(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-06
(45)【発行日】2024-02-15
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 45/10 20180101AFI20240207BHJP
F21S 41/143 20180101ALI20240207BHJP
F21V 15/01 20060101ALI20240207BHJP
F21S 43/14 20180101ALI20240207BHJP
B60Q 1/24 20060101ALI20240207BHJP
B60Q 1/50 20060101ALI20240207BHJP
F21W 102/17 20180101ALN20240207BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240207BHJP
F21W 103/00 20180101ALN20240207BHJP
【FI】
F21S45/10
F21S41/143
F21V15/01 330
F21V15/01 340
F21S43/14
B60Q1/24 Z
B60Q1/50 Z
F21V15/01 360
F21W102:17
F21Y115:10
F21W103:00
(21)【出願番号】P 2021149127
(22)【出願日】2021-09-14
【審査請求日】2023-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】堀 剛大
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 宏幸
(72)【発明者】
【氏名】澤柳 昌広
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-106078(JP,A)
【文献】特開2014-123595(JP,A)
【文献】特開2012-250622(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 45/10
F21S 41/143
F21V 15/01
F21S 43/14
B60Q 1/24
B60Q 1/50
F21W 102/17
F21Y 115/10
F21W 103/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光が透過する材料で有底筒状に形成されているケースと、
光を発する発光体が設けられている基板と、
剛性の高い材料で構成されており、前記発光体を覆うようにして、前記基板に圧入されて設置されており、前記基板とともに前記ケース内に設置されるカバー部材と、
を有
し、
前記カバー部材は、前記ケースへの挿入方向前側の前記基板の端部を覆っている、照明装置。
【請求項2】
前記カバー部材の、前記発光体が発した光が照射される面である被照射面が、前記発光体が発し前記被照射面に照射された光の一部もしくは総てを反射するように構成されている請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
ハウジング本体部と係止部とを備えて構成されているハウジングを有しており、
前記ケースは、ケース本体部と被係止部とを備えて構成されており、
前記ケース本体部は、矩形な枡状に形成されており、
前記ケース本体部の横方向の寸法の値は、前記ケース本体部の縦方向の寸法の値より大きくなっており、
前記ハウジング本体部の横方向の寸法の値は、前記ハウジング本体部の縦方向の寸法の値より大きくなっており、
前記被係止部は、縦方向で前記ケース本体部の両端から突出しており、
前記係止部は、縦方向で前記ハウジング本体部の両端から突出しており、
前記被係止部が前記係止部に係止されることで、前記ケースが前記ハウジングに設置されるように構成されている請求項1または請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記ケースの内部には、前記基板を押えるための押えリブが設けられている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記発光体として、第1の発光体と第2の発光体とが設けられており、
前記第1の発光体は、前記基板のおもて面に設けられており、
前記第1の発光体は、前記基板のおもて面から縦方向であって前記基板から離れる方向に光を発するようになっており、
前記第2の発光体は、
前記基板の裏面に設けられており、
