(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-07
(45)【発行日】2024-02-16
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理プログラムおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/14 20120101AFI20240208BHJP
G01C 21/26 20060101ALI20240208BHJP
G06Q 50/40 20240101ALI20240208BHJP
【FI】
G06Q50/14
G01C21/26 P
G06Q50/30
(21)【出願番号】P 2019178348
(22)【出願日】2019-09-30
【審査請求日】2022-08-22
(73)【特許権者】
【識別番号】500168811
【氏名又は名称】株式会社ナビタイムジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】森 雄大
【審査官】毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-310433(JP,A)
【文献】特開2019-046256(JP,A)
【文献】特開2018-100890(JP,A)
【文献】特開2013-088913(JP,A)
【文献】特開2013-122652(JP,A)
【文献】特開2005-242599(JP,A)
【文献】特開2005-231513(JP,A)
【文献】特開2002-358545(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G01C 21/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが入力する経路探索条件を取得する探索条件取得手段と、
前記経路探索条件に基づいて経路を探索する経路探索手段と、
前記ユーザが保有するフリーパスの情報を取得するフリーパス情報取得手段と、
前記フリーパスの情報に基づいて、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に応じた態様で前記経路の情報を出力する出力制御手段と、を備え、
前記判定手段は、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有していると判定した場合には、前記ユーザが保有する当該フリーパスが当該移動手段を利用する日時に有効な状態であるか否かを判定し、
前記経路探索手段は、前記判定手段により有効な状態ではないと判定された場合には、当該移動手段を利用する日時が、前記ユーザが保有する当該フリーパスの有効期間内に入るように変更された経路を再探索し、
前記出力制御手段は、再探索された経路の情報を出力する、情報処理システム。
【請求項2】
ユーザが入力する旅行プランニング条件を取得する旅行プランニング条件取得手段と、
前記旅行プランニング条件に基づいてスポット間の経路を探索する経路探索手段と、
前記ユーザが保有するフリーパスの情報を取得するフリーパス情報取得手段と、
前記フリーパスの情報に基づいて、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に応じた態様で前記経路の情報を出力する出力制御手段と、を備え、
前記判定手段は、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有していると判定した場合には、前記ユーザが保有する当該フリーパスが当該移動手段を利用する日時に有効な状態であるか否かを判定し、
前記経路探索手段は、前記判定手段により有効な状態ではないと判定された場合には、当該移動手段を利用する日時が、前記ユーザが保有する当該フリーパスの有効期間内に入るように変更された経路を再探索し、
前記出力制御手段は、再探索された経路の情報を出力する、情報処理システム。
【請求項3】
ユーザが入力する経路探索条件を取得する探索条件取得手段と、
前記経路探索条件に基づいて経路を探索する経路探索手段と、
前記ユーザが保有するフリーパスの情報を取得するフリーパス情報取得手段と、
前記フリーパスの情報に基づいて、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に応じた態様で前記経路の情報を出力する出力制御手段と、を備え、
前記フリーパスは、有効期間内において、第1の移動手段を利用距離、利用時間/利用時間帯、利用回数および利用料金のいずれも制限なく無料で利用できるとともに、第2の移動手段を予め定められた利用距離、利用時間/利用時間帯、利用回数または利用料金までは無料で利用できる利用制限付きフリーパスであり、
前記判定手段は、前記経路で利用する前記第2の移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有しているか否かを判定するとともに、前記経路で利用する前記第2の移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有していると判定した場合には、前記経路で前記第2の移動手段を利用することが、前記フリーパスに付された前記第2の移動手段についての利用制限内に収まるか否かを判定し、
前記経路探索手段は、前記判定手段により前記第2の移動手段の利用制限を超過すると判定された場合には、前記経路探索条件に基づいて、前記第2の移動手段を利用しない経路を再探索し、
前記出力制御手段は、再探索された経路の情報を出力する、情報処理システム。
【請求項4】
ユーザが入力する旅行プランニング条件を取得する旅行プランニング条件取得手段と、
前記旅行プランニング条件に基づいてスポット間の経路を探索する経路探索手段と、
前記ユーザが保有するフリーパスの情報を取得するフリーパス情報取得手段と、
前記フリーパスの情報に基づいて、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に応じた態様で前記経路の情報を出力する出力制御手段と、を備え、
前記フリーパスは、有効期間内において、第1の移動手段を利用距離、利用時間/利用時間帯、利用回数および利用料金のいずれも制限なく無料で利用できるとともに、第2の移動手段を予め定められた利用距離、利用時間/利用時間帯、利用回数または利用料金までは無料で利用できる利用制限付きフリーパスであり、
前記判定手段は、前記経路で利用する前記第2の移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有しているか否かを判定するとともに、前記経路で利用する前記第2の移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有していると判定した場合には、前記経路で前記第2の移動手段を利用することが、前記フリーパスに付された前記第2の移動手段についての利用制限内に収まるか否かを判定し、
前記経路探索手段は、前記判定手段により前記第2の移動手段の利用制限を超過すると判定された場合には、前記
旅行プランニング条件に基づいて、前記第2の移動手段を利用しない経路を再探索し、
前記出力制御手段は、再探索された経路の情報を出力する、情報処理システム。
【請求項5】
ユーザが入力する経路探索条件を取得する探索条件取得手段と、
前記経路探索条件に基づいて経路を探索する経路探索手段と、
前記ユーザが保有するフリーパスの情報を取得するフリーパス情報取得手段と、
前記フリーパスの情報に基づいて、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に応じた態様で前記経路の情報を出力する出力制御手段と、
ユーザが移動手段についての利用料金の決済を行うときに、当該ユーザの過去の
利用料金の決済履歴を取得し、当該決済履歴に基づいて、現時点から遡って当該移動手段に適用可能なフリーパスの有効期間と同じ時間内での当該移動手段に支払った利用料金の累計が当該フリーパスの購入代金以上か否かを判定し、当該フリーパスの購入代金以上であると判定した場合には、当該時間内において当該移動手段について最初に利用料金を決済したときに当該フリーパスを購入したのと同じ状態となるように、前記ユーザが保有するフリーパスの情報を変更するフリーパス情報変更手段と、を備える、情報処理システム。
【請求項6】
ユーザが入力する旅行プランニング条件を取得する旅行プランニング条件取得手段と、
前記旅行プランニング条件に基づいてスポット間の経路を探索する経路探索手段と、
前記ユーザが保有するフリーパスの情報を取得するフリーパス情報取得手段と、
前記フリーパスの情報に基づいて、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に応じた態様で前記経路の情報を出力する出力制御手段と、
ユーザが移動手段についての利用料金の決済を行うときに、当該ユーザの過去の
利用料金の決済履歴を取得し、当該決済履歴に基づいて、現時点から遡って当該移動手段に適用可能なフリーパスの有効期間と同じ時間内での当該移動手段に支払った利用料金の累計が当該フリーパスの購入代金以上か否かを判定し、当該フリーパスの購入代金以上であると判定した場合には、当該時間内において当該移動手段について最初に利用料金を決済したときに当該フリーパスを購入したのと同じ状態となるように、前記ユーザが保有するフリーパスの情報を変更するフリーパス情報変更手段と、を備える、情報処理システム。
【請求項7】
ユーザが入力する経路探索条件を取得する探索条件取得手段と、
前記経路探索条件に基づいて経路を探索する経路探索手段と、
前記ユーザが保有するフリーパスの情報を取得するフリーパス情報取得手段と、
前記フリーパスの情報に基づいて、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に応じた態様で前記経路の情報を出力する出力制御手段と、を備え、
前記出力制御手段は、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有していないと前記判定手段により判定された場合には、当該ユーザの過去の利用料金の決済履歴を取得し、当該決済履歴に基づいて、当該経路での当該移動手段を利用する日時から遡って当該移動手段に適用可能なフリーパスの有効期間と同じ時間内での当該移動手段に支払うことになる利用料金の累計が当該フリーパスの購入代金以上か否かを判定し、当該フリーパスの購入代金以上であると判定した場合には、当該時間内において当該移動手段について最初に利用料金を決済したときから適用される当該フリーパスの購入を提案する提案情報を、前記経路の情報とともに出力する、情報処理システム。
【請求項8】
ユーザが入力する旅行プランニング条件を取得する旅行プランニング条件取得手段と、
前記旅行プランニング条件に基づいてスポット間の経路を探索する経路探索手段と、
前記ユーザが保有するフリーパスの情報を取得するフリーパス情報取得手段と、
前記フリーパスの情報に基づいて、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に応じた態様で前記経路の情報を出力する出力制御手段と、を備え、
前記出力制御手段は、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有していないと前記判定手段により判定された場合には、当該ユーザの過去の利用料金の決済履歴を取得し、当該決済履歴に基づいて、当該経路での当該移動手段を利用する日時から遡って当該移動手段に適用可能なフリーパスの有効期間と同じ時間内での当該移動手段に支払うことになる利用料金の累計が当該フリーパスの購入代金以上か否かを判定し、当該フリーパスの購入代金以上であると判定した場合には、当該時間内において当該移動手段について最初に利用料金を決済したときから適用される当該フリーパスの購入を提案する提案情報を、前記経路の情報とともに出力する、情報処理システム。
【請求項9】
前記出力制御手段は、当該時間内において前記移動手段を最初に利用したときに当該フリーパスを購入したのと同じ状態となったことを通知する通知情報を出力する、請求項5または6に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記経路探索手段は、前記フリーパスの情報を考慮して前記経路を探索する、請求項1~9のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記出力制御手段は、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有していないと前記判定手段により判定された場合には、当該フリーパスの購入を提案する提案情報を、前記経路の情報とともに出力する、請求項1~10のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記出力制御手段は、前記経路で利用する移動手段にフリーパスが適用されないときの通常料金と適用されるときのフリーパス料金とを比較可能に出力する、または通常料金とフリーパス料金との差額を出力する、請求項11に記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記判定手段は、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有していると判定した場合には、前記ユーザが保有する当該フリーパスが当該移動手段を利用する日時に有効な状態であるか否かを判定し、
前記出力制御手段は、前記判定手段により有効な状態であると判定された場合には、前記経路で利用する移動手段にフリーパスが適用されることを通知する通知情報を前記経路の情報とともに出力する、請求項1~12のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項14】
前記出力制御手段は、前記経路上またはその周辺で前記フリーパスにて優待が受けられる優待スポットを検索し、当該優待スポットの情報を出力する、請求項13に記載の情報処理システム。
【請求項15】
前記判定手段は、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有していると判定した場合には、前記ユーザが保有する当該フリーパスが当該移動手段を利用する日時に有効な状態であるか否かを判定し、
前記出力制御手段は、前記判定手段により有効な状態ではないと判定された場合には、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有しているものの当該移動手段を利用する日時に有効な状態ではないことを通知する通知情報を前記経路の情報とともに出力する、請求項1~14のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項16】
前記出力制御手段は、前記ユーザが保有するフリーパスの状態を、少なくとも前記移動
手段を利用する日時には有効な状態となるように変更することを提案する提案情報を出力する、請求項15のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項17】
コンピュータに、
ユーザが入力する経路探索条件を取得するステップと、
前記経路探索条件に基づいて経路を探索するステップと、
前記ユーザが保有するフリーパスの情報を取得するステップと、
前記フリーパスの情報に基づいて、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有しているか否かを判定するステップであって、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有していると判定した場合には、前記ユーザが保有する当該フリーパスが当該移動手段を利用する日時に有効な状態であるか否かを判定する、ステップと、
前記判定するステップにおける判定結果に応じた態様で前記経路の情報を出力するステップであって、前記判定するステップにおいて有効な状態ではないと判定された場合には、当該移動手段を利用する日時が、前記ユーザが保有する当該フリーパスの有効期間内に入るように変更された経路を再探索し、再探索された経路の情報を出力する、ステップと、を実行させる、情報処理プログラム。
【請求項18】
コンピュータに、
ユーザが入力する旅行プランニング条件を取得するステップと、
前記旅行プランニング条件に基づいてスポット間の経路を探索するステップと、
前記ユーザが保有するフリーパスの情報を取得するステップと、
前記フリーパスの情報に基づいて、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有しているか否かを判定するステップであって、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有していると判定した場合には、前記ユーザが保有する当該フリーパスが当該移動手段を利用する日時に有効な状態であるか否かを判定する、ステップと、
前記判定するステップにおける判定結果に応じた態様で前記経路の情報を出力するステップであって、前記判定するステップにおいて有効な状態ではないと判定された場合には、当該移動手段を利用する日時が、前記ユーザが保有する当該フリーパスの有効期間内に入るように変更された経路を再探索し、再探索された経路の情報を出力する、ステップと、を実行させる、情報処理プログラム。
【請求項19】
