(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-06
(45)【発行日】2024-02-15
(54)【発明の名称】名刺情報管理システム、プログラム及び名刺情報管理方法
(51)【国際特許分類】
G06F 16/9035 20190101AFI20240207BHJP
G06Q 30/02 20230101ALI20240207BHJP
G06F 16/9038 20190101ALI20240207BHJP
【FI】
G06F16/9035
G06Q30/02
G06F16/9038
(21)【出願番号】P 2020098993
(22)【出願日】2020-06-07
【審査請求日】2021-12-01
(73)【特許権者】
【識別番号】598125567
【氏名又は名称】ユーソナー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141427
【氏名又は名称】飯村 重樹
(72)【発明者】
【氏名】福富 七海
(72)【発明者】
【氏名】吉川 大基
【審査官】齊藤 貴孝
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-114836(JP,A)
【文献】特開2019-168780(JP,A)
【文献】特開平10-162010(JP,A)
【文献】特開2001-005705(JP,A)
【文献】特開2018-088031(JP,A)
【文献】特開2018-067095(JP,A)
【文献】特開2017-033351(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
名刺情報が格納されたデータベースを有するサーバ及び該サーバとネットワークを介して接続される複数のユーザ端末を備え、該ユーザ端末を介したユーザの要求に基づいて前記名刺情報が検索される名刺情報管理システムにおいて、
前記ユーザによる前記ユーザ端末を介した前記名刺情報へのアクセスに関する複数のアクセス情報を処理するアクセス情報処理モジュールと、
該アクセス情報処理モジュールで処理された前記アクセス情報に
予め設定されたスコアに基づいて前記名刺情報にスコアを付与するスコア付与モジュールと、
該スコア付与モジュールで前記名刺情報に付与した前記スコアに応じて前記名刺情報の有用性に関する表示を前記名刺情報に付与する有用性表示付与モジュールと、を備え、
前記アクセス情報は、
前記データベースに格納された前記名刺情報と同一の名刺情報が前記データベースに格納された回数に関する格納回数情報を有する、
ことを特徴とする名刺情報管理システム。
【請求項2】
前記有用性表示付与モジュールは、
前記スコアに応じた着色情報を前記名刺情報に付与することを特徴とする請求項1に記載の名刺情報管理システム。
【請求項3】
前記有用性表示付与モジュールは、
前記スコアに応じて降順に前記名刺情報を配列することを特徴とする請求項1に記載の名刺情報管理システム。
【請求項4】
前記アクセス情報処理モジュールは、
前記名刺情報へのアクセスのログを前記アクセス情報としてアクセスした前記名刺情報と関連づけて記録することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の名刺情報管理システム。
【請求項5】
前記アクセス情報に基づいて任意の前記名刺情報と関連を有するユーザを特定し、特定した前記ユーザと対応する名刺情報に任意の表示を付与するユーザ表示付与モジュールを備えることを特徴とする請求項4に記載の名刺情報管理システム。
【請求項6】
前記アクセス情報は、
前記データベースに格納された前記名刺情報が前記ユーザに閲覧された回数に関する閲覧回数情報を有することを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の名刺情報管理システム。
【請求項7】
前記アクセス情報は、
前記データベースに格納された前記名刺情報が更新された回数に関する更新回数情報を有することを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の名刺情報管理システム。
【請求項8】
前記アクセス情報は、
前記データベースに格納された前記名刺情報に含まれる、該名刺情報に対応する人物を特定する個人情報を参照した回数に関する個人情報参照回数情報を有することを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の名刺情報管理システム。
【請求項9】
