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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-07
(45)【発行日】2024-02-16
(54)【発明の名称】ゲームシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 9/00 20060101AFI20240208BHJP
【FI】
A63F9/00 508H
A63F9/00 508G
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023125807
(22)【出願日】2023-08-01
【審査請求日】2023-08-23
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000169477
【氏名又は名称】株式会社コナミアミューズメント
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 源士
(72)【発明者】
【氏名】大関 惟之
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 謙
【審査官】前地 純一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-233784(JP,A)
【文献】特開平11-076598(JP,A)
【文献】特開2020-065601(JP,A)
【文献】特開2011-055966(JP,A)
【文献】特開2004-054790(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/00- 9/20
A63F 9/26-11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状の第1遊技体と前記第1遊技体のサイズを下回る平板状の第2遊技体とが載置される遊技フィールドと、
前記遊技フィールドから落下した前記第1遊技体および前記第2遊技体を、鉛直方向に沿った姿勢で落下させる案内部と、
前記案内部による案内のもとで前記第1遊技体および前記第2遊技体が落下する経路に設置され、前記第1遊技体のサイズを下回り、かつ、前記第2遊技体のサイズを上回るサイズの開口を有する第1選別部と
を具備するゲームシステム。
【請求項2】
平板状の第1遊技体と前記第1遊技体とは形状が相違する平板状の第2遊技体とが載置される遊技フィールドと、
前記遊技フィールドから落下した前記第1遊技体および前記第2遊技体を、鉛直方向に沿った姿勢で落下させる案内部と、
前記案内部による案内のもとで前記第1遊技体および前記第2遊技体が落下する経路に設置され、前記第1遊技体の落下を阻止し、かつ、前記第2遊技体を通過させる第1選別部と
を具備し、
前記案内部は、前記鉛直方向に沿う壁部材を含み、
前記第1選別部は、
前記壁部材の下端に間隔をあけて対向する外周面に螺旋状の突起部が設置された円柱部材と、
中心軸を中心として前記円柱部材を回転させる駆動装置とを含み、
前記第2遊技体は、前記壁部材の下端と前記円柱部材の外周面との間を通過し、
前記第1遊技体は、前記円柱部材の外周面に接触した状態で、前記突起部により前記中心軸の方向に移動する
ゲームシステム。
【請求項3】
前記遊技フィールドには、前記第1遊技体のサイズを下回る第3遊技体が載置され、
前記遊技フィールドと前記案内部との間に設置され、前記第1遊技体のサイズを下回り、かつ、前記第3遊技体のサイズを上回るサイズの開口を有する第2選別部をさらに具備する
請求項1または請求項2のゲームシステム。
【請求項4】
前記遊技フィールドを有する固定テーブルと、
前記遊技フィールド上において往復する可動テーブルとを含み、
前記遊技フィールドに載置された前記第1遊技体および前記第2遊技体は、前記可動テーブルにより押圧されることで前記遊技フィールドの先端部から落下する
請求項1または請求項2のゲームシステム。
【請求項5】
前記先端部に対して間隔をあけて設置された可動部材と、
前記可動テーブルと前記可動部材とを連結する連結部材とをさらに具備し、
前記可動部材は、前記連結部材により前記可動テーブルの往復に連動することで、前記先端部から離間した第1位置と、前記第1位置よりも前記先端部に近い第2位置との間で往復する
請求項のゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ゲームに関する。
【背景技術】
【0002】
形状が相違する複数種の遊技体を利用した各種のゲームが従来から提案されている。例えば非特許文献1には、円板状のメダルと平板状のカードとをテーブルから落下させるゲームシステムが開示されている。非特許文献1の構成では、テーブルから落下したメダルおよびカードを水平方向に搬送する搬送機構が設置される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】I WON THE MARVEL AVENGERS ARCADE JACKPOT!!! (NEW COIN PUSHER),[online],[令和5年7月23日検索],インターネット,<URL:https://www.youtube.com/watch?v=XeRxm9GU6yg>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数種の遊技体を利用したゲームにおいては、各遊技体を選別する必要がある。非特許文献1の技術においては、テーブルから落下したメダルおよびカードが水平方向に搬送されてから選別されるため、例えばカードが排出口に排出されて遊技者が取得できるまでに長時間が必要である。以上の事情を考慮して、本開示のひとつの態様は、複数種の遊技体を迅速に選別することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本開示のひとつの態様に係るゲームシステムは、平板状の第1遊技体と前記第1遊技体とは形状が相違する平板状の第2遊技体とが載置される遊技フィールドと、前記遊技フィールドから落下した前記第1遊技体および前記第2遊技体を、鉛直方向に沿った姿勢で落下させる案内部と、前記案内部による案内のもとで前記第1遊技体および前記第2遊技体が落下する経路に設置され、前記第1遊技体の落下を阻止し、かつ、前記第2遊技体を通過させる第1選別部とを具備する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態におけるゲームシステムの平面図である。
図2】ゲームシステムの構成を例示するブロック図である。
図3】ステーションの平面図である。
図4】各遊技体の説明図である。
図5】処理機構の側面図である。
図6】処理機構の正面図である。
図7】選別部の平面図である。
図8】対比例の説明図である。
図9】通常ゲームに関する処理のフローチャートである。
図10】通常ゲームにおいて表示される画面の模式図である。
図11】特別ゲームに関する処理のフローチャートである。
図12】特別ゲームにおいて表示される画面の模式図である。
図13】収容機構の構成を例示する斜視図である。
図14】収容機構の側面図である。
図15】収容機構の状態に関する説明図である。
図16】収容状態における収容機構の内部の様子を表す斜視図である。
図17】第2実施形態における処理機構の正面図である。
図18】第2実施形態における選別部の平面図である。
図19】第3実施形態における処理機構の側面図である。
図20】第3実施形態における処理機構の正面図である。
図21】第4実施形態における処理機構の側面図である。
図22】第4実施形態における処理機構の側面図である。
図23】第4実施形態におけるゲームシステムの平面図である。
図24】変形例における処理機構の正面図である。
図25】変形例における処理機構の側面図である。
図26】変形例における処理機構の平面図および側面図である。
図27】変形例における収容機構の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図面を参照しながら本開示の実施の形態を説明する。以下に例示される形態は、本開示にとって必須ではない種々の限定を含む。したがって、本開示の範囲は、以下に例示する形態には限定されない。
【0008】
[第1実施形態]
図1は、本開示の第1実施形態に係るゲームシステム100の平面図である。ゲームシステム100は、例えば遊技施設に設置される。遊技施設は、例えばゲームセンターまたはカジノ等の娯楽施設、またはショッピングセンター等の商業施設である。ゲームシステム100は、遊技施設内のプレイヤにゲームを提供する。
【0009】
図1に例示される通り、第1実施形態のゲームシステム100は、複数(4個)のステーション11と搬送システム12とを具備する。複数のステーション11の各々は、遊技者がゲームをプレイするために使用するユニットである。相異なる遊技者によるゲームが複数のステーション11において並列に進行する。なお、図1においては4個のステーション11が図示されているが、ステーション11の個数は任意である。
【0010】
図2は、ゲームシステム100の構成を例示するブロック図である。第1実施形態のゲームシステム100は、複数のステーション11と搬送システム12とに加えて制御装置13と記憶装置14とを具備する。なお、ゲームシステム100は、単体の装置として実現されるほか、相互に別体で構成された複数の装置でも実現される。
【0011】
制御装置13は、ゲームシステム100の各要素を制御する単数または複数のプロセッサで構成される。例えば、制御装置13は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、SPU(Sound Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の1種類以上のプロセッサにより構成される。なお、制御装置13の機能の一部または全部は各ステーション11に搭載されてもよい。
【0012】
記憶装置14は、制御装置13が実行するプログラムと、制御装置13が使用する各種のデータとを記憶する単数または複数のメモリである。記憶装置14は、例えば磁気記録媒体または半導体記録媒体等の公知の記録媒体で構成される。記憶装置14は、複数種の記録媒体の組合せで構成されてもよい。また、ゲームシステム100に対して着脱される可搬型の記録媒体、または通信網を介して制御装置13が書込または読出を実行可能な記録媒体(例えばクラウドストレージ)が、記憶装置14として利用されてもよい。
【0013】
