(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-06
(45)【発行日】2024-02-15
(54)【発明の名称】タイマ設定を決定するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
H04W 52/02 20090101AFI20240207BHJP
【FI】
H04W52/02 110
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021147964
(22)【出願日】2021-09-10
(62)【分割の表示】P 2019536854の分割
【原出願日】2018-03-20
【審査請求日】2021-09-28
【審判番号】
【審判請求日】2023-05-15
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2017/077915
(32)【優先日】2017-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファン, ルイ
(72)【発明者】
【氏名】リュウ, ジンファ
【合議体】
【審判長】廣川 浩
【審判官】圓道 浩史
【審判官】齋藤 哲
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/197366(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/038741(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/064534(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
3GPP TSG SA WG1-4
3GPP TSG CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のキャリアをアグリゲートするキャリアアグリゲーションを使用するワイヤレスデバイスにおいて実施される方法であって、
DRX(間欠受信)タイマの時間単位を、
前記キャリアアグリゲーションにおいて使用される前記複数のキャリアのためのキャリアごとに、複数の異なるヌメロロジーのうちの一つに基づき決定することと、
前記時間単位に基づく前記DRXタイマによって示される時間間隔を決定することであって、前記時間間隔は前記DRXタイマの時間の持続時間に関連付けられている、ことと
を有する方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記DRXタイマの時間単位を複数の異なるヌメロロジーのうちの一つに基づき決定することは、さらに、
複数の異なるヌメロロジーのうちの一つに基づき複数の異なるスケジューリング単位のうちの一つの情報を取得することと、
前記複数の異なるスケジューリング単位のうちの一つの情報に基づき前記DRXタイマの時間単位を決定することと、
を有する方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法であって、前記DRXタイマの時間単位は、複数のHARQプロセスにおけるハイブリッド自動再送要求であるHARQプロセスに関連付けられている、方法。
【請求項4】
請求項1または2に記載の方法であって、前記DRXタイマの前記時間単位は、複数のHARQプロセスにおけるHARQプロセスの再送信に関連付けられている、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、前記DRXタイマは、
HARQ RTT タイマ、
drx-RetransmissionTimer、
drx-ULRetransmissionTimer
のうちの一つである、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、前記複数の異なるヌメロロジーは、それぞれの複数のキャリアに関連付けられ、前記DRXタイマの時間単位は、前記複数のキャリア内のキャリアに関連付けられる、方法。
【請求項7】
複数のキャリアをアグリゲートするキャリアアグリゲーションを使用するワイヤレスデバイスであって、
プロセッサと、
前記プロセッサに結合され、命令を格納する記憶装置とを有し、前記命令は前記プロセッサによって実行されると前記ワイヤレスデバイスにアクションを実行させるものであり、前記アクションは、
DRX(間欠受信)タイマの時間単位を、
前記キャリアアグリゲーションにおいて使用される前記複数のキャリアのためのキャリアごとに、複数の異なるヌメロロジーのうちの一つに基づき決定することと、
前記時間単位に基づく前記DRXタイマによって示される時間間隔を決定することであって、前記時間間隔は前記DRXタイマの時間の持続時間に関連付けられている、こととを有するワイヤレスデバイス。
【請求項8】
請求項7に記載のワイヤレスデバイスであって、前記DRXタイマの時間単位を複数の異なるヌメロロジーのうちの一つに基づき決定することは、さらに、
複数の異なるヌメロロジーのうちの一つに基づき複数の異なるスケジューリング単位のうちの一つの情報を取得することと、
前記複数の異なるスケジューリング単位のうちの一つの情報に基づき前記DRXタイマの時間単位を決定することと、
を有するワイヤレスデバイス。
【請求項9】
請求項7または8に記載のワイヤレスデバイスであって、前記DRXタイマの時間単位は、複数のHARQプロセスにおけるハイブリッド自動再送要求であるHARQプロセスに関連付けられている、ワイヤレスデバイス。
【請求項10】
請求項7または8に記載のワイヤレスデバイスであって、前記DRXタイマの前記時間単位は、複数のHARQプロセスにおけるHARQプロセスの再送信に関連付けられている、ワイヤレスデバイス。
【請求項11】
請求項7に記載のワイヤレスデバイスであって、前記DRXタイマは、
HARQ RTT タイマ、
drx-RetransmissionTimer、
drx-ULRetransmissionTimer
のうちの一つである、ワイヤレスデバイス。
【請求項12】
請求項7に記載のワイヤレスデバイスであって、前記複数の異なるヌメロロジーは、それぞれの複数のキャリアに関連付けられ、前記DRXタイマの時間単位は、前記複数のキャリア内のキャリアに関連付けられる、ワイヤレスデバイス。
【請求項13】
少なくとも1つのプロセッサに、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法を実行させる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に、通信の分野に関し、より詳細には、間欠受信(DRX)タイマの構成を決定するための方法およびデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、LTE(ロングタームエボリューション)では、UE(ユーザ装置)が間欠受信を実行するように構成される場合があるが、間欠受信を動作させるためには、非常に多くのタイマを設定する必要がある。DRXに関連するタイマは、集合的にDRXタイマと呼ばれることがあり、例えば、onDurationTimer(オンデュレーションタイマ)、drx-InactivityTimer(drxインアクティビティタイマ)、drx-RetransmissionTimer(drx再送タイマ)などを含むことがある。LTEでは、すべてのDRXタイマの時間単位は、スケジューリング単位、すなわち、1msの時間長を有するサブフレームまたはTTI(Transmission Time Interval)と同じである。
