IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本瓦斯株式会社の特許一覧

特許7431790情報処理装置、方法、およびコンピュータプログラム
<>
  • 特許-情報処理装置、方法、およびコンピュータプログラム 図1
  • 特許-情報処理装置、方法、およびコンピュータプログラム 図2
  • 特許-情報処理装置、方法、およびコンピュータプログラム 図3
  • 特許-情報処理装置、方法、およびコンピュータプログラム 図4
  • 特許-情報処理装置、方法、およびコンピュータプログラム 図5
  • 特許-情報処理装置、方法、およびコンピュータプログラム 図6
  • 特許-情報処理装置、方法、およびコンピュータプログラム 図7
  • 特許-情報処理装置、方法、およびコンピュータプログラム 図8
  • 特許-情報処理装置、方法、およびコンピュータプログラム 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-06
(45)【発行日】2024-02-15
(54)【発明の名称】情報処理装置、方法、およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20240101AFI20240207BHJP
【FI】
G06Q50/06
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021194742
(22)【出願日】2021-11-30
(65)【公開番号】P2023081063
(43)【公開日】2023-06-09
【審査請求日】2021-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】595058808
【氏名又は名称】日本瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】和田 眞治
【審査官】田上 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特許第6364571(JP,B1)
【文献】特開2013-254413(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御装置および通信装置を備えた情報処理装置であって、
前記通信装置は、予め定められた時間間隔において、ガスメータに接続されたNCUから指針値電文を受信し、前記指針値電文は、前記ガスメータから前記NCUによって読み取られる指針値を含み、
前記制御装置は、
前記ガスメータに接続された第1のガス容器に対する指針値を、第1のカウンタの値から減算し、前記第1のカウンタの値は、前記第1のガス容器のガス容器容量が前記第1のカウンタの値の初期値として設定され、
前記第1のガス容器が第2のガス容器に交換されたことを示す交換完了電文が受信され前記交換完了電文が受信されたときの前記第1のカウンタの値を第2のカウンタの値の初期値として前記第2のカウンタの値に設定し、前記第2のカウンタの値は、前記第1のガス容器のガス残量に対応し、前記第2のカウンタの値の初期値が前記第2のカウンタの値に設定されると、前記第1のカウンタの値に前記第2のガス容器のガス容器容量を設定し、
前記ガスメータに接続された前記第2のガス容器に対する指針値を、前記第2のカウンタの値から減算し、
前記減算されている第2のカウンタの値に基づいて、消費者が前記第1のガス容器内のガスを使い切ったガス消費期間を算出する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記制御装置は、
前記第2のカウンタの値がゼロになるか否かを判定し、
前記第2のカウンタの値がゼロになった時点に基づいて、前記ガス消費期間を算出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1のガス容器に交換されたときを第1の時点として記憶装置に記憶し、
前記第1のガス容器を交換した時点を第2の時点として前記記憶装置に記憶し、
前記第2のカウンタの値がゼロになった時点を第3の時点として前記記憶装置に記憶し、
前記第1の時点、前記第2の時点、および前記第3の時点に基づいて、前記ガス消費期間を算出する、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御装置は、前記第2のカウンタの値の初期値が前記第2のカウンタの値に設定されたのちに、前記第1のカウンタの値が前記ガス容器容量に設定されると、
前記ガスメータに接続された前記第2のガス容器に対する指針値を、前記第1のカウンタの値から減算し、
前記減算されている第1のカウンタの値が閾値を下回るか否かを判定し、
前記減算されている第1のカウンタの値が前記閾値を下回った場合、予め設定された期間において、前記第2のガス容器を交換する時点を決定し、
前記予め設定された期間は、前記算出したガス消費期間に基づいている、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御装置は、季節ごとに前記ガス消費期間を算出する、ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御装置は、
前記指針値に基づいて、予め定義された時間単位ごとの前記消費者のガス消費量を算出し、
前記算出したガス使用量に基づいて、前記消費者のガス使用傾向を判定し、
前記ガス使用傾向に更に基づいて、前記第2のガス容器を交換する時点を決定する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記通信装置は、道路交通情報を受信し、
前記制御装置は、前記受信した道路交通情報に更に基づいて、前記第2のガス容器を交換する時点を決定する、
ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御装置は、
前記ガス使用傾向に基づいて、前記消費者が特定の期間内にガスを消費しないと判定し、
前記受信した道路交通情報から、前記消費者の消費者設備までの経由地における交通渋滞が予測される場合、前記特定の期間から前記第2のガス容器を交換する時点を除外する、
ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記制御装置は、
前記ガス使用傾向に基づいて、前記消費者が特定の期間内にガスを多く消費すると判定し、
前記特定の期間よりも前のいずれかにおいて、前記第2のガス容器を交換する時点を決定する、
ことを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータデバイスによって実行される方法であって、
予め定められた時間間隔において、ガスメータに接続されたNCUから指針値電文を受信するステップであって、前記指針値電文は、前記ガスメータから前記NCUによって読み取られる指針値を含む、ステップと、
