(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-07
(45)【発行日】2024-02-16
(54)【発明の名称】特装車活動判断装置及び特装車活動判断プログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20240208BHJP
A62C 27/00 20060101ALN20240208BHJP
【FI】
G08G1/00 D
A62C27/00
(21)【出願番号】P 2020046706
(22)【出願日】2020-03-17
【審査請求日】2023-02-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000192073
【氏名又は名称】株式会社モリタホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100098545
【氏名又は名称】阿部 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100189717
【氏名又は名称】太田 貴章
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 大貴
(72)【発明者】
【氏名】山田 晃久
(72)【発明者】
【氏名】吉村 一幸
(72)【発明者】
【氏名】箕浦 勝彦
(72)【発明者】
【氏名】元野 等
(72)【発明者】
【氏名】田中 洋
【審査官】小林 勝広
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-032178(JP,A)
【文献】特開2003-242591(JP,A)
【文献】特開2000-222691(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62C 2/00-99/00
G06Q 10/00-10/30、30/00-30/08、
50/00-50/20、50/26-99/00
G08G 1/00-99/00
G16Z 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特装車を用いて行われた活動の種類を前記特装車の移動履歴データ及び前記特装車に搭載されている設備の稼働履歴データを基に判断する活動判断手段と、
前記活動判断手段の判断結果に基づき前記活動の種類と内容を含む活動データを生成する活動データ生成手段とを備え
、
前記活動判断手段は、前記活動に含まれる行動の種類と前記活動の種類との対応情報を記憶する記憶手段と、前記特装車を用いて行われた前記行動の種類及び内容を前記移動履歴データ及び前記稼働履歴データを基に判断する行動判断手段とを備え、前記行動判断手段で得られた前記行動を前記対応情報に基づいて前記活動のいずれか一つに振り分け、振り分け先となった前記活動が前記特装車を用いて行われた前記活動の種類であると判断し、
前記活動データ生成手段は、前記活動データのうち前記活動の内容を、振り分けられている前記行動の内容に基づいて生成し、
前記行動判断手段は、前記移動履歴データに、拠点以外の地点において所定時間以上停車した履歴が含まれる場合、前記行動は滞在行動であると判断することを特徴とする特装車活動判断装置。
【請求項2】
特装車を用いて行われた活動の種類を前記特装車の移動履歴データ及び前記特装車に搭載されている設備の稼働履歴データを基に判断する活動判断手段と、
前記活動判断手段の判断結果に基づき前記活動の種類と内容を含む活動データを生成する活動データ生成手段とを備え、
前記活動判断手段は、前記活動に含まれる行動の種類と前記活動の種類との対応情報を記憶する記憶手段と、前記特装車を用いて行われた前記行動の種類及び内容を前記移動履歴データ及び前記稼働履歴データを基に判断する行動判断手段とを備え、前記行動判断手段で得られた前記行動を前記対応情報に基づいて前記活動のいずれか一つに振り分け、振り分け先となった前記活動が前記特装車を用いて行われた前記活動の種類であると判断し、
前記活動データ生成手段は、前記活動データのうち前記活動の内容を、振り分けられている前記行動の内容に基づいて生成し、
前記特装車が前記設備としてPTOを備えており、
前記行動判断手段は
、前記稼働履歴データに、拠点以外の地点におい
て前記PTOがオンになった履歴が含まれる場合、前記行動は滞在行動であると判断することを特徴とす
る特装車活動判断装置。
【請求項3】
特装車を用いて行われた活動の種類を前記特装車の移動履歴データ及び前記特装車に搭載されている設備の稼働履歴データを基に判断する活動判断手段と、
前記活動判断手段の判断結果に基づき前記活動の種類と内容を含む活動データを生成する活動データ生成手段とを備え、
前記活動判断手段は、前記活動に含まれる行動の種類と前記活動の種類との対応情報を記憶する記憶手段と、前記特装車を用いて行われた前記行動の種類及び内容を前記移動履歴データ及び前記稼働履歴データを基に判断する行動判断手段とを備え、前記行動判断手段で得られた前記行動を前記対応情報に基づいて前記活動のいずれか一つに振り分け、振り分け先となった前記活動が前記特装車を用いて行われた前記活動の種類であると判断し、
前記活動データ生成手段は、前記活動データのうち前記活動の内容を、振り分けられている前記行動の内容に基づいて生成し、
前記行動判断手段は、拠点を出発して前記拠点に帰着する間の前記移動履歴デー
タに、所定時間以上停車し
た履歴が含まれない場合、前記行動は巡回行動であると判断することを特徴とす
る特装車活動判断装置。
【請求項4】
特装車を用いて行われた活動の種類を前記特装車の移動履歴データ及び前記特装車に搭載されている設備の稼働履歴データを基に判断する活動判断手段と、
前記活動判断手段の判断結果に基づき前記活動の種類と内容を含む活動データを生成する活動データ生成手段とを備え、
前記活動判断手段は、前記活動に含まれる行動の種類と前記活動の種類との対応情報を記憶する記憶手段と、前記特装車を用いて行われた前記行動の種類及び内容を前記移動履歴データ及び前記稼働履歴データを基に判断する行動判断手段とを備え、前記行動判断手段で得られた前記行動を前記対応情報に基づいて前記活動のいずれか一つに振り分け、振り分け先となった前記活動が前記特装車を用いて行われた前記活動の種類であると判断し、
前記活動データ生成手段は、前記活動データのうち前記活動の内容を、振り分けられている前記行動の内容に基づいて生成し、
前記特装車が前記設備としてPTOを備えており、
前記行動判断手段は、拠点を出発して前記拠点に帰着する間
の前記稼働履歴データに
、前記PTOがオンになった履歴が含まれない場合、前記行動は巡回行動であると判断することを特徴とす
る特装車活動判断装置。
【請求項5】
前記記憶手段は、前記行動を前記活動に振り分ける際の優先順位情報を記憶し、
前記活動判断手段は、複数の前記活動に振り分け可能である前記行動を、前記優先順位情報に基づいて前記活動のいずれか一つに振り分けることを特徴とする請求項
1から請求項4のいずれか一項に記載の特装車の特装車活動判断装置。
【請求項6】
前記行動判断手段は、前記特装車の速度が所定速度未満となった地点を基準地点とし、前記特装車が前記所定時間内に前記基準地点から所定範囲内に留まっていた場合は、前記所定時間以上停車したと判定することを特徴とする請求項
1又は請求項
3に記載の特装車活動判断装置。
【請求項7】
特装車を用いて行われた活動の種類を前記特装車の移動履歴データ及び前記特装車に搭載されている設備の稼働履歴データを基に判断する活動判断手段と、
前記活動判断手段の判断結果に基づき前記活動の種類と内容を含む活動データを生成する活動データ生成手段とを備え、
前記活動判断手段は、前記活動に含まれる行動の種類と前記活動の種類との対応情報を記憶する記憶手段と、前記特装車を用いて行われた前記行動の種類及び内容を前記移動履歴データ及び前記稼働履歴データを基に判断する行動判断手段とを備え、前記行動判断手段で得られた前記行動を前記対応情報に基づいて前記活動のいずれか一つに振り分け、振り分け先となった前記活動が前記特装車を用いて行われた前記活動の種類であると判断し、
前記活動データ生成手段は、前記活動データのうち前記活動の内容を、振り分けられている前記行動の内容に基づいて生成し、
前記特装車が前記設備として真空ポンプを有する放水装置を備えており、
前記行動判断手段は、前記稼働履歴データに、前記放水装置から放水された履歴が含まれる場合、前記行動は放水行動であると判断し、前記放水装置から放水された履歴が含まれず前記真空ポンプのテスト履歴が含まれる場合、前記行動は真空ポンプテスト行動であると判断することを特徴とす
