(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-07
(45)【発行日】2024-02-16
(54)【発明の名称】電気スイッチング素子を作動させるための装置
(51)【国際特許分類】
H01H 31/02 20060101AFI20240208BHJP
H01H 3/40 20060101ALI20240208BHJP
H01H 3/46 20060101ALI20240208BHJP
H01H 3/50 20060101ALI20240208BHJP
H01H 31/06 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
H01H31/02 E
H01H3/40 C
H01H3/46
H01H3/50
H01H31/06
(21)【出願番号】P 2022570356
(86)(22)【出願日】2020-05-19
(86)【国際出願番号】 CN2020091065
(87)【国際公開番号】W WO2021232241
(87)【国際公開日】2021-11-25
【審査請求日】2022-11-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523380173
【氏名又は名称】ヒタチ・エナジー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HITACHI ENERGY LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュ,チャオ
(72)【発明者】
【氏名】ヂャオ,フア
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,シアオリー
(72)【発明者】
【氏名】ユエン,ヂーポン
【審査官】高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第04142548(DE,A1)
【文献】中国特許出願公開第101409173(CN,A)
【文献】中国実用新案第209266222(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 3/00 - 7/16
H01H 31/00 - 31/36
H01H 33/28 - 33/99
H02B 13/00 - 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気スイッチング素子を作動させるための装置(100)であって、
複数の所定の位置に回転されることによって、前記電気スイッチング素子の状態を変更するように構成された主軸(7)と、
前記装置(100)が電気動作モードで動作するときに、伝達機構を介して前記主軸(7)を回転させるように構成されたモータ(5)と、
前記装置(100)が前記電気動作モードで動作するときに、前記主軸(7)が前記複数の所定の位置の各々に回転されることに応答して前記モータ(5)を制動するように構成された制動機構(6)と、
前記主軸(7)に連結され、前記主軸(7)と共に回転可能なディスク(8)とを備え、前記ディスク(8)は、複数の阻止部(82)と、前記複数の阻止部(82)間の複数のスロット(83)とを含み、
手動レバー(9)を備え、前記手動レバー(9)は、回転部(90)と、前記回転部(90)の端部に配置された突出部(91)とを含み、前記装置(100)の手動動作モードにおいて、前記突出部(91)は、前記主軸(7)が前記複数の所定の位置のうちの1つに位置するときに、前記複数のスロット(83)のうちの1つを介して前記ディスク(8)内に回転されることができ、前記主軸(7)が前記複数の所定の位置のうちの別の1つに回転されるときに、前記複数のスロット(83)のうちの別の1つを介して前記ディスク(8)から滑り出ることができるように構成されている、装置(100)。
【請求項2】
底板(15)と、
前記底板(15)に連結され、前記底板(15)に対して回転可能な回転軸(10)とをさらに備え、
前記手動レバー(9)の前記回転部(90)は、前記回転軸(10)上に固定され、前記回転軸(10)と共に回転可能である、請求項1に記載の装置(100)。
【請求項3】
前記回転軸(10)は、カム軸であり、
前記装置(100)は、前記装置(100)の前記手動動作モードにおいて、前記手動レバー(9)の前記突出部(91)が前記ディスク(8)内に回転されるときに前記カム軸によってトリガされるように構成された第1のマイクロスイッチ(11)をさらに備え、
前記制動機構(6)は、前記第1のマイクロスイッチ(11)が前記カム軸によってトリガされることに応答して解除されるように構成されている、請求項2に記載の装置(100)。
【請求項4】
前記突出部(91)が前記ディスク(8)から滑り出るときに前記手動レバー(9)をその初期位置に戻すように構成された第1のばね(25)をさらに備える、請求項1に記載の装置(100)。
【請求項5】
前記ディスク(8)は、複数のロッキング孔(81)をさらに含み、
前記装置(100)は、
前記電気スイッチング素子のオーバーホール中に前記複数のロッキング孔(81)のうちの1つに挿入されるように構成されたロッキングピン(16)と、
前記ロッキングピン(16)が前記複数のロッキング孔(81)のうちの前記1つに挿入されたときに前記ロッキングピン(16)をロックするように構成されたロッキング要素(4)とをさらに備える、請求項1に記載の装置(100)。
【請求項6】
前記ロッキング要素は、南京錠である、請求項5に記載の装置(100)。
【請求項7】
前記ロッキングピン(16)上に配置され、前記ロッキングピン(16)と共に移動可能なトリガ要素(17)と、
