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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-06
(45)【発行日】2024-02-15
(54)【発明の名称】搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/31 20060101AFI20240207BHJP
   B65G 47/48 20060101ALI20240207BHJP
【FI】
B65G47/31 F
B65G47/48
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022111044
(22)【出願日】2022-07-11
(62)【分割の表示】P 2018071037の分割
【原出願日】2018-04-02
(65)【公開番号】P2022125351
(43)【公開日】2022-08-26
【審査請求日】2022-07-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000103426
【氏名又は名称】オークラ輸送機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(72)【発明者】
【氏名】小野山 達夫
(72)【発明者】
【氏名】藤本 淳一
(72)【発明者】
【氏名】澤田 広樹
(72)【発明者】
【氏名】山口 雅人
(72)【発明者】
【氏名】平尾 剛章
(72)【発明者】
【氏名】三宅 聡
(72)【発明者】
【氏名】草部 一仁
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-058817(JP,A)
【文献】特開2018-012586(JP,A)
【文献】特開2010-202342(JP,A)
【文献】特開2013-245057(JP,A)
【文献】特開2001-301946(JP,A)
【文献】米国特許第05269646(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/31
B65G 47/48
B65G 1/00-1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を振り分ける振分部と、
前記振分部によって振り分けられた前記物品を貯留する複数の貯留部と、
夫々の前記貯留部に対応して設置され、前記物品を搬送する送出部と、
前記貯留部上に位置する前記物品を前記送出部に移動させる仕分部と、
前記仕分部によって移動させられた前記物品を搬送する前記送出部から1または複数個の前記物品を受け入れて載置し、載置した物品を次工程へ搬出する中継搬送部と、
前記振分部から前記貯留部に対して前記物品を振り分ける際に、前記中継搬送部から搬出される順番が連続しかつ前記中継搬送部に一斉に載置される複数の前記物品から構成される連番ユニットについて、前記連番ユニットを構成する前記物品が同じ前記貯留部に振り分けられるように前記振分部を動作させ、前記連番ユニットを構成する前記物品が前記送出部に移動するように前記仕分部を動作させ、前記送出部から受け入れた前記連番ユニットを構成する前記物品が一斉に次工程に搬出されるように前記中継搬送部を動作させる、制御部と
を備え、
前記制御部は、
各前記物品の寸法および/または重量の物品情報と、
前記物品情報の上限からなる前記中継搬送部の可搬条件と、
前記物品が前記中継搬送部に搬送される順番と、
に基づいて、前記中継搬送部に搬送される順番が連続する複数の前記物品の前記物品情報の組み合わせが前記可搬条件に収まる単位で前記連番ユニットを構成する
ことを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
物品を振り分ける振分部と、
前記振分部によって振り分けられた前記物品を貯留する複数の貯留部と、
夫々の前記貯留部に対応して設置され、前記物品を搬送する送出部と、
前記貯留部上に位置する前記物品を前記送出部に移動させる仕分部と、
前記仕分部によって移動させられた前記物品を搬送する前記送出部から1または複数個の前記物品を受け入れて載置し、載置した物品を次工程へ搬出する中継搬送部と、
前記物品の寸法および/または重量の物品情報と、前記物品情報の上限からなる前記中継搬送部の可搬条件と、前記物品が前記中継搬送部に搬送される順番とに基づいて、前記振分部から前記貯留部に対して前記物品を振り分ける際に、前記中継搬送部に搬送される順番が連続する複数の前記物品の前記物品情報の組み合わせが前記可搬条件に収まる単位の連番ユニットに対し、前記連番ユニットを構成する物品群が夫々の前記貯留部に振り分けられるように前記振分部を動作させ、前記連番ユニットを構成する前記物品が前記送出部に移動するように前記仕分部を動作させ、前記送出部から受け入れた前記連番ユニットを構成する前記物品が一斉に次工程に搬出されるように前記中継搬送部を動作させる、制御部と
を備えることを特徴とする搬送装置。
【請求項3】
前記制御部は、一の前記連番ユニットを構成する物品群と、一の前記連番ユニットを構成する物品群の次の搬送順となる他の前記連番ユニットとが異なる前記貯留部に振り分けられるように前記振分部を動作させる
ことを特徴とする請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
物品を貯留する複数の貯留部と、
夫々の前記貯留部に対応して設置され、前記物品を搬送する送出部と、
前記貯留部上に位置する前記物品を前記送出部に移動させる仕分部と、
前記送出部から受け入れた1または複数個の前記物品を次工程へ搬出する中継搬送部と、