前記第2の発光体は、前記基板の裏面から前方向に光を発するようになっており、
前記第1の発光体が発した光の一部が前記カバー部材で反射されて前記ケースに照射され、前記第1の発光体が発した光の残りが前記ケースに直接照射されるように構成されており、
前記第2の発光体が発した光が前記ケースに直接照射されるように構成されている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項6】
前記第1の発光体は、被照射物である自動車用充電口を照らして照明するために設けられており、
前記第2の発光体は、インジケータとして使用されるものである請求項5に記載の照明装置。
【請求項7】
前記カバー部材は、
厚さ方向が前後方向になっている平板状に形成されており、横方向の中央部であって縦方向の一方の端部である第1の端に、縦方向の他方の端部である第2の端側に凹んでいる凹部が形成されているカバー本体部と、
厚さ方向が横方向になっている平板状に形成されており、前記カバー本体部の縦方向の第2端側の部位であって横方向の両端の部位から後側に突出している一対のカバー側壁部と、
厚さ方向が横方向になっている平板状に形成されており、縦方向で前記一対のカバー側壁部から離れており、前記カバー本体部の縦方向の第1端側の部位であって横方向の両端の部位から後側に突出している一対のアーム部と、
を備えて構成されており、
前記ケースへの挿入方向前側の前記基板
の端部が、前記一対のカバー側壁部と前記一対のアーム部とで挟み込まれていることで、前記カバー部材が前記基板に設置されており、
前後方向で、前記カバー本体部の後側に前記第1の発光体が位置しており、
横方向で、前記一対のカバー側壁部の間に前記第1の発光体が位置しており、
前記第1の発光体が発した光の一部が前記カバー本体部と前記一対のカバー側壁部とで反射されて前記ケースに照射されるように構成されており、
前後方向で、前記カバー本体部の凹部の後側に前記第2の発光体が位置しており、
横方向で、前記一対のアーム部の間に前記第2の発光体が位置しており、
前記第2の発光体が発した光が前記カバー本体部の凹部を通って前記ケースに照射されるように構成されている請求項5または請求項6に記載の照明装置。
【請求項8】
自動車の充電口の照明に使用される請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、透明もしくは半透明な部材で、開口部を備え有底角筒状に形成されたケースと、このケース内に上記開口部から挿入されて設置されている基板とを有する表示装置が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
従来の表示装置(照明装置)では、複数のLED(発光体)とスポンジ製の遮光壁(スポンジ)とが上記基板に設けられている。スポンジは、複数のLEDのうちの少なくとも1つのLEDの外周側面の少なくとも一部を囲んで基板の表面に固着されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来の照明装置では、スポンジがLEDを囲んでいるので、LEDが設置されている基板をケース内に設置するときに、LEDがケースに触れて損傷することを防止することはできる。
【0006】
しかし、従来の照明装置では、スポンジを基板に設置するときに、スポンジから両面テープの剥離紙をはがし、基板上に狙い作業で貼付けを実施している。このため、スポンジの基板への設置に時間がかかってしまう。
【0007】
また、従来の照明装置では、スポンジの色によっては、LEDが発した光を吸収してしまうので、遮光機能としては良いが、照度低下につながってしまう。さらに、従来の照明装置では、スポンジに加硫がされているために、長時間の使用によって、LEDのチップが腐食し、LEDの照度および輝度の低下につながるおそれがある。
【0008】
本発明は、ケースと発光体が設けられている基板とカバー部材とを備えている照明装置に関する。この照明装置において、基板をケース内に設置するときに、発光体がケースに触れて損傷することを防止するができ、カバー部材の基板への設置に要する時間を短縮することができるものを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の態様に係る照明装置は、光が透過する材料で有底筒状に形成されているケースと、光を発する発光体が設けられている基板と、剛性の高い材料で構成されており、前記発光体を覆うようにして、前記基板に圧入されて設置されており、前記基板とともに前記ケース内に設置されるカバー部材とを有する照明装置である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係る照明装置が使用されている自動車の充電口照明用アタッチメントの斜視図である。