図3は、複数のステーション11のうち任意の1個のステーション11の平面図である。なお、以下の説明においては、相互に直交する3軸(X軸,Y軸,Z軸)を想定する。X軸およびY軸は、水平方向に沿う軸線である。具体的には、X軸は、遊技者の左右の方向に沿う軸線であり、Y軸は、遊技者の前後の方向に沿う軸線である。Z軸は、鉛直方向に沿う軸線である。また、X軸に沿う一方向を「X1方向」と表記し、X1方向の反対の方向を「X2方向」と表記する。同様に、Y軸に沿う一方向を「Y1方向」と表記し、Y1方向の反対の方向を「Y2方向」と表記する。
【0014】
図3に例示される通り、第1実施形態のステーション11は、表示装置15と操作ユニット16とゲーム機構20とを具備する。なお、各ステーション11は、単体の装置として実現されるほか、相互に別体で構成された複数の装置でも実現される。
【0015】
表示装置15は、制御装置13による制御のもとで画像を表示する。表示装置15は、例えば液晶パネルまたは有機EL(Electroluminescence)パネル等の表示パネルで構成される。なお、図1において相互に隣合う2個のステーション11の表示装置15が、単体の表示パネルで構成されてもよい。
【0016】
図3の操作ユニット16は、遊技者による操作を受付けるインタフェースである。具体的には、操作ユニット16は、操作装置161と受付装置162と払出装置163と排出口164とを具備する。操作装置161は、遊技者からの指示を受付ける入力機器である。操作装置161は、例えば、遊技者が操作する操作子、または、遊技者による接触を検知するタッチパネルである。
【0017】
受付装置162は、遊技者から遊技メダルP2を受付ける。遊技メダルP2は、ゲームに利用される円板状の遊技体P(コイン,トークン)である。例えば、受付装置162は、遊技メダルP2が挿入される挿入口と、挿入口に対する遊技メダルP2の挿入を検出する検出器とを具備する。なお、受付装置162は、電子メダルを遊技者から受付けてもよい。払出装置163は、遊技メダルP2を遊技者に対して払出する。例えば、払出装置163は、遊技メダルP2を貯留する貯留容器と、貯留容器から遊技メダルP2を順次に排出する排出機構とを具備する。排出口164は、後述の遊技カードP1が排出される開口である。
【0018】
ゲーム機構20は、遊技者にゲームを提供する機構である。具体的には、第1実施形態のゲーム機構20は、遊技者にプッシャーゲームを提供する。ゲーム機構20は、固定テーブル21と可動テーブル22と固定壁23と投入機構24と供給装置25と供給装置26と検出装置27と処理機構28とを具備する。
【0019】
固定テーブル21は、遊技フィールド211を含む平板状の構造体である。遊技フィールド211は、X-Y平面(すなわち水平面)に略平行な表面である。遊技フィールド211は先端部212を含む。先端部212は、固定テーブル21のうちY1方向に位置する周縁であり、X軸に沿って延在する。先端部212のY1方向には、X軸に沿って長尺な開口が形成される。以上の通り、複数のステーション11の各々は、遊技フィールド211を含む。
【0020】
可動テーブル22は、載置面221を含む台状の構造体である。載置面221は、X-Y平面(すなわt水平面)に略平行な表面である。可動テーブル22は、遊技フィールド211上においてY軸の方向に往復する。なお、遊技フィールド211および載置面221は、水平面に限定されない。例えば、遊技フィールド211および載置面221の一方または双方は、水平面に対して傾斜した平面でもよいし、立体的に湾曲した曲面でもよい。
【0021】
遊技フィールド211および載置面221には複数の遊技体P(P1,P2,P3)が載置される。複数の遊技体Pは、遊技カードP1と遊技メダルP2と遊技ボールP3とを含む。遊技カードP1は「第1遊技体」の一例であり、遊技メダルP2は「第2遊技体」の一例であり、遊技ボールP3は「第3遊技体」の一例である。
【0022】
図4は、各遊技体Pの説明図である。図4に例示される通り、遊技カードP1と遊技メダルP2と遊技ボールP3とは形状が相違する。遊技カードP1は、略矩形状に成形された平板状のカードである。例えば著名人またはキャラクタ等の画像が描画されたトレーディングカードが遊技カードP1として例示される。遊技メダルP2は、前述の通り円板状の遊技体Pである。遊技ボールP3は、転動可能な球体である。なお、以下の説明においては、遊技カードP1および遊技メダルP2について、厚さ方向に直交する方向を「面内方向」と表記する。すなわち、面内方向は、遊技カードP1および遊技メダルP2における板面に平行な方向である。
【0023】
遊技カードP1のサイズは遊技メダルP2のサイズを上回る。具体的には、遊技カードP1の長辺の寸法(以下「長辺長」という)D11および短辺の寸法(以下「短辺長」という)D12は、遊技メダルP2の直径D2を上回る。また、遊技カードP1のサイズは遊技ボールP3のサイズを上回る。具体的には、遊技カードP1の長辺長D11および短辺長D12は、遊技ボールP3の直径D3を上回る。遊技メダルP2の直径D2と遊技ボールP3の直径D3との関係は任意である。すなわち、直径D2が直径D3を上回る形態、直径D2が直径D3を下回る形態、および、直径D2と直径D3とが相等しい形態が想定される。
【0024】
図3の固定壁23は、可動テーブル22の載置面221に対向する構造体である。載置面221に載置された遊技体P(P1,P2,P3)は、可動テーブル22がY2方向に移動する過程で固定壁23によりY1方向に押圧される。固定壁23により押圧されることで複数の遊技体Pは載置面221から落下する。
【0025】
また、固定テーブル21の遊技フィールド211に載置された遊技体Pは、可動テーブル22により押圧されることでY1方向に移動し、最終的には先端部212から落下する。以上の通り、第1実施形態のゲーム機構20は、遊技フィールド211に載置された複数の遊技体P(P1,P2,P3)を先端部212から落下させる機構である。すなわち、第1実施形態によれば、可動テーブル22の往復により複数種の遊技体P(P1,P2,P3)が遊技フィールド211から落下するプッシャーゲームが実現される。
【0026】
投入機構24は、遊技者からの指示に応じて、遊技フィールド211または載置面221に遊技メダルP2を投入する機構である。例えば受付装置162が遊技者から受付けた遊技メダルP2が、投入機構24により遊技フィールド211に投入される。投入機構24が遊技メダルP2を投入する時点および方向は、操作装置161に対する遊技者からの指示に応じて制御される。
【0027】
供給装置25は、ゲームの進行に応じて遊技フィールド211または載置面221に遊技メダルP2を投入する。供給装置26は、ゲームの進行に応じて遊技フィールド211または載置面221に遊技ボールP3を投入する。
【0028】
検出装置27は、遊技フィールド211から落下した遊技メダルP2および遊技ボールP3を検出するセンサである。例えば、検出装置27は、遊技メダルP2を検出するセンサと、遊技ボールP3を検出するセンサとを具備する。なお、検出装置27は、遊技カードP1を検出してもよい。
【0029】
[処理機構28]
処理機構28は、遊技フィールド211から落下した複数の遊技体Pを、遊技カードP1と遊技メダルP2と遊技ボールP3とに選別するための機構である。第1実施形態によれば、遊技カードP1と遊技メダルP2と遊技ボールP3とが選別されるから、遊技カードP1と遊技メダルP2と遊技ボールP3とを利用した多様なゲームを実現できる。検出装置27は、処理機構28により選別された遊技メダルP2および遊技ボールP3を検出する。
【0030】
図5は、処理機構28の側面図である。図6は、処理機構28の正面図である。図5および図6に例示される通り、第1実施形態の処理機構28は、選別部30と案内部40と選別部50とを具備する。案内部40は、遊技フィールド211の先端部212の直下に設置される。選別部30は遊技フィールド211と案内部40との間に設置され、選別部50は案内部40の直下に設置される。すなわち、案内部40は選別部30と選別部50との間に位置する。選別部30は「第2選別部」の一例であり、選別部50は「第1選別部」の一例である。
【0031】
遊技フィールド211から落下した遊技体Pは選別部30に到達する。選別部30は、図6に例示される通り、X軸の方向における遊技フィールド211の全体(すなわち全幅)にわたり延在する長尺状の構造体である。具体的には、選別部30は、横軸部31と横軸部32と複数の縦軸部33とを具備する。
【0032】
横軸部31と横軸部32とはX軸の方向に延在する部材である。横軸部31と横軸部32とは、所定の間隔をあけて相互に平行に設置される。複数の縦軸部33は、横軸部31と横軸部32とを連結する棒状の部材である。複数の縦軸部33は、X軸の方向に相互に間隔をあけて設置される。横軸部32は横軸部31と比較して低い位置にある。したがって、各縦軸部33は、案内部40側の端部が遊技フィールド211側の端部と比較して低い地点に位置するように鉛直方向に対して傾斜する。
【0033】
選別部30には複数の開口Oaが形成される。各開口Oaは、横軸部31および横軸部32とX軸の方向に隣合う2個の縦軸部33とにより包囲された矩形状の空間である。複数の開口OaはX軸の方向に配列される。
【0034】
各開口Oaの縦方向の寸法L1は、横軸部31と横軸部32との間隔に相当する。各開口Oaの横方向の寸法L2は、X軸の方向に隣合う2個の縦軸部33の間隔に相当する。各開口Oaの寸法L1および寸法L2は、遊技カードP1の長辺長D11および短辺長D12を下回る。さらに、開口Oaの対角線の寸法は、遊技カードP1の短辺長D12を下回る。また、各開口Oaの寸法L1および寸法L2は、遊技メダルP2の直径D2および遊技ボールP3の直径D3を上回る。
【0035】
したがって、図5に例示される通り、遊技ボールP3は選別部30の開口Oaを通過して鉛直方向の下向きに落下する。他方、遊技カードP1は選別部30の開口Oaを通過できない。したがって、遊技カードP1は、各縦軸部33に沿って移動することで案内部40に到達する。また、複数の遊技メダルP2のうち一部の遊技メダルP2は、選別部30の開口Oaを通過して落下し、残余の遊技メダルP2は、各縦軸部33に沿って移動することで案内部40に到達する。すなわち、複数の遊技カードP1と複数の遊技メダルP2とが案内部40に到達する。以上の説明から理解される通り、選別部30は、複数の遊技体Pから遊技ボールP3(および遊技メダルP2)を選別する要素である。
【0036】
案内部40は、選別部30から供給される遊技カードP1および遊技メダルP2を案内するガイド機構である。具体的には、案内部40は、遊技カードP1および遊技メダルP2を鉛直方向に沿った姿勢で落下させる。鉛直方向に沿う姿勢とは、例えば、遊技カードP1および遊技メダルP2の面内方向が鉛直方向に対してなす角度が45°以下(さらに詳細には30°以下)である状態である。
【0037】
