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特許7431898通信端末、プログラム、及び測位制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-06
(45)【発行日】2024-02-15
(54)【発明の名称】通信端末、プログラム、及び測位制御方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 19/07 20100101AFI20240207BHJP
   G01S 19/25 20100101ALI20240207BHJP
   G01S 19/31 20100101ALI20240207BHJP
   G01S 19/34 20100101ALI20240207BHJP
   G01S 19/41 20100101ALI20240207BHJP
   G01C 21/28 20060101ALI20240207BHJP
【FI】
G01S19/07
G01S19/25
G01S19/31
G01S19/34
G01S19/41
G01C21/28
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022116874
(22)【出願日】2022-07-22
(65)【公開番号】P2024014212
(43)【公開日】2024-02-01
【審査請求日】2023-02-07
(73)【特許権者】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】土屋 仁
(72)【発明者】
【氏名】小村 浩之
【審査官】藤田 都志行
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-173164(JP,A)
【文献】国際公開第2020/039659(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0208557(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 19/00-19/55
G01C 21/26-21/36
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
GNSS測位及びSBAS補正を実行可能な測位実行部と、
予め定められた条件が満たされた場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させないように制御する測位制御部と
を備え
前記測位制御部は、前記測位実行部によって実行された前記GNSS測位の測位精度が予め定められた第1の閾値より高い場合と、前記第1の閾値よりも低い第2の閾値よりも低い場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させないように制御し、前記測位精度が前記第1の閾値と前記第2の閾値との間の場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させるよう制御する、通信端末。
【請求項2】
GNSS測位及びSBAS補正を実行可能な測位実行部と、
予め定められた条件が満たされた場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させないように制御する測位制御部と
を備え、
前記測位制御部は、前記測位実行部によって実行された前記GNSS測位の測位精度が予め定められた閾値より高い場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させないように制御し、前記測位精度が前記予め定められた閾値より低い場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させるよう制御する、通信端末。
【請求項3】
GNSS測位及びSBAS補正を実行可能な測位実行部と、
予め定められた条件が満たされた場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させないように制御する測位制御部と
を備え、
前記測位制御部は、前記測位実行部がAGNSS測位を実行した場合において、予め提供される衛星の位置に関するEphemeris情報に基づいて、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させるか否かを制御する、通信端末。
【請求項4】
GNSS測位及びSBAS補正を実行可能な測位実行部と、
予め定められた条件が満たされた場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させないように制御する測位制御部と
を備え、
前記測位制御部は、前記測位実行部によって実行された前記GNSS測位の測位結果が示す位置が、予め定められたエリア内に位置する場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させないように制御し、前記測位結果が示す位置が前記予め定められたエリア内に位置しない場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させるよう制御する、通信端末。
【請求項5】
前記予め定められたエリアは、SBAS信号の圏外である可能性が高いエリアとして登録されたエリア、SBASサポートエリア外のエリア、及び、SBAS用衛星の仰角が予め定められた角度よりも低いエリアの少なくともいずれかのエリアである、請求項に記載の通信端末。
【請求項6】
通信端末であって、
GNSS測位及びSBAS補正を実行可能な測位実行部と、
予め定められた条件が満たされた場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させないように制御する測位制御部と、
前記測位実行部による測位によって特定された前記通信端末の位置情報を記憶する位置情報記憶部
を備え、
前記測位制御部は、前記位置情報記憶部に記憶されている前記位置情報の履歴に基づいて、前記通信端末が予め定められたエリア内に位置すると判定した場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させないように制御し、前記予め定められたエリア内に位置しないと判定した場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させるよう制御する、通信端末。
【請求項7】
前記測位制御部は、前記位置情報記憶部に記憶されている前記位置情報の履歴に基づいて、前記通信端末が前記予め定められたエリア内に位置すると判定した場合に、前記測位実行部が、SBAS信号の受信処理を実行しないように制御する、請求項に記載の通信端末。
【請求項8】
GNSS測位及びSBAS補正を実行可能な測位実行部と、
予め定められた条件が満たされた場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させないように制御する測位制御部と、
無線基地局と無線通信することによって移動体通信を実行する移動体通信部
を備え、
前記測位制御部は、前記移動体通信部が前記無線基地局から受信した前記無線基地局に関連する基地局関連情報に基づいて、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させるか否かを決定する、通信端末。
【請求項9】
前記基地局関連情報は、前記無線基地局を識別可能な基地局識別情報を含み、
前記測位制御部は、前記移動体通信部が受信した前記基地局識別情報によって識別される前記無線基地局が、予め登録された無線基地局である場合、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させないように制御する、請求項に記載の通信端末。
【請求項10】
前記測位制御部は、予めサーバから受信した複数の基地局識別情報が含まれる登録データに、前記移動体通信部が受信した前記基地局識別情報が含まれる場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させないように制御する、請求項に記載の通信端末。
