(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-07
(45)【発行日】2024-02-16
(54)【発明の名称】がんマーカーおよびその用途
(51)【国際特許分類】
G01N 33/574 20060101AFI20240208BHJP
G01N 33/15 20060101ALI20240208BHJP
G01N 33/53 20060101ALI20240208BHJP
G01N 33/50 20060101ALI20240208BHJP
C07K 16/18 20060101ALI20240208BHJP
C07K 14/47 20060101ALI20240208BHJP
C12Q 1/6844 20180101ALI20240208BHJP
C07K 17/00 20060101ALN20240208BHJP
【FI】
G01N33/574 A ZNA
G01N33/15 Z
G01N33/53 N
G01N33/50 P
C07K16/18
C07K14/47
C12Q1/6844 Z
G01N33/50 Z
C07K17/00
(21)【出願番号】P 2021505075
(86)(22)【出願日】2020-03-10
(86)【国際出願番号】 JP2020010236
(87)【国際公開番号】W WO2020184550
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2023-01-27
(31)【優先権主張番号】P 2019044316
(32)【優先日】2019-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390014960
【氏名又は名称】シスメックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【氏名又は名称】松縄 正登
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【氏名又は名称】伊佐治 創
(74)【代理人】
【識別番号】100227019
【氏名又は名称】安 修央
(72)【発明者】
【氏名】竹田 浩之
(72)【発明者】
【氏名】澤崎 達也
(72)【発明者】
【氏名】三宅 吉博
(72)【発明者】
【氏名】宮城 洋平
(72)【発明者】
【氏名】横瀬 智之
(72)【発明者】
【氏名】山下 年成
【審査官】海野 佳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-083455(JP,A)
【文献】特開2017-131218(JP,A)
【文献】LORAIN, Stephanie et al., Core Histones and HIRIP3, a novel Histone-Binding Protein, Directly Interact with WD Repeat Protei,Molecular and Cellular Biology,1998年09月,Vol.18,No.9,PP.5546-5556
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/48-33/98
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗HIRIP3抗
体を含む、がんマーカー。
【請求項2】
抗ヒト由来HIRIP3抗
体を含む、請求項1記載のがんマーカー。
【請求項3】
前記がんは、乳がん、卵巣がん、膵がん、肝臓がん、胆管がん、大腸がん、結腸がん、直腸がん、胃がん、口腔がん、および肺がんからなる群から選択される少なくとも1つのがんである、請求項1
又は2記載のがんマーカー。
【請求項4】
前記がんは、乳がんである、請求項1から
3のいずれか一項に記載のがんマーカー。
【請求項5】
被検者の生体試料におけるがんマーカーの発現量を測定する工程を含み、
前記がんマーカーは、抗HIRIP3抗
体を含む、がんの罹患危険度を試験する方法。
【請求項6】
前記がんマーカーは、抗ヒト由来HIRIP3抗
体を含む、請求項
5記載の試験方法。
【請求項7】
前記がんは、乳がん、卵巣がん、膵がん、肝臓がん、胆管がん、大腸がん、結腸がん、直腸がん、胃がん、口腔がん、および肺がんからなる群から選択される少なくとも1つのがんである、請求項
5又は6記載の試験方法。
【請求項8】
前記がんは、乳がんである、請求項
5から
7のいずれか一項に記載の試験方法。
【請求項9】
前記生体試料は、血液試料である、請求項
5から
8のいずれか一項に記載の試験方法。
【請求項10】
がんマーカーの発現測定試薬を含み、
前記がんマーカーは、抗HIRIP3抗
体を含む、がんの試験キット。
【請求項11】
前記がんマーカーは、抗HIRIP3抗
体であり、
前記発現測定試薬は、前記がんマーカーに対応する抗原と、前記がんマーカーを検出する検出試薬とを含む、請求項
10記載の試験キット。
【請求項12】
前記検出試薬は、標識化されている、請求項
11記載の試験キット。
【請求項13】
前記検出試薬は、前記がんマーカーである抗体を認識する抗体である、請求項
11または
12記載の試験キット。
【請求項14】
前記がんマーカーに対応する抗原は、担体に固定化されている、請求項
11から
13のいずれか一項に記載の試験キット。
【請求項15】
前記がんは、乳がん、卵巣がん、膵がん、肝臓がん、胆管がん、大腸がん、結腸がん、直腸がん、胃がん、口腔がん、および肺がんからなる群から選択される少なくとも1つである、請求項
10から
14のいずれか一項に記載の試験キット。
【請求項16】
前記がんは、乳がんである、請求項
10から
15のいずれか一項に記載の試験キット。
【請求項17】
請求項
5から
9のいずれか一項に記載の試験方法に使用する、請求項
10から
16のいずれか一項に記載の試験キット。
【請求項18】
被検者の生体試料と、がんマーカーの発現測定試薬とを接触させ、前記生体試料におけるがんマーカーの発現量を測定する工程を含み、
前記がんマーカーは、抗HIRIP3抗
体を含む、がんマーカーの測定方法。
【請求項19】
前記がんマーカーは、抗HIRIP3抗
体であり、
前記発現測定試薬は、前記がんマーカーに対応する抗原と、前記がんマーカーを検出する検出試薬とを含み、
前記被検者の生体試料と、前記発現測定試薬とを接触させ、前記生体試料におけるがんマーカーと、前記がんマーカーに対応する抗原と、前記がんマーカーを検出する検出試薬との複合体を形成する工程と、
前記複合体を測定する工程とを含む、請求項
18記載の測定方法。
【請求項20】
前記検出試薬は、標識化されている、請求項
19記載の測定方法。
【請求項21】
前記検出試薬は、前記がんマーカーである抗体を認識する抗体である、請求項
19または
20記載の測定方法。
【請求項22】
前記がんマーカーに対応する抗原は、担体に固定化されている、請求項
19から
21のいずれか一項に記載の測定方法。
【請求項23】
前記がんは、乳がん、卵巣がん、膵がん、肝臓がん、胆管がん、大腸がん、結腸がん、直腸がん、胃がん、口腔がん、および肺がんからなる群から選択される少なくとも1つである、請求項
18から
22のいずれか一項に記載の測定方法。
【請求項24】
前記がんは、乳がんである、請求項
18から
23のいずれか一項に記載の測定方法。
【請求項25】
被検物質から、がんマーカーの発現を抑制する発現抑制物質を
、治療用候補物質として選択する工程を含み、
前記がんマーカーは、抗HIRIP3抗
体を含む、がん治療薬の候補物質のスクリーニング方法。
【請求項26】
前記がんマーカーは、抗HIRIP3抗
体であり、
前記被検物質を生体に投与する工程と、
