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  • 特許-掛け軸展示具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-07
(45)【発行日】2024-02-16
(54)【発明の名称】掛け軸展示具
(51)【国際特許分類】
   A47G 1/16 20060101AFI20240208BHJP
   A47G 1/00 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
A47G1/16 J
A47G1/00 101B
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022005917
(22)【出願日】2022-01-18
(65)【公開番号】P2023104741
(43)【公開日】2023-07-28
【審査請求日】2022-11-21
(73)【特許権者】
【識別番号】595108631
【氏名又は名称】市川 定
(73)【特許権者】
【識別番号】520176876
【氏名又は名称】市川 勉
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】市川 定
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】実公昭50-022952(JP,Y1)
【文献】特開2012-020086(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 1/00-1/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面状の展示部と
記展示部の裏面に設けられ、掛け軸の上端を巻き込んだ上側巻込部を固定する第1固定部および掛け軸の下端を巻き込んだ下側巻込部を固定する第2固定部と、を備え
前記第1固定部および前記第2固定部は、下方に向かって凸に湾曲する湾曲形状であり、折り曲げ自在に構成され、前記第1固定部の上部に載置された前記上側巻込部および前記第2固定部の上部に載置された前記下側巻込部を抱え込むように折り曲げられて、掛け軸の上端及び下端を固定することを特徴とする掛け軸展示具。
【請求項2】
平面状の展示部と
記展示部の裏面に設けられ、掛け軸の上端に設けられた掛緒または巻緒を固定する第1固定部および掛け軸の下端を巻き込んだ下側巻込部を固定する第2固定部と、を備え
前記第2固定部は、下方に向かって凸に湾曲する湾曲形状であり、折り曲げ自在に構成され、前記第2固定部の上部に載置された前記下側巻込部を抱え込むように折り曲げられて、掛け軸の下端を固定することを特徴とする掛け軸展示具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に掛け軸を展示するための掛け軸展示具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、掛け軸は床の間に飾られて鑑賞されるものである。しかしながら、近年では床の間のない家が増えており、家庭で掛け軸を飾る機会が失われつつある。また、掛け軸は、季節や行事ごとに作品を掛け替えることでその風情を味わうものであるが、掛け替え作業の煩わしさのために飾られることが少なくなっている。
【0003】
そのため、掛け軸を額に入れ、洋室等にも簡単に飾れるように表装する人もいる。また、例えば、特許文献1及び2に開示されているように、作品の架け換え作業が容易な掛け軸も知られている。特許文献1には、色紙や短冊等の展示作品を、複数の掛止紐によって掛け軸本体の表面に係止することで、容易に交換可能な主題交換用の掛け軸が開示されている。特許文献2には、展示作品の裏面にスチール薄板を貼付し、掛け軸本体に配設された磁石部材に磁着できるように構成された展示作品の交換が容易な掛け軸が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-321254号公報
【文献】特開2006-000578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
もとより掛け軸であったものを、額装に仕立てる、または、特許文献1および特許文献2のような形態にするためには、本紙と呼ばれる作品部分を掛け軸本体から切り離さなければならない。掛け軸には、歴史上の偉人や著名人が手掛けた貴重なものも多くある。作品部分を掛け軸本体から切り離すと、作品部分を損傷させたり、掛け軸自体の価値を低下させたりするおそれがあるため、掛け軸を加工して額装や特許文献1および特許文献2の掛け軸に適用させることは好ましくない。