名刺に記載された名刺情報が格納されたデータベースを有するサーバ及び該サーバとネットワークを介して接続される複数のユーザ端末を備え、該ユーザ端末を介したユーザの要求に基づいて前記名刺情報が検索される名刺情報管理システムに格納されるプログラムにおいて、
前記ユーザによる前記ユーザ端末を介した前記名刺情報へのアクセスに関する複数のアクセス情報を処理するアクセス情報処理モジュールと、
該アクセス情報処理モジュールで処理された前記アクセス情報に
予め設定されたスコアに基づいて前記名刺情報にスコアを付与するスコア付与モジュールと、
該スコア付与モジュールで前記名刺情報に付与した前記スコアに応じて前記名刺情報の有用性に関する表示を前記名刺情報に付与する有用性表示付与モジュールと、を備え、
前記アクセス情報は、
前記データベースに格納された前記名刺情報と同一の名刺情報が前記データベースに格納された回数に関する格納回数情報を有する、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項10】
名刺情報が格納されたデータベースを有するサーバ及び該サーバとネットワークを介して接続される複数のユーザ端末を備え、該ユーザ端末を介したユーザの要求に基づいて前記名刺情報が検索される名刺情報管理システムを用いた名刺情報管理方法において、
前記サーバが、
前記ユーザによる前記ユーザ端末を介した前記名刺情報へのアクセスに関する複数のアクセス情報を処理するアクセス情報処理ステップと、
該アクセス情報処理ステップで処理された前記アクセス情報に
予め設定されたスコアに基づいて前記名刺情報にスコアを付与するスコア付与ステップと、
該スコア付与ステップで前記名刺情報に付与した前記スコアに応じて前記名刺情報の有用性に関する表示を前記名刺情報に付与する有用性表示付与ステップと、を実行し、
前記アクセス情報は、
前記データベースに格納された前記名刺情報と同一の名刺情報が前記データベースに格納された回数に関する格納回数情報を有する、
ことを特徴とする名刺情報管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、名刺情報管理システム、プログラム及び名刺情報管理方法、特に、名刺に記載された名刺情報が格納されたデータベースを有するサーバ及びサーバとネットワークを介して接続される複数のユーザ端末を備え、ユーザ端末を介したユーザの要求に基づいて名刺情報が検索される名刺情報管理システム、この名刺情報管理システムに格納されるプログラム及び名刺情報管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、事業者の名称や連絡先、あるいは所在地といった事業者の属性に関する情報が記載された名刺情報をデータベース化して管理し、ユーザの要求に応じて必要な名刺情報をデータベースから検索する名刺情報管理システムが広く利用されている。
【0003】
特許文献1には、名刺情報が格納されたデータベース、及びデータベースに格納された名刺情報をネットワーク経由でユーザの端末から検索可能な名刺情報管理サーバを備えた名刺情報管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この種の名刺情報管理システムを利用する複数のユーザの間において、それぞれのユーザが交換した名刺から把握される名刺情報の有用性を判別することができれば、ユーザの事業活動にとって便宜である。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ユーザが名刺情報の有用性を判別することができる名刺情報管理システム、プログラム及び名刺情報管理方法を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明に係る名刺情報管理システムは、名刺情報が格納されたデータベースを有するサーバ及びサーバとネットワークを介して接続される複数のユーザ端末を備え、ユーザ端末を介したユーザの要求に基づいて名刺情報が検索される名刺情報管理システムにおいて、ユーザによるユーザ端末を介した名刺情報へのアクセスに関する複数のアクセス情報を処理するアクセス情報処理モジュールと、アクセス情報処理モジュールで処理されたアクセス情報に基づいて名刺情報にスコアを付与するスコア付与モジュールと、スコア付与モジュールで名刺情報に付与したスコアに応じて名刺情報の有用性に関する表示を名刺情報に付与する有用性表示付与モジュールと、を備えることを特徴としている。
【0008】
これによれば、名刺情報にアクセスした際のアクセス情報に基づいて付与されたスコアに応じて、名刺情報の有用性の表示を名刺情報に付与することから、ユーザは、名刺情報の有用性を客観的に判別することができる。これにより、ユーザの事業活動に有意な影響を及ぼす可能性のある人物を容易に特定することができる。
