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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-07
(45)【発行日】2024-02-16
(54)【発明の名称】投票システムおよび投票方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/34 20120101AFI20240208BHJP
【FI】
G06Q50/34
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020179584
(22)【出願日】2020-10-27
(65)【公開番号】P2022070492
(43)【公開日】2022-05-13
【審査請求日】2022-12-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002918
【氏名又は名称】弁理士法人扶桑国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平川 初男
(72)【発明者】
【氏名】岡田 幸志郎
【審査官】貝塚 涼
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-069589(JP,A)
【文献】特開2007-257053(JP,A)
【文献】特開2003-288626(JP,A)
【文献】特開平01-286074(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末と、投票端末と、会員情報サーバと、投票サーバとを備える投票システムであって、
前記携帯端末は、会員情報を前記会員情報サーバに送信する会員情報送信部、投票内容を前記会員情報サーバに送信する投票内容送信部、および、前記会員情報サーバから前記会員情報および前記投票内容に通番情報を付加した投票用情報を受信し、受信した前記投票用情報から投票用コードを生成して画面表示する投票コード生成手段を有し、
前記投票端末は、前記投票用コードを読み取り、前記投票用コードの認証のために前記会員情報サーバに送信する読取部、前記会員情報サーバから前記投票用コードの認証の通知を受信すると、前記投票用コードに含まれる前記投票内容を示す投票情報を前記投票サーバに送信する投票情報送信部、および、前記投票サーバからの投票完了の通知を受けてレシートを印刷するレシート印刷部を有し、
前記会員情報サーバは、前記携帯端末から受けた前記会員情報の照会を行う会員情報照会部、前記携帯端末から前記投票内容を受信して会員の発券通番を取得する通番情報管理部、前記投票用情報を生成して前記携帯端末に送信する投票用情報生成部、および、前記投票端末から受信した前記投票用コードのコード情報と前記投票用情報生成部が生成した前記投票用情報とを比較して前記コード情報の認証を行うコード情報認証部を有し、
前記投票サーバは、前記投票端末から前記投票情報を受けて発券処理を行う投票情報受付部、および、前記発券処理が完了したときに、前記投票端末に投票が完了したことを通知する投票完了通知部を有する、
投票システム。
【請求項2】
前記会員情報サーバは、前記会員情報照会部が前記携帯端末から前記会員情報の照会を受けたとき、前記投票サーバから発売情報を取得して前記携帯端末に前記投票内容の入力のために送信する発売情報取得部を有し、
前記投票サーバは、前記投票端末から前記発売情報の照会を受け付ける発売情報受付部、および、前記発売情報を前記投票端末に通知する発売情報通知部を有する、
請求項1記載の投票システム。
【請求項3】
前記会員情報サーバの前記コード情報認証部は、前記コード情報および前記投票用情報にそれぞれ含まれる前記会員情報、前記通番情報および前記投票内容の投票情報をそれぞれ比較することで認証を行い、前記会員情報、前記通番情報および前記投票情報のすべてが認証されたかどうかを前記投票端末に通知する、請求項1記載の投票システム。
【請求項4】
前記携帯端末の前記投票コード生成手段は、前記投票用コードとして前記会員情報、前記通番情報および前記投票内容の投票情報を格納した二次元コードを生成する、請求項1記載の投票システム。
【請求項5】
携帯端末と、投票端末と、会員情報サーバと、投票サーバとを備えた投票システムによる投票方法であって、
前記携帯端末は、会員情報および投票内容を前記会員情報サーバに送信し、
前記会員情報サーバは、前記会員情報および前記投票内容に通番情報を付加した投票用情報を前記携帯端末に送信し、
前記携帯端末は、受信した前記投票用情報から投票用コードを生成して画面表示し、
前記投票端末は、前記投票用コードを読み取って前記会員情報サーバに送信し、
前記会員情報サーバは、前記投票用情報と前記投票用コードとを比較し、
前記投票端末は、前記会員情報サーバから前記投票用情報と前記投票用コードとを比較した結果を受信し、前記投票用情報と前記投票用コードとが一致することを前記結果が示すとき、前記投票サーバに、前記投票用コードに含まれる前記投票内容を示す投票情報を送信し、
前記投票サーバは、前記投票情報を受信して発券処理を行い、前記発券処理が完了すると、前記投票端末に投票が完了したことを通知し、
前記投票端末は、投票が完了したことを受信してレシートを発行する、
投票方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投票システムおよび投票方法に関する。
【背景技術】
【0002】
公営競技(競馬、競輪、ボートレース、オートレース)が開催される競技場および場外投票券売場には、投票を行う投票端末が設置されている。投票端末は、投票金額を入金し、投票情報を記入したマークカードを読み取って、投票券を発券するもので、タッチパネル/液晶ディスプレイを搭載し、画面操作により投票することができる。
【0003】
また、投票端末には、事前に会員カードに入金しておき、投票するときには、会員カードを使い、現金を使わずに投票券を発券することができるキャッシュレス投票端末が知られている。このとき、投票情報および入出金管理については、上位の投票サーバが集計を行っている。
【0004】
