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特許7431793アクティブマトリクス基板、および表示パネル
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-06
(45)【発行日】2024-02-15
(54)【発明の名称】アクティブマトリクス基板、および表示パネル
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1368 20060101AFI20240207BHJP
【FI】
G02F1/1368
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021202304
(22)【出願日】2021-12-14
(65)【公開番号】P2023087819
(43)【公開日】2023-06-26
【審査請求日】2022-12-05
(73)【特許権者】
【識別番号】520487808
【氏名又は名称】シャープディスプレイテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】冨永 真克
【審査官】鈴木 俊光
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/181435(WO,A1)
【文献】特開2019-101292(JP,A)
【文献】特開2014-026069(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0314736(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第112230484(CN,A)
【文献】国際公開第2018/221481(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/136 - 1/1368
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延びる複数のゲート配線と、
前記第1方向と交差する第2方向に延びる複数のソース配線と、
前記第2方向に延びる複数の列配線と、
前記複数のゲート配線のいずれか、および前記複数のソース配線のいずれかにそれぞれが接続された複数のスイッチング素子と、
前記第1方向および前記第2方向にマトリクス状に配置され、前記複数のスイッチング素子にそれぞれが接続される複数の画素電極と、
絶縁層を介して前記複数の列配線の一つと交差する複数の接続電極とを備え、
前記複数のゲート配線は、第1ゲート配線、第2ゲート配線、および第3ゲート配線を有し、
前記複数のソース配線は、第1ソース配線、および第2ソース配線を有し、
前記複数の画素電極は、
前記第1方向と平行な第1行に配置された第1画素電極および第2画素電極と、前記第1行と隣り合う第2行に配置された第3画素電極および第4画素電極とを含み、
前記複数のスイッチング素子は、
第1スイッチング素子、第2スイッチング素子、第3スイッチング素子、および第4スイッチング素子を含み、
前記複数の接続電極は、第1接続電極、および第2接続電極を含み、
前記第1画素電極と前記第3画素電極は、前記一つの列配線の一方側に配置され、
前記第2画素電極と前記第4画素電極は、前記一つの列配線の他方側に配置され、
前記第3スイッチング素子は、前記一つの列配線の前記一方側に配置され、
前記第4スイッチング素子は、前記一つの列配線の前記他方側に配置され、
前記第1画素電極は、前記第1接続電極を経由して前記第1スイッチング素子と接続され、
前記第2画素電極は、前記第2接続電極を経由して前記第2スイッチング素子と接続され、
前記第3画素電極は、前記第3スイッチング素子と接続され、
前記第4画素電極は、前記第4スイッチング素子と接続され
前記第1接続電極および前記第2接続電極と交差する前記一つの列配線は、前記第3画素電極と前記第4画素電極との少なくとも一方と、重畳しており、
前記列配線は、前記第3画素電極と前記第4画素電極との少なくとも一方に向けて突出しており、その突出している部分において前記第3画素電極と前記第4画素電極との少なくとも一方と重畳するアクティブマトリクス基板。
【請求項2】
前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子は、前記複数のゲート配線に含まれる互いに異なるゲート配線と、前記複数のソース配線に含まれる互いに異なるソース配線にそれぞれ接続されており、
前記第3スイッチング素子と前記第4スイッチング素子は、前記複数のソース配線に含まれる互いに異なるソース配線にそれぞれ接続されている請求項1に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項3】
前記第1スイッチング素子は、前記第1ゲート配線と前記第2ソース配線に接続され、
前記第2スイッチング素子は、前記第2ゲート配線と前記第1ソース配線に接続され、
前記第3スイッチング素子は、前記第2ゲート配線を除く複数のゲート配線のいずれかと前記第1ソース配線に接続され、
前記第4スイッチング素子は、前記第3ゲート配線と前記第2ソース配線に接続されている請求項1または請求項2に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項4】
前記第1スイッチング素子は、前記第2ゲート配線と前記第2ソース配線に接続され、
前記第2スイッチング素子は、前記第1ゲート配線と前記第1ソース配線に接続され、
前記第3スイッチング素子は、前記第1ゲート配線を除く複数のゲート配線のいずれかと前記第1ソース配線に接続され、
前記第4スイッチング素子は、前記第3ゲート配線と前記第2ソース配線に接続されている請求項1または請求項2に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項5】
前記第3スイッチング素子は、前記第3ゲート配線に接続されている請求項3または請求項4に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項6】
前記第1ソース配線に第1データ電圧が印加され、前記第2ソース配線に前記第1データ電圧と逆極性を有する第2データ電圧が印加されるとき、
前記画素電極の電圧極性は、前記第1方向および前記第2方向のそれぞれについて、隣り合う前記画素電極毎に異なる請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項7】
前記第1接続電極および前記第2接続電極は、前記第1画素電極および前記第2画素電極のそれぞれと一体で設けられた接続電極である請求項1から請求項のいずれか1項に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項8】
前記接続電極は、前記第1画素電極および前記第2画素電極のそれぞれと別体で設けられた接続電極である請求項1から請求項のいずれか1項に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項9】
所定の基準電位を供給する、少なくとも一つの共通電極を備え、
前記一つの列配線は、前記共通電極と接続される共通電極配線である請求項1から請求項のいずれか1項に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項10】
第1方向に延びる複数のゲート配線と、
前記第1方向と交差する第2方向に延びる複数のソース配線と、
前記第2方向に延びる複数の列配線と、
前記複数のゲート配線のいずれか、および前記複数のソース配線のいずれかにそれぞれが接続された複数のスイッチング素子と、
前記第1方向および前記第2方向にマトリクス状に配置され、前記複数のスイッチング素子にそれぞれが接続される複数の画素電極と、
絶縁層を介して前記複数の列配線の一つと交差する複数の接続電極とを備え、
前記複数のゲート配線は、第1ゲート配線、第2ゲート配線、および第3ゲート配線を有し、
前記複数のソース配線は、第1ソース配線、および第2ソース配線を有し、
前記複数の画素電極は、
前記第1方向と平行な第1行に配置された第1画素電極および第2画素電極と、前記第1行と隣り合う第2行に配置された第3画素電極および第4画素電極とを含み、
前記複数のスイッチング素子は、
第1スイッチング素子、第2スイッチング素子、第3スイッチング素子、および第4スイッチング素子を含み、
前記複数の接続電極は、第1接続電極、および第2接続電極を含み、
前記第1画素電極と前記第3画素電極は、前記一つの列配線の一方側に配置され、
前記第2画素電極と前記第4画素電極は、前記一つの列配線の他方側に配置され、
前記第3スイッチング素子は、前記一つの列配線の前記一方側に配置され、