る特装車活動判断装置。
【請求項8】
前記活動データを基に前記活動の種類と内容が記載された報告書を生成する報告書生成手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の特装車活動判断装置。
【請求項9】
特装車を用いて行われた活動の種類を前記特装車の移動履歴データ及び前記特装車に搭載されている設備の稼働履歴データを基に判断する活動判断ステップと、
前記活動判断ステップでの判断結果に基づき前記活動の種類と内容を含む活動データを生成する活動データ生成ステップとを備え
、
前記活動判断ステップは、前記活動に含まれる行動の種類と前記活動の種類との対応情報を取得する情報取得ステップと、前記特装車を用いて行われた前記行動の種類及び内容を前記移動履歴データ及び前記稼働履歴データを基に判断する行動判断ステップとを備え、前記行動判断ステップで得られた前記行動を前記対応情報に基づいて前記活動のいずれか一つに振り分け、振り分け先となった前記活動が前記特装車を用いて行われた前記活動の種類であると判断し、
前記活動データ生成ステップでは、前記活動データのうち前記活動の内容を、振り分けられている前記行動の内容に基づいて生成し、
前記行動判断ステップにおいて、前記移動履歴データに、拠点以外の地点において所定時間以上停車した履歴が含まれる場合、前記行動は滞在行動であると判断することを特徴とする特装車活動判断プログラム。
【請求項10】
特装車を用いて行われた活動の種類を前記特装車の移動履歴データ及び前記特装車に搭載されている設備の稼働履歴データを基に判断する活動判断ステップと、
前記活動判断ステップでの判断結果に基づき前記活動の種類と内容を含む活動データを生成する活動データ生成ステップとを備え、
前記活動判断ステップは、前記活動に含まれる行動の種類と前記活動の種類との対応情報を取得する情報取得ステップと、前記特装車を用いて行われた前記行動の種類及び内容を前記移動履歴データ及び前記稼働履歴データを基に判断する行動判断ステップとを備え、前記行動判断ステップで得られた前記行動を前記対応情報に基づいて前記活動のいずれか一つに振り分け、振り分け先となった前記活動が前記特装車を用いて行われた前記活動の種類であると判断し、
前記活動データ生成ステップでは、前記活動データのうち前記活動の内容を、振り分けられている前記行動の内容に基づいて生成し、
前記特装車が前記設備としてPTOを備えており、
前記行動判断ステップにおいて
、前記稼働履歴データに、拠点以外の地点におい
て前記PTOがオンになった履歴が含まれる場合、前記行動は滞在行動であると判断することを特徴とす
る特装車活動判断プログラム。
【請求項11】
特装車を用いて行われた活動の種類を前記特装車の移動履歴データ及び前記特装車に搭載されている設備の稼働履歴データを基に判断する活動判断ステップと、
前記活動判断ステップでの判断結果に基づき前記活動の種類と内容を含む活動データを生成する活動データ生成ステップとを備え、
前記活動判断ステップは、前記活動に含まれる行動の種類と前記活動の種類との対応情報を取得する情報取得ステップと、前記特装車を用いて行われた前記行動の種類及び内容を前記移動履歴データ及び前記稼働履歴データを基に判断する行動判断ステップとを備え、前記行動判断ステップで得られた前記行動を前記対応情報に基づいて前記活動のいずれか一つに振り分け、振り分け先となった前記活動が前記特装車を用いて行われた前記活動の種類であると判断し、
前記活動データ生成ステップでは、前記活動データのうち前記活動の内容を、振り分けられている前記行動の内容に基づいて生成し、
前記行動判断ステップにおいて、拠点を出発して前記拠点に帰着する間の前記移動履歴デー
タに、所定時間以上停車し
た履歴が含まれない場合、前記行動は巡回行動であると判断することを特徴とす
る特装車活動判断プログラム。
【請求項12】
特装車を用いて行われた活動の種類を前記特装車の移動履歴データ及び前記特装車に搭載されている設備の稼働履歴データを基に判断する活動判断ステップと、
前記活動判断ステップでの判断結果に基づき前記活動の種類と内容を含む活動データを生成する活動データ生成ステップとを備え、
前記活動判断ステップは、前記活動に含まれる行動の種類と前記活動の種類との対応情報を取得する情報取得ステップと、前記特装車を用いて行われた前記行動の種類及び内容を前記移動履歴データ及び前記稼働履歴データを基に判断する行動判断ステップとを備え、前記行動判断ステップで得られた前記行動を前記対応情報に基づいて前記活動のいずれか一つに振り分け、振り分け先となった前記活動が前記特装車を用いて行われた前記活動の種類であると判断し、
前記活動データ生成ステップでは、前記活動データのうち前記活動の内容を、振り分けられている前記行動の内容に基づいて生成し、
前記特装車が前記設備としてPTOを備えており、
前記行動判断ステップにおいて、拠点を出発して前記拠点に帰着する間
の前記稼働履歴データに
、前記PTOがオンになった履歴が含まれない場合、前記行動は巡回行動であると判断することを特徴とす
る特装車活動判断プログラム。
【請求項13】
前記情報取得ステップにおいて、前記行動を前記活動に振り分ける際の優先順位情報を取得し、
前記活動判断ステップにおいて、複数の前記活動に振り分け可能である前記行動を、前記優先順位情報に基づいて前記活動のいずれか一つに振り分けることを特徴とする請求項
9から請求項12のいずれか一項に記載の特装車活動判断プログラム。
【請求項14】
前記行動判断ステップにおいて、前記特装車の速度が所定速度未満となった地点を基準地点とし、前記特装車が前記所定時間内に前記基準地点から所定範囲内に留まっていた場合は、前記所定時間以上停車したと判定することを特徴とする請求項
9又は請求項
11に記載の特装車活動判断プログラム。
【請求項15】
特装車を用いて行われた活動の種類を前記特装車の移動履歴データ及び前記特装車に搭載されている設備の稼働履歴データを基に判断する活動判断ステップと、
前記活動判断ステップでの判断結果に基づき前記活動の種類と内容を含む活動データを生成する活動データ生成ステップとを備え、
前記活動判断ステップは、前記活動に含まれる行動の種類と前記活動の種類との対応情報を取得する情報取得ステップと、前記特装車を用いて行われた前記行動の種類及び内容を前記移動履歴データ及び前記稼働履歴データを基に判断する行動判断ステップとを備え、前記行動判断ステップで得られた前記行動を前記対応情報に基づいて前記活動のいずれか一つに振り分け、振り分け先となった前記活動が前記特装車を用いて行われた前記活動の種類であると判断し、
前記活動データ生成ステップでは、前記活動データのうち前記活動の内容を、振り分けられている前記行動の内容に基づいて生成し、
前記特装車が前記設備として真空ポンプを有する放水装置を備えており、
前記行動判断ステップにおいて、前記稼働履歴データに、前記放水装置から放水された履歴が含まれる場合、前記行動は放水行動であると判断し、前記放水装置から放水された履歴が含まれず前記真空ポンプのテスト履歴が含まれる場合、前記行動は真空ポンプテスト行動であると判断することを特徴とす
る特装車活動判断プログラム。
【請求項16】
前記活動データを基に前記活動の種類と内容が記載された報告書を生成する報告書生成ステップを備えることを特徴とする請求項9から請求項15のいずれか一項に記載の特装車活動判断プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消防車等の特装車を用いた活動の種類及び内容を判断する特装車活動判断装置及び特装車活動判断プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
火災現場での放水活動の後に作成される火災調査書類には、出動した消防車の走行距離、出動時刻、現着時刻、及び放水状況等が記載される。また、消防業務の一環として車両点検や巡回等の活動を行った場合は、その種類と内容が日報に記録される。火災調査書類や日報等の報告書に記載する情報は、乗員等が車両動態管理システム(AVM)のボタンを押すことで記録された時刻、乗員等が身に着けている時計、及び車両に搭載された操作盤の記録等から得られる。
ここで特許文献1には、特装車の操作を行ったときに操作種類データ作成手段による操作種類データの作成、車両位置検出手段による車両位置データの取得、及び撮影手段による電子画像データの取得を行って履歴データとして履歴保存手段に保存し、履歴保存手段に保存した履歴データを車両側送受信装置から通信ネットワークを介して端末機へ送信し、端末機で特装車の種類を選択すると、選択された種類の特装車の履歴データが各特装車の種類毎に異なる表示方法で表示される特装車運行管理システムが開示されている。
