(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-07
(45)【発行日】2024-02-16
(54)【発明の名称】プログラム、サーバ装置の制御方法及びサーバ装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/795 20140101AFI20240208BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20240208BHJP
A63F 13/48 20140101ALI20240208BHJP
【FI】
A63F13/795
A63F13/35
A63F13/48
(21)【出願番号】P 2021075146
(22)【出願日】2021-04-27
(62)【分割の表示】P 2019230689の分割
【原出願日】2019-12-20
【審査請求日】2022-11-29
(73)【特許権者】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(72)【発明者】
【氏名】安喰 勇人
(72)【発明者】
【氏名】渡部 和樹
(72)【発明者】
【氏名】小野 沙和香
(72)【発明者】
【氏名】榎本 智
【審査官】宇佐田 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-134066(JP,A)
【文献】特開2016-002413(JP,A)
【文献】特開2002-224456(JP,A)
【文献】特開2016-209093(JP,A)
【文献】特開2019-103673(JP,A)
【文献】特開2009-189594(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98,9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のグループ又は第2のグループへのユーザの参加登録を受け付ける受付処理と、
前記受付処理によって前記第1のグループ又は前記第2のグループへの参加登録が受け付けられたユーザから、該ユーザが参加登録されているグループとは異なる方のグループに参加登録されているユーザとのマッチングの要求を受信する受信処理と、
前記第1のグループに参加登録されているユーザと前記第2のグループに参加登録されているユーザとから、それぞれ前記受信処理によってマッチングの要求を受信したことに応じて、前記第1のグループに参加登録されているユーザと前記第2のグループに参加登録されているユーザとをマッチングさせるマッチング処理とをコンピュータに実行させ、
前記受付処理においては、前記マッチング処理によるマッチングでの成功率に応じて、前記第1のグループ又は前記第2のグループへの新規ユーザの参加登録を制限し、前記参加登録が制限されているグループへ参加要求を送信したユーザに対して、もう一方のグループの選択を促す通知を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項2】
3つ以上の複数のグループのうちいずれか1つのグループへのユーザの参加登録を受け付ける受付処理と、
前記受付処理によって前記いずれか1つのグループへの参加登録が受け付けられたユーザから、該ユーザが参加登録されているグループとは異なるグループに参加登録されているユーザとのマッチングの要求を受信する受信処理と、
前記いずれか1つのグループに参加登録されているユーザと前記異なるグループに参加登録されているユーザとから、それぞれ前記受信処理によってマッチングの要求を受信したことに応じて、前記いずれか1つのグループに参加登録されているユーザと前記異なるグループに参加登録されているユーザとをマッチングさせるマッチング処理とをコンピュータに実行させ、
前記受付処理においては、前記マッチング処理によるマッチングでの成功率に応じて、前記複数のグループのうちいずれかのグループへの新規ユーザの参加登録を制限することを特徴とするプログラム。
【請求項3】
第1のグループ又は第2のグループへのユーザの参加登録を受け付ける受付工程と、
前記受付工程によって前記第1のグループ又は前記第2のグループへの参加登録が受け付けられたユーザから、該ユーザが参加登録されているグループとは異なる方のグループに参加登録されているユーザとのマッチングの要求を受信する受信工程と、
前記第1のグループに参加登録されているユーザと前記第2のグループに参加登録されているユーザとから、それぞれ前記受信工程によってマッチングの要求を受信したことに応じて、前記第1のグループに参加登録されているユーザと前記第2のグループに参加登録されているユーザとをマッチングさせるマッチング工程とを有し、
前記受付工程においては、前記マッチング工程におけるマッチングでの成功率に応じて、前記第1のグループ又は前記第2のグループへの新規ユーザの参加登録を制限し、前記参加登録が制限されているグループへ参加要求を送信したユーザに対して、もう一方のグループの選択を促す通知を行うことを特徴とするサーバ装置の制御方法。
【請求項4】
3つ以上の複数のグループのうちいずれか1つのグループへのユーザの参加登録を受け付ける受付工程と、
前記受付工程によって前記いずれか1つのグループへの参加登録が受け付けられたユーザから、該ユーザが参加登録されているグループとは異なるグループに参加登録されているユーザとのマッチングの要求を受信する受信工程と、
前記いずれか1つのグループに参加登録されているユーザと前記異なるグループに参加登録されているユーザとから、それぞれ前記受信工程によってマッチングの要求を受信したことに応じて、前記いずれか1つのグループに参加登録されているユーザと前記異なるグループに参加登録されているユーザとをマッチングさせるマッチング工程とを有し、
前記受付工程においては、前記マッチング工程におけるマッチングでの成功率に応じて、前記複数のグループのうちいずれかのグループへの新規ユーザの参加登録を制限することを特徴とするサーバ装置の制御方法。
【請求項5】
第1のグループ又は第2のグループへのユーザの参加登録を受け付ける受付手段と、
前記受付手段によって前記第1のグループ又は前記第2のグループへの参加登録が受け付けられたユーザから、該ユーザが参加登録されているグループとは異なる方のグループに参加登録されているユーザとのマッチングの要求を受信する受信手段と、
前記第1のグループに参加登録されているユーザと前記第2のグループに参加登録されているユーザとから、それぞれ前記受信手段によってマッチングの要求を受信したことに応じて、前記第1のグループに参加登録されているユーザと前記第2のグループに参加登録されているユーザとをマッチングさせるマッチング手段とを有し、
前記受付手段は、前記マッチング手段によるマッチングでの成功率に応じて、前記第1のグループ又は前記第2のグループへの新規ユーザの参加登録を制限し、前記参加登録が制限されているグループへ参加要求を送信したユーザに対して、もう一方のグループの選択を促す通知を行うことを特徴とするサーバ装置。