さらに、投票端末における投票情報の入力方法として、投票情報を記入したマークカードを使用する代わりに、携帯端末に入力した投票情報を二次元コード化したものを使用するものがある(たとえば、特許文献1~3参照)。
【0005】
図10は従来の投票システムにおける投票券の発券の流れの例を示すシーケンス図、図11は従来の投票システムの運用の一例を示すフローチャートである。
従来の投票システムは、図10に示したように、投票者が所有する携帯端末600およびICカード(会員カード)610と、Webサーバ620と、投票端末(キャッシュレス投票端末)630と、会員情報サーバ640と、投票サーバ650とを備えている。
【0006】
携帯端末600でWebブラウザを開いてWebサーバ620のサイトに接続されると、Webサーバ620は、投票内容入力画面を携帯端末600に送る。投票者は、その投票内容入力画面を用いて投票内容を入力する。入力された投票内容が携帯端末600からWebサーバ620に送られると、Webサーバ620は、投票情報が埋め込まれた二次元コードを生成し、携帯端末600に送って画面に表示させる。
【0007】
次に、投票者は、投票端末630のある場所まで移動し、まず、ICカード610で会員認証を行う。ICカード610を投票端末630のカード読取部にかざすと、投票端末630は、会員情報サーバ640に会員情報の照会を行う。投票端末630は、会員情報サーバ640から会員情報の認証を受けると、会員照合のために手のひら静脈タッチ画面の表示を行う。次に、投票者が手のひらを静脈センサにかざすと、投票端末630は、会員情報サーバ640に手のひら静脈の照会を行う。投票端末630は、会員情報サーバ640から会員情報の認証を受けると、投票画面の表示を行う。
【0008】
次に、携帯端末600の画面に表示された二次元コードを投票端末630の読取部にかざすことによって投票が行われる。投票端末630は、二次元コードに含まれる投票情報を読み取って投票サーバ650に照会する。投票サーバ650から投票情報の認証および投票確認を受けると、投票端末630は、投票内容確認画面を表示する。この投票内容確認画面には、決済のための「再度、ICカードをかざしてください。」というメッセージが含まれている。
【0009】
ここで、投票者がICカード610を投票端末630のカード読取部にかざすと、投票端末630は、投票確定を投票サーバ650に通知する。投票端末630は、投票サーバ650から投票完了の通知を受けると、投票内容のレシートを発行して、投票が完了となる。
【0010】
次に、従来の投票システムの運用の一例について図11を参照して説明する。投票システムの運用に際して、携帯端末600の事前準備、静脈認証のための静脈事前準備およびICカード610の事前準備が必要になる。
【0011】
携帯端末600の事前準備では、webブラウザ上の投票ホームページより投票内容を入力し(ステップS001)、投票内容に基づいて生成された投票用コード(二次元コード)を画面表示する(ステップS002)。
【0012】
静脈事前準備では、投票端末630にて投票者の手のひら静脈を事前に登録しておく(ステップS003)。なお、この手のひら静脈の登録に関しては、事前準備としては、一度行うだけでよい。
【0013】
ICカード610の事前準備では、まず、事前にICカード610を作成しておき(ステップS004)、そのICカード610には、投票に必要な金額を入金しておく(ステップS005)。
【0014】
以上の事前準備がすべて整った段階で、投票端末630によるキャッシュレス投票が可能になる。まず、投票端末630は、接客を開始すると、ICカード認証要求の画面を表示し(ステップS006)、ICカード610の会員情報を読み取ってログインを行う。次に、ICカード610の会員情報が認証されたかどうかが判断され(ステップS007)、認証された場合、投票端末630は、静脈認証要求の画面を表示する(ステップS008)。次に、手のひら静脈の情報を受けて事前登録されていた静脈情報との照合により手のひら静脈が認証されたかどうかが判断され(ステップS009)、認証された場合、投票端末630は、購入画面を表示する(ステップS010)。次に、携帯端末600に表示された投票用コード(二次元コード)を読み取ることで投票情報を認識し、ICカード610の会員情報を読み取ることで、ログインした投票者との整合性を確認する(ステップS011)。ログインした投票者との整合性が確認されると、投票端末630は、自動発券を行って(ステップS012)、接客を終了する。なお、ICカード610の会員情報が認証されない場合、手のひら静脈が認証されない場合、またはログインした投票者との整合性が確認されない場合、投票端末630は、認証/購入不可を画面表示して(ステップS013)、接客を終了する。
【0015】
以上のように、投票端末630での投票者の操作としては、ICカード610によるログイン、静脈認証、投票用コードの入力およびICカード610によりログインした投票者との整合性確認といった4手順が必要になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【文献】特開2015-069589号公報
【文献】特開2009-237682号公報
【文献】特開2008-257430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
従来の投票システムでは、キャッシュレス投票端末で投票を行うには、ICカード(会員カード)および手のひら静脈による認証と、携帯端末による投票用コード(二次元コード)の読み取りと、ICカードによる投票者との整合性確認が必要になる。複数の媒体による操作が必要となるため、使い勝手が悪い。また、以上の操作は、投票を行うたびに繰り返す必要があるため、不便である。
