(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-07
(45)【発行日】2024-02-16
(54)【発明の名称】皮状食品製造装置及び皮状食品の製造方法
(51)【国際特許分類】
A47J 37/04 20060101AFI20240208BHJP
A21B 5/00 20060101ALI20240208BHJP
A21D 13/00 20170101ALI20240208BHJP
A21D 13/44 20170101ALI20240208BHJP
A23L 7/109 20160101ALI20240208BHJP
【FI】
A47J37/04 101A
A21B5/00
A21D13/00
A21D13/44
A23L7/109 D
(21)【出願番号】P 2021065871
(22)【出願日】2021-04-08
【審査請求日】2022-11-25
(73)【特許権者】
【識別番号】521153054
【氏名又は名称】大英産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154014
【氏名又は名称】正木 裕士
(74)【代理人】
【識別番号】100154520
【氏名又は名称】三上 祐子
(72)【発明者】
【氏名】渡部 英文
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-099013(JP,A)
【文献】特開昭55-085375(JP,A)
【文献】特開2012-005350(JP,A)
【文献】特開昭48-052983(JP,A)
【文献】特開平03-004728(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 37/00-37/07
A21B 1/00- 7/00
A21D 2/00-17/00
A23L 7/109-7/113
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内蔵ヒータにより加熱されて回転する焼成ドラムと、
前記焼成ドラムの外周面にペースト状の第1の生地を連続的に付着供給する第1ノズルと、
前記焼成ドラムの外周面にペースト状の第2の生地を間欠的に付着供給する第2ノズルと、を有し、
前記第2ノズルは、
第2ノズル本体と、
前記第2ノズル本体の一側面から外方向に突出して設けられている第1吐出口と、
前記第2ノズル本体の他側面から外方向に突出して設けられている第2吐出口と、を有し、
前記焼成ドラムの外周面に
前記第1ノズルを用いて付着供給された前記第1の生地
の両側面に突起を形成するにあたって、前記第1吐出口及び前記第2吐出口を用いて前記第2の生地を前記焼成ドラムの外周面に付着供給してなる皮状食品製造装置。
【請求項2】
前記第1ノズルと、前記第2ノズルは、別体、又は、一体的に形成されてなる請求項1に記載の皮状食品製造装置。
【請求項3】
前記第2ノズルからの供給を間欠的に行うか、及び/又は、前記第2ノズルを前記焼成ドラムの外周面に接近・離間させるかの方法により、前記焼成ドラムの外周面にペースト状の第2の生地を間欠的に付着供給してなる請求項1又は2に記載の皮状食品製造装置。
【請求項4】
内蔵ヒータにより加熱されて回転する焼成ドラムの外周面に第1ノズルを用いてペースト状の第1の生地を連続的に付着供給する工程と、
前記焼成ドラムの外周面に付着供給された前記第1の生地の
両側面に
突起が形成されるように、第2ノズル本体の一側面から外方向に突出して設けられている第1吐出口及び前記第2ノズル本体の他側面から外方向に突出して設けられている第2吐出口を用いて、前記焼成ドラムの外周面
にペースト状の第2の生地を間欠的に付着供給する工程と、を含んでなる皮状食品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小麦粉等のペースト状生地を所定厚みの皮状に焼成して、春巻きの皮、クレープシート等の皮状食品を製造する皮状食品製造装置及び皮状食品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の皮状食品製造装置として、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。この従来の皮状食品製造装置を、
図5及び
図6を参照して具体的に説明すると、
図5及び
図6に示すように、皮状食品製造装置100は、ドラム軸101に枢着され内蔵ヒータ102によって所定温度に加熱される焼成ドラム103を有している。この焼成ドラム103の側端面には、
図6に示すように、断熱材104を介して大歯車105が重合固定されている。しかして、
