(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-06
(45)【発行日】2024-02-15
(54)【発明の名称】クライアント端末機器、位置検出方法、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G01S 5/14 20060101AFI20240207BHJP
【FI】
G01S5/14
(21)【出願番号】P 2023531527
(86)(22)【出願日】2022-01-27
(86)【国際出願番号】 CN2022074312
(87)【国際公開番号】W WO2022188571
(87)【国際公開日】2022-09-15
【審査請求日】2023-05-24
(31)【優先権主張番号】202110255283.4
(32)【優先日】2021-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】孫権
(72)【発明者】
【氏名】張雲安
(72)【発明者】
【氏名】毛瑞
【審査官】藤田 都志行
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第212588521(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第111970672(CN,A)
【文献】特開2020-141403(JP,A)
【文献】特表2021-506047(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 5/00- 5/14
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1検知信号を出力するように構成される超広帯域UWB測位モジュールと、
前記第1検知信号を受信し、前記第1検知信号に基づいて第2検知信号を出力するように構成される第1伝送ユニットと、
前記第1検知信号を受信し、前記第1検知信号に基づいて第3検知信号を出力するように構成される第2伝送ユニットと、
前記第1検知信号、前記第2検知信号及び前記第3検知信号を受信し、前記第1検知信号、前記第2検知信号及び前記第3検知信号を前記UWB測位モジュールに送信するように構成されるUWB測位タグが設けられるアンテナモジュールと、を含み、
前記UWB測位モジュール、前記第1伝送ユニット及び前記第2伝送ユニットの位置が異なり、
前記UWB測位モジュールはさらに、前記UWB測位タグによって送信された前記第1検知信号、前記第2検知信号及び前記第3検知信号を受信し、前記第1検知信号、前記第2検知信号、前記第3検知信号、前記UWB測位モジュールの位置情報、前記第1伝送ユニットの位置情報及び前記第2伝送ユニットの位置情報に基づいて、前記アンテナモジュールに対する位置検出を行うように構成されるクライアント端末機器。
【請求項2】
前記UWB測位モジュールは、
前記UWB測位モジュールが前記第1検知信号を出力する時間と、前記UWB測位モジュールが前記UWB測位タグによって送信された前記第1検知信号を受信する時間とから、前記UWB測位タグから前記UWB測位モジュールまでの第1距離を得て、
前記UWB測位モジュールが前記第1検知信号を出力する時間と、前記第1伝送ユニットが前記第1検知信号を受信する時間と、前記UWB測位モジュールが前記UWB測位タグによって送信された前記第2検知信号を受信する時間とから、前記UWB測位タグから前記第1伝送ユニットまでの第2距離を得て、
前記UWB測位モジュールが前記第1検知信号を出力する時間と、前記第2伝送ユニットが前記第1検知信号を受信する時間と、前記UWB測位モジュールが前記UWB測位タグによって送信された前記第3検知信号を受信する時間とから、前記UWB測位タグから前記第2伝送ユニットまでの第3距離を得て、
前記UWB測位モジュールの位置情報、前記第1伝送ユニットの位置情報、前記第2伝送ユニットの位置情報、前記第1距離、前記第2距離及び前記第3距離から、前記アンテナモジュールの位置情報を得るように構成される請求項1に記載のクライアント端末機器。
【請求項3】
前記第1伝送ユニットは、
前記第1検知信号及び第1基準信号を取得し、
前記第1検知信号と前記第1基準信号をミキシングして、第2検知信号を取得して出力するように構成された第1ミキシングデバイスを含む請求項1に記載のクライアント端末機器。
【請求項4】
前記第2伝送ユニットは、
前記第1検知信号及び第2基準信号を取得し、
前記第1検知信号と前記第2基準信号をミキシングして、第3検知信号を取得して出力するように構成された第2ミキシングデバイスを含む請求項1に記載のクライアント端末機器。
【請求項5】
前記UWB測位モジュールによって送信された前記アンテナモジュールの位置検出結果を取得して、前記位置検出結果を報知するように構成された主制御モジュールをさらに含む請求項1に記載のクライアント端末機器。
【請求項6】
前記主制御モジュールは、
前記UWB測位モジュールによって送信された前記アンテナモジュールの位置検出結果を取得し、
前記位置検出結果が予め設定された警報条件を満たす場合、前記位置検出結果を報知するとともに警報情報を発するように構成される請求項5に記載のクライアント端末機器。
【請求項7】
クライアント端末機器に適用される位置検出方法であって、
前記クライアント端末機器は、UWB測位モジュールと、第1伝送ユニットと、第2伝送ユニットと、アンテナモジュールと、を含み、前記アンテナモジュールにはUWB測位タグが設けられており、前記UWB測位モジュール、前記第1伝送ユニット及び前記第2伝送ユニットの位置が異なり、
前記UWB測位モジュールを制御して第1検知信号を出力するステップと、
前記第1伝送ユニットを制御して前記第1検知信号を受信するとともに、前記第1伝送ユニットを制御して前記第1検知信号に基づいて第2検知信号を出力するステップと、
前記第2伝送ユニットを制御して前記第1検知信号を受信するとともに、前記第2伝送ユニットを制御して前記第1検知信号に基づいて第3検知信号を出力するステップと、
前記UWB測位タグを制御して、前記第1検知信号、前記第2検知信号及び前記第3検知信号を受信するとともに、前記UWB測位タグを制御して、前記第1検知信号、前記第2検知信号及び前記第3検知信号を前記UWB測位モジュールに送信するステップと、
前記UWB測位モジュールを制御して前記UWB測位タグによって送信された前記第1検知信号、前記第2検知信号及び前記第3検知信号を受信するとともに、前記UWB測位モジュールを制御して前記第1検知信号、前記第2検知信号、前記第3検知信号、前記UWB測位モジュールの位置情報、前記第1伝送ユニットの位置情報及び前記第2伝送ユニットの位置情報に基づいて、前記アンテナモジュールに対する位置検出を行うステップと、を含む位置検出方法。
