(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-06
(45)【発行日】2024-02-15
(54)【発明の名称】無線通信システムにおけるリソース分離
(51)【国際特許分類】
H04W 28/084 20230101AFI20240207BHJP
H04W 48/18 20090101ALI20240207BHJP
H04W 92/16 20090101ALI20240207BHJP
【FI】
H04W28/084
H04W48/18
H04W92/16
(21)【出願番号】P 2022550026
(86)(22)【出願日】2021-02-18
(86)【国際出願番号】 US2021018483
(87)【国際公開番号】W WO2021168054
(87)【国際公開日】2021-08-26
【審査請求日】2022-11-22
(32)【優先日】2020-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512299576
【氏名又は名称】アルティオスター ネットワークス, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Altiostar Networks, Inc.
【住所又は居所原語表記】200 Ames Pond Drive, Tewksbury, MA 01876, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アニル クマール バンダリ
(72)【発明者】
【氏名】スリダール バスカラン
【審査官】松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第109548023(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第102843692(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0320322(US,A1)
【文献】NTT DOCOMO, INC,How to achieve multiple interface over HLS,3GPP TSG RAN WG3#103 R3-190457,フランス,3GPP,2019年02月15日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータにより実装される方法であって、前記方法は、
無線通信システムの複数の通信ネットワークにおいて、
各通信ネットワーク
のためのネットワークスライスプロファイルを決定するステップであって、前記複数の通信ネットワーク内の各通信ネットワークは、前記複数の通信ネットワーク内の別の通信ネットワークの1つまたは複数の通信コンポーネントから論理的に分離された1つまたは複数の通信コンポーネントを有するステップと、
前記複数の通信ネットワークの各々の分離レベルを決定するステップと、
前記決定されたネットワークスライスプロファイルおよび前記決定された分離レベルに基づいて、ユーザデバイスに関連付けられたデータの送信のために前記
複数の通信ネットワーク
の1つを選択するステップと、
前記
選択された通信ネットワークを使用して、前記ユーザデバイスに関連付けられたデータを送信するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記方法は、前記
選択された通信ネットワークに基づいて、分離のために前記通信ネットワークの少なくとも1つの通信コンポーネントを決定するステップをさらに含む、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記複数の通信ネットワークは、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、マルチオペレータ無線アクセスネットワーク、マルチオペレータコアネットワーク、無線アクセスネットワーク、仮想無線アクセスネットワーク、コアネットワークおよびそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、
請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、1つまたは複数のコンポーネント搬送波、1つまたは複数の帯域幅部分、1つまたは複数の物理的リソースブロック範囲およびそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つに基づいて、データの送信のための1つまたは複数の分散型ユニットを選択するステップをさらに含む、
請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記
決定するステップ、前記選択するステップおよび前記送信するステップのうちの少なくとも1つは、基地局によって実行される、
請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記基地局は、以下の通信コンポーネント、すなわち、1つまたは複数のリモート無線ユニット、1つまたは複数の集中型ユニット、1つまたは複数の分散型ユニット
を含み、
コアネットワークは、以下の通信コンポーネント、すなわち、1つまたは複数の集中型ユニットの1つまたは複数の制御プレーン部分、1つまたは複数の集中型ユニットの1つまたは複数のユーザプレーン部分、1つまたは複数のアクセスおよびモビリティ機能、1つまたは複数のユーザプレーン機能、1つまたは複数のセッション管理機能のうちの少なくとも1つを含む、
請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記複数の通信ネットワーク内の1つの通信ネットワークの、1つまたは複数の集中型ユニットの1つまたは複数のユーザプレーン部分、1つまたは複数のアクセスおよびモビリティ機能、1つまたは複数のユーザプレーン機能および1つまたは複数のセッション管理機能のうちの少なくとも1つは、前記複数の通信ネットワーク内の別の通信ネットワークの、1つまたは複数の集中型ユニットの1つまたは複数のユーザプレーン部分、1つまたは複数のアクセスおよびモビリティ機能、1つまたは複数のユーザプレーン機能および1つまたは複数のセッション管理機能のうちの少なくとも1つから論理的に分離されており、
1つまたは複数のリモート無線ユニット、1つまたは複数の分散型ユニットおよび1つまたは複数の集中型ユニットの1つまたは複数の制御プレーン部分は、前記複数の通信ネットワーク内のすべての通信ネットワークに対して共通であり、
前記送信するステップは、1つまたは複数の通信ネットワークを使用して、前記ユーザデバイスに関連付けられたデータを送信するステップを含む、
請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記複数の通信ネットワーク内の1つの通信ネットワークの、1つまたは複数の分散型ユニット、1つまたは複数の集中型ユニットの1つまたは複数のユーザプレーン部分、1つまたは複数のアクセスおよびモビリティ機能、1つまたは複数のユーザプレーン機能および1つまたは複数のセッション管理機能のうちの少なくとも1つは、前記複数の通信ネットワーク内の別の通信ネットワークの、1つまたは複数の分散型ユニット、1つまたは複数の集中型ユニットの1つまたは複数のユーザプレーン部分、1つまたは複数のアクセスおよびモビリティ機能、1つまたは複数のユーザプレーン機能および1つまたは複数のセッション管理機能のうちの少なくとも1つから論理的に分離されており、
1つまたは複数の集中型ユニットの1つまたは複数の制御プレーン部分および1つまたは複数のリモート無線ユニットは、前記複数の通信ネットワーク内のすべての通信ネットワークに対して共通であり、
前記送信するステップは、1つまたは複数の通信ネットワークを使用して、前記ユーザデバイスに関連付けられたデータを送信するステップを含む、
請求項6記載の方法。
【請求項9】
前記複数の通信ネットワーク内の1つの通信ネットワークの、1つまたは複数のリモート無線ユニット、1つまたは複数の分散型ユニット、1つまたは複数の集中型ユニットの1つまたは複数の制御プレーン部分、1つまたは複数の集中型ユニットの1つまたは複数のユーザプレーン部分、1つまたは複数のアクセスおよびモビリティ機能、1つまたは複数のユーザプレーン機能および1つまたは複数のセッション管理機能のうちの少なくとも1つは、前記複数の通信ネットワーク内の別の通信ネットワークの、1つまたは複数のリモート無線ユニット、1つまたは複数の分散型ユニット、1つまたは複数の集中型ユニットの1つまたは複数の制御プレーン部分、1つまたは複数の集中型ユニットの1つまたは複数のユーザプレーン部分、1つまたは複数のアクセスおよびモビリティ機能、1つまたは複数のユーザプレーン機能および1つまたは複数のセッション管理機能のうちの少なくとも1つから論理的に分離されており、
前記送信するステップは、1つまたは複数の通信ネットワークを使用して、前記ユーザデバイスに関連付けられたデータを送信するステップを含む、
請求項6記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1つのプログラマブルプロセッサと、
非一時的機械可読媒体と、
を含む装置であって、
前記非一時的機械可読媒体は、前記少なくとも1つのプログラマブルプロセッサによって実行されるときに、前記少なくとも1つのプログラマブルプロセッサに動作を実行させる命令が記憶されており、前記動作は、
無線通信システムの複数の通信ネットワークにおいて、
各通信ネットワーク
のためのネットワークスライスプロファイルを決定することであって、前記複数の通信ネットワーク内の各通信ネットワークは、前記複数の通信ネットワーク内の別の通信ネットワークの1つまたは複数の通信コンポーネントから論理的に分離された1つまたは複数の通信コンポーネントを有することと、
前記複数の通信ネットワークの各々の分離レベルを決定することと、
前記決定されたネットワークスライスプロファイルおよび前記決定された分離レベルに基づいて、ユーザデバイスに関連付けられたデータの送信のために前記
複数の通信ネットワーク
の1つを選択することと、
前記
選択された通信ネットワークを使用して、前記ユーザデバイスに関連付けられたデータを送信することと、
を含む装置。
【請求項11】
前記動作は、前記
選択された通信ネットワークに基づいて、分離のために前記通信ネットワークの少なくとも1つの通信コンポーネントを決定することをさらに含む、
請求項10記載の装置。
【請求項12】
前記複数の通信ネットワークは、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、マルチオペレータ無線アクセスネットワーク、マルチオペレータコアネットワーク、無線アクセスネットワーク、仮想無線アクセスネットワーク、コアネットワークおよびそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、
請求項10記載の装置。
【請求項13】
前記動作は、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、1つまたは複数のコンポーネント搬送波、1つまたは複数の帯域幅部分、1つまたは複数の物理的リソースブロック範囲およびそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つに基づいて、データの送信のための1つまたは複数の分散型ユニットを選択することをさらに含む、
請求項12記載の装置。
【請求項14】
前記
決定すること、前記選択することおよび前記送信することのうちの少なくとも1つは、基地局によって実行される、
請求項10記載の装置。
【請求項15】
前記基地局は、以下の通信コンポーネント、すなわち、1つまたは複数のリモート無線ユニット、1つまたは複数の集中型ユニット、1つまたは複数の分散型ユニット、1つまたは複数の集中型ユニットの1つまたは複数の制御プレーン部分、1つまたは複数の集中型ユニットの1つまたは複数のユーザプレーン部分、1つまたは複数のアクセスおよびモビリティ機能、1つまたは複数のユーザプレーン機能および1つまたは複数のセッション管理機能のうちの少なくとも1つを含む、
請求項14記載の装置。
【請求項16】
前記複数の通信ネットワーク内の1つの通信ネットワークの、1つまたは複数の集中型ユニットの1つまたは複数のユーザプレーン部分、1つまたは複数のアクセスおよびモビリティ機能、1つまたは複数のユーザプレーン機能および1つまたは複数のセッション管理機能のうちの少なくとも1つは、前記複数の通信ネットワーク内の別の通信ネットワークの、1つまたは複数の集中型ユニットの1つまたは複数のユーザプレーン部分、1つまたは複数のアクセスおよびモビリティ機能、1つまたは複数のユーザプレーン機能および1つまたは複数のセッション管理機能のうちの少なくとも1つから論理的に分離されており、
1つまたは複数のリモート無線ユニット、1つまたは複数の分散型ユニットおよび1つまたは複数の集中型ユニットの1つまたは複数の制御プレーン部分は、前記複数の通信ネットワーク内のすべての通信ネットワークに対して共通であり、
前記送信することは、1つまたは複数の通信ネットワークを使用して、前記ユーザデバイスに関連付けられたデータを送信することを含む、
請求項15記載の装置。
【請求項17】
前記複数の通信ネットワーク内の1つの通信ネットワークの、1つまたは複数の分散型ユニット、1つまたは複数の集中型ユニットの1つまたは複数のユーザプレーン部分、1つまたは複数のアクセスおよびモビリティ機能、1つまたは複数のユーザプレーン機能および1つまたは複数のセッション管理機能のうちの少なくとも1つは、前記複数の通信ネットワーク内の別の通信ネットワークの、1つまたは複数の分散型ユニット、1つまたは複数の集中型ユニットの1つまたは複数のユーザプレーン部分、1つまたは複数のアクセスおよびモビリティ機能、1つまたは複数のユーザプレーン機能および1つまたは複数のセッション管理機能のうちの少なくとも1つから論理的に分離されており、
1つまたは複数の集中型ユニットの1つまたは複数の制御プレーン部分および1つまたは複数のリモート無線ユニットは、前記複数の通信ネットワーク内のすべての通信ネットワークに対して共通であり、
前記送信することは、1つまたは複数の通信ネットワークを使用して、前記ユーザデバイスに関連付けられたデータを送信することを含む、
請求項15記載の装置。
【請求項18】
前記複数の通信ネットワーク内の1つの通信ネットワークの、1つまたは複数のリモート無線ユニット、1つまたは複数の分散型ユニット、1つまたは複数の集中型ユニットの1つまたは複数の制御プレーン部分、1つまたは複数の集中型ユニットの1つまたは複数のユーザプレーン部分、1つまたは複数のアクセスおよびモビリティ機能、1つまたは複数のユーザプレーン機能および1つまたは複数のセッション管理機能のうちの少なくとも1つは、前記複数の通信ネットワーク内の別の通信ネットワークの、1つまたは複数のリモート無線ユニット、1つまたは複数の分散型ユニット、1つまたは複数の集中型ユニットの1つまたは複数の制御プレーン部分、1つまたは複数の集中型ユニットの1つまたは複数のユーザプレーン部分、1つまたは複数のアクセスおよびモビリティ機能、1つまたは複数のユーザプレーン機能および1つまたは複数のセッション管理機能のうちの少なくとも1つから論理的に分離されており、
前記送信することは、1つまたは複数の通信ネットワークを使用して、前記ユーザデバイスに関連付けられたデータを送信することを含む、
請求項15記載の装置。
【請求項19】
命令が記憶されている非一時的機械可読媒体を含むコンピュータプログラ
ムであって、
前記命令は、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサによって実行されるときに、前記少なくとも1つのプログラマブルプロセッサに動作を実行させ、前記動作は、
無線通信システムの複数の通信ネットワークにおいて、
各通信ネットワーク
のためのネットワークスライスプロファイルを決定することであって、前記複数の通信ネットワーク内の各通信ネットワークは、前記複数の通信ネットワーク内の別の通信ネットワークの1つまたは複数の通信コンポーネントから論理的に分離された1つまたは複数の通信コンポーネントを有することと、