図6に示すように、この大歯車105がモータMの軸Maの小歯車106と噛合することにより、焼成ドラム103は、
図5に示す矢印Y1方向に低速回転することとなる。
【0003】
一方、皮状食品製造装置100は、
図5に示すように、小麦粉等のペースト状生地を貯留するホッパー107をさらに有している。このホッパー107の下方部には、ギヤーポンプ108が連通連結されている。そして、このギヤーポンプ108は、
図5に示すように、可撓管109を介して、扁平状ノズル110が連結されている。これにより、ホッパー107に貯留されているペースト状生地は、ギヤーポンプ108によって、可撓管109を介して、所定の定圧力によって、扁平状ノズル110に送り出されることとなる。そして、扁平状ノズル110に送り出されたペースト状生地は、扁平状ノズル110の吐出口110aより厚み調整ローラ110bによって所定厚みに成形された上で、焼成ドラム103の回転に伴って、焼成ドラム103の外周面103a上に矩形状で薄層状の付着物F(
図3(a)参照)として付着供給されることとなる。
【0004】
かくして、上記付着物Fは、焼成ドラム103の回転過程で焼成されて皮状焼成品となった後、焼成ドラム103の外周面103aの下部側の右側端部(
図5に関し)で、焼成ドラム103の外周面103aに摺接するスクレーパー111によって剥離され、もって、図示しない搬送コンベアによって、所定場所に移送されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特公昭56-38180号公報
【文献】特公昭56-38083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年、
図3(b)に示すような、側面に突起があるような皮状食品が求められてきている。このような皮状食品を製造するにあたっては、上記のような扁平状ノズル110に代え、特許文献2に記載のような転写ドラムを用いる方法が考えられる。
【0007】
しかしながら、このような転写ドラムを用いるにあたっては、
図3(b)に示すような形状の型を、転写ドラムに形成しなければならないという問題があった。またこのような型を形成したとしても、転写ドラム自体の重量が重いことから、設置が難しいという問題があった。さらには、転写ドラムを用いると、機械構造が複雑になるという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、上述の問題に鑑み、簡単容易に側面に突起がある皮状食品を製造することができる皮状食品製造装置及び皮状食品の製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記本発明の目的は、以下の手段によって達成される。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0010】
請求項1に係る発明は、内蔵ヒータ(102)により加熱されて回転する焼成ドラム(103)と、
前記焼成ドラム(103)の外周面(103a)にペースト状の第1の生地を連続的に付着供給する第1ノズル(扁平状ノズル110)と、
前記焼成ドラム(103)の外周面(103a)にペースト状の第2の生地を間欠的に付着供給する第2ノズル(突起用ノズル2)と、を有し、
前記第2ノズルは、
第2ノズル本体と、
前記第2ノズル本体の一側面(左側面2a)から外方向に突出して設けられている第1吐出口(左吐出口2b)と、
前記第2ノズル本体の他側面(右側面2c)から外方向に突出して設けられている第2吐出口(右吐出口2d)と、を有し、
前記焼成ドラム(103)の外周面(103a)に前記第1ノズル(扁平状ノズル110)を用いて付着供給された前記第1の生地(例えば、付着物F)の両側面に突起(Fa)を形成するにあたって、前記第1吐出口(左吐出口2b)及び前記第2吐出口(右吐出口2d)を用いて前記第2の生地を前記焼成ドラム(103)の外周面(103a)に付着供給してなることを特徴としている。
【0011】
また、請求項2に係る発明は、上記請求項1に記載の皮状食品製造装置(1)において、前記第1ノズル(扁平状ノズル110)と、前記第2ノズル(突起用ノズル2、左突起用ノズル2A、右突起用ノズル2B)は、別体、又は、一体的に形成されてなることを特徴としている。
【0012】
さらに、請求項3に係る発明は、上記請求項1又は2に記載の皮状食品製造装置(1)において、前記第2ノズル(突起用ノズル2、左突起用ノズル2A、右突起用ノズル2B)からの供給を間欠的に行うか、及び/又は、前記第2ノズル(突起用ノズル2)を前記焼成ドラム(103)の外周面(103a)に接近・離間させるかの方法により、前記焼成ドラム(103)の外周面(103a)にペースト状の第2の生地を間欠的に付着供給してなることを特徴としている。