【0009】
ところで、この名刺情報管理システムの有用性表示付与モジュールは、スコアに応じた着色情報を名刺情報に付与するものであってもよいし、スコアに応じて降順に名刺情報を配列するものであってもよい。
【0010】
この名刺情報管理システムのアクセス情報処理モジュールは、名刺情報へのアクセスのログをアクセス情報としてアクセスした名刺情報と関連づけて記録することを特徴としている。
【0011】
さらに、名刺情報管理システムは、アクセス情報に基づいて任意の名刺情報と関連を有するユーザを特定し、特定したユーザと対応する名刺情報に任意の表示を付与するユーザ表示付与モジュールを備えることを特徴としている。
【0012】
しかも、名刺情報管理システムのアクセス情報処理モジュールで処理するアクセス情報は、データベースに格納された名刺情報と同一の名刺情報がデータベースに格納された回数に関する格納回数情報を有することを特徴としている。
【0013】
名刺情報管理システムのアクセス情報処理モジュールで処理するアクセス情報は、データベースに格納された名刺情報がユーザに閲覧された回数に関する閲覧回数情報を有することを特徴としている。
【0014】
名刺情報管理システムのアクセス情報処理モジュールで処理するアクセス情報は、データベースに格納された名刺情報が更新された回数に関する更新回数情報を有することを特徴としている。
【0015】
さらに、名刺情報管理システムのアクセス情報処理モジュールで処理するアクセス情報は、データベースに格納された名刺情報に含まれる、名刺情報に対応する人物を特定する個人情報を参照した回数に関する個人情報参照回数情報を有することを特徴としている。
【0016】
上記目的を達成するための本発明に係るプログラムは、名刺情報が格納されたデータベースを有するサーバ及びサーバとネットワークを介して接続される複数のユーザ端末を備え、ユーザ端末を介したユーザの要求に基づいて名刺情報が検索される名刺情報管理システムに格納されるプログラムにおいて、ユーザによるユーザ端末を介した名刺情報へのアクセスに関する複数のアクセス情報を処理するアクセス情報処理モジュールと、アクセス情報処理モジュールで処理されたアクセス情報に基づいて名刺情報にスコアを付与するスコア付与モジュールと、スコア付与モジュールで名刺情報に付与したスコアに応じて名刺情報の有用性に関する表示を名刺情報に付与する有用性表示付与モジュールと、を備えることを特徴としている。
【0017】
上記目的を達成するための本発明に係る名刺情報管理方法は、名刺に記載された名刺情報が格納されたデータベースを有するサーバ及びサーバとネットワークを介して接続される複数のユーザ端末を備え、ユーザ端末を介したユーザの要求に基づいて名刺情報が検索される名刺情報管理システムを用いた名刺情報管理方法において、ユーザによるユーザ端末を介した名刺情報へのアクセスに関する複数のアクセス情報を処理するアクセス情報処理ステップと、アクセス情報処理ステップで処理されたアクセス情報に基づいて名刺情報にスコアを付与するスコア付与ステップと、スコア付与ステップで名刺情報に付与したスコアに応じて名刺情報の有用性に関する表示を名刺情報に付与する有用性表示付与ステップと、を備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、ユーザの事業活動に有意な影響を及ぼす可能性のある人物を容易に特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施の形態に係る名刺情報管理システムの構成の概略を説明するブロック図である。
【
図2】同じく、本実施の形態に係る名刺情報管理システムのユーザ端末の構成の概略を説明するブロック図である。
【
図3】同じく、本実施の形態に係る名刺情報管理システムの名刺情報管理サーバの構成の概略を説明するブロック図である。
【
図4】同じく、本実施の形態に係る名刺情報管理システムの名刺情報管理サーバのストレージの構成の概略を説明するブロック図である。
【
図5】同じく、本実施の形態に係る名刺情報管理システムで処理される名刺情報の構成の概略を説明する図である。
【
図6】同じく、本実施の形態に係る名刺情報管理システムの名刺情報管理サーバのストレージに格納される名刺情報管理プログラムの構成の概略を説明するブロック図である。
【
図7】同じく、本実施の形態に係る名刺情報管理システムで処理されるアクセス情報の概略を説明するブロック図である。
【
図8】同じく、本実施の形態に係る名刺情報管理システムで処理されるアクセス情報の概略を説明する図である。
【
