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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-07
(45)【発行日】2024-02-16
(54)【発明の名称】足蹴り推進水面走り人力艇
(51)【国際特許分類】
   B63B 34/56 20200101AFI20240208BHJP
   B63B 34/565 20200101ALI20240208BHJP
【FI】
B63B34/56
B63B34/565
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020052079
(22)【出願日】2020-03-24
(65)【公開番号】P2021147023
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2022-12-08
(73)【特許権者】
【識別番号】593076091
【氏名又は名称】横井 達郎
(72)【発明者】
【氏名】横井達郎
【審査官】福田 信成
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05445549(US,A)
【文献】特開2000-219191(JP,A)
【文献】特開2017-193293(JP,A)
【文献】登録実用新案第3027558(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2012/0190254(US,A1)
【文献】中国実用新案第201338714(CN,Y)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 34/56
B63B 34/565
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗り手の体重を支えるための浮力を担う浮力体と、座を備え、座は足蹴り運動の軌道上に浮力体や座の脚フレームが障害にならない位置に配置し、足蹴りに用いられ、水面を叩き蹴る足裏板を備えた足蹴り推進水面走り人力艇。
【請求項2】
2個の浮力体を双胴艇型に構成して、座を連結脚フレ- ムで、ほぼ中央位置に配置したことを特徴とする請求項1に記載の足蹴り推進水面走り人力艇。
【請求項3】
請求項2記載の双胴艇型の構成で、連結脚フレームの延長上のハンドルレバーで双胴艇型浮力体の間隔を狭めたり拡げたりできる足蹴り推進水面走り人力艇。
【請求項4】
請求項1に記載のボード形浮力体2枚を重ね合わせて座の脚フレーム下部で開閉可能に接合する足蹴り推進水面走り人力艇。
【請求項5】
請求項1記載の浮力体を円環状にした足蹴り推進水面走り人力艇。
【請求項6】
請求項1記載の浮力体を空気膨張式浮力体あるいは発泡プラスチック又は発泡ゴムとした足蹴り推進水面走り人力艇。
【請求項7】
請求項1記載の浮力体を2個以上、座と連結した脚フレームの他端に固定する足蹴り推進水面走り人力艇。
【請求項8】
請求項1記載の足蹴り推進水面走り人力艇において、前記足裏板は、前進の推進力を実現する最適な角度に足裏プレートを固定でき、前記角度が少なくとも足先方向に対して後傾の角度となるように可動調整できる足蹴り推進水面走り人力艇。
【請求項9】
請求項1記載の足蹴り推進水面走り人力艇において、前記足裏板は、前進の推進力を実現する最適な角度に着脱でき、前記角度が少なくとも足先方向に対して後傾の角度となるような足蹴り推進水面走り人力艇。
【請求項10】
請求項7記載の各浮力体を円環状とし、座と連結した脚フレームの他端を軸として、この軸に回転可能に装着する足蹴り推進水面走り人力艇。
【請求項11】
乗り手の体重を支えるための浮力を担う浮力体と、座を備え、座は足蹴り運動の軌道上に浮力体や座の脚フレームが障害にならない位置に配置し、足蹴りに用いられ、水面を叩き蹴る足裏板を備えた足蹴り推進水面走り人力艇に適用される足裏板であって、前進の推進力を実現する最適な角度に足裏プレートを固定でき、前記角度が少なくとも足先方向に対して後傾の角度となるように可動調整できる足裏板。
【請求項12】
請求項11記載の足蹴り推進水面走り人力艇に適用される足裏板であって、前進の推進力を実現する最適な角度で着脱でき、前記角度が少なくとも足先方向に対して後傾の角度となるような足裏板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は足蹴り推進水面走り人力艇に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の水上を移動する船等では推進具として、オール、パドル、魯、フィン、スクリュー等を用いて水を後方に押しやる、あるいは水の抵抗を利用してそこを支点として船を前方に移動させる方法が知られる。