【請求項11】
前記通信端末が前記無線基地局に在圏しているときの前記測位実行部による前記SBAS補正の成否と、前記無線基地局の基地局識別情報とを対応付けて記憶する成否記憶部と、
前記成否記憶部に記憶されている情報に基づいて、複数の無線基地局毎に、SBAS補正の成功率を特定する特定部と
を更に備え、
前記測位制御部は、前記移動体通信部が受信した前記基地局識別情報によって識別される前記無線基地局の前記SBAS補正の前記成功率が、予め定められた閾値より低い場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させないように制御する、請求項に記載の通信端末。
【請求項12】
コンピュータを、請求項1から11のいずれか一項に記載の通信端末として機能させるためのプログラム。
【請求項13】
GNSS測位及びSBAS補正を実行可能な測位実行部を備える通信端末によって実行される測位制御方法であって、
予め定められた条件が満たされた場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させないように制御し、前記予め定められた条件が満たされなかった場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させるよう制御する測位制御段階
を備え
前記測位制御段階は、前記測位実行部によって実行された前記GNSS測位の測位精度が予め定められた第1の閾値より高い場合と、前記第1の閾値よりも低い第2の閾値よりも低い場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させないように制御し、前記測位精度が前記第1の閾値と前記第2の閾値との間の場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させるよう制御する、測位制御方法。
【請求項14】
GNSS測位及びSBAS補正を実行可能な測位実行部を備える通信端末によって実行される測位制御方法であって、
予め定められた条件が満たされた場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させないように制御し、前記予め定められた条件が満たされなかった場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させるよう制御する測位制御段階
を備え、
前記測位制御段階は、前記測位実行部によって実行された前記GNSS測位の測位精度が予め定められた閾値より高い場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させないように制御し、前記測位精度が前記予め定められた閾値より低い場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させるよう制御する、測位制御方法。
【請求項15】
GNSS測位及びSBAS補正を実行可能な測位実行部を備える通信端末によって実行される測位制御方法であって、
予め定められた条件が満たされた場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させないように制御し、前記予め定められた条件が満たされなかった場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させるよう制御する測位制御段階
を備え、
前記測位制御段階は、前記測位実行部がAGNSS測位を実行した場合において、予め提供される衛星の位置に関するEphemeris情報に基づいて、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させるか否かを制御する、測位制御方法。
【請求項16】
GNSS測位及びSBAS補正を実行可能な測位実行部を備える通信端末によって実行される測位制御方法であって、
予め定められた条件が満たされた場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させないように制御し、前記予め定められた条件が満たされなかった場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させるよう制御する測位制御段階
を備え、
前記測位制御段階は、前記測位実行部によって実行された前記GNSS測位の測位結果が示す位置が、予め定められたエリア内に位置する場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させないように制御し、前記測位結果が示す位置が前記予め定められたエリア内に位置しない場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させるよう制御する、測位制御方法。
【請求項17】
通信端末であって、GNSS測位及びSBAS補正を実行可能な測位実行部と前記測位実行部による測位によって特定された前記通信端末の位置情報を記憶する位置情報記憶部とを備える通信端末によって実行される測位制御方法であって、
予め定められた条件が満たされた場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させないように制御し、前記予め定められた条件が満たされなかった場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させるよう制御する測位制御段階
を備え、
前記測位制御段階は、前記位置情報記憶部に記憶されている前記位置情報の履歴に基づいて、前記通信端末が予め定められたエリア内に位置すると判定した場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させないように制御し、前記予め定められたエリア内に位置しないと判定した場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させるよう制御する、測位制御方法。
【請求項18】
GNSS測位及びSBAS補正を実行可能な測位実行部と無線基地局と無線通信することによって移動体通信を実行する移動体通信部とを備える通信端末によって実行される測位制御方法であって、
予め定められた条件が満たされた場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させないように制御し、前記予め定められた条件が満たされなかった場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させるよう制御する測位制御段階
を備え、
前記測位制御段階は、前記移動体通信部が前記無線基地局から受信した前記無線基地局に関連する基地局関連情報に基づいて、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させるか否かを決定する、測位制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信端末、プログラム、及び測位制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、SBAS(Satellite-Based Augmentation System)補正技術について記載されている。特許文献2には、準天頂衛星や静止衛星を用いた補正情報を用いる補強方法について記載されている。特許文献3には、マルチGNSS(Global Navigation Satellite System)測位技術について記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2014-238349号公報
[特許文献2]特開2014-206502号公報
[特許文献3]特開2019-086300号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の一実施態様によれば、通信端末が提供される。前記通信端末は、GNSS測位及びSBAS補正を実行可能な測位実行部を備えてよい。前記通信端末は、予め定められた条件が満たされた場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させないように制御し、前記予め定められた条件が満たされなかった場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させるよう制御する測位制御部を備えてよい。
