(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-06
(45)【発行日】2024-02-15
(54)【発明の名称】鼻汁吸引装置および通路形成方法
(51)【国際特許分類】
A61M 1/00 20060101AFI20240207BHJP
【FI】
A61M1/00 100
(21)【出願番号】P 2022020986
(22)【出願日】2022-02-15
【審査請求日】2022-02-15
(32)【優先日】2021-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】517000058
【氏名又は名称】豪展醫療科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】歐 陽興
(72)【発明者】
【氏名】黄 睿陽
(72)【発明者】
【氏名】蕭 靜勤
【審査官】大橋 俊之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0048581(US,A1)
【文献】特表2019-505330(JP,A)
【文献】特開2001-190657(JP,A)
【文献】特表2018-507076(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気ポンプと、ヘッド構造と、を含み、
前記空気ポンプが、吸気管と、排気管と、を有し、
前記ヘッド構造が、前記空気ポンプの前記吸気管と前記排気管に結合され、鼻汁吸入ノズルと排気口との間に通路を定義し、前記通路は、前記鼻汁吸入ノズルに接続する第1セクション通路と、前記排気口に接続する第2セクション通路とを含み、かつ、前記第1セクション通路は、少なくとも1つの受け皿を含み、前記第2セクション通路は、前記空気ポンプの前記吸気管と前記排気管を接続し、
そのうち、前記第1セクション通路を、空気通路と鼻汁通路とし、前記第2セクション通路は、前記空気通路を前記排気口までのみ延伸し、
そのうち、前記第1セクション通路は、逆流防止通路構造を有し、
前期第1セクション通路は、複数の囲壁を含み、前記複数の囲壁は、前記第1セクション通路の経路の長さを延長し、
そのうち、前記第2セクション通路は、ノイズ低減空間を有し、前記ノイズ低減空間は前記空気ポンプの前記排気管に接続すること、を特徴とする鼻汁吸引装置。
【請求項2】
そのうち、前記ヘッド構造のうち、前記第1セクション通路が、フロントカバーと、
インナーカップと、アウターカップとを含み、
前記フロントカバーが、前記鼻汁吸引ノズルを有し、
前期インナーカップが、前記鼻汁吸引ノズルに接続する第1受け皿を有し、および、
前記アウターカップが、前記空気ポンプの前記吸気管に接続する第2受け皿を有し、かつ、前記第1受け皿から溢れ出た鼻汁を前記第2受け皿に収容されるように、前記第2受け皿は、少なくとも一部の前記インナーカップを収容すること、を特徴とする請求項1に記載の鼻汁吸引装置。
【請求項3】
そのうち、前記アウターカップの底部に中央管を有し、前記中央管は、前記空気ポンプの前記吸気管と前記第2受け皿とに接続し、かつ、前記中央管の管内通路の長さは、前記アウターカップの底部の厚さより大きいこと、を特徴とする請求項2に記載の鼻汁吸引装置。
【請求項4】
そのうち、複数の囲壁は、少なくとも一つの上部囲壁と下部囲壁を含み、前記アウターカップの内側底部は、前記中央管を周囲する前記下部囲壁を延伸し、かつ、前記インナーカップの外側底部は、前記アウターカップの前記下部囲壁を周囲する前記上部囲壁を延伸し、前記上部囲壁と前記下部囲壁は、前記第2受け皿内に前記第1セクション通路の複数湾曲した経路を形成することで、前記第1セクション通路の経路の長さを、前記第2セクション通路の経路の長さより大きくすること、を特徴とする請求項3に記載の鼻汁吸引装置。
【請求項5】
