(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-07
(45)【発行日】2024-02-16
(54)【発明の名称】塩基添加及び関連方法を使用して作製されたポリマー添加剤
(51)【国際特許分類】
G01N 23/223 20060101AFI20240208BHJP
B29C 64/165 20170101ALI20240208BHJP
B33Y 70/00 20200101ALI20240208BHJP
C08J 3/02 20060101ALI20240208BHJP
G01N 21/73 20060101ALI20240208BHJP
G03G 9/08 20060101ALI20240208BHJP
G03G 9/097 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
G01N23/223
B29C64/165
B33Y70/00
C08J3/02 CEZ
C08J3/02 C CER
G01N21/73
G03G9/08
G03G9/08 381
G03G9/097 372
(21)【出願番号】P 2020190501
(22)【出願日】2020-11-16
【審査請求日】2023-11-10
(32)【優先日】2019-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】リチャード・ピー.エヌ.・ヴェレジン
(72)【発明者】
【氏名】キンバリー・ディー.・ノセラ
(72)【発明者】
【氏名】ロサ・エム.・ドゥク
(72)【発明者】
【氏名】メラニー・リン・デイビス
(72)【発明者】
【氏名】デヴィット・アール.・クルセバ
(72)【発明者】
【氏名】クォン・ヴォン
【審査官】高草木 綾音
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第8663886(US,B2)
【文献】米国特許出願公開第2015/0010862(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0181013(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第3715391(EP,A1)
【文献】特開2018-054961(JP,A)
【文献】特開2016-126218(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 9/00-9/16
G01N 23/00-23/2276
G01N 21/62-21/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマー粒子混合物中のポリマー添加剤含有量Aを評価するための方法であって、
ポリマー粒子混合物中の金属カチオンの濃度Bを判定することであって、
前記ポリマー粒子混合物が親ポリマー粒子及びポリマー添加剤粒子を含み、前記金属カチオンが、ナトリウム(Na)以外のアルカリ土類金属及びアルカリ金属から選択され、前記金属カチオンが、水溶性塩基を形成することができる、判定することと、
前記親ポリマー粒子中の前記金属カチオンの濃度Cを判定することと、
前記ポリマー添加剤粒子中の前記金属カチオンの濃度Dを判定することと、
式A=(B-C)/Dを使用して、
前記ポリマー粒子混合物中のポリマー添加剤粒子のポリマー添加剤含有量Aを計算することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記ポリマー粒子混合物が、トナー高分子粒子混合物であり、前記親ポリマー粒子が、トナー親ポリマー粒子である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ポリマー粒子混合物が、3D印刷ポリマー粒子混合物であり、前記親ポリマー粒子が、3D印刷ポリマー粒子である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記金属カチオンが、Li、K、Cs、Sr、及びBaから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記水溶性塩基が、LiOH、KOH、CsOH、Sr(OH)
2、及びBa(OH)
2から選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記金属カチオンの濃度B、C、及びDを判定することが、
高周波誘導結合プラズマ(ICP
)又は
蛍光X線分析(XRF
