応して複数のフレーム部70が櫛歯状に突設され、これら各フレーム部70に各緩衝部68が取り付けられている。
【0045】
支持部65は、移動台71、およびこの移動台71に設けられた複数のアーム72を有している。複数のアーム72は、複数の受渡搬送体63の位置に対応して第1方向Xに所定の間隔をあけて配置されているとともに、第2方向Yに沿って櫛歯状に配置されている。上昇搬送部26に進入される各アーム72の先端側に各受渡搬送体63の支持フレーム67がそれぞれ取り付けられ、両側のアーム72にストッパ部64のストッパフレーム69が取り付けられている。
【0046】
なお、受渡搬送体63が上昇搬送部26内の受渡位置A2に移動した状態では、ストッパ部64および支持部65とも、受渡搬送体63と同様に上昇搬送部26を上昇する搬送台37と干渉しない。
【0047】
さらに、移動ユニット62は、フレーム30に固定されるベース73、このベース73上に第2方向Yに沿って配設された複数のレール74、これらレール74に沿って第2方向Yにスライドする移動部75、およびベース73に対して移動部75を第2方向Yに移動させる駆動部としての複数のシリンダ装置76を備えている。移動部75上に受渡ユニット61の移動台71が取り付けられている。シリンダ装置76は、例えば電動シリンダが用いられている。移動ユニット62は、シリンダ装置76から移動部75の位置情報を取得し、この位置情報から受渡ユニット61の原点位置、受入位置A1および受渡位置A2を検知する。
【0048】
そして、シリンダ装置76の動作により、受渡ユニット61の複数の受渡搬送体63が、第2方向Yに沿ってスライドし、上昇搬送部26内に進退する。上昇搬送部26への進入時には、第1搬入部21から送り込まれる入庫品Aを受け入れる受入位置A1と、受け入れた入庫品Aを搬送台37の他側の搭載位置40である他側搭載位置40bに受け渡す受渡位置A2とに移動する。
【0049】
また、第2受渡部33は、
図2に示すように、上昇搬送部26の第1受渡部32よりも上方で、搬送台37の上昇経路に配設されている。第2受渡部33は、上下方向に複数段に配設される第2搬入部22の位置に対応して、上昇搬送部26に対して上下方向に複数段に配設されている。本実施の形態の第2受渡部33は、例えば、上下方向に6段に配設されている。第2受渡部33は、
図5および
図6に示すように、第2搬入部22によって送り込まれる出庫品Bを受け入れて上昇搬送部26の下側から上昇してくる搬送台37に受け渡す。
【0050】
第2受渡部33は、第1受渡部32と同様に、上述した受渡機構60が用いられている。第2受渡部33の受渡機構60は、第1受渡部32の受渡機構60と同じ構成であるが、上昇搬送部26の第2方向Yの一側つまり第2搬入部22に対して反対側に配設され、第2方向Yから上昇搬送部26内つまり搬送台37の上昇経路に対して進退可能とする。そして、第2受渡部33の受渡ユニット61は、上昇搬送部26外に退避した退避位置を原点位置とし、また、上昇搬送部26内への進入時に、第2搬入部22から送り込まれる出庫品Bを受け入れる受入位置B1と、受け入れた出庫品Bを搬送台37の一側の搭載位置40である一側搭載位置40aに受け渡す受渡位置B2とに移動可能とする。
【0051】
また、第1送出部34は、
図2に示すように、下降搬送部27の下部側(最下部)に配設されている。第1送出部34は、
図3に示すように、下降搬送部27の上側から下降してくる搬送台37の一側の搭載位置40である一側搭載位置40aに搭載された出庫品Bを受け取って第1搬出部23に送り出す。
【0052】
第1送出部34には、送出機構80が用いられている。第1送出部34の送出機構80は、下降搬送部27の第2方向Yの一側に配設され、第2方向Yから下降搬送部27内つまり搬送台37の下降経路に対して進退可能とする。
【0053】
送出機構80は、送出ユニット81、およびこの送出ユニット81を第2方向Yから下降搬送部27内つまり搬送台37の下降経路に対して進退させる移動ユニット82を備えている。
【0054】
送出ユニット81は、出庫品Bを受け入れて搬送する複数の送出搬送体83、これら送出搬送体83を駆動する駆動部84、およびこれら送出搬送体83および駆動部84を支持する支持部85を備えている。
【0055】
送出搬送体83は、第1方向Xに所定の間隔をあけて配置されている。送出搬送体83は、下降搬送部27内に進入した際に下降搬送部27を下降する搬送台37と干渉しないように、搬送台37の複数のフォーク部42間の位置に対応して配置されている。すなわち、第1送出部34には、下降搬送部27を下降する搬送台37に櫛歯状に配置されている複数のフォーク部42と干渉しないように、複数の送出搬送体83が櫛歯状に配置されている。
