(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-07
(45)【発行日】2024-02-16
(54)【発明の名称】表示機能付き鏡及びそれを備えている化粧台
(51)【国際特許分類】
A47B 67/02 20060101AFI20240208BHJP
A47G 1/00 20060101ALI20240208BHJP
A47K 1/02 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
A47B67/02 502A
A47G1/00 F
A47K1/02 B
(21)【出願番号】P 2020055426
(22)【出願日】2020-03-26
【審査請求日】2023-01-06
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】飛田 真宏
(72)【発明者】
【氏名】戸屋 智和
(72)【発明者】
【氏名】町田 雅章
(72)【発明者】
【氏名】田中 健太
(72)【発明者】
【氏名】丸山 瑞穂
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-524216(JP,A)
【文献】特開2014-145972(JP,A)
【文献】特開2017-064114(JP,A)
【文献】特開2018-152673(JP,A)
【文献】特開2007-075169(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 67/02
A47K 1/02
A47G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鏡部と、
前記鏡部の少なくとも一部の領域に情報を表示する表示部と、
を備えており、
前記表示部は、一方向に長い矩形状の表示面を有する2個の表示装置を前記表示面の短辺方向に前記表示面が並ぶように配置し
ており、表示する情報の縦横比に応じて、2個の前記表示面を利用した表示、又は2個の前記表示面のうちのいずれか一方を利用した表示、の異なる表示形態で表示する、表示機能付き鏡。
【請求項2】
前記表示部は、前記表示面が上下に並ぶように前記表示装置が配置されており、縦長の情報を上下に並んだ2個の前記表示面を利用して表示し、横長の情報を上下に並んだ2個の前記表示面のいずれか一方の前記表示面を利用して表示する請求項1に記載の表示機能付き鏡。
【請求項3】
前記表示部は、前記表示面が左右に並ぶように前記表示装置が配置されており、横長の情報を左右に並んだ2個の前記表示面を利用して表示し、縦長の情報を左右に並んだ2個の前記表示面のいずれか一方の前記表示面を利用して表示する請求項1に記載の表示機能付き鏡。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の表示機能付き鏡を備えている化粧台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は表示機能付き鏡及びそれを備えている化粧台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は鏡を開示している。この鏡は洗面化粧台のミラーキャビネットに備えられている。ミラーキャビネットには表示部が設けられている。表示部の表示面には、計測器によって計測した情報が表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の場合、表示部の表示領域は横長である。このため、計測値等の表示は、この横長の表示領域に合わせてレイアウトして適切に表示することが考えられる。しかし、例えば、立ち姿の人物像等の縦長の情報を表示する場合には、横長の表示領域に対して縦長の情報が表示される。このため、表示部の表示領域を有効に利用できない。特許文献1は、この点において改善の余地がある。
【0005】
本開示は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、表示部に情報を好適に表示できる表示機能付き鏡及びそれを備えている化粧台を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の表示機能付き鏡は、鏡部と、前記鏡部の少なくとも一部の領域に情報を表示する表示部と、を備えており、前記表示部は、一方向に長い矩形状の表示面を有する2個の表示装置を前記表示面の短辺方向に前記表示面が並ぶように配置している。