【0003】
次世代ネットワーク、例えば、NR(New Radio)では、UEは、同様にDRXをサポートする必要があり、おそらく、LTEと同様のDRX機構を使用する。言い換えれば、NRでDRXを動作させるために設定される必要があるDRXタイマは、非常に多く存在し得る。LTEとは異なり、NRニーズは、異なるヌメロロジーおよび/またはTTI長をサポートする。異なるヌメロロジー/TTI長さの絶対時間は異なる。例として、15kHzサブキャリア間隔(SCS)のヌメロロジーの場合、対応するTTI長は1msである。30kHz SCSのヌメロロジーでは、そのTTI長は0.5msである。
【0004】
NRの場合、TTIは、14個のOFDMシンボルを含む通常のTTIよりも少ない直交周波数分割多重(OFDM)シンボルを含む、より短い送信持続時間を有することができる。例えば、UEは、14個のOFDMシンボルを備える通常のTTIではなく、7個のOFDMシンボルを備えるスロットにおいてスケジュールされるように構成され得る。さらに短いスロット、例えば、2つのOFDMシンボルを含むミニスロットも同様に使用され得る。
【0005】
NR内のDRXタイマがLTEと同じように構成される場合、すなわち、すべてのタイマの時間単位が同じTTI長に従って設定される場合、それは、いくらかの混乱を引き起こす。より具体的には、15kHzのヌメロロジーのためのスケジューリング単位は1msであり、30kHzのヌメロロジーのためのスケジューリング単位は0.5msであるので、DRXタイマが数値の5を有する場合、15kHzのヌメロロジーのための5msを示すが、30kHzのヌメロロジーのための2.5msを示す。そのような場合、UEは、DRXタイマによって実際に示される時間間隔、DRXタイマがアクティブであるべきとき、またはDRXタイマがスリープであるべきときについて不明確となりうる。これは、ネットワーク(NW)側とUEとの間の不整合問題を引き起こす。例えば、UEがスリープしているにもかかわらず、NWがUEがアクティブであると考えてしまうとUEはNWからのスケジューリングを失うことがあり、または実際にUEがアクティブであるにもかかわらず、UEがスリープしているとNWが考えてしまうときに、UEは電力を浪費してしまうだろう。したがって、伝送効率およびネットワーク性能が低下する。
【発明の概要】
【0006】
一般に、本開示の実施形態は、上述のDRXタイマ不整合問題を解決するための解決策を提供する。
【0007】
第一の観点によれば、ワイヤレスデバイスにおいて実施される方法が提供される。ワイヤレスデバイスは、DRXタイマと異なるスケジューリング単位との間の関係を決定し、決定された関係に基づいてDRXタイマの時間単位を決定する。そして、ワイヤレスデバイスは、時間単位に基づいて、DRXタイマが示す時間間隔を算出する。対応するコンピュータプログラムも提供される。
【0008】
一実施形態では、DRXタイマと異なるスケジューリング単位との関係を決定することは、DRXタイマが異なるスケジューリング単位に対して整列の必要があるかどうかを決定することを含むことができる。
【0009】
一実施形態では、DRXタイマの時間単位を決定することは、DRXタイマが異なるスケジューリング単位に対して整列の必要があると決定することに応答して、DRXタイマの時間単位を所定の値として決定することと、所定のヌメロロジーに基づいてDRXタイマの時間単位を決定することと、現在使用されているヌメロロジーに基づいてDRXタイマの時間単位を決定することと、ネットワークデバイスから受信されたインジケーション(指示)に基づいてDRXタイマの時間単位を決定することとのうちの少なくとも1つを実行することを含むことができ、指示は、ネットワークデバイスによって構成された時間単位の値を示す。
【0010】
一実施形態では、現在使用されているヌメロロジーに基づいてDRXタイマの時間単位を決定することは、ワイヤレスデバイスのプライマリセルおよびセカンダリセルによって使用されるヌメロロジーに関する情報を取得することと、プライマリセルによって使用されるヌメロロジーに基づいてDRXタイマの時間単位を決定することとを含み得る。
【0011】
一実施形態では、DRXタイマの時間単位を決定することは、DRXタイマが異なるスケジューリング単位に対して整列の必要がないとの決定に応答して、異なるキャリアによって使用されるヌメロロジーに関する情報を取得することと、ヌメロロジーに基づいて異なるキャリアのためのDRXタイマの時間単位を決定することとを含み得る。
【0012】
一実施形態では、DRXタイマの時間単位を決定することは、DRXタイマが異なるスケジューリング単位に対して整列の必要がないと決定することに応答して、異なるハイブリッド自動再送要求(HARQ)プロセスによって使用されるスケジューリング単位に関する情報を取得することと、スケジューリング単位に関する情報に基づいて異なるHARQプロセスのためのDRXタイマの時間単位を決定することとを含むことができる。
【0013】
一実施形態では、DRXタイマの時間単位を決定することは、DRXタイマが異なるスケジューリング単位に関して整列の必要がないと決定することに応答して、HARQプロセスにおいて異なるHARQ送信によって使用されるスケジューリング単位に関する情報を取得することと、スケジューリング単位に関する情報に基づいて異なるHARQ送信のためのDRXタイマの時間単位を決定することとを含み得る。
【0014】
第2の態様では、ワイヤレスデバイスにおいて実装される装置が提供される。この装置は、決定ユニットと計算ユニットとを含む。決定ユニットは、DRXタイマと異なるスケジューリング単位との間の関係を決定し、決定された関係に基づいてDRXタイマの時間単位を決定するように構成される。計算ユニットは、時間単位に基づいて、DRXタイマによって示される時間間隔を計算するように構成される。
【0015】
第3の態様では、ワイヤレスデバイスが提供される。ワイヤレスデバイスは、プロセッサおよび記憶装置を含む。記憶装置は、プロセッサによって実行可能な命令を含み、プロセッサは、本開示の第1の態様による方法をワイヤレスデバイスに実行させるように適合される。
【0016】
本開示の実施形態によれば、ワイヤレスデバイスは、異なるスケジューリング単位に対するその関係に従って、DRXタイマの時間単位を決定する。したがって、UEが複数のヌメロロジー/TTI長をサポートする場合、ネットワークデバイスと端末デバイスとの間には、DRXタイマによって示される持続時間の共通の理解が存在する。ネットワークデバイスと端末デバイスとの間の通信は、DRXタイマの共通の理解に基づいて行うことができる。これにより、伝送効率およびネットワーク性能を効果的に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本開示の様々な実施形態の上記および他の態様、特徴、および利益は、例として、添付の図面を参照した以下の詳細な説明から、より完全に明らかになるであろうが、そこでは同一または均等な要素を指し示すために参照番号、文字などが使用されている。図面は、本開示の実施形態のより良い理解を容易にするために図示されており、必ずしも一定の縮尺で描かれていない。
【
図2】
図2は、本開示の一実施形態による、DRXタイマの構成を決定する方法200のフローチャートを示す。
【
図3】
図3は、本開示の一実施形態による、DRXタイマの構成を決定する方法300のフローチャートを示す。
