(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-07
(45)【発行日】2024-02-16
(54)【発明の名称】自転車用携帯駐輪装置
(51)【国際特許分類】
B62H 3/02 20060101AFI20240208BHJP
【FI】
B62H3/02
(21)【出願番号】P 2021009371
(22)【出願日】2021-01-25
【審査請求日】2023-03-16
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年12月2日、株式会社サオコー建設(静岡県御殿場市)において、理研軽金属工業株式会社が、リッカルイベント用サイクルスタンド製品説明会にて、製品の写真などを公開
(73)【特許権者】
【識別番号】000250432
【氏名又は名称】理研軽金属工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】杉山 諒介
【審査官】三宅 龍平
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2013-0117288(KR,A)
【文献】特開2016-089446(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0369215(US,A1)
【文献】特開2019-099123(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62H 3/02
F16B 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転車のサドルを引っ掛けて支持可能な支持部と、
前記支持部の左右に配置される脚部と、
前記支持部と前記脚部を接続する金具と、
を備え、
前記支持部は、前記金具を介して左右の前記脚部に着脱可能に接続され、前記金具は、前記支持部を使用状態に固定する押圧手段
と、
を備え
、
前記押圧手段は、前記金具の上部に配置される操作部と、前記操作部から前記金具の内部に垂下する押圧棒とからなり、前記操作部を回転させると前記押圧棒が進退され、前記押圧棒は、進行すると前記支持部の内部に挿通され、さらに進行すると前記支持部の押圧受材に食い込むように押圧されていることを特徴とする自転車用駐輪装置。
【請求項2】
自転車のサドルを引っ掛けて支持可能な複数の支持部と、
複数の前記支持部の左右および中間に配置される脚部と、
前記支持部と前記脚部を接続する金具と、
を備え、
前記支持部は、前記金具を介して左右および中間の前記脚部に着脱可能に接続され、前記金具は、前記支持部を使用状態に固定する押圧手段
と、
を備え
、
前記押圧手段は、前記金具の上部に配置される操作部と、前記操作部から前記金具の内部に垂下する押圧棒とからなり、前記操作部を回転させると前記押圧棒が進退され、前記押圧棒は、進行すると前記支持部の内部に挿通され、さらに進行すると前記支持部の押圧受材に食い込むように押圧されていることを特徴とする自転車用駐輪装置。
【請求項3】
前記支持部の左右および/または中間に配置される金具および脚部は、前記金具同士が同一部材であり、かつ、前記脚部同士が同一部材であることを特徴とする請求項1または2記載の自転車用駐輪装置。
【請求項4】
前記金具は、前記支持部を支持する支持棒支持部と、前記脚部を支持する脚部支持部とからなり、前記支持棒支持部は、前記押圧手段が長手方向に一対で設けられ、一方および/または他方から前記支持部が挿通されることを特徴とする請求項1~
3のいずれかに記載の自転車用駐輪装置。
【請求項5】
一対の前記押圧手段間には、ストッパーが形成され、一方および/または他方から挿通された前記支持部の端部が前記ストッパーに当接されることを特徴とする請求項
4に記載の自転車用駐輪装置。
【請求項6】
前記脚部は、使用状態のときには、略V字形に開くことができる一対の棒状部材を備え、収納するときは、一対の前記棒状部材を略I字形に閉じるように一対の前記棒状部材が前記金具に接続固定されていることを特徴とする請求項1~
4のいずれかに記載の自転車用駐輪装置。
【請求項7】
前記支持部は、支持棒と緩衝材とからなることを特徴とする請求項1~
5のいずれかに記載の自転車用駐輪装置。
【請求項8】
前記緩衝材は、前記支持棒に係合され、係合した前記支持棒と前記緩衝材間には、空間を有していることを特徴とする請求項
7に記載の自転車用駐輪装置。
【請求項9】
前記緩衝材の上面は、前記支持棒の上面と同断面の円弧状に形成され、前記支持棒の下面は断面角形状に形成されていることを特徴とする請求項
7または
8記載の自転車用駐輪装置。
【請求項10】
前記支持棒の側面には、多目的溝を備えられていることを特徴とする請求項
7~
9のいずれかに記載の自転車用駐輪装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロードバイク等の自立式スタンドを持たない自転車を複数台駐輪することができ、かつ、持ち運びに適した自転車用駐輪装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、平板状の基台部から直立する支柱部を形成し、支柱部の側面に支持される一対の自転車車輪挟持板を設けられ、自転車車輪挟持板が水平接続部材で接続された自転車用ラック装置は、連結部材を介して複数の自転車用ラック装置を連結する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記したような自転車用ラック装置では、単体でも支柱部の高さと自転車車輪挟持板の奥行および水平接続部材の幅だけの大きさがあるため、持ち運びがし辛く、搬送には不向きである等の問題があった。また、連結部材を介して複数の自転車用ラック装置が接続できるが、連結部材を別に準備しなければならず、部品数が増え、製造コストが増加する等の問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、自立式スタンドを持たない自転車を複数台駐輪することができ、かつ、持ち運びに適した自転車用駐輪装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、以下を特徴とする。
