(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-06
(45)【発行日】2024-02-15
(54)【発明の名称】加熱装置及びエアロゾル形成装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/46 20200101AFI20240207BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20240207BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/20
(21)【出願番号】P 2022544405
(86)(22)【出願日】2020-12-24
(86)【国際出願番号】 CN2020139049
(87)【国際公開番号】W WO2021190011
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】202010217681.2
(32)【優先日】2020-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519403945
【氏名又は名称】深▲せん▼麦時科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】廖 ▲いぇん▼程
(72)【発明者】
【氏名】袁 永宝
【審査官】杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-504670(JP,A)
【文献】国際公開第2019/206916(WO,A1)
【文献】特開2018-174784(JP,A)
【文献】特表2020-501610(JP,A)
【文献】特開2020-014433(JP,A)
【文献】特表2014-524313(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/46
A24F 40/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱装置であって、
給気口が開設される近位端、及び前記近位端から離れる遠位端を含む蓋体と、
前記近位端に投入口が開設され、前記蓋体内に設置されて前記投入口に連通し、エアロゾル生成製品を配置するためのストック室と、
前記蓋体内に設置され、前記遠位端から前記ストック室に突出する発熱部材と、
前記蓋体内に位置し、前記給気口から前記遠位端に延在する給気通路と、
前記蓋体内に位置し、前記給気通路の前記遠位端に近接する端部と合流するとともに、前記ストック室を通して前記近位端に延在し、前記給気通路が前記ストック室を取り囲んで設置されて前記ストック室内の熱を吸収する排気通路と、を含
み、
前記蓋体内に設置されるストック管を含み、
前記ストック室は、前記ストック管内に形成され、
前記蓋体は、頂部に前記給気口及び前記投入口が開設される上蓋と、前記上蓋内に設置される下蓋と、を含み、
前記ストック管は、前記上蓋と前記下蓋との間に位置し、
外気は、前記給気口から前記給気通路に流入するとともに、前記下蓋により前記排気通路に案内され、
前記加熱装置は前記下蓋に摺動可能に係止されるとともに前記ストック管を取り囲んで設置され、前記蓋体内に位置する保護カバーを含み、
前記保護カバーと前記ストック管との間の隙間は、前記給気通路として形成され、
前記保護カバーは中空状であり、遠位端に近接して形成される底壁を含み、
前記ストック管は、中空円柱状であり、両端が開口し、
前記上蓋は、前記保護カバー及び下蓋に摺動可能に係止され、
前記ストック管の遠端に近接する一端は、前記底壁に突き当てられ、
前記下蓋及び前記底壁には、発熱部材が貫通するための貫通孔が開設され、
前記下蓋の貫通孔内には、封止部材が設置され、
外気は、前記給気口から前記給気通路に流入し、前記底壁と前記下蓋との間の隙間に流入してから前記下蓋及び前記封止部材によって前記底壁の貫通孔に案内され、排気通路に流入することを特徴とする加熱装置。
【請求項2】
前記蓋体と前記保護カバーとの間の隙間は、断熱空室として形成され、
前記断熱空室の少なくとも一部は、給気通路の外部を取り囲んで設置され、
前記底壁には、底壁と下蓋との間の隙間に連通する気孔が開設されることを特徴とする請求項
1に記載の加熱装置。
【請求項3】
前記発熱部材は、
前記蓋体内に設置される固定台と、
一端が前記固定台に着脱可能に取り付けられ、他端が前記ストック室内に挿着される発熱体と、を含むことを特徴とする請求項1~
2のいずれか一項に記載の加熱装置。
【請求項4】
前記発熱体は、外方に突出する係止部を含み、
前記固定台は、
前記ストック室に向ける第1段差面が設置される第1固定台と、
