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特許7432099被験者候補抽出方法および被験者候補抽出システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-07
(45)【発行日】2024-02-16
(54)【発明の名称】被験者候補抽出方法および被験者候補抽出システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/20 20180101AFI20240208BHJP
【FI】
G16H10/20
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021180339
(22)【出願日】2021-11-04
(62)【分割の表示】P 2018098405の分割
【原出願日】2018-05-23
(65)【公開番号】P2022010023
(43)【公開日】2022-01-14
【審査請求日】2021-12-02
(73)【特許権者】
【識別番号】501153625
【氏名又は名称】シミックヘルスケア・インスティテュート株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】500470264
【氏名又は名称】シミックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(72)【発明者】
【氏名】片岡 慶正
(72)【発明者】
【氏名】山中 理
(72)【発明者】
【氏名】三嶽 秋久
(72)【発明者】
【氏名】北村 和正
(72)【発明者】
【氏名】久保 藍子
【審査官】梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】特許第6974256(JP,B2)
【文献】特開2014-194595(JP,A)
【文献】特開2008-047157(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子カルテ情報が登録されている複数の患者の中から治験計画書に適合した被験者候補を抽出する被験者候補抽出システムで実行される被験者候補抽出方法であって、
前記被験者候補抽出方法は、
前記電子カルテ情報が登録されているデータベースから、前記電子カルテ情報に基づいて作成された抽出用形式の入力データを取得するステップと、
前記治験計画書において定められている基準情報が入力されるステップと、
前記入力データに対して前記基準情報を用いた抽出処理を実行することによって、前記複数の患者の中から前記治験計画書に適合した被験者候補を抽出するステップと、
前記抽出処理の結果をリスト形式の出力データとして出力するステップと、
を含み、
前記抽出処理で用いられる前記基準情報には、
前記抽出処理を行う抽出時点より以前の第1所定期間において当該患者が所定の第1条件に該当したか否かを基準とする第1タイプの基準情報と、
前記抽出処理を行う抽出時点より以前の第2所定期間において取得された前記患者の数値が所定の第2数値範囲内であったか否かを基準とする第2タイプの基準情報と、
前記抽出処理を行う抽出時点において当該患者が所定の第3条件に該当するか否かを基準とする第3タイプの基準情報と、
前記抽出処理を行う抽出時点において取得される当該患者の数値が所定の第4数値範囲内であるか否かを基準とする第4タイプの基準情報と、
が含まれ、
前記出力するステップでは、前記リスト形式の出力データの項目として、
前記抽出時点より以前の第1所定期間において前記第1タイプの基準情報によって定められる前記所定の第1条件に前記患者が該当した場合には、当該患者が該当したことを示す表示を出力し、
前記抽出時点より以前の第2所定期間において取得された前記患者の数値が前記第2タイプの基準情報によって定められる前記所定の第2数値範囲内であった場合には、当該患者の数値を出力し、
前記抽出時点において前記第3タイプの基準情報によって定められる前記所定の第3条件に前記患者が該当する場合には、当該患者が該当することを示す表示を出力し、
前記抽出時点において取得される前記患者の数値が前記第4タイプの基準情報によって定められる前記所定の第4数値範囲内である場合には、当該患者の数値を出力する、
ことを特徴とする被験者候補抽出方法。
【請求項2】
前記基準情報には、選択基準が含まれており、
前記抽出処理では、前記複数の患者の中から前記選択基準に適合した被験者候補が選択される、請求項1に記載の被験者候補抽出方法。
【請求項3】
前記基準情報には、除外基準が含まれており、
前記抽出処理では、前記複数の患者の中から前記除外基準に適合した被験者候補が除外される、請求項1または請求項2に記載の被験者候補抽出方法。
【請求項4】
電子カルテ情報が登録されている複数の患者の中から治験計画書に適合した被験者候補を抽出する被験者候補抽出システムであって、
前記被験者候補抽出システムは、
前記電子カルテ情報が登録されているデータベースから、前記電子カルテ情報に基づいて作成された抽出用形式の入力データを取得する入力データ取得部と、
前記治験計画書において定められている基準情報が入力される基準情報入力部と、
前記入力データに対して前記基準情報を用いた抽出処理を実行することによって、前記複数の患者の中から前記治験計画書に適合した被験者候補を抽出する抽出処理部と、
前記抽出処理の結果をリスト形式の出力データとして出力する出力部と、