【
図2】
図1で示す自動車の充電口照明用アタッチメントを
図1とは異なる方向から見た斜視図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係る照明装置の斜視図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係る照明装置の分解斜視図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態に係る照明装置の基板の斜視図である。
【
図6】本発明の第1の実施形態に係る照明装置のカバー部材を横方向から見た図である。
【
図10】本発明の第1の実施形態に係る照明装置に車両側コネクタを接続する直前の状態を示す図である。
【
図11】
図3におけるXI―XI断面を示す図であって、発光体が発した光の進行方向を示す図である。
【
図12】
図3におけるXII―XII断面を示す図である。
【
図14】本発明の第1の実施形態に係る照明装置において、ハウジングに基板とカバー部材とを設置する直前の状態を示す図である。
【
図15】本発明の第1の実施形態に係る照明装置の基板の裏面を示す図である。
【
図16】本発明の第1の実施形態に係る照明装置において、ハウジングに基板とカバー部材とを設置し終えた状態を示す図である。
【
図17】本発明の第1の実施形態に係る照明装置において、
図16で示すハウジング等をケースに設置する途中の状態を示す図である。
【
図18】本発明の第1の実施形態に係る照明装置において、
図16で示すハウジング等をケースに設置する途中の状態を示す図である。
【
図19】本発明の第2の実施形態に係る照明装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る照明装置1は、
図1、
図2で示すように、たとえば、自動車の充電口(自動車用充電口)3の照明に使用されるものであり、
図3、
図4で示すように、ケース5と基板(回路基板)7とカバー部材9とを備えて構成されている。
【0012】
ここで、説明の便宜のために、照明装置1における所定の一方向を前後方向とし、前後方向に対して直交する方向を縦方向とし、前後方向と縦方向とに対して直交する方向を横方向とする。
【0013】
ケース5は、光(たとえば可視光)が透過する剛性の高い材料で有底筒状に形成されている。すなわち、ケース5は、透明もしくは半透明な合成樹脂等の材料で、たとえば、有底角筒状(矩形な枡状)に形成されている。ケース5の後端には開口部11が形成されている。
【0014】
基板7は、たとえば、光が透過しない剛性の高い材料で矩形な平板状に形成されている。また、基板7には、光(たとえば可視光)を発する発光体(たとえばLED)13が設けられている。
【0015】
カバー部材9は、合成樹脂等の剛性の高い材料で構成されている。カバー部材9は、発光体13を覆うようにして、基板7の先端部(前端部)に差し込まれ圧入されて、基板7に一体的に設置されている。カバー部材9は、ケース5内に基板7を設置するときに発光体13がケース5の内面にぶつかることを防止するために、基板7に設けられている。また、カバー部材9は、基板7(発光体13を含む)とともにケース5内に設置されている。
【0016】
また、照明装置1は、さらに、ハウジング15とパッキン17と端子19とを備えて構成されている。
【0017】
ハウジング15は、剛性の高い合成樹脂等の材料で構成されている。パッキン17は合成ゴム等の弾性を備えた材料で構成されている。端子19は、金属等の導電性を備えた材料で構成されている。ここで、剛性が高いとは、人が指で力を加えても、肉眼ではほとんど識別できない程度の僅かな弾性変形しかしない程度の剛性をいう。
【0018】
ハウジング15は、概ね直方体状に形成されており、ハウジング15の後端部には、
図10で示すように、車両側コネクタ21と接続するコネクタ間口(コネクタ接続部)23が形成されている。ハウジング15の前端部には、
図4等で示すように、ケース5の被係合部25が係合する係合部27が形成されている。
【0019】
ケース5の被係合部25がハウジング15の係合部27に係合してケース5がハウジング15に設置される。これにより、ケース5の開口部11が塞がれ、ケース5の内部に閉空間29(
図3、
図11、
図12参照)が形成される。パッキン17は、