前記ロッキングピン(16)が前記複数のロッキング孔(81)のうちの前記1つに挿入されたときに前記トリガ要素(17)によってトリガされるように構成された第2のマイクロスイッチ(19)とをさらに備え、
前記モータ(5)は、前記第2のマイクロスイッチ(19)が前記トリガ要素(17)によってトリガされることに応答して切断されるように構成されている、請求項5に記載の装置(100)。
【請求項8】
前記ロッキングピン(16)が前記複数のロッキング孔(81)のうちの前記1つから解放されたときに、前記ロッキングピン(16)をその初期位置に戻すように構成された第2のばね(18)をさらに備える、請求項5に記載の装置(100)。
【請求項9】
前記伝達機構は、
前記主軸(7)上に配置され、前記主軸(7)と共に回転可能なウォームギアと、
前記主軸(7)と直交する方向に延在しており、前記ウォームギアと噛合するウォーム(22)と、
前記ウォーム(22)と前記モータ(5)の出力軸との間に連結されたギアセットとを含む、請求項1に記載の装置(100)。
【請求項10】
前記ギアセットは、
前記モータ(5)の前記出力軸と噛合する第1のギア(20)と、
前記ウォーム(22)上に配置され、前記第1のギア(20)と噛合する第2のギア(21)とを含む、請求項9に記載の装置(100)。
【請求項11】
前記ウォーム(22)の前方に配置され、前記ウォーム(22)を回転させるための工具を挿入可能なハンドル孔(141)を備えた遮蔽板(14)と、
前記装置(100)が前記電気動作モードで動作するときに前記ハンドル孔(141)を少なくとも部分的に遮蔽し、前記装置(100)が前記手動動作モードで動作するときに前記ハンドル孔(141)を開放するように構成された遮蔽機構とをさらに備える、請求項9に記載の装置(100)。
【請求項12】
前記遮蔽機構は、
その初期位置に位置するときに前記ハンドル孔(141)を少なくとも部分的に遮蔽するように構成されたバリア(13)と、
前記装置(100)が前記手動動作モードで動作するときに電源がオンにされ、前記ハンドル孔(141)から離れるように前記バリア(13)を引き付け、前記装置(100)が前記電気動作モードで動作するときに電源がオフにされるように構成された電磁石(12)と、
前記電磁石(12)の電源がオフにされると、前記バリア(13)をその初期位置に戻すように構成された第3のばねとを含む、請求項11に記載の装置(100)。
【請求項13】
前記装置(100)が前記電気動作モードで動作するときに前記主軸(7)の位置を検出するように構成された補助スイッチ(23)をさらに備え、
前記モータ(5)は、前記主軸(7)が前記複数の所定の位置のうちの1つに回転されたことを前記補助スイッチ(23)が検出したことに応答して切断されるように構成され、
前記制動機構(6)は、前記主軸(7)が前記複数の所定の位置のうちの1つに回転されたことを前記補助スイッチ(23)が検出したことに応答して前記モータ(5)を制動するように構成されている、請求項1に記載の装置(100)。
【請求項14】
前記電気スイッチング素子は、断路スイッチおよび接地スイッチのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の装置(100)。
【請求項15】
前記ディスク(8)は、前記ディスク(8)を前記主軸(7)に連結するのに適した取付孔(84)をさらに含む、請求項1に記載の装置(100)。
【請求項16】
前記取付孔(84)は、開放孔または閉合孔である、請求項15に記載の装置(100)。
【請求項17】
前記主軸(7)上に配置され、前記主軸(7)上の前記ディスク(8)の取付位置を調整するように構成されたアダプタ(26)をさらに備え、
前記ディスク(8)は、前記取付孔(84)を介して前記アダプタ(26)上に固定される
、請求項15に記載の装置(100)。
【請求項18】
前記主軸(7)上に配置され、前記主軸(7)の位置を示すように構成された位置標識(2)をさらに備える、請求項1に記載の装置(100)。
【請求項19】
前記装置(100)に停電が発生したときに前記制動機構(6)を解除するように構成された手動ハンドル(61)をさらに備える、請求項1に記載の装置(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
本開示の実施形態は、一般的には電気スイッチ駆動装置の分野に関し、より詳しくは電気スイッチング素子を作動させるための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
高電圧電力システムには、例えば、下流の機器の電源を切断し、隔離することによって、修理、保守、または新しい部品の設置を可能にするための開閉装置が設けられる。この開閉装置中の電気部品は、典型的には、断路スイッチを介して電源に接続され、接地スイッチを介して接地に接続される。断路スイッチおよび接地スイッチは、共にインタラプタであり、各インタラプタは、固定接点と、固定接点に対して移動可能な可動接点とを含む。通常の動作条件下において、電気部品の断路スイッチは、閉合され、接地スイッチは、開放される。しかしながら、場合によっては、検査/保守の目的で、断路スイッチを開放する必要があり、接地スイッチを閉合する必要がある。
【0003】
従来、断路スイッチおよび接地スイッチを作動させるするための作動手段を備える多くの作動機構が存在する。作動機構の主な機能は、正確な角度出力、トルクおよび速度を断路スイッチおよび接地スイッチに供給することである。しかしながら、既存の作動機構は、多くの部品を含み且つ構造が複雑であるため、誤作動の確率が高くなる。また、作動機構は、多くの部品を含むため、開閉装置のハウジング内のスペースをかなり多く占めている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、開閉装置内に配置された断路スイッチおよび/または接地スイッチを作動させるための作動機構を改良する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