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、掛け軸自体に加工を施すことなく、様々な場所において掛け軸を容易に展示可能にするとともに、掛け軸の掛け替えも容易にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1の発明は、平面状の展示部と、前記展示部の上端部から裏側へ延びるとともに、上方に向かって凸に湾曲する上側湾曲部と、前記展示部の下端部から裏側へ延びるとともに、下方に向かって凸に湾曲する下側湾曲部と、前記展示部の裏面に設けられ、掛け軸の上端を巻き込んだ上側巻込部を固定する第1固定部および掛け軸の下端を巻き込んだ下側巻込部を固定する第2固定部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、掛け軸の上端と下端をそれぞれ巻き込んで、作品部分が主に露出するように掛け軸の長さを調節して掛け軸展示具へ容易に装着することができる。掛け軸自体には加工を施すことなく容易に床の間以外の場所にも展示することが可能となり、その掛け替え作業も容易である。
【0009】
掛け軸展示具の上端と下端には、上側湾曲部と下側湾曲部が形成されていることで、掛け軸を痛めることなく、上端と下端を掛け軸展示具の表側から裏側へ掛け回すことが可能となる。また、特に掛け軸のような長尺の展示物は鉛直方向にズレなく展示することが難しいが、掛け軸を上側湾曲部と下側湾曲部に沿わせることで、掛け軸展示具に対して、掛け軸を平行に装着することが容易となる。掛け軸に弛みや拠れを生じさせにくくする効果も得られるので、長尺の展示物を容易に美しく展示することが可能となる。
【0010】
また、この構成は、掛け軸の上端と下端を、展示部の裏面に設けられた第1固定部と第2固定部において固定するため、固定部が展示部に隠れ、表側はすっきりとした外観が得られる。そのため、額縁のような枠体を必要とせず、コストも低減できる。額縁によって本来の掛け軸の風情を損なうおそれもない。
【0011】
第2の発明は、第1の発明において、前記第1固定部および前記第2固定部は、下方に向かって凸に湾曲する湾曲形状であり、折り曲げ自在に構成され、前記第1固定部の上部に載置された前記上側巻込部および前記第2固定部の上部に載置された前記下側巻込部を抱え込むように折り曲げられて、掛け軸の上端及び下端を固定することを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、第1固定部と第2固定部を折り曲げることで掛け軸の上端及び下端を固定できるので、より容易に掛け軸を掛け軸展示具へ装着することが可能となる。
【0013】
第3の発明は、平面状の展示部と、前記展示部の上端部から裏側へ延びるとともに、上方に向かって凸に湾曲する上側湾曲部と、前記展示部の下端部から裏側へ延びるとともに、下方に向かって凸に湾曲する下側湾曲部と、前記展示部の裏面に設けられ、掛け軸の上端に設けられた掛緒または巻緒を固定する第1固定部および掛け軸の下端を巻き込んだ下側巻込部を固定する第2固定部と、を備えることを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、掛け軸の上端は掛緒または巻緒を第1固定部へ固定し、掛け軸の下端は巻き込んで第2固定部に固定することで、作品部分が主に露出するように掛け軸の長さを調節して掛け軸展示具へ容易に装着することができる。掛け軸自体には加工を施すことなく容易に床の間以外の場所にも展示することが可能となり、その掛け替え作業も容易である。
【0015】
掛け軸展示具の上端と下端には、上側湾曲部と下側湾曲部が形成されていることで、掛け軸を痛めることなく、上端と下端を掛け軸展示具の表側から裏側へ掛け回すことが可能となる。また、掛け軸を上側湾曲部と下側湾曲部に沿わせることで、掛け軸展示具に対して、掛け軸を平行に装着することが容易となり、掛け軸に弛みや拠れを生じさせにくくする効果も得られ、容易に美しく展示することが可能となる。
【0016】
また、この構成は、掛け軸の上端と下端を、展示部の裏面に設けられた第1固定部と第2固定部において固定するため、固定部が展示部に隠れ、表側はすっきりとした外観が得られる。そのため、額縁のような枠体を必要とせず、経済的である。額縁によって本来の掛け軸の風情を損なうおそれもない。
【0017】
第4の発明は、第3の発明において、前記第2固定部は、下方に向かって凸に湾曲する湾曲形状であり、折り曲げ自在に構成され、前記第2固定部の上部に載置された前記下側巻込部を抱え込むように折り曲げられて、掛け軸の下端を固定することを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、第2固定部を折り曲げることで掛け軸の下端を固定できるので、より容易に掛け軸を掛け軸展示具へ装着することが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、掛け軸自体に加工を施すことなく、様々な場所において掛け軸を容易に展示可能にするとともに、掛け軸の掛け替えも容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】第1実施形態に係る掛け軸展示具に掛け軸を装着した正面図である。
図2】第1実施形態に係る掛け軸展示具の側面図である。
図3】第1実施形態に係る掛け軸展示具に掛け軸を装着した背面図である。