図4で示すように、矩形な環状に形成されている。パッキン17は、ケース5内の閉空間29を密閉空間にして照明装置1の外部から閉空間29内に水等が浸入することを防止するために設けられている。また、パッキン17は、ケース5の被係合部25とハウジング15の係合部27とのところ(間)に設けられている(
図12参照)。
【0020】
端子19は、ハウジング15に係止されており、ハウジング15の導通部(コネクタ接続部23と導通している通電部)と基板7の電子回路部とを通電させるために設けられている。この通電により、発光体13の発光等がされるようになっている。基板7は、この後端部が端子19で挟み込まれることで端子19に固定されている。
【0021】
なお、照明装置1では、基板7および発光体13と端子19とカバー部材9とが、ケース5とハウジング15とで形成された閉空間29内に存在している。これにより、基板7および発光体13と端子19とカバー部材9とは、ケース5とハウジング15とによって外部から遮断されて保護されている。
【0022】
また、照明装置1では、ケース5とハウジング15と端子19と基板7とカバー部材9とが一体化している。さらに、照明装置1では、ハウジング15のコネクタ接続部23に車両側コネクタ21(
図10参照)が接続され、発光体13が適宜発光し、発光体13が発した光がケース5を透過し、ケース5の少なくとも一部が発光するようになっている。
【0023】
なお、ケース5とハウジング15との位置関係が所定の適宜の関係になっておりこれらがお互いに離れている状態から、ケース5に対してハウジング15を前側に移動することで、ハウジングがケースに設置されるようになっている。
【0024】
また、照明装置1では、カバー部材9の被照射面31(
図6から
図9、
図11参照)が、発光体13が発し被照射面31に照射された光の一部もしくは総てを、たとえば拡散しつつ反射するようになっている。被照射面31は、発光体13が発した光が照射される面である。被照射面31は、カバー部材9の少なくとも一部で構成されている。
【0025】
カバー部材9は、たとえば、この総てが非透明な遮光性を備えた白色の合成樹脂で構成されている。これにより、発光体13が発し被照射面31に照射された光の一部が被照射面31で反射されるようになっている。
【0026】
ケース5は、
図4、
図11から
図13、
図17、
図18で示すように、ケース本体部33と被係止部35とを備えて構成されている。ケース本体部33が、矩形な枡状に形成されている。
【0027】
ハウジング15は、
図4、
図16、
図17、
図18で示すように、ハウジング本体部37と係止部39とを備えて構成されている。
図13で示すように、ケース本体部33の横方向の寸法L1の値は、ケース本体部の縦方向の寸法L2の値より大きくなっている。同様にして、
図3で示すように、ハウジング本体部37の横方向の寸法の値L3は、ハウジング本体部37の縦方向の寸法L4の値より大きくなっている。
【0028】
ケース5の被係止部35は、
図13で示すように、縦方向でケース本体部33の両端から突出しており、ハウジング15の係止部39は、
図14で示すように、縦方向でハウジング本体部37の両端から突出している。
【0029】
照明装置1では、ケース5の被係合部25がハウジング15の係合部27に係合し、被係止部35が係止部39に係止されることで、ケース5がハウジング15に係止されて、ケース5がハウジング15に一体的に設置されるようになっている。
【0030】
さらに、照明装置1では、ケース5の横方向の寸法L5の値およびハウジング15の縦方向の寸法L7の値が、ケース5の縦方向の寸法L6の値およびハウジング15の縦方向の寸法L8の値よりも大きくなっている(
図4、
図13参照)。
【0031】
ケース5(ケース本体部33)の内部には、
図12で示すように、基板7を押えるための押えリブ41が設けられている。ケース本体部33は、上述したように矩形な枡状に形成されており、後端に開口部11が位置している。さらに説明すると、ケース本体部33は、矩形な筒状に形成され筒の中心軸が前後方向に延びている側壁部43と、この側壁部43の前端を塞いでいる矩形な平板状の底壁部45とを備えて構成されている。
【0032】
押えリブ41は、少なくとも底壁部45に設けられており、ケース本体部33の内部で縦方向(
図12の紙面に対して直交する方向)に延びて底壁部45から後側に僅かに突出している。また、押えリブ41の一部(縦方向の中間部)には、切り欠き47が設けられている。切り欠き47は、押えリブ41の後端面から前側に凹んでいる。
【0033】