【0013】
一方、請求項4に係る発明は、内蔵ヒータ(102)により加熱されて回転する焼成ドラム(103)の外周面(103a)に第1ノズル(扁平状ノズル110)を用いてペースト状の第1の生地を連続的に付着供給する工程と、
前記焼成ドラム(103)の外周面(103a)に付着供給された前記第1の生地の両側面に突起(Fa)が形成されるように、第2ノズル本体の一側面(左側面2a)から外方向に突出して設けられている第1吐出口(左吐出口2b)及び前記第2ノズル本体の他側面(右側面2c)から外方向に突出して設けられている第2吐出口(右吐出口2d)を用いて、前記焼成ドラム(103)の外周面(103a)にペースト状の第2の生地を間欠的に付着供給する工程と、を含んでなることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
次に、本発明の効果について、図面の参照符号を付して説明する。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0015】
請求項1の発明によれば、焼成ドラム(103)の外周面(103a)に第1ノズル(扁平状ノズル110)を用いて連続的にペースト状の第1の生地を付着供給することにより、
図3(a)に示す付着物(F)を形成
する。そして、焼成ドラム(103)の外周面(103a)に
第1吐出口(左吐出口2b)及び第2吐出口(右吐出口2d)を用いて間欠的にペースト状の第2の生地を付着供給することにより、
図3(b)に示すように付着物(F)の
両側面に突起(Fa)を形成するようにしている。これにより、
両側面に突起がある皮状食品を製造することが可能となる。
【0016】
しかして、本発明によれば、転写ドラムを用いずとも、新たに、第1吐出口(左吐出口2b)及び第2吐出口(右吐出口2d)を備えた第2ノズル(突起用ノズル2)を設けるだけで、両側面に突起がある皮状食品を製造することができることとなる。これにより、簡単容易に両側面に突起がある皮状食品を製造することが可能となる。
【0017】
ところで、このような第1ノズル(扁平状ノズル110)と、第2ノズル(突起用ノズル2、左突起用ノズル2A、右突起用ノズル2B)は、請求項2の発明のように、別体、又は、一体的に形成されることとなる。また、焼成ドラム(103)の外周面(103a)にペースト状の第2の生地を間欠的に付着供給するにあたっては、請求項3の発明のように、第2ノズル(突起用ノズル2、左突起用ノズル2A、右突起用ノズル2B)からの供給を間欠的に行うか、及び/又は、第2ノズル(突起用ノズル2)を焼成ドラム(103)の外周面(103a)に接近・離間させるかの方法により実現できることとなる。
【0018】
一方、請求項4の発明によれば、焼成ドラム(103)の外周面(103a)に第1ノズル(扁平状ノズル110)を用いて連続的にペースト状の第1の生地を付着供給することにより、
図3(a)に示す付着物(F)を形成
する。そして、焼成ドラム(103)の外周面(103a)に
第1吐出口(左吐出口2b)及び第2吐出口(右吐出口2d)を用いて間欠的にペースト状の第2の生地を付着供給することにより、
図3(b)に示すように付着物(F)の
両側面に突起(Fa)を形成するようにしている。これにより、
両側面に突起がある皮状食品を製造することが可能となる。
【0019】
しかして、本発明においても、転写ドラムを用いずとも、新たに、第1吐出口(左吐出口2b)及び第2吐出口(右吐出口2d)を備えた第2ノズル(突起用ノズル2)を用いるだけで、両側面に突起がある皮状食品を製造することができることとなる。これにより、簡単容易に両側面に突起がある皮状食品を製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態に係る皮状食品製造装置の簡略正面図である。
【
図2】同実施形態に係る焼成ドラムの外周面に対する扁平状ノズルと、突起用ノズルの位置関係を示すと共に、付着物に突起が形成される様子を平面的に示す説明図である。
【
図3】(a)は焼成ドラムの外周面に付着供給される付着物の平面図、(b)は(a)に示す付着物の側面に突起が形成された状態を示す平面図である。
【
図4】
図1及び
図2とは異なり、ノズルを一体的に設けた場合の例を説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明に係る皮状食品製造装置の一実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。なお、以下の説明において、上下左右の方向を示す場合は、図示正面から見た場合の上下左右をいうものとし、従来と同一の構成については同一の符号を付し、説明は省略することとする。