【
図4A】
図4Aは、従来技術による、異なるヌメロロジーを使用する異なるキャリアのためのDRXタイマの構成の
図400を示す。
【
図4B】
図4Bは、本開示の実施形態による、異なるヌメロロジーを使用する異なるキャリアのためのDRXタイマの構成の
図410を示す。
【
図5】
図5は、本開示の一実施形態によるワイヤレスデバイスにおいて実装される装置500のブロック図を示す。
【
図6】
図6は、本開示の実施形態を実装する際に使用するのに適したワイヤレスデバイスの簡略化されたブロック
図600を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
ここで、本開示は、いくつかの例示的な実施形態を参照して説明される。これらの実施形態は、本開示の範囲に対する任意の制限を示唆するのではなく、当業者が本開示をよりよく理解し、したがって実施することを可能にする目的のためにのみ説明されることを理解されたい。
【0019】
本明細書で使用されるように、「無線通信ネットワーク」という用語は、LTE-A(LTE-Advanced)、LTE、WCDMA(登録商標)(Wideband Code Division Multiple Access)、HSPA(High-Speed Packet Access)などである。さらに、無線通信ネットワーク内の端末デバイスとネットワークデバイスとの間の通信は、第1世代(1G)、第2世代(2G)、2.5G、2.75G、第3世代(3G)、第4世代(4G)、4.5G、将来の第5世代(5G)通信プロトコル、および/または現在知られているか、または将来開発される任意の他のプロトコルを含むいずれかの適切な世代の通信プロトコルにしたがって実行されるが、これらに限定されわけではない。
【0020】
用語「ワイヤレスデバイス」は、無線通信ネットワーク内のネットワークデバイスまたは端末デバイスを指す。
【0021】
「ネットワークデバイス」という用語は、端末デバイスがそれを介してネットワークにアクセスし、そこからサービスを受信する、無線通信ネットワーク内のデバイスを指す。ネットワークデバイスは、基地局(BS)、アクセスポイント(AP)、モバイル管理エンティティ(MME)、マルチセル/マルチキャストコーディネーションエンティティ(MCE)、ゲートウェイ、サーバ、コントローラ、または無線通信ネットワーク内の任意の他の適切なデバイスを指す。BSは、例えば、ノードB (NodeBまたはNB)、進化型ノードB (eNodeBまたはeNB)、リモート無線ユニット(RRU)、無線ヘッダ(RH)、リモート無線ヘッド(RRH)、リレー、フェムト、ピコなどの低電力ノードなどであり得る。
【0022】
ネットワークデバイスのさらに別の例は、MSR BSなどのマルチ標準規格無線(MSR)無線機器、無線ネットワークコントローラ(RNC)または基地局コントローラ(BSC)などのネットワークコントローラ、ベーストランシーバステーション(BTS)、送信ポイント、送信ノード、マルチセル/マルチキャストコーディネーションエンティティ(MCE)、コアネットワークノード(例えば、MSC、MME)、O&Mノード、OSSノード、SONノード、測位ノード(例えば、E-SMLC)、および/またはMDTを含む。しかし、より一般的には、ネットワークデバイスは、無線通信ネットワークへの端末デバイスアクセスを可能にし、かつ/または提供するために、または無線通信ネットワークにアクセスした端末デバイスに何らかのサービスを提供するために、能力、構成、配置、および/または動作可能な任意の適切なデバイス(またはデバイスのグループ)を表すことができる。
【0023】
用語「端末デバイス」は、無線通信ネットワークにアクセスし、そこからサービスを受信することができる任意のエンドデバイスを指す。限定ではなく例として、端末デバイスは、モバイル端末、UE、または他の適切なデバイスを指す。UEは、例えば、加入者局(SS)、ポータブル加入者局、移動局(MS)、またはアクセス端末(AT)であってもよい。端末デバイスは、ポータブルコンピュータ、デジタルカメラなどの画像キャプチャ端末デバイス、ゲーム端末デバイス、音楽記憶再生機器、セルラーフォン、モバイルフォン、スマートフォン、タブレット、ウェアラブルデバイス、携帯情報端末(PDA)、車両などを含むことができるが、これらに限定されない。
【0024】
端末デバイスは、例えば、サイドリンク通信のための3GPP標準規格を実装することによって、装置間(D2D)通信をサポートすることができ、この場合、D2D通信装置と呼ばれることができる。
【0025】
さらに別の特定の例として、IOT(Internet of Things)シナリオでは、端末デバイスは、監視および/または測定を実行し、そのような監視および/または測定の結果を別の端末デバイスおよび/またはネットワーク機器に送信するマシンまたは他の装置を表すことができる。この場合、端末デバイスは、3GPPコンテキストにおいてマシンタイプ通信(MTC)装置と呼ばれ得るマシンツーマシン(M2M)装置であり得る。1つの特定の例として、端末デバイスは、3GPP狭帯域インターネット・オブ・シングス(NB-IoT)標準規格を実装するUEであってもよい。そのようなマシンまたは装置の特定の例は、センサ、電力計などの測定装置、産業マシン、または家庭もしくは個人機器、例えば、冷蔵庫、テレビ、腕時計などの個人ウェアラブルである。他のシナリオでは、端末デバイスは、その動作状態またはその動作に関連する他の機能を監視および/または報告することができる車両または他の機器を表すことができる。
【0026】
本明細書で使用されるように、単数形「a」および「an」は、コンテキストが明確にそうでないことを示さない限り、複数形も含むことが意図される。用語「備える」、「備える」、「有する」、「有する」、「含む」、および/または「含む」は、本明細書で使用されるように、述べられた特徴、成分、および/または構成成分などの存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、成分、構成成分、および/またはそれらの組合せの存在または追加を排除するものではない。「~に基づく」という用語は、「~に少なくとも部分的に基づく」と解釈されるべきである。用語「1つの実施形態」および「1つの実施形態」は、「少なくとも1つの実施形態」として読まれるべきである。用語「別の実施形態」は、「少なくとも1つの他の実施形態」として読まれるべきである。明示的および暗示的な他の定義を以下に含めることができる。
【0027】
次に、本開示のいくつかの例示的な実施形態を、図面を参照して以下に説明する。まず、無線通信ネットワークの概略
図100を示す
図1を参照する。ここでは、無線通信ネットワークにおけるネットワークデバイス101と端末デバイス102とを示している。
【0028】
図1の構成は、本開示の範囲に関していかなる限定も示唆することなく、単に例示の目的のために記載されていることを理解されたい。当業者は、無線通信ネットワーク100が、任意の適切な数の端末デバイスおよび/またはネットワークデバイスを含み得、他の適切な構成を有し得ることを理解する。いくつかの実施形態では、ネットワークデバイス101は、端末デバイス102以外の1つまたは複数の端末デバイスと通信することができる。
【0029】