基板7は、この先端部が、押えリブ41に嵌まり込んでおり縦方向で付勢力をもって押えリブ41で挟み込まれている。なお、押えリブ41が、底壁部45のものを延長した形態もしくは底壁部45のものとは別個に、側壁部43の内壁壁面から突出して設けられていてもよい。
【0034】
照明装置1では、発光体13として、第1の発光体13Aと第2の発光体13Bとが設けられている。基板7の厚さ方向は縦方向になっている。
【0035】
第1の発光体13Aは、基板7の厚さ方向の一方の面である表面(おもて面;表側実装面)に設けられている。また、第1の発光体13Aは、基板7の厚さ方向の一方の面から縦方向であって基板7から離れる方向に第1の立体角をもって光を発するようになっている(
図11の矢印A1参照)。
【0036】
第2の発光体13Bは、基板7の厚さ方向の他方の面である裏面(裏側実装面)に設けられている。第2の発光体13Bは、基板7の裏面から前方向に第2の立体角をもって光を発するようになっている(
図11の矢印B1参照)。なお、第1の立体角の値は、第2の立体角の値よりも大きくなっている。
【0037】
第1の発光体13Aが発した光の一部がカバー部材9で反射されてケース5に照射されるようになっている(
図11の矢印A1a参照)。第1の発光体13Aが発した光の残りがケース5に直接照射されるようになっている(
図11の矢印A1参照)。第2の発光体13Bが発した光がケース5に直接照射されるようになっている(
図11の矢印B1参照)。
【0038】
第1の発光体13Aは、
図5で示すように、横方向では基板7の中央部に位置しており、前後方向では基板7の前端部に設けられている。第2の発光体13Bは、
図15で示すように、横方向では基板7の中央部に位置しており、前後方向では基板7の前端部に設けられている。
【0039】
第1の発光体13Aは、被照射物である自動車用充電口3を照らして照明するために設けられており、第2の発光体13Bは、インジケータ(たとえば充電の度合いを示すインジケータ)として使用されるようになっている。なお、
図1、
図2に参照符号73で示す箇所から第1の発光体13Aが発した光が出てくるようになっており、参照符号75で示す箇所から第2の発光体13Bが発した光が出てくるようになっている。
【0040】
カバー部材9は、
図6から
図9で示すように、カバー本体部49と一対のカバー側壁部51と一対のアーム部(アーム本体部)53とを備えて構成されている。
【0041】
カバー本体部49は、この厚さ方向が前後方向になっている矩形な平板状に形成されている。カバー本体部49の横方向の中央部であって縦方向の一方の端部である第1の端には、凹部55が形成されている。凹部55は、カバー本体部49の縦方向の他方の端部である第2の端側に凹んでいるとともに、前後方向でカバー本体部49を貫通している。なお、
図11、
図17、
図18では、カバー本体部49の先端が尖っており、斜面69が形成されているが、カバー本体部49の先端が、
図5等で示すようにとがってなくてもよい。
【0042】
一対のカバー側壁部51は、この厚さ方向が横方向になっている矩形な平板状に形成されている。また、一対のカバー側壁部51は、カバー本体部49の縦方向の第2端側の部位であって横方向の両端の部位から後側に突出している。なお、縦方向で、カバー本体部49の凹部55は、一対のカバー側壁部51から離れている。
【0043】
一対のアーム部53は、この厚さ方向が横方向になっている矩形な平板状に形成されている。また、一対のアーム部53は、縦方向で一対のカバー側壁部51から離れており、カバー本体部49の縦方向の第1端側の部位であって横方向の両端の部位から後側に突出している。片持ち梁状のアーム部53は弾性変形してカバー側壁部51よりも多く撓むようになっている。
【0044】
また、一対のアーム部53のそれぞれには突起57が設けられている。前後方向では、突起57は、アーム部53の後端部に設けられている。さらに、前後方向では、突起57は、カバー側壁部51の後端よりも前側に位置している。縦方向では、カバー側壁部51(第2の端)側に設けられている。なお、突起57は、横方向で見て三角形状に形成されており、突起57の後端には斜面59が形成されている。斜面59は、カバー部材9を基板7に設置するときのガイド面としての機能を果たすようになっている。
【0045】
基板7の前側の端部であって基板7の横方向の中央部が、一対のカバー側壁部51と一対のアーム部53(より精確には、)突起57とで付勢力をもって挟み込まれている。これにより、カバー部材9が基板7に圧入され一体的に設置されることになる。