前記物品の寸法および/または重量の物品情報と、前記物品情報の上限からなる前記中継搬送部の可搬条件と、前記物品が前記中継搬送部に搬送される順番とに基づいて、前記中継搬送部に搬送される順番が連続する複数の前記物品の前記物品情報の組み合わせが前記可搬条件に収まる単位の連番ユニットに対し、前記連番ユニットを構成する物品群を前記仕分部により前記貯留部から前記送出部へ移動させ、前記送出部から前記中継搬送部に搬送させ、前記送出部から受け入れた前記連番ユニットの物品群を前記中継搬送部に一斉に搬送させる制御部と
を備えることを特徴とする搬送装置。
【請求項5】
前記貯留部は、平面視で重なる状態で互いに異なる高さに配置されており、
前記中継搬送部は、昇降移動により夫々の前記貯留部に対応して位置する夫々の前記送出部から前記物品を受け取る昇降搬送体を有する
ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか一項に記載の搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を搬送する搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記の特許文献1に記載された物品並び替え装置(搬送装置)が知られている。
【0003】
この従来の装置は、物品を受け入れる受入部と、物品を払い出す払出部と、受入部で受け入れた物品を払出部に搬送するとともに、受入部で受け入れた物品の順序を指定された指定順序に並べ替える整列部とを備えており、整列部は、上流分岐貯留部と最終分岐貯留部を備えている。
【0004】
そして、指定された順序とは異なる順番で搬送されてきた物品を受入部で受け入れ、整列部で指定順序に並べ替えるには、先ず、整列対象の複数の物品を複数の最終分岐貯留部の数と同数の物品からなる物品群に区分けし、各物品群を構成する複数の物品に割り振られている指定順序が物品群内で連続するように物品群単位で上流分岐貯留部に分散して貯留する。次に、物品群に含まれる物品の指定順序が早いものから順に、当該物品群を構成する複数の物品を上流分岐貯留部から最終分岐貯留部に分散して貯留する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-12586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そして、この種の搬送装置では、物品を所定の順番に効率よく並び替えることが求められている。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、物品を所定の順番に効率よく並べ替えることができる搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る搬送装置は、物品を振り分ける振分部と、前記振分部によって振り分けられた前記物品を貯留する複数の貯留部と、夫々の前記貯留部に対応して設置され、前記物品を搬送する送出部と、前記貯留部上に位置する前記物品を前記送出部に移動させる仕分部と、前記仕分部によって移動させられた前記物品を搬送する前記送出部から1または複数個の前記物品を受け入れて載置し、載置した物品を次工程へ搬出する中継搬送部と、前記振分部から前記貯留部に対して前記物品を振り分ける際に、前記中継搬送部から搬出される順番が連続しかつ前記中継搬送部に一斉に載置される複数の前記物品から構成される連番ユニットについて、前記連番ユニットを構成する前記物品が同じ前記貯留部に振り分けられるように前記振分部を動作させ、前記連番ユニットを構成する前記物品が前記送出部に移動するように前記仕分部を動作させ、前記送出部から受け入れた前記連番ユニットを構成する前記物品が一斉に次工程に搬出されるように前記中継搬送部を動作させる、制御部とを備える。前記制御部は、各前記物品の寸法および/または重量の物品情報と、前記物品情報の上限からなる前記中継搬送部の可搬条件と、前記物品が前記中継搬送部に搬送される順番と、に基づいて、前記中継搬送部に搬送される順番が連続する複数の前記物品の前記物品情報の組み合わせが前記可搬条件に収まる単位で前記連番ユニットを構成する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、物品を所定の順番に効率よく並べ替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る搬送装置を備えた積付システムの斜視図である。
図2】(a)は同上積付システムの平面図、(b)は同上積付システムの側面図である。
図3】同上積付システムによる積付パターン等を示す図である。
図4】搬送順序及び積付順を示す図である。
図5】並べ替え処理パターンの例(パターン1)を示す図である。
図6】並べ替え処理パターンの例(パターン2)を示す図である。
図7】本発明の第2の実施の形態に係る搬送装置を備える積付システムの平面図である。
図8】本発明の第3の実施の形態に係る搬送装置を備える積付システムの平面図である。
図9】本発明の第4の実施の形態に係る搬送装置を備える積付システムの平面図である。
図10】本発明の第5の実施の形態に係る搬送装置を備える積付システムの側面図である。
図11】本発明の第6の実施の形態に係る搬送装置を備える積付システムを示す図で、(a)が平面図、(b)が側面図である。
図12】本発明の第7の実施の形態に係る搬送装置を備える積付システムの平面図である。
図13】並べ替え処理パターンの例(パターン3)を示す図である。
図14】並べ替え処理パターンの例(パターン4)を示す図である。
図15】並べ替え処理パターンの例(パターン5)を示す図である。
図16】並べ替え処理パターンの例(パターン6)を示す図である。
図17】可搬条件及び物品情報等を示す図である。
図18】仕分部による仕分作業の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の第1の実施の形態について図1ないし図6を参照して説明する。
【0012】