【請求項8】
前記UWB測位モジュールを制御して前記第1検知信号、前記第2検知信号、前記第3検知信号、前記UWB測位モジュールの位置情報、前記第1伝送ユニットの位置情報及び前記第2伝送ユニットの位置情報に基づいて、前記アンテナモジュールに対する位置検出を行う前記ステップは、
前記UWB測位モジュールを制御して前記UWB測位モジュールが前記第1検知信号を出力する時間と、前記UWB測位モジュールが前記UWB測位タグによって送信された前記第1検知信号を受信する時間とから、前記UWB測位タグから前記UWB測位モジュールまでの第1距離を得るステップと、
前記UWB測位モジュールを制御して前記UWB測位モジュールが前記第1検知信号を出力する時間と、前記第1伝送ユニットが前記第1検知信号を受信する時間と、前記UWB測位モジュールが前記UWB測位タグによって送信された前記第2検知信号を受信する時間とから、前記UWB測位タグから前記第1伝送ユニットまでの第2距離を得るステップと、
前記UWB測位モジュールを制御して前記UWB測位モジュールが前記第1検知信号を出力する時間と、前記第2伝送ユニットが前記第1検知信号を受信する時間と、前記UWB測位モジュールが前記UWB測位タグによって送信された前記第3検知信号を受信する時間とから、前記UWB測位タグから前記第2伝送ユニットまでの第3距離を得るステップと、
前記UWB測位モジュールを制御して前記UWB測位モジュールの位置情報、前記第1伝送ユニットの位置情報、前記第2伝送ユニットの位置情報、前記第1距離、前記第2距離及び前記第3距離から、前記アンテナモジュールの位置情報を得るステップと、を含む請求項7に記載の位置検出方法。
【請求項9】
前記第1伝送ユニットは第1ミキシングデバイスを含み、
前記第1伝送ユニットを制御して前記第1検知信号を受信するとともに、前記第1伝送ユニットを制御して前記第1検知信号に基づいて第2検知信号を出力する前記ステップは、
前記第1ミキシングデバイスを制御して前記第1検知信号及び第1基準信号を取得するとともに、前記第1ミキシングデバイスを制御して前記第1検知信号と前記第1基準信号をミキシングして、第2検知信号を取得して出力するステップを含む請求項7に記載の位置検出方法。
【請求項10】
前記第2伝送ユニットは第2ミキシングデバイスを含み、
前記第2伝送ユニットを制御して前記第1検知信号を受信するとともに、前記第2伝送ユニットを制御して前記第1検知信号に基づいて第3検知信号を出力する前記ステップは、
前記第2ミキシングデバイスを制御して前記第1検知信号及び第2基準信号を取得するとともに、前記第2ミキシングデバイスを制御して前記第1検知信号と前記第2基準信号をミキシングして、第3検知信号を取得して出力するステップを含む請求項7に記載の位置検出方法。
【請求項11】
前記UWB測位モジュールによって送信された前記アンテナモジュールの位置検出結果を取得して、前記位置検出結果を報知するステップをさらに含む請求項7に記載の位置検出方法。
【請求項12】
前記UWB測位モジュールによって送信された前記アンテナモジュールの位置検出結果を取得して、前記位置検出結果を報知する前記ステップは、
前記UWB測位モジュールによって送信された前記アンテナモジュールの位置検出結果を取得するステップと、
前記位置検出結果が予め設定された警報条件を満たす場合、前記位置検出結果を報知するとともに警報情報を発するステップと、を含む請求項11に記載の位置検出方法。
【請求項13】
メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶され、前記プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムと、を含み、前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行すると、請求項7~12のいずれか1項に記載の位置検出方法を実現するクライアント端末機器。
【請求項14】
請求項7~12のいずれか1項に記載の位置検出方法を実行するためのコンピュータ実行可能な命令が記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、出願番号が202110255283.4、出願日が2021年3月9日の中国特許出願に基づいて提出されたものであり、当該中国特許出願の優先権を主張しており、当該中国特許出願のすべての内容は参照として本願に引用されている。
【0002】
本願実施例は通信の技術分野に関するが、これに限定されず、特にクライアント端末機器、位置検出方法、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
実際の応用では、カスタマ構内設備(CPE:Customer Premise Equipment)内のアンテナはデータ伝送の中継に通常使用される。例えば、CPE内のアンテナはセル基地局が送信するデータ信号を受信し、そのデータ信号を伝送するために使用してもよい。データ信号の受信過程で、CPE内のアンテナの位置はCPEとセル基地局間の信号伝送に影響を与えるため、CPEが受信したデータ信号の品質を保証するために、CPE内のアンテナの位置情報を確認する必要がある。現在、関連する技術案では、通常、CPE内のアンテナを同時に検出するために複数の外部測位機器を採用している。複数の測位機器を同時に配置する必要があるため、限られた空間内での全体的なレイアウトの難易度が増大し、コストがより高くなっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以下は本明細書で詳細に説明する手段の概要である。本概要は特許請求の範囲の特許範囲を限定するものではない。
【0005】
本願実施例は、クライアント端末機器、位置検出方法、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様では、本願実施例は、クライアント端末機器を提供する。前記クライアント端末機器は、
第1検知信号を出力するように構成されるUWB測位モジュールと、
前記第1検知信号を受信し、前記第1検知信号に基づいて第2検知信号を出力するように構成される第1伝送ユニットと、
前記第1検知信号を受信し、前記第1検知信号に基づいて第3検知信号を出力するように構成される第2伝送ユニットと、
前記第1検知信号、前記第2検知信号及び前記第3検知信号を受信し、前記第1検知信号、前記第2検知信号及び前記第3検知信号を前記UWB測位モジュールに送信するように構成されるUWB測位タグが設けられるアンテナモジュールと、を含み、
