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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-07
(45)【発行日】2024-02-16
(54)【発明の名称】ウエイトマシン用ウエイト配分比率装置
(51)【国際特許分類】
   A63B 21/06 20060101AFI20240208BHJP
【FI】
A63B21/06
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021527188
(86)(22)【出願日】2019-11-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-27
(86)【国際出願番号】 US2019062130
(87)【国際公開番号】W WO2020106673
(87)【国際公開日】2020-05-28
【審査請求日】2022-10-18
(31)【優先権主張番号】62/769,172
(32)【優先日】2018-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/686,741
(32)【優先日】2019-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515006537
【氏名又は名称】スペシャルティ フィットネス システムズ,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】SPECIALTY FITENSS SYSTEMS, LLC
【住所又は居所原語表記】P.O. BOX 790, 455 ALLEGHENY BLVD., FRANKLIN, PENNSYLVANIA 16323, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】ライプハイマー,ジェリー,ケー
【審査官】比嘉 翔一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/089624(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2001/0034290(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B21/00-21/28
A61B23/00-23/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持フレームと、
追加のウエイトを受け入れるように構成された少なくとも一つのウエイトラックと、
前記支持フレーム、前記少なくとも一つのウエイトラック、及び前記支持フレームから延出する第1アタッチメントに係合するウエイト配分比率装置と、を備えるエクササイズマシンであって、
前記ウエイト配分比率装置は、
前記第1アタッチメントに接続される第1端部と、前記エクササイズマシンの一部分に接続される第2端部とを有するエクササイズケーブルと、
同一の移動軸線上に整列され、各々が少なくとも一つのプーリーを含む少なくとも二つの可動プーリーブロックであって、前記少なくとも一つのウエイトラックは、前記少なくとも二つの可動プーリーブロックのうちの一つに取り付けられて当該可動プーリーブロックと共に移動するように構成されている、少なくとも二つの可動プーリーブロックと、
一つの可動プーリーブロックのみが移動可能なロック位置と前記二つの可動プーリーブロックが移動可能なロック解除位置との間で移動可能なロック機構と、を備え、
前記エクササイズケーブルは前記少なくとも二つの可動プーリーブロックに動作接続されている、エクササイズマシン。
【請求項2】
前記少なくとも二つの可動プーリーブロックは第1可動プーリーブロックと第2可動プーリーブロックとを備え、
前記少なくとも一つのウエイトラックは前記第1可動プーリーブロックに取り付けられて当該第1可動プーリーブロックと共に移動するように構成され、
前記第1可動プーリーブロックは、前記第2可動プーリーブロックの垂直方向上方に配設されている、請求項1に記載のエクササイズマシン。
【請求項3】
前記第2可動プーリーブロックは、前記ロック機構によって、前記第1可動プーリーブロックのみが移動可能なロック位置と、前記第1及び第2可動プーリーブロックが移動可能なロック解除位置との間でロックされるように構成されている、請求項2に記載のエクササイズマシン。
【請求項4】
前記ロック機構は、ピンと、少なくとも二つの貫通穴とを備え、前記少なくとも二つの貫通穴は、これら貫通穴を貫通する前記ピンを受け入れるように構成され、
少なくとも一つの貫通穴が前記支持フレームに設けられ、少なくとも一つの貫通穴が前記少なくとも二つの可動プーリーブロックのうちの一つに設けられ、
前記ピンは、前記ロック位置において前記少なくとも二つの貫通穴を通してスライド可能に受け入れられる、請求項1に記載のエクササイズマシン。
【請求項5】
少なくとも二つの貫通穴は、前記支持フレームに設けられた第1貫通穴及び第2貫通穴と、前記少なくとも二つの可動プーリーブロックのうちの一つに設けられた第3貫通穴とを備え、
前記第3貫通穴は前記ロック位置において前記第1貫通穴と前記第2貫通穴との間に整列される、請求項4に記載のエクササイズマシン。
【請求項6】
前記支持フレーム上で前記第1アタッチメントに隣接して配置された少なくとも一つのプーリーを更に有し、前記少なくとも一つのプーリーは、前記エクササイズケーブルを下方向又は上方向に向けるように構成されている、請求項1に記載のエクササイズマシン。
【請求項7】
前記少なくとも一つのプーリーは、前記支持フレーム上にスライド可能に取り付けられるとともに、当該支持フレーム上において垂直方向に移動可能である、請求項6に記載のエクササイズマシン。
【請求項8】
前記支持フレームに取り付けられた少なくとも一つのガイドロッドを更に有し、前記少なくとも二つの可動プーリーブロックは、前記少なくとも一つのガイドロッドに沿って垂直方向に移動するように構成されている、請求項1に記載のエクササイズマシン。
【請求項9】
前記少なくとも二つの可動プーリーブロックが互いに接触することを防止するべく、これら少なくとも二つの可動プーリーブロックの間に配置された止め部材を更に有する、請求項1に記載のエクササイズマシン。
【請求項10】
前記エクササイズケーブルに動作接続された少なくとも一つのフローティングプーリーを更に有する、請求項1に記載のエクササイズマシン。
【請求項11】
第2アタッチメントと、前記第2アタッチメントに接続される第1端部及び前記少なくとも一つのフローティングプーリーに接続される第2端部を有するプルダウンケーブルとを更に備える、請求項10に記載のエクササイズマシン。
【請求項12】
前記支持フレーム上で前記第2アタッチメントに隣接して配置された少なくとも一つのプルダウンプーリーを更に備え、前記少なくとも一つのプルダウンプーリーは前記プルダウンケーブルを下方に向けるように構成されている、請求項11に記載のエクササイズマシン。
【請求項13】
前記支持フレームに係合するウエイトスタック装置を更に備え、