前記第1固定台内に着脱可能に設置され、前記第1段差面に向ける第2段差面が設置され、前記第1段差面と前記第2段差面との間が、前記係止部に係合する収容室として形成される第2固定台と、を含むことを特徴とする請求項
3に記載の加熱装置。
【請求項5】
前記発熱体は、前記ストック室内に挿着される部分が円柱形状であり、端部が尖鋭部を有することを特徴とする請求項
4に記載の加熱装置。
【請求項6】
スライド蓋モジュールを含み、
前記スライド蓋モジュールは、スライド蓋及び固定部材を含み、
前記スライド蓋は、前記上蓋の頂部に摺動可能に設置され、摺動して前記投入口を遮蔽し、または露出させ、
前記固定部材は、前記上蓋内に設置され、前記スライド蓋に互いに固定され、
前記上蓋の頂部には、スライド溝が開設され、
互いに固定される前記スライド蓋及び前記固定部材は、前記スライド溝に沿って摺動可能であることを特徴とする請求項
1に記載の加熱装置。
【請求項7】
前記スライド蓋モジュールは、
前記スライド蓋と前記上蓋の頂部との間に設置される取付片と、
前記ストック管の頂部に設置され、前記給気口から上蓋内に流入する外気を前記給気通路に流入させるための給気孔が開設される取付部と、を含むことを特徴とする請求項
6に記載の加熱装置。
【請求項8】
前記蓋体内に設置され、前記加熱装置の起動を制御する制御装置と、
前記蓋体に設置されて前記制御装置に電気的に接続される発光部材と、を含み、
前記発光部材の発光状態と前記制御装置の動作状態とは、1対1で対応することを特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
【請求項9】
前記蓋体の外面に設置され、前記制御装置に電気的に接続されてユーザの操作を受ける制御部材と、
前記蓋体内に設置され、前記制御装置に電気的に接続されて前記制御部材による前記制御装置への制御をフィードバックする振動部材と、を含むことを特徴とする請求項
8に記載の加熱装置。
【請求項10】
エアロゾル形成装置であって、
電池管と、請求項1~
9のいずれか一項に記載の加熱装置とを含み、
前記電池管は、前記加熱装置に給電して前記加熱装置で前記エアロゾル生成製品をエアロゾルに霧化可能であることを特徴とするエアロゾル形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子霧化技術領域に属し、具体的に、加熱装置及びエアロゾル形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル形成装置は、例えば、タバコなどのエアロゾル生成製品を収容可能である。エアロゾル生成製品は加熱されて霧化すると、使用者によって吸引されるエアロゾルを生成可能である。
【0003】
通常、エアロゾル形成装置は、加熱装置、及び加熱装置に着脱可能に連結されるバッテリーモジュールを含む。エアロゾル生成製品が加熱されるとともにユーザがエアロゾル形成装置に対して吸引を行う場合、外部空気がエアロゾル形成装置の給気口から加熱装置の気道に流入し、さらに、エアロゾル生成基材を経由して生成されたエアロゾルがユーザの口に運ばれる。しかしながら、この構成では、加熱素子でエアロゾル生成基材を加熱する熱がユーザの手持ち部位にまで伝達され、この部位の温度が高い場合にユーザに不快感を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来の加熱装置がエアロゾル生成基材の加熱中にユーザの手持ち部位に過度の熱を伝達するという技術問題を解決する加熱装置及びエアロゾル形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記技術問題を解決するために、本発明が提供する技術案に係る加熱装置は、給気口が開設される近位端、及び前記近位端から離れる遠位端を含む蓋体と、前記近位端に投入口が開設され、前記蓋体内に設置されて前記投入口に連通し、エアロゾル生成製品を配置するためのストック室と、前記蓋体内に設置され、前記遠位端から前記ストック室に突出する発熱部材と、前記蓋体内に位置し、前記給気口から前記遠位端に延在する給気通路と、前記蓋体内に位置し、前記給気通路の前記遠位端に近接する端部と合流するとともに、前記ストック室を通して前記近位端に延在し、前記給気通路が前記ストック室を取り囲んで設置されて前記ストック室内の熱を吸収する排気通路と、を含む。
【0006】
本発明の一実施形態による加熱装置は、前記蓋体内に設置されるストック管を含む。前記ストック室は、前記ストック管内に形成される。前記蓋体は、頂部に前記給気口及び前記投入口が開設される上蓋と、前記上蓋内に設置される下蓋と、を含む。前記ストック管は、前記上蓋と前記下蓋との間に位置する。外気は、前記給気口から前記給気通路に流入するとともに、前記下蓋により前記排気通路に案内される。
【0007】