前記第4スイッチング素子は、前記一つの列配線の前記他方側に配置され、
前記第1画素電極は、前記第1接続電極を経由して前記第1スイッチング素子と接続され、
前記第2画素電極は、前記第2接続電極を経由して前記第2スイッチング素子と接続され、
前記第3画素電極は、前記第3スイッチング素子と接続され、
前記第4画素電極は、前記第4スイッチング素子と接続され、
所定の基準電位を供給する、少なくとも一つの共通電極を備え、
前記一つの列配線は、前記共通電極と接続される共通電極配線であり、
前記接続電極の少なくとも一部は、前記共通電極と同一層に配されているアクティブマトリクス基板。
【請求項11】
第1方向に延びる複数のゲート配線と、
前記第1方向と交差する第2方向に延びる複数のソース配線と、
前記第2方向に延びる複数の列配線と、
前記複数のゲート配線のいずれか、および前記複数のソース配線のいずれかにそれぞれが接続された複数のスイッチング素子と、
前記第1方向および前記第2方向にマトリクス状に配置され、前記複数のスイッチング素子にそれぞれが接続される複数の画素電極と、
絶縁層を介して前記複数の列配線の一つと交差する複数の接続電極とを備え、
前記複数のゲート配線は、第1ゲート配線、第2ゲート配線、および第3ゲート配線を有し、
前記複数のソース配線は、第1ソース配線、および第2ソース配線を有し、
前記複数の画素電極は、
前記第1方向と平行な第1行に配置された第1画素電極および第2画素電極と、前記第1行と隣り合う第2行に配置された第3画素電極および第4画素電極とを含み、
前記複数のスイッチング素子は、
第1スイッチング素子、第2スイッチング素子、第3スイッチング素子、および第4スイッチング素子を含み、
前記複数の接続電極は、第1接続電極、および第2接続電極を含み、
前記第1画素電極と前記第3画素電極は、前記一つの列配線の一方側に配置され、
前記第2画素電極と前記第4画素電極は、前記一つの列配線の他方側に配置され、
前記第3スイッチング素子は、前記一つの列配線の前記一方側に配置され、
前記第4スイッチング素子は、前記一つの列配線の前記他方側に配置され、
前記第1画素電極は、前記第1接続電極を経由して前記第1スイッチング素子と接続され、
前記第2画素電極は、前記第2接続電極を経由して前記第2スイッチング素子と接続され、
前記第3画素電極は、前記第3スイッチング素子と接続され、
前記第4画素電極は、前記第4スイッチング素子と接続され、
所定の基準電位を供給する、少なくとも一つの共通電極を備え、
前記一つの列配線は、前記共通電極と接続される共通電極配線であり、
前記共通電極は、前記複数のソース配線とそれぞれ重畳する複数の第1開口部と、前記共通電極配線と重畳する第2開口部と、を有するアクティブマトリクス基板。
【請求項12】
第1方向に延びる複数のゲート配線と、
前記第1方向と交差する第2方向に延びる複数のソース配線と、
前記第2方向に延びる複数の列配線と、
前記複数のゲート配線のいずれか、および前記複数のソース配線のいずれかにそれぞれが接続された複数のスイッチング素子と、
前記第1方向および前記第2方向にマトリクス状に配置され、前記複数のスイッチング素子にそれぞれが接続される複数の画素電極と、
絶縁層を介して前記複数の列配線の一つと交差する複数の接続電極とを備え、
前記複数のゲート配線は、第1ゲート配線、第2ゲート配線、および第3ゲート配線を有し、
前記複数のソース配線は、第1ソース配線、および第2ソース配線を有し、
前記複数の画素電極は、
前記第1方向と平行な第1行に配置された第1画素電極および第2画素電極と、前記第1行と隣り合う第2行に配置された第3画素電極および第4画素電極とを含み、
前記複数のスイッチング素子は、
第1スイッチング素子、第2スイッチング素子、第3スイッチング素子、および第4スイッチング素子を含み、
前記複数の接続電極は、第1接続電極、および第2接続電極を含み、
前記第1画素電極と前記第3画素電極は、前記一つの列配線の一方側に配置され、
前記第2画素電極と前記第4画素電極は、前記一つの列配線の他方側に配置され、
前記第3スイッチング素子は、前記一つの列配線の前記一方側に配置され、
前記第4スイッチング素子は、前記一つの列配線の前記他方側に配置され、
前記第1画素電極は、前記第1接続電極を経由して前記第1スイッチング素子と接続され、
前記第2画素電極は、前記第2接続電極を経由して前記第2スイッチング素子と接続され、
前記第3画素電極は、前記第3スイッチング素子と接続され、
前記第4画素電極は、前記第4スイッチング素子と接続され、
所定の基準電位を供給する、少なくとも一つの共通電極を備え、
前記一つの列配線は、前記共通電極と接続される共通電極配線であり、
前記共通電極は前記共通電極配線と接続される接続部を備えており、
前記接続部は、前記複数のゲート配線のうちの隣り合う2つのゲート配線間の領域と重畳しており、
前記隣り合う2つのゲート配線間の領域には、前記複数の画素電極のうちのいずれの画素電極も配置されていないアクティブマトリクス基板。
【請求項13】
所定の基準電位を供給する、少なくとも一つの共通電極を備え、
前記共通電極は、スリットによってマトリクス状に分割されて、タッチされた位置を検出可能な複数のセンサ電極を兼ねており、
前記一つの列配線は、前記複数のセンサ電極のいずれかと接続されるセンサ電極配線を兼ねている請求項1から請求項のいずれか1項に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項14】
第1方向に延びる複数のゲート配線と、
前記第1方向と交差する第2方向に延びる複数のソース配線と、
前記第2方向に延びる複数の列配線と、
前記複数のゲート配線のいずれか、および前記複数のソース配線のいずれかにそれぞれが接続された複数のスイッチング素子と、
前記第1方向および前記第2方向にマトリクス状に配置され、前記複数のスイッチング素子にそれぞれが接続される複数の画素電極と、
絶縁層を介して前記複数の列配線の一つと交差する複数の接続電極とを備え、
前記複数のゲート配線は、第1ゲート配線、第2ゲート配線、および第3ゲート配線を有し、
前記複数のソース配線は、第1ソース配線、および第2ソース配線を有し、
前記複数の画素電極は、
前記第1方向と平行な第1行に配置された第1画素電極および第2画素電極と、前記第1行と隣り合う第2行に配置された第3画素電極および第4画素電極とを含み、
前記複数のスイッチング素子は、
第1スイッチング素子、第2スイッチング素子、第3スイッチング素子、および第4スイッチング素子を含み、
前記複数の接続電極は、第1接続電極、および第2接続電極を含み、
前記第1画素電極と前記第3画素電極は、前記一つの列配線の一方側に配置され、
前記第2画素電極と前記第4画素電極は、前記一つの列配線の他方側に配置され、
前記第3スイッチング素子は、前記一つの列配線の前記一方側に配置され、
前記第4スイッチング素子は、前記一つの列配線の前記他方側に配置され、
前記第1画素電極は、前記第1接続電極を経由して前記第1スイッチング素子と接続され、
前記第2画素電極は、前記第2接続電極を経由して前記第2スイッチング素子と接続され、
前記第3画素電極は、前記第3スイッチング素子と接続され、
前記第4画素電極は、前記第4スイッチング素子と接続され、
所定の基準電位を供給する、少なくとも一つの共通電極を備え、
前記共通電極は、スリットによってマトリクス状に分割されて、タッチされた位置を検出可能な複数のセンサ電極を兼ねており、
前記一つの列配線は、前記複数のセンサ電極のいずれかと接続されるセンサ電極配線を兼ねており、
前記複数の列配線は、同一の前記センサ電極内の複数個所を接続し、その長さが前記センサ電極の前記第2方向の長さの2倍より短い、短絡配線を含むアクティブマトリクス基板。
【請求項15】
第1方向に延びる複数のゲート配線と、
前記第1方向と交差する第2方向に延びる複数のソース配線と、
前記第2方向に延びる複数の列配線と、
前記複数のゲート配線のいずれか、および前記複数のソース配線のいずれかにそれぞれが接続された複数のスイッチング素子と、
前記第1方向および前記第2方向にマトリクス状に配置され、前記複数のスイッチング素子にそれぞれが接続される複数の画素電極と、
絶縁層を介して前記複数の列配線の一つと交差する複数の接続電極とを備え、
前記複数のゲート配線は、第1ゲート配線、第2ゲート配線、および第3ゲート配線を有し、
前記複数のソース配線は、第1ソース配線、および第2ソース配線を有し、
前記複数の画素電極は、
前記第1方向と平行な第1行に配置された第1画素電極および第2画素電極と、前記第1行と隣り合う第2行に配置された第3画素電極および第4画素電極とを含み、
前記複数のスイッチング素子は、
第1スイッチング素子、第2スイッチング素子、第3スイッチング素子、および第4スイッチング素子を含み、
前記複数の接続電極は、第1接続電極、および第2接続電極を含み、