また特許文献2には、GPSより位置データを取得し、一定範囲内の位置に設定時間以上いた場合を目的地にいると判断し、目的地にいる滞在時間から目的地滞在データと日記やブログ等のフォーマットを作成する機能を有する携帯端末装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-113426号公報
【文献】特開2009-200698号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
乗員等による車両動態管理システムのボタンの押下、時計による時刻確認、又は操作盤に表示された情報の転記等といった人的操作が介在すると、記入漏れや転記間違い等のヒューマンエラーが発生し、報告書の正確性が損なわれる可能性がある。また、各情報が点在しているため、情報の収集に手間が掛かる。
【0005】
そこで本発明は、特装車を用いた活動の種類と内容を人的操作を介在することなく判断できる特装車活動判断装置及び特装車活動判断プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の本発明の特装車活動判断装置1は、特装車2を用いて行われた活動の種類を特装車2の移動履歴データ及び特装車2に搭載されている設備の稼働履歴データを基に判断する活動判断手段30と、活動判断手段30の判断結果に基づき活動の種類と内容を含む活動データを生成する活動データ生成手段40とを備え、活動判断手段30は、活動に含まれる行動の種類と活動の種類との対応情報を記憶する記憶手段10と、特装車2を用いて行われた行動の種類及び内容を移動履歴データ及び稼働履歴データを基に判断する行動判断手段20とを備え、行動判断手段20で得られた行動を対応情報に基づいて活動のいずれか一つに振り分け、振り分け先となった活動が特装車2を用いて行われた活動の種類であると判断し、活動データ生成手段40は、活動データのうち活動の内容を、振り分けられている行動の内容に基づいて生成し、行動判断手段20は、移動履歴データに、拠点以外の地点において所定時間以上停車した履歴が含まれる場合、行動は滞在行動であると判断することを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の本発明の特装車活動判断装置1は、特装車2を用いて行われた活動の種類を特装車2の移動履歴データ及び特装車2に搭載されている設備の稼働履歴データを基に判断する活動判断手段30と、活動判断手段30の判断結果に基づき活動の種類と内容を含む活動データを生成する活動データ生成手段40とを備え、活動判断手段30は、活動に含まれる行動の種類と活動の種類との対応情報を記憶する記憶手段10と、特装車2を用いて行われた行動の種類及び内容を移動履歴データ及び稼働履歴データを基に判断する行動判断手段20とを備え、行動判断手段20で得られた行動を対応情報に基づいて活動のいずれか一つに振り分け、振り分け先となった活動が特装車2を用いて行われた活動の種類であると判断し、活動データ生成手段40は、活動データのうち活動の内容を、振り分けられている行動の内容に基づいて生成し、特装車2が設備としてPTO2Cを備えており、行動判断手段20は、稼働履歴データに、拠点以外の地点においてPTO2Cがオンになった履歴が含まれる場合、行動は滞在行動であると判断することを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の本発明の特装車活動判断装置1は、特装車2を用いて行われた活動の種類を特装車2の移動履歴データ及び特装車2に搭載されている設備の稼働履歴データを基に判断する活動判断手段30と、活動判断手段30の判断結果に基づき活動の種類と内容を含む活動データを生成する活動データ生成手段40とを備え、活動判断手段30は、活動に含まれる行動の種類と活動の種類との対応情報を記憶する記憶手段10と、特装車2を用いて行われた行動の種類及び内容を移動履歴データ及び稼働履歴データを基に判断する行動判断手段20とを備え、行動判断手段20で得られた行動を対応情報に基づいて活動のいずれか一つに振り分け、振り分け先となった活動が特装車2を用いて行われた活動の種類であると判断し、活動データ生成手段40は、活動データのうち活動の内容を、振り分けられている行動の内容に基づいて生成し、行動判断手段20は、拠点を出発して拠点に帰着する間の移動履歴データに、所定時間以上停車した履歴が含まれない場合、行動は巡回行動であると判断することを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の本発明の特装車活動判断装置1は、特装車2を用いて行われた活動の種類を特装車2の移動履歴データ及び特装車2に搭載されている設備の稼働履歴データを基に判断する活動判断手段30と、活動判断手段30の判断結果に基づき活動の種類と内容を含む活動データを生成する活動データ生成手段40とを備え、活動判断手段30は、活動に含まれる行動の種類と活動の種類との対応情報を記憶する記憶手段10と、特装車2を用いて行われた行動の種類及び内容を移動履歴データ及び稼働履歴データを基に判断する行動判断手段20とを備え、行動判断手段20で得られた行動を対応情報に基づいて活動のいずれか一つに振り分け、振り分け先となった活動が特装車2を用いて行われた活動の種類であると判断し、活動データ生成手段40は、活動データのうち活動の内容を、振り分けられている行動の内容に基づいて生成し、特装車2が設備としてPTO2Cを備えており、行動判断手段20は、拠点を出発して拠点に帰着する間の稼働履歴データに、PTO2Cがオンになった履歴が含まれない場合、行動は巡回行動であると判断することを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の本発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の特装車活動判断装置1において、記憶手段10は、行動を活動に振り分ける際の優先順位情報を記憶し、活動判断手段30は、複数の活動に振り分け可能である行動を、優先順位情報に基づいて活動のいずれか一つに振り分けることを特徴とする。
【0011】
請求項6記載の本発明は、請求項1又は請求項3に記載の特装車活動判断装置1において、行動判断手段20は、特装車2の速度が所定速度未満となった地点を基準地点とし、特装車2が所定時間内に基準地点から所定範囲内に留まっていた場合は、所定時間以上停車したと判定することを特徴とする。
【0012】
請求項7記載の本発明の特装車活動判断装置1は、特装車2を用いて行われた活動の種類を特装車2の移動履歴データ及び特装車2に搭載されている設備の稼働履歴データを基に判断する活動判断手段30と、活動判断手段30の判断結果に基づき活動の種類と内容を含む活動データを生成する活動データ生成手段40とを備え、活動判断手段30は、活動に含まれる行動の種類と活動の種類との対応情報を記憶する記憶手段10と、特装車2を用いて行われた行動の種類及び内容を移動履歴データ及び稼働履歴データを基に判断する行動判断手段20とを備え、行動判断手段20で得られた行動を対応情報に基づいて活動のいずれか一つに振り分け、振り分け先となった活動が特装車2を用いて行われた活動の種類であると判断し、活動データ生成手段40は、活動データのうち活動の内容を、振り分けられている行動の内容に基づいて生成し、特装車2が設備として真空ポンプ2Aを有する放水装置2Bを備えており、行動判断手段20は、稼働履歴データに、放水装置2Bから放水された履歴が含まれる場合、行動は放水行動であると判断し、放水装置2Bから放水された履歴が含まれず真空ポンプ2Aのテスト履歴が含まれる場合、行動は真空ポンプテスト行動であると判断することを特徴とする。
【0013】
請求項8記載の本発明は、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の特装車活動判断装置1において、活動データを基に活動の種類と内容が記載された報告書を生成する報告書生成手段50を備えることを特徴とする。
【0014】