【0018】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、投票するまでにかかる投票者の操作を軽減した投票システムおよび投票方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明では、上記の課題を解決するために、1つの案では、携帯端末と、投票端末と、会員情報サーバと、投票サーバとを備える投票システムが提供される。この投票システムでは、携帯端末は、会員情報を会員情報サーバに送信する会員情報送信部、投票内容を会員情報サーバに送信する投票内容送信部、および、会員情報サーバから会員情報および投票内容に通番情報を付加した投票用情報を受信し、受信した投票用情報から投票用コードを生成して画面表示する投票コード生成手段を有し、投票端末は、投票用コードを読み取り、投票用コードの認証のために会員情報サーバに送信する読取部、会員情報サーバから投票用コードの認証の通知を受信すると、投票用コードに含まれる投票内容を示す投票情報を投票サーバに送信する投票情報送信部、および、投票サーバからの投票完了の通知を受けてレシートを印刷するレシート印刷部を有し、会員情報サーバは、携帯端末から受けた会員情報の照会を行う会員情報照会部、携帯端末から投票内容を受信して会員の発券通番を取得する通番情報管理部、投票用情報を生成して携帯端末に送信する投票用情報生成部、および、投票端末から受信した投票用コードのコード情報と投票用情報生成部が生成した投票用情報とを比較してコード情報の認証を行うコード情報認証部を有し、投票サーバは、投票端末から投票情報を受けて発券処理を行う投票情報受付部、および、発券処理が完了したときに、投票端末に投票が完了したことを通知する投票完了通知部を有する。
【0020】
本発明の別の案では、携帯端末と、投票端末と、会員情報サーバと、投票サーバとを備えた投票システムによる投票方法が提供される。この投票方法によれば、携帯端末は、会員情報および投票内容を会員情報サーバに送信し、会員情報サーバは、会員情報および投票内容に通番情報を付加した投票用情報を携帯端末に送信し、携帯端末は、受信した投票用情報から投票用コードを生成して画面表示し、投票端末は、投票用コードを読み取って会員情報サーバに送信し、会員情報サーバは、投票用情報と投票用コードとを比較し、投票端末は、会員情報サーバから投票用情報と投票用コードとを比較した結果を受信し、投票用情報と投票用コードとが一致することを当該結果が示すとき、投票サーバに、投票用コードに含まれる投票内容を示す投票情報を送信し、投票サーバは、投票情報を受信して発券処理を行い、発券処理が完了すると、投票端末に投票が完了したことを通知し、投票端末は、投票が完了したことを受信してレシートを発行する。
【発明の効果】
【0021】
上記構成の投票システムおよび投票方法は、携帯端末において投票に必要な下準備を済ませておき、投票端末では、携帯端末で生成した投票用コードを読み込ませるという1手順のみで投票を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】第1の実施の形態の投票システムの構成の一例を示す図である。
図2】第2の実施の形態の投票システムの構成の一例を示す図である。
図3】第2の実施の形態の投票端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4】第2の実施の形態の会員情報サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
図5】第2の実施の形態の携帯端末の画面遷移の一例を示す図であり、(A)は会員ログイン画面、(B)は発売情報表示画面、(C)は投票情報入力画面および(D)は投票用コード表示画面である。
図6】第2の実施の形態の投票端末の画面遷移の一例を示す図であり、(A)は初期画面、(B)は投票内容確認画面および(C)は投票完了画面である。
図7】第2の実施の形態の携帯端末において生成される投票用コードのヘッダ部のデータ構造を例示する図である。
図8】第2の実施の形態の投票システムにおける投票券の発券の流れの例を示すシーケンス図である。
図9】第2の実施の形態の投票システムの運用の一例を示すフローチャートである。
図10】従来の投票システムにおける投票券の発券の流れの例を示すシーケンス図である。
図11】従来の投票システムの運用の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して実施の形態を詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は第1の実施の形態の投票システムの構成の一例を示す図である。
【0024】
投票システム10は、携帯端末20と、投票端末30と、会員情報サーバ40と、投票サーバ50とを備える。携帯端末20は、投票を行う投票者が携帯するものであり、会員情報サーバ40と通信により接続して投票に必要な会員情報の認証、投票内容の入力、および投票用コードの生成を行う。投票端末30は、競馬、競輪、競艇またはオートレースが開催される公営競技場および場外投票券売場に設置され、携帯端末20から投票用コードを受信すると、会員情報サーバ40および投票サーバ50と連携して発券処理を行う。会員情報サーバ40は、携帯端末20および投票端末30と情報通信を行う機能、投票者の情報と発券通番を含む投票情報とを管理する機能、投票端末30が受信した携帯端末20からの投票用コードに含まれる情報の認証機能を有している。投票サーバ50は、投票端末30および会員情報サーバ40を管理するとともに公営競技の競技に関する情報および投票情報を管理する。
【0025】
携帯端末20は、会員情報送信部21、投票内容入力部22、投票内容送信部23および投票用コード生成部24を有している。会員情報送信部21は、会員情報サーバ40に会員情報を送信する。会員情報は、一般的には、投票者に割り振られた会員番号(ID)および投票者本人だけが知るパスワードを含み、会員番号は、従来のICカードに相当し、パスワードは、従来の手のひら静脈認証に相当する。投票内容入力部22は、会員情報サーバ40から発売可能なレースの情報を受信し、その中から投票したいレースを選択し、必要な投票内容を入力する。投票内容送信部23は、投票内容入力部22で入力した投票内容を会員情報サーバ40に送信する。投票用コード生成部24は、会員情報サーバ40から受信した投票情報を基に投票用コード(二次元コード)を生成して携帯端末20のディスプレイに表示する。
【0026】