コンピュータに、
ユーザが入力する経路探索条件を取得するステップと、
前記経路探索条件に基づいて経路を探索するステップと、
前記ユーザが保有するフリーパスの情報を取得するステップであって、前記フリーパスは、有効期間内において、第1の移動手段を利用距離、利用時間/利用時間帯、利用回数および利用料金のいずれも制限なく無料で利用できるとともに、第2の移動手段を予め定められた利用距離、利用時間/利用時間帯、利用回数または利用料金までは無料で利用できる利用制限付きフリーパスである、ステップと、
前記フリーパスの情報に基づいて、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有しているか否かを判定するステップであって、前記経路で利用する前記第2の移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有しているか否かを判定するとともに、前記経路で利用する前記第2の移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有していると判定した場合には、前記経路で前記第2の移動手段を利用することが、前記フリーパスに付された前記第2の移動手段についての利用制限内に収まるか否かを判定する、ステップと、
前記判定するステップにおける判定結果に応じた態様で前記経路の情報を出力するステップであって、前記判定するステップにおいて前記第2の移動手段の利用制限を超過すると判定された場合には、前記経路探索条件に基づいて、前記第2の移動手段を利用しない経路を再探索し、再探索された経路の情報を出力する、ステップと、を実行させる、情報処理プログラム。
【請求項20】
コンピュータに、
ユーザが入力する旅行プランニング条件を取得するステップと、
前記旅行プランニング条件に基づいてスポット間の経路を探索するステップと、
前記ユーザが保有するフリーパスの情報を取得するステップであって、前記フリーパスは、有効期間内において、第1の移動手段を利用距離、利用時間/利用時間帯、利用回数および利用料金のいずれも制限なく無料で利用できるとともに、第2の移動手段を予め定められた利用距離、利用時間/利用時間帯、利用回数または利用料金までは無料で利用できる利用制限付きフリーパスである、ステップと、
前記フリーパスの情報に基づいて、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有しているか否かを判定するステップであって、前記経路で利用する前記第2の移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有しているか否かを判定するとともに、前記経路で利用する前記第2の移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有していると判定した場合には、前記経路で前記第2の移動手段を利用することが、前記フリーパスに付された前記第2の移動手段についての利用制限内に収まるか否かを判定する、ステップと、
前記判定するステップにおける判定結果に応じた態様で前記経路の情報を出力するステップであって、前記判定するステップにおいて前記第2の移動手段の利用制限を超過すると判定された場合には、前記
旅行プランニング条件に基づいて、前記第2の移動手段を利用しない経路を再探索し、再探索された経路の情報を出力する、ステップと、を実行させる、情報処理プログラム。
【請求項21】
コンピュータに、
ユーザが入力する経路探索条件を取得するステップと、
前記経路探索条件に基づいて経路を探索するステップと、
前記ユーザが保有するフリーパスの情報を取得するステップと、
前記フリーパスの情報に基づいて、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有しているか否かを判定するステップと、
前記判定するステップにおける判定結果に応じた態様で前記経路の情報を出力するステップと、
ユーザが移動手段についての利用料金の決済を行うときに、当該ユーザの過去の
利用料金の決済履歴を取得し、当該決済履歴に基づいて、現時点から遡って当該移動手段に適用可能なフリーパスの有効期間と同じ時間内での当該移動手段に支払った利用料金の累計が当該フリーパスの購入代金以上か否かを判定し、当該フリーパスの購入代金以上であると判定した場合には、当該時間内において当該移動手段について最初に利用料金を決済したときに当該フリーパスを購入したのと同じ状態となるように、前記ユーザが保有するフリーパスの情報を変更するステップと、を実行させる、情報処理プログラム。
【請求項22】
コンピュータに、
ユーザが入力する旅行プランニング条件を取得するステップと、
前記旅行プランニング条件に基づいてスポット間の経路を探索するステップと、
前記ユーザが保有するフリーパスの情報を取得するステップと、
前記フリーパスの情報に基づいて、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有しているか否かを判定するステップと、
前記判定するステップにおける判定結果に応じた態様で前記経路の情報を出力するステップと、
ユーザが移動手段についての利用料金の決済を行うときに、当該利ユーザの過去の
利用料金の決済履歴を取得し、当該決済履歴に基づいて、現時点から遡って当該移動手段に適用可能なフリーパスの有効期間と同じ時間内での当該移動手段に支払った利用料金の累計が当該フリーパスの購入代金以上か否かを判定し、当該フリーパスの購入代金以上であると判定した場合には、当該時間内において当該移動手段について最初に利用料金を決済したときに当該フリーパスを購入したのと同じ状態となるように、前記ユーザが保有するフリーパスの情報を変更するステップと、を実行させる、情報処理プログラム。
【請求項23】
コンピュータに、
ユーザが入力する経路探索条件を取得するステップと、
前記経路探索条件に基づいて経路を探索するステップと、
前記ユーザが保有するフリーパスの情報を取得するステップと、
前記フリーパスの情報に基づいて、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有しているか否かを判定するステップと、
前記判定するステップにおける判定結果に応じた態様で前記経路の情報を出力するステップであって、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有していないと前記判定するステップにおいて判定された場合には、当該ユーザの過去の利用料金の決済履歴を取得し、当該決済履歴に基づいて、当該経路での当該移動手段を利用する日時から遡って当該移動手段に適用可能なフリーパスの有効期間と同じ時間内での当該移動手段に支払うことになる利用料金の累計が当該フリーパスの購入代金以上か否かを判定し、当該フリーパスの購入代金以上であると判定した場合には、当該時間内において当該移動手段について最初に利用料金を決済したときから適用される当該フリーパスの購入を提案する提案情報を、前記経路の情報とともに出力する、ステップと、を実行させる、情報処理プログラム。
【請求項24】
コンピュータに、
ユーザが入力する旅行プランニング条件を取得するステップと、
前記旅行プランニング条件に基づいてスポット間の経路を探索するステップと、
前記ユーザが保有するフリーパスの情報を取得するステップと、
前記フリーパスの情報に基づいて、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有しているか否かを判定するステップと、
前記判定するステップにおける判定結果に応じた態様で前記経路の情報を出力するステップであって、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有していないと前記判定するステップにおいて判定された場合には、当該ユーザの過去の利用料金の決済履歴を取得し、当該決済履歴に基づいて、当該経路での当該移動手段を利用する日時から遡って当該移動手段に適用可能なフリーパスの有効期間と同じ時間内での当該移動手段に支払うことになる利用料金の累計が当該フリーパスの購入代金以上か否かを判定し、当該フリーパスの購入代金以上であると判定した場合には、当該時間内において当該移動手段について最初に利用料金を決済したときから適用される当該フリーパスの購入を提案する提案情報を、前記経路の情報とともに出力する、ステップと、を実行させる、情報処理プログラム。
【請求項25】
通信可能に接続された複数のコンピュータによって構成される情報処理システムであって、
ユーザが入力する経路探索条件を取得する探索条件取得手段と、
前記経路探索条件に基づいて経路を探索する経路探索手段と、
前記ユーザが保有するフリーパスの情報を取得するフリーパス情報取得手段と、
前記フリーパスの情報に基づいて、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に応じた態様で前記経路の情報を出力する出力制御手段と、を備え、
前記判定手段は、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有していると判定した場合には、前記ユーザが保有する当該フリーパスが当該移動手段を利用する日時に有効な状態であるか否かを判定し、
前記経路探索手段は、前記判定手段により有効な状態ではないと判定された場合には、当該移動手段を利用する日時が、前記ユーザが保有する当該フリーパスの有効期間内に入るように変更された経路を再探索し、
前記出力制御手段は、再探索された経路の情報を出力する、情報処理システムを機能させるために、
上記コンピュータの少なくとも1つを、上記手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項26】
通信可能に接続された複数のコンピュータによって構成される情報処理システムであって、
ユーザが入力する旅行プランニング条件を取得する旅行プランニング条件取得手段と、
前記旅行プランニング条件に基づいてスポット間の経路を探索する経路探索手段と、
前記ユーザが保有するフリーパスの情報を取得するフリーパス情報取得手段と、
前記フリーパスの情報に基づいて、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に応じた態様で前記経路の情報を出力する出力制御手段と、を備え、
前記判定手段は、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有していると判定した場合には、前記ユーザが保有する当該フリーパスが当該移動手段を利用する日時に有効な状態であるか否かを判定し、
前記経路探索手段は、前記判定手段により有効な状態ではないと判定された場合には、当該移動手段を利用する日時が、前記ユーザが保有する当該フリーパスの有効期間内に入るように変更された経路を再探索し、
前記出力制御手段は、再探索された経路の情報を出力する、情報処理システムを機能させるために、
上記コンピュータの少なくとも1つを、上記手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項27】
通信可能に接続された複数のコンピュータによって構成される情報処理システムであって、
ユーザが入力する経路探索条件を取得する探索条件取得手段と、
前記経路探索条件に基づいて経路を探索する経路探索手段と、
前記ユーザが保有するフリーパスの情報を取得するフリーパス情報取得手段と、
前記フリーパスの情報に基づいて、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に応じた態様で前記経路の情報を出力する出力制御手段と、を備え、
前記フリーパスは、有効期間内において、第1の移動手段を利用距離、利用時間/利用時間帯、利用回数および利用料金のいずれも制限なく無料で利用できるとともに、第2の移動手段を予め定められた利用距離、利用時間/利用時間帯、利用回数または利用料金までは無料で利用できる利用制限付きフリーパスであり、
前記判定手段は、前記経路で利用する前記第2の移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有しているか否かを判定するとともに、前記経路で利用する前記第2の移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有していると判定した場合には、前記経路で前記第2の移動手段を利用することが、前記フリーパスに付された前記第2の移動手段についての利用制限内に収まるか否かを判定し、
前記経路探索手段は、前記判定手段により前記第2の移動手段の利用制限を超過すると判定された場合には、前記経路探索条件に基づいて、前記第2の移動手段を利用しない経路を再探索し、
前記出力制御手段は、再探索された経路の情報を出力する、情報処理システムを機能させるために、
上記コンピュータの少なくとも1つを、上記手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項28】
通信可能に接続された複数のコンピュータによって構成される情報処理システムであって、
ユーザが入力する旅行プランニング条件を取得する旅行プランニング条件取得手段と、
前記旅行プランニング条件に基づいてスポット間の経路を探索する経路探索手段と、
前記ユーザが保有するフリーパスの情報を取得するフリーパス情報取得手段と、
前記フリーパスの情報に基づいて、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に応じた態様で前記経路の情報を出力する出力制御手段と、を備え、
前記フリーパスは、有効期間内において、第1の移動手段を利用距離、利用時間/利用時間帯、利用回数および利用料金のいずれも制限なく無料で利用できるとともに、第2の移動手段を予め定められた利用距離、利用時間/利用時間帯、利用回数または利用料金までは無料で利用できる利用制限付きフリーパスであり、
前記判定手段は、前記経路で利用する前記第2の移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有しているか否かを判定するとともに、前記経路で利用する前記第2の移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有していると判定した場合には、前記経路で前記第2の移動手段を利用することが、前記フリーパスに付された前記第2の移動手段についての利用制限内に収まるか否かを判定し、
前記経路探索手段は、前記判定手段により前記第2の移動手段の利用制限を超過すると判定された場合には、前記
旅行プランニング条件に基づいて、前記第2の移動手段を利用しない経路を再探索し、
前記出力制御手段は、再探索された経路の情報を出力する、情報処理システムを機能させるために、
上記コンピュータの少なくとも1つを、上記手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項29】
通信可能に接続された複数のコンピュータによって構成される情報処理システムであって、
ユーザが入力する経路探索条件を取得する探索条件取得手段と、
前記経路探索条件に基づいて経路を探索する経路探索手段と、
前記ユーザが保有するフリーパスの情報を取得するフリーパス情報取得手段と、
前記フリーパスの情報に基づいて、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に応じた態様で前記経路の情報を出力する出力制御手段と、
ユーザが移動手段についての利用料金の決済を行うときに、当該ユーザの過去の
利用料金の決済履歴を取得し、当該決済履歴に基づいて、現時点から遡って当該移動手段に適用可能なフリーパスの有効期間と同じ時間内での当該移動手段に支払った利用料金の累計が当該フリーパスの購入代金以上か否かを判定し、当該フリーパスの購入代金以上であると判定した場合には、当該時間内において当該移動手段について最初に利用料金を決済したときに当該フリーパスを購入したのと同じ状態となるように、前記ユーザが保有するフリーパスの情報を変更するフリーパス情報変更手段と、を備える情報処理システムを機能させるために、
上記コンピュータの少なくとも1つを、上記手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項30】
通信可能に接続された複数のコンピュータによって構成される情報処理システムであって、
ユーザが入力する旅行プランニング条件を取得する旅行プランニング条件取得手段と、
前記旅行プランニング条件に基づいてスポット間の経路を探索する経路探索手段と、
前記ユーザが保有するフリーパスの情報を取得するフリーパス情報取得手段と、
前記フリーパスの情報に基づいて、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に応じた態様で前記経路の情報を出力する出力制御手段と、
ユーザが移動手段についての利用料金の決済を行うときに、当該ユーザの過去の
利用料金の決済履歴を取得し、当該決済履歴に基づいて、現時点から遡って当該移動手段に適用可能なフリーパスの有効期間と同じ時間内での当該移動手段に支払った利用料金の累計が当該フリーパスの購入代金以上か否かを判定し、当該フリーパスの購入代金以上であると判定した場合には、当該時間内において当該移動手段について最初に利用料金を決済したときに当該フリーパスを購入したのと同じ状態となるように、前記ユーザが保有するフリーパスの情報を変更するフリーパス情報変更手段と、を備える情報処理システムを機能させるために、