【0007】
本開示の化粧台は、上記表示機能付き鏡を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態1に係る表示機能付き鏡を備えた化粧台を示す正面図である。
【
図2】表示機能付き鏡の電気的構成を概略的に例示するブロック図である。
【
図3】実施形態1の表示部における表示例を模式的に示す図(その1)である。
【
図4】実施形態1の表示部における表示例を模式的に示す図(その2)である。
【
図5】実施形態2に係る表示機能付き鏡を示す正面図である。
【
図6】実施形態2の表示部における表示例を模式的に示す図(その1)である。
【
図7】実施形態2の表示部における表示例を模式的に示す図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<実施形態1>
本開示の表示機能付き鏡及び化粧台を具体化した実施形態1について、
図1から
図4を参照しつつ説明する。本実施形態では、
図1に示すように、表示機能付き鏡10(以下、単に鏡10とも表記する)が、化粧台としての洗面化粧台100のミラーキャビネット130に備えられた形態を例示する。
【0010】
以下の説明において、上下の方向については、洗面化粧台100を設置した状態における向きをそのまま上方、下方と定義する。左右の方向については、設置状態における洗面化粧台100に正対した使用者からみた方向をそのまま左方、右方と定義する。左右方向と幅方向は、同義で用いる。
【0011】
図1に示すように、洗面化粧台100は、洗面カウンター110、下部キャビネット120、及びミラーキャビネット130を有している。洗面カウンター110は、上部が開口して水を受ける凹部を有する洗面ボウル111と、洗面ボウル111が配置されるカウンター部112と、水栓113とを有する。下部キャビネット120は、洗面カウンター110の下部に配置される。下部キャビネット120は、水栓113から延びる配管などを収納する。
【0012】
ミラーキャビネット130は、洗面化粧台100における洗面ボウル111の奥側であって洗面ボウル111よりも上部に配置される鏡付きの収納部である。
図1に示すように、ミラーキャビネット130は、キャビネット本体131と、表示機能付き鏡10とを有している。キャビネット本体131は内部に収納スペースを形成する。表示機能付き鏡10は、キャビネット本体131に対して開閉自在に取り付けられて鏡扉として機能する。鏡10は、上下方向に長い正面視略矩形状をなしている。
【0013】
ミラーキャビネット130は、表示機能付き鏡10に加えて、第2鏡132及び第3鏡133を有している。各鏡132,133は、鏡10と同様に、それぞれキャビネット本体131に対して開閉自在に取り付けられて鏡扉として機能する。各鏡10,132,133は、キャビネット本体131の前面に左右方向に並んで配置されて三面鏡として使用可能である。各鏡132,133は、上下方向に長い正面視略矩形状をなしている。各鏡132,133の上下方向の長さは鏡10の上下方向の長さと略同等である。中央の第2鏡132は、第2鏡132の左右に位置する鏡10及び第3鏡133と比べて左右方向に長い。鏡10及び第3鏡133は、それぞれ左右方向の幅が略同等に形成されている。
【0014】
図1に示すように、表示機能付き鏡10は、鏡部20、表示部30、及び撮像部40を備えている。鏡部20は、正面視において矩形状をなす鏡10の大きさの略全体に亘って拡がる矩形板状をなしている。鏡部20はハーフミラーである。
【0015】
表示部30は、鏡部20の一部の領域において、画像や映像、文字等の情報を表示する。表示部30には、後述する撮像部40によって取得された画像や映像等の撮像データに基づく撮像情報、及び後述する接続部50を介してインターネット等の外部のネットワークから入力される外部入力データに基づく外部入力情報を任意に切り替えて表示可能である。
【0016】