【0003】
したがって、従来の船では前後左右への安定性や、前進する時に船体が受ける水の抵抗や、波や水流、風等にも対抗するための船形や構造が予め備わっている必要があった。
【0004】
パドル、オール、魯等船を操る道具は陸上の生活動作にはなじみの薄いものである。
【0005】
したがって、歩く、走る等の普段の生活の中で慣れ親しんだ動作とは違うために、習熟に訓練が必要である。
【0006】
水上を低速で移動する船(特許文献1 参照) の場合は、限られた使用環境の中で用いれば推進力や船の強度が小さくても問題なく、健康器具としての使用も可能である。
【0007】
したがって、海や川などの多様な自然環境での使用に対しては不向きである。
【0008】
川を流れ下る時、流れの中にある岩や暗岩、護岸や崖、消波ブロック等への衝突や、急流で激しく変化する波や水流の中での安定性能が求められる。
【0009】
したがって、頑丈で安定性の高いラフティングボートのような重い船体が用いられる。
【0010】
また、高速で水面を進む船では水との摩擦抵抗と造波抵抗に考慮がなされなけ
ればならず、これらを軽減するための手段として、滑走と水中翼が知られるが、それを実現するためには滑走あるいは水中翼による翼走に至るまでの段階で、通常とうの排水量走行で高速で走る必要があり、それに耐えうる構造と強度と軽さが必要である。
【0011】
したがって、CFRP 等の先端技術や素材を使用する高価な製品となっている。
【0012】
船の方向転換に関しては、船の後ろや前に方向舵や、推進機自体を転回させる等の方法がある。
【0013】
したがって、何らかの方向転換機構と構造が必要である。
【0014】
一方、水面上の移動手段として、中米に生息するバシリスクという足の大きなイグアナや、ペアリング中のカイツブリ等の行動で、水の粘性による付加慣性力を利用して足裏で水面を素早く強く叩き蹴る動作で、水面からの反発力を利用して水面上を走る動物がいるが、いずれも体重が軽く脚力が強い動物である。
【0015】
したがって、体重が重く相対的に脚力の弱い人類が道具を使わずにこの真似をするのは不可能である。
【0016】
また、水を後方に蹴り掻くための、足先方向に対して後傾の角度である足裏板も効率的であるが、この角度の足裏板を装着したままでの陸上歩行は困難である。
【0017】
したがって、乗艇、下艇の際には、陸上歩行に対応する機構が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【文献】特開平09-039884 号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、水面を叩き蹴る推進方式、あるいは、水を進行方向後方に足蹴りする推進方式の具現化によって左右前後の安定性能や方向舵を持たない、浮力体と連結脚フレーム付きの座とによって構成される簡潔で軽量な足蹴り推進水面走り人力艇を提供することを目的としている。
【0020】
また、普段から慣れ親しんでいる、走る動作で水上を移動する足蹴り推進水面走り人力艇を提供することを目的としている。
【0021】
また、波やうねりに対して水面を叩き蹴って走り、波乗りに移行できる足蹴り推進水面走り人力艇を提供することを目的としている。
【0022】
また、全方向に対して安定、安全が得られて、子供や初心者にも安心な足蹴り推進水面走り人力艇を提供することを目的としている。
【0023】
また、プールや海水浴場等人が多く混み合っている場所で使用しても安全な足蹴り推進水面走り人力艇を提供することを目的としている。
【0024】
また、水を後方により効率的に蹴り掻くために、足先方向に対して後傾の角度で固定でき、陸上歩行の時の障害にならない角度にも可動調整、あるいは着脱できる足裏板を備える足蹴り推進水面走り人力艇を提供することを目的としている。
【0025】
また、川の流れを下るとき、急流での波や水流の変化や、岩や崖等の障害物への衝突に対して衝撃を緩和する性能、安定性、安全性、水流で障害物に押し付けられる状況からの脱出を容易にする性能を備えた足蹴り推進水面走り人力艇を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0026】
上記目的を達成するために、乗り手の体重を支えるための浮力を担う浮力体と、座を備え、座は足蹴り運動の軌道上に浮力体や座の脚フレームが障害にならない位置に配置し、足蹴りに用いる足裏板を備えた足蹴り推進水面走り人力艇を構成している。
【0027】
第2 の発明においては、2 個の浮力体を双胴艇型に構成して、座を連結脚フレームで、ほぼ中央の位置に配置した足蹴り推進水面走り人力艇を構成している。