投票端末30は、読取部31、認証結果受信部32、投票情報送信部33、投票完了受信部34およびレシート印刷部35を有している。読取部31は、携帯端末20のディスプレイに表示された投票用コードを読み取り、投票用コードから会員情報、投票情報および通番情報を含むコード情報を出力する。認証結果受信部32は、会員情報サーバ40から会員情報、投票情報および通番情報の認証結果を受信する。投票情報送信部33は、認証結果受信部32が会員情報、投票情報および通番情報がすべて認証された認証結果を受信した場合、投票サーバ50に投票情報を送信する。投票完了受信部34は、投票サーバ50から発券処理が正常に完了したことを示す情報を受信する。レシート印刷部35は、投票情報を印刷したレシートを発行(投票券を発券)する。
【0027】
会員情報サーバ40は、会員照会部41、発売情報取得部42、投票情報受付部43、通番情報管理部44、投票用情報生成部45、コード情報受付部46、コード情報認証部47、会員情報認証部47a、通番情報認証部47b、投票情報認証部47cおよび認証結果通知部48を有している。
【0028】
会員照会部41は、携帯端末20から会員情報を受信して会員情報サーバ40が管理する会員データベースに照会する。発売情報取得部42は、会員照会部41にて会員であることが認証されると、投票サーバ50に対し、開催されるレースの中で投票券が発売されるレースに関する情報の照会を行い、投票サーバ50から発売情報を受信すると、その発売情報を携帯端末20に送信する。投票情報受付部43は、携帯端末20で入力された投票情報を受け付ける。通番情報管理部44は、発券通番を管理するものであり、発券通番は、投票券が発券されるたびに増加する通し番号である。投票用情報生成部45は、会員情報、投票情報および通番情報を含む投票用情報を生成し、携帯端末20に送信する。
【0029】
コード情報受付部46は、投票端末30が送信したコード情報を受信する。コード情報は、会員情報、投票情報および通番情報を含む。コード情報認証部47は、コード情報受付部46が受信したコード情報の認証を行う。コード情報の会員情報の認証は、会員情報認証部47aが会員照会部41で認証された会員情報と照合することにより行われる。コード情報の投票情報の認証は、通番情報認証部47bが投票情報受付部43で受け付けた投票情報と照合することにより行われる。コード情報の通番情報の認証は、投票情報認証部47cが通番情報管理部44で付与された通番情報と照合することにより行われる。認証結果通知部48は、コード情報認証部47による会員情報、投票情報および通番情報の認証結果を投票端末30の認証結果受信部32に送信する。
【0030】
投票サーバ50は、発売情報受付部51、投票情報受付部52および投票完了通知部53を有している。発売情報受付部51は、会員情報サーバ40から開催予定のレースに関する情報の照会を受け付け、投票が可能な投票券の発売情報を会員情報サーバ40へ送信する。投票情報受付部52は、投票端末30から投票券の投票に必要な情報が整ったときに送信された投票情報を受け付け、発券処理を開始する。投票完了通知部53は、発券処理が完了したときに、投票端末30に投票が完了したことを通知する。
【0031】
以上の構成の投票システムにおいて、投票者が投票を行うとき、まず、携帯端末20を用いて会員情報の認証および投票内容の入力を行う。すなわち、携帯端末20の会員情報送信部21が会員情報サーバ40の会員照会部41に会員情報を送信する。会員照会部41にて会員情報が認証され、発売情報取得部42が取得していた発売情報を携帯端末20が受信すると、携帯端末20の投票内容入力部22による投票内容の入力が行われる。入力された投票内容は、投票内容送信部23によって会員情報サーバ40に送信される。
【0032】
会員情報サーバ40では、投票情報受付部43が携帯端末20から送信された投票内容を受信すると、通番情報管理部44が認証された会員の発券通番に相当する通番情報を取得する。投票用情報生成部45は、認証された会員の会員情報と通番情報と投票情報とを含む投票用情報を生成して携帯端末20に送信する。
【0033】
携帯端末20では、会員情報サーバ40から投票用情報を受信すると、投票用コード生成部24が投票用コード(二次元コード)を生成し、生成した投票用コードをディスプレイに表示する。
【0034】
次に、携帯端末20に表示された投票用コードが投票端末30の読取部31に読み取られると、読取部31は、投票用コードに含まれるコード情報を出力し、会員情報サーバ40に送信する。コード情報は、会員情報と通番情報と投票情報とを含む。会員情報サーバ40のコード情報受付部46が会員情報サーバ40からのコード情報を受信すると、コード情報認証部47がコード情報の認証を行う。すなわち、会員情報認証部47aは、携帯端末20に送信した投票用情報に含まれる会員情報と携帯端末20から送信されたコード情報に含まれる会員情報とを比較して会員情報の認証を行う。通番情報認証部47bは、携帯端末20に送信した投票用情報に含まれる通番情報と携帯端末20から送信されたコード情報に含まれる通番情報とを比較して通番情報の認証を行う。投票情報認証部47cは、携帯端末20に送信した投票用情報に含まれる投票情報と携帯端末20から送信されたコード情報に含まれる投票情報とを比較して会員情報の認証を行う。
【0035】
次に、コード情報認証部47による認証結果は、会員情報サーバ40の認証結果通知部48によって投票端末30に通知される。投票端末30では、認証結果受信部32が認証結果を受信し、会員情報、通番情報および投票情報のすべてが認証された認証結果の場合には、投票情報送信部33が投票サーバ50に投票情報を送信する。なお、会員情報、通番情報および投票情報の1つでも認証されなかった認証結果の場合、投票端末30は、投票不可のメッセージをディスプレイに表示し、以降の処理を終了する。
【0036】
投票サーバ50では、投票情報受付部52が投票端末30から送信された投票情報を受け付けると、発券処理を行い、発券処理が完了すると、投票完了通知部53が投票完了を投票端末30に送信する。投票端末30では、投票情報受付部52が投票完了の通知を受信すると、レシート印刷部35が投票情報を印刷したレシートを発行(投票券を発券)する。
【0037】
このように、携帯端末20では、ICカードを使用することなく、また、手のひら静脈認証を行うことなく、会員情報の送信および会員照合から投票用コードの生成まで一つの手順で行うことができる。また、投票端末30が投票用コードを読み取った後、ICカードによる会員情報の整合性のチェックが不要となる。つまり、投票者は、携帯端末20で行う一つの手順で投票を完了させることができるので、投票するまでにかかる操作を大幅に軽減することができる。