上記コンピュータの少なくとも1つを、上記手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項31】
通信可能に接続された複数のコンピュータによって構成される情報処理システムであって、
ユーザが入力する経路探索条件を取得する探索条件取得手段と、
前記経路探索条件に基づいて経路を探索する経路探索手段と、
前記ユーザが保有するフリーパスの情報を取得するフリーパス情報取得手段と、
前記フリーパスの情報に基づいて、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に応じた態様で前記経路の情報を出力する出力制御手段と、を備え、
前記出力制御手段は、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有していないと前記判定手段により判定された場合には、当該ユーザの過去の利用料金の決済履歴を取得し、当該決済履歴に基づいて、当該経路での当該移動手段を利用する日時から遡って当該移動手段に適用可能なフリーパスの有効期間と同じ時間内での当該移動手段に支払うことになる利用料金の累計が当該フリーパスの購入代金以上か否かを判定し、当該フリーパスの購入代金以上であると判定した場合には、当該時間内において当該移動手段について最初に利用料金を決済したときから適用される当該フリーパスの購入を提案する提案情報を、前記経路の情報とともに出力する、情報処理システムを機能させるために、
上記コンピュータの少なくとも1つを、上記手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項32】
通信可能に接続された複数のコンピュータによって構成される情報処理システムであって、
ユーザが入力する旅行プランニング条件を取得する旅行プランニング条件取得手段と、
前記旅行プランニング条件に基づいてスポット間の経路を探索する経路探索手段と、
前記ユーザが保有するフリーパスの情報を取得するフリーパス情報取得手段と、
前記フリーパスの情報に基づいて、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に応じた態様で前記経路の情報を出力する出力制御手段と、を備え、
前記出力制御手段は、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有していないと前記判定手段により判定された場合には、当該ユーザの過去の利用料金の決済履歴を取得し、当該決済履歴に基づいて、当該経路での当該移動手段を利用する日時から遡って当該移動手段に適用可能なフリーパスの有効期間と同じ時間内での当該移動手段に支払うことになる利用料金の累計が当該フリーパスの購入代金以上か否かを判定し、当該フリーパスの購入代金以上であると判定した場合には、当該時間内において当該移動手段について最初に利用料金を決済したときから適用される当該フリーパスの購入を提案する提案情報を、前記経路の情報とともに出力する、情報処理システムを機能させるために、
上記コンピュータの少なくとも1つを、上記手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項33】
通信可能に接続された複数のコンピュータによって、請求項1~16のいずれかに記載の情報処理システムを機能させるために、
上記コンピュータのうちの少なくとも1つを、請求項1~16のいずれかに記載の情報処理システムにおける各手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項34】
コンピュータを、請求項1~16のいずれかに記載の情報処理システムにおける各手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項35】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
ユーザが入力する経路探索条件を取得するステップと、
前記経路探索条件に基づいて経路を探索するステップと、
前記ユーザが保有するフリーパスの情報を取得するステップと、
前記フリーパスの情報に基づいて、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有しているか否かを判定するステップであって、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有していると判定した場合には、前記ユーザが保有する当該フリーパスが当該移動手段を利用する日時に有効な状態であるか否かを判定する、ステップと、
前記判定するステップにおける判定結果に応じた態様で前記経路の情報を出力するステップであって、前記判定するステップにおいて有効な状態ではないと判定された場合には、当該移動手段を利用する日時が、前記ユーザが保有する当該フリーパスの有効期間内に入るように変更された経路を再探索し、再探索された経路の情報を出力する、ステップと、を含む、情報処理方法。
【請求項36】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
ユーザが入力する旅行プランニング条件を取得するステップと、
前記旅行プランニング条件に基づいてスポット間の経路を探索するステップと、
前記ユーザが保有するフリーパスの情報を取得するステップと、
前記フリーパスの情報に基づいて、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有しているか否かを判定するステップであって、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有していると判定した場合には、前記ユーザが保有する当該フリーパスが当該移動手段を利用する日時に有効な状態であるか否かを判定する、ステップと、
前記判定するステップにおける判定結果に応じた態様で前記経路の情報を出力するステップであって、前記判定するステップにおいて有効な状態ではないと判定された場合には、当該移動手段を利用する日時が、前記ユーザが保有する当該フリーパスの有効期間内に入るように変更された経路を再探索し、再探索された経路の情報を出力する、ステップと、を含む、情報処理方法。
【請求項37】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
ユーザが入力する経路探索条件を取得するステップと、
前記経路探索条件に基づいて経路を探索するステップと、
前記ユーザが保有するフリーパスの情報を取得するステップであって、前記フリーパスは、有効期間内において、第1の移動手段を利用距離、利用時間/利用時間帯、利用回数および利用料金のいずれも制限なく無料で利用できるとともに、第2の移動手段を予め定められた利用距離、利用時間/利用時間帯、利用回数または利用料金までは無料で利用できる利用制限付きフリーパスである、ステップと、
前記フリーパスの情報に基づいて、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有しているか否かを判定するステップであって、前記経路で利用する前記第2の移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有しているか否かを判定するとともに、前記経路で利用する前記第2の移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有していると判定した場合には、前記経路で前記第2の移動手段を利用することが、前記フリーパスに付された前記第2の移動手段についての利用制限内に収まるか否かを判定する、ステップと、
前記判定するステップにおける判定結果に応じた態様で前記経路の情報を出力するステップであって、前記判定するステップにおいて前記第2の移動手段の利用制限を超過すると判定された場合には、前記経路探索条件に基づいて、前記第2の移動手段を利用しない経路を再探索し、再探索された経路の情報を出力する、ステップと、を含む、情報処理方法。
【請求項38】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
ユーザが入力する旅行プランニング条件を取得するステップと、
前記旅行プランニング条件に基づいてスポット間の経路を探索するステップと、
前記ユーザが保有するフリーパスの情報を取得するステップであって、前記フリーパスは、有効期間内において、第1の移動手段を利用距離、利用時間/利用時間帯、利用回数および利用料金のいずれも制限なく無料で利用できるとともに、第2の移動手段を予め定められた利用距離、利用時間/利用時間帯、利用回数または利用料金までは無料で利用できる利用制限付きフリーパスである、ステップと、
前記フリーパスの情報に基づいて、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有しているか否かを判定するステップであって、前記経路で利用する前記第2の移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有しているか否かを判定するとともに、前記経路で利用する前記第2の移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有していると判定した場合には、前記経路で前記第2の移動手段を利用することが、前記フリーパスに付された前記第2の移動手段についての利用制限内に収まるか否かを判定する、ステップと、
前記判定するステップにおける判定結果に応じた態様で前記経路の情報を出力するステップであって、前記判定するステップにおいて前記第2の移動手段の利用制限を超過すると判定された場合には、前記
旅行プランニング条件に基づいて、前記第2の移動手段を利用しない経路を再探索し、再探索された経路の情報を出力する、ステップと、を含む、情報処理方法。
【請求項39】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
ユーザが入力する経路探索条件を取得するステップと、
前記経路探索条件に基づいて経路を探索するステップと、
前記ユーザが保有するフリーパスの情報を取得するステップと、
前記フリーパスの情報に基づいて、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有しているか否かを判定するステップと、
前記判定するステップにおける判定結果に応じた態様で前記経路の情報を出力するステップと、
ユーザが移動手段についての利用料金の決済を行うときに、当該ユーザの過去の
利用料金の決済履歴を取得し、当該決済履歴に基づいて、現時点から遡って当該移動手段に適用可能なフリーパスの有効期間と同じ時間内での当該移動手段に支払った利用料金の累計が当該フリーパスの購入代金以上か否かを判定し、当該フリーパスの購入代金以上であると判定した場合には、当該時間内において当該移動手段について最初に利用料金を決済したときに当該フリーパスを購入したのと同じ状態となるように、前記ユーザが保有するフリーパスの情報を変更するステップと、を含む、情報処理方法。
【請求項40】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
ユーザが入力する旅行プランニング条件を取得するステップと、
前記旅行プランニング条件に基づいてスポット間の経路を探索するステップと、
前記ユーザが保有するフリーパスの情報を取得するステップと、
前記フリーパスの情報に基づいて、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有しているか否かを判定するステップと、
前記判定するステップにおける判定結果に応じた態様で前記経路の情報を出力するステップと、
ユーザが移動手段についての利用料金の決済を行うときに、当該ユーザの過去の
利用料金の決済履歴を取得し、当該決済履歴に基づいて、現時点から遡って当該移動手段に適用可能なフリーパスの有効期間と同じ時間内での当該移動手段に支払った利用料金の累計が当該フリーパスの購入代金以上か否かを判定し、当該フリーパスの購入代金以上であると判定した場合には、当該時間内において当該移動手段について最初に利用料金を決済したときに当該フリーパスを購入したのと同じ状態となるように、前記ユーザが保有するフリーパスの情報を変更するステップと、を含む、情報処理方法。
【請求項41】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
ユーザが入力する経路探索条件を取得するステップと、
前記経路探索条件に基づいて経路を探索するステップと、
前記ユーザが保有するフリーパスの情報を取得するステップと、
前記フリーパスの情報に基づいて、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有しているか否かを判定するステップと、
前記判定するステップにおける判定結果に応じた態様で前記経路の情報を出力するステップであって、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有していないと前記判定するステップにおいて判定された場合には、当該ユーザの過去の利用料金の決済履歴を取得し、当該決済履歴に基づいて、当該経路での当該移動手段を利用する日時から遡って当該移動手段に適用可能なフリーパスの有効期間と同じ時間内での当該移動手段に支払うことになる利用料金の累計が当該フリーパスの購入代金以上か否かを判定し、当該フリーパスの購入代金以上であると判定した場合には、当該時間内において当該移動手段について最初に利用料金を決済したときから適用される当該フリーパスの購入を提案する提案情報を、前記経路の情報とともに出力する、ステップと、を含む、情報処理方法。
【請求項42】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
ユーザが入力する旅行プランニング条件を取得するステップと、
前記旅行プランニング条件に基づいてスポット間の経路を探索するステップと、
前記ユーザが保有するフリーパスの情報を取得するステップと、
前記フリーパスの情報に基づいて、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有しているか否かを判定するステップと、
前記判定するステップにおける判定結果に応じた態様で前記経路の情報を出力するステップであって、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有していないと前記判定するステップにおいて判定された場合には、当該ユーザの過去の利用料金の決済履歴を取得し、当該決済履歴に基づいて、当該経路での当該移動手段を利用する日時から遡って当該移動手段に適用可能なフリーパスの有効期間と同じ時間内での当該移動手段に支払うことになる利用料金の累計が当該フリーパスの購入代金以上か否かを判定し、当該フリーパスの購入代金以上であると判定した場合には、当該時間内において当該移動手段について最初に利用料金を決済したときから適用される当該フリーパスの購入を提案する提案情報を、前記経路の情報とともに出力する、ステップと、を含む、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理プログラムおよび情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、MaaS(Mobility as a Service)が世界中で注目を集めている。MaaSは新しい概念であるためその定義には企業や国によって多少のばらつきがあるものの、国土交通省の資料では、「ICTを活用して交通をクラウド化し、公共交通か否か、またその運営主体にかかわらず、マイカー以外のすべての交通手段によるモビリティ(移動)を1つのサービスとしてとらえ、シームレスにつなぐ新たな『移動』の概念である」とされている(国土交通省 国土交通政策研究所 機関誌PRI Review 69号(2018年夏季) パースペクティブ)。MaaSの実現により、たとえば、ユーザは、複数の交通手段やルートを横断的に検索し、利用し、運賃などの決済を行うことを、スマートフォンのアプリなどを用いて一元的にできるようになると見込まれている。
【0003】
特許文献1では、切符の販売を行う自動券売機において、ユーザが入力する乗車駅および降車駅の情報に基づいて経路を検索するとともに、ユーザが入力する乗車駅、降車駅、日時に関する情報に基づいて企画切符を検索して選択可能に表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本件発明者らは、MaaSを高いレベルで実現させるため鋭意検討を重ね、ユーザが保有するフリーパスの情報を考慮して、最適経路案内を行うことの重要性を見出した。
【0006】
従来、フリーパスの購入およびその有効状態の管理と、最適経路案内システムとが、それぞれ独立しており、前者を考慮したうえでの後者の実現ができていなかった。たとえば、特許文献1の技術では、ユーザが保有するフリーパスの情報については全く考慮されることがなかった。そのため、ユーザが既にフリーパスを保有しているにも関わらず、それと重複する企画切符を選択可能に表示して、ユーザに余計な(無駄な)出費を生じさせる可能性があった。また、フリーパスを保有していることを考慮したうえでの最適経路案内を行うこと(たとえばフリーパス適用後の料金でソートした経路案内)はできなかった。