本発明の一実施形態による加熱装置は、保護カバーを含む。保護カバーは、下蓋に摺動可能に係止されるとともに前記ストック管を取り囲んで設置され、前記蓋体内に位置する。前記保護カバーとストック管との間の隙間には、前記給気通路が形成される。
【0008】
本発明の一実施形態によれば、前記保護カバーは中空状であり、遠位端に近接して形成される底壁を含む。前記ストック管は、中空円柱状であり、両端が開口する。前記上蓋は、前記保護カバー及び下蓋に摺動可能に係止される。ストック管の遠端に近接する一端は、前記底壁に突き当てられる。前記下蓋及び前記底壁には、発熱部材が貫通するための貫通孔が開設される。前記下蓋の貫通孔内には、封止部材が設置される。外気は、前記給気口から前記給気通路に流入し、前記底壁と前記下蓋との間の隙間に流入してから前記下蓋及び前記封止部材によって前記底壁の貫通孔に案内され、排気通路に流入する。
【0009】
本発明の一実施形態によれば、前記蓋体と前記保護カバーとの間の隙間は、断熱空室として形成される。前記断熱空室の少なくとも一部は、給気通路の外部を取り囲んで設置される。前記底壁には、底壁と下蓋との間の隙間に連通する気孔が開設される。
【0010】
本発明の一実施形態によれば、前記発熱部材は、前記蓋体内に設置される固定台と、一端が前記固定台に着脱可能に取り付けられ他端が前記ストック室内に挿着される発熱体と、を含む。
【0011】
本発明の一実施形態によれば、前記発熱体は、外方に突出する係止部を含む。前記固定台は、前記ストック室に向ける第1段差面が設置される第1固定台と、前記第1固定台内に着脱可能に設置され、前記第1段差面に向ける第2段差面が設置され、前記第1段差面と前記第2段差面との間が、前記係止部に係合する収容室として形成される第2固定台と、を含む。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、前記発熱体は、前記ストック室内に挿着される部分が円柱形状であり、端部が尖鋭部を有する。
【0013】
本発明の一実施形態による加熱装置は、ライド蓋モジュールを含む。前記スライド蓋モジュールは、スライド蓋及び固定部材を含む。前記スライド蓋は、前記上蓋の頂部に摺動可能に設置され、摺動して前記投入口を遮蔽したり露出させたりする。前記固定部材は、前記上蓋内に設置され、前記スライド蓋に互いに固定される。前記上蓋の頂部には、スライド溝が開設される。互いに固定される前記スライド蓋及び前記固定部材は、前記スライド溝に沿って摺動可能である。
【0014】
本発明の一実施形態によれば、前記スライド蓋モジュールは、前記スライド蓋と前記上蓋の頂部との間に設置される取付片と、前記ストック管の頂部に設置されて前記給気口から上蓋内に流入する外気を前記給気通路に流入させるための給気孔が開設される取付部と、を含む。
【0015】
本発明の一実施形態による加熱装置は、前記蓋体内に設置され、前記加熱装置の起動を制御する制御装置と、前記蓋体に設置されて前記制御装置に電気的に接続される発光部材と、を含む。前記発光部材の発光状態と前記制御装置の動作状態とは、1対1で対応する。
【0016】
本発明の一実施形態による加熱装置は、前記蓋体の外面に設置され、前記制御装置に電気的に接続されてユーザの操作を受ける制御部材と、前記蓋体内に設置され、前記制御装置に電気的に接続されて前記制御部材による前記制御装置への制御をフィードバックする振動部材と、を含む。
【0017】
上記技術問題を解決するために、本発明が提供する技術案に係るエアロゾル形成装置は、電池管と、上記のいずれかの加熱装置とを含む。前記電池管は、前記加熱装置に給電して前記加熱装置で前記エアロゾル生成製品をエアロゾルに霧化可能である。
【発明の効果】
【0018】
本発明は以下の顕著な効果を奏する。ストック管の外部を取り囲んで設置される吸気通路を設置することで、外気は給気通路によりストック管の熱を吸収して蓋体の温度を低下させ、ユーザ使用時の快適さを向上させることができる。さらに、外気が給気通路を通す際に予熱され、予熱された外気がエアロゾル生成製品に流入する場合には、加熱効率を向上させ、エネルギーを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下、実施例の説明において必要な図面を簡単に説明するが、後述する図面は本発明の一部の実施例の過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて他の図面に想到し得ることが明らかである。
【
図1】本発明に係る加熱装置の一実施例の構成を示す斜視図である。
【
図2】本発明に係る加熱装置の一実施例の構成を示す断面図である。
【
図5】本発明に係る加熱装置の一実施例の一部の構成を示す拡大図であり、気体の流動方向を示す。
【
図6】本発明に係る加熱装置の一実施例の一部の構成を示す分解図である。
【