を備え、
前記抽出処理で用いられる前記基準情報には、
前記抽出処理を行う抽出時点より以前の第1所定期間において当該患者が所定の第1条件に該当したか否かを基準とする第1タイプの基準情報と、
前記抽出処理を行う抽出時点より以前の第2所定期間において取得された前記患者の数値が所定の第2数値範囲内であったか否かを基準とする第2タイプの基準情報と、
前記抽出処理を行う抽出時点において当該患者が所定の第3条件に該当するか否かを基準とする第3タイプの基準情報と、
前記抽出処理を行う抽出時点において取得される当該患者の数値が所定の第4数値範囲内であるか否かを基準とする第4タイプの基準情報と、
が含まれ、
前記出力部は、前記リスト形式の出力データの項目として、
前記抽出時点より以前の第1所定期間において前記第1タイプの基準情報によって定められる前記所定の第1条件に前記患者が該当した場合には、当該患者が該当したことを示す表示を出力し、
前記抽出時点より以前の第2所定期間において取得された前記患者の数値が前記第2タイプの基準情報によって定められる前記所定の第2数値範囲内であった場合には、当該患者の数値を出力し、
前記抽出時点において前記第3タイプの基準情報によって定められる前記所定の第3条件に前記患者が該当する場合には、当該患者が該当することを示す表示を出力し、
前記抽出時点において取得される前記患者の数値が前記第4タイプの基準情報によって定められる前記所定の第4数値範囲内である場合には、当該患者の数値を出力する、
ことを特徴とする被験者候補抽出システム。
【請求項5】
前記基準情報には、選択基準が含まれており、
前記抽出処理では、前記複数の患者の中から前記選択基準に適合した被験者候補が選択される、請求項4に記載の被験者候補抽出システム。
【請求項6】
前記基準情報には、除外基準が含まれており、
前記抽出処理では、前記複数の患者の中から前記除外基準に適合した被験者候補が除外される、請求項4または請求項5に記載の被験者候補抽出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の患者の中から治験計画書に適合した被験者候補を抽出する被験者候補抽出方法および被験者候補抽出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、製薬会社が治験を行う場合、製薬会社の治験計画書(プロトコル)に適合した被験者候補を探す作業は医療機関で行われていた。しかし、治験計画書に適合した被験者候補を短時間かつ高精度で抽出することのできるシステムは、これまで存在しなかった。
【0003】
従来、インターネット上のWebサイトに、病院などの診療報酬請求システムから患者情報を抽出してデータベースとして登録し、治験薬が登場する前に患者の希望に応じて医療機関から登録するシステムが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-337864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のシステムにおいても、治験計画書に適合した被験者候補を短時間かつ高精度で抽出することはできなかった。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、治験計画書に適合した被験者候補を短時間かつ高精度で抽出することのできる被験者候補抽出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の被験者候補抽出方法は、電子カルテ情報が登録されている複数の患者の中から治験計画書に適合した被験者候補を抽出する被験者候補抽出システムで実行される被験者候補抽出方法であって、前記被験者候補抽出方法は、前記電子カルテ情報が登録されているデータベースから、前記電子カルテ情報に基づいて作成された抽出用形式の入力データを取得するステップと、前記治験計画書において定められている基準情報が入力されるステップと、前記入力データに対して前記基準情報を用いた抽出処理を実行することによって、前記複数の患者の中から前記治験計画書に適合した被験者候補を抽出するステップと、前記抽出処理の結果をリスト形式の出力データとして出力するステップと、を含んでいる。
【0008】
これにより、複数の患者の中から治験計画書に適合した被験者候補を容易に抽出することができる。この場合、被験者候補の母集団となる患者の数がきわめて多数であっても、短時間かつ高精度で被験者候補を抽出することができる。
【0009】
また、本発明の被験者候補抽出方法では、前記基準情報に、選択基準が含まれており、前記抽出処理では、前記複数の患者の中から前記選択基準に適合した被験者候補が選択されてもよい。
【0010】
これにより、治験計画書で定められている選択基準に沿って、複数の患者の中から選択
すべき患者(選択基準を満たす患者)を、被験者候補として適切に選択することができる。
【0011】
また、本発明の被験者候補抽出方法では、前記基準情報に、除外基準が含まれており、前記抽出処理では、前記複数の患者の中から前記除外基準に適合した被験者候補が除外されてもよい。
【0012】
これにより、治験計画書で定められている除外基準に沿って、複数の患者の中から除外すべき患者(除外基準を満たす患者)を、被験者候補から適切に除外することができる。
【0013】