【0028】
第3 の発明においては、双胴艇型の構成で、連結脚フレームの延長上のハンドルレバーで双胴艇型浮力体の間隔を狭めたり拡げたりできる足蹴り推進水面走り人力艇を構成している。
【0029】
第4 の発明においては、ボード形浮力体2 枚を重ね合わせて座の脚フレーム下部で開閉可能に接合する足蹴り推進水面走り人力艇を構成している。
【0030】
第5 の発明においては、浮力体を円環状にした足蹴り推進水面走り人力艇を構成している。
【0031】
第6 の発明においては、浮力体を空気膨張式浮力体あるいは発泡プラスチック又は発泡ゴムとした足蹴り推進水面走り人力艇を構成している。
【0032】
第7 の発明においては、浮力体を2個以上、座と連結した脚フレームの他端に固定する足蹴り推進水面走り人力艇を構成している。
【0033】
第8 の発明においては、水を後方に効率的に蹴り掻くために、足裏板は足先方向に対して後傾の角度で固定でき、陸上歩行の時に障害にならない角度にも可動調整できる足蹴り推進水面走り人力艇を構成している。
【0034】
第9 の発明においては、水を後方に効率的に蹴り掻くために、足裏板は足先方向に対して後傾の角度に着脱できる足蹴り推進水面走り人力艇を構成している。
【0035】
第1 0 の発明においては、各浮力体を円環状とし、座と連結した脚フレームの他端を軸として、この軸に回転可能に装着する足蹴り推進水面走り人力艇を構成している。
【0036】
第1 1 の発明においては、水を後方に効率的に蹴り掻くために、足裏プレートを足先方向に対して後傾の角度で固定でき、陸上歩行の時に障害にならない角度にも可動調整できる足蹴板を構成している。
【0037】
第1 2 の発明においては、水を後方に効率的に蹴り掻くために、足先方向に対して後傾の角度に着脱できる足蹴板を構成している。
【0038】
第1 3 の発明においては、足裏板や足裏プレートを、硬質プラスチック、金属板、木材、複合素材のCFRP,FRP,等の硬質素材の足裏プレートで足裏板を構成している。
【発明の効果】
【0039】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
( 1 )乗り手の体重を支えるための浮力を担う浮力体と、座を備え、座は足蹴り運動の軌道上に浮力体や座の脚フレームが障害にならない位置に配置して、足蹴りに足裏板を用いる構成とされているので、水面を叩き蹴る推進方法、あるいは、水を進行方向後方に足蹴りする推進方法を用いることが出来る。
【0040】
( 2 ) 2 個の浮力体を双胴艇型に構成して、座を連結脚フレ― ムで、ほぼ中央位置に配置して構成されているので、安定性能や方向転換機能を必要としない簡潔で小型、軽量化が計れる。
【0041】
( 3 )( 2 )記載の双胴艇型の構成で、連結脚フレームの延長上のハンドルレバーで双胴艇型浮力体の間隔を狭めたり拡げたりできるように構成されているので、足蹴り推進に続いて波乗りに移行する時には浮力体に足を乗せて踏ん張れる。
【0042】
( 4 )ボード形浮力体2 枚を重ね合わせて座の脚フレーム下部で開閉可能に接合する構成なので、浮力体の左右外側で足蹴り推進を行い、波乗りの時には2 枚のボード形浮力体を開いて足を乗せて踏ん張れる。
【0043】
( 5 )( 1)記載の浮力体を円環状にした構成なので、全方向に対して安全、安定が得られて、子供や初心者の使用に適している。
【0044】
( 6 )( 1 )記載の浮力体を空気膨張式浮力体あるいは発泡プラスチック又は発泡ゴムとした構成なので、高い安定性と共に、周囲の人や物に対しての安全性が得られる。
【0045】
( 7 )( 1 )記載の浮力体を2 個以上、座と連結した脚フレームの他端に固定する構成なので、簡潔で単純な構造の軽量艇が得られる。
【0046】
( 8 )( 1 )記載の足裏板で水を後方に効率的に蹴り掻くために最適な、足先方向に対して後傾の角度で固定でき、陸上歩行の時に障害にならない角度にも可動調整できる足蹴り推進水面走り人力艇を構成しているので、効率良く水を後方に蹴り掻くことができ、乗艇、下艇に際しても陸上歩行がし易い。
【0047】
( 9 )( 1 )記載の足裏板で水を後方に効率的に蹴り掻くために最適な、足先方向に対して後傾の角度で着脱できる足蹴り推進水面走り人力艇を構成しているので、装着して効率的な足蹴り推進ができると共に、装着解除して陸上歩行できる。
【0048】
( 1 0 ) ( 7 )記載の各浮力体を円環状とし、座と連結した脚フレームの他端を軸として、この軸に回転可能に装着する構成なので、岩や崖等の障害物への衝突に対しての安定、安全性と、衝撃を緩和する性能、水流で障害物に押し付けられる状況からの脱出を容易にする性能を備えている。