そのうち、前記ヘッド構造のうち、前記第2セクション通路が、接続ブロックを含み、前記接続ブロックが、吸気通路と、排気通路とを含み、前記吸気通路が、前記アウターカップの第2受け皿と前記空気ポンプの前記吸気管とに接続し、前記排気通路が、前記空気ポンプの前記排気管と前記排気口とに接続すること、を特徴とする請求項2に記載の鼻汁吸引装置。
【請求項6】
そのうち、前記第1セクション通路がさらに、カップ蓋を含み、前記カップ蓋は、開口部を有し、かつ、前記インナーカップのリムを適切に覆って嵌合すること、を特徴とする請求項2に記載の鼻汁吸引装置。
【請求項7】
そのうち、前記第1セクション通路がさらに、カップカバーを含み、前記カップカバーは、導入管を有し、前記フロントカバーと前記カップ蓋との間に結合され、前記導入管が前記カップ蓋の前記開口を通過し、前記導入管が、前記鼻汁吸引ノズルから入る鼻汁を第1受け皿に流れるように導くこと、を特徴とする請求項6に記載の鼻汁吸引装置。
【請求項8】
そのうち、前記ヘッド構造のうち、前記第2セクション通路が、ベースを含み、前記ベースは、ノイズ低減空間を規定し、かつ、前記ノイズ空間に接続する排気口を形成すること、を特徴とする請求項1に記載の鼻汁吸引装置。
【請求項9】
そのうち、前記第2セクション通路がさらに、接続ブロックを含み、前記接続ブロックが、吸気通路と、排気通路とを含み、前記吸気通路が、前記第1セクション通路と前記空気ポンプの前記吸気管とに接続し、前記排気通路が、前記空気ポンプの前記排気管と前記排気口とに接続すること、を特徴とする請求項8に記載の鼻汁吸引装置。
【請求項10】
吸気管と排気管とを有する空気ポンプと、ヘッド構造とを含み、前記ヘッド構造が、鼻汁吸入ノズルと排気口との間に通路を定義し、前記通路は、前記鼻汁吸入ノズルの第1セクションと、前記排気口の第2セクションとを含む、ことを特徴とする鼻汁吸引装置で、前記通路を形成する方法は、
前記第1セクション通路が、前記第1セクション通路の経路の長さを延長させる、複数の囲壁、を含むようにし、並びに、前記第1セクション通路が逆流防止通路構造を有するようにすることと、
前記第1セクション通路に少なくとも一つの受け皿を構成すること、および、
前記第2セクション通路にノイズ低減空間を構成し、並びに、前記ノイズ低減空間を前記空気ポンプの前記排気管に接続することを含むこと、を特徴とする鼻汁吸引装置の通路形成方法。
【請求項11】
さらに、前記第1セクション通路にフロントカバーを構成し、前記フロントカバーが前記鼻汁吸引ノズルを有することと、
前記第1セクション通路にインナーカップを構成し、前記インナーカップが前記鼻汁吸引ノズルに接続する第1受け皿を有することと、および、
前記第1セクション通路にアウターカップを構成し、前記アウターカップが前記空気ポンプの前記吸気管に接続する第2受け皿を有し、かつ、前記第1受け皿から溢れ出た鼻汁を前記第2受け皿に収容されるように、前記第2受け皿は、少なくとも一部の前記インナーカップを収容することを含むことと、
そのうち、前記インナーカップの下方に、前記第1セクション通路の経路の長さを延長する、前記複数の囲壁を形成すること、を特徴とする請求項10に記載の鼻汁吸引装置の通路形成方法。
【請求項12】
さらに、前記インナーカップの外側底部と、前記アウターカップの内側底部との間の第2受け皿の中で、前記第1セクション通路の複数湾曲した経路を形成することで、前記第1セクション通路の経路の長さを、前記第2セクション通路の経路の長さより大きくすることを含むこと、を特徴とする請求項11に記載の鼻汁吸引装置の通路形成方法。
【請求項13】
さらに、前記第2セクション通路に前記ノイズ低減空間のベースを定義し、かつ、前記ノイズ低減空間と前記排気口とを接続することを含むこと、を特徴とする請求項10に記載の鼻汁吸引装置の通路形成方法。
【請求項14】
