(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-07
(45)【発行日】2024-02-16
(54)【発明の名称】手術ツール取り付けシステム及び使用方法
(51)【国際特許分類】
A61F 9/007 20060101AFI20240208BHJP
A61B 17/29 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
A61F9/007 130H
A61B17/29
(21)【出願番号】P 2020542428
(86)(22)【出願日】2019-01-16
(86)【国際出願番号】 IB2019050355
(87)【国際公開番号】W WO2019155299
(87)【国際公開日】2019-08-15
【審査請求日】2022-01-13
(32)【優先日】2018-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】319008904
【氏名又は名称】アルコン インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ニールス アレクサンダー アプト
(72)【発明者】
【氏名】トーマス リンジ
【審査官】寺澤 忠司
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-539567(JP,A)
【文献】特表2013-534443(JP,A)
【文献】特開2013-176651(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0277046(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 9/007
A61B 17/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの手によって把握されるように構成された取っ手部、
少なくとも1つの可動部品、及び
少なくとも1つの作動部品
を含む手術ツールと、
前記手術ツールに結合されるように構成された手術ツール取り付け部と
を含む手術ツールシステムであって、前記手術ツール取り付け部は、本体を含み、前記本体は、
前記本体の第1の端部から延びるタブであって、前記手術ツールの前記少なくとも1つの可動部品と干渉するように動作可能であるタブ、
前記本体を長手方向に貫通する空洞であって、前記手術ツールを摺動可能に受けるように構成された空洞、及び
前記空洞から前記本体の側面全体を半径方向外向きに貫通するスロットであって、前記手術ツールの前記少なくとも1つの作動部品と干渉しないように前記本体の長さに少なくとも部分的に沿って延びるスロット
を含む、手術ツールシステム。
【請求項2】
前記手術ツール取り付け部は、前記手術ツール内に組み込まれる、請求項1に記載の手術ツールシステム。
【請求項3】
前記タブは、前記本体の外縁上に配置される、請求項1に記載の手術ツールシステム。
【請求項4】
前記空洞は、前記手術ツールの断面形状に対応する断面形状を含む、請求項1に記載の手術ツールシステム。
【請求項5】
前記空洞の前記断面形状は、六角形である、請求項4に記載の手術ツールシステム。
【請求項6】
前記手術ツール取り付け部は、前記本体の外面内に形成される少なくとも1つの凹部をさらに含み、前記本体の前記外面は、前記ユーザの前記手に対する人間工学的把持面を形成する、請求項1に記載の手術ツールシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つの可動部品は、複数のノッチを含み、
前記タブは、前記ノッチの断面形状に対応する断面形状を含み、
前記タブは、前記少なくとも1つの可動部品を前記手術ツールに対してある配向で固定するように前記ノッチの少なくとも1つ内に挿入可能であるように構成される、請求項1に記載の手術ツールシステム。
【請求項8】
前記少なくとも1つの可動部品は、複数の隆起部を含み、
前記タブは、前記少なくとも1つの可動部品を前記手術ツールに対してある配向で固定するように前記少なくとも1つの可動部品の前記隆起部の少なくとも1つを受けるように構成されるチャネルを画定する断面形状を有する、請求項1に記載の手術ツールシステム。
【請求項9】
前記手術ツール取り付け部は、前記本体内に形成され、且つ前記空洞から前記本体の外部に延びる開口をさらに含む、請求項1に記載の手術ツールシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照によりその全体が本明細書に援用される、2018年2月9日出願の米国仮特許出願第62/628,918号明細書の利益を主張する。
【0002】
本開示は、眼科手術及び手術用機器に関し、具体的には眼科手術ツールシステム、取り付け部及び使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
眼科手術は、毎年、何万もの患者の視力を救い且つ改善するために眼に対して行われている。しかし、眼のさらに小さい変化に対する視力の感度及び多くの眼構造の繊細且つ微妙な性質を考えると、眼科手術は、行うことが困難であり、さらに些細な又は稀な手術失敗の低減又は外科技術の正確さ又は精度の控えめな改善が手術後の患者の視力に著しい違いを生じ得る。
【0004】
いくつかの眼科手術では、眼の内部は、マイクロ手術ツールと多くの場合に呼ばれる小型ツールを使用することによって切断、把握、除去又は修復される。このようなツールは、眼に作用する機械的作動部品を含み得る。例えば、マイクロ手術ツールは、鉗子、やっとこ(shears)及びはさみを含み得る。これらのツールの正確な位置決めは、それらの精密な使用を可能にし、患者の結果を改善するが、正確な位置決めは、これらのツールの可動部品が不動にされないと維持することが困難であり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の態様は、手術ツールと、手術ツールに結合されるように構成された手術ツール取り付け部とを含み得る手術ツールシステムを含み得る。手術ツールは、ユーザの手によって把握されるように構成された取っ手部、少なくとも1つの可動部品及び少なくとも1つの作動部品を含み得る。手術ツール取り付け部は、本体を含み得、本体は、本体の第1の端部から延びるタブであって、手術ツールの少なくとも1つの可動部品と干渉するように動作可能であるタブ、本体を長手方向に貫通する空洞であって、手術ツールを摺動可能に受けるように構成された空洞及び空洞から本体の側面全体を半径方向外向きに貫通するスロットであって、手術ツールの少なくとも1つの作動部品と干渉しないように本体の長さに少なくとも部分的に沿って延びるスロットを含み得る。