【0022】
図1に示す皮状食品製造装置1は、従来の皮状食品製造装置100と略同一であり、異なる部分は、扁平状ノズル110に加え、新たなノズルを設けたことである。そのため、
図1では、異なる部分に関するところのみを図示し、それ以外のところは図示を省略している。
【0023】
図1に示すように、皮状食品製造装置1は、
図5及び
図6に示す皮状食品製造装置100と同様、焼成ドラム103の外周面103aの下部側に、扁平状ノズル110を設けている。そして、この扁平状ノズル110には、可撓管109を介して、ギヤーポンプ108が連結され、ギヤーポンプ108の上方には、ホッパー107が連通連結されている。なお、このホッパー107には、
図3に示す矩形状で薄層状の付着物Fを形成するための小麦粉等のペースト状生地が貯留されている。
【0024】
一方、
図1に示すように、皮状食品製造装置1は、焼成ドラム103の外周面103aの下部左側に、突起用ノズル2を新たに設けている。この突起用ノズル2は、
図2に示すように、逆台形状に形成され、左側面2aには、左吐出口2bが突出して設けられており、右側面2cには、右吐出口2dが突出して設けられている。そして、左吐出口2b及び右吐出口2d側には、厚み調整ローラ2eが設けられている。
【0025】
かくして、このように形成される突起用ノズル2は、
図1に示すように、可撓管3を介して、ギヤーポンプ4が連結されている。そして、このギヤーポンプ4の上方には、ホッパー5が連通連結されている。なお、このホッパー5には、
図3(b)に示すような、突起Faを形成するための小麦粉等のペースト状生地が貯留されている。
【0026】
かくして、上記のような扁平状ノズル110及び突起用ノズル2を用いて、側面に突起がある皮状食品を製造するにあたっては、まず、ホッパー107に貯留されているペースト状生地が、ギヤーポンプ108によって、可撓管109を介して、所定の定圧力によって、扁平状ノズル110に送り出される。そして、扁平状ノズル110に送り出されたペースト状生地は、
図2に示す扁平状ノズル110の吐出口110aより厚み調整ローラ110bによって所定厚みに成形された上で、焼成ドラム103の回転に伴って、焼成ドラム103の外周面103a上に矩形状で薄層状の付着物F(
図3(a)参照)として付着供給される。なお、扁平状ノズル110に送り出されたペースト状生地は、焼成ドラム103の外周面103a上に連続的に付着供給されることとなる。これにより、焼成ドラム103の外周面103aには、
図3(a)に示すように、縦長の付着物Fが形成される。
【0027】
次いで、ホッパー5に貯留されているペースト状生地が、ギヤーポンプ4によって、可撓管3を介して、所定の定圧力によって、突起用ノズル2に送り出される。そして、突起用ノズル2に送り出されたペースト状生地は、
図2に示す突起用ノズル2の左吐出口2b及び右吐出口2dより厚み調整ローラ2eによって所定厚みに成形された上で、焼成ドラム103の回転に伴って、焼成ドラム103の外周面103a上に、付着物Fの側面に突起Fa(
図3(b)参照)が形成されるように付着供給される。すなわち、突起用ノズル2の左吐出口2bより厚み調整ローラ2eによって所定厚みに成形されて、
図3(b)に示す付着物Fの左側面の突起Faが形成され、そして、突起用ノズル2の右吐出口2dより厚み調整ローラ2eによって所定厚みに成形され、
図3(b)に示す付着物Fの右側面の突起Faが形成されることとなる。
【0028】
ところで、このような突起Faを形成するにあたっては、突起用ノズル2に送り出されたペースト状生地を、焼成ドラム103の外周面103a上に間欠的に付着供給させるようにする。具体的には、ギヤーポンプ4の可動・停止を繰り返し行うことにより、突起用ノズル2へのペースト状生地の送り出しを連続的に行うのではなく間欠的に行うようにする。これにより、突起用ノズル2に送り出されたペースト状生地は、焼成ドラム103の外周面103a上に間欠的に付着供給されることとなる。また、
図1に示すように、傾動部6を用いて突起用ノズル2を、焼成ドラム103の外周面103aに接近・離間させるようにしても良い。より詳しく説明すると、
図1に示すように、傾動部6は、基台6aと、一端部6b1が基台6aに傾動可能に取り付けられている傾動体6bと、で構成されている。傾動体6bは、モータの軸M1aに連結され、そのモータの駆動によって、傾動されるようになっており、他端部6b2が、
図1に示すように、突起用ノズル2に取り付けられている。これにより、傾動体6bが