【請求項6】
3つ以上の複数のグループのうちいずれか1つのグループへのユーザの参加登録を受け付ける受付手段と、
前記受付手段によって前記いずれか1つのグループへの参加登録が受け付けられたユーザから、該ユーザが参加登録されているグループとは異なるグループに参加登録されているユーザとのマッチングの要求を受信する受信手段と、
前記いずれか1つのグループに参加登録されているユーザと前記異なるグループに参加登録されているユーザとから、それぞれ前記受信手段によってマッチングの要求を受信したことに応じて、前記いずれか1つのグループに参加登録されているユーザと前記異なるグループに参加登録されているユーザとをマッチングさせるマッチング手段とを有し、
前記受付手段は、前記マッチング手段によるマッチングでの成功率に応じて、前記複数のグループのうちいずれかのグループへの新規ユーザの参加登録を制限することを特徴とするサーバ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、サーバ装置の制御方法及びサーバ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワークを介してユーザが他のユーザとゲームで対戦するオンラインゲームが普及してきている。オンラインゲームでは、ユーザはゲーム装置からそのゲームにログインし、サーバ装置がその時にログインしている他のユーザとマッチングすることにより対戦相手とゲームで対戦することができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
オンラインゲームの種類によっては、複数のユーザが2つ以上のグループに分かれて対戦する場合がある。この場合、2つ以上のグループの何れを選択するかは自由であるため、例えば1つのグループが人気のあるグループである場合には、グループに属するユーザ数に大きな偏りが生じてしまう。ユーザ数に大きな偏りが生じると、ユーザ数の多いグループに属するユーザが対戦を希望する場合に対戦相手が簡単に見つからず、満足にゲームを楽しめないという課題がある。
【0005】
本発明は上述の問題点に鑑みてなされたものであり、複数のグループに分かれてオンラインで他のユーザと対戦する際に、対戦相手が見つからない状況を少なくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るプログラムは、第1のグループ又は第2のグループへのユーザの参加登録を受け付ける受付処理と、前記受付処理によって前記第1のグループ又は前記第2のグループへの参加登録が受け付けられたユーザから、該ユーザが参加登録されているグループとは異なる方のグループに参加登録されているユーザとのマッチングの要求を受信する受信処理と、前記第1のグループに参加登録されているユーザと前記第2のグループに参加登録されているユーザとから、それぞれ前記受信処理によってマッチングの要求を受信したことに応じて、前記第1のグループに参加登録されているユーザと前記第2のグループに参加登録されているユーザとをマッチングさせるマッチング処理とをコンピュータに実行させ、前記受付処理においては、前記マッチング処理によるマッチングでの成功率に応じて、前記第1のグループ又は前記第2のグループへの新規ユーザの参加登録を制限することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態に係るゲームシステムの構成例を示す図である。
【
図2】参加型オンラインイベントの流れを説明するための概念図である。
【
図3】イベントへの参加登録の制限を実現するための機能構成例を示すブロック図である。
【
図4】イベントの参加登録を制限する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図5】マッチングの成功率を説明するための図である。
【
図6】マッチング数をリセットする処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図7】一般的なマッチングの成功率の計算方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
本実施形態では、ユーザが、ゲーム装置を用いて他のゲーム装置のユーザ(以下、対戦相手と呼ぶ場合がある)とネットワークを介して対戦するオンラインゲームを説明する。本実施形態のオンラインゲームでは、オンラインゲームの中で定期的に参加型オンラインイベントが行われ、本実施形態では、参加型オンラインイベントに参加して対戦相手とオンライン対戦を行う例について説明する。
【0009】
[ゲームシステムの構成]
図1は、本実施形態に係るゲームシステム1の構成例を示す図である。本実施形態に係るゲームシステム1は、サーバ装置10と、各ユーザのゲーム装置30-1~30-3とからなり、これらサーバ装置10と複数のゲーム装置30が、ネットワーク20を介して有線又は無線により相互にデータ送受信可能に接続されている。なお、
図1に示す例では、説明を簡単にするために、3台のゲーム装置30-1~30-3がネットワーク20に接続された例を示している。
【0010】
サーバ装置10は、CPU11と、ROM12と、RAM13と、通信部14と、記憶装置15とを有する。
CPU11は、ROM12に記憶された制御プログラムをRAM13に読み出して各種処理を実行する。ROM12は、サーバ装置10を動作させるために必要な制御プログラム(OS等)を記憶する。ROM12に替えてフラッシュメモリ(NVRAM)を用いてもよい。RAM13は、CPU11の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。通信部14は、ネットワーク20を介してゲーム装置30やその他の外部装置との通信処理を行う。記憶装置15は、ゲームに関するプログラムや、ゲーム装置30を操作するユーザのID等のユーザ識別情報や、その他ゲームに必要なユーザ毎の各種情報を記憶する。なお、不図示のデータベース等にこれらの一部の情報を記憶するようにしてもよい。
【0011】
ゲーム装置30は、例えば家庭用ゲーム機、スマートフォン等の携帯型通信装置、携帯型ゲーム専用機器、パーソナルコンピュータ、タブレット等により構成される。
【0012】
[オンラインゲームの概要]
次に、ネットワークに接続された他のゲーム装置のユーザとオンラインで対戦するオンラインゲームの概要について説明する。オンラインゲームでのゲーム処理は、ゲーム装置で行う場合と、サーバ装置が行う場合とがある。
【0013】
ゲーム装置でゲーム処理を行う場合は、ゲーム処理を行うためのプログラムがゲーム装置にインストールされており、ユーザがゲーム装置を操作することにより、ゲーム装置はその操作情報をフレーム毎に生成する。そして、対戦相手である他のゲーム装置に、その操作情報をフレーム毎に送信する。このとき、対戦相手である他のゲーム装置からも、そのゲーム装置での操作情報をフレーム毎に受信する。
【0014】