【0006】
別の態様によると、本開示は、手術ツールに結合されるように動作可能な本体を含み得る手術ツール取り付け部を記載する。本体は、手術ツールを受けるように構成されている、本体を長手方向に貫通する空洞及び空洞から本体の側面全体を半径方向外向きに貫通するスロットを含み得る。空洞は、本体の長さに少なくとも部分的に沿って延び得る。手術ツール取り付け部は、本体の第1の端部から縦方向に延びるタブであって、手術ツールの可動部品と干渉するように動作可能であるタブも含み得る。
【0007】
別の態様によると、本開示は、手術ツールシステムを構成する方法を記載する。本方法は、手術ツールシステムの第1の構成を判断すること、手術ツールの可動部品を、第1の構成に対応する第1の配向に調節すること及び手術ツール取り付け部を、手術ツール取り付け部が可動部品を第1の配向で固定するように、第1の構成に対応する第1の位置に位置決めすることを含み得る。
【0008】
様々な態様は、以下の特徴の1つ又は複数を含み得る。手術ツール取り付け部は、手術ツールに組み込まれ得る。タブは、本体の外縁上に配置され得る。空洞は、手術ツールの断面形状に対応する断面形状を含み得る。空洞の断面形状は、六角形であり得る。手術ツール取り付け部は、本体の外面内に形成される少なくとも1つの凹部も含み得る。本体の外面は、ユーザの手に対する人間工学的把持面を形成し得る。少なくとも1つの可動部品は、複数のノッチを含み得る。タブは、ノッチの断面形状に対応する断面形状を含み得る。タブは、少なくとも1つの可動部品を手術ツールに対してある配向で固定するようにノッチの少なくとも1つ内に挿入可能であるように構成され得る。少なくとも1つの可動部品は、複数の隆起部を含み得る。タブは、少なくとも1つの可動部品を手術ツールに対してある配向で固定するように少なくとも1つの可動部品の隆起部の少なくとも1つを受けるように構成されるチャネルを画定する断面形状を含み得る。手術ツール取り付け部は、本体内に形成され、且つ空洞から本体の外部に延びる開口も含み得る。
【0009】
様々な態様は、以下の特徴の1つ又は複数を含み得る。手術ツール取り付け部の本体は、手術ツールに結合され得る。本体は、手術ツールを受けるように構成されている、本体を長手方向に貫通する空洞及び空洞から本体の側面全体を半径方向外向きに貫通するスロットであって、本体の長さに少なくとも部分的に沿って延びるスロットを含み得る。手術取り付け部ツールは、本体の第1の端部から縦方向に延びるタブであって、手術ツールの可動部品と干渉するように動作可能でありタブも含み得る。空洞は、手術ツールの断面形状に対応するように構成される断面形状を含み得る。空洞の断面形状は、六角形であり得る。少なくとも1つの凹部は、人間工学的把持面をユーザの手に提供する本体の外面を形成するように本体の外面内に形成され得る。タブは、手術ツールの可動部品上に形成された機構に合致するように構成された断面を有し得る。
【0010】
手術ツールシステムを構成する方法は、手術ツールシステムの第2の構成を判断すること、可動部品が移動することを手術ツール取り付け部が妨げないように手術ツール取り付け部を中間位置に位置決めすること、手術ツールの可動部品を、第2の構成に対応する第2の配向に調節すること及び手術ツール取り付け部を、手術ツール取り付け部が可動部品を第2の配向で固定するように、第2の構成に対応する第2の位置に位置決めすることも含み得る。手術ツールシステムを構成する方法は、手術ツール取り付け部を手術ツールに結合することも含み得る。手術ツール取り付け部を手術ツールに結合することは、手術ツール取り付け部内の空洞と手術ツールの第1の端部とをアライメントすること及び手術ツール取り付け部を手術ツールの第1の端部と反対側の第2の端部に向かって外科用器具に沿って摺動することを含み得る。手術ツール取り付け部を第1の位置に位置決めすることは、手術ツール取り付け部を、手術ツールの可動部品に隣接する位置に位置決めすること、手術ツール取り付け部のタブと、可動部品内に形成されたノッチとをアライメントすること及びタブが可動部品と干渉して可動部品を第1の配向で固定するようにタブを可動部品のノッチ内に挿入することも含み得る。
【0011】
上述のシステムの任意のものは、上述の方法の任意のものを使用することによって動作され得、上述の方法の任意のものは、上述のシステムの任意のものに適用され得る。前述の概要及び以下の詳細な説明の両方は、本来、例示的であり、説明のためのものであり、且つ本開示の範囲を限定することなく本開示の理解を与えるように意図されていることを理解すべきである。この点に関して、本開示の追加の態様、特徴及び利点は、以下の詳細な説明から当業者に明白になる。
【0012】
本開示及び本明細書に説明する関連する特徴及び利点をより詳細に理解するために、ここで、原寸に比例しない添付図面であって、同様の参照符号が同様の特徴を指す添付図面と併せて以下の説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、眼科手術のための例示的システムを示す。
【
図2】
図2は、6201 South Freeway,Fort Worth,Texas 76134にあるAlcon Laboratories,Inc.によって製造されるGRIESHABER SUTHERLAND NG取っ手と類似する例示的手術ツール取り付け部及び手術ツールを有する例示的手術ツールシステムの斜視図である。
【
図3】
図3は、GRIESHABER SUTHERLAND NG取っ手と類似する別の例示的手術ツール取り付け部及び手術ツールを有する例示的手術ツールシステムの斜視図である。
【
図4A-D】
