(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-06
(45)【発行日】2024-02-15
(54)【発明の名称】境界要素を備えた吸入器
(51)【国際特許分類】
A24F 42/60 20200101AFI20240207BHJP
A24F 42/20 20200101ALI20240207BHJP
A24F 47/00 20200101ALI20240207BHJP
A61M 15/00 20060101ALI20240207BHJP
A61M 15/06 20060101ALI20240207BHJP
【FI】
A24F42/60
A24F42/20
A24F47/00
A61M15/00 Z
A61M15/06 C
A61M15/06 A
(21)【出願番号】P 2020520146
(86)(22)【出願日】2018-10-22
(86)【国際出願番号】 IB2018058208
(87)【国際公開番号】W WO2019082056
(87)【国際公開日】2019-05-02
【審査請求日】2021-10-22
(32)【優先日】2017-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100196612
【氏名又は名称】鎌田 慎也
(72)【発明者】
【氏名】ウォーラー ジュディス
(72)【発明者】
【氏名】モーイ マシャ ベルティアン
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-518041(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0150453(US,A1)
【文献】米国特許第06257231(US,B1)
【文献】国際公開第2013/008038(WO,A2)
【文献】国際公開第2003/051439(WO,A1)
【文献】国際公開第1998/026828(WO,A2)
【文献】国際公開第2017/079397(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F40/00-47/00
A61M15/00
A61M15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入器物品であって、
マウスピース端から遠位端へと長軸方向軸に沿って延びる本体と、
前記本体内に画定され、前記長軸方向軸に沿って延びる、カプセル空洞と、
前記カプセル空洞から前記マウスピース端へと延びるマウスピース空気チャネルと、
前記カプセル空洞と前記マウスピース空気チャネルとの間の境界要素であって、前記境界要素が、前記カプセル空洞を前記マウスピース空気チャネルに流体接続する少なくとも2つの同心リングの開口部を含み、前記長軸方向軸と一致する中央領域と、前記本体と接触する周辺領域とを含み、前記中央領域が、中実の円形領域であり、前記周辺領域と同一平面上にあり、
外側同心リングの開口部が内側同心リングの開口部を囲み、前記内側同心リングの内側開口部のそれぞれが、前記外側同心リングの開口部の外側開口部のそれぞれよりも小さい開口面積を有する、境界要素と、を備える、吸入器物品。
【請求項2】
前記内側同心リングの開口部が、前記外側同心リングの開口部の開口面積未満の開口面積を有する、請求項1に記載の吸入器物品。
【請求項3】
前記外側
同心リングの開口部が、前記内側
同心リングの開口部と等しい数の開口部を有する、請求項2に記載の吸入器物品。
【請求項4】
同心リングの開口部それぞれが、それぞれが同心リングの開口部を形成する、内側リング周辺部と外側リング周辺部との間の横方向の距離を測定する直径セグメント値を有し、直径セグメント値が、等しく、かつそれぞれが前記境界要素の合計直径の約4%~約15%である、請求項1~3のいずれか一項に記載の吸入器物品。
【請求項5】
前記境界要素の中央領域が、前記境界要素の前記合計直径の約20%~約50%の範囲の直径を有する、請求項
4に記載の吸入器物品。
【請求項6】
前記境界要素が3つの同心リングの開口部を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の吸入器物品。
【請求項7】
前記境界要素が、前記吸入器物品の前記本体と一体的に形成される、請求項1~6のいずれか一項に記載の吸入器物品。
【請求項8】
前記境界要素が、前記吸入器物品の前記本体と同一の材料で形成される、請求項1~7のいずれか一項に記載の吸入器物品。
【請求項9】
前記境界要素の前記開口部が、前記境界要素の総表面積の約45%~約75%の範囲の総開口面積を画定する、請求項1~8のいずれか一項に記載の吸入器物品。
【請求項10】
前記本体が、前記遠位端から前記マウスピース端へと実質的に一定である外径を有し、前記外径が約6mm~約10mm、または約7mm~約8mmの範囲内であることが好ましい、請求項1~9のいずれか一項に記載の吸入器物品。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の吸入器物品と、前記カプセル空洞内に配置されたカプセルとを備え、前記カプセルがニコチンを含む粒子を収容し、前記粒子が、約5マイクロメートル以下、または約0.5マイクロメートル~約5マイクロメートルの範囲、または約1マイクロメートル~約5マイクロメートルの範囲の空気動力学的中央粒子径を有する、システム。
【請求項12】
前記カプセルがさらに、約20マイクロメートル以上、または約50マイクロメートル以上、または約50~約200マイクロメートルの範囲、または約50~約150マイクロメートルの範囲の空気動力学的中央粒子径を有する第二の粒子の集団を含み、前記第二の粒子の集団が、風味を含む粒子を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記カプセルが回転軸を中心として回転し、前記回転軸が同心リングの開口部それぞれの中心軸と一致する、請求項11または12に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、カプセル空洞をマウスピースチャネルに流体接続する境界要素を含む、吸入器物品に関する。
【背景技術】
【0002】
乾燥粉末吸入器は、従来の喫煙方法の吸入量または気流量の範囲内の吸入量または気流量で乾燥粉末粒子を肺に提供するために常に完全に適切なわけではない。乾燥粉末吸入器は、操作するのに複雑である、あるいは可動部品が関与する場合がある。乾燥粉末吸入器は多くの場合、一回の呼吸で乾燥粉末用量またはカプセル装填の全部を提供しようとする。
【0003】