請求項1に記載の発明は、自転車のサドルを引っ掛けて支持可能な支持部と、前記支持部の左右に配置される脚部と、前記支持部と前記脚部を接続する金具と、を備え、前記支持部は、前記金具を介して左右の前記脚部に着脱可能に接続され、前記金具は、前記支持部を使用状態に固定する押圧手段と、を備え、前記押圧手段は、前記金具の上部に配置される操作部と、前記操作部から前記金具の内部に垂下する押圧棒とからなり、前記操作部を回転させると前記押圧棒が進退され、前記押圧棒は、進行すると前記支持部の内部に挿通され、さらに進行すると前記支持部の押圧受材に食い込むように押圧されていることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、自転車のサドルを引っ掛けて支持可能な複数の支持部と、複数の前記支持部の左右および中間に配置される脚部と、前記支持部と前記脚部を接続する金具と、を備え、前記支持部は、前記金具を介して左右および中間の前記脚部に着脱可能に接続され、前記金具は、前記支持部を使用状態に固定する押圧手段と、を備え、前記押圧手段は、前記金具の上部に配置される操作部と、前記操作部から前記金具の内部に垂下する押圧棒とからなり、前記操作部を回転させると前記押圧棒が進退され、前記押圧棒は、進行すると前記支持部の内部に挿通され、さらに進行すると前記支持部の押圧受材に食い込むように押圧されていることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の発明の特徴点に加え、前記支持部の左右および/または中間に配置される金具および脚部は、前記金具同士が同一部材であり、かつ、前記脚部同士が同一部材であることを特徴とする。
【0009】
【0010】
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1~3のいずれかに記載の発明の特徴点に加え、前記金具は、前記支持部を支持する支持棒支持部と、前記脚部を支持する脚部支持部とからなり、前記支持棒支持部は、前記押圧手段が長手方向に一対で設けられ、一方および/または他方から前記支持部が挿通されることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明の特徴点に加え、一対の前記押圧手段間には、ストッパーが形成され、一方および/または他方から挿通された前記支持部の端部が前記ストッパーに当接されることを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1~4のいずれかに記載の発明の特徴点に加え、前記脚部は、使用状態のときには、略V字形に開くことができる一対の棒状部材を備え、収納するときは、一対の前記棒状部材を略I字形に閉じるように一対の前記棒状部材が前記金具に接続固定されていることを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項1~5のいずれかに記載の発明の特徴点に加え、前記支持部は、支持棒と緩衝材とからなることを特徴とする。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明の特徴点に加え、前記緩衝材は、前記支持棒に係合され、係合した前記支持棒と前記緩衝材間には、空間を有していることを特徴とする。
【0016】
請求項9に記載の発明は、請求項7または8記載の発明の特徴点に加え、前記緩衝材の上面は、前記支持棒の上面と同断面の円弧状に形成され、前記支持棒の下面は断面角形状に形成されていることを特徴とする。
【0017】
請求項10に記載の発明は、請求項7~9のいずれかに記載の発明の特徴点に加え、前記支持棒の側面には、多目的溝を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に記載の発明は上記の通りであり、自転車のサドルを引っ掛けて支持可能な支持部と、支持部の左右に配置される脚部と、支持部と脚部を接続する金具と、を備えているため、ロードバイク等の自立式スタンドを持たない自転車を駐輪することができ、使い勝手が良い。
【0019】
また、支持部は、金具を介して左右の脚部に着脱可能に接続されているため、部材を分解することでコンパクトな大きさでの収納またはイベント会場等への持ち運びが容易にでき、使い勝手が良い。
【0020】
また、金具は、支持部を使用状態に固定する押圧手段を備えているため、押圧するだけで自転車用駐輪装置が設置できるので迅速に作業が行える。すなわち、工具等の道具を必要とせず、手作業で設置が行え、作業性が良い。
【0021】
請求項2に記載の発明は上記の通りであり、自転車のサドルを引っ掛けて支持可能な複数の支持部と、複数の支持部の左右および中間に配置される脚部と、支持部と脚部を接続する金具と、を備えているため、ロードバイク等の自立式スタンドを持たない自転車を複数台駐輪することができ、イベント会場等での使用に適している。
【0022】
また、複数の支持部は、金具を介して左右および中間の脚部に着脱可能に接続されているため、部材を分解することでコンパクトな大きさでの収納またはイベント会場等への持ち運びが容易にでき、使い勝手が良い。
【0023】
また、金具は、複数の支持部を使用状態に固定する押圧手段を備えているため、押圧するだけで自転車用駐輪装置を設置できるので迅速に作業が行える。すなわち、工具等の道具を必要とせず、手作業で設置が行え、作業性が良い。
【0024】
請求項3に記載の発明は上記の通りであり、支持部の左右および/または中間に配置される金具および脚部は、金具同士が同一部材であり、かつ、脚部同士が同一部材であるため、左右および/または中間の部材を共通部材にすることで製造コストが抑えられる。
【0025】
請求項1または2に記載の発明は上記の通りであり、押圧手段は、金具の上部に配置される操作部と、操作部から金具の内部に垂下する押圧棒とからなり、操作部を回転させると押圧棒が進退するため、回転させるだけで容易に自転車用駐輪装置の設置や分解が行える。
【0026】