前記UWB測位モジュール、前記第1伝送ユニット及び前記第2伝送ユニットの位置が異なり、
前記UWB測位モジュールはさらに、前記UWB測位タグによって送信された前記第1検知信号、前記第2検知信号及び前記第3検知信号を受信し、前記第1検知信号、前記第2検知信号、前記第3検知信号、前記UWB測位モジュールの位置情報、前記第1伝送ユニットの位置情報及び前記第2伝送ユニットの位置情報に基づいて、前記アンテナモジュールに対する位置検出を行うように構成される。
【0007】
第2態様では、本願実施例は、位置検出方法を提供する。クライアント端末機器に適用される位置検出方法であって、
前記クライアント端末機器は、UWB測位モジュールと、第1伝送ユニットと、第2伝送ユニットと、アンテナモジュールと、を含み、前記アンテナモジュールにはUWB測位タグが設けられており、前記UWB測位モジュール、前記第1伝送ユニット及び前記第2伝送ユニットの位置が異なり、
前記位置検出方法は、
前記UWB測位モジュールを制御して第1検知信号を出力するステップと、
前記第1伝送ユニットを制御して前記第1検知信号を受信するとともに、前記第1伝送ユニットを制御して前記第1検知信号に基づいて第2検知信号を出力するステップと、
前記第2伝送ユニットを制御して前記第1検知信号を受信するとともに、前記第2伝送ユニットを制御して前記第1検知信号に基づいて第3検知信号を出力するステップと、
前記UWB測位タグを制御して、前記第1検知信号、前記第2検知信号及び前記第3検知信号を受信するとともに、前記UWB測位タグを制御して、前記第1検知信号、前記第2検知信号及び前記第3検知信号を前記UWB測位モジュールに送信するステップと、
前記UWB測位モジュールを制御して前記UWB測位タグによって送信された前記第1検知信号、前記第2検知信号及び前記第3検知信号を受信するとともに、前記UWB測位モジュールを制御して前記第1検知信号、前記第2検知信号、前記第3検知信号、前記UWB測位モジュールの位置情報、前記第1伝送ユニットの位置情報及び前記第2伝送ユニットの位置情報に基づいて、前記アンテナモジュールに対する位置検出を行うステップと、を含む。
【0008】
第3態様では、本願実施例はさらに、クライアント端末機器を提供する。前記クライアント端末機器は、メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶され、前記プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムと、を含み、前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行すると、前記第2態様の位置検出方法を実現する。
【0009】
第4態様では、本願実施例はさらに、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。前記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、前記第2態様の位置検出方法を実行するためのコンピュータ実行可能な命令が記憶されている。
【0010】
本願の他の特徴及び利点は、後の明細書で説明され、本明細書から部分的に明らかになるか、又は本願を実施することによって理解される。本願の目的及び他の利点は、明細書、特許請求の範囲、及び図面において特に指摘された構造によって達成、取得され得る。
【0011】
図面は、本願の技術案の更なる理解を提供するために使用され、明細書の一部を構成し、本願の実施例と共に本願の技術案を説明するために使用され、本願の技術案を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本願の一実施例に係るクライアント端末機器の概略図である。
【
図2】本願の別の一実施例に係るクライアント端末機器の概略図である。
【
図3】本願の別の一実施例に係るクライアント端末機器の概略図である。
【
図4】本願の一実施例に係るクライアント端末機器の機器ホストの概略図である。
【
図5】本願の別の一実施例に係るクライアント端末機器の概略図である。
【
図6】本願の一実施例に係る位置検出方法のフローチャートである。
【
図7】本願の一実施例に係る位置検出方法におけるアンテナモジュールの位置検出のフローチャートである。
【
図8】本願の一実施例に係る位置検出方法において第2検知信号を出力するフローチャートである。
【
図9】本願の一実施例に係る位置検出方法において第3検知信号を出力するフローチャートである。
【
図10】本願の別の実施例に係る位置検出方法のフローチャートである。
【
図11】本願の一実施例に係る位置検出方法において位置検出結果を報知するフローチャートである。
【
図12】本願の別の一実施例に係るクライアント端末機器の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本願の目的、技術案及び利点をより明確に理解するために、以下では、図面及び実施例を参照して本願をさらに詳細に説明する。なお、本明細書に記載された具体的な実施例は本願を解釈するためにのみ使用され、本願を限定するものではない。
【0014】
なお、機能モジュール分割は装置の概略図に示され、論理的順序はフローチャートに示されているが、場合によっては、機能モジュール分割が装置内のモジュール分割とは異なってもよく、或いは示された又は説明されたステップがフローチャートに示された順序とは異なる順序で実行されてもよい。明細書及び特許請求の範囲、並びに前述の図面における「第1」、「第2」等の用語は、特定の順序又は優先順位を説明するために使用されるのではなく、類似の対象を区別するために使用される。
【0015】
本願は、クライアント端末機器、位置検出方法、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。UWB測位モジュール、第1伝送ユニット及び第2伝送ユニットが異なる位置にある場合、UWB測位モジュールは、第1検知信号、第2検知信号、第3検知信号、UWB測位モジュールの位置情報、第1伝送ユニットの位置情報及び第2伝送ユニットの位置情報に基づいて、アンテナモジュールに対する位置検出を行うことができる。1つのUWB測位モジュールと2つの伝送ユニットとを組み合わせて信号中継を行うだけで、アンテナモジュールの位置検出を行うことができるので、アンテナモジュールに対する位置検出を行うために複数の測位機器を同時に配置する必要がない。これによって、空間レイアウトの難易度を軽減させて、コストを削減させるとともに、アンテナモジュールに対する位置検出を行うことができる。
【0016】
以下、図面を参照して、本願実施例についてさらに説明する。
【0017】
図1に示すように、