対戦相手から操作情報を受信すると、ユーザの操作により生成した操作情報と対戦相手から受信した操作情報とを用いてゲーム処理を行い、その結果に基づいて画像を生成してゲーム装置の表示部に表示させる。
【0015】
[参加型オンラインイベント]
次に、ゲームシステム1において実施される参加型オンラインイベント(以下、単にイベントと称す)について説明する。
図2は、本実施形態のイベントの流れを説明するための図である。イベントは、予め設定された一定の期間(例えば数時間)で開催され、大勢のユーザ(多数のユーザ)が2つのグループに分かれて、グループ間の優劣、具体的には勝敗を競う。
【0016】
イベントを開催するにあたり、イベントを運営する運営者によって所定のテーマが定められ、所定のテーマに従って2つのグループA、Bが設定される。例えば人気のあるスポーツチーム同士の伝統的な一戦をテーマとして、一方のスポーツチームを応援するグループA、他方のスポーツチームを応援するグループBを設定する。現実世界で伝統的な一戦があるとき、例えばその数日前から前日にかけて、毎日、伝統的な一戦を行う一方のスポーツチームを応援するグループA、他方のスポーツチームを応援するグループBを設定するイベントを開催すれば、現実世界の伝統的な一戦を盛り上げるとともに、イベントへの参加者を増やすといった相乗効果が期待される。
【0017】
なお、2つのグループA、Bは、上述した例のように「単数チーム対単数チーム」に限られるものではなく、自由に設定することが可能である。例えば、スポーツチームを複数のスポーツチームの選抜チームとしたり、国ごとの対戦でその国の代表チームをスポーツチームとしたりしてもよい。さらに、グループは2つとは限らず、3つ以上のグループを設定してもよい。例えば、陸上や水泳、競馬などのレースをテーマとする場合には、3つ以上のグループを設定してもよい。
【0018】
イベントが開催される日にイベントが開始されると、まずはイベントへのユーザ参加登録を受け付ける。イベントに参加したいユーザは、T302でゲーム装置30を用いてイベントの参加要求をサーバ装置10に送信する。イベントの参加要求では、2つのグループのどちらのグループに参加を希望するかの情報も併せて送信される。
【0019】
ゲーム装置30からイベントの参加要求を受信すると、サーバ装置10は、T102のグループ受付処理において、ユーザの参加登録の可否を判断し、その結果をゲーム装置30に送信する。希望のグループへの参加登録が可能である場合には、そのユーザをそのグループに参加登録し、その旨をユーザのゲーム装置30に送信する。一方で、希望のグループへの参加登録が不可能である場合は、そのグループへの参加要求を受け付けず、その旨をユーザのゲーム装置30に送信する。このとき、そのユーザのゲーム装置30へ、他方のグループへの参加要求を促したり、もしくはしばらく時間が経過してから参加要求するよう促したりしてもよい。
【0020】
何れかのグループへの参加登録が完了すると、ユーザはそのイベントへのログインが可能になる。T304のログイン処理においてゲーム装置側でイベントにログインされると、ユーザは他方のグループに参加登録されているユーザに対して試合を申し込むことができる。試合を申し込む場合には、他方のグループに参加登録されたユーザのうち、ログイン中で、さらに試合を申し込んでいるユーザと対戦することになる。一方、何れのグループにも参加登録されていないユーザは、イベントへのログインもできないため、試合を申し込むことができない。
【0021】
試合を申し込む場合には、T306でゲーム装置30は対戦要求をサーバ装置10に送信する。ゲーム装置30から対戦要求を受信すると、サーバ装置10は、T104のマッチング処理において、互いに対戦要求を送信したゲーム装置同士でマッチングを行う。そして、マッチングの結果をゲーム装置30に送信する。対戦要求から所定時間内に対戦相手が見つかり、マッチングが成功した場合には、対戦要求を行ったそれぞれのゲーム装置30に対して、対戦相手が決まり、試合が可能である旨をそれぞれのゲーム装置30に送信する。一方で、対戦要求から所定時間内に対戦相手が見つからず、マッチングに失敗した場合は、その理由等をゲーム装置30に送信する。マッチングに失敗する例について後述する。
【0022】
マッチングが成功すると、T308でゲーム装置30はオンラインで対戦相手と試合を行う。本実施形態では、ゲーム装置30側でゲーム処理を行い、フレーム毎に操作情報を、対戦相手のゲーム装置30に送信する。そして、対戦相手から操作情報を受信すると、ゲーム装置30では同期処理を行って画像を生成し、ゲーム装置30に表示させる。なお、試合の経過情報が逐次サーバ装置10に送信される。また、ゲームの種類によっては、サーバ装置10を介して操作情報またはそれを加工したデータを対戦相手のゲーム装置30に送信する。
【0023】
対戦相手との試合が終了すると、サーバ装置10は、T106の結果処理として、ユーザに対して試合の勝敗に応じたポイントを付与する。ここでポイントとは、所定数のポイントを貯めることによってゲームの進行を有利に進めることが可能なアイテムと交換するなど、ユーザにとって恩恵が受けられるものである。このようにポイントをユーザに付与することによってユーザはよりゲームを楽しむことができる。ユーザにポイントを付与する際には、サーバ装置10は、付与するポイントの情報をユーザ識別情報に関連付ける。また、ゲーム装置30は、試合が終了した後も、イベントの開催期間中であれば、相手のグループのユーザとの試合の対戦要求を再度行うことができる。
【0024】
そして、予め定められた期間が経過してイベントが終了すると、サーバ装置10は、イベント期間中に行われたすべての試合結果を集計し、勝敗に応じたポイントを各ユーザに付与する。例えばグループAに参加登録されているユーザの合計勝利数がグループBに参加登録されているユーザの合計勝利数よりも多い場合は、グループAに参加登録されているすべてのユーザに対して大量(多い量)のポイントを付与し、グループBに参加登録されているすべてのユーザに対して参加賞相当(少ない量)のポイントを付与する。このとき、グループAとグループBとで勝敗数に大きな差が生じた場合には、その分付与するポイントに差をつけるようにしてもよい。同様に、ユーザにポイントを付与する際には、サーバ装置10は、付与するポイントの情報をユーザ識別情報に関連付けて記憶装置15に記憶する。また、いずれかのグループに参加登録したが、イベントの期間中に試合を行わなかったユーザに対しては、ポイントを付与しないようにしてもよい。
【0025】
[イベントへの参加制限を実現するための機能構成]
図3は、イベントへの参加制限を実現するための機能構成例を示すブロック図である。
ゲームシステム1において、イベント制御部120を備えるサーバ装置10が構成される。例えばサーバ装置10で、CPU11がROM12又は記憶装置15に格納されているプログラムを読み出し、このプログラムを実行することにより、イベント制御部120の機能が実現される。イベント制御部120は、さらに受付部1201と、受信部1202と、マッチング部1203とを備えている。
【0026】