請求項1または2に記載の発明は上記の通りであり、押圧棒は進行すると支持部の内部に挿通されるため、挿通するだけで支持部が金具から抜け落ちることがなくなり、作業性が良い。
【0027】
また、さらに押圧棒が進行すると支持部の押圧受材に押圧されるため、簡易な作業で支持部と金具とをガタツキのない強固な取り付けができ、作業性が良い。すなわち、工具等の道具を必要とせず、1人でも設置ができ、操作性が良い。
【0028】
請求項4に記載の発明は上記の通りであり、金具は、支持部を支持する支持棒支持部と、脚部を支持する脚部支持部とからなり、支持棒支持部は、押圧手段が長手方向に一対で設けられ、一方および/または他方から支持部が挿通されるため、支持部の左右端部および/または複数の支持部間の中間部に配置される金具が共通部材で対応ができるので、製造コストが抑えられる。また、複数の支持部間の中間部に配置される金具は、一方および他方の両方向から支持部を挿通することで左右の支持部を連結できるため、単体で自転車用駐輪装置を複数台設置するよりも金具および脚部の本数が少なくすみ、部品コストが抑えられる。
【0029】
請求項5に記載の発明は上記の通りであり、一対の押圧手段間には、ストッパーが形成され、一方および/または他方から挿通された支持部の端部がストッパーに当接されるため、一方および/または他方から挿通した支持部の入り込みを防止でき、押圧手段が所定の位置で確実に行えるので作業性が良い。また、金具を複数の支持部間で使用するときに、金具の一方および他方から支持部を挿通させてストッパーによって支持部の端部を当接し、所定の位置に配置された支持部を押圧手段によって固定が行えるので、連続した自転車用駐輪装置を容易に設置することができ、イベント会場等での使用に適している。
【0030】
請求項6に記載の発明は上記の通りであり、脚部は、使用状態のときには、略V字形に開くことができる一対の棒状部材を備え、一対の棒状部材が金具に接続固定されているため、自転車用駐輪装置の設置が迅速に行える。
【0031】
また、収納するときは、一対の棒状部材を略I字形に閉じるように一対の棒状部材が金具に接続固定されているため、一対の棒状部材を略I字形に閉じることで、支持部と金具を分解しないで収納または持ち運びが容易にでき、汎用性が高い。
【0032】
請求項7に記載の発明は上記の通りであり、支持部は、支持棒と緩衝材とからなるため、緩衝材により、駐輪するときや駐輪した後の自転車への傷防止と、駐輪した後に自転車が強風等により、不安定な支持になり難く、自転車用駐輪装置からの落下を防ぐ。
【0033】
請求項8に記載の発明は上記の通りであり、緩衝材は、支持棒に係合され、係合した支持棒と緩衝材間には、空間を有しているため、支持棒と緩衝材の接触する面積が減少することにより、摩擦抵抗が減るのでスムーズに支持棒と緩衝材とをスライドによる係合ができ、作業性が良い。また、支持棒と緩衝材間との空間分だけ緩衝材の直径が大きいため、緩衝材を支持棒に嵌め込みで係合もでき、作業性が良い。また、空間により、駐輪するときや駐輪した後のクッション効果も兼ね備え、自転車への衝撃を低減させることで自転車への傷を防止できる。
【0034】
請求項9に記載の発明は上記の通りであり、緩衝材の上面は、支持棒の上面と同断面の円弧状に形成されているので、自転車のサドルがフィットして保持でき、安定した駐輪ができる。また、緩衝材により、駐輪するときや駐輪した後の自転車への傷防止と、駐輪した後に自転車が強風等により、不安定な支持になり難く、自転車用駐輪装置からの落下を防ぐ。
【0035】
また、支持棒の下面は断面角形状に形成されているので、子どもが鉄棒等の遊具にして遊ぶ危険性を減少させることができるので、不正使用を防止できる。
【0036】
請求項10に記載の発明は上記の通りであり、支持棒の側面には、多目的溝が備えられているため、表示具(看板)で広告や標識機能を持たせたり、フックを引っ掛けてカバンやヘルメット等の小物を支持したりできる。また、フックに自転車のハンドルまたはトップチューブを引っ掛けての駐輪ができ、利便性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】自転車用駐輪装置に自転車を引っ掛けた状態を示す外観図である。
【
図2】自転車用駐輪装置の(a)脚部を閉じた状態の図、(b)分解した状態の図である。
【
図6】(a)脚部端部カバー材の側面図、(b)脚部端部カバー材を棒状部材に取り付けた状態の図である。
【
図7】(a)支持部を金具に取り付ける状態の図、(b)支持部を金具に取り付けた状態の図である。
【
図8】
図7(b)を正面からみた拡大断面図である。
【
図9】支持部を金具に挿通した状態の断面図(押圧前)である(ストッパーは除く)。
【
図10】押圧手段が支持部に挿入された状態の断面図(押圧前)である(ストッパーは除く)。
【
図11】支持部を金具に取り付けた状態の断面図(押圧後)である(ストッパーは除く)。
【
図12】自転車用駐輪装置の変形例を示す外観図である。
【
図13】(a)他方の支持部を金具に取り付ける状態の図、(b)他方の支持部を金具に取り付けた状態の図である(一部透過図)。
【
図14】(a)多目的溝を使用した図、(b)多目的溝を使用した変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明の実施形態について、図を参照しつつ説明する。
【0039】
本実施形態に係る自転車用駐輪装置10は、例えば、ロードバイク等の自立式スタンドを持たない自転車50を駐輪するためのものであり、分解可能になっている。この自転車用駐輪装置10は、
図1に示すように、自転車50のサドル51を引っ掛けて支持可能な支持部11と、支持部11の左右に配置される脚部20(左脚部20Aおよび右脚部20B)と、支持部11と脚部20を接続する金具30(左金具30Aおよび右金具30B)と、を備えて構成される。
【0040】
最初に
図1~
図11を用いて実施例1について説明する。
支持部11は、
図1に示すように、自転車50のサドル51を引っ掛けて支持可能な棒状の部材である。本実施形態に係る支持部11は、
図3等に示すように、長手方向に長尺な押出形材であり、アルミ等の金属からなる支持棒12と、樹脂からなる緩衝材13を組み合わせて構成されている。具体的には、