図9】同じく、本実施の形態に係る名刺情報管理システムで処理されるアクセス情報の概略を説明する図である。
【
図10】同じく、本実施の形態に係る名刺情報管理システムの名刺情報管理サーバのストレージに格納される名刺情報管理プログラムのスコア付与モジュールで名刺情報に付与されるスコアの概略を説明する図である。
【
図11】同じく、本実施の形態に係る名刺情報管理システムの名刺情報管理サーバのストレージに格納される名刺情報管理プログラムのスコア付与モジュールの処理の概略を説明する図である。
【
図12】同じく、本実施の形態に係る名刺情報管理システムの名刺情報管理サーバのストレージに格納される名刺情報管理プログラムの有用性表示付与モジュールの処理の概略を説明する図である。
【
図13】同じく、本実施の形態に係る名刺情報管理システムの運用の概略を説明する図である。
【
図14】本発明の他の実施の形態に係る名刺情報管理システムの概略を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、
図1~
図14に基づいて、本発明の実施の形態に係る名刺情報管理システムについて説明する。
【0021】
図1は、本実施の形態に係る名刺情報管理システムの構成の概略を説明するブロック図である。図示のように、名刺情報管理システム10は、複数のユーザ端末20a~20n及びサーバである名刺情報管理サーバ30を主要構成として備え、これらがネットワークであるインターネット網200を介して互いに接続される。
【0022】
ユーザ端末20a~20nは、本実施の形態では、名刺情報を管理するサービスを提供する名刺情報管理事業者2が提供するサービスを利用する複数のユーザ1a~1nに保有され、名刺情報管理サーバ30は、名刺情報管理事業者2に配備される。
【0023】
なお、ユーザ1a~1nも、本実施の形態では、名刺情報管理事業者2に名刺情報を管理される事業者の従業者である。
【0024】
ユーザ端末20a~20nは、本実施の形態では、携帯型情報端末であるスマートフォンあるいはタブレット型のコンピュータによって実装される。
【0025】
図2は、ユーザ端末20a~20nの構成の概略を説明するブロック図である。図示のように、ユーザ端末20a~20nは、制御部21、カメラ22及びディスプレイ23を主要構成として備える。
【0026】
制御部21は、カメラ22やディスプレイ23等のユーザ端末20の各部を制御するものであって、例えばプロセッサ、メモリ、ストレージ、送受信部等によって構成される。
【0027】
カメラ22は、任意の被写体を撮像して画像を取得するほか、本実施の形態では、制御部21に格納されるアプリケーションプログラムと協働して、名刺から名刺情報を光学的に取得する。
【0028】
ディスプレイ23は、カメラ22で取得した画像やユーザ端末20に格納されるアプリケーションプログラムのインターフェース等が表示される。このディスプレイ23は、本実施の形態では、表示面への接触によって情報の入力を受け付けるものであって、抵抗膜方式や静電容量方式といった各種の技術によって実装される。
【0029】
名刺情報管理サーバ30は、本実施の形態ではコンピュータ、例えばデスクトップ型あるいはノート型のコンピュータによって実装される。
【0030】
図3は、名刺情報管理サーバ30の構成の概略を説明するブロック図である。
【0031】
図示のように、名刺情報管理サーバ30は、プロセッサ31、メモリ32、ストレージ33、送受信部34、及び入出力部35を主要構成として備え、これらが互いにバス36を介して電気的に接続される。
【0032】
プロセッサ31は、名刺情報管理サーバ30の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御や、アプリケーションプログラムの実行に必要な処理等を行う演算装置である。
【0033】
このプロセッサ31は、本実施の形態では例えばCPU(Central Processing Unit)であり、後述するストレージ33に格納されてメモリ32に展開されたアプリケーションプログラムを実行して各処理を行う。
【0034】
メモリ32は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶装置、及びフラッシュメモリやHDD(Hard Disc Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶装置を備える。
【0035】
このメモリ32は、プロセッサ31の作業領域として使用される一方、名刺情報管理サーバ30の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、及び各種の設定情報等が格納される。