)を使用して実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ポリマー添加剤粒子中の前記金属カチオンの濃度Dが、400ppm~2000ppmの範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ポリマー添加剤粒子が、前記水溶性塩基で処理されたポリマー添加剤ラテックスから回収されたものである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記計算されたポリマー添加剤含有量Aと目標ポリマー添加剤含有量Aとの差を計算することと、前記差を閾値と比較することと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記閾値が、±0.05pphである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ポリマー粒子混合物中の前記金属カチオンの濃度Bと前記親ポリマー粒子中の前記金属カチオンの濃度C との間の差が、1ppm~30ppmの範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記金属カチオンを含む前記水溶性塩基の量の存在下で、ポリマー添加剤ラテックスをある時間にわたって加熱して、前記ポリマー添加剤粒子を含む処理済みポリマー添加剤ラテックスを形成することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記親ポリマー粒子を前記ポリマー添加剤粒子と混合して、前記ポリマー粒子混合物
を形成することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
親ポリマー粒子のためのポリマー添加剤組成物を形成する方法であって、
モノマーの乳化重合によりポリマー添加剤ラテックスを形成することと、
金属カチオンを含む水溶性塩基の量の存在下で、前記ポリマー添加剤ラテックスをある時間にわたって加熱して、
ポリマー添加剤粒子を含む処理済みポリマー添加剤ラテックスを形成することであって、前記金属カチオンが、ナトリウム(Na)以外のアルカリ土類金属及びアルカリ金属から選択される、形成することと、を含む、方法。
【請求項15】
前記処理済みポリマー添加剤ラテックスから
前記ポリマー添加剤粒子を回収することと、前記回収されたポリマー添加剤粒子を親ポリマー粒子と混合して、ポリマー粒子混合物を形成することと、を更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記モノマーが、シクロヘキシルメタクリレート、ジビニルベンゼン、及びジメチル
アミノエチルメタクリレートを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記金属カチオンが、Li、K、Cs、Sr、及びBaから選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記水溶性塩基が、LiOH、KOH、CsOH、Sr(OH)
2
、及びBa(OH)
2
から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記ポリマー粒子混合物中の前記金属カチオンの濃度Bを判定することと、
前記親ポリマー粒子中の前記金属カチオンの濃度Cを判定することと、
前記回収されたポリマー添加剤粒子中の前記金属カチオンの濃度Dを判定することと、
式A=(B-C)/Dを使用して、前記ポリマー粒子混合物中の前記ポリマー粒子混合物中の前記回収されたポリマー添加剤粒子のポリマー添加剤含有量Aを計算することと、を更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記計算されたポリマー添加剤含有量Aと目標ポリマー添加剤含有量Aとの差を計算することと、前記差を閾値と比較することと、を更に含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ポリマー添加剤は、トナー粒子の特性を向上させるために一般的に使用されるシリカ及びチタニア表面添加剤を補うか又は置き換えるために使用されている。このようなポリマー添加剤は、選択的レーザ焼結(selective laser sintering、SLS)などの付加製造用途で使用される三次元(three-dimensional、3D)印刷粒子の流動助剤としても使用される。しかしながら、ポリマー添加剤は、本質的に有機であるため(下層のトナー及び3D印刷粒子のように)、ポリマー添加剤とトナー/印刷粒子との混合物中に存在するポリマー添加剤の量を正確に判定することは困難である。
【発明の概要】
【0002】
親ポリマー粒子とポリマー添加剤粒子とのポリマー粒子混合物中のポリマー添加剤含有量を評価するための方法を提供する。ポリマー添加剤組成物を作製するための方法及びこれらの組成物からポリマー粒子混合物を作製する方法も提供する。
【0003】
一態様では、ポリマー添加剤含有量を評価するための方法を提供する。実施形態では、ポリマー粒子混合物中のポリマー添加剤含有量Aを評価するための方法は、親ポリマー粒子及びポリマー添加剤粒子を含むポリマー粒子混合物中の金属カチオンの濃度Bを判定することであって、金属カチオンが、ナトリウム(Na)以外のアルカリ土類金属及びアルカリ金属から選択され、金属カチオンが、水溶性塩基を形成することができる、判定することと、親ポリマー粒子中の金属カチオンの濃度Cを判定することと、ポリマー添加剤粒子中の金属カチオンの濃度Dを判定することと、式A=(B-C)/Dを使用して、ポリマー添加剤含有量Aを計算することと、を含む。