図5に例示される通り、第1実施形態の案内部40は、第1壁部材41と第2壁部材42と第3壁部材43とを含む。第1壁部材41と第2壁部材42と第3壁部材43とは、X軸の方向における遊技フィールド211の全体(すなわち全幅)にわたり延在する。なお、図6においては第2壁部材42および第3壁部材43の図示が便宜的に省略されている。
【0038】
図5に例示される通り、第1壁部材41および第2壁部材42は、鉛直方向に沿う平板状の部材である。具体的には、第1壁部材41および第2壁部材42は、XZ平面に沿って相互に平行な姿勢に支持される。第1壁部材41は、選別部30の下端(横軸部32)から鉛直方向の下向きに延在する壁状の構造体である。第2壁部材42は、所定の間隔Δをあけて第1壁部材41に対向する。
【0039】
第2壁部材42の上端は、第1壁部材41の上端(選別部30の下端)よりも上方に位置する。第3壁部材43は、第2壁部材42の上端に連続する平板状の部材である。第3壁部材43は、第2壁部材42(鉛直方向)に対して傾斜する。具体的には、第3壁部材43の上端は第3壁部材43の下端と比較してY1方向に位置する。
【0040】
以上の構成において、選別部30から供給される遊技カードP1および遊技メダルP2は、第1壁部材41と第2壁部材42との間の空間を落下する。具体的には、選別部30から案内部40に到達した遊技カードP1および遊技メダルP2は、第3壁部材43に衝突することで鉛直方向の下向きの姿勢に変化し、第1壁部材41と第2壁部材42との間の空間を落下する。なお、第3壁部材43に衝突せずに第1壁部材41と第2壁部材42との間の空間に落下する遊技カードP1および遊技メダルP2もある。
【0041】
第1壁部材41と第2壁部材42との間隔Δは、遊技カードP1の長辺長D11および短辺長D12を下回る。さらに、第1壁部材41と第2壁部材42との間隔Δは、遊技メダルP2の直径D2も下回る。例えば、間隔Δは、遊技メダルP2の直径D2の半分程度の寸法に設定される。したがって、第1壁部材41と第2壁部材42との間を落下する遊技カードP1および遊技メダルP2は、水平方向に沿う姿勢(横向き)に移行できない。すなわち、遊技カードP1および遊技メダルP2は、鉛直方向に沿う姿勢を維持したまま落下する。具体的には、遊技カードP1および遊技メダルP2は、XZ平面に沿う姿勢で落下する。以上の通り、案内部40は、遊技カードP1および遊技メダルP2の姿勢を鉛直方向に沿う姿勢に規制するガイドとして機能する。
【0042】
選別部50は、案内部40による案内のもとで遊技カードP1および遊技メダルP2が落下する経路に設置される。すなわち、遊技カードP1および遊技メダルP2は、鉛直方向に沿った姿勢を維持したまま選別部50に到達する。選別部50は、遊技カードP1と遊技メダルP2とを選別するための機構である。具体的には、選別部50は、遊技カードP1の落下を阻止し、かつ、遊技メダルP2を通過させる。
【0043】
図7は選別部50の平面図である。図5から図7に例示される通り、第1実施形態の選別部50は、選別機構51と搬送機構60とを具備する。選別機構51のY1方向に搬送機構60が設置される。
【0044】
選別機構51は、固定板52と複数の支持部材53とを具備する。固定板52は、複数の支持部材53を支持する平板状の構造体である。複数の支持部材53は、相互に間隔GをあけてX軸の方向に配列される。複数の支持部材53は、X軸の方向における遊技フィールド211の全体(すなわち全幅)にわたり配列される。各支持部材53は、中心軸がY軸に沿う円柱状の部材である。図5に例示される通り、第1壁部材41の下端は各支持部材53の先端の近傍に位置する。なお、支持部材53の形状は任意である。例えば角柱状の支持部材53が設置されてもよい。
【0045】
前述の通り、遊技カードP1は、案内部40においてXZ平面に沿う姿勢で落下する。すなわち、選別機構51に到達した遊技カードP1の面内方向と、支持部材53の中心軸の方向とは相互に交差(典型的には直交)する。したがって、図5および図6に例示される通り、選別機構51に到達した遊技カードP1の下端は、支持部材53の側面に衝突する。
【0046】
図6および図7に例示される通り、複数の支持部材53により複数の開口Obが形成される。開口Obは、X軸の方向に隣合う2個の支持部材53の間の空間である。X軸の方向における遊技フィールド211の全体(すなわち全幅)にわたり複数の開口Obが設置される。
【0047】
相互に隣合う2個の支持部材53の間隔Gは、X軸の方向における開口Obの寸法である。各支持部材53の間隔Gは、遊技カードP1の長辺長D11および短辺長D12を下回る。したがって、選別機構51に到達した遊技カードP1は、開口Obを通過できずに支持部材53に支持される。例えば、図5および図6に例示される通り、遊技カードP1は、鉛直方向に沿う姿勢を維持したまま2個以上の支持部材53により支持される。以上の通り、複数の支持部材53は、遊技カードP1を下方から支持する構造体である。複数の支持部材53により遊技カードP1が捕捉されるとも表現される。
【0048】
また、各支持部材53の間隔Gは、遊技メダルP2の直径D2を上回る。したがって、図6に例示される通り、遊技メダルP2は各開口Obを通過して落下する。以上の通り、第1実施形態の選別機構51は、遊技カードP1のサイズ(D11,D12)を下回り、かつ、遊技メダルP2のサイズ(D2)を上回るサイズの開口Obを具備する。そして、選別機構51は、遊技カードP1および遊技メダルP2のうち遊技メダルP2のみを選択的に通過させることで、遊技カードP1と遊技メダルP2とを選別する。
【0049】
以上の通り、選別部50は、開口Obを通過できるサイズであるか否かに応じて遊技カードP1と遊技メダルP2とを選別する。したがって、動力を必要としない簡便な構成により、遊技カードP1と遊技メダルP2とを高精度に選別できる。また、相互に間隔をあけて複数の支持部材53が設置された簡便な構成により、遊技カードP1と遊技メダルP2とを選別するための開口Obを形成できる。
【0050】
搬送機構60は、選別機構51により阻止された遊技カードP1を、操作ユニット16の排出口164に向けて搬送する機構である。具体的には、搬送機構60は、支持部材53により支持された遊技カードP1をX軸の方向に搬送する。第1実施形態の搬送機構60は、図6および図7に例示される通り、回転軸61と回転軸62と環状体63と駆動装置64と複数の押圧部材65とを具備する。
【0051】
回転軸61および回転軸62は、X軸の方向に間隔をあけて設置された円柱状の回転体である。回転軸61および回転軸62は、中心軸がY軸に沿うように設置される。環状体63は、回転軸61と回転軸62とに巻回された環状(具体的には長円状)の動力伝達部材である。例えばチェーンまたはベルト等の変形可能な機械要素が環状体63として利用される。環状体63は、X軸の方向における遊技フィールド211の全体(すなわち全幅)にわたり延在する。
【0052】
駆動装置64は、回転軸61を回転させる電動機である。回転軸61の回転により環状体63は回転する。したがって、環状体63のうち上方に位置する直線状の区間(以下「搬送区間」という)はX1方向に進行する。なお、回転軸61を回転させる駆動装置64に加えて、回転軸62を回転させる駆動装置64が設置されてもよい。
【0053】
複数の押圧部材65は、環状体63のうち周方向の相異なる位置に設置された構造体である。各押圧部材65は、環状体63の側面からY2方向に突出する長尺状の部材である。環状体63の回転に連動して各押圧部材65は移動する。例えば、環状体63のうち搬送区間に位置する押圧部材65は、環状体63の回転に連動してX1方向に移動する。
【0054】
各押圧部材65は、複数の支持部材53の配列の上方を通過する。したがって、搬送区間に位置する押圧部材65は、複数の支持部材53により支持された遊技カードP1をX1方向に押圧する。鉛直方向における支持部材53と押圧部材65との間隔は、遊技カードP1の短辺長D12を下回る。したがって、長辺が水平方向を向く姿勢で遊技カードP1が支持部材53に支持された状態でも、遊技カードP1を押圧部材65より確実に押圧できる。以上に説明した通り、搬送機構60は、複数の支持部材53により支持された遊技カードP1をX1方向に搬送する。
【0055】
搬送機構60により搬送された遊技カードP1は、選別機構51におけるX1方向の端部に到達する。選別機構51の端部に到達した遊技カードP1は、搬送経路(図示略)を介して排出口164に到達する。遊技者は、遊技カードP1を排出口164から取得できる。
【0056】
以上の通り、第1実施形態においては、選別部50により阻止された遊技カードP1が、搬送機構60により排出口164に向けて搬送される。したがって、搬送機構60が設置されない形態と比較して、遊技カードP1を排出口164に対して迅速に排出できる。
【0057】
ところで、遊技カードP1および遊技メダルP2を選別する形態としては、図8に例示される通り、遊技カードP1および遊技メダルP2を水平方向に搬送してから選別する形態(以下「対比例」という)も想定される。対比例においては、遊技フィールド211から落下した遊技カードP1および遊技メダルP2が搬送機構90により水平方向に搬送され、さらに傾斜面91に沿って滑落する過程において遊技カードP1と遊技メダルP2とが選別される。例えば、経路に設置された開口93から遊技メダルP2のみを落下させることで、遊技カードP1と遊技メダルP2とが選別される。しかし、対比例においては、遊技フィールド211から選別までに相応の時間が経過するから、遊技カードP1の落下から遊技者が実際に遊技カードP1を取得できるまでに長時間が必要である。
【0058】
対比例とは対照的に、第1実施形態においては、遊技カードP1および遊技メダルP2が鉛直方向に沿った姿勢で落下する過程において、遊技カードP1と遊技メダルP2とが選別部50により選別される。したがって、遊技カードP1および遊技メダルP2を水平方向に搬送してから選別する対比例と比較して、遊技カードP1と遊技メダルP2とを迅速に選別できる。すなわち、遊技カードP1の落下から遊技者が実際に遊技カードP1を取得できるまでの時間を短縮できる。
【0059】
また、対比例においては、遊技メダルP2が遊技カードP1に載置された状態で搬送される場合がある。遊技カードP1に載置された遊技メダルP2は経路上の開口93から落下しないから、遊技メダルP2が遊技カードP1とともに排出される結果となる。すなわち、対比例においては、遊技カードP1と遊技メダルP2との選別の精度が低いという問題がある。対比例とは対照的に、第1実施形態においては、遊技カードP1および遊技メダルP2が鉛直方向に沿う姿勢で選別されるから、遊技メダルP2が遊技カードP1に載置される可能性が低減される。したがって、対比例と比較して、遊技カードP1と遊技メダルP2とを高精度に選別できる。
【0060】
