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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-06
(45)【発行日】2024-02-15
(54)【発明の名称】超伝導構造を形成するための方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20240207BHJP
   H10N 60/82 20230101ALI20240207BHJP
【FI】
H01L21/60 311S
H01L21/92 604C
H01L21/92 604M
H10N60/82
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020570185
(86)(22)【出願日】2019-07-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-18
(86)【国際出願番号】 US2019042394
(87)【国際公開番号】W WO2020040910
(87)【国際公開日】2020-02-27
【審査請求日】2021-01-15
【審判番号】
【審判請求日】2023-01-10
(31)【優先権主張番号】16/107,321
(32)【優先日】2018-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520128820
【氏名又は名称】ノースロップ グラマン システムズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ハートマン,ジェフリー,デー.
(72)【発明者】
【氏名】ハックレー,ジャスティン,シー.
【合議体】
【審判長】恩田 春香
【審判官】市川 武宜
【審判官】松永 稔
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0373044(US,A1)
【文献】特開平02-305442(JP,A)
【文献】特開2004-319993(JP,A)
【文献】特開2012-231093(JP,A)
【文献】特開2004-281602(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0108614(US,A1)
【文献】国際公開第02/050884(WO,A1)
【文献】特開2009-105254(JP,A)
【文献】特開2003-188521(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/60
H10N 60/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超伝導構造を形成する方法であって、前記方法が、
第1の超伝導デバイスの上側上に配置された複数の第1の超伝導コンタクトパッドの上面から酸化物を除去するために、前記複数の第1の超伝導コンタクトパッドの上面に第1の洗浄プロセスを実行することであって、前記第1の洗浄プロセスが、汚染物を除去するプラズマ洗浄プロセス、酸化物を除去するウェットエッチング、および前記複数の第1の超伝導コンタクトパッドの上面を洗浄するスパッタプロセスを備えることと、
前記複数の第1の超伝導コンタクトパッドの各々の上面に第1のアンダーバンプメタライゼーション(UBM)層を堆積させることと、
前記第1のUBM層の各々に超伝導金属層を堆積させることと、
前記超伝導金属層の各々の上面に第2の洗浄プロセスを実行することと、
第2の超伝導デバイスの下側上に配置された複数の第2の超伝導コンタクトパッドの上面から酸化物を除去するために、前記複数の第2の超伝導コンタクトパッドの上面に第3の洗浄プロセスを実行することであって、前記第3の洗浄プロセスが、汚染物を除去する別のプラズマ洗浄プロセス、酸化物を除去する別のウェットエッチング、および前記複数の第2の超伝導コンタクトパッドの上面を洗浄する別のスパッタプロセスを備えることと、
前記複数の第2の超伝導コンタクトパッドの各々の上面に第2のUBM層を堆積させることと、
前記第1の超伝導デバイスの超伝導金属層を前記第2の超伝導デバイスのそれぞれの第2のUBM層に結合することによって、前記第1の超伝導デバイスおよび前記第2の超伝導デバイスを接続するようにボンディングプロセスを実行することと、
を備える、方法。
【請求項2】