請求項9記載の本発明の特装車活動判断プログラムは、特装車2を用いて行われた活動の種類を特装車2の移動履歴データ及び特装車2に搭載されている設備の稼働履歴データを基に判断する活動判断ステップS3と、活動判断ステップS3での判断結果に基づき活動の種類と内容を含む活動データを生成する活動データ生成ステップS4とを備え、活動判断ステップS3は、活動に含まれる行動の種類と活動の種類との対応情報を取得する情報取得ステップS1と、特装車2を用いて行われた行動の種類及び内容を移動履歴データ及び稼働履歴データを基に判断する行動判断ステップS2とを備え、行動判断ステップS2で得られた行動を対応情報に基づいて活動のいずれか一つに振り分け、振り分け先となった活動が特装車2を用いて行われた活動の種類であると判断し、活動データ生成ステップS4では、活動データのうち活動の内容を、振り分けられている行動の内容に基づいて生成し、行動判断ステップS2において、移動履歴データに、拠点以外の地点において所定時間以上停車した履歴が含まれる場合、行動は滞在行動であると判断することを特徴とする。
【0015】
請求項10記載の本発明の特装車活動判断プログラムは、特装車2を用いて行われた活動の種類を特装車2の移動履歴データ及び特装車2に搭載されている設備の稼働履歴データを基に判断する活動判断ステップS3と、活動判断ステップS3での判断結果に基づき活動の種類と内容を含む活動データを生成する活動データ生成ステップS4とを備え、活動判断ステップS3は、活動に含まれる行動の種類と活動の種類との対応情報を取得する情報取得ステップS1と、特装車2を用いて行われた行動の種類及び内容を移動履歴データ及び稼働履歴データを基に判断する行動判断ステップS2とを備え、行動判断ステップS2で得られた行動を対応情報に基づいて活動のいずれか一つに振り分け、振り分け先となった活動が特装車2を用いて行われた活動の種類であると判断し、活動データ生成ステップS4では、活動データのうち活動の内容を、振り分けられている行動の内容に基づいて生成し、特装車2が設備としてPTO2Cを備えており、行動判断ステップS2において、稼働履歴データに、拠点以外の地点においてPTO2Cがオンになった履歴が含まれる場合、行動は滞在行動であると判断することを特徴とする。
【0016】
請求項11記載の本発明の特装車活動判断プログラムは、特装車2を用いて行われた活動の種類を特装車2の移動履歴データ及び特装車2に搭載されている設備の稼働履歴データを基に判断する活動判断ステップS3と、活動判断ステップS3での判断結果に基づき活動の種類と内容を含む活動データを生成する活動データ生成ステップS4とを備え、活動判断ステップS3は、活動に含まれる行動の種類と活動の種類との対応情報を取得する情報取得ステップS1と、特装車2を用いて行われた行動の種類及び内容を移動履歴データ及び稼働履歴データを基に判断する行動判断ステップS2とを備え、行動判断ステップS2で得られた行動を対応情報に基づいて活動のいずれか一つに振り分け、振り分け先となった活動が特装車2を用いて行われた活動の種類であると判断し、活動データ生成ステップS4では、活動データのうち活動の内容を、振り分けられている行動の内容に基づいて生成し、行動判断ステップS2において、拠点を出発して拠点に帰着する間の移動履歴データに、所定時間以上停車した履歴が含まれない場合、行動は巡回行動であると判断することを特徴とする。
【0017】
請求項12記載の本発明の特装車活動判断プログラムは、特装車2を用いて行われた活動の種類を特装車2の移動履歴データ及び特装車2に搭載されている設備の稼働履歴データを基に判断する活動判断ステップS3と、活動判断ステップS3での判断結果に基づき活動の種類と内容を含む活動データを生成する活動データ生成ステップS4とを備え、活動判断ステップS3は、活動に含まれる行動の種類と活動の種類との対応情報を取得する情報取得ステップS1と、特装車2を用いて行われた行動の種類及び内容を移動履歴データ及び稼働履歴データを基に判断する行動判断ステップS2とを備え、行動判断ステップS2で得られた行動を対応情報に基づいて活動のいずれか一つに振り分け、振り分け先となった活動が特装車2を用いて行われた活動の種類であると判断し、活動データ生成ステップS4では、活動データのうち活動の内容を、振り分けられている行動の内容に基づいて生成し、特装車2が設備としてPTO2Cを備えており、行動判断ステップS2において、拠点を出発して拠点に帰着する間の稼働履歴データに、PTO2Cがオンになった履歴が含まれない場合、行動は巡回行動であると判断することを特徴とする。
【0018】
請求項13記載の本発明は、請求項9から請求項12のいずれか一項に記載の特装車活動判断プログラムにおいて、情報取得ステップS1において、行動を活動に振り分ける際の優先順位情報を取得し、活動判断ステップS3において、複数の活動に振り分け可能である行動を、優先順位情報に基づいて活動のいずれか一つに振り分けることを特徴とする。
【0019】
請求項14記載の本発明は、請求項9又は請求項11に記載の特装車活動判断プログラムにおいて、行動判断ステップS2において、特装車2の速度が所定速度未満となった地点を基準地点とし、特装車2が所定時間内に基準地点から所定範囲内に留まっていた場合は、所定時間以上停車したと判定することを特徴とする。
【0020】
請求項15記載の本発明の特装車活動判断プログラムは、特装車2を用いて行われた活動の種類を特装車2の移動履歴データ及び特装車2に搭載されている設備の稼働履歴データを基に判断する活動判断ステップS3と、活動判断ステップS3での判断結果に基づき活動の種類と内容を含む活動データを生成する活動データ生成ステップS4とを備え、活動判断ステップS3は、活動に含まれる行動の種類と活動の種類との対応情報を取得する情報取得ステップS1と、特装車2を用いて行われた行動の種類及び内容を移動履歴データ及び稼働履歴データを基に判断する行動判断ステップS2とを備え、行動判断ステップS2で得られた行動を対応情報に基づいて活動のいずれか一つに振り分け、振り分け先となった活動が特装車2を用いて行われた活動の種類であると判断し、活動データ生成ステップS4では、活動データのうち活動の内容を、振り分けられている行動の内容に基づいて生成し、特装車2が設備として真空ポンプ2Aを有する放水装置2Bを備えており、行動判断ステップS2において、稼働履歴データに、放水装置2Bから放水された履歴が含まれる場合、行動は放水行動であると判断し、放水装置2Bから放水された履歴が含まれず真空ポンプ2Aのテスト履歴が含まれる場合、行動は真空ポンプテスト行動であると判断することを特徴とする。
【0021】
請求項16記載の本発明は、請求項9から請求項15のいずれか一項に記載の特装車活動判断プログラムにおいて、活動データを基に活動の種類と内容が記載された報告書を生成する報告書生成ステップS5を備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施例による特装車活動判断装置及び特装車活動判断プログラムの概要図
【
図4】同特装車活動判断プログラムの処理手順を示す図
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の第1の実施の形態による特装車活動判断装置は、特装車を用いて行われた活動の種類を特装車の移動履歴データ及び特装車に搭載されている設備の稼働履歴データを基に判断する活動判断手段と、活動判断手段の判断結果に基づき活動の種類と内容を含む活動データを生成する活動データ生成手段とを備えるものである。
本実施の形態によれば、特装車を用いて行われた活動の種類と内容を、人的操作や判断を介在することなく取得することが可能となる。
【0024】
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による特装車活動判断装置において、活動判断手段は、活動に含まれる行動の種類と活動の種類との対応情報を記憶する記憶手段と、特装車を用いて行われた行動の種類及び内容を移動履歴データ及び稼働履歴データを基に判断する行動判断手段とを備え、行動判断手段で得られた行動を対応情報に基づいて活動のいずれか一つに振り分け、振り分け先となった活動が特装車を用いて行われた活動の種類であると判断し、活動データ生成手段は、活動データのうち活動の内容を、振り分けられている行動の内容に基づいて生成するものである。
本実施の形態によれば、特装車を用いて行われた活動の種類と内容を精度よく取得することができる。
【0025】
本発明の第3の実施の形態は、第2の実施の形態による特装車活動判断装置において、記憶手段は、行動を活動に振り分ける際の優先順位情報を記憶し、活動判断手段は、複数の活動に振り分け可能である行動を、優先順位情報に基づいて活動のいずれか一つに振り分けるものである。