図1の搬送システム12は、遊技カードP1を各ステーション11に搬送するための機構である。具体的には、搬送システム12は、移動体121と搬送経路122と供給装置123とを具備する。移動体121は、制御装置13による制御のもとで搬送経路122に沿って移動する。搬送経路122は、移動体121が複数のステーション11の各々を順番に巡回するように環状に設置される。
【0061】
移動体121は、例えば搬送機構124と収容機構70aと収容機構70bとを具備する。搬送機構124は、収容機構70aおよび収容機構70bを搬送する。例えば搬送機構124は、電動機等の動力源を利用して収容機構70aおよび収容機構70bを搬送経路122に沿って牽引する。第1実施形態の搬送機構124は、複数のステーション11の各々に収容機構70aおよび収容機構70bを搬送する。収容機構70aおよび収容機構70bは、遊技カードP1の収容と遊技カードP1の放出とが可能な中空の筐体である。
【0062】
供給装置123は、制御装置13による制御のもとで収容機構70aまたは収容機構70bに遊技カードP1を供給する。移動体121が供給装置123に接近した状態で供給装置123から収容機構70aまたは収容機構70bに遊技カードP1が供給され、移動体121が1個のステーション11に接近した状態で収容機構70aまたは収容機構70bから遊技フィールド211に遊技カードP1が放出される。
【0063】
以上の通り、第1実施形態においては、複数のステーション11の各々に収容機構70aおよび収容機構70bが搬送されるから、収容機構70aと収容機構70bと供給装置123とをステーション11毎に個別に設置する必要はない。したがって、収容機構70aと収容機構70bと供給装置123とがステーション11毎に個別に設置される形態と比較して、ゲームシステム100の構成を簡素化できる。
【0064】
[ゲームの進行]
ゲームシステム100において実行されるゲームについて説明する。第1実施形態のゲームシステム100は、複数のステーション11の各々において通常ゲームと特別ゲームとを遊技者に提供する。通常ゲームは、複数のステーション11の各々において定常的にプレイされるゲームである。特別ゲームは、遊技者が多数の遊技カードP1を獲得可能なゲームである。特別ゲームは、複数のステーション11のうち特定の条件が成立したステーション11において実行される。制御装置13は、通常ゲームおよび特別ゲームの進行を制御する。制御装置13は「制御部」の一例である。
【0065】
図9は、通常ゲームにおいて制御装置13が実行する処理のフローチャートである。通常ゲームが開始されると、制御装置13は、表示装置15に図10の画面151を表示する(Sa1)。画面151には複数のマスQa(Qa1,Qa2)が表示される。通常ゲームは、複数のマスQaの配列に沿ってキャラクタCを移動させるボードゲーム(双六)である。各マスQaは、キャラクタCが停止可能な地点である。複数のマスQaは、特典マスQa1と目標マスQa2とを含む。
【0066】
制御装置13は、遊技メダルP2が遊技フィールド211から落下したか否かを判定する(Sa2)。遊技メダルP2が落下した場合(Sa2:YES)、制御装置13は、所定量の遊技メダルP2を払出装置163により遊技者に払出する(Sa3)。遊技メダルP2が落下しない場合(Sa2:NO)、遊技メダルP2の払出(Sa3)は実行されない。
【0067】
制御装置13は、遊技ボールP3が遊技フィールド211から落下したか否かを判定する(Sa4)。遊技ボールP3が落下した場合(Sa4:YES)、制御装置13は、供給装置26を制御することで遊技ボールP3を遊技フィールド211に供給する(Sa5)。以上のように遊技ボールP3の落下毎に遊技ボールP3が補充されることで、所定数の遊技ボールP3が定常的に遊技フィールド211に維持される。
【0068】
制御装置13は、抽選処理によりキャラクタCの移動量を決定する(Sa6)。抽選処理は、複数の候補値(例えば1~6)の何れかを移動量として選択する処理である。例えば、物理抽選機構により複数の候補値の何れかをランダムに選択する物理抽選、または演算処理により複数の候補値の何れかをランダムに選択する電子抽選が、抽選処理として例示される。制御装置13は、抽選処理により決定された移動量だけキャラクタCを移動する(Sa7)。
【0069】
制御装置13は、特典マスQa1にキャラクタCが停止したか否かを判定する(Sa8)。特典マスQa1にキャラクタCが停止した場合(Sa8:YES)、制御装置13は、以下に例示する特典を遊技者に付与する(Sa9)。
特典A1:所定数の遊技メダルP2が供給装置25から遊技フィールド211に供給される(例えば「50 WIN」)。
特典A2:所定数の遊技カードP1が搬送システム12により遊技フィールド211に供給される(例えば「CARD」)。
特典A3:所定数の特典チケットが遊技者に付与される(例えば「10 TICKETS」)。
【0070】
特典A1を付与する場合、制御装置13は、供給装置25を制御することで所定数の遊技メダルP2を遊技フィールド211に供給する。特典A3を付与する場合、制御装置13は、払出装置(図示略)を制御することで所定数の特典チケットを排出する。特典チケットは、例えば特定の景品に交換可能な価値を有する遊技価値である。
【0071】
特典A2を付与する場合、制御装置13は搬送システム12を制御する。具体的には、制御装置13は、収容機構70bを供給装置123に接近させた状態で供給装置123から所定数の遊技カードP1を収容機構70bに供給し、収容機構70bをステーション11の近傍に移動させた状態で収容機構70bから遊技フィールド211に遊技カードP1を放出する。以上の通り、供給装置123は、通常ゲームの進行に応じて収容機構70bに遊技カードP1を供給する。
【0072】
制御装置13は、通常ゲームの終了条件が成立したか否かを判定する(Sa10)。終了条件は、例えば、操作装置161に対する遊技者からの操作により通常ゲームの終了が指示されたことである。終了条件が成立しない場合(Sa10:NO)、制御装置13は、処理をステップSa2に移行する。すなわち、通常ゲームの終了条件が成立するまで、遊技メダルP2の落下を条件とした遊技メダルP2の払出(Sa2,Sa3)と、特典マスQa1での停止を条件とした特典の付与(Sa4~Sa9)とが反復される。終了条件の成立(Sa10:YES)により通常ゲームは終了する。
【0073】
他方、特典マスQa1にキャラクタCが停止しない場合(Sa8:NO)、制御装置13は、目標マスQa2にキャラクタCが停止したか否かを判定する(Sa11)。目標マスQa2は、特別ゲームの開始の条件となるマスQaである。目標マスQa2にキャラクタCが停止しない場合(Sa11:NO)、制御装置13は、通常ゲームの終了条件の成否を判定する(Sa10)。他方、目標マスQa2にキャラクタCが停止した場合(Sa11:YES)、制御装置13は特別ゲームを開始する(Sa12)。
【0074】
図11は、特別ゲームにおいて制御装置13が実行する処理のフローチャートである。特別ゲームが開始されると、制御装置13は、表示装置15に図12の画面152を表示する(Sb1)。画面152には複数のマスQbが表示される。特別ゲームは、通常ゲームと同様に、複数のマスQbの配列に沿ってキャラクタCを移動させるボードゲーム(双六)である。各マスQbは、キャラクタCが停止可能な地点である。
【0075】
制御装置13は、抽選処理によりキャラクタCの移動量を決定する(Sb2)。抽選処理は、複数の候補値(例えば1~6)の何れかを移動量として選択する処理である。例えば、通常ゲームについて前述した物理抽選または電子抽選が抽選処理として実行される。制御装置13は、抽選処理により決定された移動量だけキャラクタCを移動する(Sb3)。
【0076】
複数のマスQbの各々には特典が設定される。制御装置13は、キャラクタCが停止したマスQbに対応する特典を遊技者に付与する(Sb4)。制御装置13は、例えば以下に例示する特典を遊技者に付与する。
特典B1:所定数の遊技メダルP2が供給装置25から遊技フィールド211に供給される(例えば「100 WIN」)。
特典B2:所定数の遊技カードP1が供給装置123から収容機構70aに供給される(例えば「CARD+5」)。
特典B3:所定数の特典チケットが遊技者に付与される(例えば「100 TICKETS」)。
【0077】
特典B1を付与する場合、制御装置13は、供給装置25を制御することで所定数の遊技メダルP2を遊技フィールド211に供給する。特典B3を付与する場合、制御装置13は、払出装置(図示略)を制御することで所定数の特典チケットを排出する。
【0078】
特典B2を付与する場合、制御装置13は搬送システム12を制御する。具体的には、制御装置13は、収容機構70aを供給装置123に接近させた状態で供給装置123から所定数の遊技カードP1を収容機構70aに供給する。以上の通り、供給装置123は、特別ゲームの進行に応じて収容機構70aに遊技カードP1を供給する。
【0079】
制御装置13は、特別ゲームの終了条件が成立したか否かを判定する(Sb5)。終了条件は、例えば、今回の特別ゲームにおいて過去に停止したマスQbにキャラクタCが再停止することである。終了条件が成立しない場合(Sb5:NO)、制御装置13は、処理をステップSb2に移行する。すなわち、特別ゲームの終了条件が成立するまで、遊技者に対する特典の付与(Sb2~Sb4)が反復される。特典B2に対応するマスQbにキャラクタCが反復的に停止することで、収容機構70aには多数の遊技カードP1が蓄積される。
【0080】
特別ゲームの終了条件が成立した場合(Sb5:YES)、制御装置13は、搬送システム12を制御することで、収容機構70aに収容された複数の遊技カードP1を遊技フィールド211に放出する(Sb6)。収容機構70から放出された遊技カードP1は遊技フィールド211に拡散される。したがって、多数の遊技カードP1を取得できる機会が遊技者に付与される。遊技カードP1の放出(Sb6)により特別ゲームは終了する。
【0081】
[収容機構70]
図13は、収容機構70aの構成を例示する斜視図である。図14は、収容機構70aの側面図である。なお、実際には収容機構70aの方向は搬送経路122上で随時に変化し得るが、以下の説明においては、収容機構70aがステーション11に接近した状態を想定して、前述の直交3軸(X軸,Y軸,Z軸)を収容機構70aの説明にも便宜的に流用する。なお、収容機構70bの構成は収容機構70aと同様であるから説明を省略する。
【0082】
収容機構70aは、筐体部71と蓋部72と載置面73と台車74とを具備する。なお、図14においては蓋部72の図示が省略されている。
【0083】
筐体部71は、箱型の構造体である。図14に例示される通り、筐体部71には開口75zと開口75yとが形成される。開口75zは、鉛直方向の上向きの開口である。開口75yはY1方向の開口である。すなわち、筐体部71は、中空の直方体状の構造体のうち鉛直方向の上面とY1方向の側面とを除去した構造である。
