(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-07
(45)【発行日】2024-02-16
(54)【発明の名称】中腰用アシストスーツ
(51)【国際特許分類】
B25J 11/00 20060101AFI20240208BHJP
【FI】
B25J11/00 Z
(21)【出願番号】P 2023032283
(22)【出願日】2023-02-09
【審査請求日】2023-02-09
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 片山新吾が令和4年10月12日~13日に場所:マイドーム大阪で開催された「大阪勧業展」で、片山新吾が発明したアシストスーツを展示した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 [販売物等]片山新吾が令和4年10月12日~13日に場所:マイドーム大阪で開催された「大阪勧業展」で、片山新吾が発明した歩行補助アシストスーツを展示した。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523074733
【氏名又は名称】株式会社AKプランツ
(72)【発明者】
【氏名】片山 新吾
【審査官】神山 貴行
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/257671(WO,A1)
【文献】特開2019-058526(JP,A)
【文献】特開2013-144858(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00-21/02
A41D 13/00-13/12
A61H 1/00- 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項5】
前記第1装着具にはアシスト装置の張力と反力が生じる時の伸縮を吸収する伸縮性を有する腰ベルトが設けられている請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載のアシストスーツ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中腰用アシストスーツに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、中腰用アシストスーツは種々提案されているが、例えば、特許文献1に示すものにあっては、重量のある電動のアクチュエーター等を用いており、重量が重くなり、使い勝手が悪いという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記問題点を解消するためになされたものであり、軽量のアシストスーツを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明のアシストスーツは、利用者の腰部に装着される第1装着具と、前記利用者の脚部に装着される第2装着具と、前記第1装着具と前記第2装着具とを連結する第1ベルトと、前記第1装着具と前記第1ベルトとの間に介在されるアシスト装置とを備え、前記アシスト装置は前記利用者の腰部と脚部を支点として前記利用者が前屈した時に引っ張られて張力を発生して前記張力により身体を保持し、前記利用者が立ち上がった時に前記張力に対して反力が与えられて前記利用者の腰の曲げ伸ばしをアシストするゴム部材が設けられているアシストスーツであり、前記アシスト装置は、箱状のケースと、前記ケース内に収納されるゴム部材と、前記ゴム部材の一端を保持し前記ケース内に収納される略U字状の保持具と、前記保持具の自由端が突出する前記ケースに形成された開口部と、前記ケースの開口部から突出した前記保持具の自由端が前記ケース内に落ちるのを防止するプレートとからなり、前記開口部は前記ゴム部材の移動に追従して前記保持具が前記開口部の側壁に緩衝しないように径大に形成されていることを特徴とする。