図4】第1実施形態に係る掛け軸展示具に掛け軸を装着した側面図である。
図5】第2実施形態に係る掛け軸展示具に掛け軸を装着した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。例えば、本実施形態において、掛け軸展示具とは、主に掛け軸を展示するためのものであるが、展示する対象物は掛け軸のみに限定されず、長尺の展示物であって上端と下端を巻き込むことが可能なものであれば適用可能である。
【0022】
(第1実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係る掛け軸展示具1に掛け軸2を装着した正面図であり、図2は、本発明の実施形態に係る掛け軸展示具の側面図である。図1及び図2に示すように、掛け軸展示具1は、平面状の展示部3を有する。展示部3は、掛け軸2の作品部分21よりもやや大きい長方形状である。展示部3には、各種板材を使用することができるが、例えば薄い金属板を用いることができる。展示部3は、表面全体に、滑り止め材4を備える。
【0023】
滑り止め材4は、展示部3の表側に当接する掛け軸2の滑り止めの役割を担う。滑り止め材4は、例えば、表面に細かい凹凸を有する和紙であってもよい。滑り止め材4に和紙を用いることで、展示部3の表面を様々な色合いに装飾することも可能となる。
【0024】
展示部3の上端部には、上側湾曲部5が形成されている。上側湾曲部5は、展示部3の上端部から裏側へ延びるとともに、上方に向かって凸に湾曲している。また、展示部3の下端部には、下側湾曲部6が形成されている。下側湾曲部6は、展示部3の下端部から裏側へ延びるとともに、下方に向かって凸に湾曲している。
【0025】
上側湾曲部5の上端及び下側湾曲部6の下端は、展示部3の長手方向に対して垂直に延びており、互いに平行である。上側湾曲部5及び下側湾曲部6は、掛け軸2を沿わせても掛け軸2に折り目のような跡が残らない程度の湾曲形状であり、例えば、掛け軸2の軸木の半径よりも大きい曲率半径を有する曲面として形成されていることが好ましい。また、上側湾曲部5と下側湾曲部6は本実施形態のように、展示部3と一体的に形成されていてもよいし、展示部3とは別の部材によって形成されていてもよい。
【0026】
上側湾曲部5の下部には、左右方向に延びる紐通し部7aが設けられている。紐通し部7aに掛け紐7を通すことによって、掛け軸展示具1を壁等に掛けて、掛け軸2を縦方向に展示することができる。
【0027】
展示部3の裏面には、第1固定部8と第2固定部が設けられている。第1固定部8は、上側湾曲部5のやや下方に設けられている。本実施形態においては、下側湾曲部6が第2固定部の役割を担うことができるが、下側湾曲部6とは別の部材として第2固定部が下側湾曲部6の上方に設けられていてもよい。
【0028】
第1固定部8と第2固定部(下側湾曲部)6は、下方に向かって凸に湾曲する湾曲形状であり、その上部、つまり湾曲形状の内周側に、掛け軸2の上側巻込部2aまたは下側巻込部2bを載置可能、かつ、折り曲げ自在に構成されている。第1固定部8と第2固定部6は工具を用いずに手で簡単に折り曲げられるものが好ましく、例えば、折り曲げ可能なアルミニウムや錫等の薄い金属製の板材を使用することができる。
【0029】
展示部3の表面には、掛け軸2の上からカバー材9を取り付けてもよい。カバー材9は掛け軸2の作品部分21を覆うほどの大きさの薄い透明な板であり、例えば、アクリル板を使用することができる。カバー材9及び展示部3には、複数の挿通孔11が設けられており、挿通孔11にネジを通すことによって、カバー材9を展示部3に固定することができる。カバー材9を取り付けることによって、掛け軸2の露出部分を保護することが可能となる。
【0030】
カバー材9は掛け軸以外の表装されていない展示物、例えば、絵画、書画、手紙等を、掛け軸展示具1によって展示することも可能にする。滑り止め材4とカバー材9とで、展示物を挟み込むことにより、展示物を掛け軸展示具1の表面に固定することができるため、掛け軸だけでなく様々な展示物を展示することが可能となる。
【0031】
図3は、本発明の実施形態に係る掛け軸展示具に掛け軸を装着した背面図である。掛け軸展示具1に装着された掛け軸2は、図1から図3のように、長手方向が上下方向となるような縦方向の展示だけでなく、長手方向が左右方向となるような横方向の展示をすることも可能である。
【0032】
図3に示すように、展示部3の裏面の側端部には、横吊部12が上下2箇所に設けられている。横吊部12は、左右方向に延び、左右方向にスライド可能である。横吊部12は、展示部3の外側に位置する先端部に、掛け紐7を通すことが可能な紐通し部7aを有する。横吊部12は、上下方向に延びるスライド部13に沿って上下方向にスライド可能に取り付けられている。横吊部12は上下左右にスライド可能に展示部3へ取り付けられることにより、展示部3を横方向に展示する際に、掛け紐7の長さやバランスを調整することが可能である。
【0033】
また、掛け軸展示具1は、掛け紐7によって壁等に掛けて展示するだけでなく、展示部3に脚部を取り付けることにより、自立可能に構成してもよい。
