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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-07
(45)【発行日】2024-02-16
(54)【発明の名称】予め充填された安全針と注射器システム
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/32 20060101AFI20240208BHJP
【FI】
A61M5/32 510B
A61M5/32 510Z
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021547660
(86)(22)【出願日】2019-10-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-20
(86)【国際出願番号】 US2019057968
(87)【国際公開番号】W WO2020086917
(87)【国際公開日】2020-04-30
【審査請求日】2022-10-19
(31)【優先権主張番号】16/660,784
(32)【優先日】2019-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/750,780
(32)【優先日】2018-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521177038
【氏名又は名称】シャープス テクノロジー, インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】SHARPS TECHNOLOGY INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100110788
【弁理士】
【氏名又は名称】椿 豊
(72)【発明者】
【氏名】バーラー, バリー
(72)【発明者】
【氏名】ミューロン, ジュニア, アンソニー, エフ.
(72)【発明者】
【氏名】コレリー, ケビン
(72)【発明者】
【氏名】ヤーリ, ニフ
(72)【発明者】
【氏名】カッツ, ギル
(72)【発明者】
【氏名】ウドビッチ, グレゴリー
【審査官】竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-500679(JP,A)
【文献】特表2011-509765(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0009808(US,A1)
【文献】特表2012-517845(JP,A)
【文献】特表2014-508603(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/28
A61M 5/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニードルおよび注射器のシステムであって、
注射材料が予め充填された注射器胴体を備え、前記注射器胴体は第1の開口端部を有し、
前記注射器胴体内で前記第1開口端部の方へ移動することができるプランジャヘッドを持つプランジャをさらに備え、前記プランジャヘッドは、前記注射器胴体内の前記注射材料に面するフェース面を有し、
前記注射器胴体内に配置されたスペーサーをさらに備え、前記スペーサーは、前記スペーサーを通って延びる中央開口部と、前記注射器胴体内で前記注射材料に面する接触面とを有し、前記プランジャおよびプランジャヘッドが前記第1の開口端部の方へ移動される場合、前記プランジャヘッドは、前記スペーサーに接触し、前記第1の開口端部を越えて前記注射器胴体から前記スペーサーを直接押し出し、
前記注射器胴体の前記第1の開口端部に存在するシールをさらに備え、前記注射材料および前記スペーサーは、前記注射器胴体内で前記プランジャヘッドと前記シールとの間に挿入され、
ニードルを支持するニードルヘッドアセンブリをさらに備え、前記ニードルヘッドアセンブリは、前記第1の開口端部上で前記注射器胴体に選択的に取り付けられ、ニードルヘッドアセンブリは、前記ニードルおよび/または前記ニードルヘッドアセンブリが前記注射器胴体の前記第1の開口端部越えて移動される場合、前記シールを突き通し前記スペーサーと相互接続し、前記スペーサーの前記中央開口部が前記ニードルと整列する、システム。
【請求項2】