図1及び図2において、1は作業システムの例としての積付システムで、この積付システム1は、各オーダー情報に基づいて、複数の物品Wを所望の積付パターンとなるように設定順序(積付順)で物品載置部であるパレットPに積み付けるパレタイズシステムである。
【0013】
物品Wは、例えば形状、重量、性質等が異なる直方体状の商品である。また、1つのパレットPに積み付けられるパレット単位(オーダー単位)の物品群が、積付パターンに応じて設定順序が割り振られる並べ替え対象の複数の物品(並べ替え対象の物品群)である。なお、物品載置部は、パレットPには限定されず、カゴ台車でもよい。また、パレットPに積み付けられる物品の単位は、パレット単位、オーダー単位等、各種の単位に用いられる。
【0014】
積付システム1は、図1及び図2に示されるように、上流システム(図示せず)からの物品Wを受け入れて搬送するとともに、この搬送途中で各並べ替え対象の物品群ごとに搬送順序(受入時の搬送順)を次工程で必要な設定順序(積付パターンに応じた積付順)に並べ替える搬送装置2と、この搬送装置2の搬送終端部付近に配置され、次工程の作業として設定順序が早い物品Wから順に積付作業を行う作業装置である積付ロボット3とを備えている。
【0015】
ロボット装置である積付ロボット3は、ロボットベース6と、このロボットベース6に旋回可能に設けられた多関節型のロボットアーム7と、このロボットアーム7の先端側に設けられ、物品Wを保持するロボットハンド8とを有している。ロボットハンド8は、例えば物品Wを1個ずつ保持可能な吸着保持部(図示せず)を有している。
【0016】
搬送装置2は、上流システムからの物品Wを受け入れて搬送する上流搬送部11と、この上流搬送部11からの物品Wを受け入れて振り分ける振分部12と、この振分部12によって振り分けられた物品Wを搬送及び貯留する複数の搬送貯留部13と、この各搬送貯留部13の側方側に近接して配置された送出部14と、搬送貯留部13上の物品Wを送出部14に仕分ける仕分部15とを備えている。なお、搬送貯留部13は、複数段、すなわち例えば3段の平面視で重なる状態で互いに異なる高さに配置されている。送出部14は、各搬送貯留部13の側方に位置しており、搬送貯留部13と同様に3段の平面視で重なる状態で互いに異なる高さに配置されている。
【0017】
また、搬送装置2は、次工程の積付ロボット3のロボットハンド8によって保持可能な位置まで物品Wを搬送する搬出部としての下流搬送部16と、複数の送出部14からの物品Wを受け入れこの受け入れた物品Wを搬送して下流搬送部16に渡す中継搬送部17とを備えている。
【0018】
さらに、搬送装置2は、上述の各部11~17を制御する制御部20を備え、この制御部20によって積付ロボット3も適宜制御される。そして、この制御部20は、搬送工程の次工程である積付工程において積付ロボット3が設定された設定順序(積付順)で物品Wを連続して積付作業が可能となるように、物品Wの並べ替え処理を行う。
【0019】
ここで、上流搬送部11は、例えばベルトコンベヤであり、この上流搬送部11上には上流システムから物品Wがランダムに投入される。しかし、この上流搬送部11は、上流システムから受け入れた順のまま物品Wを搬送するものであり、物品Wを並び替える機能を有していない。つまり、上流搬送部11では、並び替え対象の物品が群としてまとまって搬送されるが、その搬送順序はランダムの状態である。したがって、当該上流搬送部11上における物品Wの搬送順序は設定順序と一致しない状態が生じてしまい、このため、物品Wを並べ替える必要がある。
【0020】
なお、上流搬送部11の搬送途中には、物品Wに関する物品情報を取得し、この取得した物品情報を制御部20に送信する情報取得部(図示せず)が配置されている。この情報取得部は、例えば物品Wの識別情報であるバーコードを読み取るバーコードリーダである。
【0021】
振分部12は、例えば上流側のリフタであり、上下方向長手状の案内体21と、この案内体21に沿って昇降可能な昇降搬送体22とを有している。
【0022】
昇降搬送体22は、案内体21に沿って昇降することにより、上段の搬送貯留部(以下で「コンベヤ13-1」という場合がある)13と同じ高さに位置する第1状態、中段の搬送貯留部(以下で「コンベヤ13-2」という場合がある)13と同じ高さに位置する第2状態、及び下段の搬送貯留部(以下で「コンベヤ13-3」という場合がある)13と同じ高さに位置する第3状態となる。
【0023】
そして、昇降搬送体22は、第2状態で上流搬送部11からの物品Wを1個ずつ受け入れる。その後、昇降搬送体22は、中段の搬送貯留部13への振り分けであれば、その第2状態のまま物品Wを中段の搬送貯留部13に渡す。また、昇降搬送体22は、上段の搬送貯留部13への振り分けであれば上昇して第1状態となって物品Wを上段の搬送貯留部13に渡し、下段の搬送貯留部13への振り分けであれば下降して第3状態となって物品Wを下段の搬送貯留部13に渡す。つまり、昇降搬送体22は、第2状態で上流搬送部11から物品Wを受け入れ、任意の搬送貯留部13に物品Wを渡す振り分け動作を繰り返し実行するものである。
【0024】
各搬送貯留部13は、第1方向に物品Wを搬送する例えばゼロプレッシャータイプのアキュームコンベヤ(ZPAコンベヤ)であり、搬送方向(第1方向)に分割された複数の分割搬送体23によって構成されている。つまり、各段の搬送貯留部13は、搬送方向に並ぶ複数のゾーン(例えば10個で、ゾーン1~ゾーン10)によって構成されている。そして、各ゾーンには物品Wが1個ずつ載置され、水平な搬送方向に隣接する物品W同士が衝突することなく搬送される。つまり、搬送貯留部13は、上流搬送部11から受け入れた物品Wを第1方向に搬送して下流ゾーンから順に物品Wを貯留していくことで、自機内に物品Wを第1方向に連続して貯留するものである。
【0025】