前記プラズマ洗浄プロセスが、酸素ベースのプラズマプロセスであり、前記ウェットエッチングが、フッ化水素(HF)酸エッチングであり、前記スパッタプロセスが、アルゴンベースのスパッタプロセスである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のUBM層および前記第2のUBM層が、付着を促進し、超伝導体と同様の特性を提供するように、10Å乃至1000Åの間の厚さを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のUBM層および前記第2のUBM層が、金、チタン、クロム、白金、およびそれらの組み合わせのうちの1つから形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記超伝導金属層が、インジウムから形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の洗浄プロセスが、塩酸(HCl)エッチング、ギ酸エッチング、または二フッ化キセノン(XeF)エッチングのうちの1つであって、前記超伝導金属層の上面上の酸化物を除去する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第2のUBM層の各々の上面に第4の洗浄プロセスを実行することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第4の洗浄プロセスが、前記第2のUBM層の各々の上面を洗浄するための酸素およびアルゴンベースのプラズマプロセスである、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記ボンディングプロセスが、フリップチッププロセスである、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2018年8月21日に出願された米国特許出願第16/107321号から優先権を主張し、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
政府の権益
本発明は、政府契約番号30059269の下で行われた。したがって、米国政府は、その契約に明記されている本発明に対する権利を有する。
【0003】
本発明は、概して超伝導体、より具体的には超伝導構造を形成するための方法論に関する。
【背景技術】
【0004】
超伝導回路は、通信信号の完全性または計算能力が必要とされる国家安全保障アプリケーションに大幅な強化を提供することが期待される、量子コンピューティングおよび暗号化アプリケーション用に提案された主要なテクノロジーの1つである。それらは100ケルビン未満の温度で動作する。超伝導デバイスの製造に関する取り組みは、ほとんどが大学または政府の研究所に限定されており、超伝導デバイスの大量生産についてはほとんど発表されていない。したがって、これらの実験室で超伝導デバイスを製造するために使用される方法の多くは、迅速で一貫した製造が不可能なプロセスまたは機器を利用している。最近、従来の半導体プロセスで利用されているものと同様の技術を利用して、超伝導回路を大量生産する動きがある。
【発明の概要】
【0005】
一例では、超伝導構造を形成する方法が提供されている。本方法は、第1の超伝導デバイスの上側に配置された複数の第1の超伝導コンタクトパッドの上面に第1の洗浄プロセスを実行することと、複数の第1の超伝導コンタクトパッドの各々の上面に第1のアンダーバンプメタライゼーション(UBM)層を堆積させることと、第1のUBM層の各々に超伝導金属層を堆積させることと、超伝導金属層の各々の上面に第2の洗浄プロセスを実行することと、を含む。本方法は、第2の超伝導デバイスの下側に配置された複数の第2の超伝導コンタクトパッドの上面に第3の洗浄プロセスを実行することと、複数の第2の超伝導コンタクトパッドの各々の上面に第2のUBM層を堆積させることと、をさらに含む。次に、第1の超伝導デバイスの超伝導金属層を第2の超伝導デバイスのそれぞれの第2のUBM層に結合することによって、第1の超伝導デバイスおよび第2の超伝導デバイスを接続するようにボンディングプロセスが実行される。
【0006】
別の例では、超伝導構造を形成する方法が提供されている。本方法は、第1の超伝導デバイスの上側に配置された複数の第1の超伝導コンタクトパッドの上面に第1の洗浄プロセスを実行することと、複数の第1の超伝導コンタクトパッドの各々の上面に、超伝導体と同様の特性を提供するように、約10Å~約1000Åの厚さを有する、限定はされないが、金、チタン、クロム、白金、またはそれらの組み合わせで構成される第1のアンダーバンプメタライゼーション(UBM)を堆積させることと、第1のUBM層の各々に超伝導金属層を堆積させることと、超伝導金属層の各々の上面に第2の洗浄プロセスを実行することと、を含む。本方法は、第2の超伝導デバイスの下側に配置された複数の第2の超伝導コンタクトパッドの上面に第3の洗浄プロセスを実行することと、複数の第2の超伝導コンタクトパッドの各々の上面に、超伝導体と同様の特性を提供するように、約10Å~約1000Åの厚さを有する、限定はされないが、金、チタン、クロム、白金、またはそれらの組み合わせで構成される第2のUBMを堆積させることと、第2のUBM層の各々の上面に第4の洗浄プロセスを実行することと、をさらに含む。次に、第1の超伝導デバイスの超伝導金属層を第2の超伝導デバイスのそれぞれの第2のUBM層に結合することによって、第1の超伝導デバイスおよび第2の超伝導デバイスを接続するようにボンディングプロセスが実行される。
