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特許7432537発生追跡および管理のためのグラフデータベース
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-07
(45)【発行日】2024-02-16
(54)【発明の名称】発生追跡および管理のためのグラフデータベース
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/80 20180101AFI20240208BHJP
【FI】
G16H50/80
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020573463
(86)(22)【出願日】2019-07-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-04
(86)【国際出願番号】 US2019040349
(87)【国際公開番号】W WO2020010113
(87)【国際公開日】2020-01-09
【審査請求日】2022-06-28
(31)【優先権主張番号】62/693,017
(32)【優先日】2018-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591013229
【氏名又は名称】バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
(73)【特許権者】
【識別番号】501453189
【氏名又は名称】バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム
【氏名又は名称原語表記】Baxter Healthcare S.A.
【住所又は居所原語表記】Thurgauerstr.130 CH-8152 Glattpark (Opfikon) Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】ランダル, ポール
(72)【発明者】
【氏名】スミス, イアン
(72)【発明者】
【氏名】ヘインズ, ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】ウィルキンソン, サム
【審査官】吉田 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-049599(JP,A)
【文献】国際公開第2017/072707(WO,A1)
【文献】AA SAFAEI,A suitable data model for HIV infection and epidemic detection,JOURNAL OF OCCUPATIONAL HEALTH AND EPIDEMIOLOGY,2015年,229-240ページ
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00 - 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発生管理サーバ装置であって、
患者に関連する患者データを受信するためのインターフェースと、
前記インターフェースに通信可能に結合されたノードプロセッサであって、前記ノードプロセッサは、
前記患者データを、異なる疾患の疾患パラメータと比較することであって、前記疾患パラメータは、個別の疾患に関する「可能性として考えられる」分類、前記個別の疾患に関する「可能性が高い」分類、および前記個別の疾患に関する「確認済み」分類のための条件を規定する、ことと、
前記「可能性として考えられる」、「可能性が高い」、および「確認済み」分類のうちの少なくとも1つが、前記疾患のうちの1つのものに関して決定される患者毎に、
前記患者のための宿主ノードを作成することと、
「症例」リンクを介して前記宿主ノードに接続されるエピソードノードを作成することであって、前記エピソードノードは、前記宿主の「可能性として考えられる」疾患分類、「可能性が高い」疾患分類、または「確認済み」疾患分類に関連するエピソードパラメータと関連付けられる、ことと、
発生ノードを作成することであって、前記発生ノードは、「内包元」リンクを介して前記エピソードノードに接続され、前記宿主が、決定される疾患に関する前記発生の一部になりつつあることを示し、前記発生ノードは、「定義元」リンクを介して、定義ノードに接続され、前記定義ノードは、前記発生ノードに関連する前記疾患の疾患パラメータを規定する、ことと
によって、前記決定される疾患の発生と関連付けられるグラフデータベースに前記患者を追加することと
によって、発生追跡グラフデータベースを作成するように構成される、ノードプロセッサと、
(i)可能性として考えられる発生源としての初発患者または(ii)前記患者間の関係のうちの少なくとも一方の識別のために、前記決定される疾患の発生と関連付けられる、前記グラフデータベースを分析し、表示するように構成される、データベース分析器と
を備える、発生管理サーバ装置。
【請求項2】
前記ノードプロセッサは、前記患者データの少なくとも一部を使用し、同一の発生ノードにリンクされる前記宿主ノードのうちの少なくともいくつかのものの間に疫学的リンクを作成するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記データベース分析器は、
ユーザデバイスから、関連のある発生ノードによって規定される特定の疾患と関連付けられる指定される宿主の関係を閲覧するための要求を受信することと、
前記指定される宿主と、(i)同一の関連のある発生ノードに接続される他の宿主、または(ii)前記宿主と同時に同一の場所にいるヒトのうちの少なくとも一方との間の疫学的リンクを決定することと、
ユーザインターフェースを、前記他の宿主に接続される前記指定される宿主を図式的に示し、前記宿主と関連付けられる前記特定の疾患に接触するリスクにある潜在的な接触を示す、前記ユーザデバイス上に表示させることと
を行うように構成される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ノードプロセッサは、前記他の宿主のうちの少なくともいくつかのものに関して、前記「可能性として考えられる」、「可能性が高い」、または「確認済み」分類を決定するように構成され、
前記データベース分析器は、前記他の宿主のうちの少なくともいくつかのものに関して、前記ユーザインターフェース内に前記「可能性として考えられる」、「可能性が高い」、または「確認済み」分類のグラフィカルインジケーションを提供するように構成される、
請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記疫学的リンクは、「空気感染」リンク、「動物保菌宿主」リンク、「環境保菌宿主」リンク、「食品および飲用水」リンク、「昆虫刺咬」リンク、「動物/ヒト間接触」リンク、「汚染物体」リンク、「飛沫拡散」リンク、または「ヒト/ヒト間接触」リンクのうちの少なくとも1つを含み、
前記他の宿主はそれぞれ、患者、臨床医、ヒト、動物、媒介物、または物体のうちの少なくとも1つである、
請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記ノードプロセッサは、試料データが前記個別の患者に関する前記患者データ内で入手可能である宿主ノード毎に、
試料リンクを介して個別の宿主ノードにリンクされる試料ノードを作成することであって、前記試料ノードは、前記患者から入手された試料の時間またはステータスを示す試料パラメータと関連付けられる、ことと、
分離株リンクを介して前記試料ノードにリンクされる分離株ノードを作成することであって、前記分離株ノードは、前記入手される試料に関連する試料結果内で分離株を規定する分離株パラメータと関連付けられる、ことと、
微生物リンクを介して前記分離株ノードにリンクされる微生物ノードを作成することであって、前記微生物ノードは、単離ルーチン内で見出された少なくとも1つの微生物を規定する微生物パラメータと関連付けられる、ことと
を行うように構成される、請求項1または3に記載の装置。
【請求項7】
前記ノードプロセッサは、
前記微生物ノードの個別の微生物パラメータ内で規定される同一の微生物を有する宿主を、宿主の第1のセットとして決定することと、
同一の発生ノードにリンクされる宿主を、前記宿主の第1のセットからの宿主の第2のセットとして決定することと、
前記微生物ノードと前記宿主の第2のセットのための前記発生ノードとの間の接続を示すグラフィック表現を表示し、前記疾患の拡散、および前記疾患の発生に関わる生体物質を示すことと
を行うように構成される、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記ノードプロセッサは、場所データが前記個別の患者に関する前記患者データ内で入手可能である宿主ノード毎に、
有滞在リンクを介して前記個別の宿主ノードにリンクされる滞在ノードを作成することであって、前記滞在ノードは、前記宿主ノードが特定の場所にいた日付/時間を規定する滞在パラメータと関連付けられる、ことと、
「滞在先」リンクを介して前記滞在ノードにリンクされる場所ノードを作成することであって、前記場所ノードは、前記特定の場所を規定する場所パラメータに関連付けられる、ことと
を行うように構成される、請求項1、3、または6に記載の装置。
【請求項9】
前記特定の場所は、病院ベッド識別子またはノード、病室識別子またはノード、通廊識別子またはノード、病棟識別子またはノード、階識別子またはノード、棟識別子またはノード、病院識別子またはノード、構造識別子またはノード、建物識別子またはノード、街路識別子またはノード、敷地識別子またはノード、領域識別子またはノード、州識別子またはノード、国識別子またはノード、またはGPS座標のうちの少なくとも1つを含む、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記インターフェースは、電子医療記録(「EMR」)サーバまたはサードパーティサーバのうちの少なくとも一方から前記患者データを受信するように構成され、前記患者データは、患者医療データ、ソーシャルメディアデータ、場所データ、または人口統計データのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
発生管理システムであって、
メモリデバイスであって、前記メモリデバイスは、その中に命令を記憶しており、前記命令は、疾患発生追跡に関するグラフデータベースを定義し、前記命令は、所与の宿主に関して、
宿主ノードが作成されることであって、前記宿主ノードは、宿主パラメータと関連付けられる、ことと、
エピソードノードが「症例」リンクを介して前記宿主ノードに接続されることであって、前記エピソードノードは、前記宿主の疾患分類に関連するエピソードパラメータと関連付けられる、ことと、
発生ノードが、「内包元」リンクを介して前記エピソードノードに接続され、前記宿主が、前記疾患の発生の一部になりつつあることを示すことであって、前記発生ノードは、「定義元」リンクを介して、定義ノードに接続され、前記定義ノードは、前記発生ノードに関連する前記疾患の疾患パラメータを規定する、ことと
を規定する、メモリデバイスと、
発生管理サーバであって、
前記宿主に関連する患者データを受信することと、
前記受信される患者データのうちの少なくともいくつかのものを、前記グラフデータベースに、個別のノードの受信される患者データマッチングパラメータ定義のうちの少なくともいくつかのものの内容に基づいて、前記宿主ノード、前記エピソードノード、または前記発生ノードのうちの少なくとも1つの1つ以上のパラメータにおいて記憶することと
を行うように構成される、発生管理サーバと
を備える、発生管理システム。
【請求項12】
前記サーバは、前記患者データのうちの少なくともいくつかのものが、前記定義ノードの疾患パラメータのうちの少なくともいくつかのものに合致することを決定した後に、前記宿主ノードを前記エピソードノードを介して前記発生ノードに接続するように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記宿主パラメータは、前記宿主の氏名、患者分類フラグ、臨床医分類フラグ、ヒト分類フラグ、動物分類フラグ、媒介物分類フラグ、物体分類フラグ、患者人口統計データ、または患者医療データのうちの少なくとも1つを含む、請求項11または12に記載のシステム。
【請求項14】
前記エピソードパラメータは、前記宿主に関する症例番号、前記宿主に関する前記疾患のための「可能性として考えられる」分類、前記宿主に関する前記疾患のための「可能性が高い」分類、前記宿主に関する前記疾患のための「確認済み」分類、前記宿主の免疫付与ステータス、前記宿主の免疫付与タイプ、前記宿主が医療施設において前記疾患に罹患したことを示すフラグ、または前記宿主に関連する死亡情報のうちの少なくとも1つを含む、請求項11または13に記載のシステム。
【請求項15】
前記疾患パラメータは、前記疾患の名称、前記疾患の背景、前記疾患に関連する時間/場所、前記疾患に関する臨床的基準、前記疾患に関する検査室基準、前記疾患に関する伝染モード、「疑わしい」分類を決定するための基準、前記「可能性が高い」分類を決定するための基準、および前記「確認済み」分類を決定するための基準のうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記サーバは、
前記受信される患者データのうちの少なくともいくつかのものを、前記疾患パラメータにおける前記「疑わしい」、「可能性が高い」、および「確認済み」分類を決定するための前記基準と比較することによって、前記宿主ノードに関する前記エピソードノードのための症例分類を決定することと、
前記エピソードノードの個別のエピソードパラメータにおいて、前記比較に基づいて、前記疾患に関する前記「疑わしい」、「可能性が高い」、または「確認済み」分類のうちの少なくとも1つを記憶することと
を行うように構成される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記サーバは、前記宿主に関して前記「確認済み」または「可能性が高い」分類を決定した後、前記エピソードノードの個別のエピソードパラメータに関する前記症例番号を発生させるように構成される、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記命令は、前記所与の宿主に関して、役割ノードが、役割リンクを介して前記エピソードノードに接続されることを規定し、前記役割ノードは、前記宿主が、患者、臨床医、家族メンバー、または個人のいずれであるかを規定する役割パラメータと関連付けられる、請求項11、12、または17に記載のシステム。