従来的な喫煙方法での吸入量または気流量の範囲内の吸入量または気流量で、粒子を肺に提供する粉末吸入器を提供することが望ましいであろう。特に、従来的な喫煙方法での吸入量または気流量の範囲内の吸入量または気流量で、ニコチン粒子を肺に提供するニコチン粉末吸入器を提供することが望ましいであろう。強化された気流または流体力学を提供して、吸入中の、吸入器物品内に収容されるカプセルの安定な回転を維持し、粒子送達を高めるように構成された境界要素を吸入器物品内に提供することが望ましいであろう。従来的な紙巻たばこと同様な形態を有するニコチン粉末を送達するための吸入器物品を提供することもまた望ましいであろう。また、製造が単純でかつ消費者による使用に便利な吸入器物品を提供することが望ましいことになる。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、マウスピース端から遠位端まで長軸方向軸に沿って延びる本体を含む吸入器物品を対象とする。カプセル空洞は本体内に画定され、長軸方向軸に沿って延びる。マウスピース空気チャネルは、カプセル空洞からマウスピース端へと延在する。境界要素は、カプセル空洞とマウスピース空気チャネルとの間にある。境界要素は、カプセル空洞をマウスピース空気チャネルに流体接続する少なくとも2つの同心リングの開口部を含む。
【0005】
境界要素は、開口部を有さない中央領域を含んでもよい。言い換えれば、境界要素は中実の中央領域を有しうる。中央領域は任意の適切な形状としうる。中央領域は円形であることが好ましい。境界要素は、中実の円形の中央領域を含みうる。中央領域は、境界要素の残りの部分と同一平面上にあってもよい。境界要素はディスクを画定しうる。
【0006】
境界要素は、実質的に平面の上流表面を含みうる。境界要素は、実質的に平面の下流表面を含みうる。境界要素は、実質的に平面としうる。上流表面は、下流表面の鏡像であってもよい。境界要素は、実質的に平面のディスクを形成しうる。
【0007】
境界要素は、長軸方向軸に対して実質的に直角を成して延びうる。境界要素は、断面積を画定しうる。境界要素が実質的に平面のディスクを形成する場合、境界要素の断面積は実質的に円形でありうる。境界要素が長軸方向軸に対して実質的に直角を成して延びる場合、断面積は、長軸方向軸に対して横断方向の断面積としうる。
【0008】
境界要素の開口部は、適切な任意のサイズおよび形状としうる。一部の実施形態では、開口部それぞれは同一の形状を有しうる。その他の実施形態では、開口部は異なるサイズおよび形状を有しうる。例えば、境界要素の開口部は、円形、長方形、または楕円形としうる。開口部は実質的に弓状であることが好ましい。
【0009】
境界要素の開口部それぞれは、開口面積を画定しうる。境界要素の開口部の開口面積の合計は、総開口面積を画定しうる。開口面積を含む境界要素の表面積の比率は、約10%~約80%であってもよく、約20%~約75%であってもよく、約35%~約70%であってもよく、約45%~約75%であってもよく、約50%~約70%であってもよく、または約60%であってもよい。
【0010】
境界要素は、内側同心リングの開口部を囲む外側同心リングの開口部を含みうる。内側同心リングの開口部の開口部は、異なるサイズおよび形状を有してもよい。ただし、内側同心リングの開口部の開口部それぞれは、同一のサイズおよび形状を有することが好ましい。同様に、外側同心リングの開口部の開口部は、異なるサイズおよび形状を有してもよい。ただし、外側同心リングの開口部の開口部それぞれは、同一のサイズおよび形状を有することが好ましい。内側同心リングおよび外側同心リングの開口部の開口部それぞれは、同一の開口面積を画定してもよい。ただし、内側同心リングの開口部の開口部は、外側同心リングの開口部の開口部よりも小さい開口面積を画定しうることが好ましい。内側同心リングの開口部は、外側同心リングの開口部の総開口面積よりも小さい総開口面積を画定しうる。外側同心リングの開口部は、内側同心リングの開口部を囲み、内側同心リングの内側開口部のそれぞれは、外側同心リングの開口部の外側開口部のそれぞれよりも小さい開口面積を有することが好ましい。
【0011】
境界要素は、任意の適切な数の開口部を有しうる。例えば、境界要素は、2~50個の開口部を有しうる。ここで、境界要素は、内側同心リングの開口部および外側同心リングの開口部を含む。外側同心リングの開口部は、内側同心リングの開口部に含まれるのと等しい数の開口部を含みうる。
【0012】
境界要素は、任意の適切な数の同心リングの開口部を含みうる。例えば、境界要素は、2つ、3つ、4つ、または5つの同心リングの開口部を含んでもよい。境界要素は、少なくとも2つの同心リングの開口部を含みうる。
【0013】
本開示は、本明細書に記載した吸入器物品およびカプセル空洞内に配置されたカプセルを含むシステムを対象とする。カプセルは、ニコチンを含む粒子、およびニコチンを含む粒子よりも大きい場合がある風味を含む第二の粒子の集団を随意に含む。
【0014】
有利なことに、吸入器物品は、ニコチン粒子を、従来の喫煙方法の吸入量または気流量の範囲内の吸入量または気流量で、肺に提供する。吸入器は、従来的な紙巻たばこと同様の形態を有する吸入器物品で、ニコチン粉末を送達する。吸入器物品および境界要素は、単純な製造方法で形成されうる。
【0015】
有利なことに、境界要素の同心リング開口部構成は、強化された気流または流体力学を提供し、これにより、吸入中の、吸入器物品のカプセル空洞内に収容されるカプセルの安定な回転が維持され、粒子送達が高まりうる。有利なことに、境界要素の中実の(開口部のない)平面の中央領域は、強化された流体力学を提供し、これにより、吸入中の、吸入器物品のカプセル空洞内に収容されるカプセルの安定な回転が維持され、粒子送達が高まりうる。
【0016】
有利なことに、実質的に平面または同一平面上の上流表面および下流表面を有し、かつ長軸方向の突出部を有さない境界要素は、吸入器物品のカプセル空洞内の気流の望ましくない再循環を低減しうる。
【0017】
有利なことに、境界要素の同心リング開口部構成は、粒子がマウスピース空気チャネルに入る前に、カプセルから空洞内に放出される粒子の凝集を促進しうる。有利なことに、同心リング開口部構成は、境界要素の周辺部に沿った気流の増大を提供し、これにより、カプセルに沿った気流の乱流が低減しうる。
【0018】
本明細書に記載の吸入器物品は、従来的な喫煙方法の吸入量または気流量の範囲内の吸入量または気流量で乾燥粉末を肺に提供してもよい。消費者は、各々の「吸煙」が、カプセル空洞内に収容されるカプセルの中に含まれる乾燥粉末の部分量を送達する、複数の吸入または「吸煙」を行ってもよい。この吸入器は、従来的な紙巻たばこと類似した形態を有してもよく、従来的な喫煙の決まったやり方を真似てもよい。この吸入器は、製造するのが単純で、かつ消費者が使用するのに好都合でありうる。
【0019】
カプセル空洞を通した気流管理は、吸入中および消費中にカプセルを回転させてもよい。カプセルは、ニコチンを含む粒子(「ニコチン粉末」または「ニコチン粒子」とも呼ばれる)、および随意に、風味を含む粒子(「風味粒子」とも呼ばれる)を含んでもよい。貫通されたカプセルの回転は、貫通されたカプセルから吸入器物品を通して移動する吸入空気中へと放出されたニコチン粒子を懸濁およびエアロゾル化してもよい。風味粒子は、ニコチン粒子よりも大きくてもよく、またニコチン粒子をユーザーの肺に送るのを助け、一方で風味粒子はユーザーの口または口腔に優先的に残る。ニコチン粒子および随意の風味粒子は従来の喫煙方法の吸入量または気流量の範囲内の吸入量または気流量で、吸入器物品で送達されてもよい。
【0020】
