IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 斎藤 孝幸の特許一覧

特許7432279情報処理装置、プログラム及び保証料設定方法
<>
  • 特許-情報処理装置、プログラム及び保証料設定方法 図1
  • 特許-情報処理装置、プログラム及び保証料設定方法 図2
  • 特許-情報処理装置、プログラム及び保証料設定方法 図3
  • 特許-情報処理装置、プログラム及び保証料設定方法 図4
  • 特許-情報処理装置、プログラム及び保証料設定方法 図5
  • 特許-情報処理装置、プログラム及び保証料設定方法 図6
  • 特許-情報処理装置、プログラム及び保証料設定方法 図7
  • 特許-情報処理装置、プログラム及び保証料設定方法 図8
  • 特許-情報処理装置、プログラム及び保証料設定方法 図9
  • 特許-情報処理装置、プログラム及び保証料設定方法 図10
  • 特許-情報処理装置、プログラム及び保証料設定方法 図11
  • 特許-情報処理装置、プログラム及び保証料設定方法 図12
  • 特許-情報処理装置、プログラム及び保証料設定方法 図13
  • 特許-情報処理装置、プログラム及び保証料設定方法 図14
  • 特許-情報処理装置、プログラム及び保証料設定方法 図15
  • 特許-情報処理装置、プログラム及び保証料設定方法 図16
  • 特許-情報処理装置、プログラム及び保証料設定方法 図17
  • 特許-情報処理装置、プログラム及び保証料設定方法 図18
  • 特許-情報処理装置、プログラム及び保証料設定方法 図19
  • 特許-情報処理装置、プログラム及び保証料設定方法 図20
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-07
(45)【発行日】2024-02-16
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム及び保証料設定方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/163 20240101AFI20240208BHJP
   G06Q 30/0645 20230101ALI20240208BHJP
【FI】
G06Q50/16 300
G06Q30/0645
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023200635
(22)【出願日】2023-11-28
(62)【分割の表示】P 2021104893の分割
【原出願日】2021-06-24
(65)【公開番号】P2024012695
(43)【公開日】2024-01-30
【審査請求日】2023-11-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】301074241
【氏名又は名称】斎藤 孝幸
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 孝幸
【審査官】西村 純
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-140463(JP,A)
【文献】特開2020-061093(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0112416(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
賃借人の行動情報を取得する行動情報取得部と、
賃借人が賃借する不動産に基づいて設定される保証料を取得する保証料取得部と、
前記保証料と前記行動情報に基づいて賃借人に還付する還付額を設定する還付額設定部と、
を備え、
前記行動情報取得部は、
前記行動情報に基づいて賃借人の信用度を設定し、
前記還付額設定部は、
前記行動情報に基づいて設定された前記信用度に応じて還付額を設定する情報処理装置。
【請求項2】
前記保証料取得部は、前記行動情報を反映して前記保証料を設定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記行動情報には、賃借人の入退居情報が含まれる
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記行動情報には、賃借人が賃借する不動産との賃貸借契約に関する賃貸借契約情報が含まれる