【請求項19】
前記命令は、前記所与の宿主に関して、症状ノードが、「有症状」リンクを介して前記宿主ノードに接続されることを規定し、前記症状ノードは、症状の開始日、症状の終了日、および前記宿主によって被られる症状に対応する症状識別子のうちの少なくとも1つを規定する1つ以上の症状パラメータと関連付けられる、請求項11または18に記載のシステム。
【請求項20】
前記命令は、前記所与の宿主に関して、前記宿主ノードが、疫学的リンクを介して別の宿主ノードに接続されることを規定し、
前記疫学的リンクは、「空気感染」リンク、「動物保菌宿主」リンク、「環境保菌宿主」リンク、「食品および飲用水」リンク、「昆虫刺咬」リンク、「動物/ヒト間接触」リンク、「汚染物体」リンク、「飛沫拡散」リンク、または「ヒト/ヒト間接触」リンクのうちの少なくとも1つを含む、
請求項11または19に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
2018年春現在、世界の人口は、約76億人であった。国連は、人口が、2024年までに80億人に、かつ2042年までに90億人に到達するであろうと推測している。世界の人口が増加するにつれて、人口は、森林および草原等、未開発の領域に侵入することに加えて、より高密度の郊外および都市領域に住み移りつつある。例えば、フィリピンのマニラ市は、1平方マイルあたり107,000人の密度を有する一方、ムンバイ等、より人口の多いインドの都市は、1平方マイルあたり73,000人の平均密度でほぼ1,200万人を有している。
【0002】
人口の増加およびさらなる高密度化に加えて、航空機での旅行等の旅行が、より共用化された状態になり、より多くの人々がより遠い距離を旅行することを可能にしている。世界の中産階級間での賃金上昇が、世界の人口のより多くが地域的に、全国に、または国際的に旅行することを可能にする。事業および貿易のグローバル化がさらに、1日あたりの外部接触を増大させる。全体として、移動可能な人口の増加と組み合わせられた、高密度の領域内で生活する人口の増加が、伝染性および他の発生の急速な拡散のための最適な条件をもたらす。実際には、世界は、これまでの数年間で、ヒト免疫不全ウイルス(「HIV」)に加えて、重症急性呼吸器症候群(「SARS」)、ブタインフルエンザ、およびエボラ出血熱を含む、いくつかの脅威を被っている。米国疾病管理予防センター(「CDC」)はさらに、米国および世界中において現在認識されている発生のウェブサイトを維持している。
【0003】
世界は、進歩しているが、発生の追跡および管理は、立ち遅れている。多くの場合、疾患研究者が、発生を識別するために数ヶ月を、およびその分布、拡散、および発端を決定するためにさらにより長い時間を要している。概して、感染追跡は、医療記録、政府記録、および現場メモを精査することを伴う、手動プロセスである。いくつかの政府組織および大規模な医療センターが、発生情報の関係データベースを構築および分析し、分布、拡散、および発端を決定する。しかしながら、広範囲にわたる労力が、正しいデータを入力するために必要とされる。加えて、著しい計算能力が、収集されたデータを分析するために必要とされる。必要とされる労力および能力の結果として、比較的に重度または悪性の発生のみが、追跡され、多くの発生を追跡されていない状態のままにしている。
【0004】
上記に加えて、発生に関連する医療データは、発生が識別された後にのみ打ち込まれる。発生の生起と、識別と、データ集積と、分析との間の遅れは、多くのことが把握される前に急速に拡大する発生をもたらし得る。多くの医療従事者が考えるように、次のパンテミック(またはパンデミックの波)は、都市部の中心または開発領域の外れ等の隔離された領域内で小規模で始まり、世界の人口の有意な部分が罹患するまで、健康レーダに捕捉されることなく進行するであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、発生追跡および管理のためのグラフデータベースを記載する。特に、本開示は、1つ以上の発生を追跡するためのグラフデータベースの作成および更新のための方法、システム、および装置を説明する。本明細書に開示される方法、システム、および装置はまた、グラフデータベースを分析し、発生管理および発生予測を提供するように構成され得る。グラフデータベースは、所定の構造に従って、ノード間の医学的、位置的、時間的、および/または人口統計学的関係を組み込む。異なるタイプのノード間に提供される定義および関係が、情報がグラフデータベースに自動的に組み込まれることを可能にする。さらに、定義および関係は、発生に関する原因および潜在的なソリューションを識別するために、発生の発端が位置特定されることを可能にする。
【0006】
本明細書に説明される主題の側面は、単独で、または本明細書に説明される1つ以上の他の側面との組み合わせにおいて有用であり得る。前述の説明を限定することなく、本開示の第1の側面では、発生管理サーバ装置は、患者に関連する患者データを受信するための、インターフェースと、インターフェースに通信可能に結合され、発生追跡グラフデータベースを作成するように構成される、ノードプロセッサとを含む。ノードプロセッサは、患者データを、異なる疾患の疾患パラメータであって、個別の疾患に関する「可能性として考えられる」分類、個別の疾患に関する「可能性が高い」分類、および個別の疾患に関する「確認済み」分類のための条件を規定する、疾患パラメータと比較することによって、発生追跡グラフデータベースを作成する。「可能性として考えられる」、「可能性が高い」、および「確認済み」分類のうちの少なくとも1つが、疾患のうちの1つのものに関して決定される、患者毎に、ノードプロセッサは、患者のための宿主ノードを作成し、「症例」リンクを介して宿主ノードに接続される、エピソードノードであって、宿主の疾患分類に関連するエピソードパラメータと関連付けられる、エピソードノードを作成し、「内包元(part of)」リンクを介してエピソードノードに接続され、宿主が、決定される疾患に関する発生の一部になりつつあることを示す、発生ノードであって、「定義元(defined as)」リンクを介して、定義ノードであって、発生ノードに関連する疾患の疾患パラメータを規定する、定義ノードに接続される、発生ノードを作成することによって、決定される疾患の発生と関連付けられる、グラフデータベースに患者を追加する。発生管理サーバ装置はまた、初発患者または患者間の関係のうちの少なくとも一方の識別のために、決定される疾患の発生と関連付けられる、グラフデータベースを分析し、表示するように構成される、データベース分析器を含む。
【0007】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面との組み合わせにおいて使用され得る、本開示の第2の側面によると、ノードプロセッサは、患者データの少なくとも一部を使用し、同一の発生ノードにリンクされる、宿主ノードのうちの少なくともいくつかのものの間に疫学的リンクを作成するように構成される。
【0008】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面との組み合わせにおいて使用され得る、本開示の第3の側面によると、データベース分析器は、ユーザデバイスから、関連のある発生ノードによって規定される特定の疾患と関連付けられる、指定される宿主の関係を閲覧するための要求を受信し、指定される宿主と、(i)同一の関連のある発生ノードに接続される、他の宿主、または(ii)宿主と同時に同一の場所にいるヒトのうちの少なくとも一方との間の疫学的リンクを決定し、ユーザインターフェースを、他の宿主に接続される、指定される宿主を図式的に示し、宿主と関連付けられる、特定の疾患に接触するリスクにある潜在的な接触を示す、ユーザデバイス上に表示させるように構成される。
【0009】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面との組み合わせにおいて使用され得る、本開示の第4の側面によると、ノードプロセッサは、他の宿主のうちの少なくともいくつかのものに関して、「可能性として考えられる」、「可能性が高い」、または「確認済み」分類を決定するように構成され、データベース分析器は、他の宿主のうちの少なくともいくつかのものに関して、ユーザインターフェース内に「可能性として考えられる」、「可能性が高い」、または「確認済み」分類のグラフィカルインジケーションを提供するように構成される。
【0010】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面との組み合わせにおいて使用され得る、本開示の第5の側面によると、疫学的リンクは、「空気感染」リンク、「動物保菌宿主」リンク、「環境保菌宿主」リンク、「食品および飲用水」リンク、「昆虫刺咬」リンク、「動物/ヒト間接触」リンク、「汚染物体」リンク、「飛沫拡散」リンク、または「ヒト/ヒト間接触」リンクのうちの少なくとも1つを含み、他の宿主はそれぞれ、患者、臨床医、ヒト、動物、媒介物、または物体のうちの少なくとも1つである。
【0011】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面との組み合わせにおいて使用され得る、本開示の第6の側面によると、ノードプロセッサは、試料データが、個別の患者に関する患者データ内で入手可能である、宿主ノード毎に、試料リンクを介して個別の宿主ノードにリンクされる、試料ノードであって、患者から入手された試料の時間またはステータスを示す、試料パラメータと関連付けられる、試料ノードを作成し、分離株リンクを介して試料ノードにリンクされる、分離株ノードであって、入手される試料に関連する試料結果内で分離株を規定する、分離株パラメータと関連付けられる、分離株ノードを作成し、微生物リンクを介して分離株ノードにリンクされる、微生物ノードであって、単離ルーチン内で見出された、少なくとも1つの微生物を規定する、微生物パラメータと関連付けられる、微生物ノードを作成するように構成される。
【0012】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面との組み合わせにおいて使用され得る、本開示の第7の側面によると、ノードプロセッサは、微生物ノードの個別の微生物パラメータ内で規定される、同一の微生物を有する、宿主を、宿主の第1のセットとして決定し、同一の発生ノードにリンクされる宿主を、宿主の第1のセットからの宿主の第2のセットとして決定し、微生物ノードと宿主の第2のセットのための発生ノードとの間の接続を示す、グラフィック表現を表示し、疾患の拡散、および疾患の発生に関わる生体物質を示すように構成される。
【0013】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面との組み合わせにおいて使用され得る、本開示の第8の側面によると、ノードプロセッサは、場所データが個別の患者に関する患者データ内で入手可能である、宿主ノード毎に、有滞在リンクを介して個別の宿主ノードにリンクされる、滞在ノードであって、宿主ノードが特定の場所にいた日付/時間を規定する、滞在パラメータと関連付けられる、滞在ノードを作成し、「滞在先」リンクを介して滞在ノードにリンクされる、場所ノードであって、特定の場所を規定する、場所パラメータに関連付けられる、場所ノードを作成するように構成される。
【0014】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面との組み合わせにおいて使用され得る、本開示の第9の側面によると、特定の場所は、病院ベッド識別子またはノード、病室識別子またはノード、通廊識別子またはノード、病棟識別子またはノード、階識別子またはノード、棟識別子またはノード、病院識別子またはノード、構造識別子またはノード、建物識別子またはノード、街路識別子またはノード、敷地識別子またはノード、領域識別子またはノード、州識別子またはノード、国識別子またはノード、またはGPS座標のうちの少なくとも1つを含む。
【0015】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面との組み合わせにおいて使用され得る、本開示の第10の側面によると、インターフェースは、電子医療記録(「EMR」)サーバまたはサードパーティサーバのうちの少なくとも一方から患者データを受信するように構成され、患者データは、患者医療データ、ソーシャルメディアデータ、場所データ、または人口統計データのうちの少なくとも1つを含む。
【0016】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面との組み合わせにおいて使用され得る、本開示の第11の側面によると、発生管理システムは、その中に命令を記憶する、メモリデバイスを備え、命令は、疾患発生追跡のためのグラフデータベースを定義する。命令は、所与の宿主に関して、宿主ノードであって、宿主パラメータと関連付けられる、宿主ノードが、作成されることと、エピソードノードであって、宿主の疾患分類に関連する、エピソードパラメータと関連付けられる、エピソードノードが、「症例」リンクを介して宿主ノードに接続されることと、発生ノードであって、「定義元」リンクを介して、定義ノードであって、発生ノードに関連する疾患の疾患パラメータを規定する、定義ノードに接続される、発生ノードが、「内包元」リンクを介してエピソードノードに接続され、宿主が、疾患の発生の一部になりつつあることを示すこととを規定する。本システムはまた、宿主に関連する患者データを受信し、受信される患者データのうちの少なくともいくつかのものを、グラフデータベースに、個別のノードの受信される患者データマッチングパラメータ定義のうちの少なくともいくつかのものの内容に基づいて、宿主ノード、エピソードノード、または発生ノードのうちの少なくとも1つの1つ以上のパラメータにおいて記憶するように構成される、発生管理サーバを含む。
【0017】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面との組み合わせにおいて使用され得る、本開示の第12の側面によると、サーバは、患者データのうちの少なくともいくつかのものが、定義ノードの疾患パラメータのうちの少なくともいくつかのものに合致することを決定した後に、宿主ノードをエピソードノードを介して発生ノードに接続するように構成される。
【0018】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面との組み合わせにおいて使用され得る、本開示の第13の側面によると、宿主パラメータは、宿主の氏名、患者分類フラグ、臨床医分類フラグ、ヒト分類フラグ、動物分類フラグ、媒介物分類フラグ、物体分類フラグ、患者人口統計データ、または患者医療データのうちの少なくとも1つを含む。