【0007】
さらに別の例では、第1の超伝導デバイスの上側に配置された複数の第1の超伝導コンタクトパッドを有する第1の超伝導デバイスと、第2の超伝導デバイスの下側に配置された複数の第2の超伝導コンタクトパッドを有する第2の超伝導デバイスと、複数の第1の超伝導コンタクトパッドおよび第2の複数の超伝導パッドのそれぞれの超伝導コンタクトパッドを互いに結合して、第1の超伝導デバイスを第2の超伝導デバイスに接合する所与の超伝導バンプ構造を備えた複数の超伝導バンプ構造と、を備える、超伝導構造が提供されている。複数の超伝導バンプ構造の各々は、複数の第1の超伝導コンタクトパッドのうちの所与の1つの上面に配置された第1のアンダーバンプメタライゼーション(UBM)層と、複数の第2の超伝導コンタクトパッドのうちの所与の1つの上面に配置された第2のUBM層と、第1のUBM層を第2のUBM層に結合する超伝導金属層と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】チップオンチップ超伝導構造の斜視図を示す。
図2】超伝導バンプ構造の概略断面図を示す。
図3】プラズマ洗浄プロセスを受けている間の第1の超伝導デバイスの例の概略断面図を示す。
図4】エッチングプロセスを受けている間の図3の第1の超伝導デバイスの概略断面図を示す。
図5】別のエッチングプロセスを受けている間の図4の第1の超伝導デバイスの概略断面図を示す。
図6】第1のアンダーバンプメタライゼーション(UBM)層を形成するための材料堆積後の図5の第1の超伝導デバイスの概略断面図を示す。
図7】超伝導金属層を形成するための材料堆積後の図6の第1の超伝導デバイスの概略断面図を示す。
図8】さらに別のエッチングプロセスを受けている間の図7の第1の超伝導デバイスの概略断面図を示す。
図9】プラズマ洗浄プロセスを受けている間の第2の超伝導デバイスの例の概略断面図を示す。
図10】エッチングプロセスを受けている間の図9の第2の超伝導デバイスの概略断面図を示す。
図11】別のエッチングプロセスを受けている間の図10の第2の超伝導デバイスの概略断面図を示す。
図12】第2のUBM層を形成するための材料堆積後の図11の第1の超伝導デバイスの概略断面図を示す。
図13】さらに別のエッチングプロセスを受けている間の図12の第2の超伝導デバイスの概略断面図を示す。
図14】第1の超伝導デバイスおよび第2の超伝導デバイスのフリップチップボンディングプロセスを受けた後の最終構造の概略断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示は、2つ以上の超伝導デバイスからの超伝導構造の形成に関する。2つ以上の超伝導デバイスは、バンプボンド構造を介して互いに電気的および機械的に結合することができる。バンプボンド構造は、フリップチップ統合などの超伝導デバイス間の超伝導相互接続を達成するバンプボンディングプロセスから形成される。特に、製造プロセスは、その後のフリップチップ統合のために実質的に酸化物を含まない超伝導バンプ構造を生成するために本明細書に記載されている。この開示は、非超伝導バンプ構造をもたらすアンダーバンプメタライゼーション(UBM)に厚い通常の金属を使用するシステムの制限に対処する。特に、金属化されたコンタクトは、酸化物や汚染された表面のために劣化する可能性があり、これは超伝導アプリケーションで特に懸念される可能性がある本明細書に記載のプロセスは、表面酸化物を実質的に含まない改良された超伝導バンプ構造を実証する。
【0010】
その後のフリップチップ統合のための超伝導バンプを達成するために、すべての残留酸化物および汚染物が各界面で除去される。これを実現するには、ボンディング前の追加のクリーニングステップで残留物(例えば、炭化水素)を除去し、汚染された酸化界面を取り除き、各超伝導コンタクトにクリーンなボンディング環境を提供する。本プロセスでは、バンプの下のコンタクトパッドを不動態化して、バンプ金属の堆積前に周囲にさらされることによる酸化を防ぐことができる。加えて、本プロセスは、超伝導金属層と同様の超伝導特性を示すように選択された厚さを有する通常の金属を含む単一のUBM層から形成されたUBMスタックを提供する。したがって、本明細書に記載のプロセスは、複数の層および2000Åを超える厚さを有するUBM金属スタックを使用し、界面酸化物の存在を無視するか、または酸化物の除去を助けるためにフラックスを使用する従来のバンプボンディングプロセスを超える改善となる。厚いUBMスタック、界面酸化物、フラックス、および残留物は、超伝導コンタクトを阻害する。
【0011】