【0046】
カバー部材9が基板7に設置されている状態では、前後方向で、カバー本体部49の凹部55が形成されていない部位の後側に、カバー本体部49から僅かに離れて第1の発光体13Aが位置している(
図11、
図16、17等参照)。カバー部材9が基板7に設置されている状態では、横方向で、一対のカバー側壁部51の間に一対のカバー側壁部51の両方から僅かに離れて第1の発光体13Aが位置している。
【0047】
そして、第1の発光体13Aが発した光の一部がカバー本体部49と一対のカバー側壁部51とで反射されてケース5に照射されるようになっている。第1の発光体13Aが発した光の残りがカバー本体部49と一対のカバー側壁部51とで反射されず、カバー本体部49と一対のカバー側壁部51とで囲まれた空間を通ってケース5に直接照射されるようになっている。
【0048】
カバー部材9が基板7に設置されている状態では、前後方向で、カバー本体部49の凹部55の後側に、カバー本体部49の凹部55から僅かに離れて第2の発光体13Bが位置している。カバー部材9が基板7に設置されている状態では、横方向で、一対のアーム部53の間に、一対のアーム部53の両方から僅かに離れて第2の発光体13Bが位置している(
図11参照)。
【0049】
そして、第2の発光体13Bが発した光のほぼ総てがカバー部材9に照射されることなくカバー本体部49の凹部55を通ってケース5に直接照射されるように構成されている。
【0050】
なお、第1の発光体13Aが発した光は、基板7とカバー部材9のカバー本体部49と一対のカバー側壁部51とで遮断され、基板7の裏側には到達しないようになっている。また、第2の発光体13Bが発した光は、基板7とカバー部材9の一対のアーム部53とで遮断され、基板7の表側には到達しないようになっている。
【0051】
照明装置1についてさらに詳しく説明する。
【0052】
図4等で示すように、ケース5の被係合部25は、ケース本体部33の側壁部43の、後側の内面で構成されている。ケース5の被係止部35は、一対の突起61で構成されている。突起61は、ケース本体部33の側壁部43(厚さ方向が縦方向になっている部位43A)から縦方向に突出している。突起61は、横方向に長くなっており、前後方向では、ケース本体部33の側壁部43の後側に位置しており、横方向では、側壁部43の中央部に位置している。なお、
図3、
図4では示されていないが、突起61は、
図3、
図4で示す部位43Aだけでなく、部位43Aに対向している部位43Bにも設けられている。すなわち、突起61は、一対で設けられている。
【0053】
また、ケース本体部33の側壁部43の部位43Aには、保護壁63が設けられている。保護壁63は、前後方向では部位43Aの後側に位置しており、横方向では部位43Aの両端部に設けられている。保護壁63は、突起61と同様に、部位43Bにも設けられている。
【0054】
図4等で示すように、ハウジング15の係合部27は、ハウジング本体部37の矩形な筒状部位67の外面で構成されている。ハウジング15の係止部39は、「U」字状であって片持ち梁状の弾性アーム(係止爪)65で構成されている。弾性アーム65も、突起61と同様に、一対で設けられている。
【0055】
そして、ケース5にハウジング15が設置された状態では、突起61が弾性アーム65に係止され、保護壁63がハウジング15の係止部39を構成する弾性アーム65を囲んで保護するようになっている(
図3参照)。
【0056】
基板7には、横方向に細長い切り欠き(カバー部材用切り欠き)71が設けられている(
図4、
図5、
図15参照)。切り欠き71は、前後方向では基板7の前端部に形成されており、横方向では、基板7の中央部に配置されている。基板7に設けられている切り欠き71に沿ってカバー部材9が基板7に組付けられるようになっている。すなわち、カバー部材9を基板7に設置するときに、カバー部材9が切り欠き71によってガイドされるようになっている。
【0057】
次に照明装置1の組立について説明する。
【0058】
初期状態として、ハウジング15にパッキン17と端子19とが設置されており、ケース5、基板7、カバー部材9は、ハウジング15には設置されていないものとする。
【0059】
初期状態において、基板7にカバー部材9を設置する(
図14参照)。続いて、基板7とカバー部材9とをハウジング15に設置する(
図16参照)。続いて、
図17、
図18で示すように、ハウジング15と基板7とカバー部材9とを、ケース5に設置する。
【0060】
