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特許7432215ロバスト制御に基づく風力発電ユニットの空力アンバランス負荷制御方法
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  • 特許-ロバスト制御に基づく風力発電ユニットの空力アンバランス負荷制御方法 図1
  • 特許-ロバスト制御に基づく風力発電ユニットの空力アンバランス負荷制御方法 図2
  • 特許-ロバスト制御に基づく風力発電ユニットの空力アンバランス負荷制御方法 図3
  • 特許-ロバスト制御に基づく風力発電ユニットの空力アンバランス負荷制御方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-07
(45)【発行日】2024-02-16
(54)【発明の名称】ロバスト制御に基づく風力発電ユニットの空力アンバランス負荷制御方法
(51)【国際特許分類】
   F03D 7/04 20060101AFI20240208BHJP
【FI】
F03D7/04 E
【請求項の数】 8
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022182971
(22)【出願日】2022-11-15
(65)【公開番号】P2023073241
(43)【公開日】2023-05-25
【審査請求日】2022-12-02
(31)【優先権主張番号】202111349003.2
(32)【優先日】2021-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522385946
【氏名又は名称】北京華能新鋭控制技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Huaneng Xinrui Control Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】Tower B, Shiyan Building, Huaneng Talents & Enterpreneurship Base, South Zone, Future Science Park, Beiqijia Town, Changping District, Beijing City, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】王爽
(72)【発明者】
【氏名】楊政厚
(72)【発明者】
【氏名】周峰
(72)【発明者】
【氏名】韓健
(72)【発明者】
【氏名】張▲チィ▼
(72)【発明者】
【氏名】岳紅軒
(72)【発明者】
【氏名】陳卓
(72)【発明者】
【氏名】陳兆聖
(72)【発明者】
【氏名】陳志文
【審査官】落合 弘之
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-025455(JP,A)
【文献】特開2020-067023(JP,A)
【文献】特開平11-164578(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0252786(US,A1)
【文献】Shize TANG et al.,“Individual pitch controller characteristics analysis and optimization under aerodynamic imbalanced loads of wind turbines”,Energy Reports,2021年11月,Vol. 7,p.6489-6500,DOI: 10.1016/j.egyr.2021.09.114
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03D 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロバスト制御に基づく風力発電ユニットの空力アンバランス負荷制御方法であって、
前記方法は、
機関室の主軸負荷の測定量を取得するステップ、
前記機関室の座標変換を用いて、前記機関室の主軸負荷の測定量を、ロバストの独立可変ピッチ制御器モデルの有効入力に変換するステップ、
前記風力発電ユニットの空力アンバランスの積摂動モデルを確立するステップ、
前記ロバストの独立可変ピッチ制御器モデルを計算するステップ、及び
機関室の座標逆変換を使用して、風力発電ユニット制御システムの入力ピッチ角を得るステップを含み、
前記機関室の座標変換を用いて、前記機関室の主軸負荷の測定量を、ロバストの独立可変ピッチ制御器モデルの有効入力に変換するステップは、