さらに、第2セクション通路に接続ブロックを構成し、前記接続ブロックが、吸気通路と、排気通路とを含み、かつ、前記吸気通路を、前記第1セクション通路と前記空気ポンプの前記吸気管とに接続し、並びに、前記排気通路を、前記空気ポンプの前記排気管と前記排気口とに接続することを含むこと、を特徴とする請求項13に記載の鼻汁吸引装置の通路形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鼻汁吸引装置に関する。特に、本発明は、鼻汁の逆流防止と、ノイズを低減する、鼻汁吸引装置および通路形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
臨床の場において、鼻腔の洗浄や医療、療養は非常に重要であるため、鼻汁吸入器具を備えた製品は、洗浄や医療のために用いることを可能としている。特に、在宅医療では、患者の鼻汁や、たまった痰を吸引する等して、簡単かつ迅速な鼻腔ケアを行うことが必要である。
【0003】
従来の技術では、鼻汁吸引器具は、空気ポンプを動力源として、吸引力を発生させていた。そのため、鼻汁吸引器具の操作時には、空気ポンプの動作によって、不必要なノイズが発生することが多い。また、周知の鼻汁吸引器具は、貯留された鼻汁が溢出することを防ぐために、手で持った鼻水吸引器具の角度が制限されており、もし使用者が操作中に、鼻汁吸引器具を手で持った角度を回転させてしまうと、鼻汁が外ケースに溢出しやすくなってしまう。
【0004】
本発明において、鼻汁の逆流防止と、ノイズ低減との通路を備えた鼻汁吸引装置および通路形成方法を提供することができれば、産業上の実用に貢献することが可能である。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的の一つは、鼻汁吸引装置およびその通路形成方法を提供することにあり、鼻汁の吸引通路において、鼻汁の逆流や溢出を防止する構造を提供する。また、本発明の目的の一つは、鼻汁吸引装置およびその通路形成方法を提供することにあり、吸排気通路において、空気ポンプの動作によるノイズを低減することを可能とする構造を提供する。
【0006】
本発明の鼻汁吸引装置は、空気ポンプと、ヘッド構造と、を含み、前記空気ポンプが、吸気管と、排気管と、を有し、前記ヘッド構造が、前記空気ポンプの前記吸気管と前記排気管に結合され、鼻汁吸入ノズルと排気口との間に通路を定義し、前記通路は、前記鼻汁吸入ノズルに接続する第1セクション通路と、前記排気口に接続する第2セクション通路とを含み、かつ、前記第1セクション通路は、少なくとも1つの受け皿を含み、前記第2セクション通路は、前記空気ポンプの前記吸気管と前記排気管を接続し、そのうち、前記第1セクション通路を、空気通路と鼻汁通路とし、前記第2セクション通路は、前記空気通路を前記排気口までのみ延伸し、そのうち、前記第1セクション通路は経路の長さを最大化し、かつ、前記第1セクション通路は、逆流防止通路構造を有し、そのうち、前記第2セクション通路は、ノイズ低減空間を有し、前記ノイズ低減空間は前記空気ポンプの前記排気管に接続する。
【0007】
本発明の鼻汁吸引装置において、前記ヘッド構造のうち、前記第1セクション通路が、フロントカバーと、インナーカップと、アウターカップとを含み、前記フロントカバーが、前記鼻汁吸引ノズルを有し、前記インナーカップが、前記鼻汁吸引ノズルに接続する第1受け皿を有し、前記アウターカップが、前記空気ポンプの前記吸気管に接続する第2受け皿を有し、かつ、前記第1受け皿から溢れ出た鼻汁を前記第2受け皿に収容されるように、前記第2受け皿は、少なくとも一部の前記インナーカップを収容する。そのうち、前記第1セクション通路がさらに、カップカバーを含み、前記カップカバーは、導入管を有し、前記フロントカバーと前記カップ蓋との間に結合され、前記導入管が前記カップ蓋の前記開口を通過し、前記導入管が、前記鼻汁吸引ノズルから入る鼻汁を第1受け皿に流れるように導く。そのうち、前記アウターカップの底部に中央管を有し、前記中央管は、前記空気ポンプの前記吸気管と前記第2受け皿とに接続し、かつ、前記中央管の管内通路の長さは、前記アウターカップの底部の厚さより大きい。前記アウターカップの内側底部は、前記中央管を周囲する下部囲壁まで延伸され、かつ、前記インナーカップの外側底部は、前記アウターカップの前記下部囲壁を周囲する上部囲壁まで延伸され、前記上部囲壁と前記下部囲壁は、前記第2受け皿内に前記第1セクション通路の複数湾曲した経路を形成することで、第1セクション通路の経路の長さを最大化する。