【0084】
蓋部72は、X軸に沿う回転軸により筐体部71に支持された構造体である。筐体部71に対して蓋部72が回転することで、開口75yの開放/閉塞が切替えられる。他方、図13に例示される通り、鉛直方向の開口75zは開放された状態に維持される。供給装置123から供給される遊技カードP1は、開口75zを通過して筐体部71の内部に収容される。台車74は、筐体部71を支持した状態で移動可能な運搬機構である。筐体部71は、X軸に沿う軸線を中心として筐体部71を回転させる。
【0085】
載置面73は、筐体部71の内部に設置された平面である。収容機構70aに収容された複数の遊技カードP1は、載置面73に載置される。載置面73は水平面に対して傾斜する。具体的には、載置面73のうちY1方向に位置する端部がY2方向に位置する端部よりも低い位置となるように、載置面73は水平面に対して傾斜する。図13に例示される通り、載置面73には縦方向の複数の溝部731が形成される。したがって、載置面73が平坦面である形態と比較して、遊技カードP1と載置面73との間の摩擦が低減される。ただし、複数の溝部731は省略されてよい。
【0086】
図15は、収容機構70aの状態に関する説明図である。図15に例示される通り、第1実施形態の収容機構70aは、収容状態と放出状態とに制御される。収容状態は、供給装置123から供給された複数の遊技カードP1を保持する状態である。具体的には、収容状態においては、筐体部71の底面は水平面に平行な状態にあり、筐体部71の開口75yは蓋部72により閉塞された状態にある。載置面73に載置された複数の遊技カードP1は、蓋部72により筐体部71内に保持される。蓋部72は不透明である。したがって、遊技者は、収容機構70a内の遊技カードP1を視認できない。
【0087】
図16は、収容状態における収容機構70aの内部の様子である。図16に例示される通り、収容状態においては、複数の遊技カードP1が同じ姿勢で保持される。すなわち、複数の遊技カードP1は、載置面73上において相互に平行に積層された状態で収容機構70aに収容される。以上のように複数の遊技カードP1が積層される形態によれば、例えば複数の遊技カードP1が重複せずに収容される形態と比較して収容機構70aを小型化できる。
【0088】
他方、放出状態は、図15に例示される通り、複数の遊技カードP1を遊技フィールド211に放出する状態である。制御装置13は、特別ゲームの終了条件が成立した場合に(Sb5:YES)、収容機構70aを収容状態から放出状態に変更することで、複数の遊技カードP1を遊技フィールド211に放出する(Sb6)。
【0089】
放出状態は、筐体部71が台車74に対して傾斜した状態に維持され、かつ、蓋部72が開口75yを開放した状態である。放出状態においては、載置面73が水平面に対して傾斜した状態に維持される。具体的には、放出状態において、載置面73は、Y1方向の端部がY2方向の端部よりも低い位置となるように水平面に対して傾斜する。以上の状態のもとで蓋部72が開放される結果、収容機構70aに収容されていた複数の遊技カードP1は、載置面73に沿ってY1方向に放出される。複数の遊技カードP1が放出されると、収容機構70aは放出状態から収容状態に移行する。
【0090】
以上に説明した通り、第1実施形態においては、収容状態では複数の遊技カードP1が同じ姿勢で収容機構70aに収容され、放出状態において複数の遊技カードP1が遊技フィールド211に放出される。したがって、例えば複数の遊技カードP1が相異なる姿勢で収容機構70aに収容される形態と比較して、複数の遊技カードP1を遊技フィールド211の広範囲に勢いよく放出できる。
【0091】
第1実施形態においては特に、相互に平行に積層された複数の遊技カードP1が、水平面に対して傾斜した載置面73に沿って収容機構70aから放出される。したがって、各遊技カードP1の上面を他の遊技カードP1が滑ることで、複数の遊技カードP1を広範囲にわたり拡散できる。具体的には、放出状態において、載置面73は、Y1方向の端部がY2方向の端部よりも低い位置となるように傾斜する。したがって、複数の遊技カードP1を遊技者に近い位置まで広範囲に拡散させることが可能である。
【0092】
[第2実施形態]
第2実施形態を説明する。なお、以下に例示する各態様において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明と同様の符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0093】
図17は、第2実施形態における処理機構28の正面図である。図18は、第2実施形態における選別部50の平面図である。第1実施形態においては、選別部50が選別機構51と搬送機構60とを具備する構成を例示した。第2実施形態の処理機構28は、選別部50の構成が第1実施形態とは相違する。選別部50以外の構成は、第1実施形態と同様である。
【0094】
第2実施形態の選別部50は、選別機構51と搬送機構60とを具備する。選別機構51は、複数の支持部材53を具備する。搬送機構60は、回転軸61と回転軸62と環状体63と駆動装置64とを具備する。第2実施形態の選別部50は、第1実施形態における搬送機構60の押圧部材65が、選別機構51の複数の支持部材53に置換された構造である。したがって、選別機構51の固定板52と搬送機構60の押圧部材65とは、第2実施形態において省略される。
【0095】
具体的には、第2実施形態においては、環状体63のうち周方向の相異なる位置に複数の支持部材53が設置される。各支持部材53は、環状体63の側面からY2方向に突出する。環状体63の回転に連動して各支持部材53が移動する。例えば、環状体63のうち搬送区間に位置する支持部材53は、環状体63の回転に連動してX1方向に移動する。
【0096】
複数の支持部材53は、相互に間隔Gをあけて環状体63に設置される。第1実施形態と同様に、複数の支持部材53により複数の開口Obが形成される。X軸の方向における遊技フィールド211の全体(すなわち全幅)にわたり複数の開口Obが設置される。
【0097】
各支持部材53の間隔Gは、遊技カードP1の長辺長D11および短辺長D12を下回る。したがって、第2実施形態においても第1実施形態と同様に、選別機構51に到達した遊技カードP1は、開口Obを通過できずに支持部材53に支持される。例えば、図17に例示される通り、遊技カードP1は、鉛直方向に沿う姿勢を維持したまま2個以上の支持部材53により支持される。
【0098】
また、各支持部材53の間隔G(X軸の方向における開口Obの寸法)は、遊技メダルP2の直径D2を上回る。したがって、図17に例示される通り、遊技メダルP2は各開口Obを通過して落下する。以上の通り、第2実施形態の選別機構51(複数の支持部材53)は、遊技カードP1のサイズ(D11,D12)を下回り、かつ、遊技メダルP2のサイズ(D2)を上回るサイズの開口Obを具備する。そして、選別機構51は、遊技カードP1および遊技メダルP2のうち遊技メダルP2のみを選択的に通過させることで、遊技カードP1と遊技メダルP2とを選別する。
【0099】
第1実施形態と同様に、駆動装置64が回転軸61を駆動することで環状体63が回転する。環状体63の回転に連動して複数の支持部材53は移動する。例えば、環状体63のうち搬送区間に位置する支持部材53は、環状体63の回転に連動してX1方向に移動する。したがって、複数の支持部材53により支持された遊技カードP1は、各支持部材53とともにX1方向に移動する。すなわち、第2実施形態の選別機構51は、遊技カードP1および遊技メダルP2の選別と、遊技カードP1の搬送とに兼用される。
【0100】
以上に説明した通り、搬送機構60は、選別機構51をX軸の方向に移動させる。搬送機構60は、各支持部材53により支持された遊技カードP1をX1方向に搬送する機構とも表現される。なお、以上の説明においては、選別機構51を搬送機構60とを別個の要素として把握したが、選別機構51は搬送機構60の要素と解釈されてもよい。すなわち、搬送機構60が複数の支持部材53を具備すると表現されてもよい。
【0101】
搬送機構60により搬送された遊技カードP1は、環状体63のうちX1方向の端部に到達する。環状体63の端部に到達した遊技カードP1は、搬送経路(図示略)を介して排出口164に到達する。遊技者は、遊技カードP1を排出口164から取得できる。
【0102】
第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第2実施形態においては、選別機構51が、遊技カードP1および遊技メダルP2の選別と、遊技カードP1の搬送とに兼用される。したがって、遊技カードP1の選別と搬送とが別個の機構により実現される形態(例えば第1実施形態)と比較して、遊技カードP1の選別および搬送のための構成を簡素化できる。例えば、第2実施形態によれば、第1実施形態における固定板52と複数の押圧部材65とを省略できる。
【0103】
[第3実施形態]
図19は、第3実施形態における処理機構28の側面図である。図20は、処理機構28の正面図である。第3実施形態においては、選別部50の構成が、第1実施形態および第2実施形態とは相違する。選別部50以外の構成は、第1実施形態と同様である。
【0104】
第3実施形態の選別部50は、円柱部材55と突起部56と駆動装置57とを具備する。円柱部材55は、円柱状の構造体である。円柱部材55は、中心軸がX軸に沿うように設置される。具体的には、円柱部材55は、X軸の方向における遊技フィールド211の全体(すなわち全幅)にわたり延在する。円柱部材55は、案内部40の直下に設置される。具体的には、図19および図20に例示される通り、円柱部材55の外周面551は、第1壁部材41および第2壁部材42の各々の下端に間隔をあけて対向する。
【0105】
突起部56は、円柱部材55の外周面551に設置された螺旋状の突起である。突起部56は、円柱部材55の全長にわたり形成され、外周面551から径方向の外側に突出する。なお、突起部56を構成する螺旋の周期Lxは任意であるが、例えば、遊技カードP1の短辺長D12を上回る寸法に設定される。
【0106】
駆動装置57は、中心軸を中心として円柱部材55を回転させる。駆動装置57は、例えば電動機で構成される。
【0107】
図19に例示される通り、円柱部材55の外周面551と第1壁部材41および第2壁部材42の各々の下端との間隔は、遊技メダルP2の厚さを上回る。したがって、第1壁部材41と第2壁部材42との間を落下して選別部50に到達した遊技メダルP2は、図19に例示される通り、円柱部材55の外周面551と第1壁部材41または第2壁部材42との間隔を通過する。以上の経路で選別部50を通過した遊技メダルP2が検出装置27により検出される。
【0108】