「ニコチン」という用語は、ニコチンおよびニコチン誘導体(例えば、遊離塩基ニコチン、ニコチン塩、ならびにこれに類するものなど)を意味する。
【0021】
「風味剤」または「風味」という用語は、その消費中または吸入中にニコチンの味覚特性または芳香特性を変化させる、また変化させるよう意図されている、感覚刺激性の化合物、組成物、または材料を意味する。「風味剤」または「風味」という用語は、風味抽出物製造業組合(FEMA)の風味成分ライブラリに開示された化合物、および特にGRAS風味付け物質に関する出版物3~27(例えば、Hall, R.L. & Oser, B.L., Food Technology, February 1965 pg 151-197)、GRAS風味付け物質27(S.M. Cohen et al., Food Technology Aug. 2015 pg. 40-59)、および介在するGRAS風味付け物質に関する出版物4~26に開示された化合物を意味することが好ましい。本開示の目的において、ニコチンは風味剤または風味としては考えられない。
【0022】
本明細書に記載の吸入器物品は、貫通要素または貫通装置と組み合わされて、ニコチン粒子を消費者に送達しうる。貫通要素または貫通装置は吸入器物品の一部分から分離されてもよく、または吸入器物品の一部を形成しなくてもよい。複数のこれらの吸入器物品は貫通要素または貫通装置と組み合わせられて、キットを形成してもよい。
【0023】
吸入器物品は、マウスピース端から遠位端へと長軸方向軸に沿って延びる本体を含む。カプセル空洞は本体内に画定され、長軸方向軸に沿って延びる。マウスピース空気チャネルは、カプセル空洞からマウスピース端へと延在する。境界要素は、カプセル空洞とマウスピース空気チャネルとの間にある。境界要素は、カプセル空洞をマウスピース空気チャネルに流体接続する少なくとも2つの同心リングの開口部を含む。
【0024】
吸入器物品の遠位端は、エンドキャップまたはエンドピース要素を含みうる。空気チャネルは、エンドキャップまたはエンドピース要素を通って延び、吸入器物品を通した気流を提供する。
【0025】
吸入器本体は、サイズおよび形状が喫煙物品または紙巻たばこに似ていてもよい。吸入器本体は、吸入器物品の長軸方向軸に沿って延在する細長い円筒形の本体を有してもよい。吸入器本体は、細長い円筒形の本体の長さに沿って実質的に均一な外径を有してもよい。吸入器本体は、細長い円筒形の本体の長さに沿って均一であってもよい円形断面を有してもよい。吸入器本体の外径は約6mm~約10mm、または約7mm~約10mm、または約7mm~約9mm、または約7mm~約8mmの範囲内、または約8mmであってもよい。吸入器本体の長さ(長軸方向軸に沿った)は、約40mm~約90mm、または約50mm~約80mm、または約50mm~約70mmの範囲内、または55mmであってもよい。
【0026】
カプセル空洞に気流を供給する空気チャネルは、吸入器本体のカプセル空洞内に渦巻状気流パターンを誘発するように構成されうる。空気チャネル構成は、空気が空気チャネルを通って、そしてカプセル空洞を通って流れるのにつれて、回転気流または渦巻状気流を誘発しうる。吸入器装置を通した気流は、吸入器装置の遠位端で吸入器装置に入り、吸入器装置の長軸方向軸に沿ってマウスピース端へと移動しうる。吸入器装置を通した気流は、吸入器本体の上流に沿って、またはカプセル空洞に沿って吸入器装置に入り、吸入器装置の長軸方向軸に沿ってマウスピース端へと移動しうる。
【0027】
エンドキャップまたはエンドピース要素は、エンドキャップまたはエンドピース要素の長さを通って延びる線形貫通チャネルを含みうる。線形貫通チャネルは、エンドキャップまたはエンドピース要素の中央軸に沿って延びてもよい。線形貫通チャネルは、吸入器本体の長軸方向軸と同軸であってもよい。線形貫通チャネルは、貫通要素が線形貫通チャネルを通過できるようにサイズ設定されてもよい。
【0028】
エンドキャップまたはエンドピース要素は、線形貫通チャネルに沿って、または線形貫通チャネル内に配置される再び封じることができる要素を画定しうる。再び封じることができる要素は、線形貫通チャネルをシールしうる。再び封じることができる要素は、貫通要素が再び封じることができる要素内にない時に、線形貫通チャネルに沿った気密シールまたはバリアを形成してもよい。線形貫通チャネルは、貫通可能な材料で形成されうる。貫通要素は、再び封じることができる要素を通過してカプセル空洞内のカプセルを穿孔しうる。再び封じることができる要素は、貫通要素が再び封じることができる要素から引き込まれるかまたは取り外されると、再封止しうる。再び封じることができる要素または膜はセプタムまたはセプタム様の要素を含んでもよい。再び封じることができる要素または膜は、ゴム、シリコーン、ポリマーで共積層化された金属箔、またはラテックスなどの弾性材料、または高密度酢酸セルローストウなどのセルローストウで形成されてもよい。
【0029】
カプセル空洞は、カプセル(例えば、長円形状を有してもよい)を収容するように構成された円柱状のスペースを画定してもよい。カプセル空洞は、カプセル空洞の長さに沿って実質的に均一な、または均一な直径を有してもよい。カプセル空洞は、カプセル空洞の長さに沿って実質的に円柱状の、または円柱状の断面を有してもよい。カプセルに対するカプセル空洞の構成は、カプセルがカプセル空洞の中で安定性を有して回転するのを促進しうる。カプセルの長軸方向軸は、吸入中に吸入器本体の長軸方向軸と同軸に安定性を有して回転してもよい。
【0030】
安定な回転は、吸入器本体の長軸方向軸がカプセルの回転軸と実質的に平行または同軸であることを意味する。安定な回転は、回転するカプセルの前進の欠如を意味する場合がある。吸入器本体の長軸方向軸は実質的に、カプセルの回転の軸と同一の広がりを持つことが好ましい。カプセルの安定な回転は、消費者による二回以上、または五回以上、または十回以上の「吸煙」または吸入にわたって、カプセルからのニコチン粒子の一部分の均一な混入を提供してもよい。
【0031】
カプセル空洞は、固定の空洞の長さを有してもよい。カプセル空洞は長軸方向軸と直交する空洞内径を有し、またカプセルはカプセル外径を有する。カプセル空洞は、長円形カプセルを収容するサイズとしうる。
【0032】
カプセル空洞は、遠位端またはエンドピース要素またはエンドキャップが上流側上の境界となってもよく、または境界要素が下流側上の境界となってもよい。エンドキャップまたはエンドピース要素と境界要素は、カプセルをカプセル空洞内に長軸方向に収容するように協働する。
【0033】
本明細書に記載の境界要素は少なくとも、驚くべき強化された気流または気流力学を提供し、これにより、安定なカプセル回転(吸入中の)が促進され、カプセル空洞内、または境界要素の下流側に隣接した気流の再循環が最小化されうる。
【0034】
境界要素は、カプセル空洞をマウスピース空気チャネルに流体接続する少なくとも2つの同心リングの開口部を含む。開口部それぞれは、空気および粒子を豊富に含む空気がカプセル空洞からマウスピース空気チャネルへ伝達されることを可能にする空気ダクトとして作動する、空所または開口面積を画定する。
【0035】