【0004】
別の態様では、親ポリマー粒子のためのポリマー添加剤組成物を形成する方法を提供する。実施形態では、このような方法は、モノマーの乳化重合を介してポリマー添加剤ラテックスを形成することと、金属カチオンを含む水溶性塩基の量の存在下で、ポリマー添加剤ラテックスをある時間にわたって加熱することと、を含み、金属カチオンが、ナトリウム(Na)以外のアルカリ土類金属及びアルカリ金属から選択される。
【0005】
別の態様では、親ポリマー粒子のためのポリマー添加剤組成物を提供する。実施形態では、このような組成物は、3~8の範囲の炭素対酸素比を有するモノマーを含むモノマーと、任意選択的に、2つ以上のビニル基を含むモノマーと、任意選択的に、アミン官能性モノマーと、400ppm~800ppmの範囲の濃度の金属カチオンと、から形成されるポリマーを含み、金属カチオンが、ナトリウム(Na)以外のアルカリ土類金属及びアルカリ金属から選択される。
【発明を実施するための形態】
【0006】
親ポリマー粒子とポリマー添加剤粒子とのポリマー粒子混合物中のポリマー添加剤含有量を評価するための方法を提供する。ポリマー添加剤組成物を作製するための方法及びこれらの組成物からポリマー粒子混合物を作製する方法も提供する。
【0007】
一態様では、ポリマー粒子混合物中のポリマー添加剤含有量を評価するための方法を提供する。本方法は、親ポリマー粒子及びポリマー添加剤粒子を含むポリマー粒子混合物中の金属カチオンの濃度を判定することを含む。ポリマー粒子混合物は、少なくとも2つの異なる種類のポリマー粒子、すなわち、親ポリマー粒子とポリマー添加剤粒子との混合物である。「異なる」とは、ポリマー粒子の組成が異なることを意味するが、それらのサイズも異なっていてもよいことを意味する。「親」という用語は、そのような粒子が、親ポリマー粒子のある特性を改変して、例えば、電荷安定性を向上させ、流動を高め、環境条件に対する安定性を高めるなどのためにポリマー添加剤粒子で処理されることから、使用される。混合物中の各種類のポリマー粒子の組成及びサイズは、所望の用途に依存する。例示として、電子写真印刷用途では、ポリマー粒子混合物は、親トナー粒子の外面に吸収及び分散された、トナー親ポリマー粒子及びポリマー添加剤粒子(相対的により小さくてもよい)を含んでもよい。選択的レーザ焼結(Selective Laser Sintering、SLS)などのいくつかの付加製造用途で使用されるポリマー粒子混合物は、同様の構成を使用するが、各種類のポリマー粒子の組成/サイズは、電子写真印刷用途のものとは異なる。これらの及び同様のポリマー粒子混合物については、ポリマー粒子混合物の品質の測定を提供するために、混合物中のポリマー添加剤の含有量を評価することができることが望ましい。しかしながら、親ポリマー粒子及びポリマー添加剤粒子の両方が有機材料から構成され、したがって同様の元素組成を有し得るため、正確な評価が困難である。
【0008】
本開示は、この課題に対処し、親ポリマー粒子との混合物中のポリマー添加剤粒子の量を正確に判定するための効率的な方法を提供し、この判定を使用して、混合物が確立された品質管理基準を満たすか又は超えることを確実にする。本方法は、トナーポリマー粒子混合物及び3D印刷ポリマー粒子混合物を参照して以下に更に説明される。しかしながら、この方法は、概して、多種多様なポリマー粒子混合物に適用可能である。
【0009】
本方法は、ポリマー添加剤粒子を提供するポリマー添加剤ラテックスの処理中の特定の水溶性塩基の添加に基づく。水溶性塩基は、アルカリ金属(ナトリウム(Na)以外)及びアルカリ土類金属から選択される金属カチオンを含む。「水溶性」とは、塩基が、室温(20~25℃)で少なくとも20g/Lの水への溶解度を有することを意味する。実施形態では、金属カチオンは、Li、K、Cs、Sr、及びBaから選択される。水溶性塩基中の対応するアニオンは、一般に水酸化物(OH)である。実施形態では、水溶性塩基は、LiOH、KOH、CsOH、Sr(OH)2、及びBa(OH)2から選択される。これらの水溶性塩基を使用したポリマー添加剤ラテックスの処理について、以下に更に説明する。
【0010】
上記のように、本発明の方法は、親ポリマー粒子及びポリマー添加剤粒子を含むポリマー粒子混合物中の金属カチオン(水溶性塩基由来)の濃度を判定することに更に基づく。金属イオンの濃度を判定するために様々な技法が使用され得るが、例示的な好適な技術としては、誘導結合プラズマ(inductively coupled plasma、ICP)及びX線蛍光分光法(X-ray fluorescence spectroscopy、XRF)が挙げられる。市販のICP及びXRF機器を使用してもよい。
【0011】