【0008】
本発明の鼻汁吸引装置において、前記ヘッド構造のうち、前記第2セクション通路が、ベースと、接続ブロックと、カップ蓋とを含む。前記ベースは、ノイズ低減空間を規定し、かつ、前記ノイズ空間に接続する排気口を形成する。前記接続ブロックが、吸気通路と、排気通路とを含み、前記吸気通路が、前記アウターカップの第2受け皿と前記空気ポンプの前記吸気管とに接続し、前記排気通路が、前記空気ポンプの前記排気管と前記排気口とに接続する。前記カップ蓋は、開口部を有し、かつ、前記インナーカップのリムを適切に覆って嵌合する。
【0009】
本発明の鼻汁吸引装置の通路形成方法は、前記鼻汁吸引装置が、吸気管と排気管とを有する空気ポンプと、ヘッド構造とを含み、前記ヘッド構造が、鼻汁吸入ノズルと排気口との間に通路を定義し、前記通路は、前記鼻汁吸入ノズルの第1セクションと、前記排気口の第2セクションとを含み、前記通路の形成方法は、前記第1セクション通路の経路の長さを最大化し、前記第1セクション通路が逆流防止通路構造が有するようにすることと、前記第1セクション通路に少なくとも一つの受け皿を構成すること、および、前記第2セクション通路にノイズ低減空間を構成し、並びに、前記ノイズ低減空間を前記空気ポンプの前記排気管に接続することを含む。
【0010】
本発明方法はさらに、前記第1セクション通路にフロントカバーを構成し、前記フロントカバーが前記鼻汁吸引ノズルを有することと、前記第1セクション通路にインナーカップを構成し、前記インナーカップが前記鼻汁吸引ノズルに接続する第1受け皿を有することと、および、前記第1セクション通路にアウターカップを構成し、前記アウターカップが前記空気ポンプの前記吸気管に接続する第2受け皿を有し、かつ、前記第1受け皿から溢れ出た鼻汁を前記第2受け皿に収容されるように、前記第2受け皿は、少なくとも一部の前記インナーカップを収容することを含む。
【0011】
本発明方法はさらに、前記インナーカップの外側底部と、前記アウターカップの内側底部との間の第2受け皿の中で、前記第1セクション通路の複数湾曲した経路を形成することで、第1セクション通路の経路の長さを最大化することを含む。
【0012】
本発明方法はさらに、前記第2セクション通路に前記ノイズ低減空間のベースを定義し、かつ、前記ノイズ低減空間と前記排気口とを接続することを含み、および、第2セクション通路に接続ブロックを構成し、前記接続ブロックが、吸気通路と、排気通路とを含み、かつ、前記吸気通路を、前記第1セクション通路と前記空気ポンプの前記吸気管とに接続し、並びに、前記排気通路を、前記空気ポンプの前記排気管と前記排気口とに接続することを含む。
【0013】
本発明の鼻汁吸引装置およびその通路形成方法の効果は、使用者が本発明の装置を操作する際に、手を回転させた角度でも鼻汁が簡単には外にこぼれることなく、並びに通路内にノイズ低減構造を設計したことにより、本発明の装置の使用時に空気ポンプの作動によるノイズを有効的に低減させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明における鼻汁吸引装置の分解図である。
【
図2】本発明における鼻汁吸引装置の、空気ポンプに結合されているヘッド構造の、
図5に示す切断線B-Bにおける断面図である。
【
図3】本発明における鼻汁吸引装置の