前記ニードルヘッドアセンブリは、前記ニードルを支持するニードルベースと、前記注射器胴体に選択的に接続するカラーとを含み、前記ニードルベースは前記カラーに取り付けられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記カラーが前記注射器胴体に接続するときに、前記ニードルベースは、前記スペーサーの前記中央開口部の中へ延びる、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ニードルは、尖った第1の端部と反対側の第2の端部との間に延び、前記ニードルヘッドアセンブリが前記注射器胴体に取り付けられるときに、前記ニードルの前記第2の端部は前記シールを突き通す、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記ニードルの一部を取り囲むシースチューブを持つ安全スライドをさらに含み、前記シースチューブが前記ニードルの一部のみを覆う第1の位置と、前記シースチューブが前記ニードルのすべてを覆う第2の位置との間で、前記安全スライドは前記ニードルおよび前記カラーに対して相対的に移動可能である、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記プランジャが前記注射器胴体内で前進する場合、前記スペーサーは前記ニードルベースを越えて前進し、前記安全スライドは前記第1の位置から前記第2の位置に移動する、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記安全スライドが前記第1の位置から前記第2の位置に移動するとき、前記ニードルベースは、前記スペーサーの前記中央開口部を通って前記スペーサーの前記接触面へ移動する、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記スペーサーの前記接触面および前記プランジャヘッドの前記フェース面は、前記接触面と前記フェース面とが接触する際に前記接触面と前記フェース面との間に空間が存在しないように一致する、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記安全スライドが前記第2の位置に入るときに、前記安全スライドを前記第2の位置に自動的にロックするロックをさらに含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項10】
前記安全スライドが前記第2の位置に入るときに見えるようになる、前記安全スライド上の視覚的インジケータをさらに含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
ニードルおよび注射器のシステムであって、
胴体、プランジャ、および前記胴体の第1の端部にあるシールを含む予め充填された注射器アセンブリを備え、前記プランジャはプランジャヘッドを有し、前記プランジャヘッドと前記シールとの間の前記胴体内に注射材料が保持され、
前記予め充填された注射器アセンブリに選択的に取り付けられるニードルヘッドをさらに備え、前記ニードルヘッドは、尖った端部およびニードルベースを持つニードルを支持し、
前記胴体内に配置された管状スペーサーをさらに備え、前記スペーサーは、そこを通って延びる中央開口部を有し、前記管状スペーサーは、前記プランジャヘッドによって前記第1の端部を通過して前進され、前記ニードルベースが前記中央開口部を通って延びるようにする、システム。
【請求項12】
前記ニードルの一部を取り囲むシースチューブを有する安全スライドをさらに含み、前記安全スライドは、前記シースチューブが前記ニードルの前記尖った端部を越えて延びない第1の位置と、前記シースチューブが前記尖った端部を越えて延びる第2の位置との間で、前記スペーサーによって前記ニードルに対して相対的に移動される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記プランジャが前記胴体内で前進する場合、前記プランジャヘッドは前記スペーサーを移動させ、前記スペーサーは前記安全スライドを前記第1の位置から前記第2の位置に移動させる、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記ニードルヘッドが前記予め充填された注射器胴体に取り付けられるとき、前記ニードルヘッドは前記シールを突き通す、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記スペーサーと前記プランジャヘッドとが接触する際に前記スペーサと前記プランジャヘッドとの間に空間が存在しないように、前記スペーサおよび前記プランジャヘッドは一致する、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記安全スライドが前記第2の位置に入るとき、前記安全スライドは前記第2の位置にロックする、請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
