(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-06
(45)【発行日】2024-02-15
(54)【発明の名称】二位置弁を備えたサニタリー器具
(51)【国際特許分類】
E03C 1/042 20060101AFI20240207BHJP
F16K 11/052 20060101ALI20240207BHJP
【FI】
E03C1/042 G
F16K11/052 Z
(21)【出願番号】P 2021553084
(86)(22)【出願日】2020-02-28
(86)【国際出願番号】 EP2020055286
(87)【国際公開番号】W WO2020182490
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2023-01-18
(31)【優先権主張番号】102019105975.5
(32)【優先日】2019-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】513228719
【氏名又は名称】グローエ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Grohe AG
【住所又は居所原語表記】58675 Hemer, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ヤン フィリップ テュースハウス
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルデマー ガイダ
(72)【発明者】
【氏名】アヒム ミールケ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ユング
【審査官】河本 明彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第5184777(US,A)
【文献】米国特許第5937905(US,A)
【文献】特開2004-190693(JP,A)
【文献】実公昭44-11346(JP,Y1)
【文献】特開平9-302741(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/00 - 1/10
F16K 11/052
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サニタリー器具(1)であって、少なくとも、
器具ケーシング(2)と、
第1の噴流形成器(3)と、
第2の噴流形成器(4)と、
二位置弁(5)であって、液体を前記第1の噴流形成器(3)または前記第2の噴流形成器(4)に選択的に供給可能であり、前記二位置弁(5)が、前記器具ケーシング(2)内に配置され、弁体(6)を有しており、該弁体(6)が、前記二位置弁(5)の弁ケーシング(25)内で、前記二位置弁(5)の第1の流出部(8)の第1の弁座(7)と、前記二位置弁(5)の第2の流出部(10)の第2の弁座(9)との間で回転軸線(11)を中心として回転可能に支承されている、二位置弁(5)と、
を有して
おり、
前記弁体(6)が、第1の弁体アーム(15)と第2の弁体アーム(16)とを有するV字形に形成されており、前記第1の弁体アーム(15)と前記第2の弁体アーム(16)は流入部(29)側に延出している、サニタリー器具(1)。
【請求項2】
前記弁体(6)が、前記第1の弁座(7)のための第1のシール面(12)と、前記第2の弁座(9)のための第2のシール面(13)とを有している、請求項1記載のサニタリー器具(1)。
【請求項3】
前記第1のシール面(12)と、前記第2のシール面(13)とが、前記弁体(6)の前記回転軸線(11)に対して平行に延びている、請求項2記載のサニタリー器具(1)。
【請求項4】
前記第1のシール面(12)と前記第2のシール面(13)とが、第1の角度(14)を形成する、請求項2または3記載のサニタリー器具(1)。
【請求項5】
前記第1の角度(14)が、10°~170°である、請求項4記載のサニタリー器具(1)。
【請求項6】
前記第1のシール面(12)が、前
記第1の弁体アーム(15)に配置されており、前記第2のシール面(13)が、前
記第2の弁体アーム(16)に配置されている、請求項2から5までのいずれか1項記載のサニタリー器具(1)。
【請求項7】