図1は本願の一実施例に係るクライアント端末機器の概略図である。ここで、
図1における各ライン及び矢印は各検知信号の伝送方向を表し、検知信号が異なると、異なるタイプのラインで表される。A信号は第1検知信号、B信号は第2検知信号、C信号は第3検知信号を表す。
【0018】
図1の例では、本願の一実施例に係るクライアント端末機器は、超広帯域(UWB:Ultra Wide Band)測位モジュールと、第1伝送ユニットと、第2伝送ユニットと、アンテナモジュールと、を含むが、これらに限定されない。
UWB測位モジュールは、第1検知信号を出力するように構成される。
第1伝送ユニットは、第1検知信号を受信し、第1検知信号に基づいて第2検知信号を出力するように構成される。
第2伝送ユニットは、第1検知信号を受信し、第1検知信号に基づいて第3検知信号を出力するように構成される。UWB測位モジュール、第1伝送ユニット及び第2伝送ユニットの位置が異なる。
アンテナモジュールは、UWB測位タグが設けられる。UWB測位タグは、第1検知信号、第2検知信号及び第3検知信号を受信し、第1検知信号、第2検知信号及び第3検知信号をUWB測位モジュールに送信するように構成される。
UWB測位モジュールはさらに、UWB測位タグによって送信された第1検知信号、第2検知信号及び第3検知信号を受信し、第1検知信号、第2検知信号、第3検知信号、UWB測位モジュールの位置情報、第1伝送ユニットの位置情報及び第2伝送ユニットの位置情報に基づいて、アンテナモジュールに対する位置検出を行うように構成される。
【0019】
一実施例では、UWB技術は、UWB信号の発生が、微分又はミキシングなどのアップコンバート方式に基づいて、放射時間が非常に短い(例えば、2ns以下のレベル)狭いパルス(例えば、2次ガウシアンパルス)がUWB動作周波数帯域に変調されることにより達成され得る無線通信技術である。UWB測位モジュールが出力する第1検知信号は、UWB信号を含んでもよいが、これに限定されるものではない。したがって、第1伝送ユニット及び第2伝送ユニットが第1検知信号に基づいてそれぞれ生成する第2検知信号及び第3検知信号も、UWB信号を含んでもよいが、これに限定されるものではない。UWB信号は、通信信号の1つであり、すなわち、UWB信号は通信信号の一般的な特性を有するので、UWB信号の生成、伝送などの実施形態については、重複しないように、詳しく説明しない。
【0020】
一実施例では、UWB測位タグは、測位機能が一体化された内部システムアーキテクチャによって、アンテナモジュールへのマーキング及び各検知信号の安定的な受信や出力を可能にし、アンテナモジュールの位置検出を容易にする様々なタイプの集積デバイスであってもよい。なお、UWB測位モジュールの位置情報、第1伝送ユニットの位置情報及び第2伝送ユニットの位置情報が確認されており、すべての位置情報が異なるので、UWB測位タグは、UWB測位モジュールがアンテナモジュールに対する位置検出を行うように、上記位置情報に基づいて各検知信号をUWB測位モジュールに対応して送信することができる。
【0021】
一実施例では、UWB測位モジュール、第1伝送ユニット及び第2伝送ユニットが異なる位置にある場合、UWB測位モジュールは、第1検知信号、第2検知信号、第3検知信号、UWB測位モジュールの位置情報、第1伝送ユニットの位置情報及び第2伝送ユニットの位置情報に基づいて、アンテナモジュールに対する位置検出を行うことができる。1つのUWB測位モジュールと2つの伝送ユニットとを組み合わせて信号中継を行うだけで、アンテナモジュールの位置検出を行うことができるので、アンテナモジュールに対する位置検出を行うために複数の測位機器を同時に配置する必要がない。これによって、空間レイアウトの難易度を軽減させて、コストを削減させるとともに、アンテナモジュールに対する位置検出を行うことができる。
【0022】
なお、UWB測位モジュール、第1伝送ユニット及び第2伝送ユニットが異なる位置にあることによって、対応する部材による第1検知信号、第2検知信号、第3検知信号の出力及び受信のいずれも安定的な状態にあり、それぞれの検知信号が相互に交差して乱されることはない。これによって、アンテナモジュールに対する位置検出の正確性を向上させることができる。
【0023】
一実施例では、第1伝送ユニットは、第1ミキシングデバイスを含んでもよいが、これに限定されるものではない。第1ミキシングデバイスは、第1検知信号及び第1基準信号を取得し、第1検知信号と第1基準信号をミキシングして、第2検知信号を取得して出力するように構成される。
【0024】
一実施例では、ミキシングとは、周波数の異なる2つの電気信号を、非線形素子(例えば、ダイオード又は同様の機能デバイス)を用いて混合し、周波数選択ループを介して第3周波数の電気信号を得るプロセスである。すなわち、第1ミキシングデバイスによって、第1検知信号と第1基準信号を混合して第2検知信号を得る。関連する技術案における測位機器の代わりに第1ミキシングデバイスが使用され、第1基準信号が予め設定され得るので、得られた第2検知信号の正確性が高く確保される。すなわち、第1ミキシングデバイスによっても、位置検知用に安定的かつ確実な周波数帯域信号を出力することができる。明らかに、非線形素子としての第1ミキシングデバイスは、レイアウトの難易度やコストがさらに低く、空間レイアウトの難易度を軽減させて、コストを削減させるとともに、クライアント端末機器のアンテナに対する位置検出を行うことを容易にする。
【0025】
なお、第1基準信号は任意の形式で生成され、第1伝送ユニットによって取得されてもよい。第1基準信号の周波数は、安定的かつ制御可能なミキシング操作を可能にするために、一定のものとされてもよく、例えば、第1基準信号は局部発振信号などであってもよいが、本実施例では制限されない。また、第2検知信号は、第2検知信号が空間内をより伝送しやすくし、検知誤差を小さくするために、第1検知信号よりも増幅したものであってもよい。
【0026】
一実施例では、第2伝送ユニットは、第2ミキシングデバイスを含んでもよいが、これに限定されない。第2ミキシングデバイスは、第1検知信号及び第2基準信号を取得し、第1検知信号と第2基準信号をミキシングして、第3検知信号を取得して出力するように構成される。
【0027】
一実施例では、第2ミキシングデバイスによって、第1検知信号と第2基準信号を混合して第3検知信号を得る。関連する技術案における測位機器の代わりに第2ミキシングデバイスが使用され、第2基準信号が予め設定され得るので、得られた第3検知信号の正確性が高く確保される。すなわち、第2ミキシングデバイスによっても、位置検知用に安定的かつ確実な周波数帯域信号を出力することができる。明らかに、非線形素子としての第2ミキシングデバイスは、レイアウトの難易度やコストがさらに低く、空間レイアウトの難易度を軽減させて、コストを削減させるとともに、クライアント端末機器のアンテナに対する位置検出を行うことを容易にする。