概要
前述した課題に鑑み、本開示の様々な例示的な実施形態は、電気スイッチング装置を作動させるための改良された作動機構を提供する。この作動機構は、構造が単純で、使用する部品の数が少なく、保守が容易で、費用効果が高く、ユーザが電気スイッチング装置の動作を正確に制御することを可能にする。
【0006】
本開示の第1の態様において、本開示の例示的な実施形態は、電気スイッチング素子を作動させるための装置を提供する。この装置は、複数の所定の位置に回転されることによって、電気スイッチング素子の状態を変更するように構成された主軸と、装置が電気動作モードで動作するときに、伝達機構を介して主軸を回転させるように構成されたモータと、装置が電気動作モードで動作するときに、主軸が複数の所定の位置の各々に回転されることに応答してモータを制動するように構成された制動機構と、主軸に連結され、主軸と共に回転可能なディスクとを備え、ディスクは、複数の阻止部と、複数の阻止部間の複数のスロットとを含み、手動レバーを備え、手動レバーは、回転部と、回転部の端部に配置された突出部とを含み、装置の手動動作モードにおいて、突出部は、主軸が複数の所定の位置のうちの1つに位置するときに、複数のスロットのうちの1つを介してディスク内に回転されることができ、主軸が複数の所定の位置のうちの別の1つに回転されるときに、複数のスロットのうちの別の1つを介してディスクから滑り出ることができるように構成されている。
【0007】
本開示の実施形態によれば、装置の手動動作モードにおいて、操作者は、手動レバーを回転することによって、手動レバーの突出部が複数のスロットのうちの1つを介してディスク内に回転され、複数の阻止部のうちの1つによって阻止され、所望の位置に到達すると、突出部が複数のスロットのうちの別の1つを介してディスクから滑り出ることができる。これによって、装置は、装置の手動操作が所望の位置に到達したか否かを自動的に指示することができるため、電気スイッチング素子の動作を精密に制御することができる。
【0008】
いくつかの実施形態において、装置は、底板と、底板に連結され、底板に対して回転可能な回転軸とをさらに備え、手動レバーの回転部は、回転軸に固定され、回転軸と共に回転可能である。
【0009】
いくつかの実施形態において、回転軸は、カム軸であり、装置は、装置の手動動作モードにおいて、手動レバーの突出部がディスク内に回転されるときにカム軸によってトリガされるように構成された第1のマイクロスイッチをさらに備え、制動機構は、第1のマイクロスイッチがカム軸によってトリガされることに応答して解除されるように構成されている。
【0010】
いくつかの実施形態において、装置は、突出部がディスクから滑り出るときに手動レバーをその初期位置に戻すように構成された第1のばねをさらに備える。
【0011】
いくつかの実施形態において、ディスクは、複数のロッキング孔をさらに含み、装置は、電気スイッチング素子のオーバーホール中に複数のロッキング孔のうちの1つに挿入されるように構成されたロッキングピンと、ロッキングピンが複数のロッキング孔のうちの1つに挿入されたときにロッキングピンをロックするように構成されたロッキング要素とをさらに備える。
【0012】
いくつかの実施形態において、ロッキング要素は、南京錠である。
いくつかの実施形態において、装置は、ロッキングピン上に配置され、ロッキングピンと共に移動可能なトリガ要素と、ロッキングピンが複数のロッキング孔のうちの1つに挿入されたときにトリガ要素によってトリガされるように構成された第2のマイクロスイッチとをさらに備え、モータは、第2のマイクロスイッチがトリガ要素によってトリガされることに応答して切断されるように構成されている。
【0013】
いくつかの実施形態において、装置は、ロッキングピンが複数のロッキング孔のうちの1つから解除されるときに、ロッキングピンをその初期位置に戻すように構成された第2のばねをさらに備える。
【0014】
いくつかの実施形態において、伝達機構は、主軸上に配置され、主軸と共に回転可能なウォームギアと、主軸と直交する方向に延在しており、ウォームギアと噛合するウォームと、ウォームとモータの出力軸との間に連結されたギアセットとを含む。
【0015】
いくつかの実施形態において、ギアセットは、モータの出力軸と噛合する第1のギアと、ウォーム上に配置され、第1のギアと噛合する第2のギアとを含む。
【0016】
いくつかの実施形態において、装置は、ウォームの前方に配置され、ウォームを回転させるための工具を挿入可能なハンドル孔を備えた遮蔽板と、装置が電気動作モードで動作するときにハンドル孔を少なくとも部分的に遮蔽し、装置が手動動作モードで動作するときにハンドル孔を開放するように構成された遮蔽機構とをさらに備える。
【0017】
いくつかの実施形態において、遮蔽機構は、その初期位置に位置するときにハンドル孔を少なくとも部分的に遮蔽するように構成されたバリアと、装置が手動動作モードで動作するときに電源がオンにされ、ハンドル孔から離れるようにバリアを引き付け、装置が電気動作モードで動作するときに電源がオフにされるように構成された電磁石と、電磁石の電源がオフにされると、バリアをその初期位置に戻すように構成された第3のばねとを含む。
【0018】
いくつかの実施形態において、装置は、装置が電気動作モードで動作するときに主軸の位置を検出するように構成された補助スイッチをさらに備え、モータは、主軸が複数の所定の位置のうちの1つに回転されたことを補助スイッチが検出したことに応答して切断されるように構成され、制動機構は、主軸が複数の所定の位置のうちの1つに回転されたことを補助スイッチが検出したことに応答してモータを制動するように構成されている。