同心リングの開口部それぞれは、同一の中心、または軸、または中心軸を共有してもよい。中心軸は、吸入器物品の長軸方向軸と同軸であってもよい。中心軸は、カプセルの回転軸と同軸であってもよい。
【0036】
同心リングの開口部それぞれは、内側リング周辺部および外側リング周辺部を画定する開口部を含みうる。同心リングの開口部それぞれ内の開口部は、境界要素を形成する材料で互いから間隙を介しており、この材料は、内側リング周辺部および外側リング周辺部を接続して、開口部それぞれの総周辺部を画定する。開口部は、同心リングの開口部それぞれ内で相互から等しい距離間隙を介してもよい。外側同心リングの開口部における開口部は、内側同心リングの開口部よりも相互からさらに間隙を介してもよい。
【0037】
内側リング周辺部は、同心リングの開口部を画定する開口部それぞれの内表面を画定する湾曲した内表面と一致しうる。外側リング周辺部は、同心リングの開口部を形成する開口部それぞれの外表面を画定する湾曲した外表面と一致しうる。内側リング周辺部および外側リング周辺部は、同一の中心、または軸、または中心軸を共有しうる。同心リングの開口部の内側リング周辺部または外側リング周辺部(例えば、内側同心リングの開口部または外側同心リングの開口部)は、吸入器物品のカプセル空洞内に収容されるカプセルの回転軸と同軸であることが好ましい場合がある。
【0038】
(同心リングの開口部それぞれの)内側リング周辺部と外側リング周辺部との間の横方向の距離を測定する直径セグメント値は、境界要素の合計直径の約3%~約20%、または約4%~約15%、約5%~約11%でありうる。同心リングの開口部それぞれは、相互にほぼ等しい直径セグメント値を有してもよい。
【0039】
境界要素は、長軸方向軸と一致する中央領域と、吸入器物品の本体と接触する周辺領域とを含む。中央領域は、周辺領域と同一平面上にあってもよい。境界要素は、実質的に平面としうる。境界要素の上流表面は、突出部または窪みを含まなくてもよい。境界要素の下流表面は、突出部または窪みを含まなくてもよい。境界要素の上流表面および下流表面は両方とも平面であり、かつ相互に平行であってもよい。境界要素の上流表面および下流表面は、相互の鏡像であってもよい。
【0040】
有利なことに、突出部を含まない、平面の境界要素は、長軸方向軸に対して実質的に直角を成して延び、長軸方向軸を中心としたカプセルの安定な回転を促進しうる。
【0041】
境界要素は、その長さ、幅、または厚さがその直径と比較して小さい直円柱であるディスクを画定しうる。境界要素は、その長さ、幅、または厚さがその直径の約25%未満、またはその直径の10%未満である直円柱でありうる。
【0042】
境界要素の中央領域における平面は、貫通動作中のカプセルへの損傷を減少しうるが、これは、カプセルに向かって延び、カプセルのより小さい表面積に力を印加する突出部に比較して、境界要素に対するカプセル力が平面の表面積に印加されるからである。境界要素の中央領域における平面は、カプセルの貫通動作中のカプセルの不整合を減少しうるが、これは、カプセルが力の印加によって平面上に留まるため、境界要素上の任意の機構上を「滑り」落ちないからである。
【0043】
境界要素の中央領域における平面は、カプセルのすぐ下流における気流の渦流または気流の再循環を減少しうる。平面の境界要素は、カプセルが、同心リングの開口部に対して緊密な関係にあることを確実にして、カプセルおよび境界要素にわたる引き出しおよび引き出し効率を最小化しうる。この境界要素はまた、引き出し抵抗または「RTD」を最小化し、従来的な喫煙方法の吸入量または気流量の範囲内の吸入量または気流量でのユーザーへのニコチン送達を提供するのを助けうる。
【0044】
境界要素の中央領域は、中実の円形領域であってもよい。中実の中央領域は開口部を欠いている、または開口部を含まない。開口部は、境界要素の中実の中央領域内またはそれを通って延びない。カプセル空洞からマウスピース空気チャネルへの流体または気流は、中実の円形領域を通して伝達または流れない。カプセル空洞からマウスピース空気チャネルへの流体または気流は、中実の円形領域を通して伝達または流れることができない。中実の円形領域は、0%の開口面積を有する。
【0045】
中実の中央領域は、境界要素の合計直径の少なくとも約10%、または少なくとも約15%、または少なくとも約20%、または少なくとも約25%、または少なくとも約30%の直径を有してもよい。中実の中央領域は、境界要素の合計直径の、約10%~約75%、または約15%~約60%、または約20%~約50%、または約20%~40%の範囲の直径を有しうる。中実の中央領域は、少なくとも約1mmまたは少なくとも約2mmの範囲、または約1mm~約3.5mm、または約1.5mm~約3mm、または約2mm~約3mmの範囲の直径を有しうるが、メッシュ要素は、約5mm~約9mm、または約6mm~約7mmの範囲の直径を有しうる。
【0046】
同心リングの開口部によって囲まれた中実の中央領域、または同心リングの開口部は、気流または流体力学を改善または強化し、これにより、カプセルの安定な回転(吸入中の)が促進され、カプセル空洞内、または境界要素の下流側に隣接した気流の再循環が最小化しうる。例えば、気流は、境界要素の外側周辺部に隣接した、同心リングの開口部または複数の同心リングの開口部を通して伝達され、これにより、カプセルの回転が安定化しうる。気流は、中実の中央領域に沿って最小化されて、カプセルおよびカプセル空洞に沿って、境界要素を通る流体または気流力学を高めうる。
【0047】
外側同心リングの開口部は、境界要素内に画定される内側同心リングの開口部を囲みうる。内側同心リングの開口部は、外側同心リングの開口部の開口面積よりも小さい開口面積を有しうる。内側同心リングの開口部は、外側同心リングの開口部の開口面積の少なくとも約10%未満、または少なくとも約20%未満、または少なくとも約25%未満の開口面積を有してもよい。この構成により、流体または気流力学が高まり、安定なカプセル回転(吸入中の)が促進され、カプセル空洞内、または境界要素の下流側に隣接した気流の再循環が最小化しうる。例えば、より多くの量の気流が、内側同心リングの開口部よりも、外側同心リングの開口部を通過する。この構成により、カプセルおよびカプセル空洞に沿って、境界要素を通る、気流の乱流が減少しうる。外側開口部それぞれは、内側開口部それぞれの開口面積よりも大きい開口面積を有することが好ましい。内側開口部それぞれは、外側開口部それぞれの開口面積よりも小さい開口面積を有することが好ましい。
【0048】
境界要素は、境界要素内に画定される複数の開口部のすべての面積の合計によって画定される総開口面積を有する。この総開口面積は、境界要素の総表面積の約10%~約80%であってもよく、約20%~約75%であってもよく、約35%~約70%であってもよく、約45%~約75%であってもよく、約50%~約70%であってもよく、または約60%であってもよい。
【0049】
外側リングの開口部は、内側リングの開口部と等しい数の開口部を有してもよい。その他の実施形態では、外側リングの開口部は、内側リングの開口部よりも大きい数の開口部を有する。
【0050】