前記第1の弁体アーム(15)と、前記第2の弁体アーム(16)とが、第2の角度(17)を形成する、請求項6記載のサニタリー器具(1)。
【請求項8】
前記回転軸線(11)が、前記第1の流出部(8)と前記第2の流出部(10)との間に配置されている、請求項1から
7までのいずれか1項記載のサニタリー器具(1)。
【請求項9】
前記第1の流出部(8)と前記第2の流出部(10)とが、互いに対して平行に延びている、請求項1から
8までのいずれか1項記載のサニタリー器具(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二位置弁を備えたサニタリー器具に関する。このようなサニタリー器具は、特に洗面台、流し台、浴室または浴槽において液体を需要に応じて提供するために役立つ。
【背景技術】
【0002】
液体が様々な噴流形式、たとえば雨状流、直噴流、マッサージ流またはパール状流の形で放出可能であるサニタリー器具が知られている。個別の噴流形式間の切替えは、サニタリー器具に設けられた手動で操作可能な操作エレメントを介して行うことができ、操作エレメントを介して、たとえばサニタリー器具の液体通路内の弁が制御可能であるので、液体を所望の噴流形式のための噴流形成器へと供給可能である。公知の弁は、高い構造空間需要を有しているので、これらの弁は、サニタリー器具内に統合することができないか、またはサニタリー器具を特に大きく形成する必要がある。しかしこれは、サニタリー器具の形状自由度を制限し、さらに材料需要を高めてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明の課題は、先行技術に関連して明らかとなった問題を少なくとも部分的に解決し、特に弁が小さな構造空間需要を有しているサニタリー器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、独立請求項に記載の特徴を備えたサニタリー器具によって解決される。本発明の別の有利な構成は、従属請求項に記載されている。従属請求項に個別に記載された特徴は、技術的に有意な任意の形式で互いに組み合わせることができ、本発明の別の構成を定義することに留意されたい。さらに、特許請求の範囲に記載された特徴は、明細書においてより詳細に明確化かつ説明され、その際に本発明の別の好適な構成が明らかとなる。
【0005】
課題を解決するためには、サニタリー器具であって、少なくとも以下の構成要素、すなわち、
器具ケーシングと、
第1の噴流形成器と、
第2の噴流形成器と、
二位置弁であって、液体を第1の噴流形成器または第2の噴流形成器に選択的に供給可能であり、二位置弁が、器具ケーシング内に配置され、弁体を有しており、弁体が、二位置弁の弁ケーシング内で、二位置弁の第1の流出部の第1の弁座と、二位置弁の第2の流出部の第2の弁座との間で、回転軸線を中心として回転可能に支承されている、二位置弁と、
を有しているサニタリー器具が寄与する。
【0006】
サニタリー器具は、流し台、洗面台、浴室および/または浴槽において液体、特に水を需要に応じて提供するために役立つ。このためには、サニタリー器具に、特に、冷水温度を有する冷水と、温水温度を有する温水とを供給可能であってよい。冷水および温水は、サニタリー器具によって特に、たとえば混合弁によって、または(サーモスタット)混合カートリッジによって混合可能であり、所望の混合水温度を有する混合水を形成する。冷水温度は、特に最大で25℃(摂氏)であり、好適には1℃~25℃であり、特に好適には5℃~20℃であり、かつ/または温水温度は特に最大で90℃であり、好適には25℃~90℃であり、特に好適には55℃~65℃である。混合弁または(サーモスタット)混合カートリッジは、ユーザにより、たとえばレバーの形式である、サニタリー器具の第1の操作エレメントによって操作可能であり、かつ/またはサニタリー器具の器具ケーシング内に配置されていてよい。器具ケーシングは、特に少なくとも部分的にプラスチックおよび/または、たとえば真鍮のような(鋳造)金属から成っている。器具ケーシングは、支持部、たとえばワーキングプレート、流し台、洗面台、浴槽または浴室に取付け可能である。さらに、器具ケーシングは、(突出した、または分岐した)走出部を有している。この走出部は、不動にまたは可動にアーマチュアケーシングに結合されている。走出部は、少なくとも部分的に管状に形成されていてよく、かつ/またはアーマチュアケーシングの部分であってよい。