【0019】
いくつかの実施形態において、電気スイッチング素子は、断路スイッチおよび接地スイッチのうちの少なくとも1つを含む。
【0020】
いくつかの実施形態において、ディスクは、ディスクを主軸に連結するのに適した取付孔をさらに含む。
【0021】
いくつかの実施形態において、取付孔は、開放孔または閉合孔である。
いくつかの実施形態において、装置は、主軸上に配置され、主軸上のディスクの取付位置を調整するように構成されたアダプタをさらに備え、ディスクは、取付孔を通してアダプタに固定される。
【0022】
いくつかの実施形態において、装置は、主軸上に配置され、主軸の位置を示すように構成された位置標識をさらに備える。
【0023】
いくつかの実施形態において、装置は、装置に停電が発生したときに制動機構を解除するように構成された手動ハンドルをさらに備える。
【0024】
理解すべきことは、この概要は、本開示の実施形態の重要なまたは本質的な特徴を特定することを意図するものではなく、本開示の範囲を限定するために使用されることを意図するものでもないことである。本開示の他の特徴は、以下の説明から容易に理解できるであろう。
【0025】
添付の図面を参照して、以下の詳細な説明から、本明細書に開示された例示的な実施形態の上記および他の目的、特徴および利点は、より分かり易くなるであろう。図面は、本明細書に開示されたいくつかの例示的な実施形態を例示的且つ非限定的に示す。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本開示の実施形態に従って、電気スイッチング素子を作動させるための装置を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示す装置の内部構造を異なる視点から示す図である。
【
図3】
図1に示す装置の内部構造を異なる視点から示す図である。
【
図4】
図1に示す装置の内部構造を異なる視点から示す図である。
【
図5】
図2~4に示す装置の一部の構造細部を異なる視点から示す図である。
【
図6】
図2~4に示す装置の一部の構造細部を異なる視点から示す図である。
【
図8】
図1~7に示す装置のディスクを示す拡大図である。
【
図9】本開示の他の実施形態に従って、ディスクを示す斜視図である。
【
図10】本開示の他の実施形態に従って、ディスクを示す斜視図である。
【
図11】本開示の他の実施形態に従って、ディスクを示す斜視図である。
【
図12】手動レバーの調整プロセスを示す図である。
【
図13】手動レバーの調整プロセスを示す図である。
【
図14】ウォームを回転させるためのツールを挿入可能なハンドル孔を遮蔽するための遮蔽機構の例示的な配置を示す図である。
【
図15】ウォームを回転させるためのツールを挿入可能なハンドル孔を遮蔽するための遮蔽機構の例示的な配置を示す図である。
【
図16】
図6に示す装置のロッキングピン、トリガ要素および第2のマイクロスイッチの相対配置を示す概略図である。
【
図17】ロッキング要素を介してロッキングピンを支持体にロックすることを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
全ての図面において、同じまたは類似の参照符号を用いて、同じまたは類似の要素を示す。
【0028】
実施形態の詳細説明
以下、図面に示されたいくつかの例示的な実施形態を参照して、本開示の原理を説明する。図面が本開示の例示的な実施形態を示しているが、理解すべきことは、これらの実施形態は、本開示の範囲を決して限定するのではなく、当業者が本開示をよく理解し、本開示を容易に達成するために記載されていることである。
【0029】
用語「備える(comprise)」または「含む(include)」およびその変形は、「含むがこれに限定されない」を意味するオープン用語として解釈されるべきである。「または」という用語は、特に明記しない限り、「および/または」として解釈されるべきである。「に基づく」という用語は、「少なくとも部分的に基づく」として解釈されるべきである。「動作可能である」という用語は、ユーザまたは外部機構によって行われた動作によって達成され得る機能、動作、動きまたは状態を意味する。用語「1つの実施形態」および「一実施形態」は、「少なくとも1つの実施形態」として解釈されるべきである。用語「別の実施形態」は、「少なくとも1つの別の実施形態」として解釈されるべきである。「第1の」および「第2の」などの用語は、異なるまたは同じ物体を指し得る。明示的および暗示的な他の定義は、以下の説明に含まれ得る。特に明記しない限り、用語の定義は、説明の全体を通して矛盾しない。
【0030】
以下、
図1~17を参照して、本開示の原理を詳細に説明する。まず、
図1~7を参照して、
図1は、本開示の実施形態に従って、電気スイッチング素子を作動させるための装置100を示す斜視図であり、
図2~4は、
図1に示す装置100の内部構造を異なる視点から示す。
図5および6は、
図2~4に示す装置100の一部の構造細部を異なる視点から示し、
図7は、
図1に示す装置100の底面図である。
【0031】
図1~7において、装置100の構造細部を不明瞭にすることを避けるために、電気スイッチング素子は、示されていない。本開示の実施形態によれば、電気スイッチング素子は、断路スイッチおよび接地スイッチのうちの少なくとも1つを含んでもよい。断路スイッチおよび接地スイッチは、当技術分野において公知であり、本明細書においてそれらの特定の構造および動作を詳細に説明しない。いくつかの実施形態において、装置100は、断路スイッチまたは接地スイッチを別々に作動させることができる。他の実施形態において、装置100は、断路スイッチおよび接地スイッチの組み合わせを作動させることができる。理解すべきことは、断路スイッチおよび接地スイッチは、例示であり、本開示の範囲から逸脱することなく、他の種類の電気スイッチング素子を利用することができることである。