図4A-Dは、例示的手術ツール取り付け部の様々な図である。
【
図5A-C】
図5A-Cは、別の例示的手術ツール取り付け部の様々な図である。
【
図6】
図6は、手術ツールシステムを構成する例示的方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示の原理の理解を促進する目的のために、図面に示された実装形態が次に参照され、特定の言語がこれらの実装形態を説明するために使用される。それにもかかわらず、本開示の範囲のいかなる限定も意図されないことが理解される。説明された装置、器具、方法に対する任意の代替形態及び別の修正形態並びに本開示の原理の任意のさらなる応用は、本開示が関連する技術分野の当業者が通常認識するであろうように十分に企図される。特に、一実装形態に関して説明された特徴、部品及び/又は工程は、本開示の他の実装形態に関して説明された特徴、部品及び/又は工程と組み合わされ得ることが十分に企図される。さらに、本明細書において説明される方法工程は、任意の組み合わせで使用され得、明確に互いに排他的でない限り任意の順番で行われ得る。
【0015】
開示された手術ツールシステム及び使用方法は、手術ツールの可動部品を不動にする手術ツール取り付け部を設け、且つこれによりツール先端を手術ツールに対して所与の配向で固定することによって手術ツール(特に手術ツール先端の配向を調節する手術ツール上にある可動部品を有する手術ツール)の正確な位置決めを改善し得る。これは、手術ツールを位置決めするか、作動させるか又はそうでなければ使用する際にときに発生する可動部品及びツール先端の配向の故意でない変化を回避するか又は大いに低減する。配向のこれらの故意でない変化は、多くの場合、作動と位置決めとの連動、手疲労、企図振せん及び他の故意でない手運動から生じ得る。本開示のシステム又は方法を使用することにより、故意でない運動(例えば、作動効果、手疲労及び他の故意でない手運動)は、可動部品及びツール先端の配向を変更しない。この結果、悪影響(例えば、配向の故意でない変化)が回避又は最小化される。
【0016】
本開示のシステムは、通常、手術ツール及び手術ツール取り付け部を含む。いくつかの実装形態では、手術ツール取り付け部は、手術ツール取り付け部を手術ツールの遠端部全体にわたって結合することによって手術ツールに取り付けられ得る。例えば、いくつかの例では、手術ツール取り付け部は、手術ツール取り付け部を手術ツールに結合するために手術ツールの遠端部全体にわたって摺動され得る。しかし、手術ツール取り付け部を手術ツールに取り付ける他の取り付け部設計及び方法は、本開示内に包含される。手術ツール取り付け部は、手術ツールに対する手術ツール取り付け部の回転を防止し、手術ツールの可動部品を一時的に不動にする。例示的システム及び部品は、
図1~
図6においてより詳細に説明される。しかし、これらのシステム及び部品の態様は、互いに組み合わされ得るか、又はそうでなければ本明細書において説明されるシステム及び部品と組み合わされ得るが、図に示さない。
【0017】
図1は、眼科手術のための例示的システム100を示す。システム100は、第1の手術ツールシステム200及び第2の手術ツールシステム102を含む。
図1に示すように、第1の手術ツールシステム200は、ツール先端206を含み、第2の手術ツールシステム102は、ツール先端104を含む。ツール先端206及びツール先端104は、患者の眼10内に少なくとも部分的に配置されて示される(患者の眼10は、どのようにシステムが使用され得るかをより良く説明するように描写されるが、いかなるシステムの構成要素でもない)。ツール先端206及びツール先端104は、動的部品216及び動的部品106をそれぞれ含み得る。動的部品216及び動的部品106は、作動されると、患者の眼10内に移動する。例えば、動的部品216は、
図1に描写され、6201 South Freeway,Fort Worth,Texas 76134にあるAlcon Laboratories,Inc.によって製造されるSutherland“Tack”Microforceps(以下では「Tack Microforceps」と呼ばれる)などの鉗子を含み得る。Tack Microforcepsは、網膜を眼の後部に対して保持するタックを挿入するために使用される。他の例では、動的部品216は、内境界膜(ILM)鉗子、端部把握鉗子、非対称鉗子、光ファイバ鉗子又は6201 South Freeway,Fort Worth,Texas 76134にあるAlcon Laboratories,Inc.によって製造されるMAX GRIP(登録商標)鉗子などのマイクロテクスチャ鉗子を含み得る。動的部品216は、湾曲はさみ又は垂直はさみなどのはさみも含み得る。動的部品216は、やっとこをさらに含み得る。動的部品106は、
図1では鉗子として描写される。しかし、動的部品106は、動的部品216を参照して列挙される部品の任意のものなどの他のタイプの部品であり得る。さらに、本開示の範囲は、そのように限定されず、動的部品216及び動的部品106は、外科的処置内の使用のための他のタイプの機構、ツール又は器具を包含するように意図されている。
【0018】
図1を引き続き参照すると、第1の手術ツールシステム200は、6201 South Freeway,Fort Worth,Texas 76134にあるAlcon Laboratories,Inc.によって製造されるGRIESHABER SUTHERLAND NG取っ手などのSutherland取っ手と同様であり得る手術ツール202も含む。第1の手術ツールシステム200及びその手術ツール202は、
図2に関して以下にさらに詳細に説明される。