【0019】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面との組み合わせにおいて使用され得る、本開示の第14の側面によると、エピソードパラメータは、宿主に関する症例番号、宿主に関する疾患のための「可能性として考えられる」分類、宿主に関する疾患のための「可能性が高い」分類、宿主に関する疾患のための「確認済み」分類、宿主の免疫付与ステータス、宿主の免疫付与タイプ、宿主が医療施設において疾患に罹患したことを示すフラグ、または宿主に関連する死亡情報のうちの少なくとも1つを含む。
【0020】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面との組み合わせにおいて使用され得る、本開示の第15の側面によると、疾患パラメータは、疾患の名称、疾患の背景、疾患に関連する時間/地理場所、疾患に関する臨床的基準、疾患に関する検査室基準、疾患に関する伝染モード、「疑わしい」分類を決定するための基準、「可能性が高い」分類を決定するための基準、および「確認済み」分類を決定するための基準のうちの少なくとも1つを含む。
【0021】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面との組み合わせにおいて使用され得る、本開示の第16の側面によると、サーバは、患者パラメータのうちの少なくともいくつかのものを、疾患パラメータにおける、「疑わしい」、「可能性が高い」、および「確認済み」分類を決定するための基準と比較することによって、宿主ノードに関するエピソードノードのための症例分類を決定し、エピソードノードの個別のエピソードパラメータにおいて、比較に基づいて、疾患に関する、「疑わしい」、「可能性が高い」、または「確認済み」分類のうちの少なくとも1つを記憶するように構成される。
【0022】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面との組み合わせにおいて使用され得る、本開示の第17の側面によると、サーバは、宿主に関して「確認済み」または「可能性が高い」分類を決定した後、エピソードノードの個別のエピソードパラメータに関する症例番号を発生させるように構成される。
【0023】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面との組み合わせにおいて使用され得る、本開示の第18の側面によると、命令は、所与の宿主に関して、役割ノードが、役割リンクを介してエピソードノードに接続されることを規定し、役割ノードは、宿主が、患者、臨床医、家族メンバー、または個人のいずれであるかを規定する、役割パラメータと関連付けられる。
【0024】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面との組み合わせにおいて使用され得る、本開示の第19の側面によると、命令は、所与の宿主に関して、症状ノードが、「有症状」リンクを介して宿主ノードに接続されることを規定し、症状ノードは、症状の開始日、症状の終了日、および宿主によって被られる症状に対応する、症状識別子のうちの少なくとも1つを規定する、1つ以上の症状パラメータと関連付けられる。
【0025】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面との組み合わせにおいて使用され得る、本開示の第20の側面によると、命令は、所与の宿主に関して、宿主ノードが、疫学的リンクを介して別の宿主ノードに接続されることを規定し、疫学的リンクは、「空気感染」リンク、「動物保菌宿主」リンク、「環境保菌宿主」リンク、「食品および飲用水」リンク、「昆虫刺咬」リンク、「動物/ヒト間接触」リンク、「汚染物体」リンク、「飛沫拡散」リンク、または「ヒト/ヒト間接触」リンクのうちの少なくとも1つを含む。
【0026】
本開示の第21の側面によると、図1-20に関連して図示および説明される構造および機能性のいずれかが、図1-20の他のもののいずれか、および前述の側面のうちの任意の1つ以上のものに関連して図示および説明される、構造および機能性のいずれかとの組み合わせにおいて使用され得る。
【0027】
故に、本明細書における上記の側面および開示に照らして、発生の追跡および管理を提供する、グラフデータベースを提供することが、本開示の利点である。
【0028】
所定のデータ構造に従ってグラフデータベースを作成し、発生源が決定されることを可能にする、システムを提供することが、本開示の別の利点である。
【0029】
所定のデータ構造に従ってグラフデータベースを作成し、発生に対する潜在的または疑わしい個人を識別する、システムを提供することが、本開示の別の利点である。
【0030】
本明細書に議論される利点は、本明細書に開示される実施形態のうちの1つまたはいくつかのものに見出され得るが、ことによると全てにおいてではない場合がある。付加的な特徴および利点が、本明細書に説明され、以下の詳細な説明および図から明白となるであろう。
(項目1)
発生管理サーバ装置であって、
患者に関連する患者データを受信するためのインターフェースと、
上記インターフェースに通信可能に結合されたノードプロセッサであって、上記ノードプロセッサは、
上記患者データを、異なる疾患の疾患パラメータと比較することであって、上記疾患パラメータは、個別の疾患に関する「可能性として考えられる」分類、上記個別の疾患に関する「可能性が高い」分類、および上記個別の疾患に関する「確認済み」分類のための条件を規定する、ことと、
上記「可能性として考えられる」、「可能性が高い」、および「確認済み」分類のうちの少なくとも1つが、上記疾患のうちの1つのものに関して決定される患者毎に、
上記患者のための宿主ノードを作成することと、
「症例」リンクを介して上記宿主ノードに接続されるエピソードノードを作成することであって、上記エピソードノードは、上記宿主の疾患分類に関連するエピソードパラメータと関連付けられる、ことと、
発生ノードを作成することであって、上記発生ノードは、「内包元」リンクを介して上記エピソードノードに接続され、上記宿主が、決定される疾患に関する上記発生の一部になりつつあることを示し、上記発生ノードは、「定義元」リンクを介して、定義ノードに接続され、上記定義ノードは、上記発生ノードに関連する上記疾患の疾患パラメータを規定する、ことと
によって、上記決定される疾患の発生と関連付けられるグラフデータベースに上記患者を追加することと
によって、発生追跡グラフデータベースを作成するように構成される、ノードプロセッサと、
初発患者または上記患者間の関係のうちの少なくとも一方の識別のために、上記決定される疾患の発生と関連付けられる、上記グラフデータベースを分析し、表示するように構成される、データベース分析器と
を備える、発生管理サーバ装置。
(項目2)
上記ノードプロセッサは、上記患者データの少なくとも一部を使用し、同一の発生ノードにリンクされる上記宿主ノードのうちの少なくともいくつかのものの間に疫学的リンクを作成するように構成される、項目1に記載の装置。
(項目3)
上記データベース分析器は、
ユーザデバイスから、関連のある発生ノードによって規定される特定の疾患と関連付けられる指定される宿主の関係を閲覧するための要求を受信することと、
上記指定される宿主と、(i)同一の関連のある発生ノードに接続される他の宿主、または(ii)上記宿主と同時に同一の場所にいるヒトのうちの少なくとも一方との間の疫学的リンクを決定することと、
ユーザインターフェースを、上記他の宿主に接続される上記指定される宿主を図式的に示し、上記宿主と関連付けられる上記特定の疾患に接触するリスクにある潜在的な接触を示す、上記ユーザデバイス上に表示させることと
を行うように構成される、項目2に記載の装置。
(項目4)
上記ノードプロセッサは、上記他の宿主のうちの少なくともいくつかのものに関して、上記「可能性として考えられる」、「可能性が高い」、または「確認済み」分類を決定するように構成され、
上記データベース分析器は、上記他の宿主のうちの少なくともいくつかのものに関して、上記ユーザインターフェース内に上記「可能性として考えられる」、「可能性が高い」、または「確認済み」分類のグラフィカルインジケーションを提供するように構成される、
項目3に記載の装置。
(項目5)
上記疫学的リンクは、「空気感染」リンク、「動物保菌宿主」リンク、「環境保菌宿主」リンク、「食品および飲用水」リンク、「昆虫刺咬」リンク、「動物/ヒト間接触」リンク、「汚染物体」リンク、「飛沫拡散」リンク、または「ヒト/ヒト間接触」リンクのうちの少なくとも1つを含み、
上記他の宿主はそれぞれ、患者、臨床医、ヒト、動物、媒介物、または物体のうちの少なくとも1つである、
項目3に記載の装置。
(項目6)
上記ノードプロセッサは、試料データが上記個別の患者に関する上記患者データ内で入手可能である宿主ノード毎に、
試料リンクを介して個別の宿主ノードにリンクされる試料ノードを作成することであって、上記試料ノードは、上記患者から入手された試料の時間またはステータスを示す試料パラメータと関連付けられる、ことと、
分離株リンクを介して上記試料ノードにリンクされる分離株ノードを作成することであって、上記分離株ノードは、上記入手される試料に関連する試料結果内で分離株を規定する分離株パラメータと関連付けられる、ことと、
微生物リンクを介して上記分離株ノードにリンクされる微生物ノードを作成することであって、上記微生物ノードは、単離ルーチン内で見出された少なくとも1つの微生物を規定する微生物パラメータと関連付けられる、ことと
を行うように構成される、項目1または3に記載の装置。
(項目7)
上記ノードプロセッサは、
上記微生物ノードの個別の微生物パラメータ内で規定される同一の微生物を有する宿主を、宿主の第1のセットとして決定することと、
同一の発生ノードにリンクされる宿主を、上記宿主の第1のセットからの宿主の第2のセットとして決定することと、
上記微生物ノードと上記宿主の第2のセットのための上記発生ノードとの間の接続を示すグラフィック表現を表示し、上記疾患の拡散、および上記疾患の発生に関わる生体物質を示すことと
を行うように構成される、項目6に記載の装置。
(項目8)
上記ノードプロセッサは、場所データが上記個別の患者に関する上記患者データ内で入手可能である宿主ノード毎に、
有滞在リンクを介して上記個別の宿主ノードにリンクされる滞在ノードを作成することであって、上記滞在ノードは、上記宿主ノードが特定の場所にいた日付/時間を規定する滞在パラメータと関連付けられる、ことと、
「滞在先」リンクを介して上記滞在ノードにリンクされる場所ノードを作成することであって、上記場所ノードは、上記特定の場所を規定する場所パラメータに関連付けられる、ことと
を行うように構成される、項目1、3、または6に記載の装置。
(項目9)
上記特定の場所は、病院ベッド識別子またはノード、病室識別子またはノード、通廊識別子またはノード、病棟識別子またはノード、階識別子またはノード、棟識別子またはノード、病院識別子またはノード、構造識別子またはノード、建物識別子またはノード、街路識別子またはノード、敷地識別子またはノード、領域識別子またはノード、州識別子またはノード、国識別子またはノード、またはGPS座標のうちの少なくとも1つを含む、項目8に記載の装置。
(項目10)
上記インターフェースは、電子医療記録(「EMR」)サーバまたはサードパーティサーバのうちの少なくとも一方から上記患者データを受信するように構成され、上記患者データは、患者医療データ、ソーシャルメディアデータ、場所データ、または人口統計データのうちの少なくとも1つを含む、項目1に記載の装置。
(項目11)
発生管理システムであって、
メモリデバイスであって、上記メモリデバイスは、その中に命令を記憶しており、上記命令は、疾患発生追跡に関するグラフデータベースを定義し、上記命令は、所与の宿主に関して、
宿主ノードが作成されることであって、上記宿主ノードは、宿主パラメータと関連付けられる、ことと、
エピソードノードが「症例」リンクを介して上記宿主ノードに接続されることであって、上記エピソードノードは、上記宿主の疾患分類に関連するエピソードパラメータと関連付けられる、ことと、
発生ノードが、「内包元」リンクを介して上記エピソードノードに接続され、上記宿主が、上記疾患の発生の一部になりつつあることを示すことであって、上記発生ノードは、「定義元」リンクを介して、定義ノードに接続され、上記定義ノードは、上記発生ノードに関連する上記疾患の疾患パラメータを規定する、ことと
を規定する、メモリデバイスと、
発生管理サーバであって、
上記宿主に関連する患者データを受信することと、
上記受信される患者データのうちの少なくともいくつかのものを、上記グラフデータベースに、個別のノードの受信される患者データマッチングパラメータ定義のうちの少なくともいくつかのものの内容に基づいて、上記宿主ノード、上記エピソードノード、または上記発生ノードのうちの少なくとも1つの1つ以上のパラメータにおいて記憶することと
を行うように構成される、発生管理サーバと
を備える、発生管理システム。
(項目12)
上記サーバは、上記患者データのうちの少なくともいくつかのものが、上記定義ノードの疾患パラメータのうちの少なくともいくつかのものに合致することを決定した後に、上記宿主ノードを上記エピソードノードを介して上記発生ノードに接続するように構成される、項目11に記載のシステム。
(項目13)
上記宿主パラメータは、上記宿主の氏名、患者分類フラグ、臨床医分類フラグ、ヒト分類フラグ、動物分類フラグ、媒介物分類フラグ、物体分類フラグ、患者人口統計データ、または患者医療データのうちの少なくとも1つを含む、項目11または12に記載のシステム。
(項目14)
上記エピソードパラメータは、上記宿主に関する症例番号、上記宿主に関する上記疾患のための「可能性として考えられる」分類、上記宿主に関する上記疾患のための「可能性が高い」分類、上記宿主に関する上記疾患のための「確認済み」分類、上記宿主の免疫付与ステータス、上記宿主の免疫付与タイプ、上記宿主が医療施設において上記疾患に罹患したことを示すフラグ、または上記宿主に関連する死亡情報のうちの少なくとも1つを含む、項目11または13に記載のシステム。
(項目15)
上記疾患パラメータは、上記疾患の名称、上記疾患の背景、上記疾患に関連する時間/場所、上記疾患に関する臨床的基準、上記疾患に関する検査室基準、上記疾患に関する伝染モード、「疑わしい」分類を決定するための基準、上記「可能性が高い」分類を決定するための基準、および上記「確認済み」分類を決定するための基準のうちの少なくとも1つを含む、項目14に記載のシステム。
(項目16)
上記サーバは、