【0056】
送出搬送体83は、例えばベルトコンベヤにて構成されている。送出搬送体83は、無端状のベルト86、このベルト86を第2方向Yに沿って掛け回す一対のプーリ87、およびこれらプーリ87を回転可能に支持するコンベヤフレーム88を備えている。コンベヤフレーム88は、下降搬送部27に進入される先端側に対して反対の基端側が支持部85に取り付けられている。したがって、送出搬送体83は、支持部85に片持ち状態に支持されている。なお、送出搬送体83は、第2方向Yに複数のローラを配置したローラコンベヤなどにて構成されていてもよい。
【0057】
駆動部84は、第1方向Xに沿って配置される回転軸89、支持部85上に回転軸89を回転自在に軸支する軸受90、および回転軸89を回転駆動するモータ91を備えている。回転軸89には各送出搬送体83の基端側のプーリ87が固着されている。モータ91の駆動により、各送出搬送体83のベルト86が出庫品Bを第1搬出部23へ向けて回転する。
【0058】
そして、送出搬送体83は、下降搬送部27の上側から下降してくる搬送台37の一側の搭載位置40である一側搭載位置40aに搭載された出庫品Bを受け取って第1搬出部23に向けて搬送する。
【0059】
さらに、移動ユニット82は、フレーム30に固定されるベース、このベース上に第2方向Yに沿って配設された複数のレール92、これらレール92に沿って第2方向Yにスライドする移動部93、およびベースに対して移動部93を第2方向Yに移動させる駆動部としての複数のシリンダ装置94を備えている。移動部93上に送出ユニット81の支持部85が取り付けられている。シリンダ装置94は、例えば電動シリンダが用いられている。
【0060】
そして、シリンダ装置94の動作により、送出ユニット81の複数の送出搬送体83が、第2方向Yに沿ってスライドし、下降搬送部27内に進退する。送出ユニット81の複数の送出搬送体83は、下降搬送部27内に進入した進入位置(
図3の2点鎖線にて示す位置)と下降搬送部27内から退避した退避位置(
図3の実線にて示す位置)との間で進退可能とする。また、送出ユニット81の複数の送出搬送体83の退避位置は、第1搬出部23に出庫品Bを送り出す送出位置である。
【0061】
また、第2送出部35は、
図2に示すように、下降搬送部27に対して第1送出部34よりも上部側に配設されている。第2送出部35は、上下方向に複数段に配設される第2搬出部24の位置に対応して、下降搬送部27に対して上下方向に複数段に配設されている。本実施の形態の第2送出部35は、第2受渡部33と同じく、例えば、上下方向に6段に配設されている。第1送出部34は、
図5に示すように、下降搬送部27の上側から下降してくる搬送台37の他側の搭載位置40である他側搭載位置40bに搭載された入庫品Aを受け取って第2搬出部24に送り出す。
【0062】
第2送出部35は、第1送出部34と同様に、上述した送出機構80が用いられている。第2送出部35の送出機構80は、第1送出部34の送出機構80と同じ構成であるが、下降搬送部27の第2方向Yの他側に配設され、第2方向Yから下降搬送部27内つまり搬送台37の下降経路に対して進退可能とする。そして、第2送出部35の送出機構80では、送出ユニット81の複数の送出搬送体83が、下降搬送部27内に進入した進入位置(
図5の2点鎖線にて示す位置)と下降搬送部27内から退避した退避位置(
図5の実線にて示す位置)との間で進退可能とする。また、送出ユニット81の複数の送出搬送体83の退避位置は、第2搬出部24に入庫品Aを送り出す送出位置である。
【0063】
また、
図4に示すように、第1搬入部21には、入口アキュームコンベヤ21b上の位置に対応して入庫品Aの在荷および入庫品Aの通過を検知するセンサPHU1-1が配設され、入口投入コンベヤ21a上の位置に対応して入庫品Aの在荷を検知するセンサPHU1-2が配設されている。上昇搬送部26内には、入口投入コンベヤ21aの先端側からの入庫品Aのはみ出しおよび入庫品Aの通過を検知するセンサPHU1-3が配設されている。第1受渡部32の受渡機構60が受渡位置A2に移動した位置に対応して、入庫品Aの在荷を確認するセンサPHU1-4が配設されている。上昇搬送部26内で、第1搬入部21および第1受渡部32の位置に対応して、搬送台37の通過を確認するセンサPHU1-5,PHU1-6が配置されている。センサPHU1-5は第1受渡部32の受渡機構60が上昇搬送部26内に進入開始する進入開始タイミング検知用センサであり、センサPHU1-6は入口投入コンベヤ21aによる入庫品Aの搬送開始タイミング検知用センサである。