【0004】
前記通信端末において、前記測位制御部は、前記測位実行部によって実行された前記GNSS測位の測位結果が予め定められた条件を満たす場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させないように制御し、前記測位結果が前記予め定められた条件を満たさない場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させるよう制御してよい。前記測位制御部は、前記測位実行部がGNSS信号の受信及びSBAS信号の受信を開始し、受信が完了した前記GNSS信号を用いて実行した前記GNSS測位の測位結果が前記予め定められた条件を満たさない場合、前記測位実行部に前記SBAS信号の受信を中断させてよい。前記測位制御部は、前記GNSS測位の測位精度が予め定められた条件を満たす場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させないように制御し、前記測位精度が前記予め定められた条件を満たさない場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させるよう制御してよい。前記測位制御部は、前記測位精度が予め定められた閾値より高い場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させないように制御し、前記測位精度が前記予め定められた閾値より低い場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させるよう制御してよい。前記測位制御部は、前記測位精度が予め定められた閾値より低い場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させないように制御し、前記測位精度が前記予め定められた閾値より高い場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させるよう制御してよい。
【0005】
前記いずれかの通信端末において、前記測位制御部は、前記GNSS測位のC/N比が予め定められた閾値より低い場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させないように制御し、前記C/N比が前記予め定められた閾値より高い場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させるよう制御してよい。
【0006】
前記いずれかの通信端末において、前記測位制御部は、前記測位実行部が前記GNSS測位を実行した際に検知した衛星の数に基づいて、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させるか否かを制御してよい。
【0007】
前記いずれかの通信端末において、前記測位制御部は、前記測位実行部がAGNSS測位を実行した場合において、予め提供される衛星の位置に関するEphemeris情報に基づいて、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させるか否かを制御してよい。
【0008】
前記いずれかの通信端末において、前記測位制御部は、前記測位結果が示す位置が、予め定められたエリア内に位置する場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させないように制御し、前記測位結果が示す位置が前記予め定められたエリア内に位置しない場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させるよう制御してよい。前記予め定められたエリアは、SBAS信号の圏外である可能性が高いエリアとして登録されたエリア、SBASサポートエリア外のエリア、及び、SBAS用衛星の仰角が予め定められた角度よりも低いエリアの少なくともいずれかのエリアであってよい。
【0009】
前記いずれかの通信端末は、前記測位実行部による測位によって特定された前記通信端末の位置情報を記憶する位置情報記憶部を備えてよく、前記測位制御部は、前記位置情報記憶部に記憶されている前記位置情報の履歴に基づいて、前記通信端末が予め定められたエリア内に位置すると判定した場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させないように制御し、前記予め定められたエリア内に位置しないと判定した場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させるよう制御してよい。前記測位制御部は、前記位置情報記憶部に記憶されている前記位置情報の履歴に基づいて、前記通信端末が前記予め定められたエリア内に位置すると判定した場合に、前記測位実行部が、SBAS信号の受信処理を実行しないように制御してよい。
【0010】
前記いずれかの通信端末は、無線基地局と無線通信することによって移動体通信を実行する移動体通信部を更に備えてよく、前記測位制御部は、前記移動体通信部が前記無線基地局から受信した前記無線基地局に関連する基地局関連情報に基づいて、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させるか否かを決定してよい。前記基地局関連情報は、前記無線基地局を識別可能な基地局識別情報を含んでよく、前記測位制御部は、前記移動体通信部が受信した前記基地局識別情報によって識別される前記無線基地局が、予め登録された無線基地局である場合、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させないように制御してよい。前記測位制御部は、予めサーバから受信した複数の基地局識別情報が含まれる登録データに、前記移動体通信部が受信した前記基地局識別情報が含まれる場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させないように制御してよい。前記通信端末は、前記通信端末が前記無線基地局に在圏しているときの前記測位実行部による前記SBAS補正の成否と、前記無線基地局の基地局識別情報とを対応付けて記憶する成否記憶部と、前記成否記憶部に記憶されている情報に基づいて、複数の無線基地局毎に、SBAS補正の成功率を特定する特定部とを更に備えてよく、前記測位制御部は、前記移動体通信部が受信した前記基地局識別情報によって識別される前記無線基地局の前記SBAS補正の前記成功率が、予め定められた閾値より低い場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させないように制御してよい。
【0011】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータを、上記位置管理端末として機能させるためのプログラムが提供される。
【0012】
本発明の一実施態様によれば、測位制御方法が提供される。前記測位制御方法は、GNSS測位及びSBAS補正を実行可能な測位実行部を備える通信端末によって実行されてよい。前記測位制御方法は、予め定められた条件が満たされた場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させないように制御し、前記予め定められた条件が満たされなかった場合に、前記測位実行部に前記SBAS補正を実行させるよう制御する測位制御段階を備えてよい。
【0013】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】システム10の一例を概略的に示す。
図2】通信端末100の測位処理について説明するための説明図である。
図3】通信端末100の機能構成の一例を概略的に示す。
図4】通信端末100による処理の流れの一例を概略的に示す。
図5】通信端末100による処理の流れの一例を概略的に示す。