本実施の形態によれば、活動の種類を簡便かつ正確に判断することができる。
【0026】
本発明の第4の実施の形態は、第2又は第3の実施の形態による特装車活動判断装置において、特装車が設備としてPTOを備えており、行動判断手段は、移動履歴データ又は稼働履歴データに、拠点以外の地点において所定時間以上停車した又はPTOがオンになった履歴が含まれる場合、行動は滞在行動であると判断するものである。
本実施の形態によれば、拠点以外の地点で行われた行動を検知することができる。
【0027】
本発明の第5の実施の形態は、第2から第4のいずれか一つの実施の形態による特装車活動判断装置において、特装車が設備としてPTOを備えており、行動判断手段は、拠点を出発して拠点に帰着する間の移動履歴データ又は稼働履歴データに、所定時間以上停車した又はPTOがオンになった履歴が含まれない場合、行動は巡回行動であると判断するものである。
本実施の形態によれば、見回り等のために行われる巡回行動を検知することができる。
【0028】
本発明の第6の実施の形態は、第4又は第5の実施の形態による特装車活動判断装置において、行動判断手段は、特装車の速度が所定速度未満となった地点を基準地点とし、特装車が所定時間内に基準地点から所定範囲内に留まっていた場合は、所定時間以上停車したと判定するものである。なお、基準地点は緯度経度の平均値、又は中央値を使用しても良い。
本実施の形態によれば、信号による停車や渋滞による減速等を除外し、消火等のための停車を精度よく検知することができる。
【0029】
本発明の第7の実施の形態は、第2から第6のいずれか一つの実施の形態による特装車活動判断装置において、特装車が設備として真空ポンプを有する放水装置を備えており、行動判断手段は、稼働履歴データに、放水装置から放水された履歴が含まれる場合、行動は放水行動であると判断し、放水装置から放水された履歴が含まれず真空ポンプのテスト履歴が含まれる場合、行動は真空ポンプテスト行動であると判断するものである。
本実施の形態によれば、放水行動と真空ポンプテスト行動を検知することができる。
【0030】
本発明の第8の実施の形態は、第1から第7のいずれか一つの実施の形態による特装車活動判断装置において、活動データを基に活動の種類と内容が記載された報告書を生成する報告書生成手段を備えるものである。
本実施の形態によれば、報告書作成の手間を軽減することができる。
【0031】
本発明の第9の実施の形態による特装車活動判断プログラムは、特装車を用いて行われた活動の種類を特装車の移動履歴データ及び特装車に搭載されている設備の稼働履歴データを基に判断する活動判断ステップと、活動判断ステップでの判断結果に基づき活動の種類と内容を含む活動データを生成する活動データ生成ステップとを備えるものである。
本実施の形態によれば、特装車を用いて行われた活動の種類と内容を、人的操作や判断を介在することなく取得することが可能となる。
【0032】
本発明の第10の実施の形態は、第9の実施の形態による特装車活動判断プログラムにおいて、活動判断ステップは、活動に含まれる行動の種類と活動の種類との対応情報を取得する情報取得ステップと、特装車を用いて行われた行動の種類及び内容を移動履歴データ及び稼働履歴データを基に判断する行動判断ステップとを備え、行動判断ステップで得られた行動を対応情報に基づいて活動のいずれか一つに振り分け、振り分け先となった活動が特装車を用いて行われた活動の種類であると判断し、活動データ生成ステップは、活動データのうち活動の内容を、振り分けられている行動の内容に基づいて生成するものである。
本実施の形態によれば、特装車を用いて行われた活動の種類と内容を精度よく取得することができる。
【0033】
本発明の第11の実施の形態は、第10の実施の形態による特装車活動判断プログラムにおいて、情報取得ステップにおいて、行動を活動に振り分ける際の優先順位情報を取得し、活動判断ステップにおいて、複数の活動に振り分け可能である行動を、優先順位情報に基づいて活動のいずれか一つに振り分けるものである。
本実施の形態によれば、活動の種類を簡便かつ正確に判断することができる。
【0034】
本発明の第12の実施の形態は、第10又は第11の実施の形態による特装車活動判断プログラムにおいて、特装車が設備としてPTOを備えており、行動判断ステップにおいて、移動履歴データ又は稼働履歴データに、拠点以外の地点において所定時間以上停車した又はPTOがオンになった履歴が含まれる場合、行動は滞在行動であると判断するものである。
本実施の形態によれば、拠点以外の地点で行われた行動を検知することができる。
【0035】
本発明の第13の実施の形態は、第10から第12のいずれか一つの実施の形態による特装車活動判断プログラムにおいて、特装車が設備としてPTOを備えており、行動判断ステップにおいて、拠点を出発して拠点に帰着する間の移動履歴データ又は稼働履歴データに、所定時間以上停車した又はPTOがオンになった履歴が含まれない場合、行動は巡回行動であると判断するものである。
本実施の形態によれば、見回り等のために行われる巡回行動を検知することができる。
【0036】
本発明の第14の実施の形態は、第12又は第13の実施の形態による特装車活動判断プログラムにおいて、行動判断ステップにおいて、特装車の速度が所定速度未満となった地点を基準地点とし、特装車が所定時間内に基準地点から所定範囲内に留まっていた場合は、所定時間以上停車したと判定するものである。
本実施の形態によれば、信号による停車や渋滞による減速等を除外し、消火等のための停車を精度よく検知することができる。
【0037】
本発明の第15の実施の形態は、第10から第14のいずれか一つの実施の形態による特装車活動判断プログラムにおいて、特装車が設備として真空ポンプを有する放水装置を備えており、行動判断ステップにおいて、稼働履歴データに、放水装置から放水された履歴が含まれる場合、行動は放水行動であると判断し、放水装置から放水された履歴が含まれず真空ポンプのテスト履歴が含まれる場合、行動は真空ポンプテスト行動であると判断するものである。
本実施の形態によれば、放水行動と真空ポンプテスト行動を検知することができる。
【0038】
本発明の第16の実施の形態は、第9から第15のいずれか一つの実施の形態による特装車活動判断プログラムにおいて、活動データを基に活動の種類と内容が記載された報告書を生成する報告書生成ステップを備えるものである。
本実施の形態によれば、報告書作成の手間を軽減することができる。
【実施例】
【0039】
以下、本発明の一実施例による特装車活動判断装置及び特装車活動判断プログラムについて説明する。
図1は本実施例による特装車活動判断装置及び特装車活動判断プログラムの概要図、
図2は特装車活動判断装置のブロック図である。
特装車活動判断装置1は、活動判断手段30と、活動データ生成手段40と、報告書生成手段50を備え、特装車2を用いた所定の行動を伴う活動の種類と内容を判断する。活動判断手段30は、記憶手段10と、行動判断手段20を有する。
特装車活動判断装置1は、車両データベース3及び履歴データベース4と通信可能に接続されている。車両データベース3には、車両ごとに割り当てられた識別用の車両IDや所属先、搭載設備など各特装車2の基本情報等に関する車両データが蓄積されている。履歴データベース4には、特装車2ごとの移動履歴データや設備の稼働履歴データがテキストファイルもしくは数値データとして蓄積されている。
特装車2は、例えば、ポンプ車、はしご車、及び救助工作車等の消防車、又は塵芥収集車等である。特装車2は、通常、所属先の拠点から出発し、何らかの活動を終えた後に拠点に戻る。本実施例において活動判断の対象とする特装車2は、真空ポンプ2A及びポンプ2Dを有する放水装置2BとPTO(Power take-off)2Cを備え所属消防署を拠点とするポンプ車である。放水装置2Bは車両のエンジンからPTO2Cを介して動力を得る。ポンプ車はPTO2Cがオンの状態では走行できない。なお、
図2では対象とする特装車(ポンプ車)2を2台としているが、特装車(ポンプ車)2は単数又は3台以上であってもよい。また、特装車2がはしご車や救助工作車の場合も上記ポンプ車と同様に、PTOを介して動力を得る。
【0040】
履歴データベース4に蓄積される移動履歴データ及び稼働履歴データは、インターネット等の通信網を介して各ポンプ車2から送信される。各ポンプ車2は、自車両に搭載している記憶媒体に所定のデータ量が保存された時点、又はタイムスケジュールに従って自動的に移動履歴データ及び稼働履歴データを送信する。