【0038】
ここで、投票までの手順の省略化により懸念されるリスクについて説明する。投票用コード(二次元コード)は、読み取りおよび改ざんが容易であるため、偽造およびなりすましのリスクがある。
【0039】
投票用コード(二次元コード)には、会員情報サーバ40で認証された会員情報と、携帯端末20で入力されて会員情報サーバ40が受け付けた投票情報と、会員情報サーバ40が管理する通番情報とを格納しているので、投票用コードの偽造が困難になる。投票用コードに会員情報サーバ40が管理する通番情報を組み込み、携帯端末20から通知された投票用コードと会員情報サーバ40で生成された投票用情報とを照合するので、他人のなりすましによる投票が防止され、セキュリティが確保される。
【0040】
[第2の実施の形態]
図2は第2の実施の形態の投票システムの構成の一例を示す図である。
投票システム100は、携帯端末200と、投票端末300と、会員情報サーバ400と、投票サーバ500とを備えている。投票端末300、会員情報サーバ400および投票サーバ500は、ネットワーク110を介して相互に接続され、携帯端末200は、任意のアクセスポイントを介してネットワーク110に接続されている。なお、投票システム100は、携帯端末200および投票端末300を複数台備えられるが、図2では、図示を省略する。
【0041】
携帯端末200は、投票者が所有するものであって、通信機能を有するタブレット型コンピュータまたはスマートフォンとすることができる。携帯端末200は、会員情報サーバ400にアクセスして投票を行うための操作を行い、投票用コードを生成するための専用のアプリケーションプログラムがインストールされている。また、携帯端末200は、Webブラウザによって会員情報サーバ400の投票ホームページにアクセスするようにしてもよい。
【0042】
投票端末300は、公営競技が開催される競技場および場外投票券売場に設置されており、投票者が携帯端末200を操作して事前に準備した投票用コード(二次元コード)を読み取らすだけで、投票を行うことができるキャッシュレス投票端末である。
【0043】
会員情報サーバ400は、公営競技の投票システム100を利用する投票者(会員)を管理する機能を備えたコンピュータである。たとえば、会員情報サーバ400は、会員の個人情報や、会員による投票券の購入の履歴や、投票券を購入するための口座(投票を行うために用いる口座)を管理する機能を備えている。
【0044】
投票サーバ500は、投票に関する情報処理の機能を備えたコンピュータである。投票サーバ500は、投票端末300から投票情報を受け付け、発券処理を実行する機能を備えている。また、投票サーバ500は、レースに関する情報を管理する機能も備えており、レース開始時間、レース終了時間、レース結果、投票可能時間などを管理する機能を備えている。
【0045】
ネットワーク110は、たとえば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどのネットワーク、あるいは、それらが混在するネットワークである。たとえば、投票端末300と、会員情報サーバ400と、投票サーバ500との間は公営競技専用ネットワークで接続してもよい。ネットワーク110は、有線ネットワークだけでなく、無線ネットワークも含む。
【0046】
図3は第2の実施の形態の投票端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
投票端末300は、制御部310と、顧客用ディスプレイ311とを備える。投票端末300は、顧客用ディスプレイ311に設置された顧客用タッチパネル321を備える。また、投票端末300は、レシート処理部322および二次元コード読取部323を備える。
【0047】
制御部310は、プロセッサ310aを含み、プロセッサ310aによって投票端末300の全体が制御されている。プロセッサ310aは、プログラムの命令を実行する演算回路を含むプロセッサである。プロセッサ310aは、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、またはPLD(Programmable Logic Device)である。また、プロセッサ310aは、CPU、MPU、DSP、ASIC、PLDのうちの2以上の要素の組み合わせでもよい。
【0048】
プロセッサ310aには、バス310hを介してRAM(Random Access Memory)310bと、HDD(Hard Disk Drive)310c、グラフィック処理部310d、入出力インタフェース310e、ディスクドライブ310fおよび通信制御部310gが接続されている。
【0049】
RAM310bは、投票端末300の主記憶装置として使用される。RAM310bには、プロセッサ310aに実行させるOS(Operating System)のプログラムおよびアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM310bには、プロセッサ310aによる処理に必要な各種データが格納される。HDD310cは、投票端末300の補助記憶装置として使用される。HDD310cには、OSやアプリケーションプログラムが格納される。
【0050】
グラフィック処理部310dには、顧客用ディスプレイ311が接続されている。グラフィック処理部310dは、プロセッサ310aからの命令に従って、画像を顧客用ディスプレイ311の画面に表示させる。
【0051】
入出力インタフェース310eには、顧客用タッチパネル321、レシート処理部322および二次元コード読取部323が接続されている。
入出力インタフェース310eは、顧客用タッチパネル321、および二次元コード読取部323から送られてくる信号を、バス310hを介してプロセッサ310aに送信する。また、入出力インタフェース310eは、プロセッサ310aから投票券の発券のための情報をレシート処理部322に送信する。
【0052】
顧客用タッチパネル321は、投票者向けの入力装置である。レシート処理部322は、プロセッサ310aから受信した指示に従ってレシートを印刷し、排出する機能を有している。
【0053】