前記ガスメータに接続された第1のガス容器に対する指針値を、第1のカウンタの値から減算するステップであって、前記第1のカウンタの値は、前記第1のガス容器のガス容器容量が前記第1のカウンタの値の初期値として設定される、ステップと、
前記第1のガス容器が第2のガス容器に交換されたことを示す交換完了電文が受信され前記交換完了電文が受信されたときの前記第1のカウンタの値を第2のカウンタの値の初期値として前記第2のカウンタの値に設定し、前記第2のカウンタの値は、前記第1のガス容器のガス残量に対応し、前記第2のカウンタの値の初期値が前記第2のカウンタの値に設定されると、前記第1のカウンタの値に前記第2のガス容器のガス容器容量を設定するステップと、
前記ガスメータに接続された前記第2のガス容器に対する指針値を、前記第2のカウンタの値から減算するステップと、
前記減算されている第2のカウンタの値に基づいて、消費者が前記第1のガス容器内のガスを使い切ったガス消費期間を算出するステップと、
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項11】
コンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラムであって、前記コンピュータ実行可能命令は、コンピュータデバイスによって実行されるとき、前記コンピュータデバイスに、請求項10に記載の方法を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、方法、およびコンピュータプログラムに関する。特に、本開示は、消費者が使用するガス使用量に基づいて、消費者がガスを使い切る期間を算出する情報処理装置、方法、およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、一般家庭などで使用されるガスは、ガスを供給する事業者(ガス供給事業者)によって消費者に供給される。例えば、ガス供給事業者が消費者にガスを供給する1つの手段として、LP(Liquid Petroleum)ガスなどが充填されたガス容器(ガスボンベ)が使用される。ガス容器は、消費者宅などに設備(消費者設備)に設置され、ガス容器からガスが供給される。
【0003】
ガス容器内のガスが欠乏し、消費者がガスを使用することができなくなることを防止するために、ガス供給事業者は、定期的な周期でガスが充填されたガス容器を配送し、設置されたガス容器を新たなガス容器と交換する。交換作業は、ガス供給事業者の指示の下、一定の能力を有する人員(配送員)が消費者設備を訪問し、使用されたガス容器を回収し、ガスが充填されたガス容器を設置することによって行われる。
【0004】
上述した交換作業に加え、ガス供給事業者の指示の下、一定の能力を有する人員(検針員)が定期的な周期で消費者設備を訪問し、消費者設備に設置されたガスメータの指針値を読み取り、消費者のガス使用量を計測する作業も行われる。従来技術では、このような計測作業を通じて消費者のガス使用量をコンピュータシステムに記録し、記録したガス使用量に基づいて消費者のガス使用量を予測していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第6364571号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ガスメータにNCU(Network control unit)を接続し、NCUがガスメータの指針値を読み取り、NCUがコンピュータシステムに指針値を含むデータを送信する技術が存在する。特許文献1は、NCUから収集したガス使用量に基づいて、予測使用量を算出する技術を開示している。NCUからガス使用量を収集することによって、上述した検針員による計測作業と比較して、検針作業の負荷を軽減すると共に、多くの頻度でガス使用量を取得することができ、ガス使用量を予測する精度を高めることができる。つまり、ガス容器内のガスが欠乏する確率を低減させる。
【0007】
ガス容器の交換作業が配送員によって行われる以上(つまり、人手による負荷が発生する)、ガス容器内のガスが欠乏してしまうことを防止することだけでなく、配送員が効率的にガス容器を交換することができることも重要である。ガス容器にできるだけ少ない量のガスが残存している状態でガス容器を交換することによって、前の交換作業から次の交換作業までの間隔を短くすることができ、よって、配送員はより効率的にガス容器を交換することができる。つまり、ガス容器内のガスが欠乏する間際でガスボンベを交換することが理想的である。このためにも、消費者が実際にガス容器内のガスを使い切る期間を正確に算出する必要がある。
【0008】
特許文献1に記載された技術は、将来の日である予測すべき日における前日からの使用の増加量または減少量である単位予測使用変化量を算出し、予測すべき日までの日数分前記単位予測使用変化量を積算して予測すべき日における予測使用変化量を算出し、予測使用変化量に基づき前記予測使用量を算出する。しかしながら、特許文献1に記載された技術は、ガス容器の交換作業について、前の交換作業から次の交換作業までの間隔を短くするわけではない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施形態に係る情報処理装置は、制御装置および通信装置を含む情報処理装置であって、前記通信装置は、予め定められた時間間隔において、NCUから指針値電文を受信し、前記指針値電文は、ガス容器に接続されたガスメータから読み取られる指針値を含み、前記制御装置は、前記ガス容器内のガス残量を示す第1のカウンタから前記指針値を減算し、前記第1のカウンタは、前記ガス容器のガス容器容量が初期値として設定され、前記減算した第1のカウンタの値に基づいて、前記ガス容器を交換する時点を決定し、前記ガス容器が交換されたことに応じて、前記第1のカウンタと同一の値を保持し、前記ガス容器内のガス残量を示す第2のカウンタを記憶装置に記憶し、前記第1のカウンタに前記初期値を設定し、前記第2のカウンタから前記指針値を減算し、前記減算した第2のカウンタの値に基づいて、消費者が前記ガス容器内のガスを使い切るガス消費期間を算出する。
【0010】
一実施形態に係るコンピュータデバイスによって実行される方法は、コンピュータデバイスによって実行される方法であって、予め定められた時間間隔において、NCUから指針値電文を受信するステップであって、前記指針値電文は、前記ガス容器に接続されたガスメータから読み取られる指針値を含む、ステップと、前記ガス容器内のガス残量を示す第1のカウンタから前記指針値を減算するステップであって、前記第1のカウンタは、前記ガス容器のガス容器容量が初期値として設定される、ステップと、前記減算した第1のカウンタの値に基づいて、前記ガス容器を交換する時点を決定するステップと、前記ガス容器が交換されたことに応じて、前記第1のカウンタと同一の値を保持し、前記ガス容器内のガス残量を示す第2のカウンタを記憶装置に記憶し、前記第1のカウンタに前記初期値を設定するステップと、前記第2のカウンタから前記指針値を減算するステップと、前記減算した第2のカウンタの値に基づいて、消費者が前記ガス容器内のガスを使い切るガス消費期間を算出するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0011】