前記生体において、前記がんマーカーを発現させる工程と、
前記投与後の生体から生体試料を取得する工程と、
前記生体試料におけるがんマーカーの発現を測定する工程と、
前記生体試料におけるがんマーカーの発現量が、前記被検物質を投与していないコントロール由来の生体試料よりも低い前記被検物質を、前記治療用候補物質として選択する工程とを含む、請求項
25記載のスクリーニング方法。
【請求項27】
前記被検物質が、低分子化合物、ペプチド、タンパク質および核酸からなる群から選択された少なくとも1つである、請求項
25又は26記載のスクリーニング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、がんマーカー、それを用いたがんの罹患危険度の試験方法、がんの試験キット、およびがんマーカーの測定方法に関し、さらに、がん治療薬のスクリーニング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、がんは、日本人の死因のトップであり、他の国においても、死因の上位を占めるに致っている。がんの発生および進展には、遺伝的要因、環境的要因等の様々な因子が関連しているが、決定的な診断方法および治療法は、未だ確立されていない。
【0003】
がんの中でも、例えば、乳がんは、日本人女性の罹患率が最も高いがんであり、その罹患率は年々増加傾向にある。乳がんの検診は、触診やマンモグラフィーが主流であり、診察で判明したときには腫瘍が大きくなり、他の組織に転移している可能性が高い。また、20~30歳代女性の乳腺が発達している乳房においては、発見が困難である。このため、乳がんをはじめとする各種がんについて、早期発見を可能とするためのがんマーカーの開発が望まれている(非特許文献1~6)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】Duffy MJ, “Use of Biomarkers in Screening for Cancer.”, Adv Exp Med Biol, 2015, vol. 867, pages 27-39, doi: 10.1007/978-94-017-7215-0_3. PubMed PMID: 26530358
【文献】Duffy MJ, “Tumor markers in clinical practice: a review focusing on commonsolid cancers.”, Med Princ Pract, 2013, vol. 22, Number 1, @ages 4-11, doi: 10.1159/000338393. PubMed PMID: 22584792
【文献】Henry NL et.al. “Cancer biomarkers.”, Mol Oncol., 2012, volume 6 , number 2, pages 140-6, doi:10.1016/j.molonc.2012.01.010. PubMed PMID: 22356776
【文献】Nunez C, “Blood-based protein biomarkers in breast cancer.”, Clin Chim Acta, 2018, doi: 10.1016/j.cca.2018.12.028. PubMed PMID: 30597138
【文献】Duffy MJ et.al., “Biomarkers in Breast Cancer: Where Are We and Where Are We Going?”, Adv Clin Chem, 2015, volume 71, pages 1-23, doi:10.1016/bs.acc.2015.05.001. PubMed PMID: 26411409
【文献】Patani N, et.al., “Biomarkers for the clinical management of breast cancer: international perspective.”, Int J Cancer, 2013, volume 133, number 1, pages1-13, doi: 10.1002/ijc.27997. PubMed PMID: 23280579
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、がんの罹患危険度を試験するための新たながんマーカーの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のがんマーカーは、抗HIRIP3抗体、HIRIP3、抗FNDC11抗体、FNDC11、抗SLC1A3抗体、SLC1A3、抗TMEM33抗体、TMEM33、抗ABCF1抗体、ABCF1、抗CFDP1抗体、CFDP1、抗POLR3GL抗体、POLR3GL、抗CADM1抗体、CADM1、抗RNF128抗体、RNF128、抗ATP6V1B1抗体、およびATP6V1B1からなる群から選択される少なくとも1つを含む。
【0007】
本発明のがんの罹患危険度の試験方法は、被検者の生体試料におけるがんマーカーの発現量を測定する工程を含み、
前記がんマーカーは、抗HIRIP3抗体、HIRIP3、抗FNDC11抗体、FNDC11、抗SLC1A3抗体、SLC1A3、抗TMEM33抗体、TMEM33、抗ABCF1抗体、ABCF1、抗CFDP1抗体、CFDP1、抗POLR3GL抗体、POLR3GL、抗CADM1抗体、CADM1、抗RNF128抗体、RNF128、抗ATP6V1B1抗体、およびATP6V1B1からなる群から選択される少なくとも1つをを含む。
【0008】
本発明のがんの試験キットは、がんマーカーの発現測定試薬を含み、
前記がんマーカーは、抗HIRIP3抗体、HIRIP3、抗FNDC11抗体、FNDC11、抗SLC1A3抗体、SLC1A3、抗TMEM33抗体、TMEM33、抗ABCF1抗体、ABCF1、抗CFDP1抗体、CFDP1、抗POLR3GL抗体、POLR3GL、抗CADM1抗体、CADM1、抗RNF128抗体、RNF128、抗ATP6V1B1抗体、およびATP6V1B1からなる群から選択される少なくとも1つを含む。
【0009】
本発明のがんマーカーの測定方法は、被検者の生体試料と、がんマーカーの発現測定試薬とを接触させ、前記生体試料におけるがんマーカーの発現量を測定する工程を含み、
前記がんマーカーは、抗HIRIP3抗体、HIRIP3、抗FNDC11抗体、FNDC11、抗SLC1A3抗体、SLC1A3、抗TMEM33抗体、TMEM33、抗ABCF1抗体、ABCF1、抗CFDP1抗体、CFDP1、抗POLR3GL抗体、POLR3GL、抗CADM1抗体、CADM1、抗RNF128抗体、RNF128、抗ATP6V1B1抗体、およびATP6V1B1からなる群から選択される少なくとも1つを含む。
【0010】
本発明のがん治療薬の候補物質のスクリーニング方法は、被検物質から、がんマーカーの発現を抑制する発現抑制物質を、前記治療用候補物質として選択する工程を含み、
前記がんマーカーは、抗HIRIP3抗体、HIRIP3、抗FNDC11抗体、FNDC11、抗SLC1A3抗体、SLC1A3、抗TMEM33抗体、TMEM33、抗ABCF1抗体、ABCF1、抗CFDP1抗体、CFDP1、抗POLR3GL抗体、POLR3GL、抗CADM1抗体、CADM1、抗RNF128抗体、RNF128、抗ATP6V1B1抗体、およびATP6V1B1からなる群から選択される少なくとも1つを含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明者は、鋭意研究の結果、生体におけるHIRIP3、FNDC11、SLC1A3、TMEM33、ABCF1、CFDP1、POLR3GL、CADM1、RNF128、およびATP6V1B1に対する自己抗体が、がんの発症と相関を示すことを見出し、本発明を確立するに至った。本発明のマーカーの発現量を測定することによって、被検者のがんの罹患危険度を試験できる。また、本発明のマーカーを用いたスクリーニングにより、がんの治療用候補物質を得ることもできる。このため、本発明は、臨床分野および生化学分野において極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、実施例1のAlphaScreenの結果を示すグラフである。