【0036】
ストレージ33は、アプリケーションプログラムや各種の処理に用いられるデータ等が格納されている。
【0037】
送受信部34は、名刺情報管理サーバ30をインターネット網200に接続する。この送受信部34は、Bluetooth(登録商標)やBLE(Bluetooth Low Energy)といった近距離通信インターフェースを具備するものであってもよい。
【0038】
入出力部35には、必要に応じて、キーボードやマウスといった情報入力機器やディスプレイ等の出力機器が接続される。本実施の形態では、キーボード、マウス及びディスプレイがそれぞれ接続される。
【0039】
バス36は、接続したプロセッサ31、メモリ32、ストレージ33、送受信部34及び入出力部35の間において、例えばアドレス信号、データ信号及び各種の制御信号を伝達する。
【0040】
図4は、名刺情報管理サーバ30のストレージ33の構成の概略を説明するブロック図である。図示のように、ストレージ33は、ストレージ33の記憶領域によって実現されるデータベース40及び名刺情報管理プログラム50を備える。
【0041】
データベース40には、本実施の形態では、名刺に記載された名刺情報D1が格納される。この名刺情報D1は、ユーザ1a~1nの事業活動に利用される目的でユーザ1a~1nに供される。
【0042】
図5は、名刺情報D1の構成の概略を説明する図である。図示のように、名刺情報D1は、名刺に記載された事業者名称、部署名、氏名、電話、携帯電話、メール等といった、名刺を交換した人物が所属する事業者に関する情報あるいは名刺を交換した人物を特定する個人情報を含んで構成される。
【0043】
名刺に記載された名刺情報D1は、ユーザ1a~1nごとにそれぞれのユーザ端末20a~20nによって取得されて、それぞれがデータベース40に格納される。
【0044】
さらに、名刺情報D1は、本実施の形態では、名刺以外の複数の媒体から取得した、名刺を交換した人物に関する情報を含んで構成される。
【0045】
複数の媒体から取得した事業者に関する情報としては、例えば、メール、顧客データ、セミナーリスト、ウェブログあるいは顧客からの問い合わせデータといった各種の情報が想定される。
【0046】
図4で示す名刺情報管理プログラム50は、名刺情報D1を管理するとともに、ユーザ端末20a~20nを介したユーザ1a~1nの要求に応じてデータベース40を参照して、ユーザ1a~1nの要望する名刺情報D1を検索するプログラムである。
【0047】
この名刺情報管理プログラム50は、本実施の形態では、ユーザ端末20a~20nのディスプレイ23あるいは名刺情報管理サーバ30のディスプレイに表示されてユーザ端末20a~20nあるいは名刺情報管理サーバ30で情報の入出力が可能な画面インターフェースによって実装される。
【0048】
図6は、名刺情報管理プログラム50の構成の概略を説明するブロック図である。図示のように、名刺情報管理プログラム50は、アクセス情報処理モジュール51、スコア付与モジュール52、有用性表示付与モジュール53及びユーザ表示付与モジュール54を備える。
【0049】
アクセス情報処理モジュール51は、ユーザ1a~1nによるユーザ端末20a~20nを介した名刺情報D1へのアクセスに関するアクセス情報を処理するモジュールである。
【0050】
このアクセス情報処理モジュール51は、本実施の形態では、ユーザ1a~1nによるユーザ端末20a~20nを介した名刺情報D1へのアクセスのログをアクセス情報として、アクセスした名刺情報D1と関連づけてストレージ40に記録する。
【0051】
図7は、アクセス情報の概略を説明するブロック図である。図示のように、アクセス情報D2は、格納回数情報D2a、閲覧回数情報D2b、更新回数情報D2c及び個人情報参照回数情報D2dによって構成される。
【0052】
格納回数情報D2aは、データベース40に格納された名刺情報D1と同一の名刺情報D1がデータベース40に格納された回数に関する情報である。
【0053】
具体的には、ある人物と名刺を交換した一のユーザ(例えばユーザ1a)が、その人物の名刺の名刺情報D1をデータベース40に格納した後、その人物と名刺を交換した他のユーザ(例えばユーザ1b)が、その人物の名刺の名刺情報D1をデータベース40に格納すると、その人物の名刺の名刺情報D1へのアクセスの回数は「2回」であるから、格納回数情報D2aは「2回」というログになる。
【0054】
本実施の形態では、例えば
図8で示すように、A社の人物100cと名刺を交換したユーザ数がユーザ1a~1eの5人であって、ユーザ1a~1eが人物100cの名刺の名刺情報D1cをデータベース40に格納すると、人物100cの名刺の名刺情報D1cへのアクセス回数は「5回」であるから、格納回数情報D2aは「5回」というログになる。