上記患者パラメータのうちの少なくともいくつかのものを、上記疾患パラメータにおける上記「疑わしい」、「可能性が高い」、および「確認済み」分類を決定するための上記基準と比較することによって、上記宿主ノードに関する上記エピソードノードのための症例分類を決定することと、
上記エピソードノードの個別のエピソードパラメータにおいて、上記比較に基づいて、上記疾患に関する上記「疑わしい」、「可能性が高い」、または「確認済み」分類のうちの少なくとも1つを記憶することと
を行うように構成される、項目15に記載のシステム。
(項目17)
上記サーバは、上記宿主に関して上記「確認済み」または「可能性が高い」分類を決定した後、上記エピソードノードの個別のエピソードパラメータに関する上記症例番号を発生させるように構成される、項目16に記載のシステム。
(項目18)
上記命令は、上記所与の宿主に関して、役割ノードが、役割リンクを介して上記エピソードノードに接続されることを規定し、上記役割ノードは、上記宿主が、患者、臨床医、家族メンバー、または個人のいずれであるかを規定する役割パラメータと関連付けられる、項目11、12、または17に記載のシステム。
(項目19)
上記命令は、上記所与の宿主に関して、症状ノードが、「有症状」リンクを介して上記宿主ノードに接続されることを規定し、上記症状ノードは、症状の開始日、症状の終了日、および上記宿主によって被られる症状に対応する症状識別子のうちの少なくとも1つを規定する1つ以上の症状パラメータと関連付けられる、項目11または18に記載のシステム。
(項目20)
上記命令は、上記所与の宿主に関して、上記宿主ノードが、疫学的リンクを介して別の宿主ノードに接続されることを規定し、
上記疫学的リンクは、「空気感染」リンク、「動物保菌宿主」リンク、「環境保菌宿主」リンク、「食品および飲用水」リンク、「昆虫刺咬」リンク、「動物/ヒト間接触」リンク、「汚染物体」リンク、「飛沫拡散」リンク、または「ヒト/ヒト間接触」リンクのうちの少なくとも1つを含む、
項目11または20に記載のシステム。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1-3は、本開示の例示的実施形態による、発生管理サーバを含む、例示的発生追跡および管理システムの例示的実施形態を示す。
図2図1-3は、本開示の例示的実施形態による、発生管理サーバを含む、例示的発生追跡および管理システムの例示的実施形態を示す。
図3図1-3は、本開示の例示的実施形態による、発生管理サーバを含む、例示的発生追跡および管理システムの例示的実施形態を示す。
【0032】
図4図4は、本開示の例示的実施形態による、図1-3の発生管理サーバの略図を示す。
【0033】
図5図5は、本開示の例示的実施形態による、例示的患者電子医療記録の略図を示す。
【0034】
図6図6および7は、本開示の例示的実施形態による、発生条件のグラフィック表現の略図を示す。
図7図6および7は、本開示の例示的実施形態による、発生条件のグラフィック表現の略図を示す。
【0035】
図8図8は、本開示の例示的実施形態による、発生グラフデータベース構造の略図を示す。
【0036】
図9図9は、本開示の例示的実施形態による、規定される宿主ノードに関する発生グラフデータベースのインターフェース画面の略図を示す。
【0037】
図10A図10Aは、本開示の例示的実施形態による、グラフデータベースとの併用のための階層的場所マップの略図を示す。
【0038】
図10B図10Bは、本開示の例示的実施形態による、試料ノードと、分離株ノードと、微生物ノードとを含む、グラフデータベースの略図を示す。
【0039】
図11図11は、本開示の例示的実施形態による、病棟場所ノードに関する例示的グラフデータベースの略図を示す。
【0040】
図12図12は、本開示の例示的実施形態による、インフルエンザ発生ノードに関する例示的グラフデータベースの略図を示す。
【0041】
図13図13-18は、本開示の例示的実施形態による、発生グラフデータベースから決定される、発生分析データの例示的インターフェース画面の略図を示す。
図14図13-18は、本開示の例示的実施形態による、発生グラフデータベースから決定される、発生分析データの例示的インターフェース画面の略図を示す。
図15図13-18は、本開示の例示的実施形態による、発生グラフデータベースから決定される、発生分析データの例示的インターフェース画面の略図を示す。
図16図13-18は、本開示の例示的実施形態による、発生グラフデータベースから決定される、発生分析データの例示的インターフェース画面の略図を示す。
図17図13-18は、本開示の例示的実施形態による、発生グラフデータベースから決定される、発生分析データの例示的インターフェース画面の略図を示す。
図18図13-18は、本開示の例示的実施形態による、発生グラフデータベースから決定される、発生分析データの例示的インターフェース画面の略図を示す。
【0042】
図19図19および20は、本開示の例示的実施形態による、グラフデータベースを構成および作成するための例示的手順を示す、フロー図を図示する。
図20図19および20は、本開示の例示的実施形態による、グラフデータベースを構成および作成するための例示的手順を示す、フロー図を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本開示は、一般に、発生管理に関する発生グラフデータベースを作成および分析する、方法、システム、および装置に関する。本明細書に開示されるグラフデータベースは、具体的には、発生のコンポーネント間に医学的、位置的、および/または時間的関係を提供するように構成される。グラフデータベースのコンポーネント間の一意の定義が、リンクが、臨床医からの最小限の入力を用いて、複数の個人間で自動的に決定されることを可能にする。本明細書に開示される例示的方法、システムおよび装置は、グラフデータベース上である定義された分析論を実施し、近リアルタイムで、第1の疑わしい、可能性が高い、または確認済み症例が受信されるとすぐに、発生の分布、拡散、および発端を決定するように構成される。
【0044】
グラフデータベースと比較して、従来的な関係データベースは、データのテーブルを含む。一意のキーが、異なるテーブルからあるデータをともにリンクするために使用される。関係データベースは、概して、データ間の関係が、1~3階の深度にすぎない、平坦なデータレイアウトのために適合される。付加的データ階が、追加される、またはデータが、ますます相互に関連した状態になるにつれて、関係データベースは、分析のための有意な計算能力を要求する。ある計算は、関係データベースとのインデックスを使用して回避され得る。しかしながら、インデックスは、新しいデータが追加されるにつれて、陳腐になり得、これは、データベースの再コンパイルおよび後続の分析を要求し得る。
【0045】
本明細書に開示されるように、本方法、装置、およびシステムは、発生管理に関するグラフデータベースとともに動作するように構成される。グラフデータベースは、データ関係(例えば、エッジ)を介してノードをリンクする、データ構造を含む。ノード間の関係は、意味論分析およびクエリが行われることを可能にする、意味論であり得る。ノードはそれぞれ、基礎的データを定義および記憶する、1つ以上のパラメータまたは属性を有し得る。本明細書に開示される例示的グラフデータベースは、複雑な階層的構造が、計算上効率的にモデル化され、新しいデータが提供されるにつれて絶えず更新されることを可能にする。いくつかの事例では、開示されるグラフデータベースは、7~20個の異なるデータ階を有し得る。グラフデータベースは、グラフデータベースの階層的な多階性質が、発生の間の条件の実際の拡散を近似するため、発生管理に関して特に明確に適合される。
【0046】
本明細書に開示されるグラフデータベースは、ノードと、エッジ/関係とを含む。グラフデータベースは、メモリまたはストア内のデータアイテムをノードおよびエッジの集合に関連付けるように構成される。いくつかの実施形態では、ノードおよびエッジは、テーブルまたは一覧内に記憶されてもよく、エッジは、ノードをともにリンクするために使用される。グラフデータベースのエッジは、記憶されるデータが、1つまたはいくつかの動作を用いてともにリンクされ、読み出されることを可能にする。図示される実施例では、ノードは、発生、発生の定義、発生のエピソード、宿主(例えば、ヒト、物体、動物、機器、媒介物等)、宿主の症状、宿主の場所、宿主が場所にいた日付/時間、および場所の階層(例えば、病院設備の組織構造)を表す。各ノードは、ノードに関連のある記憶されたデータを定義する、1つ以上のパラメータまたは属性を有する。ノードはまた、エッジまたは関係を含む。エッジまたは関係は、ノードをともに接続し、それらの間の関係を定義する。
【0047】
例示的方法、装置、およびシステムによって作成および処理される、例示的グラフデータベースは、ノード、パラメータまたは属性、および関係を記憶するために構成される、データ構造内に記憶され得る。いくつかの実施形態では、グラフデータベースは、Gremlin、SPARQL、Cypher等のクエリ言語のために構成され得る。他の実施形態では、グラフデータベースは、1つ以上のアプリケーションプログラミングインターフェース(「API」)を介してアクセスされ得る。
【0048】
本明細書に開示される例示的グラフデータベースは、発生情報が、患者医療記録、人口統計データベース、および/または臨床医の打込情報から自動的に作成されることを可能にする。したがって、グラフデータベースは、発生が、定義される条件を有するものと識別されたヒト毎に追跡されることを可能にする。付加的情報が、受信されるにつれて、例示的システム、方法、および装置は、近リアルタイムでグラフデータベースを更新し、潜在的および実際の発生の最新の表現を提供するように構成される。付加的な情報が、ノード、パラメータまたは属性、および/または関係の作成を通してのように、例示的システム、方法、および装置によって容易に追加される。新しいノード、パラメータまたは属性、および関係は、すでにグラフデータベース内にあるものに応じて構築するため、データベースの再コンパイルは、必要とされない。
【0049】
本明細書に開示される例示的システム、方法、および装置は、拡散を停止させることに役立つための情報を提供することに加えて、グラフデータベースを分析し、発生の分布、拡散、および発端を決定するように構成される。例えば、本明細書に開示されるシステム、方法、および装置は、検疫またはワクチン接種に関して「リスクがある」ヒトを識別し、発生の進行を図示するためのグラフィック表現を提供し、介入点を識別し、政府機関に報告書を提供し、発生の統計分析を行い、例えば、罹患率、流行曲線等を決定する、および/または発生データを組み合わせ、保険システムの領域または国に及ぼされる発生の負担の全体像を決定するように構成され得る。
【0050】
本明細書に開示される例示的システム、方法、および装置は、異なるタイプの発生を作成および管理するように構成される。本明細書に開示されるように、発生は、小規模な公衆衛生発症(例えば、食中毒)および/または大規模な公衆衛生発症(例えば、広域的流行または世界的流行)を含み得る。発生はまた、外傷性の神経学的事象、汚染事象、および/または病院ベースの伝染感染を含み得る。したがって、発生は、ウイルスまたは細菌感染に限定されず、また、化学物質、放射線、または生物学的暴露も含み得る。
【0051】
I.発生追跡および管理システムの実施形態
図1-3は、本開示の例示的実施形態による、例示的発生追跡および管理システム100の例示的実施形態を示す。例示的システム100は、発生管理サーバ102と、病院情報システム(「HIS」)104とを含む。サーバ102は、グラフデータベースを作成、分析、および管理するように構成される。例示的HIS104は、病院または医療環境内にコネクティビティを提供するように構成される。いくつかの実施例では、サーバ102は、HIS104内に含まれ得る。他の実施例では、サーバ102は、HIS104の外部にあり、それに通信可能に結合されてもよい。
【0052】
例示的HIS104は、ネットワーク106を介して、患者医療データ107を伝送する、またはそれを別様に提供するように構成される、1つ以上のデバイスまたはコンピュータに通信可能に結合される。HIS104は、患者医療データ107を電子医療記録(「EMR」)としてメモリデバイス108内に記憶する。図示される実施例では、HIS104は、検査室患者医療データ107aを伝送するように構成される、検査室サーバ110、デバイス患者医療データ107bを伝送するように構成される、医療デバイス112、臨床医患者医療データ107cを伝送するように構成される、臨床医デバイス114、管理患者医療データ107dを伝送するように構成される、管理サーバ116、および患者追跡医療データ107eを伝送するように構成される、患者追跡サーバ118に通信可能に結合される。
【0053】
検査室サーバ110は、患者からの1つ以上の生物学的サンプルの分析から、検査室データを発生させる、1つ以上の検査室器具に通信可能に結合され得る。検査室サーバ110は、検査室データを検査室患者医療データ107aとして記憶し、これは、HIS104を介して、メモリデバイス108において記憶される、患者のEMRに定期的に伝送される。
【0054】
医療デバイス112は、注入ポンプ、腎不全療法機械、生理学的センサ、患者ベッドサイドモニタ、パルスオキシメトリモニタ、CTスキャナ、MRIスキャナ等を含む、任意のタイプの臨床的医療デバイスを含む。医療デバイス112は、患者に関して実施される治療または患者に関して実施される測定に関する動作データおよび/または警報/警告を発生させる。データは、デバイス患者医療データ107bとして記憶され、メモリデバイス108に位置する患者のEMRに伝送される。図1の例示的環境100は、1つの医療デバイスを示すが、環境100が、数万個の医療デバイスを含み得ることを理解されたい。
【0055】
例示的臨床医デバイス114は、患者の条件に関して臨床医によって打ち込まれたデータを受信するように構成される、任意のスマートフォン、タブレット型コンピュータ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ワークステーション等を含む。データは、観察メモ、処方箋、治療、診断、観察/識別された症状等を含み得る。受信されたデータは、臨床医患者医療データ107cとして記憶され、メモリデバイス108において記憶される、患者のEMRに伝送される。図1の例示的環境100は、1つの臨床医デバイス114を示すが、環境100が、数万個のデバイスを含み得ることを理解されたい。
【0056】