前記第1画素電極と前記第3画素電極は、前記一つの列配線の一方側に配置され、
前記第2画素電極と前記第4画素電極は、前記一つの列配線の他方側に配置され、
前記第3スイッチング素子は、前記一つの列配線の前記一方側に配置され、
前記第4スイッチング素子は、前記一つの列配線の前記他方側に配置され、
前記第1画素電極は、前記第1接続電極を経由して前記第1スイッチング素子と接続され、
前記第2画素電極は、前記第2接続電極を経由して前記第2スイッチング素子と接続され、
前記第3画素電極は、前記第3スイッチング素子と接続され、
前記第4画素電極は、前記第4スイッチング素子と接続され、
所定の基準電位を供給する、少なくとも一つの共通電極を備え、
前記共通電極は、スリットによってマトリクス状に分割されて、タッチされた位置を検出可能な複数のセンサ電極を兼ねており、
前記一つの列配線は、前記複数のセンサ電極のいずれかと接続されるセンサ電極配線を兼ねており、
前記共通電極は前記センサ電極配線と接続される接続部を備えており、
前記スリットの一部は、前記複数のゲート配線のうちの隣り合う2つのゲート配線間の領域と重畳しており、
前記隣り合う2つのゲート配線間の領域には、前記複数の画素電極のうちのいずれの画素電極も配置されておらず、
前記スリットは、前記接続部と重畳していないアクティブマトリクス基板。
【請求項16】
第1方向に延びる複数のゲート配線と、
前記第1方向と交差する第2方向に延びる複数のソース配線と、
前記第2方向に延びる複数の列配線と、
前記複数のゲート配線のいずれか、および前記複数のソース配線のいずれかにそれぞれが接続された複数のスイッチング素子と、
前記第1方向および前記第2方向にマトリクス状に配置され、前記複数のスイッチング素子にそれぞれが接続される複数の画素電極と、
絶縁層を介して前記複数の列配線の一つと交差する複数の接続電極とを備え、
前記複数のゲート配線は、第1ゲート配線、第2ゲート配線、および第3ゲート配線を有し、
前記複数のソース配線は、第1ソース配線、および第2ソース配線を有し、
前記複数の画素電極は、
前記第1方向と平行な第1行に配置された第1画素電極および第2画素電極と、前記第1行と隣り合う第2行に配置された第3画素電極および第4画素電極とを含み、
前記複数のスイッチング素子は、
第1スイッチング素子、第2スイッチング素子、第3スイッチング素子、および第4スイッチング素子を含み、
前記複数の接続電極は、第1接続電極、および第2接続電極を含み、
前記第1画素電極と前記第3画素電極は、前記一つの列配線の一方側に配置され、
前記第2画素電極と前記第4画素電極は、前記一つの列配線の他方側に配置され、
前記第3スイッチング素子は、前記一つの列配線の前記一方側に配置され、
前記第4スイッチング素子は、前記一つの列配線の前記他方側に配置され、
前記第1画素電極は、前記第1接続電極を経由して前記第1スイッチング素子と接続され、
前記第2画素電極は、前記第2接続電極を経由して前記第2スイッチング素子と接続され、
前記第3画素電極は、前記第3スイッチング素子と接続され、
前記第4画素電極は、前記第4スイッチング素子と接続され、
所定の基準電位を供給する、少なくとも一つの共通電極を備え、
前記一つの列配線は、前記共通電極と接続される共通電極配線であり、
前記複数のソース配線に対してデータ電圧を供給するソースドライバと、
前記第1ソース配線と前記ソースドライバとを接続する第1引き出し配線と、
前記第2ソース配線と前記ソースドライバとを接続する第2引き出し配線と、
前記共通電極配線と前記ソースドライバとを接続する第3引き出し配線と、をさらに備え、
前記第1引き出し配線、および前記第3引き出し配線の少なくとも一部は、第1金属膜からなり、
前記第2引き出し配線は、前記第1金属膜とは異なる層に配された第2金属膜からなるアクティブマトリクス基板。
【請求項17】
前記第3引き出し配線は、前記第1金属膜および前記第2金属膜にマルチレイヤ化されている請求項16に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項18】
請求項1から請求項17のいずれか1項に記載のアクティブマトリクス基板と、
前記複数の画素電極に対向する複数の着色部を有するカラーフィルタとを備え、
前記着色部は、互いに異なる色の第1着色部と、第2着色部と、第3着色部とからなり、
前記着色部は、前記第1着色部、前記第2着色部、前記第3着色部が前記第1方向に沿って順に繰り返し配され、前記第2方向に沿って同一色が配されている表示パネル。
【請求項19】
前記画素電極に印加される電圧によって配向状態が変化する液晶分子を含む液晶層を備える請求項18に記載の液晶表示パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、アクティブマトリクス基板、および表示パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶パネルは、マトリクス状に配された多数の画素を備えており、各画素は画素電極を有する。画素電極に印加される電圧は、スイッチング素子(具体的にはTFT)、並びにスイッチング素子に接続される、列方向に沿うソース配線(データ配線)および行方向に沿うゲート配線を通して供給される。近年、3つの画素列毎に2つずつソース配線を設けると共に、2つの画素行毎に3つずつゲート配線を設けることで、ソース配線の数を削減可能な技術が提案されており、その一例が特許文献1に開示されている。特許文献1に記載の技術によれば、液晶パネルの回路設計の柔軟性を高めたり、製造コストを削減することが可能とされている。
【0003】
また、特許文献2には、特許文献1に記載の技術の改良例が開示されている。特許文献2に記載の技術によれば、表示フレーム毎にソース配線に印加される電圧を極性反転させた際に生じる画面のちらつき(いわゆるフリッカー)を抑制できる。特許文献2では、列方向に沿って同一色の画素(例えば、赤色画素)が配され、行方向に沿って異色の画素(赤色画素、緑色画素、青色画素)が順に繰り返し配されている。また、同一色の画素列(例えば、赤色画素の画素列)は、画素電極に正極性電圧が印加される一の画素列と、負極性電圧が印加される他の画素列とが、行方向について交互に混在するようになっている。これにより、同一色の画素(例えば、赤色画素)の電圧極性が一方の極性に偏りにくく、フリッカーを抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-188089号公報
【文献】国際公開第2018/221477号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2に記載の改良技術を適用しても、単色表示以外の場合には、フリッカーを抑制しにくいのが実情である。また、画素電極に印加される電圧が中間値となる中間階調表示の場合、縦筋状の表示不良が生じやすい。
【0006】
本技術は上記のような実情に基づいて完成されたものであって、ソース配線の配設数を削減しつつ、表示不良をより確実に抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本技術に関わるアクティブマトリクス基板は、第1方向に延びる複数のゲート配線と、前記第1方向と交差する第2方向に延びる複数のソース配線と、前記第2方向に延びる複数の列配線と、前記複数のゲート配線のいずれか、および前記複数のソース配線のいずれかにそれぞれが接続された複数のスイッチング素子と、前記第1方向および前記第2方向にマトリクス状に配置され、前記複数のスイッチング素子にそれぞれが接続される複数の画素電極と、絶縁層を介して前記複数の列配線の一つと交差する複数の接続電極とを備え、前記複数のゲート配線は、第1ゲート配線、第2ゲート配線、および第3ゲート配線を有し、前記複数のソース配線は、第1ソース配線、および第2ソース配線を有し、
前記複数の画素電極は、前記第1方向と平行な第1行に配置された第1画素電極および第2画素電極と、前記第1行と隣り合う第2行に配置された第3画素電極および第4画素電極とを含み、前記複数のスイッチング素子は、第1スイッチング素子、第2スイッチング素子、第3スイッチング素子、および第4スイッチング素子を含み、前記複数の接続電極は、第1接続電極、および第2接続電極を含み、前記第1画素電極と前記第3画素電極は、前記一つの列配線の一方側に配置され、前記第2画素電極と前記第4画素電極は、前記一つの列配線の他方側に配置され、前記第3スイッチング素子は、前記一つの列配線の前記一方側に配置され、前記第4スイッチング素子は、前記一つの列配線の前記他方側に配置され、前記第1画素電極は、前記第1接続電極を経由して前記第1スイッチング素子と接続され、前記第2画素電極は、前記第2接続電極を経由して前記第2スイッチング素子と接続され、前記第3画素電極は、前記第3スイッチング素子と接続され、前記第4画素電極は、前記第4スイッチング素子と接続される。