【0064】
また、
図6に示すように、下から2段目の第2搬入部22には、出庫アキュームコンベヤ22b上の位置に対応して出庫品Bの在荷を検知および出庫品Bの通過を検知するセンサPHU2-1が配設され、出庫投入コンベヤ22a上の位置に対応して出庫品Bの在荷を検知するセンサPHU2-2が配設されている。上昇搬送部26内には、出庫投入コンベヤ22aの先端側からの出庫品Bのはみ出しおよび出庫品Bの通過を検知するセンサPHU2-3が配設されている。第2受渡部33の受渡機構60が受渡位置B2に移動した位置に対応して、出庫品Bの在荷を確認するセンサPHU2-4が配設されている。上昇搬送部26内で、第2搬入部22および第2受渡部33の位置に対応して、搬送台37の通過を確認するセンサPHU2-5,PHU2-6が配置されている。センサPHU2-5は第2受渡部33の受渡機構60が上昇搬送部26内に進入開始する進入開始タイミング検知用センサであり、センサPHU2-6は出庫投入コンベヤ22aによる出庫品Bの搬送開始タイミング検知用センサである。また、下から3段目以上の第2搬入部22および第2受渡部33の各位置においても、センサPHU3-1,PHU4-1…、センサPHU3-2,PHU4-2…、センサPHU3-3,PHU4-3…、センサPHU3-4,PHU4-4…、センサPHU3-5,PHU4-5…、センサPHU3-6,PHU4-6…がそれぞれ配置されている。
【0065】
また、
図11に示すように、下降搬送部27内には、下から2段目以上の第2搬出部24および第2送出部35の各位置に対応して、下降する搬送台37の通過を検知するセンサPHD2-1,PHD3-1,PHD4-1…、PHD2-2,PHD3-2,PHD4-2…と、搬送台37から各第2送出部35に受け取った入庫品Aの在荷を検知するセンサPHD2-3,PHD3-3,PHD4-3…とが配設されている。センサPHD2-1,PHD3-1,PHD4-1…は第2送出部35の送出ユニット81が下降搬送部27内に進入開始する進入開始タイミング検知用センサであり、センサPHD2-2,PHD3-2,PHD4-2…は第2送出部35の送出ユニット81が下降搬送部27から後退開始する後退開始タイミング検知用センサである。また、同様に、下降搬送部27内には、第1搬出部23および第1送出部34の位置に対応して、下降する搬送台37の通過を確認するセンサPHD1-1およびPHD1-2(図示せず)と、搬送台37から第1送出部34に受け取った出庫品Bの在荷を検知するセンサPHD1-3(図示せず)とが配設されている。
【0066】
次に、搬送装置13の動作を説明する。
【0067】
まず、
図7および
図8において、入出庫の全体の流れを説明する。
【0068】
倉庫本体11に入庫する入庫品Aが第1搬入部21に順次搬入される。第1受渡部32の受渡ユニット61が上昇搬送部26内に進入して受入位置A1に移動され、第1搬入部21から入庫品Aを受け入れる。入庫品Aを受け入れた受渡ユニット61は、上昇搬送部26内の受渡位置A2に後退移動され、上昇搬送部26内を上昇してくる搬送台37の他側搭載位置40bに入庫品Aを受け渡す。入庫品Aを受け渡した受渡ユニット61は、後工程での入庫品Aの入庫動作または出庫品Bの出庫動作の異常で、入庫品Aまたは出庫品Bが搭載された搬送台37が周回して上昇搬送部26内を上昇してくるために、入庫品Aまたは出庫品Bと干渉する場合には、上昇搬送部26外の原点位置に後退移動され、また、入庫品Aまたは出庫品Bと干渉しない場合には、上昇搬送部26内の受渡位置A2で次回の受渡動作に待機される。
【0069】
倉庫本体11から出庫する出庫品Bが第2搬入部22に順次搬入される。第2受渡部33の受渡ユニット61が上昇搬送部26内に進入して受入位置B1に移動され、第2搬入部22から出庫品Bを受け入れる。出庫品Bを受け入れた受渡ユニット61は上昇搬送部26内の受渡位置B2に後退移動され、上昇搬送部26内を上昇してくる搬送台37の一側搭載位置40aに受け渡す。出庫品Bを受け渡した受渡ユニット61は、上昇搬送部26外に後退移動し、原点位置に戻る。
【0070】
そして、上昇搬送部26を上昇する搬送台37には、入庫品Aと出庫品Bとが一緒に搭載される場合、および入庫品Aと出庫品Bのいずれか一方が搭載される場合がある。上昇搬送部26内を上昇する搬送台37は、上昇搬送部26の上部から下降搬送部27に移動し、下降搬送部27内を下降する。
【0071】