実施形態では、本方法は、判定された金属カチオン濃度を予想される金属カチオン濃度と比較することを含んでもよい。以下の実施例に示されるように、予想される金属カチオン濃度は、ポリマー粒子混合物を形成する際に親ポリマー粒子組成物と混合されたポリマー添加剤組成物の量、及びポリマー添加剤粒子を提供するポリマー添加剤ラテックスに添加された水溶性塩基の量に基づいて計算してもよい。これらの2つの量は、ポリマー添加剤組成物及びポリマー粒子混合物の作製プロセスの様々な工程にわたって理想的な製造条件を前提として、ポリマー粒子混合物中に存在するべき金属カチオンの量(すなわち、予想される金属カチオン濃度)に変換する。実施形態では、ポリマー粒子混合物中の予想される金属カチオン濃度は、1ppm~50ppmの範囲であり、これは、1ppm~40ppm、及び1ppm~30ppmの範囲を含む。実施形態では、親ポリマー粒子組成物自体における金属カチオンのベースライン金属カチオン濃度も判定することも有用であり得る。このベースライン金属カチオン濃度は、親ポリマー粒子からのいかなる寄与も排除するために、ポリマー粒子混合物から判定された金属カチオン濃度から減算することができる。
【0012】
実施形態では、ポリマー粒子混合物中のポリマー添加剤含有量Aを評価するための方法を提供する。本方法は、親ポリマー粒子及びポリマー添加剤粒子を含むポリマー粒子混合物中の金属カチオンの濃度Bを判定することであって、金属カチオンが、ナトリウム(Na)以外のアルカリ土類金属及びアルカリ金属から選択され、金属カチオンが、水溶性塩基を形成することができる、判定することと、親ポリマー粒子中の金属カチオンの濃度Cを判定することと、ポリマー添加剤粒子中の金属カチオンの濃度Dを判定することと、式A=(B-C)/Dを使用してポリマー添加剤含有量Aを計算することと、を含む。濃度の判定は、上述の技法、例えば、ICP又はXRFを使用して実行され得る。Aの値は、単位がA、B、C、及びDと一致している限り、pph(又は重量%)の値、又は任意の他の単位であってもよい。
【0013】
判定された金属カチオン濃度値と予想された金属カチオン濃度値との間、又は計算されたポリマー添加剤含有量Aと目標ポリマー添加剤含有量A値との間で、比較が品質管理プロトコルの一部としてなされてもよい。(目標ポリマー添加剤含有量A値は、ポリマー粒子混合物を形成する際に、実際に親ポリマー粒子に添加されるポリマー添加剤粒子の量を指すことができる。)計算されたポリマー添加剤含有量と目標ポリマー添加剤含有量との間の比較に関して、その比較は、2つの値間の差を計算することと、その差を閾値と比較することと、を含むことができる。閾値はゼロであってもよいが、ある小さい値又は±0.02pph~±0.5pphの範囲であってもよい。これは、±0.03pph、±0.04pph、±0.05pphなどを含む。比較の結果は、ポリマー粒子混合物が品質管理基準に合格すること(例えば、2つの値間の差が閾値以下である)、又はポリマー粒子混合物が品質管理基準に不合格であること(例えば、2つの値間の差が閾値を超える)の指標であり得る。
【0014】
本方法の工程は、プロセッサと、プロセッサに動作可能に連結された非一時的コンピュータ可読媒体と、を含む、システムによって制御され得、コンピュータ可読媒体は、プロセッサによって実行されるときに、ポリマー粒子混合物、親ポリマー粒子、及び/又はポリマー添加剤粒子からの金属カチオン濃度の判定を開始することと、ポリマー添加剤組成物の量及びポリマー添加剤ラテックスの処理中に添加される水溶性塩基の量の入力されたデータに基づいて、予想される金属カチオン濃度を計算することと、上記の式を用いてポリマー添加剤含有量Aを計算することと、2つの値間の差を計算することと、差を閾値と比較することと、品質管理の合格又は不合格の指標を出力することと、のうちの1つ以上の動作をシステムに実行させる命令を含む。
【0015】
ポリマー添加剤組成物及びポリマー粒子混合物の作製方法も提供される。簡潔に言えば、ポリマー添加剤組成物の作製方法は、金属カチオンを含む水溶性塩基の量の存在下で、ある時間にわたってポリマー添加剤ラテックスを加熱し、それによって処理済みポリマー添加剤ラテックスを形成することを含んでもよい。本方法は、処理済みポリマー添加剤ラテックスからポリマー添加剤粒子を回収することを更に含んでもよい。本方法は、モノマーの乳化重合を介してポリマー添加剤ラテックスを作製することを更に含んでもよい。ポリマー粒子混合物の作製方法は、親ポリマー粒子組成物をポリマー添加剤組成物と混合してポリマー粒子混合物を形成することを含んでもよい。「混合」という用語は、限定することを意図するものではなく、ポリマー添加剤粒子を親ポリマー粒子と組み合わせて会合させるために使用される様々な技法(以下に記載される)を指すことができる。これらの方法、並びにポリマー添加剤組成物及び親ポリマー粒子組成物について、以下に更に説明する。
【0016】