一実施形態に係る情報処理装置および方法によれば、消費者が実際にガス容器内のガスを使い切る期間を正確に算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】情報処理システムの全体的な構成の例を示すブロック図である。
図2】サーバコンピュータの詳細な構成要素の例を示すブロック図である。
図3】ガス容器の配送を指示する処理の例を示すフローチャートである。
図4】消費者データテーブルの例を示す図である。
図5】配送データテーブルの例を示す図である。
図6】ガス残量データテーブルの例を示す図である。
図7】ガス消費期間を算出する処理の例を示すフローチャートである。
図8】ガスの使用傾向を判定する処理の例を示すフローチャートである。
図9】ガス使用傾向データテーブルの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付した図面を参照して、一実施形態に係る情報処理システムを詳細に説明する。以下の説明では、「消費者」とは、一般家庭、事業者(企業、飲食店など)、および省庁など、ガス供給事業者が供給するガスを使用する者を指す。本実施形態では、ガスが充填されたガス容器が消費者設備に設置され、ガス供給事業者は、ガス容器内のガスが一定量使用されると、ガスが充填されたガス容器を配送(交換)する例を説明する。ガス容器の配送作業は、情報処理システム100による指示の下、配送員が、所定のエリアに存在する充填所においてガスを充填し、同日の配送日に配送されることになる複数のガス容器を運搬車に積み込み、各々の消費者設備に訪問して新たなガス容器を設置することによって行われる。
【0014】
図1は、本実施形態に係る情報処理システム100の全体的を示す。情報処理システム100は、サーバコンピュータ1、クライアントコンピュータ2、およびNCU3a、3b…3n(以下、「NCU3」と総称する)を含む。これらの装置は、ネットワークを通じて相互に接続されるが、クライアントコンピュータ2とNCU3との間は、必ずしも接続されなくてもよい。
【0015】
サーバコンピュータ1は、ガス供給事業者によって実装され、NCU3からガス使用量を示すデータを収集すること、ガス容器を配送する日(配送日)を決定すること、および消費者がガス容器内のガスを使い切る日(ガス消費日)を算出することなどの処理を実行するコンピュータデバイス(情報処理装置)である。サーバコンピュータ1がガス予測使用量を算出すると、予め定められた基準に基づいて、ガス容器の配送日を決定する。サーバコンピュータ1が実行する具体的な処理は、本実施形態に関連して以下で説明する。なお、サーバコンピュータ1は、単独のコンピュータデバイスによって実装されてもよく、または複数のコンピュータデバイスによって実装されてもよい。
【0016】
クライアントコンピュータ2は、配送員によって使用されるコンピュータデバイス(情報処理装置)である。サーバコンピュータ1がガス容器の配送日を決定すると、配送日などを含む情報がクライアントコンピュータ2に通知される。配送員は、この通知に基づいて、指示された配送日にガス容器の交換作業を行う。クライアントコンピュータ2は、スマートフォンおよびタブレットなどの携帯型コンピュータデバイス、ラップトップ型コンピュータデバイス、ならびにノート型コンピュータデバイスなどであってもよい。
【0017】
NCU3は、消費者設備に設置されたガスメータ(図示せず)に取り付けられ、内蔵のセンサがガスメータの指針値を読み取るコンピュータデバイス(情報処理装置)である。NCU3は、例えば、1時間に1回などの時間間隔において、指針値を含む指針値電文をサーバコンピュータ1に送信する。
【0018】
サーバコンピュータ1とクライアントコンピュータ2とは、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、およびLTE(Long Term Evolution)などのネットワーク(有線および/または無線)を通じて接続される。サーバコンピュータ1とNCU3とは、LTEおよびLPWA(Low Power Wide Area)などのネットワーク(有線および/または無線)を通じて接続される。本実施形態では、サーバコンピュータ1およびクライアントコンピュータ2が接続されるネットワークと、サーバコンピュータ1およびNCU3が接続されるネットワークとが別個のネットワークであるが、両者は同一のネットワークであってもよい。
【0019】
次に、図2を参照して、サーバコンピュータ1の詳細な構成要素の例を説明する。サーバコンピュータ1は、制御装置11、メモリ12、記憶装置13、および通信装置14を含む。
【0020】
制御装置11は、プロセッサとも称され、上記各構成要素の制御やデータの演算を実行する。また、制御装置11は、本実施形態に係る各種処理を実行するための、記憶装置13に記憶されているプログラムをメモリ12に読み出して実行する。ここで、上述したプログラムとは、情報処理システム100が実行する機能の一部を実装するためのプログラムであり、サーバコンピュータ1の記憶装置13に記憶されている。
【0021】
メモリ12は、クライアントコンピュータ2から送信されたデータ、コンピュータ実行可能な命令、および当該命令による演算処理後のデータなどを記憶した揮発性データ記憶装置である。メモリ12は、RAM(ランダムアクセスメモリ)(例えば、SRAM(スタティックRAM)およびDRAM(ダイナミックRAM))などで実装されてもよい。
【0022】
記憶装置13は、上述したプログラムおよびDBMS(Database Management System)によって使用されるデータベーステーブル13aなどを記憶した不揮発性データ記憶装置である。記憶装置13は、ROM(リードオンリメモリ)などの不揮発性半導体メモリ、磁気記憶装置(ハードディスクドライブなど)、および光ディスクなどで実装されてもよい。なお、プログラムおよびデータベーステーブルなどのデータは、記憶装置13に加えまたはその代わりに、NAS(Network Attached Storage)および/またはSAN(Storage Area Network)などに記憶されてもよい。
【0023】