図4、
図5に示すように、断面が円弧状に形成された上面12aと、上面12aから垂下する一対の側面12bと、一対の側面12bに連接する下面12cからなる断面角形状とによって中空部が構成される支持棒12と、支持棒12の上面12aと同断面の円弧状からなる上面13aと、上面13aから連接する円弧状の端部13bを備える緩衝材13とで構成されている。
【0041】
なお、支持棒12の一対の側面12bには、
図4等に示すように、断面略L字状の受溝12fと断面略台形状の多目的溝12hが上下に連なって形成され、受溝12fと多目的溝12hの境界に上向きの凸部12gが形成され、上面12aと一対の受溝12f間の中空部内には、押圧受材12dが配置されている。この受溝12fは、後述の緩衝材13の引掛け片13cを引っ掛けて係合し、緩衝材13を取り付けるための溝である。
【0042】
また、凸部12gは、
図4等に示すように、緩衝材13の抜け止め部13dと係合するためのものである。すなわち、緩衝材13が支持棒12から外れないように凸部12gで抜け止め部13dを支持している。なお、凸部12gと抜け止め部13dを密着させることで、雨水やほこり等の侵入を防ぐ効果も奏する。なお、多目的溝12hの利用方法については後で説明する。
【0043】
押圧受材12dは、
図3等に示すように、板材からなり、押圧手段40を受けるためのものである。具体的には、押圧受材12dの長手方向の両端部よりに貫通孔12eが形成され、支持棒12の中空部内に挿通された押圧受材12dが、支持棒12および緩衝材13に取り付けられている。なお、押圧受材12dは、支持棒12とは別の材料であるが、押圧を受けられれば良く、支持棒12に押圧受材12dを含めた一体型でも良い(図示なし)。
【0044】
また、支持棒12の上面12aには、
図3等に示すように、支持棒12と緩衝材13および押圧受材12dを連結するための貫通孔12iと、後述の押圧手段40が貫通される貫通孔12jが形成されている。また、緩衝材13の上面13aの外面には、
図3等に示すように、支持棒12と係合したときに貫通孔12iと連なる貫通孔13fと、貫通孔12jと連なり押圧手段40が貫通される貫通孔13gが形成されている。これらの貫通孔12i、12j、13f、13gは、支持棒12および緩衝材13の両端部に設けられている。なお、貫通孔12i、13fは、
図5等に示すように、ネジ等の止具14を通すことで、支持棒12(押圧受材12dを含む)および緩衝材13とを固定する。これにより、長手方向全長に渡って支持棒12を緩衝材13で覆われた支持部11が完成する。
【0045】
また、緩衝材13の上面13aの内面には、
図4、
図5に示すように、長手方向にわたって凸部13eが所定の間隔で複数配置されている。この凸部13eは、支持棒12と緩衝材13が係合されたときに、支持棒12と緩衝材13間に凸部13eの高さ分またはそれ以上の空間Tを有するためのものである。この空間Tにより、駐輪するときや駐輪した後のクッション効果を備え、自転車50への衝撃を低減させることで自転車50への傷を防止できる。
【0046】
また、緩衝材13の一対の端部13bには、
図4等に示すように、内方に向けた断面略L字状の引掛け片13cと下方に向けて伸びる抜け止め部13dが形成されている。この引掛け片13cは、支持棒12の受溝12fに係合させることで支持棒12と緩衝材13が組み合わされる。具体的には、受溝12fの長手方向の端部から引掛け片13cを挿通し、緩衝材13を支持棒12にスライドさせて係合して、取り付けられる。
【0047】
なお、係合方法は、スライド係合に限らず、一方の受溝12fの長手から一方の引掛け片13cを嵌め込み、嵌め込んだ引掛け片13cを軸に他方の受溝12fに他方の引掛け片13cを嵌め込んで係合しても良い。また、緩衝材13の上面13aから押し、一対の引掛け片13cを受溝12fに嵌め込ませる係合や受溝12fに引掛け片13cを接着しても良い。その際、抜け止め部13dに手を掛けると、引掛け片13cが受溝12fに係合させやすいため、抜け止め部13dが係合するときのガイド効果も備えている。
【0048】
次に脚部20について説明する。
脚部20は、
図1に示すように、支持部11の左右に配置されて、使用状態のときに支持部11を水平に支持するためのものである。使用しないときの左右の脚部20(左脚部20Aおよび右脚部20B)は、
図2(a)に示すように、脚部20を閉じ状態にして壁等に立て掛けたり、
図2(b)に示すように、支持部11とは分離させたりすることができる。
【0049】
この脚部20は、
図1等に示すように、略V字形に開くことができる一対の棒状部材21との間に架設可能な開き防止機構22と、を備える。具体的には、使用状態のときに開き防止機構22によって、一対の棒状部材21を所定の角度で開いた状態に維持し、支持部11を水平に支持するように構成されている。なお、上記に示すように、使用しないときは、
図2(a)に示すように、開き防止機構22を閉じることで一対の棒状部材21を略V字形から略I字形に閉じられるので、その状態で壁等に立て掛けたり、地面に寝かせたりしても良い。また、
図2(b)に示すように、脚部20は、支持部11とは後述の金具30を介して着脱可能なため、支持部11から分離させてコンパクトにした大きさでの収納またはイベント会場等への搬送を行っても良い。
【0050】
また、一対の棒状部材21の上部は、それぞれ金具30に対して回動可能に取り付けられている。具体的には、
図9等に示すように、一対の棒状部材21の上部を第1支軸23aおよび第2支軸23bによって金具30の脚部支持部32に回動可能に接続固定されている。本実施形態に係る第1支軸23aおよび第2支軸23bは、リベット部材からなるが、リベット部材に限らず、ボルト止め等にしても良い。
【0051】
なお、一対の棒状部材21間に止めピン23cを設けても良い。止めピン23cを設けることにより、
図9等に示すように、一対の棒状部材21が開くと一対の棒状部材21の内側側面と止めピン23cのピン部23dが当接した状態となる。そして、