又、本発明のアシストスーツにあっては、利用者の腰部に装着される第1装着具と、前記利用者の脚部に装着される第2装着具と、前記利用者の肩部に装着される第3装着具と、前記第1装着具と前記第2装着具とを連結する第1ベルトと、前記第2装着具と前記第3装着具とを連結する第2ベルトと、前記第1装着具と前記第1ベルトとの間に介在されるアシスト装置とを備え、前記アシスト装置は前記利用者の腰部と脚部を支点として前記利用者が前屈した時に引っ張られて張力を発生し、前記利用者が立ち上がった時に前記張力に対して反力が与えられて前記利用者の腰の曲げ伸ばしをアシストするゴム部材が設けられているアシストスーツであり、前記アシスト装置は、箱状のケースと、前記ケース内に収納されるゴム部材と、前記ゴム部材の一端を保持し前記ケース内に収納される略U字状の保持具と、前記保持具の自由端が突出する前記ケースに形成された開口部と、前記ケースの開口部から突出した前記保持具の自由端が前記ケース内に落ちるのを防止するプレートとからなり、前記開口部は前記ゴム部材の移動に追従して前記保持具が前記開口部の側壁に緩衝しないように径大に形成されており、前記第2ベルトは前記保持具に取り付けられていることを特徴とする。
又、本発明のアシストスーツにあっては、前記第3装着具は、前記第2ベルトが接続される第2ベルト接続具と、第2ベルト接続具から分岐されて前記利用者の肩部に当接する対となった肩部当接部と、前記肩部当接部からそれぞれ下方に延出される胸当接部と、前記胸当接部と前記第1装着具とを連結する第3ベルトとを備え、前記第3ベルトは、前記利用者が前屈した時に引っ張られて張力が発生して前記張力により身体を保持するとともに、その時に作業高さに応じて前記第3ベルトを締めて前記第3ベルトを短くすると前屈しづらく高い位置で身体を保持し、前記第3ベルトを緩めて前記第3ベルトを長くすると前屈し易く低い位置で身体を保持するものであるのが望ましい。
又、本発明のアシストスーツにあっては、前記第3装着具は、前記第2ベルトが接続される第2ベルト接続部と、第2ベルト接続部から分岐されて前記利用者の肩部に当接する対となった肩部当接部と、前記肩部当接部からそれぞれ下方に延出される胸当接部と、前記胸当接部と前記第1装着具とを連結する第3ベルトとを備え、前記第3ベルトを緩めることで、前記アシストスーツを前記利用者が装着したまま移動や椅子に座ることが出来るように前記第3ベルトのそれぞれにベルト弛張手段を設けているのが望ましい。
又、本発明のアシストスーツにあっては、前記第1装着具にはアシスト装置の張力と反力が生じる時の伸縮を吸収する伸縮性を有する腰ベルトが設けられているのが望ましい。
【発明の効果】
【0006】
本発明のアシストスーツは、利用者の腰部に装着される第1装着具と、前記利用者の脚部に装着される第2装着具と、前記第1装着具と前記第2装着具とを連結する第1ベルトと、前記第1装着具と前記第1ベルトとの間に介在されるアシスト装置とを備え、前記アシスト装置は前記利用者の腰部と脚部を支点として前記利用者が前屈した時に引っ張られて張力を発生して前記張力により身体を保持し、前記利用者が立ち上がった時に前記張力に対して反力が与えられて前記利用者の腰の曲げ伸ばしをアシストするゴム部材が設けられているアシストスーツであり、前記アシスト装置は、箱状のケースと、前記ケース内に収納されるゴム部材と、前記ゴム部材の一端を保持し前記ケース内に収納される略U字状の保持具と、前記保持具の自由端が突出する前記ケースに形成された開口部と、前記ケースの開口部から突出した前記保持具の自由端が前記ケース内に落ちるのを防止するプレートとからなり、前記開口部は前記ゴム部材の移動に追従して前記保持具が前記開口部の側壁に緩衝しないように径大に形成されていることを特徴とするものであるから、前記利用者が前屈すると負荷を発生して設定した前屈量を超えての前屈を防止し、前屈作業時の腰の負担を軽減することができるとともに、アシスト装置が軽量であるので例え長時間装着していても疲労感が少ないという効果がある。
更に、前記アシスト装置は、箱状のケースと、前記ケース内に収納されるゴム部材と、前記ゴム部材の一端を保持し前記ケース内に収納される略U字状の保持具と、前記保持具の自由端が突出する前記ケースに形成された開口部と、前記ケースの開口部から突出した前記保持具の自由端が前記ケース内に落ちるのを防止するプレートとからなり、前記開口部は前記ゴム部材の移動に追従して前記保持具が前記開口部の側壁に緩衝しないように径大に形成されているものであるから、前記アシスト装置は、スムーズに動くので利用者への負担が軽減されるという効果がある。