受付部1201は、ゲーム装置30との通信処理により、ユーザがグループA、Bのうちいずれか一つのグループを選択して参加することを受け付ける。例えば上述したように伝統的な一戦をテーマとして、一方のスポーツチームを応援するグループA、他方のスポーツチームを応援するグループBが設定されており、グループA、Bのうちいずれか一つのグループを選択して参加することを受け付ける。受付部1201は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報をグループAまたはBに紐付けることにより、ユーザがどのグループに参加しているかを管理する。参加受け付けは、イベントの開始と同時に開始されるが、イベントの開始前にイベントの参加受付期間を別途設け、その期間からイベントの参加受付を開始してもよい。なお、本実施形態では、グループA、B間の参加登録人数が大きく偏らないようにするため、グループA、B間のマッチングの成功率に偏りが生じたときに参加登録の制限を行う。
【0027】
例えば、後述する手順で計算されるマッチングの成功率が所定値以下(例えば50%以下)となった場合には、受付部1201は、一時的にそのグループ(つまり、マッチングでの成功率の低い方のグループ)への新規ユーザの参加登録を制限する。例えば、イベントの参加を申し込むときに表示されるグループを選択する参加登録用の画面において、マッチングの成功率の低い方のグループを新規ユーザが選択した場合に「現在このグループは選択できません」という内容が表示する。また、マッチングの成功率の低い方のグループを選択できないようにしてもよい。例えば、マッチングの低い方のグループを選択する選択肢に「現在選択できません」と表示したり、選択肢自体を非表示にしたりすることで、選択肢自体を指定できないようにしてもよい。このようにすることで、マッチングの成功率の低い方のグループへの新規ユーザの参加登録を制限すると、イベントに参加したい新規ユーザは、マッチングの成功率が高い方のグループに参加登録することになる。その結果、マッチング成功率の高い方のグループの参加人数のみが増加することになり、グループA、B間の参加人数の偏りが小さくなる。
【0028】
受信部1202は、受付部1201によって参加登録が受け付けられたユーザのゲーム装置から、そのユーザの参加登録されているグループと異なるグループに参加登録されているユーザとのマッチングの要求を受信する。つまり、受信部1202は、参加登録されてログインしているユーザから試合の対戦の申し込みを受け付ける。
【0029】
マッチング部1203は、受信部1202がグループA、グループBにそれぞれ参加登録されているユーザからのマッチングの要求を受信したことによって、グループAに参加登録されているユーザと、グループBに参加登録されているユーザとをマッチングさせる。また、マッチング部1203は、一定時間ごとにマッチングの成功率も計算する。マッチングの成功率の計算方法は特に限定されないが、例えば、以下の計算方法が挙げられる。
【0030】
図7は、マッチングの成功率の計算方法を説明するための図である。
図7(a)は、10:06の時刻でのマッチングの成功率の計算方法を示し、
図7(b)は、10:07の時刻でのマッチングの成功率の計算方法を示している。なお、成功回数およびマッチング数は、1分間での回数を示しており、例えば、「時刻10:00」では、10:00~10:01直前までの1分間で、成功回数が2でマッチング数が5であったことを示している。マッチング数とは、マッチングに成功した数と失敗した数(キャンセルも含む)の合計である。
【0031】
図7(a)に示す例では、10:03~10:06直前までの3分間の回数からマッチングの成功率を計算する。成功回数、マッチング数がそれぞれ合計で8回、9回であるため、マッチングの成功率は88.9%と計算される。一方、
図7(b)に示す例では、10:04~10:07直前までの3分間の回数からマッチングの成功率を計算する。成功回数、マッチング数がそれぞれ合計で7回、8回であるため、マッチングの成功率は87.5%と計算される。
【0032】
図7に示す計算方法では、直近の3分間での回数が参照されるため、それよりも前の情報は消去される。例えば、
図7(b)に示す例では、10:03~10:04直前までの成功回数及びマッチング数は、マッチングの成功率の計算に用いられなくなるため、この間の情報は消去される。なお、この計算方法では、時間帯とマッチング数とを組み合わせた情報を記憶しておく必要があるため、記憶容量が圧迫され、処理負荷が多くなる傾向にある。そこで、マッチングの成功率は、以下の(1)式により計算してもよい。
マッチングの成功率=(マッチングの合計の成功回数)/(グループ毎の試合の対戦要求数の合計) ・・・(1)
【0033】
図5は、マッチングの成功率の計算方法を説明するための図である。
図5に示す例では、グループAに参加登録されているユーザのうち、そのイベントで対戦要求を行っている人数が6人で、グループBに参加登録されているユーザのうち、そのイベントで対戦要求を行っている人数が4人である例を示している。また、
図5に示す例では、グループBに参加登録されているユーザの1人が、対戦要求を途中でキャンセルした状況となっている。この場合、グループAに参加登録されているユーザからの要求1~3は、対戦相手が見つかり、マッチングに成功している。しかしながら、要求4~6は対戦相手が見つからないため、マッチングに失敗している。以上より、グループAに参加登録されているユーザからのマッチングの成功率は50%と計算される。一方で、グループBに参加登録されているユーザの一人が対戦要求をキャンセルしているため、グループBからの要求4はマッチングに失敗したものとして取り扱う。また、対戦要求をキャンセルした場合も、試合の対戦要求数にカウントされる。したがって、グループBに参加登録されているユーザからのマッチングの成功率は75%と計算される。この計算方法によれば、時間帯とマッチング数とを組み合わせた情報を記憶する必要がない分、記憶容量の圧迫を回避できる。
【0034】
以上のようにマッチング部1203によりマッチングの成功率が計算されると、受付部1201は、マッチング部1203によるマッチングでの成功率に応じて、一時的にマッチングでの成功率の低い方のグループへの新規ユーザの参加登録を制限するか否かを判断する。例えば、受付部1201は、グループAに参加登録されているユーザからのマッチングの成功率、グループBに参加登録されているユーザからのマッチングの成功率がともに50%を超えている場合には、新規ユーザの参加登録を制限しないようにし、グループAに参加登録されているユーザからのマッチングの成功率、またはグループBに参加登録されているユーザからのマッチングの成功率が50%以下となった場合に、マッチングでの成功率の低い方のグループへの新規ユーザの参加登録を制限する。
【0035】
なお、試合の対戦要求のキャンセルが続出した場合には、グループAに参加登録されているユーザからのマッチングの成功率、グループBに参加登録されているユーザからのマッチングの成功率がともに50%以下となる場合がある。このような場合では、受付部1201は、例外として新規ユーザの参加登録を制限しないようにする。