【0028】
なお、第2基準信号任意の形式で生成され、第2伝送ユニットによって取得されてもよい。第2基準信号の周波数は、安定的かつ制御可能なミキシング操作を可能にするために、一定のものとされてもよく、例えば、第2基準信号は局部発振信号などであってもよいが、本実施例では制限されない。また、第3検知信号は、第3検知信号が空間内を伝送しやすくし、検知誤差を小さくするために、第1検知信号よりも増幅したものであってもよい。
【0029】
図2に示すように、一実施例では、クライアント端末機器は、主制御モジュールをさらに含む。主制御モジュールは、UWB測位モジュールによって送信されたアンテナモジュールの位置検出結果を取得し、位置検出結果を報知するように構成される。
【0030】
一実施例では、UWB測位モジュールはアンテナモジュールに対する位置検出を行う、すなわち、UWB測位モジュールはアンテナモジュールの位置検出結果を決定できるため、主制御モジュールはこの位置検出結果を取得して報知してもよい。これによって、後段の機器、装置やユーザなどは当該位置検出結果に基づき分析を行い、すなわち、アンテナモジュールの位置がクライアント端末機器とセル基地局との間の信号伝送に影響を及ぼすか否かを確認し、アンテナモジュールの位置を調整する必要があるか否かを判断する。これによって、クライアント端末機器とセル基地局との間の信号の安定的な伝送を実現することができる。
【0031】
さらに、主制御モジュールは、UWB測位モジュールによって送信されたアンテナモジュールの位置検出結果を取得すると、位置検出結果について予め警報分析を行う。すなわち、位置検出結果と予め設定された警報条件との間の違いを判断し、位置検出結果が予め設定された警報条件を満たす場合、主制御モジュールは位置検出結果を報知するとともに警報情報を発する。これによって、アンテナモジュールの現在の位置がクライアント端末機器とセル基地局との間の信号伝送に影響を与える可能性がある旨を視覚的かつ確実に警報したり提示したりすることができる。
【0032】
なお、予め設定された警報条件は、アンテナ装置の履歴基準位置、角度や方位などに基づいて決定されてもよいが、限定されるものではない。発する警報情報の形態は、音声警報、ライト警報や文字警報提示などを含むが、これらに限定されず、本実施例はこれを限定しない。
【0033】
上記の各実施例の作動原理をよりよく説明するために、以下、具体例を示して説明する。
【0034】
例1
図3に示すように、
図3は本願の別の一実施例に係るクライアント端末機器の概略図である。
【0035】
図3の例は一実施例におけるクライアント端末機器のハードウェアアーキテクチャを示す。ここで、アンテナモジュール、UWB測位タグ、UWB測位モジュール、第1伝送ユニット及び第2伝送ユニットに加えて、クライアント端末機器は、機器ホストと、機器ホストに接続された電源と、をさらに含んでもよい。機器ホストはアンテナモジュールとの間でデータ交換が可能である。また、機器ホストは、制御側として、対応する部材に電源を供給するか否かによってそのオンオフを実現することができる。例えば、機器ホストは電源を入れて、UWB測位モジュール及び第1伝送ユニットにのみ給電すれば、UWB測位モジュール及び第1伝送ユニットはオンになり、一方、第2伝送ユニット及びUWB測位タグはオフ状態である。ただし、機器ホストを利用して給電する方式以外、他の電源を設置したり電源を利用して各部材に直接給電したりすることも可能であり、本実施例はこれを限定しない。
【0036】
このようなハードウェアアーキテクチャでは、UWB測位モジュール、第1伝送ユニット及び第2伝送ユニットは、
図4に示すように、すべて機器ホスト内に設けられてもよい。
図4は一実施例における機器ホストの概略図を示す。ここで、機器ホストの中央部にはマザーボードが設けられ、UWB測位モジュール、第1伝送ユニット及び第2伝送ユニットはそれぞれ機器ホストの異なる隅部に設けられる。もちろん、当業者であれば、実際の状況に応じて、UWB測位モジュールを機器ホストの外部に設けるなど、機器ホスト内の各部材の具体的な位置を設定してもよく、ここでは限定しない。
【0037】
機器ホスト内には主制御モジュールが設けられてもよい。UWB測位モジュールによるアンテナの位置検出結果は、有線又は無線インターフェースを介して機器ホスト内の主制御モジュールに伝送されてもよい。すなわち、機器ホストはアンテナの位置検出結果をリアルタイムで取得してアップロードすることができ、全体的な制御作用を果たす。
【0038】
例2
図5に示すように、
図5は本願の別の一実施例に係るクライアント端末機器の概略図である。
【0039】
図5の例は、アプリケーション層、サービス層、伝送層及び認識層を含むが、これらに限定されない一実施例におけるクライアント端末機器のソフトウェアアーキテクチャを示す。
【0040】
これらのうち、アプリケーション層にはデータセンターに適合するデータセンター管理ソフトウェアがインストールされている。機器ホストがアンテナの位置検出結果をデータセンターに送信するときに、データセンターは位置検出結果に基づいてアンテナの位置情報を提取し、当該情報についてリアルタイムな比較を行う。現在時刻でのアンテナの位置情報と比較する対象は前の時刻でのアンテナの位置情報であってもよい。データセンターは、比較対象のアンテナの位置情報が変化したと検出したら、アンテナ装置の角度や方位がずれていると判定し、アンテナ装置を調整してもよい。或いは、機器ホストが位置検出結果をアップロードするときに警報情報も含ませる場合、アンテナの位置がずれている可能性を示し、このような場合、データセンターは、比較を行わずにアンテナ装置を調整してもよい。
【0041】
なお、前の時刻及び後の時刻についての規定は具体的な状況に応じて決定してもよい。例えば、クライアント端末機器がパワーダウンした場合、前の時刻はクライアント端末機器がパワーダウンする前の作動時刻、後の時刻はクライアント端末機器がパワーダウンしてから再起動する作動時刻を表す。上記の2つの時刻の間の差を比較することによって、クライアント端末機器がパワーダウンして再起動する過程においてアンテナモジュールのズレがあるか否かを把握することができる。
【0042】
なお、比較方式も実際の状況に応じて自ら設定してもよい。例えば、直接2つの時刻でのアンテナの位置情報が同じであるか否かに基づいて比較を行ったり、2つの時刻でのアンテナの位置情報の間の差と予め設定された位置変化閾値とを比較したりするなどが可能であり、これは限定されない。
【0043】
