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特許7431712収支管理装置、収支管理方法、及び収支管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-06
(45)【発行日】2024-02-15
(54)【発明の名称】収支管理装置、収支管理方法、及び収支管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/12 20230101AFI20240207BHJP
【FI】
G06Q40/12
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020169420
(22)【出願日】2020-10-06
(65)【公開番号】P2022061423
(43)【公開日】2022-04-18
【審査請求日】2023-05-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】守田 祐哉
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-139053(JP,A)
【文献】特開2019-121117(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部及び制御部を備え、スタッフの給与と売上を管理する収支管理装置であって、
前記記憶部には、
案件、請求締日、給与締日を含む案件情報が格納されており、
前記制御部は、
対象の案件の当月について、前記案件情報の給与締日から算出される給与の締期間と前記案件情報の請求締日から算出される売上の締期間が異なる場合は、給与の締期間内において、翌月の売上となる売上の締期間の売上については仮売上として計上する売上計上手段を備え、
前記売上計上手段は、
月給者の場合は、仮売上額を、仮売上額=月給額×次月度労働日数/次月度稼働日数で算出し、
時給者の場合は、仮売上額を、時給額×次月度労働時間で算出することを特徴とする収支管理装置。
【請求項2】
前記売上計上手段は、前月の仮売上額を赤伝票として処理することを特徴とする請求項に記載の収支管理装置。
【請求項3】
記憶部及び制御部を備える情報処理装置が実行する収支管理方法であって、
前記記憶部には、
案件、請求締日、給与締日を含む案件情報が格納されており、
前記制御部において実行される、
対象の案件の当月について、前記案件情報の給与締日から算出される給与の締期間と前記案件情報の請求締日から算出される売上の締期間が異なる場合は、給与の締期間内において、翌月の売上となる売上の締期間の売上については仮売上として計上する売上計上工程を含み、
前記売上計上工程では、
月給者の場合は、仮売上額を、仮売上額=月給額×次月度労働日数/次月度稼働日数で算出し、
時給者の場合は、仮売上額を、時給額×次月度労働時間で算出することを特徴とする収支管理方法。
【請求項4】
記憶部及び制御部を備える情報処理装置に実行させるための収支管理プログラムであって、
前記記憶部には、
案件、請求締日、給与締日を含む案件情報が格納されており、
前記制御部において、
対象の案件の当月について、前記案件情報の給与締日から算出される給与の締期間と前記案件情報の請求締日から算出される売上の締期間が異なる場合は、給与の締期間内において、翌月の売上となる売上の締期間の売上については仮売上として計上する売上計上工程を実行させるための収支管理プログラムであり、
前記売上計上工程では、
月給者の場合は、仮売上額を、仮売上額=月給額×次月度労働日数/次月度稼働日数で算出し、
時給者の場合は、仮売上額を、時給額×次月度労働時間で算出することを特徴とする収支管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収支管理装置、収支管理方法、及び収支管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、派遣業界では案件毎に月次の収支を計算する業務がある。派遣業界の月次の収支を管理するシステムとして、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-139053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、スタッフの給与と売上の両方を管理する場合に、翌月売上分を計算して給与締期間に合わせ売上金額を算出できるようにすることで、担当者の負担を軽減し、月次の収支金額が確認できるまでの期間を短縮することに関して何等記載されていない。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、スタッフの給与と売上の両方を管理する場合に、翌月売上分を計算して給与締期間に合わせ売上金額を算出できるようにすることで、担当者の負担を軽減し、月次の収支金額が確認できるまでの期間を短縮することが可能な収支管理装置、収支管理方法、及び収支管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備え、派遣業界のスタッフの給与と売上を管理する収支管理装置であって、前記制御部は、給与の締期間と売上の締期間が異なる場合に、当月について、給与の締期間内で売上の締期間外の期間については、仮売上を計上する売上計上手段を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の一態様によれば、前記売上計上手段は、月給者の場合は、仮売上額を、仮売上額=月給額×次月度労働日数/次月度稼働日数で算出することにしてもよい。
【0008】
また、本発明の一態様によれば、前記売上計上手段は、時給者の場合は、仮売上額を、時給額×次月度労働時間で算出することにしてもよい。