図1に描写するように、第2の手術ツールシステム102は、GRIESHABER REVOLUTION(登録商標)取っ手と同様であり得る手術ツール108、GRIESHABER REVOLUTION(登録商標)DSP取っ手又はその両方が本明細書に参照により援用される米国特許第6,482,198号明細書及び第6,488,695号明細書に説明される取っ手を含む。他の実装形態では、手術ツール108は、GRIESHABER(登録商標)RENAISSANCE(登録商標)取っ手又は本明細書に参照により援用される米国特許第6,908,476号明細書に説明される取っ手と同様であり得る。さらに他の実装形態では、手術ツール108は、手術ツール202と同様であり得、したがって上述のGRIESHABER SUTHERLAND NG取っ手などのSutherlandの取っ手と同様であり得る。いくつかの実装形態では、手術ツールシステム102は、光源又は照明器を含み得る。しかし、本開示の範囲は、そのように限定されない。むしろ、上述の取っ手及びツールは、単に一例として提供される。その結果、手術ツール202及び手術ツール108は、外科的処置内の使用のための他のタイプの手術ツール、取っ手又は器具を包含するように意図されている。
【0019】
ツール先端206、ツール先端104及びその任意の部品(動的部品216又は動的部品106など)は、手術ツールシステム200又は手術ツールシステム102と一体的に形成され得る。他の実装形態では、ツール先端206、ツール先端104及びその関連部品は、手術ツールシステム200及び手術ツールシステム102に対して着脱可能且つさらに交換可能であり得る。
【0020】
いくつかの実装形態では、ツール先端206、ツール先端104及び/又はその他の部分(例えば、眼10内に挿入されるツール先端の部分)は、20ゲージ、23ゲージ、25ゲージ又は27ゲージのゲージサイズを有し得る。しかし、本開示の範囲は、そのように限定されない。むしろ、ツール先端206、ツール先端104及び/又はその任意の部品のサイズは、任意の所望且つ好適なサイズを有し得る。
【0021】
図1に描写するように、システム100は、眼科外科的処置を行うために使用され得る。例えば、システム100は、巨大網膜裂傷を修復するために使用され得る。
図1に示すように、手術ツールシステム200は、手術ツール202(上に説明したように、いくつかの例ではSutherland取っ手と同様であり得る)、ツール先端206及び動的部品216を含む。いくつかの例では、動的部品216は、上述のようにTack Microforcepsと同様であり得る。ツール先端206及び動的部品216は、動的部品216が物品(眼の機構又は別の外科装置など)を把握させられるように作動され得る。例えば、いくつかの例では、動的部品216は、網膜タック(明示的に示されない)を操作するように作動され得る。手術ツールシステム200は、網膜剥離の一部分を固定するために網膜タックを患者の眼10内に位置決めし且つ挿入して、これにより巨大網膜裂傷を修復するために使用され得る。しかし、本開示の範囲は、そのように限定されない。システム100は、他のシステム(他の外科的処置内の使用のための他の外科用器具及び機器を含む)を包含するように意図されている。
【0022】
図2は、例示的手術ツール取り付け部300a(以下にさらに詳細に説明する)及び手術ツール202を有する例示的手術ツールシステム200aを示す。いくつかの例では、手術ツール202は、先に説明されたGRIESHABER SUTHERLAND NG取っ手と同様であり得る。上述のように、手術ツール202は、外科的処置内の使用のための他のタイプの手術ツール、取っ手又は器具も包含し得る。手術ツール202は、ユーザの手によって把握されるように構成された取っ手部203、ツール先端206の動的部品216を作動させるように動作可能な作動部品及びツール先端206を取っ手部203及び作動部品に対して長手軸209を中心に回転するように動作可能な可動部品を含む。いくつかの実装形態では、作動部品は、長手軸209を中心として取っ手部203に対して固定され得る。図示の例では、作動部品は、取っ手部203に対して半径方向に旋回可能な作動レバー214であり、ユーザの手の指又は別の部分によって作動され得る。特に、図示の例では、作動レバー214は、長手軸209に対して垂直な軸を中心に旋回可能である。また、
図1の示された例では、可動部品は、長手軸209を中心に回転可能な回転可能ディスク208の形式である。
【0023】
手術ツールシステム200aは、ツール先端206も含む。ツール先端206は、その遠端部218において手術ツール202上に位置決めされるか又はそれに取り付けられる。いくつかの例では、ツール先端206は、手術ツール202に恒久的に取り付けられ得る。他の例では、ツール先端206は、交換ツール先端206又はある他の着脱可能ツールと着脱可能及び交換可能であり得る。ツール先端206が着脱可能及び/又は交換可能である実装形態では、手術ツール202は、手術ツール202の遠端部218に位置するツール先端結合器204を含み得る。ツール先端206は、ツール先端結合器204において手術ツール202に結合する。ツール先端206が手術ツール202と一体的に形成されるような実装形態では、ツール先端結合器204は、省略され得る。
【0024】
図2に示す例では、手術ツール202は、上に説明したように作動レバー214の形式である作動部品を含む。ユーザ(例えば、外科医又は他の医療専門家)による作動レバー14の操作が動的部品216の作動を引き起こす。作動レバー14が示されるが、他のタイプの作動部品又は機構が動的部品216の作動を引き起こすために採用され得る。例えば、回転式アクチュエータ、摺動式アクチュエータ又はある他のタイプのアクチュエータは、ユーザが動的部品216を作動することを可能にするために手術ツール202中に取り込まれ得る。
【0025】
図2に示される例の目的のために、手術ツールシステム200aの動作は、Tack Microforcepsに関連して説明される。しかし、上に説明したように、本開示の範囲は、そのように限定されない。
図2に描写するように、作動レバー214は、動的部品216内に含まれるTack Microforcepsを延ばすためにユーザの第1の手によって押下され得る。次に、Tack Microforcepsは、網膜タックと係合するために使用され得、作動レバー214は、Tack Microforcepsを待避させ、網膜タックを動的部品216によって固定するために解放され得る。ユーザが網膜タックを患者の眼10内に位置決めし且つ挿入した後、作動レバー214は、Tack Microforcepsを延ばして網膜タックと係合解除するために再び押下され得る。上述のように、動的部品216は、他の器具を含み得、作動レバー214は、これらの様々なタイプの器具を作動させるために使用され得る。例えば、作動レバー214は、患者の眼10内の組織又は他の構造を切断、把握又はそうでなければ操作するためにはさみ、やっとこ又は他の鉗子を作動させるように動作され得る。