下降搬送部27において、各搬送台37の位置情報および入庫品Aの搭載情報に基づき、入庫品Aを受け取る第2送出部35では、送出ユニット81が下降搬送部27内に進入移動され、下降搬送部27内を下降する搬送台37の他側搭載位置40bに搭載されている入庫品Aを受け取る。入庫品Aを受け取った送出ユニット81は、下降搬送部27外に後退されて第2搬出部24への送出位置に移動され、入庫品Aを第2搬出部24に送り出す。
【0072】
各搬送台37の位置情報および出庫品Bの搭載情報に基づき、出庫品Bを受け取る第1送出部34では、送出ユニット81が下降搬送部27内に進入移動され、下降搬送部27内を下降する搬送台37の一側搭載位置40aに搭載されている出庫品Bを受け取る。出庫品Bを受け取った送出ユニット81は、下降搬送部27外に後退されて第1搬出部23への送出位置に移動され、出庫品Bを第1搬出部23に送り出す。
【0073】
次に、
図9ないし
図12において、具体的な入庫動作および出庫動作を説明する。
【0074】
図9(a)(b)(c)および
図10(a)(b)に上昇搬送部26での入庫動作を示し、
図11(a)(b)に下降搬送部27での入庫動作を示す。
【0075】
図9(a)に示すように、倉庫本体11に入庫する入庫品Aが第1搬入部21に順次搬入される。第1搬入部21では、入口アキュームコンベヤ21bおよび入口投入コンベヤ21aが高速駆動され、入口アキュームコンベヤ21bに搬入された入庫品Aが入口投入コンベヤ21aに搬送される。
【0076】
入口アキュームコンベヤ21bの搬送方向先端側のセンサPHU1-1で入庫品Aの通過が検知されると、入口アキュームコンベヤ21bおよび入口投入コンベヤ21aが低速駆動に切り換えられる。
【0077】
入口投入コンベヤ21aの搬送方向先端側の在荷検知用のセンサPHU1-2で入庫品Aが検知されると、入口投入コンベヤ21aの駆動が停止され、入口投入コンベヤ21a上に入庫品Aが停止される。なお、
図4に示したはみ出し検知用のセンサPHU1-3が入庫品Aを検知する場合には、センサPHU1-3が入庫品Aを検知しなくなるまで、入口投入コンベヤ21aにより入庫品Aが逆方向に搬送され、入口投入コンベヤ21aの先端側からはみ出した入庫品Aが搬送台37と干渉するのが防止される。
【0078】
入口投入コンベヤ21a上の入庫品Aに続く入庫品Aが入口アキュームコンベヤ21bの搬送方向先端側のセンサPHU1-1で検知されると、入口アキュームコンベヤ21bの駆動が停止される。
【0079】
そして、在荷検知用のセンサPHU1-2により入口投入コンベヤ21a上の入庫品Aが検知されており、かつ、各搬送台37の位置情報および入庫品Aの搭載情報に基づき、第1受渡部32の高さ位置に対応して設けられた搬送台検知用のセンサPHU1-5で入庫品Aを搭載予定の搬送台37の1つ前の搬送台37の通過が検知されると、1つ前の搬送台37が第1受渡部32の受渡ユニット61と干渉しない高さに上昇したことから、第1受渡部32の受渡ユニット61が上昇搬送部26内に進入移動される。なお、上述したように、受渡ユニット61は、上昇搬送部26外の原点位置から上昇搬送部26内に進入移動される場合と、上昇搬送部26内の受渡位置A2から上昇搬送部26内にさらに進入移動される場合とがある。
【0080】
図9(b)に示すように、上昇搬送部26内に進入移動される受渡ユニット61は、入口投入コンベヤ21aに接近した受入位置A1で停止される。受渡ユニット61が受入位置A1に移動すると、入口投入コンベヤ21aが高速駆動され、入口投入コンベヤ21a上の入庫品Aが受渡ユニット61上に高速搬送される。
【0081】
受渡ユニット61では、複数のフリーローラ66を備えるとともに、複数のフリーローラ66の上面で構成される搬送面が受入方向に向けて下降傾斜されているため、入口投入コンベヤ21aから送り込まれる入庫品Aが受入方向に搬送される。
【0082】
図9(c)に示すように、受渡ユニット61上に搬送される入庫品Aはストッパ部64に当接して停止される。このとき、センサPHU1-2(
図9(b)参照)で入庫品Aの通過が検知されると、入口投入コンベヤ21aの駆動が停止される。さらに、受渡ユニット61上に入庫品Aが搬送され、センサPHU1-3で入庫品Aの通過が検知されると、受渡ユニット61が上昇搬送部26内の受渡位置A2に向けて後退移動される。
【0083】
はみ出し検知用と兼用される通過検知用のセンサPHU1-3で入庫品Aの通過が検知されると、上述したように、入口アキュームコンベヤ21bおよび入口投入コンベヤ21aが駆動され、入口アキュームコンベヤ21b上の次の入庫品Aが入口投入コンベヤ21aに供給される。
【0084】