請求項1から3の何れかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記行動情報には、賃借人の賃貸借開始後の行動に関する生活情報が含まれる
請求項1から4の何れかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記行動情報には、賃借人が現在又は過去に所属する団体が含まれる
請求項1から5の何れかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータを
賃借人の行動情報を取得する行動情報取得機能と、
賃借人が賃借する不動産に基づいて設定される保証料を取得する保証料取得機能と、
前記保証料と前記行動情報に基づいて賃借人に還付する還付額を設定する還付額設定機能と、
の各機能として機能させ、
前記行動情報取得機能は、
前記行動情報に基づいて賃借人の信用度を設定し、
前記還付額設定機能は、
前記行動情報に基づいて設定された前記信用度に応じて還付額を設定する、
プログラム。
【請求項8】
コンピュータに、
賃借人の行動情報を取得する行動情報取得ステップと、
賃借人が賃借する不動産に基づいて設定される保証料を取得する保証料取得ステップと、
前記保証料と前記行動情報に基づいて賃借人に還付する還付額を設定する還付額設定ステップと、
の各ステップを実行させ、
前記行動情報取得ステップは、
前記行動情報に基づいて賃借人の信用度を設定し、
前記還付額設定ステップは、
前記行動情報に基づいて設定された前記信用度に応じて還付額を設定する、保証料設定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、債務保証管理情報処理プログラム及び債務保証管理情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、賃貸借物件を賃貸する場合に、連帯保証人を設定する代わりに、保証会社が連帯保証することが、広く行われている。賃借人の賃借履歴、信用度を参酌して保証料を情報処理装置により計算し設定する技術が提案されている。この種の技術が記載されるものとして例えば特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-61093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されるような技術によれば信用度に応じて保証料が設定されることになる。しかしながら、保証料は賃借人に返還されるわけでないので、賃借人が賃貸借物件を状態良く使用する動機付けという観点で改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、賃借人が賃貸借物件を状態良く使用する動機付けを行うことができるとともに、保証会社に支払う金銭を少なくし、且つ、賃貸人及び保証会社のリスクを小さくすることができる情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様である、情報処理装置、債務保証管理情報処理プログラム及び債務保証管理情報処理方法は、賃借人の行動履歴を示す行動情報を取得する行動情報取得部と、賃借人が賃借する不動産に基づいて設定される保証料を取得する保証料取得部と、保証料と賃貸借開始後の行動情報に基づいて賃借人に還付する還付額を設定する還付額設定部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の情報処理装置、プログラム及び保証料設定方法によれば、賃借人が賃貸借物件を状態良く使用する動機付けを行うことができるとともに、保証会社に支払う金銭を少なくし、且つ、賃貸人及び保証会社のリスクを小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理装置及び情報回路網を介して形成されるシステム構成を示す模式図である。
図2】本発明の一実施形態に係る情報処理装置のハードウェアの構成を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係る情報処理装置の機能的構成例を示す模式図である。
図4】本発明の一実施形態に係る賃貸借開始前の行動情報の例を示す図である。
図5】本発明の一実施形態に係る賃貸借開始前の行動情報の例を示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係る賃貸借開始前の行動情報の例を示す図である。
図7】本発明の一実施形態に係る保証人と被保証人との記録の例を示す図である。