前記複数の通信ネットワークの各々の分離レベルを決定することと、
前記決定されたネットワークスライスプロファイルおよび前記決定された分離レベルに基づいて、ユーザデバイスに関連付けられたデータの送信のために前記
複数の通信ネットワーク
の1つを選択することと、
前記
選択された通信ネットワークを使用して、前記ユーザデバイスに関連付けられたデータを送信することと、
を含むコンピュータプログラ
ム。
【請求項20】
前記動作は、前記
選択された通信ネットワークに基づいて、分離のために前記通信ネットワークの少なくとも1つの通信コンポーネントを決定することをさらに含む、
請求項19記載のコンピュータプログラ
ム。
【請求項21】
前記複数の通信ネットワークは、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、マルチオペレータ無線アクセスネットワーク、マルチオペレータコアネットワーク、無線アクセスネットワーク、仮想無線アクセスネットワーク、コアネットワークおよびそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、
請求項19記載のコンピュータプログラ
ム。
【請求項22】
前記動作は、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、1つまたは複数のコンポーネント搬送波、1つまたは複数の帯域幅部分、1つまたは複数の物理的リソースブロック範囲およびそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つに基づいて、データの送信のための1つまたは複数の分散型ユニットを選択することをさらに含む、
請求項21記載のコンピュータプログラ
ム。
【請求項23】
前記
決定すること、前記選択することおよび前記送信することのうちの少なくとも1つは、基地局によって実行される、
請求項19記載のコンピュータプログラ
ム。
【請求項24】
前記基地局は、以下の通信コンポーネント、すなわち、1つまたは複数のリモート無線ユニット、1つまたは複数の集中型ユニット、1つまたは複数の分散型ユニット、1つまたは複数の集中型ユニットの1つまたは複数の制御プレーン部分、1つまたは複数の集中型ユニットの1つまたは複数のユーザプレーン部分、1つまたは複数のアクセスおよびモビリティ機能、1つまたは複数のユーザプレーン機能および1つまたは複数のセッション管理機能のうちの少なくとも1つを含む、
請求項23記載のコンピュータプログラ
ム。
【請求項25】
前記複数の通信ネットワーク内の1つの通信ネットワークの、1つまたは複数の集中型ユニットの1つまたは複数のユーザプレーン部分、1つまたは複数のアクセスおよびモビリティ機能、1つまたは複数のユーザプレーン機能および1つまたは複数のセッション管理機能のうちの少なくとも1つは、前記複数の通信ネットワーク内の別の通信ネットワークの、1つまたは複数の集中型ユニットの1つまたは複数のユーザプレーン部分、1つまたは複数のアクセスおよびモビリティ機能、1つまたは複数のユーザプレーン機能および1つまたは複数のセッション管理機能のうちの少なくとも1つから論理的に分離されており、
1つまたは複数のリモート無線ユニット、1つまたは複数の分散型ユニットおよび1つまたは複数の集中型ユニットの1つまたは複数の制御プレーン部分は、前記複数の通信ネットワーク内のすべての通信ネットワークに対して共通であり、
前記送信することは、1つまたは複数の通信ネットワークを使用して、前記ユーザデバイスに関連付けられたデータを送信することを含む、
請求項24記載のコンピュータプログラ
ム。
【請求項26】
前記複数の通信ネットワーク内の1つの通信ネットワークの、1つまたは複数の分散型ユニット、1つまたは複数の集中型ユニットの1つまたは複数のユーザプレーン部分、1つまたは複数のアクセスおよびモビリティ機能、1つまたは複数のユーザプレーン機能および1つまたは複数のセッション管理機能のうちの少なくとも1つは、前記複数の通信ネットワーク内の別の通信ネットワークの、1つまたは複数の分散型ユニット、1つまたは複数の集中型ユニットの1つまたは複数のユーザプレーン部分、1つまたは複数のアクセスおよびモビリティ機能、1つまたは複数のユーザプレーン機能および1つまたは複数のセッション管理機能のうちの少なくとも1つから論理的に分離されており、
1つまたは複数の集中型ユニットの1つまたは複数の制御プレーン部分および1つまたは複数のリモート無線ユニットは、前記複数の通信ネットワーク内のすべての通信ネットワークに対して共通であり、
前記送信することは、1つまたは複数の通信ネットワークを使用して、前記ユーザデバイスに関連付けられたデータを送信することを含む、
請求項24記載のコンピュータプログラ
ム。
【請求項27】
前記複数の通信ネットワーク内の1つの通信ネットワークの、1つまたは複数のリモート無線ユニット、1つまたは複数の分散型ユニット、1つまたは複数の集中型ユニットの1つまたは複数の制御プレーン部分、1つまたは複数の集中型ユニットの1つまたは複数のユーザプレーン部分、1つまたは複数のアクセスおよびモビリティ機能、1つまたは複数のユーザプレーン機能および1つまたは複数のセッション管理機能のうちの少なくとも1つは、前記複数の通信ネットワーク内の別の通信ネットワークの、1つまたは複数のリモート無線ユニット、1つまたは複数の分散型ユニット、1つまたは複数の集中型ユニットの1つまたは複数の制御プレーン部分、1つまたは複数の集中型ユニットの1つまたは複数のユーザプレーン部分、1つまたは複数のアクセスおよびモビリティ機能、1つまたは複数のユーザプレーン機能および1つまたは複数のセッション管理機能のうちの少なくとも1つから論理的に分離されており、
前記送信することは、1つまたは複数の通信ネットワークを使用して、前記ユーザデバイスに関連付けられたデータを送信することを含む、
請求項24記載のコンピュータプログラ
ム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
いくつかの実施形態において、本保護対象は、電気通信システムに関し、特に、例えば下位層の分割アーキテクチャを含み得る5Gの新規無線(NR)などの無線通信システムにおけるリソース分離に関する。
【背景技術】
【0002】
今日の世界では、セルラネットワークは、個人および事業体にオンデマンド通信機能を提供する。典型的には、セルラネットワークは、セルと称される複数の陸上領域にわたって分散可能な無線ネットワークである。そのような各セルは、セルサイトまたは基地局と称される少なくとも1つの固定位置トランシーバによってサービスを提供されている。各セルは、干渉を回避し、各セル内で改善されたサービスを提供するために、隣接セルとは異なる周波数のセットを使用することができる。複数のセルが一緒に結合されると、これらのセルは、広範な地理的領域にわたって無線カバレッジを提供し、これにより、多数の携帯電話および/または他の無線デバイスもしくは携帯可能なトランシーバは、相互に通信したりネットワーク内の任意の場所の固定トランシーバや電話と通信したりすることが可能になる。そのような通信は、基地局を介して行われ、モバイルトランシーバが送信中に2つ以上のセルを通って移動している場合でも達成される。主要な無線通信プロバイダは、世界中にそのようなセルサイトを展開し、これによって、通信用携帯電話やモバイルコンピューティングデバイスが、公衆交換電話網や公衆インターネットに接続することが可能になっている。
【0003】
携帯電話とは、これらの携帯電話間で信号を転送するために電波を使用することにより、セルサイトまたは送信塔を介して電話および/またはデータ呼を受信および/または発信することができる携帯可能な電話のことである。多数の携帯電話ユーザを考慮して、現在の携帯電話ネットワークは、限られた共有リソースを提供している。これに関して、セルサイトおよびハンドセットは、より少ない干渉で多くの発呼者によるネットワークの同時使用を可能にするために周波数を変更し、低電力の送信機を使用することができる。セルサイトによるカバレッジは、特定の地理的場所および/またはネットワークを潜在的に使用できるユーザの数に依存し得る。例えば、都市部では、セルサイトは、最大約1/2マイルの範囲を有することができ、農村部では、距離は5マイルにもなり得る。また一部の地域では、ユーザは、25マイル離れたセルサイトからの信号を受信することができる。
【0004】
通信プロバイダによって使用されているいくつかのデジタルセルラ技術の例は以下のとおりである。:Global System for Mobile Communications(GSM)、General Packet Radio Service(GPRS)、cdmaOne、CDMA2000、Evolution-Data Optimized(EV-DO)、Enhanced Data Rates for GSM Evolution(EDGE)、Universal Mobile Telecommunications System(UMTS)、Digital Enhanced Cordless Telecommunications(DECT)、Digital AMPS(「IS-136/TDMA」)およびIntegrated Digital Enhanced Network(iDEN)。第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)標準化団体によって策定されたロングタームエボリューションまたは4G LTEは、携帯電話およびデータ端末用の高速データの無線通信のための標準規格である。現在では5G LTE標準規格が策定されている。LTEは、GSM/EDGEおよびUMTS/HSPAデジタルセルラ技術に基づいており、コアネットワークの改善とともに異なる無線インタフェースを使用することによって、容量および速度の増加を考慮している。
【0005】
5G NRネットワークは、さまざまな無線リソース共有展開シナリオを実装し、その中には、マルチオペレータ無線アクセスネットワーク(MORAN)とマルチオペレータコアネットワーク(MOCN)とが含まれる。マルチオペレータ共有ネットワークのいくつかの部分は、3GPP規格(例えばTS 32.130、TS 23.251、TS23.501)に記述されている。しかしながら、リソース区画割り、リソース分離などを含む、これらのマルチオペレータ共有ネットワークの多くの態様は記述されておらず、さまざまなネットワーク実装に依存する場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
いくつかの実施形態では、本保護対象は、無線通信システムにおけるリソース分離のためのコンピュータ実装方法に関する。本方法は、無線通信システムの複数の通信ネットワークにおいて、通信ネットワークを識別するステップを含むことができる。複数の通信ネットワーク内の各通信ネットワークは、複数の通信ネットワーク内の別の通信ネットワークの1つまたは複数の通信コンポーネントから論理的に分離された1つまたは複数の通信コンポーネントを有することができる。本方法は、ユーザデバイスに関連付けられたデータの送信のために識別された通信ネットワークを選択するステップと、識別された通信ネットワークを使用して、ユーザデバイスに関連付けられたデータを送信するステップと、をさらに含むことができる。
【0007】
いくつかの実施形態では、本保護対象は、以下の任意選択的な特徴のうちの1つまたは複数を含むことができる。本方法は、識別された通信ネットワークに基づいて、分離のために通信ネットワークの少なくとも1つの通信コンポーネントを決定するステップをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、複数の通信ネットワークは、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、マルチオペレータ無線アクセスネットワーク(MORAN)、マルチオペレータコアネットワーク(MOCN)、無線アクセスネットワーク、仮想無線アクセスネットワーク、コアネットワークおよびそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含むことができる。さらに、本方法は、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、1つまたは複数のコンポーネント搬送波、1つまたは複数の帯域幅部分、1つまたは複数の物理的リソースブロック範囲およびそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つに基づいて、データの送信のための1つまたは複数の分散型ユニット(DU)を選択するステップを含むことができる。
【0008】
いくつかの実施形態では、識別するステップ、選択するステップおよび送信するステップのうちの少なくとも1つは、基地局によって実行することができる。基地局は、以下の通信コンポーネント、すなわち、1つまたは複数のリモート無線ユニット(RU)、1つまたは複数の集中型ユニット(CU)、1つまたは複数の分散型ユニット(DU)、1つまたは複数の集中型ユニットの1つまたは複数の制御プレーン部分(CU-CP)、1つまたは複数の集中型ユニットの1つまたは複数のユーザプレーン部分(CU-UP)、1つまたは複数のアクセスおよびモビリティ機能(AMFs)、1つまたは複数のユーザプレーン機能(UPFs)、および1つまたは複数のセッション管理機能(SMFs)のうちの少なくとも1つを含むことができる。いくつかの実施形態では、複数の通信ネットワーク内の1つの通信ネットワークの、1つまたは複数のCU-UP、1つまたは複数のAMF、1つまたは複数のUPF、および1つまたは複数のSMFのうちの少なくとも1つは、複数の通信ネットワーク内の別の通信ネットワークの、1つまたは複数のCU-UP、1つまたは複数のAMF、1つまたは複数のUPF、および1つまたは複数のSMFのうちの少なくとも1つから論理的に分離されている。1つまたは複数のリモートRU、1つまたは複数のDU、および1つまたは複数のCU-CPは、複数の通信ネットワーク内のすべての通信ネットワークに対して共通であり得る。次いで、ユーザデバイスに関連付けられたデータは、1つまたは複数の通信ネットワークを使用して送信することができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、異なるPLMNのDU、CU-UP、AMF、UPFおよびSMFは、ユーザデバイスに関連付けられたデータの送信のために複数の通信ネットワーク内のすべての通信ネットワークを論理的に分離することができる。
【0010】
いくつかの実施形態では、異なるPLMNのRU、DU、CU-UP、CU-CP、AMF、UPF、SMFは、ユーザデバイスに関連付けられたデータの送信のために複数の通信ネットワーク内のすべての通信ネットワークを論理的に分離することができる。
【0011】
命令が1つまたは複数のコンピューティングシステムの1つまたは複数のデータプロセッサによって実行されるときに少なくとも1つのデータプロセッサに本明細書の動作を実行させる命令が記憶されている、非一時的コンピュータプログラム製品(すなわち、物理的に具現化されたコンピュータプログラム製品)も記載されている。同様に、コンピュータシステムが、1つまたは複数のデータプロセッサと、これらの1つまたは複数のデータプロセッサに結合されたメモリと、を含み得ることも説明されている。メモリは、少なくとも1つのプロセッサに本明細書に記載の動作の1つまたは複数を実行させる命令を、一時的または永続的に記憶することができる。付加的に、本方法は、1つまたは複数のデータプロセッサによって、単一のコンピューティングシステム内で実施されるか、または2つまたはそれ以上のコンピューティングシステムに分割されて実施され得る。そのようなコンピューティングシステムは、接続可能であり、1つまたは複数の接続を介してデータおよび/またはコマンドあるいは他の命令などを交換することができる。この接続には、ネットワーク(例えばインターネット、ワイヤレスワイドエリアネットワーク、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、有線ネットワークなど)を介した接続が含まれるがこれらに限定されない。