例示的管理サーバ116は、患者管理情報を受信するように構成される。情報は、患者人口統計、および/または性別、体重、年齢、生年月日、身長、医療履歴等の生理学的情報を含む。情報はまた、患者に割り当てられる病棟(または処置領域)および/または病室を含み得る。情報は、患者の入院時に受信される、または患者が医療施設内の新しい場所に入院または移動された後に打ち込まれる/入手され得る。管理サーバ116は、管理情報を、管理患者医療データ107dとして、メモリデバイス108における患者のEMRに伝送する。
【0057】
例示的患者追跡サーバ118は、医療施設内での患者の場所を追跡するように構成される。例示的サーバ118は、患者が割り当てられる、または移動されている病棟を示す、情報を受信するように構成される。サーバ118はまた、患者が割り当てられる病室またはベッドを示す、情報を受信するように構成される。サーバ118は、患者追跡医療データ107eを、HIS104を介してメモリデバイス108における患者のEMRに伝送する。サーバ118は、患者の場所変更の度に、データ107eを伝送してもよく、退院のインジケーションを含んでもよい。
【0058】
例示的ネットワーク106は、任意の有線または無線ローカルエリアネットワーク(「LAN」)および/または広域ネットワーク(「WAN」)を含み得る。いくつかの実施例では、ネットワーク106は、アクセス、フォーマッティング、およびデータルーティングを制御する、1つ以上のファイヤウォール、ゲートウェイ、および/またはスイッチを含んでもよい。ネットワーク106は、医療施設内で独立するように構成されてもよい、および/または外部ネットワークと、対応するインターフェース/仮想トンネルとを含んでもよい。
【0059】
例示的HIS104は、受信されるデータ107を、メモリデバイス108内に記憶される適切な患者EMRに記憶するように構成される。いくつかの実施形態では、患者医療データ107は、患者氏名、またはEMR内の、またはそれにリンクされる識別子に対応する、他の識別子を含む。HIS104は、識別子を比較し、合致を決定する。合致が、識別された後、HIS104は、患者医療データを合致するEMRに記憶する。
【0060】
図5は、本開示の例示的実施形態による、例示的患者EMR500を示す。EMR500は、図1の本デバイス110-118のうちの1つ以上のものから受信される、患者医療データ107を含む。これは、患者の識別子および/または氏名と、患者の生理学的および/または人口統計情報と、患者の場所と、症状と、診断と、医療履歴と、医療デバイスデータと、検査室結果と、処方箋と、メモとを含む。患者医療データ107は、関係または表データ構造の中に記憶され、患者の実質的な医療特性評価を提供する。いくつかの実施例では、異なるカテゴリの情報は、記憶されるデータを識別する、データフィールド、標識、またはメタデータを含む。例えば、EMR500は、患者の病室およびベッドに対応する英数字値の隣に、標識「病室番号」を含んでもよい。他の実施形態では、異なるタイプの患者医療データはそれぞれ、EMR500の異なるフィールドまたは区分に、所定の、または事前に構造化された配列で記憶される。
【0061】
図1に戻ると、例示的HIS104は、メモリデバイス108内に位置する、患者EMR500(さらに概して、患者医療データ107)へのアクセスを提供するように構成される。例えば、臨床医デバイス114は、患者のEMRから患者医療データを閲覧、編集、追加、または除去するために、HIS104を介してメモリデバイス108にアクセスしてもよい。加えて、例示的発生管理サーバ102は、定期的(例えば、60秒毎、5分毎、1時間毎等)、または持続的にメモリデバイス108にアクセスし、患者医療データ107を入手するように構成される。加えて、または代替として、HIS104は、周期的時間に、またはデータが受信されるにつれて、患者医療データ107のコピーを発生管理サーバ102に伝送してもよい。
【0062】
例示的発生管理サーバ102は、臨床医が発生グラフデータベースの作成のためのフレームワークを規定することを可能にするように構成される。例示的発生管理サーバ102は、規定されたタイプの発生に関するグラフデータベースを自動的に(または、最小限の臨床医の入力を用いて)作成するために、適宜、フレームワークに従って動作する。発生管理サーバ102はまた、グラフデータベースを分析し、発生の分布、拡散、および発端を決定するように構成される。管理サーバ102は、グラフデータベースをグラフィック表現にレンダリングし、発生の異なるビューを提供する、または分析または意味論クエリの結果を提供するように構成される。発生管理サーバ102は、臨床医が、1つ以上の規定されるノードに関する基礎的データのある階のデータまたは視認パラメータまたは属性値をフィルタリングまたは隠すことを可能にする、双方向のグラフィック表現を提供するように構成されてもよい。
【0063】
発生管理サーバ102は、グラフデータベースを記憶するように構成される、メモリデバイス120に通信可能に結合される。図1に図示されるように、発生管理サーバ102は、患者医療データ107のコピーを受信する、または別様にそれにアクセスする。発生管理サーバ102は、患者医療データ107のコピーから、グラフデータベースのノードと、関係と、パラメータとを含む、グラフデータベース122を作成するように構成される。発生管理サーバ102は、グラフデータベース122を分析し、メモリデバイス120にも記憶される、分析データ124を作成する。
【0064】
図1の発生管理サーバ102は、有線または無線ネットワークを介して1つ以上のユーザデバイス126に通信可能に結合される。サーバ102は、メモリデバイス120からのグラフデータベース122および/または分析データを、ユーザデバイス126における閲覧、ナビゲーティング、および/または編集のために伝送するように構成される。いくつかの実施形態では、ユーザデバイス126は、メモリデバイス120内に位置するグラフデータベース122と相互作用するためのインターフェースを提供および/または伝送する、発生管理サーバ102にアクセスする。インターフェースは、ユーザが意味論クエリをサブミットする、および/または分析のための選択肢を選択することを可能にする、特徴を含むように構成される。ユーザデバイス126からの要求に応答して、例示的発生管理サーバ102は、グラフデータベースに関して要求される分析を実施し、表示のためにユーザデバイス126に送信される、分析データ124を発生させる。インターフェースはまた、ユーザデバイス126が、ノード、関係、および/またはパラメータを修正する、またはそれをグラフデータベースに追加する(またはノード、関係、および/またはパラメータを確認する)ことを可能にするように構成されてもよい。
【0065】
例示的ユーザデバイス126は、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ワークステーション、サーバ等を含む。いくつかの実施例では、ユーザデバイス126は、臨床医デバイス114を備えてもよい。他の実施例では、ユーザデバイス126は、安全なゲートウェイ、アクセスポート、および/またはファイヤウォールを介してサーバ102に接続し得る、病院システムの外部の、またはそれと別個である、デバイスであってもよい。
【0066】
いくつかの実施形態では、発生管理サーバ102は、実行されると、発生管理サーバ102に本明細書に説明される、動作、ステップ、方法、プロシージャ、ルーチン、アルゴリズム等を実施させるメモリ(例えば、メモリデバイス120)内に記憶される、命令128に従って動作する。例えば、命令は、サーバ102が、ユーザによって規定される基準に従って発生グラフデータベース122を作成、管理、および分析することを可能にする。例示的命令128はまた、発生医療情報が、実際の発生に近似するノードおよび関係に基づいて記憶構造またはフレームワークを作成することによって、データベース内に構造化される方法に応じて、発生管理サーバ102を改良させるように構成されてもよい。命令128は、異なるデータ階における異なるタイプのノード間の明確に規定される関係を伴う発生グラフデータベースの作成を規定し、これは、意味論言語入力に基づくリアルタイム分析結果およびほぼ瞬時のクエリ結果のための計算上効率的な処理および分析を可能にする。さらに、例示的命令128は、グラフデータベース122を、実際の基礎的データ構造に近似する、グラフィック表現にレンダリングし、それを処理するように構成され、これは、未加工の患者医療データまたは関係データベース内に記憶されるデータの過剰な量と比較して、ユーザが理解するために比較的に容易である。
【0067】
図2は、本開示の例示的実施形態による、図1の発生追跡および管理システム100の別の実施形態の略図を図示する。図示される実施形態では、例示的発生管理サーバ102は、ネットワーク202(例えば、インターネット)を介してユーザデバイス126に通信可能に結合される。発生管理サーバ102はまた、グラフデータベースを作成するために患者データ206を伝送するように構成される、データサーバ204に通信可能に結合される。例示的データサーバ204は、特定の日付/時間における患者の場所を説明する、あるデータを発生させるように構成される。データサーバ204はまた、グラフデータベースのためのノード、パラメータ、および/または関係を決定するために、患者の症状、生理学的情報、または関連のあり得る他のあらゆるものを示す、データを含み得る。例えば、ソーシャルメディアサーバ204aは、患者に関連するソーシャルメディアデータ206aを伝送するように構成される。ソーシャルメディアデータは、投稿、ツイート、画像、チェックイン情報等を含み得る。ソーシャルメディアデータ206aは、発生管理サーバ102によって、例えば、単語マップ、キーワード識別子、および他のテキスト自然言語検索ルーチンを使用して処理され、1つ以上のノード、関係、および/またはパラメータに関するデータを識別する。例えば、ソーシャルメディア投稿は、患者が、ある規定された時間/日付においてある場所にチェックインしたことを示す、情報を含み得る。例示的発生管理サーバ102は、場所ノードを作成するために、場所情報に関する投稿を解析するように構成される。さらに、発生管理サーバ102は、時間/日付ノードのために、時間/日付に関するデータ206aを解析する。発生管理サーバ102は、次いで、患者に関するノードと場所および時間/日付ノードとの間に関係を作成し得、これは、「ヒト(ノード)-有滞在(関係)-滞在(開始および終了の日付/時間を伴うノード)-滞在先-場所(ノード)」としてグラフデータベース内に記憶されるであろう。他の実施例では、サーバ102は、ある日付/時間のある場所における、患者と他の個人の接触を識別するために、データ206内のタグを識別するように構成される。
【0068】
例示的発生管理サーバ102はまた、患者の人口統計情報および家族関係を管理するように構成される、人口統計サーバ204bに通信可能に結合される。例えば、いくつかの政府組織が、ヒトの氏名、住所、年齢、性別、人種、民族等を含み得る、個人の1つ以上のデータベースを維持する。データベースはまた、同一の住所に居住する、またはそのヒトに関連する、他の個人の一覧を含んでもよい。サーバ102は、サーバ204bから人口統計データ206bを受信するように構成される。サーバ102は、人口統計データを分析し、個人間の関係および患者に関する母集団パラメータ情報を作成する。
【0069】
例示的発生管理サーバ102はさらに、地理的位置特定追跡データを伝送するように構成される、地理的位置特定サーバ204cに通信可能に結合される。例えば、携帯電話事業者は、スマートフォンのための場所追跡サービスを提供する。事業者は、ユーザの場所(例えば、GPSの場所)をユーザがその場所にいた日付/時間に相関させる、データベースを維持する。サーバ102は、これが、患者の旅行に関する場所および/または日付/時間ノードを作成するために使用する、地理的位置特定サーバ204cから本場所データ206cを受信する。
【0070】
図3は、本開示の例示的実施形態による、図1の発生追跡および管理システム100のさらなる実施形態の略図を図示する。図示される実施形態では、発生管理サーバ102は、随意に、サーバ204から患者データ206を受信する。加えて、発生管理サーバ102は、ネットワーク202を介してHIS104に通信可能に結合される。図示される実施形態では、サーバ102は、1つ以上の場所を横断して分散コンピューティングを提供するように構成される、クラウドベースのサービスホストを備え得る。
【0071】
図3はまた、ユーザデバイス126が、グラフデータベース122を表示するように構成される、アプリケーション302(例えば、App)を含むことを示す。アプリケーション302はまた、デバイス126のユーザが、グラフデータベース122および/または分析データ124と相互作用する、および/またはそれを修正することを可能にするように構成される。アプリケーション302は、デバイス126に、グラフデータベース122および/または分析データ124にアクセスするために、サーバ102における1つ以上のAPIと通信させる、命令を含んでもよい。アプリケーション302はまた、グラフデータベース122および/または分析データ124がデバイス126上にレンダリングおよび表示されるべき方法を規定する、命令を含んでもよい。アプリケーション302はさらに、ユーザが、グラフデータベース122および/または分析データ124を修正または操作するために使用し得る、インターフェースツールを定義する、命令を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アプリケーション302は、HIS104を介してメモリデバイス108における患者医療データ107にアクセスするように構成されてもよい。
【0072】
II.発生管理サーバの実施形態
図4は、本開示の例示的実施形態による、図1-3の発生管理サーバ102の略図を図示する。上記に開示されるように、発生管理サーバ102の動作が、サーバ102に通信可能に結合されるメモリデバイス内に記憶される、命令128によって定義されてもよい。図4は、命令128のグラフィック表現を動作ブロックとして示す。いくつかの実施形態では、ブロックは、組み合わせられる、追加される、除去される、またはさらに細分化されてもよい。命令128のグラフィック表現が、サーバ102の動作を説明するために提供されていることを理解されたい。さらに、いくつかの実施形態では、命令128は、特定用途向け集積回路(「ASIC」)、マイクロコントローラ、および/またはプロセッサ等のハードウェア、またはハードウェアとソフトウェアとの組み合わせとして具現化されてもよい。加えて、または代替として、命令128は、分散コンピューティング環境におけるように、単一のプロセッサまたはプロセッサの群によって実行されてもよい。
【0073】