【0007】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたものである。本発明の目的は、ユーザが保有するフリーパスの情報を考慮したうえでの経路案内を実現できる情報処理システム、情報処理プログラムおよび情報処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る情報処理システムは、
ユーザが入力する経路探索条件を取得する探索条件取得手段と、
前記経路探索条件に基づいて経路を探索する経路探索手段と、
前記ユーザが保有するフリーパスの情報を取得するフリーパス情報取得手段と、
前記フリーパスの情報に基づいて、前記経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを前記ユーザが保有しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に応じた態様で前記経路の情報を出力する出力制御手段と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザが保有するフリーパスの情報を考慮したうえでの最適経路案内を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る情報処理システムの概略的な構成を示す図である。
【
図2】
図2は、フリーパス情報データベースの一例を示すテーブルである。
【
図3】
図3は、利用制限つきフリーパスの一例を説明するための図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係る情報処理システムの動作の第1の態様を示すフローチャートである。
【
図5A】
図5Aは、第1の実施形態に係る情報処理システムにより表示される画面の一例を示す図である。
【
図5B】
図5Bは、第1の実施形態に係る情報処理システムにより表示される画面の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態に係る情報処理システムにより表示される画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、第1の実施形態に係る情報処理システムにより表示される画面の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、第1の実施形態に係る情報処理システムの動作の第2の態様を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、第1の実施形態に係る情報処理システムの動作の第2の態様を説明するための図である。
【
図10】
図10は、第1の実施形態に係る情報処理システムの動作の第3の態様を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、第1の実施形態に係る情報処理システムの動作の第3の態様を説明するための図である。
【
図12】
図12は、変更後のフリーパス情報データベースの一例を示すテーブルである。
【
図13】
図13は、第1の実施形態に係る情報処理システムの動作の第4の態様を示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、第1の実施形態に係る情報処理システムの動作の第4の態様を説明するための図である。
【
図15】
図15は、第2の実施形態に係る情報処理システムの概略的な構成を示す図である。
【
図16】
図16は、第2の実施形態に係る情報処理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図17】
図17は、第2の実施形態に係る情報処理システムにより表示される画面の一例を示す図である。
【
図18】
図18は、第2の実施形態に係る情報処理システムにより表示される画面の一例を示す図である。
【
図19】
図19は、第2の実施形態に係る情報処理システムにより表示される画面の一例を示す図である。
【
図20】
図20は、第2の実施形態に係る情報処理システムにおける第2の後払いの処理の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、各図において同等の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、同一符号の構成要素の詳しい説明は繰り返さない。
【0012】
以下に説明する実施の形態において、「フリーパス」とは、所定の有効期間内において、所定の事業者により運営される所定の移動手段を、所定の有効地域または区間内では、利用距離、利用時間/利用時間帯、利用回数および利用料金のいずれも制限なく無料で利用できるパス(利用許可証)のことを言う。有効期間、事業者、移動手段、有効地域または区間のうちの少なくとも1つが異なるフリーパスであれば、ユーザは複数のフリーパスを同時に保有してもよい。ユーザが保有するフリーパスは、当該ユーザが購入したものであってもよいし、他のユーザが購入したのち当該ユーザに名義変更されたものであってもよい。ユーザが移動手段の利用時にフリーパスを保有していることを事業者に対して証明するために、当該フリーパスの情報は、たとえば電車やバスの乗車券(切符)などのように紙媒体に印刷されたり磁気で記録されてもよいし、ICカードやスマートフォン、ウェアラブル端末などの端末装置2内のメモリに電子的に記録されてもよい。また、フリーパスは、有効期間が数時間~数日の主に観光で利用されるフリーパスであってもよいし、有効期間が1か月~数か月の主に通勤・通学で利用されるフリーパスであってもよい。
【0013】
また、「フリーパス」は、
図3を参照し、所定の有効期間内において、第1の移動手段(たとえば電車やバスなどの公共交通機関やオンデマンドモビリティなど)を、所定の有効地域または区間内では、利用距離、利用時間/利用時間帯、利用回数および利用料金のいずれも制限なく無料で利用できることに加えて、第1の移動手段とは異なる第2の移動手段(たとえばタクシーやシェアリング、レンタルなどの公共交通機関以外の移動手段、または新幹線や特急列車、グリーン車などの公共交通機関ではあるが特別料金がかかるものなど)を、予め定められた利用距離、利用時間/利用時間帯、利用回数または利用料金までは無料で利用できる利用制限付きフリーパスであってもよい。ここで、「フリーパス」が複数の移動手段で構成される場合には、上記のように所定の制限下(期間や領域や事業者など)において、乗り放題(第1の移動手段)か否(第2の移動手段)かで区別できる。また、第1の移動手段と第2の移動手段とを、定期運行か不定期運行かで区別してもよい。
図3に示す例では、所定の有効期間内において、電車とバスの両方を所定の有効地域または区間内で乗り放題であるとともに、タクシーは月5000円まで無料かつ月5回まで初乗り無料であり、シェアサイクルは1回15分まで無料である利用制限つきフリーパスとなっている。なお、タクシーについては、
図3に示す例では、第2移動手段として説明されているが、タクシーの利用制限が無い場合には、第1の移動手段に含まれてもよい。
【0014】
(第1の実施形態)
図1を参照し、第1の実施形態に係る情報処理システムについて説明する。
図1は、第1の実施形態に係る情報処理システム1の概略的な構成を示す図である。なお、同図において、各機能を行う機能部は、それぞれ各機能を行う手段ということができる。
【0015】
図1に示すように、情報処理システム1は、端末装置2と、サーバ3とを備えている。端末装置2とサーバ3とは、インターネット等のネットワーク4を介して互いに通信可能に接続されている。ネットワーク4は、有線回線と無線回線のいずれでもよく、回線の種類や形態は問わない。なお、端末装置2とサーバ3の少なくとも一部は、コンピュータにより実現される。
【0016】
端末装置2は、ユーザが使用するものであり、たとえば、スマートフォンやタブレット端末、ウェアラブル端末などのモバイル端末、ノートブックコンピュータ、またはデスクトップコンピュータなどの電子機器である。
【0017】
図1に示すように、端末装置2は、端末通信部21と、端末制御部22と、端末記憶部23と、端末入力部24と、端末出力部25とを有している。各部は、バスを介して互いに通信可能に接続されている。
【0018】
端末通信部21は、端末装置2とネットワーク4との間の通信インターフェースである。端末通信部21は、ネットワーク4を介して端末装置2とサーバ3との間で情報を送受信する。
【0019】
端末制御部22は、端末装置2の各種処理を行う制御手段である。端末制御部22は、端末装置2内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現されてもよいし、ハードウェアで実装されてもよい。
【0020】
端末記憶部23は、たとえば内蔵メモリや外部メモリ(SDメモリカード等)などのデータストレージである。端末記憶部23には、端末制御部22が取り扱う各種データが記憶される。端末記憶部23は、必ずしも端末装置2内に設けられていなくてもよく、端末記憶部23の一部または全部は、ネットワーク4を介して端末装置2と通信可能に接続された別の装置内に設けられていてもよい。
【0021】
端末入力部24は、ユーザが端末装置2に情報を入力するためのインターフェースであり、たとえばモバイル端末におけるタッチパネルやマイクロフォン、ノートブックコンピュータにおけるタッチパッド、キーボードまたはマウスなどである。
【0022】
端末出力部25は、端末装置2からユーザに対して各種情報を出力するインターフェースであり、たとえば液晶ディスプレイ等の映像表示手段やスピーカ等の音声出力手段である。具体的には、たとえば、端末出力部25は、ユーザからの操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を表示してもよい。
【0023】
次に、サーバ3について説明する。
図1に示すように、サーバ3は、サーバ通信部31と、サーバ制御部32と、サーバ記憶部33とを有している。各部は、バスやネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。
【0024】
このうちサーバ通信部31は、サーバ3とネットワーク4との間の通信インターフェースである。サーバ通信部31は、ネットワーク4を介してサーバ3と端末装置2との間で情報を送受信する。
【0025】
サーバ記憶部33は、たとえばハードディスク等の固定型データストレージである。サーバ記憶部33には、サーバ制御部32が取り扱う各種データが記憶される。たとえば、サーバ記憶部33は、交通ネットワーク情報を含む経路ネットワーク情報データベース33aと、地図情報を含む地図情報データベース33bと、フリーパス情報データベース33cと、利用料金決済履歴データベース33dとを含んでいる。
【0026】
交通ネットワーク情報は、鉄道やバス等の交通網や道路網を規定する情報である。交通網の情報としては、交通機関の路線情報、時刻表情報、料金情報等を含む。道路網の情報は、例えば交差点等の道路網表現上の結節点であるノードのデータと、ノード間の道路区間であるリンクのデータとの組み合わせによって表現される。
【0027】
地図情報は、全国および各地方の道路地図などの地図データと、地図データに対応付けられた地図オブジェクト情報を含む。地図オブジェクト情報とは、地図上に表示される施設の形状についての形状情報、地図上に表示される注記についての注記情報、地図上に表示される記号についての記号情報などである。また、地図情報は公共交通機関の路線図に関する路線図情報を含んでいてもよい。
【0028】
上記の交通ネットワーク情報および地図情報は、所定のタイミングでアップデートされてもよい。交通ネットワーク情報および地図情報は、経路探索に用いられる。
【0029】
フリーパス情報データベース33cには、ユーザごとに、当該ユーザが保有するフリーパスの情報(たとえば有効期間、事業者名、移動手段名、有効地域または区間、優待が受けられる付帯情報、イベント情報やキャンペーン情報など)が、たとえばフリーパス発券サーバなどから取得されて記憶されている。ここで、優待が受けられる付帯情報とは、スポット(飲食店、公共施設、駐車場など)やアクティビティに対して割引や無料といった優待が受けられる情報であってもよい。
【0030】
図2は、フリーパス情報データベース33cの一例を示すテーブルである。
図2に示す例では、ID10001のユーザに対して、2009年9月1日~7日の期間はA社が運行するバスを○○市内にて無料で利用できるID20001のフリーパスと、2009年9月1日~3日の期間はB社が運行する電車を○○市内にて無料で利用できるID20002のフリーパスの2つのフリーパスが紐づけられて記憶されている。また、ID10002のユーザに対して、2009年9月1日10時15分~16時15分の期間はA社が運行するバスとB社が運行する電車の両方を○○市内にて無料で利用できるID20003のフリーパスが紐づけられて記憶されている。また、ID10003のユーザに対して、2009年9月1日~31日の期間はA社が運行するバスとB社が運行する電車の両方を○○市内にて無料で利用できるとともに、C社またはD社のタクシーを○○市内にて所定の利用制限内は無料で利用できるID20004のフリーパス(利用制限つきフリーパス)が紐づけられて記憶されている。
【0031】
利用料金決済履歴データベース33dには、ユーザごとに、過去に移動手段を利用した際に支払った利用料金およびその日時、移動手段名、事業者名、利用地域または区間などの情報(決済履歴)が、たとえば利用料金の決済手段を管理する管理サーバから取得されて記憶されている。ここで、利用料金の決済手段とは、たとえば、ICカードや端末装置2のNFC(Near Field Communication;近距離無線通信)を用いた決済やQRコード(登録商標)決済などでやり取りされる電子マネーであってもよいし、クレジットカードであってもよいし、現金であってもよい。利用料金決済履歴データベース33dでは、ユーザが保有するフリーパスの有効期間中に、どの移動手段でいくら利用したかの決済履歴情報(距離、時間、料金など)等が紐づけられて記憶されていてもよい。
【0032】
なお、サーバ記憶部33は、必ずしもサーバ3内に設けられていなくてもよく、サーバ記憶部33の一部または全部は、ネットワーク4を介してサーバ3と通信可能に接続された別の装置内に設けられていてもよい。
【0033】
図1に示すように、サーバ制御部32は、探索条件取得部32aと、経路探索部32bと、フリーパス情報取得部32cと、判定部32dと、出力制御部32eと、フリーパス情報変更部32fとを有している。これらの各部は、サーバ3内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現されてもよいし、ハードウェアで実装されてもよい。
【0034】
探索条件取得部32aは、ユーザが端末装置2の端末入力部24を介して入力する経路探索条件(たとえば、出発地、目的地、出発日時または到着日時など)を、当該ユーザの識別情報(ユーザID)とともに当該端末装置2から取得する。
【0035】
フリーパス条件取得部32cは、探索条件取得部32aにより取得されたユーザの識別情報に基づいて当該ユーザを特定し、当該ユーザが保有するフリーパスの情報を、たとえばフリーパス情報データベース33cを参照して取得する。ユーザの端末装置2の端末記憶部23内に当該ユーザが保有するフリーパスの情報が記憶されている場合には、フリーパス条件取得部32cは、ユーザが保有するフリーパスの情報を当該端末装置2から取得してもよい。当該ユーザが保有するフリーパスの有効期間中は、フリーパス条件取得部32cは、当該ユーザが保有するフリーパスの情報を、フリーパス情報データベース33cを参照してその都度取得したり、ユーザの端末装置2からその都度取得したりする代わりに、当該フリーパスが有効な状態であると自動的に判断して利用してもよい。
【0036】
経路探索部32bは、探索条件取得部32aにより取得された経路探索条件に基づいて、当該経路探索条件を満たすような経路の情報を、経路ネットワーク情報データベース33aと地図情報データベース33bとを参照して探索する。
【0037】
経路探索部32bは、フリーパス条件取得部32cにより取得されたフリーパスの情報を考慮して経路の情報を探索してもよい。たとえば、経路探索部32bは、ユーザが保有するフリーパスの有効地域または区間に限定して(または当該有効地域または区間の優先度を上げて)、経路探索条件を満たすような経路の情報を探索してもよい。あるいは、たとえば、経路探索部32bは、ユーザが保有するフリーパスの有効地域または区間については利用料金を無料とみなして、経路探索条件を満たすような経路の情報を探索してもよい。
【0038】
フリーパスが、有効期間内において、第1の移動手段を利用距離、利用時間/利用時間帯、利用回数および利用料金のいずれも制限なく無料で利用できるとともに、第2の移動手段を予め定められた利用距離、利用時間/利用時間帯、利用回数または利用料金までは無料で利用できる利用制限付きフリーパス(
図3参照)である場合には、経路探索部32bは、第2の移動手段の利用制限内に収まる限りでは、第2の移動手段を利用する経路を優先して探索してもよい。
【0039】
判定部32dは、フリーパス条件取得部32cにより取得されたフリーパスの情報に基づいて、経路探索部32bにより探索された経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを、ユーザが保有しているか否かを判定する。