また、各搬送貯留部13は、先行する一の並べ替え対象の複数の物品Wが貯留される下流側の仕分作業エリアE1と、後続の他の並べ替え対象の複数の物品Wが貯留される上流側の待機エリアE2とを有している。
【0026】
仕分作業エリアE1は、搬送貯留部13のうち下流側に位置する部分、すなわち例えばゾーン1~ゾーン5によって構成されている。また、待機エリアE2は、搬送貯留部13のうち上流側に位置する部分、すなわち例えばゾーン6~ゾーン10によって構成されている。仕分作業エリアE1と待機エリアE2とは、夫々が個別に搬送及び貯留の動作を行なうことが可能である。
【0027】
そして、仕分作業エリアE1の物品Wに対して仕分部15が仕分作業をしている間に、待機エリアE2には後続の並べ替え対象の物品Wが振分部12から順次供給されて貯留される。それゆえ、空きができた仕分作業エリアE1には、後続の並べ替え対象の物品Wを待機エリアE2から即補充できるため、仕分作業エリアE1が空になった後に次の物品Wが補充されるのを待つ待ち時間が短縮される。
【0028】
各送出部14は、第2方向の搬送方向に物品Wを搬送する例えばベルトコンベヤであり、同じ段の搬送貯留部13の下流側部分(仕分作業エリアE1)の一側方に近接して配置されている。そして、各送出部14は、仕分部15で仕分けられた物品Wを搬送して中継搬送部17に渡す。なお、各段の送出部14は、例えば仕分作業エリアE1と同じ長さの1つの搬送コンベヤ25のみで構成されている。
【0029】
仕分部15は、例えば各段の搬送貯留部13の仕分作業エリアE1の各ゾーンごとに設けられた固定プッシャである。そして、各仕分部(固定プッシャ)15は、伸縮可能な伸縮体26と、この伸縮体26の伸び動作によって仕分作業エリアE1のゾーン上の物品Wを送出部14上に押し出す押出体27とを有している。仕分部15は、搬送貯留部13上に位置する任意の物品Wを指定順序に基づいて送出部14に対して移動させるものである。つまり、仕分部15によって、物品Wは第1方向と交差(直交)する第3方向に移動させられることで、物品Wは搬送貯留部13から送出部14へと乗り移る。
【0030】
中継搬送部17は、例えば下流側のリフタであり、振分部12と同様、上下方向長手状の案内体31と、この案内体31に沿って昇降可能な昇降搬送体32とを有している。この昇降搬送体32も、振分部12の昇降搬送体22と同様上下方向に移動し、上段の送出部14と同じ高さに位置する第1状態、中段の送出部14と同じ高さに位置する第2状態、及び下段の送出部14と同じ高さに位置する第3状態となる。
【0031】
そして、昇降搬送体32は、第2状態で物品Wを下流搬送部16に1個ずつ渡すものであるが、この昇降搬送体32は、中段の送出部14から物品Wを受け入れる際には第2状態で当該中段の送出部14からの物品Wを受け入れる。また、昇降搬送体32は、上段の送出部14から物品Wを受け入れる際には上昇して第1状態となり、下段の送出部14から物品Wを受け入れる際には下降して第3状態となる。昇降搬送体32は、任意の送出部14から物品Wを受け入れて、下流搬送部16に渡す動作を繰り返し実行するものであり、この動作により下流搬送部16に各段の送出部14から物品Wが設定順に搬入される。
【0032】
下流搬送部16は、例えばベルトコンベヤであり、中継搬送部17の昇降搬送体32から物品Wを受け入れた順に下流に搬送する。下流搬送部16は、物品Wが積付ロボット3のロボットハンド8によって保持可能な位置である保持位置まで搬送する。そして、積付ロボット3は、その保持位置で停止した物品Wをロボットハンド8で保持し、この保持した物品Wを所望位置(パレットP上の位置、或いは既に積まれた物品W上の位置)まで移送する。なお、下流搬送部16上の保持位置には、パレット単位の物品群が設定順序(積付順)で順次到着する。また、下流搬送部16は、例えば中段の送出部14と同じ高さに配置された1つの下流搬送コンベヤ35のみで構成されている。
【0033】
次に、積付システム1の作用等を説明する。
【0034】
制御部20は、並べ替え対象の複数の物品W、すなわち例えば10個の物品Wについて、図3に示すように、パターン生成機能によって最適な積付パターンを生成し、この生成した積付パターンに応じた積付順(設定順序)を設定して登録するとともに、情報取得部からの物品情報に基づき、上流搬送部11での並び順(搬送順序)を認識する。また、制御部20は、複数の搬送貯留部13からなる貯留部における各物品Wの一時的な貯留場所であるコンベヤナンバー(コンベヤNo)及びゾーンナンバー(ゾーンNo)を設定して登録(テーブル登録)する。これにより、搬送貯留部13上に位置する物品Wの設定順序と位置が対応付けて制御部20に管理されることになる。
【0035】
一方、図4に示すように、上流搬送部11での搬送順序が、設定された設定順序である積付順と異なる場合、制御部20は、各部11~17を制御して物品Wの並べ替え処理を行う。
【0036】
つまり、制御部20は、所定の並べ替え処理パターンに基づいて、並べ替え対象の複数の物品Wを、各搬送貯留部13に対応するグループ(例えば使用するコンベヤ数と同じ3つのグループ)に分けた状態で複数の搬送貯留部13に分散して貯留させ、その後、各グループを構成する複数の物品Wを、積付順が早い物品Wから順に送出部14へ移動するように仕分部15に仕分けさせる。
【0037】
ここで、図5は、制御部20による並べ替え処理パターンの例(パターン1)を示す図である。
【0038】
この図5に示すパターン1では、制御部20は、各段の搬送貯留部13上の同じグループ内では各物品Wの積付順が連続するように(言い換えると積付順が横に連続するように)、グループ分けを行う。なお、以下の各パターンでは、説明のために10個の物品Wを、3ライン(3段)の搬送貯留部13を使用して並び替えることにする。
【0039】