前記ウエイトスタック装置は、
調節可能ウエイトスタックと、
前記調節可能ウエイトスタックに接続される第1端部と、前記少なくとも二つの可動プーリーブロックのうちの一つに接続される第2端部とを有するウエイトスタックケーブルと、を備えている、請求項1に記載のエクササイズマシン。
【請求項14】
前記ウエイトスタック装置は、前記ウエイトスタックケーブルを前記調節可能ウエイトスタックから前記少なくとも二つの可動プーリーブロックのうちの前記一つへと向けるように構成された少なくとも一つのウエイトスタックプーリーを更に有する、請求項13に記載のエクササイズマシン。
【請求項15】
エクササイズマシン用ケーブル及びプーリー装置であって、
支持フレームに係合されたウエイト配分比率プーリー装置を備え、
前記ウエイト配分比率装置は、
第1エクササイズハンドルと、
第2エクササイズハンドルと、
追加のウエイトを調節可能に受け入れるように構成された少なくとも一つのウエイトラックと、
前記支持フレーム、前記少なくとも一つのウエイトラック、前記第1エクササイズハンドル、及び前記第2エクササイズハンドルと係合するウエイト配分比率装置とを備え、
前記ウエイト配分比率装置は、
前記第1エクササイズハンドルに接続される第1端部と、前記エクササイズマシンの一部分に接続される第2端部とを有する第1エクササイズケーブルと、
同一の移動軸線上に整列され、各々が少なくとも一つのプーリーを含む少なくとも二つの可動プーリーブロックであって、前記少なくとも一つのウエイトラックは前記少なくとも二つの可動プーリーブロックのうちの一つと共に移動するように構成されている、二つの可動プーリーブロックと、
一つの可動プーリーブロックのみが移動可能なロック位置と前記二つの可動プーリーブロックが移動可能なロック解除位置との間で移動可能なロック機構と、
少なくとも一つのフローティングプーリーと、
前記第2エクササイズハンドルに接続される第1端部と、前記少なくとも一つのフローティングプーリーに接続される第2端部とを有する第2エクササイズケーブルとを備えている、エクササイズマシン用ケーブル及びプーリー装置。
【請求項16】
前記第1エクササイズケーブルは、前記少なくとも二つの可動プーリーブロックのうちの第1可動プーリーブロックに動作接続され、
前記第1エクササイズケーブルは、前記少なくとも二つの可動プーリーブロックのうちの第2可動プーリーブロックに動作接続され、
前記第1エクササイズケーブルは、前記少なくとも一つのフローティングプーリーに接続され、
前記第2可動プーリーブロックは、前記ロック機構が前記ロック位置にある時、移動することが妨げられる、請求項15に記載のケーブル及びプーリー装置。
【請求項17】
前記ロック機構は、ピンと、少なくとも二つの貫通穴とを備え、前記少なくとも二つの貫通穴は、これら貫通穴を貫通する前記ピンを受け入れるように構成され、
少なくとも一つの貫通穴が前記支持フレームに設けられ、少なくとも一つの貫通穴が前記第2可動プーリーブロックに設けられ、
前記ピンは、前記ロック位置において前記少なくとも二つの貫通穴を通してスライド可能に受け入れられる、請求項16に記載のケーブル及びプーリー装置。
【請求項18】
前記支持フレームに取り付けられた少なくとも一つのガイドロッドを更に有し、前記少なくとも二つの可動プーリーブロックは前記少なくとも一つのガイドロッドに沿って垂直方向に移動するように構成されている、請求項15に記載のケーブル及びプーリー装置。
【請求項19】
前記少なくとも一つのウエイトラックは、プレートウエイトを受けるように構成されている、請求項15に記載のケーブル及びプーリー装置。
【請求項20】
前記少なくとも一つのウエイトラックは、
調節可能ウエイトスタックと、
前記調節可能ウエイトスタックに接続される第1端部と、前記少なくとも二つの可動プーリーブロックのうちの一つに接続される第2端部とを有するウエイトスタックケーブルと、
を備えるウエイトスタック装置である、請求項15に記載のケーブル及びプーリー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、ここにその開示の全体が参考のために合体される、「ウエイトマシン用ウエイト配分比率装置」と題する、2018年11月19日出願の米国仮特許出願No.62/769,172と2019年11月18日出願の米国仮特許出願No.16/686,741との利益を請求するものである。
【0002】
本開示は、一般に、エクササイズ又はウエイトマシン、より詳しくは、ユーザがエクササイズ又はウエイトマシン上の従来のプーリー装置によって提供される機械的倍率を変化させることを可能にするウエイト配分比率装置に関する。
【背景技術】
【0003】
ウエイトスタック及びプーリー装置を利用してユーザによるエクササイズ動作に対して抵抗を与えるマシンを含む、筋力トレーニングとコンディショニング用の様々なエクササイズマシンが開発されている。従来のエクササイズマシンは、フレームと、このフレームに取り付けられて抵抗を提供する負荷又はなんらかのタイプの装置と、前記負荷に接続された複数のエクササイズステーションとを備える。通常、前記負荷を前記エクササイズステーションに接続するためにプーリーとケーブルが使用される。これらのプーリー及びケーブルは、エクササイズステーションを利用するユーザに機械的倍率を提供する。その提供される機械的倍率は、正、負、又は中立でありうる。
【0004】
従来のケーブル及びプーリー装置は、その第1端部において負荷又ウエイトスタックに接続され、その第2端部において第1プーリーに接続されている第1ケーブルを使用する。第2ケーブルをその第1端部において第1エクササイズステーションに接続することができる。前記第2ケーブルの第2端部を、第2プーリーに、次に、前記第1プーリーに、次に、第3プーリーに係合し、そして最終的に、前記フレームに固定することができる。このプーリー構成によって、ユーザは、負荷又はウエイトスタックの50%の力を与えて負荷又はウエイトスタックを持ち上げることが可能となる。このプーリー及びケーブル装置の機械的倍率は2:1の配分比率である。プーリーの追加又は減少によって、ユーザが経験する機械的倍率が変化する。
【0005】
多くのエクササイズマシンは、家庭やアパート等といった従来のジムよりも小さなエリアで使用するように設計されている。これらの小さなエリアでは、エクササイズマシンのサイズを小さくすることによって空間を節約することがますます重要になってきている。エクササイズマシンのためのこの小エリア装置は、互いに独立的に作動可能な複数のケーブル及びプーリー装置を提供することによって達成される。従来のケーブル及びプーリー装置には、そのシステム中のプーリーの数と位置とによって予め決まる固定した機械的倍率が組み込まれている。
【0006】
これらの従来のケーブル及びプーリー装置を使用する場合、ユーザは、ウエイトスタックの各ウエイトの重量によって決まる固定的インクレメントで抵抗レベルを変化させることに限定される。例えば、もしもそのケーブル及びウエイトシステムが2:1の配分比率を許容し、ウエイトスタック中の各ウエイトプレートの重量が20ポンドであるならば、ユーザは、10ポンドのインクレメントでしか抵抗を変化させることができない。エクササイザが完全な10ポンドよりも少なく、例えば、5ボンド、抵抗を増加させるためには、ユーザは、多くの場合、ウエイトスタックに対するより小さなウエイトの形態である、追加のウエイトをスタックに追加しなければならない。