【0040】
判定部32dは、経路探索部32bにより探索された経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスをユーザが保有していると判定した場合には、ユーザが保有する当該フリーパスが当該移動手段を利用する日時に有効な状態であるか否か(有効化されているか否か、有効化されている場合には有効期限内か否か)をさらに判定してもよい。
【0041】
出力制御部32eは、判定部32dの判定結果に応じて異なる態様で経路の情報を出力するための出力制御信号を端末装置2へと送信して端末出力部25を介して出力を行う。
【0042】
一例として、出力制御部32eは、経路探索部32bにより探索された複数の経路のリストを出力する際に、各経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスをユーザが保有していると判定部32dにより判定された場合には、当該経路で利用する移動手段にフリーパスが適用されることを通知する通知情報51a~51b(たとえばアイコン)を、当該経路の情報とともに端末出力部25を介して出力してもよい(
図5A参照)。また、出力制御部32eは、経路探索部32bにより探索された経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスをユーザが保有していないと判定部32dにより判定された場合には、当該フリーパスの購入を提案する提案情報51を、当該経路の情報とともに端末出力部25を介して出力してもよい(
図5A、
図5B参照)。探索された経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスをユーザが保有しているか否かが判定されたうえで、保有していないと判定された場合に、当該フリーパスの購入を提案する提案情報51が、当該経路の情報とともに出力されることで、ユーザが既にフリーパスを保有しているにも関わらず、それと重複するフリーパスの購入を提案してしまって、ユーザに余計な(無駄な)出費を生じさせることを防止できる。提案情報51は、経路探索部32bにより探索された経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを、ユーザが現在保有中のフリーパスと合わせて購入することを提案する情報(たとえば、「現在保有中の××パスに併せて購入すると500円安くなります」など)を含んでいてもよい。
【0043】
フリーパスの購入を提案する提案情報51を経路の情報とともに出力する場合、出力制御部32eは、当該経路で利用する移動手段にフリーパスが適用されないときの通常料金と適用されるときのフリーパス料金とを比較可能に出力してもよいし、通常料金とフリーパス料金との差額(
図5A、
図5Bに示す例では500円)を出力してもよい。これにより、ユーザはフリーパスを購入することのコスト面での利点を直観的に把握できる。また、フリーパスの購入を提案する提案情報51には、当該フリーパスの購入をその場で実行するためのリンク、または当該フリーパスの購入サイトに繋がるリンク(
図5A、
図5Bに示す例では「フリーパスを購入する」のボタン)が含まれていてもよい。これにより、ユーザはその表示画面から直ちにフリーパスを購入できるようになり便利である。
【0044】
別の一例として、出力制御部32eは、経路探索部32bにより探索された経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスをユーザが保有していないと判定部32dにより判定された場合には、
図14を参照し、当該利用手段についてのユーザの過去の利用料金の決済履歴を、利用料金決済履歴データベース33dを参照して取得し、当該決済履歴に基づいて、当該経路での当該移動手段を利用する日時から遡って当該移動手段に適用可能なフリーパスの有効期間と同じ時間内での当該移動手段に支払うことになる利用料金の累計が当該フリーパス購入代金以上か否かを判定してもよい。そして、出力制御部32eは、当該フリーパスの購入代金以上であると判定した場合には、当該時間内において当該移動手段について最初に利用料金を決済したときから適用される当該フリーパスの購入(以下「第1の後払い」ということがある)を提案する提案情報を、経路の情報とともに端末出力部25を介して出力してもよい。
【0045】
図14を参照し、6時間乗り放題のバスのフリーパスが600円で販売されている場合を例に、第1の後払いの処理について詳しく説明する。
図14に示すように、13時30分発のバスを利用する経路が経路探索部32bにより探索された場合であって、当該バスに適用可能なフリーパスをユーザが保有していないと判定部32dにより判定された場合には、出力制御部32eは、当該バスの利用料金についてのユーザの過去の決済履歴(10時00分と11時30分にも当該バスを利用するためにそれぞれ200円の利用料金を支払ったこと)を、利用料金決済履歴データベース33dを参照して取得する。そして、出力制御部32eは、経路探索部32bにより探索された経路で当該バスを利用する日時である13時30分から遡って6時間以内での当該バスに支払うことになる利用料金の累計(600円)を計算し、当該利用料金の累計が6時間乗り放題のフリーパスの購入代金(600円)以上か否かを判定する。
図14に示す例では、利用料金の累計(600円)が6時間乗り放題のフリーパスの購入代金以上であると判定されるため、出力制御部32eは、当該時間内(すなわち13時30分から遡って6時間以内)において当該バスについて最初に利用料金を決済したとき(すなわち10時00分)から適用される当該フリーパスの購入を提案する提案情報を、経路の情報とともに端末出力部25を介して出力する。
【0046】
このような第1の後払いの処理が行われることにより、ユーザは過去のある時点でフリーパスを購入したほうが結果的にお得だった場合に、過去に遡ってその時点からのフリーパスを実質的に購入できるようになるため、便利である。
【0047】
一例として、出力制御部32eは、経路探索部32bにより探索された経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスをユーザが保有していると判定部32dにより判定された場合であって、当該移動手段を利用する日時に当該フリーパスが有効な状態であると判定部32dにより判定された場合には、経路探索部32bにより探索された経路で利用する移動手段にフリーパスが適用されることを通知する通知情報52a~52cを、経路の情報とともに端末出力部25を介して出力してもよい(
図6参照)。これにより、ユーザはフリーパスを保有しているため移動手段の利用料金を支払う必要がないことに気づくことができる。
図6に示すように、出力制御部32eは、端末出力部25から出力される経路の情報の先頭に、当該経路で利用する移動手段にフリーパスが適用されることを通知する通知情報52a(以下、第1通知情報ということがある)を文字列(「フリーパス適応中」)または図形にて出力してもよいし、フリーパスが適用される区間ごとに、当該区間で利用する移動手段にフリーパスが適用されることを通知する通知情報52b、52c(以下、第2通知情報ということがある)を文字列(「FREEPASS購入中のため、この区間の運賃は0円です」)または図形にて出力してもよい。経路探索部32bにより探索された経路で利用する移動手段に適用可能な複数のフリーパスをユーザが保有していると判定部32dにより判定された場合であって、当該移動手段を利用する日時に当該複数のフリーパスが有効な状態であると判定部32dにより判定された場合には、出力制御部32eは、当該複数のフリーパスのうちどのフリーパスを適用するかをユーザに選択可能に提示してもよい。
【0048】
図示は省略するが、第1通知情報52aとして、フリーパスが適用されるときのフリーパス料金だけでなく、フリーパスが適用されないときの通常料金も比較可能に表記されてもよいし、フリーパス料金と通常料金との差額が表記されてもよい。また、第1通知情報52aとして、何のフリーパスかを示すフリーパス名称が記載されてもよい。また、
図6に示す例において、第2通知情報52b、52cは、フリーパスが適用される区間ごとに出力されたが、フリーパスが適用される区間をまとめて一つの区間にして出力されてもよい。また、第2通知情報52b、52cとして、ユーザが保有する複数のフリーパスが適用される場合は、各フリーパスの名称が表記されてもよい。また、第2通知情報52a、52cとして、第1通知情報と同様に、フリーパスが適用されるときのフリーパス料金だけでなく、フリーパスが適用されないときの通常料金も比較可能に表記されてもよいし、フリーパス料金と通常料金との差額が表記されてもよい。
【0049】
図6に示す例では、経路探索部32bにより探索された経路が「駅」で乗り換えを行う経路であったが、経路探索部32bにより探索された経路が「POI」を経由する経路である場合には、出力制御部32eは、当該POIに適用できるフリーパスの付帯情報を、経路の情報とともに出力してもよい。当該フリーパスの付帯情報として、フリーパスが適用されるときのフリーパス料金が表記されてもよいし、フリーパス料金とフリーパスが適用されないときの通常料金とが比較可能に表記されてもよいし、フリーパス料金と通常料金との差額が表記されてもよい。
【0050】
図6に示す例では、経路探索部32bにより探索された経路のすべての区間にフリーパスが適用可能であったが、当該経路の一部にフリーパス適用外区間がある場合には、出力制御部32eは、当該フリーパス適用外区間に対して、フリーパスが適用されないことを通知する通知情報を出力してもよい。あるいは、経路探索部32bにより探索された経路の一部にフリーパス適用外区間がある場合には、経路探索部32bは、当該適用外区間が適用内となるように変更された経路を再探索し、出力制御部32eは、再探索された経路の情報を出力してもよいし、元の経路(一部にフリーパス適用外区間がある経路)の情報と再探索された経路(当該適用外区間が適用内となるように変更された経路)の情報とを並べて出力してもよい。
【0051】
一例として、出力制御部32eは、経路探索部32bにより探索された経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスをユーザが保有していると判定部32dにより判定された場合であって、当該移動手段を利用する日時に当該フリーパスが有効な状態であると判定部32dにより判定された場合には、当該経路上またはその周辺で当該フリーパスにて優待が受けられる優待スポットを、経路ネットワーク情報データベース33aと地図情報データベース33bとを参照して検索し、当該優待スポットの情報53を、端末出力部25を介して出力してもよい(
図7参照)。これにより、ユーザは保有するフリーパスにて優待が受けられる優待スポットが経路上またはその近傍にあることに気づくことができて便利である。優待スポットの情報53には、端末装置2の端末記憶部23内に電子的に記録されたフリーパスの情報を端末出力部25から出力するためのリンク(
図7に示す例では「フリーパスを提示する」のボタン)が含まれていてもよい。これにより、ユーザはその表示画面から直ちにフリーパスを当該優待スポットの従業員などに対して提示できるようになり便利である。また、図示は省略するが、優待スポットの情報53には、当該経路と当該優待スポットとをハイライト表示した地図を端末出力部25から出力するためのリンクが含まれていてもよい。これにより、当該経路を利用するユーザは、その地図を確認しながら移動することで、当該優待スポットに容易に到達することができる。
【0052】
一例として、出力制御部32eは、経路探索部32bにより探索された経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスをユーザが保有していると判定部32dにより判定された場合であって、当該移動手段を利用する日時に当該フリーパスが有効な状態ではないと判定部32dにより判定された場合には、経路探索部32bにより探索された経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスをユーザが保有しているものの当該移動手段を利用する日時に有効な状態ではないことを通知する通知情報(たとえば「フリーパスが有効化されていません」または「フリーパスの有効期限が切れています」などの文字列)を、経路の情報とともに端末出力部25を介して出力してもよい。これにより、ユーザはフリーパスを保有しているものの有効な状態となっていないことに気づくことができて便利である。この場合、出力制御部32eは、ユーザが保有するフリーパスの状態を、少なくとも当該移動手段を利用する日時には有効な状態となるように変更することを提案する提案情報(たとえば「フリーパスを有効化する」のボタン、または「フリーパスの有効期限を延長する」「フリーパスを追加購入する」のボタンなど)を、端末出力部25を介して出力してもよい。これにより、ユーザはその表示画面から直ちにフリーパスを有効化できるようになり便利である。また、この場合、出力制御部32eは、有効期限、有効区間からどのくらいの差があるのかを示す情報を出力してもよい。
【0053】
一例として、経路探索部32bは、経路探索部32bにより探索された経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスをユーザが保有していると判定部32dにより判定された場合であって、当該移動手段を利用する日時に当該フリーパスが有効な状態ではないと判定部32dにより判定された場合には、当該移動手段を利用する日時が、ユーザが保有する当該フリーパスの有効期間内に入るように変更された経路を再探索し、出力制御部32eは、再探索された経路の情報を出力してもよいし、再探索された経路の情報を、当該経路で利用する移動手段にフリーパスが適用されることを通知する通知情報とともに出力してもよいし、再探索された経路を提案する提案情報(たとえば「1本早く乗るとフリーパス適用となります」など)を出力してもよい。具体的には、たとえば、探索された経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスをユーザが保有しているものの、当該移動手段を利用する日時に当該フリーパスの有効期限が5分過ぎることになる場合には、経路探索部32bは、当該移動手段を利用する日時が5分以上早い経路を再探索し、出力制御部32eは、再探索された経路の情報を出力してもよい。これにより、ユーザはフリーパスを保有しているため移動手段の利用料金を支払う必要がない経路を知ることができて便利である。
【0054】
一例として、サーバ3がユーザの端末装置2から時刻表検索条件を受け取る場合には、サーバ3の制御部32は、たとえば経路ネットワーク情報データベース33aを参照して、当該検索条件を満たす時刻表の情報を検索し、出力制御部32eは、ユーザが保有するフリーパスの有効状態に応じた態様で時刻表の情報を出力するための出力制御信号を端末装置2に送信して端末出力部25を介して出力する。この場合、出力制御部32eは、フリーパス条件取得部32cにより取得されたフリーパスの情報に基づいて、ユーザが保有するフリーパスの有効状態(たとえば有効時間帯)を把握し、端末出力部25から出力される時刻表の表示画面上において、ユーザが保有するフリーパスの有効状態を識別可能に出力してもよい。具体的には、たとえば、端末出力部25から出力される経路の情報のうち一部区間をユーザが変更したい場合には、当該区間の時刻表検索条件が端末装置2からサーバ3へと送信され、出力制御部32eは、当該検索条件を満たす時刻表の情報を、時刻表上の所望の時刻をユーザに選択させるためのUIとともに端末出力部25を介して出力する。この場合、出力制御部32eは、ユーザが保有するフリーパスの有効時間内に入る時刻をハイライトやアイコンなどで強調表示してもよい。
【0055】
フリーパスが、有効期間内において、第1の移動手段を利用距離、利用時間/利用時間帯、利用回数および利用料金のいずれも制限なく無料で利用できるとともに、第2の移動手段を予め定められた利用距離、利用時間/利用時間帯、利用回数または利用料金までは無料で利用できる利用制限付きフリーパス(
図3参照)である場合には、判定部32dは、経路探索部32bにより探索された経路で利用する第2の移動手段に適用可能なフリーパスをユーザが保有しているか否かを判定するとともに、当該経路で利用する第2の移動手段に適用可能なフリーパスをユーザが保有していると判定した場合には、当該経路で第2の移動手段を利用することが、当該フリーパスに付された第2の移動手段についての利用制限内に収まるか否かを判定してもよい。そして、経路探索部32bは、判定部32dにより第2の移動手段の利用制限を超過すると判定された場合には、経路探索条件に基づいて、第2の移動手段を利用しない経路を再探索し、出力制御部32eは、再探索された経路の情報を、端末出力部25を介して出力してもよい(
図9参照)。
【0056】