そして、この例では、10個の物品Wを3ラインに分配するため、搬送貯留部13の数に応じた3つのグループが形成される。そして、積み付け順に各ラインが満たされるように各グループに物品Wが割り当てられていくため、第1グループの積付順が「1」~「4」の物品Wはコンベヤ13-1(コンベヤNoが「1」の「コンベヤ1」)に貯留され、第2グループの積付順が「5」~「8」の物品Wはコンベヤ13-2(コンベヤNoが「2」の「コンベヤ2」)に貯留され、第3グループの積付順が「9」及び「10」の物品Wはコンベヤ13-3(コンベヤNoが「3」の「コンベヤ3」)に貯留されるように各グループとコンベヤとが対応付けられる。各グループは、各搬送貯留部(コンベヤ)13と対応付いており、各物品Wが貯留される搬送貯留部13が決定する。
【0040】
すると、振分部12は、物品Wが自機に到着した順に(自機が受け入れた順)に物品Wを要求する搬送貯留部13に物品Wを振り分けていく。搬送貯留部13が物品Wを受け入れた順に物品Wの設定順序とゾーンNoが対応して管理される。これによって、どの設定順序の物品がどの搬送貯留部13のどの場所に貯留されているかを制御部20が管理する。
【0041】
その後、コンベヤ13-1上のグループを構成する4個の物品Wは、仕分部15によって積付順が早いものから順に送出部14上に押し出される。また、コンベヤ13-2上のグループを構成する4個の物品Wも、同様に仕分部15によって積付順が早いものから順に送出部14上に押し出される。さらに、コンベヤ13-3上のグループを構成する2個の物品Wも、同様に仕分部15によって積付順が早いものから順に送出部14上に押し出される。
【0042】
なお、仕分部15は、積付順が搬送方向に並んでいる場合には複数個の物品Wを同時に押し出すことも可能であり、並んでいない場合は、設定順序が早い物品Wから順に物品Wが送出部14の下流部に到着するように送出タイミングを調整しながら仕分部15に物品を押し出させる。また、仕分部15が物品Wを押し出すたびにゾーンを作動させて残りの物品Wを下流に詰めてもよい(後述する他のパターンでも同様)。つまり、各送出部14の下流部には、各搬送貯留部13に貯留された物品Wのうち最も設定順序の早い物品Wが位置することになる。そして、昇降搬送体32は、各送出部14のうち最も設定順序の早い物品Wを搬送する送出部14に移動し、その最も設定順序が早い物品Wを送出部14から受け取って搬送し、下流搬送コンベヤ35に物品Wを受け渡す。
【0043】
こうして、制御部20による物品Wの並べ替え処理が実行され、並べ替え対象の物品群の搬送順序が、積付パターンに応じた積付順となる。
【0044】
また、図6は、制御部20による並べ替え処理パターンの例(パターン2)を示す図である。
【0045】
この図6に示すパターン2では、制御部20は、各段の搬送貯留部13上の同じグループ内では各物品Wの積付順が不連続となりかつ各グループ(搬送貯留部13)間では連続するように、グループ分けを行う。つまり、制御部20は、搬送貯留部13の段順(コンベヤNoの順)に対応して各物品Wの積付順が連続するように(言い換えると積付順が縦に連続するように)、グループ分けを行う。
【0046】
そして、この例では、積付順が「1」、「4」、「7」及び「10」の物品Wはコンベヤ13-1に貯留され、積付順が「2」、「5」及び「8」の物品Wはコンベヤ13-2に貯留され、積付順が「3」、「6」及び「9」の物品Wはコンベヤ13-3に貯留される。言い換えれば、設定順序の順に各搬送貯留部13を循環するように所定個数ずつ(この例では、1個ずつ)物品Wを振り分けていく。また、この例では、各搬送貯留部13内では、使用される搬送貯留部13の数をおいて積み付け順が連続している。例えば、コンベヤ13-1では「1」、「4(1+3)」、「7(4+3)」のように、使用される各搬送貯留部13の数(コンベヤ数)に応じて3ずつ間隔をおいて積み付け順が連続している。
【0047】
その後、上記パターン1と同様に仕分部15によって積付順が早い物品Wから順に送出部14上に押し出され、送出部14の下流部は各搬送貯留部13に貯留された物品Wのうち最も設定順序の早い物品Wが位置することになる。
【0048】
そして、昇降搬送体32は、送出部14のうち最も設定順序の早い物品Wを搬送する送出部14に移動し、その最も設定順序が早い物品Wを送出部14から受け取って搬送し、下流搬送コンベヤ35に搬送物を受け渡す。この場合、物品Wの設定順が縦方向に分散しているため、昇降搬送体32の動作が平準化される。
【0049】
こうして、制御部20による物品Wの並べ替え処理が実行され、並べ替え対象の物品群の搬送順序が、積付パターンに応じた積付順となる。
【0050】
そして、上記積付システム1の搬送装置2によれば、制御部20が物品Wの並べ替え処理を行うことで、並べ替え対象の物品群についてのランダムな搬送順序が積付パターンに応じた積付順となるため、次工程において積付ロボット3が適正な順序で適切に積付作業を行うことができる。
【0051】
次に、本発明の第2の実施の形態について図7を参照して説明する。
【0052】
この第2の実施の形態に係る搬送装置2では、仕分部15は、各ゾーンごとの固定プッシャではなく、例えば各仕分作業エリアE1ごとに設けられた水平移動プッシャである。
【0053】
そして、各段の仕分部15は、搬送貯留部13の搬送方向に沿った長手状の案内体41と、この案内体41に沿って水平移動可能でかつ伸縮可能な移動伸縮体42と、この移動伸縮体42の伸び動作によって仕分作業エリアE1のゾーン上の物品Wを送出部14上に押し出す押出体43とを有している。
【0054】
なお、仕分部15は、例えば全段の仕分作業エリアE1の各ゾーン上の物品Wを押し出すことが可能な1台のプッシャからなるものでもよい。また、仕分部15は、物品Wを押し出すものには限定されず、例えば物品Wを引き込むものや、ゾーンを傾けて物品Wを移動させるもの、仕分用コンベヤを用いるもの等でもよい。
【0055】
次に、本発明の第3の実施の形態について図8を参照して説明する。
【0056】