前記安全スライドが前記第2の位置に入るときに見えるようになる、前記安全スライド上の視覚的インジケータをさらに含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記ニードルヘッドは、前記胴体と選択的に係合するカラーを含む、請求項11に記載のシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の技術分野
【0002】
一般に、本発明は、ニードルまたはカニューレを介して注射を行うために使用される、予め充填された(pre-filled)注射器に関する。より具体的には、本発明は、ニードルが使用後に自動的に遮蔽されるニードルおよび注射器のシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
背景技術
【0004】
アメリカ合衆国では、毎年何百万もの注射が行われている。注射は通常、皮下注射ニードルおよび注射器を使用して行われる。皮下注射ニードルの長さおよびニードルの寸法は、用途と、注射が筋肉内、皮下、静脈内、または皮内のいずれであるかとによって異なる。注射される化合物もまた大きく異なる。特定の遺伝子治療化合物などの多くの医薬品化合物は、一注射ごとに数万ドルの費用がかかる可能性がある。そのため、医薬品の1ミリリットルの何分の一かは、数百ドルの価値がある。
【0005】
いくつかの医薬化合物は、予め充填された注射器として製造される。つまり、製造業者によって、正確な用量の医薬化合物が注射器に装填される。注射器はシールされ、医療提供者に送られる。医療提供者は、予め充填された注射器にニードルヘッドを取り付け、患者に注射を行う。従来のニードルヘッドを使用して注射を行う場合、注射が完了した後、ニードルヘッド内にある程度の量の注射材料が必然的に残る。そのため、予め充填された注射器に含まれる投与量の全ては、患者に送られない。ニードルヘッドに残っている医薬品は、注射後に廃棄される。この無駄な医薬品は、すべての注射を考慮すると、合計で数十億ドルの無駄な医薬品になる。
【0006】
従来技術では、本質的にニードルヘッド内に留まる残留材料の体積についてはほとんど考慮されていない。いくつかのニードルおよび注射器のアセンビリは、注射器プランジャとニードルヘッドとが面一で接触するように設計されている。そのような先行技術の設計は、リーの米国特許第6,616,636号およびジェンツェンの米国特許第5,902,270号によって例示されている。しかし、病院などの実際の医療環境では、予め充填された注射器は、行われる注射に応じて、さまざまなニードルヘッドで使用される。いくつかのニードルヘッドと注射器との組み合わせは、医薬品化合物の排出に効率的あるが、そうでない組み合わせもある。
【0007】
予め充填された注射器で使用されるニードルヘッドに安全機能が含まれていると、問題はさらに複雑になる。いくつかのニードルヘッドは、注射を実行し、かつ針刺し損傷(needdle stick)の可能性を最小限に抑えるためのメカニズムを提供するように設計されている。針刺し損傷は医療従事者の間で一般的である。米国国立労働安全衛生研究所によれば、針刺し損傷は、皮下ニードル、採血ニードル、静脈内(IV)スタイレット、およびIVデリバリーシステムの部品を接続するために使用されるニードルなどのニードルによって引き起こされる損傷として定義される。針刺し損傷は、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、およびヒト免疫不全ウイルス(HIV)などの血液感染性病原体を感染させる可能性がある。医療従事者にとって、針刺し損傷は、医療従事者のこれらの病気のかなりの部分の原因となっている。
【0008】
米国疾病対策センターによると、アメリカ合衆国では、毎年300万人以上の医療従事者がニードル事故によって血液や体液にさらされていると推定されている。ほとんどの医療従事者は、使用済みのニードルを使用および廃棄するための手順について訓練を受けている。針刺し損傷の可能性を防ぐために、使用済みのニードルに再度キャップを付けるべきではない。しかし、多くの研究により、再度キャップを付けることが医療従事者の間で依然として広く行われていることが明らかになっている。
【0009】
