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特許7432550駐車場端末、駐車場管理方法、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-07
(45)【発行日】2024-02-16
(54)【発明の名称】駐車場端末、駐車場管理方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/14 20060101AFI20240208BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240208BHJP
   G07B 15/00 20110101ALI20240208BHJP
【FI】
G08G1/14 A
G06Q50/10
G07B15/00 M
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021051618
(22)【出願日】2021-03-25
(65)【公開番号】P2022149450
(43)【公開日】2022-10-06
【審査請求日】2023-03-24
(73)【特許権者】
【識別番号】598121606
【氏名又は名称】三菱地所パークス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121706
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128705
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147773
【弁理士】
【氏名又は名称】義村 宗洋
(72)【発明者】
【氏名】小泉 雄大
(72)【発明者】
【氏名】大島 宏樹
(72)【発明者】
【氏名】野村 和弘
(72)【発明者】
【氏名】荻田 健之
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 創
(72)【発明者】
【氏名】大石 優
(72)【発明者】
【氏名】古守 正直
(72)【発明者】
【氏名】磯部 俊哉
【審査官】田中 将一
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-045358(JP,A)
【文献】特開2019-023832(JP,A)
【文献】特表2009-518735(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
G07B 11/00 - 17/04
G06Q 50/00 - 50/20
G06Q 50/26 - 99/00
G16Z 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場内の車路が分岐する箇所であるノードを含む領域のそれぞれを撮影するノードカメラ複数台により取得した複数の映像を解析する駐車場端末であって、
第1のノードを含む領域を撮影した第1の映像から第1の車両がフレームアウトした時刻を基準時刻0と設定するフレームアウト時刻設定部と、
前記第1の車両がフレームアウトした方向に対応するノードであって、前記第1のノードと隣り合うノードである第2のノードを含む領域を撮影した第2の映像に、出所不明な車両が基準時刻後に最初にフレームインした時刻tを前記基準時刻0を基準として算出するフレームイン時刻算出部と、
前記第1のノードと前記第2のノードの間に位置し、前記ノードカメラの何れによっても撮影されていない領域に位置する何れかの車室が満車から空車に遷移した時刻t(ただしtは0≦t≦t)を前記基準時刻0を基準として算出する出庫時刻算出部と、
Tを所定の閾値とし、t-t≧Tを満たす場合に、前記出所不明な車両を出庫車両と判定し、それ以外の場合に、前記出所不明な車両を前記第1の車両と判定する判定部を含む
駐車場端末。
【請求項2】
請求項1に記載の駐車場端末であって、
前記出庫時刻算出部は、
前記ノードカメラの何れによっても撮影されていない領域に位置する車室に配置された車室センサから取得した情報に基づいて、前記時刻tを算出する
駐車場端末。
【請求項3】
請求項1に記載の駐車場端末であって、
前記出庫時刻算出部は、
前記ノードカメラの何れによっても撮影されていない領域に位置する車室を撮影する車室カメラから取得した情報に基づいて、前記時刻tを算出する
駐車場端末。
【請求項4】
請求項1から3の何れかに記載の駐車場端末であって、
前記出庫車両と判定されなかった車両が1台以上走行中の車路、および前記出庫車両と判定されなかった車両が所定時間内に1台以上走行する可能性がある車路を回避車路として特定する車路特定部と、
新たに駐車場に入場してきた車両を前記回避車路以外の車路に誘導する車両誘導情報を生成する車両誘導情報生成部を含む
駐車場端末。
【請求項5】
請求項1から3の何れかに記載の駐車場端末であって、
前記出庫車両と判定された車両が所定時間内に1台以上走行する可能性がある車路を出庫車両優先車路として特定する車路特定部と、
新たに駐車場に入場してきた車両を前記出庫車両優先車路以外の車路に誘導する車両誘導情報を生成する車両誘導情報生成部を含む
駐車場端末。
【請求項6】