【0007】
液体は、サニタリー器具を通って複数の噴流形式で放出可能である。このためには、サニタリー器具は、少なくとも第1の噴流形成器と、第2の噴流形成器とを有している。特にサニタリー器具は、第1の噴流形成器および第2の噴流形成器のみを有しており、これにより、液体は、第1の噴流形式および/または第2の噴流形式で放出可能である。噴流形式は、たとえば雨状流、直噴流、マッサージ流および/またはパール状流であってよい。特に、液体は、サニタリーシャワーの使用時には、唯一の噴流形式で、または互いに異なる2つの噴流形式で同時に放出可能であってよい。サニタリー器具は、噴流形式毎に1つの噴流形成器を有していてよい。第1の噴流形成器および/または第2の噴流形成器は、液体のための少なくとも1つのノズルおよび/または少なくとも1つの出口開口を有していてよく、これらのノズルおよび/または出口開口により、それぞれの噴流形式にとって固有の液体の噴射噴流が形成可能である。
【0008】
噴流形式の切替えのために、サニタリー器具は、二位置弁を有している。この二位置弁により、液体を第1の噴流形成器および/または第2の噴流形成器に選択的に供給可能である。二位置弁は、特に少なくとも部分的に器具ケーシング内に配置されており、かつ/またはサニタリー器具の器具ケーシングの走出部内に配置されている。さらに、二位置弁は、特に液体または混合水のための流入部と、2つの流出部とを有している。流入部は、混合弁または(サーモスタット)混合カートリッジに特に液体をガイドするように接続されている。第1の流出部は、第1の流出部管路を介して第1の噴流形成器に、第2の流出部は、第2の流出部管路を介して第2の噴流形成器に液体をガイドするように接続されていてよい。二位置弁はさらに電気的に操作可能であってよい。このために、サニタリー器具は、たとえば押しボタンのような第2の操作エレメントを有していてよく、この第2の操作エレメントにより、サニタリー器具の調節された噴流形式が変更可能である。第2の操作エレメントは、サニタリー器具の制御装置にデータ伝送式に接続されていてよく、制御装置により、二位置弁のアクチュエータが制御可能である。制御装置は、少なくとも1つのマイクロプロセッサを含んでいてよい。二位置弁は、(電気的に作動する)アクチュエータにより操作可能である。アクチュエータは、少なくとも1つの電磁石および/または少なくとも1つのワイヤを含んでいてよく、このワイヤは少なくとも部分的に形状記憶合金から成っている。形状記憶合金から成るワイヤを備えたアクチュエータは、特に小さく形成することができ、これにより構造空間需要をさらに減らすことができる。二位置弁の操作時に、二位置弁の弁体が、二位置弁の弁ケーシング内で、第1の流出部の第1の弁座と、第2の流出部の第2の弁座との間で回転軸線を中心として回転する。このために、弁体が、弁ケーシング内で回転軸線を中心として回転可能に支承されている。弁体は、第1の弁座と第2の弁座との間でたとえば10°~180°、好適には10°~90°、特に好適には30°~60°、極めて特に好適には40°~50°の回転角度で回転可能であってよい。弁体が、第1の弁座に向かって回転されていると、第1の流出部は閉じられている。弁体が、第2の弁座に向かって回転されていると、第2の流出部は閉じられている。弁体が、第1の弁座と第2の弁座との間の回転位置に位置している場合、第1の流出部と第2の流出部とは、少なくとも部分的に開いている。弁体は、フラップの形式で形成されていてよい。これにより、二位置弁を特に小さく形成することができ、これにより器具ケーシング内または器具ケーシングの走出部内に統合することができる。
【0009】
弁体は、第1の弁座のための第1のシール面と、第2の弁座のための第2のシール面とを有していてよい、第1のシール面は、特に、弁体の、弁体が第1の弁座に対して回転している場合に第1の弁座に接触する面である。第2のシール面は、対応して特に、弁体の、弁体が第2の弁座に対して回転している場合に第2の弁座に接触する面である。
【0010】
第1のシール面と第2のシール面とは、弁体の回転軸線に対して平行に延びていてよい。
【0011】
第1のシール面と第2のシール面とは、第1の角度を形成することができる。
【0012】
第1の角度は、10°~170°であってよい。好適には第1の角度は、30°~120°または特に好適には30°~60°である。