【0032】
図1に示すように、装置100は、装置100のいくつかの部品を収容するように構成されたエンクロージャ1を含む。装置100の内部構造を明確に示すために、エンクロージャ100は、
図2~4において取り外されている。
【0033】
図2~7に示すように、装置100は、主軸7を含む。主軸7は、装置100の出力軸である。主軸7の下端は、断路スイッチおよび/または接地スイッチなどの電気スイッチング装置に連結され、角度出力、トルクおよび速度を電気スイッチング装置に供給する。装置100の動作中、主軸7は、複数の所定の位置に回転され、電気スイッチング素子の状態を、例えば開放状態、閉合状態、および接地状態の間に変更することができる。いくつかの実施形態において、主軸7は、3つの所定の位置、例えば、電気スイッチング素子の開放状態に対応する第1の位置、電気スイッチング素子の閉合状態に対応する第2の位置、および電気スイッチング素子の接地状態に対応する第3の位置に回転されてもよい。しかしながら、理解すべきことは、3つの所定の位置が単なる例示であり、電気スイッチング素子の調整要件に応じて、主軸7を3つの位置よりも多いまたは少ない所定の位置、例えば、2つの位置、4つの位置、5つの位置またはそれ以上の位置に回転させることができることである。
【0034】
装置100の動作中、主軸7の位置は、標識によって示されてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、
図1に示すように、装置100は、主軸7の位置を示すように構成された位置標識2をさらに含む。位置標識2は、主軸7の上端に配置されてもよく、エンクロージャ1に設けられた窓を介して視認することができる。
【0035】
本開示の実施形態によれば、装置100は、電気動作モードまたは手動動作モードで電気スイッチング素子を作動させることができる。電動運転モードにおいて、主軸7は、伝達機構を介してモータ5によって駆動されてもよく、手動運転モードにおいて、主軸7は、操作者によって手動で回転されてもよい。
【0036】
いくつかの実施形態において、
図5および6に示すように、伝達機構は、主軸7上に配置されたウォームギア(図示せず)と、ウォームギアと噛合し、主軸7に対して実質的に垂直な方向に延在するウォーム22と、ウォーム22とモータ5との出力軸との間に連結されたギアセットとを含む。ウォーム22は、装置100の手動操作に適した端部を有する。装置100の電気動作モードにおいて、モータ5の出力軸は、ギアセットを回転させることができ、これによって、ギアセットは、ウォーム22を回転させる。したがって、ウォーム22は、ウォームギアと主軸7を同時に回転させる。このように、主軸7を異なる位置に回転させることによって、電気スイッチング素子の状態を変更することができる。
【0037】
一実施形態において、
図5および6に示すように、ギアセットは、モータ5の出力軸と噛合する第1のギア20と、ウォーム22上に配置され、第1のギア20と噛合する第2のギア21とを含む。ウォーム22は、第2のギア21を通して延在している。装置100の電気動作モードにおいて、モータ5の出力軸は、第1のギア20を回転させることができ、これによって、第1のギア20は、第2のギア21を回転させる。第2のギア21がウォーム22に直接に取り付けられているため、第2のギア21は、ウォーム22を回転させる。従来の電動スイッチ駆動装置に使用された伝動機構と比較して、ギアセットは、ウォームとウォームギアのセットを置換することによって、伝動機構全体の伝動効率を向上させる。これによって、モータ5の体積を減らすことができ、伝達機構に必要な潤滑を減らすことができる。
【0038】
理解すべきことは、図示の伝達機構は、単なる例示であり、本開示の範囲から逸脱することなく、他の伝達機構を利用することができることである。
【0039】
装置100の電気動作モードにおいて、主軸7が複数の所定の位置の各位置に回転されたときにモータ5の回転を急速に停止させるために、制動機構6が装置100に設けられ、モータ5を制動する。
図2~6に示すように、主軸7が複数の所定位置の各位置に回転されたか否かを検出するために、補助スイッチ23が装置100に設けられる。補助スイッチ23は、ギア24を介して主軸7に連結されている。
【0040】
一実施形態において、補助スイッチ23は、複数のカムと、複数のカムの下方に配置された複数のマイクロスイッチとを含む。装置100の電気動作モードにおいて主軸7がモータ5によって回転するように駆動されると、補助スイッチ23のカムは、回転するように駆動され、所定の角度まで回転すると、対応するマイクロスイッチをトリガすることができる。所定の角度は、主軸7の所定の位置に各々対応する。このような構成によって、補助スイッチ23は、電気スイッチング素子の調整要件に従って、所定の角度の数、したがって所定の位置の数を柔軟に調整することができる。理解すべきことは、補助スイッチ23は、上記の構成に限定されず、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な他の構成を有してもよいことである。
【0041】
装置100の電気動作モードにおいて、主軸7が複数の所定の位置のうち、1つの位置に回転されたことを補助スイッチ23が検出すると、補助スイッチ23内のマイクロスイッチは、トリガ信号をモータ5および制動機構6に送信することができる。トリガ信号に応答して、モータ5の回路は、切断され、制動機構6は、モータ5を制動することができる。これによって、モータ5の出力軸の回転は、直ちに停止する。このようにして、装置100の電気動作モードにおいて、主軸7を複数の所定の位置の各位置に正確に停止させることができる。