【0007】
複数のウエイト配分比率を可能にする他のエクササイズマシンも開発されている。具体的には、エクササイズマシンが機械的倍率の異なる複数のエクササイズステーションを含むことを可能にする二つのフローティングプーリーを有するケーブル及びプーリー装置が開発されている。しかし、このタイプの構成を利用する装置は、通常、ウエイト配分比率を変えるために異なるエクササイズステーションを使用することを必要とする。エクササイズステーションを変える必要性により、ユーザが同じエクササイズステーションを使用しながら、可変ウエイト配分比率を選択する能力は提供されない。ウエイト配分比率装置はケーブルの引っ張り力とウエイト配分比率とに共に影響を与えうる。ユーザのエクササイズには短いトラベルと重い負荷を必要とする場合もあれば、長いトラベルと軽い負荷を必要とする場合もある。従って、同じエクササイズマシン上に有効な変換機構があれば、様々なユーザエクササイズを行うために必要なエクササイズマシンの量を減らすことが可能となるであろう。
【発明の概要】
【0008】
本開示の非限定的実施形態によれば、エクササイズマシンは、支持フレームと、追加のウエイトを受け入れるように構成された少なくとも一つのウエイトラックと、一つの可動プーリーブロックのみが移動可能なロック位置と二つの可動プーリーブロックが移動可能なロック解除位置との間で移動可能なロック機構と、前記支持フレーム、前記少なくとも一つのウエイトラック、及び前記支持フレームから延出する第1アタッチメントに係合するウエイト配分比率装置と、を備えることができ、前記ウエイト配分比率装置は、前記第1アタッチメントに接続される第1端部と、前記エクササイズマシンの一部分に接続される第2端部とを有するエクササイズケーブルと、各々が少なくとも一つのプーリーを有する少なくとも二つの可動プーリーブロックであって、前記少なくとも一つのウエイトラックは前記少なくとも二つの可動プーリーブロックのうちの一つに取り付けられて当該可動プーリーブロックと共に移動するように構成されている、少なくとも二つの可動プーリーブロックとを備えることができる。前記エクササイズケーブルは、前記少なくとも二つの可動プーリーブロックに動作接続されたものとすることができる。
【0009】
本開示の別の非限定的実施形態によれば、前記少なくとも二つの可動プーリーブロックは、第1可動プーリーブロックと第2可動プーリーブロックとを備えることができ、前記少なくとも一つのウエイトラックは前記第1可動プーリーブロックに取り付けられて当該第1可動プーリーブロックと共に移動するように構成することができ、前記第1可動プーリーブロックは、前記第2可動プーリーブロックの垂直上方に配設することができる。前記第2可動プーリーブロックは、前記ロック機構によって、前記第1可動プーリーブロックのみが移動可能なロック位置と、前記第1及び第2可動プーリーブロックが移動可能なロック解除位置との間でロックされるように構成することができる。
【0010】
本開示の別の非限定的実施形態によれば、少なくとも二つの貫通穴は、前記支持フレームに設けられた第1貫通穴及び第2貫通穴と、前記少なくとも二つの可動プーリーブロックのうちの一つに設けられた第3貫通穴とを含むものとすることができ、前記第3貫通穴は、前記ロック位置において前記第1貫通穴と前記第2貫通穴との間で整列可能である。前記少なくとも一つのプーリーは、前記支持フレーム上で前記第1アタッチメントに隣接して配置することができ、前記少なくとも一つのプーリーは、前記エクササイズケーブルを下方向又は上方向に向けるように構成することができる。前記少なくとも一つのプーリーは、前記支持フレームにスライド可能に取り付けられ、当該支持フレーム上において垂直方向に移動可能とすることができる。少なくとも一つのガイドロッドを前記支持フレームに取り付けることができ、そして、前記少なくとも二つの可動プーリーブロックは、前記少なくとも一つのガイドロッドに沿って垂直方向に移動するように構成することができる。
【0011】
本開示の別の非限定的実施形態によれば、前記少なくとも二つの可動プーリーブロックの間に止め部材を配置して前記少なくとも二つの可動プーリーブロックが互いに接触することを防止するようにすることができる。少なくとも一つのフローティングプーリーを、前記エクササイズケーブルに動作接続することができる。第2アタッチメントとプルダウンケーブルは、第1端部と第2端部とを備えることができ、前記第1端部は前記第2アタッチメントに接続し、前記第2端部は前記少なくとも一つのフローティングプーリーに接続することができる。少なくとも一つのプルダウンプーリーを、前記支持フレーム上で前記第2アタッチメントに隣接して配置することができ、前記少なくとも一つのプルダウンプーリーは、前記プルダウンケーブルを下方向に向けるように構成することができる。ウエイトスタック装置を、前記支持フレームに設けることができ、前記ウエイトスタック装置は、調節可能なウエイトスタックと、第1端部と第2端部とを備えることが可能なウエイトスタックケーブルとを有し、前記1端部は前記調節可能ウエイトスタックに接続することができ、前記第2端部は前記少なくとも一つの可動プーリーブロックに接続することができる。前記ウエイトスタック装置は、前記ウエイトスタックケーブルを、前記調節可能ウエイトスタックから前記少なくとも一つの可動プーリーブロックへと向けるように構成される少なくとも一つのウエイトスタックプーリーを備えることができる。
【0012】
本開示の別の非限定的実施形態によれば、エクササイズマシン用ケーブル及びプーリー装置は、支持フレームに係合するウエイト配分比率プーリー装置を備えることができ、前記ウエイト配分比率プーリー装置は、第1エクササイズハンドルと、第2エクササイズハンドルと、追加のウエイトを調節可能に受けるように構成された少なくとも一つのウエイトラックと、前記支持フレーム、前記少なくとも一つのウエイトラック、前記第1エクササイズハンドル、及び前記第2エクササイズハンドルに係合するウエイト配分比率装置とを備えることができ、前記ウエイト配分比率装置は、前記第1エクササイズケーブルに接続される第1端部と前記エクササイズマシンの一部分に接続される第2端部とを有する第1エクササイズケーブルと、各々が少なくとも一つのプーリーを有する二つの可動プーリーブロックであって、前記少なくとも一つのウエイトラックは、前記少なくとも二つの可動プーリーブロックのうちの一つと移動するように構成されている、二つの可動プーリーブロックと、一つの可動プーリーブロックのみが移動可能なロック位置と前記二つの可動プーリーブロックが移動可能なロック解除位置との間で移動可能なロック機構と、少なくとも一つのフローティングプーリーと、前記第2エクササイズハンドルに接続される第1端部と前記少なくとも一つのフローティングプーリーに接続される第2端部とを有する第2エクササイズケーブルとを備えることができる。
【0013】