図7】本発明に係るエアロゾル形成装置の一実施例の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施例の図面を合わせて、本発明の実施例における技術案をより明確、全面的に説明し、説明される実施例は、本発明の全ての実施例ではなく、本発明の一部の実施例のみである。当業者が創造的な作業なしに本発明の実施例に基づいて得られる全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に含まれるべきである。
【0021】
図1~
図6を参照し、
図1は、本発明に係る加熱装置の一実施例の構成を示す斜視図である。
図2は、本発明に係る加熱装置の一実施例の構成を示す断面図である。
図3は、
図2のA部分の拡大図である。
図4は、
図2のB部分の拡大図である。
図5は、本発明に係る加熱装置の一実施例の一部の構成を示す拡大図であり、気体の流動方向を示す。
図6は、本発明に係る加熱装置の一実施例の一部の構成を示す分解図である。
【0022】
本発明の一実施例に係る加熱装置100は、
図1~
図5に示すように、蓋体110、ストック室121、発熱体、給気通路130、排気通路131を含む。なお、蓋体110は、給気口1110が開設される近位端11と、近位端11から離れる遠位端12とを含み、近位端11に投入口1111が開設され、給気口1110により外気が流入する。ストック室121は、蓋体110内に設置され、エアロゾル生成製品300を投入するための投入口1111に連通する。ストック室121は、エアロゾル生成製品300を配置するために用いられる。エアロゾル生成製品300は、エアロゾル生成基材、及び使用者が吸引するためのフィルタ部分を含む。発熱体は、蓋体110内に設置されるとともに、遠位端12からストック室121に突出する。給気通路130は、蓋体110内に位置するとともに、給気口1110から遠位端12に延在する。排気通路131は、蓋体110内に位置するとともに、給気通路130の遠位端12に近接する端部と合流し、ストック室121を通して近位端11に延在する。給気通路130は、ストック室121を取り囲んで設置されることで、ストック室121内の発熱体の加熱による熱を吸収する。
【0023】
ユーザによって吸引されると、エアロゾル生成製品300は加熱されるとともに、低温の外気は、給気通路130から流入し、ストック室120の熱を吸収した後にエアロゾル生成製品300に流入する。外気は、ストック室120の熱を吸収して蓋体110の温度を低下させ、ユーザ使用時の快適さを向上させることができる。一方、外気が給気通路130を通す際に予熱され、予熱された外気がエアロゾル生成製品300に流入する場合には、加熱効率を向上させ、エネルギーを削減することができる。エアロゾル生成製品300は、例えば、タバコであってもよい。
【0024】
一実施例では、加熱装置100は、断熱空室140をさらに含む。断熱空室140の少なくとも一部は、給気通路130の外部を取り囲んで設置され、断熱作用をさらに発揮し、給気通路130から蓋体110への伝熱を低減させ、ユーザ使用時の快適さをさらに向上させる。
【0025】
一実施例では、
図2、
図3及び
図6に示すように、加熱装置100は、蓋体110内に設置されるストック管120を含む。ストック室121は、ストック管120内に形成される。蓋体110は、上蓋111及び下蓋112を含み、上蓋111の頂部に給気口1110及び投入口1111が開設される。下蓋112は、上蓋111内に設置され、上蓋111に係合してストック管120を収容するスペースを形成可能である。外気は、給気口1110から給気通路130に流入し、下蓋112により排気通路130に案内される。なお、給気口1110は、投入口1111の外側を取り囲んで設置されてもよい。また、他の実施例では、給気口1110は、投入口1111と独立して個別に設置されてもよいが、ここではその限りではない。
【0026】
一実施例では、
図3に示すように、加熱装置100は、保護カバー150をさらに含む。保護カバー150は、下蓋112に係止してストック管120を取り囲んで設置されるとともに蓋体110内に位置する。保護カバー150とストック管120との隙間は、給気通路130として形成される。蓋体110と保護カバー150との間の隙間は、断熱空室140として形成される。蓋体110とストック管120との間に保護カバー150が設置されることで、給気通路130及び断熱空室140が形成され、さらに、加熱装置100の全体構造をコンパクトにし、レイアウト性を良好にする。
【0027】
具体的には、
図2及び