【0026】
上に説明したように、例示的手術ツール202は、回転可能ディスク208の形式である可動部品を含む。しかし、本開示の範囲は、そのように限定されず、可動部品は、取っ手部203に対する手術ツール202の長手軸209を中心とするツール先端206の回転配向を調節することを可能にする他の形式を取り得る。
図2に示すように、回転可能ディスク208は、手術ツール202の遠端部218に位置し得、矢印245の回転方向のいずれかに調節され得る。他の実装形態では、手術ツール202の回転可能ディスク208又は他の可動部品は、他の位置に設けられ得、他の方法(長手軸209と異なる軸を中心に併進的な方法又は回転可能な方法を含む)で移動し得る。回転可能ディスク208は、回転可能ディスク208の配向が調節される際にツール先端206の配向が変更されるように構成され得る。例えば、長手軸209を中心とする回転可能ディスク208の回転は、長手軸209を中心とするツール先端206の対応回転を引き起こす。
図2に示す例では、回転可能ディスク208は、回転可能ディスク208の外面内に形成される複数のノッチ212も含む。ノッチ212は、複数の隆起部210によって分離される。複数のノッチ212は、ユーザが回転可能ディスク208を把持及び調節する能力を改善し得る。他の例では、回転可能ディスク208は、回転可能ディスク208を把持及び調整し易くもし得るギザギザ面を有し得る。他の表面テクスチャは、回転可能ディスク208の把持及び調整を改善するために回転可能ディスク208に適用され得る。さらに他の実装形態では、回転可能ディスク208は、滑らかな外面を有し得る。
【0027】
いくつかの実装形態では、外科的処置は、外科的処置の段階と、把握、切断又はそうでなければ操作される患者の眼10の部分とに依存して配向(例えば、取っ手部203又は作動レバー214に対するツール先端206及び動的部品216の回転配向)を変更することによってより効率的に行われ得る。しかし、他の実装形態では、例えば動的部品216がTack Microforceps又は同様の鉗子を含む場合、
図2に描写するように、外科的処置は、ツール先端206及び動的部品216の配向が一定のままである状態でより有利に行われ得る。すなわち、いくつかの例では、手術ツール202に対して固定されたツール先端206の回転配向を有することが望ましいことがあり得る。したがって、手術ツールシステム200aは、手術ツール取り付け部300aを含み得る。
【0028】
手術ツール取り付け部300aは、
図4に関して以下にさらに詳細に説明される。手術ツール取り付け部300aは、手術ツール取り付け部300aが、選択された配向で回転可能ディスク208と干渉し、それを固定するように手術ツール202に取り付けられ且つ位置決めされ得る。手術ツール取り付け部300aは、手術ツール202に取り付けられる際に手術ツール取り付け部300aが手術ツールに対して回転しないように構成され得る。例えば、
図2及び
図4Bに示すように、手術ツール取り付け部300aは、手術ツール202の断面形状に対応する断面形状を有する空洞306を有し得る。この実装形態では、対応断面形状は、手術ツール取り付け部300aが手術ツール202に対して回転することを防止する。
【0029】
手術ツール取り付け部300aは、手術ツール202の近端部220全体にわたって手術ツール取り付け部300aを摺動することによって手術ツール202に結合され得る。次に、手術ツール取り付け部300aは、手術ツール202の遠端部218に向かって矢印225の方向に手術ツール202に沿って摺動し得る。次に、手術ツール取り付け部300aは、手術ツール取り付け部300aが回転可能ディスク208と干渉するように位置決めされ得る。例えば、手術ツール取り付け部300aは、
図4及び
図5に関して以下にさらに詳細に説明されるように、複数のノッチ212の1つ内に摺動すること又は複数の隆起部210の1つの全体にわたって摺動することのいずれかにより、回転可能ディスク208と干渉し得る。他の実装形態では、回転可能ディスク208は、複数の開口を含み得、手術ツール取り付け部300aは、回転可能ディスク208の回転を防止するために複数の開口の任意の開口内に受け入れ可能な突出部を含み得る。さらに、回転可能ディスク208及び手術ツール取り付け部300a上に形成される他の連結機構は、回転可能ディスク208と手術ツール取り付け部300aとが互いに係合する際に回転可能ディスク208の回転を防止するために使用され得る。
【0030】
手術ツール取り付け部300aは、矢印235の方向に手術ツール202に沿って手術ツール取り付け部300aを摺動することによっても手術ツール202から除去され得る。次に、手術ツール取り付け部300aは、手術ツール202の近端部220から手術ツール取り付け部300aを摺動することによって十分に除去され得る。手術ツール取り付け部300aは、手術ツール取り付け部300aの使用が望まれる外科的処置間に洗浄、修理、格納又は任意の他の理由のために除去され得る。
【0031】
図4A、4B、4C及び4Dは、手術ツール取り付け部300aの様々な図を示す。
図4Aは、手術ツール取り付け部300aが本体302を含むことを示す。本体302は、円状外側断面形状を有する。いくつかの実装形態では、本体302は、手術ツール取り付け部300aが結合され得る手術ツール202の断面形状と類似する外側断面形状を有するように設計され得る。しかし、手術取り付け部ツール300aは、他の形状を有し得る。例えば、いくつかの例では、手術ツール取り付け部300aの外側断面形状は、限定されないが、とりわけ四角形、長方形、三角形、多面形又は非一様断面形状であり得る。
【0032】
手術ツール取り付け部300aは、本体302の第1の端部314から延びるタブ304aも含む。タブ304aは、本体302の第1の端部314の外縁305上に位置する。手術ツール取り付け部300aは、