【0009】
また、本発明の一態様によれば、前記売上計上手段は、前月の仮売上額を赤伝票として処理することにしてもよい。
【0010】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備える情報処理装置で実行される収支管理方法であって、前記制御部において実行される、給与の締期間と売上の締期間が異なる場合に、当月について、給与の締期間内で売上の締期間外の期間については、仮売上を計上する売上計上工程を含むことを特徴とする。
【0011】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備える情報処理装置で実行される収支管理プログラムであって、前記制御部において、給与の締期間と売上の締期間が異なる場合に、当月について、給与の締期間内で売上の締期間外の期間については、仮売上を計上する売上計上工程を実行するための収支管理プログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、スタッフの給与と売上の両方を管理する場合に、翌月売上分を計算して給与締期間に合わせ売上金額を算出できるようにすることで、担当者の負担を軽減し、月次の収支金額が確認できるまでの期間を短縮することが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本実施の形態の処理イメージを示す図である。
図2図2は、本実施の形態における収支管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、本実施の形態における収支管理装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図4図4は、本実施の形態における収支管理装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図5図5は、本実施の形態における収支管理装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図6図6は、本実施の形態における収支管理装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図7図7は、本実施の形態における収支管理装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係る収支管理装置、収支管理方法、及び収支管理プログラムの実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0015】
[1.概要]
人材派遣業界では案件毎に月次の収支を計算する業務がある。この業務の際には、売上金額を案件毎の締期間ではなく、給与の締期間を軸として計算が必要となる。
【0016】
しかしながら、従来、お客様自身がシステム外で案件毎の売上金額を全て手計算して収支を集計する必要があった。その結果、収支を確認できるまで時間を要し、かつ計算ミスにより正確な金額を把握出来ないという問題があった。
【0017】
そこで、本実施の形態では、派遣システムでは給与払いの勤怠だけではなく、売上計上で使用する勤怠の両方を管理している点に着目し、売上計上で使用する勤怠を元に翌月売上分を計算して給与締期間に合わせ売上金額を算出できるようにした。
【0018】
本実施の形態によれば、翌月売上分を計算し、給与締期間に合わせ売上金額を算出できるようになった結果、担当者の手計算処理が不要となり、月次の収支金額が確認できるまでの期間を短縮することが可能である。また、仮売上で計上した仕訳伝票は、翌月のタイミングで赤伝票を財務側へ自動連携するため、手動で仕訳の作成は不要になり、会計処理の負荷を低減することが可能となる。
【0019】
図1は、本実施の形態の処理イメージを示す図である。図1において、例えば、給料の締期間が月の1日~末日であり、売上の締期間が21日~翌20日の場合は、21日~31日の期間の売上金額が計算できない。そこで、21日~末日分を仮売上として自動計算(計上)し、月次の収支金額を早期に確認できるようにした。
【0020】
本発明は、例えば、人材派遣業界、IT業界、警備業界等の各種業界において有用である。
【0021】
[2.構成]
本実施の形態に係る収支管理装置100の構成について、図2を用いて説明する。図2は、本実施の形態に係る収支管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0022】
収支管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、収支管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0023】
収支管理装置100は、図1に示すように、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。収支管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0024】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、収支管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、収支管理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、後述する記憶部106に格納されるデータは、サーバ200に格納されてもよい。
【0025】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114を、表示部としてのモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0026】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。また、記憶部106は、データファイル106aを備えている。