駐車場内の車路が分岐する箇所であるノードを含む領域のそれぞれを撮影するノードカメラ複数台により取得した複数の映像を解析する駐車場端末が実行する駐車場管理方法であって、
第1のノードを含む領域を撮影した第1の映像から第1の車両がフレームアウトした時刻を基準時刻0と設定するフレームアウト時刻設定ステップと、
前記第1の車両がフレームアウトした方向に対応するノードであって、前記第1のノードと隣り合うノードである第2のノードを含む領域を撮影した第2の映像に、出所不明な車両が基準時刻後に最初にフレームインした時刻tを前記基準時刻0を基準として算出するフレームイン時刻算出ステップと、
前記第1のノードと前記第2のノードの間に位置し、前記ノードカメラの何れによっても撮影されていない領域に位置する何れかの車室が満車から空車に遷移した時刻t(ただしtは0≦t≦t)を前記基準時刻0を基準として算出する出庫時刻算出ステップと、
Tを所定の閾値とし、t-t≧Tを満たす場合に、前記出所不明な車両を出庫車両と判定し、それ以外の場合に、前記出所不明な車両を前記第1の車両と判定する車両判定ステップを含む
駐車場管理方法。
【請求項7】
請求項6に記載の駐車場管理方法であって、
前記出庫時刻算出ステップは、
前記ノードカメラの何れによっても撮影されていない領域に位置する車室に配置された車室センサから取得した情報に基づいて、前記時刻tを算出する
駐車場管理方法。
【請求項8】
請求項6に記載の駐車場管理方法であって、
前記出庫時刻算出ステップは、
前記ノードカメラの何れによっても撮影されていない領域に位置する車室を撮影する車室カメラから取得した情報に基づいて、前記時刻tを算出する
駐車場管理方法。
【請求項9】
請求項6から8の何れかに記載の駐車場管理方法であって、
前記出庫車両と判定されなかった車両が1台以上走行中の車路、および前記出庫車両と判定されなかった車両が所定時間内に1台以上走行する可能性がある車路を回避車路として特定する車路特定ステップと、
新たに駐車場に入場してきた車両を前記回避車路以外の車路に誘導する車両誘導情報を生成する車両誘導情報生成ステップを含む
駐車場管理方法。
【請求項10】
請求項6から8の何れかに記載の駐車場管理方法であって、
前記出庫車両と判定された車両が所定時間内に1台以上走行する可能性がある車路を出庫車両優先車路として特定する車路特定ステップと、
新たに駐車場に入場してきた車両を前記出庫車両優先車路以外の車路に誘導する車両誘導情報を生成する車両誘導情報生成ステップを含む
駐車場管理方法。
【請求項11】
コンピュータを請求項1から5の何れかに記載の駐車場端末として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出庫車両とそれ以外の車両を判定する駐車場端末、駐車場管理方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
駐車場における車両の駐車を管理する駐車管理システムの従来技術として例えば、特許文献1がある。
【0003】
特許文献1の駐車管理システムは、車両の動きを連続的に監視することにより、利用者の利便性や経営の収益性等を低下させることなく、エリア別或いは階層別の駐車料金システムの導入を可能とするシステムである。
【0004】
特許文献1の駐車管理システムは、駐車場内に入場する各車両を特定してその動きを連続的に追跡するための車両識別情報を生成する識別情報生成手段と、駐車場の全体を監視可能な互いに隣接する監視エリアの一部が重複するように駐車場内に配置される複数のカメラで捉えた車両を車両識別情報に基づいて識別し、車両識別情報と関連付けて入場から出場まで各車両の車両位置情報を連続的に追跡する追跡手段と、追跡手段で得られる車両識別情報と関連付けた車両位置情報を受信して各車両の駐車情報を記録管理する駐車情報管理手段と、を備え、追跡手段は、入場車両を入場エリア付近にあるカメラで捉えたときにカメラで撮影された画像を解析して入場車両を認識して車両識別情報を付与し、この車両識別情報と関連付けて入場車両の位置解析を行い、車両識別情報に関連付けられた車両位置情報を駐車情報管理手段へ通知し、駐車情報管理手段の駐車情報に基づいて各車両の駐車を管理する構成としたことを特徴とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第5219361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の駐車管理システムは、駐車場の全体を監視可能とするために、互いに隣接する監視エリアの一部が重複するようにカメラを配置する必要があるため、必要なカメラの台数が多くなり、設置コストが高くなってしまうことが課題であった。
【0007】
そこで本発明では、低コストで出庫車両とそれ以外の車両を判定することができる駐車場端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の駐車場端末は、駐車場内の車路が分岐する箇所であるノードを含む領域のそれぞれを撮影するノードカメラ複数台により取得した複数の映像を解析する端末であって、フレームアウト時刻設定部と、フレームイン時刻算出部と、出庫時刻算出部と、判定部を含む。
【0009】