本開示の別の非限定的実施形態によれば、前記第1エクササイズケーブルは、前記少なくとも二つの可動プーリーブロックのうちの第1可動プーリーブロックに動作接続可能であり、前記第1エクササイズケーブルは、前記少なくとも二つの可動プーリーブロックのうちの第2可動プーリーブロックに動作接続可能であり、前記第1エクササイズケーブルは前記少なくとも一つのフローティングプーリーに動作接続可能であり、そして、前記ロック機構が前記ロック位置にある時、前記第2可動プーリーブロックは移動を阻止される。前記ロック機構は、ピンと、少なくとも二つの貫通穴とを備えることができ、前記少なくとも二つの貫通穴は、これら貫通穴を貫通する前記ピンを受け入れるように構成され、少なくとも一つの貫通穴は、前記支持フレームに設けることができ、少なくとも一つの貫通穴は、前記第2可動プーリーブロックに設けられ、そして、前記ピンは、前記ロック位置において前記少なくとも二つの貫通穴を通してスライド可能に受け入れ可能である。
【0014】
本開示の別の非限定的実施形態によれば、少なくとも一つのガイドロッドを前記支持フレームに取り付けることができ、前記少なくとも二つの可動プーリーブロックは前記少なくとも一つのガイドロッドに沿って垂直方向に移動可能に構成することができる。前記少なくとも一つのウエイトラックは、プレートウエイトをその上に受けるように構成することができる。前記少なくとも一つのウエイトラックは、調節可能なウエイトスタックと、第1端部と第2端部とを備えるウエイトスタックケーブルとを有するウエイトスタック装置とすることができ、前記第1端部は前記調節可能ウエイトスタックに接続され、前記第2端部は前記少なくとも一つの可動プーリーブロックに接続されている。
【0015】
本開示は、以下の項によって更に定義することができる。
【0016】
項1:支持フレームと、
追加のウエイトを受け入れるように構成された少なくとも一つのウエイトラックと、
前記支持フレーム、前記少なくとも一つのウエイトラック、及び前記支持フレームから延出する第1アタッチメントに係合するウエイト配分比率装置と、を備えるエクササイズマシンであって、
前記ウエイト配分比率装置は、
前記第1アタッチメントに接続される第1端部と、前記エクササイズマシンの一部分に接続される第2端部とを有するエクササイズケーブルと、
各々が少なくとも一つのプーリーを含む少なくとも二つの可動プーリーブロックであって、前記少なくとも一つのウエイトラックは、前記少なくとも二つの可動プーリーブロックのうちの一つに取り付けられて当該可動プーリーブロックと共に移動するように構成されている、少なくとも二つの可動プーリーブロックと、
一つの可動プーリーブロックのみが移動可能なロック位置と前記二つの可動プーリーブロックが移動可能なロック解除位置との間で移動可能なロック機構と、を備え、
前記エクササイズケーブルは前記少なくとも二つの可動プーリーブロックに動作接続されている、エクササイズマシン。
【0017】
項2:前記少なくとも二つの可動プーリーブロックは第1可動プーリーブロックと第2可動プーリーブロックとを備え、
前記少なくとも一つのウエイトラックは前記第1可動プーリーに取り付けられて当該第1可動プーリーと共に移動するように構成され、
前記第1可動プーリーブロックは、前記第2可動プーリーブロックの垂直方向上方に配設されている、項1に記載のエクササイズマシン。
【0018】
項3:前記第2可動プーリーブロックは、前記ロック機構によって、前記第1可動プーリーブロックのみが移動可能なロック位置と、前記第1及び第2可動プーリーブロックが移動可能なロック解除位置との間でロックされるように構成されている、項1又は2に記載のエクササイズマシン。
【0019】
項4:前記ロック機構は、ピンと、少なくとも二つの貫通穴とを備え、前記少なくとも二つの貫通穴は、これら貫通穴を貫通する前記ピンを受け入れるように構成され、
少なくとも一つの貫通穴が前記支持フレームに設けられ、少なくとも一つの貫通穴が前記少なくとも二つの可動プーリーブロックのうちの一つに設けられ、
前記ピンは、前記ロック位置において前記少なくとも二つの貫通穴を通してスライド可能に受け入れられる、項1から項3のいずれかに記載のエクササイズマシン。
【0020】
項5:少なくとも二つの貫通穴は、前記支持フレームに設けられた第1貫通穴及び第2貫通穴と、前記少なくとも二つの可動プーリーブロックのうちの一つに設けられた第3貫通穴とを備え、
前記第3貫通穴は前記ロック位置において前記第1貫通穴と前記第2貫通穴との間に整列される、項1から項4のいずれかに記載のエクササイズマシン。
【0021】
項6:前記支持フレーム上で前記第1アタッチメントに隣接して配置された少なくとも一つのプーリーを更に有し、前記少なくとも一つのプーリーは、前記エクササイズケーブルを下方向又は上方向に向けるように構成されている、項1から項5のいずれかに記載のエクササイズマシン。
【0022】
項7:前記少なくとも一つのプーリーは、前記支持フレーム上にスライド可能に取り付けられるとともに、当該支持フレーム上において垂直方向に移動可能である、項1から項6のいずれかに記載のエクササイズマシン。
【0023】
項8:前記支持フレームに取り付けられた少なくとも一つのガイドロッドを更に有し、前記少なくとも二つの可動プーリーブロックは、前記少なくとも一つのガイドロッドに沿って垂直方向に移動するように構成されている、項1から項7のいずれかに記載のエクササイズマシン。
【0024】
項9:前記少なくとも二つの可動プーリーブロックが互いに接触することを防止するべく、これら少なくとも二つの可動プーリーブロックの間に配置された止め部材を更に有する、項1から項8のいずれかに記載のエクササイズマシン。
【0025】
項10:前記エクササイズケーブルに動作接続された少なくとも一つのフローティングプーリーを更に有する、項1から項9のいずれかに記載のエクササイズマシン。
【0026】
項11:第2アタッチメントと、前記第2アタッチメントに接続される第1端部及び前記少なくとも一つのフローティングプーリーに接続される第2端部を有するプルダウンケーブルとを更に備える、項1から項10のいずれかに記載のエクササイズマシン。
【0027】
項12:前記支持フレーム上で前記第2アタッチメントに隣接して配置された少なくとも一つのプルダウンプーリーを更に備え、前記少なくとも一つのプルダウンプーリーは前記プルダウンケーブルを下方に向けるように構成されている、項1から項11のいずれかに記載のエクササイズマシン。
【0028】
項13:前記支持フレームに係合するウエイトスタック装置を更に備え、
前記ウエイトスタック装置は、
調節可能ウエイトスタックと、
前記調節可能ウエイトスタックに接続される第1端部と、前記少なくとも一つの可動プーリーブロックに接続される第2端部とを有するウエイトスタックケーブルと、を備えている、項1から項12のいずれかに記載のエクササイズマシン。
【0029】
項14:前記ウエイトスタック装置は、前記ウエイトスタックケーブルを前記調節可能ウエイトスタックから前記少なくとも一つの可動プーリーブロックへと向けるように構成された少なくとも一つのウエイトスタックプーリーを更に有する、項1から項13のいずれかに記載のエクササイズマシン。
【0030】
項15:エクササイズマシン用ケーブル及びプーリー装置であって、