図8】本発明の一実施形態に係る賃貸借物件の賃貸人の記録の例を示す図である。
図9】本発明の一実施形態に係る賃貸借物件の記録の例を示す図である。
図10】本発明の一実施形態に係る賃貸借物件の記録の例を示す図である。
図11】本発明の一実施形態に係る賃借人の賃借記録の例を示す図である。
図12】本発明の一実施形態に係る賃貸借開始後の賃借人の行動情報が取得される場面の例を示す図である。
図13】本発明の一実施形態に係る還付額設定部が取得する、満額率の設定を示す図である。
図14】本発明の一実施形態に係る賃貸借が行われる前の検討段階に生じる事象と関係者とを示す図である。
図15】本発明の一実施形態に係る賃貸借の契約段階に生じる事象と関係者とを示す図である。
図16】本発明の一実施形態に係る賃貸借における賃借人の入居期間における事象と関係者とを示す図である。
図17】本発明の一実施形態に係る賃貸借における賃借人の入居期間におけるクレームの履歴の集計例を示す図である。
図18】本発明の一実施形態に係る賃貸借の更新における事象と関係者とを示す図である。
図19】本発明の一実施形態に係る賃借人の退去及び清算時における事象と関係者とを示す図である。
図20】本発明の一実施形態に係る処理の流れを示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1に示すように本発明の一実施形態にかかる情報処理装置100は、通信回線500を介して情報格納装置200及び外部機関300及び賃借人4或いは賃貸人5の端末400と接続されている。情報処理装置100は、詳細は後述するが、行動情報を取得し、保証料を取得し、還付額を設定する。情報格納装置200は、例えば、ユーザ情報、保証契約、審査結果履歴、行動履歴、還付率、還付額等の情報を格納する。外部機関300は例えば信用情報を有する。情報処理装置100は、通信回線500を介して、データの照会及び更新を情報格納装置200及び外部機関300及び賃貸人5或いは賃借人4の端末400と適宜行う。
【0010】
情報処理装置100は、保証会社6の役割を果たす。端末400のユーザの賃貸人5としては、賃貸借物件の不動産会社、仲介会社、管理会社及びオーナー等が想定される。情報処理装置100はサービスを賃借人4及び賃貸人5に提供するサーバである。賃借人4及び賃貸人5は端末400から通信回線500を介して賃借人4の行動情報を取得しても良いし、ナビゲータが、通信回線500以外の電話或いはFAX、紙等の手段で取得して情報を情報処理装置100に直接入力しても良い。
【0011】
図2に示すように、本発明の一実施形態にかかる情報処理装置100は、ハードウェアとして、プロセッサ103と、ROM(Read Only Memory)104と、RAM(Random Access Memory)105と、入出力部101と、通信部102と、入出力インターフェース107とを有する。
【0012】
プロセッサ103は、各種演算及び処理を行う。プロセッサ103は、例えば、CPU(central processing unit)、MPU(micro processing unit)、SoC(system on a chip)、DSP(digital signal processor)、GPU(graphics processing unit)、ASIC(application specific integrated circuit)、PLD(programmable logic device)又はFPGA(field-programmable gate array)等である。或いは、プロセッサ103は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。また、プロセッサ103は、これらにハードウェアアクセラレーター等を組み合わせたものあっても良い。
【0013】
プロセッサ103、ROM104及びRAM105は、バス106を介して相互に接続されている。プロセッサ103は、ROM104に記録されているプログラム又はRAM105にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。プログラムの一部又は全部は、プロセッサ103の回路内に組み込まれていても良い。
【0014】
バス106は入出力インターフェース107にも接続される。入出力インターフェース107には、入出力部101と、通信部102と、が接続されている。
【0015】