図1に示す無線通信ネットワークでは、電力を節約するために、間欠受信(DRX)の概念が採用されている。DRXは、端末デバイス102のようなワイヤレスデバイスが、ネットワークデバイス101のような送信局から通信される物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)のような制御チャネルを不連続に監視することを可能にするために使用されることができる。不連続監視は、端末デバイス102における受信機をオフにすることができるので、端末デバイス102において著しい電力節約を提供することができる。
【0030】
従来、全てのDRXタイマの時間単位は、スケジューリング単位、すなわち、1msの時間長を有するサブフレームまたはTTIと同一である。しかし、ワイヤレスデバイスが複数のヌメロロジーおよび/またはスケジューリング単位をサポートする場合、ワイヤレスデバイスは、それぞれ、DRXタイマによって実際に示される時間間隔について不明確であり得る。ネットワークデバイスと端末デバイスは、同じDRXタイマによって示される持続時間を共通に理解することができない。このように、DRXタイマの不整合問題が発生し、伝送効率及びネットワーク性能が低下する。
【0031】
上記および他の潜在的な問題を解決するために、本開示の実施形態は、DRXタイマ不整合問題を解決するための解決策を提供する。提案された解決策では、ワイヤレスデバイスは、DRXタイマと異なるスケジューリング単位(すなわち、異なるTTI長)との間の関係を決定する。この関係から、ワイヤレスデバイスは、DRXタイマが異なるスケジューリング単位に対して整列の必要があるかどうかを理解することができる。そして、ワイヤレスデバイスは、その関係に基づいてDRXタイマの時間単位を決定し、その時間単位に基づいてDRXタイマが示す時間間隔を算出する。このようにして、UEが複数のヌメロロジー/TTI長をサポートする場合に、DRXタイマによって示される持続時間のネットワークデバイスと端末デバイスとの間の共通の理解に到達することが可能である。このように、ネットワークデバイスと端末デバイスとの間の通信は、DRXタイマの共通の理解に基づいて行うことができる。
【0032】
本開示の実施形態のさらなる詳細は、以下の
図2~
図6を参照して説明される。
図2は、本開示の一実施形態によるダウンリンク制御情報を送信する方法200のフローチャートを示す。方法200によって、従来のアプローチにおける上記および他の潜在的な欠陥を克服することができる。方法200は、ネットワークデバイス101、端末デバイス102、または他の適切なデバイスなどのワイヤレスデバイスによって実装され得ることが、当業者によって理解されるであろう。
【0033】
方法200は、210において開始され、ワイヤレスデバイスは、DRXタイマと異なるスケジューリング単位との間の関係を決定する。異なるスケジューリング単位は、複数のヌメロロジーに関連付けられる。ヌメロロジーは、無線通信システムにおけるサブキャリアの周波数間隔構成を示す。説明したDRXタイマは、DRXに関連する様々なタイマ、例えば、onDurationTimer、drx-InactivityTimer、drx-RetransmissionTimer、shortDRX-Cycle(ショートDRXサイクル), drxShortCycleTimer(drxショートサイクルタイマ), drx-ULRetransmissionTimer(drxUL再送タイマ), HARQ RTT timer(HARQ RTTタイマ), UL HARQ RTT timer(UL HARQ RTTタイマ), その他などを含むことができるが、これらに限定されない。なお、DRXタイマの時間単位は、他のDRXタイマの時間単位と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、DRXタイマと異なるスケジューリング単位との間の関係は、DRXタイマが異なるスケジューリング単位に対して整列の必要があるかどうかを示すことができる。したがって、210において、ワイヤレスデバイスは、DRXタイマが、異なるスケジューリング単位に対して整列の必要があるかどうかを決定し得る。本開示の実施形態では、DRXタイマが、異なるスケジューリング単位/ヌメロロジーによって共有されるメディアアクセス制御(MAC)エンティティに関連する場合、ネットワークデバイスおよび端末デバイスの両方でDRX関連タイマを維持する労力を単純化するように、ネットワークデバイスおよび端末デバイスがDRXタイマについての共通の理解に達することを可能にするために、これらのDRXタイマを整列させる必要があることが決定され得る。
【0035】
onDurationTimer、drx-InactivityTimer、drxShortCycleTimer、shortDRX-Cycle、およびlongDRX-CycleStartOffsetなどのDRXタイマに関しては、MACエンティティごとの挙動を定義するために、これらのDRXタイマを、異なるスケジューリング単位に関して整列させて、異なるスケジューリング単位ごとの挙動を定義する必要があると判断することができる。
【0036】
drx-RetransmissionTimer、drx-ULRetransmissionTimer、HARQ RTTタイマ、およびUL HARQ RTTタイマなどのDRXタイマに関しては、それらがUE内のHARQプロセス挙動ごとの送信ごとに定義するために使用され、異なるヌメロロジーを使用する異なるキャリアが、キャリアアグリゲーション(CA)において1つのMACエンティティを共有するが、異なるHARQエンティティを使用するので、HARQを定義するためにこれらのタイマを整列させないことには合理性がある。
【0037】
いくつかの実施形態では、onDurationTimer、drx-InactivityTimer、drxShortCycleTimer、shortDRX-Cycle、およびlongDRX-CycleStartOffsetが、整列の必要がある第1のグループに属することが決定されてもよく、これは、これらのDRXタイマの時間単位が、異なるヌメロロジーに関連する異なるスケジューリング単位に独立していることを意味し、一方、drx-RetransmissionTimer、drx-ULRetransmissionTimer、HARQ RTTタイマ、UL HARQタイマが整列の必要がある第2のグループに属することが決定されてもよく、これはこれらのDRXタイマの時間単位が、異なるヌメロロジーに関連付けられた異なるスケジューリング単位に依存していることを意味する。
【0038】
220において、ワイヤレスデバイスは、決定された関係に基づいてDRXタイマの時間単位を決定する。
【0039】
いくつかの実施形態では、DRXタイマが、onDurationTimer, drx-InactivityTimer、drxShortCycleTimer、shortDRX-Cycle、またはlongDRX-CycleStartOffsetのような第1のグループに属する場合、DRXタイマは、異なるスケジューリング単位に関して整列の必要があるという関係から決定され得る。この場合、ワイヤレスデバイスは、DRXタイマの時間単位を所定の値として決定することができる。所定の値は、絶対値、例えば1msであってもよく、これはヌメロロジーとは無関係である。したがって、onDurationTimerが5に設定されている場合、それは、ワイヤレスデバイスが、オンデュレーションで5msアクティブであり得ることを意味する。
【0040】