サービス層には測位エンジンソフトウェア、システム管理ソフトウェア、ソフトウェア開発キット(SDK:Software Development Kit)バックグラウンドインターフェースやSDKフロントインターフェースなどが設置されている。測位エンジンソフトウェア及びSDKバックグラウンドインターフェースによって、アンテナモジュールの位置検出結果がアプリケーション層にアップロードされる。システム管理ソフトウェア及びSDKフロントインターフェースによって、伝送層からアンテナモジュールの位置検出結果がインポートされる。
【0044】
伝送層は、アンテナモジュールの位置検出結果を伝送するものであって、有線又は無線の方式を利用し得る。
【0045】
認識層は、UWB測位モジュール、第1伝送ユニット、第2伝送ユニット及びUWB測位タグが設けられ、アンテナモジュールに対する位置検出を行うものである。各部材の機能及び原理については、前述各実施例に記載されているので、重複しないように、ここでは詳しく説明しない。
【0046】
さらに、UWB測位モジュールは、具体的には、
UWB測位モジュールが第1検知信号を出力する時間と、UWB測位モジュールがUWB測位タグによって送信された第1検知信号を受信する時間とから、UWB測位タグからUWB測位モジュールまでの第1距離を得て、
UWB測位モジュールが第1検知信号を出力する時間と、第1伝送ユニットが第1検知信号を受信する時間と、UWB測位モジュールがUWB測位タグによって送信された第2検知信号を受信する時間とから、UWB測位タグから第1伝送ユニットまでの第2距離を得て、
UWB測位モジュールが第1検知信号を出力する時間と、第2伝送ユニットが第1検知信号を受信する時間と、UWB測位モジュールがUWB測位タグによって送信された第3検知信号を受信する時間とから、UWB測位タグから第2伝送ユニットまでの第3距離を得て、
UWB測位モジュールの位置情報、第1伝送ユニットの位置情報、第2伝送ユニットの位置情報、第1距離、第2距離及び第3距離から、アンテナモジュールの位置情報を得るように構成される。
【0047】
一実施例では、各検知信号が電気信号で、すなわち、各検知信号の伝送速度が一定(理論的には光速であるが、実際には条件に応じて測定可能)であるので、各検知信号の出力時間又は受信時間を取得すると、対応する実際の時間と伝送速度との積から、対応する検知信号の伝送距離、すなわち、各部材間の距離である前記第1距離、第2距離及び第3距離を決定することができる。一方、各部材の位置情報が一定であるので、各部材間の距離が決定されると、各部材の位置情報と組み合わせることでアンテナモジュールの位置を検出し、アンテナモジュールの位置情報を得ることができる。
【0048】
なお、UWB測位モジュールが第1検知信号を出力する時間としては、理論的には、UWB測位タグによって送信された検知信号(すなわちUWB測位タグによって送信された第1検知信号、第2検知信号及び第3検知信号のうちの1つ)をUWB測位モジュールが最後に受信する時間以上である。これによって、UWB測位モジュールが出力する信号及びUWB測位タグから返送される信号の確実性及び完全性が確保され、過大の誤差が生じて各検知距離の測定・計算に悪影響を与えることが回避される。
【0049】
上記の実施例の作動原理をよりよく説明するために、以下、具体例を示して説明する。
【0050】
例3
図1に示す実施例に基づいて説明するが、説明しやすくするために、まず、以下のように定義する。
UWB測位モジュールが第1検知信号を出力する時間と、UWB測位モジュールがUWB測位タグによって送信された第1検知信号を受信する時間との合計をTaとする。明らかに、UWB測位モジュールが第1検知信号を出力する時間、及び、UWB測位モジュールがUWB測位タグによって送信された第1検知信号を受信する時間はいずれもTa/2である。
第1伝送ユニットが第1検知信号を受信する時間をT1、UWB測位モジュールがUWB測位タグによって送信された第2検知信号を受信する時間をTbとする。
第2伝送ユニットが第1検知信号を受信する時間をT2、UWB測位モジュールがUWB測位タグによって送信された第3検知信号を受信する時間をTcとする。
第1距離、第2距離及び第3距離をそれぞれLa、Lb及びLcとする。
各検知信号は安定的な条件下での電磁波であり、伝播速度はcであると想定されている。
【0051】
次に、上記の数据に基づき、下記のような計算結果が得られる。
La=(c*Ta)/2
Lb=c*(Tb-Ta/2-T1)
Lc=c*(Tc-Ta/2-T1)
【0052】
以上から分かるように、UWB測位モジュールの位置情報、第1伝送ユニットの位置情報、第2伝送ユニットの位置情報、並びにLa、Lb及びLcによりアンテナモジュールの位置情報が一定のものとして得られる。
【0053】
上記の各実施例に係るクライアント端末機器の構造を基にして、本願の位置検出方法の各実施例が提案されている。
【0054】
図6に示すように、
図6は本願の一実施例に係る位置検出方法のフローチャートである。この位置検出方法は、
図1~
図3又は
図5に示す実施例におけるクライアント端末機器に適用でき、ステップS100~S500を含むが、これらに限定されない。
ステップS100:UWB測位モジュールを制御して第1検知信号を出力する。
ステップS200:第1伝送ユニットを制御して第1検知信号を受信するとともに、第1伝送ユニットを制御して第1検知信号に基づいて第2検知信号を出力する。
ステップS300:第2伝送ユニットを制御して第1検知信号を受信するとともに、第2伝送ユニットを制御して第1検知信号に基づいて第3検知信号を出力し、UWB測位モジュール、第1伝送ユニット及び第2伝送ユニットの位置が異なる。
ステップS400:UWB測位タグを制御して第1検知信号、第2検知信号及び第3検知信号を受信するとともに、UWB測位タグを制御して第1検知信号、第2検知信号及び第3検知信号をUWB測位モジュールに送信する。
ステップS500:UWB測位モジュールを制御して、UWB測位タグによって送信された第1検知信号、第2検知信号及び第3検知信号を受信するとともに、UWB測位モジュールを制御して、第1検知信号、第2検知信号、第3検知信号、UWB測位モジュールの位置情報、第1伝送ユニットの位置情報及び第2伝送ユニットの位置情報に基づいて、アンテナモジュールに対する位置検出を行う。
【0055】