支持フレームに係合されたウエイト配分比率プーリー装置を備え、
前記ウエイト配分比率装置は、
第1エクササイズハンドルと、
第2エクササイズハンドルと、
追加のウエイトを調節可能に受け入れるように構成された少なくとも一つのウエイトラックと、
前記支持フレーム、前記少なくとも一つのウエイトラック、前記第1エクササイズハンドル、及び前記第2エクササイズハンドルと係合するウエイト配分比率装置とを備え、
前記ウエイト配分比率装置は、
前記第1エクササイズハンドルに接続される第1端部と、前記エクササイズマシンの一部分に接続される第2端部とを有する第1エクササイズケーブルと、
各々が少なくとも一つのプーリーを含む二つの可動プーリーブロックであって、前記少なくとも一つのウエイトラックは前記少なくとも二つの可動プーリーブロックのうちの一つと共に移動するように構成されている、二つの可動プーリーブロックと、
一つの可動プーリーブロックのみが移動可能なロック位置と前記二つの可動プーリーブロックが移動可能なロック解除位置との間で移動可能なロック機構と、
少なくとも一つのフローティングプーリーと、
前記第2エクササイズハンドルに接続される第1端部と、前記少なくとも一つのフローティングプーリーに接続される第2端部とを有する第2エクササイズケーブルとを備えている、エクササイズマシン用ケーブル及びプーリー装置。
【0031】
項16:前記第1エクササイズケーブルは、前記少なくとも二つの可動プーリーブロックのうちの第1可動プーリーブロックに動作接続され、
前記第1エクササイズケーブルは、前記少なくとも二つの可動プーリーブロックのうちの第2可動プーリーブロックに動作接続され、
前記第1エクササイズケーブルは、前記少なくとも一つのフローティングプーリーに接続され、
前記第2可動プーリーブロックは、前記ロック機構が前記ロック位置にある時、移動することが妨げられる、項15に記載のケーブル及びプーリー装置。
【0032】
項17:前記ロック機構は、ピンと、少なくとも二つの貫通穴とを備え、前記少なくとも二つの貫通穴は、これら貫通穴を貫通する前記ピンを受け入れるように構成され、
少なくとも一つの貫通穴が前記支持フレームに設けられ、少なくとも一つの貫通穴が前記第2可動プーリーブロックに設けられ、
前記ピンは、前記ロック位置において前記少なくとも二つの貫通穴を通してスライド可能に受け入れられる、項15又は16に記載のケーブル及びプーリー装置。
【0033】
項18:前記支持フレームに取り付けられた少なくとも一つのガイドロッドを更に有し、前記少なくとも二つの可動プーリーブロックは前記少なくとも一つのガイドロッドに沿って垂直方向に移動するように構成されている、項15から項17のいずれかに記載のケーブル及びプーリー装置。
【0034】
項19:前記少なくとも一つのウエイトラックは、プレートウエイトを受けるように構成されている、項15から項18のいずれかに記載のケーブル及びプーリー装置。
【0035】
項20:前記少なくとも一つのウエイトラックは、
調節可能ウエイトスタックと、
前記調節可能ウエイトスタックに接続される第1端部と、前記少なくとも一つの可動プーリーブロックに接続される第2端部とを有するウエイトスタックケーブルと、
を備えるウエイトスタック装置である、項15から項19のいずれかに記載のケーブル及びプーリー装置。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】二つの高-低プーリーカラムマシンに適用されたウエイト配分比率装置を備えるエクササイズマシンの斜視図であって、エクササイズマシンと前記ウエイト配分比率装置を異なるエクササイズ位置で使用しているユーザを図示している。
図2図1のウエイト配分比率装置が適用されたエクササイズマシンの一つの高-低プーリーカラムマシンの斜視、一部透視図である。
図3図2の一つの高-低プーリーカラムマシンのウエイト配分比率装置の略図である。
図4】ウエイト配分比率装置が1:1と1:2のウエイト配分比率構成である図2の一つの高-低プーリーカラムマシンの斜視図である。
図5】ウエイト配分比率装置が1:1と1:2のウエイト配分比率構成である図4の一つの高-低プーリーカラムマシンのウエイト配分比率装置の略図である。
図6】ウエイト配分比率装置が1:2と1:4のウエイト配分比率構成である図2の一つの高-低プーリーカラムマシンの斜視図である。
図7】ウエイト配分比率装置が1:2と1:4のウエイト配分比率構成である図6の一つの高-低プーリーカラムマシンのウエイト配分比率装置の略図である。
図8】ロック位置にあるプーリーブロックロック機構の斜視図である。
図9】ロック解除位置にあるプーリーブロックロック機構の斜視図である。
図10】ウエイトスタックに結合された、図2のウエイト配分比率装置の略図である。
図11】ウエイトスタックに結合された、図1のウエイト配分比率装置を備えるエクササイズマシンの斜視図である。
図12】本開示の非限定的実施形態によるエクササイズマシンの一つの高-低プーリーカラムマシンの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以後の説明の目的で、用語「上方」、「下方」、「右側」、「左側」、「垂直」、「水平」、「頂部」、「底部」、「側方」、「長手」、及びこれらの派生語は、図面における向きにおいて本開示に関連する。但し、本開示は、特に銘記されない限り、その他のバリエーション及び工程順序、を取りうるものであると理解される。又、添付の図面に図示され、以下の明細書に記載されている具体的装置及び方法は、本開示の例示的な態様に過ぎないものであるとも理解される。従って、ここに開示される態様に関連する具体的寸法及びその他の物理的特徴は、限定的なものと解釈されてはならない。
【0038】
本開示は、一般に、エクササイズまたはウエイトマシン、特に詳しくは、ユーザがエクササイズ又はウエイトマシン上で従来のプーリー装置によって提供される機械的倍率を変化させることを可能にするウエイト配分比率装置(arrangement)に関する。前記エクササイズ又はウエイトマシン及び前記ウエイト配分比率装置のコンポーネントのいくつかの態様が図1から図11に図示されている。
【0039】
図1、2、4、6及び11を参照すると、異なるエクササイズステーションを含むエクササイズマシン10(ウエイトマシン又はウエイトリフティングマシンとも称する)の非限定的実施形態が図示されている。図1に図示されているように、前記エクササイズマシン10は、第1エクササイズステーション14aと第2エクササイズステーション14bとを含む、前記エクササイズマシン10の複数の異なるコンポーネントを収納する支持フレーム12を有している。各エクササイズステーション14a,14bは、ラットバー16a,16bを備えるラットプルダウン部分と、エクササイズハンドル18a,18bを備えるロー(漕ぎ)部分とを備えうる。ユーザ(単数または複数)は、エクササイズのために、前記エクササイズマシンに取り付けられた負荷を引くべく、前記ラットバー16a,16b及び前記エクササイズハンドル18a,18bを引くことができる。ラットバー16a,16bとエクササイズハンドル18a,18bのみが図示されているが、前記エクササイズマシン10との関連で、他のウエイトリフティングハンドル、シート、及び器具、を使用することが可能である。例えば、ユーザは、傾斜位置でベンチに座り、図1に図示のエクササイズ以外に、前記ラットバー16a,16bおよび・または前記エクササイズハンドル18a,18bによってさまざまなエクササイズを行うことができる。