又、請求項2のように、利用者の腰部に装着される第1装着具と、前記利用者の脚部に装着される第2装着具と、前記利用者の肩部に装着される第3装着具と、前記第1装着具と前記第2装着具とを連結する第1ベルトと、前記第2装着具と前記第3装着具とを連結する第2ベルトと、前記第1装着具と前記第1ベルトとの間に介在されるアシスト装置とを備え、前記アシスト装置は前記利用者の腰部と脚部を支点として前記利用者が前屈した時に引っ張られて張力を発生し、前記利用者が立ち上がった時に前記張力に対して反力が与えられて前記利用者の腰の曲げ伸ばしをアシストするゴム部材が設けられているアシストスーツであり、前記アシスト装置は、箱状のケースと、前記ケース内に収納されるゴム部材と、前記ゴム部材の一端を保持し前記ケース内に収納される略U字状の保持具と、前記保持具の自由端が突出する前記ケースに形成された開口部と、前記ケースの開口部から突出した前記保持具の自由端が前記ケース内に落ちるのを防止するプレートとからなり、前記開口部は前記ゴム部材の移動に追従して前記保持具が前記開口部の側壁に緩衝しないように径大に形成されており、前記第2ベルトは前記保持具に取り付けられていることを特徴とするものであるから、前記利用者が前屈すると負荷を発生して設定した前屈量を超えての前屈を防止し、前屈作業時の腰の負担を軽減することができるとともに、アシスト装置が軽量であるので例え長時間装着していても疲労感が少ないという効果がある。
更に、前記アシスト装置は、箱状のケースと、前記ケース内に収納されるゴム部材と、前記ゴム部材の一端を保持し前記ケース内に収納される略U字状の保持具と、前記保持具の自由端が突出する前記ケースに形成された開口部と、前記ケースの開口部から突出した前記保持具の自由端が前記ケース内に落ちるのを防止するプレートとからなり、前記開口部は前記ゴム部材の移動に追従して前記保持具が前記開口部の側壁に緩衝しないように径大に形成されているものであるから、前記アシスト装置は、スムーズに動くので利用者への負担が軽減されるという効果がある。
又、請求項3のように、前記第3装着具は、前記第2ベルトが接続される第2ベルト接続部と、第2ベルト接続部から分岐されて前記利用者の肩部に当接する対となった肩部当接部と、前記肩部当接部からそれぞれ下方に延出される胸当接部と、前記胸当接部と前記第1装着具とを連結する第3ベルトとを備え、前記第3ベルトは、前記利用者が前屈した時に引っ張られて張力が発生して前記張力により身体を保持するとともに、その時に作業高さに応じて前記第3ベルトを締めて前記第3ベルトを短くすると前屈しづらく高い位置で身体を保持し、前記第3ベルトを緩めて前記第3ベルトを長くすると前屈し易く低い位置で身体を保持するものであるから、このブレーキ作用が発生していることで身体をバランス良く保持くれるという効果があり、このブレーキ作用によりあらゆる前屈作業に適したアシストスーツを提供できるという効果がある。前屈時には張力により身体と荷物をバランスよく保持してくれるのでゆっくりと前傾になりそれにより利用者の腰を守ってくれるのであり、又、身体を起そうとすれば反力が発生しているので楽に体を起こすことが出来るのである。
又、請求項4のように、前記第3装着具は、前記第2ベルトが接続される第2ベルト接続部と、第2ベルト接続部から分岐されて前記利用者の肩部に当接する対となった肩部当接部と、前記肩部当接部からそれぞれ下方に延出される胸当接部と、前記胸当接部と前記第1装着具とを連結する第3ベルトとを備え、前記第3ベルトを緩めることで、前記アシストスーツを前記利用者が装着したまま移動や椅子に座ることが出来るように前記第3ベルトのそれぞれにベルト弛張手段を設けているものであるから、ストレスなく作業が出来るという効果がある。
又、請求項5のように、前記第1装着具にはアシスト装置の張力と反力が生じる時の伸縮を吸収する伸縮性を有する腰ベルトが設けられているので、腰痛サポータの役割もするという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】