前記機関室の主軸負荷の測定量が前記機関室の主軸y方向の曲げモーメントMyとz方向の曲げモーメントMzとを含み、
【請求項2】
【請求項3】
【請求項4】
【請求項5】
【請求項6】
【請求項7】
【請求項8】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、風力発電技術分野に属し、特にロバスト制御に基づく風力発電ユニットの空力アンバランス負荷制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
風力発電ユニットは、製造の精度及び取り付けレベルの制約を受け、ブレードの初期取り付け角度と質量の分布が不均一になり、各ブレード間のアンバランスやタワー上部の負荷波動が大きくなり、各ブレードの振り回し負荷に明らかな差が現れ、これは、風力発電ユニットの性能を低下するだけでなく、ユニットの疲労負荷を増大し発電コストを増加させる。
【0003】
従来の風力発電ユニットの独立可変ピッチの設計は、3枚のブレードが対称を完成することが前提であり、特性が全く同じであるためインペラ負荷のアンバランスを解消することが困難であった。
【0004】
上記問題点に鑑み、合理的に設計され且つ上記問題を効果的に解決する、ロバスト制御に基づく風力発電ユニットの空力アンバランス負荷制御方法を提案することが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、先行技術に存在する技術的課題の少なくとも1つを解決し、ロバスト制御に基づく風力発電ユニットの空力アンバランス負荷制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ロバスト制御に基づく風力発電ユニットの空力アンバランス負荷制御方法を提供する。前記方法は、
測定待ち機関室の主軸負荷の測定量を取得するステップ、
機関室の座標変換を用いて、前記機関室の主軸負荷の測定量を、ロバストの独立可変ピッチ制御器モデルの有効入力に変換するステップ、
前記風力発電ユニットの空力アンバランスに対する積摂動モデルを確立するステップ、
前記ロバストの独立可変ピッチ制御器モデルを計算するステップ、及び
機関室の座標逆変換を使用して、前記風力発電ユニット制御システムの入力ピッチ角を得るステップを含む。
【0007】
選択的に、機関室の座標変換を用いて、前記機関室の主軸負荷の測定量をロバストの独立可変ピッチ制御器モデルの有効入力に変換するステップは、
前記機関室の主軸負荷の測定量が前記機関室の主軸y方向の曲げモーメントMとz方向の曲げモーメントMとを含み、
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
本発明の実施形態に係る、ロバスト制御に基づく風力発電ユニットの空力アンバランス負荷制御方法で、風力発電ユニットの風車の空力アンバランス負荷を抑制する。この制御方法において、機関室の座標変換を用いて、取得した測定待ち機関室の主軸負荷の測定量を、ロバストの独立可変ピッチ制御器モデルの有効入力に変換する。羽根根元曲げモーメントの測定に基づく従来の可変ピッチ制御器とは異なり、本発明では、機関室に基づく曲げモーメント測定量を制御器のフィードバック入力として使用し、回転部品にセンサを取り付ける問題を解決し、制御キャビネット及びセンサ両方を機関室の内部に位置させることによって、センサを配置する難易度を低減すると共に、センサの数を減らし、センサの故障リスクを軽減し、測定の信頼性を向上させる。コールマン座標変換を改善する方法を採用した従来の空力アンバランス負荷制御方法とは異なり、提案される制御ポリシーは、依然としてコールマン変換に基づいて行われ、1つの制御器のみを使用して空力アンバランス制御を完成する。本発明は、従来の複数の単一入力単一出力のPI独立可変ピッチ制御器とは異なり、多入力多出力と強いロバスト性のロバストの独立可変ピッチ制御ポリシーを採用して、従来の制御器における不完全なデカップリングとシステムの非線形問題を解決する。この制御方法を採用すると、ブレードの取り付け工程のレベル制約による風力発電ユニットの空力アンバランス負荷を抑制することができ、風力発電ユニットの疲労負荷増加による発電コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施例に係るロバスト制御に基づく風力発電ユニットの空力アンバランス負荷制御方法の流れを示す模式図である。
図2】本発明の他の実施例における羽根車アンバランスに対する改良型ロバストの独立可変ピッチ制御ポリシーの構造を示す模式図である。
図3】本発明他の実施例における風力発電ユニットの不確定性モデル構造を示す模式図である。
図4】本発明の他の実施例におけるロバストの独立可変ピッチ制御器の制御構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