【0055】
更に例えば
図8で示すように、B社の人物100fと名刺を交換したユーザ数がユーザ1c~1eの3人であって、ユーザ1c~1eが人物100fの名刺の名刺情報D1fをデータベース40に格納すると、人物100fの名刺の名刺情報D1fへのアクセス回数は「3回」であるから、格納回数情報D2aは「3回」というログになる。
【0056】
図7で示す閲覧回数情報D2bは、データベース40に格納された名刺情報D1がユーザ1a~1nに閲覧された回数に関する情報である。
【0057】
具体的には、例えば
図8で示すように、データベースに格納されたA社の人物100aの名刺の名刺情報D1aがユーザ1a及びユーザ1bにそれぞれ2回ずつ閲覧されている場合は、閲覧された回数は4回であって、人物100aの名刺の名刺情報D1aへのアクセス回数は「4回」であるから、閲覧回数情報D2bは「4回」というログになる。
【0058】
図7で示す更新回数情報D2cは、データベース40に格納された名刺情報D1が更新された回数に関する情報である。
【0059】
具体的には、ある人物と名刺を交換した一のユーザ(例えばユーザ1a)が、その人物の名刺の名刺情報D1をデータベース40に格納した後にその人物が異動で所属が変更となり、更にその後、他のユーザ(例えばユーザ1b)がその人物と名刺を交換してその人物の名刺の名刺情報D1をデータベース40に格納すると、その人物の名刺の名刺情報D1が更新された回数は「1回」であって、その人物の名刺の名刺情報D1へのアクセスの回数は「1回」であるから、更新回数情報D2cは「1回」というログになる。
【0060】
本実施の形態では、例えば
図8で示すように、A社の人物100aと名刺を交換したユーザ1aが、人物100aの名刺の名刺情報D1aをデータベース40に格納した後に人物100aの所属が変更となり、変更後にユーザ1bが人物100aと名刺を交換して人物100aの名刺情報D1aをデータベース40に格納すると、人物100aの名刺情報D1aが更新された回数は「1回」であって人物100aの名刺の名刺情報D1aへのアクセスの回数は「1回」であるから、更新回数情報D2cは「1回」というログになる。
【0061】
図7で示す個人情報参照回数情報D2dは、データベース40に格納された名刺情報D1に含まれる情報であって、名刺情報D1に対応する人物を特定する個人情報(例えば電話番号、携帯電話番号、メールアドレス、URL等)を参照した回数に関する情報である。
【0062】
本実施の形態では、例えば
図9で示すように、ユーザ1aが人物100aの名刺の名刺情報D1aに含まれる電話番号及び携帯電話番号を参照し、かつユーザ1bがメールアドレスを参照すると、人物100aの名刺情報D1aに含まれる個人情報を参照した回数は「3回」であって、人物100aの名刺の名刺情報D1aへのアクセス回数は「3回」であるから、個人情報参照回数情報D2dは「3回」というログになる。
【0063】
図6で示すスコア付与モジュール52は、アクセス情報処理モジュール51で処理されたアクセス情報D2に基づいて、名刺情報D1にスコアを付与するモジュールである。
【0064】
具体的には、アクセス情報D2に予め設定されたスコアに基づいて、アクセス情報処理モジュール51でアクセス情報D2が関連づけられた名刺情報D1にスコアを付与するものであるが、適宜、重みづけをしてスコアを付与することができる。
【0065】
スコアの付与は、例えば
図10で示すように、格納回数情報D2aがログとして記録されると1スコアが付与され、閲覧回数情報D2bがログとして記録されると1スコアが付与され、かつ更新回数情報D2cがログとして記録されると1スコアが付与される。
【0066】
同様に、電話番号が参照されて個人情報参照回数情報D2dがログとして記録されると2スコアが付与され、携帯電話番号が参照されて個人情報参照回数情報D2dがログとして記録されると3スコアが付与され、メールアドレスが参照されて個人情報参照回数情報D2dがログとして記録されると1スコアが付与され、かつURLが参照されて個人情報参照回数情報D2dがログとして記録されると1スコアが付与される。
【0067】
図11は、スコア付与モジュール52の処理の概略を説明する図である。図示のように、スコア付与モジュール52は、本実施の形態では、例えば、名刺情報D1aについて格納回数情報D2a、閲覧回数情報D2b、更新回数情報D2c及びメールアドレスが参照されて個人情報参照回数情報D2dがログとして記録されると、それぞれ1スコア、1スコア、1スコア及び1スコアを付与し、これらを加算して4スコアを付与する。