入出力部101は、有線又は無線により電気的に入出力インターフェース107に接続される。入出力部101は例えばキーボード及びマウス等の入力部と画像を表示するディスプレイ及び音声を拡声するスピーカ等の出力部とによって構成される。なお、入出力部101はタッチパネルのように表示機能と入力機能が一体的な構成であっても良い。
【0016】
通信部102は、プロセッサ103が、インターネット等を介して他の装置との間で通信を行う装置である。行動情報取得部1或いは/且つ保証料取得部2或は/且つ還付額設定部3は、通信部102を介して、他の装置が有する行動情報40或いは/且つ保証料21或いは/且つ還付額31についてデータを取得することがある。
【0017】
ここで示したハードウェア構成は、あくまで一例であり、特にこの構成に限定されるわけではない。シングルプロセッサ、マルチプロセッサ及びマルチコアプロセッサ等の各種処理装置単体によって構成されるものの他、これら各種処理装置と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)及びFPGA(Field‐Programmable Gate Array)等の処理回路とが組み合わせられたものをプロセッサ103として機能的構成を実現するものとして採用しても良い。
【0018】
図3に示すように、情報処理装置100は、機能部として、行動情報取得部1と保証料取得部2と還付額設定部3とを備える。
【0019】
以下、最初に機能部に沿って説明がなされる。次に、フローチャートに則って時系列に説明がなされる。機能部の説明では、機能に絞って説明がなされる。時系列な説明において、一般的な状況を含めて説明がなされる。
【0020】
各機能部は、図2に示すハードウェアのプロセッサ103等によって実現される。行動情報取得部1は、賃借人4の行動履歴を示す行動情報40を取得する。更に、行動情報取得部1は、賃借人4の賃貸借開始前の行動情報41或いは/及び賃借人4の賃貸借開始後の行動情報42に基づいて賃借人4の信用度43を設定する。賃借人4の行動に関する情報として、賃貸借開始前の行動情報41と賃貸借開始後の行動情報42とこれらを総称しての行動情報40とが適宜以下使用される。
【0021】
賃貸借開始前の行動情報41には、図4に示すように、賃借人4の生年月日、住所、連絡先が、図5に示すように、賃借人4の識別子(以下適宜IDと称する)、上場区分を含めた勤務先、雇用形態、勤続状況、年収、更新日が、また、図6に示すように、賃借人4のID,日付、賃借人4の資産状況、適正検査の結果、破産公告を例とするネガティブ情報、資産情報等が挙げられる。資産状況情報取得については、外部機関300の一例である資産状況調査専門の仲介業者から調査結果が得られる場合が含まれる。資産状況には、金融資産のみに絞ることが好ましい。
【0022】
個人情報の入力は、あくまでその人個人の情報のみを扱うことが好ましい。個人情報取得のタイミングは、審査時と更新時とに行うことが好ましい。
【0023】
制限行為能力者は、居住者にはなり得ても、契約者にはなれない可能性が高い。保証契約前に発覚する滞納履歴は、賃借人4の賃貸借開始前の行動情報41として記録される。過去の滞納履歴、クレジットカード決済については、本人の申告ではなく、第三者機関から情報の取得される必要がある。これらの項目が発覚した時点で保証の審査が通らない可能性が非常に高い。このため、項目の入力は、フリー入力形式としてもよい。これらの情報は、賃借人4の信用度43及び還付額31の設定に活用しなくてもよい。
【0024】
賃借人4の賃貸借開始前の行動情報41には、賃借人4の入退居に関する入退居情報、及び、賃借人4が賃借する不動産に関する賃貸借契約情報7が含まれる。賃貸借契約情報7には、契約者名、緊急連絡先、連帯保証人の有無が含まれる。図7に示すように、保証人と被保証人とのIDと期日が別テーブルにて記録される。
【0025】
賃貸借物件の持ち主、管理会社、仲介業者等の賃貸人5は、図8に示すように法人IDで管理することが好ましい。関係性については、図7に示す個人情報についての管理手法と同様の管理手法が法人に対しても適用される。
【0026】
賃貸借物件は、図9に示すように物件ID、物件名、物件所在地、建築年月日、構造、管理部屋数、管理会社ID、情報取得日の各情報等を紐づけて記憶される。図10に示すように、物件IDに紐づけられて、部屋番号、間取り、面積、情報取得日が管理される。賃貸借契約に際しては、図11に示すように、賃借人4のID、賃貸借物件のID、部屋番号、賃貸借期間等が管理される。
【0027】