図1に示すように、表示部30は、第1表示装置31及び第2表示装置32の2つの表示装置を有して構成されている。第1表示装置31及び第2表示装置32は、それぞれ鏡部20の背面側に隣接して設けられている。第1表示装置31及び第2表示装置32は、正面視における鏡部20の上下左右方向の中央よりも下寄りの位置において上下に並んで配置されている。表示装置31は、後述する制御部60の制御に基づいて情報を表示することができる。表示装置31による表示は、ハーフミラーで構成される鏡部20を透過して鏡10の前面から視認可能である。表示部30は、表示装置31,32が起動した状態において表示装置31,32による情報を表示する。表示部30は、表示装置31,32が起動していない場合(電源オフの場合)や、表示装置31,32が起動した状態において表示面の輝度を下げた場合(例えば、バックライトをオフにした場合)には、鏡部20における反射像が表示されて鏡として機能する。表示部30の表示状態の切り替えは、後述する操作部70の操作によって行うことができる。
【0017】
第1表示装置31及び第2表示装置32は、それぞれ一方向に長い矩形状の表示面31A,32Aを有する表示装置である。表示装置としては、例えば、液晶表示装置や有機EL表示装置等の公知の表示装置であることができる。既存製品として流通する表示装置は、通常、16:9、16:10等、一方向に長い矩形状の表示面を有している。このような既存の表示装置は表示部に好適に利用できる。
【0018】
第1表示装置31及び第2表示装置32は、各表示面31A,32Aの短辺方向に表示面31A,32Aが並ぶように配置されている。具体的には、第1表示装置31及び第2表示装置32は、表示面31A,32Aが上下に並ぶように配置されている。表示部30は、これら2つの表示装置31,32の各表示面を上下に連ねた上下に縦長の矩形状の表示領域を有する。表示部30は、縦長の情報を上下に並んだ2個の表示面31A,32Aを利用して表示し(
図3参照)、横長の情報を上下に並んだ2個の表示面31A,32Aのいずれか一方を利用して表示する(
図4参照)。このような表示制御は後述する制御部60によって実行される。
【0019】
撮像部40は、表示部30に表示するための撮像データを取得する。表示部30は、撮像部40によって取得された撮像データに基づく撮像情報を表示する。撮像部40はデジタルカメラ等の撮像装置を有して構成されている。撮像部40は、
図1に示すように、表示装置31の上方における鏡部20の後方に配置され、鏡部20の正面前方を撮像した撮像データを取得する。この撮像部40は、主に鏡10の使用者の全身や顔周辺の画像や映像を撮像データとして取得する。
【0020】
図2に示すように、表示機能付き鏡10は、電気構成的には、表示部30、撮像部40、接続部50、制御部60、及び操作部70を備えて構成されている。鏡10は、制御部60に対して、表示部30、撮像部40、接続部50、及び操作部70がそれぞれ接続されている。鏡10は、各部の動作制御や表示部30に表示する表示の制御等を制御部60によって制御する構成である。
【0021】
接続部50は外部機器Eを接続するためのインターフェースである。接続部50は、接続された外部機器Eから外部入力データを取得する。鏡10は、接続部50に接続された外部機器Eを介してインターネットやLAN等の外部ネットワークに接続することができる。接続部50は、例えば、鏡10の後面(裏面)や外周面等に配置される。接続部50を通じて外部から入力される外部入力データは、表示部30に表示される外部入力情報の元となるデータである。
【0022】
接続部50は、接続された外部機器Eからのデータの入力のみを許容する。接続部50は、外部機器Eへデータを出力することはできない。鏡10は、入出力のインターフェースとしては、この接続部50のみを備えている。接続部50は、端子を介して外部機器Eを着脱自在に接続する。外部機器Eとしては、例えば、動画配信サービスに接続するためのいわゆるメディアストリーミング端末やPC(Personal Computer)等であることができる。外部機器Eとしては、例えば、単に無線、有線等の各種通信デバイスであることができる。鏡10は、接続部50に接続された外部機器Eとしての通信デバイスを介して、PCやスマートフォン、タブレット端末、家庭用ゲーム機、スマートスピーカー等の他の機器に接続されてもよい。接続部50は、規格化された通信方式によるデータが外部から入力される。具体的には、接続部50は、HDMI(登録商標)、(High-Definition Multimedia Interface)通信規格の信号が外部から入力される。接続部50は、HDMI(登録商標)端子等を有して構成される入力専用のインターフェースである。
【0023】