【0012】
本明細書に記載される保護対象の1つまたは複数の変形形態の詳細は、添付の図面および以下の説明に記載されている。本明細書に記載された保護対象の他の特徴および利点は、説明および図面、ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0013】
本明細書に組み込まれて本明細書の一部を成している添付の図面は、本明細書で開示される保護対象の特定の態様を示し、その記述とともに、開示される実施形態に関連するいくつかの原理の説明を補っている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1a】例示的な従来のロングタームエボリューション(LTE)通信システムを示した図である。
【
図1b】
図1aに示されている例示的なLTEシステムのさらなる詳細を示した図である。
【
図1c】
図1aに示されている例示的なLTEシステムの発展型パケットコアの付加的な詳細を示した図である。
【
図1d】
図1aに示されている例示的なLTEシステムの例示的な発展型ノードBを示した図である。
【
図2】
図1a~
図1dに示されている発展型ノードBのさらなる詳細を示した図である。
【
図3】本保護対象のいくつかの実施形態による、例示的な仮想無線アクセスネットワークを示した図である。
【
図4】より高い周波数帯域の使用をユーザに提供するための例示的な3GPP分割アーキテクチャを示した図である。
【
図5】例示的なネットワークスライスアーキテクチャを示した図である。
【
図6】例示的なS-NSSAI識別子を示した図である。
【
図7】例示的な5G無線通信システムを示した図である。
【
図8a】本保護対象のいくつかの実施形態による、集中型ユニットのユーザプレーン部分におけるネットワークスライス分離を実行するための例示的な通信システムを示した図である。
【
図8b】本保護対象のいくつかの実施形態による、1つまたは複数のネットワークスライスを使用できる1つのユーザ機器を有する例示的な通信システムを示した図である。
【
図9a】本保護対象のいくつかの実施形態による、分散型ユニット(DU)部分におけるネットワークスライス分離を実行するための例示的な通信システムを示した図である。
【
図9b】本保護対象のいくつかの実施形態による、1つまたは複数のネットワークスライスを使用できる1つのユーザ機器を有する例示的な通信システムを示した図である。
【
図10】本保護対象のいくつかの実施形態による、リモート無線ユニット(RU)におけるネットワークスライス分離を実行するための例示的な通信システムを示した図である。
【
図11】本保護対象のいくつかの実施形態による、
図8a~
図10に関連して論じられた特定の展開オプションに対して1つまたは複数のネットワークスライスをマッピングするための例示的な方法を示した図である。
【
図12】本保護対象のいくつかの実施形態による、実装マッピングに対するスライスプロファイルを更新するための例示的なプロセスを示した図である。
【
図13】共有COTSプラットフォーム上の仮想化RANにおいて実装されてもよい例示的なMORANネットワークを示した図である。
【
図14】例示的なMOCNシステムを示した図である。
【
図15a】本保護対象のいくつかの実施形態による、マルチオペレータネットワークにおいてリソース分離、共有を実行するための例示的なマルチオペレータ通信システムを示した図である。
【
図15b】本保護対象のいくつかの実施形態による、
図15aに示されているシステムを使用してリソース分離または共有を実行するための例示的なプロセスを示した図である。
【
図16】本保護対象のいくつかの実施形態による、マルチオペレータネットワークにおいてリソース分離、共有を実行するための例示的なマルチオペレータ通信システムを示した図である。
【
図17】本保護対象のいくつかの実施形態による、マルチオペレータネットワークにおいてリソース分離、共有を実行するための例示的なマルチオペレータ通信システムを示した図である。
【
図18】本保護対象のいくつかの実施形態による、
図15a~
図17に関連して論じられた特定の展開オプションに対して1つまたは複数のPLMNリソースを分離するための例示的な方法を示した図である。
【
図19】本保護対象のいくつかの実施形態による、例示的なシステムを示した図である。
【
図20】本保護対象のいくつかの実施形態による、例示的な方法を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本保護対象は、無線通信システムのための下位レイヤ分割アーキテクチャにおいて実現可能なシステムおよび方法を提供することができる。そのようなシステムは、5Gの新規無線通信システム、ロングタームエボリューション通信システムなどを含むさまざまな無線通信システムを含むことができる。
【0016】
本保護対象の1つまたは複数の態様は、そのような通信システムにおける基地局(例えばgNodeB、eNodeBなど)の送信機および/または受信機のコンポーネント内に組み込むことができる。以下は、ロングタームエボリューション通信システムと5G新規通信システムとについての一般的な議論である。
【0017】
I.ロングタームエボリューション通信システム
図1a~
図1cおよび
図2は、例示的な従来のロングタームエボリューション(LTE)通信システム100を、そのさまざまなコンポーネントとともに示す。LTEシステムまたは4G LTEは、商業的に公知のように、携帯電話およびデータ端末用の高速データの無線通信のための標準規格によって管理されている。この標準規格は、GSM/EDGE(Global System for Mobile Communications/Enhanced Data rates for GSM Evolution)ならびにUMTS/HSPA(Universal Mobile Telecommunications System/High Speed Packet Access)ネットワーク技術に基づいている。この標準規格は3GPP(3rd Generation Partnership Project)によって策定された。
【0018】
図1aに示されているように、システム100は、発展型汎用地上波無線アクセスネットワーク(EUTRAN)102、発展型パケットコア(EPC)108およびパケットデータネットワーク(PDN)101を含むことができ、ここで、EUTRAN102およびEPC108は、ユーザ機器104とPDN101との間の通信を提供する。EUTRAN102は、複数のユーザ機器104(a,b,c)に通信能力を提供する、複数の発展型ノードB(「eNodeB」または「ENODEB」または「enodeb」または「eNB」)または基地局106(a,b,c)(
図1bに示されている)を含むことができる。ユーザ機器104は、携帯電話、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、サーバ、データ端末および/または任意の他のタイプのユーザ機器および/またはこれらの任意の組み合わせであり得る。ユーザ機器104は、任意のeNodeB(106)を介して、EPC108、最終的にはPDN101に接続することができる。典型的には、ユーザ機器104は、距離の点で最も近いeNodeB(106)に接続することができる。LTEシステム100では、EUTRAN102およびEPC108は、ユーザ機器104に対して接続性、モビリティおよびサービスを提供するために協働している。
【0019】
図1bは、
図1aに示されているネットワーク100のさらなる詳細を示す。上述したように、EUTRAN102は、セルサイトとしても既知である複数のeNodeB(106)を含む。eNodeB(106)は、無線機能を提供し、エアーリンクリソースまたは無線リソース管理のスケジューリング、アクティブモードモビリティもしくはハンドオーバおよびサービスのためのアドミッション制御を含むキー制御機能を実行する。eNodeB(106)は、どのモビリティ管理エンティティ(
図1cに示されているようなMME)がユーザ機器104にサービスを提供するかを選択することと、ヘッダ圧縮および暗号化などのプロトコル機能とを担っている。EUTRAN102を構成するeNodeB(106)は、無線リソース管理およびハンドオーバのために相互に協働する。
【0020】
ユーザ機器104とeNodeB(106)との間の通信は、(LTE-Uuインタフェースとしても既知の)エアインタフェース122を介して行われる。
図1bに示されているように、エアインタフェース122は、ユーザ機器104bとeNodeB(106a)との間の通信を提供する。エアインタフェース122は、ダウンリンクおよびアップリンクにおいて、それぞれ直交周波数分割多元接続(OFDMA)およびOFDMAの変形形態である単一搬送波-周波数分割多元接続(SC-FDMA)を使用する。OFDMAでは、マルチ入力マルチ出力(MIMO)などの複数の既知のアンテナ技術を使用することができる。
【0021】
エアインタフェース122は、ユーザ機器104とeNodeB(106)との間のシグナリングのための無線リソース制御(RRC)と、(
図1cに示されているような)ユーザ機器104とMMEとの間のシグナリングのための非アクセス層(NAS)と、を含んでいるさまざまなプロトコルを使用する。シグナリングに加えて、ユーザトラフィックが、ユーザ機器104とeNodeB(106)との間で転送される。システム100におけるシグナリングおよびトラフィックの両方は、物理層(PHY)チャネルによって搬送される。
【0022】
複数のeNodeB(106)は、X2インタフェース130(a,b,c)を使用して互いに相互接続することができる。
図1bに示されているように、X2インタフェース130aは、eNodeB(106a)とeNodeB(106b)との間の相互接続を提供し、X2インタフェース130bは、eNodeB(106a)とeNodeB(106c)との間の相互接続を提供し、X2インタフェース130cは、eNodeB(106b)とeNodeB(106c)との間の相互接続を提供する。X2インタフェースは、負荷または干渉に関する情報ならびにハンドオーバに関する情報を含むことができる信号の交換を提供するために、2つのeNodeB間で確立することができる。eNodeB(106)は、S1インタフェース124(a,b,c)を介して、発展型パケットコア108と通信する。S1インタフェース124は、2つのインタフェースに、すなわち、一方は(
図1cにおいて制御プレーンインタフェース(S1-MMEインタフェース)128として示されている)制御プレーンに分割可能であり、他方は(
図1cにおいてユーザプレーンインタフェース(S1-Uインタフェース)125として示されている)ユーザプレーンに分割可能である。
【0023】
EPC108は、ユーザサービスのためのサービス品質(QoS)を確立して強化し、ユーザ機器104が移動中に一貫したインターネットプロトコル(IP)アドレスを維持することを可能にさせる。ネットワーク100内の各ノードは、独自のIPアドレスを有することに留意すべきである。EPC108は、レガシー無線ネットワークと相互作用するように設計されている。EPC108は、コアネットワークアーキテクチャにおける制御プレーン(すなわちシグナリング)とユーザプレーン(すなわちトラフィック)とを分離するようにも設計されており、これによって、実装におけるより高いフレキシビリティと、制御およびユーザデータ機能の独立したスケーラビリティと、が可能となる。
【0024】
EPC108アーキテクチャは、パケットデータ専用であり、
図1cにより詳細に示されている。EPC108は、サービングゲートウェイ(S-GW)110、PDNゲートウェイ(P-GW)112、モビリティ管理エンティティ(MME)114、ホーム加入者サーバ(HSS)116(EPC108用の加入者データベース)およびポリシー制御および課金規則機能(PCRF)118を含む。これらのいくつか(S-GW、P-GW、MMEおよびHSSなど)は、メーカの実装に従って複数のノードに組み合わされることが多い。
【0025】
S-GW110は、IPパケットデータルータとして機能し、EPC108内のユーザ機器のベアラパスアンカーである。したがって、ユーザ機器がモビリティ動作中に一方のeNodeB(106)から他方のeNodeB(106)へ移動する際に、S-GW110は同じまま、EUTRAN102に向かうベアラパスが、ユーザ機器104にサービスを提供する新たなeNodeB(106)との通話に切り替えられる。ユーザ機器104が別のS-GW110のドメインに移動した場合は、MME114は、ユーザ機器のベアラパスのすべてを新たなS-GWに転送する。このS-GW110は、1つまたは複数のP-GW112に対するユーザ機器のためのベアラパスを確立する。ダウンストリームデータがアイドル状態のユーザ機器のために受信された場合、S-GW110は、ダウンストリームパケットをバッファリングし、MME114に、EUTRAN102へのおよびEUTRAN102を介したベアラパスの位置特定と再確立とを要求する。
【0026】
P-GW112は、EPC108(およびユーザ機器104およびEUTRAN102)と(
図1aに示されている)PDN101との間のゲートウェイである。P-GW112は、ユーザトラフィックのルータとして機能するとともに、ユーザ機器に代わって機能を実行する。これには、ユーザ機器に対するIPアドレス割り当て、適切なベアラパス上に配置されることを保証するためのダウンストリームユーザトラフィックのパケットフィルタリング、データレートを含むダウンストリームQoSの強制が含まれる。加入者が使用しているサービスに依存して、ユーザ機器104とP-GW112との間に複数のユーザデータベアラパスが存在していてよい。加入者は、異なるP-GWによってサービスを提供されるPDN上のサービスを使用することができ、この場合、ユーザ機器は、各P-GW112に対して確立された少なくとも1つのベアラパスを有する。一方のeNodeBから他方のeNodeBへのユーザ機器のハンドオーバ中に、S-GW110も変更される場合には、P-GW112からのベアラパスは、新たなS-GWに切り替わる。
【0027】
MME114は、加入者認証を管理すること、認証されたユーザ機器104についてのコンテキストを維持すること、ユーザトラフィックのためのネットワーク内のデータベアラパスを確立すること、およびネットワークから切り離されていないアイドル状態のモバイルの位置の追跡を維持することを含めてEPC108内のユーザ機器104を管理している。ダウンストリームデータを受信するためにアクセスネットワークへの再接続が必要なアイドル状態のユーザ機器104に対しては、MME114は、ユーザ機器の位置特定のためにページングを開始し、EUTRAN102へのおよびEUTRAN102を介したベアラパスを再確立する。特定のユーザ機器104に対するMME114は、ユーザ機器104がシステムアクセスを開始するeNodeB(106)によって選択される。このMMEは、典型的には、負荷分割および冗長化の目的のためのEPC108におけるMMEコレクションの一部である。ユーザのデータベアラパスの確立の際には、MME114が、EPC108によるデータパスの終端を構成するP-GW112およびS-GW110の選択を担う。
【0028】
PCRF118は、ポリシー制御の意思決定ならびにP-GW110に常駐するポリシー制御強制機能(PCEF)におけるフローベースの課金機能の制御を担う。PCRF118は、PCEFにおいて特定のデータフローをどのように処理するかを決定し、これによりユーザの加入プロファイルに従っていることを保証するQoS認証(QoSクラス識別子(「QCI」)およびビットレート)を提供している。
【0029】
上述したように、IPサービス119は、(
図1aに示されているように)PDN101によって提供される。
【0030】