賃借人4の賃貸借開始後の行動情報42には、賃借人4の賃貸借開始後の行動に関する生活情報が含まれる。賃借人4の賃貸借開始後の行動情報42が得られる場面としては、図12に示すように、賃貸借契約締結時、入居時、クレーム発生時、更新契約締結時、退居時等が挙げられる。これらの時点における賃借人4の行動について適宜評価が行われ、行動情報取得部1が評価結果を取得する。
【0028】
また、賃貸借開始後の行動情報42には、家賃の支払い状況、更新手続き及び退居手続きの状況、賃貸借契約履歴状況、近隣からのクレームが含まれる。また、賃貸借開始後の滞納情報は、賃貸借開始後の行動情報42に含まれる。
【0029】
行動情報取得部1の行動情報40の取得方法としては、アンケートで取得し、約束を守ったか、守らなかったかだけ関係者により入出力部101から入力されることが挙げられる。そして、約束を守らなかった履歴が行動履歴のデータに蓄積し、評価される。この場合には、その行動はマイナス評価となる。賃借人4の隣人からのクレームは、クレームの連絡があったという履歴だけを収集することが好ましい。感情面についての項目は採用されることはなく、ジャッジもされないことが好ましい。
【0030】
保証料取得部2は、賃借人4が賃貸する不動産に基づいて設定される保証料21を取得する。保証料取得部2は、原則、家賃に基づいて保証料を設定する。
【0031】
本発明の一実施形態である情報処理装置100が備える保証料取得部2は、独自の審査基準のもとに保証料21の審査を行う。賃貸借保証の可能性について審査がAI機能により行われる。賃借人4の財政状況、属性、過去のデータを加味して賃借人4の信用度43が数値化され、審査が行われる。本発明の一実施形態である情報処理装置100は日本情報信用機構等の外部機関300の信用情報を参照しつつ独自の基準を設定し審査を行う。自動学習による情報蓄積がなされる。このため、まさに、賃借人4に最適な保証料21が提案されることとなる。
【0032】
変形例として、賃借人4の行動特性を反映して保証料21が設定されるとしてもよい。この場合、行動情報41を反映して保証料21は設定される。
【0033】
1回目の保証料21の算出においては、図6に示すように、賃借人4の資産状況、ネガティブ情報として、破産公告の有無、制限行為能力者及び犯罪履歴者該当情報、過去の家賃及び光熱通信費等の滞納履歴、クレジットカードでの家賃決済等を含む行動特性等が調査されるとともに、事前に適性テストが行われ、その評点等によって保証料21は算出される。
【0034】
2回目の保証料21の算出においては、その時点における賃借人4の資産状況、ネガティブ情報として、破産公告の有無、制限行為能力者及び犯罪履歴者該当情報、過去の家賃及び光熱通信費等の滞納履歴・クレジットカードでの家賃決済等を含む行動特性等が再度調査されるとともに、適宜再度適性テスト行われ、その評点等によって保証料21は算出される。行動履歴についての蓄積がある場合には、この行動履歴についても評価対象となる。枠を設けた保証(C保証)が行われている場合には、枠の見直しも適宜行われる。
【0035】
還付額設定部3は、保証料21と賃借人4の賃貸借開始後の行動情報42に基づいて、賃借人4に保証料21の一部を還付する還付額31を設定する。還付額設定部3は、賃借人4の賃貸借開始後の行動情報42に基づいて設定された賃借人4の信用度43に応じて還付額31を設定する。還付額31の保証料21に対する最大の比率は販促活動で変動する。還付額設定部3は、賃借人4の不良行動履歴の数を参照して還付額31を算出する。
【0036】
保証料21に対して還付される額の最大額は、保証料21に対する割合で定義される。この割合は、基本の割合があり、年度のキャンペーン等によって変動する場合がある。図13に示すように、キャンペーン期間、満額率等が登録される。
【0037】
還付額設定部3は、初期手続き、家賃の支払い、更新手続き、退去手続き等の結果により、基本の還付額31を参照し、実際の還付額31を算出する。事実区分ではネガティブ事実確認が出来た履歴数に応じて情報処理装置100により還付額31は算出される。還付額31は、保証料21と基本の還付率と基本の還付率に対する比率との積で算出される。変形例として、この算出プロセスに依らず、還付額31そのものを算出することも好ましい。
【0038】
本発明の一実施形態である情報処理装置100が備える還付額設定部3は、独自の審査基準のもとに還付額31の設定を行う。還付の可能性について審査がAI機能により行われる。賃借人4の財政状況、属性、過去のデータを加味して賃借人4の信用度43が数値化され、審査は行われる。本発明の一実施形態である情報処理装置100は日本情報信用機構等の信用情報を参照しつつ独自の基準を設定し審査を行う。自動学習で情報蓄積がなされる。このため、まさに、賃借人4に最適な還付が提案されることとなる。但し、賃借人4の信用度43の設定を省略して行動情報42等から直接に還付額31が設定されることも好ましい。