【0008】
(2)また、上記アクティブマトリクス基板は、上記(1)に加え、前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子は、前記複数のゲート配線に含まれる互いに異なるゲート配線と、前記複数のソース配線に含まれる互いに異なるソース配線にそれぞれ接続されており、前記第3スイッチング素子と前記第4スイッチング素子は、前記複数のソース配線に含まれる互いに異なるソース配線にそれぞれ接続されてもよい。
【0009】
(3)また、上記アクティブマトリクス基板は、上記(1)または(2)に加え、前記第1スイッチング素子は、前記第1ゲート配線と前記第2ソース配線に接続され、前記第2スイッチング素子は、前記第2ゲート配線と前記第1ソース配線に接続され、前記第3スイッチング素子は、前記第2ゲート配線を除く複数のゲート配線のいずれかと前記第1ソース配線に接続され、前記第4スイッチング素子は、前記第3ゲート配線と前記第2ソース配線に接続されてもよい。
【0010】
(4)また、上記アクティブマトリクス基板は、上記(1)または(2)に加え、前記第1スイッチング素子は、前記第2ゲート配線と前記第2ソース配線に接続され、前記第2スイッチング素子は、前記第1ゲート配線と前記第1ソース配線に接続され、前記第3スイッチング素子は、前記第1ゲート配線を除く複数のゲート配線のいずれかと前記第1ソース配線に接続され、前記第4スイッチング素子は、前記第3ゲート配線と前記第2ソース配線に接続されてもよい。
【0011】
(5)また、上記アクティブマトリクス基板は、上記(1)から(4)のいずれか1つに加え、前記第3スイッチング素子は、前記第3ゲート配線に接続されていてもよい。
【0012】
(6)また、上記アクティブマトリクス基板は、上記(1)から(5)のいずれか1つに加え、前記第1ソース配線に第1データ電圧が印加され、前記第2ソース配線に前記第1データ電圧と逆極性を有する第2データ電圧が印加されるとき、前記画素電極の電圧極性は、前記第1方向および前記第2方向のそれぞれについて、隣り合う前記画素電極毎に異なってもよい。
【0013】
(7)また、上記アクティブマトリクス基板は、上記(1)から(6)のいずれか1つに加え、前記第1接続電極および前記第2接続電極と交差する前記一つの列配線は、前記第3画素電極と前記第4画素電極との少なくとも一方と、重畳してもよい。
【0014】
(8)また、上記アクティブマトリクス基板は、上記(7)に加え、前記列配線は、前記第3画素電極と前記第4画素電極との少なくとも一方に向けて突出しており、その突出している部分において前記第3画素電極と前記第4画素電極との少なくとも一方と重畳してもよい。
【0015】
(9)また、上記アクティブマトリクス基板は、上記(1)から(8)のいずれか1つに加え、前記第1接続電極および前記第2接続電極は、前記第1画素電極および前記第2画素電極のそれぞれと一体で設けられた接続電極であってもよい。
【0016】
(10)また、上記アクティブマトリクス基板は、上記(1)から(8)のいずれか1つに加え、前記接続電極は、前記第1画素電極および前記第2画素電極のそれぞれと別体で設けられた接続電極であってもよい。
【0017】
(11)また、上記アクティブマトリクス基板は、上記(1)から(10)のいずれか1つに加え、所定の基準電位を供給する、少なくとも一つの共通電極を備え、前記一つの列配線は、前記共通電極と接続される共通電極配線であってもよい。
【0018】
(12)また、上記アクティブマトリクス基板は、上記(11)に加え、前記接続電極の少なくとも一部は、前記共通電極と同一層に配されてもよい。
【0019】
(13)また、上記アクティブマトリクス基板は、上記(11)または(12)に加え、前記共通電極は、前記複数のソース配線とそれぞれ重畳する複数の第1開口部と、前記共通電極配線と重畳する第2開口部と、を有してもよい。
【0020】
(14)また、上記アクティブマトリクス基板は、上記(1)から(13)のいずれか1つに加え、前記共通電極は前記共通電極配線と接続される接続部を備えており、前記接続部は、前記複数のゲート配線のうちの隣り合う2つのゲート配線間の領域と重畳しており、前記隣り合う2つのゲート配線間の領域には、前記複数の画素電極のうちのいずれの画素電極も配置されていなくてもよい。
【0021】
(15)また、上記アクティブマトリクス基板は、上記(1)から(10)のいずれか1つに加え、所定の基準電位を供給する、少なくとも一つの共通電極を備え、前記共通電極は、スリットによってマトリクス状に分割されて、タッチされた位置を検出可能な複数のセンサ電極を兼ねており、前記一つの列配線は、前記複数のセンサ電極のいずれかと接続されるセンサ電極配線を兼ねていてもよい。
【0022】
(16)また、上記アクティブマトリクス基板は、上記(15)に加え、前記複数の列配線は、同一の前記センサ電極内の複数個所を接続し、その長さが前記センサ電極の前記第2方向の長さの2倍より短い、短絡配線を含んでいてもよい。
【0023】
(17)また、上記アクティブマトリクス基板は、上記(15)または(16)に加え、前記共通電極は前記センサ電極配線と接続される接続部を備えており、前記スリットの一部は、前記複数のゲート配線のうちの隣り合う2つのゲート配線間の領域と重畳しており、前記隣り合う2つのゲート配線間の領域には、前記複数の画素電極のうちのいずれの画素電極も配置されておらず、前記スリットは、前記接続部と重畳していなくてもよい。
【0024】
(18)また、上記アクティブマトリクス基板は、上記(1)から(17)のいずれか1つに加え、所定の基準電位を供給する、少なくとも一つの共通電極を備え、前記一つの列配線は、前記共通電極と接続される共通電極配線であり、前記複数のソース配線に対してデータ電圧を供給するソースドライバと、前記第1ソース配線と前記ソースドライバとを接続する第1引き出し配線と、前記第2ソース配線と前記ソースドライバとを接続する第2引き出し配線と、前記共通電極配線と前記ソースドライバとを接続する第3引き出し配線と、をさらに備え、前記第1引き出し配線、および前記第3引き出し配線の少なくとも一部は、第1金属膜からなり、前記第2引き出し配線は、前記第1金属膜とは異なる層に配された第2金属膜からなっていてもよい。
【0025】
(19)また、上記アクティブマトリクス基板は、上記(18)に加え、前記第3引き出し配線は、前記第1金属膜と前記第2金属膜とにマルチレイヤ化されていてもよい。
【0026】
(20)本技術に関わる表示パネルは、上記(1)から(19)のいずれか1つのアクティブマトリクス基板と、前記複数の画素電極に対向する複数の着色部を有するカラーフィルタとを備え、前記着色部は、互いに異なる色の第1着色部と、第2着色部と、第3着色部とからなり、前記着色部は、前記第1着色部、前記第2着色部、前記第3着色部が前記第1方向に沿って順に繰り返し配され、前記第2方向に沿って同一色が配されていてもよい。
【0027】
(21)また、上記表示パネルは、上記(20)に加え、前記画素電極に印加される電圧によって配向状態が変化する液晶分子を含む液晶層を備える液晶表示パネルであってもよい。
【発明の効果】
【0028】
本願明細書に記載の技術によれば、ソース配線の数を削減しつつ、表示不良をより確実に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】一実施形態に係る液晶パネルの平面図
図2】液晶パネルの断面図
図3】アクティブマトリクス基板の表示領域における構成を模式的に示す平面図
図4図3の部分拡大図
図5】画素電極の電圧極性を示す平面図
図6図4の配線レイアウトパターンを示す平面図
図7】共通電極の配線レイアウトパターンを示す平面図
図8図6および図7を重ね合わせた平面図
図9図6および図8のI-I線位置で切断した液晶パネルの断面図
図10図6および図8のII-II線位置で切断した液晶パネルの断面図
図11図6および図8のIII-III線位置で切断した液晶パネルの断面図
図12図1の引き出し配線の断面図
図13】比較例1に係るアクティブマトリクス基板における画素電極の電圧極性を示す平面図
図14】他の実施形態に係る液晶パネルの表示領域における構成を模式的に示す平面図
図15】他の実施形態に係る液晶パネルの平面図
図16】センサ電極を分割するスリットを示す平面図
図17】他の実施形態に係る液晶パネルの配線レイアウトパターンを示す平面図
図18】他の実施形態に係る液晶パネルを図6および図8のI-I線位置で切断した断面図
図19】他の実施形態に係る液晶パネルを図6および図8のII-II線位置で切断した断面図
図20】他の実施形態に係る液晶パネルを図6および図8のIII-III線位置で切断した断面図
図21】他の実施形態に係る液晶パネルの配線レイアウトパターンを示す平面図