移動履歴データは、例えば全球測位衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)を利用した経度、緯度、及び時刻情報であり、ポンプ車2のエンジンがオンの間に数秒間隔の所定の時間間隔で存在する。
稼働履歴データは、例えばポンプ車2に搭載された制御盤のポンプ制御データであり、制御盤の電源がオンの間に所定の時間間隔で存在する。稼働履歴データが存在する所定の時間間隔は、移動履歴データが存在する所定の時間間隔よりも短い。
【0041】
記憶手段10には、ポンプ車2の行動の種類、活動の種類、行動の種類と活動の種類との対応情報、及び行動を活動に振り分ける際の優先順位情報が記憶されている。
本実施例では、ポンプ車2の行動の種類として、制御盤電源オン行動、PTOオン行動、放水行動、真空ポンプテスト行動、滞在行動、巡回行動、移動行動、及び停車行動を有する。また、ポンプ車2の活動の種類として、優先順位の高い順に、放水活動、点検活動、訪問活動、巡回活動、出動活動、帰署活動、及びその他活動を有する。
【0042】
行動判断手段20は、ポンプ車2を用いた行動が、制御盤電源オン行動、PTOオン行動、放水行動、真空ポンプテスト行動、滞在行動、巡回行動、移動行動、及び停車行動のいずれであるかを、移動履歴データ又は稼働履歴データに基づいて判断する。
各行動は、内容(ステータス)として行動開始時刻と行動終了時刻を持ち、行動開始時刻から行動終了時刻まではその行動が連続しているものとする。行動中に翌日の0時を越えた場合は一時的に行動終了と見なし、0時を越える前の時刻を行動終了時刻とする。したがって、行動開始時刻から行動終了時刻は、同日の0時0分0秒~23時59分59秒に収まる。
互いに異なる行動は同時に発生してもよいが、放水行動と真空ポンプテスト行動は同時に発生しない。また、滞在行動、巡回行動、移動行動、及び停車行動も同時には発生しない。
【0043】
行動判断手段20は、設備の稼働履歴データに制御盤のポンプ制御データがある間を、制御盤の電源がオンになっていると見なし、制御盤電源オン行動に分類する。
制御盤電源オン行動は、個別の内容(ステータス)として、行動開始時刻と行動終了時刻を持つ。
行動開始時刻は、所定時間以上途切れていない制御盤のポンプ制御データ群のうち、時間的に最も早い制御盤のポンプ制御データの時刻とする。
行動終了時刻は、所定時間以上途切れていない制御盤のポンプ制御データ群のうち、時間的に最も遅い制御盤のポンプ制御データの時刻とする。
【0044】
行動判断手段20は、設備の稼働履歴データにおいてPTO2Cがオンのままである間を、PTOオン行動に分類する。PTOオン行動は、個別の内容(ステータス)として、行動開始時刻、行動終了時刻、及び行動地点の緯度経度等を持つ。
行動開始時刻は、PTO2Cがオフからオンに切り替わった際の制御盤のポンプ制御データの時刻とする。
行動終了時刻は、PTO2Cがオンからオフに切り替わった際の制御盤のポンプ制御データの時刻とする。但し、PTO2Cがオンの状態で制御盤のポンプ制御データが所定時間以上途切れた場合は、断絶直前の制御盤のポンプ制御データの時刻とする。
行動地点は、移動履歴データから取得するPTOオン行動中の緯度経度の平均値(緯度経度の中央値でもよい)、又は、PTOオン行動の行動開始時刻の直前にあり途中で走行が存在しない停車時の緯度経度であり、前者を優先する。
【0045】
行動判断手段20は、設備の稼働履歴データに放水装置2Bから放水された履歴が含まれる場合、放水している間を、放水行動に分類する。制御盤のポンプ制御データ中の放水量が0(ゼロ)より大きい場合には、放水行動と見なす。これにより、放水行動を検知することができる。
放水行動は、個別の内容(ステータス)として、行動開始時刻、行動終了時刻、行動地点の緯度経度、放水圧力、及び行動水利情報等を持つ。
行動開始時刻は、放水量が0から0より大きい値に切り替わった際の制御盤のポンプ制御データの時刻とする。
行動終了時刻は、放水量が0より大きい値から0に切り替わった際の制御盤のポンプ制御データの時刻のうち、所定時間内に放水量が0より大きい値に切り替わらない時刻とする。
行動地点の緯度経度は、PTOオン行動の行動地点の緯度経度とする。
行動水利情報は、一つの放水に対し、一つ以上含むことができる。行動水利情報は、使用口(タンク吸水口、中継口、及び吐水口のうち放水時に使用した口)、放水開始時刻、終了時刻、及び積算放水量等である。
【0046】
行動判断手段20は、設備の稼働履歴データに放水装置2Bから放水された履歴が含まれず真空ポンプ2Aのテスト履歴が含まれる場合、真空ポンプ2Aのテストを行っている間を、真空ポンプテスト行動に分類する。これにより、真空ポンプテスト行動を検知することができる。
真空ポンプテスト行動は、個別の内容(ステータス)として、行動開始時刻、行動終了時刻、行動地点の緯度経度、及び真空ポンプ運転時間等を持つ。
行動開始時刻は、直前の制御盤のポンプ制御データでは真空ポンプテスト行動を行っていない、真空ポンプ2Aが稼働している、ポンプ2D内の圧力が大気圧である、吸水口と中継口と吐水口が開いていない、及び吸水タンクに接続していない、という五つの条件が全て揃った制御盤のポンプ制御データの時刻とする。
行動終了時刻は、真空ポンプテスト行動の行動開始時刻の後において、吸水口もしくは中継口が開いている、吸水タンクに接続している、PTO2Cがオフになる、制御盤のポンプ制御データが所定時間以上途切れる、又はポンプ2D内の圧力が予め定めた数値より多く上昇する、という五つの条件の内のいずれかに該当した制御盤のポンプ制御データの時刻とする。
行動地点の緯度経度は、PTOオン行動の行動地点の緯度経度とする。
【0047】
行動判断手段20は、拠点である所属消防署以外の地点においてポンプ車2が所定時間以上停車していたこと又はPTOオン行動を行ったことを履歴データから検出した場合、滞在行動に分類する。これにより、拠点以外の地点で行われた行動を検知することができる。
所定時間以上停車していたか否かの判断には、移動履歴データに含まれる時々刻々の緯度、経度、及び時刻から導出されるポンプ車2の速度と、停車した地点からの移動範囲を用いる。行動判断手段20は、まず、ポンプ車2が走行中であったか停車中であったかをポンプ車2の速度に基づいて判定する。この判定においては、算出した速度が所定速度未満であれば停車中と判定し、所定速度以上であれば走行中と判定する。停車中と判定した場合は、ポンプ車2が停車した地点すなわち速度が所定速度未満となった地点を基準地点として、ポンプ車2が所定時間中に基準地点から所定範囲内に留まっていたか否かをさらに判定する。そして、所定時間中に基準地点から所定範囲内に留まっていたと判定した場合は所定時間以上停車したと判断し、所定時間内に基準地点から所定範囲内に留まっていないと判定した場合は所定時間以上停車していないと判断する。これにより、信号による停車や渋滞による減速等を除外し、消火等のための停車を精度よく検知することができる。なお、基準地点は緯度経度の平均値、又は中央値を使用しても良い。
なお、消火を行う際のポンプ車2の移動経路は予想しづらく、また火災現場がビルの密集地等である場合はGNSSのデータが途切れるなどして精度が低下しやすい。そこで、所定時間内のある時刻において所定範囲外に出たと判定したが、その一定時間後(例えば1分後)の時刻においては所定範囲内にあると判定された場合は、もとより所定範囲内から出ていないものとして処理することが好ましい。これにより、ポンプ車2が所定時間中に所定範囲内に留まっていたか否かの判定精度を高めることができる。
滞在行動は、個別の内容(ステータス)として、行動開始時刻、行動終了時刻、及び行動地点の緯度経度等を持つ。
行動開始時刻は、ポンプ車2が拠点等から出動した時刻である出動時刻、又はポンプ車2が行動地点に現着した時刻である現着時刻であり、前者を優先する。なお、移動履歴データが途中で所定時間以上途切れて出動時刻又は現着時刻を検出できない場合は、取得できた移動履歴データに基づく推定時刻とする。
行動終了時刻は、ポンプ車2が出動した拠点等に帰着した時刻である帰着時刻、又は行動地点から引き揚げた時刻である引揚時刻であり、前者を優先する。なお、移動履歴データが途中で所定時間以上途切れて帰着時刻又は引揚時刻を検出できない場合は、取得できた移動履歴データに基づく推定時刻とする。
行動地点は、所定時間以上停車していたと判断された時刻の地点、又はPTOオン行動を行ったと判断された時刻の地点とする。