図6】通信端末100として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
従来のSBAS補正技術においては、通常の衛星測位が終了した後に、補正演算が行われる。補正に必要な電波信号の受信が完了していなかった場合は、電波信号の受信の完了を待って、SBAS補正演算が行われる。電波信号の受信とSBAS演算のためにチップがアクティブになる期間が延長されるので、この間の電池消費が懸念される。本実施形態に係る通信端末100は、SBAS補正機能を備えるが、例えば、特定の条件を満たした場合に、SBAS信号受信を中断し、SBAS補正処理を行わないようにすることで、電力消費量の低減に貢献する。
【0016】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0017】
図1は、システム10の一例を概略的に示す。システム10は、通信端末100及びサーバ200を備える。
【0018】
通信端末100は、測位処理を実行可能な端末である。通信端末100は、GPS(Global Positioning System)測位等のGNSS測位を実行可能であってよい。通信端末100が行うGNSS測位は、AGNSS(Assisted GNSS)測位を含んでよい。通信端末100は、SBAS補正を実行可能であってよい。
【0019】
通信端末100は、複数の衛星20からGNSS信号22を受信して、GNSS測位処理を実行する。通信端末100は、統制局32から衛星36を介してSBAS信号38を受信して、SBAS補正を実行する。統制局32は、各地に配置された複数の監視局34のそれぞれによって、衛星20によるGNSS信号22の誤差及び異常等を監視して、誤差補正情報や異常情報を含むSBAS信号38を、衛星36を介して通信端末100に提供する。
【0020】
SBASは、日本におけるMSAS(MTSAT Satellite-based Augmentation System)であってよい。SBASは、米国におけるWAAS(Wide Area Augmentation System)であってよい。SBASは、欧州におけるEGNOS(European Geostationary-Satellite Navigation Overlay Service)であってよい。SBASは、インドにおけるGAGAN(GPS Aided Geo Augmented Navigation)であってよい。
【0021】
なお、通信端末100は、NW(NetWork)測位を実行可能であってもよい。NW測位の例として、セル測位、及びWi-Fi(登録商標)(Wireless Fidelity)測位等が挙げられる。
【0022】
通信端末100は、例えば、通信端末100を所持するユーザの位置情報をサーバ200によって管理可能にするための位置管理端末であってよい。位置管理端末は、GPSトラッカー等と呼ばれる場合がある。また、通信端末100は、例えば、スマートフォンである。通信端末100は、タブレット端末であってもよい。通信端末100は、ウェアラブル端末であってもよい。
【0023】
通信端末100は、予め定められた測位処理を実行する条件に基づいて位置情報をサーバ200に報告するための処理を実行する。測位処理を実行する条件とは、例えば、所定の時間間隔であってよい。具体的には、例えば、通信端末100は、予め定められた時間毎に、位置情報をサーバ200に報告するための処理を実行してもよい。また、測位処理を実行する条件とは、例えば、通信端末100に搭載された加速度センサ等のセンサの出力が測位処理を実行する条件を満たしたことであってもよい。具体的には、例えば、通信端末100は、自装置に搭載された加速度センサ等のセンサの出力によって自装置の移動/静止を検知した場合に、位置情報をサーバ200に報告するための処理を実行してよい。また、測位処理を実行する条件は、複数の条件の組み合わせであってもよい。具体的には、例えば、通信端末100は、予め定められた時間毎に、自装置に搭載された加速度センサ等のセンサの出力によって自装置の移動/静止を検知し、移動していた場合に、位置情報をサーバ200に報告するための処理を実行してもよい。なお、上述した測位処理を実行する条件は、一例であり、上記の例に限定されない。例えば、測位処理を実行する条件とは、通信端末100が所定の操作を受け付けた場合または位置情報管理端末が他の通信端末100もしくはサーバ200から位置情報の報告を要求する信号を受信した場合などであってもよい。
【0024】
通信端末100は、移動体通信を実行可能であってよい。通信端末100は、例えば、無線基地局を介してネットワーク50にアクセスする。通信端末100は、及びWi-Fiアクセスポイントを介してネットワーク50にアクセスしてもよい。ネットワーク50は、移動体通信ネットワークを含む。ネットワーク50は、インターネットを含んでよい。通信端末100は、ネットワーク50を介してサーバ200と通信する。
【0025】
サーバ200は、通信端末100の位置情報を管理してよい。サーバ200は、例えば、認証されたデバイスからの要求に応じて、通信端末100の位置情報を提供する。例えば、親が子供に通信端末100を所持させ、自身のスマートフォン等にインストールしたアプリによってサーバ200にアクセスし、通信端末100の位置情報を確認する、といった利用が行われる。
【0026】
サーバ200は、通信端末100によるSBAS補正の実行状況を管理してもよい。サーバ200は、例えば、通信端末100によるSBAS補正の実行結果を収集して、各地におけるSBAS補正の成功率等を特定する。
【0027】
本実施形態に係る通信端末100は、特定の条件を満たした場合にSBAS補正を実行しないようにすることで、電力消費量の低減を実現する。
【0028】
図2は、通信端末100の測位処理について説明するための説明図である。一例において、通信端末100は、測位処理を実行する条件が満たされたことに応じて、GNSS信号とSBAS信号の受信を開始する。通常、SBAS信号の受信にかかる時間は、GNSS信号の受信にかかる時間と比べて長い時間がかかる。なお、図2では、通信端末100がGNSS信号の受信とSBAS信号の受信とを同時に開始する例を示したが、GNSS信号とSBAS信号とは同時に受信されなくてもよい。例えば、先にGNSS信号の受信を行い、GNSS信号の受信が完了した後にSBAS信号の受信を開始してもよい。
【0029】
GNSS信号の受信が完了すると、通信端末100は、受信したGNSS信号を用いたGNSS測位処理を実行する。そして、SBAS信号の受信が完了すると、通信端末100は、SBAS補正処理を実行する、すなわち、GNSS測位処理の処理結果をSBAS信号に応じて補正する。
【0030】
従来のSBAS補正技術においては、GNSS測位処理が完了したときに、SBAS信号の受信が完了していなかった場合は、SBAS信号の受信の完了を待って、SBAS補正処理が行われることになるが、結果として、SBAS信号の受信とSBAS補正処理のために電力を消費する時間が延長されることになる。そこで、本実施形態に係る通信端末100は、予め定められた条件が満たされた場合に、SBAS補正を実行しないようにする。
【0031】
具体例として、通信端末100は、GNSS測位及びSBAS補正を実行可能なGNSSチップを備え、通信端末100の制御部が当該GNSSチップに対して指示を出すことによって、GNSS測位の実行及びSBAS補正の実行を制御する。通信端末100の制御部は、例えば、測位処理を実行する条件が満たされたことに応じて、測位処理の開始をGNSSチップに指示する。通信端末100の制御部は、例えば、GNSSチップによるGNSS測位が完了した時点で、GNSSチップからGNSS測位の測位精度を取得して、測位精度に応じて、SBAS補正を実行するかしないかを制御する。通信端末100の制御部は、例えば、GNSSチップによるGNSS測位が完了した時点で、GNSSチップから、C/N(Carrier/Noise)比を取得して、C/N比に応じて、SBAS補正を実行するかしないかを制御する。C/N比とは、複数の衛星20から受信するGNSS信号22の反射等によって変化する電波通信品質を示す値である。通信端末100の制御部は、例えば、GNSSチップによるGNSS測位が完了した時点で、GNSSチップから測位結果を取得して、測位結果が示す位置に応じて、SBAS補正を実行するかしないかを制御する。