【0039】
賃借人4の行動情報42及び賃借人4の信用度43は情報格納装置200で管理される。賃借人4の信用度43は持ち越されて、保証料21の算出に用いることができる。この場合、賃借人4の信用度43は等級化されることも好ましい。賃貸借の更新に合わせて賃借人4の信用度43を示す等級が更新され、行動情報42を基に等級が上下動することも好ましい。この賃借人4の信用度43とリンクした等級が参酌され、還付率或いは還付額31が算出されることも好ましい。
【0040】
本発明の一実施形態である情報処理装置100においては、賃借人4からの情報を元にWEB上で全ての手続きが完結する。
【0041】
本発明の一実施形態である情報処理装置100は、複雑で面倒な住宅の賃貸借契約を容易に行うことを可能とできる。これによって利用者の賃貸借保証が最適化され、賃借人4及び賃貸人5の双方にメリットを提供できる。
【0042】
賃借人4としては、還付が期待されるので、最初に支払う額が高くとも実際にかかる費用を低く想定して住宅の賃借計画を立てることが出来る。賃貸人5としては、還付を想定して賃借人4が賃借すること、賃借人4が部屋を汚損しないこと、近隣とのトラブルが起きないこと、当初用意する金額が高くなることから一定以上の賃借人4が入居すること等を期待出来る。保証会社6としては、良好な賃借人4を確保することが出来、保証を実行する可能性が低くなり、結果的に収益が上がる。
【0043】
本発明の一実施形態である情報処理装置100における融資実行までの流れが、図20のフローチャートを元に、図1から図19を参照し、説明される。
【0044】
賃借人4は、賃貸借物件の検討を始める。図14はこの時における事象或いは業務を示す。本発明の一実施形態にかかる情報処理装置100の処理対象となり得る項目には、対象の列にチェックが入っている。賃貸借物件の内見等を経て、契約前の検討が行われる。
【0045】
図20に示すように、情報処理装置100による処理が始まると最初に保証依頼が受け付けられる(ステップS101)。次に、行動情報取得部1が賃借人4の行動情報40を取得する(ステップS102)。次に、保証料取得部2が保証料21を取得し(ステップS103)、保証が設定され(ステップS104)、契約が成立して賃貸借が開始される(ステップS105)。図15は、この契約が成約されるまでの事象を示す。保証会社6が関わらない事象も幾つか存在する。
【0046】
賃貸借が始まると、賃貸借実行中の賃借人4の行動情報40が、行動情報取得部1により取得され、賃借人4の信用度43が改訂される(ステップS106)。賃貸借契約の更新時期でない場合(ステップS107:No)には、行動情報取得部1は引き続き賃借人4の賃貸借開始後の行動情報41を取得する(ステップS106)。
【0047】
図16は、賃貸借開始後、即ち賃借人の入居期間における関係事象を示す。トラブルの判定方法がついてここで詳述される。ゴミ出し、騒音、悪臭、ベランダでの喫煙が挙げられる。
【0048】
ゴミ出しの場合、一般的に居住者或いは近隣住人等が管理会社に問題のあるゴミ出しの存在を通報する。犯人に対して事実確認がなされ、通報者に報告される。この場合、情報処理装置100は、事実確認した履歴を残す。ここで、犯人本人が認めたかどうかは考慮されない。最初は犯人が特定されず、ゴミ出しのマナーが悪いという通報がなされるのみだからである。犯人が特定された場合、特定が1回では犯人とされた賃借人4の信用度43を減点しない。初回或いは1回の場合には、悪意の通報である可能性があるためである。2回通報がなされ、証拠が確認できる場合、賃借人4の信用度43は減点対象になる。
【0049】
騒音のクレームも問題となる。騒音の種類としては、足音、掃除機・洗濯機の音、ステレオ、TV等が挙げられる。特定の部屋の住人からのクレームが起きるケースが多いため、複数の出所からクレームが上がることを根拠にして事実認定するのは難しい。クレームの回数或いは複数の出所からクレームがされていることを判断根拠とすることは難しい。あくまで事実がどうかを直接確認することが必要となる。賃貸借物件の管理会社が事実と認めたクレームのみが判断の根拠となり得る。但し、賃借人4に対しては、騒音のクレームが入ったら減点対象であると伝え抑止力とすることが有効である。そして、騒音の発生が疑われる現場に賃貸借物件の管理会社の人間が出向き、通報者以外も騒音を確認した場合には、1回のクレームで減点対象とすることが好ましい。