あるいは、ワイヤレスデバイスは、所定のヌメロロジーに基づいて、DRXタイマの時間単位を決定してもよい。所定のヌメロロジーは、ワイヤレスデバイスによって現在使用されているヌメロロジーとは無関係な固定参照ヌメロロジーであってもよい。例えば、SS(同期信号)ブロック送信のための所定のヌメロロジーが15kHzのサブキャリア間隔を有すると仮定すると、ワイヤレスデバイスが30kHzのサブキャリア間隔を有するヌメロロジー(以下、「30kHzヌメロロジー」とも呼ぶ)を現在使用している場合であっても、onDurationTimerが5に設定される場合、時間単位は、30kHzヌメロロジーに対応する0.5msではなく、15kHzヌメロロジーに対応する1msであると決定することができる。したがって、DRXタイマは、ワイヤレスデバイスが2.5msではなく、5msの間アクティブであることを示すことが決定され得る。
【0041】
さらなる代替処理として、ワイヤレスデバイスは、現在使用されているヌメロロジーに基づいて、DRXタイマの時間単位を決定し得る。この場合、ワイヤレスデバイスは、ワイヤレスデバイスのプライマリセル(PCell)およびセカンダリセル(SCell)によって使用されるヌメロロジーに関する情報を取得し、プライマリセルによって使用されるヌメロロジーに基づいてDRXタイマの時間単位を決定することができる。このようにして、時間単位は、現在使用されているヌメロロジーに従って動的に決定することができる。例として、UEが現在15kHzと30kHzの両方のヌメロロジーを使用しており、PCellが15kHzのヌメロロジーを使用していると仮定すると、時間単位は15kHzのヌメロロジーに従って決定される。したがって、onDurationTimerが5に設定された場合、時間単位は15kHzヌメロロジーに対応する1msであると判断することができ、UEは5msの間アクティブになる。後に、UEが、PCellにおいて30kHzのヌメロロジーを使用し、SCellにおいて60kHzのヌメロロジーを使用する場合、時間単位は、30kHzのヌメロロジーに対応する0.5msであると決定することができ、UEは、2.5msの間アクティブである。
【0042】
さらに別の代替処理として、ワイヤレスデバイスは、ネットワークデバイスによって設定された指示(インジケーション)であって、ネットワークデバイスから受信された指示に基づいて、DRXタイマの時間単位を決定することができる。この場合、ワイヤレスデバイスは、端末デバイスであってもよく、時間単位の設定要求をネットワークデバイスに送信してもよい。ネットワークデバイスは、DRXタイマの時間単位を構成し、それを指示を介して端末デバイスに送信することができる。指示は、無線リソース制御(RRC)シグナリングなど、任意の適切なメッセージまたはシグナリングで送信され得る。指示は、ネットワークデバイスによって構成された時間単位の値を示すことができる。したがって、端末デバイスは、DRXタイマの時間単位を、指示によって示される値として決定することができる。
【0043】
上記の実施形態に加えて、DRXタイマが、例えば、drx-RetransmissionTimer、drx-ULRetransmissionTimer、HARQ RTTタイマ、またはUL HARQ RTTタイマである場合、DRXタイマは、異なるスケジューリング単位に対して整列される必要がないと決定され得る。この場合、DRXタイマは、ワイヤレスデバイスによってスケジュールされたヌメロロジー/TTI長にバンドルされる。異なるヌメロロジー/TTI長に関してDRXタイマについて同じ値を設定することができるが、DRXタイマの時間単位は、ワイヤレスデバイスによって現在使用されているヌメロロジー/TTI持続時間に応じて異なるように解釈することができる。
【0044】
一実施形態では、時間単位は、キャリア毎に決定されてもよい。すなわち、DRXタイマは、異なるヌメロロジーを使用して、異なるキャリアに対して異なるように解釈され得る。特に、ワイヤレスデバイスは、異なるキャリアによって使用されるヌメロロジーに関する情報を取得し、ヌメロロジーに基づいて、異なるキャリアのためのDRXタイマの時間単位を決定することができる。一例では、UEは、2つのキャリアのキャリアアグリゲーションを使用しており、15kHzのヌメロロジーがキャリアC1で使用され、30kHzのヌメロロジーがキャリアC2で使用されている。DRXタイマ、例えば、drx-RetransmissisonTimerが4に設定される場合、DRXタイマの時間単位は、キャリアC1に対して1msであると決定され得る。したがって、DRXタイマは、キャリアC1におけるHARQプロセスのための4msの時間間隔を示すことが決定されることができる。一方、C2のHARQプロセスでは、DRXタイマの時間単位は0.5msであると判断され、DRXタイマは2msの時間間隔を示す。
【0045】
さらなる実施形態では、時間単位は、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)プロセス毎に決定されてもよい。言い換えれば、DRXタイマは、1つのHARQエンティティにおける異なるHARQプロセスに対して異なるように解釈され得る。すなわち、DRXタイマの時間単位は、異なるHARQプロセスにおけるHARQプロセスに関連するスケジューリング単位の構成に依存することができる。より具体的には、ワイヤレスデバイスは、異なるHARQプロセスによって使用されるスケジューリング単位に関する情報を取得し、スケジューリング単位に関する情報に基づいて、異なるHARQプロセスのためのDRXタイマの時間単位を決定することができる。一例では、UEは、1つのキャリアにおいて異なるHARQプロセスのために異なるTTI長でスケジュールされる。SCSが15kHz (すなわち、15kHzヌメロロジー)であり、DRXタイマ(例えば、drx-RetransmissisonTimer)が4に設定されると仮定すると、UEが、14個のOFDMシンボルを含むLTEスケジューリング単位の半分である、HARQプロセスID 1のための7個のOFDMシンボルのスケジューリング単位を有する場合、DRXタイマの時間単位は、サブフレーム長の半減、すなわち、0.5msとして決定され得る。したがって、DRXタイマは、HARQプロセスID 1について2msの時間間隔を示す。UEが、HARQプロセスID 2について14-OFDMシンボルTTIでスケジュールされる場合、DRXタイマの時間単位は、1msとして決定され得、DRXタイマは、HARQプロセスID 2について4msの時間間隔を示す。
【0046】
さらなる実施形態では、時間単位は、異なるHARQプロセスからのHARQプロセスのHARQ送信毎に決定されてもよく、これは、DRXタイマの時間単位が、HARQプロセスにおけるHARQ再送信の構成に依存してもよいことを意味する。言い換えれば、DRXタイマは、1つのHARQエンティティの1つのHARQ方法における異なるHARQ送信試行に対して異なるように解釈され得る。より具体的には、ワイヤレスデバイスは、HARQプロセスにおいて異なるHARQ送信によって使用されるスケジューリング単位に関する情報を取得し、スケジューリング単位に関する情報に基づいて、異なるHARQ送信のためのDRXタイマの時間単位を決定することができる。一例では、UEが、1つのキャリアにおいて同じHARQプロセスのために異なるスケジューリング単位(すなわち、TTI長)でスケジューリングされる場合がある。UEが15kHzのヌメロロジーを使用しており、DRXタイマ(例えば、drx-RetransmissisonTimer)が4に設定され、UEがHARQプロセスID 1のための7個のOFDMシンボル初期送信でスケジュールされている場合、DRXタイマの時間単位は、サブフレーム長の半分、すなわち、0.5msとして決定され得る。したがって、DRXタイマは、HARQプロセスID 1の最初の送信のための2msの時間間隔を示す。後に、UEが、同じHARQプロセスID 1の再送信のために14個のOFDMシンボルTTIで再スケジュールされる場合、DRXタイマの時間単位は、1msとして決定され得、DRXタイマは、HARQプロセスID 1の再送信のための4msの時間間隔を示す。