図1に示すように、開き防止機構22を開くことで、ピン部23dに一対の棒状部材21の内側側面が圧着され、ガタツキのない脚部20が構成されている。これにより、脚部20に支持された支持部11が真上または斜め方向からの荷重に耐えることができ、安定した自転車用駐輪装置10が設置できる。
【0052】
一対の棒状部材21の下部は、脚部端部カバー材24が取り付けられている。本実施形態に係る脚部端部カバー材24は、
図6(a)に示すように、断面が略山字形で地面に接する面に凹凸部24e、24fを施した地面接地面24aと、地面接地面24aのほぼ中央から上方に延びる挿入片24bと、挿入片24bの先端にはビスホール24gが形成され、地面接地面24aの両側部には挿入片24bより短く上方に延びる側部片24cと、一方の側部片24cと挿入片24b間の溝内の平坦部と、他方の側部片24cの上面の平坦部に脚部接地面24dと、を備えて構成される。
【0053】
この脚部端部カバー材24は、
図6(a)、
図6(b)に示すように、一対の棒状部材21の下部から挿入片24bを挿入し、一対の棒状部材21の表面のネジ孔21aとビスホール24gをネジ等の止具25で固定すると、一方の側部片24c側の脚部接地面24dと、他方の側部片24c側の脚部接地面24dが一対の棒状部材21の下面に当接する。当接すると、一対の棒状部材21の下面と地面接地面24aとの間に脚部接地面24dの高さ分だけ間隙P、Uが生じる。この間隙P、Uにより、一対の棒状部材21の内部に浸入した雨水等を外部へ排水できる。また、地面接地面24aの凹凸部24e、24fにより、地面に接するのが凸部24fのみで自転車用駐輪装置10の荷重を受けることで垂直抗力が大きくなり、摩擦力が上昇するので、脚部端部カバー材24が滑り止め機能の効果を兼ね備えて構成される。
【0054】
次に金具30について説明する。
金具30は、
図2(a)、
図2(b)に示すように、支持部11が着脱自在に取り付けられ、脚部20を回動可能に接続固定するためのものである。本実施形態に係る金具30(左金具30Aおよび右金具30B)は、
図9等に示すように、支持部11を支持する支持棒支持部31と、脚部20を支持する脚部支持部32と、支持棒支持部31と脚部支持部32を連結するための連結部材33とからなり、リベット等の止具36aで支持棒支持部31と連結部材33を固定し、リベット等の止具36bで連結部材33と脚部支持部32とを固定している。
【0055】
支持棒支持部31は、
図9等に示すように、支持部11と同断面で中空部からなる支持棒受部31aと、支持棒受部31aの上部に連接し、断面台形型の中空部からなり、支持棒受部31a側が長手方向の全長において開口している凸部31bと、支持棒受部31aの下部に連結部材33を挟み込んで保持する一対の挟持片31cとから構成されている。
【0056】
なお、凸部31bの開口部には、両側面から突出したリブ31dが形成され、開口部の幅を狭めている。このリブ31dは、
図8、
図9に示すように、後述の押圧手段40の押圧棒42が押圧していない状態(すなわち、支持部11を固定していない状態)のときに、押圧棒42のボルト頭42bを金具30から外れないように支持するためのものである。
【0057】
また、凸部31bの上部には、
図3等に示すように、押圧棒42が貫通する貫通孔31eと、後述のストッパー34が貫通する貫通孔31fが形成されている。なお、
図8、
図9に示すように、この貫通孔31e、31fから挿入される押圧棒42およびストッパー34を受ける受金具35が凸部31bの中空部内に挿入され、リブ31dに支持されている。
【0058】
また、支持棒受部31aは、
図8等に示すように、支持部11が支持棒受部31aの一方または他方から挿通されるためのものである。この支持棒受部31aは支持部11と同断面をし、支持部11がスムーズに挿通できるだけの大きさを備えている。なお、支持部11が支持棒受部31aに挿通されたときは、支持部11の端部をストッパー34が当接する。
【0059】
ストッパー34は、
図8等に示すように、支持棒受部31aの一方または他方から挿通された支持部11の端部を支持するためのものである。本実施形態に係るストッパー34は、軸部34aと、ボルト頭34bとかなるボルト部材であり、ボルト頭34bを上にして使用する。具体的には、金具30の長手方向の中央に貫通された貫通孔31fを通って、中空部内の受金具35を介して軸部34aを通し、ボルト頭34bを凸部31bの上部に当接させて、支持棒受部31a内に軸部34aを垂下すると、支持棒受部31aの長手方向に境界が形成される。これにより、ストッパー34が一方または他方から挿通された支持部11の端部を受けるため、支持部11が必要以上に金具30の内部に入り込むことを防止する。なお、ストッパー34は金具30とは別の材料であるが、支持部11の位置決めができれば良く、金具30にストッパー34を含めた一体型や板材で遮っても良い(図示なし)。
【0060】
また、一対の挟持片31cは、
図9等に示すように、連結部材33と連結するためのものであり、下方が開口したコ字形で形成されている。この一対の挟持片31cは、
図8に示すように、正面からみると上部より下部の方が幅狭で、下部に向けて角部が傾斜をする略台形型のため、傾斜している角部には角がない形状から構成されている。そのため、金具30の下方に余分な出っ張りがなく、組立てをするときに金具30に手をぶつけてケガをしたり、駐輪するときに自転車50をぶつけて自転車50に傷がついたりするのを防ぐ。
【0061】
脚部支持部32は、
図8等に示すように、下方が開口したコ字形からなり、脚部20を挟み込んで保持する一対の挟持片32aと、連結部材33と接続する上面32bとから構成されている。
【0062】
なお、一対の挟持片32aには、脚部20を構成する一対の棒状部材21がそれぞれ回動可能に取り付けられる。すなわち、
図9等に示すように、一対の挟持片32aで一対の棒状部材21を挟み込み、一対の挟持片32aと一方の棒状部材21とを貫通するように第1支軸23aを取り付けるとともに、一対の挟持片32aと他方の棒状部材21とを貫通するように第2支軸23bを取り付けることで、脚部支持部32は一対の棒状部材21を回動可能に支持し、駐輪状態のときには略V字形に開き、使用しないときには、略I字形に閉じるように構成されている。
【0063】