一実施例では、UWB測位モジュール、第1伝送ユニット及び第2伝送ユニットが異なる位置にある場合、UWB測位モジュールを制御して、第1検知信号、第2検知信号、第3検知信号、UWB測位モジュールの位置情報、第1伝送ユニットの位置情報及び第2伝送ユニットの位置情報に基づいて、アンテナモジュールに対する位置検出を行う。1つのUWB測位モジュールと2つの伝送ユニットとを組み合わせて信号中継を行うだけで、アンテナモジュールの位置検出を行うことができるので、アンテナモジュールに対する位置検出を行うために複数の測位機器を同時に配置する必要がない。これによって、空間レイアウトの難易度を軽減させて、コストを削減させるとともに、アンテナモジュールに対する位置検出を行うことができる。
【0056】
図7に示すように、ステップS500はステップS510~S540を含むが、これらに限定されない。
ステップS510:UWB測位モジュールを制御して、UWB測位モジュールが第1検知信号を出力する時間と、UWB測位モジュールがUWB測位タグによって送信された第1検知信号を受信する時間とから、UWB測位タグからUWB測位モジュールまでの第1距離を得る。
ステップS520:UWB測位モジュールを制御して、UWB測位モジュールが第1検知信号を出力する時間と、第1伝送ユニットが第1検知信号を受信する時間と、UWB測位モジュールがUWB測位タグによって送信された第2検知信号を受信する時間とから、UWB測位タグから第1伝送ユニットまでの第2距離を得る。
ステップS530:UWB測位モジュールを制御して、UWB測位モジュールが第1検知信号を出力する時間と、第2伝送ユニットが第1検知信号を受信する時間と、UWB測位モジュールがUWB測位タグによって送信された第3検知信号を受信する時間とから、UWB測位タグから第2伝送ユニットまでの第3距離を得る。
ステップS540:UWB測位モジュールを制御して、UWB測位モジュールの位置情報、第1伝送ユニットの位置情報、第2伝送ユニットの位置情報、第1距離、第2距離、及び第3距離から、アンテナモジュールの位置情報を得る。
【0057】
一実施例では、各検知信号が電気信号で、すなわち、各検知信号の伝送速度が一定であるので、UWB測位モジュールを制御して、各検知信号の出力時間又は受信時間を取得した後、UWB測位モジュールを制御して、対応する実際の時間と伝送速度との積から、対応する検知信号の伝送距離、すなわち、各部材間の距離である前記第1距離、第2距離及び第3距離を決定することができる。一方、各部材の位置情報が一定であるので、UWB測位モジュールを制御して、各部材間の距離が決定されると、各部材の位置情報と組み合わせることでアンテナモジュールの位置を検出し、アンテナモジュールの位置情報を得ることができる。
【0058】
図8に示すように、第1伝送ユニットが第1ミキシングデバイスを含むが、これに限定されない場合、ステップS200はステップS210を含むが、これに限定されない。
ステップS210:第1ミキシングデバイスを制御して第1検知信号及び第1基準信号を取得するとともに、第1ミキシングデバイスを制御して第1検知信号と第1基準信号をミキシングし、第2検知信号を取得して出力する。
【0059】
一実施例では、関連する技術案における測位機器の代わりに第1ミキシングデバイスが使用され、第1基準信号が予め設定され得るので、得られた第2検知信号の正確性が高く確保される。すなわち、第1ミキシングデバイスによっても、位置検知用に安定的かつ確実な周波数帯域信号を出力することができる。明らかに、非線形素子としての第1ミキシングデバイスは、レイアウトの難易度やコストがさらに低く、空間レイアウトの難易度を軽減させて、コストを削減させるとともに、クライアント端末機器のアンテナに対する位置検出を行うことを容易にする。
【0060】
図9に示すように、第2伝送ユニットが第2ミキシングデバイスを含むが、これに限定されない場合、ステップS300はステップS310を含むが、これに限定されない。
ステップS310:第2ミキシングデバイスを制御して第1検知信号及び第2基準信号を取得するとともに、第2ミキシングデバイスを制御して第1検知信号と第2基準信号をミキシングし、第3検知信号を取得して出力する。
【0061】
一実施例では、関連する技術案における測位機器の代わりに第2ミキシングデバイスが使用され、第2基準信号が予め設定され得るので、得られた第3検知信号の正確性が高く確保される。すなわち、第2ミキシングデバイスによっても、位置検知用に安定的かつ確実な周波数帯域信号を出力することができる。明らかに、非線形素子としての第2ミキシングデバイスは、レイアウトの難易度やコストがさらに低く、空間レイアウトの難易度を軽減させて、コストを削減させるとともに、クライアント端末機器のアンテナに対する位置検出を行うことを容易にする。
【0062】
図10に示すように、位置検出方法はステップS600をさらに含むが、これに限定されない。
ステップS600:UWB測位モジュールによって送信されたアンテナモジュールの位置検出結果を取得し、位置検出結果を報知する。
【0063】
一実施例では、UWB測位モジュールを制御して、アンテナモジュールに対する位置検出を行う、すなわち、UWB測位モジュールによってアンテナモジュールの位置検出結果を決定するため、この位置検出結果を取得して報知してもよい。これによって、後段の機器、装置やユーザなどは当該位置検出結果に基づき分析を行い、すなわち、アンテナモジュールの位置がクライアント端末機器とセル基地局との間の信号伝送に影響を及ぼすか否かを確認し、アンテナモジュールの位置を調整する必要があるか否かを判断する。これによって、クライアント端末機器とセル基地局との間の信号の安定的な伝送を実現することができる。
【0064】
図11に示すように、ステップS600はステップS610~ステップS620を含むが、これらに限定されない。
ステップS610:UWB測位モジュールによって送信されたアンテナモジュールの位置検出結果を取得する。
ステップS620:位置検出結果が予め設定された警報条件を満たす場合、位置検出結果を報知するとともに警報情報を発する。
【0065】
一実施例では、UWB測位モジュールによって送信されたアンテナモジュールの位置検出結果を取得すると、位置検出結果について予め警報分析を行いてもよい。すなわち、位置検出結果と予め設定された警報条件との間の違いを判断し、位置検出結果が予め設定された警報条件を満たす場合、さらに位置検出結果を報知するとともに警報情報を発する。これによって、アンテナモジュールの現在の位置がクライアント端末機器とセル基地局との間の信号伝送に影響を与える可能性がある旨を視覚的かつ確実に警報したり提示したりすることができる。
【0066】
なお、上記の各実施例における位置検出方法は、
図1~
図3又は
図5に示す実施例におけるクライアント端末機器に適用することができる。これらの実施例はすべて同じ発明構想によるものであるので、これらの実施例は同様な実現原理及び技術的効果を有する。重複しないように、ここでは詳しく説明しない。
【0067】
また、