図5に示す切断線A-Aにおける断面図である。
【
図5】本発明装置のアウターカップの立体図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明における鼻汁吸引装置の分解図を示している
図1を参照されたい。本発明の一実施例中では、本発明の鼻汁吸引装置は、ヘッド構造10と、空気ポンプ20と、を含み、そのうち、前記空気ポンプ20が、吸気管22と、排気管21と、を有する。前記ヘッド構造10が、前記空気ポンプ20の前記吸気管22と前記排気管21に結合されている。
図1に示すように、前記ヘッド構造10は、フロントカバー11と、カップカバー12と、カップ蓋13と、インナーカップ14と、アウターカップ15と、ベース16と、および、接続ブロック17とを組み合わせて構成され、そのうち、前記インナーカップ14は、第1受け皿142を提供し、前記アウターカップ15は、第2受け皿153を提供する。
図2との組み合わせで示すように、前記インナーカップ14の外側面と前記アウターカップ15の内側面との間にはО型リング1が設けられ、第1受け皿142から溢れ出た鼻汁が経路に溢れ出るのを制限している。また、前記アウターカップ15の外側面と前記カップカバー12の内側面との間にもО型リング1が設けられ、第1受け皿142から溢れ出た鼻汁がカップカバー12の外部に溢れ出るのを防いでいる。
【0016】
本発明における鼻汁吸引装置の、空気ポンプに結合されているヘッド構造の、
図5に示す切断線B-Bにおける断面図を示している
図2を参照されたい。この一実施例中では、前記フロントカバー11は、鼻汁吸引ノズル111を有し、前記ベース16は排気口161を有している。ヘッド構造10は、前記鼻汁吸入ノズル111と前記排気口161との間に通路を定義する。前記通路は、前記鼻汁吸入ノズル111に接続する第1セクション通路と、前記排気口161に接続する第2セクション通路とを含み、そのうち、前記第1セクション通路を、
図3に示すように、経路A、B、C、D、Eを含む、空気通路と鼻汁通路との共同通路とする。前記第2セクション通路は、
図2に示すように、経路F、G、H、I、Jを含む、前記第1セクション通路の前記空気通路を前記排気口161までのみ延伸する。
【0017】
本発明における鼻汁吸引装置の
図5に示す切断線A-Aにおける断面図を示している
図3を参照されたい。この一実施例中では、前記フロントカバー11は、空洞通路のラッパ状を有し、並びに、前記カップカバー12に結合されている。前記鼻汁吸引ノズル111は、フロントカバー11の空洞通路に接続している。前記カップカバー12は、導入管121を有している。
図4に示すように、カップ蓋13は、開口131を有し、前記開口131の内径は前記導入管121の外径より若干大きく、第1受け皿142に貯められた鼻汁が、前記開口131の縁(経路Bに示している)から、インナーカップ14とカップカバー12との間の空間に溢れ出るようにしている。前記カップ蓋13下表面には、周縁付近にフランジ構造を形成し、前記フランジ構造は、前記カップ蓋13を、インナーカップ14の縁にしっかりと密着することができるようにしている。前記カップカバー12の導入管121は、前記カップ蓋13の開口131を通ってインナーカップ14の第1受け皿142まで伸びており、前記鼻汁吸引ノズル111から進入した鼻汁を、導入管121を介してインナーカップ14の第1受け皿142に貯留されるようになっている。
【0018】
本発明装置のアウターカップ15の立体図を示している
図5を参照されたい。