境界要素は、2つの同心リングの開口部を画定しうる。境界要素は、3つよりも少ない同心リングの開口部を画定しうる。境界要素は、3つの同心リングの開口部を画定しうる。境界要素は、少なくとも3つの同心リングの開口部を画定しうる。
【0051】
一実施形態では、境界要素は、2つの同心リングの開口部を画定し、ここで同心リングの開口部それぞれは、開口部と等しい、または同数の開口部を有する。内側同心リングの開口部は、外側同心リングの開口部の開口面積の少なくとも約10%未満、または少なくとも約20%未満、または少なくとも約25%未満の開口面積を有しうる。この境界要素は、平面であり、かつ平行に延びる上流表面および下流表面を有するディスクを画定する。この境界要素は、2つの同心リングの開口部によって囲まれた中実の中央領域を有し、ここで中実の中央領域は開口部を含まず、境界要素の合計直径の約20%~約40%の範囲の直径を有する円形領域を画定する。
【0052】
別の実施形態では、境界要素は3つの同心リングの開口部を画定し、ここで同心リングの開口部それぞれは、等しい、または同数の開口部を有する。最も内側の同心リングの開口部は、中間の同心リングの開口部の開口面積の少なくとも約10%未満、または少なくとも約20%未満、または少なくとも約25%未満の開口面積を有しうる。中間の同心リングの開口部は、外側同心リングの開口部の開口面積の少なくとも約10%未満、または少なくとも約20%未満、または少なくとも約25%未満の開口面積を有しうる。したがって、内側同心リングの開口部は、外側同心リングの開口部の開口面積の少なくとも約20%未満、または少なくとも約40%未満、または少なくとも約50%未満の開口面積を有しうる。この境界要素は、平面であり、かつ平行に延びる上流表面および下流表面を有するディスクを画定する。この境界要素は、2つの同心リングの開口部によって囲まれた中実の中央領域を有し、ここで中実の中央領域は開口部を含まず、境界要素の合計直径の約20%~約40%の範囲の直径を有する円形領域を画定する。
【0053】
境界要素は、同心リングの開口部であってもよく、ここで開口部それぞれは、同一の半径方向距離の開口長さまたは直径距離(境界要素の軸中心点から測定される)を有する。例えば、境界要素は、約6mm~約8mmの合計直径を有してもよく、開口部それぞれは、約0.2mm~約1.2mm、または約0.3mm~約1mm、または好ましくは約0.5mm~約0.9mmの範囲、または好ましくは約0.7mmの同一の半径方向距離の開口長さまたは直径距離を有しうる。
【0054】
約0.5mm~約0.9mmの範囲の半径方向距離の開口長さまたは直径距離を有する開口部は、限定された量の粒子が境界要素の表面に引き寄せられる、または接着される(例えば、静電結合されるなど)、粒子送達の利点を提供することが見い出された。半径方向距離の開口長さまたは直径が約0.5mm未満、または0.4mm未満、または0.3mm未満の開口部は、約0.5mmより大きい半径方向距離の開口長さまたは直径を有する開口部よりも、より多くの粒子が境界要素の表面に引き寄せされる、または接着することが見い出された。
【0055】
内側同心リングの開口部よりも外側同心リングの開口部により多くの開口面積を有する境界要素は、外側開口部対内側開口部に対して、より多くの単位面積当たりの気流を提供することが示された。これは、有利なことに、吸入器の気流特性を改善し、吸入器を通した気流の乱流を減少しうることを示した。
【0056】
同心リングの開口部それぞれ内で装置を相互から分離する境界要素の中実部分は、円周方向距離の閉じた長さまたは距離を有する。外側同心リングの開口部それぞれ内で装置を相互から分離する境界要素の中実部分は、内側同心リングの開口部内で装置を分離する境界要素の中実部分よりも大きい円周方向距離の閉じた長さまたは距離を有することが好ましい。言い換えれば、隣接する開口部間の中実のスペースは、内側リングよりも外側リングで大きいことが好ましい。
【0057】
境界要素は、吸入器物品の本体と一体的に形成されてもよい。境界要素は、吸入器物品の本体と同じ材料で形成されてもよい。境界要素は、熱可塑性材料で形成されてもよい。境界要素はセルロース系材料で形成されてもよい。境界要素は、生分解性材料で形成されてもよい。
【0058】
境界要素は、同時成形を介して吸入器物品の本体と一体的に形成されてもよい。境界要素は、境界要素または吸入器本体のいずれかを成形し、その後、残りの境界要素または吸入器本体を連続的に成形することにより、吸入器物品の本体と一体的に形成されてもよい。吸入器本体と一体的に成形された境界要素は、吸入器装置の改善された組立および製造を提供しうる。境界要素の構成はまた、これらの成形技術にも適している場合がある。
【0059】
カプセルは消費の前に、吸入器物品内にシールされていてもよい。吸入器物品は、シールされたまたは気密の容器または袋の中に収容されていてもよい。吸入器物品は、吸入器物品の一つ以上の空気吸込み口チャネル、または空気出口、もしくはマウスピースを覆うための、一つ以上の剥離可能または取り外し可能なシール層を含みうる。
【0060】
カプセルは、空気が吸入器物品を通して流れる時、その長軸方向軸または中央軸を中心に回転してもよい。カプセルは気密材料で形成されてもよく、この気密材料は、吸入器と別個であるか組み合わせられうる貫通要素によって貫通または穿孔されうる。カプセルは金属材料または高分子材料で形成されてもよく、この材料は汚染物質をカプセルに入れないように機能するが、カプセルの中のニコチン粒子の消費の前に貫通要素によって貫通または穿孔される場合がある。カプセルは高分子材料で形成されてもよい。高分子材料はヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)であってもよい。カプセルはサイズ1~サイズ4のカプセル、またはサイズ3のカプセルであってもよい。
【0061】
金属または剛直な針などの別個の貫通要素は、カプセル空洞内に受けられるカプセルを通る単一の開口部を形成しうる。貫通要素は、エンドキャップ上の貫通チャネルをシールする、再び封じることができる要素を通過してもよい。
【0062】
カプセルは、ニコチンを含むニコチン粒子(「ニコチン粉末」または「ニコチン粒子」とも呼ばれる)、および随意に、風味を含む粒子(「風味粒子」とも呼ばれる)を含む。カプセルは所定の量のニコチン粒子および随意の風味粒子.を包含してもよい。カプセルは、少なくとも2回の吸入または「吸煙」、または少なくとも約5回の吸入または「吸煙」、または少なくとも約10回の吸入または「吸煙」を提供するのに十分なニコチン粒子を含みうる。カプセルは、約5~50回の吸入または「吸煙」、または約10~30回の吸入または「吸煙」を提供するのに十分なニコチン粒子を含みうる。各々の吸入または「吸煙」は、約0.1mg~約3mgのニコチン粒子をユーザーの肺に、または約0.2mg~約2mgのニコチン粒子をユーザーの肺に、または約1mgのニコチン粒子をユーザーの肺に送達する場合がある。
【0063】