【0068】
同様に、名刺情報D1bについて1スコアを付与し、名刺情報D1cについて13スコアを付与し、かつ名刺情報D1dについて3スコアを付与する。
【0069】
図6で示す有用性表示付与モジュール53は、スコア付与モジュール52で名刺情報D1に付与したスコアに応じて、名刺情報D1の有用性に関する表示を名刺情報D1に付与するモジュールである。
【0070】
この有用性表示付与モジュール53は、本実施の形態では、スコアに応じた着色情報を名刺情報D1に付与することによって、名刺情報D1の有用性を表示するものである。
【0071】
具体的には、例えば、スコアが1の名刺情報D1には無色(有用性なし)、スコアが2~3の名刺情報D1には淡色(有用性あり)、スコアが4~5の名刺情報D1には中濃色(有用性が高い)、スコアが6以上の名刺情報D1には濃色(有用性が非常に高い)を付与する。
【0072】
図12は、有用性表示付与モジュール53の処理の概略を説明する図である。図示のように、有用性表示付与モジュール53は、本実施の形態では、スコアが4の名刺情報D1aに中濃色、スコアが1の名刺情報D1bに無色、スコアが13の名刺情報D1cに濃色、及びスコアが3の名刺情報D1dに淡色をそれぞれ付与する。
【0073】
図6で示すユーザ表示付与モジュール54は、アクセス情報処理モジュール51でストレージ40に記録したアクセスのログに基づいて、任意の名刺情報D1と関連を有するユーザ1a~1nを特定し、特定したユーザ1a~1nと対応する名刺情報D1に任意の表示を付与するモジュールである。
【0074】
このユーザ表示付与モジュール54は、本実施の形態では、有用性が高いと評価された名刺情報D1と密接な関連を有するユーザ1a~1nを、その名刺情報D1へのアクセスのログに基づいて特定し、特定したユーザ1a~1nと対応する名刺情報D1に着色情報を付与する。
【0075】
具体的には、例えば、特定したユーザ1a~1nの名刺情報D1には、他のユーザ1a~1nの名刺情報D1と異なる着色情報を付与して他のユーザ1a~1nの名刺情報D1と区別する。
【0076】
次に、本実施の形態に係る名刺情報管理システム10の運用について説明する。
【0077】
図8で示したように、例えば、A社の人物100aと名刺を交換したユーザ1a及びユーザ1bが、名刺情報D1aをデータベース40に格納すると、人物100cの名刺の名刺情報D1aへのアクセス回数は「2回」であるから、格納回数情報D2aとして「2回」というログを、名刺情報D1aに関連づけてストレージ40に記憶する(アクセス情報処理ステップ)。
【0078】
格納回数情報D2aをログとして記録すると、本実施の形態では、格納回数情報D2aが関連づけられた名刺情報D1には例えば1スコアを付与することから、格納回数情報D2aとして「2回」というログが記録された名刺情報D1cに、2スコアを付与する(スコア付与ステップ)。
【0079】
スコアの付与に続いて、スコアに応じた着色情報を名刺情報D1に付与して名刺情報D1の有用性を評価する。本実施の形態では、スコアが2の名刺情報D1aには例えば、淡色(有用性あり)を付与する(有用性表示付与ステップ)。
【0080】
その後、ユーザ1bが名刺情報D1aを閲覧すると、人物100aの名刺の名刺情報D1aへのアクセス回数は「1回」であるから、閲覧回数情報D2bとして「1回」というログを、名刺情報D1aに関連づけてストレージ40に記憶する(アクセス情報処理ステップ)。
【0081】
本実施の形態では、閲覧回数情報D2bが関連づけられた名刺情報D1には例えば1スコアを付与することから、2スコアが付与されている名刺情報D1aに更に1スコアを付与し、これらを加算して3スコアを付与する(スコア付与ステップ)。
【0082】
スコアの付与に続いて、スコアに応じた着色情報を名刺情報D1に付与する。本実施の形態では、スコアが3の名刺情報D1aには例えば、淡色(有用性あり)を付与するから、名刺情報D1aの有用性の評価には変更がない(有用性表示付与ステップ)。
【0083】
更にその後、ユーザ1bが名刺情報D1aのメールアドレスを参照すると、人物100aの名刺の名刺情報D1aへのアクセス回数は「1回」であるから、個人情報参照回数情報D2dとして「1回」というログを、名刺情報D1aに関連づけてストレージ40に記憶する(アクセス情報処理ステップ)。
【0084】
本実施の形態では、メールアドレスの参照によって個人情報参照回数情報D2dが関連づけられた名刺情報D1には例えば1スコアを付与することから、3スコアが付与されている名刺情報D1aに更に1スコアを付与し、これらを加算して4スコアを付与する(スコア付与ステップ)。
【0085】