連結部材33は、
図9等に示すように、支持棒支持部31と脚部支持部32とを連結させるためのものであり、上方が開口したコ字形をし、支持棒支持部31の一対の挟持片31cに挟み込まれて保持される一対の側面33aと、脚部支持部32の上面32bを支持する下面33bとから構成されている。具体的には、一対の挟持片31cに挟み込まれた一対の側面33aをリベット等の止具36aで固定し、下面33bと上面32bをリベット等の止具36bで固定する。本実施形態に係る連結部材33では、支持棒支持部31および脚部支持部32とは別材で構成されているが、支持棒支持部31および脚部支持部32が連結されれば良く、支持棒支持部31または脚部支持部32と一体でも良い(図示なし)。
【0064】
次に、押圧手段40について説明する。
押圧手段40は、
図7(a)、
図7(b)に示すように、支持部11を金具30に着脱自在に取り付けるためのものである。本実施形態に係る押圧手段40は、
図8等に示すように、支持棒支持部31の凸部31bの上部から金具30の中空部内に垂下する押圧棒42と、押圧棒42の上端部に取り付けられている操作部41とから構成されている。
【0065】
操作部41は、
図9等に示すように、押圧棒42を支持棒支持部31の中空部内を垂直方向に進退させるものである。本実施形態に係る操作部41は、持ち手部分のハンドル41aと、押圧棒42が挿入される押圧棒受部41bとから構成されている。すなわち、押圧棒42を押圧棒受部41bの内部に螺着させて取り付け、ハンドル41aを回す操作をするだけで金具30に挿入された支持部11を着脱可能に取り付けることができる。
【0066】
押圧棒42は、
図9等に示すように、押圧棒42で支持部11を押圧することによって金具30に支持部11を取り付けるためのものである。本実施形態に係る押圧棒42は、
図8等に示すように、ストッパー34と同じく、軸部42aと、ボルト頭42bとからなるボルト部材であり、ボルト頭42bを下にして使用する。具体的には、支持部11を固定していないときは、
図8の他方側に示す押圧棒42のように、押圧棒42のボルト頭42bと凸部31bに挿入されている受金具35とでリブ31dを挟み込み、軸部42aを貫通孔31eから金具30の上部に突出させ、軸部42aの上端部を押圧棒受部41bに螺着させて取り付けられている。これにより、使用していないときでもボルト頭42bが金具30から抜け落ちることがないので、押圧手段40を紛失することがない。
【0067】
なお、支持部11を固定するときは、
図8の一方側に示す押圧棒42のように、支持部11を所定の位置(ストッパー34に支持部11の端部が当接する位置)まで挿通させ、
図10に示すように、ハンドル41aを時計回りに回す操作をすると押圧棒42が支持部11の貫通孔12j、13gを通って支持部11の中空部内に進行する。これにより、支持部11が押圧棒42に引っ掛かるので、金具30から支持部11が抜け落ちなくなる。さらに、ハンドル41aを時計回りに回す操作をして押圧棒42を進行させると、
図11に示すように、押圧受材12dにボルト頭42bが圧着する。これにより、支持部11が金具30に対し、ガタツキのない強固な取り付けがされる。なお、
図8に示すように、金具30は、押圧手段40によって支持部11を強固な取り付けができるため、金具30に挿通される支持部11の長さは僅かですむので、材料の製造コストが抑えられる。
【0068】
この押圧手段40は、
図8に示すように、金具30の支持棒支持部31の長手方向の左右に左押圧手段40A、右押圧手段40Bが一対で設けられている。これにより、支持棒支持部31の左右(一方または他方)どちらからでも支持部11の挿通が可能なため、
図1等に示すように、左金具30Aと右金具30Bが同一部材(共通部材)で対応ができ、かつ、左脚部20Aと右脚部20Bも同一部材(共通部材)で対応ができる。
【0069】
次に、
図12~
図13を用いて実施例2の自転車用駐輪装置10’について説明する。
実施例2の実施形態は、
図12に示すように、実施例1の実施形態の自転車用駐輪装置10間に中間部を用いて、複数の支持部11を長手方向に連結させた構成である。すなわち、自転車のサドル(図示なし)を引っ掛けて支持可能な複数の支持部11(左支持部11A、右支持部11B)と、複数の支持部11の左右および中間に配置される脚部20(左脚部20A、右脚部20B、中間脚部20C)と、支持部11と脚部20を接続する金具30(左金具30A、右金具30B、中間金具30C)と、を備えて構成される。なお、上述した実施形態は上記と同じ部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0070】
本実施形態に係る自転車10’は、複数の支持部11(左支持部11A、右支持部11B)が長手方向に連設するように左支持部11Aと右支持部11Bの中間部に中間金具30Cおよび中間脚部20Cとで連結するように構成されている。具体的には、
図13(a)に示すように、中間金具30Cの一方側から一方の左支持部11Aの端部を挿通し、左押圧手段40Aによって取り付けられている状態で、中間金具30Cの他方側から他方の右支持部11Bの端部を挿通させ、
図13(b)に示すように、同じ中間金具30Cの右押圧手段40Bによって右支持部11Bが取り付けられる。これにより、左支持部11Aおよび右支持部11Bを取り付けることができる。すなわち、自転車用駐輪装置10’を連結させることで、単体で設置するよりも脚部20および金具30の部品数およびコストが抑えられる。
【0071】
なお、
図12に示すように、中間金具30Cと左右金具30A、30Bは、左右(一方または他方)のどちらからでも支持部11を挿通できるため、同一部材(共通部材)で対応ができ、かつ、中間脚部20Cと左右脚部20A、20Bも同一部材(共通部材)で対応ができ、製造コストが抑えられる。また、
図13(b)に示すように、ストッパー34が正面からみて中間金具30Cの中間部に配置されているため、中間金具30Cの左右からそれぞれ挿通された左支持部11A、右支持部11Bが安定した位置で支持されている。
【0072】
次に、
図14を用いて実施例1および実施例2の自転車用駐輪装置10、10’で使用する多目的溝12hについて説明する。