本発明の被験者候補抽出システムは、電子カルテ情報が登録されている複数の患者の中から治験計画書に適合した被験者候補を抽出する被験者候補抽出システムであって、前記電子カルテ情報が登録されているデータベースから、前記電子カルテ情報に基づいて作成された抽出用形式の入力データを取得する入力データ取得部と、前記治験計画書において定められている基準情報が入力される基準情報入力部と、前記入力データに対して前記基準情報を用いた抽出処理を実行することによって、前記複数の患者の中から前記治験計画書に適合した被験者候補を抽出する抽出処理部と、前記抽出処理の結果をリスト形式の出力データとして出力する出力部と、を備えている。
【0014】
このシステムによっても、上記の方法と同様、複数の患者の中から治験計画書に適合した被験者候補を容易に抽出することができる。この場合、被験者候補の母集団となる患者の数がきわめて多数であっても、短時間かつ高精度で被験者候補を抽出することができる。
【0015】
また、本発明の被験者候補抽出システムでは、前記基準情報に、選択基準が含まれており、前記抽出処理では、前記複数の患者の中から前記選択基準に適合した被験者候補が選択されてもよい。
【0016】
これにより、治験計画書で定められている選択基準に沿って、複数の患者の中から選択すべき患者(選択基準を満たす患者)を、被験者候補として適切に選択することができる。
【0017】
また、本発明の被験者候補抽出システムでは、前記基準情報に、除外基準が含まれており、前記抽出処理では、前記複数の患者の中から前記除外基準に適合した被験者候補が除外されてもよい。
【0018】
これにより、治験計画書で定められている除外基準に沿って、複数の患者の中から除外すべき患者(除外基準を満たす患者)を、被験者候補から適切に除外することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、治験計画書に適合した被験者候補を短時間かつ高精度で抽出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施の形態における被験者候補抽出システムのブロック図である。
図2】本発明の実施の形態における被験者候補の抽出処理の例1を示す図である。
図3】本発明の実施の形態における被験者候補の抽出処理の例2を示す図である。
図4】本発明の実施の形態における被験者候補の抽出処理の例3を示す図である。
図5】本発明の実施の形態における被験者候補の抽出処理の例4を示す図である。
図6】本発明の実施の形態におけるリスト形式の出力データの例を示す図である。
図7】本発明の実施の形態における被験者候補抽出システムの動作を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態の被験者候補抽出方法について、図面を用いて説明する。本実施の形態では、被験者候補抽出システムに用いられる被験者候補抽出方法の場合を例示する。
【0022】
本発明の実施の形態の被験者候補抽出システムの構成を、図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態の被験者候補抽出システムを示すブロック図である。図1に示すように、被験者候補抽出システム1には、医療情報システム2のデータベース3が接続されている。データベース3には、多数の患者の電子カルテ情報が登録されている。また、このデータベース3は、電子カルテ情報に基づいて抽出用形式(例えばCSV形式)の入力データを作成・出力する機能を備えている。
【0023】
被験者候補抽出システム1は、入力データ取得部4と、基準情報入力部5と、抽出処理部6と、出力部7を備えている。入力データ取得部4は、医療情報システム2のデータベース3から、電子カルテ情報に基づいて作成された抽出用形式の入力データを取得する機能を備えている。
【0024】
基準情報入力部5は、製薬会社の治験計画書(プロトコル)で定められている基準情報が入力されるユーザインターフェースである。治験計画書で定められている基準情報は、ユーザ(医療機関の担当者など)によって入力される。基準情報には、選択基準と除外基準が含まれている。
【0025】
抽出処理部6は、入力データに対して基準情報を用いた抽出処理を実行することによって、複数の患者の中から治験計画書に適合した被験者候補を抽出する。具体的には、複数の患者の中から選択基準に適合した被験者候補が選択し、除外基準に適合した被験者候補を除外する。
【0026】
図2図5には、抽出処理の例が示される。図2は、糖尿病患者を対象とする治験の例である。図2の例では、条件1「糖尿病薬DPP4を服用している」と条件2「糖尿病の病名がある」と条件3「HbA1cが8-10である」と条件4「40歳~80歳である」が選択基準であり、条件5「癌患者でない」が除外基準である。
【0027】
また、図3は、軽度アルツハイマー型認知症患者を対象とする治験の例である。図3の例では、条件1「軽度アルツハイマー型認知症である」と条件2「50~85歳である」が選択基準であり、条件3「メマリー使用患者でない」と条件4「癌患者でない」が除外基準である。
【0028】
また、図4は、多発性硬化症患者を対象とする治験の例である。図4の例では、条件1「多発性硬化症である」と条件2「16歳~75歳である」が選択基準であり、条件3「癌患者でない」が除外基準である。
【0029】
また、図5は、腎機能障害のあるアピキサバンで治療中の心房細動患者を対象とする治験の例である。図5の例では、条件1「心房細動患者である」と条件2「75歳以上である」と条件3「アピキサバン処方患者である」と条件4「Cre:1.0以上、または、eGFR:50以下である」が選択基準であり、条件5「癌患者でない」が除外基準である。