【
図2】
図2は、実施例2のAlphaScreenの結果を示すグラフである。
【
図3】
図3は、実施例3のAlphaScreenの結果を示すグラフである。
【
図4】
図4は、実施例4の免疫染色の結果を示す写真である。
【
図5】
図5は、実施例5の免疫染色の結果を示すグラフである。
【
図6】
図6は、実施例6の免疫染色の結果を示す写真である。
【
図7】
図7は、実施例7のAlphaScreenの結果を示すグラフである。
【
図8】
図8は、実施例8のAlphaScreenの結果を示すグラフである。
【
図9】
図9は、実施例9のAlphaScreenの結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(がんマーカー)
本発明のがんマーカーは、前述のように、抗HIRIP3抗体、HIRIP3、抗FNDC11抗体、FNDC11、抗SLC1A3抗体、SLC1A3、抗TMEM33抗体、TMEM33、抗ABCF1抗体、ABCF1、抗CFDP1抗体、CFDP1、抗POLR3GL抗体、POLR3GL、抗CADM1抗体、CADM1、抗RNF128抗体、RNF128、抗ATP6V1B1抗体、およびATP6V1B1からなる群から選択される少なくとも1つを含む。本発明のがんマーカーによれば、例えば、被検者の生体試料における前記がんマーカーの発現量を測定することで、前記被検者のがんの罹患危険度を試験できる。以下において、抗HIRIP3抗体、抗FNDC11抗体、抗SLC1A3抗体、抗TMEM33抗体、抗ABCF1抗体、抗CFDP1抗体、抗POLR3GL抗体、抗CADM1抗体、抗RNF128抗体、および、抗ATP6V1B1抗体を、本発明の抗体ともいう。また、HIRIP3、FNDC11、SLC1A3、TMEM33、ABCF1、CFDP1、POLR3GL、CADM1、RNF128、および、ATP6V1B1を、本発明の抗原タンパク質ともいう。
【0014】
本発明の抗体および抗原タンパク質の由来は、特に制限されず、例えば、被検者の種類によって適宜設定できる。前記由来は、例えば、ヒト、ヒトを除く非ヒト動物等があげられ、前記非ヒト動物は、例えば、マウス、ラット、イヌ、サル、ウサギ、ヒツジ、ウマ等の哺乳類があげられる。本発明の抗体および抗原タンパク質は、例えば、ヒト由来であることが好ましい。各種動物由来の前記抗体および抗原タンパク質は、例えば、既存のデータベースに登録されている情報を参照できる。
【0015】
本発明の抗体は、対応する抗原タンパク質に結合してもよいし、その部分配列からなるペプチド、すなわち、対応する抗原タンパク質のペプチド断片に結合してもよい。
【0016】
ヒト由来HIRIP3は、cDNAとして、例えば、NCBIアクセッション番号NM_003609.4で登録されている下記の塩基配列(配列番号1)における下線部(492-2161番目)の領域(終始コドン含む)、タンパク質として、例えば、NCBIアクセッション番号NP_003600.2で登録されている下記のアミノ酸配列(配列番号2)があげられる。配列番号1の塩基配列は、配列番号2のアミノ酸配列をコードする配列である。
【0017】
ヒト由来HIRIP3 cDNA(配列番号1)
5'-GTAGCAGCGACGCGGTGACGCCACAAAAATGGCGGACGCTGGAAAGCGCCGTTCCTGACTCTAATGTACTTAGACACTTGAAGCCACAAAAGGATTTATCCCCGAGGTTCCTCATCTGCTCGCGAGGATGCCTTTTCTCTTCTGCCTTGCGAAATAACAGCAGCCTAGCTGTTGCCCGTGACCAGTGAGAAAGGCAGCGTCGCGGGCTGATTAGGTTTCACCCAAAGGGTGCCGGCGCCGAATTGGTTTCTAACGAGAACTTTTAAAATGATCCGTTCCAAAAAAGGGTAGGAGCCGCGAGACCCTCCAACTGCCCAGAGAAAACAAGTCTCGTCTGGCAAAGTTCTCGGCCCACGCGGTCCGCGGCCAAGGGCCAACGGTCCCTCGCCCCACGTTGCCGCAGCACTGCGCGTGCGCGAGCCGCTGTCAAACGCGCTGACGGAGGCCGAGAAGAAAAAAAGGCGGGAGCCGTCAATCCCGGGTTGAGCAAAATGGCGCGGGAGAAGGAGATGCAGGAGTTCACCCGTAGCTTCTTCCGAGGCCGCCCGGACCTCAGCACGCTTACGCATTCCATCGTGCGGCGGAGGTACTTAGCTCACTCGGGCCGCAGCCACCTGGAGCCCGAGGAGAAGCAGGCACTGAAGCGGCTGGTGGAGGAGGAGCTGCTGAAGATGCAGGTGGATGAAGCCGCTTCCAGGGAAGACAAACTGGACCTTACCAAGAAGGGCAAGAGGCCTCCCACCCCTTGTAGCGACCCGGAGAGAAAAAGGTTCCGCTTCAATTCAGAGTCGGAGTCCGGCTCTGAAGCCTCCAGCCCAGACTACTTTGGACCCCCAGCAAAGAATGGGGTGGCAGCAGAAGTCAGCCCAGCCAAAGAGGAGAATCCAAGGCGAGCCTCAAAGGCAGTTGAGGAGAGCAGTGATGAGGAACGGCAGAGGGACCTGCCCGCACAGAGGGGAGAGGAGAGCAGTGAGGAGGAGGAAAAGGGGTACAAGGGGAAGACTAGGAAGAAACCTGTGGTAAAGAAGCAGGCACCAGGCAAGGCCTCAGTCAGTAGGAAGCAGGCCAGGGAAGAAAGTGAGGAGAGCGAGGCAGAACCCGTTCAGAGGACAGCAAAGAAGGTGGAGGGAAATAAAGGAACTAAAAGCCTGAAGGAAAGTGAACAGGAGAGTGAAGAGGAGATCCTAGCCCAGAAGAAAGAGCAGAGAGAGGAGGAAGTGGAGGAGGAAGAGAAAGAAGAGGATGAGGAAAAGGGGGATTGGAAACCCAGAACCAGGAGCAATGGCCGGAGAAAGTCAGCTAGGGAGGAGAGGAGCTGTAAGCAGAAAAGCCAGGCAAAGAGGCTCTTGGGAGACTCAGACAGCGAGGAAGAGCAGAAAGAGGCAGCCAGCAGTGGGGATGACAGTGGGAGAGATAGAGAACCCCCAGTGCAGAGGAAGAGTGAGGACAGGACCCAGCTTAAGGGTGGGAAGAGGTTGAGTGGAAGCAGCGAGGACGAGGAAGACAGTGGGAAGGGGGAACCCACAGCTAAAGGCTCTAGAAAGATGGCCAGACTGGGCAGCACCAGTGGTGAGGAAAGTGACTTGGAGAGGGAGGTAAGTGACAGCGAGGCAGGGGGAGGCCCCCAGGGGGAGAGGAAGAACCGCTCTTCCAAGAAGAGCTCCAGGAAAGGCAGGACACGAAGCTCCTCTTCCTCCTCAGATGGAAGTCCAGAGGCCAAAGGAGGGAAGGCTGGCTCAGGTCGCCGTGGAGAGGACCACCCGGCTGTGATGAGGCTGAAGCGCTACATTCGGGCCTGTGGTGCCCATCGAAACTACAAGAAGCTGTTGGGCTCCTGTTGCTCACACAAGGAGCGCCTGAGTATCCTCCGGGCAGAACTGGAAGCGCTAGGCATGAAGGGTACCCCTTCCCTAGGGAAGTGTCGGGCCCTGAAGGAGCAGAGGGAGGAGGCAGCTGAGGTGGCCTCCTTGGATGTTGCGAACATCATCAGTGGCTCGGGCCGGCCACGCAGACGTACAGCCTGGAACCCTTTAGGAGAAGCAGCACCCCCAGGGGAGCTGTACCGACGGACCCTGGACTCAGATGAAGAGCGGCCCCGTCCCGCACCCCCAGACTGGTCACATATGCGTGGCATCATCAGCAGTGATGGCGAGAGTAACTGAGCTCTGCCACCCCCAGGAGGGACCCTTGATACATGTACAAAGCATACATAGCACCCCTTGCCCTGTGTCTGTGGAACAGAAGCAGCTTCCTTCAGAGAAGACTGCAGCTCCCAAGGACACAAGCTGTTGGGATGCTACTTCTCAGCTTCACGCTGTCCCTTTAAGGTGTTTATTTTTTAAGACTCAATAAAGGAGTGTTTTTAATCACCTCATCAAATTTGGTCCCCCATTCTCACCTCCTGTATTTTGGGCCAGGAAACTGAGCAGTAGTCACTGCCTCCACCTCCTCCCCTGGCCTGGTTCCCTTTAATTTCCCCCGGGTTCCTGGAAGAAGTCCCTGCCTCCAGACCCTGTCATCCAACAGCCACCAGACCCTTTTGGAGAAGGGTGTGTGGCTCCTGTGCTGCCCGCCTACCCCGTGGCCCCTCTGCTTTTAGCCTAGTCTGATAACCTAATGCCCACTTGGGAGAGGGATAGAATGACTTGAGGGCAGCCAGTGCTTAAGCCTTCTCCCTTATGCAAACAGCCACTTTGTCCATGGGCTGTTAGCCTCAAAGGGGTGGGGAAAAGCCCATACCTCCTGGGCCAGTCCTAGCCCTCTAGGCCTCTGGCTACAGGCCCAGCCTCTGCAGTCACATGAGGTCTCCACTGAACTCTGGCTGCTGAGGCTTGCGGGAAGATTCGTGAGCATGGAGCTGCCTGGGGTCTGTGTGGGAGGCAAACCTAAGAATCTTTGAAGTCAAAGCAAAGAAAACGAATTAGAGGTCAAGGGGTTGAAGACCACCTTTGAGATCCGAGATCTGGTCACACCTAAAGTCATTAAAATCACTGAAATGTTTAGATACACAGCCCAATAAATTCTCTTTATAAAACACAAGCAGTACTAAAAAAAAAAAAAAAAAA-3'
【0018】
ヒト由来HIRIP3 タンパク質(配列番号2)
MAREKEMQEFTRSFFRGRPDLSTLTHSIVRRRYLAHSGRSHLEPEEKQALKRLVEEELLKMQVDEAASREDKLDLTKKGKRPPTPCSDPERKRFRFNSESESGSEASSPDYFGPPAKNGVAAEVSPAKEENPRRASKAVEESSDEERQRDLPAQRGEESSEEEEKGYKGKTRKKPVVKKQAPGKASVSRKQAREESEESEAEPVQRTAKKVEGNKGTKSLKESEQESEEEILAQKKEQREEEVEEEEKEEDEEKGDWKPRTRSNGRRKSAREERSCKQKSQAKRLLGDSDSEEEQKEAASSGDDSGRDREPPVQRKSEDRTQLKGGKRLSGSSEDEEDSGKGEPTAKGSRKMARLGSTSGEESDLEREVSDSEAGGGPQGERKNRSSKKSSRKGRTRSSSSSSDGSPEAKGGKAGSGRRGEDHPAVMRLKRYIRACGAHRNYKKLLGSCCSHKERLSILRAELEALGMKGTPSLGKCRALKEQREEAAEVASLDVANIISGSGRPRRRTAWNPLGEAAPPGELYRRTLDSDEERPRPAPPDWSHMRGIISSDGESN
【0019】
ヒト由来FNDC11は、cDNAとして、例えば、NCBIアクセッション番号NM_024059.3で登録されている下記の塩基配列(配列番号3)における下線部(93-1049番目)の領域(終始コドン含む)、タンパク質として、例えば、NCBIアクセッション番号NP_076964.1で登録されている下記のアミノ酸配列(配列番号4)があげられる。配列番号3の塩基配列は、配列番号4のアミノ酸配列をコードする配列である。
【0020】
ヒト由来FNDC11 cDNA(配列番号3)
5'-GGAAGAGGCCCCAGCACTGACCTCCGTGGGGGTGGAGATGAGGAGGATGGAAAGGGTGTCTTCCTCCAGCATCTTCCTGAAGCTCCCGGATAATGAGCACCCATGTGGCAGGCCTGGGCCTGGACAAGATGAAGCTGGGCAATCCCCAGTCCTTCCTGGACCAGGAGGAGGCAGATGACCAGCAGCTGCTGGAACCAGAGGCGTGGAAGACCTACACCGAGCGCCGCAATGCCCTGCGTGAGTTCCTGACCTCGGACCTGAGTCCGCACCTGCTCAAGCGCCACCACGCCCGCATGCAGCTGCTGCGTAAGTGCTCCTACTACATCGAGGTCCTGCCCAAGCACCTGGCCCTGGGCGACCAGAACCCGCTGGTGCTGCCTAGCGCCTTGTTCCAGCTCATCGACCCCTGGAAGTTCCAGCGCATGAAGAAGGTGGGCACAGCTCAGACCAAGATCCAGCTCCTGCTGCTCGGGGACCTGTTGGAACAGCTCGACCATGGCCGTGCTGAGCTGGATGCCCTGCTCCGGTCGCCAGACCCACGGCCCTTCCTGGCCGACTGGGCGCTGGTGGAGCGGCGGCTGGCGGACGTGTCGGCCGTCATGGACAGCTTCCTGACCATGATGGTGCCGGGGCGGCTACACGTCAAGCACCGCCTGGTGTCTGATGTCAGTGCCACCAAGATCCCGCACATCTGGCTCATGCTGAGCACCAAGATGCCTGTCGTGTTTGACCGAAAGGCGTCGGCGGCTCACCAGGACTGGGCCCGGCTGCGCTGGTTCGTCACCATCCAGCCAGCCACATCGGAGCAGTATGAGTTGCGCTTCAGGCTGCTGGACCCGCGGACACAGCAGGAGTGCGCCCAGTGTGGCGTCATCCCCGTGGCTGCCTGCACCTTCGACGTCCGAAACCTGCTGCCCAACCGATCCTATAAGTTCACCATCAAGAGGGCCGAGACCTCCACGCTGGTGTACGAGCCCTGGAGGGACAGCCTCACCCTGCACACCAAGCCGGAGCCCCTGGAGGGGCCCGCCCTCAGCCACTCTGTCTGAGAGATGATTTTCTAATATTTATCCACTAATAAAGAAGAGTGTAAATGCACATATGGAATTAAAGAAGCAAACCTATTTATGTTTTAAAAAAAAAAAAAAAAAA-3'
【0021】
ヒト由来FNDC11 タンパク質(配列番号4)