図10(a)に示すように、受渡ユニット61は上昇搬送部26内の受渡位置A2に後退移動して停止される。在荷検知用のセンサPHU1-4で受渡ユニット61上の入庫品Aの在荷が確認されるとともにこの在荷確認によって受渡ユニット61の受渡位置A2への移動が確認される。
【0085】
図10(b)に示すように、上昇搬送部26を上昇してくる搬送台37の他側搭載位置40bに、上昇搬送部26内の受渡位置A2に位置する受渡ユニット61上の入庫品Aが受け渡される。
【0086】
入庫品Aが受け渡された搬送台37の通過が搬送台検知用のセンサPHU1-5で検知されると、上述したように、受渡ユニット61が受入位置A1に進入移動し、第1搬入部21からの次の入庫品Aの受け入れに移行する。
【0087】
また、
図11(a)(b)に示すように、入庫品Aを搭載して上昇搬送部26内を上昇する搬送台37は、上昇搬送部26の上部から下降搬送部27に移動し、下降搬送部27内を下降する。
図11(a)(b)には、第1搬出部23および第1送出部34を1段目とした場合に、第1搬出部23および第1送出部34の上段側の2、3、4段目の第2搬出部24および第2送出部35を示す。
【0088】
図11(a)に示すように、各搬送台37の位置情報および入庫品Aの搭載情報に基づき、入庫品Aを受け取る第2送出部35(最下段に図示する2段目の第2送出部35)では、この第2送出部35から入庫品Aの最大高さ分の下側位置に対応して設けられた搬送台検知用のセンサPHD2-1で、受取対象の入庫品Aを搭載した搬送台37の1つ前の搬送台37の通過が検知されると、第2送出部35の送出ユニット81が1つ前の搬送台37上の入庫品Aと干渉しなくなるため、送出ユニット81が退避位置から下降搬送部27内に進入移動される。なお、搬送台検知用のセンサPHD2-1が設置困難な場合には、上方に設置された搬送台検知用のセンサPHD4-1での搬送台37の通過の検知後の所定のタイミングで、送出ユニット81が退避位置から下降搬送部27内に進入移動される。
【0089】
図11(b)に示すように、下降搬送部27内に進入移動した送出ユニット81に、下降する搬送台37の他側搭載位置40bから受取対象の入庫品Aを受け取る。入庫品Aを受け取る送出ユニット81の位置に対応して設けられた在荷検知用のセンサPHD2-3で送出ユニット81上の入庫品Aが検知され、かつ、搬送台検知用のセンサPHD2-2で搬送台37の通過が検知されると、送出ユニット81が下降搬送部27外の退避位置に戻り、つまり第2搬出部24への入庫品Aの送出位置に戻り、送出ユニット81上の入庫品Aが第2搬出部24に送り出される。
【0090】
そして、下降搬送部27では、各搬送台37の位置情報および入庫品Aの搭載情報に基づき、各段の第2搬出部24および第2の送出部35において、対応する入庫品Aの入庫動作が実行される。
【0091】
続いて、
図12(a)(b)に上昇搬送部26での出庫動作を示す。
図12(a)(b)には、第1搬入部21および第1受渡部32を1段目とした場合に、第1搬入部21および第1受渡部32の上段側の2、3、4段目の第2搬入部22および第2受渡部33を示す。
【0092】
図12(a)に示すように、倉庫本体11から出庫する出庫品Bが第2搬入部22に順次搬入される。第2搬入部22では、出庫アキュームコンベヤ22bおよび出庫投入コンベヤ22aが高速駆動され、出庫アキュームコンベヤ22bに搬入された出庫品Bが出庫投入コンベヤ22aに搬送される。
【0093】
例えば3段目の第2搬入部22(中段に図示する第2搬入部22)において、出庫アキュームコンベヤ22bの搬送方向先端側のセンサPHU3-1で出庫品Bの通過が検知されると、出庫アキュームコンベヤ22bおよび出庫投入コンベヤ22aが低速駆動に切り換えられる。
【0094】
出庫投入コンベヤ22aの搬送方向先端側の在荷検知用のセンサPHU3-2で出庫品Bが検知されると、出庫投入コンベヤ22aの駆動が停止され、出庫投入コンベヤ22a上に出庫品Bが停止される。なお、はみ出し検知用のセンサPHU3-3(
図6のセンサPHU2-3と同様)が入庫品Aを検知する場合には、センサPHU3-3が出庫品Bを検知しなくなるまで、出庫投入コンベヤ22aにより出庫品Bが逆方向に搬送され、出庫投入コンベヤ22aの先端側からはみ出した出庫品Bが搬送台37と干渉するのが防止される。
【0095】
出庫投入コンベヤ22a上の出庫品Bに続く出庫品Bが出庫アキュームコンベヤ22bの搬送方向先端側のセンサPHU3-1で検知されると、出庫アキュームコンベヤ22bの駆動が停止される。
【0096】