図22】他の実施形態に係る液晶パネルを図6および図8のI-I線位置で切断した断面図
図23】他の実施形態に係る液晶パネルを図6および図8のII-II線位置で切断した断面図
図24】他の実施形態に係る液晶パネルを図6および図8のIII-III線位置で切断した断面図
図25】他の実施形態に係る液晶パネルを図6および図8のI-I線位置で切断した断面図
図26】他の実施形態に係る液晶パネルを図6および図8のI-I線位置で切断した断面図
図27】他の実施形態に係る引き出し配線の断面図
【発明を実施するための形態】
【0030】
<実施形態1>
本技術の実施形態1を図1から図12を参照して説明する。本実施形態では、液晶パネル10(表示パネルの一例)を備えた液晶表示装置100(表示装置の一例)について例示する。なお、各図面の一部にはX軸、Y軸およびZ軸を示しており、各軸方向が各図面で共通する方向となるように描かれている。また、各断面図においては、図の上側を液晶パネル10の表側(表示面側)とし、下側を裏側(背面側)とする。
【0031】
液晶表示装置100は、おおまかには、液晶パネル10と、液晶パネル10に光を照射する既知のバックライト装置(照明装置)と、を備える。液晶パネル10の面内は、図1に示すように、表示領域(アクティブエリア)AAと、非表示領域(ノンアクティブエリア)NAAと、に区分されている。表示領域AAは、面内の中央側の領域であり、画像が表示される。非表示領域NAAは、表示領域AAを取り囲む枠状(額縁状)の領域であり、画像は表示されない。図1では、一点鎖線が表示領域AAの外形を表しており、当該一点鎖線よりも外側の領域が非表示領域NAAとなっている。液晶パネル10の形状は、図1の平面図では縦長の矩形状であるが、それ以外の形状であっても構わない。
【0032】
非表示領域NAAには、液晶パネル10を駆動するために、ソースドライバ12、および2つのGDM回路(Gate Driver Monolithic circuit)部14が設けられている。ソースドライバ12は、ソース駆動回路を内蔵するLSIである。GDM回路部14は、基板30上にモノリシックに形成されたゲート駆動回路である。ソースドライバ12、およびGDM回路部14は、非表示領域NAAに一端部が実装されたフレキシブル基板13と接続されている。フレキシブル基板13の他端部は、各種信号の供給源である外部のコントロール基板と接続されている。
【0033】
液晶パネル10は、図2の断面図に示すように、2つの基板20,30と、液晶層15と、シール部16と、2つの偏光板17,18と、を有する。液晶層15は、液晶分子を含む媒質層であり、基板20,30間に挟持されている。シール部16は、基板20,30の外周縁部を貼り合わせ、液晶層15を封止している。偏光板17,18は、貼り合わされた基板20,30の外面側にそれぞれ貼り付けられている。基板20,30のうち表側の基板がCF基板(カラーフィルター基板、対向基板)20とされ、裏側の基板がアクティブマトリクス基板(アレイ基板、TFT基板)30とされる。CF基板20およびアクティブマトリクス基板30は、ガラス基板GSの内面側にパターン化された各種の薄膜20A,30Aがそれぞれ積層形成されたものである。各種の薄膜20A,30Aは、ガラス基板GS上に既知のリソグラフィー法によって積層形成された後、液晶層15に含まれる液晶分子を配向させるための配向膜が塗布されて成膜される。配向膜は、ポリイミド樹脂等の絶縁材料からなる。
【0034】
アクティブマトリクス基板30の表示領域AAには、図3の平面図に示すように、複数のソース配線(データ線、信号線)41と、複数のゲート配線(走査線)42と、複数の共通電極配線43(列配線の一例)と、複数のTFT(Thin Film Transistor、薄膜トランジスタ)46(スイッチング素子の一例)と、複数の画素電極47と、共通電極48と、複数の接続電極45とが形成されている。ゲート配線42は、X軸方向(行方向(第1方向)の一例)に沿って延在する。ゲート配線42は、図1に示すように、左右端部が非表示領域NAAに延伸して、2つのGDM回路部14の少なくとも一方に接続されている。ゲート配線42には、GDM回路部14からゲート電圧(走査信号)が供給される。
【0035】
ソース配線41は、図3に示すように、ゲート配線42と交差するY軸方向(列方向(第2方向)の一例)に沿って延在する。ソース配線41は、図1に示すように、非表示領域NAAの第1引き出し配線61、または第2引き出し配線62を介してソースドライバ12に接続されている。ソース配線41には、ソースドライバ12からデータ電圧(画像信号)が供給される。データ電圧は、1表示フレーム毎に各ソース配線41の極性が反転する、フレーム反転駆動方式で供給される。これにより、液晶層15の液晶分子の方向が特定方向を向いた状態になってしまう、いわゆる焼き付きを抑制できる。また、データ電圧は、各表示フレームにおいて、隣り合う2つのソース配線41の電圧極性が逆極性となるように供給される。ソース配線41の約半数は、第1引き出し配線61に接続されており、第1引き出し配線61を介して一極性(例えば、正極性+)のデータ電圧が供給される。また、ソース配線41の残りの約半数は、第2引き出し配線62に接続されており、第2引き出し配線62を介して他極性(例えば、負極性-)のデータ電圧が供給される。
【0036】
共通電極配線43は、Y軸方向に沿って延在し、非表示領域NAAの第3引き出し配線64を介してソースドライバ12に接続されている。共通電極配線43には、ソースドライバ12から所定の基準電位が供給される。共通電極配線43は、TFT46とは接続されない。ここで、「TFT46とは接続されない」とは、TFT46のドレイン電極46R、ソース電極46S、およびゲート電極46Gのいずれとも、電気的に直接接続されないことを指す。
【0037】
画素電極47は、縦長の略矩形状をなし、マトリクス状に配されている。TFT46は、各画素電極47に1つずつ接続されている。TFT46のドレイン電極46R、ソース電極46S、およびゲート電極46Gはそれぞれ、画素電極47、ソース配線41、およびゲート配線42に接続されている。
【0038】
共通電極48は、図3および図4(部分拡大図)では省略されているが、表示領域AAのほぼ全域に亘って形成されている。共通電極48は、共通電極配線43と接続されており、共通電極配線43を通して所定の基準電位が供給される。
【0039】
TFT46に対してゲート配線42を通じてゲート電圧が印加され、ソース配線41を通じてデータ電圧が印加されると、画素電極47と共通電極48との電位差が変化する。この電位差によって液晶層15に印加される電界が制御され、液晶分子の配向状態が適切にスイッチングされて、液晶パネル10が駆動される。共通電極48には後述するように第3開口部52が設けられており、これにより共通電極48と画素電極47との間にはいわゆるフリンジ電界(斜め電界)が生じるものとされる。従って、液晶パネル10は、いわゆるFFS(Fringe Field Switching)モードで動作する。なお、フリンジ電界を発生させるための開口部は、画素電極47に形成されていても構わない。また、液晶パネル10の動作モードは、FFS以外(例えばIPS(In-Plane-Switching)モード等)であっても構わない。
【0040】
CF基板20の表示領域AAには、図9から図11の断面図に示すように、カラーフィルタ22と、遮光部(ブラックマトリクス)23と、オーバーコート膜24と、が形成されている。カラーフィルタ22は、赤色、緑色、および青色(R,G,B)の3色の着色部22R,22G,22Bからなる。着色部22R,22G,22Bは、各色に対応する波長範囲の光を透過する。着色部22R,22G,22Bは、アクティブマトリクス基板30の画素電極47と対向する位置にマトリクス状に設けられている。着色部22R,22G,22Bは、行方向に沿ってこの順に繰り返し配され、列方向に沿って同一色が配されている。ブラックマトリクス23は、アクティブマトリクス基板30のゲート配線42、ソース配線41、共通電極配線43、およびTFT46と重畳するように、格子状に設けられている。また、CF基板20の外面側には、帯電防止用の導電層26がほぼ全域にわたってベタ状に設けられている。なお、図2では導電層26は省略されている。
【0041】
1色の着色部、およびこれと対向する1つの画素電極47の組によって構成される単位が、1つの画素PIX(絵素、サブ画素)である。図3から図6の平面図の画素電極47に示されたR,G,Bの各文字は、その画素電極47を含む画素が、R画素、G画素、又はB画素のいずれであるかを示している。画素PIXは、マトリクス状に配されている。液晶パネル10は、R画素、G画素、およびB画素の3つの画素を1つの表示単位として、表示単位毎に所定の色味にカラー表示される。本実施形態では、図4に示す、4つずつのR画素、G画素、およびB画素の配線パターンが、行方向および列方向に繰り返し並んでいる。