【0042】
いくつかの実施形態において、
図3、5および6に示すように、装置100は、ウォーム22の前方に配置された遮蔽板14をさらに含む。遮蔽板14には、ウォーム22を回転させるための工具を挿入可能なハンドル孔141が設けられている。装置100の手動動作モードにおいて、操作者は、ツールをハンドル孔141に挿入してウォーム22を回転させることができる。ウォーム22は、ウォームギアと主軸7を同時に回転させるように駆動する。これによって、主軸7は、異なる位置に回転させられ、電気スイッチング素子の状態を変更することができる。理解すべきことは、上述した主軸7の手動調整方式は、単なる例示であり、本開示の範囲から逸脱することなく、装置100の手動動作モードにおいて他の方式で主軸7を調整してもよいことである。
【0043】
なお、装置100の手動動作モードにおいて、モータ5の回路を切断し、制動機構6を解除する必要がある。この場合、主軸7が複数の所定位置の各位置に回転されたか否かを示すために、
図1~7に示すように、装置100にはディスク8および手動レバー9が設けられる。装置100の手動操作中、ディスク8および手動レバー9は、互いに協働して、主軸7が所望の位置に調整されたか否かを示すことができる。
【0044】
図2~4および6に示すように、ディスク8は、主軸7に連結されており、主軸7と共に回転可能である。言い換えれば、ディスク8は、主軸7上に固定され、装置100の動作中、主軸7およびディスク8は、同期して回転することができる。
図8は、
図1~7に示す装置100のディスク8の拡大図である。
図8に示すように、ディスク8は、ディスク8の縁部付近に配置された複数の阻止部82と、隣接する阻止部82の間の複数のスロット83とを含む。阻止部分82およびスロット83は、装置100の手動操作中に手動レバー9と協働して、主軸7が所望の位置に調整されたか否かを示すことができる。
【0045】
図3および5~6に示すように、手動レバー9は、回転部90と、回転部90の端部に配置された突出部91とを含む。装置100の手動動作モードにおいて、突出部91は、主軸7が複数の所定の位置のうちの1つに位置するときに、複数のスロット83のうちの1つを介してディスク8内に回転されることができる。主軸7の回転中、ディスク8は、主軸7と共に回転する。ディスク8が回転すると、突出部91は、複数のスロット83のうちの他方のスロットに到達する前に、阻止部82のうちの1つによって阻止され、主軸7が複数の所定位置のうちの別の1つに回転されるときに複数のスロット83のうちの別の1つを介してディスク8から滑り出る。
【0046】
上述のように、いくつかの実施形態において、主軸7は、3つの所定の位置、例えば、電気スイッチング素子の開放状態に対応する第1の位置、電気スイッチング素子の閉合状態に対応する第2の位置、および電気スイッチング素子の接地状態に対応する第3の位置に回転されてもよい。装置100の手動動作モードにおいて主軸7の3つの所定の位置を示すために、
図8に示すように、第1の位置、第2の位置および第3の位置にそれぞれ対応する3つのスロット83がディスク8に設けられる。主軸7が3つの所定位置の各位置に位置するときに、手動レバー9の突出部91は、対応するスロット83を介してディスク8内に回転されるまたはそこから滑り出ることができる。
【0047】
図3に示すように、装置100の手動操作の開始時に、操作者は、突出部91が1つのスロット83を介してディスク8内に回転されるように、手動レバー9の回転部90を回転させることができる。従って、作業者は、ハンドル孔141に挿入された工具を用いて主軸7を回転させることができる。主軸7の回転中、ディスク8は、主軸7と共に回転する。ディスク8が回転すると、突出部91は、1つの阻止部82によって阻止され、主軸7が所望の位置に回転されると、別のスロット83を介してディスク8から滑り出る。これにより、操作者は、主軸7が所望の位置に回転されたことを適時に知り、主軸7の調整を停止させることができる。
【0048】
理解すべきことは、ディスク8上の3つのスロット83は、単なる例示であり、以下で
図9~11を参照して詳細に説明するように、より多いまたはより少ない所定の位置を示すために、ディスク8上でより多いまたはより少ないスロット83を設けることができることである。
【0049】
一実施形態において、
図8に示すように、ディスク8を主軸7に取り付けるために、ディスク8は、取付孔84をさらに含む。図示のように、取付孔84は、開放孔であってもよい。このような開放型取付孔84により、現場でディスク8を主軸7に容易に組み付けるまたは主軸7から取り外すことができる。
【0050】
一実施形態において、
図2~4に示すように、装置100は、主軸7上に配置され、主軸7上のディスク8の取付位置を調整するように構成されたアダプタ26をさらに含む。ディスク8は、取付孔84を介してアダプタ26に固定される。このような構成によって、工場の組み立て時に、主軸7上のディスク8の取付位置を精密に調整することができる。理解すべきことは、アダプタ26を介してディスク8を主軸7に取り付けることは、単なる例示であり、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な方法でディスク8を主軸7に連結することができることである。
【0051】
いくつかの実施形態において、
図2、4および6に示すように、電気スイッチング素子のオーバーホール中に、主軸7の回転を防止するように、ディスク8は、ロッキングピン16によってロックされてもよい。このために、