図1dは、eNodeB(106)の例示的な構造を示す。eNodeB(106)は、少なくとも1つのリモート無線ヘッド(RRH)132(典型的には、3つのRRH132が存在し得る)とベースバンドユニット(BBU)134とを含み得る。RRH132は、アンテナ136に接続することができる。RRH132およびBBU134は、共通の公衆無線インタフェース(CPRI)142の標準仕様に準拠する光学的インタフェースを使用して接続可能である。eNodeB(106)の動作は、以下の標準パラメータ(および仕様)、すなわち、無線周波数帯域(バンド4、バンド9、バンド17)、帯域幅(5、10、15、20MHz)、アクセス方式(ダウンリンク:OFDMA;アップリンク:SC-OFDMA)、アンテナ技術(ダウンリンク:2x2MIMO;アップリンク:1×2単一入力マルチ出力(「SIMO」))、セクタの数(最大6)、最大送信電力(60W)、最大伝送速度(ダウンリンク:150Mb/s、アップリンク:50Mb/s)、S1/X2インタフェース(1000Base-SX、1000Base-T)、モバイル環境(時速350kmまで)を使用して特徴付けることができる。BBU134は、デジタルベースバンド信号処理、S1回線の終端、X2回線の終端、呼処理および監視制御処理を担うことができる。(
図1dには示されていない)EPC108から受信されるIPパケットは、デジタルベースバンド信号に変調され、RRH132に送信可能である。裏返して言えば、RRH132から受信されたデジタルベースバンド信号は、EPC108への送信のためにIPパケットに復調することができる。
【0031】
RRH132は、アンテナ136を使用して無線信号を送受信することができる。RRH132は、(コンバータ(CONV)140を使用して)BBU134からのデジタルベースバンド信号を無線周波数(RF)信号に変換することができ、それらを(増幅器(AMP)138を使用して)(
図1dには示されていない)ユーザ機器104への送信のために電力増幅することができる。裏返して言えば、ユーザ機器104から受信されたRF信号は、(AMP138を使用して)増幅され、(CONV140を使用して)BBU134への送信のためにデジタルベースバンド信号に変換される。
【0032】
図2には、例示的なeNodeB(106)の付加的な詳細が示されている。このeNodeB(106)は、複数の層、すなわち、LTEレイヤ1(202)、LTEレイヤ2(204)およびLTEレイヤ3(206)を含んでいる。LTEレイヤ1は、物理層(PHY)を含む。LTEレイヤ2は、メディアアクセス制御(MAC)、無線リンク制御(RLC)、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)を含む。LTEレイヤ3は、無線リソース制御(RRC)、動的リソース割り当て、eNodeB測定設定および提供、無線アドミッション制御、接続モビリティ制御および無線リソース管理(RRM)を含んださまざまな機能およびプロトコルを含む。RLCプロトコルは、セルラエアインタフェースを介して使用される自動再送要求(ARQ)フラグメンテーションプロトコルである。RRCプロトコルは、ユーザ機器とEUTRANとの間でLTEレイヤ3の制御プレーンシグナリングの処理をする。RRCは、コネクション確立と解放、システム情報のブロードキャスト、無線ベアラ確立/再設定および解放、RRC接続モビリティ手順、ページング通知および解放、ならびに外部ループ電力制御のための機能を含む。PDCPは、無線ベアラのためのIPヘッダ圧縮および解凍、ユーザデータの転送およびシーケンス番号のメンテナンスを実行する。
図1dに示されているBBU134は、LTEレイヤL1~L3を含むことができる。
【0033】
eNodeB(106)の主要な機能のうちの1つは、無線リソース管理であり、この無線リソース管理には、ユーザ機器104のためのアップリンクエアインタフェースリソースとダウンリンクエアインタフェースリソースの両方のスケジューリング、ベアラリソースの制御、およびアドミッション制御が含まれる。eNodeB(106)は、EPC108のためのエージェントとして、それらがアイドル状態にあるモバイルの位置特定のために使用されるページングメッセージの転送を担っている。eNodeB(106)は、空中を介して共通の制御チャネル情報も通信し、ヘッダ圧縮、空中を介して送信されるユーザデータの暗号化および復号化を行い、ハンドオーバ報告およびトリガ基準を確立する。上述したように、eNodeB(106)は、ハンドオーバおよび干渉管理の目的のために、X2インタフェースを介して、他のeNodeB(106)と協働することができる。eNodeB(106)は、S1-MMEインタフェースを介してEPCのMMEと通信し、S1-Uインタフェースを有するS-GWと通信する。さらに、eNodeB(106)は、S1-Uインタフェースを介してS-GWとユーザデータを交換する。eNodeB(106)およびEPC108は、複数のMMEおよびS-GWの間の負荷分割および冗長化を支援するための多対多の関係を有する。eNodeB(106)は、MMEのグループから1つのMMEを選択するので、輻輳を回避すべく負荷を複数のMMEによって分割できる。
【0034】
II.5G NR無線通信ネットワーク
いくつかの実施形態では、本保護対象は、5Gの新規無線(NR)通信システムに関する。この5G NRは、4G/IMT-Advanced標準規格を超える次世代通信の標準規格である。5Gネットワークは、現在の4Gよりも高い容量を提供し、エリア単位ごとのモバイルブロードバンドユーザの数を増やすことができ、月およびユーザごとにギガバイト単位でより多くのかつ/または無制限のデータ量の消費を可能にする。これにより、ユーザは、たとえWi-Fiネットワークがない場合でも、モバイルデバイスを使用して、1日に何時間も高精細メディアをストリーミングすることができる。5Gネットワークは、デバイス間通信の改善された支援、より低いコスト、4G機器よりも低い遅延、およびより低いバッテリ消費量などを有する。そのようなネットワークは、多数のユーザに対して数十メガビット/秒のデータレート、大都市圏に対して100Mb/秒のデータレート、限られたエリア(例えばオフィスフロアなど)内のユーザに対して1Gb/秒の同時接続、無線センサネットワークの多数の同時接続、向上されたスペクトル効率、改善されたカバレッジ、向上されたシグナリング効率、1~10msの遅延、既存のシステムに比べて低減された遅延を有する。
【0035】
図3は、例示的な仮想無線アクセスネットワーク300を示す。このネットワーク300は、基地局(例えばeNodeB、gNodeB)301、無線機器
303、集中型ユニット302、デジタルユニット304および無線デバイス306を含むさまざまなコンポーネント間の通信を提供することができる。システム300内のコンポーネントは、バックホールリンク305を使用してコアに通信可能に結合することができる。集中型ユニット(CU)302は、ミッドホール接続308を使用して分散型ユニット(DU)304に通信可能に結合することができる。無線周波数(RU)コンポーネント306は、フロントホール接続310を使用してDU304に通信可能に結合することができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、CU302は、1つまたは複数のDUユニット304にインテリジェント通信機能を提供することができる。ユニット302,304は、1つまたは複数の基地局、マクロ基地局、マイクロ基地局、リモート無線ヘッドなど、および/または、これらの任意の組み合わせを含むことができる。
【0037】
下位レイヤの分割アーキテクチャ環境では、NRに対するCPRI帯域幅要件が数100Gb/秒であり得る。CPRI圧縮は、(
図3に示されているように)DUおよびRU内で実現可能である。5G通信システムでは、イーサネットフレームにわたって圧縮されたCPRIは、eCPRIと称され、推奨されるフロントホールインタフェースである。このアーキテクチャは、より高い層の分割(例えばオプション2またはオプション3~1(上位/下位RLC分割アーキテクチャ))およびL1分割アーキテクチャを備えたフロントホール(オプション7)を含むことができるフロントホール/ミッドホールの標準化を可能にすることができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、下位レイヤ分割アーキテクチャ(例えばオプション7)には、アップリンク内の受信機、DL/UL両方に対する複数の伝送ポイント(TP)にわたる共同処理、ならびに展開を容易にするためのトランスポート帯域幅および遅延要件を含めることができる。さらに、本保護対象の下位レイヤ分割アーキテクチャは、セルレベル処理とユーザレベル処理との間の分割を含むことができ、この分割は、リモートユニット(RU)におけるセルレベル処理と、DUにおけるユーザレベル処理と、を含むことができる。さらに、本保護対象の下位レイヤ分割アーキテクチャを使用することによって、周波数ドメインサンプルを、イーサネットフロントホールを介して転送することができ、ここで、周波数ドメインサンプルは、低減されたフロントホール帯域幅のために圧縮することができる。
【0039】
図4は、5G技術を実現することができ、より高い(例えば10GHzを超える)周波数帯域の使用をユーザに提供することができる、例示的な通信システム400を示す。このシステム400は、マクロセル402とスモールセル404および406とを含むことができる。
【0040】
モバイルデバイス408は、スモールセル404,406のうちの1つまたは複数と通信するように構成することができる。このシステム400は、マクロセル402とスモールセル404,406との間で制御プレーン(Cプレーン)およびユーザプレーン(Uプレーン)の分割を可能にすることができ、ここで、CプレーンおよびUプレーンは、異なる周波数帯域を利用している。特に、スモールセル404,406は、モバイルデバイス408と通信する場合に、より高い周波数帯域を利用するように構成することができる。マクロセル402は、Cプレーンの通信のために既存のセルラ帯域を利用することができる。モバイルデバイス408は、Uプレーン412を介して通信可能に結合することができ、ここで、スモールセル(例えばスモールセル406)は、より高いデータレートと、よりフレキシブルな/コスト効率/エネルギー効率の高い動作と、を提供することができる。マクロセル402は、Cプレーン410を介して、良好な接続性およびモビリティを維持することができる。さらに、いくつかのケースでは、LTE PUCCHおよびNR PUCCHは、同じ周波数で送信することができる。
【0041】
III.ネットワークスライシング
5Gネットワークスライシングとは、同一の物理的ネットワークインフラストラクチャ上に仮想化され独立した論理ネットワークを多重化することができるネットワークアーキテクチャを指し、ここで、各ネットワークスライスは、特定のアプリケーションによって要求される場合がある異なる要件を満たすように構成され分離されたエンドツーエンドネットワークである。2以上のネットワークスライスに共通し得る制御プレーン内にはいくつかのネットワーク機能が存在する場合がある。ネットワークスライシング技術は、共通のネットワークインフラストラクチャ上で柔軟性および拡張性のあるネットワークスライスの実装を可能にさせるソフトウェア定義型ネットワーキング(SDN)およびネットワーク機能仮想化(NFV)のさまざまな概念を実装する。各ネットワークスライスは、同一または異なる仮想モバイルネットワークオペレータ(MVNO)によって管理され、これにより、MVNOは、さまざまなアプリケーションにカスタマイズ可能な複数のネットワークスライスを自律的に展開することが可能である。
【0042】
図5は、例示的なネットワークスライスアーキテクチャ500を示す。このアーキテクチャ500は、ネットワークスライスコントローラ502、サービス層504、ネットワーク機能層506およびインフラストラクチャ層508を含むことができる。ネットワークスライスコントローラ502は、各スライスによる要求を管理するためにレイヤ504~508によって実行されるさまざまな機能性とのインタフェースとなる。このコントローラ502は、エンドツーエンドサービス管理(すなわち、さまざまなサービスインスタンス(SLA要件)を、サービス制約を満たすネットワーク機能にマッピングする)、仮想リソース定義(すなわち、ネットワーク機能の割り当てのためのリソースを管理するために物理的ネットワークリソースを仮想化する)、およびスライスライフサイクル管理(すなわち、SLA要件の変化に対応する各スライスの動的再構成のために3つのすべてのレイヤ504~508にわたるスライス性能を監視する)を提供するためにレイヤ504~508間の通信を調整する。
【0043】
サービス層504は、1つまたは複数の仮想モバイルネットワークオペレータ(MVNO)505と、1つまたは複数のサービスプロバイダ507と、のインタフェースとなる。MVNOおよびプロバイダ507は、物理的ネットワークを共有することができ、ここでは、各サービスが、サービスレベル(SLA)要件としてすべてのネットワーク特性を含むサービスインスタンスとして表されている。ネットワーク機能層506は、レイヤ504から到来するサービスインスタンス要求に従って、各ネットワークスライスを作成する。これは、仮想ネットワークインフラストラクチャにわたって配置され、サービスによって要求されるネットワーク特性に従ってエンドツーエンドのネットワークスライスインスタンスを作成するために一緒に結合され得るさまざまなネットワーク機能を含む。インフラストラクチャ層508は、すべてのネットワークスライスが多重化されている実際の物理的ネットワークトポロジーであり、各スライスのネットワーク機能をホストするための物理的ネットワークリソースを提供する。
【0044】
ネットワークスライシングは、5G通信ネットワークのコア機能であり、ネットワーク機能の選択および分離されたネットワークを介したデータのルーティングは、スライスのIDに基づいているが、無線アクセスネットワークに対するエンドツーエンドスライシング態様および各スライスに対するリソース分離はまだ定義されておらず、特定の実装に委ねられている。その上さらに、現在の標準規格では、コアネットワークの選択およびコアネットワークへのルーティングはネットワークスライスに基づいて定義されているが、リソース分離および無線レベルリソースの管理は、既存のシステムでも定義されていない。本保護対象は、RANにおけるリソース分離を達成するための複数の展開手法とシステム態様とを提供することにより、これらの問題に対する解決手段を提供している。
【0045】
ネットワークスライスインスタンスは、スライスに対するプロファイル(すなわちSliceProfile)ならびに各スライスに対するプロパティも指定するさまざまな3GPP標準規格に従って、ネットワークオペレータにより割り当て/割り当て解除することができる。プロパティのうちのいくつかは、スライス/サービスタイプ(SST)が拡張モバイルブロードバンド(eMBB)、超高信頼低遅延通信(URLLC)、大規模マシンタイプ通信(mMTC)などであるかどうかに基づいて分類することができる、スライスに対するパフォーマンス要件(perfReq)属性を含むことができる。スライスに対する要件を定義するためには、3GPP標準規格で指定されている以下のデータモデル:
【表1】
が使用されてもよい。
【0046】
付加的なプロパティには、特定のスライスを使用することが予想され得るユーザ機器の最大数、スライスが利用可能なカバレッジエリア(またはトラッキングエリア)、スライスの遅延特性、ユーザ機器のモビリティレベル(例えば、スライスを使用するユーザ機器が、固定的、遊動的であること、制限された移動性、高速移動性を有することが予想されるかどうかなど)、リソース共有レベル(3GPP標準規格により定義されるような共有性/非共有性など)、(RAN内のどのレベルにおいてリソースを分離すべき必要性があるかを示すことができる)リソース分離レベル、および特定のスライスに対して予想される信頼性を含めることができる。オペレータが、(上記で示されたコードによって定義されるような)スライステンプレートを提供する場合、このテンプレートは、RANおよびコアネットワーク内で特定の特性に対してマッピングされるべきである。
【0047】
上記のネットワークスライシングアーキテクチャ500は、識別子S-NSSAI(Specific Network Slice Selection Assistance Information)に基づいていてもよい。