他方、第1壁部材41と第2壁部材42との間を落下して選別部50に到達した遊技カードP1は、図19および図20に例示される通り、外周面551に下端が接触した状態となる。遊技カードP1の下端が外周面551に接触した状態では、遊技カードP1の上端が第1壁部材41および第2壁部材42に接触することで、遊技カードP1の更なる傾斜が阻止される。したがって、円柱部材55の外周面551と第1壁部材41または第2壁部材42との間隔から遊技カードP1は落下しない。以上の説明の通り、遊技カードP1が外周面551に接触した状態で当該遊技カードP1が円柱部材55上に保持されるように、第1壁部材41および第2壁部材42の間隔Δ、および、円柱部材55の外周面551と第1壁部材41および第2壁部材42の下端との間隔が設定される。
【0109】
以上の状態において円柱部材55が回転すると、遊技カードP1は、螺旋状の突起部56により押圧されることでX1方向(すなわち円柱部材55の中心軸の方向)に移動する。遊技カードP1は、最終的には円柱部材55のうちX1方向の端部に到達する。円柱部材55の端部に到達した遊技カードP1は、搬送経路(図示略)を介して排出口164に到達する。遊技者は、遊技カードP1を排出口164から取得できる。
【0110】
第3実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第3実施形態においては、第1壁部材41または第2壁部材42の下端と円柱部材55の外周面551との間を遊技メダルP2が通過し、遊技カードP1は円柱部材55の外周面551に接触する。以上の相違により、遊技カードP1と遊技メダルP2とが選別される。また、遊技カードP1は螺旋状の突起部56により円柱部材55の中心軸の方向(具体的にはX1方向)に搬送される。すなわち、第3実施形態においては、遊技カードP1および遊技メダルP2の選別と、遊技カードP1の搬送とに円柱部材55が兼用される。したがって、遊技カードP1の選別と搬送とが別個の機構により実現される形態と比較して、遊技カードP1の選別および搬送のための構成を簡素化できる。
【0111】
[第4実施形態]
図21および図22は、第4実施形態における処理機構28の側面図である。第4実施形態の処理機構28は、第1実施形態の第3壁部材43に代えて、可動部材46と連結部材47とを具備する。
【0112】
可動部材46は、X軸の方向における遊技フィールド211の全体(すなわち全幅)にわたり延在する板状部材である。可動部材46は、遊技フィールド211の先端部212に対して間隔をあけて設置される。可動部材46の下端は、X軸に沿う回転軸461を介して第2壁部材42の上端に連結される。可動部材46は、回転軸461を中心として回転可能である。なお、可動部材46は、第1実施形態の第3壁部材43を第2壁部材42に対して回転可能な構造に変更した部材とも表現される。
【0113】
可動部材46の下端と選別部30(例えば横軸部32)との間隔は、遊技ボールP3の直径D3を下回る。したがって、遊技ボールP3は、可動部材46と選別部30との間を通過できない。例えば、遊技フィールド211から落下した遊技ボールP3は、可動部材46に対する衝突により方向が転換し、選別部30の開口Oaを通過して落下する。他方、遊技カードP1および遊技メダルP2は、可動部材46と選別部30との間を通過して案内部40に到達する。以上の説明から理解される通り、可動部材46は、遊技ボールP3が案内部40側に通過することを阻止するストッパとして機能する。
【0114】
連結部材47は、可動テーブル22と可動部材46とを連結する部材(リンク)である。具体的には、X軸の方向における相異なる位置に複数の連結部材47が設置される。以上の構成においては、Y軸の方向における可動テーブル22の往復に連動して、可動部材46が移動(回転移動)する。
【0115】
具体的には、可動テーブル22がY1方向に移動する過程では、図21および図22の方向α1に可動部材46が回転する。往復範囲におけるY1方向の端部に可動テーブル22が到達した状態では、可動部材46は図21の位置W1に到達する。位置W1は、遊技フィールド211の先端部212から充分に離間した位置である。
【0116】
他方、可動テーブル22がY2方向に移動する過程では、図21および図22の方向α2に可動部材46が回転する。往復範囲におけるY2方向の端部に可動テーブル22が到達した状態では、可動部材46は図22の位置W2に到達する。位置W2は、位置W1よりも先端部212に近い位置である。以上の通り、可動部材46は、可動テーブル22の往復に連動することにより位置W1と位置W2との間で往復する。なお、位置W1は「第1位置」の一例であり、位置W2は「第2位置」の一例である。
【0117】
図21に例示される通り、遊技フィールド211に複数の遊技体Pが積層された状態では、実際には遊技カードP1が先端部212からY1方向に充分に突出しても、他の遊技体Pにより保持されることで遊技フィールド211から落下しない場合がある。
【0118】
以上の状態においては、図22に例示される通り、可動部材46が位置W1から位置W2に移動する過程において、遊技カードP1が可動部材46により押圧される。第4実施形態によれば、可動部材46からの押圧により、遊技カードP1の落下を促進できる。具体的には、先端部212からY1方向に充分に突出した遊技カードP1が可動部材46により押圧されることで複数の遊技体Pの積層状態が変化し、結果的に遊技カードP1が落下する。以上の説明の通り、可動部材46は、遊技ボールP3の移動の阻害と遊技カードP1の落下の促進とに兼用される。
【0119】
以上に説明した通り、第4実施形態においては、可動部材46が連結部材47により可動テーブル22に連結される構成により、可動テーブル22の往復に連動して可動部材46が移動する。したがって、可動テーブル22を往復させる駆動装置とは別個の駆動装置により可動部材46を移動させる構成と比較して、ゲームシステム100の構成を簡素化できる。ただし、可動テーブル22を往復させる駆動装置とは別個の駆動装置により可動部材46を移動させてもよい。
【0120】
なお、第4実施形態において、選別部50の構成は任意である。すなわち、第1実施形態から第3実施形態に例示した各構成の選別部50が、第4実施形態に適用される。
【0121】
また、図21および図22においては、可動部材46が第2壁部材42に連結された形態を例示したが、可動部材46を設置するための構造は以上の例示に限定されない。例えば、第2壁部材42と可動部材46との間に遊技カードP1および遊技メダルP2が進入しない構成であれば、可動部材46が第2壁部材42から離間した位置に設置されてもよい。すなわち、第2壁部材42の上端と可動部材46の下端との間には隙間が形成されてもよい。
【0122】
[第5実施形態]
図23は、第5実施形態に係るゲームシステム100の平面図である。図23に例示される通り、第5実施形態のゲームシステム100は、複数のステーション11の各々に特典装置17が設置される。特典装置17は、遊技者に特典を付与する装置である。具体的には、特典装置17は、遊技者に所定数の特典チケットを付与する。なお、複数のステーション11に対して1個の特典装置17が設置されてもよい。
【0123】
遊技者は、ゲームシステム100をプレイすることで、相異なる種類の遊技カードP1を取得可能である。例えば、描画された画像が相違する複数種の遊技カードP1を、遊技者は取得可能である。遊技カードP1の種類を表す識別情報が遊技カードP1に記録される。例えば、遊技カードP1に搭載されたICタグ等の記憶回路に識別情報が記録される。したがって、遊技カードP1の種類が相違する関係とは、識別情報が相違する関係とも表現される。なお、識別情報は、例えばバーコードまたはQRコード(登録商標)等、光学的に読取可能な画像を描画する方式で遊技カードP1に記録されてもよい。
【0124】
第5実施形態の特典装置17は、所定の種類数(例えば5種類)の遊技カードP1を遊技者が取得した場合に、当該遊技者に特典チケットを付与する。遊技者は、自身が獲得した遊技カードP1を特典装置17の挿入口に順次に挿入する。特典装置17は、各遊技カードP1から識別情報を読取り、遊技カードP1の種類数が所定の閾値以上であるか否かを判定する。種類数が閾値以上である場合、特典装置17は、所定数の特典チケットを遊技者に対して排出する。他方、遊技カードP1の種類数が所定値を下回る場合、特典装置17は、特典チケットを排出することなく種類数の不足を遊技者に報知する。
【0125】
特典装置17以外の構成は第1実施形態と同様である。したがって、第5実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第5実施形態においては、所定の種類数の遊技カードP1を取得した遊技者に特典が付与される。したがって、所定の種類数の遊技カードP1を取得するためにゲームを継続する誘因を遊技者に付与できる。
【0126】
[変形例]
以上に例示した各態様に付加される具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合してもよい。
【0127】
(1)選別部50の構成は、前述の各形態において例示した構成に限定されない。例えば、図24に例示される通り、選別部50が複数の支持部材53により構成されてもよい。複数の支持部材53は、水平面に対して傾斜した直線に沿って相互に間隔をあけて配列される。具体的には、複数の支持部材53のうちX1方向の端部に位置する支持部材53が、X2方向の端部に位置する支持部材53よりも低い位置となるように、各支持部材53の鉛直方向の位置が設定される。第1実施形態と同様に、遊技メダルP2は、各支持部材53の間隔(開口Ob)を通過して落下する。
【0128】
他方、遊技カードP1は、複数の支持部材53により支持される。遊技カードP1は、複数の支持部材53が構成する配列の傾斜に沿ってX1方向に移動する。以上の構成によれば、簡便な構成により遊技カードP1を排出口164に移動できる。なお、複数の支持部材53を振動させることで遊技カードP1の移動を促進してもよい。
【0129】
(2)前述の各形態においては、案内部40が第1壁部材41と第2壁部材42とを具備する形態を例示したが、案内部40の構成は以上の例示に限定されない。例えば、図25に例示される通り、第2壁部材42は省略されてよい。図25の構成においては、第1壁部材41が鉛直方向に対して傾斜した状態で設置される。案内部40に到達した遊技カードP1および遊技メダルP2は、第1壁部材41に接触した状態で当該第1壁部材41の傾斜に沿って落下する。すなわち、図25の案内部40は、前述の各形態における案内部40と同様に、遊技カードP1および遊技メダルP2の姿勢を鉛直方向に沿う姿勢に規制するガイドとして機能する。
【0130】