照明装置1では、カバー部材9が剛性の高い合成樹脂等の材料で構成されており、発光体13を覆うようにして圧入によって基板7に設置されている。これにより、基板7をケース5内に設置するときに、カバー部材9がケース5に接触することがあるが、発光体13がケース5に接触することがなくなり、発光体13がケース5に触れて損傷することが防止される。
【0061】
さらに説明すると、
図17で示すように、ケース5に対してハウジング15等が傾いてしまっても、発光体13がケース5に接触することはない。また、
図18で示すように、ケース5に対してハウジング15等が傾いてしまっても、発光体13がケース5に接触することはない。
【0062】
さらに、カバー部材9が圧入によって基板7に設置されるので、カバー部材9の基板7への組み付けに要する時間を短縮することができる。
【0063】
比較例に係る照明装置301は、
図21、
図22で示すように、有底角筒状に形成されたケース303と、ケース303内にこの開口部から挿入されて設置されている基板305と備えている。
【0064】
また、比較例に係る照明装置301では、発光体307とスポンジ製の遮光壁(スポンジ)309が基板305に設けられている。スポンジ309は、発光体307を囲んで基板305の表面に固着されている。スポンジ309が発光体307を囲んでいるので、発光体307が設置されている基板305をケース303内に設置するときに、発光体307がケース303に触れて損傷することを防止するができる(
図23、
図24参照)。
【0065】
しかしながら、比較例に係る照明装置301では、スポンジ309を基板305に設置するときに、スポンジ309から両面テープの剥離紙をはがし、基板305上に狙い作業で貼付けをする。このため、スポンジ309の基板305への設置に時間がかかってしまう。
【0066】
また、比較例に係る照明装置301では、スポンジ309の色によっては光を吸収してしまうので、遮光機能としては良いが、照度低下につながってしまう。さらに、比較例に係る照明装置301では、スポンジ309に加硫がされているために、長時間の使用によって、発光体307のチップが腐食し、発光体307の照度および輝度の低下につながるおそれがある。
【0067】
また、照明装置1では、カバー部材9の被照射面31が、発光体13が発し被照射面31に照射された光の一部もしくは総てを反射するように構成されている。これにより、発光体13が発した光がカバー部材9に吸収されてしまうことが極力防止され、カバー部材9の設置による照度の低下を抑制することができる。また、カバー部材9により照射不要な方向の遮光を行うことができる。
【0068】
また、照明装置1では、加硫されているスポンジを用いていないので、長時間の使用による発光体13の照度および輝度の低下を極力防止することができる。
【0069】
また、照明装置1では、発光体13が設置されている薄い平板状の基板7の厚さ方向が縦方向になっていることで、縦方向におけるケース本体部33の寸法L2の値が横方向におけるケース本体部33の寸法L1の値よりも小さくなっている。
【0070】
また、照明装置1では、ケース5の被係止部35が縦方向でケース本体部33の両端から突出しており、ハウジング15の係止部39が、縦方向でハウジング本体部37の両端から突出している。そして、被係止部35が係止部39に係止されることで、ケース5がハウジング15に設置されるように構成されている。
【0071】
このように構成されていることで、照明装置1のサイズダウン(特に横方向のサイズを小さくすること)を容易に達成することができる。
【0072】
また、照明装置1では、ケース5(ケース本体部33)の内部に、基板7を押えるための押えリブ41が設けられている。これにより、ケース5も剛性を高めることができるとともに、基板7のケース5からの抜けを防止することができる。さらに、基板7とケース5との一体化が強固にされ、基板7がケース5内で振れてしまうことを防止することができる。特に、カバー部材9を設けたことで基板7の前側の部位の質量が増加しているが、押えリブ41で基板7の先端部を押えているので、質量の増加による基板7の先端部のフラツキを防止することができる。
【0073】
また、照明装置1では、発光体13として、第1の発光体13Aと第2の発光体13Bとが設けられている。第1の発光体13Aは、基板7のおもて面に設けられており、第1の発光体13Aが、縦方向であって基板7から離れる方向に光を発するようになっている。また、照明装置1では、第2の発光体13Bが、基板7の厚さ方向の他方の面である裏面に設けられており、第2の発光体13Bが、前方向に光を発するようになっている。