図4の例示的発生管理サーバ102は、HIS104から患者医療データ107のコピーを受信する、または別様に入手するように構成される、EMRインターフェース402を含む。例示的EMRインターフェース402は、メモリデバイス108から患者医療データ107を読み取るために、HIS104における1つ以上のAPIにアクセスするための、1つ以上の命令を含み得る。インターフェース402は、加えて、または代替として、患者医療データ107に関する要求メッセージを伝送するように構成されてもよい。いくつかの事例では、要求メッセージは、データ107に対する変更が、HIS104からEMRインターフェース402に自動的に送信されるように、患者医療データ107をサブスクライブしてもよい。いくつかの実施形態では、インターフェース402は、要求メッセージを送信する必要なく、定期的に、または絶えずHIS104から患者医療データ107を受信してもよい。
【0074】
例示的インターフェース402は、受信されるデータ107をノードプロセッサ404に伝送するように構成される。いくつかの実施形態では、インターフェース402は、ノードプロセッサ404が利用可能になるまで、データ107を待ち行列に入れてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、インターフェース402は、患者医療データを、第1のフォーマットから、グラフデータベース内のノードプロセッサ404または記憶装置による処理と互換性がある、第2のフォーマットに変換するように構成されてもよい。例えば、インターフェース402は、データをEMRまたはグラフデータベースに記憶するために、患者医療データ107をHL7フォーマットからASCIIフォーマットに変換するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、インターフェース402は、データ107をJSON、HTML、テキスト、または非SQLフォーマットに変換する。
【0075】
サーバ102の外部データインターフェース406は、外部サードパーティサーバ204から患者データ206を処理するように構成される。EMRインターフェース402と同様に、外部データインターフェース406は、患者データ206を読み取るために、サーバ204における1つ以上のAPIにアクセスするための、1つ以上の命令を含んでもよい。インターフェース406は、加えて、または代替として、患者データ206に関する要求メッセージを伝送するように構成されてもよい。要求メッセージは、患者データ206にアクセスするための認証情報を含んでもよい。要求メッセージはまた、そのために情報が要求されている、患者の識別子(例えば、氏名、住所、英数字コード等)を含んでもよい。例えば、外部データインターフェース406は、発生グラフデータベース内の宿主ノードが、患者医療データ107に基づいて患者に関して作成された後にのみ、情報を要求してもよい。いくつかの事例では、要求メッセージは、データに対する変更が、サーバ204から外部データインターフェース406に自動的に送信されるように、患者データ206をサブスクライブしてもよい。いくつかの実施形態では、インターフェース406は、要求メッセージを送信する必要なく、定期的に、または絶えずサーバ204から患者データ206を受信してもよい。
【0076】
再び、EMRインターフェース402と同様に、例示的インターフェース406は、受信されるデータ206をノードプロセッサ404に伝送するように構成される。いくつかの実施形態では、インターフェース406は、ノードプロセッサ404が利用可能になるまで、データ206を待ち行列に入れてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、インターフェース406は、患者データを、第1のフォーマットから、グラフデータベース内のノードプロセッサ404または記憶装置による処理のためである、互換性のある第2のフォーマットに変換するように構成されてもよい。例えば、インターフェース402は、データをEMRまたはグラフデータベースに記憶するために、患者データ206をテキストフォーマットからASCIIフォーマットに変換するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、インターフェース406は、データ107をJSON、HTML、テキスト、または非SQLフォーマットに変換する。
【0077】
発生管理サーバ102が、グラフデータベースを作成し得る前に、グラフデータベースのための基盤またはフレームワークが、定義される必要がある。例示的サーバ102は、ユーザが発生の検出のための条件412、および可能性として考えられる/疑わしい、可能性として考えられる、および確認済み症例を決定するための条件を構成することを可能にするように構成される、グラフ構成インターフェース408と、グラフ構成器410とを含む。インターフェース408および構成器410はまた、ユーザが病院等の場所におけるノードタイプの階層を規定することを可能にするように構成される。ユーザによって提供される、またはシステムによって発生される情報412は、発生グラフテンプレートまたは定義ファイルとしてデータベース414に記憶される。
【0078】
条件412が、発生グラフデータベース自体の構造を規定または定義せず、むしろ、異なるノードタイプを作成する、ノード間の関係を決定する、または1つ以上のノードパラメータに記述するための値を決定するための条件を規定または定義することを理解されたい。例えば、データベース414は、疾患、感染、または発生のタイプ毎に、異なるタイプのグラフデータベーステンプレートを記憶してもよい。2012年9月27付けの、伝染病を報告するための症例定義を定めた、2012年8月8日の欧州連合官報の委員会実施決定(参照することによって本明細書に組み込まれる)は、多数の疾患または感染症に関する、前提条件(適切である場合)、臨床的基準、および診断基準を定義する。加えて、本文書は、感染症または発生条件毎に、疫学的基準および症例分類基準(すなわち、感染症の可能性として考えられる/疑わしい症例の定義、感染症の可能性が高い症例の定義、および/または感染症の確認済み症例の定義)を規定する。症例分類基準は、臨床的基準および診断基準に基づく。ともに、本情報は、パラメータを規定し、宿主ノードの疾患または感染症の症例定義のための症例分類を決定するために、グラフデータベースにおいて使用される。加えて、疫学的基準は、宿主間の関係を査定し、宿主または他の個人の感染症罹患に対する可能性または感受性を決定するために使用される、罹患基準を規定する。
【0079】
Q熱(コクシエラブルネッティ)に関するある実施例では、臨床的基準は、以下の3つの症状、すなわち、熱、肺炎、または肝炎のうちの少なくとも1つを伴う任意のヒトとして定義される。検査室基準は、臨床的試料からのコクシエラブルネッティの単離、臨床的試料中の核酸中でのコクシエラブルネッティの検出、またはコクシエラブルネッティに特異的な抗体応答(IgGまたはIgMの第II相)のうちの少なくとも1つとして定義される。疫学的基準は、一般的な源への暴露または動物から人間への伝染のうちの少なくとも一方を含む。「可能性として考えられる」分類症例定義は、存在しないが、「可能性が高い」分類症例定義は、疫学的リンクを伴う臨床的基準を充足する任意のヒトを含み、「確認済み」症例分類は、臨床的および検査室基準を充足する任意のヒトを含む。
【0080】
いくつかの実施形態では、グラフ構成インターフェース408は、臨床医または他のユーザ(図1のデバイス114または126)から条件412を受信するように構成される。グラフ構成インターフェース408は、例えば、ユーザに症例条件についてプロンプトする、入力ユーザインターフェースまたはフィールドを提供し得る。受信される条件は、グラフ構成器410によって処理され、規定される発生に関する条件を定義する。条件が、定義された後、例示的ノードプロセッサ404が、患者の症状または他の医療データ107が、規定される条件に合致するかどうかを決定し、患者が、発生に関して、「可能性として考えられる」、「可能性が高い」、または「確認済み」分類症例を有しているかどうかを決定するように構成される。該当する場合、ノードプロセッサ404は、患者に関する発生グラフデータベース122の中にエピソードを作成し、これは、同一の疾患または発生を伴う他の患者/ノードの既存のグラフデータベースに、患者に関するグラフまたはノードを追加することを含み得る。
【0081】
他の実施形態では、グラフ構成インターフェース408は、例えば、「欧州連合官報」の電子版からの源情報として条件412を受信するように構成される。これらの実施形態では、グラフ構成器410は、テキストを読み取り、それを解析し、感染症名称、前提条件、臨床的基準、診断または検査室基準、疫学的基準、および症例分類を識別するように構成される。グラフ構成器410は、識別された情報を適切なパラメータ、ノード、関係等の中に取り込むことによって、感染症毎に発生テンプレートまたは定義を自動的に作成する。本構成は、インターフェース408が、感染症の保健システムまたは政府データベースに通信可能に結合されることを可能にする。インターフェース408は、新しい感染症情報を、これが公開されるにつれて、入手し、それによって、発生が検出/追跡され得る速度を増大させるために、接続を使用する。発生条件はまた、食品汚染または損傷、化学物質、放射線等、他のタイプの発生に関しても決定され得ることを理解されたい。
【0082】
図6および7は、本開示の例示的実施形態による、図4の条件412のグラフィック表現600を図示する。図6の例示的グラフィック表現600は、インフルエンザに関する臨床的基準を含む。図7の例示的グラフィック表現600は、インフルエンザに関する検査室基準と、疫学的基準と、「可能性が高い」、「可能性として考えられる」、および「確認済み」に関する症例分類とを含む。条件412は、ユーザによって提供される、または文書またはデータベースから自動的に抽出されてもよい。例示的ノード構成器410は、グラフィック表現600内の情報に基づいて、インフルエンザ発生グラフデータベースに関する定義ファイルまたはテンプレートを作成するように構成される。例えば、臨床的基準は、ANDまたはOR論理が定義ファイルまたはテンプレート内の症状の間の計算関係を提供するために使用される状態で、症状として標識されてもよい。加えて、検査室基準は、検査室データタイプとして標識されてもよい。さらに、ノード構成器410は、潜在的に感染した個人を識別するためのより高い加重に対応し得る、グラフデータベースに関する疫学的リンクを決定するために、疫学的基準を使用してもよい。さらに、症例分類は、グラフデータベース内の「疑わしい」、「可能性が高い」、および「確認済み」分類をトリガするための条件をプログラムするためにノード構成器410によって使用される、検査室および臨床的基準のブール論理を含む。
【0083】
図4の例示的ノードプロセッサ404は、定義されている感染症および他の発生タイプに関して発生グラフデータベースを作成するように構成される。ノードプロセッサ404は、本開示の例示的実施形態による、図8に示されるグラフデータベース構造またはフレームワーク800に基づいて、グラフデータベースを作成する。例示的グラフデータベース構造800は、具体的には、発生に関連する異なるデータ階を記録するように構成される。言い換えると、グラフデータベース構造800は、異なるタイプのノード(円形要素として示される)間の関係、およびノード間のテキストまたは意味論的関係(例えば、エッジ)を定義する。ノードプロセッサ404は、下流分析のために意味のあるリンクのみを作成するように、規定されるフォーマットに基づいてノードをともにリンクするために、グラフデータベース構造800を使用する。例えば、グラフデータベース構造800は、発生ノードが、定義ノードによって、「定義元」エッジまたは関係を使用して定義されることを規定する。加えて、発生の各生起は、「内包元」エッジまたは発生ノードとの関係を有するエピソードノードとして規定される。無限のエピソードノード数が、発生と関連付けられる疾患に対する、「確認済み」、「可能性が高い」、または「可能性として考えられる」の分類された症例を有する宿主を表す発生ノードにリンクされ得ることを理解されたい。構造800は、エピソードノード以外のノードが、発生ノードと直接リンクされることを防止する、またはさらに発生ノードが、他の発生ノードにリンクされることを防止する。
【0084】
図8の構造800に図示されるように、各エピソードノードは、「症例」関係またはリンクを介して宿主ノードに接続される。宿主ノードは、他の宿主ノードのうちの少なくともいくつかのものが、発生ノード(図示せず)に戻ってリンクする、それ自体のエピソードノードを有する状態で、疫学的リンクを介して他の宿主ノードに接続されてもよい。宿主ノードはまた、「有症状」エッジ、関係、またはリンクを介して症状ノードに接続される。宿主ノードはさらに、「有滞在」関係またはリンクを介して1つ以上の滞在ノードに接続されてもよい。滞在ノードは、「滞在先」関係またはリンクを介して「場所ノード」に接続される。いくつかの実施形態では、場所ノードは、図10に示されるように、場所内の物理的空間の階層を表す、場所ノードのより大きい階層の一部であってもよい。
【0085】
図示される実施例では、役割ノードが、「役割」エッジ、関係、またはリンクを介してエピソードノードにリンクされる。これは、グラフデータベースが、同一のヒトまたは宿主が、臨床医または患者等のある役割に基づいて、発生の間にキャリアとして作用したかどうかを反映することを可能にする。いくつかの実施形態では、発生ノードは、「メモあり」関係またはリンクを介してメモノードにリンクされてもよい。ノードは、発生に関連する情報を規定してもよい。
【0086】
例示的ノードプロセッサ404は、患者が、少なくとも、発生に関連する感染症または条件の疑わしい症例を有するときに、発生グラフデータベースを発生させるように構成される。ノードプロセッサ404は、より大きい領域への発生の拡散を示す十分なデータが存在するまで、具体的場所に関する別個の発生グラフデータベースを作成し得る。例えば、ノードプロセッサ404は、街の異なる場所における、患者に関する異なる発生グラフを作成してもよい。しかしながら、データが、新しい症例および患者間の相互関係を提供するにつれて、ノードプロセッサ404は、十分な情報を有し、グラフをともに、疫学的リンクを介して、他の宿主ノードと組み合わせてもよい。
【0087】
以下の表は、図8に示される、異なるタイプのノードのそれぞれに関するパラメータ(例えば、属性)を提供する。各発生ノードが、発生に関する症例定義を含有する、定義ノードに接続される。図示されるように、発生ノード毎に単一の定義ノードが存在する。下記の表1は、定義ノードのパラメータを示す。パラメータのための値が、図4に示される、条件412から識別または受信される。表1に示されるパラメータまたは属性が、例証的にすぎず、表が、付加的な、またはより少ないパラメータまたは属性を含有し得ることを理解されたい。例えば、いくつかの発生は、「疑わしい」分類基準を有していない場合がある。