図3との組み合わせで示すように、前記アウターカップ15は第2受け皿153を提供し、前記第2受け皿153の内壁にフランジ155を形成しており、前記フランジ155は、前記インナーカップ14の底部周縁を支持する。前記第2受け皿153の底部(前記フランジ155より下の空間)の中央箇所には中央管154を形成しており、前記中央管154の管内通路の長さは、前記アウターカップ15の底部の厚さより大きい。前記第2受け皿153の底部は前記中央管154の周囲の下部囲壁151にまで伸び、かつ、下部囲壁151の高さは、中央管154の高さより低い。前記インナーカップ14の外側底部は、上部囲壁141にまで伸びる。前記インナーカップ14を前記アウターカップ15の内に置き、かつ前記フランジ155が前記インナーカップ14の底部周縁を支持しているとき、前記上部囲壁141は、前記アウターカップ15の下部囲壁151を囲み、かつ、前記上部囲壁141と前記下部囲壁151が第2受け皿153内に前記第1セクション通路の複数湾曲した経路Eを形成し、
図3に示すように、第1セクション通路の経路の長さを最大化する。この他、前記カップカバー12の内側面は下向きに伸びており、アウターカップ15の外側面を覆うようにしており、かつ、アウターカップ15の外側面と前記カップカバー12の内側面との間にО型リング1を設けることにより、第1受け皿142から溢れ出た鼻汁がカップカバー12の外部に溢れ出るのを防ぐことができる。
【0019】
本発明装置のベースの立体図を示している
図6を参照されたい。
図2との組み合わせで示すように、前記ベース16は環状内壁164を有し、前記環状内壁164は前記ベース16内部の中央に通路を定義し、前記通路は接続ブロック17の吸気通路171に接続される。前記ベース16がアウターカップ15の底部に結合されているとき、前記アウターカップ15底部の表面は、環状内壁164に支持され、かつ、アウターカップ15底部の中央管154が接続ブロック17の吸気通路171に挿入される。この他、前記環状内壁164は、ベース16内に環状のノイズ低減空間162と、排気口161を有する排気室とを定義し、前記排気室は孔163を有し、前記孔163は接続ブロック17の排気口172に接続されている。
図6に示すように、ノイズ低減空間162と前記排気室は、小凹部を形成する2つの仕切りによって分離されており、前記孔163を通ったノイズが前記排気室内に進入し、小凹部を通ってノイズ低減空間162にまで空気が循環することで、ノイズ低減の効果を発揮できるように構成されている。前記ベース16の外縁と前記アウターカップ15との間にО型リング1を設け、かつ、前記О型リング1の材質をゴムとすることで、空気ポンプ20のノイズを遮断し、ならびに、ノイズを前記ノイズ空間162内に閉じ込めることで、本発明装置のノイズ低減効果を最適化する。
【0020】
続けて
図2を参照されたい。接続ブロック17は前記ベース16の底部と前記空気ポンプ20との間に結合され、かつ、前記接続ブロック17は、二つの独立した吸気通路171と排気通路172とを形成し、前記吸気通路171は、前記アウターカップ15の中央管154と、空気ポンプ20の吸気管22を接続し、前記排気通路172は、ベース16の孔163と、前記空気ポンプ20の排気管21とを接続している。すなわち、前記接続ブロック17の作用は、前記空気ポンプ20の吸気管22を、前記アウターカップ15の第2受け皿153に接続し、並びに、前記空気ポンプ20の排気管21を、前記ベース16のノイズ低減空間162に接続することにある。後述するように、前記鼻汁吸引ノズル111と排気口161との間の第1セクション通路は、その経路の長さを最大化し、鼻汁の逆流や溢出を防止する構造を提供し、さらに、第2セクション通路のノイズ低減空間162は、空気ポンプ20の動作によるノイズを低減する構造を提供する。
【0021】
図5に示す切断線A-Aにおける断面図である
図3を参照されたい。本発明の一実施例中では、ヘッド構造10の第1セクション通路は、経路A、B、C、D、Eを含み、かつ、前記インナーカップ14の第1受け皿142と、前記アウターカップ15の第2受け皿153とを含むことで、前記鼻汁吸引ノズル111と排気口161との間の通路に、共同通路を提供する。アウターカップ15の中央管154が、前記空気ポンプ20の吸気管22に接続されることによって、経路Fに吸引力が発生し、前記鼻汁吸引ノズル111に進入した鼻汁が、経路A、B、C、D、Eの方向に沿って、第1受け皿142と第2受け皿153に貯留される。特に