通信装置14は、ネットワークを通じてクライアントコンピュータ2およびNCU3との間でデータおよび制御情報を送受信するネットワークインタフェースである。このネットワークインタフェースは、例えば、TCP/IPなどのプロトコルに準拠したネットワークカード(例えば、LANカード)などによって実装される。
【0024】
<第1の実施形態>
次に、図3乃至図7を参照して、第1の実施形態に係る情報処理システム100が実行する処理の例を説明する。第1の実施形態では、サーバコンピュータ1が、NCU3から収集された指針値電文を収集し、指針値電文に含まれる指針値に基づいて、消費者がガスを使い切る期間(ガス消費期間)を算出する。消費者には、一意な識別番号(消費者識別番号)が割り当てられ、少なくとも、指針値電文は、消費者識別番号または消費者と関連付けられた値(例えば、ガスメータに一意に割り当てられたガスメータ識別番号など)を含む。本実施形態では、指針値電文は、ガスメータ識別番号を含み、消費者識別番号とガスメータ識別番号とを関連付けて、以下で説明する消費者データテーブルに記憶されているものとする。
【0025】
NCU3は、各々の消費者のガスメータに取り付けられ、サーバコンピュータ1は、複数のNCU3から(各々の消費者についての)指針値電文を受信するが、本実施形態では、特定の消費者Aのみについての指針値電文を受信する例を説明する。図3は、サーバコンピュータ1が、対象の消費者設備に設置されたガス容器のガス残量を算出し、ガス残量に基づいて配送日を決定し、配送員に配送日を指示する処理を示すフローチャートである。
【0026】
まず、サーバコンピュータ1の通信装置14は、NCU3から指針値電文を受信する(ステップS301)。次に、制御装置11は、指針値電文に含まれるガスメータ識別番号に基づいて、消費者データテーブル400から対象の消費者データレコードを取得する(ステップS302)。図4を参照して、消費者データテーブル400の例を説明する。消費者データテーブル400は、ガス供給事業者からガスが供給される消費者の全てのガス使用量などを管理するためのデータベーステーブルであり、記憶装置13に記憶されている。
【0027】
消費者データテーブル400は、消費者ごとに消費者データレコードを記憶している。図4に示すように、消費者データテーブル400は、データ項目として、消費者識別番号401、ガスメータ識別番号402、氏名403、住所404、指針値405、計測日406、ガス容器容量407、交換日408、ガス残量409、閾値410、および交換要日数411を含む。
【0028】
消費者識別番号401には、対象の消費者に割り当てられた消費者識別番号が予め設定される。同様に、ガスメータ識別番号402には、対象のガスメータ(消費者設備に設置された)に割り当てられたガスメータ識別番号が予め設定される。なお、NCU3が送信する指針値電文が消費者識別番号を含む場合、ガスメータ識別番号402は、消費者データテーブル400の必須のデータ項目ではない。つまり、指針値電文は、消費者と関連付けられた情報を含み、その情報に基づいて消費者データテーブル400から対象の消費者データレコードが取得される。
【0029】
氏名403および住所404にはそれぞれ、対象の消費者の氏名および住所が予め設定される。消費者の住所は、配送員がガス容器を配送する際に消費者設備に訪問するときに使用される。
【0030】
指針値405には、後述するステップS303の処理において、指針値電文に含まれる指針値が設定される。つまり、指針値405には、NCU3から指針値電文を受信する都度、最新の消費者のガス使用量を示す値が設定される。計測日406には、指針値405に指針値が設定されたときの日付(日時)が設定される。ガス容器容量407には、対象の消費者設備に設置されたガス容器の容量を示す値が予め設定される。指針値(指針値405に設定)およびガス容器容量(ガス容器容量407)から、対象のガス容器内のガス残量を算出することができる。
【0031】
交換日408には、配送員が対象の消費者設備にガス容器を配送すると、例えば、配送員がクライアントコンピュータ2を通じて配送が完了したことを示す入力を行うと、それに対応して、配送を行った日付(時点)が設定される。ガス残量409には、指針値405に設定された指針値およびガス容器容量407に設定されたガス容器容量に基づいて算出されたガス残量が設定される。
【0032】
閾値410には、例えば、N立方メートル(Nは任意の正の数)など、ガス容器を交換する必要があるか否かを判定するための基準となる値が予め設定される。例えば、ガス残量409に設定されたガス残量が、閾値410に設定された値を下回ると、その数日後にガス容器を交換する必要があると判定される。なお、閾値410は、例えば、対象の消費者の過去のガス使用量に基づいて、消費者ごとに設定されてもよく、消費者の一定のグループ(例えば、一定の地域ごとのグループ)ごとに設定されてもよく、全消費者共通に設定されてもよい。また、閾値410は、対象の消費者の過去のガス使用量に基づいて、季節および/または月ごとに値を変更してもよい。
【0033】
交換要日数411には、例えば、M日(Mは任意の正の整数)など、ガス容器を交換する必要があると判定した場合に、ガス容器内のガスが欠乏しないでガス容器の交換を行うまでの期間(日数)が予め設定される。例えば、ガス容器を交換する必要があると判定した場合、その日からM日以内のいずれかの日を配送日として、配送員にガス容器を配送することを指示する。交換要日数411は、例えば、対象の消費者の過去のガス使用量に基づいて、消費者ごとに設定されてもよく、消費者の一定のグループ(例えば、一定の地域ごとのグループ)ごとに設定されてもよく、全消費者共通に設定されてもよい。また、交換要日数411は、対象の消費者の過去のガス使用量に基づいて、季節および/または月ごとに値を変更してもよい。
【0034】
消費者データテーブル400に含まれるデータ項目は提示にすぎず、図4に示したデータ項目の全てを必ずしも含む必要はない。また、消費者データテーブル400は、図4に示されていないデータ項目を含んでもよい。
【0035】
図3の説明に戻ると、制御装置11は、ステップS301において受信した指針値電文に含まれる指針値およびステップS302において取得した消費者データレコードのガス容器容量407に設定されたガス容器容量に基づいて、対象のガス容器内のガス残量を算出する(ステップS303)。つまり、指針値およびガス容器容量に基づいて、対象のガス容器内のガス残量を示すカウンタ(第1のカウンタ)を減算する。第1のカウンタは、ガス容器容量407に設定されたガス容器容量が初期値として設定され、本ステップを実行する都度、指針値が減算される。つまり、第1のカウンタは、ガス容器容量407に設定されたガス容器容量を基準に、対象のガス容器内の最新のガス残量の値を保持する。
【0036】