図6は、例示的なS-NSSAI識別子600を示す。この識別子600は、8ビットの標準化されたスライス/サービスタイプ(SST)値602(これは機能およびサービスに関して予想されるネットワークスライスの挙動を指す)および24ビットのスライス差別化(SD)値604(これは同じスライス/サービスタイプの異なるネットワークスライス間で区別するためにスライス/サービスタイプを補完する任意選択的な情報を指す)を含んでいる。S-NSSAI600は、S-NSSAIが関連付けられている公衆陸上移動ネットワーク(PLMN)内のネットワークにアクセスするときに、ユーザ機器(UE)によって使用される。特に、ネットワークに登録中のUEは、そのRRCシグナリングにおいてRANに「要求NSSAI」を提供し、ここで、NSSAIは、S-NSSAI600の集合体である。RANは、5Gコアネットワーク内のアクセスおよびモビリティ管理機能(AMF)を選択するために要求されたNSSAIを使用する。AMFは、UEがアクセスできるすべてのスライスに対して共通の要素である。登録手順の完了後、UEは、パケットデータユニット(PDU)セッションの活性化手順を開始することによって1つまたは複数のスライスを活性化する。各PDUセッションは、1つのスライスに属する。以下の活性化手順のシナリオ、すなわち、1つのUEが複数のネットワークスライスにアクセスする(すなわち、1つのUEが複数のPDUセッションにアクセスし、各PDUセッションが異なるS-NSSAIを使用する)シナリオ、および1つのUEが1つのネットワークスライスのみにアクセスするシナリオが可能である。ただし、ネットワークは、異なるUEが異なるネットワークスライスを使用する複数のネットワークスライスを展開している場合がある。
【0048】
図7は、本保護対象のいくつかの実施形態による、例示的な5G無線通信システム700を示す。このシステム700は、オプション7-2に従って、下位層分割アーキテクチャを有するように構成することができる。システム700は、コアネットワーク702(例えば5Gコア)および1つまたは複数のgNodeB(またはgNB)を含むことができ、ここで、gNBは、集中型ユニットgNB-CUを有することができる。このgNB-CUは、制御プレーン部分gNB-CU-CP704と、1つまたは複数のユーザプレーン部分gNB-CU-UP706と、に論理的に分割することができる。制御プレーン部分704およびユーザプレーン部分706は、(3GPP標準規格で指定されているように)E1通信インタフェース714を使用して通信可能に結合されるように構成することができる。制御プレーン部分704は、無線スタックのRRCおよびPDCPプロトコルの実行を担うように構成されてもよい。
【0049】
gNBの集中型ユニットの制御プレーンおよびユーザプレーン部分704,706は、下位層分割アーキテクチャに従って、1つまたは複数の分散型ユニット(DU)708,710に通信可能に結合されるように構成することができる。これらの分散型ユニット708,710は、無線スタックのRLC、MACおよびPHY層プロトコルの上位部分を実行するように構成することができる。制御プレーン部分704は、F1-C通信インタフェース716を使用して分散型ユニット708,710に通信可能に結合されるように構成することができ、ユーザプレーン部分706は、F1-U通信インタフェース718を使用して分散型ユニット708,710に通信可能に結合されるように構成することができる。これらの分散型ユニット708,710は、フロントホールインタフェース720を介して1つまたは複数のリモート無線ユニット(RU)712に結合することができ、次いで、これらのリモート無線ユニットは、(
図7には示されていない)1つまたは複数のユーザ機器と通信する。リモート無線ユニット712は、(
図1a~
図2に関連する上記の説明と同様に)PHY層プロトコルの下位部分を実行するとともに、ユーザ機器との通信のためにリモートユニットにアンテナ機能を提供するように構成することができる。
【0050】
IV.エンドツーエンドネットワークスライシング
いくつかの実施形態では、エンドツーエンドスライシング機能を提供するために、基地局は、
図7に示されているように、通信システム700におけるさまざまなポイントでスライス分離を実行するための1つまたは複数の実行可能なプロセス(例えば、エンドツーエンド解決手段)を伴うように構成されてもよい。スライス分離をどこで発生させるべきかに関する決定は、さまざまなネットワークパラメータ、通信セッションの要件および/または他の何らかの要因に依存し得る。これらの解決手段は、(a)集中型ユニットのユーザプレーン部分において、(b)分散型ユニットにおいて、および(c)リモートユニットにおいて、発生するスライス分離を含むことができる。これらの解決手段のうちの1つまたは複数は、システム700において実施することができ、以下で論じられる。
【0051】
A.集中型ユニットのユーザプレーン部分におけるスライス分離
図8aは、本保護対象のいくつかの実施形態による、集中型ユニットのユーザプレーン部分におけるネットワークスライス分離を実行するための例示的な通信システム800を示す。このシステム800は、
図7に示されているシステム700と同様であり、ここでは図解と説明とを容易にするために、関連する部分のみが
図8aに示されている。
【0052】
システム800は、1つまたは複数のユーザ機器802(a,b,c)、リモートユニット803、分散型ユニット805および集中型ユニットの制御プレーン部分807を含むことができる。この実施態様では、これらのユニット803~807は、すべてのネットワークスライスに対して共通であり得る(
図8aには3つのスライスが示されている)。このことは、ネットワークスライス分割が集中型ユニットのユーザプレーン部分で発生する前は、すべてのユーザ機器802が、同じユニット803~807にアクセス可能であることを意味する。
【0053】
図8aに示されているように、ネットワークスライス間の分離は、gNB-CU-UP以降に提供することができる。特に、別個のgNB-CU-UPインスタンス808(a,b,c)は、それぞれのユーザ機器802(a,b,c)によるアクセスを提供または許可するように構成されてよい各スライスに対して無線アクセスネットワークによって作成することができる。さらに、スライスの分離のため、アクセスおよびモビリティ機能(AMF)810(a,b,c)、ユーザプレーン機能(UPF1~UPF3)812(a,b,c)、およびセッション管理機能(SMF1~SMF3)814(a,b,c)の別個のそれぞれのインスタンスが作成されてもよい。各ネットワークスライスは、(任意の共通部分に加えて)a、bまたはcの指定によって識別することができる。
【0054】
5Gネットワークでは、(4GネットワークにおけるMMEエンティティに置き換わる)アクセスおよびモビリティ管理機能(AMF)は、ユーザ機器から接続およびセッション関連情報を受信し、接続およびモビリティ管理タスクの処理を担う。セッション管理に関するメッセージは、セッション管理機能(SMF)に転送することができる。SMFは、分離されたデータプレーンとの対話、プロトコルデータユニット(PDU)セッションの作成、更新および削除ならびにユーザプレーン機能(UPF)とのセッションコンテキストの管理を担う。UPFは、モバイルインフラストラクチャとデータネットワーク(DN)との間の相互接続を提供する(ユーザプレーン用のGPRSトンネリングプロトコル(GTP-U)のカプセル化および非カプセル化)。また、トラフィックマッチングフィルタに基づく特定のデータネットワークへのフローの方向付けを含めてパケットのルーティングや転送も実行し、その上さらに2つ以上のPDUセッションの中間UPF(I-UPF)としても機能する。さらにUPFは、SMFから受信したサービスデータフロー(SDF)トラフィックフィルタテンプレートまたは3タプルパケットフロー記述(すなわち、プロトコル、サーバ側IPアドレスおよびポート番号)を使用してアプリケーション検出を実行する。また、アップリンク(UL)とダウンリンク(DL)用のトランスポートレベルパケットマーキング、レート制限、DL上の反射型QoSマーキングを含んだ、フローごとのQoS処理も実行する。その上さらに、UPFは、課金や合法的傍受などの機能を目的として、トラフィックの使用状況を報告する。
【0055】
図8aに戻って言及すれば、いくつかの実施形態では、スライスの特定のセットの選択は、登録手順の間にユーザ機器802によって要求されたNSSAIパラメータに基づいてもよく、特定のスライスの選択は、PDUセッション確立手順の間に各ユーザ機器802が要求したS-NSSAIパラメータに基づいてもよい。具体的には、(1つまたは複数のS-NSSAIパラメータを含み得る)NSSAIパラメータを使用することにより、登録手順の間に適切なAMF810を選択することができる。また、S-NSSAIパラメータを使用することにより、AMF810は、PDUセッション確立手順の間に適切なSMF814を選択することが可能である。各ユーザ機器802から要求されたNSSAIパラメータは異なる可能性があるため、異なるそれぞれのAMF810を異なるユーザ機器802に割り当てることができる。同様に、それぞれのUPF812およびSMF814は、PDUセッション確立手順の間にユーザ機器802によって要求されたS-NSSAIに基づいて選択することができる。ここでも、各ユーザ機器から要求されたS-NSSAIは異なる可能性があるため、異なるUPF812およびSMF814を異なるユーザ機器802に割り当てることができる。例えば、ユーザ機器802aには、CU-UP808a、UPF1
812a、AMF1
810aおよびSMF1 814aを割り当てることができ、ここで、これらの機能性の各々は、特定のネットワークスライスに対して固有になるように構成されている。
【0056】
いくつかの実施形態では、1つのユーザ機器は、2つ以上のネットワークスライスを使用するように構成することができる。
図8bは、本保護対象のいくつかの実施形態による、1つまたは複数のネットワークスライスを使用できる1つのユーザ機器822を有する例示的な通信システム820を示す。このシステム820は、
図8aに示されているシステム800と同様であり得る。しかしながら、
図8aに示されている複数のAMFコンポーネントの代わりに、RU803、DU805、CU-CP807および単一のAMF819が、すべてのネットワークスライスに対して共通であり得る。システム820の残りの部分は、
図8aに示されているシステム800と同様である。動作中、各PDUセッションに対してユーザ機器822が要求したS-NSSAIに依存して、異なるユーザプレーン部分(すなわち、CU-UP)808をユーザ機器802に割り当てることができる。
【0057】
B.分散型ユニット部分におけるスライス分離
図9aは、本保護対象のいくつかの実施形態による、分散型ユニット(DU)部分においてネットワークスライス分離を実行するための例示的な通信システム900を示す。このシステム900は、
図7に示されているシステム700と同様であり、ここでも、図解と説明とを容易にするために、関連する部分のみが
図9aに示されている。
【0058】
システム900は、1つまたは複数のユーザ機器902(a,b,c)、共通のリモートユニット903、1つまたは複数の分散型ユニットDU1~DU3 905(a,b,c)、および1つまたは複数の対応する集中型ユニットの制御プレーン部分CU-CP1~CU-CP3 907(a,b,c)を含むことができる。この実施形態では、ユニット903のみがすべてのネットワークスライスに共通であり得る(
図9aでは
図8a~
図8bと同様に3つのスライスが示されている)。このことは、ネットワークスライス分割が分散型ユニット905で発生する前は、すべてのユーザ機器902が、同じリモートユニット903にアクセス可能であることを意味する。
【0059】
図9aで示され上述されたように、ネットワークスライス間の分離は、DU以降に提供することができる。特に、別個のDU1~DU3 905、制御部分CU-CP1~CU-CP3 907に加えて、無線アクセスネットワークにより、それぞれのユーザ機器902(a,b,c)によるアクセスを提供または許可するように構成されてもよい各スライスに対して別個のCU-UPインスタンス908(a,b,c)を作成することができる。同様に、アクセスおよびモビリティ機能(AMF)910(a,b,c)、ユーザプレーン機能(UPF1~UPF3)912(a,b,c)およびセッション管理機能(SMF1~SMF3)914(a,b,c)の別個のそれぞれのインスタンスも作成することができる。
【0060】
システム900における特定のスライスの選択は、
図8a~
図8bに関連して上記で論じた選択手順と同様であり得る。特に、異なるそれぞれのAMF910、UPF912およびSMF914を異なるユーザ機器902に割り当てることができる。例えば、ユーザ機器902aには、DU905a、CU-CP907a,CU-UP908a、UPF1
912a、AMF1
910aおよびSMF1 914aを割り当てることができ、ここで、これらの機能性の各々は、特定のネットワークスライスに対して固有になるように構成されている。各ネットワークスライスは、(任意の共通部分に加えて)a、bまたはcの指定によって識別することができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、DU905が無線帯域幅を制御するため、各ネットワークスライスには、搬送波の帯域幅内の特定の帯域幅部分(BWP)を割り当てることができる。5G NR通信ネットワークは、搬送波帯域幅の複数の帯域幅部分への分割を可能にすることができる(3GPP標準規格で定められているように)。各DU905は、1つのそのような帯域幅部分を制御するように構成することができる。搬送波帯域幅内では、異なるBWPには、異なる物理的リソースブロック(PRB)を割り当てることができる。例えば、搬送波帯域幅(CBW)が100MHzで、副搬送波間隔が30KHzの場合、全部で273個のPRBを有する。このCBWが、4つのBWPに分割され、1つのBWPが40MHzになり得る場合、他の3つのBWPはそれぞれ20MHzになり得る。各BWPには、合計273個のPRBから独自のPRB共有を割り当てることができる。さらに、異なるスライスを使用する異なるユーザ機器902は、PDUセッション確立手順の間に(すなわち、専用無線ベアラ(DRB)セットアップのためのRRC再構成の間に)、それぞれのスライス固有のBWPを用いて構成することができる。
【0062】
RU903は、搬送波帯域幅内で複数のBWPを支援するように構成することができる。アップリンクメッセージが受信されるBWPに依存して、RU903は、メッセージをフロントホールインタフェースを介して適正なDU905に転送することができ、ここで、各DU905は、上述したように、そのスライス固有のCU-CP907に接続することができ、これは、スライス固有のCU-UP908およびAMF910に接続される。このようにして、RU903除いて、残りの部分の無線処理とコアネットワーク処理とを各ネットワークスライスに対して完全に分離することができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、
図8bに関連する説明と同様に、1つのユーザ機器は、2つ以上のネットワークスライスを使用するように構成することができる。
図9bは、本保護対象のいくつかの実施形態による、1つまたは複数のネットワークスライスを使用できる1つのユーザ機器922を有している例示的な通信システム920を示す。
【0064】
このシステム920は、
図9aに示されているシステム900と同様であり得る。しかしながら、
図9aに示されているような複数のAMFコンポーネントの代わりに、RU903、CU-CP917およびAMF919は、すべてのネットワークスライスに共通であり得る。システム920の残りの部分は、