針刺し損傷の数を減らすために、ニードルが皮膚から引っ込められた瞬間にニードルをカバーするように機能するさまざまな安全ニードルが開発されている。これは通常、シースがニードルの先端を覆うまで、ニードルのシャフトに沿って管状シースを前進させることによって達成される。そのような先行技術は、バーラーの米国特許第6,626,863号、バーラーの米国特許出願公開第2007/0016140号、バーラーの米国特許出願公開第2007/0016145号、およびバーラーの米国特許出願公開第2008/0009808号によって例示されている。しかし、ニードルヘッド内に安全メカニズムを統合すると、通常、ニードルヘッド内に追加のスペースが必要になる。ニードルヘッドのスペースが広いということは、ニードルヘッドに残留した医薬化合物が集まり得るデットスペースが広いことを意味する。結果として、設計においてバランスをとらなければならない反対の懸念がしばしばある。デザインの安全機能は、安全機能のために保持されている無駄になる医薬品とのバランスが取られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】米国特許第6,616,636号
【文献】米国特許第5,902,270号
【文献】米国特許第6,626,863号
【文献】米国特許出願公開第2007/0016140号
【文献】米国特許出願公開第2007/0016145号
【文献】米国特許出願公開第2008/0009808号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、ニードルが注射後に自動的に遮蔽され、アセンブリが大きい体積の注射される材料を保持しない、改良された皮下ニードルおよび予め充填された注射器アセンブリの必要性が存在する。
【0012】
この必要性は、以下に記載および請求される本発明によって満たされる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
発明の開示
【0014】
本発明は、超低用量の廃棄物と、針刺し損傷の自動の保護との両方を提供するニードルおよび予め充填された注射器システムである。注射器胴体とプランジャとを含むシリンジアセンブリが提供される。注射器胴体には、注射材料が予め充填される。プランジャには、胴体内を移動し、注入材料を注射器胴体の開口端部に向かって移動するために使用できるプランジャヘッドを有する。
【0015】
ニードルヘッドアセンブリは、使用前に注射器アセンブリに取り付けられる。ニードルヘッドアセンブリと注射器アセンブリとの間には、スペーサが配置されている。スペーサは、前記スペーサを通って延びる中央開口部を有する。
【0016】
ニードルヘッドアセンブリは、ニードルベースを持つニードルをサポートする。ニードルヘッドアセンブリは、注射器胴体の開口端部の上の注射器胴体に取り付けられる。組み立てられると、ニードルベースはスペーサの中央開口部に入り込む。ニードルヘッドアセンブリは、ニードルを選択的に覆うことができる安全スライドも含んでいる。注射中、プランジャヘッドへの圧力および/または接触により、スペーサが安全スライドに接触して移動する。このように、安全スライドは、注射処置中にニードルを覆うように移動し、注射プロセスが完了する前にニードルを安全にすることをずっと完全なものにする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図面の簡単な説明
【0018】
本発明をよりよく理解するために、添付の図面と併せて検討される、その例示的な実施の形態の以下の説明が参照される。
図1】ニードルヘッドアセンブリに取り付けられた注射器アセンブリを含む、安全ニードルおよび注射器のシステムの例示的な実施の形態の断面図である。
図2図1の例示的な実施の形態の分解図を示す。
図3】ニードルヘッドアセンブリの安全スライド構成要素の斜視図を示す。
図4】ニードルヘッドアセンブリ内の安全スライドを作動させる前の、注射器アセンブリのネックおよびニードルヘッドアセンブリの拡大断面図である。
図5】ニードルヘッドアセンブリ内の安全スライドの作動中の注射器アセンブリのネックおよびニードルヘッドアセンブリの拡大断面図である。
図6】ニードルヘッドアセンブリ内の安全スライドを作動させた後の、注射器アセンブリのネックおよびニードルヘッドアセンブリの拡大断面図である。
図7】ニードルおよび予め充填された注射器アセンブリの別の実施の形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
発明を実施するための最良のモードの詳細な説明
【0020】