図1は、チップオンチップ超伝導構造10の例の斜視図を示す。図2は、超伝導構造10の例示的な超伝導バンプ構造30の概略断面図を示す。チップオンチップ超伝導構造10は、複数の超伝導バンプ構造30を通じて、第2の超伝導デバイス22(例えば、上部デバイスまたは補助デバイス)に接続された第1の超伝導デバイス12(例えば、下部デバイスまたは主デバイス)を含む。超伝導構造は、別の超伝導デバイスに接続された複数の超伝導デバイスを含むことができる。超伝導デバイスは、基板ウェーハ、信号を別のデバイスに渡すためのパッケージデバイス、集積回路(IC)、または他の様々なタイプの超伝導デバイスであり得る。
【0012】
第1の超伝導デバイス12は、第1の超伝導デバイス12の上側に配置された複数の第1の超伝導コンタクトパッド16を含む。複数の第1の超伝導コンタクトパッド16は、複数の第1の超伝導コンタクトパッド16を、第1の超伝導デバイス12内のビアおよび/または回路などの他の電気要素に電気的に結合する導電線14に結合される。第2の超伝導デバイス22は、第2の超伝導デバイス22の下側に配置された複数の第2の超伝導コンタクトパッド26を含む。複数の第2の超伝導コンタクトパッド26は、複数の第2の超伝導コンタクトパッド26を、第2の超伝導デバイス22内のビアおよび/または回路などの他の電気要素に電気的に結合する導電線24に結合される。第1の超伝導デバイス12は、それぞれ、第1および第2の超伝導構造12および22の対応する超伝導コンタクトパッドを通じてデバイスを互いに接合する複数の超伝導バンプ構造30によって、第2の超伝導デバイス22に電気的および機械的に結合される。
【0013】
図2を参照すると、超伝導バンプ構造30は、複数の第1の超伝導コンタクトパッド16の所与の第1の超伝導コンタクトパッドを覆う第1のUBM層18、複数の第2の超伝導コンタクトパッド26の所与の第2の超伝導コンタクトパッドを覆う第2のUBM層28、および第1のUBM層18を第2のUBM層28に結合する超伝導金属層20から形成されている。第1のUBM層18および第2のUBM層28は、付着を促進し、および/またはほとんどの金属で自然に発生する自然酸化物の形成を防ぐためのバリア層として作用し、金、チタン、クロム、白金、またはそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない金属から形成することができる。約10Å~約1000Åの厚さを有するUBM金属層を採用することにより、超伝導金属層と同様の超伝導特性を示すことができる通常の金属層が提供される。超伝導金属層20は、約0.5マイクロメートル~約50マイクロメートルの厚さを有するインジウムまたは何か他の超伝導金属で形成することができる。
【0014】
ここで図3図14に目を向けると、図1図2に示されているものと同様の超伝導構造の形成に関連して製造が議論されている。本実施例は、2つの超伝導デバイスを互いに接合するためのバンプ構造を形成するプロセスフローに関して説明されることを理解されたい。本プロセスフローは、超伝導コンタクトパッドの上側を備えた第1の超伝導デバイス(例えば、いくつかの第1のICを有するウェーハ、第1のIC)の提供、および超伝導コンタクトパッドの下側を備えた第2の超伝導デバイス(例えば、第2のIC)の提供から始まる。本実施例は、超伝導コンタクトパッドを通じて信号を通過させるためのコンタクトの超伝導性を保持しながら、コンタクトパッドの酸化を軽減するサイズの超伝導コンタクトパッド上のUBM金属層の堆積に関してさらに説明される。本実施例は、過剰なフォトレジスト残留物を除去し、汚染および酸化された界面を取り除き、各超伝導コンタクトパッドにクリーンなボンディング環境を提供するために、ボンディングの前に洗浄プロセス(複数可)を受ける超伝導デバイスの上側および下側の超伝導コンタクトパッドに関して説明される。
【0015】
図3は、製造の初期段階における超伝導構造の第1の超伝導デバイス50(例えば、第1のICまたは第1の基板ウェーハ)の断面図を示す。第1の超伝導デバイス50は、いくつかの回路機能を実施するための従来のおよび/または超伝導の回路、または他の超伝導デバイスに接続するためのパススルービアを含むことができる。回路またはビアの部分は、機能および/または信号を第2の超伝導デバイスと共有するために、1つ以上の導電線(図示せず)を介して、複数の第1の超伝導コンタクトパッド56に接続することができる。複数の第1の超伝導コンタクトパッド56は、ニオブまたはアルミニウムを含むがこれらに限定されない超伝導金属で形成することができる。第1の超伝導デバイス50は、第1の基板ウェーハから個々の第1のICに切断される複数の第1のICを有する第1の基板ウェーハであることができ、または第1の超伝導デバイス50は、第1のICであることができる。例示の目的で、説明は、第1のICまたは第1の基板ウェーハとは異なり、第1の超伝導デバイス50に言及する。
【0016】