この第3の実施の形態に係る搬送装置2では、各段の送出部14の両側方に、搬送貯留部13がそれぞれ配置されている。つまり、同じ段の2つの両搬送貯留部13によって、送出部14が挟まれた状態となっている。そして、両搬送貯留部13の仕分作業エリアE1のゾーン上の物品Wは、それら両搬送貯留部13間に位置する送出部14上へ仕分部15によって仕分けられる。
【0057】
次に、本発明の第4の実施の形態について図9を参照して説明する。
【0058】
この第4の実施の形態に係る搬送装置2は、同じ段(例えば段数は2段)の2つの搬送貯留部13と、この搬送貯留部13の側方側に配置された同じ段の2つの送出部14と、この送出部14へ物品Wを仕分ける同じ段の2つの仕分部15とを備えている。なお、仕分部15は、例えばジップチェーンを利用した水平移動プッシャである。
【0059】
また、この搬送装置2は、それら両送出部14に対応するように、中継搬送部17及び下流搬送部16をそれぞれ両側に備えている。そして、積付ロボット3は、2つの各下流搬送部16上の物品Wを保持して所望位置まで移送する。なお、搬送貯留部13の段数は例えば3段以上でもよく、また同じ段に位置する搬送貯留部13の数は3以上でもよい。
【0060】
次に、本発明の第5の実施の形態について図10を参照して説明する。
【0061】
この第5の実施の形態に係る搬送装置2では、下流搬送部16は、中段の搬送貯留部13と同じ高さに配置された第1下流コンベヤ46と、この第1下流コンベヤ46の下方に下段の搬送貯留部13と同じ高さで配置された第2下流コンベヤ47とによって構成されている。
【0062】
また、第2下流コンベヤ47は、第1下流コンベヤ46よりも搬送方向長さが長く、当該第1下流コンベヤ46の搬送終端部よりも搬送方向下流に位置する延長搬送部47aを有している。そして、積付ロボット3は、第1下流コンベヤ46上の物品W及び第2下流コンベヤ47の延長搬送部47a上の物品Wを保持して所望位置まで移送する。これにより、第1下流コンベヤ46と第2下流コンベヤ47に交互に物品Wを供給することで、下流搬送部16をバッファとして使用できる。
【0063】
次に、本発明の第6の実施の形態について図11(a)及び(b)を参照して説明する。
【0064】
この第6の実施の形態に係る搬送装置2は、前記各実施の形態とは異なり、中継搬送部17及び下流搬送部16を備えておらず、その代わりに、各段の送出部14が、搬送方向長さが異なる延長コンベヤ51,52,53を下流側に有している。
【0065】
つまり、上段の送出部14は搬送コンベヤ25と第1延長コンベヤ51とで構成され、中段の送出部14は搬送コンベヤ25と第2延長コンベヤ52とで構成され、下段の送出部14は搬送コンベヤ25と第3延長コンベヤ53とで構成されている。
【0066】
また、第2延長コンベヤ52は、第1延長コンベヤ51よりも搬送方向長さが長く、当該第1延長コンベヤ51の搬送終端部よりも搬送方向下流に位置する延長搬送部52aを有している。また、第3延長コンベヤ53は、第2延長コンベヤ52よりも搬送方向長さが長く、当該第2延長コンベヤ52の搬送終端部よりも搬送方向下流に位置する延長搬送部53aを有している。
【0067】
そして、各段の送出部14は、仕分部15で仕分けられた物品Wを積付ロボット3のロボットハンド8によって保持可能な位置である保持位置まで搬送する。そして、積付ロボット3は、その保持位置に停止した第1延長コンベヤ51上の物品W、第2延長コンベヤ52の延長搬送部52a上の物品W、及び第3延長コンベヤ53の延長搬送部53a上の物品Wを保持して所望位置まで移送する。これにより、物品を各送出部14から集約する工程が省かれ、物品Wを送出部14から次工程に直接搬出することができる。
【0068】
なお、各段の送出部14は、それぞれ2つのコンベヤからなるものには限定されず、例えば各段の送出部14を1本のコンベヤで構成し、その各段のコンベヤの搬送方向長さを下段ほど長くしてもよい。
【0069】
次に、本発明の第7の実施の形態について図12ないし図18を参照して説明する。
【0070】
この第7の実施の形態に係る搬送装置2の中継搬送部17は、例えば複数の物品Wを同時に載置可能なリフトである。つまり、この中継搬送部(下流側のリフト)17は、送出部14から搬出された複数の物品Wが同時に載置される昇降搬送体32を有している。なお、搬出単位条件の例として、中継搬送部17には可搬条件(以下では「リフト可搬条件」という)が設定されており、例えば「長さ1000mm以内」及び「重量100kg以内」である(図17参照)。
【0071】
そして、図13は、この搬送装置2の制御部20による並べ替え処理パターンの例(パターン3)を示す図である。
【0072】
この図13に示すパターン3では、制御部20は、設定順序が連続する2以上の一定数、すなわち例えば2個の物品Wからなる連番ユニット(連番物品群)が同じグループに属し、かつ、同じグループ内では各連番ユニットの設定順序が不連続となるように、グループ分けを行う。
【0073】
そして、この例では、設定順序の順に2個ずつ物品をグルーピングしていくことで5つの連番ユニットが生成される。そして、連番ユニットは昇順で各搬送貯留部13に分散させるように循環的に割り当てられる。すると、積付順が「1、2」の連番ユニット及び積付順が「7、8」の連番ユニットはコンベヤ13-1に貯留され、積付順が「3、4」の連番ユニット及び積付順が「9、10」連番ユニットはコンベヤ13-2に貯留され、積付順が「5、6」の連番物品はコンベヤ13-3に貯留される。これにより、連番ユニットを構成する物品が同じグループに属し、かつ、同じグループ内では連番ユニットを構成する物品の設定順序はこれら以外の物品の設定順序と不連続となる。また、設定順序は、各グループ(搬送貯留部13)間では連続している。
【0074】