図4A、4C及び4Dに示すように複数の凹部310a、310b及び310cも含む。凹部310a、310b及び310cは、手術ツール取り付け部300a及び/又は手術ツールシステム200aの把持の改善を提供する。凹部310a、310b及び310cが含まれるような実装形態では、手術ツールシステム200aを把握するために使用されるユーザの第1の手は、手術ツールシステム200aを保持する際に人間工学的把持を経験し、したがって外科的処置中に把持に起因するより少ない疲労を経験し得る。手術ツール取り付け部300aは、3つの凹部(すなわち凹部310a、310b及び310c)を有するとして
図4A、4C及び4Dに描写されるが、本開示は、そのように限定されない。いくつかの実装形態では、手術ツール取り付け部300aは、4つ以上の凹部又は2つ以下の凹部を有し得る。さらに、他の実装形態では、手術ツール取り付け部300aの本体302は、触覚フィードバックをユーザに提供するように1つ又は複数の膨らみを含み得る。1つ又は複数の膨らみは、凹部310a、310b及び310cなどの1つ又は複数の凹部に追加され得る。他の実装形態では、手術ツール取り付け部300aの本体302は、1つ又は複数の膨らみを含む一方、凹部310a、310b及び310cを省略し得る。
【0033】
手術ツール取り付け部300aは、手術ツール取り付け部300aが手術ツール202に取り付けられ且つ/又はそれから除去される際などに手術ツール取り付け部300aと手術ツール202との間で圧力及び真空度が増強することを防止するために本体302を貫通する開口312も含む。いくつかの実装形態では、開口312は、手術ツール202内に形成された換気通路が開口312とアライメントするように位置決めされ得、これにより換気通路を開放状態に保ち、正又は負圧が手術ツール202内に築かれることを防止する。
図4Aに示すように、開口312は、凹部310a内に位置し、タブ304aとアライメントされる。しかし、開口312は、手術ツール取り付け部300a内の様々な位置に位置決めされ得、手術ツール取り付け部300aと手術ツール202との間の正又は負圧の生成を防止するように働き続け得る。
【0034】
次に、
図4Bを参照すると、タブ304aは、本体302の第1の端部314の外縁305上に位置決めされて示される。この位置において、タブ304aは、
図1及び2に描写されるように、手術ツール取り付け部300aが手術ツール202に取り付けられる際に複数のノッチ212の1つ又は回転可能ディスク208の複数の隆起部210の1つとアライメントする。いくつかの実装形態では、タブ304aは、タブ304aが回転可能ディスク208の回転を防止するように手術ツール202の回転可能ディスク208と干渉するか又はそうでなければ相互作用するように本体302に対して異なる方法で位置決めされ得る。
【0035】
図4Bに示す例では、タブ304aは、ノッチ212の形状に対応する半円状断面形状を有する。この結果、タブ304aは、手術ツール取り付け部300aが手術ツール202に取り付けられる際に複数のノッチ212の1つ又は複数のノッチ内に受け入れ可能である。他の実装形態では、タブ304aは、回転可能ディスク208内に形成されたノッチ212の形状に合致する他の断面で設計され得る。
図5に示され、以下にさらに詳細に論述されるような他の実装形態では、タブ304bの形状は、タブ304bが、手術ツール取り付け部300bが手術ツール2002に取り付けられる際に回転可能ディスク208の回転を防止するために回転可能ディスク208の隆起部210の1つと係合するように選択され得る。
【0036】
手術ツール取り付け部300aは、第1の端部314から第2の端部316に本体302を長手方向に貫通する空洞306も含む。空洞306は、中心線320を画定する。いくつかの例では、中心線320は、長手軸209とアライメントし得る。
図4Bに示す例では、空洞306は、
図1及び2に描写される手術ツール202の六角形断面に対応する断面形状を有する。いくつかの実装形態では、空洞306は、他の器具、取っ手又はツールの断面形状に対応する他の断面形状を有するように設計され得る。空洞306は、
図2を参照して上に説明したように、空洞306と手術ツール202の近端部220とをアライメントすることにより、且つ手術ツール取り付け部300aを矢印225の方向に手術ツール202に沿って摺動することにより、手術ツール取り付け部300aが手術ツール202に結合されることを可能にするように設計され得る。
【0037】
手術ツール取り付け部300aは、第1の端部314から第2の端部316に本体302を縦方向に貫通するスロット308も含む。図示の例では、スロット308は、タブ304aから中心線320に関して180°オフセットされて配置され、本体302の外面318から延び、空洞306と交差する。したがって、スロット308は、中心線320に対して空洞306から半径方向外向きに延び、本体302を完全に貫通する。いくつかの実装形態では、スロット308は、手術ツール取り付け部300aの長さ325に部分的にのみ沿って延び得る。他の実装形態では、スロット308は、長さ325の全体に沿って延び得る。いくつかの例では、スロット308は、手術ツール取り付け部300aが、動的部品216を作動させるように動作可能な作動部品又は機構の作動と干渉しないことを保証するように寸法決めされ得る。例えば、
図2に描写するように、スロット308は、作動レバー214が手術ツール取り付け部300aの本体302と干渉することなく押下されるためのクリアランスを与える。
【0038】
図4D及び4Cは、手術ツール取り付け部300aの上面図及び底面図をそれぞれ描写する。
【0039】
図3は、例示的手術ツール取り付け部300bと手術ツール202とを有する別の例示的手術ツールシステム200bを示す。手術ツール202は、
図2に関連して上に説明した手術ツール202と同様であり得る。その結果、
図2に示す手術ツール202に関連して与えられた手術ツール202の様々な部分の説明は、