【0032】
ここで、C/N比の値が良好であっても、測位精度が低くなる場合がある。具体的には、例えば、検知した衛星の数が少ない場合または、検知した衛星の位置に偏りがあった場合などでは、C/N比の値が良好であっても、測位精度が低くなる場合がある。そのため、C/N比に基づいて測位精度を判定し、SBAS補正を実行するかしないかを制御する場合、電力消費の低減が十分に行えない場合がある。そこで、通信端末100は、測位精度としてC/N比以外の情報に基づいてSBAS補正を実行するかしないかを制御してよい。例えば、通信端末100は、測位精度として、検知した衛星の数に基づいて、SBAS補正を実行するかしないかを制御してよい。具体例として、通信端末100は、検知した衛星の数が予め定められた数よりも少ない場合、SBAS補正を実行しないように制御し、多い場合、SBAS補正を実行するように制御する。また、例えば、通信端末100は、測位精度として、AGNSSで予め提供される衛星のおおよその位置を示す情報であるEphemeris情報に基づいて、SBAS補正を実行するかしないかを制御してよい。具体例として、通信端末100は、Ephemeris情報によって、SBAS衛星に近い位置の衛星がないと判定した場合、SBAS補正を実行しないように制御し、SBAS衛星に近い位置に衛星があると判定した場合、SBAS補正を実行するように制御する。なお、上記の例は、測位精度に基づいて、SBAS補正を実行するかしないかを制御する処理の一例であり、これらの例に限定されるものではない。例えば、通信端末100は、測位精度として、C/N比と、検知した衛星の数と、AGNSSで予め提供される衛星のおおよその位置を示す情報であるEphemeris情報とに基づいて、SBAS補正を実行するかしないかを制御してよい。
【0033】
例えば、通信端末100は、GNSS測位が完了した時点で、GNSS測位の測位精度が予め定められた閾値より高い場合には、SBAS信号受信を継続せずに、SBAS補正を行わないようにする。具体例として、通信端末100の制御部が、GNSSチップから取得したGNSS測位の測位精度と予め定められた閾値とを比較し、測位精度が閾値より高い場合に、GNSSチップに、SBAS信号の受信を停止させる。これにより、GNSS測位の測位精度が良いときにはそれ以上の精度が求められないユースケースにおいて、適切に電力消費量を低減することができる。
【0034】
例えば、通信端末100は、GNSS測位が完了した時点で、GNSS測位の測位精度が予め定められた閾値より低い場合には、SBAS信号受信を継続せずに、SBAS補正を行わないようにする。具体例として、通信端末100の制御部が、GNSSチップから取得したGNSS測位の測位精度と予め定められた閾値とを比較し、測位精度が閾値より低い場合に、GNSSチップに、SBAS信号の受信を停止させる。GNSS測位の測位精度が悪い場合、SBAS補正も時間がかかる可能性があったり、失敗しやすい可能性があったりする。また、GNSS測位の測位精度が悪い場合、例えば、300m程度の誤差が生じている場合において、SBAS補正によって5m程度補正しても、補正の効果が少なく、数値的に又は地図上の視覚的に補正の効果が伝わりづらいといえる。したがって、GNSS測位の測位精度が悪いときに、SBAS補正をしないようにすることで、SBAS補正の効果が小さかったり期待できないにも関わらず電力を消費してしまう可能性を低減することができる。
【0035】
通信端末100は、GNSS測位が完了した時点で、GNSS測位の測位精度が、予め定められた第1の閾値より高い場合と、第1の閾値よりも低い第2の閾値よりも低い場合には、SBAS信号受信を継続せずにSBAS補正を行わないようにし、GNSS測位の測位精度が、第1の閾値と第2の閾値との間の場合には、SBAS信号受信を継続して、SBAS補正を実行するようにしてもよい。これにより、上述した両方の効果を得ることが出来る。
【0036】
例えば、通信端末100は、GNSS測位が完了した時点で、GNSS測位におけるC/N比が予め定められた閾値より低い場合には、SBAS信号受信を継続せずに、SBAS補正を行わないようにする。具体例として、通信端末100の制御部が、GNSSチップから取得したC/N比と予め定められた閾値とを比較し、C/N比が閾値より低い場合に、GNSSチップに、SBAS信号の受信を停止させる。C/N比が閾値より低い場合、SBAS信号の受信成功率も下がる可能性が高い。したがって、GNSS測位のC/N比が悪いときに、SBAS補正をしないようにすることで、SBAS補正が失敗する可能性が高いにも関わらず電力を消費してしまう可能性を低減することができる。
【0037】
例えば、通信端末100は、SBAS信号の圏外である可能性が高いエリアや、SBASのサポートエリア外のエリアや、衛星36の仰角が予め定められた角度よりも低いエリア等の中に位置する場合に、SBAS補正を実行しない。例えば、MSASにおける衛星36は静止衛星であり、SBAS信号の受信がしづらいエリアが変動しづらい。例えば、衛星36が静止衛星でなくても、衛星36の飛行経路は決まっているので、SBAS信号の受信がしづらいエリアを特定することは可能である。通信端末100は、例えば、GNSS測位処理の測位結果が示す位置が、これらのエリア内に位置する場合に、SBAS信号受信を継続せずにSBAS補正を行わないようにする。これにより、結果としてSBAS補正が失敗してしまうような状況において不必要に電力を消費してしまう可能性を低減できる。通信端末100は、測位処理を開始する前に通信端末100がこのようなエリア内に位置すると判定した場合には、そもそもSBAS信号受信を含むSBAS関連処理を一切しないこととしてもよい。これにより、さらに節電効果を高めることができる。
【0038】
図3は、通信端末100の機能構成の一例を概略的に示す。通信端末100は、記憶部110、測位実行部120、測位制御部130、移動体通信部140、サーバ通信部150、及び特定部160を備える。なお、通信端末100がこれらの全てを備えることは必須とは限らない。
【0039】
記憶部110は、各種情報を記憶する。記憶部110は、位置情報記憶部112、エリア情報記憶部114、登録データ記憶部116、及び成否記憶部118を有してよい。
【0040】
測位実行部120は、測位処理を実行する。測位実行部120は、測位結果である通信端末100の位置情報を位置情報記憶部112に記憶させる。
【0041】
測位実行部120は、GNSS測位及びSBAS補正を実行可能である。測位実行部120は、複数の衛星20からGNSS信号を受信して、GNSS測位処理を実行する。測位実行部120は、統制局32から衛星36を介してSBAS信号を受信して、SBAS補正を実行する。
【0042】
測位実行部120は、例えば、通信端末100のユーザの指示に従って、測位処理を実行する。測位実行部120は、例えば、予め定められた条件が満たされたことに応じて、測位処理を実行する。測位実行部120は、例えば、予め定められたタイミング毎に測位処理を実行する。測位実行部120は、例えば、予め定められた時間毎に、通信端末100に搭載された加速度センサ等のセンサの出力によって通信端末100の移動/静止を検知し、移動していた場合に、測位処理を実行する。測位実行部120は、移動/静止の検知を行うことなく、予め定められた時間毎に、測位処理を実行してもよい。
【0043】
測位実行部120は、測位処理を実行する場合に、まず、GNSS信号の受信と、SBAS信号の受信を開始してよい。測位実行部120は、GNSS信号の受信が完了次第、GNSS測位処理を実行してよく、SBAS信号の受信が完了次第、SBAS補正を実行してよい。
【0044】
測位実行部120によるGNSS信号の受信に、タイムアウト時間が設定されてもよい。測位実行部120は、GNSS信号の受信を開始してから、予め設定されたタイムアウト時間が経過するまでに信号の受信が完了しなかった場合に、信号受信を停止してよい。タイムアウト時間は、任意に設定可能であってよく、変更可能であってもよい。測位実行部120は、例えば、通信端末100のユーザの指示に従って、タイムアウト時間を設定する。