本発明のニードルおよび注射器のシステムは、多くの方法で構成することができ、多くの用途での使用に適合させることができる。しかしながら、説明および例示の目的のために、いくつかの例示的な実施の形態のみが選択されている。しかしながら、説明された実施の形態は、単なる例示であり、添付の特許請求の範囲を解釈する際の制限と見なされるべきではない。
【0021】
図1図2、および図3を参照して、本発明のニードルおよび注射器のシステム10の概要が示される。示される実施の形態では、ニードルおよび注射器のシステム10は、使用直前に医療専門家によって選択的に結合される2つの一次アセンブリを含む。一次アセンブリは、予め充填された注射器アセンブリ12と、ニードルヘッドアセンブリ14とを含む。
【0022】
予め充填された注射器アセンブリ12は、予め充填された注射器アセンブリ12内にシールされた注射材料15の体積を含む。予め充填された注射器アセンブリ12にニードルヘッドアセンブリ14が取り付けられている場合、ニードルヘッドアセンブリ14は予め充填された注射器アセンブリ12を突き通し、注射材料15と皮下ニードル16との間に流路を提供する。後で詳細に説明されるように、ニードル16はシースチューブ30に囲まれている。注射プロセス中、シースチューブ30はニードル16を越えて前進され、ニードル16が患者から引き抜かれる前でもニードル16を安全にする。したがって、ニードル16は、注射処置を開始する前に露出され(図1)、注射処置の終了までに覆われる(図2)。
【0023】
図4および図5図3と併せて参照すると、ニードルヘッドアセンブリ14がニードル16を保持していることが理解されるであろう。ニードル16は、尖った第1の端部18と反対側の第2の端部19とを備える。両端18、19はニードルヘッドアセンブリ14から互いに反対の方向に突き出ている。ニードル16の寸法およびニードル16の長さは、実施される医療処置のための医療専門家によって選択される。ニードルヘッドアセンブリ14内では、ニードル16の一部が細長いベース20の中へセットされる。細長いベース20は管状であり、ニードル16を通る流れを妨げない。このように、ニードル16および細長いベース20は、1つのユニットとして一緒に移動する。ニードル16の第2の端部19は、示されているように細長いベース20と同じポイントで終了してもよい。しかし、コストを削減するために、ニードル16は細長いベース20内で終了し、細長いベース20はニードル16と同じ方向の顕著なポイントまで延長し続けてもよい。
【0024】
ニードルヘッドアセンブリ14は、カラー34と、安全スライド22とを含む。ニードル16の細長いベース20は、カラー34に貼付けられる。そのため、注射中、カラー34、ニードル16、および細長いベース20は相対的に動かない。カラー34は、バヨネット接続、ねじ接続、または同様の機械的接続を使用して、予め充填された注射器アセンブリ12に機械的に取り付けられる。このように、カラー34はニードルヘッドアセンブリ14を予め充填された注射器アセンブリ12に相互接続するために使用される。カラー34は、内部隆起35を有し、内部隆起35の目的は後で説明される。
【0025】
安全スライド22は、カラー34の内側に配置され、安全スライド22は、ニードル16および細長いベース20のセクションを取り囲む。安全スライド22は、ニードル16およびカラー34に対して相対的に移動し、ニードル16およびカラー34は、安全スライド22の移動を案内する。
【0026】
安全スライド22は管状体24を有する。脚26は、管状体24の第1の端部27から延びる。ロック突起38は、後で説明する目的のために、脚26から放射状に延びる。管状体24は、ニードル16の細長いベース20を受け入れるサイズの中央空洞28を定義する。シースチューブ30は脚26の反対側の安全スライド22の第2の端部31から延びる。延在するシースチューブ30は片持ち梁であり、中央空洞28と連絡する経路を定義する。細長いベース20は安全スライド22の中央空洞28の中へ延び、ニードル16は安全スライド22のシースチューブ30を通って延びる。説明されるように、安全スライド22はニードル16および細長いベース20に対して相対的に移動することができる。
【0027】
予め充填された注射器アセンブリ12は、胴体40を有する。胴体40は、第1の開口端部42と第2の開口端部44との間に延びる管状チャンバ41を定義する。胴体40は、ガラスまたはプラスチックであってもよい。示される実施の形態では、ネジ付きネック47としての胴体40である。そのため、胴体40の内径はネジ付きネック47への移行時に減少する。ネジ付きネック47にはネジが形成され、またはネジ付きネック47はニードルヘッドアセンブリ14のカラー34に係合するように構成される。同様に、反対側の第2の端部44の胴体40の外側は、予め充填された注射器アセンブリ12を容易に適切に把持するために、フィンガーフランジ46を有する。