フレームアウト時刻設定部は、第1のノードを含む領域を撮影した第1の映像から第1の車両がフレームアウトした時刻を基準時刻0と設定する。フレームイン時刻算出部は、第1の車両がフレームアウトした方向に対応するノードであって、第1のノードと隣り合うノードである第2のノードを含む領域を撮影した第2の映像に、出所不明な車両が基準時刻後に最初にフレームインした時刻tを基準時刻0を基準として算出する。出庫時刻算出部は、第1のノードと第2のノードの間に位置し、ノードカメラの何れによっても撮影されていない領域に位置する何れかの車室が満車から空車に遷移した時刻t(ただしtは0≦t≦t)を基準時刻0を基準として算出する。判定部は、Tを所定の閾値とし、t-t≧Tを満たす場合に、出所不明な車両を出庫車両と判定し、それ以外の場合に、出所不明な車両を第1の車両と判定する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の駐車場端末によれば、低コストで出庫車両とそれ以外の車両を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施例1の駐車場管理システムの装置構成を示すブロック図。
図2】実施例1の駐車場端末の機能構成を示すブロック図。
図3】実施例1の駐車場端末の動作を示すフローチャート。
図4】実施例1の駐車場管理システムが管理する駐車場を例示する図。
図5】変形例1の駐車場管理システムの装置構成を示すブロック図。
図6】変形例1の駐車場端末の機能構成を示すブロック図。
図7】変形例1の駐車場端末の動作を示すフローチャート。
図8】変形例1の駐車場管理システムにおける車室カメラの配置例を示す図。
図9】コンピュータの機能構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
【実施例1】
【0013】
以下、図1を参照して実施例1の駐車場管理システムの装置構成について説明する。同図に示すように本実施例の駐車場管理システム1は、N台(Nは2以上の自然数)のノードカメラ70-1,…,70-Nと、K個(Kは2以上の自然数)の車室のそれぞれの満空状態を検知するK台の車室センサ40-1,…,40-Kと、駐車場端末10を含んで構成される。
【0014】
ノードカメラ70-1,…,70-Nは、駐車場内の車路が分岐する箇所であるノードを含む領域のそれぞれを撮影するカメラである。図4に示す駐車場の例では、ノード91、92、93、94、95、96を含む領域81、82、83、84、85、86のそれぞれを、ノードカメラ70-1、70-2、70-3、70-4、70-5、70-6が撮影している。同図の例に示すように隣り合うノードカメラの撮影範囲は、互いに重複していなくてよい。ノードカメラの撮影範囲が重複しない場合、何れのノードカメラにも撮影されない死角が発生するが、本実施例の駐車場管理システムは、このような死角に影響を受けずに出庫車両とそれ以外の車両を判定して追跡することができる(詳細は後述)。また、同図に示すようにノードカメラは少なくともノード(車路の交差点)を撮影範囲に含む必要があるが、その近傍の車室は撮影されていなくてもよい。
【0015】
次に、図2を参照して本実施例の駐車場端末10の機能構成について説明する。本実施例の駐車場端末10は、ノードカメラ複数台により取得した複数の映像を解析する端末であって、フレームアウト時刻設定部101と、フレームイン時刻算出部102と、出庫時刻算出部103と、判定部104と、車路特定部105と、車両誘導情報生成部106を含む。以下、図3を参照して各構成要件の詳細な動作について説明し、さらに図4に示す具体例を用いて、各動作を補足説明する。
【0016】
<フレームアウト時刻設定部101>
フレームアウト時刻設定部101は、第1のノードを含む領域を撮影した第1の映像から第1の車両がフレームアウトした時刻を基準時刻0と設定する(S101)。例えば図4の状態において、フレームアウト時刻設定部101は、ノード91(第1のノード)を含む領域81を撮影した映像(第1の映像)から車両51(第1の車両)がフレームアウトした時刻を基準時刻0と設定する。
【0017】
<フレームイン時刻算出部102>
フレームイン時刻算出部102は、第1の車両がフレームアウトした方向に対応するノードであって、第1のノードと隣り合うノードである第2のノードを含む領域を撮影した第2の映像に、出所不明な車両が基準時刻後に最初にフレームインした時刻tを基準時刻0を基準として算出する(S102)。例えば図4の状態において、車両51(第1の車両)がフレームアウトした方向に対応するノードであってノード91(第1のノード)と隣り合うノードは、ノード92である。従ってフレームイン時刻算出部102はノード92(第2のノード)を含む領域82を撮影した第2の映像に、車両50(この時点で出所不明な車両)が基準時刻後に最初にフレームインした時刻tを基準時刻0を基準として算出する。
【0018】
<出庫時刻算出部103>
出庫時刻算出部103は、第1のノードと第2のノードの間に位置し、ノードカメラ70-1,…,70-Nの何れによっても撮影されていない領域に位置する何れかの車室が満車から空車に遷移した時刻t(ただしtは0≦t≦t)を基準時刻0を基準として算出する(S103)。例えば図4の状態において、ノード91(第1のノード)とノード92(第2のノード)の間に位置し、ノードカメラ70-1,…,70-6の何れによっても撮影されていない領域に位置する何れかの車室のうち、車室センサ40-kが設置された車室から車両52が出庫し、満車から空車に遷移したものとする。駐車場端末10は、車室センサ40-kから、該当車室が満車から空車に遷移したことを表すセンサ情報を受信し、この遷移が発生した時刻t(ただしtは0≦t≦t)を基準時刻0を基準として算出する。