【0045】
測位実行部120によるSBAS信号の受信に、タイムアウト時間が設定されてもよい。測位実行部120は、SBAS信号の受信を開始してから、予め設定されたタイムアウト時間が経過するまでに信号の受信が完了しなかった場合に、信号受信を停止してよい。タイムアウト時間は、任意に設定可能であってよく、変更可能であってもよい。測位実行部120は、例えば、通信端末100のユーザの指示に従って、タイムアウト時間を設定する。
【0046】
測位制御部130は、測位実行部120による測位を制御する。例えば、測位制御部130は、予め定められた条件が満たされた場合に、測位実行部120にSBAS補正を実行させないように制御する。
【0047】
例えば、測位制御部130は、測位実行部120によって実行されたGNSS測位の測位結果が予め定められた条件を満たす場合に、測位実行部120にSBAS補正を実行させないように制御し、測位結果が当該条件を満たさない場合に、測位実行部120にSBAS補正を実行させるよう制御する。これにより、例えば、GNSS測位の測位結果によって、SBAS補正の実行よりも省電力を優先すべき状況であると判定できる場合に、SBAS補正を実行せずに電力消費を低減することを実現できる。
【0048】
例えば、測位制御部130は、測位実行部120がGNSS信号の受信及びSBAS信号の受信を開始し、受信が完了したGNSS信号を用いて実行したGNSS測位の測位結果が条件を満たさない場合、測位実行部120にSBAS信号の受信を中断させる。これにより、SBAS信号の受信を継続するために必要な電力の消費を無くすことができ、省電力に貢献することができる。
【0049】
測位制御部130は、例えば、GNSS測位の測位精度が予め定められた条件を満たす場合に、測位実行部120にSBAS補正を実行させないように制御し、測位精度が当該条件を満たさない場合に、測位実行部120にSBAS補正を実行させるよう制御する。
【0050】
例えば、測位制御部130は、測位精度が予め定められた閾値より高い場合に、測位実行部120にSBAS補正を実行させないように制御し、測位精度が当該閾値より低い場合に、測位実行部120にSBAS補正を実行させるよう制御する。これにより、GNSS測位の測位精度が良いときにはそれ以上の精度が求められないユースケースにおいて、適切に電力消費量を低減することができる。なお、当該閾値は、任意に設定可能であってよく、変更可能であってよい。
【0051】
例えば、測位制御部130は、測位精度が予め定められた閾値より低い場合に、測位実行部120にSBAS補正を実行させないように制御し、測位精度が当該閾値より高い場合に、測位実行部120にSBAS補正を実行させるよう制御する。これにより、SBAS補正の効果が小さかったり期待できないにも関わらず電力を消費してしまう可能性を低減することができる。なお、当該閾値は、任意に設定可能であってよく、変更可能であってよい。
【0052】
例えば、測位制御部130は、GNSS測位が完了した時点で、GNSS測位の測位精度が、予め定められた第1の閾値より高い場合と、第1の閾値よりも低い第2の閾値よりも低い場合には、測位実行部120にSBAS補正を実行させないように制御し、GNSS測位の測位精度が、第1の閾値と第2の閾値との間の場合には、測位実行部120にSBAS補正を実行させるよう制御する。第1の閾値及び第2の閾値は、第2の閾値より第1の閾値の方が低ければ、任意に設定可能であってよく、変更可能であってよい。
【0053】
例えば、測位制御部130は、GNSS測位のC/N比が予め定められた閾値より低い場合に、測位実行部120にSBAS補正を実行させないように制御し、C/N比が当該閾値より高い場合に、測位実行部120にSBAS補正を実行させるよう制御する。これにより、SBAS補正が失敗する可能性が高く、結果としてSBAS補正に関連する処理に要した電力が無駄になってしまう可能性が高い状況において、SBAS補正を実行しないようにでき、省電力に貢献できる。なお、当該閾値は、任意に設定可能であってよく、変更可能であってよい。
【0054】
例えば、測位制御部130は、測位実行部120がGNSS測位を実行した際に検知した衛星の数に基づいて、測位実行部120にSBAS補正を実行させるか否かを制御する。例えば、測位制御部130は、測位実行部120が検知した衛星の数が予め定められた数よりも少ない場合、SBAS補正を実行させないように制御し、多い場合、SBAS補正を実行させるように制御する。これにより、SBAS補正が失敗する可能性が高く、結果としてSBAS補正に関連する処理に要した電力が無駄になってしまう可能性が高い状況において、SBAS補正を実行しないようにでき、省電力に貢献できる。なお、当該予め定められた数は、任意に設定可能であってよく、変更可能であってよい。
【0055】
例えば、測位制御部130は、測位実行部120がAGNSS測位を実行した場合において、予め提供される衛星の位置に関するEphemeris情報に基づいて、測位実行部120にSBAS補正を実行させるか否かを制御する。例えば、測位制御部130は、Ephemeris情報によって、SBAS衛星に近い位置の衛星がないと判定した場合、SBAS補正を実行させないように制御し、SBAS衛星に近い位置に衛星があると判定した場合、SBAS補正を実行させるように制御する。これにより、SBAS補正が失敗する可能性が高く、結果としてSBAS補正に関連する処理に要した電力が無駄になってしまう可能性が高い状況において、SBAS補正を実行しないようにでき、省電力に貢献できる。
【0056】
例えば、測位制御部130は、測位実行部120によるGNSS測位の測位結果が示す位置に基づいて、測位実行部120にSBAS補正を実行させるか否かを判定する。例えば、測位制御部130は、測位結果が示す位置が、予め定められたエリア(SBAS補正非実行エリアと記載する場合がある。)内に位置する場合に、測位実行部120にSBAS補正を実行させないように制御し、測位結果が示す位置がSBAS補正非実行エリア内に位置しない場合に、測位実行部120にSBAS補正を実行させるよう制御する。SBAS非実行エリアの情報は、予めエリア情報記憶部114に記憶されてよく、測位制御部130は、エリア情報記憶部114を参照してよい。SBAS補正非実行エリアは、SBAS信号の圏外である可能性が高いエリアとして登録されたエリアであってよい。SBAS補正非実行エリアは、SBASサポートエリア外のエリアであってよい。SBAS補正非実行エリアは、衛星36の仰角が予め定められた角度よりも低いエリアであってよい。これにより、SBAS補正が失敗する可能性が高く、結果としてSBAS補正に関連する処理に要した電力が無駄になってしまう可能性が高い状況において、SBAS補正を実行しないようにでき、省電力に貢献できる。
【0057】
測位制御部130は、位置情報記憶部112に記憶されている通信端末100の位置情報の履歴に基づいて、測位実行部120にSBAS補正を実行させるか否かを判定してもよい。例えば、測位制御部130は、位置情報記憶部112に記憶されている通信端末100の位置情報の履歴に基づいて、通信端末100がSBAS補正非実行エリア内に位置すると判定した場合に、測位実行部120にSBAS補正を実行させないように制御し、測位結果が示す位置がSBAS補正非実行エリア内に位置しない場合に、測位実行部120にSBAS補正を実行させるよう制御する。これにより、SBAS補正が失敗する可能性が高く、結果としてSBAS補正に関連する処理に要した電力が無駄になってしまう可能性が高い状況において、SBAS補正を実行しないようにでき、省電力に貢献できる。測位制御部130は、測位実行部120によってSBAS補正の受信が開始された後に、位置情報記憶部112に記憶されている通信端末100の位置情報の履歴に基づいて、通信端末100がSBAS補正非実行エリア内に位置すると判定した場合に、測位実行部120に、SBAS補正の受信を中断させてよい。測位制御部130は、位置情報記憶部112に記憶されている通信端末100の位置情報の履歴に基づいて、通信端末100がSBAS補正非実行エリア内に位置すると判定した場合に、測位実行部120が、SBAS信号の受信処理を実行しないように制御してもよい。これにより、結果としてSBAS補正が失敗してしまう可能性が高い状況において、そもそもSBAS信号受信を含むSBAS関連処理を一切実行させないようにでき、更なる節電を実現することができる。