【0049】
( 1 1 ) 水を後方に効率的に蹴り掻くための足裏板を、足先方向に対して後傾の角度で固定でき、陸上歩行の時に障害にならない角度にも可動調整できる足裏板を構成しているので、効率良く水を後方に蹴り掻くことができ、乗艇、下艇に際しても陸上歩行がし易い。
【0050】
( 1 2 )水を後方に効率的に蹴り掻くための足裏板を、足先方向に対して後傾の角度で着脱できる足裏板を構成しているので、効率良く水を後方に蹴り掻くことができ、乗艇、下艇に際しても陸上歩行もできる。
【0051】
( 1 3 )、( 1 )( 8 )(9 )(1 1 )又は( 1 2)記載の足裏板であって、硬質プラスチック、金属板、木材、複合素材のCFRP,FRP 等の硬質素材の足裏プレートで構成される足裏板であるため、足蹴り動作によって効率良く水を後方に蹴り掻くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図1】本発明を実施するための最良の第1 の形態の斜視図
図2】本発明を実施するための最良の第1 の形態の分解図
図3】本発明を実施するための最良の第2 の形態の斜視図
図4】本発明を実施するための最良の第3 の形態の斜視図
図5】本発明を実施するための最良の第4 の形態の斜視図
図6】本発明を実施するための最良の第5 の形態の斜視図
図7】本発明を実施するための最良の第6 の形態の斜視図
図8】本発明を実施するための最良の第7 の形態の平面、正面図
図9】本発明を実施するための最良の第7 の形態の3 面図
図10】本発明を実施するための最良の第8 の形態の平面、正面図
図11】本発明を実施するための最良の第9 の形態の断面、斜視図
図12】本発明を実施するための最良の第9 の形態の分解図
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下、図面に示す発明を実施するための最良の形態により、本発明を詳細に説明する。ただし、発明の最良の形態は図1 の斜視図であるが、他図の形態においても同様の作用効果が期待される。
【0054】
( 第1 の形態)
図1 、2 に示す本発明を実施するための最良の第1 の形態において、1 は体重を支えるための浮力体であって、浮力体1 上面のジョイントベース7 に脚パイプ6を固定して、他端を高さ調節金具4 にそれぞれ固定し、適切な高さに座2 を固定し、3 は乗り手や艇体の姿勢安定のためのハンドルグリップであり、5 は足に装着して水面を叩き蹴る、あるいは水を進行方向後方に足蹴りするための足裏板である。
【0055】
上記構成の足蹴り推進水面走り人力艇は、浮力体1 によって乗り手の体重を支え、足裏板5 によって水面を叩き蹴って、また水を後方に蹴り掻いて推進力が得られる。
【0056】
また、水面を叩き蹴る側の浮力体に乗り手の体重が掛り、浮力体が沈められる側になるので、上向きの押し上げる効果や、水を後方に蹴り掻く推進力が伝わりやすい。
【0057】
上記構成の足蹴り推進水面走り人力艇では、陸上でのランニングと同じく日常慣れ親しんだ運動動作で安定性や方向転換も自然な形でおこなえる。
【0058】
上記構成の足蹴り推進水面走り人力艇のハンドルグリップ3 は、乗り手の姿勢や艇全体の姿勢をコントロールし易く、波や水流の変化、障害物への衝突の衝撃に対しても安定を保ち易い。
【0059】
( 第2 の形態)
図3 に示す本発明を実施するための最良の第2 の形態において、足蹴り推進から波やうねりで波乗りを行う時、図1 の第1 の形態でも可能であるが、より一層波乗り動作に特化するために、浮力体に足を乗せて踏ん張ってボードをコントロールするために、コントロールレバー8 を操作して双胴艇の間隔を狭めたり開いたりすることができる。
【0060】
上記構成の足蹴り推進水面走り人力艇では、立った姿勢からそのまま波乗り姿勢に移行できるので、波乗りが容易になると同時に沖合の速いうねりにも乗れる可能性が増大する。
【0061】
( 第3 の形態)
図4 は、浮力体1 の左右の外側で足蹴り推進動作を行い、波乗りに移行する時に、蝶番9 で重ね合わせたボード形の浮力体1 のロック1 0 を外して、足でボードを左右に押し開いて波乗りを行い、その後に閉じ合わせ用のラインロープ1 1 を引いてボード形浮力体1 を閉じた後に足蹴り推進を再び始められる。
【0062】
上記構成の足蹴り推進水面走り人力艇では、波乗りを行う時に1 枚のボード形浮力体として形作られるので、より一層波乗り感覚が得られる。
【0063】
図5 は、浮力体1 を単体の細長い排水量形とし、その左右の外側で足蹴り推進動作を行い、横安定フロート1 2 を装着することが可能である。
【0064】