また、滞在行動が持つ個別の内容(ステータス)として、緊急走行フラグをさらに持たせてもよい。例えば、緊急走行フラグは、サイレンへの信号がONである、走行時の平均速度が一定以上である、停車回数が一定以下である、急加速の回数が一定以上である、及び急発進の回数が一定以上である、という五つの条件を全てもしくは一部を満たすときにON(緊急走行フラグ成立)、五つの条件を全てもしくは一部を満たさないときにOFF(緊急走行フラグ不成立)とする。
【0048】
行動判断手段20は、ポンプ車2が拠点等から出動し、出動した拠点等に帰着した行動のうち、滞在行動に分類されない行動を、巡回行動に分類する。これにより、見回り等のために行われる巡回行動を検知することができる。
巡回行動は、個別の内容(ステータス)として、行動開始時刻、及び行動終了時刻等を持つ。
行動開始時刻は、ポンプ車2が拠点等から出動した時刻である出動時刻とする。
行動終了時刻は、ポンプ車2が出動した拠点等に帰着した時刻である帰着時刻とする。
【0049】
行動判断手段20は、滞在行動と巡回行動に該当する行動履歴データを含まない、ポンプ車2が拠点等から別地点に走行する、及び移動履歴データが所定時間以上途切れていない、という三つの条件を全て満たす行動を、移動行動に分類する。
移動行動は、個別の内容(ステータス)として、行動開始時刻、行動終了時刻、行動開始時刻の緯度経度、及び行動終了時刻の緯度経度等を持つ。
行動開始時刻は、走行が始まった際の移動履歴データの時刻とする。
行動終了時刻は、走行が終わった際の移動履歴データの時刻とする。
行動開始時刻の緯度経度は、行動開始時刻の移動履歴データの緯度経度とする。
行動終了時刻の緯度経度は、行動終了時刻の移動履歴データの緯度経度とする。
【0050】
行動判断手段20は、滞在行動と巡回行動と移動行動に該当する移動履歴データを含まない、拠点等に停車している、及び移動履歴データが所定時間以上途切れていない、という三つの条件を全て満たす行動を、停車行動に分類する。
停車行動は、個別の内容(ステータス)として、行動開始時刻、行動終了時刻、及び停車地点の緯度経度を持つ。
行動開始時刻は、時間的に最も早い移動履歴データの時刻とする。
行動終了時刻は、時間的に最も遅い移動履歴データの時刻とする。
停車地点の緯度経度は、行動開始時刻の移動履歴データの緯度経度とする。
【0051】
活動判断手段30は、ポンプ車2を用いた活動が、放水活動、点検活動、訪問活動、巡回活動、出動活動、帰署活動、及びその他活動のいずれであるかを、行動判断手段20の判断結果と対応情報に基づいて判断する。それぞれの活動の種類とその定義は下表1の通りである。活動判断手段30は、行動判断手段20で得られた行動を対応情報に基づいて活動のいずれか一つに振り分け、振り分け先となった活動を実際に行われた活動として決定する。
活動は、単一又は複数の行動の集合である。行動を一つも含まない活動は存在しない。また、全ての行動がどの活動にも該当しない場合がある。
活動には、活動開始時刻と活動終了時刻があり、活動開始時刻から活動終了時刻までを活動期間とする。一つの活動期間は、他の活動期間と重複しない。それぞれの活動の活動開始時刻と活動終了時刻は、各活動に含まれる行動の最も早い行動開始時刻と最も遅い行動終了時刻とする。また、上述のように活動には振り分けの優先順位が設定されている。優先順位を設定しておくことで、活動の種類を簡便かつ正確に判断することができる。
【表1】
【0052】
活動判断手段30が行動判断手段20で得られた行動を活動に振り分ける際の対応情報として、それぞれの活動毎に、必ず含まれる行動、含めてもよい行動、及び含められない行動が定められている。
放水活動における行動の振り分け基準は、例えば、下表2のように放水行動は必ず含まれる行動(必須)とし、PTOオン行動、真空ポンプテスト行動、滞在行動、及び制御盤電源オン行動は含めてもよい行動(可)とし、巡回行動、移動行動、及び停車行動は含められない行動(不可)とする。
表2の例では放水行動は放水活動に必ず含まれる行動として設定されているため、活動判断手段30は、行動判断手段20での判断の結果得られた行動が放水行動である場合は、その行動を放水活動に振り分け、行動の振り分け先となった放水活動が、ポンプ車2を用いて行われた活動の種類であると判断する。またその際に活動判断手段30は、放水行動と期間が重複又は連続している行動を収集し、収集した行動のなかにPTOオン行動、真空ポンプテスト行動、滞在行動、又は制御盤電源オン行動が含まれている場合、優先順位に基づいて、それらの行動は他の活動へも振り分け可能であったとしても放水活動に振り分ける。
【表2】
【0053】
点検活動における行動の振り分け基準は、例えば、下表3のように真空ポンプテスト行動は必ず含まれる行動(必須)とし、PTOオン行動、滞在行動、及び制御盤電源オン行動は含めてもよい行動(可)とし、放水行動、巡回行動、移動行動、及び停車行動は含められない行動(不可)とする。
表3の例では真空ポンプ行動は点検活動に必ず含まれる行動として設定されているため、活動判断手段30は、行動判断手段20での判断の結果得られた行動が真空ポンプテスト行動である場合は、その行動を点検活動に振り分け、行動の振り分け先となった点検活動が、ポンプ車2を用いて行われた活動の種類であると判断する。またその際に活動判断手段30は、真空ポンプテスト行動と期間が重複又は連続している行動を収集し、収集した行動のなかにPTOオン行動、滞在行動、又は制御盤電源オン行動が含まれている場合、優先順位に基づいて、それらの行動は他の活動へも振り分け可能であったとしても点検活動に振り分ける。
【表3】
【0054】
訪問活動における行動の振り分け基準は、例えば、下表4のように滞在行動は必ず含まれる行動(必須)とし、PTOオン行動、及び制御盤電源オン行動は含めてもよい行動(可)とし、放水行動、真空ポンプテスト行動、巡回行動、移動行動、及び停車行動は含められない行動(不可)とする。
表4の例では滞在行動は訪問活動に必ず含まれる行動として設定されているため、活動判断手段30は、行動判断手段20での判断の結果得られた行動が滞在行動である場合は、その行動を訪問活動に振り分け、行動の振り分け先となった訪問活動が、ポンプ車2を用いて行われた活動の種類であると判断する。またその際に活動判断手段30は、滞在行動と期間が重複又は連続している行動を収集し、収集した行動のなかにPTOオン行動、又は制御盤電源オン行動が含まれている場合、優先順位に基づいて、それらの行動は他の活動へも振り分け可能であったとしても訪問活動に振り分ける。
【表4】
【0055】
巡回活動における行動の振り分け基準は、例えば、下表5のように巡回行動は必ず含まれる行動(必須)とし、制御盤電源オン行動は含めてもよい行動(可)とし、放水行動、真空ポンプテスト行動、PTOオン行動、滞在行動、移動行動、及び停車行動は含められない行動(不可)とする。
表5の例では巡回行動は巡回活動に必ず含まれる行動として設定されているため、活動判断手段30は、行動判断手段20での判断の結果得られた行動が巡回行動である場合は、その行動を巡回活動に振り分け、行動の振り分け先となった巡回活動が、ポンプ車2を用いて行われた活動の種類であると判断する。またその際に活動判断手段30は、巡回行動と期間が重複又は連続している行動を収集し、収集した行動のなかに制御盤電源オン行動が含まれている場合、優先順位に基づいて、その行動は他の活動へも振り分け可能であったとしても巡回活動に振り分ける。
【表5】
【0056】
出動活動における行動の振り分け基準は、例えば、下表6のように移動行動は必ず含まれる行動(必須)とし、停車行動、及び制御盤電源オン行動は含めてもよい行動(可)とし、放水行動、真空ポンプテスト行動、PTOオン行動、滞在行動、及び巡回行動は含められない行動(不可)とする。
表6の例では移動行動は出動活動に必ず含まれる行動として設定されているため、活動判断手段30は、行動判断手段20での判断の結果得られた行動が移動行動であり、移動行動の移動開始地点が所属消防署である場合は、その行動を出動活動に振り分け、行動の振り分け先となった出動活動が、ポンプ車2を用いて行われた活動の種類であると判断する。またその際に活動判断手段30は、移動行動と期間が重複又は連続している行動を収集し、収集した行動のなかに停車行動、又は制御盤電源オン行動が含まれている場合、優先順位に基づいて、それらの行動は他の活動へも振り分け可能であったとしても出動活動に振り分ける。
【表6】
【0057】
帰署活動における行動の振り分け基準は、例えば、下表7のように移動行動は必ず含まれる行動(必須)とし、停車行動、及び制御盤電源オン行動は含めてもよい行動(可)とし、放水行動、PTOオン行動、真空ポンプテスト行動、滞在行動、及び巡回行動は含められない行動(不可)とする。