【0034】
次に、本発明の実施形態に係る掛け軸展示具1に掛け軸2を装着し、壁に掛けて展示する際の手順の一例を、図4に基づいて説明する。図4は、本発明の実施形態に係る掛け軸展示具1に掛け軸2を装着した側面図である。
【0035】
掛け軸2の上端には、八双と呼ばれる断面半月状の棒材23が左右方向に延びている。この棒材23を芯に、作品部分21よりも上側の掛け軸本体22を巻き込んで上側巻込部2aとする。
【0036】
作品部分21が展示部3の表側に位置するように掛け軸2を掛け軸展示具1に沿って配置する。掛け軸2の作品部分21よりも上部は、上側湾曲部5に沿わせながら展示部3の表側から裏側へ掛け回す。そして、上側巻込部2aを第1固定部8の上部に載置し、第1固定部8を表側へ向かって折り曲げる。上側巻込部2aは、折り曲げられた第1固定部8によって抱え込まれるように、展示部3の裏面に固定される。
【0037】
掛け軸2の下端には、軸木と呼ばれる円柱状の棒材24が左右方向に延びている。この棒材24を芯に、作品部分21よりも下側の掛け軸本体22を巻き込んで下側巻込部2bとする。
【0038】
掛け軸2の作品部分21よりも下部は、下側湾曲部6に沿わせながら展示部3の表側から裏側へ掛け回す。そして、下側巻込部2bを下側湾曲部6の上部に載置し、下側湾曲部6を表側へ向かって折り曲げる。下側巻込部2bは、折り曲げられた下側湾曲部6によって抱え込まれるように、展示部3の裏面に固定される。
【0039】
作品部分21の上からカバー材9を配置し、カバー材9を展示部3にネジ止めする。そして、上側湾曲部5の下部に設けられた紐通し部7aに掛け紐7を通して、掛け軸展示具1を壁等に掛けることができる。
【0040】
(作用効果)
以上説明したように、このような構成によれば、掛け軸2の上端と下端をそれぞれ巻き込んで、作品部分21が主に露出するように掛け軸2の長さを調節して掛け軸展示具1へ容易に装着し、展示することができる。掛け軸2自体には加工を施すことなく容易に床の間以外の場所にも展示することが可能となり、その掛け替え作業も容易である。
【0041】
掛け軸展示具1の上端と下端には、上側湾曲部5と下側湾曲部6が形成されていることで、掛け軸2を痛めることなく、上端と下端を掛け軸展示具1の表側から裏側へ掛け回すことが可能となる。また、特に掛け軸2のような長尺の展示物は鉛直方向にズレなく展示することが難しいが、掛け軸2を上側湾曲部5と下側湾曲部6に沿わせることで、掛け軸展示具1に対して、掛け軸2を平行に装着することが容易となり、掛け軸2に弛みや拠れを生じさせにくくする効果も得られ、容易に美しく展示することが可能となる。
【0042】
また、掛け軸展示具1は、掛け軸2の上端と下端を、展示部3の裏面に設けられた第1固定部8と第2固定部6において固定する。第1固定部8及び第2固定部6は展示部3に隠れるので、表側はすっきりとした外観が得られる。そのため、額縁のような枠体を必要とせず、コストも低減できる。額縁によって本来の掛け軸の風情を損なうおそれもない。
【0043】
(第2実施形態)
次に、掛け軸展示具の第2実施形態について、図5に基づいて説明する。図5は、第2実施形態に係る掛け軸展示具10に掛け軸2を装着した側面図である。以下の説明において、上記第1実施形態と同様の部材については同じ符号を用い、その説明は省略する。
【0044】
上記第1実施形態において第1固定部は、下方に向かって凸に湾曲する湾曲形状であり、折り曲げ自在に構成され、掛け軸2の上側湾曲部5を載置する構成であったが、第1固定部は、掛け軸2の上端に設けられた掛緒または巻緒を固定する構成とすることもできる。
【0045】
図5に示すように、第2実施形態の第1固定部14は、展示部3の裏面に設けられ、掛け軸2の上端に設けられた掛緒または巻緒25を張った状態で結びつけて固定することが可能な突出部である。第1固定部14は、図5に示す形態に限定されず、例えば、掛緒または巻緒25とともに結ぶことのできる結び紐であってもよい。
【0046】
第1固定部14をこのような構成とすれば、掛け軸2の上端は巻き込む必要がなく、掛緒または巻緒25を展示部3の裏側へ引き込み、張った状態で第1固定部14において固定するだけでよいので、掛け軸展示具10へ掛け軸2を装着するのがより容易となる。また第1実施形態の作用効果も同様に得ることができる。
【0047】
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0048】
以上説明したように、本発明に係る掛け軸展示具は、掛け軸自体に加工を施すことなく、様々な場所において掛け軸を容易に展示可能にするとともに、掛け軸の掛け替えも容易にすることができる。
【符号の説明】
【0049】
1,10 掛け軸展示具
2 掛け軸
2a 上側巻込部
2b 下側巻込部
3 展示部
4 滑り止め材
5 上側湾曲部
6 下側湾曲部(第2固定部)
7 掛け紐
8,14 第1固定部
9 カバー材
11 挿通孔
12 横吊部
13 スライド部
21 作品部分
22 掛け軸本体
23 棒材(八双)
24 棒材(軸木)
25 掛緒又は巻緒
図1
図2
図3
図4
図5