図5に示すように、保護カバー150は中空状であり、遠位端12に近接して形成される底壁151を含む。ストック管120は、中空円柱状であり、両端が開口する。上蓋111は、保護カバー150及び下蓋112に摺動可能に係止される。ストック管120の遠端に近接する一端は、底壁151に突き当てられる。下蓋112及び保護カバー150の底壁151には、発熱部材が貫通するための気孔1511が開設される。下蓋112の貫通孔1121内には、封止部材1122が設置される。外気は、給気口1110から給気通路130に流入し、その後、保護カバー150の底壁151と下蓋112との間の隙間に流入し、さらに、下蓋112と封止部材1122との間から底壁151の気孔1511に案内されて排気通路131に流入する。
【0028】
さらに、蓋体110と保護カバー150との間の隙間は、断熱空室140として形成される。断熱空室140の少なくとも一部は、給気通路131の外部を取り囲んで設置され、底壁151には、底壁151と下蓋112との間の隙間に連通する気孔1511が開設される。
【0029】
一実施例では、
図2及び
図4に示すように、発熱部材は、固定台160及び発熱体170を含む。固定台160は、蓋体110内に設置される。発熱体170は、一端が固定台160に着脱可能に取り付けられ、その他端がストック管120内に挿着される。こうすることで、発熱体170は、一端が固定台160内に取り付けられ、その他端がストック管120内のエアロゾル生成製品300内に挿着されるとともに、エアロゾル生成製品300を加熱してもよい。発熱体170は、着脱可能に取り付けられるために容易に交換可能である。
【0030】
さらに、
図4に示すように、発熱体170の一端は、外方に突出する係止部171を含み、固定台160は、第1固定台161及び第2固定台162を含む。第1固定台161には、ストック管120に向ける第1段差面1611が設置される。第2固定台162は、第1固定台161内に着脱可能に設置される。第2固定台162には、第1段差面1611に向ける第2段差面1621が設置される。第1段差面1611と第2段差面1621との間は、係止部171に係合する収容室として形成される。発熱体170を取り付ける場合には、発熱体170の係止部171を第1固定台161の第1段差面1611に配置した後、第2固定台162を第1固定台161内に係止すると、発熱体170の取付を完成する。発熱体170を取り外す場合には、第2固定台162を第1固定台161から取り出すと、発熱体170を固定台160から取り出すことができる。発熱体170の組み立て形態は簡便迅速、発熱体170の交換を容易にする。
【0031】
さらに、発熱体170の前記ストック室121内に挿着される部分は、円柱形状である。エアロゾル生成製品300も円柱形状であるため、使用済のエアロゾル生成製品300の取り外しが必要な場合、他の部品を取り外すことなく、エアロゾル生成製品300を回動させて発熱体170に付着される部分を回転させながら分離させ、その後、エアロゾル生成製品300を抜き出せばよく、使い勝手がよい。エアロゾル生成製品300が加熱された後にカスが落下するため、一定時間使用した後にストック管120の内部をクリーニングする必要がある場合、上蓋111を取り外してストック管120を抜き出し、保護カバー150及び底壁151を容易にクリーニングし、カスが堆積しにくくてエアロゾル生成製品300の投入に影響を与えない。
【0032】
さらに、発熱体170の端部は、発熱体170をエアロゾル生成製品300内に容易に挿入可能な尖鋭部を有する。
【0033】
さらに、
図2及び
図4に示すように、下蓋112には、発熱体170に対応する貫通孔1121が開設される。発熱体170の固定台160は、下蓋112の下方に設置される。発熱体170は、貫通孔1121を貫通してストック管120内に挿着される。貫通孔1121内には、封止作用を有する封止部材1122が設置されることで、貫通孔1121から外気の漏れを回避する。封止部材1122は、封止シリカゲルであってもよい。
【0034】
一実施例では、
図6に示すように、加熱装置100は、スライド蓋モジュール190をさらに含む。スライド蓋モジュール190は、スライド蓋192及び固定部材194を含む。スライド蓋192は、上蓋111の頂部に摺動可能に設置され、摺動して投入口1111を遮蔽したり露出させたりする。固定部材194は、上蓋111内に設置されるとともにスライド蓋192に互いに固定されることで、スライド蓋192と固定部材194とが上蓋111の頂部を間に挟んで設置される。上蓋111の頂部には、スライド溝1112が開設される。互いに固定される固定部材194及びスライド蓋192は、スライド溝1112に沿って摺動可能である。より具体的には、固定部材194とスライド蓋192との間の連結部がスライド溝1112内に摺動することで、固定部材194及びスライド蓋192全体をスライド溝1112に沿って摺動させる。具体的には、固定部材194及びスライド蓋192には、対応するネジ穴が開設される。固定部材194及びスライド蓋192は、ネジにより相対的に固定可能である。