【0047】
230において、ワイヤレスデバイスは、時間単位に基づいて、DRXタイマによって示される時間間隔を計算する。本開示の実施形態によれば、時間間隔は、DRXタイマの値、例えば数値の4と、DRXタイマの時間単位、例えば1msとを多重化することによって計算することができる。したがって、時間間隔は、4msとして計算することができる。
【0048】
この例は、任意の限定を示唆するのではなく、説明のために例示されていることを理解されたい。当業者は、時間単位に基づいて時間間隔を計算する多くの他の方法があることを理解するであろう。例えば、計算は、システム要件、標準規格または仕様、ネットワーク条件、および/または同様のものに従って予め定義された重みまたは係数を導入することによって実行されてもよい。
【0049】
上記に鑑みて、第1のグループ内のDRXタイマについて、ワイヤレスデバイスは、ワイヤレスデバイスによって使用されるすべてのヌメロロジーについて同じである単一の値として、DRXタイマを解釈することができる。第2のグループのDRXタイマの場合、ワイヤレスデバイスは、ワイヤレスデバイスによって使用される異なるヌメロロジーについて異なる複数の値としてDRXタイマを解釈することができる。
【0050】
従来の解決策と比較して、DRXタイマと異なるスケジューリング単位との間の関係に基づいてDRXタイマの時間単位を決定することによって、複数のヌメロロジー/TTI長がサポートされる場合に、ネットワークデバイスとDRXタイマによって示される持続時間の端末デバイスとの間で共通の理解に到達することが可能である。このように、ネットワークデバイスと端末デバイスとの間の通信は、DRXタイマの共通の理解に基づいて行うことができる。その結果、伝送効率およびネットワーク性能を効果的に向上させることができる。
【0051】
図3は、本開示の一実施形態による、DRXタイマの構成を決定する方法300のフローチャートを示す。方法300は、方法200のさらなる実装として考えることができる。
図3に関して説明された実施形態において、DRXタイマが異なるスケジューリング単位に関して整列の必要がある場合、ワイヤレスデバイスはPCellにおいて現在使用されているヌメロロジーに基づいてDRXタイマの時間単位を決定する。そうでなければ、ワイヤレスデバイスは、異なるヌメロロジーを使用して、異なるキャリアの時間単位を決定する。方法300は、任意の制限を示唆するのではなく、例えば、説明されたばかりであることを理解されたい。
【0052】
310において、DRXタイマが異なるスケジューリング単位に対して整列の必要があるかどうかが決定される。そうである場合、方法300は320に進み、ワイヤレスデバイスは、ワイヤレスデバイスのプライマリセルおよびセカンダリセルによって使用されるヌメロロジーについての情報を取得する。330において、ワイヤレスデバイスは、PCellにおいて使用されるヌメロロジーに基づいて、DRXタイマの時間単位を決定する。
【0053】
一方、DRXタイマが異なるスケジューリング単位に関して整列の必要がない場合、340において、ワイヤレスデバイスは、異なるキャリアによって使用されるヌメロロジーに関する情報を取得する。350において、ワイヤレスデバイスは、ヌメロロジーに基づいて、異なるキャリアのためのDRXタイマの時間単位を決定する。
【0054】
360において、ワイヤレスデバイスは、時間単位に基づいて、DRXタイマによって示される時間間隔を計算する。このブロックは、ブロック230と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0055】
このようにして、DRXタイマは、2つのグループに分類されてもよく、ワイヤレスデバイスは、どのグループに属するかに従ってDRXタイマを異なるように解釈してもよい。第1のグループの場合、ワイヤレスデバイスは、複数のヌメロロジー/スケジューリング単位にわたって同じ絶対時間間隔を有すると解釈することができる。第2のグループの場合、ワイヤレスデバイスは、複数のヌメロロジー/スケジューリング単位にわたって異なる絶対時間間隔を有すると解釈することができる。
【0056】
本開示の実施形態をよりよく理解するために、従来技術の解決策と本開示の実施形態との間で以下のように比較結果が行われる。
図4Aは、従来技術による、異なるヌメロロジーを使用する異なるキャリアのためのDRXタイマの構成の
図400を示す。
図4Aに示すように、3つの異なるヌメロロジー、すなわち、それぞれ15kHz、30kHz、および60kHzを使用する3つのキャリアC1、C2、およびC3がある。
図4Aの例では、異なるキャリアが異なるヌメロロジーを使用する場合、キャリアC1、C2、およびC3のDRXタイマは、それぞれ異なるオン期間401、403、および405と、それぞれ異なるスリープ期間402、404、および406とを有する。これは、ネットワークデバイスと端末デバイスとが、キャリアC1、C2、およびC3のDRXタイマについて共通の理解を有することができないために不整合の問題を引き起こすか、または端末デバイスが、MACエンティティベースごとではなくキャリアベースごとにDRXを動作させる必要がある場合に、端末デバイスにおいてより多くの電力消費を引き起こすかのいずれかである。
【0057】
図4Bは、本開示の実施形態による、異なるヌメロロジーを使用する異なるキャリアのためのDRXタイマの構成の
図410を示す。
図4Bの例では、異なるヌメロロジーを使用する異なるキャリアC1、C2、およびC3の場合、キャリアC1、C2、およびC3のDRXタイマは、それぞれ同じオン期間411、413、および415と、それぞれ同じスリープ期間412、414、および416とを有する。したがって、本開示の実施形態によれば、DRXタイマの共通の理解は、異なるキャリアについて達成され得る。
【0058】
ここで、本開示の一実施形態による装置500のブロック図を示す
図5を参照する。装置500は、ワイヤレスデバイス、例えば、ネットワークデバイス101、端末デバイス102、または任意の他の適切なデバイスにおいて実装され得ることが理解されるであろう。
【0059】
図示のように、装置500は、決定ユニット510および計算ユニット520を含む。決定ユニット510は、DRXタイマと異なるスケジューリング単位との間の関係を決定し、決定された関係に基づいてDRXタイマの時間単位を決定するように構成される。計算ユニット520は、時間単位に基づいて、DRXタイマによって示される時間間隔を計算するように構成される。
【0060】
一実施形態では、決定ユニット510は、DRXタイマが異なるスケジューリング単位に対して整列の必要があるかどうかを決定するようにさらに構成され得る。
【0061】
一実施形態では、決定ユニット510は、DRXタイマが異なるスケジューリング単位に対して整列の必要があると決定することに応答して、DRXタイマの時間単位を所定の値として決定することと、所定のヌメロロジーに基づいてDRXタイマの時間単位を決定することと、現在使用されているヌメロロジーに基づいてDRXタイマの時間単位を決定することと、ネットワークデバイスから受信された指示に基づいてDRXタイマの時間単位を決定することとのうちの少なくとも1つを実行するようにさらに構成され得、指示は、ネットワークデバイスによって構成された時間単位の値を示す。