【0013】
第1のシール面は、弁体の第1の弁体アームに配置されていてよく、第2のシール面は、弁体の第2の弁体アームに配置されていてよい。第1の弁体アームおよび/または第2の弁体アームは、回転軸線から特に少なくとも部分的に半径方向に延びている。第1のシール面は、特に弁体の第1の回転方向に配向されており、かつ/または第2のシール面は、特に弁体の第2の回転方向に配向されている。
【0014】
第1の弁体アームと第2の弁体アームとは、第2の角度を形成することができる。第2の角度は、特に10°~170°、好適には30°~120°または特に好適には30°~60°であってよい。
【0015】
弁体は、V字形に形成されていてよい。このV字形は、特に第1の弁体アームと第2の弁体アームとにより形成されている。弁体の第1のシール面が第1の弁座に向かって回転している場合、弁体を、V字形によって、特に流入部を介して流入する液体の液圧のみによって、第1の弁座において保持することができる。弁体の第2のシール面が第2の弁座に向かって回転している場合、弁体を、V字形によって、対応して特に、流入部を介して流入する液体の液圧のみによって、第2の弁座において保持することができる。これにより、二位置弁の操作のために必要となる電気エネルギを減らすことができる。
【0016】
回転軸線は、第1の流出部と第2の流出部との間に配置されていてよい。特に、回転軸線は、第1の流出部の第1の流出部通路と第2の流出部の第2の流出部通路との間に配置されていてよい。
【0017】
第1の流出部と第2の流出部とは、互いに平行に延びていてよい。特に、第1の流出部の第1の流出部通路と第2の流出部の第2の流出部通路とは、弁ケーシング内で互いに平行に延びている。これにより、構造空間需要をさらに減らすことができる。
【0018】
本発明および技術的な環境を、以下で図面に基づき詳細に説明する。図面は本発明の特に好適な構成バリエーションを示しているが、本発明はこの構成バリエーションに制限されていないことに留意されたい。図面内の同一の構成部材には同一の参照符号が付されている。図面は例示的かつ概略的である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図3】二位置弁を第1の運転位置で示す断面図である。
【
図4】二位置弁を第2の運転位置で示す断面図である。
【
図5】二位置弁を第3の運転位置で示す断面図である。
【
図6】二位置弁を第1の運転位置でアクチュエータと一緒に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、サニタリー器具1を示している。このサニタリー器具1は、器具ケーシング2を含んでおり、この器具ケーシングの走出部34は、第1の噴流形成器3と第2の噴流形成器4とを有している。器具ケーシング2内には、混合弁18が配置されている。この混合弁18には、冷水管路19を介して冷水温度を有する冷水を供給可能であり、温水管路20を介して温水温度を有する温水を供給可能である。冷水および温水は、混合弁18によって混合可能であり、所望の混合水温度を有する混合水を形成する。混合弁18の操作のために、サニタリー器具1は、第1の操作エレメント21を有している。この第1の操作エレメント21は、本実施形態ではレバーの形式で形成されている。操作エレメント21により、混合水温度と、混合水の体積流量とを調節可能である。混合弁18は、混合水通路22を介して、二位置弁5に供給可能である。二位置弁5により、混合水は、第1の噴流形成器3および/または第2の噴流形成器4に選択式に供給可能である。このために、二位置弁5の第1の流出部8が第1の流出部管路23を介して第1の噴流形成器3に接続されており、第2の流出部10が第2の流出部管路24を介して第2の噴流形成器4に接続されている。サニタリー器具1は、二位置弁5を操作するために、第2の操作エレメント33を有している。この第2の操作エレメント33は、本実施形態では押しボタンの形式で形成されている。第2の操作エレメント33は、
図2および
図6に図示されたアクチュエータ26の制御装置(図示せず)にデータ伝送式に接続されていてよい。
【0021】
図2は、二位置弁5を斜視図で示している。二位置弁5は、第1の流出部8および第2の流出部10を備えた弁ケーシング25を含んでいる。弁ケーシング25内には、弁体6(