【0027】
データファイル106aは、案件情報(「契約情報」ともいう)、勤務予定データ、仮売上データ、仕訳データ、売上報告書等の各種データを格納するためのファイルである。
【0028】
案件情報は、案件毎に、請求締日及び給与締日や各スタッフの日給単価又時給単価、適用期間、及び請求区分(月給者又は時給者)のデータを含んでいてもよい(図4(B)、(C)参照)。
【0029】
勤務予定データは、案件及びスタッフ毎に作成されるデータであり、スタッフ、勤務日、勤務日数(月給者の場合)又は勤務時間(時給者の場合)、分類(当月処理分又は翌月処理分)のデータを含んでいてもよい(図4(A)参照)。
【0030】
制御部102は、収支管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、スタッフの給与や売上を計算して管理する。制御部102は、機能概念的に、主として、データ登録部102a、売上計上部102bと、売上報告書作成部102cと、画面表示制御部102dとを備えている。
【0031】
データ登録部102aは、例えば、モニタ114に表示される不図示の入力画面上でのオペレータの操作等に応じて、案件情報や勤務予定データをデータファイル106eに登録する。
【0032】
売上計上部102bは、勤務予定データや案件情報に基づいて、対象のスタッフの売上金額を算出して計上する。この場合、売上計上部102bは、給与の締期間と売上の締期間が異なる場合に、当月について、給与の締期間内で売上の締期間外の期間については仮売上高(「当月見越売上高」ともいう)を算出して計上する。
【0033】
また、売上計上部102bは、月給者の場合は、仮売上額を、仮売上額=月給額×次月度労働日数/次月度稼働日数で算出してもよい。また、売上計上部102bは、給者の場合は、仮売上額を、時給額×次月度労働時間で算出することにしてもよい。また、売上計上部102bは、前月の仮売上額を赤伝票として処理することにしてもよい。また、売上計上部102bは、売上金額の算出結果に基づいた仕訳を作成してもよい。
【0034】
売上報告書作成部102cは、売上計上部102bの売上金額の算出結果に基づいた売上報告書を作成して出力してもよい。
【0035】
画面表示制御部102dは、モニタ114に表示する各種画面(例えば、案件情報入力画面、勤務予定データ入力画面等)の表示及びその入力を制御する。
【0036】
[3.具体例]
図2図7を参照して、本実施の形態における収支管理装置100の処理の具体例を説明する。図3図7は、本実施の形態における収支管理装置100の制御部102の処理の具体例を説明するための図である。
【0037】
(仮売上高(当月見越売上高)の計算式)
売上計上部102bは、給与の締期間内で売上の締期間外の期間については仮売上高(「当月見越売上高」ともいう)を算出する。具体的には、案件及びスタッフをキーとして、案件情報(図4(C)参照)から請求区分(月給者又は時給者)と単価(月給単価又は時給単価)を取得し、勤務表データ(図4(A)参照)から翌月処理分の労働日数又は労働時間を取得し、仮売上高を取得した単価と労働日数又は労働時間に基づいて算出する。
【0038】
1.月給者
月給者の場合は、月給単価×次月度労働日数/次月度稼働日数で算出する。例えば、月極単価が「300,000」、次月度労働日数が「8」、次月度稼働日数が「21」の場合は、仮売上高は、300,000×8/21=114,286(円未満四捨五入)となる。
【0039】
2.時給者
時給者の場合は、時給単価×月次度労働時間(例えば、8(1日の労働時間)×次月度労働日数)で算出する。例えば、時給単価が「2,000」、次月度労働日数が「8」の場合は、2,000×8×8=128,000(円未満四捨五入)となる。
【0040】
完全固定の場合、基準固定の場合、形労働(月給)の場合は、月給者と同じ計算を行う。変形労働(時給)の場合は、時給者と同じ計算を行う。
【0041】
(仮売上高算出のフロー)
図4及び図5は、仮売上高算出のフローを示しており、図4は、請求区分が月給者の場合、図5は、請求区分が時給者の場合を示している。売上計上部102bは、請求繰延処理を実行して、勤務予定データ及び案件情報に基づいて、当月について、給与の締期間内で売上の締期間外の期間については仮売上データを算出する。また、売上計上部102bは、仕訳連携処理を実行して、算出した仮売上データ等に基づいた仕訳を作成する。
【0042】
(1.月給者の場合)
図4を参照して、請求区分が「月給者」の場合の例を説明する。ここでは、7月収支を例示して説明する。「給与締」は「月末締」、売上締日(請求締日)は「20日締」とする。
【0043】
図4(A)は案件「A100」のスタッフ「1000」についての勤務予定データの例を示している。図4(B)、(C)は案件情報の例を示している。図4(D)は算出した仮売上データの例を示している。
【0044】
図4(B)に示す案件情報では、案件「A100」、請求締日「20」、給与締日「31」となっているので、図4(A)に示す勤務予定表データから給与の締期間(7/1~7/31)内で売上の締期間外(7/21~7/31)の仮売上金額に該当する勤怠を取得する。
【0045】
図4(C)に示す案件情報の2行目は、案件「A100」、スタッフ「1000」、月給単価「200,000」、適用期間「7/1~9/30」、請求区分「月給者」となっているので、仮売上額を月給単価(200,000)×次月度労働日数(7日)/次月度稼働日数(21日)=6667で算出する。そして、図4(D)に示すような仮売上データを生成する。前月(6月)の仮売上高については、赤伝票処理する。