【0035】
さらに、
図6に示すように、スライド蓋モジュール190は、取付片191をさらに含む。取付片191は、スライド蓋192と上蓋111の頂部との間に設置され、スライド蓋192による上蓋111の頂部の摩耗を低減させる。
【0036】
さらに、スライド蓋モジュール190は、コロイド195をさらに含む。コロイド195は、取付片191と上蓋192の頂部との間に位置し、取付片191を上蓋192の頂部に固定させる。
【0037】
さらに、
図6に示すように、スライド蓋モジュール190は、ストック管120の頂部に一体に形成される取付部193をさらに含む。取付部193には、給気孔1931が開設される。上蓋111の給気口1110から上蓋111内に流入する外気は、給気孔1931から給気通路130に流入可能である。
【0038】
さらに、取付部193は、係止構造により上蓋111内に固定されることが可能である。取付部193は、平板部分を含んでもよい。給気孔1931及びストック管120の頂部開口は、いずれも前記平板部分を貫通する。前記平板部分の、前記ストック管120の頂部開口から離れる側には、鉄片1932を収容可能な凹部1933が設けられる。下蓋112の頂部の内壁には、磁石1121が設置される。磁石1121と鉄片1932との相互吸引力により、上蓋111で下蓋112を被せる。
【0039】
一実施例では、蓋体110は、下ハウジング体113をさらに含む。下ハウジング体113は、上蓋111の底部を被せる。下ハウジング体113は、係止構造により下蓋112に固定されることで上蓋111の底部を被せる。
【0040】
一実施例では、
図2に示すように、加熱装置100は、蓋体110内に設置されて加熱装置100の起動を制御する制御装置(未図示)及び発光部材182をさらに含む。発光部材182は、蓋体110に設置されて制御装置に電気的に接続される。発光部材182の発光状態と制御装置の動作状態とは、1対1で対応する。例えば、制御装置は、発光部材182が発光する場合に加熱装置100をオン状態にし、発光部材182が発光しない場合に加熱装置100をオフ状態にし、これにより、ユーザが加熱装置100の動作状態を容易に感知する。具体的には、発光部材182は、蓋体110に嵌められてもよく、その一部が加熱装置100外に位置する。また、発光部材182は、蓋体110内に位置してもよく、蓋体110の発光部材182に対応する位置が透光構造である。発光部材182は、LEDランプであってもよい。
【0041】
さらに、
図2に示すように、加熱装置100は、制御部材183及び振動部材184をさらに含む。制御部材183は、蓋体110の外面に設置されるとともに、制御装置に電気的に接続されてユーザの操作を受ける。具体的には、制御部材183は制御押しキーであってもよく、制御押しキーを押すことで制御装置を制御可能である。振動部材184は、蓋体110内に設置されるとともに、制御装置に電気的に接続されて制御部材183による制御装置への制御をフィードバックする。制御装置が制御部材183によって起動された後、振動部材184は振動して、制御装置の動作を開始することをユーザに提示するほか、制御装置が動作を完成した後、振動部材184は再振動してユーザに提示することが可能である。具体的には、振動部材184は、振動モータであってもよい。
【0042】
具体的には、発光部材182は、下蓋112内に取り付けられる。上蓋111には、発光部材182に対応する透光構造が開設されて制御装置の制御状態を指示する。制御部材183は、下ハウジング体113外に設置されてユーザによって押圧操作される。
【0043】
図7を参照し、
図7は、本発明に係るエアロゾル形成装置の一実施例の構成を示す斜視図である。
本発明の他の実施例に係るエアロゾル形成装置200は、
図7に示すように、電池管210及び加熱装置100を含む。加熱装置100は、上述した実施例のいずれの加熱装置100であり、電池管210は、加熱装置100に給電して、加熱装置100でエアロゾル生成製品300をエアロゾルに霧化することができる。電池管210は、上述した下ハウジング体113を含む。本発明のエアロゾル形成装置200では、外気は、給気通路130によりストック管120の熱を吸収して蓋体110の温度を低下させ、ユーザ使用時の快適さを向上させる。また、外気が給気通路130を通す際に予熱され、予熱された外気がエアロゾル生成製品300に流入する場合には、加熱効率を向上させ、エネルギーを削減することができる。
【0044】
以上の説明は本発明の実施形態に過ぎず、本発明の保護範囲を制限するものではない。本発明の明細書及び添付図面によって作成したすべての同等構造又は同等フローの変更を、直接又は間接的に他の関連する技術分野に適用することは、いずれも同じ理由により本発明の保護範囲内に含まれるべきである。