図2では見えない)が配置されている。弁体6は、アクチュエータ26により回転軸線11(同様に図示せず)を中心として回転可能に支承されている。
【0022】
図3は、二位置弁5を第1の運転位置で、断面図で示している。弁ケーシング25内に配置された弁体6を確認することができる。弁体6は、第1のシール面12を備えた第1の弁体アーム15と、第2のシール面13を備えた第2の弁体アーム16とを有している。第1のシール面12と第2のシール面13とは、第1の角度14を形成する。この第1の角度は、本実施形態では(約)45°である。さらに、第1の弁体アーム15と第2の弁体アーム16とは、第2の角度17を形成する。この第2の角度17は、本実施形態では同様に(約)45°である。したがって、弁体6は、V字形に形成されている。
図3に示された第1の運転位置では、弁体6は、回転軸線11を中心として(時計回りで)第1の流出部8の第1の弁座7に向かって回転しているので、第1のシール面12が第1の流出部8の第1の流出部通路27を閉じている。二位置弁5の弁ケーシング25は、流入部29を有している。この流入部29は、
図1に示した混合水通路22に接続可能であるので、混合水は、流入部29を介して弁ケーシング25に流入することができる。しかし液体は、第1の流出部8が閉じていることに基づいて、第2の流出部10の第2の流出部通路28を介してのみ二位置弁5から出ることができるので、混合水は、二位置弁5の第1の運転位置では、
図1に示した第2の流出部管路24を介して第2の噴流形成器4に供給可能である。第1の流出部8と第2の流出部10とは、鏡像対称的に形成されているので、第1の流出部8の第1の流出部通路27と、第2の流出部10の第2の流出部通路28とは互いに平行に延びている。回転軸線11は、第1の流出部8と第2の流出部10との間、または第1の流出部通路27と第2の流出部通路28との間に配置されている。
【0023】
図4は、二位置弁5を第2の運転位置で示している。第2の運転位置では、弁体6が中間位置に位置しており、この中間位置では、弁体6は、第1の流出部8も第2の流出部10も閉じていない。これにより、弁ケーシング25に流入部29を介して流入した混合水は、第1の流出部8を介しても第2の流出部10を介しても二位置弁5から出ることができる。したがって、混合水は、
図1に示した第1の流出部管路23と第2の流出部管路24とを介して、第1の噴流形成器3にも第2の噴流形成器4にも供給される。
【0024】
図5は、二位置弁を第3の運転位置で示している。この第3の運転位置では、弁体6が、反時計回りに第2の流出部10の第2の弁座9に向かって回転しているので、第2のシール面13が、第2の流出部10の第2の流出部通路28を閉じている。これにより、弁ケーシング25に流入部29を介して流入した混合水は、第1の流出部8を介してのみ二位置弁5から出ることができる。したがって、混合水は、二位置弁5の第3の運転位置では、
図1に示した第1の流出部管路23を介して第1の噴流形成器3(のみ)に供給可能である。
【0025】
図6は、二位置弁5を第1の運転位置で、図示されたアクチュエータ26と一緒に断面図で示している。弁体6は、弁体軸30を有している。この弁体軸30により、弁体6は回転軸線11を中心として回転可能である。弁体軸30は、回転レバー30に相対回動不能に結合されている。回転レバー30は、スライドガイド31を有している。このスライドガイド31内に、アクチュエータ26のスライドブロック32が係合するので、弁体6は、アクチュエータ26によって第1の弁座7と第2の弁座9との間で回転可能である。
【0026】
本発明は特に、サニタリー器具の特にコンパクトな構造を可能にする。
【符号の説明】
【0027】
1 サニタリー器具
2 器具ケーシング
3 第1の噴流形成器
4 第2の噴流形成器
5 二位置弁
6 弁体
7 第1の弁座
8 第1の流出部
9 第2の弁座
10 第2の流出部
11 回転軸線
12 第1のシール面
13 第2のシール面
14 第1の角度
15 第1の弁体アーム
16 第2の弁体アーム
17 第2の角度
18 混合弁
19 冷水管路
20 温水管路
21 第1の操作エレメント
22 混合水通路
23 第1の流出部管路
24 第2の流出部管路
25 弁ケーシング
26 アクチュエータ
27 第1の流出部通路
28 第2の流出部通路
29 流入部
30 弁体
31 スライドガイド
32 スライドブロック
33 第2の操作エレメント
34 走出部