次に、制御装置11は、ステップS301において受信した指針値電文に含まれる指針値、本ステップが実行される日付、およびステップS303において算出したガス残量に基づいて、ステップS302において取得した消費者データレコードを更新する(ステップS304)。この処理によって、消費者データテーブル400の指針値405(指針値電文に含まれる指針値)、計測日406(本ステップを実行した日付)、およびガス残量409に設定された値が更新される。具体的には、指針値405には指針値電文に含まれる指針値が設定され、計測日406には本ステップを実行した日付が設定され、ガス残量409にはステップS303において算出したガス残量が設定される。
【0037】
なお、本実施形態では、NCU3から指針値電文を受信する都度、対象のガス容器内のガス残量を算出し、消費者データテーブル400の消費者データレコードに設定しているが、算出したガス残量は、消費者データレコードに設定される必要はない。例えば、上述した第1のカウンタを減算し(ガス残量を算出)、減算した第1のカウンタが記憶装置13の所定の領域に記憶されてもよい。
【0038】
次に、制御装置11は、ステップS303において算出したガス残量が、ステップS302において取得した消費者データレコードの閾値410に設定された値を下回るか否かを判定する(ステップS305)。つまり、第1のカウンタの値が閾値を下回るか否かを判定する。ガス残量が閾値を下回ると判定した場合、対象の消費者設備に設置されたガス容器を交換(配送)する必要があるとして、後続の処理が実行される。
【0039】
ステップS301乃至ステップS305の処理は、例えば、毎日、毎時、またはガス容器を交換してから所定の日数が経過した後などの予め定められた時間間隔において全て消費者の各々に対して繰り返し実行される。従来技術と比較して、本実施形態に係る情報処理システム100は、NCU3から定期的に指針値電文を取得するので、より多くの頻度で消費者のガス使用量を把握することができ、高い精度でガスを交換する時点を予測することができる。
【0040】
ステップS306では、制御装置11は、配送データテーブル500に対象の配送データレコードを挿入する。図5を参照して、配送データテーブル500の例を説明する。配送データテーブル500は、ステップS305においてガス容器を配送する必要があると判定された場合、ガス容器の配送を管理するためのデータベーステーブルであり、記憶装置13に記憶されている。
【0041】
配送データテーブル500は、消費者への1回の配送ごとに配送データレコードを記憶している。図5に示すように、配送データテーブル500は、データ項目として、配送員識別番号501、消費者識別番号502、住所503、配送日504、および配送済みフラグ505を含む。
【0042】
配送員識別番号501には、対象の消費者設備にガス容器を配送する配送員に割り当てられた配送員識別番号が設定される。ガス供給事業者は、複数の配送員を有し、各々の配送員に一意な配送員識別番号を割り当てている。配送員は、自身が配送業務を行う日に、充填所からガスが充填された複数のガス容器を運搬車に積み込み、所定のエリアに存在する複数の消費者設備を訪問し、ガス容器を交換する。その消費者設備にどの配送員が訪問するかの割り当ては、制御装置11が、予め定められた基準に基づいて行われる。
【0043】
消費者識別番号502および住所503にはそれぞれ、ステップS305においてガス容器を交換する必要があると判定された消費者に対応する消費者識別番号および住所が設定される。配送済みフラグ505には、初期値として、例えば、「0:未配送」が設定され、配送員が配送を完了すると、「1:配送済み」が設定される。
【0044】
配送日504には、配送員が対象の消費者設備に訪問し、ガス容器を配送することになる日付が設定される。配送日504に設定される日付は、ステップS305が実行された日から、ステップS302において取得した消費者データレコードの交換要日数411に設定された値(日数(要配送期間))以内の任意の日付が設定される。配送員の配送効率を考慮すると、例えば、ステップS302において取得した消費者データレコードの住所404に設定された住所に基づいて、一定の範囲内にあるより多くの消費者を同日に訪問することができるよう配送日が決定される。
【0045】
配送データテーブル500に含まれるデータ項目は提示にすぎず、図5に示したデータ項目の全てを必ずしも含む必要はない。また、配送データテーブル500は、図5に示されていないデータ項目を含んでもよい。
【0046】
ステップS306では、配送データテーブル500に配送データレコードが挿入されるが(つまり、対象のガス容器内のガス残量が閾値を下回った時点で)、このときに挿入される配送データレコードの配送員識別番号501および配送日504のいずれかまたは両方には、値が設定されていなくてもよい(つまり、この時点では、対象のガス容器を交換する配送員および配送日が未定)。この場合、制御装置11が、配送員および要配送期間以内での配送日を決定する。
【0047】
配送データテーブル500に配送データレコードが追加されると、サーバコンピュータ1は、要配送期間以内にガス容器を配送する必要がある全ての消費者設備を管理することができる。このような状態で、後続の処理によって、例えば、配送日の当日に配送員のクライアントコンピュータ2に、消費者設備へのガス容器の配送についての通知が行われる。
【0048】
ステップS307では、制御装置11は、例えば、毎日などの予め定められた時間間隔において、配送データテーブル500から、配送済みフラグ505に「0:未配送」が設定され、ステップS307が実行される日付と同一の日付が配送日504に設定された全ての配送データレコードを取得する。つまり、ステップS307では、本ステップを実行する日が配送日である全ての配送データレコードを取得する。
【0049】
次に、制御装置11は、ステップS307において取得した配送データレコードに基づいて、通知電文を生成する(ステップS308)。通知電文は、少なくともステップS307において取得した配送データレコードの消費者識別番号502、住所503、および配送日504に設定された値を含む(つまり、当日に配送する消費者の消費者識別番号、住所、および配送日を含む)。
【0050】
次に、サーバコンピュータ1の通信装置14は、ステップS308において生成した通知電文を、配送員のクライアントコンピュータ2に送信する(ステップS309)。通知電文は、ステップS307において取得した配送データレコードの配送員識別番号501に設定された番号に対応するアドレスに送信される。なお、通知電文は、配送日に配送業務を行う配送員ごとに1つの通知電文としてまとめられてもよい。このようにして、配送員は、配送日に自身がガス容器を配送するべき消費者設備を把握することができる。
【0051】
クライアントコンピュータ2を通じて配送について通知された配送員は、自身に割り当てられた全ての消費者設備を訪問し、ガス容器を交換する。配送員がガス容器を交換し、例えば、クライアントコンピュータ2を通じてガス容器の交換が完了したことを示す入力を行うと、配送員識別番号および消費者識別番号を含む交換完了電文がサーバコンピュータ1に送信される。交換完了電文が送信されると、サーバコンピュータ1は、対象のガス容器が交換されたことを把握することができる。