「ポリマー添加剤組成物」及び「親ポリマー粒子組成物」という相は、これらの組成物の特定の形態とは対照的に、それぞれの粒子を含む組成物を示唆することを意味する。組成物は、ラテックス、ラテックスから回収された粒子(乾燥ラテックスと称され得る)、又は回収された粒子から作製された水性分散体の形態であってもよい。例示として、ポリマー添加剤組成物がラテックスの形態である場合、「ポリマー添加剤ラテックス」という句は、組成物を説明するために使用され得る。
【0017】
ポリマー添加剤組成物
【0018】
ポリマー添加剤組成物のポリマーは、特定のモノマーの重合から形成される。限定されないが、実施形態では、重合に使用される少なくとも1つのモノマーは、高い炭素対酸素(C/O)比、例えば3~8の範囲のモノマーである。高いC/O比を有するモノマーは、シクロヘキシルメタクリレートなどの脂肪族シクロアクリレートであってもよい。他のモノマーが重合に含まれて、コポリマーを形成してもよい。実施形態では、ジビニルベンゼンなどの2つ以上のビニル基を有するモノマーが含まれる。実施形態では、ジメチルアミノエチルメタクリレートなどのアミン官能基を有するモノマーが含まれる。ビニルモノマーとアミン官能性モノマーとの両方を、高いC/O比を有するモノマーと共に使用してもよい。
【0019】
ポリマー添加剤組成物のポリマーを形成する際に、様々な量のモノマーを使用してもよい。高いC/O比を有するモノマーは、コポリマーの重量と比較して、60%~99.4%の範囲の量で存在してもよい。存在する場合、ビニル基を有するモノマーは、コポリマーの重量と比較して、8重量%~40%重量の範囲の量で存在する。存在する場合、アミン官能性モノマーは、コポリマーの重量と比較して、0.5%~1.5%の範囲の量で存在する。
【0020】
ポリマー添加剤組成物のポリマーを形成するために乳化重合が使用されてもよい。このようなプロセスでは、混合容器などの好適な反応器に反応物質が添加されてもよい。反応物質は、溶媒中に溶解してもよく、開始剤が、少なくとも1つの界面活性剤と共に添加されてもよい。反応混合物は、様々な温度(例えば、10~100℃)で様々な時間(例えば、1分~72時間)混合し得る。モノマー、溶媒、開始剤、界面活性剤、これらの反応物質の相対量の選択、及び反応条件は、所望の用途に応じて、様々な分子量及び特性のポリマーを生成するように調整されてもよい。例示的な成分種、相対量、及び反応条件が、以下の実施例において提供される。しかしながら、本開示は、形成されるポリマーの種類に特に限定されない。米国特許第8,663,886号、2019年3月29日に出願された米国特許出願第16/369,013号、2019年3月29日に出願された米国特許出願第16/369,278号、2019年3月29日に出願された米国特許出願第16/369,359号、2019年3月29日に出願された米国特許出願第16/369,449号に記載されているような他のものが使用されてもよく、これらの各々は、参照により、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0021】
乳化重合から得られる組成物は、このように形成されたポリマーを含むポリマー添加剤ラテックスである。ポリマー添加剤ラテックスを使用する前に、上述の水溶性塩基のいずれかの量の存在下で、ある時間にわたって加熱される。熱の適用は、特定の温度を一定時間維持し、特定の加熱速度で他の温度に加熱する様々な組み合わせを伴う加熱プロトコルに従い得る。しかしながら、これらの温度は、60℃~95℃の範囲であってもよく、合計加熱時間は、30分~3時間の範囲であってもよい。水溶性塩基の量は、所望のpHに依存し、これは次に、ポリマー添加剤ラテックスの組成に依存する。pHは、4~9の範囲であってもよい。例示的な加熱プロトコル、水溶性塩基の量、及びpHは、以下の実施例において提供される。
【0022】
ポリマー添加剤ラテックスは、したがって、塩基添加によって処理されて、ポリマー粒子混合物を形成するために使用されてもよい。実施形態では、ポリマー添加剤粒子は、例えば、濾過、乾燥、遠心分離、噴霧乾燥、凍結乾燥などによって、処理済みポリマー添加剤ラテックスから回収され、その後、所望の親ポリマー粒子と混合される。しかしながら、処理済みポリマー添加剤ラテックス自体は、ポリマー粒子混合物の形成に使用されてもよい。例示として、親ポリマー粒子は、処理済みポリマー添加剤ラテックスに浸漬されてもよく、処理済みポリマー添加剤ラテックスは、親ポリマー粒子などの上に噴霧されてもよい。別の選択肢は、回収されたポリマー添加剤粒子を水に分散させて水性分散液を形成することと、処理済みポリマー添加剤ラテックスに関して記載されるように、ポリマー粒子混合物を形成する際に水性分散液を使用することとを伴う。これらの選択肢は、上述の「ポリマー添加剤組成物」とは、処理済みポリマー添加剤ラテックス、回収されたポリマー添加剤粒子、又は回収されたポリマー添加剤粒子の水性分散液を指すことができることを意味する。実施形態では、ポリマー添加剤組成物は、ポリマー添加剤粒子と単純に称され得る、回収されたポリマー添加剤粒子である。
【0023】