二次元コード読取部323は、携帯端末200にて生成された投票用コード(二次元コード)を読み取る機能を有する。二次元コード読取部323は、投票用コードを読み取り、投票用コードに格納されている会員情報、通番情報および投票情報を取り出す。二次元コード読取部323によって読み取られた会員情報、通番情報および投票情報は、プロセッサ310aの指示に従い、入出力インタフェース310eを介して通信制御部310gに送られる。通信制御部310gは、会員情報、通番情報および投票情報についてネットワーク110を介して会員情報サーバ400に送信する。
【0054】
ディスクドライブ310fは、可搬型記録媒体330への情報の書き込み、および、可搬型記録媒体330からの情報の読み出しが可能な装置である。ディスクドライブ310fは、可搬型記録媒体330から読み取った情報を、バス310hを介してプロセッサ310aに送信し、プロセッサ310aからバス310hを介して受け付けた情報を可搬型記録媒体330に書き込む。
【0055】
通信制御部310gは、ネットワーク110に接続されており、会員情報サーバ400との間で投票券の発売情報の送受信を行い、投票サーバ500との間で投票に関する情報の送受信を行う。
【0056】
以上のようなハードウェア構成によって、第2の実施の形態の投票端末300の処理機能を実現することができる。なお、上記の構成は一例であり、構成部の組み合わせは適宜決定できる。たとえば、上記構成のうち必要のないものを削除することができる。
【0057】
図4は第2の実施の形態の会員情報サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
会員情報サーバ400は、制御部410を含む。制御部410は、プロセッサ411、RAM412、HDD413、画像信号処理部414、入力信号処理部415、ディスクドライブ416、通信インタフェース417を含む。会員情報サーバ400は、プロセッサ411によって装置全体が制御されている。プロセッサ411には、バス418を介してRAM412と複数の周辺機器が接続されている。プロセッサ411は、マルチプロセッサでもよい。
【0058】
RAM412は、会員情報サーバ400の主記憶装置として使用される。RAM412には、プロセッサ411に実行させるOSのプログラムおよびアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に記憶される。また、RAM412には、プロセッサ411による処理に必要な各種データが記憶される。
【0059】
バス418に接続されている周辺機器としては、HDD413、画像信号処理部414、入力信号処理部415、ディスクドライブ416および通信インタフェース417がある。
【0060】
HDD413は、内蔵したディスクに対して、磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。HDD413は、会員情報サーバ400の補助記憶装置として使用される。HDD413には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが記憶される。なお、HDD413に限らず、SSD(Solid State Drive)を使用することができる。なお、補助記憶装置としては、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置を使用することもできる。
【0061】
画像信号処理部414は、プロセッサ411からの命令に従って、会員情報サーバ400に接続されたディスプレイ414aに画像を出力する。ディスプレイ414aとしては、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、プラズマディスプレイ、有機EL(OEL:Organic Electro-Luminescence)ディスプレイなど、任意の種類のディスプレイを用いることができる。
【0062】
入力信号処理部415は、会員情報サーバ400に接続された入力デバイス415aから入力信号を取得し、プロセッサ411に出力する。入力デバイス415aとしては、マウス、タッチパネル、タッチパッド、トラックボール、キーボード、リモートコントローラ、ボタンスイッチなど、任意の種類の入力デバイスを用いることができる。また、会員情報サーバ400に、複数の種類の入力デバイスが接続されていてもよい。
【0063】
ディスクドライブ416は、可搬型記録媒体419に記録されたプログラムやデータを読み取る読み取り装置である。可搬型記録媒体419として、たとえば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリなどを使用できる。磁気ディスクには、フレキシブルディスク(FD:Flexible Disk)およびHDDが含まれる。光ディスクには、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)またはブルーレイディスクが含まれる。
【0064】
ディスクドライブ416は、たとえば、可搬型記録媒体419から読み取ったプログラムおよびデータを、RAM412やHDD413などの他の記録媒体にコピーする。読み取られたプログラムは、たとえば、プロセッサ411によって実行される。なお、可搬型記録媒体419は、プログラムおよびデータの配布に用いられる。また、可搬型記録媒体419やHDD413を、コンピュータ読み取り可能な記録媒体と言うことがある。
【0065】
通信インタフェース417は、ネットワーク110に接続されている。通信インタフェース417は、他のコンピュータ、記憶装置、または通信機器との間でデータの送受信を行う。
【0066】
以上のようなハードウェア構成によって、第2の実施の形態の会員情報サーバ400の処理機能を実現することができる。また、第2の実施の形態の投票サーバ500も会員情報サーバ400と同様のハードウェア構成により実現することができる。なお、上記の構成は一例であり、構成部の組み合わせは適宜決定できる。たとえば、上記構成のうち必要のないものを削除することができる。
【0067】