【0052】
次に、サーバコンピュータ1の制御装置11は、交換完了電文を受信したことに応答して、交換完了電文に含まれる配送員識別番号および消費者識別番号に基づいて、対象の配送データレコードを更新する(ステップS310)。この処理によって、対象の配送データレコードの配送済みフラグ505に「1:配送済み」が設定される。つまり、配送データテーブル500において、対象のガス容器が交換されたことを管理することができる。
【0053】
また、制御装置11は、交換完了電文に含まれる消費者識別番号に基づいて、対象の消費者データレコードを更新する(ステップS311)。この処理によって、対象の配送データレコードの指針値405にゼロが設定され、交換日408にステップS311が実行された日付(最新のガス容器の交換日)が設定され、ガス残量409に初期値(つまり、ガス容器容量407と同一の値)が設定される。つまり、上述した第1のカウンタが初期値に設定される。
【0054】
図3に示す処理によって、本実施形態に係る情報処理システム100は、NCU3から定期的に取得した指針値電文に基づいて、対象のガス容器内のガス残量を算出し、配送員にガス容器の配送日を指示する。このようにして、従来技術と比較して、より多くの頻度で消費者のガス使用量を把握することができ、高い精度でガスを交換する時点を予測することができる。
【0055】
なお、ガス残量409に設定された更新前の値は、記憶装置13などの所定の記憶領域に保存される。この更新前のガス残量は、対象の消費者設備に設置されたガス容器が交換される直前の容器内のガス残量を示すものである。また、交換日408に設定された更新前の日付も所定の記憶領域に保存される。この値は、図3に示した処理において配送員がガス容器を交換するよりも前にガス容器を交換した日付を示す。
【0056】
また、制御装置11は、ステップS311において交換日408に設定した最新の日付および記憶領域に保存された更新前の日付に基づいて、対象のガス容器が前回交換されてから(第1の時点)直近に交換されるまで(第2の時点)の期間を算出してもよい(交換期間)。算出した交換期間は、記憶装置13などの所定の記憶領域に保存される。
【0057】
次に、制御装置11は、ステップS311において更新した消費者データレコードに対応する消費者について、ガス残量データテーブル600に対象のガス残量データレコードを挿入する(ステップS312)。図6を参照して、ガス残量データテーブル600の例を説明する。ガス残量データテーブル600は、対象の消費者がガス容器内のガスを使い切る期間を管理するためのデータベーステーブルであり、記憶装置13に記憶されている。
【0058】
ガス残量データテーブル600は、消費者への1回のガス容器の交換の完了ごとにガス残量データレコードを記憶している。図6に示すように、ガス残量データテーブル600は、データ項目として、消費者識別番号601、ガスメータ識別番号602、ガス残量603、交換日604、およびガス消費日605を含む。
【0059】
消費者識別番号601およびガスメータ識別番602にはそれぞれ、ステップS311において更新した消費者データレコードに対応する消費者識別番号およびガスメータ識別番が設定される。ガス残量603および交換日604にはそれぞれ、上述した記憶領域に保存されたガス残量および交換日(時点)がそれぞれ設定される。ガス消費日605には、ステップS312の処理を実行する時点では値が設定されないが、後述する処理によって、対象のガス容器内のガスを使い切ったと判定した日付が設定される。
【0060】
このような状態で、上述した予め定められた時間間隔において、サーバコンピュータ1は、ステップS301乃至ステップS305の処理を実行するが、ガス残量データテーブル600にガス残量データレコードが追加されると、ステップS301乃至ステップS305と同一の時間間隔において、図7のフローチャートが示す処理を実行する。図7は、サーバコンピュータ1が、図3に示した処理において交換されたガス容器についてのガス消費期間を算出する処理を示すフローチャートである。
【0061】
まず、サーバコンピュータ1の通信装置14は、NCU3から指針値電文を受信する(ステップS701)。次に、制御装置11は、指針値電文に含まれるガスメータ識別番号に基づいて、ガス残量データテーブル600から対象のガス残量データレコードを取得する(ステップS702)。
【0062】
次に、制御装置11は、ステップS701において受信した指針値電文に含まれる指針値および所定の記憶領域に保存された更新前のガス残量に基づいて、対象のガス容器内のガス残量を算出する(ステップS703)。つまり、指針値および更新前のガス残量に基づいて、対象のガス容器内のガス残量を示すカウンタ(第2のカウンタ)を減算する。第2のカウンタは、更新前のガス残量の値が初期値として設定され、本ステップを実行する都度、指針値が減算される。つまり、第2のカウンタは、更新前のガス残量の値を基準に、対象のガス容器内の最新のガス残量の値を保持する。
【0063】
次に、制御装置11は、ステップS703において算出したガス残量に基づいて、ステップS702において取得したガス残量データレコードを更新する(ステップS704)。この処理によって、ガス残量データテーブル600のガス残量603に設定された値が更新される。具体的には、ガス残量603にはステップS703において算出したガス残量が設定される。
【0064】
なお、本実施形態では、NCU3から指針値電文を受信する都度、対象のガス容器内のガス残量を算出し、ガス残量データテーブル600の消費者データレコードに設定しているが、算出したガス残量は、ガス残量データレコードに設定される必要はない。例えば、上述した第2のカウンタを減算し(ガス残量を算出)、加算した第2のカウンタが記憶装置13の所定の領域に記憶されてもよい。
【0065】
次に、制御装置11は、ステップS704においてガス残量データレコードのガス残量603に設定されたガス残量がゼロになるか否かを判定する(ステップS705)。つまり、第2のカウンタの値がゼロになるか否かを判定する。ステップS701乃至ステップS705の処理は、ガス残量がゼロになるまで繰り返される。ガス残量がゼロになったと判定した場合、ステップS705を実行した日付に基づいて、対象のガス残量データレコードを更新する(ステップS706)。この処理によって、対象のガス残量データレコードのガス消費日605に、対象のガス容器内のガスを使い切った日として、ステップS705を実行した日付が設定される。
【0066】