【表1-1】
【0088】
任意の所与の発生に関して、発生において症例を有する宿主(例えば、感染源)が存在する。症例は、エピソードノードとして標識される。グラフデータベースに関する以下の暗号クエリは、発生との例示的な宿主のつながりを図示する。
【表1-2】
【0089】
暗号クエリは、発生によって「罹患した」個人に焦点を当てるように、非ヌル症例分類に関してフィルタリングされてもよい。人々(例えば、宿主)が、発生に追加されると、サーバ102は、同一の関係(すなわち、接続するエピソードノードを伴う)を作成するように構成されるが、症例分類は、最初に設定されない場合がある。これは、最終的に症例ステータスを割り当てる前に、検査のための人々または宿主の短い一覧が存在するようにするものである。本プロセスは、宿主が発生に追加される度に、または個々の宿主が、接続されるサーバ204と同期化されるときに、追従される。下記の表2は、エピソードノードのパラメータを示す。ノードプロセッサ404は、例えば、患者の医療データ107から、エピソードノードに関するパラメータ値を決定する。エピソードノードのstart_date/start_tsは、「発症」(例えば、発生の流行直線)を決定し、宿主または個人が発生の一部になったときを示すために使用される。分類は、宿主が、「可能性として考えられる」、「可能性が高い」、および「確認済み」症例分類間を遷移し得るにつれて随時、変化してもよい。ノードプロセッサ404は、定義ノードを使用し、エピソードノードに関する症例分類を決定する。例えば、患者の症状および検査室データ107は、ノードプロセッサ404によって、定義ノード内の症例分類条件に合致され、患者が、発生と関連付けられる疾患に関して疑わしい、可能性として考えられる、または確認済みであるかどうかを決定する。他の実施例では、臨床医が、分類を提供する、または打ち込んでもよい。これらの他の実施例では、ノードプロセッサ404は、分類条件に関連する患者の情報を精査した後、臨床医に確認するために表示される、推奨される分類を決定してもよい。
【表2】
【0090】
任意の単一の発生において、単一のエピソードノードが、初発症例として識別され得る。これは、発生ノードと初発と呼ばれるエピソードノードとの間の1対1の関係によって識別される。
【0091】
例示的宿主ノードは、宿主に関連する情報を提供する、パラメータを含む。これは、宿主が、ヒト、動物、媒介物、物体等のいずれであるかについてのインジケーションまたはフラグを提供する、パラメータを含む。宿主ノードはまた、ヒトに関連する氏名、人口統計情報、物理特性、医療データ107、または他の情報に関するパラメータを含んでもよい。ノードプロセッサ404は、情報に関してデータ107および206を分析または解析し、パラメータを取り込んでもよい。いくつかの実施例では、ノードプロセッサ404は、単語マップ、自然言語合致、標識/フィールド識別子、および/またはメタデータを使用し、母集団に関する性質を決定してもよい。
【0092】
図8に示される役割ノードは、エピソードノードにリンクされ、人々にリンクされる、少なくとも各いくつかの発生ノードのために役割を提供してもよい。下記の表3は、患者、スタッフ、および一般の人々を含む、役割の実施例を示す。エピソードノードが、例えば、病院にスタッフが、最終的には患者でもあり得る、1つを上回る役割ノードを有し得ることを理解されたい。
【表3-1】
【0093】
例示的症状ノードは、例えば、以下の暗号クエリを使用して、サーバ102のノード発生器404によって、宿主にリンクされる。
【表3-2】
【0094】
ノード発生器404は、例えば、症状キーワードを検索することによって、患者の医療データ107から症状を決定し得る。下記の表4は、ノード発生器404によって決定され得る、症状ノードの例示的パラメータまたは属性を示す。例示的ノード発生器404は、症状パラメータを使用し、定義される基準を使用して、エピソードノードに関する宿主の症例分類を決定する。新しい症状が、受信されるにつれて、宿主発生器404は、新しい症状を、宿主ノードに接続される、新しい症状ノードとして追加し、適宜、症例分類を更新する。加えて、症状が、終了した場合、宿主発生器404は、症状の終了を記載する。いくつかの実施形態では、ノード発生器404は、ユーザインターフェース420を介して、デバイス114または126からの入力メッセージ422を受信する。入力メッセージ422は、臨床医によって提供される、症状情報を含む。メッセージ422はまた、症例分類も含み得る。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェース420は、ユーザが、ドロップダウンリストから症状を選択する、および/または症例分類を表すアイコンを選択することを可能にする、選択された患者のための入力ウィンドウを表示し得る。
【表4】
【0095】
図8の例示的グラフデータベース構造800は、宿主ノードが、疫学的リンクを介してともにリンクされることを図示する。下記の表5は、疫学的リンクのタイプの実施例を示す。いくつかの実施例では、表5は、疾患が典型的に伝染する方法に対応するリンクに基づく、リスクスコアまたは加重を含み得る。伝染と関連付けられないリンクは、サーバ102のデータベース分析器430が、潜在的な感染した宿主を検索すると、より低いリスクスコアを割り当てられ得る。他の事例では、表5は、伝染に関連する疫学的リンクのみを含有し得る。
【表5】
【0096】
いくつかの実施形態では、ノード発生器404は、データ107および/または206を使用して、宿主間の疫学的リンク(または確認のための潜在的リンク)を決定するように構成される。例えば、ソーシャルメディアまたは人口統計関係データが、疫学的リンクを決定するために使用されてもよい。他の実施例では、地理的位置が、2つの宿主が、同時に同一の場所にいたときを決定するために使用されてもよい。他の実施例では、臨床医のメモが、患者と接触した個人の一覧を含んでもよい。さらに他の実施例では、データ107内に含まれる、患者の治療スケジュールが、どの臨床医が患者と接触したかを識別してもよい。ノード発生器404は、宿主および宿主間の潜在的疫学的リンクを識別するために、データ107および/または206から名称を識別するために、単語マップ、フィールド、標識、またはメタデータを使用するように構成される。
【0097】
いくつかの実施形態では、図4のユーザインターフェース420は、所与の選択される宿主902に関して、宿主間のリンクまたは潜在的リンクのグラフィック表現を提供する、インターフェース画面900を表示し得る。要求に応じて、データベース分析器430は、選択される宿主と他の宿主との間のリンク(または「潜在的リンク」として標識されるリンク)を分析し、グラフィック表現を決定し、レンダリングする。臨床医は、潜在的リンクを選択し、対応する疫学的リンクを割り当てることによって、インターフェース画面900と相互作用する。臨床医による疫学的リンクの選択は、ノード発生器404に、グラフデータベース内の選択された宿主間のリンクを受信される疫学的リンクで更新させる。例えば、潜在的リンクは、ノード発生器404によって、疫学的リンクに変更される。
【0098】
図8に戻ると、宿主ノードは、滞在ノードを介して場所ノードにリンクされる。滞在ノードは、宿主が特定の場所にいた開始および終了日および/または時間を規定する。下記の表6は、滞在ノードの例示的パラメータまたは属性を示す。例示的ノード発生器404は、例えば、医療施設内の患者の入院および追跡に対応する、患者医療データ107から、日付/時間を決定する。例えば、患者記録は、患者が、急性処置病棟または処置領域の病室1774のベッドAに、2018年4月に1週間にわたって位置していたことを示し得る。ノード発生器404は、メタデータ、データ標識、フィールド等を使用し、これが滞在ノードの適切なパラメータまたは属性の中に値として取り込むために使用する、日付を位置特定する。他の実施例では、ユーザは、ユーザインターフェース420を介して日付/時間を提供してもよい。さらに、ノード発生器402は、地理的位置特定データ206を使用し、日付/時間情報を決定してもよい。例示的日付/時間情報は、どの宿主が、同時に同一場所にいたかを決定するために、データ分析器430によって使用されてもよい。
【表6】
【0099】
場所ノードは、場所を識別する、パラメータを含む。下記の表7は、場所ノードに関するパラメータのある実施例を示す。加えて、場所ノードは、GPS座標、街路住所、建物名称、および/または着目地理場所に関するパラメータを含み得る。ノード発生器404は、データ107および/または206を使用し、場所ノードに関する日付/時間を決定することと同様に、パラメータまたは属性に関する値を決定する。
【表7】
【0100】
多くの実施形態では、場所は、より大きい階層的場所の一部である。これらの実施形態では、滞在ノードへのリンクは、階層内の最下の場所ノードに対応する。階層は、病院等、ある地理的位置または物理的空間内の組織に対応し得る。図4の例示的グラフ構成器410は、図10Aに示されるように、インポートされたデータから階層的場所マップ1000を自動的に作成するように構成され、これは、場所の階層的構造を規定し得る。他の実施例では、グラフ構成器410は、ユーザが階層的場所マップ1000を作成することを可能にする。図10Aに示されるように、各下位場所が、「含有」関係またはリンクを介してより高次場所にリンクされる。図示される実施例では、病院病棟場所ノードが、それぞれが、いくつかの病室場所ノードを含有する、棟場所ノードAおよびBを含有する。加えて、いくつかの病室場所ノードは、棟ノードへの接続を伴わずに病棟場所ノードに直接接続される。さらに、いくつかの病室場所ノードは、別個のベッド場所ノードに接続する。図10Aのマップ1000は、病院に対応するが、他の実施形態では、グラフ構成器410は、事業、近隣、都市、商業/住宅建物、公衆空間、輸送システム等に関する関係マップを作成し得る。場所ノードは、データベース分析器430によって、指定される時間/日付の間の宿主間の関係および/または物理的距離を決定するために使用される。
【0101】
いくつかの実施形態では、場所ノードは、場所間の距離に対応する、宿主の感染リスクの数値インジケーションを提供する、リスクスコアを含み得る。例示的データベース分析器430は、場所に関するリスクスコアを使用し、他の宿主への疫学的リンクを有する潜在的宿主を識別し得る。例えば、隣接するベッドにいる患者は、それらの個別のベッドノードに関して比較的に高いリスクスコアを割り当てられ得る。下記の表8は、異なる場所ノードのためのリスクスコアの実施例を示す。
【表8】
【0102】
いくつかの実施形態では、病棟場所(または他の集中場所ノード)は、場所に関して関連のある、一般的な(例えば、調査)情報を提供する、パラメータまたは属性を含む。パラメータは、発生に関連し得る、および/または場所の活動レベルに関連し得る。いくつかの実施形態では、調査情報は、場所にリンクされる、それ自体のノード(例えば、調査ノード)であり得る。表9は、活動レベルに関する調査または場所ノードのパラメータまたは属性の実施例を示す。ユーザインターフェース420は、ユーザが表9の情報を提供することを可能にする。加えて、または代替として、ノード発生器404は、病院患者追跡情報を読み取り、特定の場所に関する全体的な活動を決定するように構成される。例えば、ノード発生器404は、ベッドの総数と比較して、処置領域のためのベッドにいる患者の数を決定し得る。データベース分析器430は、表9の情報を表示し、場所の活動レベルが変化する、または発生に対応する方法を示し得る。
【表9】
【0103】
いくつかの実施形態では、例示的ノードプロセッサ404は、発生に関連する時間周期の間に病院内の患者に関するバッチ情報を受信する。これらの実施形態では、ノードプロセッサ404は、病院場所ノードによってともにリンクされる、ノードのクラスタを作成し得る。より多くの性質値が、受信される患者医療データ107から識別されるにつれて、ノードプロセッサ404は、患者間の関係(例えば、疫学的リンク)を決定する。下記の表10は、ノードプロセッサ404が、同一の場所間で1つ以上の患者の異なるクラスタを同期化するために使用し得る、グラフデータベースのノードおよび関係を示す。データベース分析器430は、例えば、表10のデータから、発生が、特定の病院病棟または処置領域または病室の階に局所的であることを決定する。
【表10】
【0104】
いくつかの事例では、ノードプロセッサ404は、場所毎に発生タイプに関する単一のグラフデータベースを作成するように構成される。新しい患者が、入院する、または症状を含むにつれて、例示的ノードプロセッサ404は、患者を宿主ノードとしてグラフデータベースに追加するように構成される。症状を示していないが、発生と同一の場所にいる患者を追跡することは、データベース分析器430が、発生に対して脆弱な患者を識別することを可能にする。
【0105】
いくつかの実施形態では、ノードプロセッサ404は、グラフデータベース内に微生物学情報を含むように構成される。図8に図示されるように、各宿主ノードは、「試料」エッジ、関係、またはリンクを介して試料ノードに接続され得る。加えて、宿主ノードの対応するエピソードノードもまた、「試料」エッジまたは試料ノードとの関係を有し得る。本リンク付けは、発生に関連する場合とそうではない場合がある、潜在的に多くの異なる微生物学試料を有する、宿主を考慮する。表11は、試料ノードの例示的パラメータまたは属性を示す。
【表11】
【0106】
各試料ノードは、「分離株」エッジまたは関係を介して分離株ノードにリンクされ得る。分離株ノードは、試料結果内で分離株を規定する。下記の表12は、分離株ノードに関する例示的パラメータを示す。
【表12】
【0107】
分離株ノードは、「微生物」エッジまたは関係を介して微生物ノードに接続され得る。微生物ノードは、単離ルーチン内に見出される、単一の微生物を識別する。下記の表13は、微生物ノードの例示的パラメータを示す。
【表13】
【0108】
いくつかの実施例では、ノード発生器404は、試料結果および分離株のレベルに関して、予備、最終、改正、および削除(「PFA(D)」)システムを使用するように構成され得る。図10Bは、本開示の例示的実施形態による、試料ノードと、分離株ノードと、微生物ノードとを含む、グラフデータベース1050を図示する。グラフデータベース1050は、異なる宿主からの試料および分離株が、同一の微生物まで遡ることを示す。そのような情報は、発生の拡散だけではなく、発生に関わる(または疑わしい)生体物質も示すことによって有用となる。
【0109】