【0030】
出力部7は、抽出処理の結果をリスト形式の出力データとして出力する。図6は、糖尿病患者を対象とする治験(図2の例)の場合における抽出結果の出力データの一例を示す図である。図6に示すように、抽出結果の出力データには、「患者コード」、「2型糖尿病患者」、「生存」、「糖尿病薬DPP4服用」、「HbA1cが8-10」、「40~80歳」、「癌患者でない」などの項目が含まれている。もちろん、抽出結果の出力データには、上記以外の項目が含まれてもよい。
【0031】
「患者コード」は、患者を識別するための識別コードである。患者コードを用いることにより、患者を特定することができるとともに、患者の個人情報の保護を図ることができる。「2型糖尿病患者」は、抽出時点において2型糖尿病患者であるか否かを示すデータである。図6の例では、抽出時点において2型糖尿病患者であれば「○」が記入されている。「生存」は、抽出時点において患者が生存しているか否かを示すデータである。図6の例では、抽出時点において外来予約がある場合に「○」が記入されている。
【0032】
「糖尿病薬DPP4服用」は、所定期間(図6の例では、2018年2月1日~5月1日)において糖尿病薬DPP4を服用しているか否かを示すデータである。図6の例では、当該期間において糖尿病薬DPP4を服用していれば「○」が記入されている。「HbA1cが8-10」は、所定期間(図6の例では、2017年12月1日~2018年5月1日)においてHbA1cが8-10であるか否かを示すデータである。図6の例では、当該期間におけるHbA1cの数値が記入されている。
【0033】
「40~80歳」は、抽出時点において40~80歳であるか否かを示すデータである。図6の例では、抽出時点における患者の年齢が記入されている。「癌患者でない」は、抽出時点において患者が癌患者であるか否かを示すデータである。図6の例では、抽出時点において癌患者でない場合に「○」が記入されている。
【0034】
以上のように構成された被験者候補抽出システム1について、図7のフロー図を参照してその動作を説明する。
【0035】
本実施の形態の被験者候補抽出システム1を用いて、電子カルテ情報が登録されている複数の患者の中から治験計画書に適合した被験者候補を抽出する場合には、まず、医療情報システム2のデータベース3から、電子カルテ情報に基づいて作成された抽出用形式の入力データを取得する(S1)。そして、治験計画書で定められている基準情報(選択基準と除外基準)が入力されると(S2)、入力データに対して基準情報を用いた抽出処理が実行される(S3)。
【0036】
その結果、複数の患者の中から治験計画書に適合した被験者候補が抽出される。例えば、図2の条件(選択基準と除外基準)を用いた抽出処理により、糖尿病患者を対象とする治験計画書に適合した被験者候補(例えば、全糖尿病患者の中から73名の被験者候補)が抽出される。
【0037】
また、例えば、図3の条件(選択基準と除外基準)を用いた抽出処理により、軽度アルツハイマー型認知症患者を対象とする治験計画書に適合した被験者候補(例えば、全アルツハイマー病患者の中から63名の被験者候補)が抽出される。
【0038】
また、例えば、図4の条件(選択基準と除外基準)を用いた抽出処理により、多発性硬化症患者を対象とする治験計画書に適合した被験者候補(例えば、全多発性硬化症患者の中から23名の被験者候補)が抽出される。
【0039】
また、例えば、図5の条件(選択基準と除外基準)を用いた抽出処理により、腎機能障
害のあるアピキサバンで治療中の心房細動患者を対象とする治験計画書に適合した被験者候補(例えば、全心房細動患者の中から32名の被験者候補)が抽出される。
【0040】
そして、抽出処理の結果がリスト形式の出力データ(図7参照)として出力される(S4)。このようにして、電子カルテ情報が登録されている複数の患者の中から治験計画書に適合した被験者候補を抽出することができる。
【0041】
本実施の形態の被験者候補抽出システム1によれば、複数の患者の中から治験計画書に適合した被験者候補を容易に抽出することができる。この場合、被験者候補の母集団となる患者の数がきわめて多数であっても、短時間かつ高精度で被験者候補を抽出することができる。
【0042】
本実施の形態では、治験計画書で定められている選択基準に沿って、複数の患者の中から選択すべき患者(選択基準を満たす患者)を、被験者候補として適切に選択することができる。
【0043】
また、本実施の形態では、治験計画書で定められている除外基準に沿って、複数の患者の中から除外すべき患者(除外基準を満たす患者)を、被験者候補から適切に除外することができる。
【0044】
以上、本発明の実施の形態を例示により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0045】
以上のように、本発明にかかる被験者候補抽出方法は、治験計画書に適合した被験者候補を短時間かつ高精度で抽出することができるという効果を有し、被験者候補抽出システムに用いられ、有用である。
【符号の説明】
【0046】
1 被験者候補抽出システム
2 医療情報システム
3 データベース
4 入力データ取得部
5 基準情報入力部
6 抽出処理部
7 出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7