【0028】
プランジャ50は、胴体40内にセットされる。プランジャ50は、プランジャ50が胴体40内で相互に移動するときに、胴体40内の管状チャンバ41に対してシールするプランジャヘッド52を有する。プランジャヘッド52は胴体40のネジ付きネック47よりも幅が広く、ネジ付きネック47の中に入り込むことはできない。プランジャヘッド52は、胴体40の第1の開口端部42に面するフェース面55を有する。
【0029】
管状スペーサ54は胴体40の管状チャンバ41内に配置される。管状スペーサ54は、第1の端部57と第2の端部58との間に延びる中央開口部56を有する。管状スペーサ54は、狭いセクション63と、拡大されたベース64とを有する。拡大されたベース64は、プランジャヘッド52と同じ直径を有し、同様の方法で胴体40内の管状チャンバ41に対してシールする。このように、流体は、管状スペーサ54を通って延びる中央開口部56を通って流れることによって、胴体40内の管状スペーサ54のみを通過することができる。管状スペーサ54の第1の端部57は、プランジャヘッド52のフェース面55の方を向く。管状スペーサ54の第1の端部57は、介在するギャップスペースなしでプランジャヘッド52に隣接するように構成される。反対側の第2の端部58では、管状スペーサ54の中央開口部56は、ニードル16の下部にある細長いベース20を受け入れるサイズになっている。
【0030】
管状スペーサ54は、胴体40の管状チャンバ41内に配置される。最初、管状スペーサ54の第2の端部58は、胴体40の第1の開口端部42と面一である。管状スペーサ54の拡大されたベース64は、胴体40内にシールを作成する。注射材料15の体積が胴体40に追加され、注射材料15はプランジャヘッド52と管状スペーサ54との間に配置される。プランジャヘッド52が胴体40内で進められる場合、注入材料15の唯一の出口は、管状スペーサ54の中央開口部56を通るものである。管状スペーサ54の中央開口部56および胴体40の第1の開口端部42をシールするシールカバー67が提供される。したがって、使用前に、注射材料62および管状スペーサ54の両方が胴体40内にシールされることが理解されるだろう。
【0031】
図4および図5と併せて図6を参照すると、予め充填された注射器アセンブリ12にニードルヘッドアセンブリ14が取り付けられる場合、ニードル16の第2の端部19および/またはニードル16の細長いベース20は、予め充填された注射器アセンブリ12のシールカバー67を突き通す。これは、ニードルヘッドアセンブリ14のカラー34が胴体40のネジ付きネック47に取り付けられるときに発生する。シールカバー67が突き通されると、ニードル16の細長いベース20が管状スペーサ54の中央開口部56に入り込む。細長いベース20は締まりばめで管状スペーサ54に入り込み、そこで細長いベース20と管状スペーサ54との間に流体不浸透性のシールを作成する。その結果、注射材料15の唯一の出口は、管状スペーサ54の中央開口部56を通るものと、ニードル16を通るものとになる。
【0032】
ニードルおよび注射器のシステム10を利用するために、実施する医療注射に適したニードルヘッドアセンブリ14および注射器アセンブリ12が選択されることが理解されるであろう。ニードルヘッドアセンブリ14は、予め充填された注射器アセンブリ12に手作業で取り付けられる。注射材料15の正確な量が、予め充填された注射器アセンブリ12に含まれる。
【0033】
使用前に、ニードル16の尖った第1の端部18が露出される。ニードル16の第1の端部18は、患者の皮膚を通って注射するために使用される。シースチューブ30の細かさのために、シースチューブ30はまた、通常、ニードル16によって作られた開口部を通って皮膚に入り込む。プランジャヘッド52をニードルヘッドアセンブリ14に向けて前進させることにより、注射材料62は注射される。図5および図6に順番に示されているように、ニードル16および細長いベース20は、注射前、注射中、および注射後に静止したままである。細長いベース20は、管状スペーサ54の中央開口部56に部分的に延びる。このようにして、ニードル16を流れる注射材料15は、管状スペーサ54を自由に流れることができる。
【0034】
プランジャ50が胴体40内を進むと、注射材料15はニードル16を通って胴体40から移動する。プランジャヘッド52は最初に管状スペーサ54に接触するため、プランジャヘッド52と管状スペーサ54との間にギャップスペースは無い。注射化合物62を含む唯一の領域は、ニードル16の内部と、ニードル16の細長いベース20によって占められていない管状スペーサ54の中央開口部56とに存在する。しかし、この時点では、プランジャ50は胴体40内でまだ完全に押されていない。