図9に示す例では、第2の移動手段としてのタクシーを5000円まで利用できる利用制限付きフリーパスを保持するユーザが、出発地から目的地までの経路探索を最初に行ったときは、判定部32dは、出発地からA地点までタクシーを2000円分利用するとともに、C地点から目的地までタクシーを1000円分利用することがフリーパスに付された利用制限内に収まると判定し、出力制御部32eは、出発地からA地点までタクシーを2000円分利用するとともに、C地点から目的地までタクシーを1000円分利用する経路を、端末出力部25を介して出力する。一方、当該ユーザが、同じ出発地から目的地までの経路探索を2回目に行ったときは、判定部32dは、当該フリーパスに付されたタクシーの利用制限(有効状態)が3000円分利用済みであり、C地点から目的地までタクシーを1000円分利用することがフリーパスに付された利用制限を超過すると判定し、経路探索部32bは、C地点以降の経路探索の際に、残りの2000円分を考慮した探索、たとえば、C地点から目的地まではタクシーを利用しない経路(たとえばC地点から目的地まではシェアサイクルを利用する経路)を再探索し、出力制御部32eは、再探索された経路の情報(C地点から目的地まではタクシーを利用しない経路(たとえばC地点から目的地まではシェアサイクルを利用する経路)を、端末出力部25を介して出力する。
【0057】
このようにユーザが利用制限付きのフリーパスを保有する場合には、第2の移動手段に付された利用制限を考慮して経路案内を行うことで、ユーザが第2の移動手段の利用制限を超過したことに気づかずに、案内された経路(第2の移動手段を利用する経路)を利用してしまって、当該ユーザに余計な出費を生じさせることを防止できる。
【0058】
フリーパス情報変更部32fは、ユーザが移動手段についての利用料金の決済を行うとき(たとえば、NFC対応のICカードや端末装置2を改札や運賃箱の読取部にタッチさせるとき)に、当該利用手段の利用料金についてのユーザの過去の決済履歴を、利用料金決済履歴データベース33dを参照して取得し、当該決済履歴に基づいて、現時点から遡って当該移動手段に適用可能なフリーパスの有効期間と同じ時間内での当該移動手段に支払った利用料金の累計が当該フリーパスの購入代金以上か否かを判定する(
図11参照)。そして、フリーパス情報変更部32fは、当該フリーパスの購入代金以上であると判定した場合には、当該時間内において当該移動手段について最初に利用料金を決済したときに当該フリーパスを購入した(以下「第2の後払い」ということがある)のと同じ状態となるように、フリーパス情報データベース33cに記憶されたユーザが保有するフリーパスの情報を変更する(
図12参照)。この場合、出力制御部32eは、当該時間内において当該移動手段を最初に利用したときに当該フリーパスを購入したのと同じ状態となったことを通知する通知情報54を、たとえばプッシュ通知やメールの着信などにより、端末出力部25を介して出力してもよい(
図11参照)。
【0059】
図11および
図12を参照し、6時間乗り放題のバスのフリーパスが600円で販売されている場合を例に、第2の後払いの処理について詳しく説明する。
図11に示すように、ユーザが13時30分発のバスを利用するために200円の利用料金を決済したとき(以下、現時点という)、フリーパス情報変更部32fは、当該バスの利用料金についてのユーザの過去の決済履歴(10時00分と11時30分にも当該バスを利用するためにそれぞれ200円の利用料金を支払ったこと)を、利用料金決済履歴データベース33dを参照して取得する。そして、フリーパス情報変更部32fは、現時点から遡って6時間以内での当該バスに支払った利用料金の累計(600円)を計算し、当該利用料金の累計が6時間乗り放題のフリーパスの購入代金(600円)以上か否かを判定する。
図11に示す例では、利用料金の累計(600円)が6時間乗り放題のフリーパスの購入代金以上であると判定されるため、
図12に示すように、フリーパス情報変更部32fは、当該時間内(すなわち現時点から遡って6時間以内)において当該バスについて最初に利用料金の決済を行った10時00分に当該フリーパスを購入したのと同じ状態となるように、フリーパス情報データベース33cに記憶されたユーザが保有するフリーパスの情報を変更(10時00分から6時間以内は当該バスを無料で利用できるID20005のフリーパスを追加)する。
【0060】
このような第2の後払いの処理が行われることにより、ユーザは過去のある時点でフリーパスを購入したほうが結果的にお得だった場合に、過去に遡ってその時点からのフリーパスを実質的に購入できるようになるため、便利である。
【0061】
(動作の第1の態様)
次に、
図4~
図7を参照して、第1の実施形態に係る情報処理システム1の動作の第1の態様について説明する。
図4は、情報処理システム1の動作の第1の態様を示すフローチャートである。
図5A~
図7は、情報処理システム1により表示される画面の一例を示す図である。
【0062】
図4に示すように、まず、端末装置2のユーザが端末入力部24を介して経路探索条件(たとえば、出発地、目的地、出発日時または到着日時など)を入力すると、端末装置2からサーバ3へと経路探索条件が当該ユーザの識別情報(ユーザID)とともに送信され、サーバ3の探索条件取得部32aが経路探索条件をユーザの識別情報とともに取得する(ステップS10)。
【0063】
次いで、フリーパス条件取得部32cが、探索条件取得部32aにより取得されたユーザの識別情報に基づいて当該ユーザを特定し、当該ユーザが保有するフリーパスの情報を、たとえばフリーパス情報データベース33cを参照して取得する(ステップS11)。
【0064】
そして、経路探索部32bが、探索条件取得部32aにより取得された経路探索条件に基づいて、当該経路探索条件を満たすような経路の情報を、経路ネットワーク情報データベース33aと地図情報データベース33bとを参照して探索する(ステップS12)。経路探索部32bは、経路探索条件を満たすような経路の情報を、フリーパス条件取得部32cにより取得されたフリーパスの情報を考慮して探索してもよい。
【0065】
次いで、判定部32dが、フリーパス条件取得部32cにより取得されたフリーパスの情報に基づいて、経路探索部32bにより探索された経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを、ユーザが保有しているか否かを判定する(ステップS13)。
【0066】
経路探索部32bにより探索された経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスをユーザが保有していないと判定部32dにより判定された場合には(ステップS13:NO)、
図5A、
図5Bに示すように、出力制御部32eが、当該フリーパスの購入を提案する提案情報51を、当該経路の情報とともに出力するための出力制御信号を端末装置2へと送信し、端末出力部25を介して出力する(ステップS17)。ステップS17において、出力制御部32eは、当該経路で利用する移動手段にフリーパスが適用されないときの通常料金と適用されるときのフリーパス料金とを比較可能に出力してもよいし、通常料金とフリーパス料金との差額(
図5A、
図5Bに示す例では500円)を出力してもよい。フリーパスの購入を提案する提案情報51には、当該フリーパスの購入をその場で実行するためのリンク、または当該フリーパスの購入サイトに繋がるリンク(
図5A、
図5Bに示す例では「フリーパスを購入する」のボタン)が含まれていてもよい。
【0067】
他方、経路探索部32bにより探索された経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスをユーザが保有していると判定部32dにより判定された場合には(ステップS13:YES)、判定部32dは、ユーザが保有する当該フリーパスが当該移動手段を利用する日時に有効な状態であるか否か(有効化されているか否か、有効化されている場合には有効期限内か否か)をさらに判定する(ステップS14)。
【0068】
ステップS14において、当該移動手段を利用する日時に当該フリーパスが有効な状態であると判定部32dにより判定された場合には(ステップS14:YES)、
図6に示すように、出力制御部32eが、経路探索部32bにより探索された経路で利用する移動手段にフリーパスが適用されることを通知する通知情報52a~52cを、経路の情報とともに端末出力部25を介して出力する(ステップS15)。ステップS15において、出力制御部32eは、端末出力部25から出力される経路の情報の先頭に、当該経路で利用する移動手段にフリーパスが適用されることを通知する通知情報52aを出力してもよいし、フリーパスが適用される区間ごとに、当該区間で利用する移動手段にフリーパスが適用されることを通知する通知情報52b、52cを出力してもよい。
【0069】
そして、出力制御部32eは、当該経路上またはその周辺で当該フリーパスにて優待が受けられる優待スポットを、経路ネットワーク情報データベース33aと地図情報データベース33bとを参照して検索し、
図7に示すように、当該優待スポットの情報53を、端末出力部25を介して出力する(ステップS16)。優待スポットの情報53には、端末装置2の端末記憶部23内に電子的に記録されたフリーパスの情報を端末出力部25から出力するためのリンク(
図7に示す例では「フリーパスを提示する」のボタン)が含まれていてもよい。
【0070】
ステップS14において、当該移動手段を利用する日時に当該フリーパスが有効な状態ではないと判定部32dにより判定された場合には(ステップS14:NO)、出力制御部32eが、経路探索部32bにより取得された経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスをユーザが保有しているものの当該移動手段を利用する日時に有効な状態ではないことを通知する通知情報(たとえば「フリーパスが有効化されていません」または「フリーパスの有効期限が切れています」などの文字列)を、経路の情報とともに端末出力部25を介して出力する(ステップS18)。
【0071】
また、出力制御部32eは、ユーザが保有するフリーパスの状態を、少なくとも当該移動手段を利用する日時には有効な状態となるように変更することを提案する提案情報(たとえば「フリーパスを有効化する」のボタン、または「フリーパスの有効期限を延長する」「フリーパスを追加購入する」のボタンなど)を、端末出力部25を介して出力する(ステップS19)。
【0072】
以上のような本実施の形態によれば、フリーパス情報取得部32cが、ユーザが保有するフリーパスの情報を取得し、判定部32dが、探索された経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスをユーザが保有しているか否かを、取得されたフリーパスの情報に基づいて判定する。そして、出力制御部32eが、探索された経路の情報を、判定手段の判定結果に応じて異なる態様で出力する。これにより、ユーザが保有するフリーパスの情報を考慮したうえでの最適経路案内を実現できる。
【0073】
すなわち、本実施の形態によれば、探索された経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスをユーザが保有しているか否かが判定されたうえで、保有していないと判定された場合に、当該フリーパスの購入を提案する提案情報51が、当該経路の情報とともに出力される(
図5A、
図5B参照)。これにより、ユーザが既にフリーパスを保有しているにも関わらず、それと重複するフリーパスの購入を提案してしまって、ユーザに余計な(無駄な)出費を生じさせることを防止できる。
【0074】
また、本実施の形態によれば、探索された経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスをユーザが保有していると判定された場合であって、当該移動手段を利用する日時に当該フリーパスが有効な状態であると判定された場合には、探索された経路で利用する移動手段にフリーパスが適用されることを通知する通知情報52a~52cが、経路の情報とともに出力される(
図6参照)。これにより、ユーザはフリーパスを保有しているため移動手段の利用料金を支払う必要がないことに気づくことができる。
【0075】
また、本実施の形態によれば、探索された経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスをユーザが保有していると判定された場合であって、当該移動手段を利用する日時に当該フリーパスが有効な状態であると判定された場合には、当該経路上またはその周辺で当該フリーパスにて優待が受けられる優待スポットが検索され、当該優待スポットの情報53が出力される(
図7参照)。これにより、ユーザは保有するフリーパスにて優待が受けられる優待スポットが経路上またはその近傍にあることに気づくことができて便利である。
【0076】
また、本実施の形態によれば、探索された経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスをユーザが保有していると判定された場合であって、当該移動手段を利用する日時に当該フリーパスが有効な状態ではないと判定された場合には、探索された経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスをユーザが保有しているものの当該移動手段を利用する日時に有効な状態ではないことを通知する通知情報が、経路の情報とともに出力される。これにより、ユーザはフリーパスを保有しているものの有効な状態となっていないことに気づくことができて便利である。
【0077】
(動作の第2の態様)
次に、
図8および
図9を参照して、第1の実施形態に係る情報処理システム1の動作の第2の態様について説明する。
図8は、情報処理システム1の動作の第2の態様を示すフローチャートである。
図9は、情報処理システム1の動作の第2の態様を説明するための図である。第2の態様において、経路探索部32bが経路探索条件に基づいて経路の情報を探索する工程まで(ステップS10~S12)は、上述した第1の態様と同様であり、説明を省略する。
【0078】
第2の態様では、フリーパスが、有効期間内において、第1の移動手段を利用距離、利用時間/利用時間帯、利用回数および利用料金のいずれも制限なく無料で利用できるとともに、第2の移動手段を予め定められた利用距離、利用時間/利用時間帯、利用回数または利用料金までは無料で利用できる利用制限付きフリーパス(
図3参照)となっている。
【0079】
図8に示すように、第2の態様では、経路探索部32bが経路探索条件に基づいて経路の情報を探索した後(ステップS12の後)、判定部32dが、フリーパス条件取得部32cにより取得されたフリーパスの情報に基づいて、経路探索部32bにより取得された経路で利用する第2の移動手段に適用可能なフリーパスをユーザが保有しているか否かを判定する(ステップS23)。
【0080】
経路探索部32bにより取得された経路で利用する第2の移動手段に適用可能なフリーパスをユーザが保有していると判定部32dにより判定された場合には(ステップS23:YES)、判定部32dは、当該経路で第2の移動手段を利用することが、当該フリーパスに付された第2の移動手段についての利用制限内に収まるか否かをさらに判定する(ステップS24)。
【0081】
そして、
図9の「1回目」の経路に示すように、当該経路で第2の移動手段を利用すること(C地点から目的地までタクシーを1000円分利用すること)が、当該フリーパスに付された第2の移動手段についての利用制限内に収まると判定部32dにより判定された場合には(ステップS24:YES)、出力制御部32eが、経路探索部32bにより取得された経路で利用する移動手段にフリーパスが適用されることを通知する通知情報を、経路の情報とともに端末出力部25を介して出力する(ステップS25)。
【0082】
他方、
図9の「2回目」の経路に示すように、当該経路で第2の移動手段を利用すること(C地点から目的地までタクシーを1000円分利用すること)が、当該フリーパスに付された第2の移動手段についての利用制限内を超過すると判定部32dにより判定された場合には(ステップS24:NO)、経路探索部32bが、経路探索条件に基づいて、第2の移動手段を利用しない経路(たとえばC地点から目的地まではシェアサイクルを利用する経路)を再探索する(ステップS26)。そして、出力制御部32eが、再探索された経路の情報を、端末出力部25を介して出力する(ステップS27)。
【0083】
また、ステップS23において、経路探索部32bにより取得された経路で利用する第2の移動手段に適用可能なフリーパスをユーザが保有していないと判定部32dにより判定された場合には(ステップS23:NO)、経路探索部32bが、経路探索条件に基づいて、第2の移動手段を利用しない経路を再探索する(ステップS26)。そして、出力制御部32eが、再探索された経路の情報を、端末出力部25を介して出力する(ステップS27)。
【0084】
以上のような第2の態様によれば、ユーザが利用制限付きのフリーパスを保有する場合に、第2の移動手段に付された利用制限を考慮して経路案内を行うことで、ユーザが第2の移動手段の利用制限を超過したことに気づかずに、案内された経路(第2の移動手段を利用する経路)を利用してしまって、当該ユーザに余計な出費を生じさせることを防止できる。
【0085】
(動作の第3の態様)
次に、
図10~
図13を参照して、第1の実施形態に係る情報処理システム1の動作の第3の態様について説明する。
図10は、情報処理システム1の動作の第3の態様を示すフローチャートである。
図11は、情報処理システム1の動作の第3の態様を説明するための図である。
図12は、変更後のフリーパス情報データベースの一例を示すテーブルである。
【0086】
図10に示すように、まず、フリーパス情報変更部32fが、ユーザが移動手段についての利用料金の決済を行うとき(たとえば、NFC対応のICカードや端末装置2を改札や運賃箱の読取部にタッチさせるとき)に、当該利用手段の利用料金についてのユーザの過去の決済履歴を、利用料金決済履歴データベース33dを参照して取得する(ステップS30)。