図9aに示されているシステム900と同様であり得る。動作中、BWPに基づいてトラフィックを分割するためにRU903を制御する代わりに、この分割は、異なるコンポーネント搬送波に基づかせることができる。ユーザ機器922は、RRCを介して、2つの異なるセルグループで2つのコンポーネント搬送波を使用するように構成することができる(例えば、二重接続シナリオ)。例えば、ユーザ機器922が(例えばコンポーネント905a,908a,912a,914aによって表される)1つのスライスを使用しているときは、1つのコンポーネント搬送波(CC1)を使用することができ、(例えば、コンポーネント905b,908b,912b,914bによって表される)別のスライスを使用しているときは、別のコンポーネント搬送波(CC2)などを使用することができる。
【0065】
代替的な実施形態では、トラフィックは、同じBWPおよび/または同じコンポーネント搬送波内の異なるスライスに割り当てられてもよいPRB範囲に基づいて、RUから異なるDUに分割されてもよい。例えば、BWPに分割されない100MHzの搬送波帯域幅のシナリオを想定した場合、273個のPRBのうちから、PRB範囲1~100をスライス1用に使用し、PRB範囲101~200を別のスライス用に使用してもよい。RUは、上記のPRB分割を使用して(すなわち、アップリンクトラフィックが受信されたPRBに基づいて)アップリンクトラフィックをそれぞれのDUに分割することができる。
【0066】
C.リモート無線ユニット部分におけるスライス分離
図10は、本保護対象のいくつかの実施形態による、リモート無線ユニット(RU)部分におけるネットワークスライス分離を実行するための例示的な通信システム1000を示す。このシステム1000は、
図7に示されているシステム700と同様であり、ここでも、図解と説明とを容易にするために、関連する部分のみが
図10に示されている。
【0067】
システム1000は、1つまたは複数のユーザ機器1002(a,b,c)、1つまたは複数のリモート無線ユニットRU1~RU3 1003(a,b,c)、1つまたは複数の分散型ユニットDU1~DU3 1005(a,b,c)、1つまたは複数の集中型ユニットの制御プレーン部分CU-CP1~CU-CP3 1007(a,b,c)、1つまたは複数のユーザプレーン部分CU-UP1~CU-UP3 1008(a,b,c)、1つまたは複数のUPF1~UPF3 1012(a,b,c)、1つまたは複数のSMF1~SMF3 1014(a,b,c)、および1つまたは複数のAMF1~AMF3 1010(a,b,c)を含むことができる。各ネットワークスライスは、a、bまたはcの指定によって識別することができる。この実施形態では、3つのネットワークスライスのいずれに対しても共通するユニットはない。このことは、各ネットワークスライスが異なるコンポーネント搬送波に対してマッピングできるため、すべてのユーザ機器1002が、それら自身の指定されたネットワークスライスa、bまたはcにアクセスできることを意味している。さらに、異なるRUを、1つのRUが1つのコンポーネント搬送波を放射するように各セルサイト内に配置することができる。特定のユーザ機器1002が使用しているS-NSSAIに依存して、それぞれのコンポーネント搬送波を使用するように構成することができる。
【0068】
図8a~
図10に示されているように、1つまたは複数のリモート無線ユニットは、1つまたは複数の分散型ユニットに接続することができる(ここでの接続はさまざまな標準規格によって定義され得る)。特に、リモートユニットは、どの分散型ユニットがどのコンポーネント搬送波またはどの搬送波帯域幅内のPRBセットを処理しているかを示すために送信および/または受信された1つまたは複数の(マグニチュード(もしくは振幅)および位相における変化を示す)I/Qデータサンプルを使用して、1つまたは複数の分散型ユニットによって制御することができる。分散型ユニットのDUポートIDパラメータは、分散型ユニットにおける処理ユニットを区別するために使用することができる。このDUポートIDパラメータは、搬送波コンポーネントID(CC ID)およびリモートユニットポートID(RUポートID)とともに、セクションタイプ制御メッセージeCPRIヘッダ内に含ませることができる。各分散型ユニットは、異なるコンポーネント搬送波、バンドセクタ、サブフレーム、リモートユニット内のスロットなどのうちの少なくとも1つを構成することができる。その上さらに、各分散型ユニットは、異なるユーザ機器識別子に対してリモートユニットを構成することができる。最後に、I/Qサンプルが受信されたスロット/サブフレームに依存して、リモートユニットは、そのサンプルを適正な分散型ユニットに送信することができる。
【0069】
図8a~
図10に戻って参照すると、これらの図面に示されているシステムは、ネットワークスライスのさまざまな所期の分離に対応するように基地局(例えばgNB)を柔軟に構成するためのさまざまな手法を提供する。1つの分離レベル(例えば第1の分離レベル)は、リモートおよび分散型ユニット(RUおよびDU)を共有できる処理パイプラインにおける集中型ユニットのユーザプレーン部分(CU-UP)以降に発生する可能性がある。DUでは、物理(PHY)層、MACおよびRLCのすべての構成およびリソースは、他のスライスと共有することができる。このことは、
図8a~
図8bに示されているシステム800によって示されている。
【0070】
別の分離レベル(例えば第2の分離レベル)は、共有されるRUおよびDUを有する処理パイプラインにおいてCU-UP以降に発生し得るが、DUでは、(上記で論じたS-NSSAIパラメータによって識別されるような)各ネットワークスライスは、固有の物理層、MAC、RLCおよびPDCP構成を有することができる。例えば、要求された各S-NSSAIパラメータは、同じコンポーネント搬送波内の固有のコンポーネント搬送波および/または固有のセル定義同期信号ブロック(SSB)、あるいはDU内の固有のBWPにマッピングすることができる。この分離レベルは、
図8a~
図8bに示されているシステムと同様であり得るが、同じDU内の複数のコンポーネント搬送波/セル定義SSB/BWPの構成を有する。
【0071】
いくつかの実施形態では、別の分離レベル(例えば第3の分離レベル)は、(例えば
図9aに示されているように)各スライスが異なる分散型ユニットにマッピングされる分散型ユニット以降に発生し得る。特定のユーザ機器が(例えば
図9bに示されているように)2つ以上のスライスを使用している場合、ユーザ機器は、2つ以上のDUに同時に接続することができ、分散型ユニットのマスタセルグループ(MCG)およびセカンダリセルグループ(SCG)のために別個のMACエンティティを用いて構成することができる。いくつかの実施形態では、異なる場所における各スライス(すなわち、
図9aに示されているようなスライスa,b,c)の分散型ユニットを、各スライスの遅延および/または他のSLA要件に依存してホストすることが可能であってもよい。
【0072】
いくつかの実施形態では、さらに別の分離レベル(例えば第4の分離レベル)は、処理パイプラインにおけるRUから先の分離を含むことができる。この場合、ユーザプレーントラフィックをエンドツーエンドで完全に分離することができる。各リモートユニットは、別個のコンポーネント搬送波を支援することができる。ユーザ機器は、
図10に示されているように、各分散型ユニットに対して、MCGおよびSCGなどの別個のMACエンティティを使用するように構成することができる。
【0073】
図11は、本保護対象のいくつかの実施形態による、
図8a~
図10に関連して論じられた特定の展開オプションに対して1つまたは複数のネットワークスライスをマッピングするための例示的な方法1100を示す。1102では、(上記で論じたように)ネットワークスライスプロファイルを決定することができる。ネットワークスライスプロファイルが確認されると、1104において分離レベルを決定することができる。ネットワークスライスプロファイルと分離レベルとの組み合わせは、どの解決手段(すなわち、
図8a~
図10に関連して論じた展開オプション)が1106において選択できるかを決定するために使用することができる。
【0074】
いくつかの実施形態では、スライスプロファイル情報と分離レベルとのさまざまな組み合わせは、特定の設定においてどの解決手段が使用され得るべきかを決定することができる。非限定的な例として、上記の説明を考慮して、スライスプロファイル分離レベルシナリオの9つの組み合わせが存在し得る。理解され得るように、本保護対象は、これらの組み合わせに限定されず、他の要因が、上記で論じられた特定の解決手段または任意の他の解決手段を選択するために使用されてもよい。
【0075】
いくつかの実施形態では、スライスプロファイルを特徴付ける可能性があるパラメータは、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、遅延、スライス内のUEの数、追跡エリアの数、UEモビリティレベル、分離レベル、活動係数および/または任意の他のパラメータのうちの少なくとも1つを含むことができる。第1の例示的な組み合わせ(すなわち、
図11に示されている動作1102および1104)では、スライスプロファイルは、中程度から高程度の遅延、スライス内の多数のUE(例えば数百万)、スライスが支援されている多数の(例えば、RAN内の各セルまたはセクタに最大数のUEを負荷させる1500以上の)トラッキングエリア(これはTAごとまたはセルごとのUE数が約700であり得ることを意味する)、UEの遊動的または制限されたモビリティ、(上記で論じたような)第1の分離レベル、および(ネットワークスライスが常に活動中であることを意味する)高い活動係数によって特徴付けられてもよい。この組み合わせに基づいて、
図8aに示されている実施形態を、ユーザ機器への/からのデータの処理のために選択することができる。この組み合わせでは、遅延要件が中程度から高程度であるため、CU-CPおよびCU-UPは、地域データセンター内に、したがって、DUから遠く離れて配置することができる。
【0076】
第2の例示的な組み合わせでは、遅延パラメータを低く、残りのパラメータは第1の例示的な組み合わせと同様にすることができる。ここでも、
図8aに示されている実施形態を、ユーザ機器への/からのデータの処理のために選択することができる。遅延要件が低いため、CU-CPおよび/またはCU-UPは、DUに近づけて配置することができる。DUに近づけたCU-CPの配置は、スライスに対して低い制御プレーン遅延が要求されるかどうかに基づいて決定することができる。DUに近づけたCU-UPの配置も、スライスに対して低いユーザプレーン遅延が要求されるかどうかに基づいて決定することができる。
【0077】
第3の例示的な組み合わせでは、スライスプロファイルパラメータは、第2の分離レベルに変更される分離レベルを除いて、第1の例示的な組み合わせと同様であり得る。この場合、
図8aに示されている実施形態を再び選択することができ、別個のコンポーネント搬送波/セル定義SSB/BWPを各スライスに対して使用することができる。
【0078】
第4の例示的な組み合わせでは、スライスプロファイルパラメータは、第2の分離レベルに変更される分離レベルを除いて、第2の例示的な組み合わせ(すなわち低遅延)と同様であり得る。ここでも、
図8aに示されている実施形態を選択することができ、別個のコンポーネント搬送波/セル定義SSB/BWPを各スライスに対して使用することができる。
【0079】
第5の例示的な組み合わせでは、スライスプロファイルパラメータは、第3の分離レベルに変更される分離レベルを除いて、第1の例示的な組み合わせと同様であり得る。この場合、
図9aに示されている実施形態を選択することができる。ここでは、第1の例示的な組み合わせと同様に、CU-CPおよびCU-UPは、地域データセンター内に、したがって、DUから遠く離れて配置することができる。
【0080】
第6の例示的な組み合わせでは、スライスプロファイルパラメータは、第3の分離レベルに変更される分離レベルを除いて、第2の例示的な組み合わせ(すなわち低遅延)と同様であり得る。この場合も、
図9aに示されている実施形態を選択することができる。第2の例示的な組み合わせの説明と同様に、CU-CPおよび/またはCU-UPは、DUに近づけて配置することができ、ここで、DUに近づけたCU-CPの配置は、スライスに対して低い制御プレーン遅延が要求されるかどうかに基づいて決定することができ、DUに近づけたCU-UPの配置も、スライスに対して低いユーザプレーン遅延が要求されるかどうかに基づいて決定することができる。
【0081】
第7の例示的な組み合わせでは、スライスプロファイルパラメータは、第4の分離レベルに変更される分離レベルを除いて、第1の例示的な組み合わせと同様であり得る。ここでは、
図10に示されている実施形態を選択することができ、ここで、CU-CPおよびCU-UPは、DUから遠く離れて配置することができる。
【0082】
第8の例示的な組み合わせでは、スライスプロファイルパラメータは、第4の分離レベルに変更される分離レベルを除いて、第2の例示的な組み合わせ(すなわち低遅延)と同様であり得る。この場合も、
図10に示されている実施形態を選択することができ、DUに近づけたCU-CPおよび/またはCU-UPの配置は、スライスに対してそれぞれ低い制御プレーン遅延および/または低いユーザプレーン遅延が要求されるかどうかに基づいて決定することができる。
【0083】
第9の例示的な組み合わせでは、スライスパラメータは、活動係数およびUEの数が低い第5および/または第7の例示的な組み合わせと同様であり得る。この場合、
図8aに示されている実施形態は、活動性が散発的でかつ(スペクトルを不要に浪費するため)UEの数が少ないネットワークスライスに対して分離されたRANリソースを提供する必要がないので選択することができる。そのようにして、
図8aに示されている実施形態は、分離がCU-UP以降であるが、DUは他のスライスと共有されるところで使用することができる。
【0084】
いくつかの実施形態では、トラッキングエリア、モビリティレベルなどは、スライス分割オプションの選択に影響を与えないであろう。これらのパラメータは、DU、CU-CPおよび/またはCU-UPインスタンスがインスタンス化される必要があり得る場所の数を決定するために使用されてもよく、かつ/またはDUおよび/またはCU内でどの機能が活動化される必要があり得るかを決定するために使用されてもよい(例えば、固定のユーザ機器に使用されてもよいスライスに対して、モビリティプロファイル、Xnインタフェースは、CU-CPインスタンス内で構成される必要はないであろう)。
【0085】
いくつかの実施形態では、
図11に示されているプロセス1100は、gNB内のOAMによって(例えば静的テーブルとして)提供することができる。各スライスプロファイルの特定の解決手段へのマッピング、およびCU-CPおよびCU-UPのための対応する配置論理は、それに応じて構成することができる。
【0086】
いくつかの実施形態では、本保護対象は、各スライスに対して報告されてもよい1つまたは複数のキーポイント指標(KPI)における目視によって、スライスSLAの監視を実行することもできる。例えば、レベル4の分離に伴いより高い活動係数を有するものとしてマークされた特定のスライスに対して(例えば
図10に示されている実施形態)、減少したデータトラフィック量を示す(例えば低い活動係数を意味する)レポートを受信すると、OAMは、スライスプロファイルのマッピングを、例えば
図10に示されている実施形態から
図8aに示されている実施形態に変更することができる。
【0087】
図12は、本保護対象のいくつかの実施形態による、プロファイルスライスを実装マッピングへ更新するための例示的なプロセス1200を示す。このプロセス1200は、
図7に示されているシステム700の1つまたは複数のコンポーネントおよび/または5Gアーキテクチャ内の任意のコンポーネントによって実行することができる。1202では、1つまたは複数の分散型ユニットおよび/または集中型ユニットの制御部分は、(例えば
図8a~
図10に示されているような)特定の本実施形態のさまざまな態様に関連する状態指標または重要業績評価指標(KPI)を提供することができる(例えば、上記で論じたような遅延、UEの数、活動係数など)。KPIは、5Gネットワークの運用、管理および保守管理(OAM)のために提供することができる。そしてKPIは、5Gネットワークの運用支援システム/業務支援システム(OSS/BSS)のために提供することができる。これらのOSS/BSSは、1204において、本実装への変更が必要かどうかを決定することができる。必要である場合には、1206において、(例えば