多目的溝12hは、様々な用途で使用するための溝である。本実施形態に係る多目的溝12hは、
図14(a)に示すように、多目的溝12hに係合した棒状部材62aを介して看板等の表示具61を支持させることで広告や標識機能を持たせることができる。これにより、イベント会場および店等で広告や店名を表示させることができ、使い勝手が良い。また、フック62bを多目的溝12h内に支持させてカバン63等の小物を引っ掛けることで、自転車関連の道具(ヘルメット等)を自転車とともに引っ掛けることができ、利便性が高い。また、フック62bを複数支持させることで自転車50のハンドルやトップチューブを引っ掛けて駐輪することもできる(図示なし)。
【0073】
また、
図14(b)に示すように、多目的溝12h内にナット等の受金具62cを挿入させておき、その受金具62cに止具62eを介して支持材62dを取り付け、支持材62dに棒状部材62aを支持させて表示具61’を取り付けることができる。これにより、レースイベント会場でチーム名を表示させることで駐輪位置を案内でき、使い勝手が良い。なお、多目的溝12hは、様々な用途での使用が可能であり、これらに限定されない。
【0074】
上記した自転車用駐輪装置10を分解された状態から使用状態にするときには、左右の脚部20A、20Bの一対の棒状部材21を開くと開き防止機構22も開き、金具30A、30Bの支持棒支持部31の中空部内をストッパー34に当接するまで支持部11を端部から挿通させ、
図10に示すように、ハンドル41aを時計回りに操作すると、押圧棒42のボルト頭42bが支持棒支持部31の中空部内を下方に進行し、
図11に示すように、ハンドル41aが時計回りに回転できなくなるまで操作をすると、押圧受材12dにボルト頭42bが食い込むように押圧され、支持部11が金具30A、30Bに取り付けられる。このように、押圧手段40によって押圧させると、左右の金具30A、30Bの支持棒支持部31に支持部11が強固に取り付けられた状態となる。以上で設置が完了する。
【0075】
なお、自転車用駐輪装置10を分解する際には、上記の手順を逆から実行すればよい。すなわち、
図10に示すように、ハンドル41aを反時計回りに操作すると、押圧棒42のボルト頭42bが支持棒支持部31の中空部内を上方に後退し、押圧受材12dからボルト頭42bが離反され、
図9に示すように、支持部11の中空部内から押圧棒42が外れたら支持部11を金具30A、30Bから取り外し、
図2(b)に示すように、左右の脚部20A、20Bの一対の棒状部材21を閉じると開き防止機構22も閉じられる。このように、押圧手段40A、40Bを解除させるだけで、分解された状態となる。なお、分解をしないで簡易的に収納したいときには、
図2(a)に示すように、押圧手段40は解除しないで開き防止機構22を閉じることで一対の棒状部材21が略V字形から略I字形に閉じられた状態で壁等に立て掛けたり、地面に寝かせたりしても良い。
【0076】
なお、自転車用駐輪装置10の支持部11を長手方向に連結させる際には、上記の手順に中間金具30Cを追加すれば良い。すなわち、中間金具30Cの一方に左支持部11Aの端部をストッパー34に当接するまで挿通し、左押圧手段40Aによって押圧受材12dにボルト頭42bが食い込むように押圧して、左支持部11Aを中間金具30Cに取り付けた後、同じ部材の中間金具30Cの他方に右支持部11Bの端部をストッパー34に当接するまで挿通し、右押圧手段40Bによって押圧受材12dにボルト頭42bが食い込むように押圧して、右支持部11Bを中間金具30Cに取り付ける。中間金具30Cを複数設けることで、支持部11が長手方向に延びる自転車用駐輪装置10’が設置される。
【0077】
以上説明したように、本実施形態によれば、自転車50のサドル51を引っ掛けて支持可能な支持部11と、支持部11の左右に配置される脚部20(左脚部20A、右脚部20B)と、支持部11と脚部20を接続する金具30(左金具30A、右金具30B)と、を備えているため、ロードバイク等の自立式スタンドを持たない自転車50を駐輪することができ、使い勝手が良い。
【0078】
また、支持部11は、金具30を介して左右の脚部20に着脱可能に接続されているため、部材を分解することでコンパクトな大きさでの収納またはイベント会場等への持ち運びが容易にでき、使い勝手が良い。
【0079】
また、金具30は、支持部11を使用状態に固定する押圧手段40を備えているため、押圧するだけで自転車用駐輪装置10が設置できるので迅速に作業が行える。すなわち、工具等の道具を必要とせず、手作業で設置が行え、作業性が良い。
【0080】
また、自転車50のサドル51を引っ掛けて支持可能な複数の支持部11(左支持部11A、右支持部11B)と、複数の支持部11の左右および中間に配置される脚部20(左脚部20A、右脚部20B、中間脚部20C)と、支持部11と脚部20を接続する金具30(左金具30A、右金具30B、中間金具30C)と、を備えているため、ロードバイク等の自立式スタンドを持たない自転車50を複数台駐輪することができ、イベント会場等での使用に適している。
【0081】
また、複数の支持部11は、金具30を介して左右および中間の脚部20に着脱可能に接続されているため、部材を分解することでコンパクトな大きさでの収納またはイベント会場等への持ち運びが容易にでき、使い勝手が良い。
【0082】
また、金具30は、複数の支持部11を使用状態に固定する押圧手段40を備えているため、押圧するだけで自転車用駐輪装置10’を設置できるので迅速に作業が行える。すなわち、工具等の道具を必要とせず、手作業で設置が行え、作業性が良い。
【0083】
また、支持部11の左右および/または中間に配置される金具30(左金具30A、右金具30B、中間金具30C)および脚部20(左脚部20A、右脚部20B、中間脚部20C)は、金具30同士が同一部材であり、かつ、脚部20同士が同一部材であるため、左右および/または中間の部材を共通部材にすることで製造コストが抑えられる。
【0084】