そして、在荷検知用のセンサPHU3-2により出庫投入コンベヤ22a上の出庫品Bが検知されており、かつ、各搬送台37の位置情報および出庫品Bの搭載情報に基づき、第2受渡部33の高さ位置に対応して設けられた搬送台検知用のセンサPHU3-5で出庫品Bを搭載予定の搬送台37の1つ前の搬送台37の通過が検知されると、1つ前の搬送台37が第2受渡部33の受渡ユニット61と干渉しない高さに上昇したことから、第2受渡部33の受渡ユニット61が上昇搬送部26内に進入移動される。
【0097】
上昇搬送部26内に進入移動される受渡ユニット61は、出庫投入コンベヤ22aに接近した受入位置B1で停止される。受渡ユニット61が受入位置B1に移動すると、出庫投入コンベヤ22aが高速駆動され、出庫投入コンベヤ22a上の出庫品Bが受渡ユニット61上に高速搬送される。
【0098】
受渡ユニット61では、複数のフリーローラ66を備えるとともに、複数のフリーローラ66の上面で構成される搬送面が受入方向に向けて下降傾斜されているため、出庫投入コンベヤ22aから送り込まれる出庫品Bが受入方向に搬送される。
【0099】
受渡ユニット61上に搬送される出庫品Bはストッパ部64に当接して停止される。このとき、センサPHU3-2で出庫品Bの通過が検知されると、出庫投入コンベヤ22aの駆動が停止される。さらに、受渡ユニット61上に出庫品Bが搬送され、センサPHU3-3(
図6のセンサPHU2-3と同様)で出庫品Bの通過が検知されると、受渡ユニット61が上昇搬送部26内の受渡位置B2に向けて後退移動される。
【0100】
はみ出し検知用と兼用される通過検知用のセンサPHU3-3で出庫品Bの通過が検知されると、上述したように、出庫アキュームコンベヤ22bおよび出庫投入コンベヤ22aが駆動され、出庫アキュームコンベヤ22b上の次の出庫品Bが出庫投入コンベヤ22aに供給される。
【0101】
図12(b)に示すように、受渡ユニット61は上昇搬送部26内の受渡位置B2に後退移動して停止される。在荷検知用のセンサPHU3-4で受渡ユニット61上の出庫品Bの在荷が確認されるとともにこの在荷確認によって受渡ユニット61の受渡位置B2への移動が確認される。
【0102】
上昇搬送部26を上昇してくる搬送台37の一側搭載位置40aに、上昇搬送部26内の受渡位置B2に位置する受渡ユニット61上の出庫品Bが受け渡される。
【0103】
出庫品Bが受け渡された搬送台37の通過が搬送台検知用のセンサPHU3-5で検知されると、上述したように、受渡ユニット61が上昇搬送部26外の原点位置に後退移動し、第2搬入部22からの次の出庫品Bの受渡動作に待機する。なお、下段側からの出庫品Bがない場合には、受渡ユニット61は、原点位置に戻らず、受渡位置B2にて次の出庫品Bの受渡動作に待機してもよい。
【0104】
また、
図8に示すように、出庫品Bを搭載して上昇搬送部26内を上昇する搬送台37は、上昇搬送部26の上部から下降搬送部27に移動し、下降搬送部27内を下降する。
【0105】
図8(b)に示すように、各搬送台37の位置情報および出庫品Bの搭載情報に基づき、出庫品Bを受け取る第1送出部34では、この第1送出部34から出庫品Bの最大高さ分の下側位置に対応して設けられた搬送台検知用のセンサPHD1-1(図示せず)で、受取対象の出庫品Bを搭載した搬送台37の1つ前の搬送台37の通過が検知されると、第1送出部34の送出ユニット81が1つ前の搬送台37上の出庫品Bと干渉しなくなるため、送出ユニット81が退避位置から下降搬送部27内に進入移動される。なお、搬送台検知用のセンサPHD1-1が設置困難な場合には、例えば上方に設置された搬送台検知用のセンサPHD3-1(
図11(b)参照)での搬送台37の通過の検知後の所定のタイミングで、送出ユニット81が退避位置から下降搬送部27内に進入移動される。
【0106】
下降搬送部27内に進入移動した送出ユニット81に、下降する搬送台37の一側搭載位置40aから受取対象の出庫品Bを受け取る。出庫品Bを受け取る送出ユニット81の位置に対応して設けられた在荷検知用のセンサPHD1-3(図示せず)で送出ユニット81上の出庫品Bが検知され、かつ、搬送台検知用のセンサPHD1-2(図示せず)で搬送台37の通過が検知されると、送出ユニット81が下降搬送部27外の退避位置に戻り、つまり第1搬出部23への出庫品Bの送出位置に戻り、送出ユニット81上の出庫品Bが第1搬出部23に送り出される。
【0107】
また、
図13(a)(b)(c)に、搬送装置13により搬送物12を搬送可能なレイアウトの変形例を示す。
図13(a)のレイアウトを第1のレイアウトとし、
図13(b)に第2のレイアウト、
図13(c)に第3のレイアウトを示す。なお、