【0036】
また、イベントへのユーザの参加登録の受け付け開始直後は、それぞれのグループにおける参加登録人数の母集団が小さいため、短時間で参加登録人数が逆転したりマッチングの成功率の変動が大きかったりする。そこで、受付部1201は、イベントの開始(ユーザの参加登録の受け付けの開始)から所定の時間(例えば10分)が経過するまでは、新規ユーザの参加登録を制限せず、グループAまたはグループBへのユーザの参加登録を受け付けるようにする。また、マッチング部1203によるマッチングの成功回数が所定の回数以下(例えば10回以下)である場合も、受付部1201は、新規ユーザの参加登録を制限せず、グループAまたはグループBへのユーザの参加登録を受け付けるようにする。
【0037】
次に、新規ユーザの参加登録を制限した後に、その制限を解除する条件について説明する。例えばグループAへの新規ユーザの参加登録を制限すると、グループBの参加人数のみが増加し、グループBに参加登録されているユーザが増加することによって、イベントへログインするグループBに参加登録されているユーザの人数も増加する。ログインする人数が増えれば、グループBに参加登録されているユーザからの試合の対戦要求が増えるため、グループAに参加登録されているユーザのマッチングの成功率は上昇する。そして、グループAに参加登録されているユーザからのマッチングの成功率がある程度高くなれば、新規ユーザの参加登録の制限する必要がなくなるため、例えば、マッチングの成功率が所定値を超えた場合(例えば50%を超えた場合)に、受付部1201は、新規ユーザの参加登録の制限を解除する。
【0038】
ここで、新規ユーザの参加登録を制限する際の目安となるマッチングの成功率と、新規ユーザの参加登録の制限を解除する際の目安となるマッチングの成功率とは、同じであってもよく異なっていてもよい。また、新規ユーザの参加登録を制限してからすぐに制限を解除してしまうと、上記制限または解除の目安となるマッチングの成功率近傍で変化し、新規ユーザの参加登録の制限および解除が頻繁に行われる可能性があり、サーバ装置10での処理負荷が大きくなる。そこで、受付部1201は、新規ユーザの参加登録が制限されてから所定の時間(例えば10分)が経過するまで、新規ユーザの参加登録の制限を解除しないようにする。
【0039】
また、本実施形態に係る計算方法では、マッチングの成功率を計算する上で、イベントが開始してから時間が経過するに従ってマッチング数の累積数が大きくなり、マッチングの成功率が変動しにくくなる。つまり、マッチング数が多くなり過ぎると、最新のマッチングの成功率が反映されにくくなる。そこで、マッチングの成功率を計算する際に、マッチング部1203は、マッチング数のカウントを開始してから所定の時間(例えば30分)が経過する毎にマッチング数をリセットしてマッチングの成功率を計算するようにする。また、このようにすることで、マッチングの成功率を計算する際に、処理コストを低減させることができる。
【0040】
次に、受付部1201による新規ユーザの参加登録の制限およびその制限の解除に係る詳細な処理手順の一例について、
図4のフローチャートを参照しながら説明する。
まず、サーバ装置10のイベント制御部120がイベントを開始することにより、受付部1201による新規ユーザの受付処理を開始する。
【0041】
まず、S100において、受付部1201は、ユーザのゲーム装置30から、グループAまたはグループBへの参加要求を受信し、そのユーザがまだどちらのグループにも参加登録されていないユーザであるか否かを判定する。この処理では、受付部1201は、記憶装置15に記憶されているユーザ識別情報を参照することにより、いずれのグループにも参加登録されていないことを確認する。
【0042】
この判定の結果、受信したイベントへの参加要求が、既にどちらかのグループに参加登録されているユーザからの参加要求である場合は、処理を終了する。この場合、イベント制御部120は、その参加要求を送信したユーザに対して、参加登録用の画面のデータを送信しないようにする。一方で、受信したイベントへの参加要求が、どちらのグループにも参加登録されていないユーザからの参加要求である場合は、S110に進む。
【0043】
S110においては、受付部1201は、新規ユーザの受付処理を開始してから所定の時間(10分)が経過したか否かを判定する。この判定の結果、所定の時間が経過していない場合は、マッチングの成功率に関係なくユーザの参加登録を受け付けているため、S240に進む。一方、所定の時間が経過している場合は、S120に進む。
【0044】
S120において、マッチング部1203は、マッチングの成功回数が10回以下であるか否かを判定する。なお、マッチング数をリセットした場合は、リセット後のマッチングの成功回数が10回以下であるか否かを判定する。この判定の結果、マッチングの成功回数が10回以下である場合は、マッチングの成功率に関係なくユーザ参加を受け付けているため、S240に進む。一方、マッチングの成功回数が10回を超えている場合は、S140に進む。
【0045】
S130において、受付部1201は、現在、グループAへの新規ユーザの参加登録が制限されている状態であるか否かを判定する。この判定の結果、グループAへの新規ユーザの参加登録が制限されている状態でない場合はS160に進み、グループAへの新規ユーザの参加登録が制限されている状態である場合はS140に進む。
【0046】
S140において、マッチング部1203は、グループAに参加登録されているユーザからのマッチングの成功率の最新の計算結果を参照し、グループAへの新規ユーザの参加登録の制限を解除する際の目安となるマッチングの成功率(50%)を超えているか否かを判定する。この判定の結果、グループAへの新規ユーザの参加登録の制限を解除する際の目安となるマッチングの成功率を超えていない場合はS160に進み、グループAへの新規ユーザの参加登録の制限を解除する際の目安となるマッチングの成功率を超えている場合はS150に進む。
【0047】
S150において、受付部1201は、グループAへの新規ユーザの参加登録の制限を解除する。
【0048】
S160において、受付部1201は、現在、グループBへの新規ユーザの参加登録が制限されている状態であるか否かを判定する。この判定の結果、グループBへの新規ユーザの参加登録が制限されている状態でない場合はS190に進み、グループBへの新規ユーザの参加登録が制限されている状態である場合はS170に進む。
【0049】
S170において、マッチング部1203は、グループBに参加登録されているユーザからのマッチングの成功率の最新の計算結果を参照し、グループBへの新規ユーザの参加登録の制限を解除する際の目安となるマッチングの成功率(50%)を超えているか否かを判定する。この判定の結果、グループBへの新規ユーザの参加登録の制限を解除する際の目安となるマッチングの成功率を超えていない場合はS190に進み、グループBへの新規ユーザの参加登録の制限を解除する際の目安となるマッチングの成功率を超えている場合はS180に進む。