【0062】
一実施形態では、決定ユニット510は、ワイヤレスデバイスのプライマリセルおよびセカンダリセルによって使用されるヌメロロジーに関する情報を取得し、プライマリセルによって使用されるヌメロロジーに基づいてDRXタイマの時間単位を決定するようにさらに構成され得る。
【0063】
一実施形態では、決定ユニット510は、DRXタイマが異なるスケジューリング単位に対して整列される必要がないとの決定に応答して、異なるキャリアによって使用されるヌメロロジーに関する情報を取得し、ヌメロロジーに基づいて異なるキャリアのためのDRXタイマの時間単位を決定するようにさらに構成され得る。
【0064】
一実施形態では、決定ユニット510は、DRXタイマが異なるスケジューリング単位に対して整列の必要がないと決定することに応答して、異なるハイブリッド自動再送要求、HARQによって使用されるスケジューリング単位に関する情報を取得し、スケジューリング単位に関する情報に基づいて、異なるHARQプロセスのためのDRXタイマの時間単位を決定するようにさらに構成され得る。
【0065】
一実施形態では、決定ユニット510は、DRXタイマが異なるスケジューリング単位に対して整列の必要がないと決定することに応答して、異なるハイブリッド自動再送要求、HARQ、HARQプロセスにおける送信によって使用されるスケジューリング単位に関する情報を取得し、スケジューリング単位に関する情報に基づいて、異なるHARQ送信のためのDRXタイマの時間単位を決定するようにさらに構成され得る。
【0066】
装置500に含まれる構成要素は、方法200~300の動作に対応することを理解されたい。したがって、
図2,3を参照して上述したすべての動作および特徴は、装置500に含まれる構成要素にも同様に適用可能であり、同様の効果を有する。簡略化のため、詳細は省略する。
【0067】
装置500に含まれる構成要素は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せを含む様々な方法で実装され得る。一実施形態では、1つまたは複数のユニットは、ソフトウェアおよび/またはファームウェア、たとえば、記憶媒体に格納されたマシン実行可能命令を使用して実装され得る。マシン実行可能命令に加えて、またはマシン実行可能命令の代わりに、装置500に含まれる構成要素の一部またはすべてを、少なくとも部分的に、1つまたは複数のハードウェアロジック構成要素によって実装することができる。例えば、限定ではなく、使用することができる例示的なタイプのハードウェアロジック構成要素には、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、特定用途向けスタンダード製品(ASSP)、システムオンチップシステム(SOC)、複合プログラマブルロジックデバイス(CPLD)などが含まれる。
【0068】
本開示の実施形態によれば、ワイヤレスデバイスにおいて実装される装置が提供される。この装置は、間欠受信、DRX、タイマ、および異なるスケジューリング単位の間の関係を決定するための手段と、決定された関係に基づいてDRXタイマの時間単位を決定するための手段と、時間単位に基づいてDRXタイマによって示される時間間隔を計算するための手段とを含む。
【0069】
一実施形態では、DRXタイマと異なるスケジューリング単位との関係を決定するための手段は、DRXタイマが異なるスケジューリング単位に対して整列の必要があるかどうかを決定するための手段を備える。
【0070】
一実施形態では、DRXタイマの時間単位を決定するための手段は、DRXタイマが異なるスケジューリング単位に対して整列の必要があると決定することに応答して、DRXタイマの時間単位を所定の値として決定することと、所定のヌメロロジーに基づいてDRXタイマの時間単位を決定することと、現在使用されているヌメロロジーに基づいてDRXタイマの時間単位を決定することと、ネットワークデバイスから受信された指示に基づいてDRXタイマの時間単位を決定することのうちの少なくとも1つを実行するための手段であって、指示がネットワークデバイスによって構成された時間単位の値を示す手段を備える。
【0071】
一実施形態では、現在使用されているヌメロロジーに基づいてDRXタイマの時間単位を決定するための手段は、ワイヤレスデバイスのプライマリセルおよびセカンダリセルによって使用されるヌメロロジーに関する情報を取得するための手段と、プライマリセルによって使用されるヌメロロジーに基づいてDRXタイマの時間単位を決定するための手段とを備える。
【0072】
一実施形態では、DRXタイマの時間単位を決定するための手段は、DRXタイマが異なるスケジューリング単位に対して整列の必要がないと決定することに応答して、異なるキャリアによって使用されるヌメロロジーに関する情報を取得するための手段と、ヌメロロジーに基づいて異なるキャリアのためのDRXタイマの時間単位を決定するための手段とを備える。
【0073】
一実施形態では、DRXタイマの時間単位を決定するための手段は、DRXタイマが異なるスケジューリング単位に対して整列の必要がないと決定することに応答して、異なるハイブリッド自動再送要求、HARQプロセスによって使用されるスケジューリング単位に関する情報を取得するための手段と、スケジューリング単位に関する情報に基づいて、異なるHARQプロセスのためのDRXタイマの時間単位を決定するための手段とを備える。
【0074】
一実施形態では、DRXタイマの時間単位を決定するための手段は、DRXタイマが異なるスケジューリング単位に対して整列の必要がないと決定することに応答して、異なるハイブリッド自動再送要求、HARQ、HARQプロセスにおける送信によって使用されるスケジューリング単位に関する情報を取得するための手段と、スケジューリング単位に関する情報に基づいて、異なるHARQ送信のためのDRXタイマの時間単位を決定するための手段とを備える。
【0075】
図6は、本開示の実施形態を実装するのに適したワイヤレスデバイス600の簡略化されたブロック図を示す。ワイヤレスデバイス600は、例えば、ネットワークデバイス101または端末デバイス102の少なくとも一部として実装され得ることが理解されるであろう。
【0076】
図示のように、ワイヤレスデバイス600は、通信手段630および処理手段650を含む。処理手段650は、データプロセッサ(DP)610、DP 610に結合された記憶装置(MEM)620を含む。通信手段630は、処理手段650内のDP 610に結合される。記憶装置620は、プログラム(PROG)640を記憶する。通信手段630は、信号を送信/受信するためのトランシーバとして実装され得る他のデバイスとの通信のためのものである。
【0077】
いくつかの実施形態では、処理手段650は、間欠受信、DRX、タイマ、および異なるスケジューリング単位の間の関係を決定し、決定された関係に基づいてDRXタイマの時間単位を決定し、時間単位に基づいてDRXタイマによって示される時間間隔を算出するように構成され得る。
【0078】
プログラム 640は、関連するDP 610によって実行されると、方法200~300を用いて本明細書で説明されるように、ワイヤレスデバイス600が本開示の実施形態に従って動作することを可能にするプログラム命令を含むと仮定される。本明細書の実施形態は、ワイヤレスデバイス600のDP 610によって実行可能なコンピュータソフトウェアによって、またはハードウェアによって、またはソフトウェアとハードウェアとの組合せによって実装され得る。データプロセッサ610と記憶装置620の組合せは、本開示の様々な実施形態を実装するように適合された処理手段650を形成することができる。