また、押圧手段40は、金具30の上部に配置される操作部41と、操作部41から金具30の内部に垂下する押圧棒42とからなり、操作部41を回転させると押圧棒42が進退するため、回転させるだけで容易に自転車用駐輪装置10、10’の設置や分解が行える。
【0085】
また、押圧棒42は、進行すると支持部11の内部に挿通されるため、挿通するだけで支持部11が金具30から抜け落ちることがなくなり、作業性が良い。
【0086】
また、さらに押圧棒42が進行すると支持部11の押圧受材12dに押圧されるため、簡易な作業で支持部11と金具30とをガタツキのない強固な取り付けができ、作業性が良い。すなわち、工具等の道具を必要とせず、1人でも設置ができ、操作性が良い。
【0087】
また、金具30は、支持部11を支持する支持棒支持部31と、脚部20を支持する脚部支持部32とからなり、支持棒支持部31は、押圧手段40が長手方向に一対(左押圧手段40A、右押圧手段40B)で設けられ、一方および/または他方から支持部11(左支持部11A、右支持部11B)が挿通されるため、支持部11の左右端部および/または複数の支持部11間の中間部に配置される金具30が共通部材で対応ができるので、製造コストが抑えられる。また、複数の支持部11間の中間部に配置される金具30は、一方および他方の両方向から支持部11(左支持部11A、右支持部11B)を挿通することで左右の支持部11を連結できるため、単体で自転車用駐輪装置10、10’を複数台設置するよりも金具30および脚部20の本数が少なくすみ、部品コストが抑えられる。
【0088】
また、一対の押圧手段40A、40B間には、ストッパー34が形成され、一方および/または他方から挿通された支持部11(左支持部11A、右支持部11B)の端部がストッパー34に当接されるため、一方および/または他方から挿通した支持部11の入り込みを防止でき、押圧手段40が所定の位置で確実に行えるので作業性が良い。また、金具30を支持部11間で使用するときに、金具30の一方および他方から支持部11を挿通させてストッパー34によって支持部11の端部を当接し、所定の位置に配置された支持部11を押圧手段40によって固定が行えるので、連続した自転車用駐輪装置10,10’を容易に設置することができ、イベント会場での使用に適している。
【0089】
また、脚部20は、使用状態のときには、略V字形に開くことができる一対の棒状部材21を備え、一対の棒状部材21が金具30に接続固定されているため、自転車用駐輪装置10、10’の設置が迅速に行える。
【0090】
また、収納するときは、一対の棒状部材21を略I字形に閉じるように一対の棒状部材21が金具30に接続固定されているため、一対の棒状部材21を略I字形に閉じることで、支持部11と金具30を分解しないで収納または持ち運びが容易にでき、汎用性が高い。
【0091】
また、支持部11は、支持棒12と緩衝材13とからなるため、緩衝材13により、駐輪するときや駐輪した後の自転車50への傷防止と、駐輪した後に自転車50が強風等により、不安定な支持になり難く、自転車用駐輪装置10、10’からの落下を防ぐ。
【0092】
また、緩衝材13は、支持棒12に係合され、係合した支持棒12と緩衝材13間には、空間Tを有しているため、支持棒12と緩衝材13の接触する面積が減少することにより、摩擦抵抗が減るのでスムーズに支持棒12と緩衝材13とをスライドによる係合ができ、作業性が良い。また、支持棒12と緩衝材13間との空間T分だけ緩衝材13の直径が大きいため、緩衝材13を支持棒12に嵌め込みで係合もでき、作業性が良い。また、空間Tにより、駐輪するときや駐輪した後のクッション効果も兼ね備え、自転車50への衝撃を低減させることで自転車50への傷を防止できる。
【0093】
また、緩衝材13の上面13aは、支持棒12の上面12aと同断面の円弧状に形成されているので、自転車50のサドル51がフィットして保持でき、安定した駐輪ができる。また、緩衝材13により、駐輪するときや駐輪した後の自転車50への傷防止と、駐輪した後に自転車50が強風等により、不安定な支持になり難く、自転車用駐輪装置10、10’からの落下を防ぐ。
【0094】
また、支持棒12の下面12cは断面角形状に形成されているので、子どもが鉄棒等の遊具にして遊ぶ危険性を減少させることができるので、不正使用を防止できる。
【0095】
また、支持棒12の側面12bには、多目的溝12hが備えられているため、表示具61、61’(看板)で広告や標識機能を持たせたり、フック62を引っ掛けてカバン63やヘルメット等の小物を支持したりできる。また、フック62に自転車50のハンドルまたはトップチューブを引っ掛けての駐輪ができ、利便性が高い。
【符号の説明】
【0096】
10、10’ 自転車用駐輪装置
11 支持部
11A 左支持部
11B 右支持部
12 支持棒
12a 上面
12b 側面
12c 下面
12d 押圧受材
12e 貫通孔
12f 受溝
12g 凸部
12h 多目的溝
12i、12j 貫通孔
13 緩衝材
13a 上面
13b 端部
13c 引掛け片
13d 抜け止め部
13e 凸部
13f、13g 貫通孔
14 止具
20 脚部
20A 左脚部
20B 右脚部
20C 中間脚部
21 棒状部材
21a ネジ孔
22 開き防止機構
23a 第1支軸
23b 第2支軸
23c 止めピン
23d ピン部
24 脚部端部カバー材
24a 地面接地面
24b 挿入片
24c 側部片
24d 脚部接地面
24e 凹部
24f 凸部
24g ビスホール
25 止具
30 金具
30A 左金具
30B 右金具
30C 中間金具
31 支持棒支持部
31a 支持棒受部
31b 凸部
31c 挟持片
31d リブ
31e、31f 貫通孔
32 脚部支持部
32a 挟持片
32b 上面
33 連結部材
33a 側面
33b 下面
34 ストッパー
34a 軸部
34b ボルト頭
35 受金具
36a、36b 止具
40 押圧手段
40A 左押圧手段
40B 右押圧手段
41 操作部
41a ハンドル
41b 押圧棒受部
42 押圧棒
42a 軸部
42b ボルト頭
50 自転車
51 サドル
61、61’ 表示具(看板)
62a 棒状部材
62b フック
62c 受金具
62d 支持材
62e 止具
63 カバン
P、U 間隙
T 空間