【0050】
S180において、受付部1201は、グループBへの新規ユーザの参加登録の制限を解除する。
【0051】
S190において、マッチング部1203は、グループAに参加登録されているユーザからのマッチングの成功率の最新の計算結果を参照し、現在のグループAに参加登録されているユーザからのマッチングの成功率が所定値以下(50%以下)であるか否かを判定する。この判定の結果、現在のグループAに参加登録されているユーザからのマッチングの成功率が所定値以下である場合はS210に進み、現在のグループAに参加登録されているユーザからのマッチングの成功率が所定値を超えている場合はS200に進む。
【0052】
S200において、マッチング部1203は、グループBに参加登録されているユーザからのマッチングの成功率の最新の計算結果を参照し、現在のグループBに参加登録されているユーザからのマッチングの成功率が所定値以下(50%以下)であるか否かを判定する。この判定の結果、現在のグループBに参加登録されているユーザからのマッチングの成功率が所定値以下である場合はS220に進み、現在のグループBに参加登録されているユーザからのマッチングの成功率が所定値を超えている場合はS240に進む。
【0053】
S210において、マッチング部1203は、グループBに参加登録されているユーザからのマッチングの成功率の最新の計算結果を参照し、現在のグループBに参加登録されているユーザからのマッチングの成功率が所定値以下(50%以下)であるか否かを判定する。この判定の結果、現在のグループBに参加登録されているユーザからのマッチングの成功率が所定値以下である場合はS240に進み、現在のグループBに参加登録されているユーザからのマッチングの成功率が所定値を超えている場合はS230に進む。
【0054】
S220において、受付部1201は、グループBへの新規ユーザの参加登録を制限する。なお、既にグループBへの新規ユーザの参加登録が制限されている状態である場合は、引き続きその状態を維持するようにする。
【0055】
S230において、受付部1201は、グループAへの新規ユーザの参加登録を制限する。なお、既にグループAへの新規ユーザの参加登録が制限されている状態である場合は、引き続きその状態を維持するようにする。
【0056】
S240において、受付部1201は、イベントへの参加要求に対する処理を行う。例えば参加要求を送信したユーザが希望するグループで新規ユーザの参加登録が制限されていない場合は、希望するグループにそのユーザを参加登録する。つまり、受付部1201は、参加要求を送信したユーザのユーザ識別情報を、そのユーザが希望するグループに紐付けし、参加登録を受け付けた旨を、そのユーザのゲーム装置30に送信する。一方、参加要求を送信したユーザが希望するグループで新規ユーザの参加登録が制限されている場合は、受付部1201は、参加要求を送信したユーザのゲーム装置30に対して、そのグループを選択できないため、もう一方のグループの選択を促す通知を行う。もしくはしばらく時間が経過してから参加要求することを促す通知を行う。以上の処理が終了すると、イベントへの参加要求に対する処理を終了する。
【0057】
続いて、マッチング部1203によるマッチング数のリセットを行う手順について、
図6を参照しながら説明する。前述したように、マッチング部1203は、一定時間ごとにマッチングの成功率を計算するが、マッチング数のカウントを開始してから所定の時間が経過する毎にマッチング数をリセットしてマッチングの成功率を計算するようにする。つまり、マッチング部1203は、マッチング数のリセットに伴い、マッチングの成功回数および失敗回数もリセットしてマッチングの成功率を計算する。
まず、サーバ装置10のイベント制御部120がイベントを開始することに伴って受付部1201による新規ユーザの受付処理を開始することにより、マッチング数のカウントを開始する。
【0058】
S300において、マッチング部1203は、マッチング数のカウントを開始してから所定の時間が経過したか否かを判定する。なお、マッチング数をリセットした場合は、リセット後にマッチング数のカウントを開始してから所定の時間(30分)が経過したか否かを判定する。この判定の結果、所定の時間が経過していない場合は、所定の時間が経過するまで待機する。そして、所定の時間が経過した場合には、S310に進む。
【0059】
S310において、マッチング部1203は、マッチング数をリセットする。そして、再びS300に戻る。この処理を行った後にマッチングの成功率を計算する場合は、リセット後でのマッチングの成功率を計算することになるため、S310の処理の前後でマッチングの成功率が大きく変動する可能性があるが、マッチング数をリセットすることによって、現在のマッチングの成功率がより反映されるようになる。
【0060】
以上のように本実施形態では、2つのグループにそれぞれ参加登録されているユーザ同士のマッチングの成功率に応じて、何れかのグループへの新規ユーザの参加登録を制限するようにした。このような構成にしたので、例えば、マッチングの成功率の低いグループへの新規ユーザの参加登録を制限すれば、新規ユーザを、マッチングの成功率の高い方のグループに参加するよう促すことができ、マッチングの成功率の高い方のグループのユーザ数が増えれば、マッチングの成功率を高めることができる。したがって、対戦相手がなかなか見つからずに満足にゲームを楽しめなくなることを防止することができる。また、対戦相手が見つかりやすくなるため、ユーザはイベントに参加することによってポイントを効率良く稼ぐことができる。
【0061】
なお、本実施形態では、グループに属しているユーザ数に基づいて参加登録を制限するのではなく、マッチングの成功率に応じて、マッチングの成功率が低いグループへの新規ユーザの参加登録を制限するようにしている。例えば、イベントに参加しているユーザは常にログインしてオンラインで試合の対戦を行っているわけではない。したがって、例えばグループAに参加登録されているユーザ数の方が多い場合であっても、イベントにログインしているユーザ数のみに着目した場合に、グループBに参加登録されているユーザ数の方が多くなっている場合もあり得る。さらにはイベントにログインして、かつ試合の対戦要求を行っているユーザ数のみに着目した場合も同様である。マッチングの成功率は、試合の対戦要求を行っているユーザ数に基づいているので、対戦相手が見つからないという不都合を解消する場合には、マッチングの成功率に応じて、マッチングの成功率が低いグループへの新規ユーザの参加登録を制限する方が適しているといえる。
【0062】
[4.変形例]
本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0063】
上記実施形態では、新規ユーザの参加登録の制限を解除するための条件として、マッチングの成功率が所定値を超えていることとしたが、閾値を条件によって段階的に設定するようにしてもよい。具体的には、グループA及びグループBにそれぞれ参加登録されているユーザのうち、イベントにログインしている人数比に応じて、新規ユーザの参加登録の制限を解除するために必要なマッチングの成功率(閾値)を変更するようにしてもよい。