(3)前述の各形態においては、遊技ボールP3を選別部30により選別する形態を例示したが、遊技ボールP3の選別に選別部50が利用されてもよい。例えば、案内部40の第1壁部材41と第2壁部材42との間隔Δが遊技ボールP3の直径D3を上回る形態も想定される。遊技フィールド211から落下した遊技ボールP3は、遊技カードP1および遊技メダルP2と同様に第1壁部材41と第2壁部材42との間を落下する。選別部50に到達した遊技ボールP3は、遊技メダルP2と同様に、各支持部材53の間の開口Obを通過して落下する。以上の構成によれば、複数の遊技体Pから遊技カードP1を選別できる。選別部50が遊技ボールP3を選別する構成においては、前述の各形態における選別部30は省略されてよい。
【0131】
(4)図26に例示される処理機構28がゲームシステム100に搭載されてもよい。図26の処理機構28は、複数の開口Ocが行列状に配列された構造体であり、鉛直方向に対して傾斜した姿勢で設置される。遊技フィールド211から落下した複数の遊技体Pが処理機構28に載置される。
【0132】
開口Ocのサイズは、遊技カードP1のサイズを下回り、かつ、遊技メダルP2および遊技ボールP3のサイズを上回る。したがって、遊技メダルP2および遊技ボールP3は開口Ocを通過して落下する。他方、遊技カードP1は開口Ocを通過できず、処理機構28の傾斜に沿って移動する。したがって、複数の遊技体Pから遊技カードP1を選別できる。なお、図26の処理機構28を振動させることで遊技カードP1の移動を促進してもよい。
【0133】
(5)前述の各形態においては、蓋部72は不透明な部材であるから、遊技者は、収容機構70a内の遊技カードP1を視認できない。図27に例示される通り、蓋部72の一部または全部が透明な部材により形成されてもよい。遊技者は、蓋部72を介して収容機構70a内の遊技カードP1を視認できる。例えば、遊技者は、自身の希望する遊技カードP1を収容機構70a内に確認できる。したがって、ゲームを継続する誘因を遊技者に付与できる。
【0134】
(6)前述の各形態においては、3種類の遊技体P(P1,P2,P3)を利用するゲームシステム100を例示したが、遊技体Pの種類数は以上の例示に限定されない。例えば、遊技ボールP3は省略されてもよい。
【0135】
(7)各遊技体Pの形状は、前述の各形態の例示に限定されない。例えば、遊技カードP1または遊技メダルP2の平面形状は、多角形状または環状等の形状でもよい。遊技メダルP2は、例えば中央部の板厚が周縁部の板厚を上回るレンズ形状でもよい。遊技ボールP3の立体形状は、例えば多面体等の形状でもよい。また、遊技ボールP3の立体形状は、各種の多面体の角部を曲面状とした形状でもよい。
【0136】
(8)前述の各形態においては、搬送機構124が収容機構70aおよび収容機構70bを各ステーション11に搬送する形態を例示したが、収容機構70aと収容機構70bと供給装置123とは、複数のステーション11の各々について個別に設置されてもよい。
【0137】
(9)前述の各形態においては、現実空間に設置されたゲームシステム100を例示したが、ゲームシステム100は、演算処理により実現される仮想空間に設置された仮想的なオブジェクトとしても実現される。したがって、例えばスマートフォンまたはタブレット端末等の情報装置により、前述の形態におけるゲームシステム100と同様のサービスが提供されてもよい。例えば、情報装置が実行するプログラムにより提供されるアプリケーションゲーム、または、情報装置と通信可能なサーバが提供するクラウドゲームとして、ゲームシステム100と同様のゲームが実現される。
【0138】
(10)本願における「第n」(nは自然数)という記載は、各要素を表記上において区別するための形式的かつ便宜的な標識(ラベル)としてのみ使用され、如何なる実質的な意味も持たない。したがって、「第n」という表記を根拠として、各要素の位置または順番等が限定的に解釈される余地はない。
【0139】
[付記]
以上の記載から、例えば以下のように本開示の好適な態様が把握される。なお、各態様の理解を容易にするために、以下では、図面の符号を便宜的に括弧書で併記するが、本開示を図示の態様に限定する趣旨ではない。
【0140】
[付記A]
複数種の遊技体を利用したゲームにおいては、各遊技体を選別する必要がある。非特許文献1の技術においては、テーブルから落下したメダルおよびカードが水平方向に搬送されてから選別されるため、例えばカードが排出口に排出されて遊技者が獲得できるまでに長時間が必要である。以上の事情を考慮して、本開示のひとつの態様(付記A)は、複数種の遊技体を迅速に選別することを目的とする。
【0141】
[付記A1]
以上の課題を解決すために、本開示のひとつの態様(付記A1)に係るゲームシステム(100)は、平板状の第1遊技体(P1)と前記第1遊技体(P1)とは形状が相違する平板状の第2遊技体(P2)とが載置される遊技フィールド(211)と、前記遊技フィールド(211)から落下した前記第1遊技体(P1)および前記第2遊技体(P2)を、鉛直方向に沿った姿勢で落下させる案内部(40)と、前記案内部(40)による案内のもとで前記第1遊技体(P1)および前記第2遊技体(P2)が落下する経路に設置され、前記第1遊技体(P1)の落下を阻止し、かつ、前記第2遊技体(P2)を通過させる第1選別部(50)とを具備する。
【0142】
以上の態様においては、第1遊技体(P1)および第2遊技体(P2)が鉛直方向に沿った姿勢で落下する過程において、第1遊技体(P1)と第2遊技体(P2)とが第1選別部(50)により選別される。したがって、第1遊技体(P1)および第2遊技体(P2)を水平方向に搬送してから選別する形態と比較して、第1遊技体(P1)と第2遊技体(P2)とを迅速に選別できる。また、第1遊技体(P1)および第2遊技体(P2)が鉛直方向に沿う姿勢で選別されるから、例えば第2遊技体(P2)が第1遊技体(P1)に載置される可能性が低減される。したがって、第1遊技体(P1)および第2遊技体(P2)が水平方向に沿う姿勢で落下する形態と比較して、第1遊技体(P1)と第2遊技体(P2)とを第1選別部(50)により高精度に選別できる。
【0143】
「遊技体」は、ゲームに利用される任意の物体である。遊技体の「形状」は、遊技体の外形(例えば輪郭線により規定される形状)の特徴を意味する。「形状が相違する」とは、遊技体の外形が相違する場合のほか、外形自体は相似の関係にあるが寸法が相違する場合も包含する。第1遊技体(P1)は、例えば矩形状のカードであり、第2遊技体(P2)は、例えば円板状のコイン(メダル)である。
【0144】
「平板状」は、特定の方向(厚さ方向)における寸法に対して当該方向に直交する面内の方向(以下「面内方向」という)における寸法が充分に大きい形状を意味し、単独で形状が維持される程度に板厚が確保された形状のほか、可撓性のシート状またはフィルム状も含む概念である。
【0145】
「鉛直方向に沿った姿勢」とは、遊技体の面内方向が水平方向よりも鉛直方向に近いことを意味する。具体的には、鉛直方向に対して遊技体の面内方向がなす角度が45°以内(さらに具体的には30°以内)にある状態は、「鉛直方向に沿った姿勢」に該当する。
【0146】
ゲームシステム(100)は、現実空間に設置されたコンピュータシステムにより実現されるほか、演算処理により実現される仮想空間に設置された仮想的なオブジェクトとしても実現される。すなわち、例えばスマートフォンまたはタブレット端末等の情報装置により、本開示に係るゲームシステム(100)と同様のサービスが提供される。
【0147】
[付記A2]
付記A1の具体例(付記A2)において、前記第1遊技体(P1)のサイズは、前記第2遊技体(P2)のサイズを上回り、前記第1選別部(50)は、前記第1遊技体(P1)のサイズを下回り、かつ、前記第2遊技体(P2)のサイズを上回るサイズの開口(Ob)を有する選別機構(51)を含む。以上の態様においては、開口(Ob)を通過できるサイズであるか否かに応じて第1遊技体(P1)と第2遊技体(P2)とが選別される。したがって、動力を必要としない簡便な構成により、第1遊技体(P1)と第2遊技体(P2)とを高精度に選別できる。
【0148】
遊技体の「サイズ」は、当該遊技体の外形寸法を意味する。外形寸法は、平面視において遊技体に外接する仮想的な長方形の縁辺(長辺または短辺)の寸法である。具体的には、第1遊技体(P1)のサイズが第2遊技体(P2)のサイズを上回る関係とは、例えば、第1遊技体(P1)の外形寸法の最小値が第2遊技体(P2)の外形寸法の最小値を上回り、かつ、第1遊技体(P1)の外形寸法の最大値が第2遊技体(P2)の外形寸法の最大値を上回る関係である。
【0149】
[付記A3]
付記A2の具体例(付記A3)において、前記第1選別部(50)は、前記選別機構(51)により阻止された前記第1遊技体(P1)を、排出口(164)に向けて、前記鉛直方向に交差する方向に搬送する搬送機構(60)をさらに含む。以上の態様においては、第1選別部(50)により阻止された第1遊技体(P1)が搬送機構(60)により排出口(164)に向けて搬送される。したがって、第1遊技体(P1)を排出口(164)に対して迅速に排出できる。
【0150】
「排出口(164)」は、例えば遊技者が遊技体を獲得できる状態に遊技体を排出するための開口である。「排出口(164)に向けて」とは、遊技体が遊技フィールド(211)から排出口(164)まで移動する経路に沿って排出口(164)に近付く方向を意味する。
【0151】
[付記A4]
付記A3の具体例(付記A4)において、前記選別機構(51)は、前記第1遊技体(P1)を下方から支持する複数の支持部材(53)を含み、前記複数の支持部材(53)の間に前記開口(Ob)が形成される。以上の態様においては、相互に間隔をあけて複数の支持部材(53)が設置された簡便な構成により、第1遊技体(P1)と第2遊技体(P2)とを選別するための開口(Ob)を形成できる。
【0152】
[付記A5]
付記A4の具体例(付記A5)において、前記選別機構(51)は、前記第1遊技体(P1)を下方から支持する支持部材(53)を含み、前記搬送機構(60)は、前記支持部材(53)により支持された前記第1遊技体(P1)を押圧する押圧部材(65)を含み、鉛直方向における前記支持部材(53)と前記押圧部材(65)との間隔は、前記第1遊技体(P1)の外形寸法の最小値を下回る。以上の態様においては、支持部材(53)と押圧部材(65)との間隔が第1遊技体(P1)の外形寸法の最小値を下回る。したがって、例えば長辺が水平方向を向く姿勢で第1遊技体(P1)が支持部材(53)に支持された状態でも、第1遊技体(P1)を押圧部材(65)により確実に押圧できる。
【0153】
[付記A6]