制御部60は、制御部60に接続されている表示部30、撮像部40、接続部50、及び操作部70の各部の動作制御や、表示部30の表示制御、表示部30へ出力する情報の切り替え制御等を実行する。制御部60は、例えばマイクロコンピュータを主体として構成されており、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置、ROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)などのメモリ、A/D変換器等を有して電気基板に実装された形態にされている(図示せず。)。
【0024】
操作部70は、各部の電源のオンオフの切り替え操作や各種設定操作、表示部30の表示状態の切り替え操作等を行うための操作部である。操作部70は、例えば、鏡10の外周面や後面(裏面)等に配置される。操作部70は、押しボタンスイッチ等の押圧式スイッチ、ロータリースイッチ等の公知の各種スイッチを有して構成される。操作部70は、例えば、静電容量式タッチスイッチを有して表示部30の表面や鏡部20の鏡面をタッチ操作する形態としてもよい。
【0025】
制御部60には、撮像部40が取得した撮像データ、及び接続部50を介した外部機器Eからの外部入力データが入力される。制御部60は、入力された撮像データ及び外部入力データに基づき、表示部30に表示する情報である撮像情報及び外部入力情報を生成する。制御部60は、外部入力データとして接続部50から入力されるHDMI(登録商標)規格の信号を復号するデコード機能を有している。制御部60は、外部入力データを復号して外部入力情報を生成する。制御部60は、生成した撮像情報及び外部入力情報のいずれか一方を表示部30に出力する。表示部30に表示される撮像情報は、操作部70の操作によって表示倍率を任意に設定可能である。制御部60は、使用者が操作部70を操作して表示する撮像情報の倍率を設定することによって、使用者の顔付近を拡大して表示したり、使用者の全身を表示したり等の表示制御を実行する。制御部60は、例えば、撮像部40による撮像情報を、撮像部40によって取得されてから所定時間後(例えば、3秒後)に表示することができる。
【0026】
制御部60は、表示部30に表示する情報の縦横比に応じて、異なる表示形態で情報を表示するように表示部30の表示制御を実行する。具体的には、表示部30に出力する情報が縦長の情報である場合、制御部60は、縦長の情報を上下に2つに分割して第1表示装置31及び第2表示装置32のそれぞれに出力する。これによって、
図3に示すように、表示部30には、第1表示装置31の表示面31A及び第2表示装置32の表示面32Aの上下に並んだ2個の表示面に亘って縦長の情報が表示される。
【0027】
表示部30に出力する情報が横長の情報である場合、制御部60は、横長の情報をそのまま第1表示装置31及び第2表示装置32のいずれか一方にのみ出力する。これによって、表示部30には、第1表示装置31の表示面31A及び第2表示装置32の表示面32Aの上下に並んだ2個の表示面のいずれか一方のみに横長の情報が表示される。
図4では、横長の情報が上側の第1表示装置31の表示面31Aに表示された状態を例示している。この状態の表示機能付き鏡10において、第2表示装置32の表示面32Aに対応する表示部30の下半分の表示領域は鏡として機能する。
【0028】
上記構成の表示機能付き鏡10及び洗面化粧台100の使用方法について説明する。表示機能付き鏡10及び洗面化粧台100を使用する場合、最初に、操作部70を操作して電源を投入して各部を起動させる。
【0029】
洗面化粧台100において、表示機能付き鏡10は、表示部30が鏡として機能する表示状態と、表示部30に情報を表示した表示状態とを操作部70の操作によって任意に切り替えて使用可能である。表示機能付き鏡10に情報を表示して使用する場合には、操作部70を操作し、表示部30の表示状態を情報が表示される表示状態に切り替える。表示される情報は、鏡部20の一部の領域に設定されている表示部30に表示される。
【0030】
表示部30に表示する情報は、操作部70の操作によって適宜設定することができる。例えば、撮像情報及び外部入力情報のいずれの情報を表示するかの選択や、表示倍率、遅延表示の有無、表示明度等の設定を行うことができる。これらの表示設定は、表示部30に情報を表示中であっても任意に変更可能である。表示部30の表示設定等の各種設定は、前回の使用終了時の設定をそのまま引き継ぐようにしたり、起動毎にデフォルト設定に戻すようにしたり等、適宜選択することができる。
【0031】
表示部30に情報が表示される表示状態において、その情報が縦長の情報である場合、表示部30には、