ニコチン粒子は、採用される特定の製剤に基づいてニコチンの任意の有用な濃度を有してもよい。ニコチン粒子は、少なくとも約1重量%~最高約30重量%のニコチン、または約2重量%~約25重量%のニコチン、または約3重量%~約20重量%のニコチン、または約4重量%~約15重量%のニコチン、または約5重量%~約13重量%のニコチンを有してもよい。各々の吸入または「吸煙」で、約50~約150マイクログラムのニコチンがユーザーの肺に送達されうることが好ましい。
【0064】
カプセルは、少なくとも約5mgのニコチン粒子、または少なくとも約10mgのニコチン粒子を保持または包含してもよい。カプセルは約900mg未満のニコチン粒子、または約300mg未満のニコチン粒子、または150mg未満のニコチン粒子を保持または含みうる。.カプセルは、約5mg~約300mgのニコチン粒子、または約10mg~約200mgのニコチン粒子を保持または含みうる。
【0065】
カプセルの中で風味粒子がニコチン粒子とブレンドまたは組み合わせられた時、毎回の吸入または「吸煙」でユーザーに送達される所望の風味を提供する量の風味粒子が存在しうる。
【0066】
ニコチン粒子は、優先的にユーザーの肺の中へと吸入送達するために有用な任意のサイズ分布を有してもよい。カプセルはニコチン粒子以外の粒子を含みうる。ニコチン粒子およびその他の粒子は粉末システムを形成しうる。
【0067】
カプセルは、少なくとも約5mgの乾燥粉末(粉末システムとも呼ばれる)または少なくとも約10mgの乾燥粉末を保持または含みうる。カプセルは、約900mg未満の乾燥粉末、または約300mg未満の乾燥粉末、または約150mg未満の乾燥粉末を保持または含みうる。.カプセルは、約5mg~約300mgの乾燥粉末、または約10mg~約200mgの乾燥粉末を保持または含みうる。
【0068】
乾燥粉末または粉末システムは、約5マイクロメートル以下、または約1マイクロメートル~約5マイクロメートルの範囲内の粒子サイズのニコチン粒子から成る粉末システムの少なくとも約40重量%、または少なくとも約60重量%、または少なくとも約80重量%を有してもよい。
【0069】
ニコチンを含む粒子の空気動力学的中央粒子径は、約5マイクロメートル以下、または約0.5マイクロメートル~約4マイクロメートルの範囲内、または約1マイクロメートル~約3マイクロメートルの範囲内、または約1.5マイクロメートル~約2.5マイクロメートルの範囲内であってもよい。空気動力学的中央粒子径は、カスケードインパクターで測定することが好ましい。
【0070】
風味を含む粒子の空気動力学的中央粒子径は、約20マイクロメートル以上、または約50マイクロメートル以上、または約50~約200マイクロメートルの範囲内、または約50~約150マイクロメートルの範囲内であってもよい。空気動力学的中央粒子径は、カスケードインパクターで測定することが好ましい。
【0071】
乾燥粉末の中央粒子径は、約60マイクロメートル以下、または約1マイクロメートル~約40マイクロメートルの範囲内、または約1.5マイクロメートル~約25マイクロメートルの範囲内であってもよい。中央粒子径は質量あたりの中央粒子径を意味し、またレーザー回折、レーザー拡散、または電子顕微鏡によって測定することが好ましい。
【0072】
粉末システム中またはニコチン粒子中のニコチンは、医薬品として許容可能な遊離塩基ニコチン、またはニコチン塩もしくはニコチン塩水和物であってもよい。有用なニコチン塩またはニコチン塩水和物には例えば、ピルビン酸ニコチン、クエン酸ニコチン、アスパラギン酸ニコチン、乳酸ニコチン、重酒石酸ニコチン、サリチル酸ニコチン、フマル酸ニコチン、モノ-ピルビン酸ニコチン、グルタミン酸ニコチン、またはニコチン塩酸塩が挙げられる。ニコチンと結合して塩または塩水和物を形成する化合物は、その予想される薬理学的効果に基づいて選ばれてもよい。
【0073】
ニコチン粒子はアミノ酸を含むことが好ましい。アミノ酸はL-ロイシンなどのロイシンであってもよいことが好ましい。ニコチンを含む粒子にL-ロイシンなどのアミノ酸を提供することは、ニコチンを含む粒子の接着力を低減する場合があり、またニコチン粒子間の引力を低減し、それ故にニコチン粒子の凝集を低減する場合がある。同様に、風味を含む粒子に対する接着力も低減する場合があり、それ故にニコチン粒子の風味粒子との凝集も低減する。それ故に、本明細書に記載の粉末システムは自由流動材料であってもよく、またニコチン粒子と風味粒子が組み合わせられる時でも、各々の粉末構成成分の安定した相対的な粒子サイズを有する場合がある。
【0074】
ニコチンは表面修飾したニコチン塩であってもよいことが好ましく、その場合、ニコチン塩粒子は被覆された粒子または複合粒子を含む。好ましい被覆材料または複合材料はL-ロイシンであってもよい。一つの特に有用なニコチン粒子は、L-ロイシンを含む重酒石酸ニコチンであってもよい。
【0075】
粉末システムは風味粒子の集団を含んでもよい。風味粒子は、選択的にユーザーの口または口腔に吸入送達するために有用な任意のサイズ分布を有してもよい。
【0076】
粉末システムは、約20マイクロメートル以上の粒子サイズの粒子から成る粉末システムの風味粒子の集団の少なくとも約40重量%、または少なくとも約60重量%、または少なくとも約80重量%を有してもよい。粉末システムは、約50マイクロメートル以上の粒子サイズの粒子から成る粉末システムの風味粒子の集団の少なくとも約40重量%、または少なくとも約60重量%、または少なくとも約80重量%を有してもよい。粉末システムは、約50マイクロメートル~約150マイクロメートルの範囲内の粒子サイズの粒子から成る粉末システムの風味粒子の集団の少なくとも約40重量%、または少なくとも約60重量%、または少なくとも約80重量%を有してもよい。
【0077】
風味剤または風味は、固体の風味として(約22℃の室温および1気圧で)提供されてもよく、風味製剤、風味含有材料および風味前駆体を含んでもよい。風味剤は、一つ以上の天然風味剤、一つ以上の合成風味剤、または天然風味剤と合成風味剤との組み合わせを含んでもよい。本明細書に記載の風味剤は、ニコチン構成要素の味覚特性または芳香特性をその消費中または吸入中に変化させるために、または変化させることを意図するために選択および利用される感覚刺激性の化合物、組成物、または材料である。
【0078】
風味剤または風味は、天然起源または合成起源のさまざまな風味材料を指す。これらには、単一の化合物および混合物が含まれる。風味または風味剤は、消費中にニコチン構成要素の体験を高める場合がある風味特性を有する。風味は、可燃性喫煙物品の喫煙の結果から得られるものと類似の体験を提供するように選ばれてもよい。例えば、風味または風味剤は、口充足感および複雑さなどの風味特性を高める場合がある。複雑さは、単一の感覚属性が支配的になることなく、より豊かな風味の全体的なバランスが取れていることとして、一般的に知られている。口充足感は、消費者の口および喉の中での豊かさと量の知覚として説明される。
【0079】
適切な風味には例えば、たばこ、煙、メントール、ミント(ペパーミントおよびスペアミントなど)、チョコレート、甘草、柑橘類およびその他の果実風味、ガンマ八量体、バニリン、エチルバニリン、口臭消臭風味、スパイス風味(シナモンなど)、サルチル酸メチル、リナロール、ベルガモット油、ゼラニウム油、レモン油、およびジンジャー油、およびこれに類するものなどの任意の天然風味または合成風味が含まれるが、これらに限定されない。