図8に示すように、ディスク8には複数のロッキング孔81が設けられている。ロッキングピン16は、電動スイッチング素子のオーバーホール中に複数のロッキング孔81のうちの1つに挿入されるように構成されている。さらに、ロッキングピン16が複数のロッキング孔81のうちの1つに挿入されたときにロッキングピン16を装置100の支持体3にロックするために、装置100にはロッキング要素4が設けられる。ロッキング要素4は、南京錠または他の種類のものであってもよい。
【0052】
図17は、ロッキング要素4を介してロッキングピン16を支持体3にロックすることを示す概略図である。図示のように、電気スイッチング素子のオーバーホール中にロッキング要素4を介してロッキングピン16を支持体3にロックすると、ディスク8を電気的にまたは手動で回転することができず、操作者の安全を確保する。
【0053】
なお、
図8に示すように、ディスク8には、ディスク8をロックするための3つのロッキング孔81が設けられている。しかしながら、理解すべきことは、以下で
図9~11を参照して詳細に説明するように、他の実施形態において、より多くのまたはより少ないロッキング孔81をディスク8上に設けてもよいことである。
【0054】
図9~11は、本開示の他の実施形態に従って、ディスク8を示す斜視図である。
図8に示されたディスク8と比較して、
図9に示されたディスク8は、より多くの阻止部82およびより多くのスロット83、例えば、8つの阻止部82および8つのスロット83を含む。阻止部82およびスロット83は、一般的にディスク8上に均等に配置されている。すなわち、隣接するスロット83の間の角度は、実質的に等しい。このような配置によって、スロット83は、主軸7のより多くの所定の位置(例えば、8つ)に対応してもよい。装置100の手動操作中、操作者は、手動レバー9をディスク8内に回転させ、主軸7が所望の位置に回転されたことを適時に知り、主軸7の調整を停止させることができる。
【0055】
また、
図8に示された開放型取付孔84の代わりに、
図9に示されたディスク8の取付孔84は、閉合孔である。同様に、アダプタ26を介してディスク8を主軸7に固定することができる。また、ディスク8には、8つのロッキング孔81が設けられている。電動スイッチング素子のオーバーホール中に、ロッキングピン16を複数のロッキング孔81のうちの1つに挿入することによって、ディスク8をロックすることができる。
【0056】
図8に示されたディスク8と比較して、
図10に示されたディスク8は、より多くの阻止部82およびより多くのスロット83、例えば、4つの阻止部82および4つのスロット83を含む。阻止部82およびスロット83は、ディスク8に均等に配置されていない。すなわち、隣接するスロット83の間の角度は、同じではない。スロット83は、主軸7のより多くの所定の位置(例えば、4つ)に対応してもよい。また、
図10に示されたディスク8の取付孔84は、閉合孔であり、ディスク8には4つのロッキング孔81が設けられている。
【0057】
図10に示されたディスク8と同様に、
図11に示されたディスク8も、4つの阻止部82と4つのスロット83とを含む。
図11に示されたディスク8は、
図11に示されたディスク8の阻止部82およびスロット83がディスク8上に均等に配置されているという点で、
図10に示されたディスク8とは異なる。
【0058】
理解すべきことは、ディスク8上の阻止部82およびスロット83の数は、
図8~11を参照して上述した実装例に限定されないことである。他の実施形態において、より多いまたはより少ない阻止部82およびスロット83をディスク8上に設けてもよい。
【0059】
いくつかの実施形態において、
図5に示すように、装置100は、突出部91がディスク8から滑り出るときに手動レバー9をその初期位置に戻すように構成された第1のばね25をさらに含む。装置100の手動動作モードにおいて主軸7が所望の位置まで回転されると、手動レバー9は、ディスク8から自動的に滑り出て、第1のばね25の作用によってその初期位置に戻ることができる。
【0060】
一実施形態において、
図2~6に示すように、装置100は、底板15と、底板15に連結された回転軸10とをさらに含む。回転軸10は、底板15に対して回転可能である。手動レバー9の回転部90は、回転軸10上に固定され、回転軸10と共に回転可能である。別の実施形態において、回転軸10は、底板15上に固定されてもよく、手動レバー9の回転部90は、回転軸10上に配置され、回転軸10に対して回転可能である。他の実施形態において、手動レバー9の回転部90は、他の方法で装置100に配置されてもよい。本開示の範囲は、この点に限定されない。
【0061】
上述したように、装置100の手動運転モードにおいて、制動機構6を解除する必要がある。この目的のために、
図2、3、5および6に示すように、回転軸10は、手動レバー9と共に回転可能なカム軸であり、装置100は、底板15上に配置された第1のマイクロスイッチ11をさらに含む。第1のマイクロスイッチ11は、装置100の手動動作モードにおいて手動レバー9の突出部91がディスク8内に回転されるときにカム軸によってトリガされるように構成されている。
【0062】
図12および13は、手動レバー9の調整プロセスを示す。
図12に示すように、手動レバー9がその初期位置に位置するときに、第1のマイクロスイッチ11は、カム軸によってトリガされない。
図13に示すように、装置100の手動動作モードにおいて手動レバー9の突出部91がディスク8内に回転されると、第1のマイクロスイッチ11は、カム軸によってトリガされ、制動機構6に解除信号を送信して制動機構6を解除する。したがって、制動機構6は、装置100の手動動作モードにおいてモータ5を制動しない。