【0064】
例えばグループAへの新規ユーザの参加登録が制限されている状態で、ログイン中のユーザ数でグループAの方がグループBよりも少ない場合には、ログインしているユーザが多いにもかかわらず、グループBに参加登録されているユーザからの対戦要求が偶々少なかっただけである可能性がある。したがって、このような場合には閾値を低めに設定し、新規ユーザの参加登録の制限を解除しやすくする。一方、ログイン中のユーザ数でグループAの方がグループBよりも多い場合には、対戦相手が見つかりにくい状況が改善されても再び対戦相手が見つかりにくい状況になりやすい。したがって、このような場合には閾値を高めに設定し、新規ユーザの参加登録の制限を解除しにくくする。このような法則に従って、ログイン中のユーザの人数比に応じて、閾値を段階的に設定することにより、過度に新規ユーザの参加登録を制限したり、新規ユーザの参加登録の制限によって対戦相手がなかなか見つからないという不都合の解消が不十分となってしまったりすることを防止することができる。
【0065】
また、上記実施形態では、
図4のS220で、受付部1201は、グループBへの新規ユーザの参加登録を制限している。但し、グループAへの新規ユーザの参加登録の制限を解除する際の目安となるマッチングの成功率が例えば70%に設定されている場合は、現段階でグループAへの新規ユーザの参加登録が制限されている状態である可能性がある。この場合は、グループBへの新規ユーザの参加登録を制限しないようにしてもよい。また、
図4のS230で、受付部1201は、グループAへの新規ユーザの参加登録を制限しているが、同様に、グループBへの新規ユーザの参加登録の制限を解除する際の目安となるマッチングの成功率が例えば70%に設定されている場合は、現段階でグループBへの新規ユーザの参加登録が制限されている状態である可能性がある。この場合は、グループAへの新規ユーザの参加登録を制限しないようにしてもよい。これにより、グループAおよびグループBのどちらも新規ユーザが参加登録できないといった状況を回避することができる。
【0066】
また、上記実施形態では、マッチングの成功率を計算する際に、対戦要求を行った後にキャンセルした場合も、試合の対戦要求数にカウントされたが、キャンセルした場合は試合の対戦要求数にカウントしないようにしてもよい。例えば、ネットワークが混雑しているような状況では、ユーザがマッチングの成否を確認するまで多くの時間がかかってしまい、キャンセルが続出する場合がある。そのような場合には、グループに参加登録されているユーザ数の偏りが十分に反映されずに、マッチングの成功率が計算されてしまう。マッチングの成功率を計算する際に、キャンセルした場合は試合の対戦要求数にカウントしないようにすることによって、グループに参加登録されているユーザ数の偏りが十分に反映されたマッチングの成功率を計算することができる。
【0067】
また、上記実施形態では、イベントの開始と同時にユーザの参加登録の受け付けが開始されるようにしたが、前述したように、イベントを開始する前にイベントの参加受付期間を別途設け、イベントが開始される前からユーザの参加登録を受け付けるようにしてもよい。この場合、イベント開始前は新規ユーザの参加登録を制限しないようにし、イベント開始直後から新規ユーザの参加登録を制限できるようにする。
【0068】
また、上記実施形態では、試合の対戦要求を行うユーザは1人で、その対象となる相手もユーザ1人であることを想定して説明したが、複数人対複数人で試合を行うゲーム等においては、複数人のユーザがまとめて対戦要求を行ってもよい。例えば、ユーザが2人対2人の試合の対戦要求を行った場合、相手のユーザを2人マッチングすることができた場合には、マッチングの成功回数を1回と計算し、1人しかマッチングすることができなかった場合は、マッチングは失敗とする。
【0069】
さらに、上記実施形態では、2つのグループに分かれて試合を行う例について説明したが、前述したように、3つ以上のグループに分かれて試合を行ってもよい。例えば4つのグループA~Dのうち、グループAのユーザがグループB~Dに対して対戦要求を行った場合、グループB~Dのユーザすべてとマッチングすることができた場合には、マッチングの成功回数を1回と計算し、少なくとも1つグループのユーザとマッチングすることができなかった場合は、マッチングは失敗とする。このようにすることで、参加登録人数が最も少ないグループ以外では、マッチングが失敗する可能性が高くなり、マッチングの成功率が低下する。そして、マッチングの成功率が所定値以下となったグループへの新規ユーザの参加登録を制限すると、参加登録人数が最も少ないグループのみ新規ユーザの参加登録を受け付けるようになる。これを繰り返すことにより、参加登録人数が最も多いグループでは新規ユーザの参加登録を制限する期間が長くなり、各グループで参加登録人数をバランスよく調整することができる。
【0070】
また、上記実施形態では、主にスポーツに関連するテーマで2つのグループA、Bを設定するようにしたが、スポーツとはまったく関連しないテーマで2つのグループA、Bを設定するようにしてもよい。例えばビール派をグループA、ワイン派をグループBとする等である。
なお、上記実施形態では、マッチングの成功率に応じて、新規ユーザの参加を制限するグループを特定しているが、マッチングの失敗率に応じて、新規ユーザの参加を制限するグループを特定してもよい。例えば、マッチングの失敗率が50%以上となった場合に、当該マッチングの失敗率の高いグループへの新規ユーザの参加登録を制限する。
【0071】
[5.付記]
本発明は、例えば以下のように把握される。
【0072】
(1)
本発明の一態様に係るプログラムは、第1のグループ又は第2のグループへのユーザの参加登録を受け付ける受付処理(1201)と、前記受付処理によって前記第1のグループ又は前記第2のグループへの参加登録が受け付けられたユーザから、該ユーザが参加登録されているグループとは異なる方のグループに参加登録されているユーザとのマッチングの要求を受信する受信処理(1202)と、前記第1のグループに参加登録されているユーザと前記第2のグループに参加登録されているユーザとから、それぞれ前記受信処理によってマッチングの要求を受信したことに応じて、前記第1のグループに参加登録されているユーザと前記第2のグループに参加登録されているユーザとをマッチングさせるマッチング処理(1203)とをコンピュータに実行させ、前記受付処理(1201)においては、前記マッチング処理によるマッチングでの成功率に応じて、前記第1のグループ又は前記第2のグループへの新規ユーザの参加登録を制限することを特徴とするプログラムである。
【0073】
(10)