【0058】
移動体通信部140は、移動体通信を実行する。移動体通信部140は、無線基地局と無線通信することによって移動体通信を実行してよい。
【0059】
サーバ通信部150は、サーバ200と通信する。サーバ通信部150は、移動体通信部140を介して、サーバ200と通信してよい。サーバ通信部150は、例えば、位置情報記憶部112に記憶されている位置情報をサーバ200に送信する。サーバ通信部150は、例えば、サーバ200から、SBAS非実行エリアの情報を受信して、エリア情報記憶部114に記憶させる。
【0060】
測位制御部130は、移動体通信部140が無線基地局から受信した、当該無線基地局に関連する基地局関連情報を、移動体通信部140から取得してよい。基地局関連情報は、無線基地局が報知する報知情報に含まれてよい。基地局関連情報は、PLMN(Public Land Mobile Network)を含んでよい。基地局関連情報は、無線基地局を識別可能な基地局識別情報を含んでよい。基地局関連情報は、セル識別情報を含んでよい。測位制御部130は、基地局関連情報に基づいて、測位実行部120にSBAS補正を実行させるか否かを決定してよい。なお、移動体通信部140は、無線基地局から到達した無線信号を受信可能であればよい。すなわち、移動体通信部140は、基地局関連情報を受信可能であれば、無線基地局とコネクションを確立する必要はない。
【0061】
例えば、測位制御部130は、移動体通信部140が受信した基地局識別情報によって識別される無線基地局が、予め登録された無線基地局である場合、測位実行部120にSBAS補正を実行させないように制御する。例えば、サーバ通信部150が、予めサーバ200から、SBAS補正を実行しない対象となる複数の基地局識別情報が含まれる登録データを受信して、登録データ記憶部116に記憶させる。サーバ200は、例えば、SBAS補正非実行エリアをカバーする無線基地局の基地局識別情報を登録データに含める。測位制御部130は、移動体通信部140が受信した基地局識別情報が、登録データ記憶部116に記憶されている登録データに含まれる場合に、測位実行部120にSBAS補正を実行させないように制御する。これにより、SBAS補正が失敗する可能性が高く、結果としてSBAS補正に関連する処理に要した電力が無駄になってしまう可能性が高い状況において、SBAS補正を実行しないようにでき、省電力に貢献できる。なお、基地局識別情報に代えて、セル識別情報が用いられてもよい。
【0062】
例えば、通信端末100が日本国内の無線通信事業者からサービスを受ける端末である場合において、測位制御部130は、基地局関連情報に含まれるPLMN又はMCCが、日本以外を示す場合に、測位実行部120にSBAS補正を実行させないように制御する。日本国内の無線通信事業者からサービスを受ける通信端末100の場合、MSASを利用することになり、MSASにおける衛星からSBAS信号を受信することになるが、そのような通信端末100が海外に位置する場合、SBAS信号の受信品質が悪かったり、SBAS信号を受信できなかったりする可能性が高い。よって、SBAS補正が失敗する可能性が高く、結果としてSBAS補正に関連する処理に要した電力が無駄になってしまう可能性が高い状況において、SBAS補正を実行しないようにでき、省電力に貢献できる。
【0063】
成否記憶部118は、通信端末100が無線基地局に在圏しているときの測位実行部120によるSBAS補正の成否と、無線基地局の基地局識別情報又はセル識別情報とを対応付けて記憶する。成否記憶部118は、例えば、タイムアウトせずにSBAS補正を実行できた場合、SBAS補正が成功したことと基地局識別情報又はセル識別情報とを対応付けて記憶し、SBAS補正がタイムアウトした場合、SBAS補正が失敗したことと基地局識別情報又はセル識別情報とを対応付けて記憶する。
【0064】
特定部160は、成否記憶部118に記憶されている情報に基づいて、複数の無線基地局毎に、SBAS補正の成功率を特定する。特定部160は、複数の無線基地局のそれぞれの基地局識別情報に、それぞれのSBAS補正の成功率を対応付けて成否記憶部118に記憶させてよい。測位制御部130は、移動体通信部140が受信した基地局識別情報によって識別される無線基地局のSBAS補正の成功率が、予め定められた閾値より低い場合に、測位実行部120にSBAS補正を実行させないように制御してよい。これにより、通信端末100が普段利用する無線基地局のうち、SBAS補正の成功率が低いエリアに位置する無線基地局に在圏しているときには、SBAS補正を実行しないようにでき、結果としてSBAS補正が失敗してしまう可能性が高い状況において不必要に電力を消費してしまう可能性を低減できる。なお、基地局識別情報に代えてセル識別情報が用いられてもよい。
【0065】
サーバ通信部150は、成否記憶部118に記憶されている情報をサーバ200に送信してもよい。サーバ200は、複数の通信端末100から情報を収集してよい。サーバ200は、複数の通信端末100から収集した情報を用いて、登録データを生成してよい。サーバ200は、複数の通信端末100から収集した情報を用いて、各地におけるSBAS補正の成否状況を判定して、SBAS補正非実行エリアの情報を生成してよい。
【0066】
測位実行部120は、移動体通信部140が受信した基地局関連情報に基づいて、SBAS信号受信のタイムアウト時間を変更してもよい。例えば、測位実行部120は、移動体通信部140が受信した基地局識別情報が、登録データ記憶部116に記憶されている登録データに含まれる場合、SBAS信号受信のタイムアウト時間をデフォルトよりも短く変更する。また、例えば、測位実行部120は、移動体通信部140が受信したPLMN又はMCCが、日本以外を示す場合に、SBAS信号受信のタイムアウト時間をデフォルトよりも短く変更する。これにより、SBAS補正が失敗する可能性が高い状況において、SBAS信号の受信を早期に停止することができ、省電力に貢献できる。
【0067】
エリア情報記憶部114は、SBASのサポートエリアを示すサポートエリア情報を記憶してもよい。例えば、サーバ通信部150が、サーバ200からサポートエリア情報を受信して、エリア情報記憶部114に記憶させる。サポートエリア情報は、SBASの提供者によってサポートが保証されているエリアの情報を含んでよい。サポートエリア情報は、SBAS補正の成功率が予め定められた閾値より高いエリアの情報を含んでもよい。当該情報は、例えば、サーバ200によって生成される。サポートエリア情報は、SBAS補正の成功率が高いエリアに位置する無線基地局の基地局識別情報を含んでもよい。当該情報は、例えば、サーバ200によって生成される。
【0068】
測位実行部120は、通信端末100の位置情報と、エリア情報記憶部114に記憶されているサポートエリア情報とに基づいて、SBAS信号受信のタイムアウト時間を調整してもよい。例えば、測位実行部120は、測位実行部120によって実行された測位処理の測位結果が示す位置が、サポートエリア情報が示すエリア内に位置する場合や、移動体通信部140が受信した基地局識別情報が、サポートエリア情報に含まれる基地局識別情報と一致した場合に、SBAS信号のタイムアウト時間をデフォルトよりも長くする。これにより、SBAS補正がサポートされていたり、SBAS補正が成功する可能性が高いエリアであるにも関わらず、SBAS補正の実行を停止してしまう可能性を低減することができる。測位実行部120は、GNSS測位のタイムアウト時間を更に調整してもよい。例えば、測位実行部120は、測位実行部120によって実行された測位処理の測位結果が示す位置が、サポートエリア情報が示すエリア内に位置する場合や、移動体通信部140が受信した基地局識別情報が、サポートエリア情報に含まれる基地局識別情報と一致した場合に、GNSS測位のタイムアウト時間をデフォルトよりも長くする。具体例として、測位実行部120は、GNSS測位のタイムアウト時間のデフォルトが60秒である場合に、5分に延長する。これにより、SBAS補正がサポートされていたり、SBAS補正が成功する可能性が高いエリアであるにも関わらず、測位処理を途中で中断してしまう可能性を低減することができる。