図12に示すように、本願の一実施例はまた、クライアント端末機器100を提供する。クライアント端末機器100は、メモリ110と、プロセッサ120と、メモリ110に記憶され、プロセッサ120で実行可能なコンピュータプログラムと、を含む。
プロセッサ120とメモリ110はバス又は他の方式を介して接続されてもよい。
【0068】
本実施例におけるクライアント端末機器100は、上記の各実施例におけるクライアント端末機器と同様な発明構想によるものであるので、本実施例におけるクライアント端末機器100の具体的な実施形態は、上記の各実施例におけるクライアント端末機器の具体的な実施例を参照することができる。重複しないように、本実施例のクライアント端末機器100の具体的な実施形態については、ここでは詳しく説明しない。
【0069】
上記の実施例の位置検出方法を実現するのに必要な非一時的なソフトウェアプログラム及び命令は、メモリ110に記憶されており、プロセッサ120によって実行されると、上記の実施例の位置検出方法を実行する。例えば、上記の
図6における方法ステップS100~S500、
図7における方法ステップS510~S540、
図8における方法ステップS210、
図9における方法ステップS310、
図10における方法ステップS600又は
図11における方法ステップS610~S620を実行する。
【0070】
上記の装置実施例は例示的なものに過ぎず、分離された部材として示されるユニットは、物理的に分離されていてもよく、物理的に分離されていなくてもよい。すなわち、1つの場所に配置されていてもよく、又は複数のネットワークユニットに分散されていてもよい。これらのモジュールの一部又は全部は、実際の必要に応じて、本実施形態の目的を達成するために選択されてもよい。
【0071】
さらに、本願の一実施例はまた、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。当該コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、コンピュータ実行可能な命令が記憶されている。当該コンピュータ実行可能な命令は、プロセッサ120又はコントローラ、例えば、上記のクライアント端末機器100の実施例におけるプロセッサ120によって実行されると、上記の実施例における位置検出方法、例えば、上記の
図6における方法ステップS100~S500、
図7における方法ステップS510~S540、
図8における方法ステップS210、
図9における方法ステップS310、
図10における方法ステップS600又は
図11における方法ステップS610~S620を上記のプロセッサ120に実行させる。
【0072】
本願実施例は、
第1検知信号を出力するように構成されるUWB測位モジュールと、
第1検知信号を受信し、第1検知信号に基づいて第2検知信号を出力するように構成される第1伝送ユニットと、
第1検知信号を受信し、第1検知信号に基づいて第3検知信号を出力するように構成される第2伝送ユニットと、
第1検知信号、第2検知信号及び第3検知信号を受信し、第1検知信号、第2検知信号及び第3検知信号をUWB測位モジュールに送信するように構成されるUWB測位タグが設けられるアンテナモジュールと、を含み、
UWB測位モジュール、第1伝送ユニット及び第2伝送ユニットの位置が異なり、
UWB測位モジュールはさらに、UWB測位タグによって送信された第1検知信号、第2検知信号及び第3検知信号を受信し、第1検知信号、第2検知信号、第3検知信号、UWB測位モジュールの位置情報、第1伝送ユニットの位置情報及び第2伝送ユニットの位置情報に基づいて、アンテナモジュールに対する位置検出を行うように構成される。
本願実施例に係る形態によれば、UWB測位モジュール、第1伝送ユニット及び第2伝送ユニットが異なる位置にある場合、UWB測位モジュールは、第1検知信号、第2検知信号、第3検知信号、UWB測位モジュールの位置情報、第1伝送ユニットの位置情報及び第2伝送ユニットの位置情報に基づいて、アンテナモジュールに対する位置検出を行うことができる。1つのUWB測位モジュールと2つの伝送ユニットとを組み合わせて信号中継を行うだけで、アンテナモジュールの位置検出を行うことができるので、アンテナモジュールに対する位置検出を行うために複数の測位機器を同時に配置する必要がない。これによって、空間レイアウトの難易度を軽減させて、コストを削減させるとともに、アンテナモジュールに対する位置検出を行うことができる。
【0073】
上記で開示された方法におけるステップの全部又は一部、システムは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、及びそれらの適切な組み合わせとして実装されてもよい。物理的コンポーネントの一部又はすべては、中央処理装置、デジタル信号プロセッサ、もしくはマイクロプロセッサなどのプロセッサによって実行されるソフトウェアとして、又はハードウェアとして、又は特定用途向け集積回路などの集積回路として実装されてもよい。このようなソフトウェアは、コンピュータ記憶媒体(又は非一時的な媒体)及び通信媒体(又は一時的な媒体)を含んでもよいコンピュータ読み取り可能な媒体に配布してもよい。当業者に周知のように、コンピュータ記憶媒体という用語は、情報(コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータなど)を記憶するための任意の方法又は技術において実施される、揮発性及び不揮発性の、取り外し可能な、及び取り外し不可能な媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリもしくは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)もしくは他の光ディスク記憶装置、磁気カートリッジ、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶装置、又は所望の情報を記憶するために使用することができ、コンピュータによってアクセスすることができる他の任意の媒体を含むが、これらに限定されない。さらに、通信媒体は、通常、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、又は搬送波又は他の送信機構のような変調データ信号中の他のデータを含み、任意の情報配信媒体を含み得ることは当業者には周知である。
【0074】
以上は本願のいくつかの実施形態について具体的に説明したが、本願は上記の実施形態に限定されるものではない。当業者は本願の精神を反しないことを前提に様々な均等な変形又は置換を行うことができ、これら均等な変形又は置換はいずれも本願の請求項によって限定される範囲内に含まれる。