【0050】
悪臭・ベランダでの喫煙等も問題となる。ゴミ屋敷が原因の悪臭である場合には、管理会社が確認出来た時点で賃借人4の信用度43の減点が行われる。ベランダで喫煙し、周りの人の洗濯物に臭いがついた場合には、現場に管理会社の人間が出向き、通報者以外も悪臭を確認した場合は1回で減点対象とする。
【0051】
これらの他、自転車の放置、共有スペースの占有等現場を押さえられる事象は、1回で賃借人4の信用度43は減点対象となる。
【0052】
図17は、クレームの履歴の残し方を示す。クレームの発生日、誰から誰に向けてクレームが発生したか、部屋番号により管理されている。事象の確認の有無、証跡確認の有無が記録される。
【0053】
賃貸借契約の更新時期である場合(ステップS107:Yes)には、還付額設定部3が還付額31を設定し(ステップS108)、還付が実行される(ステップS109)。図18は、更新時における事象を示す。賃貸借が続行される場合(ステップS110:Yes)には、保証料取得部2による保証料取得ステップ(ステップS103)に戻り、プロセスが続行される。
【0054】
賃貸借が続行されない場合(ステップS110:No)には、処理は終了する(End)。図19は退居或いは退去に際しての事象を示す。保証契約の解約等が適宜行われる。
【0055】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。例えば、上述の実施形態では、情報処理装置としての情報処理装置100が、行動情報取得部1及び保証料取得部2及び還付額設定部3の全てを備える構成を例示したが、物理的に離れた2個以上のコンピュータに機能部を分散配置したシステムによって本発明の情報処理装置を構成しても良い。また、機能部の一部を省略したり、別の機能部を追加したりする等、情報処理装置が有する機能部の構成は適宜変更することができる。例えば、情報格納装置200の情報格納機能は、情報処理装置100の一部として設置されることも可能である。
【0056】
また、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワーク及び記録媒体からインストールされる。このようなプログラムを含む記録媒体は、賃借人4及び賃貸人5にプログラムを提供するために装置本体とは別に配布されるリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態で賃借人4及び賃貸人5に提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディアは、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk),Blu-ray(登録商標) Disc(ブルーレイディスク)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini-Disk)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態で借り手に提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されているプログラムメモリ及びハードディスク等で構成される。
【0057】
以上説明した実施形態にかかる情報処理装置100、債務保証管理情報処理プログラム及び債務保証管理情報処理方法によれば以下のような効果が奏される。
【0058】
情報処理装置100は、賃借人4の行動履歴を示す行動情報40を取得する行動情報取得部1と、賃借人4が賃借する不動産に基づいて設定される保証料21を取得する保証料取得部2と、保証料21と賃貸借開始後の行動情報42に基づいて賃借人に還付する還付額31を設定する還付額設定部3と、を備える。
【0059】
賃借人4としては、還付が期待されるので、最初に支払う額が高くとも実際にかかる費用を低く想定して住宅の賃借計画を立てることが出来る。賃貸人5としては、還付を想定して賃借人4が賃借すること、賃借人4が部屋を汚損しないこと、近隣とのトラブルが起きないこと、当初用意する金額が高くなることから一定以上の賃借人4が入居すること等を期待出来る。保証会社6としては、良好な賃借人4を確保することが出来、保証を実行する可能性が低くなり、結果的に収益が上がる。
【0060】
情報処理装置100において、行動情報取得部1は、行動情報40に基づいて賃借人4の信用度43を設定し、還付額設定部3は、行動情報40に基づいて設定された賃借人4の信用度43に応じて還付額31を設定する。
【0061】