いくつかの実施例では、グラフデータベースは、化学物質、放射能タイプ等への暴露を識別するために、試料、分離株、および微生物を類似のノードと置換し得る。
【0110】
図11は、本開示の例示的実施形態による、病棟場所ノードに関する例示的グラフデータベース1100を図示する。グラフデータベース1100は、病棟場所ノードに対する関係を閲覧することに応答して、データベース分析器430によってレンダリングされ得る。本実施例では、データベース分析器430は、病棟場所ノードとの関係を有する、滞在および宿主ノードを閲覧するために、場所階層を圧縮または非表示にし得る。いくつかの事例では、データベース分析器430は、発生に対するそれらの症例分類に基づいて宿主ノードを色分けし、病棟場所ノードに対する発生の拡散を視覚的に示すように構成される。
【0111】
図12は、本開示の例示的実施形態による、インフルエンザ発生ノードに関する例示的グラフデータベース1200を図示する。本実施例では、異なるタイプの宿主ノードが、示され、宿主ノード1202は、ヒトに対応し、宿主ノード1204、1206、および1207は、媒介物または物体に対応する。例示的ノード発生器404は、宿主ノードのそれぞれに関して別個のエピソードノード1208を発生させるように構成される。しかしながら、ヒトにおけるインフルエンザの確認済みまたは可能性が高い症例にリンクされるエピソードノード1208cおよび1208eのみが、症例番号を提供される。対照的に、他のエピソードノード1208a、1208b、1208d、および1208fは、インフルエンザの確認済みまたは可能性が高い症例にリンクされず、故に、症例番号を割り当てられない。加えて、例示的ノード発生器404は、宿主ノード1202、1204、1206、および1208間に疫学的リンクを提供する。いくつかの事例では、ノード発生器404は、データ107および206からリンクを決定する。他の事例では、リンクは、臨床医によって、ユーザインターフェース420を介して規定される。
【0112】
いくつかの実施形態では、異なるタイプの発生は、同一のグラフデータベースの一部であり得る。言い換えると、各発生は、クラスタが、場所および/または宿主に基づいてともにリンクされる、別個のクラスタであり得る。例えば、特定の場所に関して、いくつかの宿主が、第1の発生にリンクされ得る一方、他の宿主が、第2の発生にリンクされる。発生間の相互関係は、データベース分析器430が、ある重複する発生に対する患者の脆弱性に関する情報を決定および表示する、または異なる発生間の相関を決定することを可能にする。データベース分析器430は、他の発生に関連するノードを除去または非表示にすることによって、単一の発生タイプに関してグラフデータベースをフィルタリングするように構成される。
【0113】
図13は、本開示の例示的実施形態による、データベース分析器430によってレンダリングされるように構成される、ダッシュボードインターフェース1300を示す。ダッシュボードインターフェース1300は、選択される発生に関する概要を提供する、別個の区分を含む。データベース分析器430は、例えば、規定される発生(例えば、インフルエンザ)に関連するノードを分析し、例えば、発生の長さ、罹患した人々の総数、発生に起因する死亡総数、発症のタイムライン、および症例分類のグラフを決定する。
【0114】
図14は、本開示の例示的実施形態による、データベース分析器430によってレンダリングされるように構成される、症状追跡器インターフェース1400を示す。データベース分析器430は、宿主および症状ノードを使用して、どの患者が特定の症状を有していたか、および症状に関する対応する時間周期を決定するように構成される。インターフェース1400はまた、患者の氏名の下に、患者の場所または識別子と、人口統計情報とを含む。そのような情報は、発生に関連し得る少なくとも1つの症状を示す、全ての患者のインジケーションを提供する。いくつかの実施形態では、インターフェース1400は、双方向型である。例えば、インターフェース1400は、場所、症例分類等によってフィルタリングするためのフィルタ特徴を含み得る。フィルタリングのための要求に応答して、データベース分析器430は、発生グラフデータベースから表示するための適切な情報を決定する。他の実施形態では、インターフェース1400は、臨床医が、「嘔吐」に関する症状1402等の症状に関する時間周期を移動、拡大、または短縮することを可能にするように構成される。インターフェース1400は、臨床医によって提供される推奨をノードプロセッサ404に伝送し、これは、症状ノード内のパラメータを適宜調節する(例えば、症状の持続時間を変更する)。
【0115】
図15は、本開示の例示的実施形態による、発生の宿主ノードと関連付けられる、患者(すなわち、患者3)に関する、患者インターフェース画面1500の略図を図示する。データベース分析器430は、患者情報、他の宿主との関係、および時間/日付/場所情報に基づいて、インターフェース画面1500内に表示するための情報を決定する。臨床医は、画面/インターフェース1200および1400内の患者を選択することによって、または患者の氏名または識別子のクエリ打込を提供することによって、画面1500を視認し得る。インターフェース1500は、それらの場所のマップを含む、経時的な患者の場所の概要を提供し得る。インターフェース画面1500はまた、患者と、その患者がある識別される場所において接触した他の宿主との間のグラフィック関係を表示し得る。インターフェース画面1500はさらに、例えば、それらの他の宿主ノードのどれがインフルエンザの確認済みまたは可能性が高い症例を有しているかを示す。
【0116】
図16は、本開示の例示的実施形態による、データベース分析器430によって決定される、ノロウイルス発生に関する発生インターフェース画面1600の略図を図示する。図示される実施例では、データベース分析器430は、規定される場所におけるノロウイルスの生起の日付を閲覧するための要求を受信する。それに応答して、データベース分析器430は、ノロウイルスに関連するノードに関してグラフデータベースを分析し、患者/ヒトに対応する宿主の症例分類からの情報をコンパイルする。いくつかの実施例では、インターフェース画面1600は、データベース分析器430に、疑わしい、および可能性が高い症例と比較される、確認済み症例を表示させる、選択のための選択肢を含み得る。
【0117】
図17は、本開示の例示的実施形態による、ウェールズ郡のノロウイルスの発生を示す、地図画面1700の略図を図示する。図示される実施例では、データベース分析器430は、規定される場所のノロウイルスの発生の地図を閲覧するための要求を受信する。それに応答して、データベース分析器430は、ノロウイルスおよび規定される場所に関連するノードに関するグラフデータベースを分析する。確認済みおよび/または可能性が高い症例の数が、特定の場所に関する閾値を超過する場合、データベース分析器430は、アイコンが、その場所における発生の存在を示すために、地図上に配置されるべきであることを決定する。いくつかの実施形態では、閾値は、1つの症例と同程度に低くあり得る。いくつかの事例では、データベース分析器430は、特定の領域に関して確認済みおよび/または可能性が高い症例に基づいて、アイコンの色および/またはサイズを選択し得る。臨床医は、地図画面1700を伴うツールを使用し、特定の場所を拡大し、例えば、医療施設内の住所および/または領域によって個々の症例を閲覧し得る。臨床医が、地図画面1700の分解能を変更させるにつれて、データベース分析器430は、街別ではなく、近隣、街路、または住宅等別による、より高解像度のアイコンを提供し得る。これを行うために、データベース分析器430は、表示地図内に表示される地図、領域(例えば、近隣、街路、住所等)の縮尺、および識別される領域に対応する、確認済みおよび/または可能性が高い症例を決定する。データベース分析器430はまた、発生情報を経時的に分析し、発症が、場所に関して増加しているか、または減少しているかに関するインジケーションを提供し、発症の日付を比較し、拡散場所を決定し得る。
【0118】
図18は、本開示の例示的実施形態による、発生に関する接触画面1800の略図を図示する。図示される実施例では、データベース分析器430は、ヒト宿主またはノード間のリンクを閲覧するための要求を受信する。データベース分析器430は、所与の宿主に関して、全ての接触と比較される、確認済み、可能性が高い、または可能性として考えられる症例を識別し得る。そのような情報は、感染した宿主に接続される、ある個人に関して検疫するまたは予防策を講じるために使用され得る。画面1800はまた、異なる宿主間の相互関係、および発生が拡散される方法を示し得る。
【0119】
発生追跡および管理のための例示的手順
図19および20は、本開示の例示的実施形態による、グラフデータベースを構成および作成するための例示的手順1900および2000を示す、フロー図を図示する。手順1900および2000は、図19および20に図示されるフロー図を参照して説明されるが、手順1900および2000と関連付けられるステップを実施する多くの他の方法も、使用され得ることを理解されたい。例えば、ブロックのうちの多くのものの順序は、変更され得、あるブロックは、他のブロックと組み合わせられ得、説明されるブロックのうちの多くのものは、随意である。さらに、手順1900および2000に説明されるアクションは、例えば、図1-3の発生管理サーバ102、ユーザデバイス126、臨床医デバイス114、HIS104、および/またはサーバ204を含む、複数のデバイス間で実施され得る。さらに、手順は、図4の命令128を例証し得る。
【0120】
図19の例示的手順1900は、発生管理サーバ102が、感染または事象に関する1つ以上の条件412を受信すると、開始する(ブロック1902)。条件412は、文書でウェブサイトから受信される、および/または臨床医によって打ち込まれてもよい。サーバ102は、発生条件内の臨床的情報を識別し、規定される発生に関して定義ノード、テンプレート、および/またはファイルを作成する(ブロック1904および1906)。図4に関して上記に説明されるように、これは、症例基準を識別するステップと、基準を、発生に関する定義ノードのパラメータまたは属性に取り込むステップとを含む。サーバ102はまた、定義ノードにリンクされる、発生ノードを作成し得る(ブロック1908)。サーバ102は、定義ノードおよび発生ノードをメモリに記憶する(ブロック1910)。発生に関する症例基準は、次いで、宿主が、新しい発生内にエピソードを有しているかどうかを決定するために使用され得る。該当する場合、発生は、新しいグラフデータベース内に作成される、または対応する場所に関する現在のグラフデータベースに追加され得る。
【0121】
図20の例示的手順2000は、発生管理サーバ102が、HIS104から患者医療データ107を受信すると、開始する(ブロック2002)。発生管理サーバ102はまた、サーバ204から患者データ206を受信し得る(ブロック2004)。発生管理サーバ102は、次いで、データ107および/または206に基づいて、患者(またはヒト)のこれまでの場所および現在の場所を決定する(ブロック2006)。発生管理サーバ102は、患者/ヒトに関して、宿主ノードおよび場所ノード(および滞在ノード)を作成する(ブロック2008)。発生管理サーバ102はまた、患者と他の宿主との間の関係を決定する(ブロック2010)。決定される関係は、適切なノード間のグラフデータベースに追加される。いくつかの実施例では、発生管理サーバ102は、臨床医に、他の宿主との関係を提供する、または潜在的な決定される関係の確認を提供するようにプロンプトし得る。
【0122】
例示的発生管理サーバ102はまた、データ107および/または206から患者の症状を識別する(ブロック2012)。識別される症状から、発生管理サーバ102は、患者の症状が、1つ以上の発生に関する、症例分類に合致するかどうかを決定する(ブロック2014)。発生との合致が存在する場合、発生管理サーバ102は、エピソードノードを作成し、患者と発生との間にリンクを作成する(ブロック2016)。症例分類との合致が存在しない場合、発生管理サーバ102は、ブロック2002に戻り、同一の患者または付加的な患者に関するデータを受信する。
【0123】
発生管理サーバ102が、エピソードノードを作成する場合、サーバ102は、次いで、(同一または類似のエピドートを伴う)患者エピソードの数を閾値と比較し、警告が、発生されるべきであるかどうか、または発生が、さらなる注意のために別様に助長されるべきであるかどうかを決定し得る(ブロック2018)。閾値が、超過される場合、管理サーバ102は、警告を発生させる、またはメッセージを別様に伝送する、または発生が、注意を受けるべきであることのインジケーションを提供するように構成される(ブロック2020)。これは、例えば、サーバ102が、1つ以上のテキストメッセージを伝送する、または、臨床医デバイス114に通知をプッシュすることを含み得る。閾値が、超過されない場合、および/または警告が、生成された後、発生管理サーバ102は、同一の患者または他の患者に関する新しく受信されるデータを処理するために、ブロック2002に戻る。
【0124】
結論
本明細書に説明される、開示される方法および手順の全てが、1つ以上のコンピュータプログラムまたはコンポーネントを使用して実装され得ることを理解されたい。これらのコンポーネントは、RAM、ROM、フラッシュメモリ、磁気または光ディスク、光学メモリ、または他の記憶媒体を含む、任意の従来のコンピュータ可読媒体上の一連のコンピュータ命令として提供され得る。命令は、一連のコンピュータ命令を実行するとき、開示される方法およびプロシージャの全てまたは一部を実施する、またはその実施を促進する、プロセッサによって実行されるように構成され得る。
【0125】
本明細書に説明される例示的実施形態に対する種々の変更および修正が、当業者に明白となるであろうことを理解されたい。そのような変更および修正は、本主題の精神および範囲から逸脱することなく、かつその意図される利点を減少させることなく成され得る。したがって、そのような変更および修正が、添付の請求項によって網羅されることを意図する。
【0126】
35U.S.C.112(f)(米国特許法第112条(f))またはpre-AIA35U.S.C112,paragraph6(旧米国特許方法第112条、第6段落)が、用語「手段」または「ステップ」が請求項において明示的に列挙されない限り、想起されることを意図していないことを理解されたい。故に、請求項は、その明細書または均等物に説明される、対応する構造、材料、またはアクションに限定されることを意図するものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20