当業者が本発明の技術的解決策をより良く理解できるように、以下、添付図面及び具体的な実施形態を組合せて本発明を更に詳細に説明する。
【0020】
図1に示すように、本発明は、ロバスト制御に基づいて風力発電ユニットの空力アンバランス負荷制御方法S100を提供し、前記監視方法S100は、以下のステップを含む。
ステップS110:測定待ち機関室の主軸負荷の測定量を取得する。
【0021】
具体的に、本実施形態では、測定待ち機関室の主軸負荷の測定量が、測定待ち機関室の主軸y方向の曲げモーメントMyとz方向の曲げモーメントMzである。
【0022】
ステップS120:機関室の座標変換を用いて、前記機関室の主軸負荷測定量を、ロバストの独立可変ピッチ制御器モデルの有効入力に変換する。
【0023】
【0024】
この座標系によって形成されたロバストの独立可変ピッチ制御器モデルは、回転変数の測定に依頼せず、そのフィードバック入力は機関室の主軸に基づいて、センサ配置の難易度を下げ、同時にセンサ数を3個から2個に減らし、センサの故障リスクを軽減し、測定の信頼性を高める。
【0025】
ステップS130:前記風力発電ユニットの空力アンバランスの積摂動モデルを確立する。
【0026】
【0027】
【0028】
線形化された後の状態空間モデルに基づいて、式(2)により適切な摂動範囲を選択して公称モデル及び重み係数を計算して取得し、ユニットの空力アンバランスの積摂動モデルを確立する。
【0029】
図3に示すように、風車のアンバランス負荷を考慮するシステムモデルは、決定モデル及び不決定モデルの組み合わせとして表すことができる。そして、積摂動モデルに基づいて、2自由度のロバストの独立可変ピッチ制御器を設計する。ロバストの独立可変ピッチ制御器は、曲げモーメント及び基準曲げモーメントを測定して入力とし、ピッチ角を出力とし、ロバストの独立可変ピッチ制御器モデルの制御構造を図4のように示す。図4に示すように、Gは広義のモデルであり、モデルと、モデル及びロバストの独立可変ピッチ制御器モデルとの間の相互接続構造を含む。相互接続構造は、さらなるループ形成を促進するための重み付け機能を含む。
【0030】
ステップS140:前記ロバストの独立可変ピッチ制御器モデルを計算する。
【0031】
独立可変ピッチ制御器モデルが所望の閉ループ動的性能を有するように、制御器モデルKの解を求める前に重み関数W、W及び基準モデルMを設計する必要がある。
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
重み関数WとWも伝達関数であり、異なる周波数領域内の成分重みが異なる。重み関数Wは、可変ピッチアクチュエータの動作量を制限することを目的として、ロバストの独立パドル制御器の出力をペナルティする。同時に、可変ピッチアクチュエータの速度限界に達するような高周波の制御動作は避ける必要がある。したがって、Wを選択する場合、アクチュエータ帯域幅を超える周波数には高い利得があり、アクチュエータ帯域幅以下の周波数には低い利得があることを保証する必要がある。重み関数Wは制御出力誤差に対して重み付けを行い、特定の周波数において、高利得はこの周波数での感度を低下させることによって、干渉除去能力を改善する高制御器ゲインを発生する。
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
基準モデルMは、基準信号と出力信号を接続させ、ロバストの独立可変ピッチ制御器の性能とロバストの安定性を向上させる。風力発電ユニットの応答特性と可変ピッチシステムの調整能力を総合的に考慮し、安定したモデルMを設計することにより、望ましい閉ループシステムの動的応答を実現する。
【0042】
基準モデルで同じ伝達関数の係数Tとξは、2つのチャンネルに近い動特性を持たせるように選ばれ、ロバストの独立可変ピッチ制御器モデルKは、混合感度問題をD-K反復アルゴリズムで解を求めることによって計算することができる。
【0043】
ステップS150:機関室の座標逆変換を用いて、前記風力発電ユニット制御システムの入力ピッチ角を得る。
【0044】
【0045】
コールマン座標変換を改善する方法を採用した従来の空力アンバランス負荷制御方法とは異なり、提案される制御ポリシーは、依然としてコールマン変換に基づいて行われ、1つの制御器のみを使用して空力アンバランス制御を完了する。
【0046】
以上の実施形態は、本発明の原理を説明するために採用された例示的な実施形態に過ぎず、本発明はこれらに限定されないことが理解できる。当業者にとっては、本発明の精神と本質を逸脱することなく、様々な変形及び改善を行うことができ、これらの変形及び改善も本発明の保護範囲とみなされる。
図1
図2
図3
図4