【0087】
次いで、フリーパス情報変更部32fは、当該決済履歴に基づいて、
図11に示すように、現時点から遡って当該移動手段に適用可能なフリーパスの有効期間(たとえば6時間)と同じ時間内で当該移動手段に支払った利用料金の累計を算出する(ステップS31)。
【0088】
そして、フリーパス情報変更部32fは、当該利用料金の累計が当該フリーパスの購入代金以上か否かを判定する(ステップS32)。
【0089】
当該利用料金の累計が当該フリーパスの購入代金以上であると判定された場合には(ステップS32:YES)、フリーパス情報変更部32fは、
図12に示すように、当該時間内において当該移動手段について最初に利用料金を決済したとき(図示された例では10時00分)に当該フリーパスを購入した(第2の後払い)のと同じ状態となるように、フリーパス情報データベース33cに記憶されたユーザが保有するフリーパスの情報を変更する(ステップS33)。
【0090】
また、出力制御部32eは、
図11に示すように、当該時間内において当該移動手段を最初に利用したときに当該フリーパスを購入した(第2の後払い)のと同じ状態となったことを通知する通知情報54を、端末出力部25を介して出力する(ステップS34)。
【0091】
以上のような第3の態様によれば、第2の後払いの処理が行われることにより、ユーザは過去のある時点でフリーパスを購入したほうが結果的にお得だった場合に、過去に遡ってその時点からのフリーパスを実質的に購入できるようになるため、便利である。
【0092】
(動作の第4の態様)
次に、
図13および
図14を参照して、第1の実施形態に係る情報処理システム1の動作の第4の態様について説明する。
図13は、情報処理システム1の動作の第4の態様を示すフローチャートである。
図14は、情報処理システム1の動作の第4の態様を説明するための図である。
【0093】
第4の態様において、経路探索部32bにより取得された経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスをユーザが保有していないと判定部32dにより判定された場合(ステップS13:NO)以外の各工程は、上述した第1の態様と同様であり、説明を省略する。
【0094】
図13に示すように、第4の態様では、経路探索部32bにより取得された経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスをユーザが保有していないと判定部32dにより判定された場合には(ステップS13:NO)、出力制御部32eが、当該利用手段についてのユーザの過去の利用料金の決済履歴を、利用料金決済履歴データベース33dを参照して取得する(ステップS40)。
【0095】
次いで、出力制御部32eは、当該決済履歴に基づいて、
図14に示すように、当該経路での当該移動手段を利用する日時から遡って当該移動手段に適用可能なフリーパスの有効期間と同じ時間内で当該移動手段に支払うことになる利用料金の累計を算出する(ステップS41)。
【0096】
そして、出力制御部32eは、当該利用料金の累計が当該フリーパス購入代金以上か否かを判定する(ステップS42)。
【0097】
当該利用料金の累計が当該フリーパスの購入代金以上であると判定された場合には(ステップS42:YES)、出力制御部32eは、
図14に示すように、当該時間内において当該移動手段について最初に利用料金を決済したとき(図示された例では10時00分)から適用される当該フリーパスの購入(第1の後払い)を提案する提案情報を、経路の情報とともに端末出力部25を介して出力する(ステップS43)。
【0098】
他方、当該利用料金の累計が当該フリーパスの購入代金未満であると判定された場合には(ステップS42:NO)、出力制御部32eは、(購入してから利用可能となる通常の)当該フリーパスの購入(前払い)を提案する提案情報を、当該経路の情報とともに端末出力部25を介して出力する(ステップS17)。
【0099】
以上のような第4の態様によれば、第1の後払いの処理が行われることにより、ユーザは過去のある時点でフリーパスを購入したほうが結果的にお得だった場合に、過去に遡ってその時点からのフリーパスを実質的に購入できるようになるため、便利である。
【0100】
(第2の実施形態)
図15を参照し、第2の実施形態に係る情報処理システムについて説明する。
図15は、第2の実施形態に係る情報処理システム1の概略的な構成を示す図である。第2の実施形態において、上述した第1の実施形態と同様に構成され得る部分については、上述した第1の実施形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いるとともに、重複する説明を省略し、以下では相違点を中心に説明する。
【0101】
本実施形態では、端末装置2のユーザは、旅行プランニング機能を利用するために、情報処理システム1が提供するウェブサイトまたはアプリに予めログインしており、当該ログイン情報に基づいて当該ユーザのユーザIDが、サーバ3側で特定されている場合を例に説明する。
【0102】
図15を参照し、フリーパス条件取得部32cは、ログイン情報に基づいて当該ユーザのユーザIDを特定し、当該ユーザが保有するフリーパスの情報を、たとえばフリーパス情報データベース33cを参照して取得する。ユーザの端末装置2の端末記憶部23内に当該ユーザが保有するフリーパスの情報が記憶されている場合には、フリーパス条件取得部32cは、ユーザが保有するフリーパスの情報を当該端末装置2から取得してもよい。当該ユーザが保有するフリーパスの有効期間中は、フリーパス条件取得部32cは、当該ユーザが保有するフリーパスの情報を、フリーパス情報データベース33cを参照してその都度取得したり、ユーザの端末装置2からその都度取得したりする代わりに、当該フリーパスが有効な状態であると自動的に判断して利用してもよい。
【0103】
出力制御部32eは、
図18を参照し、画面左側に訪問先となる複数のスポット候補70を表示する際に、当該スポット候補70のそれぞれについて、フリーパス条件取得部32cにより取得されたフリーパスの情報に基づいて、優待を受けることができるフリーパスをユーザが保有しているか否かを判定し、保有していると判定した場合には、当該スポット候補70に対しては、優待を受けることができることを通知する通知情報71a、71bを、当該スポット候補70の情報とともに出力してもよい。あるいは、出力制御部32eは、画面左側に訪問先となる複数のスポット候補70を表示する際に、優待を受けることができるスポット候補70が優先的に表示されるようにソートしたり、優待を受けることができるスポット候補70のみが表示されるようにフィルタリングしてもよい。これにより、ユーザは、旅行プランニング条件を入力するために、画面中央のタイムライン上にスポット候補70を追加する際に、保有するフリーパスにて優待を受けることができるスポット候補70に気づくことができて便利である。
【0104】
図示は省略するが、出力制御部32eは、フリーパス条件取得部32cにより取得されたフリーパスの情報に基づいて、ユーザが保有するフリーパスの有効地域または区間を特定し、当該有効地域または区間を、画面右側に表示される地図上でハイライト表示してもよい。また、出力制御部32eは、フリーパス条件取得部32cにより取得されたフリーパスの情報に基づいて、ユーザが保有するフリーパスを適用可能な移動手段を特定し、当該移動手段に関連するスポット(たとえば、駅、バス停、シェアサイクルのポートなど)を、画面右側に表示される地図上で選択または識別可能に表示してもよい。これにより、ユーザが画面左側に表示された複数のスポット候補70の1つを選択すると、当該スポット候補70の地点が画面右側に表示される地図上でハイライトされるようになっている場合に、ユーザが保有するフリーパスの有効地域または区間、あるいはフリーパスを適用可能な移動手段に関連するスポットと、選択したスポット候補70との地理的な関係性を直感的に把握することが可能となり、便利である。
【0105】
出力制御部32eは、ユーザが旅行プランニング条件の入力を行う際に、フリーパス条件取得部32cにより取得されたフリーパスの情報に基づいて、ユーザが保有するフリーパスの有効地域または区間を特定し、当該有効地域または区間内に位置する複数のスポットがタイムライン上に予め配置された旅行プランのテンプレートを、テンプレートのサンプルとして優先的に出力してもよい。
【0106】
図15に示すように、第2の実施形態では、サーバ制御部32が、第1の実施形態における探索条件取得部32aの代わりに、旅行プランニング条件取得部32a’を有している。
【0107】
旅行プランニング条件取得部32a’は、ユーザが端末装置2の端末入力部24を介して入力する旅行プランニング条件(たとえば、指定日時、訪問先となる複数のスポット、各スポットの訪問順序など)を当該端末装置2から取得する。なお、端末装置2のユーザは、
図17を参照し、画面左側に表示された複数のスポット候補70を、画面中央に表示された指定日時のタイムライン上に所望の順序で追加することで、旅行プランニング条件の入力を行ってもよいし、タイムライン上に予め配置された複数のスポットを含む旅行プランのテンプレートを指定日時に適用することで、旅行プランニング条件の入力を行ってもよい。
【0108】
第2の実施形態では、経路探索部32bは、旅行プランニング取得部32a’により取得された旅行プランニング条件に基づいて、当該旅行プランニング条件を満たすようなスポット間の経路の情報を、経路ネットワーク情報データベース33aと地図情報データベース33bとを参照して探索する。
【0109】
経路探索部32bは、フリーパス条件取得部32cにより取得されたフリーパスの情報を考慮してスポット間の経路の情報を探索してもよい。たとえば、経路探索部32bは、ユーザが保有するフリーパスの有効地域または区間に限定して(または当該有効地域または区間の優先度を上げて)、旅行プランニング条件を満たすようなスポット間の経路の情報を探索してもよい。あるいは、たとえば、経路探索部32bは、ユーザが保有するフリーパスの有効地域または区間については利用料金を無料とみなして、旅行プランニング条件を満たすようなスポット間の経路の情報を探索してもよい。
【0110】
フリーパスが、有効期間内において、第1の移動手段を利用距離、利用時間/利用時間帯、利用回数および利用料金のいずれも制限なく無料で利用できるとともに、第2の移動手段を予め定められた利用距離、利用時間/利用時間帯、利用回数または利用料金までは無料で利用できる利用制限付きフリーパス(
図3参照)である場合には、経路探索部32bは、第2の移動手段の利用制限内に収まる限りでは、第2の移動手段を利用する経路を優先して探索してもよい。
【0111】
判定部32dは、フリーパス条件取得部32cにより取得されたフリーパスの情報に基づいて、経路探索部32bにより探索された経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを、ユーザが保有しているか否かを判定する。
【0112】
判定部32dは、経路探索部32bにより探索された経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスをユーザが保有していると判定した場合には、ユーザが保有する当該フリーパスが当該移動手段を利用する日時に有効な状態であるか否か(有効化されているか否か、有効化されている場合には有効期限内か否か)をさらに判定してもよい。
【0113】
出力制御部32eは、判定部32dの判定結果に応じて異なる態様で経路の情報を出力するための出力制御信号を端末装置2へと送信して端末出力部25を介して出力を行う。端末装置2のユーザがタイムライン上にスポットを追加(またはタイムライン上からスポットを削除)することで、旅行プランニング条件が変更されるごとに、出力制御部32eは、当該変更後の旅行プランニング条件に基づいて、料金(移動に伴う料金、スポットの利用料やアクティビティに係る料金など)の表示について更新してもよい。
【0114】
一例として、出力制御部32eは、経路探索部32bにより探索された経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスをユーザが保有していないと判定部32dにより判定された場合には、当該フリーパスの購入を提案する提案情報51を、当該経路の情報とともに端末出力部25を介して出力してもよい(
図17参照)。探索された経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスをユーザが保有しているか否かが判定されたうえで、保有していないと判定された場合に、当該フリーパスの購入を提案する提案情報51が、当該経路の情報とともに出力されることで、ユーザが既にフリーパスを保有しているにも関わらず、それと重複するフリーパスの購入を提案してしまって、ユーザに余計な(無駄な)出費を生じさせることを防止できる。
【0115】
フリーパスの購入を提案する提案情報51を経路の情報とともに出力する場合、出力制御部32eは、当該経路で利用する移動手段にフリーパスが適用されないときの通常料金と適用されるときのフリーパス料金とを比較可能に出力してもよいし(
図17に示す例では、フリーパス無しの料金が2180円であるのに対し、フリーパスの料金が1000円であると表示されている)、通常料金とフリーパス料金との差額を出力してもよい。これにより、ユーザはフリーパスを購入することのコスト面での利点を直観的に把握できる。また、フリーパスの購入を提案する提案情報51には、当該フリーパスの購入をその場で実行するためのリンク、または当該フリーパスの購入サイトに繋がるリンク(
図17に示す例では「購入はこちら」の下線付き文字列)が含まれていてもよい。これにより、ユーザはその表示画面から直ちにフリーパスを購入できるようになり便利である。
【0116】
別の一例として、出力制御部32eは、経路探索部32bにより探索された経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスをユーザが保有していないと判定部32dにより判定された場合には、当該利用手段についてのユーザの過去の利用料金の決済履歴を、利用料金決済履歴データベース33dを参照して取得し、当該決済履歴に基づいて、当該経路での当該移動手段を利用する日時から遡って当該移動手段に適用可能なフリーパスの有効期間と同じ時間内での当該移動手段に支払うことになる利用料金の累計が当該フリーパス購入代金以上か否かを判定してもよい。そして、出力制御部32eは、当該フリーパスの購入代金以上であると判定した場合には、当該時間内において当該移動手段について最初に利用料金を決済したときから適用される当該フリーパスの購入(第1の後払い)を提案する提案情報を、経路の情報とともに端末出力部25を介して出力してもよい。
【0117】
このような第1の後払いの処理が行われることにより、ユーザは過去のある時点でフリーパスを購入したほうが結果的にお得だった場合に、過去に遡ってその時点からのフリーパスを実質的に購入できるようになるため、便利である。
【0118】
一例として、出力制御部32eは、経路探索部32bにより探索された経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスをユーザが保有していると判定部32dにより判定された場合であって、当該移動手段を利用する日時に当該フリーパスが有効な状態であると判定部32dにより判定された場合には、経路探索部32bにより探索された経路で利用する移動手段にフリーパスが適用されることを通知する通知情報52a~52cを、経路の情報とともに端末出力部25を介して出力してもよい(
図18参照)。これにより、ユーザはフリーパスを保有しているため移動手段の利用料金を支払う必要がないことに気づくことができる。
図18に示すように、出力制御部32eは、端末出力部25から出力される経路の情報の先頭に、当該経路で利用する移動手段にフリーパスが適用されることを通知する通知情報52aを文字列(「フリーパス適応中」)または図形にて出力してもよいし、フリーパスが適用される区間ごとに、当該区間で利用する移動手段にフリーパスが適用されることを通知する通知情報62b~62cを文字列(「フリーパス購入済のため運賃は0円です」)または図形にて出力してもよい。
【0119】
一例として、出力制御部32eは、経路探索部32bにより探索された経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスをユーザが保有していると判定部32dにより判定された場合であって、当該移動手段を利用する日時に当該フリーパスが有効な状態であると判定部32dにより判定された場合には、当該経路上またはその周辺で当該フリーパスにて優待が受けられる優待スポットを、経路ネットワーク情報データベース33aと地図情報データベース33bとを参照して検索し、当該優待スポットの情報63a、63bを、端末出力部25を介して出力してもよい(
図19参照)。これにより、ユーザは保有するフリーパスにて優待が受けられる優待スポットが経路上またはその近傍にあることに気づくことができて便利である。優待スポットの情報63aには、端末装置2の端末記憶部23内に電子的に記録されたフリーパスの情報を端末出力部25から出力するためのリンク(