会員情報サーバ400は、たとえば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより、第2の実施の形態の処理機能を実現する。会員情報サーバ400に実行させる処理内容を記述したプログラムは、様々な記録媒体に記録しておくことができる。たとえば、会員情報サーバ400に実行させるプログラムをHDD413に記憶しておくことができる。プロセッサ411は、HDD413内のプログラムの少なくとも一部をRAM412にロードし、プログラムを実行する。また、会員情報サーバ400に実行させるプログラムを、光ディスク、メモリ装置、メモリカードなどの可搬型記録媒体に記録しておくこともできる。可搬型記録媒体に記憶されたプログラムは、たとえばプロセッサ411からの制御により、HDD413にインストールされた後、実行可能となる。またプロセッサ411が、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み出して実行することもできる。
【0068】
図5は第2の実施の形態の携帯端末の画面遷移の一例を示す図であり、(A)は会員ログイン画面、(B)は発売情報表示画面、(C)は投票情報入力画面および(D)は投票用コード表示画面である。なお、図5に示す表示例は、競馬の勝馬投票券を購入する場合の例示であるが、他の公営競技の投票券を購入する場合には、別の内容の画面が表示される。
【0069】
携帯端末200において、投票者が投票用のアプリケーションプログラムを立ち上げると、図5(A)に示すログイン画面201がディスプレイに表示される。ここで、会員情報(ID)およびパスワードを入力すると、それらの情報は、会員情報サーバ400に送信される。
【0070】
会員情報サーバ400において、携帯端末200から照会のあった会員情報の登録が確認されると、会員情報サーバ400から開催予定のレースに関する投票券の発売情報が送信されてくるので、携帯端末200は、図5(B)に示す発売情報表示画面202を表示する。投票者が発売情報表示画面202に表示された発売情報を基に投票するレースを選択し、投票ボタン202aをタップすると、携帯端末200は、図5(C)に示す投票情報入力画面203を表示する。
【0071】
投票者が投票情報入力画面203に投票に必要な投票情報を入力し、決定ボタン293aをタップすると、その投票内容が会員情報サーバ400に送信される。その後、会員情報サーバ400から投票用情報を受信すると、携帯端末200は、投票用情報を二次元の投票用コードを生成し、図5(D)に示すように、画面204に生成された投票用コード204aを表示する。
【0072】
図6は第2の実施の形態の投票端末の画面遷移の一例を示す図であり、(A)は初期画面、(B)は投票内容確認画面および(C)は投票完了画面である。なお、図6に示す表示例は、競馬場などに設置された投票端末300の接客面を例示している。
【0073】
投票端末300は、顧客用ディスプレイ311、レシート処理部322および二次元コード読取部323を有している。投票端末300を投票者が利用する前、顧客用ディスプレイ311は、図6(A)に示す初期画面を表示している。この初期画面には、投票券を購入することができる発売レースの情報と、出走取消の情報と、携帯端末200に表示されている投票用コード(二次元コード)の読取案内の情報とが表示されている。
【0074】
投票者が携帯端末200の投票用コードを二次元コード読取部323にかざすと、顧客用ディスプレイ311には、図6(B)に示すように、投票内容を確認する画面が表示される。投票者が投票内容を確認し、決定ボタン311aをタッチすると、投票端末300は、会員情報サーバ400および投票サーバ500と連携して発券処理を行う。発券処理は、レシート処理部322にて投票内容が印刷されたレシートをレシート出口から排出し、図6(C)に示すように、顧客用ディスプレイ311に「ありがとうございました。」のメッセージを表示することによって終了する。
【0075】
このように、投票端末300の操作としては、事前に準備された携帯端末200の投票用コード(二次元コード)を二次元コード読取部323にかざすという1つの手順だけで投票券を購入することができる。
【0076】
図7は第2の実施の形態の携帯端末において生成される投票用コードのヘッダ部のデータ構造を例示する図である。なお、投票用コードとしては、ヘッダ部とデータ本体部とを有しているが、データ本体部は、既存の投票用コードと同じ投票内容を格納したものであるので、ここでは、省略している。
【0077】
ヘッダ部は、フォーマット版数、登録数、作成日時およびサム値の項目の他に予備領域を有している。携帯端末200で生成される投票用コードは、投票内容に加えて会員番号(会員情報)および発券通番を格納しているが、その格納場所は、ヘッダ部に存在する予備領域を使用している。会員番号および発券通番の格納場所がヘッダ部であるので、投票内容に関わらず、会員番号および発券通番を簡単に付与することができる。
【0078】
図8は第2の実施の形態の投票システムにおける投票券の発券の流れの例を示すシーケンス図である。
第2の実施の形態の投票システム100は、図8に示したように、投票者が所有する携帯端末200において投票券購入専用のアプリケーションプログラムを用いて会員情報サーバ400に接続し、ログインする。このとき、投票者の会員番号が認証される。なお、携帯端末200は、Webブラウザによって会員情報サーバ400の投票ホームページにアクセスしてログインしてもよい。
【0079】
次に、会員情報サーバ400は、投票サーバ500に対して投票券の発売情報を照会し、投票サーバ500から投票券の発売情報が通知されると、その発売情報を携帯端末200に通知する。携帯端末200は、通知された発売情報に従って投票内容入力画面をディスプレイに表示する。
【0080】
投票者が投票内容を入力すると、携帯端末200は、入力された投票内容を会員情報サーバ400に通知する。会員情報サーバ400は、通知された投票内容を受信すると、ログインのときに通知された会員番号、投票内容および通番情報を含む投票用情報を携帯端末200に送信する。
【0081】
携帯端末200は、投票用情報を受信すると、その投票用情報を格納した投票用コード(二次元コード)を生成し、生成した投票用コードをディスプレイに表示する。これにより、投票券を購入するための準備が完了する。
【0082】