図3に示すように、第1表示装置31の表示面31A及び第2表示装置32の表示面32Aの上下に並んだ2個の表示面に亘って縦長の情報が表示される。これによって、表示部30には縦長の情報が表示部30の表示領域の上下全体に亘って表示される。
【0032】
このとき、制御部60では、入力された元データや使用者が操作部70を操作して設定した表示倍率等の表示設定に基づいて表示すべき情報が縦長の情報であることが判別され、上下に分割した2つの情報が生成されて第1表示装置31及び第2表示装置32にそれぞれ出力される。
【0033】
上述のように、撮像部40は、主に鏡10の使用者の全身や顔周辺の画像や映像を撮像データとして取得する。このようなデータに基づいて生成される情報は、通常、縦長となる。このため、表示部30の縦長の表示領域に表示するのに好適である。縦長に表示される情報としては、
図3に示すような撮像部40による撮像情報の他、例えば、スマートフォンで撮影した縦長の画像等が挙げられる。
【0034】
表示部30に情報が表示される表示状態において、その情報が横長の情報である場合、表示部30には、第1表示装置31の表示面31A、及び第2表示装置32の表示面32Aのいずれか一方の表示面に対応する表示領域にのみ、横長の情報が表示される(
図4参照)。この場合、情報が表示されない表示装置の表示面(
図4では、第2表示装置32の表示面32A)に対応する表示部30の表示領域は鏡として機能する。これによって、表示部30の全体に情報が表示される場合よりも省力化が図られるとともに、鏡部20における鏡として機能する領域を広く使用できる。
【0035】
このとき、制御部60では、入力された元データや使用者が操作部70を操作して設定した表示倍率等の表示設定に基づいて表示すべき情報が縦長の情報であることが判別され、1つの横長の情報が生成されて第1表示装置31及び第2表示装置32のいずれか一方に出力される。
【0036】
横長に表示される情報としては、例えば、接続部50を介して外部から取得した動画や映画等が挙げられる。横長に表示される情報の他の例としては、例えば、撮像部40による鏡10の使用者の撮像データにおいて、顔等の身体の一部を拡大したもの等が挙げられる。
【0037】
表示機能付き鏡10を通常の鏡として使用する場合には、操作部70を操作する。制御部60は、表示装置31,32の電源をオフにしたり、表示装置31,32が起動した状態において表示面の輝度を下げたり等、操作部70の操作に応じて表示部30の表示状態を切り替える。これによって、表示機能付き鏡10は、表示部30を含むその全面を鏡面として使用することができる。この場合、洗面化粧台100は、表示機能付き鏡10をミラーキャビネット130の他の2つの鏡132,133と併せて三面鏡として好適に使用できる。
【0038】
上記構成の表示機能付き鏡10及び洗面化粧台100の効果について説明する。表示機能付き鏡10は、鏡部20及び表示部30を備えている。表示部30は、鏡部20の一部の領域に情報を表示する。表示部30は、一方向に長い矩形状の表示面31A,32Aを有する2個の表示装置31,32を表示面31A,32Aの短辺方向に表示面31A,32Aが並ぶように配置している。具体的には、表示部30は、表示面31A,32Aが上下に並ぶように2個の表示装置31,32を配置している。このため、表示機能付き鏡10は、表示部30の縦長の表示領域と同様の方向を長手方向とする情報、すなわち縦長の情報を表示する場合には、2つの表示装置31,32の各表示面31A,32Aを利用して表示部30の表示領域全体に表示することができ、表示部30の表示領域とは異なる方向を長手方向とする情報、すなわち横長の情報を表示する場合には、2つの表示装置31,32のうちの一方の表示面に対応する表示領域のみに表示することができる。したがって、表示機能付き鏡10及び洗面化粧台100は、表示部に情報を好適に表示できる。
【0039】
すなわち、表示機能付き鏡10は、縦長の情報は表示部30の縦長の表示領域全体を有効に利用して好適に表示することができ、横長の情報は表示部30の縦長の表示領域のうちの上側半分及び下側半分のいずれか一方のみを利用して好適に表示することができる。表示部30に横長の情報を表示する場合、表示部30の表示領域のうちの上部及び下部のいずれか一方を鏡として機能する状態で使用できるとともに、他方の表示領域に対応する表示装置のみを使用するので省エネ化を図ることができる。
【0040】
<実施形態2>