賃借人4の信用度43を基に、賃借人4の信用度43が低ければ低い還付額31が設定されるので、賃借人4の納得性が得られ、且つ、保証会社6の債務保証リスクが軽減される。
【0062】
情報処理装置100の具備する保証料取得部2は、賃借人4の行動情報40を反映して保証料21を設定する。
【0063】
賃借人4の行動が好ましくない場合には保証料21が高くなり、賃借人4の保証料21についての納得性が得られ、行動が好ましい賃借人4のみが保証会社6の顧客となり、保証会社6の債務保証リスクが軽減される。
【0064】
情報処理装置100において、賃借人4の行動情報40には、賃借人4の入退居に関する入退居情報が含まれる。
【0065】
入退居時にトラブルが発生することが多いが、その情報が取り込まれることにより、賃借人4の保証料21についての納得性が得られ、行動が好ましい賃借人4のみが保証会社6の顧客となり、保証会社6の債務保証リスクが軽減される。
【0066】
情報処理装置100において、賃借人4の行動情報40には、賃借人4が賃借する不動産との賃貸借契約に関する賃貸借契約情報7が含まれる。
【0067】
過去の賃貸借契約情報7は、賃貸借契約が何時どのようになされてきたか、連帯保証人が過去どのように設定されていたか等の情報が含まれ、賃借人4の保証料21についての納得性が得られ、行動が好ましい賃借人4のみが保証会社6の顧客となり、保証会社6の債務保証リスクが軽減される。
【0068】
情報処理装置100が備える行動情報40には、賃借人4の賃貸借開始後の行動に関する生活情報が含まれる。
【0069】
近隣との関係、部屋の使用態様、清潔に整頓されて使用されていたか等の生活情報を契約更新時に配慮することが出来、賃借人4の還付額31についての納得性が得られ、行動が好ましい賃借人4のみが保証会社6の顧客となり、保証会社6の債務保証リスクが軽減される。
【0070】
情報処理装置100が備える行動情報40には、賃借人4が現在又は過去に所属する団体が含まれる。
【0071】
団体の知名度、社会的評価、信用度を加味して、賃借人4の信用度43を推認することが出来る。
【0072】
債務保証管理情報処理プログラムは、賃借人4の行動履歴を示す行動情報40を取得する行動情報取得機能と、賃借人4が賃借する不動産に基づいて設定される保証料21を取得する保証料取得機能と、保証料21と賃貸借開始後の行動情報40に基づいて賃借人4に還付する還付額31を設定する還付額設定機能と、を備える。
【0073】
賃借人4としては、還付が期待されるので、最初に支払う額が高くとも実際にかかる費用を低く想定して住宅の賃借計画を立てることが出来る。賃貸人5としては、還付を想定して賃借人4が賃借すること、賃借人4が部屋を汚損しないこと、近隣とのトラブルが起きないこと、当初用意する金額が高くなることから一定以上の賃借人4が入居すること等を期待出来る。保証会社6としては、良好な賃借人4を確保することが出来、保証を実行する可能性が低くなり、結果的に収益が上がる。
【0074】
債務保証管理情報処理方法は、賃借人4の行動履歴を示す行動情報40を取得する行動情報取得ステップと、賃借人4が賃借する不動産に基づいて設定される保証料21を取得する保証料取得ステップと、保証料21と賃貸借開始後の行動情報42に基づいて賃借人に還付する還付額31を設定する還付額設定ステップと、を備える。
【0075】
賃借人4としては、還付が期待されるので、最初に支払う額が高くとも実際にかかる費用を低く想定して住宅の賃借計画を立てることが出来る。賃貸人5としては、還付を想定して賃借人4が賃借すること、賃借人4が部屋を汚損しないこと、近隣とのトラブルが起きないこと、当初用意する金額が高くなることから一定以上の賃借人4が入居すること等を期待出来る。保証会社6としては、良好な賃借人4を確保することが出来、保証を実行する可能性が低くなり、結果的に収益が上がる。
【符号の説明】
【0076】
1 行動情報取得部、2 保証料取得部、3 還付額設定部、4 賃借人、5 賃貸人、6 保証会社、7 契約情報、21 保証料、31 還付額、40 行動情報、41 賃貸借開始前の行動情報、42 賃貸借開始後の行動情報、43 賃借人の信用度、44 賃借人の入退居情報、100 情報処理装置、101 入出力部、102 通信部、103 プロセッサ、104 ROM、105 RAM、106 バス、107 入出力インターフェース、200 情報格納装置、300 外部機関、400 ユーザ端末、500 通信回線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20