上記構成の足蹴り推進水面走り人力艇では、細長い排水量形の艇体によって水の抵抗を小さくすることができ、横安定フロートを装着して横安定が図れる。
【0065】
( 第4 の形態)
図6 は、浮力体1 を円環形、楕円環形、馬蹄円環形、とすることにより、全方向への安定性が大きいので、初心者や子供、障害がある人でも、事前の解説なしに乗り始めることができ、周囲の遊泳者や障害物に対しても安全性が高い。
【0066】
上記構成の足蹴り推進水面走り人力艇では、初心者が簡単に安心して始められ、安全性が高いので、水上のレジャーの普及促進に役立つ。
【0067】
( 第5 の形態)
また、図1 、6 、7 の浮力体1 を空気膨張式浮力体や発泡プラスチック、発泡ゴムとすることにより、安定性能や周囲の人や物に対しての安全性が高くなる。
【0068】
また、この浮力体の構造、材質にすることによって、小さく折りたたむことができたり安価に製造できて持ち運びや、収納がしやすく、軽量ポータブルを実現できる。
【0069】
( 第6 の形態)
図7 は、座2 に固定した脚パイプ6 の他端に、乗り手の体重を支えて足蹴り推進を行うための浮力体1 を固定した構成になっている。
【0070】
上記構成の足蹴り推進水面走り人力艇では、簡単な構造で浮力体1 の配置を、2点、3 点、4 点、5 点、多数と多様な形態を具現化することができる。
【0071】
図8 は、足蹴り推進に用いる足裏プレート1 3 を足蹴り推進に用いる時は、足先方向に対して後傾の角度に固定駒1 4 をストッパー爪1 5 の後ろに当てて固定し、歩行する時は、回転軸1 6 に対してスライド長孔1 7 をスライドさせて、バネ1 8 を引き延ばして、ストッパー爪1 5 を乗り越えて回転させて、足先方向に対して上向きの角度に再び固定する構成になっている。
【0072】
上記構成の足裏板で可動調整の動きを順を追って説明すると、足裏プレート1 3を、まず足先方向に対して上向きな歩行に適した角度から、垂直に水に漬けて、後方から前方に蹴り、足先方向に対して後傾の角度で固定駒1 4 をストッパー爪1 5 の後方で固定させて足蹴り推進を行い、歩行開始の時は、足裏プレート1 3を垂直状態から再度後方から前方に蹴り、素早く前方から後方に蹴ることにより、歩行に適した、足先方向に対して上向きな角度に固定する。
【0073】
図9 は、足蹴り推進に用いる足裏プレート1 3 を足蹴り推進時には、跳ね上げストッパー爪2 0 を解除して、足裏プレート1 3を足裏の足先方向に回転軸1 6 で回転して下ろし、ストッパー爪1 5 で固定し、歩行時には足裏プレート1 3を踵方向に回転させて跳ね上げストッパー爪2 0 で固定する構成になっている。
【0074】
上記構成の足裏板で可動調整の動きを順を追って説明すると、足裏プレート1 3を跳ね上げストッパー爪2 0 を手で解除して、空中で足を前方に強く振って足先方向に対して後傾の角度にストッパー爪1 5 で固定して足蹴り推進を行い、歩行時では水中で後方から前方に蹴って踵方向にはね上げて跳ね上げストッパー爪2 0 で固定する。
【0075】
図1 0 は、足蹴り推進に用いる足裏板5 を前進の推進力を実現する最適な角度に足先から履き込み、回転軸1 6 で踵部分を回転させてバックル1 9 で装着し、下艇時にはバックル1 9 を解除して、迅速に脱装できる構成になっている。
【0076】
上記、図8 、9 、1 0 の足裏板の構成によって、効率的な足蹴り推進ができる水面走り人力艇を提供できる。
【0077】
図1 1 は、各浮力体1 を円環状とし、座2 と連結した脚フレーム6 の他端を軸として、この軸に回転可能に装着する構成になっている。
【0078】
上記構成の足蹴り推進水面走り人力艇では、安定性能が高く、障害物に衝突したり、押し付けられても、衝撃を和らげ、安全に脱出できて、周囲の環境を傷付けることが少ない。
【0079】
図1 2 は、分解、組み立てが容易であり、軽量で持ち運びや移動、収納が容易な構成になっている。
【0080】
上記構成の足蹴り推進水面走り人力艇では、川の流れの中でも安定性能が高く、障害物を回避、脱出したり、川下から川上への陸上移動が容易である。
【符号の説明】
【0081】
1 浮力体
2 座
3 グリップハンドル
4 高さ調節機
5 足裏板
6 脚パイプ
7 ジョイントベース
8 コントロールレバー
9 蝶番
1 0 ロックストッパー
1 2 横安定フロート
1 3 足裏プレート
1 4 固定駒
1 5 ストッパー爪
1 6 回転軸
1 7 スライド長孔
1 8 バネ
1 9 バックル
2 0 固定爪
2 1 回転駒
2 2 ブラケット
2 3 突っ張りステー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12