図2は、本発明のアシストスーツのアシスト装置の正面図。
【
図3】
図3は、本発明のアシストスーツのアシスト装置部の断面図。
【
図4】
図4は、本発明の第1実施例におけるアシストスーツの使用状態を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下本発明を実施するための形態について、
図1乃至
図4及び表1を参照して説明する。
【実施例】
【0009】
アシストスーツ1は、利用者の腰部に装着される第1装着具2と、利用者の脚部に装着される第2装着具3と、第1装着具2と第2装着具3とを連結する第1ベルト4と、第1装着具2と第1ベルト4との間に介在されるアシスト装置5とを備え、アシスト装置5は利用者の腰部と脚部を支点として利用者が前屈した時に引っ張られて張力を発生し、利用者が立ち上がった時に張力に対して反力が与えられて利用者の腰の曲げ伸ばしをアシストするゴム部材6が設けられている。
【0010】
アシストスーツ1の第2の実施例では、利用者の腰部に装着される第1装着具2と、利用者の脚部に装着される第2装着具3と、利用者の肩部に装着される第3装着具7と、第1装着部2と第2装着部3とを連結する第1ベルト4と、第2装着部3と第3装着部7とを連結する第2ベルト8と、第1装着部2と第1ベルト4との間に介在されるアシスト装置5とを備え、アシスト装置5は利用者の肩部と脚部を支点としてアシスト装置5に設けたゴム部材6が利用者の前屈時に張力と反力が発生することで利用者の身体をバランス良く保持固定して利用者の腰の曲げ伸ばしをアシストするようになっている。第1装着具2と、第2装着具3は、面状ファスナーが設けられており、面状ファスナーで固定できるようになっている。
【0011】
アシスト装置5は、箱状のケース9と、ケース9内に収納されるゴム部材6と、ゴム部材6の自由端同志を保持しケース9内に収納される略U字状のステンレス鋼でできた金属製の直径6ミリメートルの線材で形成された保持具10(ステンレス角UボルトUB55径M6)と、保持具10の自由端が突出するケース9の上面に形成された第1開口部11と、ケース9の第1開口部11から突出した保持具10の自由端がケース9内に落ちるのを防止する金属材で平板状に形成されたプレート12と、第2ベルト8を保持具10に取付ける金属材で平板状に形成された取付具13とからなり、第1開口部11はゴム部材6の移動に追従して保持具10が第1開口部11の側壁に緩衝しないように径大の直径28ミリメートルに形成されている。保持具10は、ゴム部材6が巻回される箇所は両端側が上位置となるように上り傾斜したV字状に形成されており、第1ベルト4の延出方向と対応させているのでゴム部材6の動きがスムーズになるという効果があるものである。ケース9は、合成樹脂材で箱状に形成されており、幅:120ミリメートル、高さ:70ミリメートルに形成されている。
【0012】
第1装着具2は、幅が65ミリメートルのポリエチレンでできた腰ベルト14にアシスト装置5が腰の位置に来るように2本の結束バンドによるベルト15により取付けられている。腰ベルト14の内側にはアシスト装置5の幅よりも広いクッション材16が設けられている。クッション材16の外側にはクッション材16の両側に設けられた締結バンドからなるガイドベルト17にガイドされた状態に伸縮ベルト18は摺動自在に設けられている。伸縮ベルト18の外側には腰に当接される腰サポータ19が設けられている。アシスト装置5の中央部において、腰ベルト14、クッション材16、伸縮ベルト18、腰サポータ19を固定する結束バンドからなる固定具20が設けられている。腰サポータ19の外側にはアシスト装置5の中央部において、腰ベルト14、クッション材16、伸縮ベルト18、腰サポータ19、固定具20を覆うカバー部材21が設けられている。カバー部材21の腰に当接する位置にはクッション材22が設けられている。アシスト装置5からの張力と反力が生じるときに腰の部分にクッション材を設けることで衝撃を吸収してくれて利用者の腰への密着時に厚めのクッション材によりアシスト装置5からの衝撃を緩和してくれる。よって利用者の腰の負担が緩和されることで利用者の腰を守ってくれる。材質はEPDMスポンジゴムEPT-06S厚さ10mmエチレンプロピレンジェンゴム系で腰への衝撃吸収に優れている。アシスト装置5の張力と反力が生じる時の伸縮を吸収する腰ベルト14は、伸縮性があり、腰痛サポータの役割もしている。伸縮ベルト18は腰ベルト14の補助である。クッション材16を設けることで、アシスト装置5の張力と反力が生じる時の衝撃を吸収する効果があるものである。