また、制御装置11は、対象のガス残量データレコードの交換日604に設定された日付およびガス消費日605に設定された日付に基づいて、対象のガス容器が直近に交換されてから(第2の時点)ガス容器内のガスを消費するまで(第3の時点)の期間を算出してもよい(交換後ガス消費期間)。交換後ガス消費期間に上述した交換期間を加算することによって、対象のガス容器のガス消費期間を算出することができる。
【0067】
図7に示す処理によって、本実施形態に係る情報処理システム100は、NCU3から定期的に取得した指針値電文およびガス容器の交換日に基づいて、消費者が実際に対象のガス容器内のガスを使い切った日付を算出する。上述したように、ガス容器内のガス残量が閾値を下回ると、ガス容器内のガスが欠乏することを防止するために、配送員は、要配送期間以内にガス容器を交換する(つまり、ガス容器内にガスが残存した状態でガス容器が交換される)。この日数は、消費者の過去のガス使用量に基づいて設定されるが、消費者が実際にガス容器内のガスを使い切った日数に基づいて設定されていないので、消費者が実際にガス容器内のガスを使い切った日数と乖離がある場合がある。
【0068】
本実施形態では、ガス容器を交換し、対象の消費者の消費者データレコードを更新した後にも(つまり、消費者データレコードの指針値405にゼロが設定され、ガス残量409(第1のカウンタ)に初期値が設定される)、第2のカウンタから指針値を減算することによって、交換直前のガス残量およびガス容器の交換日から消費者がガスを使い切った日付(時点)を判定する。つまり、第1のカウンタは、対象のガス容器を交換する日を判定するための基準となるガス残量を算出するために使用され、第2のカウンタは、消費者が対象のガス容器内のガスを使い切る日を判定するための基準となるガス残量を算出するために使用される。
【0069】
このようにして、消費者の実際のガス消費期間を把握することができるので、例えば、ガス消費期間に基づいた値を消費者データテーブル400の交換要日数411に設定することによって、ガス容器の交換作業について、前の交換作業から次の交換作業までの間隔を短くし、ひいては、配送員がより効率的にガス容器を交換することができる。
【0070】
また、対象の消費者設備に設置されたガス容器を交換する都度、図7に示した処理を実行することによって、同一の消費者について、例えば、季節(月)ごとにガスを使い切るまでの期間(日数)を算出することができる(ガス残量データテーブルのガス消費日605に設定された値および算出したガス消費期間に基づいて、月ごとのガス消費期間を算出することができる)。よって、季節ごとのガス消費期間に基づいた値を消費者データテーブル400の交換要日数411に設定することによって、前の交換作業から次の交換作業までの間隔を更に短くすることができる。
【0071】
なお、本実施形態では、第1のカウンタが最新のガス残量の値を保持し、ガス容器が交換された時点で、第1のカウンタが保持する値を第2のカウンタに設定しているが、そのような形式に限定されない。例えば、第2のカウンタが第1のカウンタと常に同一の値を有してもよい(例えば、消費者データレコードのガス容器容量407に設定されたガス容器容量が初期値として設定され、第1のカウンタと同一のタイミングで指針値が減算される)。この場合、ガス容器が交換された時点で、第1のカウンタのみが初期値に更新される。つまり、第2のカウンタは、少なくともガス容器を交換した時点で(サーバコンピュータ1が交換完了電文を受信したことに応じて)、第1のカウンタと同一の値を保持するよう、記憶装置に記憶される。
【0072】
以上のように、第1の実施形態を説明した。上述したように、ガス容器内のガスが欠乏することを防止するために、ガス容器内のガス残量が閾値を下回ると、要配送期間以内にガス容器を交換するよう配送員に指示する。このため、ガス容器内にガスが残存した状態でガス容器が交換されることもあり、正確なガス消費期間を算出することができない。本実施形態では、ガス交換後も、交換直前のガス残量および指針値に基づいてガス消費日を算出し、ひいては、ガス消費期間を算出することができる。
【0073】
<第2の実施形態>
次に、図8および図9を参照して、第2の実施形態に係る情報処理システム100が実行する処理の例を説明する。第2の実施形態では、サーバコンピュータ1が、NCU3から収集された指針値電文を収集し、指針値電文に含まれる指針値に基づいて、消費者がガスを消費する使用傾向を判定し、使用傾向に基づいて配送日を決定する。
【0074】
第2の実施形態に係る情報処理システム100は、第1の実施形態において説明した情報処理システム100と同様の構成を採用するが、第2の実施形態では、サーバコンピュータ1が、例えば、道路交通情報通信システム(VICS)(登録商標)などの道路交通情報を管理するコンピュータシステムから、道路交通情報を受信する。道路交通情報を受信することによって、サーバコンピュータ1は、配送員が消費者設備にガス容器を配送する際に運搬車を運転する交通網における渋滞状況などを把握することができる。
【0075】
本実施形態でも、特定の消費者Aのみについての指針値電文を受信する例を説明する。図8は、サーバコンピュータ1が、対象の消費者が消費者設備に設置されたガス容器内のガスを使用する傾向を判定する処理を示すフローチャートである。
【0076】
図8に示すステップS801乃至ステップS804、およびステップS808乃至ステップS815は、図3に示したS301乃至ステップS304、およびステップS305乃至ステップS312と同様であるので、それらのステップの説明を省略する。
【0077】
ステップS805では、制御装置11は、指針値電文に含まれるガスメータ識別番号に基づいて、ガス使用傾向データテーブル900から対象のガス使用傾向データレコードを取得する。図9を参照して、ガス使用傾向データテーブル900の例を説明する。ガス使用傾向データテーブル900は、ガス供給事業者からガスが供給される消費者のガス使用傾向を管理するためのデータベーステーブルであり、記憶装置13に記憶されている。
【0078】
ガス使用傾向データテーブル900は、消費者ごとに消費者データレコードを記憶している。図9に示すように、消費者データテーブル400は、データ項目として、消費者識別番号901、ガスメータ識別番号902、およびガス使用量903を含む。
【0079】
消費者識別番号901には、対象の消費者に割り当てられた消費者識別番号が予め設定される。同様に、ガスメータ識別番号902には、対象のガスメータ(消費者設備に設置された)に割り当てられたガスメータ識別番号が予め設定される。なお、NCU3が送信する指針値電文が消費者識別番号を含む場合、ガスメータ識別番号902は、ガス使用傾向データテーブル900の必須のデータ項目ではない。つまり、指針値電文は、消費者と関連付けられた情報を含み、その情報に基づいてガス使用傾向データテーブル900から対象のガス使用傾向データレコードが取得される。
【0080】