その後、コンベヤ13-1上の2つの連番ユニットからなるグループを構成する4個の物品Wは、仕分部15によって積付順が早いものから順に送出部14上に押し出される。また、コンベヤ13-2上の2つの連番ユニットからなるグループを構成する4個の物品Wも、同様に仕分部15によって積付順が早いものから順に送出部14上に押し出される。さらに、コンベヤ13-3上の1つの連番ユニットからなるグループを構成する2個の物品Wも、同様に仕分部15によって積付順が早いものから順に送出部14上に押し出される。そして、送出部14の下流部には、連番ユニットを構成する物品Wが設定番号の早い順に到着する。
【0075】
こうして、制御部20による物品Wの並べ替え処理が実行され、並べ替え対象の物品群の搬送順序が、積付パターンに応じた積付順となる。
【0076】
そして、中継搬送部17は、連番ユニットを構成する物品を設定順序が早い順に各送出部14から受け取り、下流搬送部16に一斉に搬送する。これによって、中継搬送部17は、各送出部14から複数の物品をまとめて搬送でき、搬送効率を向上できる。
【0077】
また、図14は、この搬送装置2の制御部20による並べ替え処理パターンの例(パターン4)を示す図である。
【0078】
この図14に示すパターン4では、制御部20は、設定順序が連続する2以上の一定数、すなわち例えば2個の物品Wからなる連番ユニットが同じグループに属し、かつ、貯留数が少ない搬送貯留部に優先して物品Wが振り分けられるように、グループ分けを行う。
【0079】
そして、この例では、設定順序の順に2個ずつ物品をグルーピングしていくことで5つの連番ユニットが生成され、また、物品Wが振分部12に到着した順に順次搬送貯留部13に振り分けられていくものである。従って、搬送貯留部13に先に貯留された物品Wの設定順序及び各搬送貯留部13の貯留個数を基準に、振分部12は物品Wを各搬送貯留部13に振り分ける。なお、搬送貯留部13に対しても割付優先順位が設定されている。つまり、振分部12は、連番ユニットを構成する物品Wが同じ搬送貯留部13に属するように振り分け、かつ、連番ユニットを構成する物品Wのうち最初に振り分けられる物品Wを振り分け時点で貯留数が少ない搬送貯留部13に優先して振り分ける。これにより、連番ユニットを構成する物品Wを同じ搬送貯留部13に貯留することで搬出効率を損なわせず、物品Wが特定の搬送貯留部13に集中して保管されることを防止して各搬送貯留部13の物品Wの貯留数を分散させることができる。
【0080】
そして、積付順が「3、4」の連番ユニット及び積付順が「9、10」の連番ユニットはコンベヤ13-1に貯留され、積付順が「5、6」の連番ユニット及び積付順が「7、8」連番ユニットはコンベヤ13-2に貯留され、積付順が「1、2」の連番物品はコンベヤ13-3に貯留される。
【0081】
その後、上記パターン3と同様にコンベア13-1乃至13-3で積付順が早い物品Wから順に仕分部15によって送出部14上に押し出され、そして、中継搬送部17は、連番ユニットを構成する物品を設定順序が早い順に各送出部14から受け取り、下流搬送部16に一斉に搬送する。
【0082】
こうして、制御部20による物品Wの並べ替え処理が実行され、並べ替え対象の物品群の搬送順序が、積付パターンに応じた積付順となる。
【0083】
なお、設定順序が割り切れず、余りの物品Wが生じた場合において、物品Wが単独1つのときには単独で、余りの物品Wが複数のときにはそれらを連番ユニットとして振分から搬出まで処理される。つまり、このパターン4の場合、連番ユニットを構成しない単独物品Wは、振分部13による振り分け時点で、最も貯留数が少ない搬送貯留部13に振り分けられる。
【0084】
このような場合、例えば、下流搬送部16に物品Wを連続して搬入して設定順序の早い物品Wから作業を行うことができ、また、下流搬送部16上の複数の物品Wに対して作業を行う複数の作業装置として例えばロボットを複数台、例えば2台設置して、連番ユニットを構成する物品Wのうちの設定順序が早い方を処理する第1ロボットと後の設定順序の物品Wを処理する第2ロボットとを設置し、例えば第1ロボットが「1、3、5・・・」の物品Wを作業対象とし、第2ロボットが「2、4、6・・・」の物品Wを作業対象とするように、自機に対応する設定順序の物品Wに対して夫々のロボットが作業を行うような構成としてもよい。作業装置の数は任意であり、例えば中継搬送部17で一斉に3個運べるのであれば3台設定してもよく、下流から作業装置の台数に合わせて3区切りの連続番号を夫々の作業装置が処理する設定順序とすることができる。
【0085】
また一方、1回の中継搬送部17の昇降で移動させる物品数が多いほど作業効率化及び省エネ化を図れることから、図15に示すパターン5及び図16に示すパターン6では、設定順序が連続する連番ユニットの物品数が、上記パターン3、4の如く一定な個数(例えば「2」)ではなく、物品情報(物品の長さ・重量)及びリフト可搬条件(搬出単位条件)に基づいて設定される不定な個数(例えば「1」~「3」)である(図17参照)。
【0086】
そして、このパターン5、6では、制御部20は、各物品Wの寸法・重量等の物品情報を管理及び記憶しており、この物品情報及びリフト可搬条件に基づいて積付順及びリフト順(中継搬送部17に載置される順)を設定した上で、積付順が連続しかつ中継搬送部17に同時に載置される複数の物品Wからなる連番ユニットが同じグループに属するように、グループ分けを行う。これは、設定順序の順番に物品情報を組み合わせた場合において可搬条件内に収まる単位に区分することによって、各物品Wが単独かまたは2以上の物品Wで構成される連番ユニットを構成する物品かが順次決定される。
【0087】