又、伸縮ベルト18は伸縮性を有するとともに、摺動自在に設けられることで、腰痛サポータのアシスト補助もする効果があるものである。
又、固定具20により、腰ベルト14、クッション材16、伸縮ベルト18、腰サポータ19の全てを固定することで、強力な張力と反力が発生する時に腰と身体への負担軽減をして利用者の身体をバランス良く保持固定する効果があるものである。
【0013】
腰ベルト14は、アシスト装置5の張力と反力が生じる時の伸縮を吸収するものであり、伸縮性があり、腰痛サポータの役割もしているものであるが、最も上部に設けられると共に面状ファスナーを備えており、腰に装着する際、適切な負荷が腰に加わるように引っ張った後に面状ファスナーで相互間を係止するようになっている。
伸縮ベルト18は、伸縮性を有するとともに、摺動自在に設けられることで、腰ベルト14と協同して腰痛サポータのアシスト補助もする効果があるものであり、腰ベルト14の次に最も上部に設けられると共に面状ファスナーを備えており、腰に装着する際、適切な負荷が腰に加わるように引っ張った後に面状ファスナーで相互間を係止するようになっている。
腰サポータ19は、腰をしっかりと支える樹脂製ボーン内蔵で作られている腰部サポートベルトである。本体の材質はナイロンポリエステルポリウレタンからできて腰をしっかりと支える樹脂製ボーン作られている。
クッション材16は、アシスト装置5で生じる張力と反力の衝撃を使用者の身体の外側で吸収して利用者の身体へ衝撃を吸収している。材質はNRスポンジゴムNRS-04厚さ5mm天然ゴム系であり弾力性と反発力に優れている。
【0014】
第1装着具2の下端中央には対となったゴム部材6に連結された第1ベルト4が突出して設けられ、第1装着具2の上端中央には第2ベルト8が突出して設けられている。
【0015】
第2装着具3は、同一形状の第2装着具3が取付具23により第1ベルト4に着脱自在に取付けられている。第2装着具3には面状ファスナーが設けられており、太腿部に着脱自在に装着できるようになっている。
【0016】
第1ベルト4は、松浦工業製のナイロンベルト♯5 38mmを使用し、取付具21は松浦工業製ベルトパーツ1本送りカン40CNを使用している。この組み合わせで使用することで、長さの調節はできるが、滑りにくくズレが少ないので、引張負荷が繰り返し生じる使用方法には適しているものである。第1ベルト4は、伸縮が無い平ベルトで構成されているとともに、長さの調整がワンタッチではできない平ベルト用の金具でできた取付具21を用いて連結されている。
【0017】
ゴム部材6は、高反発ゴムであって、ナイロンとゴムでできている。ゴム部材6は8本束ねられた状態で使用するようになっている。ゴム部材6の耐久性の問題点を解決するために、外側の材質が高強度工業用ナイロンに外被膜を被覆した二重構造にしている。(ナイロン強力ゴム 皮糸に高強度工業ナイロンを使用した丸ゴム紐 径6.2ミリメートルを使用)
【0018】
ゴム部材6は、利用者の体重に応じて仕様を決定しており、60キログラム~80キログラムの場合は8本、80キログラム~100キログラムの場合は10本にしている。ゴム部材6は、一方の自由端を保持具10の内側に位置させ、他方の自由端を保持具10の外側に引き出し、ケース9の下面に形成された第2開口部24からケース9の外側に引き出し、第1ベルト4の先端に設けられたリング25で折り返されて第2開口部24、保持具10を経てゴム部材6の一方の自由端とネジを備えた固定具26により固定されており、保持具10からの脱落を防止している。
【0019】