次に、実施形態2に係る表示機能付き鏡について、
図5から
図7等を参照しつつ説明する。実施形態2において、上記実施形態1と略同じ構成部位には同符号を付けて、構造、作用及び効果の説明は省略する。
【0041】
実施形態2に係る表示機能付き鏡210は、
図5に示すように、表示部230における2個の表示装置231,232の配列形態の点において、実施形態1と相違している。具体的には、表示部230は、表示面231A,231Bが左右に並ぶように表示装置231,232が配置されている。表示装置231,232を一方向に長い矩形状の表示面231A,232Aの長手方向を上下方向に向けてそれぞれ配置したことによって、表示部230は横長の表示領域を有している。
図6に示すように、表示部230は、横長の情報を左右に並んだ2個の表示面231A,232Aを利用して表示する。表示部230は、
図7に示すように、縦長の情報を左右に並んだ2個の表示面231A,232Aのいずれか一方の表示面231A,232Aを利用して表示する。
【0042】
このような実施形態2に係る表示機能付き鏡210は、表示部230が、表示面231A,232Aが上下に並ぶように2個の表示装置231,232を配置している。このため、表示機能付き鏡210は、表示部230の横長の表示領域と同様の方向を長手方向とする情報、すなわち横長の情報を表示する場合には、2つの表示装置231,232の各表示面231A,232Aを利用して表示部230の表示領域全体に表示することができ、表示部230の表示領域とは異なる方向を長手方向とする情報、すなわち縦長の情報を表示する場合には、2つの表示装置231,232のうちの一方の表示面に対応する表示領域のみに表示することができる。したがって、表示機能付き鏡210は、実施形態1と同様に、表示部に情報を好適に表示できる。
【0043】
表示機能付き鏡210は、縦長の情報は、表示部230の横長の表示領域の半分のみを利用して好適に表示することができる。この場合、表示部230の横長の表示領域のうちの左側半分及び右側半分のいずれか一方を鏡として機能する状態で使用できるとともに、他方の表示領域に対応する表示装置のみを使用するので省エネ化を図ることができる。
【0044】
本開示は上記記述及び図面によって説明した実施形態1及び2に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も技術的範囲に含まれる。
【0045】
(1)表示部は、鏡部の全体に情報を表示する構成であってもよい。
【0046】
(2)表示部は、3個以上の表示装置を有していてもよい。
【0047】
(3)化粧台は、水栓や洗面ボウル等の洗面設備が設けられていない化粧台であってもよい。
【0048】
(4)表示機能付き扉が撮像部及び接続部を備えることは必須ではない。表示機能付き鏡は、例えば、撮像部及び接続部のいずれか一方を備える形態や、外部のネットワークと直接的に通信して外部のデータを取得する取得部を備える形態等、表示部に表示する情報を取得するための種々の構成を1つ以上適宜選択して採用することができる
【0049】
(5)表示機能付き鏡が撮像部を備える場合には、個人情報流出防止の観点から、外部のネットワークと直接的に通信して外部のデータを取得する取得部は備えていないことが好ましい。
【0050】
(6)表示機能付き鏡が三面鏡を構成する場合、表示機能付き鏡は、例えば、左側の鏡や中央の鏡に適用されてもよい。三面鏡を構成する場合、表示機能付き鏡は、例えば、3つの鏡のうちの2以上の鏡に適用されてもよい。
【0051】
(7)表示機能付き鏡は、洗面化粧台のミラーキャビネットに適用される形態に限定されない。表示機能付き鏡は、例えば、化粧台に備えられていない単独のミラーキャビネットに適用されてもよい。表示機能付き鏡は、例えば、住宅の壁面等の固定面に単独で取り付けられていてもよい。
【0052】
(8)2個の表示装置のうちの一方の表示面のみを利用して、表示部の表示領域とは異なる方向を長手方向とする情報を表示する場合、他方の表示装置の表示面に対応する表示領域には、使用者が設定した任意の情報を表示するようにしてもよい。この場合、他方の表示装置の表示面を利用して表示する情報は、一方の表示装置の表示面を利用して表示されている情報と異なっていてもよいし、同じであってもよい。
【符号の説明】
【0053】
10…表示機能付き鏡、20…鏡部、30…表示部、31…第1表示装置、31A…表示面、32…第2表示装置、32A…表示面、100…洗面化粧台(化粧台)