【0040】
図1、2、4及び6を引き続き参照すると、前記エクササイズマシン10に取り付けられる前記負荷は、プレートウエイト20の形態とすることができる。これらプレートウエイト20は、第1ウエイトラック102と第2ウエイトラック104上にスライド可能に受けられている。任意の量のウエイトの任意の数のプレートウエイト20を、前記第1及び第2ウエイトラック102,104に追加することができる。図11に図示されているように、そして以下により詳しく説明するように、前記負荷はウエイトラック130の形態にすることもできる。
【0041】
図2及び3を参照して、前記エクササイズマシン10に使用されるウエイト配分比率装置100の非限定的実施形態について説明する。前記ウエイト配分比率装置100は、前記エクササイズハンドル18a又はラットバー16aに対するユーザの引っ張り力に対して抵抗を与えるために前記エクササイズマシン10に設けられている。前記ウエイト配分比率装置100からの抵抗は、当該ウエイト配分比率装置100の前記第1ウエイトラック102及び第2ウエイトラック104に対する接続によって提供される。第1及び第2ウエイトラック102,104が、上部の可動プーリーブロック115上に配置されている。ユーザは、所望の抵抗を得るために、前記第1及び第2ウエイトラック102,104に種々のサイズのウエイトを追加することができる。
【0042】
前記ウエイト配分比率装置100は、以下に更に詳しく説明するように、エクササイズケーブル22と複数のプーリーを有している。前記エクササイズケーブル22の第1端部は、前記エクササイズハンドル18aに接続されている。前記エクササイズケーブル22の反対側の第2端部は、前記エクササイズマシン10の支持フレーム12上に設けられたプーリーブロック111に接続されている。図2及び3に図示されているように、前記エクササイズケーブル22は、前記エクササイズハンドル18aから、前記プーリー110を有するプーリーブロック111を通って延出している。前記プーリーブロック111は、前記支持フレーム12上において、身長の異なるユーザが異なるエクササイズを行うために異なる位置へと垂直方向に調節することができる。前記プーリーブロック111は、垂直方向に調節されるべく、前記支持フレーム12に沿ってスライドし、当該支持フレーム12の様々な部分に係合することができるか、もしくは、前記プーリーブロック111は、前記支持フレーム12に沿って垂直方向に調節されるべく、一つまたは複数の穴26(明瞭性のための一つだけに対して符号を付している)内に受け入れられるスライド可能ピン又は解除可能ロック機構24を備えることができる。
【0043】
前記エクササイズケーブル22の第1端部が前記エクササイズハンドル18aに接続されて前記エクササイズケーブル22の第2端部が前記調節可能プーリーブロック111に接続された状態で、プーリーブロック111が垂直方向に調節されると、前記エクササイズケーブル22もプーリーブロック111と共に前記支持フレーム12に対してその位置を調節する。尚、前記エクササイズケーブル22の前記第2端部は、前記支持フレーム12の他の部分に固定してもよい。そのような場合、前記プーリーブロック111は、エクササイズケーブル22を前記ウエイト配分比率装置100内において適切に配索するべく、前記支持フレーム12の一部分に固定することができる。
【0044】
前記エクササイズケーブル22は、前記プーリー108を通って、前記支持フレーム12の底部に固定されたプーリー112へと下方に案内されている。前記エクササイズケーブル22は、同様に前記支持フレーム12の底部に固定された別のプーリー114を通るように向けられている。その後、前記エクササイズケーブル22は、支持フレーム12の上部に固定されたプーリーブロック113に向けて上方に向けられる。プーリーブロック113内において、前記エクササイズケーブル22は、プーリー116を通って、更に、プーリー118を通るように向けられている。尚、プーリー114は、前記支持フレーム12の底部において下方にではなく、プーリーブロック113内において上に向けることも可能である。いずれの構成も、前記ウエイト配分比率装置100用として適切でありうる。
【0045】
その後、前記エクササイズケーブル22は、前記上部可動プーリーブロック115に向けて下方に向けられる。前記エクササイズケーブル22は、前記上部プーリーブロック115内のプーリー120を通って、そして、プーリーブロック113に取り付けられた別のプーリー122に向けて上方に向けられている。図示されいないが、プーリー122は、前記ウエイト配分比率装置100が適切に作動するように、ここに記載の複数のプーリー間の適切な間隔を維持するべく、プーリーブロック113内に配置したり、プーリーブロック119に取り付けたり、或いは、プーリーブロック119内に配置することが可能である。
【0046】
プーリー120と上部可動プーリーブロック115とを通って向けられた後、前記エクササイズケーブル22は、底部 可動プーリーブロック117とそこに位置するプーリー124とに向けて再び下方に向けられる。図3、5、7及び10においては明確性のために、底部可動プーリーブロック117とプーリー124は、上部可動プーリーブロック115とプーリー120よりも大きく図示されている。実際には、底部可動プーリーブロック117とプーリー124は、上部可動プーリーブロック115とプーリー120に対してどのようなサイズであってもよい。上部可動プーリーブロック115と底部可動プーリーブロック117との両方は、第1ポール150と第2ポール152とに沿って移動可能である。これら第1及び第2ポール150,152の両方は、前記支持フレーム12の底部と上部とに取り付けられ、前記上部可動プーリーブロック115及び底部可動プーリーブロック117の一部は、それぞれの移動を容易にするべく、前記第1ポール及び第2ポール150,152を受け入れることができる。
【0047】
その後、前記エクササイズケーブル22は、プーリー124から上方に、プーリーブロック119へと向けられ、そこで、プーリー124は、プーリーブロック119の内部に配置されたプーリー126へと向けられる。図2に図示されているように、前記エクササイズケーブル22は、同様にプーリーブロック119内に配置されたプーリー200を通して向けることができ、但し、プーリー200は、エクササイズマシン10内でエクササイズケーブル22を整理するためだけに使用され、前記エクササイズマシン10内のその他のプーリーの構成によっては不要な場合もある。前記エクササイズケーブル22は、再び、同じく前記プーリーブロック119内に配置されたプーリー130に向けて上方に向けられる前に、フローティングプーリー128を通って下方に向けられる。前記エクササイズケーブル22は、プーリーブロック113内に収納されたプーリー132に向けられ、そして下方に向けられてプーリーブロック111に固定される。図1、2、4、6及び11に図示されているように、プーリーブロック113及びプーリーブロック119は、プーリーブロックユニットの二つの半部分である。但し、プーリーブロック113及びプーリーブロック119を、それぞれのプーリーをハウジングするために使用される完全に別々のプーリーブロックとすることも可能である。