その結果、パターン5の例では、物品Wをリフト順に各搬送貯留部13に分散させるようにグループ分けするものであり、予め制御部20でテーブルを作成して、そのテーブルに従って物品Wを振分部12が各搬送貯留部13に振り分けるものであり、物品Wが振分部12に到着した順番によって物品Wの各搬送貯留部13が貯留する物品Wが変化せずに一定である。単独物品である積付順が「1」はコンベア13-1に貯留され、「3、9、10」はコンベヤ13-3に貯留される。また、積付順が「4、5」でリフト順が「4」の2個の物品Wからなる連番ユニットはコンベヤ13-1に貯留され、積付順が「6、7、8」でかつリフト順が「5」の3個の物品Wからなる連番ユニットはコンベヤ13-2に貯留される。
【0088】
また、パターン6の例では、物品Wをリフト順に各搬送貯留部13に分散させるようにグループ分けするものであり、物品Wが振分部12に到着した順に各搬送貯留部13に先に貯留された物品Wの設定順序及び各搬送貯留部13の貯留個数を基準に振り分けるため、物品Wが振分部12に到着した順、つまり物品が上流搬送部で搬送される並びによって、各搬送貯留部13が貯留する物品Wが変化する。単独物品である積付順が「1、9」はコンベア13-1に貯留され、「2、3、10」はコンベヤ13-2に貯留される。また、積付順が「4、5」でかつリフト順が「4」の2個の物品Wからなる連番ユニットはコンベヤ13-1に貯留され、積付順が「6、7、8」でかつリフト順が「5」の3個の物品Wからなる連番ユニットはコンベヤ13-3に貯留される。つまり、振分部12から搬送貯留部13に対して物品Wを振り分ける際に、連番ユニットを構成する物品Wが同じ搬送貯留部13に属するように振り分け、かつ、連番ユニットを構成しない物品Wまたは連番ユニットを構成する物品Wのうち最初に振り分けられる物品Wを振り分け時点で貯留数が少ない搬送貯留部13に優先して振り分けるように振分部に動作させている。
【0089】
そして、このような2個或いは3個の物品Wからなる連番ユニットは、中継搬送部17が連番ユニットを構成する物品Wを設定順序が早い順に各送出部14から受け取り、この中継搬送部17上に同時に載置された状態で移動し、その連続して纏まった状態のまま下流搬送部16へ搬送される。
【0090】
また、図18は仕分部15による仕分作業の例を示す図であるが、この図示した例では、積付順が「1」の物品W及び積付順が「2」の物品Wは、仕分部15によって1個ずつ仕分けられて中継搬送部17上に1個ずつ載置されるため、夫々が仕分部15によって、適宜押し出される。一方、その後の積付順が「3、4、5」の物品Wは、一斉に載置・搬送されるものであり、「3」「4」の順番に並んでいるが、「5」は「4」よりも下流に位置しているため「4」が自ゾーンの隣を通り過ぎなければ「5」を仕分けることができない。従って、「3、4、5」の物品Wについては、「3」及び「4」が同時に仕分けられた後、「5」が仕分けられ、これら仕分けられた3個の物品Wが中継搬送部17上に一斉に載置されて搬送される。このように仕分部15が送出部14に物品Wを移動させるタイミングを調整することで、送出部14の下流部に物品Wの設定順序が早い順に到達させることができる。
【0091】
そして、このような装置によれば、物品Wを各搬送貯留部13に分散する工程の後、物品Wが各搬送貯留部13から送出部14に設定順序となるように仕分けられるため、物品Wを所定の設定順序に効率よく並べ替えることができる。
【0092】
なお、上記いずれの実施の形態においても、作業システムは、積付システム(パレタイズシステム)には限定されず、例えば搬送装置が搬送途中で物品(複数の商品を収納した商品収納ケース)の並べ替えを行い、その後、作業装置であるピッキングロボットが複数の物品内から商品を設定順序(投入順)でピッキングして集品容器に投入するピッキングシステムでもよい。
【0093】
また、振分部や中継搬送部は、昇降可能なリフタには限定されず、例えば俯仰コンベヤ、振分用ロボット等でもよい。
【0094】
さらに、搬送貯留部は、ZPAコンベヤには限定されず、例えばタクト送りのコンベヤ、ストッパ付きのコンベヤ等でもよく、また、搬送貯留部の段数も任意であり、例えば4段以上でもよい。
【0095】
また、送出部は、1本のコンベヤには限定されず、例えば搬送貯留部と同じ複数のゾーンからなるZPAコンベヤ等でもよい。
【0096】
さらに、仕分部は、物品を移動させる機構として、押し出しまたは引き込み移動するプッシャや、ポップアップ式の直交転換機等の転換装置を採用することができる。
【0097】
また、第1方向と第2方向は同方向でも逆方向でも良く、下流部と上流部とは、各部の物理的な下流端または上流端に限られず、物品が搬出される位置と物品が搬入される位置と考えてもよい。
【0098】
さらに、設定順序の順番にグループ分けや連番ユニット分け等が行なわれる場合は、その順は昇順・降順の何れの順番を採用してもよい。
【0099】
また、搬送装置に設置された搬送貯留部の全部または一部を使うこともでき、実際に使用される実質的な搬送貯留部の数を基準としてグループの数を決定したり、物品を割り付けることができる。
【0100】
さらに、搬出単位条件として、リフトの可搬条件を例に説明したが、この条件は適宜変更可能であり、物品情報を設定順序に組み合わせた場合に、搬出単位条件に含まれる単品または2以上の複数の物品群(連番ユニット)に区分され、これらの区分に応じて物品が一斉に中継搬送部によって搬送されることで、中継搬送部の搬送効率を向上させている。
【0101】
また、各部11~17が取り扱える物品Wの品種・数は適宜変更可能である。
【0102】
なお、本発明のいくつかの実施の形態及びその変形例について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、前記各実施の形態及び各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0103】
2 搬送装置
12 振分部
13 貯留部である搬送貯留部
14 送出部
15 仕分部
17 中継搬送部
20 制御部
32 昇降搬送体
W 物品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18