図8a~
図10に示されているような)特定の実装へのスライスプロファイルの新たなマッピングを決定することができる。この決定に基づいて、1208では、(
図8a~
図10に示されている適切な実施形態に従って)DU、CU-UPなどの仮想化インスタンスの管理のための新たな仮想ネットワーク機能のインスタンス化/非インスタンス化規則を、新たなマッピングを使用して決定することができる。変更が必要ない場合には、KPIの監視および報告を継続することができる。
【0088】
V.マルチオペレータネットワークにわたるリソースのリソース分離または共有
いくつかの実施形態において、本保護対象は、5G通信ネットワーク環境において実装されてもよいさまざまなマルチオペレータネットワークのためのリソース分離および/またはリソース共有を提供するように構成されてもよい。マルチオペレータネットワークのいくつかの例は、マルチオペレータ無線アクセスネットワーク(RAN)ネットワーク(MORAN)、マルチオペレータコアネットワーク(MOCN)およびその他を含む。これらのネットワークの1つまたは複数の態様のいくつかは、さまざまな標準規格(例えば、3GPP TS32.130,TS32.130,TS23.251,TS23.501など)に記述されてきている。しかしながら、これらのネットワークの詳細の多くには、実装の余地がある。特に、仮想化RANアーキテクチャは、MORANネットワークの容易な展開を可能にするように構成することができ、ここで、各参加オペレータ(POP)のgNB(例えば、gNB-CU、gNB-DUなど)は、マスタオペレータ(MOP)によって所有され得る共通の商用オフザシェルフ(COTS)ホスト上で別個の仮想ネットワーク機能(VNF)としてインスタンス化することができる。
【0089】
図13は、共有COTSプラットフォーム上の仮想化RANにおいて実装されてもよい例示的なMORANネットワーク1300を示す。特に、このネットワーク1300では、無線またはリモートユニット(RU1~RU3)、共通ホスト(例えば、サイト1~3、RDCなど)、ならびに他の物理的インフラストラクチャコンポーネントは、さまざまな公衆陸上移動ネットワーク(PLMN)間で共有されてもよい。しかしながら、他のコンポーネント(例えば、vDU、vCU)は、PLMN固有のエンティティであり得る(例えば、vDU PLMN1およびvCU PLMN1は、PLMN1の一部であり得るが、vDU PLMN2およびvCU PLMN2はPLMN2の一部であり得る)。いくつかのケースでは、RUは、異なるコンポーネント搬送波(CC)に区画割りすることができ、ここで、各CCは、PLMNに割り当てることができる。各コンポーネント搬送波は、それ自身のマスタ情報ブロック/システム情報ブロック(MIB/SIB)をブロードキャストすることができ、ここで、SIBは、そのコンポーネント搬送波に割り当て可能な特定のPLMN識別子を搬送することができる。ユーザ機器(1306,1308)は、SIBでブロードキャストされるPLMN識別子を参照することによって、それらが属する特定のPLMNに基づいて適切なコンポーネント搬送波を選択することができる。
【0090】
図14は、例示的なMOCNシステム1400を示す。MOCNアーキテクチャは、さまざまな3GPP標準仕様(例えば、TS23.251、3GPP TS23.501:5.18節)に記述されている。MOCNシステムは、複数のPLMNにわたる無線リソースの共有を可能にすることができる。SIBブロードキャストは、新たな無線通信ネットワークにおいて最大12のPLMNを搬送することができる。3GPP仕様は、それを実装に特化させる共有PLMNにわたる無線リソース区画割りを記述していない。
【0091】
図14に示されているように、MOCNシステム1400は、PLMN1コンポーネント1402(これはアプリケーションサービス1406、統一データ管理(UDM)1408、AMF/SMF/UPF1410を含み得る)およびPLMN2コンポーネント1404(これは自身のそれぞれのアプリケーションサービス、UDM、AMF/SMF/UPFを含み得る)を含むことができる。PLMN1~2 1402,1404は、gNB基地局の共通部分、例えば、vCU1412に通信可能に結合することができ、このvCUは、次いで、1つまたは複数のvDU1414に通信可能に結合することができる。vDUs
1414は、1つまたは複数のRUs1416に通信可能に結合することができる。RU1416は、特定のPLMN1402,1404に属し得る適切なユーザ機器と通信するように構成することができる(例えば、RU1416は、リンク1418を介してPLMN1 1402に属するユーザ機器と通信することができ、リンク1420を介してPLMN2 1404に属するユーザ機器と通信することができる)。
【0092】
いくつかの実施形態では、本保護対象は、
図8a~
図10に関連して上記で論じられたスライシングアーキテクチャ実施形態のさまざまな態様を実装するように構成されてよく、
図7に示されている通信システム(例えば5G通信システム)において実装されてもよい。特に、本保護対象は、マルチオペレータネットワーク(例えば、MORAN、MOCNなど)におけるリソース分離および/または共有のさまざまな実施形態を提供するように構成されてもよい。
【0093】
図15aは、本保護対象のいくつかの実施形態による、マルチオペレータネットワークにおいてリソース分離、共有を実行するための例示的なマルチオペレータ通信システム1500を示す。このシステム1500は、
図8aに示されているシステム800と同様であり得るものであり、MOCNネットワークにおいて実装することができる。
【0094】
図15aに示されているように、システム1500は、1つまたは複数のユーザ機器1502(a,b,c)、リモートユニット1503、分散型ユニット1505、および(
図15aにおいて、(参照符号「a」、「b」、「c」によって指定されるように)リソースを共有する3つのPLMNの存在が示されているように)複数のリソースを共有するように構成されてもよいすべてのPLMNに共通であり得る集中型ユニットの制御プレーン部分1507を含むことが可能である。このことは、すべてのユーザ機器1502が、特定のPLMNへの分割の発生前に、同じコンポーネント1503~1507にアクセス可能であることを意味する。
【0095】
特に、PLMN固有のコンポーネントは、共通のgNB-CU-UP以降に提供することができる。PLMN固有のgNB-CU-UPインスタンス1508(a,b,c)、ならびにAMF1~AMF 1510(a,b,c)、UPF1~UPF3 1512(a,b,c)、およびSMF1~SMF3 1514(a,b,c)は、それぞれの各PLMNにおいて作成することができ、特定のPLMNに属し得るそれぞれのユーザ機器1502(a,b,c)によってサービスを提供するかアクセス可能であるように構成することができる。
【0096】
いくつかの実施形態では、RU1503は、3つのPLMNによって共有することができ、ここで、RU1503は、システム情報ブロードキャスト(SIB)において識別される3つのPLMNを放射するように構成することができる。
図15bは、本保護対象のいくつかの実施形態による、
図15aに示されているシステムを使用してリソースの分離または共有を実行するための例示的なプロセス1520を示す。ユーザ機器1502が属する(1522で決定されるような)特定のPLMNに基づいて、CU-CP1507は、1524において、特定のPLMNのコアネットワーク要素AMF1510を選択するように構成することができる。例えば、AMF1 1510aは、PLMN1に対して選択することができ、AMF2 1510bは、PLMN2に対して選択することができる、などである。ユーザ機器の要求が、特定のAMF(例えばPLMN1用のAMF1 1510a)にルーティングされると、他のコアネットワーク機能、例えば、SMF、UPF(例えば、PLMN1用のUPF1 1512aおよびSMF1 1514a)の任意のさらなる選択が、その特定のPLMN(例えばPLMN1)内で発生し得る。さらに、CU-CP1507は、1526において、PDUセッション確立手順の間に、異なる、例えば、PLMN固有の、CU-UP(例えば、PLMN1用のCU-UP1 1508a)を割り当てることができる。上述したように、RU1503、DU1505およびCU-CP
1507は、共通のネットワーク要素であり得る。
【0097】
図16は、本保護対象のいくつかの実施形態による、マルチオペレータネットワークにおいてリソース分離、共有を実行するための例示的なマルチオペレータ通信システム1600を示す。このシステム1600は、
図9aに示されているシステム900と同様であり得るものであり、(
図15aに示されているシステム1500と同様に)MOCNネットワークにおいて実装することができる。
図15aと同様に、システム1600は、1つまたは複数のユーザ機器1602(a,b,c)、共通のリモートユニット1603、1つまたは複数の分散型ユニットDU1~DU3 1605(a,b,c)、および集中型ユニットの単一の制御プレーン部分CU-CP 1607を含むことができる。この実施形態では、ユニット1603のみがPLMNS1~PLMNS3に共通であり得る。このことは、すべてのユーザ機器1602が、同じリモートユニット1603にアクセス可能であることを意味する。さらに、別個のDU1~DU3 1605に加えて、別個のCU-UPインスタンス1608(a,b,c)、アクセスおよびモビリティ機能(AMF)1610(a,b,c)、ユーザプレーン機能(UPF1~UPF3)1612(a,b,c)、およびセッション管理機能(SMF1~SMF3)1614(a,b,c)の別個のそれぞれのインスタンスも、それぞれのPLMN内で作成することができる。
【0098】
上述したように、別個のDU1605インスタンスは、それぞれのPLMNのために作成することができる。DU1605は無線帯域幅を制御するので、各PLMNには、マスタオペレータの搬送波帯域幅内の特定の帯域幅部分(BWP)を割り当てることができる。5G NR通信ネットワークは、搬送波帯域幅の複数の帯域幅部分への分割を可能にすることができる(3GPP標準規格で定められているように)。各DU1605は、1つのそのような帯域幅部分を制御するように構成することができる。搬送波帯域幅内では、異なるBWPには、異なる物理的リソースブロック(PRB)を割り当てることができる。例えば、搬送波帯域幅(CBW)が100MHzで、副搬送波間隔が30KHzの場合、合計273個のPRBを有する。このCBWが、4つのBWPに分割され、1つのBWPが40MHzになり得る場合、他の3つのBWPはそれぞれ20MHzになり得る。各BWPには、合計273個のPRBから独自のPRB共有を割り当てることができる。
【0099】
さらに、異なるスライスを使用する異なるユーザ機器1602は、RRC確立手順の間に、それぞれのPLMN固有のBWPを用いて構成することができる。共有チャネル帯域幅の初期BWPは、SSB、MIBおよびSIBブロードキャストを搬送するが、PLMN固有のBWPは、ユーザ機器1602が初期RRC接続セットアップを完了した後にユーザ機器1602用に構成することができる。CU-CP1607は、すべてのPLMNに対して共通にすることができ、MIB/SIBブロードキャストとRRC端末とを制御するように構成することができる。初期BWPは、CU-CP1607から制御することができ、初期BWPのためにDU1605のうちの1つを使用することができる。ユーザ機器1602が接続されると(すなわちRRC接続されると)、ユーザ機器固有のBWPは、そのBWP(PLMN)固有のDU1605を介して制御することができる(例えば、DU1605aを介して制御されるUE1 1602aなど)。
【0100】
RU1603は、搬送波帯域幅内で複数のBWPを支援するように構成することができる。アップリンクメッセージが受信されるBWPに依存して、RU1603は、メッセージをフロントホールインタフェースを介して適正なDU1605に転送することができ、ここで、各DU1605は、上述したように、そのPLMN固有のCU-CP1607に接続することができ、これは、PLMN固有のCU-UP1608およびAMF1610に接続される。このようにして、RU1603を除いて、残りの無線処理とコアネットワーク処理とを各PLMNに対して完全に分離することができる。
【0101】
図17は、本保護対象のいくつかの実施形態による、マルチオペレータネットワークにおいてリソース分離、共有を実行するための例示的なマルチオペレータ通信システム1700を示す。このシステム1700は、
図10に示されているシステム1000と同様であり得るものであり、MORANネットワークにおいて実装することができる。
【0102】
図17に示されているように、各PLMNは、異なるコンポーネント搬送波にマッピングされ得る。異なるRUを、1つのRUが1つのコンポーネント搬送波を放射するように各セルサイト内に配置することができる。特定のUEが使用するように構成されているPLMNに依存して、それぞれのコンポーネント搬送波を使用するように構成されている。異なるPLMNのDU、CU-CPおよびCU-UPインスタンスは、同じCOTSサーバ上でホストすることができ、これによって、インフラストラクチャの共有も可能になる。特に、
図17に示されているように、システム1700は、1つまたは複数のPLMN固有のユーザ機器1702(a,b,c)、1つまたは複数のリモート無線ユニットRU1~RU3 1703(a,b,c)、1つまたは複数の分散型ユニットDU1~DU3 1705(a,b,c)、集中型ユニットの1つまたは複数の制御プレーン部分CU-CP1~CU-CP3 1707(a,b,c)、1つまたは複数のユーザプレーン部分CU-UP1~CU-UP3 1708(a,b,c)、1つまたは複数のUPF1~UPF3 1712(a,b,c)、1つまたは複数のSMF1~SMF3 1714(a,b,c)、および1つまたは複数のAMF1~AMF3 1710(a,b,c)を含むことができる。各PLMNは、a、bまたはcの指定によって識別することができる。この実施形態では、3つのPLMNのいずれにも共通するユニットは存在しない。
【0103】
図8a~
図10の説明と同様に、
図15a~
図17に示されているように、リモートユニット(RU1503,1603,1703)は、分散型ユニット(例えば、DU1505,1605,1705)に接続され、分散型ユニットによって制御されることが可能である。各DUは、異なるコンポーネント搬送波、バンドセクタ、サブフレーム、リモートユニット内のスロットなどのうちの少なくとも1つを構成することができ、また、異なるユーザ機器IDのためにRUを構成することもでき、これによって、I/Qサンプルが受信されたスロット/サブフレームに依存して、RUは、このサンプルを特定のDUに送信することができる。
【0104】
さらに、
図8a~
図11に関連して上記で論じたネットワークスライス分離と同様に、
図15a~
図17に示されているシステムは、異なるPLMNにわたるネットワークリソース共有の目的のために、さまざまな所期の分離レベルに対応するように基地局(例えばgNB)を柔軟に構成することができる。具体的には、1つの分離レベル(例えば第1の分離レベル)は、CU-UP以降に発生することができ、ここで、RUおよびDUは、他のPLMNと共有することができる。DUでは、物理(PHY)層、MAC、RLCのすべての構成およびリソースは、他のPLMNと共有することができる。このことは、
図15aに示されているシステム1500によって示されている。
【0105】
別の分離レベル(例えば第2の分離レベル)は、共有されるRUおよびDUを有する処理パイプラインにおいてCU-UP以降に発生し得るが、DUでは、各PLMNは、固有の物理層、MAC、RLCおよびPDCP構成を有することができる。例えば、各PLMNは、同じコンポーネント搬送波内の固有のコンポーネント搬送波および/または固有のセル定義同期信号ブロック(SSB)、あるいはDU内の固有のBWPにマッピングすることができる。この分離レベルは、