図1に示す矢印Y2の左方向に傾動すると、突起用ノズル2は、焼成ドラム103の外周面103aから離間する位置に移動(
図1に示す破線参照)し、傾動体6bが
図1に示す矢印Y2の右方向に傾動すると、突起用ノズル2は、焼成ドラム103の外周面103aに接近する位置に移動(
図1に示す実線参照)することとなる。しかして、このようにしても、突起用ノズル2に送り出されたペースト状生地を、焼成ドラム103の外周面103a上に間欠的に付着供給できることとなる。なお、この際、焼成ドラム103の外周面103aから突起用ノズル2が離間する際、ギヤーポンプ4の可動を停止させることにより、突起用ノズル2へのペースト状生地の送り出しを停止させ、焼成ドラム103の外周面103aに突起用ノズル2が接近する際、ギヤーポンプ4を可動させることにより、突起用ノズル2にペースト状生地を送り出すようにしても良い。しかして、このようにしても、突起用ノズル2に送り出されたペースト状生地を、焼成ドラム103の外周面103a上に間欠的に付着供給できることとなる。
【0029】
しかして、以上説明した本実施形態によれば、焼成ドラム103の外周面103aに扁平状ノズル110を用いて連続的にペースト状生地を付着供給することにより、
図3(a)に示す付着物Fを形成し、そして、焼成ドラム103の外周面103aに突起用ノズル2を用いて間欠的にペースト状生地を付着供給することにより、
図3(b)に示すように付着物Fの側面に突起Faを形成するようにしている。これにより、側面に突起がある皮状食品を製造することが可能となる。
【0030】
しかして、本実施形態によれば、転写ドラムを用いずとも、新たに突起用ノズル2を設けるだけで、側面に突起がある皮状食品を製造することができることとなる。これにより、簡単容易に側面に突起がある皮状食品を製造することが可能となる。
【0031】
なお、本実施形態において示した形状等はあくまで一例であり、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば、本実施形態において示した扁平状ノズル110や突起用ノズル2、或いは、傾動部6の形状はあくまで一例であり、どのような形状でも良い。
【0032】
また、本実施形態においては、扁平状ノズル110と突起用ノズル2を別体で設けられる例を示したが、
図4に示すように、一体的に設けても良い。すなわち、扁平状ノズル110の左側面110cに左突起用ノズル2Aを一体的に設け、扁平状ノズル110の右側面110dに右突起用ノズル2Bを一体的に設けるようにする。そして、扁平状ノズル110には、ギヤーポンプ108よりペースト状生地が供給されてくる可撓管109が連結されている。さらに、左突起用ノズル2Aには、ギヤーポンプ(図示せず)よりペースト状生地が供給されてくる可撓管3Aが連結されており、そしてさらに、右突起用ノズル2Bには、ギヤーポンプ(図示せず)よりペースト状生地が供給されてくる可撓管3Bが連結されている。これにより、扁平状ノズル110の吐出口110aより厚み調整ローラ110bによって所定厚みに成形された上で、焼成ドラム103の回転に伴って、焼成ドラム103の外周面103a上に付着物F(
図3(a)参照)として連続的に付着供給される。そして、左突起用ノズル2Aの吐出口2Aaより厚み調整ローラ110bによって所定厚みに成形された上で、焼成ドラム103の回転に伴って、焼成ドラム103の外周面103a上に間欠的に付着供給されることにより、
図3(b)に示す付着物Fの左側面の突起Faが形成される。そしてさらに、右突起用ノズル2Bの吐出口2Baより厚み調整ローラ110bによって所定厚みに成形された上で、焼成ドラム103の回転に伴って、焼成ドラム103の外周面103a上に間欠的に付着供給されることにより、
図3(b)に示す付着物Fの右側面の突起Faが形成されることとなる。
【0033】
しかして、このようにしても、簡単容易に側面に突起がある皮状食品を製造することが可能となる。なお、上記のように一体的に設けた場合、左突起用ノズル2A及び右突起用ノズル2Bに送り出されたペースト状生地を、焼成ドラム103の外周面103a上に間欠的に付着供給させるにあたっては、図示しない、ギヤーポンプの可動・停止を繰り返し行うことにより、左突起用ノズル2A及び右突起用ノズル2Bへのペースト状生地の送り出しを連続的に行うのではなく間欠的に行うようにすれば良い。
【符号の説明】
【0034】
1 皮状食品製造装置
2 突起用ノズル(第2ノズル)
2A 左突起用ノズル(第2ノズル)
2B 右突起用ノズル(第2ノズル)
102 内蔵ヒータ
103 焼成ドラム
103a 外周面
110 扁平状ノズル(第1ノズル)
F 付着物
Fa 突起