付記A2の具体例(付記A6)において、前記第1選別部(50)は、前記選別機構(51)を、前記鉛直方向に交差する方向に移動させる搬送機構(60)を含む。以上の態様においては、選別機構(51)が、第1遊技体(P1)および第2遊技体(P2)の選別と、第1遊技体(P1)の搬送とに兼用される。したがって、選別と搬送とが別個の機構(選別機構(51),搬送機構(60))により実現される形態と比較して、第1遊技体(P1)の選別および搬送のための構成を簡素化できる。
【0154】
[付記A7]
付記A1の具体例(付記A7)において、前記案内部(40)は、前記鉛直方向に沿う壁部材(41)を含み、前記第1選別部(50)は、前記壁部材(41)の下端に間隔をあけて対向する外周面に螺旋状の突起部(56)が設置された円柱部材(55)と、中心軸を中心として前記円柱部材(55)を回転させる駆動装置(57)とを含み、前記第2遊技体(P2)は、前記壁部材(41)の下端と前記円柱部材(55)の外周面(551)との間を通過し、前記第1遊技体(P1)は、前記円柱部材(55)の外周面(551)に接触した状態で、前記突起部(56)により前記中心軸の方向に移動する。以上の態様においては、壁部材(41)の下端と円柱部材(55)の外周面(551)との間を第2遊技体(P2)が通過し、第1遊技体(P1)は円柱部材(55)の外周面(551)に接触することで、第1遊技体(P1)と第2遊技体(P2)とが選別される。また、第1遊技体(P1)は螺旋状の突起部(56)により円柱部材(55)の中心軸の方向に搬送される。すなわち、第1遊技体(P1)および第2遊技体(P2)の選別と第1遊技体(P1)の搬送とに、円柱部材(55)が兼用される。したがって、選別と搬送とが別個の機構(選別機構(51),搬送機構(60))により実現される形態と比較して、第1遊技体(P1)の選別および搬送のための構成を簡素化できる。
【0155】
[付記A8]
付記A1から付記A7の何れかの具体例(付記A8)において、前記遊技フィールド(211)には、前記第1遊技体(P1)および前記第2遊技体(P2)とは形状が相違する第3遊技体(P3)が載置され、前記遊技フィールド(211)と前記案内部(40)との間に設置され、前記第3遊技体(P3)を選別する第2選別部(30)をさらに具備する。以上の態様においては、第1遊技体(P1)と第2遊技体(P2)とを選別できるほか、第1遊技体(P1)と第3遊技体(P3)とも選別できる。したがって、第1遊技体(P1)から第3遊技体(P3)とを利用した多様なゲームを実現できる。
第2選別部(30)は、第2遊技体(P2)および第3遊技体(P3)を通過させる。すなわち、遊技フィールド(211)から落下した第2遊技体(P2)の一部が第2選別部(30)を通過し、残余の一部が案内部(40)を通過して第1選別部(50)に到達する。
【0156】
[付記A9]
付記A1から付記A8の何れかの具体例(付記A9)において、前記遊技フィールド(211)を有する固定テーブル(21)と、前記遊技フィールド(211)上において往復する可動テーブル(22)とを含み、前記遊技フィールド(211)に載置された前記第1遊技体(P1)および前記第2遊技体(P2)は、前記可動テーブル(22)により押圧されることで前記遊技フィールド(211)の先端部(212)から落下する。以上の態様によれば、可動テーブル(22)の往復により第1遊技体(P1)および第2遊技体(P2)が遊技フィールド(211)から落下するゲーム(プッシャーゲーム)が実現される。
【0157】
[付記A10]
付記A9の具体例(付記A10)において、前記先端部(212)に対して間隔をあけて設置された可動部材(46)と、前記可動テーブル(22)と前記可動部材(46)とを連結する連結部材(47)とをさらに具備し、前記可動部材(46)は、前記連結部材(47)により前記可動テーブル(22)の往復に連動することで、前記先端部(212)から離間した第1位置(W1)と、前記第1位置(W1)よりも前記先端部(212)に近い第2位置(W2)との間で往復する。以上の態様によれば、遊技フィールド(211)の先端部(212)から突出した状態に維持された第1遊技体(P1)を、可動部材(46)により押圧することで遊技フィールド(211)から落下させることが可能である。すなわち、遊技フィールド(211)の先端部(212)から充分に突出しているのに遊技フィールド(211)から落下しない第1遊技体(P1)について、遊技フィールド(211)からの落下を促進できる。また、可動部材(46)が連結部材(47)により可動テーブル(22)に連結される構成により、可動テーブル(22)の往復に連動して可動部材(46)が移動する。したがって、可動テーブル(22)を往復させる駆動装置とは別個の駆動装置により可動部材(46)を移動させる構成と比較して、ゲームシステム(100)の構成を簡素化できる。
【0158】
[付記B]
遊技カード等の遊技体を利用したゲームにおいては、例えば演出上の理由により、複数の遊技体を収容機構から遊技フィールドの広範囲に放出することが要求される。しかし、例えば複数の遊技カードが相異なる姿勢で収容機構に収容される形態では、複数の遊技カードを広範囲に勢いよく放出することは困難である。以上の事情を考慮して、本開示のひとつの態様(付記B)は、複数の遊技カードを遊技フィールドの広範囲に勢いよく放出することを目的とする。
【0159】
[付記B1]
以上の課題を解決するために、本開示のひとつの態様(付記B1)に係るゲームシステム(100)は、ゲームの進行を制御する制御部(13)と、複数の遊技カード(P1)を収容する収容機構(70a,70b)と、前記ゲームの進行に応じて前記収容機構(70a,70b)に遊技カード(P1)を供給する供給装置(123)とを具備し、前記収容機構(70a,70b)は、前記複数の遊技カード(P1)を同じ姿勢に保持する収容状態と、前記複数の遊技カード(P1)を遊技フィールド(211)に放出する放出状態とに制御される。以上の態様においては、収容状態では複数の遊技カード(P1)が同じ姿勢で収容機構(70a,70b)に収容され、放出状態において複数の遊技カード(P1)が遊技フィールド(211)に放出される。したがって、例えば複数の遊技カード(P1)が相異なる姿勢で収容機構(70a,70b)に収容される形態と比較して、複数の遊技カード(P1)を遊技フィールド(211)の広範囲に勢いよく放出できる。
【0160】
[付記B2]
付記B1の具体例(付記B2)において、前記収容状態においては、前記複数の遊技カード(P1)が相互に平行に積層された状態で前記収容機構(70a,70b)に収容される。以上の態様においては、複数の遊技カード(P1)が積層されるから、例えば複数の遊技カード(P1)が重複せずに収容される形態と比較して収容機構(70a,70b)を小型化できる。
【0161】
[付記B3]
付記B2の具体例(付記B3)において、前記収容機構(70a,70b)は、前記複数の遊技カード(P1)が載置される載置面(73)を含み、前記放出状態においては、前記載置面(73)が水平面に対して傾斜した状態で前記複数の遊技カード(P1)が前記載置面(73)に沿って放出される。以上の態様においては、相互に平行に積層された複数の遊技カード(P1)が、水平面に対して傾斜した載置面(73)に沿って収容機構(70a,70b)から放出される。したがって、各遊技カード(P1)の上面を他の遊技カード(P1)が滑ることで、複数の遊技カード(P1)を広範囲にわたり拡散できる。
【0162】
[付記B4]
付記B3の具体例(付記B4)において、前記放出状態において、前記載置面(73)は、遊技者に近い端部が反対側の端部と比較して低い位置となるように前記水平面に対して傾斜する。以上の態様によれば、複数の遊技カード(P1)を遊技者に近い位置まで広範囲に拡散させることが可能である。
【0163】
[付記B5]
付記B1から付記B4の何れかの具体例(付記B5)において、前記遊技フィールド(211)を各々が含む複数のステーション(11)と、前記複数のステーション(11)の各々に前記収容機構(70a,70b)を搬送する搬送機構(124)とをさらに具備する。以上の態様においては、複数のステーション(11)の各々に収容機構(70a,70b)が搬送されるから、複数の遊技フィールド(211)の各々について収容機構(70a,70b)を個別に設置する必要はない。したがって、ゲームシステム(100)の構成を簡素化できる。
【0164】
[付記B6]
付記B1から付記B5の何れかの具体例(付記B6)において、前記ゲームは、遊技者が遊技カード(P1)を取得するゲームであり、所定の種類数の遊技カード(P1)を前記遊技者が取得した場合に当該遊技者に特典を付与する特典装置(17)をさらに具備する。以上の態様においては、所定の種類数の遊技カード(P1)を取得した遊技者に特典が付与される。したがって、所定の種類数の遊技カード(P1)を取得するためにゲームを継続する誘因を遊技者に付与できる。
【符号の説明】
【0165】
100…ゲームシステム、11…ステーション、12…搬送システム、13…制御装置、14…記憶装置、15…表示装置、16…操作ユニット、17…特典装置、20…ゲーム機構、21…固定テーブル、211…遊技フィールド、212…先端部、22…可動テーブル、221…載置面、23…固定壁、24…投入機構、25…供給装置、26…供給装置、27…検出装置、28…処理機構、30…選別部、31…横軸部、32…横軸部、33…縦軸部、40…案内部、41…第1壁部材、42…第2壁部材、43…第3壁部材、46…可動部材、47…連結部材、50…選別部、51…選別機構、52…固定板、53…支持部材、55…円柱部材、551…外周面、56…突起部、57…駆動装置、60…搬送機構、61…回転軸、62…回転軸、63…環状体、64…駆動装置、65…押圧部材、70…収容機構、70a,70b…収容機構、71…筐体部、72…蓋部、73…載置面、731…溝部、74…台車、90…搬送機構、91…傾斜面、93…開口、121…移動体、122…搬送経路、123…供給装置、124…搬送機構、151…画面、152…画面、161…操作装置、162…受付装置、163…払出装置、164…排出口、C…キャラクタ、Oa,Ob,Oc…開口、P…遊技体、P1…遊技カード、P2…遊技メダル、P3…遊技ボール。
【要約】
【課題】ゲームシステムにおいて利用される複数種の遊技体を迅速に選別する。
【解決手段】ゲームシステムは、平板状の遊技カードP1と遊技カードP1とは形状が相違する平板状の遊技メダルP2とが載置される遊技フィールド211と、遊技フィールド211から落下した遊技カードP1および遊技メダルP2を、鉛直方向に沿った姿勢で落下させる案内部40と、案内部40による案内のもとで遊技カードP1および遊技メダルP2が落下する経路に設置され、遊技カードP1の落下を阻止し、かつ、遊技メダルP2を通過させる選別部50とを具備する。
【選択図】図5
図1
図2
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図10
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図27