図15aに示されているシステム1500と同様であり得るが、同じDU内の複数のコンポーネント搬送波/セル定義SSB/BWPの構成を有する。
【0106】
さらに別の分離レベル(例えば第3の分離レベル)は、(例えば
図16に示されているように)各PLMNが異なるDUにマッピングされるDU以降に発生し得る。最後に、さらに別の分離レベル(例えば第4の分離レベル)は、処理パイプラインのRU以降における分離を含むことができる。この分離レベルは、MORANネットワークにおいて実装することができる。このケースでは、ユーザプレーントラフィックの完全なエンドツーエンド分離が発生し得る。各RUは、
図17に示されているように、別個のコンポーネント搬送波を支援することができる。
【0107】
図18は、本保護対象のいくつかの実施形態による、
図15a~
図17に関連して論じられた特定の展開オプションに1つまたは複数のPLMNリソースを分離するための例示的な方法1800を示す。1802では、特定の公衆陸上移動ネットワークを識別することができる。PLMNが決定されると、1804では、分離レベル(例えば上記で論じられたレベル1~4)も決定することができる。1806では、PLMN識別と分離レベルとの組み合わせは、特定のネットワークリソースがどのように共有され得るか(例えば、
図15a~
図17に関連して論じられた展開オプション)を決定するために使用することができる。
【0108】
図19に示されているように、いくつかの実施形態では、本保護対象は、システム1900内に実装されるように構成することができる。このシステム1900は、1つまたは複数のプロセッサ1910、メモリ1920、記憶デバイス1930および入/出力デバイス1940を含むことができる。これらのコンポーネント1910、1920,1930および1940の各々は、システムバス1950を使用して相互接続することができる。プロセッサ1910は、システム
1900内での実行のための命令を処理するように構成することができる。いくつかの実施形態では、プロセッサ1910は、シングルスレッドプロセッサであり得る。代替的な実施形態では、プロセッサ1910は、マルチスレッドプロセッサであり得る。プロセッサ1910は、入/出力デバイス1940による情報の受信または送信を含めて、メモリ1920内または記憶デバイス1930上に記憶された命令を処理するようにさらに構成することができる。メモリ1920は、システム1900内に情報を記憶することができる。いくつかの実施形態では、メモリ1920は、コンピュータ可読媒体であり得る。代替的な実施形態では、メモリ1920は、揮発性メモリユニットであり得る。さらにいくつかの実施形態では、メモリ1920は不揮発性メモリユニットであり得る。記憶デバイス1930は、システム1900のための大容量記憶デバイスを提供することが可能となり得る。いくつかの実施形態では、記憶デバイス1930は、コンピュータ可読媒体であり得る。代替的な実施形態では、記憶デバイス1930は、フロッピーディスクデバイス、ハードディスクデバイス、光学的ディスクデバイス、テープデバイス、不揮発性ソリッドステートメモリ、または任意の他のタイプの記憶デバイスであり得る。入/出力デバイス1940は、システム1900のための入/出力動作を提供するように構成することができる。いくつかの実施形態では、入/出力デバイス1940は、キーボードおよび/またはポインティングデバイスを含むことができる。代替的な実施形態では、入/出力デバイス1940は、グラフィカルユーザインタフェースを表示するためのディスプレイユニットを含むことができる。
【0109】
図20は、本保護対象のいくつかの実施形態による、例示的な方法2000を示す。2002では、無線通信システムで動作する1つまたは複数の通信ネットワーク(例えば、公衆陸上移動ネットワーク(PLMN))が識別され得る。複数の通信ネットワーク内の各通信ネットワークは、複数の通信ネットワーク内の別の通信ネットワークの1つまたは複数の通信コンポーネントから論理的に分離された1つまたは複数の通信コンポーネント(例えば、RU、DU、CU-CP、CU-UP、AMF、UPF、SMFなど)を有することができる(例えば、
図15a~
図17に示されるように)。
【0110】
2004では、識別された通信ネットワークに基づいて、複数の通信ネットワーク内の当該通信ネットワークが、ユーザデバイスに関連付けられたデータの送信のために選択され得る。2006では、選択された通信ネットワークを使用して、ユーザデバイスに関連付けられたデータを送信することができる。
【0111】
いくつかの実施形態では、本保護対象は、以下の任意選択的な特徴のうちの1つまたは複数を含むことができる。本方法は、識別された通信ネットワークに基づいて、分離のために通信ネットワークの少なくとも1つの通信コンポーネントを決定するステップをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、複数の通信ネットワークは、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、マルチオペレータ無線アクセスネットワーク(MORAN)、マルチオペレータコアネットワーク(MOCN)、無線アクセスネットワーク、仮想無線アクセスネットワーク、コアネットワークおよびそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含むことができる。さらに、本方法は、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、1つまたは複数のコンポーネント搬送波、1つまたは複数の帯域幅部分、1つまたは複数の物理的リソースブロック範囲およびそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つに基づいて、データの送信のための1つまたは複数の分散型ユニット(DU)を選択するステップを含むことができる。
【0112】
いくつかの実施形態では、識別するステップ、選択するステップおよび送信するステップのうちの少なくとも1つは、基地局によって実行することができる。基地局は、以下の通信コンポーネント、すなわち、1つまたは複数のリモート無線ユニット(RU)、1つまたは複数の集中型ユニット(CU)、1つまたは複数の分散型ユニット(DU)、1つまたは複数の集中型ユニットの1つまたは複数の制御プレーン部分(CU-CP)、1つまたは複数の集中型ユニットの1つまたは複数のユーザプレーン部分(CU-UP)、1つまたは複数のアクセスおよびモビリティ機能(AMFs)、1つまたは複数のユーザプレーン機能(UPFs)、1つまたは複数のセッション管理機能(SMFs)のうちの少なくとも1つを含むことができる。いくつかの実施形態では、複数の通信ネットワーク内の1つの通信ネットワークの1つまたは複数のCU-UP、1つまたは複数のAMF、1つまたは複数のUPF、および1つまたは複数のSMFのうちの少なくとも1つは、複数の通信ネットワーク内の別の通信ネットワークの1つまたは複数のCU-UP、1つまたは複数のAMF、1つまたは複数のUPF、および1つまたは複数のSMFのうちの少なくとも1つから論理的に分離されている。1つまたは複数のリモートRU、1つまたは複数のDU、および1つまたは複数のCU-CPは、複数の通信ネットワーク内のすべての通信ネットワークに対して共通であり得る。これは、
図15aに示されているシステムと同様である。次いで、ユーザデバイスに関連付けられたデータは、1つまたは複数の通信ネットワークを使用して送信することができる。
【0113】
いくつかの実施形態では、異なるPLMNのDU、CU-UP、AMF、UPFおよびSMFは、ユーザデバイスに関連付けられたデータの送信のために複数の通信ネットワーク内のすべての通信ネットワークを論理的に分離することができる。これは、
図16に示されているシステム1600と同様である。
【0114】
いくつかの実施形態では、異なるPLMNのRU、DU、CU-UP、CU-CP、AMF、UPF、SMFは、ユーザデバイスに関連付けられたデータの送信のために複数の通信ネットワーク内のすべての通信ネットワークを論理的に分離することができる。これは、
図17に示されているシステム1700と同様である。
【0115】
本明細書に開示されるシステムおよび方法は、例えば、データベース、デジタル電子回路、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせも含むコンピュータなどのデータプロセッサを含むさまざまな形態で具現化することができる。その上さらに、上述した特徴および本開示の実施形態の他の態様および原理は、さまざまな環境で実施することができる。そのような環境および関連するアプリケーションは、開示された実施形態によるさまざまなプロセスおよび動作を実行するように特別に構築可能であるか、または必要な機能を提供するためにコードにより選択的に起動または再構成される汎用コンピュータまたはコンピューティングプラットフォームを含むことができる。本明細書で開示されるプロセスは、いずれかの特定のコンピュータ、ネットワーク、アーキテクチャ、環境、または他の装置に本質的に関連するものではなく、ハードウェア、ソフトウェアおよび/またはファームウェアの適切な組み合わせによって実施することができる。例えば、開示された実施形態の教示に従って記述されたプログラムを用いてさまざまな汎用機械を使用するができ、あるいは必要な方法および技術を実行するための専用の装置もしくはシステムを構築することがより好適な可能性もある。
【0116】
本明細書に開示されるシステムおよび方法は、コンピュータプログラム製品として、すなわち、データ処理装置、例えばプログラマブルプロセッサ、コンピュータ、または複数のコンピュータによる実行またはそれらの動作の制御のために、情報担体内で、例えば機械可読記憶デバイスまたは伝搬信号内で有形に具現化されるコンピュータプログラムとして実装することができる。コンピュータプログラムは、コンパイル言語またはインタプリタ言語を含む任意の形態のプログラミング言語で記述することができ、スタンドアロン型プログラムとして、またはモジュール、コンポーネント、サブルーチン、またはコンピューティング環境での使用に適した他のユニットとしてなどを含めた任意の形態で展開することができる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータで実行されるか、または1つのサイトにおける複数のコンピュータで実行されるか、または複数のサイトにわたって分散され、通信ネットワークによって相互接続されるように展開することができる。
【0117】
本明細書で使用される用語「ユーザ」は、人またはコンピュータを含む任意のエンティティを指すことができる。
【0118】
第1の、第2のなどの序数は、状況によっては順序に関係するが、本明細書で使用される序数は、必ずしも順序を意味するものではない。例えば、序数は、単に1つのアイテムを他のアイテムから区別するために使用することができる。例えば、第1のイベントを第2のイベントから区別するためであっても、必ずしも任意の時系列順序または固定的参照系の意味を含ませる必要はない(そのため説明のある段落における第1のイベントは、説明の別の段落における第1のイベントとは異なる可能性がある)。
【0119】
前述の説明は、添付の特許請求の範囲によって定められる本発明の範囲の説明を意図したものであってその限定を意図したものではない。他の実施形態は、添付の請求項の範囲内にある。
【0120】
プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、アプリケーション、コンポーネントまたはコードとも称され得るこれらのコンピュータプログラムは、プログラマブルプロセッサ用の機械命令を含み、高水準の手続き型および/またはオブジェクト指向プログラミング言語および/またはアセンブリ/機械語で実現することができる。本明細書で使用される「機械可読媒体」という用語は、機械可読信号として機械命令を受信する機械可読媒体も含めて、プログラマブルプロセッサに機械命令および/またはデータを提供するために使用される、例えば、磁気的ディスク、光学的ディスク、メモリおよびプログラマブルロジックデバイス(PLD)などの任意のコンピュータプログラム製品、装置および/またはデバイスを指す。「機械可読信号」という用語は、機械命令および/またはデータをプログラマブルプロセッサに提供するために使用される任意の信号を指す。機械可読媒体は、例えば、非一時的ソリッドステートメモリまたは磁気的ハードドライブまたは任意の同等の記憶媒体のように、そのような機械命令を非一時的に記憶することができる。機械可読媒体は、代替的または付加的に、そのような機械命令を、例えばプロセッサキャッシュか、あるいは1つまたは複数の物理的プロセッサコアに関連付けられた他のランダムアクセスメモリなどの一時的な方式で記憶することができる。
【0121】
ユーザとの対話を提供するために、本明細書に記載された保護対象は、ユーザに情報を表示するための、例えば、陰極線管(CRT)または液晶ディスプレイ(LCD)モニタなどの表示デバイスと、ユーザがコンピュータに入力を提供することができるキーボードや例えばマウスもしくはトラックボールなどのポインティングデバイスと、を有するコンピュータに実装することができる。同様にユーザとの対話を提供するために、他の種類のデバイスを使用することもできる。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、例えば視覚的フィードバック、聴覚的フィードバックまたは触覚的フィードバックなどの任意の形態の感覚的フィードバックであり得る。また、ユーザからの入力は、音響的、音声的または触覚的入力を含むがこれらに限定されない任意の形態で受信することができる。
【0122】
本明細書に記載される保護対象は、例えば1つまたは複数のデータサーバなどのバックエンドコンポーネントを含むコンピューティングシステムにおいて、あるいは例えば1つまたは複数のアプリケーションサーバなどのミドルウェアコンポーネントを含むコンピューティングシステムにおいて、あるいは例えばユーザが本明細書に記載された保護対象の実施形態と対話できるグラフィカルユーザインタフェースまたはウェブブラウザを有する1つまたは複数のクライアントコンピュータなどのフロントエンドコンポーネントを含むコンピューティングシステムにおいて、あるいはそのようなバックエンド、ミドルウェアまたはフロントエンドコンポーネントの任意の組み合わせを含むコンピューティングシステムにおいて実装することができる。システムのこれらのコンポーネントは、例えば通信ネットワークなどのデジタルデータ通信の任意の形態または媒体によって相互接続することができる。通信ネットワークの例には、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)およびインターネットが含まれるが、これらに限定されない。
【0123】
コンピューティングシステムは、クライアントおよびサーバを含むことができる。クライアントおよびサーバは、一般に(ただし非排他的に)相互に離れており、典型的には通信ネットワークを介して対話する。クライアントおよびサーバの関係は、それぞれのコンピュータ上で実行され、相互にクライアント-サーバ関係を有するコンピュータプログラムによって発生する。
【0124】
前述の説明に記載された実施形態は、本明細書に記述された保護対象に一致するすべての実施形態を表すものではない。その代わりに、それらは、記載された保護対象に関連する態様と一致するいくつかの例に過ぎない。いくつかの変形形態は、上記で詳細に説明してきたが、他の修正または追加も可能である。特に、さらなる特徴および/または変形形態は、本明細書に記載された事項に対して付加的に提供することができる。例えば、上述の実施形態は、開示された特徴のさまざまな組み合わせまたは部分的な組み合わせに向けることができ、かつ/または上記の複数のさらなる特徴の組み合わせまたは部分的な組み合わせに向けることができる。付加的に、添付の図面に示され、かつ/または本明細書に記載された論理フローは、所望の結果を達成するために、必ずしも、ここに示されている特定の順序または順次連続する順序を要件とするものではない。他の実施形態は、従属請求項の範囲内にあり得る。