図13(a)に示す第1のレイアウトは上述のとおりであるため、ここでの説明を省略する。
【0108】
図13(b)に示す第2のレイアウトは、第2搬入部22が上昇搬送部26の一側で第1搬入部21の上方域に配設される。この場合、第1受渡部32は、第1搬入部21から上昇搬送部26に送り込まれる入庫品Aを搬送台37の搭載位置40のうち第1搬入部21から離れた側である他側搭載位置40bに受け渡す受渡機構60が用いられる。第2受渡部33は、例えば送出部34,35の送出機構80と同様の機構が用いられ、送出機構80による送出動作とは逆の動作によって第2搬入部22から上昇搬送部26に送り込まれる出庫品Bを搬送台37の搭載位置40のうち第2搬入部22に近い側である一側搭載位置40aに受け渡す。
【0109】
そして、第2のレイアウトでは、第1搬入部21から送り込まれる入庫品Aを、搬送台37の他側搭載位置40bに搭載して第2搬出部24に搬出する。第2搬入部22から送り込まれる出庫品Bを、搬送台37の一側搭載位置40aに搭載して第1搬出部23に搬出する。なお、第2搬入部22と第1搬入部21との上下関係は変更することが可能である。
【0110】
図13(c)に示す第3のレイアウトは、第2搬入部22が上昇搬送部26の一側で第1搬入部21の上方域に配設され、第1搬出部23が下降搬送部27の他側に、第2搬出部24が下降搬送部27の一側にそれぞれ配設される。この場合、第1受渡部32は、例えば送出部34,35の送出機構80と同様の機構が用いられ、送出機構80による送出動作とは逆の動作によって第1搬入部21から上昇搬送部26に送り込まれる入庫品Aを搬送台37の搭載位置40のうち第1搬入部21に近い側である一側搭載位置40aに受け渡す。第2受渡部33は、第2搬入部22から上昇搬送部26に送り込まれる出庫品Bを搬送台37の搭載位置40のうち第2搬入部22から離れた側である他側搭載位置40bに受け渡す受渡機構60が用いられる。
【0111】
そして、第3のレイアウトでは、第1搬入部21から送り込まれる入庫品Aを、搬送台37の一側搭載位置40aに搭載して第2搬出部24に搬出する。第2搬入部22から送り込まれる出庫品Bを、搬送台37の他側搭載位置40bに搭載して第1搬出部23に搬出する。なお、第2搬入部22と第1搬入部21との上下関係は変更することが可能である。
【0112】
このように、第1ないし第3のレイアウトのいずれも、出し入れする搬送物12の搬送を並行して処理可能とし、上下流の搬送装置などの配置に対応して搬送物12を効率よく搬送できる。そして、搬送装置13を自動倉庫システム10に適用する場合、保管部16や移送部17の配置や搬送物12の入出庫方向などの違いに対応可能なレイアウトを適用できる。
【0113】
ここで、搬送台37には2箇所以上の搭載位置40を設けてもよく、例えば、搬送台37に一側搭載位置40aと他側搭載位置40bとが夫々2箇所ずつ設けられた場合、他側搭載位置40bには先に上段の第2送出部35から送り出される搬送物12が外側の他側搭載位置40bに搭載されるように第1受渡部32から搬送台37に搬送物が2個搭載され、一側搭載位置40aには下段に位置する第2受渡部33から順に奥側の一側搭載位置40aに搬送物12が順次2個搭載(第2受渡部33から一斉に2個搭載されてもよい)され、これら2個の搬送物12が送出部34,35により搬送台37から搬出されることも可能である。
【0114】
また、一側搭載位置40aに複数個、他側搭載位置40bに単数個の搬送物12、またはその逆の個数を搬送台37に搭載することができ、搬送台37には3個以上の搬送物12を搭載することが可能である。そして、第1受渡部32および第2受渡部33は、一方の受渡部は他方の受渡部によって使用される搭載位置を空けるように他方の受渡部から離れた搭載位置に搬送物12を搭載することで、搬送台37上で先に搭載された搬送物12と後から搭載される搬送部12との干渉を避けるとともに、次に搭載される搬送物12のための搭載位置を空けておく。
【0115】
以上のように、本実施の形態の搬送装置13によれば、搬送装置本体20により、第1搬入部21から上昇搬送部26に送り込まれる入庫品Aを下降搬送部27から第2搬出部24に送り出し、第2搬入部22から上昇搬送部26に送り込まれる出庫品Bを下降搬送部27から第1搬出部23に送り出すことにより、入庫品Aの入庫と出庫品Bの出庫とを並行して行うことができる。
【0116】
また、搬送台37は第2方向Yの少なくとも2箇所に搬送物12を搭載する搭載位置40を備えるため、搬送物12である入庫品Aと出庫品Bを一緒に搭載して搬送でき、搬送物12をより効率的に搬送できる。