【0063】
従来の電動スイッチ駆動装置は、通常、複合ククラッチ機構を用いて、モータの出力軸と次段ギアとを切り離す。これによって、操作者は、手動操作中にクラッチハンドルに力を維持しなければならない。従来の電気スイッチ駆動装置と比較して、本明細書に記載された装置100の第1のマイクロスイッチ11およびカム軸は、構造が単純であり、操作が容易であり、装置100内の部品の数を低減し、装置100の安定性を向上させる。
【0064】
いくつかの実施形態において、
図3~6に示すように、装置100は、装置100に停電が発生したときに制動機構6を解除するように構成された手動ハンドル61をさらに含む。
【0065】
装置100の電気動作モードの時に、人がツールをハンドル孔141に挿入して主軸7を操作することは、非常に危険である。装置100の電気動作モードの時に主軸7の手動操作を防止するために、装置100は、遮蔽機構をさらに含む。この遮蔽機構は、装置100が電気動作モードで動作するときにハンドル孔141を遮蔽し、装置100が手動動作モードで動作するときにハンドル孔141を開放することができる。
【0066】
図14および15は、遮蔽機構の例示的な構成を示す。図示のように、遮蔽機構は、バリア13と、電磁石12と、第3のばね(図示せず)とを含む。バリア13は、その初期位置においてハンドル孔141を遮蔽するように構成されている。電磁石12は、装置100が手動動作モードで動作するときに電源がオンにされ、ハンドル孔141から離れるようにバリア13を引き付け、装置100が電気動作モードで動作するときに電源がオフにされ、バリア13を解放するように構成されている。第3のばねは、バリア13に接続され、電磁石12の電源がオフされると、バリア13をその初期位置に戻すように構成されている。
【0067】
装置100の電気動作モードのときに、電磁石12は、電源がオフにされ、バリア13を引き付けない。この場合、バリア13は、初期位置に位置し、ハンドル孔141を遮蔽する。これにより、主軸7を回転させるための工具をハンドル孔141に挿入することができなくなり、誤操作をうまく防止することができる。装置100の手動動作モードにおいて、電磁石12は、電源がオンにされ、ハンドル孔141から離れるようにバリア13を引き付ける。この場合、ハンドル孔141は、バリア13によって遮蔽されない。したがって、主軸7を回転させるための工具をハンドル孔141に挿入することができる。
【0068】
いくつかの実施形態において、
図2、4および6に示すように、ディスク8がロッキングピン16によってロックされる場合、モータ5の回路をオンに切り替えることを防止して、モータ5の偶発的なオンの切り替えによる装置100の部品への損傷を回避する必要がある。この目的のために、装置100は、トリガ要素17および第2のマイクロスイッチ19をさらに含む。
【0069】
図16は、
図6に示す装置100のロッキングピン16、トリガ要素17および第2のマイクロスイッチ19の相対配置を示す概略図である。
図16に示すように、トリガ要素17は、ロッキングピン16上に配置され、ロッキングピン16と共に移動可能である。第2のマイクロスイッチ19は、ロッキングピン16が下方に引っ張られ、複数のロッキング孔81のうちの1つに挿入されるときにトリガ要素17によってトリガされるように構成されている。第2のマイクロスイッチ19がトリガ要素17によってトリガされることに応答して、モータ5の回路は、切断され、ディスク8がロッキングピン16によってロックされる場合にはオンに切り替えられない。
【0070】
一実施形態において、
図16に示すように、装置100は、ロッキングピン16が複数のロッキング孔81のうちの1つから解放されたときにロッキングピン16をその初期位置に戻すように構成された第2のばね18をさらに含む。
【0071】
本明細書に記載された装置100は、従来の電気スイッチ駆動デバイスより多くの内部空間およびより良好なレイアウトを有するため、様々な開閉装置、例えば、プラグアンドスイッチシステム(PASS)またはガス絶縁開閉装置(GIS)に使用されてもよい。
【0072】
本明細書において本発明のいくつかの実施形態を説明および図示したが、当業者は、本明細書に記載された機能を行うおよび/または本明細書に記載された結果および/または1つ以上の利点を取得するために、様々な他の手段および/または構造を容易に想定し、そのような変形および/または修正の各々は、本明細書に記載された本発明の実施形態の範囲に含まれると考えられる。より一般的には、当業者は、本明細書に記載された全てのパラメータ、寸法、材料、および構成が例示的であることを意味し、実際のパラメータ、寸法、材料、および/または構成が、本発明の教示を使用する特定の用途に依存することを容易に理解するであろう。当業者は、日常的な実験のみを用いて、本明細書に記載された本発明の特定の実施形態に対する多くの均等物を認識するかまたは確認することができるであろう。したがって、理解すべきことは、前述した実施形態は、例としてのみ提示されており、添付の特許請求の範囲およびその均等物の範囲内で、具体的に説明および特許請求されるものとは別の方法で本発明の実施形態を実施することができることである。本開示に記載された本発明の実施形態は、本明細書に記載された個々の特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法を対象とする。また、2つ以上の特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法の任意の組み合わせは、これらの特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法が相互に矛盾しない場合、本開示の発明の範囲内に含まれる。