図3はまた、複数の第1の超伝導コンタクトパッド56の上面から残留物(例えば、炭化水素)を除去するために、第1の超伝導デバイス50の上側にプラズマ洗浄プロセス100を実行することを示す。第1の超伝導デバイス50は、プラズマ洗浄プロセス100を実行するためのチャンバ内に存在することができ、これは、酸素(O)ベースのプラズマプロセスであり得る。酸素ベースのプラズマプロセスでは、酸素を使用して残留物を酸化し、真空ポンプを使用して除去され得る副産物を形成する。
【0017】
次に、図4に示すように、エッチングプロセス110が、第1の超伝導デバイス50および複数の第1の超伝導コンタクトパッド56の上側に実行されて、主にプラズマおよび環境に起因する酸化物を複数の第1の超伝導コンタクトパッド56から除去する。エッチングプロセス110は、フッ化水素(HF)酸エッチングなどのウェットエッチングであり得る。HFエッチングの後に、脱イオン水(DI)リンスが続く。スピン/リンス/ドライプロセスが続き得る。
【0018】
次に、図5を参照すると、エッチングプロセス120が、第1の超伝導デバイス50および複数の第1の超伝導コンタクトパッド56の上側で実行される。エッチングプロセス120は、複数の第1の超伝導コンタクトパッド56の上面をその場で洗浄するためのアルゴンスパッタドライエッチングまたはイオンミルであり得る。代わりに、エッチングプロセス120は、気相エッチング、例えば、二フッ化キセノン(XeF)であり得、任意の残留する自然酸化物を除去し、複数の第1の超伝導コンタクトパッド56の上面をフッ素不動態化する。
【0019】
次に、第1の超伝導デバイス50の上側が、コンタクト材料充填を受けて、第1のUBM層58を複数の第1の超伝導コンタクトパッド56の各々に堆積させて、図6に示すような結果の構造を形成する。第1のUBM層58は、約10Å~約1000Åの厚さを有し、付着を促進し、および/またはほとんどの金属で自然に発生する自然酸化物の形成を防止するバリアとして作用する金属層であり得る。加えて、第1のUBM層58は、金、チタン、クロム、白金、またはそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない金属から形成することができる。第1のUBM層58の厚さは、第1のUBM層58が、複数の第1の超伝導コンタクトパッド56と同様の超伝導特性を有することができるように選択することができる。第1のUBM層58は、蒸着またはスパッタリングなどの標準的なコンタクト材料堆積を使用して堆積させることができる。
【0020】
次に、図7に示すように、超伝導金属層60が第1のUBM層58上に堆積される。超伝導金属層60は、蒸着などの標準的なコンタクト材料堆積を使用して堆積させることができ、例えば、約0.5マイクロメートル~約50マイクロメートルの厚さを有するインジウムなどの超伝導金属であり得る。超伝導金属層60は、第1のUBM層58と同じ堆積チャンバ内でその場で堆積させることができる。図3図7のプロセスが基板ウェーハ上で実行される例では、基板ウェーハは次に複数の第1のICに切断される。
【0021】
次に、第1の超伝導デバイス50は、図8に示されるように、第1の超伝導デバイス50の上側でエッチングプロセス130を受けて、超伝導金属層60上に形成された任意の酸化物を除去する。エッチングプロセス130は、別の超伝導デバイスと接合する直前の塩酸(HCl)エッチングまたはギ酸エッチングであり得る。代わりに、エッチングプロセス130は、超伝導金属層60上の任意の残留する自然酸化物を除去し、超伝導金属層60の上面を不動態化するためのXeF エッチングであることができる。続いて、第1の超伝導デバイス50は、第2の超伝導デバイスにボンディングする準備ができている。
【0022】
図9は、製造の初期段階における第2の超伝導デバイス80の断面図を示す。第2の超伝導デバイス80は、いくつかの回路機能を実施するための従来のおよび/または超伝導の回路、ならびに/または信号を他のデバイスに渡すための超伝導ビアを含むことができる。回路の一部は、機能および/または信号を1つ以上の他のICと共有するために、1つ以上の導電線(図示せず)を介して複数の第2の超伝導コンタクトパッド84に接続することができる。複数の第2の超伝導コンタクトパッド84は、ニオブまたはアルミニウムなどの超伝導金属で形成することができる。第2の超伝導デバイス80は、第2の基板ウェーハから個々の第2のIC(複数)または第2のICに切断される複数の第2のICを含むことができる第2の基板ウェーハであり得る。
【0023】
図9はまた、第2の超伝導デバイス80の下側にプラズマ洗浄プロセス140を実行して、複数の第2の超伝導コンタクトパッド84の上面から残留物(例えば、炭化水素)を除去することを示す。第2の超伝導デバイス80は、プラズマ洗浄プロセス140を実行するためのチャンバ内に存在することができ、これは、酸素(O)ベースのプラズマプロセスであり得る。酸素ベースのプラズマプロセスでは、酸素を使用して残留物を酸化し、残留物は、真空ポンプを使用して除去され得る。
【0024】