図3に示す手術ツール202の同様の部品に適用可能である。したがって、これらの部品のさらなる説明は、省略される。いくつかの実装形態では、手術ツールは、先に説明されたGRIESHABER SUTHERLAND NG取っ手であり得る。しかし、他の実装形態では、手術ツール202は、任意の他のタイプの手術ツール(本明細書において説明された手術ツール又は他の手術ツールの1つなど)であり得る。
図3に描写される手術ツールシステム200bは、手術ツールシステム200aに関連して上に説明したものと類似する部品を含む。しかし、ここでは、手術ツールシステム200bは、
図2において描写された手術ツール取り付け部300aよりむしろ手術ツール取り付け部300bを含む。手術ツール取り付け部300bは、
図5A~5Cを参照して以下に詳細に説明される。
【0040】
図5A、5B及び5Cは、手術ツール取り付け部300bの様々な図を示す。手術ツール取り付け部300bは、手術ツール取り付け部300aと同様であり得る。
図5Aに描写するように、手術ツール取り付け部300bは、円状外側断面形状を有する本体302を含む。いくつかの例では、本体302は、手術ツール取り付け部300bが取り付けられる手術ツール202の断面形状と類似する外側断面形状を有し得る。図示の例では、手術ツール取り付け部300bは、凹部(手術ツール取り付け部300aの本体302内に形成される凹部310a、310b及び310cなど)と、本体302を通して形成された開口(
図4Aに示される手術ツール取り付け部300a内に形成された開口312など)とを省略する。しかし、他の実装形態では、手術ツール取り付け部300bは、上述の手術ツール300aと同様にこれらの機構を含み得る。手術ツール取り付け部300bの本体302は、手術ツール取り付け部300aの本体302の長さ325未満である長さ325を有して示されるが、手術ツール取り付け部300a及び300bの本体302の長さ325は、変化し得るか、又は本開示の範囲内に依然として留まり得る。例えば、本体302は、幅335より大きい長さ325を有するように設計され得るか、又は本体302は、長さ325より大きい幅335を有するように設計され得る。
【0041】
手術ツール取り付け部300bは、本体302の第1の端部314上にタブ304bを含む。タブ304bは、
図4A及び4Bを参照して上に説明されたようにタブ304aと同様の方法で本体302上に配置され得る。
図5Bに描写するように、手術ツール取り付け部300bは、手術ツール取り付け部300aに対して上に説明したものと類似する空洞306及びスロット308を含む。タブ304bは、本体302の第1の端部314の外縁305上に位置決めされて示される。いくつかの実装形態では、タブ304bのこの位置決めは、
図1及び
図3に描写したように、手術ツール取り付け部300bが手術ツール202に結合される際にタブ304bが回転可能ディスク208の複数の隆起部210又は複数のノッチ212とアライメントすることを可能にする。いくつかの実装形態では、タブ304bは、タブ304bが複数のノッチ212及び隆起部210以外の回転可能ディスクの1つ又は複数の機構と干渉するか又はそうでなければ相互作用するように本体302に対して異なる方法で位置決め又は構成され得る。例えば、上に説明したように、回転可能ディスク208は、複数の開口を含み得、手術ツール取り付け部300bは、回転可能ディスク208の回転を防止するために複数の開口の任意の開口内に受け入れ可能な突出部を含み得る。さらに、回転可能ディスク208及び手術ツール取り付け部300b上に形成される他の連結機構は、回転可能ディスク208と手術ツール取り付け部300bとが互いに係合する際の回転可能ディスク208の回転を防止するために使用され得る。
【0042】
図5Bに描写するように、タブ304bは、チャネル307を画定する概ね「C字状」断面を有する。タブ304bの両端部309は、回転可能ディスク308内に形成されたノッチ212の形状に合致する湾曲形状を有する。チャネル307は、回転可能ディスク208の隆起部210を受け入れるように寸法決めされる。したがって、使用中、手術ツール取り付け部300bが回転可能ディスク208との係合状態に移される場合、隆起部210の1つがタブ304bのチャネル307内に受けられ、タブ304bの両端部390は、チャネル307内に受けられた隆起部210の反対端部にある回転可能ディスク208内に形成された対応ノッチ212内に受けられる。タブ304bと回転可能ディスク208とのこの係合は、回転可能ディスク208が手術ツール202に対して回転し得ることを防止し、これによりツール先端206を手術ツール202に対して長手軸209周囲の固定位置に維持する。他の実装形態では、タブ304bは、他の断面形状で設計され得る。例えば、タブ304bは、
図4Bを参照して上に描写され説明されたタブ304aと同じ又は類似の断面形状を有し得る。
【0043】
図5Cは、手術ツール取り付け部300bの底面図を描写する。さらに詳細に示すように、手術ツール取り付け部300bは、本体302の第1の端部314上に位置するタブ304bを示す。
【0044】
例示的手術ツールシステム200a及び200bは、手術ツール202から着脱可能なそれぞれの手術ツール取り付け部300a及び300bを有するとして開示されるが、他の構成が本開示の範囲内である。例えば、いくつかの実装形態では、手術ツール取り付け部300a又は300bは、手術ツール202と一体化されその上に保持され得る。したがって、動作中、ユーザは、手術ツール取り付け部が回転可能ディスク208と係合し、これにより手術ツール202に対するツール先端206の回転を防止するように手術ツール取り付け部を遠端方向に摺動させ得る。逆に、ユーザは、回転可能ディスク208を係合解除するために一体型手術ツール取り付け部を近端方向に摺動し得、これによりツール先端206が手術ツール202に対して回転することを許容する。
【0045】
図6は、手術ツールシステムを構成する例示的方法400のフローチャートである。いくつかの例では、方法400は、手術ツールシステム200a又は200bなどの本明細書において説明された1つ又は複数のシステムによって達成され得る。加えて、本開示によって包含され、本明細書に説明されたシステムの部品に関して上に説明した行為は、フローチャートに関連して明示的に説明されなくても方法400において行われ得る。
【0046】