本発明の一態様に係るサーバ装置の制御方法は、第1のグループ又は第2のグループへのユーザの参加登録を受け付ける受付工程(1201)と、前記受付工程によって前記第1のグループ又は前記第2のグループへの参加登録が受け付けられたユーザから、該ユーザが参加登録されているグループとは異なる方のグループに参加登録されているユーザとのマッチングの要求を受信する受信工程(1202)と、前記第1のグループに参加登録されているユーザと前記第2のグループに参加登録されているユーザとから、それぞれ前記受信工程によってマッチングの要求を受信したことに応じて、前記第1のグループに参加登録されているユーザと前記第2のグループに参加登録されているユーザとをマッチングさせるマッチング工程(1203)とを有し、前記受付工程(1201)においては、前記マッチング工程におけるマッチングでの成功率に応じて、前記第1のグループ又は前記第2のグループへの新規ユーザの参加登録を制限することを特徴とするサーバ装置の制御方法である。
【0074】
(11)
本発明の一態様に係るサーバ装置は、第1のグループ又は第2のグループへのユーザの参加登録を受け付ける受付手段(1201)と、前記受付手段によって前記第1のグループ又は前記第2のグループへの参加登録が受け付けられたユーザから、該ユーザが参加登録されているグループとは異なる方のグループに参加登録されているユーザとのマッチングの要求を受信する受信手段(1202)と、前記第1のグループに参加登録されているユーザと前記第2のグループに参加登録されているユーザとから、それぞれ前記受信手段によってマッチングの要求を受信したことに応じて、前記第1のグループに参加登録されているユーザと前記第2のグループに参加登録されているユーザとをマッチングさせるマッチング手段(1203)とを有し、前記受付手段(1201)は、前記マッチング手段によるマッチングでの成功率に応じて、前記第1のグループ又は前記第2のグループへの新規ユーザの参加登録を制限することを特徴とするサーバ装置である。
【0075】
上記(1)、(10)又は(11)に係る発明によれば、マッチングの成功率が低いような状況でも、マッチングの成功率を上げるよう制御することができ、対戦相手がなかなか見つからずに満足にゲームを楽しめなくなることを防止することができる。また、対戦相手が見つかりやすくなるため、ユーザはイベントに参加することによってポイントを効率良く稼ぐことができる。
【0076】
(2)
本発明の一態様では、上記(1)の態様において、前記受付処理(1201)においては、マッチングでの成功率の低い方のグループへの新規ユーザの参加登録を制限するようにしてもよい。
上記(2)に係る発明によれば、マッチングの成功率が高い方のグループの参加登録人数のみが増加するため、マッチングの成功率が高い方のグループからイベントへログインするユーザ数も増加して試合の対戦を申し込んだときのマッチングの成功率も上がり、ユーザはイベントをより満足して楽しむことができる。
【0077】
(3)
本発明の一態様では、上記(1)又は(2)の態様において、前記第1のグループ及び前記第2のグループの両方でマッチングでの成功率がいずれも所定値を超えている場合には、前記受付処理(1201)においては、前記第1のグループ又は前記第2のグループへの新規ユーザの参加登録を制限しないようにしてもよい。
上記(3)に係る発明によれば、両方のグループでマッチングでの成功率が高い状況では、対戦要求を行っているユーザ数に大差がない状況であるため、新規ユーザの参加登録の制限といった制御は不要であり、ユーザはゲームを何ら制限なく楽しむことができる。
【0078】
(4)
本発明の一態様では、上記(1)又は(2)の態様において、前記第1のグループ及び前記第2のグループの両方でマッチングでの成功率がいずれも所定値以下である場合には、前記受付処理(1201)においては、前記第1のグループ又は前記第2のグループへの新規ユーザの参加登録を制限しないようにしてもよい。
上記(4)に係る発明によれば、対戦要求のキャンセルなど特殊な事情が偶々生じた可能性が高く、ユーザ数の偏りとは異なる要因であるため、新規ユーザの参加登録の制限といった制御は不要であり、ユーザはゲームを何ら制限なく楽しむことができる。
【0079】
(5)
本発明の一態様では、上記(1)~(4)の何れかの態様において、前記第1のグループ又は前記第2のグループへの新規ユーザの参加登録が制限されている場合に、新規ユーザの参加登録が制限されているグループでのマッチングでの成功率が所定値を超えた場合に、前記受付処理(1201)においては、新規ユーザの参加登録の制限を解除するようにしてもよい。
上記(5)に係る発明によれば、新規ユーザの参加登録の制限によってマッチングの成功率が上昇すれば、新規ユーザの参加登録の制限する必要がなくなるため、ユーザはゲームを何ら制限なく楽しむことができる。
【0080】
(6)
本発明の一態様では、上記(5)の態様において、前記第1のグループ又は前記第2のグループへの新規ユーザの参加登録が制限されてから所定の時間が経過するまで、前記受付処理(1201)においては、新規ユーザの参加登録の制限を解除しないようにしてもよい。
上記(6)に係る発明によれば、新規ユーザの参加登録の制限および解除が短時間で頻繁に行われないようにし、処理負荷を抑えることができる。
【0081】
(7)
本発明の一態様では、上記(1)~(6)の何れかの態様において、前記受付処理(1201)においては、前記第1のグループ又は前記第2のグループへの新規ユーザの参加登録の受付を開始してから所定の時間が経過するまでは、前記第1のグループ又は前記第2のグループへの新規ユーザの参加登録を受け付けるようにしてもよい。
上記(7)に係る発明によれば、新規ユーザの参加登録の受付を開始したばかりの段階では、短時間で参加登録人数が逆転したりマッチングの成功率の変動が大きかったりすることから、新規ユーザの参加登録の制限する必要がないため、ユーザはゲームを何ら制限なく楽しむことができる。
【0082】
(8)
本発明の一態様では、上記(1)~(7)の何れかの態様において、前記マッチング処理(1203)によるマッチングの成功回数が所定の回数以下である場合には、前記受付処理(1201)においては、前記第1のグループ又は前記第2のグループへの新規ユーザの参加登録を受け付けるようにしてもよい。
上記(8)に係る発明によれば、マッチングの成功回数が少ない状況では、マッチングの成功率の変動が大きいことから、新規ユーザの参加登録の制限する必要がないため、ユーザはゲームを何ら制限なく楽しむことができる。
【0083】
(9)
本発明の一態様では、上記(1)~(8)の何れかの態様において、前記マッチング処理(1203)においては、マッチング数のカウントを開始してから所定の時間が経過する毎にマッチング数をリセットしてマッチングでの成功率を計算するようにしてもよい。
上記(9)に係る発明によれば、実際の最新のマッチングの成功率が反映されやすくなり、さらにはデータ量の低減により処理コストを下げることができる。
【符号の説明】
【0084】
1:ゲームシステム、10:サーバ装置、20:ネットワーク、30:ゲーム装置、11:CPU、12:ROM、13:RAM、14:通信部、15:記憶装置、120:イベント制御部、1201:受付部、1202:受信部、1203:マッチング部