【0019】
<判定部104>
判定部104は、Tを所定の閾値とし、t-t≧Tを満たす場合に、出所不明な車両を出庫車両、後続車両としてフレームインしてきた車両を第1の車両と判定し、それ以外の場合に、出所不明な車両を第1の車両、後続車両としてフレームインしてきた車両を出庫車両と判定する(S104)。例えば図4の状態において、判定部104は、t-t≧Tを満たす場合に、車両50(出所不明な車両)を車両52(出庫車両)、後続車両を車両51(第1の車両)と判定し、それ以外の場合に、車両50(出所不明な車両)を車両51(第1の車両)と、後続車両を車両52(出庫車両)と判定する。
【0020】
上述の判定は、以下のロジックに基づいて設定されている。例えばt-tが十分に小さい場合、時刻tに出庫した出庫車両(図4の車両52)は、方向転換、ハンドルの切り返しなどに時間を取られるため、時刻tまでに、第2のノードを含む領域(領域82)にフレームインすることはできない。従ってこの場合の出所不明な車両(車両50)は、第1のノードを含む領域(領域81)からフレームアウトした第1の車両(車両51)が、出庫車両(車両52)に進路を妨げられずに第2のノードを含む領域82にフレームインしてきたものであると同定することができる。
【0021】
一方、t-tが十分に大きい場合、第1のノードを含む領域(領域81)からフレームアウトした第1の車両(車両51)は、時刻tに出庫した出庫車両(車両52)により、進行を妨げられ、追い越しできない状態になっており、第1の車両(車両51)がよほど無理な運転をしない限り、出庫車両(車両52)が先頭車両、第1の車両(車両51)が後続車両という順序になる。従ってこの場合の出所不明な車両(車両50)は、時刻tに出庫した出庫車両(車両52)であると同定することができる。なお、第1の車両(車両51)がノード91(第1のノード)とノード92(第2のノード)の間に位置する何れかの車室に入庫した場合も同様に、出所不明な車両(車両50)は、時刻tに出庫した出庫車両(車両52)であると同定することができる。
【0022】
判定部104は、何れかのノードにおいて車両がフレームアウト、またはフレームインするたびに、ステップS104の判定を実行する。図4の例に登場した第1の車両51も過去に通過したノードにおける判定で出庫車両と同定されている可能性がある。判定部104が上述の判定を繰り返すことにより、低コストで出庫車両とそれ以外の車両を判定することができる。
【0023】
<車路特定部105>
車路特定部105は、出庫車両と判定されなかった車両が1台以上走行中の車路、および出庫車両と判定されなかった車両が所定時間内(例えば予め定めた閾値pよりも短い時間内)に1台以上走行する可能性がある車路を回避車路として特定する(S105)。例えば車路特定部105は、図4の状態において車両51が出庫車両と判定されていない場合、車両51が走行中の車路である車路A、所定時間内に走行する可能性がある車路Yを回避車路として特定する。
【0024】
また、車路特定部105は、出庫車両と判定された車両が所定時間内(例えば予め定めた閾値qよりも短い時間内)に1台以上走行する可能性がある車路を出庫車両優先車路として特定する(S105)。例えば車路特定部105は、図4の状態において出庫車両と判定された車両52が所定時間内に走行する可能性がある車路Yを出庫車両優先車路として特定する。
【0025】
<車両誘導情報生成部106>
車両誘導情報生成部106は、新たに駐車場に入場してきた車両を回避車路以外の車路、および出庫車両優先車路以外の車路に誘導する車両誘導情報を生成する(S106)。車両誘導情報生成部106は、新たに駐車場に入場してきた車両が自動運転車であって、制御情報を受信できる場合には、車両誘導情報を該当の自動運転車に送信する。それ以外の場合、車両誘導情報生成部106は、誘導員の携帯端末や、駐車場内のモニタ、電光表示板、点灯式誘導標式などに車両誘導情報を送信する。
【0026】
[変形例1]
以下、図5を参照して変形例1の駐車場管理システムの装置構成について説明する。同図に示すように本変形例の駐車場管理システム1aでは、実施例1におけるK台の車室センサ40-1,…,40-Kが、M台(Mは2以上の自然数)の車室カメラ30-1,…,30-Mに代替されている。また実施例1における駐車場端末1は、本変形例においてわずかに機能が異なる駐車場端末1aに代替されている。車室カメラ30-1,…,30-Mは、駐車場内の車室を撮影するカメラである(図8の例を参照)。
【0027】
次に、図6を参照して本変形例の駐車場端末10aの機能構成について説明する。本変形例の駐車場端末10aでは、実施例1の出庫時刻算出部103が出庫時刻算出部103aに代替されており、その他の機能構成については実施例1と同じである。
【0028】
以下、図7を参照して出庫時刻算出部103aの詳細な動作(ステップS103a)について説明する。
【0029】
<出庫時刻算出部103a>