【0080】
その他の適切な風味には、酸、アルコール、エステル、アルデヒド、ケトン、ピラジン、これらの組み合わせまたはブレンド、およびこれに類するものから成る群から選択される風味化合物が含まれてもよい。適切な風味化合物は例えば、フェニル酢酸、ソラノン、メガスチグマトリエノン、2-ヘプタノン、ベンジルアルコール、cis-3-ヘキセニルアセタート、吉草酸、吉草酸アルデヒド、エステル、テルペン、セスキテルペン、ノートカトン、マルトール、ダマセノン、ピラジン、ラクトン、アネトール、iso-s吉草酸、その組み合わせ、およびこれに類するものから成る群から選択されてもよい。
【0081】
風味のさらなる特定の実施例は、現在の文献から見いだされる場合があり、また風味付け、すなわち臭いまたは味覚を製品に付与する当業者に周知である。
【0082】
風味剤は力価の高い風味剤であってもよく、吸入気流内で結果的に200ppm未満となるレベルで使用・検出される場合がある。こうした風味剤の例は、β-ダマセノン、2-エチル-3,5-ジメチルピラジン、フェニルアセトアルデヒド、グアイアコール、およびフラネオールなどの主なたばこ芳香化合物である。その他の風味剤は、より高い濃度レベルで人間によってのみ感知されうる。本明細書で力価がより低い風味剤と呼ばれるこれらの風味剤は一般に、吸入空気内に放出される風味剤が結果的に、桁違いに多い量のレベルで使用される。力価のより低い適切な風味剤には例えば、天然メントールまたは合成メントール、ペパーミント、スペアミント、コーヒー、茶、スパイス(シナモン、クローブ、およびショウガなど)、ココア、バニラ、果実風味、チョコレート、ユーカリ、ゼラニウム、オイゲノール、およびリナロールが含まれるが、これらに限定されない。
【0083】
風味を含む粒子は、接着力または表面エネルギーおよび結果としてもたらされる凝集を低減する化合物を含んでもよい。風味粒子は接着力低減化合物を用いて表面修飾されて、被覆された風味粒子を形成してもよい。一つの好ましい接着力低減化合物は、ステアリン酸マグネシウムであってもよい。ステアリン酸マグネシウムなどの接着力低減化合物を風味粒子に提供すること、特に風味粒子を被覆することは、風味を含む粒子の接着力を低減する場合があり、また風味粒子の間の引力を低減し、それ故に風味粒子の凝集を低減する場合がある。それ故に、ニコチン粒子を有する風味粒子の凝集も低減する場合がある。それ故に、本明細書に記載の粉末システムは、ニコチン粒子と風味粒子が組み合わせられる時でも、ニコチンを含む粒子と風味を含む粒子の安定した相対的な粒子サイズを有してもよい。粉末システムは自由流動であってもよいことが好ましい。
【0084】
乾燥粉末吸入用の従来的な製剤は、活性粒子が吸入器を通る単純な気流による影響を受けるには小さすぎる場合があるため、活性粒子の流動化を増大するように機能する担体粒子を含有する。粉末システムは担体粒子を含んでもよい。これらの担体粒子は、約50マイクロメートル超の粒子サイズでありうるラクトースまたはマンニトールなどのサッカリドであってもよい。担体粒子は製剤中で希釈剤または膨化剤として作用することによって、用量の均一性を改善するために利用されうる。
【0085】
本明細書に記載のニコチン粉末送達システムとともに利用される粉末システムは、担体を含まなくてもよく、またはラクトースもしくはマンニトールなどのサッカリドを実質的に含まなくてもよい。担体を含まない、またはラクトースもしくはマンニトールなどのサッカリドを実質的に含まないことは、典型的な喫煙方法での吸入量または気流量と類似の吸入量または気流量でニコチンが吸入され、かつユーザーの肺に送達されることを可能にする場合がある。
【0086】
ニコチン粒子と風味は、単一のカプセル内に組み合わせられてもよい。上述の通り、ニコチン粒子および風味はそれぞれ、低減された接着力を有してもよく、それらが安定な粒子製剤をもたらし、この場合ではニコチンを含む粒子と風味含む粒子が組み合わせられた時に各構成要素の粒子サイズは実質的に変化しない。別の方法として、粉末システムは、単一のカプセルの中に収容されたニコチン粒子と、第二のカプセルの中に収容された風味粒子とを含む。
【0087】
ニコチン粒子および風味粒子は、ニコチン粒子とともに消費された時にユーザーが風味粒子を検知するように、任意の有用な相対的な量で組み合わせられてもよい。ニコチン粒子および風味粒子は、粉末システムの全重量の少なくとも約90重量%、または少なくとも約95重量%、または少なくとも約99重量%、または100重量%を形成することが好ましい。
【0088】
吸入器および吸入器システムは、従来の乾燥粉末吸入器と比較して、より複雑ではなく、また単純化された気流経路を有する。有利なことに、吸入器本体の中のカプセルの回転は、ニコチン粒子または粉末システムをエアロゾル化し、また自由流動粉末の維持を支援する場合がある。それ故に、吸入器物品は、上述のニコチン粒子を肺に深く送達するために、従来の吸入器によって典型的に利用される高い吸入量を必要としない場合がある。
【0089】
吸入器物品は、約5L/分未満または約3L/分未満、または約2L/分または約1.6L/分未満の流量を使用してもよい。流量は、約1L/分~約3L/分または約1.5L/分~約2.5L/分の範囲内であることが好ましい。吸入量または流量は、カナダ保健省(Health Canada)喫煙方法のそれと同様であり、約1.6L/分であることが好ましい。
【0090】
吸入器は、従来の紙巻たばこの喫煙または電子たばこのベイピングのように、消費者によって使用されてもよい。こうした喫煙またはベイピングは二つの工程によって特徴付けられることができ、第一の工程では、消費者が所望するニコチンの全量を含有する少量が口腔の中に引き出され、それに続く第二の工程では、所望の量のニコチンを含むエアロゾルを含むこの少量が新鮮な空気によってさらに希釈され、肺の中により深く引き出される。どちらの工程も消費者によって制御される。第一の吸入工程中に、消費者は吸入されるニコチンの量を決定してもよい。第二の工程中に、消費者は肺の中により深く引き出される第一の量を希釈するための量を決定してもよく、気道の上皮表面に送達される有効な薬剤の濃度が最大化される。この喫煙のメカニズムは時に、「吸煙-吸入-吐出」と呼ばれる。
【0091】
本明細書で使用されるすべての科学的および技術的な用語は、別途指定のない限り、当業界で一般的に使用される意味を有する。本明細書で提供されている定義は、本明細書で頻繁に使用される特定の用語の理解を容易にするために提供されている。
【0092】
「上流」および「下流」という用語は、吸入器本体を通して遠位端部分からマウスピース部分に引き出される際の吸入気流の方向に関して説明された吸入器の要素の相対的な位置を意味する。
【0093】
本明細書で使用される単数形(「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」)は、複数形の対象を有する実施形態を包含するが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。