【0048】
上述した構成において、前記エクササイズケーブル22は、前記ウエイト配分比率装置100のウエイト配分比率を変化させるべく、底部可動プーリーブロック117及びプーリー124と相互作用する。前記ラットバー16a及びエクササイズハンドル18aのどちらのハンドルが使用されるか、そして、前記底部可動プーリーブロック117が前記ロック位置にあるか又はロック解除位置にあるかに応じて、ユーザは、1:1、1:2又は1:4のウエイト配分比率を経験することができる。これらシナリオのそれぞれについて、以下により詳細に説明する。前記ウエイト配分比率装置100のウエイト配分比率が変化すると、エクササイズマシン10のユーザは、前記第1及び第2ウエイトラック102,104に対して同じ量のウエイトが加えられた状態で、三種類の異なる抵抗レベルを経験することができる。これは、前記ウエイト配分比率装置100のプーリーシステムによって提供される機械的倍率によって可能とされる。可動プーリーの数が変化すると、エクササイズマシン10のユーザによって経験される抵抗の量も変化する。
【0049】
次に、図4、5及び8を参照すると、前記底部可動プーリーブロック117はロック位置にある。このロック位置において、前記底部可動プーリーブロック117とプーリー124は、前記ウエイト配分比率装置100のウエイト配分比率に対して無関係である。ユーザがエクササイズハンドル18aを引っ張っても、前記底部可動プーリーブロック117は、支持フレーム12に接続されたままであり、他方、前記上部可動プーリーブロック115のみが前記第1及び第2ポール150,152に沿って移動する。前記エクササイズハンドル18aを引っ張ることにより、ユーザは、前記エクササイズケーブル22をも引っ張り、これにより、上部可動プーリーブロック115のプーリー120を上方に引っ張る。ロック位置において、前記ウエイト配分比率装置100は、サイズハンドル18aに対して1:2のウエイト配分比率にセットされる。このことは、前記上部可動プーリーブロック115、前記ウエイトラック102,104及びこれらウエイトラック102,104上のすべてのプレートウエイト20が前記ポール150,152を、ユーザがエクササイズハンドル18aを引っ張る距離の半分、上方移動することを意味する。例えば、ユーザがエクササイズハンドル18aを、支持フレーム12から16インチ引っ張ると、前記上部可動プーリーブロック115、前記ウエイトラック102,104及びすべてのプレートウエイト20はポール150,152上で8インチだけ上に移動することになる。換言すると、前記ウエイト配分比率装置100が1:2のウエイト配分比率に設定されるならば、ユーザによるエクササイズは、エクササイズハンドル18aを、ウエイトラック102,104とそれらの関連するプレートウエイト20とが変位される距離の二倍の距離だけ変位させることなる。
【0050】
次に、図6、7及び9を参照すると、前記底部可動プーリーブロック117はロック解除位置にある。このロック解除位置において、前記底部可動プーリーブロック117とプーリー124がウエイト配分比率装置100のウエイト配分比率を、エクササイズハンドル18aに対して、1:2のウエイト配分比率から1:4のウエイト配分比率に変化させる。ユーザがエクササイズハンドル18aを引っ張ると、上部可動プーリーブロック115と底部可動プーリーブロック117との両方が前記第1及び第2ポール150,152に沿って移動する。エクササイズハンドル18aを引っ張ることにより、ユーザは、エクササイズケーブル22をも引っ張り、これが、今度は、プーリー120とプーリー124とを上方に引っ張り、上部可動プーリーブロック115と底部可動プーリーブロック117をも上方に移動させる。前記ロック位置におけるのと同様に、前記ウエイトラック102,104とこれらの上のプレートウエイト20が上部可動プーリーブロック115と共に移動する。エクササイズケーブル22が前記上部可動プーリーブロック115と底部可動プーリーブロック117とを共に上方に移動させるので、ユーザは上述した1:4のウエイト配分比率を経験する。このことは、もしもユーザがエクササイズハンドル18aを、支持フレーム12から16インチ引っ張るならば、前記上部可動プーリーブロック115と底部可動プーリーブロック117とは前記第1及び第2ポール150,152に沿って4インチしか上方に移動しないということを意味する。換言すると、前記ウエイト配分比率装置100が1:4のウエイト配分比率に設定されるならば、ユーザによるエクササイズは、ウエイトラック102,104とそれらの関連するプレートウエイト20とが変位される距離の4倍の距離だけ、エクササイズハンドル18aを変位させることになる。前記ウエイト配分比率装置100の構成に応じて、同じ量のプレートウエイト20を引っ張るために必要な距離が変化することによって、ユーザは、同じ量の装置で異なるエクササイズ抵抗を経験することが可能となる。
【0051】
図1から図7を更に参照して、別の非限定的実施形態によるラットバーケーブル30およびプーリーシステムの構成について説明する。前記ラットバーケーブル30の一端部は前記ラットバー16aに接続され、前記ラットバーケーブル30の反対側の第2端部は、前記フローティングプーリー128に固定されている。ラットバー16aから、前記ラットバーケーブル30は、前記支持フレーム12の上部に設けられた第1プーリー140と、前記支持フレーム12の反対側端部に設けられた別のプーリー142とに渡って向けられている。各プーリー140,142は、プーリーブロック141,143内に収納されている。その後、前記ラットバーケーブル30は、プーリーブロック145内に収納されたプーリー144を通って下方に向けられている。その後、ラットバーケーブル30は、上に向けられて前記フローティングプーリー128に固定されている。
【0052】
フローティングプーリー128は、上述したようにエクササイズハンドル18aとエクササイズケーブル22とを備える前記プーリー・ケーブルシステムにも接続されているので、前記ラットバーケーブル30及びプーリーシステムも、前記ウエイト配分比率装置100の選択されたウエイト配分比率に加えて、ユーザによってウエイトラック102,104に追加されるプレートウエイト20によって決まる抵抗も受ける。前記底部可動プーリーブロック117がロック位置にある時、当該底部可動プーリーブロック117は、マシンのウエイト配分比率に影響を与えない。前記ラットバーケーブル30は前記フローティングプーリー128に接続されているので、底部可動プーリーブロック117がロック位置にある状態でラットバー16aを引っ張るユーザは、1:1のウエイト配分比率を経験する。例えば、ユーザがラットバー16aを、支持フレーム12から16インチ引っ張ると、ラットバーケーブル30は、フローティングプーリー128を16インチ下方に引っ張り、これによって、エクササイズケーブル22がプーリー120を上方に引っ張り、前記第1可動プーリーブロック115を前記第1及び第2ポール150,152上で16インチ上方に引っ張る。換言すると、前記ウエイト配分比率装置100が1:1のウエイト配分比率に設定されている時、ユーザによるエクササイズは、ラットバー16aを、前記ウエイトラック102,104とそれらの関連するプレートウエイト20とに対して同じ距離だけ変位させることになる。