表7の例では移動行動は帰署活動に必ず含まれる行動として設定されているため、活動判断手段30は、行動判断手段20での判断の結果得られた行動が移動行動であり、移動行動の移動終了地点が所属消防署である場合は、その行動を帰署活動に振り分け、行動の振り分け先となった帰署活動が、ポンプ車2を用いて行われた活動の種類であると判断する。またその際に活動判断手段30は、移動行動と期間が重複又は連続している行動を収集し、収集した行動のなかに停車行動、又は制御盤電源オン行動が含まれている場合、優先順位に基づいて、それらの行動は他の活動へも振り分け可能であったとしても帰署活動に振り分ける。
【表7】
【0058】
その他活動における行動の振り分け基準は、例えば、下表8のようにPTOオン行動、制御盤電源オン行動、移動行動、及び停車行動は含めてもよい行動(可)とし、放水行動、真空ポンプテスト行動、滞在行動、及び巡回行動は含められない行動(不可)とする。
表8の例ではその他活動に必ず含まれる行動は設定されていないため、活動判断手段30は、行動判断手段20での判断の結果得られた行動のうち、その他活動以外の活動に振り分けられなかった行動をその他活動に振り分け、行動の振り分け先となったその他活動が、ポンプ車2を用いて行われた活動であると判断する。またその際に活動判断手段30は、その他活動に振り分けられた行動と期間が重複又は連続している行動を収集し、収集した行動のなかに移動行動、停車行動、PTOオン行動、又は制御盤電源オン行動が含まれている場合、それらの行動はその他活動に振り分ける。
【表8】
【0059】
なお、特装車2がウインチ、クレーン、又ははしご等の救助用の設備を搭載している場合、特装車2の活動の種類の一つとして救助活動を設定してもよい。救助活動における振り分け基準(行動を活動に振り分ける際の対応情報)は、上記した活動と同様に、必ず含まれる行動(必須)、含めてもよい行動(可)、及び含められない行動(不可)に分けて定められる。
【0060】
活動データ生成手段40は、活動判断手段30の判断結果に基づき、ポンプ車2が所定の期間中に行った活動を活動データとして生成する。活動データには、活動の種類と内容が含まれる。活動データ生成手段40は、活動データのうち活動の内容を、当該活動に振り分けられている行動の内容に基づいて生成する。活動の内容とは、GPS(GNSS)情報としての時刻や場所、水ポンプ情報としてのポンプ2Dの運転時間等である。一つの活動データは、車両一台が所定の期間中に行った全ての活動の種類と内容に関する情報を持つ。所定の期間は、生成する報告書が日報等の場合は一日単位である。活動データに含む情報は、例えば、基本情報、活動情報、及び一日集計情報とする。
基本情報は、車両ごとに割り当てられた車両ID、ポンプ車2の所属先(拠点)名、又は活動日等であり、一つの活動データに一つだけ存在する。車両IDや所属先名は、上述のように車両データベース3に蓄積されている。
活動情報は、活動名、活動開始/終了時刻、活動地点の緯度経度、活動地点の緯度経度に対応する住所、及び活動に含まれる行動の種類と内容に関する情報等であり、活動ごとに一つ存在する。
一日集計情報は、一日に発生した活動の集計であり、例えば、一日のポンプ運転時間の集計値、一日の真空ポンプ運転時間の集計値、一日の放水量の合計値、又は一日の走行距離の合計値等である。
活動データの情報は、一週間単位、一か月単位、一年単位、あるいは指定された所定期間で集計し、車両毎に記憶手段10等に保存してもよい。
【0061】
報告書生成手段50は、活動データ生成手段40が生成した活動データから所定の様式に沿って必要なデータを抽出して報告書を生成する。
図3は生成された報告書(日報)の例を示す図である。
活動データを抽出する際に、活動開始時刻が0時0分0秒であるか活動終了時刻が23時59分59秒である活動が存在した場合には、前日の活動データもしくは翌日の活動データを参照し、活動終了時刻が23時59分59秒である活動と活動開始時刻が0時0分0秒である活動をまとめ、一つの活動として報告書に記載してもよい。
このように日報等の報告書が自動的に生成されることで、消防署員が報告書作成にかけていた手間が軽減され、また転記ミスを無くせる。また、生成した消防日報をクラウドサーバー等に蓄積したり、ユーザー以外の者に配信することもできる。
また、活動データの情報を抽出もしくは集計し、指定した期間内の指定した活動をまとめた報告書、一週間の活動をまとめた週報、一か月の活動をまとめた月報、一年間の活動をまとめた年報を生成してもよい。
【0062】
特装車活動判断装置1は、例えばAM1:00になると前日分の日報の生成を開始するというように、所定時刻になると所定期間における日報(報告書)の生成を開始する。なお、任意のタイミングで火災調査書類(報告書)の生成を開始することも可能である。また、生成した日報を自動的に用紙に出力してもよい。
以上、特装車活動判断装置1によれば、特装車2を用いて行われた活動の種類と内容を人的操作や判断を介在することなく取得することが可能となる。
【0063】
図4は特装車活動判断プログラムの処理手順を示す図である。
特装車活動判断プログラムは、例えばクラウドサーバー上で動作させることができ、上記の特装車活動判断装置1と同様の機能を発揮する。特装車活動判断装置1でした説明と重複する部分は説明を省略する。
まず、サーバーの記憶手段10に保存されている行動の種類と活動の種類との対応情報を取得する(S1:情報取得ステップ)。
次に、ポンプ車(特装車)2を用いて行われた行動の種類及び内容を、ポンプ車2の移動履歴データ及びポンプ車2に搭載されている設備の稼働履歴データを基に判断する(S2:行動判断ステップ)。
次に、行動判断ステップS2で得られた行動を対応情報に基づいて活動のいずれか一つに振り分け、振り分け先となった活動がポンプ車2を用いて行われた活動の種類であると判断する(S3:活動判断ステップ)。
次に、活動判断ステップS3での判断結果に基づき活動の種類と内容を含む活動データを生成する(S4:活動データ生成ステップ)。活動データ生成ステップS4では、活動データのうち活動の内容を、振り分けられている行動の内容に基づいて生成する。
これにより、ポンプ車2を用いて行われた活動の種類と内容を、人的操作や判断を介在することなく取得することが可能となる。
【0064】
なお、情報取得ステップS1において、行動を活動に振り分ける際の優先順位情報を取得し、活動判断ステップS3において、複数の活動に振り分け可能である行動を、優先順位情報に基づいて活動のいずれか一つに振り分けることで、活動の種類を簡便かつ正確に判断することができる。
【0065】
また、行動判断ステップS2において、移動履歴データ又は稼働履歴データに、拠点以外の地点において所定時間以上停車した又はPTO2Cがオンになった履歴が含まれる場合、行動は滞在行動であると判断することで、拠点以外の地点で行われた行動を検知することができる。
【0066】
また、行動判断ステップS2において、拠点を出発して拠点に帰着する間の移動履歴データ又は稼働履歴データに、所定時間以上停車した又はPTO2Cがオンになった履歴が含まれない場合、行動は巡回行動であると判断することで、見回り等のために行われる巡回行動を検知することができる。
【0067】
また、行動判断ステップS2において、ポンプ車2の速度が所定速度未満となった地点を基準地点とし、ポンプ車2が所定時間内に基準地点から所定範囲内に留まっていた場合は、所定時間以上停車したと判定することで、信号による停車や渋滞による減速等を除外し、消火等のための停車を精度よく検知することができる。
【0068】
また、行動判断ステップS2において、稼働履歴データに、放水装置2Bから放水された履歴が含まれる場合、行動は放水行動であると判断し、放水装置2Bから放水された履歴が含まれず真空ポンプ2Aのテスト履歴が含まれる場合、行動は真空ポンプテスト行動であると判断することで、放水行動と真空ポンプテスト行動を検知することができる。
【0069】
また、活動データ生成ステップS4の後、活動データを基に活動の種類と内容が記載された報告書を生成する(S5:報告書生成ステップ)ことで、報告書作成の手間を軽減することができる。
【符号の説明】
【0070】
1 特装車活動判断装置
2 特装車(ポンプ車)
2A 真空ポンプ
2B 放水装置
2C PTO
3 車両データベース
4 履歴データベース
10 記憶手段
20 行動判断手段
30 活動判断手段
40 活動データ生成手段
50 報告書生成手段
S1 情報取得ステップ
S2 行動判断ステップ
S3 活動判断ステップ
S4 活動データ生成ステップ
S5 報告書生成ステップ