図19に示す例では「フリーパスを提示」のボタン)が含まれていてもよい。これにより、ユーザはその表示画面から直ちにフリーパスを当該優待スポットの従業員などに対して提示できるようになり便利である。また、
図19に示すように、出力制御部32aは、当該優待スポットの情報63bを、旅行プランニング作成画面に表示された地図上に重ねて表示してもよい。これにより、当該経路を利用するユーザは、その地図を確認することで、当該優待スポットを容易に訪問することができる。
【0120】
一例として、出力制御部32eは、経路探索部32bにより探索された経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスをユーザが保有していると判定部32dにより判定された場合であって、当該移動手段を利用する日時に当該フリーパスが有効な状態ではないと判定部32dにより判定された場合には、経路探索部32bにより探索された経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスをユーザが保有しているものの当該移動手段を利用する日時に有効な状態ではないことを通知する通知情報(たとえば「フリーパスが有効化されていません」または「フリーパスの有効期限が切れています」などの文字列)を、経路の情報とともに端末出力部25を介して出力してもよい。これにより、ユーザはフリーパスを保有しているものの有効な状態となっていないことに気づくことができて便利である。この場合、出力制御部32eは、ユーザが保有するフリーパスの状態を、少なくとも当該移動手段を利用する日時には有効な状態となるように変更することを提案する提案情報(たとえば「フリーパスを有効化する」のボタン、または「フリーパスの有効期限を延長する」のボタンなど)を、端末出力部25を介して出力してもよい。これにより、ユーザはその表示画面から直ちにフリーパスを有効化できるようになり便利である。
【0121】
一例として、経路探索部32bは、経路探索部32bにより探索された経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスをユーザが保有していると判定部32dにより判定された場合であって、当該移動手段を利用する日時に当該フリーパスが有効な状態ではないと判定部32dにより判定された場合には、当該移動手段を利用する日時が、ユーザが保有する当該フリーパスの有効期間内に入るように変更された経路を再探索し、出力制御部32eは、再探索された経路の情報を出力してもよい。具体的には、たとえば、探索された経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスをユーザが保有しているものの、当該移動手段を利用する日時に当該フリーパスの有効期限が5分過ぎることになる場合には、経路探索部32bは、当該移動手段を利用する日時が5分以上早い経路を再探索し、出力制御部32eは、再探索された経路の情報を出力してもよい。これにより、ユーザはフリーパスを保有しているため移動手段の利用料金を支払う必要がない経路を知ることができて便利である。
【0122】
フリーパスが、有効期間内において、第1の移動手段を利用距離、利用時間/利用時間帯、利用回数および利用料金のいずれも制限なく無料で利用できるとともに、第2の移動手段を予め定められた利用距離、利用時間/利用時間帯、利用回数または利用料金までは無料で利用できる利用制限付きフリーパス(
図3参照)である場合には、判定部32dは、経路探索部32bにより探索された経路で利用する第2の移動手段に適用可能なフリーパスをユーザが保有しているか否かを判定するとともに、当該経路で利用する第2の移動手段に適用可能なフリーパスをユーザが保有していると判定した場合には、当該経路で第2の移動手段を利用することが、当該フリーパスに付された第2の移動手段についての利用制限内に収まるか否かを判定してもよい。そして、経路探索部32bは、判定部32dにより第2の移動手段の利用制限を超過すると判定された場合には、経路探索条件に基づいて、第2の移動手段を利用しない経路を再探索し、出力制御部32eは、再探索された経路の情報を、端末出力部25を介して出力してもよい。また、超過すると判定された場合には、超過する分の情報を経路探索結果上に提示してもよい。
【0123】
このようにユーザが利用制限付きのフリーパスを保有する場合には、第2の移動手段に付された利用制限を考慮して経路案内を行うことで、ユーザが第2の移動手段の利用制限を超過したことに気づかずに、案内された経路(第2の移動手段を利用する経路)を利用してしまって、当該ユーザに余計な出費を生じさせることを防止できる。
【0124】
フリーパス情報変更部32fは、ユーザが移動手段についての利用料金の決済を行うとき(たとえば、NFC対応のICカードや端末装置2を改札や運賃箱の読取部にタッチさせるとき)に、当該利用手段の利用料金についてのユーザの過去の決済履歴を、利用料金決済履歴データベース33dを参照して取得し、当該決済履歴に基づいて、現時点から遡って当該移動手段に適用可能なフリーパスの有効期間と同じ時間内での当該移動手段に支払った利用料金の累計が当該フリーパスの購入代金以上か否かを判定する(
図20参照)。そして、フリーパス情報変更部32fは、当該フリーパスの購入代金以上であると判定した場合には、当該時間内において当該移動手段について最初に利用料金を決済したときに当該フリーパスを購入した(第2の後払い)のと同じ状態となるように、フリーパス情報データベース33cに記憶されたユーザが保有するフリーパスの情報を変更する。この場合、出力制御部32eは、当該時間内において当該移動手段を最初に利用したときに当該フリーパスを購入したのと同じ状態となったことを通知する通知情報54を、たとえばプッシュ通知やメールの着信などにより、端末出力部25を介して出力してもよい(
図20参照)。
【0125】
図20を参照し、24時間乗り放題のY町内フリーパスが1000円で販売されている場合を例に、第2の後払いの処理について詳しく説明する。
図20に示すように、ユーザがY町内でバスを利用するために200円の利用料金を決済したとき(以下、現時点という)、フリーパス情報変更部32fは、Y町内で利用した移動手段の利用料金についてのユーザの過去の決済履歴(現時点から遡って24時間以内に電車に250円、バスに200円、フェリーに350円の利用料金を支払ったこと)を、利用料金決済履歴データベース33dを参照して取得する。そして、フリーパス情報変更部32fは、現時点から遡って24時間以内でのY町内で利用した移動手段に支払った利用料金の累計(1000円)を計算し、当該利用料金の累計が24時間乗り放題のフリーパスの購入代金(1000円)以上か否かを判定する。
図20に示す例では、利用料金の累計(1000円)が24時間乗り放題のフリーパスの購入代金以上であると判定されるため、フリーパス情報変更部32fは、当該時間内(すなわち現時点から遡って24時間以内)においてY町内で最初に移動手段の利用料金の決済を行ったとき(電車に250円支払ったとき)に当該フリーパスを購入したのと同じ状態となるように、フリーパス情報データベース33cに記憶されたユーザが保有するフリーパスの情報を変更する。
【0126】
このような第2の後払いの処理が行われることにより、ユーザは過去のある時点でフリーパスを購入したほうが結果的にお得だった場合に、過去に遡ってその時点からのフリーパスを実質的に購入できるようになるため、便利である。
【0127】
以上のような第2の実施形態に係る情報処理システム1は、上述した第1の実施形態に係る情報処理システムの動作の第1~4の態様と同様の動作を行うことが可能である。
【0128】
(動作の一例)
図16~
図20を参照して、第2の実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例について説明する。
図16は、情報処理システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
図17~
図19は、情報処理システム1により表示される画面の一例を示す図である。
【0129】
図16に示すように、まず、端末装置2のユーザが端末入力部24を介して旅行プランニング条件(たとえば、指定日時、訪問先となる複数のスポット、各スポットの訪問順序など)を入力すると、端末装置2からサーバ3へと旅行プランニング条件が当該ユーザの識別情報(ユーザID)とともに送信され、旅行プランニング条件取得部32a’が旅行プランニング条件をユーザの識別情報とともに取得する(ステップS50)。
【0130】
次いで、フリーパス条件取得部32cが、経路探索部32bにより取得されたユーザの識別情報に基づいて当該ユーザを特定し、当該ユーザが保有するフリーパスの情報を、たとえばフリーパス情報データベース33cを参照して取得する(ステップS51)。
【0131】
そして、経路探索部32bが、旅行プランニング条件取得部32aにより取得された旅行プランニング条件に基づいて、当該旅行プランニング条件を満たすようなスポット間の経路の情報を、経路ネットワーク情報データベース33aと地図情報データベース33bとを参照して探索する(ステップS52)。経路探索部32bは、旅行プランニング条件を満たすようなスポット間の経路の情報を、フリーパス条件取得部32cにより取得されたフリーパスの情報を考慮して探索してもよい。
【0132】
次いで、判定部32dが、フリーパス条件取得部32cにより取得されたフリーパスの情報に基づいて、経路探索部32bにより探索された経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスを、ユーザが保有しているか否かを判定する(ステップS53)。
【0133】
経路探索部32bにより探索された経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスをユーザが保有していないと判定部32dにより判定された場合には(ステップS53:NO)、
図17に示すように、出力制御部32eが、当該フリーパスの購入を提案する提案情報61を、当該経路の情報とともに出力するための出力制御信号を端末装置2へと送信し、端末出力部25を介して出力する(ステップS57)。図示は省略するが、出力制御部32eは、当該経路で利用する移動手段にフリーパスが適用されないときの通常料金と適用されるときのフリーパス料金とを比較可能に出力してもよいし、通常料金とフリーパス料金との差額を出力してもよい。フリーパスの購入を提案する提案情報61には、当該フリーパスの購入をその場で実行するためのリンク、または当該フリーパスの購入サイトに繋がるリンク(
図17に示す例では「フリーパスの購入はこちら」の下線付き文字列)が含まれていてもよい。
【0134】
他方、経路探索部32bにより取得された経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスをユーザが保有していると判定部32dにより判定された場合には(ステップS53:YES)、判定部32dは、ユーザが保有する当該フリーパスが当該移動手段を利用する日時に有効な状態であるか否か(有効化されているか否か、有効化されている場合には有効期限内か否か)をさらに判定する(ステップS54)。
【0135】
ステップS54において、当該移動手段を利用する日時に当該フリーパスが有効な状態であると判定部32dにより判定された場合には(ステップS54:YES)、
図18に示すように、出力制御部32eが、経路探索部32bにより取得された経路で利用する移動手段にフリーパスが適用されることを通知する通知情報62a~62dを、経路の情報とともに端末出力部25を介して出力する(ステップS55)。ステップS55において、出力制御部32eは、端末出力部25から出力される経路の情報の先頭に、当該経路で利用する移動手段にフリーパスが適用されることを通知する通知情報62aを出力してもよいし、フリーパスが適用される区間ごとに、当該区間で利用する移動手段にフリーパスが適用されることを通知する通知情報62b~62dを出力してもよい。
【0136】
そして、出力制御部32eは、当該経路上またはその周辺で当該フリーパスにて優待が受けられる優待スポットを、経路ネットワーク情報データベース33aと地図情報データベース33bとを参照して検索し、
図19に示すように、当該優待スポットの情報63a、63bを、端末出力部25を介して出力する(ステップS56)。優待スポットの情報63aには、端末装置2の端末記憶部23内に電子的に記録されたフリーパスの情報を端末出力部25から出力するためのリンク(
図19に示す例では「フリーパスを提示」のボタン)が含まれていてもよい。
図19に示すように、出力制御部32aは、旅行プランニング作成画面に表示された地図上に、当該優待スポットの情報63bを重ねて表示してもよい。
【0137】
ステップS54において、当該移動手段を利用する日時に当該フリーパスが有効な状態ではないと判定部32dにより判定された場合には(ステップS54:NO)、出力制御部32eが、経路探索部32bにより取得された経路で利用する移動手段に適用可能なフリーパスをユーザが保有しているものの当該移動手段を利用する日時に有効な状態ではないことを通知する通知情報(たとえば「フリーパスが有効化されていません」または「フリーパスの有効期限が切れています」などの文字列)を、経路の情報とともに端末出力部25を介して出力する(ステップS58)。
【0138】
また、出力制御部32eは、ユーザが保有するフリーパスの状態を、少なくとも当該移動手段を利用する日時には有効な状態となるように変更することを提案する提案情報(たとえば「フリーパスを有効化する」のボタン、または「フリーパスの有効期限を延長する」のボタンなど)を、端末出力部25を介して出力する(ステップS59)。
【0139】
以上のような第2の実施形態によっても、第1の実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0140】
なお、第2の実施形態において、サーバ制御部32は、フリーパスを保有するユーザに、当該フリーパスの有効地域または区間を対象とするキャンペーンやイベントに応じたインセンティブを付与してもよい。たとえば、フリーパスの情報に含まれるイベント情報に「Y町内で10000円分消費するとフリーパス代金分キャッシュバック」に関する情報が記憶されている場合、サーバ制御部32は、ユーザのY町内での決済履歴から10000円以上決済しているか否かを判定し、10000円以上決済していることを判定すると、フリーパス購入金額分を当該ユーザにキャッシュバックしてもよい。これにより、ユーザの消費を促し、対象地域への誘致に貢献できる。さらに、ユーザがフリーパスを保有していなくても、一例として、特定の決済アプリを利用してY町へ向かう移動手段の運賃を決済し、当該決済アプリを利用してY町内で指定の金額以上決済すると、サーバ制御部32は、決済情報に含まれるイベント情報やキャンペーン情報に基づいて、その移動手段に支払った運賃分をキャッシュバックするか、同額のポイントを付与するか、割引などをする、といったインセンティブを当該ユーザに付与してもよい。また、サーバ制御部32は、移動手段に支払った運賃に限らず、観光バスやツアーなどの旅行商品に支払った金額分に対してインセンティブを当該ユーザに付与してもよい。
【0141】
なお、上述した実施形態で説明した情報処理システム1の少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ハードウェアで構成する場合には、情報処理システム1の少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD-ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。
【0142】
また、情報処理システム1の少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
【0143】
さらに、一つまたは複数の情報処理装置によって情報処理システム1を機能させてもよい。複数の情報処理装置を用いる場合、情報処理装置のうちの1つをコンピュータとし、当該コンピュータが所定のプログラムを実行することにより情報処理システム1の少なくとも1つの手段として機能が実現されてもよい。
【0144】
また、方法の発明においては、全ての工程(ステップ)をコンピュータによって自動制御で実現するようにしてもよい。また、各工程をコンピュータに実施させながら、工程間の進行制御を人の手によって実施するようにしてもよい。また、さらには、全工程のうちの少なくとも一部を人の手によって実施するようにしてもよい。
【0145】
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や様々の変形を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0146】
1 情報処理システム
2 端末装置
21 端末通信部
22 端末制御部
23 端末記憶部
24 端末入力部
25 端末出力部
3 サーバ
31 サーバ通信部
32 サーバ制御部
32a 探索条件取得部
32a’ 旅行プランニング条件取得部
32b 経路探索部
32c フリーパス情報取得部
32d 判定部
32e 出力制御部
32f フリーパス情報変更部
33 サーバ記憶部
33a 経路ネットワーク情報データベース
33b 地図情報データベース
33c フリーパス情報データベース
33d 利用料金決済履歴データベース
4 ネットワーク