ガス使用量903は、対象の消費者の曜日ごとのガス使用量が設定される。なお、本実施形態では、ガス使用量903は、曜日ごとのガス使用量を保持するが、ガス使用量は、曜日ごとのガス使用量に限定されず、例えば、時間帯(例えば、午前中、午後、および夜間など)ごとのガス使用量を保持してもよい。つまり、ガス使用量は、予め定義された時間単位ごとに算出されてもよい。
【0081】
図8の説明に戻ると、制御装置11は、ステップS801において受信した指針値電文に含まれる指針値および本ステップが実行される日付に基づいて、対象の消費者の曜日ごとのガス使用量を算出する(ステップS806)。
【0082】
次に、制御装置11は、ステップS806において算出した曜日ごとのガス使用量に基づいて、ステップS805において取得したガス使用傾向データレコードを更新する(ステップS807)。この処理によって、ガス使用傾向データテーブル900のガス使用量903に設定された値が更新される。
【0083】
ステップS801乃至ステップS808の処理は、例えば、毎日、毎時、またはガス容器を交換してから所定の日数が経過した後などの予め定められた時間間隔において全て消費者の各々に対して繰り返し実行される。この処理によって、消費者の曜日ごとのガス使用量を算出することができる。例えば、対象の消費者が飲食店であり、日曜日が定休日の場合、日曜日のガス使用量はゼロになる。このことから、本実施形態に係る情報処理システム100は、消費者のガス使用傾向を把握することができる。
【0084】
このような状態で、例えば、対象のガス容器内のガス残量が閾値を下回った時点で(例えば、ステップS809において配送データテーブル500に配送データレコードを挿入する時点で)、要配送期間以内に、消費者設備に設置されたガス容器を交換する日(配送日(時点))が決定される。この配送日は、消費者のガス使用傾向に基づいて決定される。
【0085】
例えば、制御装置11は、配送日を決定する際、ガス使用傾向データテーブル900から対象のガス容器に対応するガス使用傾向データレコードを取得し、消費者のガス使用傾向を判定する(ガス使用量903に設定された値から)。また、制御装置11は、消費者データテーブル400から対象の消費者に対応する消費者データレコードを取得し、消費者の住所を判定する(住所404に設定された値から)。更に、制御装置11は、対象の消費者の住所に基づいて、交換要日数411に設定された日数以内の各曜日における交通情報(工事情報など)を取得する(例えば、VICSから取得した道路交通情報に基づいて)。
【0086】
例えば、消費者Aに設置されたガス容器を交換する例として、要配送期間が2021年11月19日(金曜日)から2021年11月22日(月曜日)であるとする。また、消費者Aは、土曜日および日曜日にガスを使用しないものとする(判定したガス使用傾向から判定)。このような前提の下、制御装置11は、例えば、消費者Aの設備に配送員が訪問する経由地において2021年11月20日および2021年11月21日に交通渋滞が予測される場合(取得した交通情報から判定)、2021年11月22日を配送日として決定する。つまり、交通渋滞を回避するために、交通渋滞が予測される期間内にガス容器を配送しないよう配送日を決定する(交通渋滞が予測される期間から配送日を除外する)。
【0087】
上述したように、消費者Aは、土曜日および日曜日にガスを使用しないので、少なくとも2021年11月20日および2021年11月21日のいずれかにおいてガス容器内のガスが欠乏することはなく、翌日の2021年11月22日にガス容器を交換すれば十分である。よって、配送員は、交通渋滞が予測される2021年11月20日および2021年11月21日を回避し、ガス容器内のガスが欠乏することなく、ガス容器を交換することができる。
【0088】
上述した例に代えて、例えば、消費者Aが飲食店であり、飲食店が多く並ぶ繁華街に消費者Aの設備が存在するものとする。また、消費者Aが平日よりも週末に多くガスを使用するものとする(判定したガス使用傾向から判定)。
【0089】
このような前提の下、制御装置11は、例えば、消費者Aおよび近隣の飲食店である消費者のガス容器を、要配送期間内の金曜日として決定する。つまり、ガス容器内のガスが欠乏することを回避するために、ガス使用量が多い日よりも前にガス容器を配送するよう配送日を決定する(ガス使用量が多いと予測される期間よりも前に配送日を変更する)。このようにすることによって、同じ時期にガス容器を交換する必要があり、使用傾向が近い(週末に多くのガスを使用する)消費者に対し、週末の前日である金曜日に一斉にガスを交換し、容器内のガスが欠乏することなく効率的にガスを配送することができる。
【0090】
なお、消費者が飲食店であるなどの情報(つまり、属性情報)は、例えば、消費者データテーブル400においてそのような属性を保持してもよい。このようにすることによって、消費者の属性および住所に基づいて、一定の関連性を有する(例えば、同一の)属性、類似した使用傾向、および一定の範囲内に消費者設備が存在する消費者を一括して配送するよう配送日を決定することができる。
【0091】
以上のように、第2の実施形態を説明した。上述したように、ガス容器内のガス残量が閾値を上回ると、要配送期間内にガス容器を交換するが、要配送期間内の曜日および時間帯などによっては、交通渋滞などの外部因子によっては、配送員が効率的にガス容器を配送することができない場合がある。本実施形態では、消費者のガスの使用傾向に基づいて最適な配送日を決定するので、上述したような交通状態が予想される日に配送員がガス容器を配送することを回避することができる。
【0092】
上記実施形態で説明したハードウェアの構成要素は例示的なものにすぎず、その他の構成も可能であることに留意されたい。また、上記実施形態で説明した処理の順序は、必ずしも説明した順序で実行される必要がなく、任意の順序で実行されてもよい。さらに、本実施形態の基本的な概念から逸脱することなく、追加のステップが新たに加えられてもよい。
【0093】
また、一実施形態に係る情報処理システム100は、サーバコンピュータ1によって実行されるコンピュータプログラムによって実装されるが、当該コンピュータプログラムは、非一時的記憶媒体に記憶されてもよい。クライアントコンピュータ2によって実行されるコンピュータプログラムも同様である。非一時的記憶媒体の例は、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリ装置、内蔵ハードディスクおよび取外可能ディスク装置などの磁気媒体、光磁気媒体、ならびにCD-ROMディスクおよびデジタル多用途ディスク(DVD)などの光学媒体などを含む。
【符号の説明】
【0094】
1 サーバコンピュータ
2 クライアントコンピュータ
3a NCU
3b NCU
3n NCU
100 情報処理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9