工程405において、手術ツールシステムの第1の構成が判断される。手術ツールシステムは、手術ツール及び手術ツール取り付け部を含み得る。第1の構成は、手術ツールに対する手術ツールシステムの可動部品の配向と、手術ツールに対する手術ツール取り付け部の位置とによって規定され得る。例えば、手術ツール202に対する回転可能ディスク208の回転配向及び手術ツール202に対する手術ツール取り付け部300a及び300bの長手方向位置は、手術ツールシステムの第1の構成を規定し得る。手術ツールシステムの第1の構成は、手術ツールシステムが外科的処置中に有利に利用され得るように判断され得る。例えば、手術ツールシステムの第1の構成は、外科的処置が効率的に行われ得るように、手術ツールシステムの動的部品が手術ツールに対して規定された配向で固定されるようにし得る。
【0047】
工程410では、手術ツールの可動部品は、手術ツールシステムの第1の構成に対応する第1の配向に調節される。手術ツール及び可動部品は、複数の異なる配向を可能にするように設計され得る。例えば、手術ツールシステム200a及び200b並びに回転可能ディスク208は、手術ツール202に対するそのツール先端206及び動的部品216の複数の回転配向を可能にする。
【0048】
工程415では、手術ツール取り付け部は、手術ツールに結合される。いくつかの例では、手術ツール取り付け部は、手術ツール取り付け部300a及び300bと同様であり得、手術ツールは、手術ツール202と同様であり得る。いくつかの例では、手術ツール取り付け部を手術ツールに結合することは、手術ツール取り付け部と手術ツールの遠端部とをアライメントすること、手術ツール取り付け部を手術ツールに接触して置くこと及び手術ツール取り付け部を手術ツールの近端部に向かって摺動することを含み得る。手術ツール取り付け部は、空洞を画定し得る。空洞は、手術ツールの遠端部とアライメントされ得、空洞の内面は、手術ツール取り付け部が手術ツールに沿って摺動すると、手術ツールの外面に接し得る。いくつかの実装形態では、工程415は、手術ツール取り付け部が手術ツールと一体化され得ると省略され得る。
【0049】
工程420において、手術ツール取り付け部は、手術ツール取り付け部が可動部品を手術ツールに対する第1の配向で固定するように第1の位置に位置決めされる。手術ツールシステムは、手術ツール取り付け部が第1の位置に配置される際の第1の構成で考察され得る。いくつかの例では、手術ツール取り付け部を位置決めすることは、手術ツール取り付け部を可動部品の最近傍の手術ツールの近端部に位置決めすること、手術ツール取り付け部上のタブと、可動部品上に形成された機構(例えば、可動部品の縁上に形成されたノッチ)とをアライメントすること及びタブをノッチ内に挿入することを含み得る。例えば、タブは、タブ304a又は304bと同様であり得、単一ノッチ内又は複数のノッチ内に且つ可動部品の隆起部の両端部上で挿入され得る。手術ツール取り付け部は、可動部品が第1の配向から外れることを防止し得、手術ツールシステムを第1の構成で固定し得る。
【0050】
工程425において、手術ツールシステムは、第1の構成に留まり得、外科的処置を行うために使用され得る。いくつかの例では、手術ツールシステムの第2の構成が所望され得る。例えば、手術ツールシステムの第2の構成は、外科的処置の段階の効率的完了により良く適し得る。第2の構成が所望される場合、方法400は、工程435に進む。第2の構成が必要とされなければ、方法400は、工程430に進む。工程430において、手術ツールシステムは、第2の構成が所望され得るまで第1の構成に留まり得る。
【0051】
工程435において、手術ツールシステムの第2の構成が判断される。第2の構成を判断することは、第1の構成が工程405において判断された方法と同様の方法で行われ得る。第2の構成は、可動部品が第2の配向にあること及び/又は手術ツール取り付け部が第2の位置にあることによって規定され得る。
【0052】
工程440において、手術ツール取り付け部は、可動部品が移動することを手術ツール取り付け部が妨げないように中間位置に位置決めされる。例えば、いくつかの実装形態では、手術ツール取り付け部は、手術ツール取り付け部のタブが可動部品のノッチから除去されるか又はそうでなければ可動部品との接触から取り出されるように位置決めされ得る。手術ツール取り付け部を中間位置に位置を決めることは、可動部品が手術ツールに対して自由に移動し、且つ必要に応じそれに対して調整されることを可能にし得る。
【0053】
工程445において、可動部品は、手術ツールシステムの第2の構成に対応する第2の配向に調節される。工程410に対して上に説明したように、手術ツール及び可動部品は、複数の配向を可能にするように設計され得る。可動部品が第2の配向に調節された後、方法400は、工程420に戻される。
【0054】
工程420は、手術ツールシステムの構成を手術ツールシステムの1つの構成から別の構成に変更する要求に応じて何度も繰り返され得る。この方法400を通過する間、手術ツール取り付け部は、第2の構成に対応する第2の位置に位置決めされ、且つ可動部品を第2の配向で固定し得る。工程425、430、435及び445はまた、それぞれ手術ツールシステムの構成を変更するために必要に応じて何度も繰り返され得る。
【0055】
方法400は、手術ツールシステムを構成するための例示的方法を示すが、手術ツールシステムを構成する他の方法は、より少ない、追加の又は異なる配置の動作を含み得る。例えば、
図6に描写されないが、方法400は、患者の眼内の手術ツールシステムの一部である手術ツールを定位することをさらに含み得る。
【0056】
上記開示された主題は、例示的であり、限定的でないと考えるべきであり、添付の特許請求の範囲は、本開示の真の趣旨及び範囲に入るこのような修正形態、拡張形態及び他の実施形態をすべて包含するように意図されている。したがって、法律によって許される最大限の範囲において、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲及びそれらの均等物の最も広い許容可能解釈によって判断されるべきであり、これまでの詳細な説明によって限定又は制限されないものとする。