【0042】
ゲート配線42は、図3から図4に示すように、隣り合う2つの画素行毎に、3つずつ設けられている。ゲート配線42は、第1ゲート配線42A、第2ゲート配線42B、および第3ゲート配線42Cを含んでいる。第1ゲート配線42Aと第2ゲート配線42Bは、画素電極47を挟んで隣り合い、第2ゲート配線42Bと第3ゲート配線42Cは、画素電極47を挟んで隣り合っている。
【0043】
ソース配線41は、図3から図4に示すように、隣り合う3つの画素列毎に2つずつ設けられている。ソース配線41は、第1ソース配線41A、および第2ソース配線41Bを含んでいる。第1ソース配線41Aは共通電極配線43の一方側に配されており、第2ソース配線41Bは共通電極配線43の他方側に配されている。
【0044】
TFT46は、図4に示すように、第1TFT46A、第2TFT46B、第3TFT46C、及び第4TFT46Dを含んでいる。第1TFT46A、および第4TFT46Dは第2ソース配線41Bに接続されており、第2TFT46B、および第3TFT46Cは第1ソース配線41Aに接続されている。また、第1TFT46Aは第1ゲート配線42Aに、第2TFT46Bは第2ゲート配線42Bに、第4TFT46Dは第3ゲート配線42Cにそれぞれ接続されている。第3TFT46Cは、第2ゲート配線42Bを除くゲート配線42のいずれかに接続されていればよく、本実施形態では第3ゲート配線42Cに接続されている。
【0045】
共通電極配線43は、図3および図4に示すように、隣り合う3つの画素列毎に1つずつ設けられている。共通電極配線43は、第1ソース配線41Aと第2ソース配線41Bとの間に設けられている共通電極配線43を多数設けることで、共通電極48内の抵抗分布を小さくし、基準電位を安定的に保つことができるようになる。また、後述する実施形態2に説明するように、共通電極配線43を、タッチパネル機能を実現するためのセンサ電極配線143Aとしても利用できるようになる。
【0046】
接続電極45は、図3から図4に示すように、共通電極配線43と交差しており、画素電極47とTFT46とを接続している。接続電極45は、第1接続電極45A、及び第2接続電極45Bを含んでいる。
【0047】
画素電極47は、図3に示すように、列方向の位置によって、TFT46を介して接続されるソース配線41が異なっている。画素電極47は、第1行に配置された第1画素電極47Aおよび第2画素電極47Bと、第1行と隣り合う第2行に配置された第3画素電極47Cおよび第4画素電極47Dとを含んでいる。第1画素電極47Aおよび第3画素電極47Cは、行方向について共通電極配線43の一方側(図3では左側)に配置され、第2画素電極47Bおよび第4画素電極47Dは、行方向について共通電極配線43の他方側(図3では右側)に配置されている。第1画素電極47Aは、第1接続電極45Aを経由して第1TFT46Aと接続されており、第2画素電極47Bは、第2接続電極45Bを経由して第2TFT46Bと接続されている。第3画素電極47Cは第3TFT46Cと接続されており、第4画素電極47Dは第4TFT46Dと接続されている。
【0048】
上記した配線構成によれば、図5の平面図に示すように、隣り合うソース配線41に対して逆極性のデータ電圧が印加されると、画素電極47の電圧極性は、列方向および行方向のそれぞれについて交互に異なるものとなる。例えば、第1ソース配線41Aに負極性のデータ電圧が印加され、第2ソース配線41Bに正極性のデータ電圧が印加されると、第2ソース配線41Bに第1TFT46Aを介して接続される第1画素電極47Aの電圧極性は正極性(図5では縦縞で図示)となり、第2ソース配線41Bに第4TFT46Dを介して接続される第4画素電極47Dの電圧極性は正極性となる。また、第1ソース配線41Aに第2TFT46Bを介して接続される第2画素電極47Bの電圧極性は負極性(図5では横縞で図示)となり、第1ソース配線41Aに第3TFT46Cを介して接続される第3画素電極47Cの電圧極性は負極性となる。
【0049】
従って、液晶パネル10は、隣り合うソース配線41に対して逆極性のデータ電圧を印加すると、画素(ドット)毎に画素電極47の電圧極性が逆極性となる(反転する)、いわゆるドット反転駆動が可能に構成されている。ドット反転駆動によれば、画素電極47の電圧極性が、列方向および行方向の何れに対しても一方の極性に偏りにくくなり、フリッカーや筋状の表示不良を抑制できる。また、ドット反転駆動を行う際、1表示フレーム毎に各ソース配線41の極性を反転することで、低消費電力化できる。
【0050】
次に上記した配線構成の平面レイアウトパターンについて説明する。第2画素電極47Bは、図6の平面図および図9の断面図に示すように、第2接続電極45Bを経由して第2TFT46Bのドレイン電極46Rと接続されている。第2接続電極45Bは、共通電極配線43と第1層間絶縁膜54(絶縁層の一例)を介して交差する。第2接続電極45Bは、第2画素電極47Bの一部と接続され、第2画素電極47Bから共通電極配線43を跨ぎ、第2TFT46Bのドレイン電極46Rと重畳する位置まで突出している。第2接続電極45Bは、第2画素電極47Bと同じ層(後述する第1透明電極膜)に第2画素電極47Bと一体で形成されている。第2接続電極45Bは、第2画素電極47Bと同じ層(第1透明電極膜)のうち、後述するブラックマトリクス23と重畳し、かつ第2画素電極47Bが含まれる画素とは異なる画素まで延出している部分である。第2接続電極45Bは、ドレイン電極46Rとコンタクトホールを通じて層間接続されている。第2接続電極45Bを設けることで、第2画素電極47Bとドレイン電極46Rとを、共通電極配線43を跨いで接続できるようになる。第2接続電極45Bと共通電極配線43との間には、第1層間絶縁膜54が介在しているため、両者の間にリーク電流は生じない。第2接続電極45Bと共通電極配線43との間には、寄生容量(補助容量)C45が生じることとなる。第1接続電極45Aの構成は、上記した第2接続電極45Bと同様であるため、重複する説明は省略する。
【0051】
共通電極48には、図7から図8の平面図に示すように、複数の第1開口部50、複数の第2開口部51、および複数の第3開口部52が形成されている。第1開口部50は、ソース配線41と重畳している。第1開口部50によって、共通電極48とソース配線41との間に生じる寄生容量が低減されている。第2開口部51は、共通電極配線43と重畳している。第2開口部51によって、共通電極48と共通電極配線43との間に生じる寄生容量が低減されている。第3開口部52は、画素電極47と重畳し、1つの画素電極47に対して3つずつ形成されている。各第3開口部52の幅(行方向の長さ)は数μm程度である。
【0052】
共通電極48は、共通電極配線43と接続される接続部49(層間接続部)を備える。接続部49は、図8の平面図および図11の断面図に示すように、画素電極47が配置されていない、2つのゲート配線42間の領域と重畳している。当該2つのゲート配線42間の領域は、後述するブラックマトリクス23と重畳しており表示に寄与しない。また、当該2つのゲート配線42間の領域は、画素電極47とは一定程度、離間した位置にある。さらに、2つのゲート配線42は歩留まりの観点から所定の間隔を空けて配されるため、当該2つのゲート配線42間の領域は、接続部49を形成可能なスペースを有している。そこで、当該2つのゲート配線42間の領域に接続部49を設けることで、開口率が低下したり、液晶層15の配向乱れが生じたりすることなく、スペースを有効活用できる。
【0053】
次に、アクティブマトリクス基板30の層構成について図9から図11の断面図を参照して説明する。TFT46のゲート電極46G、およびゲート配線42は、ガラス基板GS上に積層されたゲート金属膜(第1金属膜の一例)からなる。TFT46のソース電極46S、ドレイン電極46R、ソース配線41、および共通電極配線43は、ソース金属膜(第2金属膜の一例)からなる。ソース金属層は、ゲート金属膜の上層側にゲート絶縁膜56を介して積層される。TFT46は、ボトムゲート型のTFTとされ、これらの形成領域には、ゲート絶縁膜56とソース金属膜との間に、TFT46のチャネル領域となる半導体膜57が積層されている。ソース金属膜の上には、第1層間絶縁膜(パッシベーション膜)54が積層されている。画素電極47は第1層間絶縁膜54の上に積層された第1透明電極膜からなる。共通電極48は、第1透明電極膜の上層側に、第2層間絶縁膜(パッシベーション膜)58を介して積層された第2透明電極膜からなる。なお、これらの断面図では配向膜は省略されている。
【0054】