【0074】
また、照明装置1では、第1の発光体13Aが発した光の一部がカバー部材9で反射されてケース5に照射され、第1の発光体13Aが発した光の残りがケース5に直接照射されるように構成されている。第2の発光体13Bが発した光がケース5に直接照射されるように構成されている。
【0075】
このように構成されていることで、第1の発光体13Aの発光によるケース5の照度の低下と第2の発光体13Bの発光によるケース5の照度の低下とを極力防止することができる。
【0076】
また、照明装置1では、第1の発光体13Aが被照射物である自動車用充電口3を照らして照明するために設けられており、第2の発光体13Bが、インジケータとして使用されるようになっている。これにより、照明装置1を、自動車用充電口3を照明する照明装置および自動車のバッテリの充電状態を示す機器として、適切に使用することができる。
【0077】
また、照明装置1では、カバー部材9が、凹部55が形成されているカバー本体部49と一対のカバー側壁部51と一対のアーム部53とを備えて構成されている。そして、基板7の前側の端部が、一対のカバー側壁部51と一対のアーム部53とで付勢力をもって挟み込まれていることで、カバー部材9が基板に設置されている。これにより、簡素な構成でカバー部材9を圧入によって基板7に設置することができる。
【0078】
また、照明装置1では、前後方向で、カバー本体部49の後側に第1の発光体13Aが位置しており、横方向で、一対のカバー側壁部51の間に第1の発光体13Aが位置している。そして、第1の発光体13Aが発した光の一部がカバー本体部49と一対のカバー側壁部51とで反射されてケース5に照射されるように構成されている。これにより、簡素な構成で、基板7のケース5への設置時に第1の発光体13Aがケース5に接触することを防止することができ、第1の発光体13Aの発光によるケース5の照度の低下を防止することができる。
【0079】
また、照明装置1では、前後方向で、カバー本体部49の凹部55の後側に第2の発光体13Bが位置しており、横方向で、一対のアーム部53の間に第2の発光体13Bが位置している。そして、第2の発光体13Bが発した光のほぼ総てがカバー本体部49の凹部55を通ってケース5に照射されるように構成されている。これにより、簡素な構成で、基板7のケースへの設置時に第2の発光体13Bがケース5に接触することを防止することができ、第2の発光体13Bの発光によるケース5の照度の低下を防止することができる。
【0080】
また、照明装置1では、第1の発光体13Aが発した光が、基板7とカバー部材9のカバー本体部49の一対のカバー側壁部51とで遮断され、基板7の裏側には到達しないようになっている。さらに、第2の発光体13Bが発した光が、基板7とカバー部材9の一対のアーム部53とで遮断され、基板7の表側には到達しないようになっている。
【0081】
これにより、第1の発光体13Aが発した光と第2の発光体13Bが発した光とがお互いに混じり合うこと(混色されること)が防止され、特に、インジケータとしての機能を確実に防止することができる。すなわち、第1の発光体13Aの発光によるインジケータでの誤った表示を無くすことができる。
【0082】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係る照明装置1aについて、
図19、
図20を参照しつつ説明する。本発明の第2の実施形態に係る照明装置1aは、ケース5の被係止部35の位置、および、ハウジング15の係止部39に位置が、本発明の第1の実施形態に係る照明装置1と異なり、その他の点は、照明装置1と同様に構成されている。
【0083】
すなわち、第2の実施形態に係る照明装置1aでは、ケース5の被係止部35が、横方向でケース本体部33の両端から突出しており、ハウジング15の係止部39も、横方向でハウジング本体部37の両端から突出している。
【0084】
そして、被係止部35が係止部39に係止されることで、ケース5がハウジング15に設置されるように構成されている。
【0085】
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0086】
1 照明装置
3 自動車用充電口
5 ケース
7 基板
9 カバー部材
13 発光体
13A 第1の発光体
13B 第2の発光体
15 ハウジング
31 被照射面
33 ケース本体部
35 被係止部
37 ハウジング本体部
39 係止部
41 押えリブ
49 カバー本体部
51 一対のカバー側壁部
53 一対のアーム部
55 凹部