【0094】
「または」は本明細書で使用される場合、一般的に、その内容によって明らかにそうでないことが定められている限り、「および/または」を含めた意味で使用される。「および/または」という用語は、列挙された要素の一つもしくはすべて、または列挙された要素のうちの任意の二つ以上の組み合わせを意味する。
【0095】
本明細書で使用される「有する、持つ(have)」、「有している、持っている(having)」、「含む(include)」、「含まれる(including)」、「備える(comprise)」、「備える(comprising)」、またはこれに類するものは制約のない意味で使用され、概して「含むが、これに限定されない」を意味する。当然のことながら、「から本質的に成る(consisting essentially of)」、「から成る(consisting of)」、およびこれに類するものは、「含む(comprising)」およびこれに類するものに包摂される。
【0096】
「好ましい」および「好ましくは」という語は特定の状況下で、特定の利点をもたらす場合がある本発明の実施形態を指す。しかしながら、同一の状況下または他の状況下では、他の実施形態もまた好ましいものである場合がある。その上、一つ以上の好ましい実施形態の列挙は、その他の実施形態が有用ではないことを暗示するものではなく、また特許請求の範囲を含む本開示の範囲からその他の実施形態を除外することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【
図1】
図1は、例示的な吸入器物品の斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1の例示的な吸入器物品の長軸方向軸に沿った概略断面図である。
【
図3】
図3は、本発明による例示的な境界要素の平面図である。
【
図4】
図4は、本発明による例示的な境界要素の平面図である。
【0098】
概略図は必ずしも実寸に比例しておらず、図示の目的で提示されるものであり、限定するものではない。図面は本開示で説明される一つ以上の態様を描写する。しかしながら、当然のことながら、図面に描かれていないその他の態様も本開示の範囲および趣旨の中に収まる。
【発明を実施するための形態】
【0099】
図1および
図2は、例示的な吸入器物品100を図示する。
図2は、
図1の例示的な吸入器物品の長軸方向軸に沿った概略断面図である。吸入器物品100は、マウスピース端112から遠位端114へと長軸方向軸L
Aに沿って延びる本体110と、本体110内に画定されたカプセル空洞116とを含む。本体は実質的に円筒形の管状の本体である。本体110は、約7.5mmの均一な外径および約55mmの長さを有しうる。本体110は、約6.5mmの均一な内径を有しうる。本体110は、約1mmの均一な厚さを有しうる。
【0100】
マウスピース空気チャネル111は、カプセル空洞116からマウスピース端112へと延びる。エンドキャップまたはエンド要素120は、遠位端112内に配置され、かつカプセル空洞116へと延びる。エンドキャップまたはエンド要素120は、エンドキャップまたはエンド要素120に沿って延びる空気チャネル113を含む。空気チャネル113は、長軸方向軸LAと非平行であり、空気が空洞を通ってマウスピース空気チャネル111に向けて引き出される時に、カプセル空洞116を通る渦巻状気流を誘発するのを支援する。一部の実施形態では、エンドキャップ120は、エンドキャップ120の周囲の周りに間隙を介した2つ以上の空気チャネル113を含みうる。
【0101】
エンドキャップまたはエンド要素120および境界要素140は、カプセル空洞116を区切る。カプセル130は空洞116内に配置される。カプセル130はニコチンを含む粒子を収容する。エンドキャップまたはエンド要素120および境界要素140は、カプセル130をカプセル空洞116内に長軸方向に収容するように協働する。空気をエンドキャップ120を通してマウスピース空気チャネル111に向けて引き出すことは、空洞内に渦巻状気流を誘発し、これがカプセル130の回転を誘発しうる。カプセル130の回転軸は、長軸方向軸LAと同延でありうる。境界要素140は、約0.5mmの長さまたは厚さ、および約6.5mmの直径または本体110にほぼ等しい内径を有するディスク形状を画定する。
【0102】
図3および
図4は、例示的な境界要素140の平面図である。境界要素140は、長軸方向軸L
Aと一致する中央領域145、および本体110に接触する(
図2に図示する)周辺領域146を有する。中央領域145は、周辺領域146と同一平面上に図示されている。境界要素140は、長軸方向軸L
Aに沿って延びる突出部がない平面の本体としうる。
【0103】
図3は、3つの同心リングの開口部142、143、144を画定する境界要素140を図示する。中央同心リングの開口部143は、内側同心リングの開口部144と外側同心リングの開口部142との間に配置される。3つの同心リングの開口部142、143、144はそれぞれ、等しい数の開口部を含む(12個が図示されている)。それぞれ同心リングの開口部142、143、144を形成する、内側リング周辺部142’’、143’’、144’’と外側リング周辺部142’、143’、144’との間の横方向の距離を測定する直径セグメント値は、境界要素140の合計直径(6.5mm)の約4%~約5%(0.3mm)に等しい。内側同心リングの開口部144は、外側同心リングの開口部142または中央同心リングの開口部143のいずれかの開口面積よりも小さい開口面積を有する。中央同心リングの開口部143は、外側同心リングの開口部142の開口面積より小さく、かつ内側同心リングの開口部144の開口面積よりも大きい開口面積を有する。外側同心リングの開口部144は、内側同心リングの開口部144または中央同心リングの開口部143のいずれかの開口面積よりも大きい開口面積を有する。同心リングの開口部それぞれ内の開口部は、境界要素を形成する材料で相互から間隙を介している。
図3において、開口部は、同心リングの開口部142、143、144それぞれ内で等しい距離互いから間隙を介している。
【0104】
図4は、2つの同心リングの開口部142、144を画定する境界要素140を図示する。内側同心リングの開口部144は、中実の中央領域145と外側同心リングの開口部142との間に配置される。2つの同心リングの開口部142、144はそれぞれ、等しい数の開口部を含む(12個が図示されている)。それぞれ同心リングの開口部142、144を形成する、内側リング周辺部142’’、144’’と外側リング周辺部142’、144’との間の横方向の距離を測定する直径セグメント値は、境界要素140の合計直径(6.5mm)の約10%~約11%(0.7mm)に等しい。内側同心リングの開口部144は、外側同心リングの開口部142の開口面積未満の開口面積を有する。
図4において、外側同心リングの開口部142の開口部は、内側同心リングの開口部144(約0.4mmの距離)よりも相互からさらに(約0.4mmの距離)間隙を介している。