【0117】
また、受渡部32,33および送出部34,35が上昇搬送部26および下降搬送部27に対して第2方向Yに移動する構成であるため、第1方向Xに受渡部32,33および送出部34,35の退避スペースを設ける必要がなく、搬送装置本体20の上昇搬送部26と下降搬送部27との間の距離を小さくし、小形化することができる。しかも、2列の保管部16の間隔が狭い自動倉庫システム10にも対応することができる。
【0118】
さらに、受渡部32,33および送出部34,35の移動方向と受渡部32,33および送出部34,35による搬送物12の搬送方向とが同じ方向であるため、受渡部32,33上および送出部34,35上に搬送物12を載せた状態で移動することが可能となり、搬送装置13の搬送効率を向上できる。
【0119】
すなわち、受渡部32,33においては、上昇搬送部26内に対して、受入位置A1,B1から受渡位置A2,B2への受渡ユニット61の移動と受渡ユニット61上の搬送物12の移動とを同時に行えるため、受渡ユニット61の移動と搬送物12の移動を別々に行う場合に比べて、搬送物12を上昇搬送部26の所定の位置に迅速に配置することができる。そのため、搬送台37による搬送物12の搬送速度を速くしても、受渡部32,33は対応可能で、搬送装置13の搬送効率を向上できる。
【0120】
同様に、送出部34,35においては、下降搬送部27に対して、送出ユニット81の退避移動と、送出ユニット81に受け取った搬送物12の退避移動とが同時に行えるため、送出ユニット81から搬送物12を送り出した後にこの送出ユニット81を退避移動させる場合に比べて、送出ユニット81の退避移動のタイミングを早くできる。そのため、搬送台37による搬送物12の搬送速度を速くしても、送出部34,35は対応可能で、搬送装置13の搬送効率を向上できる。
【0121】
さらに、搬送台37には第2方向Yに複数のフォーク部42を櫛歯状に設け、受渡部32,33および送出部34,35には搬送台37のフォーク部42間の位置に進退可能とする複数の受渡搬送体63および複数の送出搬送体83を設けているため、受渡部32,33および送出部34,35の移動方向と受渡部32,33および送出部34,35による搬送物12の搬送方向とが同じ方向とすることができる。
【0122】
また、受渡部32,33の受渡機構60は、上昇搬送部26を挟んで搬入部21,22に対向するように配設され、上昇搬送部26内の受入位置A1,B1と受渡位置A2,B2とに移動し、受入位置A1,B1で搬入部21,22から上昇搬送部26に送り込まれる搬送物12を受け入れ、受渡位置A2,B2で搬送物12を搬送台37の搭載位置40のうち搬送物12を送り込んだ搬入部21,22から離れた側の搭載位置40に受け渡すことができるため、1台の受渡部32,33で搬入部21,22から搬送台37への搬送物12の受け渡しができ、構成を簡素化できるとともに、受渡動作の工数や制御も簡略化できる。
【0123】
さらに、受渡機構60の受渡搬送体63は、搬入部21,22から送り込まれる搬送物12を受入方向に搬送するフリーローラ66を有するため、駆動部を含む駆動構造が必要なく、構成を簡素化できるとともに、搬送動作の工数や制御も簡略化できる。
【0124】
しかも、複数のフリーローラ66の上面側で構成される搬送面に、搬入部21,22から送り込まれる搬送物12を受入方向に向けて下降する傾斜角度を付しているため、搬送物12を受入方向に向けて確実に搬送することができる。
【0125】
なお、搬送装置は、自動倉庫システムへの適用に限らず、2方向から搬送先が異なる搬送物を2方向から搬入し、2方向の搬送先に搬出する他の搬送システムなどにも適用でき、搬送物についても入庫品、出庫品に限らず様々な属性の搬送物を取り扱うことができる。
【0126】
以上、本発明の実施の形態およびその変形例について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、前記実施の形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0127】
10 自動倉庫システム
12 搬送物
13 搬送装置
16 保管部
17 移送部
20 搬送装置本体
21 第1搬入部
22 第2搬入部
23 第1搬出部
24 第2搬出部
26 上昇搬送部
27 下降搬送部
32 受渡部である第1受渡部
33 受渡部である第2受渡部
37 搬送台
40 搭載位置
42 フォーク部
60 受渡機構
63 受渡搬送体
A 入庫品
A1 受入位置
A2 受渡位置
B 出庫品
B1 受入位置
B2 受渡位置
X 第1方向
Y 第2方向