出庫時刻算出部103aは、実施例1のステップS103と同様、時刻t(ただしtは0≦t≦t)を基準時刻0を基準として算出する(S103a)。実施例1では、ステップS103において車室センサ40-1,…40-Kからの情報に基づいて、時刻tを算出していたが、本変形例では、車室カメラ30-1,…,30-Mの画像情報、および画像情報を出庫時刻算出部103aで解析した画像解析情報に基づいて、時刻tを算出する。
【0030】
<一方通行・相互通行>
図4図8では車路が一方通行の例を挙げたが、これに限定されず、車路が対面通行であっても実施例1、変形例1の駐車場管理システム1を使用することができる。
【0031】
<補記>
本発明の装置は、例えば単一のハードウェアエンティティとして、キーボードなどが接続可能な入力部、液晶ディスプレイなどが接続可能な出力部、ハードウェアエンティティの外部に通信可能な通信装置(例えば通信ケーブル)が接続可能な通信部、CPU(Central Processing Unit、キャッシュメモリやレジスタなどを備えていてもよい)、メモリであるRAMやROM、ハードディスクである外部記憶装置並びにこれらの入力部、出力部、通信部、CPU、RAM、ROM、外部記憶装置の間のデータのやり取りが可能なように接続するバスを有している。また必要に応じて、ハードウェアエンティティに、CD-ROMなどの記録媒体を読み書きできる装置(ドライブ)などを設けることとしてもよい。このようなハードウェア資源を備えた物理的実体としては、汎用コンピュータなどがある。
【0032】
ハードウェアエンティティの外部記憶装置には、上述の機能を実現するために必要となるプログラムおよびこのプログラムの処理において必要となるデータなどが記憶されている(外部記憶装置に限らず、例えばプログラムを読み出し専用記憶装置であるROMに記憶させておくこととしてもよい)。また、これらのプログラムの処理によって得られるデータなどは、RAMや外部記憶装置などに適宜に記憶される。
【0033】
ハードウェアエンティティでは、外部記憶装置(あるいはROMなど)に記憶された各プログラムとこの各プログラムの処理に必要なデータが必要に応じてメモリに読み込まれて、適宜にCPUで解釈実行・処理される。その結果、CPUが所定の機能(上記、…部、…手段などと表した各構成要件)を実現する。
【0034】
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。また、上記実施形態において説明した処理は、記載の順に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されるとしてもよい。
【0035】
既述のように、上記実施形態において説明したハードウェアエンティティ(本発明の装置)における処理機能をコンピュータによって実現する場合、ハードウェアエンティティが有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記ハードウェアエンティティにおける処理機能がコンピュータ上で実現される。
【0036】
上述の各種の処理は、図9に示すコンピュータの記録部10020に、上記方法の各ステップを実行させるプログラムを読み込ませ、制御部10010、入力部10030、出力部10040などに動作させることで実施できる。
【0037】
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。具体的には、例えば、磁気記録装置として、ハードディスク装置、フレキシブルディスク、磁気テープ等を、光ディスクとして、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD-RAM(Random Access Memory)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD-R(Recordable)/RW(ReWritable)等を、光磁気記録媒体として、MO(Magneto-Optical disc)等を、半導体メモリとしてEEP-ROM(Electrically Erasable and Programmable-Read Only Memory)等を用いることができる。
【0038】
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD-ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
【0039】
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶装置に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記録媒体に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、本形態におけるプログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
【0040】
また、この形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、ハードウェアエンティティを構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9