【0079】
記憶装置620は、ローカル技術環境に適した任意のタイプのものとすることができ、非限定的な例として、半導体ベースの記憶装置、磁気記憶装置およびシステム、光記憶装置およびシステム、固定記憶装置、およびリムーバブル記憶装置など、任意の適切なデータ記憶技術を使用して実装することができる。ワイヤレスデバイス600には1つのMEMのみが示されているが、ワイヤレスデバイス600にはいくつかの物理的に異なる記憶装置モジュールがあってもよい。DP 610は、ローカル技術環境に適した任意のタイプのものとすることができ、非限定的な例として、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、およびマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサのうちの1つまたは複数を含むことができる。ワイヤレスデバイス600は、メインプロセッサを同期させるクロックに時間的に従属する特定用途向け集積回路チップなどの複数のプロセッサを有することができる。
【0080】
一般に、本開示の様々な実施形態は、ハードウェアまたは専用回路、ソフトウェア、ロジック、またはそれらの任意の組合せで実装することができる。いくつかの態様は、ハードウェアで実装されてもよく、他の態様は、コントローラ、マイクロプロセッサ、または他のコンピューティングデバイスによって実行されてもよいファームウェアまたはソフトウェアで実装されてもよい。本開示の実施形態の様々な態様は、ブロック図、フローチャートとして、または他の何らかの図形表現を使用して、図示および説明されるが、本明細書で説明されるブロック、装置、システム、技術、または方法は、非限定的な例として、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路もしくはロジック、汎用ハードウェアもしくはコントローラ、もしくは他のコンピューティングデバイス、またはそれらの何らかの組合せで実装され得る。
【0081】
例として、本開示の実施形態は、ターゲット実プロセッサまたは仮想プロセッサ上のワイヤレスデバイスにおいて実行される、プログラムモジュールに含まれるものなどのマシン実行可能命令の一般的なコンテキストで説明することができる。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか、または特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、成分、データ構造などを含む。プログラムモジュールの機能は、様々な実施形態で所望されるように、プログラムモジュール間で組み合わせるか、または分割することができる。プログラムモジュールのためのマシン実行可能命令は、ローカルまたは分散デバイス内で実行されてもよい。分散された装置では、プログラムモジュールは、ローカル記憶媒体とリモート記憶媒体の両方に配置することができる。
【0082】
本開示の方法を実行するためのプログラムコードは、1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組合せで書くことができる。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサまたはコントローラに提供されてもよく、その結果、プログラムコードは、プロセッサまたはコントローラによって実行されると、フローチャートおよび/またはブロック図で指定された機能/動作を実施させる。プログラム・コードは、完全にマシン上で、部分的にマシン上で、スタンドアロン・ソフトウェア・パッケージとして、部分的にマシン上で、部分的にリモート・マシン上で、または完全にリモート・マシンまたはサーバ上で実行することができる。
【0083】
上記のプログラムコードは、命令実行システム、装置、またはデバイスによって、またはそれに関連して使用するためのプログラムを含む、または格納することができる任意の有形媒体であり得るマシン可読媒体上で実施することができる。マシン可読媒体は、マシン可読信号媒体またはマシン可読記憶媒体とすることができる。マシン可読媒体は、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、もしくは半導体のシステム、装置、もしくはデバイス、または前述の任意の適切な組合せを含むことができるが、これらに限定されない。マシン可読記憶媒体のより具体的な例は、1つまたは複数のワイヤを有する電気接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセス記憶装置(RAM)、読み取り専用記憶装置(ROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用記憶装置(EPROMまたはフラッシュ記憶装置)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用記憶装置(CD-ROM)、光記憶デバイス、磁気記憶デバイス、または前述の任意の適切な組合せを含む。
【0084】
本開示のコンテキストでは、ワイヤレスデバイスは、コンピュータシステムによって実行される、プログラムモジュールなどのコンピュータシステム実行可能命令の一般的なコンテキストで実装され得る。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか、または特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、ロジック、データ構造などを含むことができる。ワイヤレスデバイスは、通信ネットワークを介してリンクされたリモート処理デバイスによってタスクが実行される分散クラウドコンピューティング環境で実施することができる。分散クラウド・コンピューティング環境では、プログラム・モジュールは、メモリ記憶装置を含むローカル・コンピュータ・システム記憶媒体およびリモート・コンピュータ・システム記憶媒体の両方に配置することができる。
【0085】
さらに、動作は特定の順序で示されているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が、示された特定の順序で、または連続した順序で実行されること、またはすべての示された動作が実行されることを必要とするものとして理解されるべきではない。特定の状況では、マルチタスキングおよび並列処理が有利であり得る。同様に、いくつかの特定の実装の詳細が上記の議論に含まれるが、これらは、本開示の範囲に対する限定として解釈されるべきではなく、むしろ、特定の実施形態に特定であり得る特徴の説明として解釈されるべきである。別個の実施形態のコンテキストで説明される特定の特徴はまた、単一の実施形態において組み合わせて実装されてもよい。逆に、単一の実施形態のコンテキストで説明される様々な特徴は、複数の実施形態において別々に、または任意の適切なサブコンビネーションで実装されてもよい。
【0086】
本開示は、構造的特徴および/または方法論的動作に特定の言葉で説明されてきたが、添付の特許請求の範囲で定義される本開示は、必ずしも、上述の特定の特徴または動作に限定されないことを理解されたい。むしろ、上述の特定の特徴および動作は、特許請求の範囲を実施する例示的な形態として開示される。