【0046】
図4(D)に示す仮売上データは、案件NO「A100」及びスタッフ「1000」について、計上月「2020/7」については、金額「6,667」、計上月「2020/6」については、金額「-5,500」となっている。そして、図4(E)に示すようなデータに基づいて仕訳を作成する。
【0047】
(2.時給者の場合)
図5を参照して、請求区分が「時給者」の場合の例を説明する。ここでは、7月収支を例示して説明する。「給与締」は「月末締」、売上締日(請求締日)は「20日締」とする。
【0048】
図5(A)は案件「A100」のスタッフ「1000」についての勤務予定データの例を示している。図5(B)、(C)は案件情報の例を示している。図5(D)は算出した仮売上データの例を示している。
【0049】
図5(B)に示す案件情報では、案件「A100」、請求締日「20」、給与締日「31」となっているので、図5(A)に示す勤務予定表データから給与の締期間(7/1~7/31)内で売上の締期間外(7/21~7/31)の仮売上金額に該当する勤怠(63時間)を取得する。
【0050】
図5(C)に示す案件情報の2行目は、案件「A100」、スタッフ「1000」、時給単価「9,000」、適用期間「7/1~9/30」、請求区分「時給者」となっているので、仮売上額を時給単価(9,000)×次月度労働時間(63時間)=5670で算出する。そして、図5(D)に示すような仮売上データを生成する。前月(6月)の仮売上高については、赤伝票処理する。
【0051】
図5(D)に示す仮売上データは、案件NO「A100」及びスタッフ「1000」について、計上月「2020/7」については、金額「5,670」、計上月「2020/6」については、金額「-4,500」となっている。そして、図5(E)に示すようなデータに基づいて仕訳を作成する。
【0052】
(月次売上報告書)
売上報告書作成部102cは、売上計上部102bで算出した売上金額に基づいた売上報告書を作成して出力してもよい。図6は、売上報告書作成用の検索画面の表示例、図7は、売上報告書に出力例を示している。図6に示す検索画面では、年月、拠点単位、集計単位(個人別又は得意先別)、業種区分を指定可能となっており、売上報告書作成部102cは、この検索画面の抽出条件に従った売上報告書を作成して出力してもよい。
【0053】
以上説明したように、本実施の形態によれば、給与の締期間と売上の締期間が異なる場合に、当月について、給与の締期間内で売上の締期間外の期間については、仮売上を計上する売上計上部102bを備えているので、スタッフの給与と売上の両方を管理する場合に、翌月売上分を計算して給与締期間に合わせ売上金額を算出できるようにすることで、担当者の負担を軽減し、月次の収支金額が確認できるまでの期間を短縮することが可能になる。
【0054】
[4.他の実施の形態]
本発明は、上述した実施の形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施の形態にて実施されてよいものである。
【0055】
例えば、実施の形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0056】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0057】
また、収支管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0058】
例えば、収支管理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施の形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて収支管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0059】
また、このコンピュータプログラムは、収支管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0060】
また、本実施の形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム商品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。したがって、本明細書で説明したような処理又は処理方法を実行するためのプログラムを格納した記録媒体もまた本発明を構成することとなる。
【0061】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0062】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0063】
また、収支管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、収支管理装置100は、当該装置に本実施の形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0064】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施の形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施の形態を選択的に実施してもよい。
【符号の説明】
【0065】
100 収支管理装置
102 制御部
102a データ登録部
102b 売上計上部
102c 売上報告書作成部
102d 画面表示制御部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a データファイル
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7