【0069】
図4は、通信端末100による処理の流れの一例を概略的に示す。ここでは、測位処理を実行する条件が満たされた状態を開始状態として説明する。
【0070】
ステップ(ステップをSと省略して記載する場合がある。)102では、測位実行部120が、GNSS信号及びSBAS信号の受信を開始する。GNSS信号の受信が完了した場合(S104でYES)、S106に進む。S106では、測位実行部120が、受信したGNSS信号を用いてGNSS測位処理を実行する。
【0071】
S108では、測位制御部130が、S106におけるGNSS測位の測位結果が条件を満たすか否かを判定する。測位制御部130は、例えば、GNSS測位の測位精度が予め定められた閾値より高い場合に、条件を満たすと判定し、低い場合に、条件を満たさないと判定する。測位制御部130は、例えば、GNSS測位の測位精度が予め定められた閾値より低い場合に、条件を満たすと判定し、高い場合に、条件を満たさないと判定する。測位制御部130は、例えば、GNSS測位のC/N比が予め定められた閾値より低い場合に、条件を満たすと判定し、高い場合に、条件を満たさないと判定する。測位制御部130は、例えば、測位結果が示す位置が、予め定められたエリア内に位置する場合に、条件を満たすと判定し、位置しない場合に、条件を満たさないと判定する。条件を満たすと判定された場合、S110に進み、満たさないと判定された場合、S112に進む。
【0072】
S110では、測位制御部130が、測位実行部120に、SBAS信号の受信を中断させる。S112では、測位実行部120が、SBAS信号の受信が完了したかを判定する。SBAS信号の受信が完了した場合、S114に進む。S114では、測位実行部120が、受信したSBAS信号を用いて、S106におけるGNSS測位の測位結果を補正する。
【0073】
S116では、測位実行部120が、測位結果を出力する。測位実行部120は、通信端末100が備えるディスプレイに測位結果を表示出力したり、他の装置に測位結果を送信出力したりしてよい。測位実行部120は、S110においてSBAS信号の受信が中断された場合には、S106におけるGNSS測位処理の測位結果を出力し、S114においてSBAS補正処理を実行した場合には、補正後の測位結果を出力する。
【0074】
図5は、通信端末100による処理の流れの一例を概略的に示す。ここでは、測位処理を実行する条件が満たされた状態を開始状態として説明する。
【0075】
S202では、測位制御部130が、通信端末100が特定エリア内に位置するか否かを判定する。特定エリアは、SBAS補正非実行エリアであってよい。例えば、測位制御部130は、位置情報記憶部112に記憶されている位置情報の履歴に基づいて、通信端末100が特定エリア内に位置するか否かを判定する。例えば、測位制御部130は、移動体通信部140が無線基地局から受信した基地局関連情報に基づいて、通信端末100が特定エリア内に位置するか否かを判定する。位置すると判定された場合、S204に進み、位置しないと判定された場合、S210に進む。
【0076】
S204では、測位実行部120が、GNSS信号の受信を開始する。このとき、測位実行部120は、SBAS信号の受信は開始しない。GNSS信号の受信が完了した場合(S206でYES)、S208に進む。S208では、測位実行部120が、受信したGNSS信号を用いてGNSS測位処理を実行する。
【0077】
S210では、測位実行部120が、GNSS信号及びSBAS信号の受信を開始する。GNSS信号の受信が完了した場合(S212でYES)、S214に進む。S214では、測位実行部120が、受信したGNSS信号を用いてGNSS測位処理を実行する。
【0078】
S216では、測位実行部120が、SBAS信号の受信が完了したかを判定する。SBAS信号の受信が完了した場合、S218に進む。S218では、測位実行部120が、受信したSBAS信号を用いて、S214におけるGNSS測位の測位結果を補正する。
【0079】
S220では、測位実行部120が、測位結果を出力する。測位実行部120は、通信端末100が備えるディスプレイに測位結果を表示出力したり、他の装置に測位結果を送信出力したりしてよい。測位実行部120は、S208においてGNSS測位処理が実行された場合、当該測位処理の測位結果を出力し、S218においてSBAS補正処理を実行した場合には、補正後の測位結果を出力する。
【0080】
図6は、通信端末100又はサーバ200として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、本実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0081】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブは、DVD-ROMドライブ及びDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボードのようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0082】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0083】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVDドライブは、プログラム又はデータをDVD-ROM等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0084】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0085】
プログラムは、DVD-ROM又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0086】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0087】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ(DVD-ROM)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0088】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0089】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0090】
本実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0091】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0092】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0093】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0094】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0095】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0096】
10 システム、20 衛星、22 GNSS信号、32 統制局、34 監視局、36 衛星、38 SBAS信号、50 ネットワーク、100 通信端末、110 記憶部、112 位置情報記憶部、114 エリア情報記憶部、116 登録データ記憶部、118 成否記憶部、120 測位実行部、130 測位制御部、140 移動体通信部、150 サーバ通信部、160 特定部、200 サーバ、1200 コンピュータ、1210 ホストコントローラ、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1230 ROM、1240 入出力チップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6