【0053】
前記ロック解除位置において、ラットバー16aを引っ張るユーザは、1:2のウエイト配分比率を経験する。前記ロック解除位置において、前記第1可動プーリーブロック115と前記第2可動プーリーブロック117との両方が、内部に配置されたそれぞれのプーリー120,124によって動かされる。前記ラットバーケーブル30が前記フローティングプーリー128を移動させ、これによってエクササイズケーブル22を移動させると、前記第1可動プーリーブロック115と前記第2可動プーリーブロック117とは、第1及び第2ポール150,152上で上方に移動し、前記1:2のウエイト配分比率を提供する。例えば、ユーザが前記ラットバー16aを前記支持フレーム12から16インチ引っ張ると、前記第1可動プーリーブロック115、前記ウエイトラック102,104に取り付けられたすべてのプレートウエイト20、そして前記第2可動プーリーブロック117が、前記第1及び第2ポール150,152上で8インチだけ上方に移動する。
【0054】
図12を参照すると、前記エクササイズマシン10は、ラットバー16a、ラットバーケーブル30、及びそれらの対応のプーリーと前記支持フレーム12に取り付けられたプーリーブロックを備えなくてもよい。これらの要素が前記エクササイズマシン10から取り除かれると、前記エクササイズハンドル18a、エクササイズケーブル22と、上述した前記ウエイト配分比率装置100を維持するために要求される必要なプーリー及びプーリーブロックのみが前記支持フレーム12に接続されることになる。換言すると、エクササイズハンドル18aを使用する個人に対して所望の1:2又は1:4のウエイト配分比率を提供するために必要なプーリーとプーリーブロックのみを前記支持フレーム12に取り付けることができる。フローティングプーリー128とプーリー130とはエクササイズマシン10から取り除かれる。そのような構成においても、エクササイズハンドル18aから前記底部可動プーリーブロック117内に配置されたプーリー124を通る前記エクササイズケーブル22の配索は、上述したものと同じままである。プーリー124を通って配索された後、エクササイズケーブル22はプーリー126を通って向けられ、その後、エクササイズケーブル22は、支持フレーム12を横切ってプーリー132へと配索される。プーリー132から、エクササイズケーブル22は、当該エクササイズケーブル22の第2端部を取り付けることができる可動プーリーブロック111に向けて下方に向けられる。プーリー126,132は、プーリー116,118と共に、プーリーブロック113に収納することができる。
【0055】
次に図8及び9を参照して、前記底部可動プーリーブロック117をロックするのに使用される前記ロック機構について説明する。前記ロック位置において、図8に図示されているように、ロックピン180が受け入れスロット184,186に挿入されている。受け入れスロット184は前記底部可動プーリーブロック117に接続され、受け入れスロット186a,186bは支持フレーム12に接続されている。前記ロック位置において、前記受け入れスロット184,186a,186bは、ロックピン180を受け入れるように整列する。この構成によって、前記底部可動プーリーブロック117が支持フレーム12に接続され、移動することができないことを確実にする。ロック解除位置においては、図9に図示されているように、ロックピン180は受け入れスロット184,186から取り外され、底部可動プーリーブロック117が自由に移動することを可能にする。ロックピン180が紛失されるか又は置き間違えられることを防止するために、ロックピン180が支持フレーム12に接続されたまま留まることを確実にするべくコネクタ182を設けることができる。ロックピン180が受け入れスロット184,186a,186bを自由にスライドして出入りし、ウエイト配分比率装置100のウエイト配分比率を変えることが出来る限り、どのようなタイプのコネクタでも使用可能である。
【0056】
次に図10及び11を参照すると、本開示の非限定的実施形態において、前記ウエイトラック102,104上に配置された前記プレートウエイト20の代わりに、ユーザに抵抗を与えるために、上述のエクササイズマシン10にウエイトスタック160を取り付けることができる。図10に図示されているように、前記ウエイトスタック160と、下記に説明するように当該ウエイトスタック160を操作するために必要なその他の部材とを収納するためにフレームエクステンション13を使用することができる。前記取り付けられたウエイトスタック160は、前記プレートウエイト20とウエイトラック102,104に代えて、ウエイトスタック160に固定された第1端部と前記上部可動プーリーブロック115に固定された第2端部とを備えるウエイトスタックケーブル162を有する。当該ウエイトスタックケーブル162は、前記第1端部からプーリー164を通って上方に向けられ、更に、プーリー166を通って向けられている。プーリー164とプーリー166との両方は、プーリーブロック163に収納されている。そこから、前記ウエイトスタックケーブル162はプーリー168に向けて下方に向けられ、更に、プーリー170を通って延出し、ここで、前記上部可動プーリーブロック115に向けて上方に向けられている。プーリー168はプーリーブロック165に収納され、プーリー170はプーリーブロック167に収納されている。この実施形態は、エクササイズハンドル18aのユーザとラットバー16aのユーザとの両方にとって、上述したのと同じ利点を有し、その唯一の違いは、ユーザが所望の量の抵抗をウエイトラック102,104に追加することができる代わりに、ユーザは、ウエイトスタック160から所望の抵抗を選択することができることにある。ユーザは、当業者に知られている手段によってウエイトスタックによって提供される抵抗を選択する。例えば、エクササイズマシン10に対する抵抗として付与されるべき所望の量のウエイトを選択するために、受け入れピンなどのロック機構をウエイトスタック160に沿って調節することができる。
【0057】
以上の説明においてはエクササイズマシン10とウエイト配分比率装置100の様々な態様を提供したが、当業者は、本発明の範囲と主旨から逸脱することなく改造及び変更を行うことができる。例えば、本開示は、可能な限り、任意の態様の単数または複数の特徴、その他任意の態様の単数または複数の特徴と組み合わせることが可能である。従って、以上の説明は、限定的ではなく例示的であることを意図するものである。上述した発明は、添付の請求項によって定義され、これらの請求項の均等の意味及び範囲内に属する本発明に対するすべの改変は、それらの範囲内に含まれるものと理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12