次に、図10に示すように、エッチングプロセス150が、第2の超伝導デバイス80および複数の第2の超伝導コンタクトパッド84の下側に実行されて、主にプラズマプロセスおよび環境に起因する酸化物を複数の第2の超伝導コンタクトパッド84から除去する。ウェットエッチングプロセス150は、フッ化水素(HF)酸エッチングなどのウェットエッチングであり得る。HFエッチングの後に、脱イオン水(DI)リンスが続く。スピン/リンス/ドライプロセスが続き得る。
【0025】
次に、図11を参照すると、エッチングプロセス160が、第2の超伝導デバイス80および複数の第2の超伝導コンタクトパッド84の下側で実行される。エッチングプロセス120は、複数の第2の超伝導コンタクトパッド84の上面をその場で洗浄するためのアルゴンスパッタドライエッチングまたはイオンミルであり得る。
【0026】
次に、第2の超伝導デバイス80の下側が、コンタクト材料充填を受けて、第2のUBM層86を複数の第2の超伝導コンタクトパッド84の各々に堆積させて、図12に示すような結果の構造を形成する。第2のUBM層86は、約10Å~約1000Åの厚さを有し、付着を促進し、および/またはほとんどの金属で自然に発生する自然酸化物の形成を防止するバリアとして作用する金属であり得る。加えて、第2のUBM層86は、金、チタン、クロム、白金、またはそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない金属から形成することができる。第2のUBM層86の厚さは、第2のUBM層86が、複数の第2の超伝導コンタクトパッド84と同様の超伝導特性を有することができるように選択することができる。第2のUBM層86は、蒸着またはスパッタリングなどの標準的なコンタクト材料堆積を使用して堆積させることができる。
【0027】
次に、図13に示すように、第2のプラズマ洗浄プロセス170が、第2の超伝導デバイス80の下側に実行されて、第1の超伝導デバイス50の上側と接合する直前に、第2のUBM層86の上面から任意の自然酸化物を除去する。第2のプラズマ洗浄プロセス170は、酸素ベースのプラズマプロセス)と、それに続く、酸素ベースのプラズマプロセスから酸化物を除去するためのアルゴンベースのプラズマプロセス)であり得る。
【0028】
図14の構造を提供するために、エッチングプロセス130および第2のプラズマ洗浄プロセス170を実行した直後に、超伝導構造50の上部を超伝導構造80の下側に接合するためにボンディングプロセスが実行される。ボンディングプロセスは、様々な異なるフリップチップボンディング技術のうちの1つを介して、超伝導金属層60を第2のUBM層86に接合するフリップチッププロセスであり得る。
【0029】
説明を単純化するために、「上に置く(overlay)」、「上にある(overlaying)」、「下に敷く(underlay)」、および「下にある(underlying))」という用語(および派生語)は、選択された方向における2つの隣接する表面の相対位置を示すために本開示全体で使用される。加えて、本開示全体で使用される「上部(top)」および「下部(bottom)」という用語は、選択された方向の対向する表面を示す。同様に、「上の(upper)」および「下の(lower)」という用語は、選択した方向における相対位置が、説明を目的としていることを示す。実際、本開示全体で使用される例は、1つの選択された方向を示している。しかしながら、記載された例では、選択された方向は任意であり、本開示の範囲内で他の方向が可能である(例えば、逆さま、90度回転など)。
【0030】
上記は、主題の開示の例である。もちろん、主題の開示を説明する目的で構成要素または方法論の考えられるすべての組み合わせを説明することは不可能であるが、当業者は、主題の開示のさらに多くの組み合わせおよび順列が可能であることを認識することができる。したがって、主題の開示は、添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲内にあるそのようなすべての変更、修正および変形を包含することを意図している。加えて、開示または請求項が「ある(a)」、「ある(an)」、「第1の(a first)」、または「別の(another)」要素、またはそれらの同等物を列挙している場合、それは、1つ以上のそのような要素を含むと解釈されるべきであり、2つ以上のそのような要素を要求も除外もしない。さらに、「含む(includes)」という用語が詳細な説明または特許請求の範囲のいずれかで使用される限り、そのような用語は、「備える(comprising)」がクレームにおいて移行語として使用されるときに解釈されるのと同じように「備える(comprising)」という用語と同様の様態で包括的であることが意図されている。最後に、「に基づく(based on)」という用語は、少なくとも部分的に基づくことを意味すると解釈される。
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図14