スコアの付与に続いて、スコアに応じた着色情報を名刺情報D1に付与する。本実施の形態では、スコアが4となった名刺情報D1aには、淡色(有用性あり)に代えて中濃色(有用性が高い)を付与して、名刺情報D1aの有用性の表示を変更する(有用性表示付与ステップ)。
【0086】
これらアクセス情報処理ステップ、スコア付与ステップ及び有用性評価ステップが実行されることによって、本実施の形態では、
図8で示した、ユーザ1a~1fが取得した名刺情報D1a~D1hについて、これら名刺情報D1a~D1hの有用性が表示される。
【0087】
例えば、
図13で示すように、名刺情報D1a~D1hのそれぞれに付与されたスコアに基づいた有用性の評価によれば、スコアが14の名刺情報D1cの有用性が最も高く、スコアに応じた濃色(有用性が非常に高い)の着色情報が付与されることによって、有用性が表示される。
【0088】
このとき、
図8で示すように、有用性が非常に高いと評価された名刺情報D1cに対応する人物100cと名刺交換をしていないユーザ1fが、人物100cとコンタクトをとることを要望する場合においては、人物100cと密接な関連を有するユーザ(例えばユーザ1e)の名刺情報D1に着色情報が付与されることから、ユーザ1fは、人物100cと密接な関連を有するユーザ(ユーザ1e)を介して、人物100cとコンタクトをとることが可能となる。
【0089】
このように、名刺情報管理システム10は、名刺情報D1にアクセスした際のアクセス情報D2に基づいて付与されたスコアに応じて、名刺情報D1の有用性の表示を行うことから、ユーザ1a~1nは、名刺情報D1の有用性を客観的に判別することができる。これにより、ユーザ1a~1nの事業活動に有意な影響を及ぼす可能性のある人物を容易に特定することができる。
【0090】
しかも、有用性の表示は、名刺情報D1に着色情報が付与されることによって行われることから、有用性のある名刺情報D1を見た目で直感的に判別することができる。
【0091】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることはなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0092】
上記実施の形態では、有用性評価モジュール53が、スコアに応じた着色情報を名刺情報D1に付与することによって名刺情報D1の有用性を表示する場合を説明したが、
図14で示すように、スコアの高い名刺情報D1からスコアの低い名刺情報D1へと降順に名刺情報D1を配列することによって、名刺情報D1の有用性を表示するものであってもよい。
【0093】
さらに、スコアの高い名刺情報D1にフラグや記号等を付与したり、グラフ化したりすることによって、名刺情報D1の有用性を表示するものであってもよい。
【0094】
上記実施の形態では、有用性表示付与モジュール53が名刺情報D1に付与する着色情報が、無色から濃色に亘る色調の変化に関する情報である場合を説明したが、例えば、色調の変化に関する情報と、スコアに応じて着色を変更する着色の変更に関する情報とを組み合わせたものであってもよい。
【0095】
上記実施の形態では、アクセス情報処理モジュール51が、名刺から取得した名刺情報D1にアクセスする場合を説明したが、例えば、メールや顧客データといった名刺以外の媒体から取得した名刺情報D1にアクセスするものであってもよい。
【0096】
上記実施の形態では、ユーザ表示付与モジュール54が、特定したユーザ1a~1nの名刺情報D1に着色情報を付与する場合を説明したが、名刺情報D1の表示寸法を変更したり、名刺情報D1を発光させたりする等、種々の表示方法を用いることができる。
【0097】
上記実施の形態では、ユーザ端末20a~20nがスマートフォンあるいはタブレット型のコンピュータによって実装される場合を説明したが、デスクトップ型あるいはノート型のコンピュータによって実装されるものであってもよい。
【0098】
上記実施の形態では、名刺情報管理サーバ30が名刺情報管理事業者2に配備される場合を説明したが、名刺情報管理サーバ30はクラウド環境で実装されるサーバであってもよい。
【符号の説明】
【0099】
1a~1n ユーザ
2 名刺情報管理事業者
10 名刺情報管理システム
20a~20n ユーザ端末
30 名刺情報管理サーバ(サーバ)
40 データベース
50 名刺情報管理プログラム
51 アクセス情報処理モジュール
52 スコア付与モジュール
53 有用性表示付与モジュール
54 ユーザ表示付与モジュール
D1 名刺情報
D2 アクセス情報
D2a 格納回数情報
D2b 閲覧回数情報
D2c 更新回数情報
D2d 個人情報参照回数情報