同様に、ポリマー粒子混合物を形成する際、親ポリマー粒子は、例えば、ラテックス、回収された粒子(すなわち、乾燥ラテックス)、又は回収された粒子の水性分散体として、様々な形態で使用されてもよい。上記のように、これらの形態は、「親ポリマー粒子組成物」という句によって包含される。
【0024】
ポリマー添加剤粒子のサイズは、それらの組成及び処理条件に依存する。しかしながら、ポリマー添加剤粒子は、70nm~250nmの平均粒径(d50)を有してもよい。
【0025】
ポリマー粒子混合物がどのように形成されるかに関わらず、混合物中のポリマー添加剤粒子の量は、上記のように、親ポリマー粒子の特定の特性を改変するように選択される。実施形態では、ポリマー添加剤粒子は、親ポリマー粒子の0.1%~5重量%、親ポリマー粒子の0.2%~2重量%、又は親ポリマー粒子の0.5%~2重量%の量で存在する。したがって、これらの値は、上述の目標ポリマー添加剤含有量と称され得る。
【0026】
親ポリマー粒子組成物
【0027】
ポリマー添加剤粒子は、様々な種類の親ポリマー粒子と混合されて、ポリマー粒子混合物を形成してもよい。例示的な親ポリマー粒子としては、トナー親ポリマー粒子及び3D印刷親ポリマー粒子が挙げられる。トナー親ポリマー粒子に関して、トナー親ポリマー粒子の種類(例えば、その組成、特性、形成方法など)は特に限定されない。しかしながら、実施形態では、トナー親ポリマー粒子は、結晶性及び非晶質のポリエステルの両方を含むコアシェル粒子である。様々な着色剤及びワックスが、このような親トナー粒子に含まれてもよい。このようなトナー親ポリマー粒子は、任意に1つ以上の顔料分散体と、任意選択的に1つ以上のワックス分散体との乳化凝集を介して形成されてもよい。トナー親ポリマー粒子は、4μm~10μmの平均又は中央値(d50)を有してもよい。米国特許第8,663,886号、及び2019年3月29日に出願された米国特許出願公開第16/369,013号に記載されているものを含む、他のトナー親ポリマー粒子が使用されてもよく、これらの各々は、参照により、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0028】
3D印刷に関する親ポリマー粒子についても、3D印刷親ポリマー粒子の種類は特に限定されない。実施形態では、3D印刷親ポリマー粒子のポリマーは、ポリアミド(例えば、PA6、PA12)、熱可塑性ポリウレタン、ポリイミド、ポリエステルアミド、高密度ポリエチレン、ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート若しくはポリヒドロキシバレレートなどのポリアルケン酸塩、又はポリエーテルエーテルケトンであってもよい。2019年3月29日に出願された米国特許出願第16/369,278号、2019年3月29日に出願された米国特許出願第16/369,359号、2019年3月29日に出願された米国特許出願第16/369,449号に記載されているものを含む、他の3D印刷親ポリマー粒子が使用されてもよく、これらの各々は、参照により、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0029】
ポリマー粒子混合物及び用途
【0030】
上記のように、ポリマー添加剤粒子を親ポリマー粒子と組み合わせて会合させて、ポリマー粒子混合物を形成してもよい。ポリマー粒子混合物中のポリマー添加剤粒子の例示的な量が上記に提供されている。ポリマー添加剤粒子に加えて、他の添加剤を、親ポリマー粒子、例えば、シリカ表面添加剤、チタニア表面添加剤、又はその両方と共に使用されてもよい。使用し得る添加剤の例示的な量及び他の種類としては、米国特許第8,663,886号、2019年3月29日に出願された米国特許出願第16/369,013号、2019年3月29日に出願された米国特許出願第16/369,278号、2019年3月29日に出願された米国特許出願第16/369,359号、2019年3月29日に出願された米国特許出願第16/369,449号に記載されているものが挙げられ、これらの各々は、参照により、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0031】
用途に応じて、ポリマー粒子混合物は、他の構成成分、例えば、キャリアと組み合わされて、電子写真印刷用の顕色剤、SLSなどの付加製造における3D物品の形成を補助するための充填剤と組み合わせてもよい。この場合もやはり、これらの用途及びそのような構成要素は、米国特許第8,663,886号、2019年3月29日に出願された米国特許出願第16/369,013号、2019年3月29日に出願された米国特許出願第16/369,278号、2019年3月29日に出願された米国特許出願第16/369,359号、2019年3月29日に出願された米国特許出願第16/369,449号に記載されており、これらの各々は、参照により、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0032】