また、非表示領域NAAの第1引き出し配線61,および第3引き出し配線64は、図12の断面図に示すように、ゲート金属膜からなる。第2引き出し配線62は、ソース金属膜からなる。第1引き出し配線61,および第2引き出し配線62は、第3引き出し配線64と重畳しない位置で、階層化されている。これにより、狭額縁化しつつ、共通電極配線43と接続される第3引き出し配線64の負荷を軽減できる。特に、実施形態2にて説明するように、共通電極配線43をセンサ電極配線143Aとしても利用する場合、共通電極配線43(センサ電極配線143A)および第3引き出し配線64の信号鈍りを抑制しやすくなる。その結果、表示品位や検出精度を向上できる。
【0055】
ゲート金属膜およびソース金属膜は、銅(Cu)等の金属、合金の単層膜又はこれらの積層膜からなる。ゲート金属膜およびソース金属膜の材料は、同一であっても、異なっていても構わない。ゲート絶縁膜56,層間絶縁膜54,58は、酸化シリコン(SiOx)、酸窒化ケイ素(SiON)、窒化ケイ素(SiNx)等の単層又はその積層である透明な無機絶縁材料からなる。半導体膜57は、酸化物半導体、アモルファスシリコン等からなる。第1、第2透明電極膜は、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)等の透明電極材料からなる。
【0056】
続いて、以上説明したアクティブマトリクス基板30の作用および効果を説明する。アクティブマトリクス基板30は、隣り合う3つの画素列に対して第1ソース配線41Aと、第2ソース配線41Bと、第1ゲート配線42Aと、第2ゲート配線42Bと、第3ゲート配線42Cと、を備える。このようにすれば、より一般的な構成である、3つの画素列毎に3つずつのソース配線41およびゲート配線42を備える場合に比べて、ソース配線41の数を削減できる。ソース配線41の数を削減することで、ソースドライバ12を低コスト品に置き換えたり、ソースドライバ12の数を増やさずに済むようになる。また、狭額縁化も可能となる。さらに、削減されたソース配線41のスペースに、共通電極配線43を設けることで、3つずつのソース配線41の間に1つずつ共通電極配線43を設ける場合に比べて、共通電極配線43を設けるためのスペースを削減し、その分開口率を高められるようになる。さらに、実施形態3に説明するように、削減したソース配線41のスペースにセンサ電極配線143Aを設けることで、省スペースにタッチパネル機能を実現できるようになる。
【0057】
一方で、ソース配線41の数を削減すると、配線設計上、フリッカーや筋状の表示不良が生じやすくなってしまう。例えば、図13の平面図に示す比較例1に係るアクティブマトリクス基板930の場合、R画素列、およびB画素列の画素電極947は、列方向の位置によって、TFT46を介して接続されるソース配線41が異なっておらず、同一のソース配線41に接続されている。例えば、B画素列の画素電極947は、TFT46を介して第1ソース配線41Aに接続されているが、第2ソース配線41Bには接続されていない。画素電極947は、本実施形態に係る画素電極47と異なり、接続電極45を経由して第2ソース配線41Bと繋がるTFT46には接続されていない。このため、B画素列の画素電極947の電圧極性は、一方に偏りやすくなり、フリッカーや筋状の表示不良が生じやすくなってしまう。仮に、第1ソース配線41Aと第2ソース配線41Bに印加するデータ電圧の極性を、図13に示すように同一極性にした場合であっても、R画素列、およびB画素列の画素電極947は、同一のソース配線41に接続されているため、一方に偏り、フリッカーや筋状の表示不良が生じやすくなってしまう。
【0058】
これに対して本実施形態に係るアクティブマトリクス基板30では、既述した構成とすることで、画素電極47の電圧極性は、R画素列、G画素列、およびB画素列のいずれについても、列方向に沿って一方に偏らない。その結果、ドット反転駆動を実現できるようになり、画素電極47の電圧極性を、列方向および行方向の何れに対しても一方の極性に偏らないようにできるため、フリッカーや筋状の表示不良をより確実に抑制できる。
【0059】
<実施形態2>
実施形態2に係る配線構成について図14の平面図を参照して説明する。本実施形態はTFT146の配置等が実施形態1と異なる。実施形態2において、実施形態1と同様の構成、作用および効果については重複する説明は省略する。
【0060】
本実施形態では、第1TFT146Aは第2ゲート配線42Bに、第2TFT146Bは第1ゲート配線42Aに、第4TFT146Dは第3ゲート配線42Cにそれぞれ接続されている。第3TFT146Cは、第1ゲート配線42Aを除くゲート配線42のいずれかに接続されていればよく、本実施形態では第3ゲート配線42Cに接続されている。
【0061】
<実施形態3>
実施形態3に係る液晶パネル110について図15から図17の平面図を参照して説明する。液晶パネル110は、使用者が入力する位置を検出するタッチパネル機能を有する点が実施形態1と異なる。実施形態3において、実施形態1と同様の構成、作用および効果については重複する説明は省略する。
【0062】
アクティブマトリクス基板130は、図15に示すように、複数のセンサ電極148と、複数のセンサ電極配線143A(列配線の一例)と、複数の短絡配線143B(列配線の一例)と、を備える。センサ電極148は、入力位置を検出するための電極であり、表示領域AA内にマトリクス状に配されている。使用者が液晶パネル110の表面(表示面)に指(導電体である位置入力体)を近づけると、指とセンサ電極148との間で静電容量が形成される。これにより、指の近くにあるセンサ電極148にて検出される静電容量には変化が生じ、指から遠くにあるセンサ電極148とは異なるものになるので、それに基づいて入力位置が検出される。液晶パネル110は、このように検出方式として自己容量方式を用いているが、相互容量方式であっても構わない。
【0063】
センサ電極148は、実施形態1に係る共通電極48をスリット55によって矩形状に分割したものである。センサ電極148は、共通電極48の機能も兼ねている。スリット55は、センサ電極148の平面サイズが画素電極47よりも遙かに大きくなる(例えば2mm角から5mm角となる)ように、格子状に設けられている。行方向に沿うスリット55の少なくとも一部は、図16から図17に示すように、画素電極47を挟まずに隣り合う、2つのゲート配線42間の領域と重畳している。また、列方向に沿うスリット55は、ソース配線41、センサ電極配線143A、および短絡配線143Bの少なくともいずれかと重畳している。これらの領域は、ブラックマトリクス23と重畳していることから、開口率を低下せずに、スリット55を設けることができる。ただし、スリット55との重畳の有無によって、配線に生じる容量に差が生じ、表示品位に影響が生じる懸念がある。このため、列方向に沿うスリット55は、表示品位に及ぼす影響ができるだけ小さい配線に対して、重畳する位置に設けることが好ましい。例えば、後述する他の実施形態(1)に説明するダミー配線が設けられる場合、ダミー配線と重畳する位置に設けることが好ましい。
【0064】
センサ電極配線143Aは、図15に示すように、列方向に沿って延在し、センサ電極148と接続される。センサ電極配線143Aは、共通電極配線43の機能も兼ねている。センサ電極配線143Aは、各センサ電極148に対して少なくとも1つ接続される。センサ電極148とセンサ電極配線143Aとの接続部149は、画素電極47が配置されていない2つのゲート配線42間の領域のうち、スリット55が形成されていない領域に形成される。換言すると、接続部149は、スリット55とは重畳しない。
【0065】
センサ電極配線143Aは、実施形態1に係る共通電極配線43と同様に、隣り合う3つの画素列毎に1つずつ設けられている。センサ電極配線143Aは、第3引き出し配線164からセンサ電極148まで列方向に沿って延出している。センサ電極配線143Aは、第3引き出し配線164を介して、ソースドライバ112内の位置検出回路に接続されている。センサ電極配線143Aは、表示機能に係る基準電位信号と、タッチパネル機能に係る位置検出信号と、を異なるタイミングでセンサ電極148に供給する。基準電位信号は、同じタイミングで全てのセンサ電極配線143Aに伝送されることで、全てのセンサ電極148が基準電位となって共通電極48として機能する。
【0066】
短絡配線143Bは、図15に示すように、列方向に沿って延在し、センサ電極配線143Aの延長線上に設けられている。短絡配線143Bは、同一センサ電極148内の複数個所を接続(短絡)している。短絡配線143Bの長さは、列方向についてセンサ電極148の1辺の長さの2倍より短く、より詳細には、センサ電極148の1辺の長さと同程度であるか、センサ電極148の1辺の長さより短い。短絡配線143Bには、ソースドライバ12からの信号は入力されない。短絡配線143Bによれば、同一センサ電極148内の電位を瞬時に均一化しやすくなり、検出精度を向上できる。
【0067】