次に、投票者は、投票端末300のある場所まで移動し、ディスプレイに表示された投票用コードを二次元コード読取部323にかざして投票を開始する。投票端末300は、読み取った投票用コードから会員番号、投票内容および通番情報を出力して会員情報サーバ400に照会する。
【0083】
会員情報サーバ400は、投票端末300から受信した会員番号、投票内容および通番情報と投票端末300に送信した会員番号、投票内容および通番情報とを比較し、それぞれ一致しているかを判断する。受信した会員番号、投票内容および通番情報と送信した会員番号、投票内容および通番情報とがそれぞれ一致しているとの認証が得られると、その認証結果は、投票端末300に送信される。
【0084】
投票端末300は、会員番号、投票内容および通番情報が認証されたことを受信すると、投票サーバ500に対して投票情報の照会をする。投票サーバ500は、投票情報の照会を受けて、投票処理を行う。投票サーバ500は、投票処理が完了すると、投票完了を投票端末300に通知し、投票端末300は、投票完了を受けてレシートを発行する。投票サーバ500は、また、会員情報サーバ400に発券通番とともに投票完了を通知する。
【0085】
図9は第2の実施の形態の投票システムの運用の一例を示すフローチャートである。
投票システム100の運用に際して、携帯端末200での事前準備が必要になる。投票者は、携帯端末200を用いて、あらかじめ、会員情報の登録および口座の連結をしておく(ステップS1)。このステップS1の事前準備については、投票システム100への入会時に一度だけ実施すればよい。
【0086】
次に、投票者が投票券を購入するときは、携帯端末200のアプリケーションプログラムによって投票内容を入力し(ステップS2)、会員情報サーバ40より会員番号、通番情報および投票情報を受信し(ステップS3)、受信した会員番号、通番情報および投票情報を格納した投票用コード(二次元コード)を生成して携帯端末200のディスプレイに表示する(ステップS4)。このステップS2~S4の事前準備については、投票券を購入する度に実施される。なお、ステップS2では、携帯端末200のアプリケーションプログラムを利用する場合について説明したが、携帯端末200のWebブラウザにより投票端末300の投票ホームページにアクセスして投票内容を入力してもよい。
【0087】
投票端末300が接客を開始すると、制御部310は、顧客用ディスプレイ311に投票用コード受付画面を表示し、投票用コードが受け付けされるのを待機する(ステップS11)。
【0088】
ここで、投票端末300の二次元コード読取部323に事前準備された携帯端末200に表示の投票用コードをかざすことによって投票用コードが受け付けされると、投票端末300の制御部310は、投票用コードの確認を行う(ステップS12)。すなわち、制御部310は、投票用コードの生成のために携帯端末200に送信した会員番号、通番情報および投票情報と投票用コードに格納されていた会員番号、通番情報および投票情報とが一致しているかどうかを確認する。
【0089】
ステップS12において、携帯端末200に送信した会員番号、通番情報および投票情報と投票用コードの会員番号、通番情報および投票情報とが一致していると、制御部310は、レシート処理部322にレシートを発行させ(ステップS13)、処理を接客終了に移行する。
【0090】
ステップS12において、携帯端末200に送信した会員番号、通番情報および投票情報と投票用コードの会員番号、通番情報および投票情報とが不一致であると、制御部310は、顧客用ディスプレイ311に購入不可のメッセージを表示する(ステップS14)。このとき、制御部310は、購入不可の具体的な理由を表示させるようにしてもよい。その後、制御部310の処理は、接客終了に移行する。
【0091】
以上のように、この投票システム100では、投票のために必要な手順を携帯端末200の側ですべて準備している。これにより、投票券を実際に購入するときには、携帯端末200を投票端末300の二次元コード読取部323にかざすという操作だけで、レシートの発行(投票券の発券)まで処理を継続することができる。
【0092】
上記については単に本発明の原理を示すものである。さらに、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、本発明は上記に示し、説明した正確な構成および応用例に限定されるものではなく、対応するすべての変形例および均等物は、添付の請求項およびその均等物による本発明の範囲とみなされる。
【符号の説明】
【0093】
10 投票システム
20 携帯端末
21 会員情報送信部
22 投票内容入力部
23 投票内容送信部
24 投票用コード生成部
30 投票端末
31 読取部
32 認証結果受信部
33 投票情報送信部
34 投票完了受信部
35 レシート印刷部
40 会員情報サーバ
41 会員照会部
42 発売情報取得部
43 投票情報受付部
44 通番情報管理部
45 投票用情報生成部
46 コード情報受付部
47 コード情報認証部
47a 会員情報認証部
47b 通番情報認証部
47c 投票情報認証部
48 認証結果通知部
50 投票サーバ
51 発売情報受付部
52 投票情報受付部
53 投票完了通知部
100 投票システム
110 ネットワーク
200 携帯端末
201 ログイン画面
202 発売情報表示画面
202a 投票ボタン
203 投票情報入力画面
204 画面
204a 投票用コード
293a 決定ボタン
300 投票端末
310 制御部
310a プロセッサ
310d グラフィック処理部
310e 入出力インタフェース
310f ディスクドライブ
310g 通信制御部
310h バス
311 顧客用ディスプレイ
311a 決定ボタン
321 顧客用タッチパネル
322 レシート処理部
323 二次元コード読取部
330 可搬型記録媒体
400 会員情報サーバ
410 制御部
411 プロセッサ
414 画像信号処理部
414a ディスプレイ
415 入力信号処理部
415a 入力デバイス
416 ディスクドライブ
417 通信インタフェース
418 バス
419 可搬型記録媒体
500 投票サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11