ポリマー粒子混合物の最終用途にかかわらず、上述のように、本発明の方法を使用して、混合物中のポリマー添加剤粒子の含有量を正確かつ効率的に判定して、これらの混合物が確立された品質管理基準を満たすことを確実にし、それらの意図される使用に最適となり得る。
【0033】
本開示はまた、上述のポリマー添加剤組成物及びポリマー粒子混合物を包含する。これらの材料は、それらの金属カチオン濃度によって特徴付けられ得る。ポリマー添加剤組成物に関して、金属カチオン濃度は、400ppm~2000ppmの範囲であってもよい。これは、400ppm~1000ppm、400ppm~800ppm、及び400ppm~600ppmの範囲を含む。ポリマー粒子混合物に関して、金属カチオン濃度は、親ポリマー粒子中のベースライン金属カチオン濃度のものよりも大きく、1ppm~50ppmの範囲の量だけ大きくてもよい。これは、1ppm~40ppm、及び1ppm~30ppmの範囲を含む。金属カチオンは、水溶性塩基に関して上述したもののいずれであってもよい。
【実施例】
【0034】
ポリマー添加剤組成物
第1のポリマー添加剤ラテックス(ポリマー添加剤ラテックスA)を5ガロンスケールで調製し、第2のポリマー添加剤ラテックス(ポリマー添加剤ラテックスB)を300ガロンスケールで調製した。両方のラテックスを、20重量%固形分で、74.2重量%シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)、25重量%のジビニルベンゼン(DVB)、及び0.8重量%のジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)と、直前に使用した14重量%のラウレス硫酸ナトリウム(SLS)と、を含むモノマーの混合物を反応器において使用して、乳化重合により調製した。両方のラテックスを、反応を始める開始剤として過硫酸アンモニウム(APS)を使用して77℃で反応させた。反応は、77℃で2時間継続した。反応後、両方のラテックスを、77℃で1時間、87℃まで2時間、87℃で2時間というプロトコルに従って加熱した。加熱中、0.941kgの0.4%のKOH溶液を第1のラテックスに添加し、22kgの0.4%のNaOH溶液を第2のラテックスに添加した。次いで、両方のラテックスを室温に冷却した。各ラテックスの詳細を以下の表1A及び1Bに示す。
【0035】
ポリマー粒子混合物の最終用途にかかわらず、上述のように、本発明の方法を使用して、混合物中のポリマー添加剤粒子の含有量を正確かつ効率的に判定して、これらの混合物が確立された品質管理基準を満たすことを確実にし、それらの意図される使用に最適となり得る。
【0036】
【0037】
【0038】
トナー親ポリマー粒子との混合物
【0039】
XEROX(登録商標)700デジタルカラープレス黒色トナー親ポリマー粒子を、以下のように表面添加剤を有する標準条件を用いて10-LのHenschel内で混合した。ポリマー添加剤ラテックスA(すなわち、噴霧乾燥ポリマー添加剤ラテックスA)から0.95pphの回収されたポリマー添加剤粒子を添加した1つのブレンド、ポリマー添加剤ラテックスB(すなわち、噴霧乾燥ポリテトラフルオロエチレンB)から0.95pphの回収されたポリマー添加剤粒子を添加した第2ブレンド、回収されたポリマー添加剤粒子の代わりに1.4pphのゾル-ゲルシリカを使用した対照の第3のブレンド。全てのブレンドに対して、トナー粒子の重量で2.3pphの40ナノメートルシリカ、0.88pphの40ナノメートルチタニア、0.14ストロンチウムチタネート、及び0.09pphのステアリン酸亜鉛という添加剤組成物を添加した。
【0040】
ベンチ現像剤評価
【0041】
上述のように調製した各添加剤ブレンドトナーについて、60mLのガラス瓶中に1.5グラムの配合されたトナーと、30グラムのXerox(登録商標)700キャリアとを合わせた。サンプルを21.1℃及び10%RHの低湿度ゾーン(Jゾーン)で3日間コンディショニングし)、別のサンプルでは、約28℃/85%相対湿度の高湿度ゾーン(Aゾーン)で、3日間コンディショニングした。添加剤をブレンドしたトナーを有する現像剤を、Turbula(登録商標)ミキサーに60分間入れた。100V/cmの電場を使用するチャージスペクトログラフを用いて、トナーの摩擦帯電を測定した。トナー電荷量(Q/D)は、トナー電荷分布の中間点として視覚的に測定された。電荷量は、ゼロ線からの変位をミリメートルで報告した。(mmの変位は、0.092フェムトクーロン/mmで乗算することによって、フェムトクーロン/マイクロメートルのQ/Dの電荷量に変換することができる。)
【0042】
ブレンドしたトナーの質量当たりの電荷比(Q/M)は、空気流でのブローオフによってトナーを除去した後、現像剤を含有するファラデーケージの電荷を測定してブローオフ電荷法によっても判定された。ブローオフの前後のケージの重さを計ることで、ケージに収集された全電荷を、ブローオフによって除去されたトナーの質量で除算して、Q/M比を得る。
【0043】