【0035】
図6を参照すると、プランジャ50が前進するにつれて、注射材料の圧力が管状スペーサ54をニードルヘッドアセンブリ14内へ押し込み始めることが分かる。注射プロセスの終わりに向かって、プランジャヘッド52は管状スペーサ54に接触して管状スペーサ54を直接押す。この時点で、管状スペーサ54内にオープンスペースはほとんど無い。注射材料15が残ることができる唯一の場所は、ニードル16自体の中である。このエリアは非常に狭い。その結果、注射材料15の無駄はほとんどなく、予め充填された注射器アセンブリ12に含まれる注射材料15のほぼすべての体積が注射処置中に放出される。
【0036】
管状スペーサ54がプランジャヘッド52によって胴体40から前進されると、管状スペーサ54は安全スライド22の脚26を押し付ける。その結果、安全スライド22が押され、取り囲むカラー34内を前進する。安全スライド22が前進すると、シースチューブ30はニードル16を越えて前進し、シースチューブ30は最終的にニードル16の尖った第1の端部18を越えて延びる。安全スライド22の動きは、注射処置中に発生する。シースチューブ30は、通常、注射が完了する前にニードル16の先端を通過する。このように、ニードル16が皮膚から引っ込められるとき、ニードル16はすでにシースチューブ30によって覆われる。これにより、ニードル16が安全になる。
【0037】
安全スライド22が静止したカラー34内を前進すると、安全スライド22の脚26上のロック突起38がカラー34の内部の内部隆起35を通過し、内部隆起35と係合する。これにより、ニードルヘッドアセンブリ14がリセットされて再利用されることが防止される。また、安全スライド22がカラー34内を進むと、安全スライド22の外側にある視覚的インジケータ65(図3)が見えるようになる。視覚的インジケータ65は、安全スライド22がカラー34と連動してロックすると、見えるようになる。視覚的インジケータ65によって、医療従事者は、ニードルおよび注射器のシステム10が使用されたこと、およびシステム10が安全な構成にロックされ、廃棄の準備ができていることを確認することができる。
【0038】
上記を考慮すると、次のことが理解されるであろう。使用前に、安全スライド22は引っ込められ、ニードル16は、それが使用できるシースチューブ30を越えて延びる。使用中、安全スライド22はニードル16に沿ってシースチューブ30を進め、ニードル16をカバーする。使用後、安全スライド22は完全に延び、シースチューブ30はすべてのニードル16をカバーし、ニードル16を安全する。
【0039】
図1から図6の実施の形態では、ニードルおよび予め充填された注射器システム10は、細いネジ付きネック47を持つ注射器胴体40に適用される。これは、ガラス製注射器胴体では一般的である。しかし、プラスチック製の注射器胴体では、胴体の両端の直径が一定であることがよくある。図7を参照して、一定の直径の胴体72を有する予め充填された注射器アセンブリ70が示される。リング突起74は開口端部76から少し離れた胴体72に形成される。エラストマシール78は胴体72に配置され、エラストマシール78はリング突起74の上に置かれる。エラストマシール78はピールアウェイカバー79で保護される。
【0040】
前述したものと同じニードルヘッドアセンブリ80が提供される。しかしながら、この実施の形態では、管状スペーサ82は、予め充填された注射器アセンブリ70ではなく、ニードルヘッドアセンブリ80内に配置される。ニードルヘッドアセンブリ80が予め充填された注射器アセンブリ70に取り付けられる場合、ニードルヘッドアセンブリ80は予め充填された注射器アセンブリ70のエラストマシール78を突き通す。プランジャ84が移動すると、エラストマシール78が管状スペーサ82に対して移動し、2つのコンポーネントは単一の要素として機能する。次に、管状スペーサ82は、第1の実施の形態に関して前述されたのと同じ方法で、ニードルヘッドアセンブリ80に具体化された安全機能をアクティブにする。
【0041】
図示および説明される本発明の実施の形態は単なる例示であり、当業者はそれらの実施の形態に多くの変形を加えることができることが理解されよう。そのようなすべての実施の形態は、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に含まれることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7