ゴム部材6は、表1に示す様に、利用者が前屈時に第1装着具2に設けた第1ベルト4と第2ベルト8の間に負荷が掛かることでゴム部材6が伸縮する。張力試験の結果(東大阪市立産業支援センター内計測)ゴム部材6が10ミリメートル伸びた時の引張強度(張力)100N、20ミリメートル/220N、30ミリメートル/330N、40ミリメートル/450Nとなり、利用者の上体を前屈時に保持力を発揮する。起き上がり時でも引上げ(反力)の効果が発生するので上体を引き上げてくれる。
【0020】
第3装着具7は、第2ベルト8が接続される第2ベルト接続部27と、第2ベルト接続部27から分岐されて前記利用者の肩部に当接する対となった肩部当接部28と、肩部当接部28からそれぞれ下方に延出される胸当接部29と、胸当接部29と第1装着具2とを連結する第3ベルト30と、第3ベルト30を第1装着具2に接続する接続部31とを備え、第3ベルト30を緩めることで、アシストスーツ1を利用者が装着したまま移動や椅子に座ることが出来るように第3ベルト30のそれぞれにベルトを緩めるベルト弛張手段32を設けている。弛張手段32は、「ニフコ25mmアジャスターTLL25NIFCO」や「ユタカメイク金具ラダーロックA25」や「TRUSCO樹脂製バックル 2本コキタイプ」「TRUSCO樹脂製ストラップバックル」のようなものを選択して使用すれば良いものであり、第3ベルト30は、 第1ベルト4に比し、簡単に長さ調整を可能にしている。
【0021】
第3ベルト30は、幅が25ミリメートルのナイロン平ベルトでできている。第3ベルト30は、利用者が前屈した時に引っ張られて張力が発生して前記張力により身体を保持するとともに、その時に作業高さに応じて第3ベルト30を短くすると前屈しづらく高い位置で身体を保持し、第3ベルト30を緩めて第3ベルト30を長くすると前屈し易く低い位置で身体を保持するものであるから、このブレーキ作用が発生していることで身体をバランス良く保持くれるという効果があり、このブレーキ作用によりあらゆる前屈作業に適したアシストスーツを提供できるという効果がある。前屈時には張力により身体と荷物をバランスよく保持してくれるのでゆっくりと前傾になりそれにより利用者の腰を守ってくれるのであり、又、身体を起そうとすれば反力が発生しているので楽に体を起こすことが出来るようにしている。
【0022】
第1ベルト4と第1ベルト4との間であって利用者の臀部が位置する位置には第4のベルト33が設けられており、第1ベルト4及び第4のベルト33とで二等辺三角が形成され、利用者の前屈時に臀部に第1ベルト4及び第4のベルト33が当たり、第1ベルト4が臀部に沿って拡がるのを第4のベルト33が防止するので、突っ張り感が生じアシストスーツ1の効果を達成させるものであり、利用者の身体をバランス良く保持固定してくれるものである。第1ベルト4及び第4ベルト33は、伸縮が無い平ベルトで構成されており、松浦工業製のナイロンベスト♯5 38mmを使用している。
【0023】
第2装着具3には、第2装着具3の脚部装着部が第1装着具2方向に移動するのを阻止する移動阻止具34を設けている。移動阻止具34は、第2装着具3に着脱自在に取り付けられている。移動阻止具34の自由端には、足の踵又は靴の底面に装着するベルト35が設けられている。
【0024】
ケース9の底板12の近くにはケース9を第1装着具2の腰ベルト14に装着する固定ベルト36が挿入される第3開口部37が形成されており、固定ベルト36を第3開口部37に挿入されてケース9は固定されている。
【0025】
第3ベルト30間には中間に連結部を備えた胸当ベルト38が設けられている。
【符号の説明】
【0026】
1 アシストスーツ
2 第1装着具
3 第2装着具
4 第1ベルト
5 アシスト装置
6 ゴム部材
7 第3装着具
8 第2ベルト
【要約】
【課題】従来より、アシストスーツは種々提案されているが、例えば、特許文献1に示すものにあっては、重量のある電動のアクチュエーター等を用いており、重量が重くなり、使い勝手が悪いという問題点があった。
【解決手段】前記アシスト装置に設けたゴム部材が前記利用者の前屈時に張力と反力が発生することで前記利用者の身体をバランス良く保持固定して前記利用者の腰の曲げ伸ばしをアシストすることで従来の問題点を解決している。
【選択図】
図1