表面添加剤をブレンドしたトナーについて、室温を超える高温でのトナーの凝集を測定することによって、トナーブロッキングを判定した。トナーブロッキングの測定は、以下のように完了した。2グラムの添加剤をブレンドしたトナーを開放皿に計量し、特定の高温及び50%の相対湿度の環境室内でコンディショニングした。約17時間後、サンプルを取り出し、周囲条件で約30分間順応させた。各再順応サンプルを、積み重ねた2つの予め秤量したメッシュ篩(次のように積み重ねた:上に1000μm、下に106μm)を通して篩分けすることによって測定した。篩を、約1mmの振幅で約90秒間、Hosokawaフロー試験機を用いて振動させた。振動完了後、篩を再秤量し、両方の篩上に残っているトナーの総量から、出発重量の百分率として、トナーブロッキングを計算した。したがって、2グラムのトナーサンプルでは、Aが上の1000μmの篩に残ったトナーの重量で、Bが下の106μmの篩に残ったトナーの重量であるとき、トナーブロッキング率は、ブロッキング%=50(A+B)で算出される。
【0044】
表2に示すように、対照と非常に同様に、KOH及びNaOH処理済みポリマー添加剤ラテックスについてほぼ同等の電荷が得られた。ブロッキングは、KOH及びNaOH処理済みポリマー添加剤ラテックスが対照と比較してわずかに悪化したが、全てが互いに小さい範囲内であり、±1℃である。表2のデータは、Na以外の金属イオンの使用が、本明細書に示されるトナー実施例におけるポリマー添加剤の性能を実質的に変化させないことを示す。
【0045】
【0046】
金属カチオン(K+)の検出
【0047】
市販のICP機器(Thermo Electron CorporationによるICAP6000シリーズのInductively Coupled Plasma-Optical Emission Spectrometer(ICP-OES))を使用して、以下のサンプル中のカリウム金属イオン濃度を判定した:乾燥ポリマー添加剤ラテックスA(三プリケートで試験)、ポリマー粒子混合物A、及びトナー親ポリマー粒子。結果を以下の表3に示す。
【0048】
【0049】
乾燥したポリマー添加剤ラテックスAは、0.941kgの0.4%のKOH溶液を18kgのポリマー添加剤ラテックスA(20重量%固形物)及びKOHアッセイに85%で添加したので、乾燥ポリマー添加剤ラテックスAは619ppmのK+を含有するべきであると計算された。表3は、3回の測定値にわたって平均化されたICPを用いた実測値も619ppmであった。この619ppmの値は、式A=(B-C)/DでDである。上記のように、ポリマー粒子混合物Aは、0.95重量%のこれらの回収されたポリマー添加剤粒子を含有する。これは、K+の濃度が619×0.95/100=5.88ppm(予想される金属カチオン濃度)であるべきであることを意味する。トナー親ポリマートナー粒子のK+濃度(上式中のC)をポリマー粒子混合物Aの濃度(上式中のB)から減算すると、(30.61-25.84)=4.8ppmのK+濃度(判定された金属カチオン濃度)が得られる。2つの値間の差は、約1ppmである。
【0050】
B=30.61、C=25.84及びD=619ppmの値を使用して、Aを(30.61-25.84)/619)=0.0078又は0.78pphとして計算することができる。これは、重み付けられたブレンド投入量は0.95pphであったので、予想よりもわずかに低い。これは、ブレンドプロセスにおいて実際にはいくらかの添加剤が失われたことを示し得る。しかしながら、分析を最適化し、正確な測定誤差限界を評価する前に、測定を実施した。したがって、この場合、ICP機器の測定誤差及びKイオンに対する機器の較正に起因するオフセットが存在し得る。測定誤差は、ICP機器上で制御された測定システム分析(MSA)を実行することによって低減又は排除され得ることが周知である。ICP機器は、1ppm未満まで金属イオンを検出することができることに留意されたい。したがって、結果は、開示された測定プロトコルがポリマー粒子混合物中のポリマー添加剤含有量を評価するために使用され得ることを確立する。正確度は、対象とする金属イオンの厳密な較正、並びに標準的な追加及びMSAなどの既知の分析技術を使用して測定システムの最適化を使用して精度を高めることができ、測定プロトコルの測定誤差の限界も確立する。
【0051】
「例示的な」という語は、例、事例、又は例示としての役割を果たすことを意味するために本明細書で使用される。「例示的な」として本明細書で記載される任意の態様又は設計は、必ずしも他の態様又は設計に比べて好ましい又は有利であると解釈されない。更に、本開示の目的のために、特に指定がない限り、「a」又は「an」は、「1つ以上」を意味する。
【0052】
上記で開示されたものの変形例、並びに他の特徴及び機能、又はこれらの代替物が、他の異なるシステム又は用途に組み合わされ得ることが理解されるであろう。様々な現在予期されない、又は先行例のない代替物、修正、変形、又は改善が、当業者によって後に行われてもよく、これらはまた、以下の特許請求の範囲によって包含されることが意図されている。