本実施形態によれば、削減したソース配線41のスペースに、センサ電極配線143A、および短絡配線143Bを設けることで、省スペース、かつ高精度にタッチパネル機能を実現できる。
【0068】
<実施形態4>
実施形態4に係る液晶パネル210について図18から図20の断面図を参照して説明する。液晶パネル210は、アクティブマトリクス基板230の層構成、および接続電極145の構成が実施形態1と異なる。実施形態4において、実施形態1から実施形態3と同様の構成、作用および効果については重複する説明は省略する。
【0069】
アクティブマトリクス基板230では、図18に示すように、第1透明電極膜からなる画素電極247が、ソース金属膜からなるソース電極46S、ドレイン電極46R、ソース配線41、および共通電極配線43と同じ層に積層される。第1透明電極膜は、ゲート絶縁膜56上に形成される。また、第1透明電極膜およびソース金属膜の上には、第1層間絶縁膜54が形成される。共通電極248は、第1層間絶縁膜54上に積層された第2透明電極膜からなる。
【0070】
接続電極145は、実施形態1と異なり、画素電極247と別体で形成される。接続電極145は、共通電極248と同じ第2透明電極膜からなり、共通電極248と同じ層に配されている。接続電極145の一端部は、画素電極247と層間接続され、他端部はドレイン電極46Rと層間接続されている。接続電極145は、共通電極配線43を跨いで両者を接続しており、共通電極配線43と第1層間絶縁膜54を介して交差している。なお、接続電極145は、共通電極248を形成する第2透明電極膜をパターン化して形成されるため、共通電極248は、接続電極145と導通しないようにするための開口部を有するものとされる。
【0071】
本実施形態によれば、実施形態1と異なり第2層間絶縁膜を設けずに済むため、製造工程数を削減できる。また、フリンジ電界の横成分(面内方向に沿う成分)の強度を高めやすくなる。さらに、接続電極145は、第2透明電極膜を用いて画素電極247とは別体で形成されるため、第1透明電極膜のうち画素電極247を含む部分のパターン形状を共通化しやすくなる。
【0072】
<実施形態5>
実施形態5に係るアクティブマトリクス基板330の配線レイアウトパターンについて図21の平面図を参照して説明する。アクティブマトリクス基板330は、共通電極配線243に重畳部59が設けられている点が実施形態1と異なる。実施形態5において、実施形態1から実施形態4と同様の構成、作用および効果については重複する説明は省略する。
【0073】
接続電極45と共通電極配線243との間には、実施形態1において説明したように補助容量C45が発生する。このため、接続電極45と接続される第1画素電極47A、または第2画素電極47Bを含む画素PIXと、接続電極45と接続されない第3画素電極47C、または第4画素電極47Dを含む画素PIXとでは、画素電極47に生じる容量が補助容量C45だけ異なるものとなり、フリッカーや焼き付き等、表示不良が生じる懸念がある。
【0074】
そこで本実施形態に係るアクティブマトリクス基板330は、第3画素電極47Cおよび第4画素電極47Dに、補助容量C45と同程度の大きさの容量をあえて発生させて、容量合わせを行うための構成を備える。具体的には、図21に示すように、接続電極45と交差する共通電極配線243の一部に、第3画素電極47Cおよび第4画素電極47Dとの重畳部59を設ける。重畳部59は、共通電極配線243の一部が、第3画素電極47Cおよび第4画素電極47Dと重畳する位置まで左右に突出している部分である。重畳部59は、第3画素電極47Cおよび第4画素電極47Dと重畳するが、層間接続されない。これにより、画素電極47に生じる容量を画素PIX間で均一化できるようになり、フリッカーや焼き付き等の表示不良を抑制できる。
【0075】
重畳部59の形状、および大きさは、画素電極47に生じる容量が均一化されるように、調整されるものとされる。または、接続電極45の形状、および大きさを調整してもよい。
【0076】
重畳部59は、補助容量C45と同程度の大きさの容量を発生させることができれば、図21に示される位置(第3TFT46C、第4TFT46Dの対角位置)以外に設けられていても構わない。ブラックマトリクス23と重畳する領域内で、重畳部59を設けられるスペースが確保可能な位置であれば良い。例えば、第3画素電極47C、第4画素電極47Dと、これらと接続されるドレイン電極46Rとの層間接続部60に隣接する位置に設けても構わない。
【0077】
なお、重畳部59は、第3画素電極47Cと第4画素電極47Dの両方でなく、少なくとも一方と重畳していればよい。さらには、重畳部59は、共通電極配線243以外に設けられていても構わない。例えば、第3画素電極47C、第4画素電極47Dに、共通電極配線243との重畳部を形成しても構わない。また例えば、実施形態4に係る層構成とする場合には、接続電極45と同じ層の第2透明電極膜を用いて重畳部を形成しても構わない。
【0078】
<他の実施形態>
本技術は上記記述および図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0079】
(1)接続電極45,145と交差する列配線は、共通電極配線43,243、センサ電極配線143A、および短絡配線143Bに限られない。例えば、共通電極48,248、センサ電極148とは接続されないが、基準電位信号や位置検出信号と同様の信号が印加される配線であっても構わない。また、信号が入力されず、電気的に浮いている状態にあるダミー配線であっても構わない。なお、ダミー配線とする場合には、補助容量C45は発生しないため、実施形態5に説明した容量合わせのための構成(具体的には、重畳部59)は不要である。
【0080】
(2)アクティブマトリクス基板30,130,230,330の表示領域における構成は、図3図14の例示に限られない。
【0081】
(3)アクティブマトリクス基板30,130,230,330における層構成は、他の構成であっても構わない。例えば、図22から図24の断面図に示すように、ガラス基板GS上に第1透明電極膜を積層して画素電極47及び接続電極45をパターン形成し、第1透明電極膜の上にゲート金属膜からなるゲート電極46G、ゲート絶縁膜(絶縁層の一例)を順に積層する構成であっても構わない。このようにすれば、第2層間絶縁膜を設けずに済むため、製造工程数を削減できる。
【0082】
(4)また例えば、図25の断面図に示すように、画素電極47とドレイン電極46Rとの層間接続部60を、共通電極48と同じ層の第2透明電極膜によって形成する構成でも構わない。共通電極48には、当該層間接続部60と導通しないようにするための開口部が形成される。このようにすれば、第1層間絶縁膜54にコンタクトホールを形成する工程を、第2層間絶縁膜にコンタクトホールを形成する工程と統合できるため、使用するフォトマスク数を削減し、製造工程数を削減できる。
【0083】
(5)また例えば、上記した図22および図25に示す層構成を組み合わせることで、図26の断面図に示すような層構成にしても構わない。
【0084】
(6)また例えば、非表示領域NAAの第3引き出し配線64、164は、図27の断面図に示すように、ゲート金属膜と、ソース金属膜との2層にマルチレイヤ化されていても構わない。マルチレイヤ化することで第3引き出し配線64,164を低抵抗化し、信号鈍りをより抑制しやすくなる。その結果、表示品位や検出精度をより向上できる。
【符号の説明】
【0085】
10,110,210,310…液晶パネル(表示パネル)、15…液晶層、22…カラーフィルタ、22R,22G,22B…着色部、30,130,230…アクティブマトリクス基板、41…ソース配線、41A…第1ソース配線、41B…第2ソース配線、42…ゲート配線、42A…第1ゲート配線、42B…第2ゲート配線,42C…第3ゲート配線、43,243…共通電極配線(列配線)、45,145…接続電極、45A…第1接続電極、45B…第2接続電極、46,146…TFT(スイッチング素子)、46A,146A…第1TFT(スイッチング素子)、46B,146B…第2TFT(スイッチング素子)、46C,146C…第3TFT(スイッチング素子)、46D,146D…第4TFT(スイッチング素子)、47,247…画素電極、47A…第1画素電極、47B…第2画素電極、47C…第3画素電極、47D…第4画素電極、48,248…共通電極、49,149…接続部、50…第1開口部、51…第2開口部、54…第1層間絶縁膜(絶縁層)、55…スリット、56…ゲート絶縁膜(絶縁層)、61…第1引き出し配線、62…第2引き出し配線、64,164…第3引き出し配線、143A…センサ電極配線(列配線)、143B…短絡配線(列配線)、148…センサ電極
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