図5に示すアウターカップ15の内壁は、凹部152の構造を形成しており、切断線A-Aは、前記凹部152を通過している。前記凹部152は、前記インナーカップ14の外壁と、前記アウターカップ15の内壁との間に、О型リング1に制限されない鼻汁溢流経路Cを提供する。インナーカップ14の外壁に設けられたО型リング1の制限により、第1受け皿142の経路Bから溢れ出た鼻汁は、前記凹部152の経路Cのみを通って前記インナーカップ14の外壁と、前記アウターカップ15の内壁の間に進入することが可能である。
【0022】
続けて
図3を参照されたい。前記インナーカップ14の底部に凹部を形成し、経路Dを提供することで、前記インナーカップ14の外壁と、前記アウターカップ15の内壁との間の鼻汁が、前記経路Dを通過して、前記インナーカップ14下方の第2受け皿153に進入する。特に、前記経路Dの凹部は、前記アウターカップ15の凹部152に相対する面に位置し、第1セクション通路に、その経路の長さを最大化させる。前記経路Dを通過した鼻汁が第2受け皿153に進入すると、前記インナーカップ14の上部囲壁141と、アウターカップ15の下部囲壁151とが、第2受け皿153内で形成した複数湾曲した経路Eを通して、第1セクション通路がその経路の長さをさらに最大化させる。これにより、第1セクション通路がその経路の長さを最大化し、本発明の鼻汁吸引装置の空気ポンプ20が動作しない状況下でも、第2受け皿153に貯留された鼻汁が前記鼻汁吸引ノズル111に逆流することはない。前記第2受け皿153において、下部囲壁151の高さは、前記中央管154の高さより低いため、前記第2受け皿153に貯留された鼻汁が第2セクション通路に流入せず、かつ、中央に位置する中央管154が、手で持った鼻汁吸引装置の角度偏向を可能とし、前記第2受け皿153に貯留された鼻汁は、第2セクション通路に容易に流入することはできない。
【0023】
図5に示す切断線B-Bにおける断面図である
図2を参照されたい。そのうち、切断線B-Bと切断線A-Aは垂直であるため、
図2と
図3はヘッド構造10の異なる断面図を示す。本発明の一実施例中では、ヘッド構造10の第2セクション通路は、経路F、G、H、I、Jを含み、かつ、前記第2セクション通路を第1セクション通路の空気通路として排気口161まで延伸し、並びに、前記ベース16のノイズ低減空間162を含む。前記空気ポンプ20の、吸気管22と排気管21は、それぞれ、接続ブロック17の、独立した2つの、吸気通路171と、排気通路172とに接続され、さらに、それぞれ、前記アウターカップ15の中央管154と、前記ベースの孔163とを通る。前記空気ポンプ20が動作しているとき、前記空気ポンプ20の吸気管22が経路F、Gにおいて吸引力を発生し、かつ、排気管21を通して、ノイズ低減空間に排気をし、最後に排気口161より排気をする。そのため、空気ポンプ20の動作によって発生したノイズは、経路H、Iを通って、ノイズ低減空間162に閉じ込められる。
【符号の説明】
【0024】
1 О型リング
10 ヘッド構造
11 フロントカバー
12 カップカバー
13 カップ蓋
14 インナーカップ
15 アウターカップ
16 ベース
17 接続ブロック
20 空気ポンプ
21 排気管
22 吸気管
111 鼻汁吸引ノズル
121 導入管
131 開口部
141 上部囲壁
142 第1受け皿
151 下部囲壁
152 凹部
153 第2受け皿
154 中央管
155 フランジ
161 排気口
162 ノイズ低減空間
163 孔
164 環状内壁
171 吸気通路
172 排気通路
A-A 切断線
B-B 切断線
経路 A、B、C、D、E
経路 F、G、H、I、J