MSTHVAGLGLDKMKLGNPQSFLDQEEADDQQLLEPEAWKTYTERRNALREFLTSDLSPHLLKRHHARMQLLRKCSYYIEVLPKHLALGDQNPLVLPSALFQLIDPWKFQRMKKVGTAQTKIQLLLLGDLLEQLDHGRAELDALLRSPDPRPFLADWALVERRLADVSAVMDSFLTMMVPGRLHVKHRLVSDVSATKIPHIWLMLSTKMPVVFDRKASAAHQDWARLRWFVTIQPATSEQYELRFRLLDPRTQQECAQCGVIPVAACTFDVRNLLPNRSYKFTIKRAETSTLVYEPWRDSLTLHTKPEPLEGPALSHSV
【0022】
ヒト由来SLC1A3は、cDNAとして、例えば、NCBIアクセッション番号NM_004172.5で登録されている下記の塩基配列(配列番号5)における下線部(226-1854番目)の領域(終始コドン含む)、タンパク質として、例えば、NCBIアクセッション番号NP_004163.3で登録されている下記のアミノ酸配列(配列番号6)があげられる。配列番号5の塩基配列は、配列番号6のアミノ酸配列をコードする配列である。
【0023】
ヒト由来SLC1A3 cDNA(配列番号5)
5'-AGAGCACATGCACACTGTCAGGGCTAGCCTGCCTGCTTACGCGCGCTGCGGATTGTTGCTCCGTTGTACCTGCTGGGGAATTCACCTCGTTACTGCTTGATATCTTCCACCCCTTACAAAATCAGAAAAGTTGTGTTTTCTAATACCAAAGAGGAGGTTTGGCTTTCTGTGGGTGATTCCCAGACACTGAAGTGCAAAGAAGAGACCCTCCTAGAAAAGTAAAATATGACTAAAAGCAATGGAGAAGAGCCCAAGATGGGGGGCAGGATGGAGAGATTCCAGCAGGGAGTCCGTAAACGCACACTTTTGGCCAAGAAGAAAGTGCAGAACATTACAAAGGAGGATGTTAAAAGTTACCTGTTTCGGAATGCTTTTGTGCTGCTCACAGTCACCGCTGTCATTGTGGGTACAATCCTTGGATTTACCCTCCGACCATACAGAATGAGCTACCGGGAAGTCAAGTACTTCTCCTTTCCTGGGGAACTTCTGATGAGGATGTTACAGATGCTGGTCTTACCACTTATCATCTCCAGTCTTGTCACAGGAATGGCGGCGCTAGATAGTAAGGCATCAGGGAAGATGGGAATGCGAGCTGTAGTCTATTATATGACTACCACCATCATTGCTGTGGTGATTGGCATAATCATTGTCATCATCATCCATCCTGGGAAGGGCACAAAGGAAAACATGCACAGAGAAGGCAAAATTGTACGAGTGACAGCTGCAGATGCCTTCCTGGACTTGATCAGGAACATGTTCCCTCCAAATCTGGTAGAAGCCTGCTTTAAACAGTTTAAAACCAACTATGAGAAGAGAAGCTTTAAAGTGCCCATCCAGGCCAACGAAACGCTTGTGGGTGCTGTGATAAACAATGTGTCTGAGGCCATGGAGACTCTTACCCGAATCACAGAGGAGCTGGTCCCAGTTCCAGGATCTGTGAATGGAGTCAATGCCCTGGGTCTAGTTGTCTTCTCCATGTGCTTCGGTTTTGTGATTGGAAACATGAAGGAACAGGGGCAGGCCCTGAGAGAGTTCTTTGATTCTCTTAACGAAGCCATCATGAGACTGGTAGCAGTAATAATGTGGTATGCCCCCGTGGGTATTCTCTTCCTGATTGCTGGGAAGATTGTGGAGATGGAAGACATGGGTGTGATTGGGGGGCAGCTTGCCATGTACACCGTGACTGTCATTGTTGGCTTACTCATTCACGCAGTCATCGTCTTGCCACTCCTCTACTTCTTGGTAACACGGAAAAACCCTTGGGTTTTTATTGGAGGGTTGCTGCAAGCACTCATCACCGCTCTGGGGACCTCTTCAAGTTCTGCCACCCTACCCATCACCTTCAAGTGCCTGGAAGAGAACAATGGCGTGGACAAGCGCGTCACCAGATTCGTGCTCCCCGTAGGAGCCACCATTAACATGGATGGGACTGCCCTCTATGAGGCTTTGGCTGCCATTTTCATTGCTCAAGTTAACAACTTTGAACTGAACTTCGGACAAATTATTACAATCAGCATCACAGCCACAGCTGCCAGTATTGGGGCAGCTGGAATTCCTCAGGCGGGCCTGGTCACTATGGTCATTGTGCTGACATCTGTCGGCCTGCCCACTGACGACATCACGCTCATCATCGCGGTGGACTGGTTCCTGGATCGCCTCCGGACCACCACCAACGTACTGGGAGACTCCCTGGGAGCTGGGATTGTGGAGCACTTGTCACGACATGAACTGAAGAACAGAGATGTTGAAATGGGTAACTCAGTGATTGAAGAGAATGAAATGAAGAAACCATATCAACTGATTGCACAGGACAATGAAACTGAGAAACCCATCGACAGTGAAACCAAGATGTAGACTAACATAAAGAAACACTTTCTTGAGCACCAGGTGTTAAAAACCATTATAAAATCTTTCCATCTCATTACAGCTCATTCGCTCCAGCAAGCCCGTCATCTTCCCTTTCCTCCCTTCTGATAAGACTGGAAAATAGTCCTCCAAAACACAAGGGAGGATTTTGGGTGGCCAAAGTGTACAATTTTCATCCCACAATTGAAATTTTTAAATCATTTCATGTTAGTCTTACCGAATAAGGTACCAAGATCACAAATAGTGTTGATCAGATCTTACAAGTTTATGTGGCACACAATCCTATAAATGTGATTTTTTTATATAAGTTAAAGAGACAAATAGTAGGCTAAAAACATTTTAAAATCAACTTTTGAAATTTAAAAATCTTTCAGAATACAATTCAGTTTTAGTTTCAAAATGTTAACAACTTGAATTACAACCGGTTATCAGTTGGACAGTAAGATTTTATCCCTTTCTCTTCTGACTGGTATACCTATTTCATTAGTAGCTAGGTGCACATATACATCTAGCACAGCTGTGAGGACAGACAGAAGGCAAAGTTTCCATGTGGCCTTGAGCAAGTCCCATCTCACCTCTAGGCCTCAGTGTCCTCATCTATAAAATGAGGGACTTCCCTAGAAGTCTTCATGGTCTCTTCCAGCCCAGACATCCTGTGATGTCATGAAAGCACCTGCCCTCTGTTTCCCCTCAGAACACCCTGTACCATCCATGGAGCACGAGGCCTTCAGAAAAGACACTTCAATGGGAGTGAACATTTCTAACTAAGGACAGGATGGCTGTGTGTGGTGGTCACCAGGTCCTGTGAGCAAAGTGCAGGTTATGCAAGTCGCCAGGCAGGAGGCCATTCCAGGAGTGGGATTATTCATCAAACTCTTTGCCCAGTTCATCCCAATGGGGGAAGTATTCCCTTCTTTCCTACTCTGGGAAGAATGTCTCCTGCCACTCCTCAACTGATGATAGACTTCGAAAACAGATGAGAAGACTAGCAGCTAGCAAGGGTGCTTGTGGTCACACTGTGGAACACTAAAGAGCTAGGAAAGAGTTGAGCACAGGCAACATTACAAACAAAGGATTTGAAAACACCAAGAGTACAGGTCTTCTTTAAGGAAGAATAAAAAAGAAGAGGTTCATTTTTCTGGCTTTTTTTTTCACCTGAAACACTTTTTCTCGAGTCCAAAATCATTCCCCCCGTGAAGTCTGCTTACCAAAACATAAGACGACTTATATATTTGAAAGAAGTCAAATGAATGAGCTCTCTAATAGAAGTCCATGAGTTGAGTGGGTATTTCTTATTTGAAAGTGTTTTTCTTTAATCAAAAGTCCTTAGAATGAGGGAAACAAAATATTTATTTGTTTTGGAATCCCACTTATCAAATCATTCAAAACTTTCAGCTGGAGTGGGGTTTGCTTTTGTTTTGTTTGTGTCCATAAGAGAAATGGTAGAAGATGAATCAGTATGAAGACACTGTCAATGAGGTTATGAGAAAAAAACAGCAGGGGCATTAGTTTCAGGCAAGGCAGCTCCCAGGTTTAGAGATTAATTTTTACCCCCTAAGGAATATCCAGTCAAAGACGCTGAGTGGGAGCTGTCAGGCAGTAGCAGCTGTGTTTGAGTTTCTGGCTGAAAATGGTGAAGAATGGACTTAATTATGCTAACAAACTGAAAAATCTAGACATAGATCCTCTGATATACAATTAGAGATATTTTTATATAGACCCCAAGCATTCTGTGCATAAAAGTTAACATTAGGCTGTGGTGCAGTAACCATTTAATGTCGAGGCTCTATTTCGGAAATACACTACAAATGTTAAAGTACGTGGCTGTCCTCTTAAGACACTAGTAGAGCAAAGACTTAATCATATCAACTTAATTCTGTTACACAATATGTGTTTTTTAATATACTAACCATTTCTTATGGAAAGGTCCTGTGGGGAGCCCATCCTCTCGCCAAGCCATCACAGGCTCTGCATACACATGCACTCAGTGTGGACTGGGAAGCATTACTTTGTAGATGTATTTTCAATAAAGAAAAAAATAGTTTTACATTAA-3'
【0024】
ヒト由来SLC1A3 タンパク質(配列番号6)
MTKSNGEEPKMGGRMERFQQGVRKRTLLAKKKVQNITKEDVKSYLFRNAFVLLTVTAVIVGTILGFTLRPYRMSYREVKYFSFPGELLMRMLQMLVLPLIISSLVTGMAALDSKASGKMGMRAVVYYMTTTIIAVVIGIIIVIIIHPGKGTKENMHREGKIVRVTAADAFLDLIRNMFPPNLVEACFKQFKTNYEKRSFKVPIQANETLVGAVINNVSEAMETLTRITEELVPVPGSVNGVNALGLVVFSMCFGFVIGNMKEQGQALREFFDSLNEAIMRLVAVIMWYAPVGILFLIAGKIVEMEDMGVIGGQLAMYTVTVIVGLLIHAVIVLPLLYFLVTRKNPWVFIGGLLQALITALGTSSSSATLPITFKCLEENNGVDKRVTRFVLPVGATINMDGTALYEALAAIFIAQVNNFELNFGQIITISITATAASIGAAGIPQAGLVTMVIVLTSVGLPTDDITLIIAVDWFLDRLRTTTNVLGDSLGAGIVEHLSRHELKNRDVEMGNSVIEENEMKKPYQLIAQDNETEKPIDSETKM
【0025】
ヒト由来TMEM33は、cDNAとして、例えば、NCBIアクセッション番号NM_018126.3で登録されている下記の塩基配列(配列番号7)における下線部(57-800番目)の領域(終始コドン含む)、タンパク質として、例えば、NCBIアクセッション番号NP_060596.2で登録されている下記のアミノ酸配列(配列番号8)があげられる。配列番号7の塩基配列は、配列番号8のアミノ酸配列をコードする配列である。
【0026】
ヒト由来TMEM33 cDNA(配列番号7)
5'-CTCCCCTTTCTTCTCTCTTCGCGGTTGCGGCGTCGCAGACGCTAGTGTGAGCCCCCATGGCAGATACGACCCCGAACGGCCCCCAAGGGGCGGGCGCTGTGCAATTCATGATGACCAATAAACTGGACACGGCAATGTGGCTTTCTCGCTTGTTCACAGTTTACTGCTCTGCTCTGTTTGTTCTGCCTCTTCTTGGGTTGCATGAAGCAGCAAGCTTTTACCAACGTGCTTTGCTGGCAAATGCTCTTACCAGTGCTCTGAGGCTGCATCAAAGATTACCACACTTCCAGTTAAGCAGAGCATTCCTGGCCCAGGCTTTGTTAGAGGACAGCTGCCACTACCTGTTGTATTCACTCATCTTTGTAAATTCCTATCCAGTTACAATGAGTATCTTCCCAGTCTTGTTATTCTCTTTGCTTCATGCTGCCACATATACGAAAAAGGTCCTTGACGCAAGGGGCTCAAATAGTTTACCTCTGCTGAGATCTGTCTTGGACAAATTAAGTGCTAATCAACAAAATATTCTGAAATTCATTGCTTGCAATGAAATATTCCTGATGCCTGCGACAGTTTTTATGCTTTTTAGTGGTCAAGGAAGTTTGCTCCAACCTTTTATATACTATAGATTTCTTACCCTTCGATATTCGTCTCGAAGAAACCCATATTGTCGGACCTTATTTAATGAACTGAGGATTGTTGTTGAACACATAATAATGAAACCTGCTTGCCCACTGTTTGTGAGAAGACTTTGTCTCCAGAGCATTGCCTTTATAAGCAGATTGGCACCAACAGTTCCATAGTTTAACATCTAGTTAAGCTACAAATATAGTATAAGCATTATTAGCAGCTGGTACTTCTGCTAGGGGTTGTAAATTCCAGGTGTTACACTGACCTCAATCCAATTTACATAATTTACATAAATGCATCTCGGTGGAAAAATAATCATTTTCTTGGCATGTTAAATCAAGCTTAAAAAGTTTTGAGAAAATTTTACTGCGCTGTGTTGCTAATGGTTAAAGAAGTCTGTATCTAGTGATAAATATACCAGTTTTTTTAAAAAGATGCTGTTGTGCCTATATCATGAAGTACATTAATTTCTCATGTAAAAAAAATAGCTCTAAAATTTGTTTCAACCTAATTGGTAACCTGAGTTTATATCTGGCATGAATTCATTATGGTGATACACATATGTGAATTCAGTACATTTTGAGACAGTATTCTACCATTCAGTAATTTTGGTTAATGATTTTAACACTTCTCAGTGTATTTAATTTCAAATTGTTTTTTTAATTGGTTTTATGCTGCTTTGTTAGGACAGATGTGTTTTGAATGTACCATTATAAGAAGAATTCTATGTATCTTAAACTATGATCTTCTAAAATTTTATTTCCGTAAGTACTTCTGTGGCCTTGAGTATTTTTTAAAAGGCTCAACTGTAAGCCTCTTAGCCAGTTGGATAAATATTTGGGGTCACCTAGCCATTGAAAGCAGAAAGCAGTAGTGACACAGCTTTCCCTTCAAAGAGCCATTGAGAAACATTTCTCAAACAGGAAATCCTTCTTTTACTAATGTGGACATATAGATTATTCGTATTATAGTTTGTAGAACTACCTAGTTCAGAATCTTGACTGCCAGTTTTCTTGGTTTCTTAGGCTTGAATTTTCATAGACAATTGCAACAGTTTAGATGCCTTTTGAAAGGAATGTAATGAAGATTCAGCATCTGACTATATGTGTGTCTATCCTGAAATAATAATGGAGAGTATACTGTAGATTACATGTTTACCCATCAAATCTGACTTAAAAGGTTAAATGGAAGGTTTTATAGGTAAGGTAATTGATTGGGAATGGGGTAGGGGGAGGAGTTGTGGGGGAATAATGTGCATTTCAGTCTCAACGCATAGATAAATTTAGGGGAATTGGATGTATTATTCAACTTTGATTTGGGTTGTAAAATGTGTTAAATCCTGTTCATTGAACTCCCATCAACTCTTATAAAATTCATGCTGATCTTCATTACCGTTGCATGATTGGAAATGTTTAAAACATTGTACAGTTTTAGTATAGAGAAATGTAATGGTTTTTGTGACCAGTTTCTGTCTGCATGTAATTTGGATTTCTCAAATACATTCATTAGTAATTTATCAGTAACATTAGTTTTATTTTTGTTCATCTCCTTATCTATAAAAAGGGGATATTCTTAGGATAAATACATGAAAAATTATACTTGATAGCTTAACTATAATCAGCTATTTTTGTATTTTTGTAATATTTGTCCACTAAGCTGGAGAAGCAGCCTCATACAGTTGATTTTGTGTATGTGGCTAGTCTTATTGTCACTATGTAAGTAATCCAATGGTTTTAGAAACTAAACTTTCTAGAGCAATAAAATGACTATAATGTTAAGTAAACATAATGTTGATTTCTAATTATGTTTTAAAAAATGAAGTCTTGAATTATATCAAGAAATTTTGGCAGCTGAAGTCATGTTTATTTTGAAGCTGTTAGTTTTTTCCTATAATTTAAAAAGATCTTTTAGATTTATAGAAGAGTCAGAAATGTACAAGAGAGTTTTTTTGTTGTTGTTTTTGTTTTTTGAGACAGAGTCTGTCTCTGTCGCCAAGGCTGGAGTGCAGTGGCGCAATCCTGGCTCACTGTAGCCTCTGCCTCCTGGGTTCAAGTGCTTCTCCTGCCTCAGCCTCCCGAGTAGCTGGGACTACAGGTGCACGCCACCACGCCTGTAGTCCCAGCTGTATTGTAAAAATACAAAATTTTAGTATTTTTAGTAGAGACAGGGTTTCACCATGTTGGCCAGGATGGTCTCGATCTCCTGACCTCGTGATCTGCCTGCCTCGGCCTCCCAAAGTGCCGGGATTACAGGTGTGAGCCACCGCGCCCTGCCAAGAAGAGTTCTTTTGCATACCCTTTACTCAGGTCCTCTCATGTTAACGTTTTACATAACTGTAGAACATTTATCTAAAGTAAGATATTAGCCCAGAACAATACTACTAACTGAAGTATAAAACTTATTTGAATTTCAACAGTTTTTTTTTCATTTCTTATTTTCCTTTTGTGTGCTCTGTTTATACCATGATCCATGATTTTTTTAAAATCATGATTGTCTTTTAAAGATCTGTGTGTCTCTGTTTTGAGTTTTTCCTGTTTATTTTGAAAAGTACTGTTGGTCAAGATAATTGGTCAATAATCCATGTTGGTTTTAACAAAAAGCATTTTAACATTAAAAATATTACAGTATAAAATAACACTCTGTGCTTTAAATTGAGGTTTTATGTCATTTTAGCAGAATTATAATATTTCTGATATACTCATGTTTGACAAGTTGAAACAGATTTGTTTCTTAAAGGAAGGTTTAATATACAAAAAAAGGTAATCTTAAACTTACGAAAAAGTAAATTTTACAATTTGAGCATTACTAGATGTTTAGTTTGCATGAACTCATAGTTAGAAATTCTGCAATAGGAATATCTACAACCGGCTGATTTGGAATTTGAAATTATAGTGTTACATGTATACCTATCAAATTAAAATTAAGGAAATACAATAGCAATATATAGAATGAATGTAGTAACAGAAATTAACTCTTTACTGCATCATTGAACTTATTGTTAGTTACAGGTTTAAAAGAAGTTCATTTAACATCCAGTGTGTCTAATTCTTCTGGAAGTGGTGTAGTACCATTGTTCTTCTGGCATTTTTAAATATTAAACCTTTTTGGATAGATGGAAGCCTTATACAAAATCTACTTTATTTTAGCAAGGATTCTCTGTCCTTTTGTATAGTTGGTACCTTACTAATTTAAACTCTAATATCAATCTAAAGAGAAATTTATTATGCAATTTGTATTTAGGTTTTTTTTTTTTTTTTTGGAATGAAGTTCAGAGGTAGATCCTCCTGGAAGAAAGAAAGCAAGCGAACTTTTTAAAGAAAATTAGACTTGAATATTTAAGAATGTCCCTTACAGAGAAAAGGCCAACTATAATACTAAGCTAAAAGTTATGAAAAATTAATAGGTTCTTTTATAGAGCTAAGAATGATGAAACCATCAATACTTCCTTCTTCCTAAAAATCCAGATCAAAACTTCAGGTTAGGTTTCTAAGTTTAGGACATGAATATTATTTTTTTCTGGAAAAGAAGATGAGTATATGTGTAATAAGACAAGTAGAACTGAGAGATTTAGTTTTTTTTTTTTTTAAGTTTTAGTTCAGAATAACATTAATTTTGAGAGATTGAGGTAAAGAACCTTAACTAATGCTAAGGAGTTTATTTTGATTAACATAGGTTATTCTGACCACCACCTCTTCCTTCCTTAATCTCCTTAGAATCTGACAGTCTCAAAGCTGTCACACAAATTAGACTAATTTTGACACTTTGAAATGAAAACTTCAAGGAAGAAGTAGCCACGGACAGTTATGTTTATAATCAGTAGGTGGCACTCTTTCCTCAGGTAGCCCCCCATTTTCACATGATGTGTTTGAAGGTTAAATGCCACCAAAAGTGCTGAGTCAGCTATAAAACTAAGTCCCTGAATTCCATGGCCCTTTTAAATATGTAATCATTCAAGATTGAAAAAAAAAATTAAGCATTTTTTGTTTGTTTGCTTGTTTGTTTTTGAGACGGAGTTTCACTCTTGTTGGCCAGGCTGGAGTGCAATGGCGCCATCTCAGCTCACTGCAACCTCTGCCTCCCGGATTCAAGCAATTCTCCTTCAGCCCTCCAAGTAGCTGGGGTTACAGGTGCCCGCCACCATGCCCAGCTAGTTTTTGTATTTTTAGTAGAGATGAGGTTTCACCATGTTGGCCAGGCTGGTCTTGAACTCCTGACCTCGTGATCCCCCCACCTCGGCCTTCCAAAGTGCTGGATTACAGGCGTGAGCCACTGTGCCTGGCTTGCATTTTTAAAATACTGAATTATTCAAAAGAAGTACCCTGTCAATATGTGCTTTCTAGGAAAACAGTAAAATAGGCCACAATTTGGAGTGACACCATTCAGATCAAGGTCTATCCAGTTTTTTCTTTTCATGCTAAGTGCCTACATCACCGAAACACACTAATATAAAATTATCCTTTCTCCTTCATTTTCAGATGTGTAAAAAATGGTACTTAAAGTGTTTTCATGATCATTTTGTAGGTAGACTAGATATAGCCCGTTGAACCTCTTTTAAAATTTAGACTTTTGATAGTAATATAAAAGCATATTGAAATTTGTAGATATTATATGAGGAATGGCACCTAGATTTGAAAATTATGCTTGGCTTGTAGAGACAACTAGTTTCTCTCGCTCTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTGAGACAGATTCTCACTCAGTTGCCCAGGCTGGAGTGCAGTGGTGCAGTCTTGGCTCACTGCAACCTCTGCCTCCTGGGTTAAAGCGATTCTCATGCCTCAGCCTCCCTAGTAGCTGAGACTACAGGCGTGCACCACCACGCCCAGCTAATTTTTGTATTTTTAGTAGAGACAGGATTTCACCATGTTCACCATGTTGGTCAGGCTGGTCTTGAACTCCTGGCCTCAAGTGATCTGCCCGCCTCGACCTCCCAGAGTGCTGGGATTATAGGTGTGAGCCACTAAGCCTGGCTGAGACAACTAGTTTCCCTTAACTCATTGGAATTCTCTAGGATTAGGAGAATTCCACAGAGCCTATATGATATTATAGCTCAACATTTAGTATACCAAAGGCATACCCGTGTAAATCTAGGAGTTATTTCCAGAGATTGTTTTAAGGAGCAGTCTTATATTCAGGGTAGAAAGTTATGATTGGATCTGCTGTTAAGGAGAACAAAGGAGCTTCTAAAGGTTTGGGAGGTTTACTGGTAGTAACTATTCTAGGAAATATTTATGTTTTAAGGTGATGTTCACATGGGTTCTTTAGAAGGAACATAGTCAAGTGTGATGGATTAACTCTATATAGTCTTTCTCCTCTTGTGCGTGTAGGAAATCTGACCTGCAGTGTCAGTTGATGTGACAAGAGATAAAGAAAGCACAGTATTTTAAAATCTAAAGCAGATTCCTTTCTTAGAAAACAATAGGAAAAAATTATAGATGGATGTCTTTGCTGAAATCTAACAATTAGCTCATATTCCATGAGAAAGAGTGGCCTAAGAATTATTTCATGTTACCTAGCCTTCTGAAGCTACTCACTTGATGTGCCTAGCACTTTGAAACTAACCTTTTCTTTCTTTGTTCATGACAGTTTAATTCCAAATATTTACTATTTTCTCTTGTAACTGTTAGAACAGTTCCTTTTGACATTAATTTTTGCCTACATATATATTTTTAAGTTGAGACCAAATCGGTGAAGTGTTGAGCAAGTAACATTTATGATGTGTGTATATTGGAACAAATGTAAAAGGGTTACAAAGATTAGAAACAGAGTCATAAAAAATGGCTTGATTTATAAAGGCATTACTTTTGGTGCTTTATATAATGGCATATATTGAACTAAAAATTTGTATATACAGTATGTCAGCATTTCTTAGTAACTTCTCTTGAATCCATTTTTAATATCTAATATTGTACAGGTTGGGGAGTTACATTCTTCAGGCCAATACTATCCAGACTATATAAATTTATAAAATAAATTGAAAAATTCATTCCCCTGTATTCAAGACCAAAGCACATAAATGCTAATGTAGGGCTCAGAGGGGAAATACAGTTCTCCTGCATATTTGAGAAAATGTGAAGTCCTTTCAAGAAAATCTAATAAACATAATAATCATAGCCTGCTGACACTAAGGAAAAAGGACCTCATTCACTCTTTCTTTTATGCAGTGATTTACTGGTCCCTACTGATTTCCAAATTGGATCACGATAGTAAATTATCCATGCTGGTACCTGTGAAAGTAAGCCCTGGGATCCATATTTGTTTTGTGTTCTGCTTAAATCAGCAAGAATGATAAATTTGATGGTGTGAAATTGGAAGTATCAAGGGCTTTCTTTGGTGATTGAGGGAAATAATGTCTCTACTTGTAATTTATTGTGACCCTTTTTCACTGTATATGCTTTGTATGTCTAATATTTATTTCAATGCAAATTCAATTGTTCCTTCATCTGTATTGTTATATCTAAGATTTTATTGATGTTAAAATCTAATTGTGGAATAAAAATCTCTCTGGAATTTAGCAGATACAAAAATGTTATCTTGCAAAAGAACTAAGAACATTTGTAGTTAGAAATCAGCTTTCCTTTGAGCTTAATTGCCTTTTTGTTAGAATAAGGTGAATTTGAACACACTCCTCTTATCCTCAGCCCATCACAAATAATAGAGATGCCATGATTTTGAGGTCTGATGTGAAACTGGTAAAAATGTGATCTAAGGTGTAACTGGAAAAAAAAAGGAAAGAAAAATTACATTGATGCCTCAGC-3'
【0027】
ヒト由来TMEM33 タンパク質(配列番号8)
MADTTPNGPQGAGAVQFMMTNKLDTAMWLSRLFTVYCSALFVLPLLGLHEAASFYQRALLANALTSALRLHQRLPHFQLSRAFLAQALLEDSCHYLLYSLIFVNSYPVTMSIFPVLLFSLLHAATYTKKVLDARGSNSLPLLRSVLDKLSANQQNILKFIACNEIFLMPATVFMLFSGQGSLLQPFIYYRFLTLRYSSRRNPYCRTLFNELRIVVEHIIMKPACPLFVRRLCLQSIAFISRLAPTVP
【0028】
ヒト由来ABCF1は、cDNAとして、例えば、NCBIアクセッション番号NM_001025091.2で登録されている下記の塩基配列(配列番号9)における下線部(47-2584番目)の領域(終始コドン含む)、タンパク質として、例えば、NCBIアクセッション番号NP_001020262.1で登録されている下記のアミノ酸配列(配列番号10)があげられる。配列番号9の塩基配列は、配列番号10のアミノ酸配列をコードする配列である。
【0029】
ヒト由来ABCF1 cDNA(配列番号9)
5'-GGAAATAGCACCGGGCGCCGCCACAGTAGCTGTAACTGCCACCGCGATGCCGAAGGCGCCCAAGCAGCAGCCGCCGGAGCCCGAGTGGATCGGGGACGGAGAGAGCACGAGCCCATCAGACAAAGTGGTGAAGAAAGGGAAGAAGGACAAGAAGATCAAAAAAACGTTCTTTGAAGAGCTGGCAGTAGAAGATAAACAGGCTGGGGAAGAAGAGAAAGTGCTCAAGGAGAAGGAGCAGCAGCAGCAGCAACAGCAACAGCAGCAAAAAAAAAAGCGAGATACCCGAAAAGGCAGGCGGAAGAAGGATGTGGATGATGATGGAGAAGAGAAAGAGCTCATGGAGCGTCTTAAGAAGCTCTCAGTGCCAACCAGTGATGAGGAGGATGAAGTACCCGCCCCAAAACCCCGCGGAGGGAAGAAAACCAAGGGTGGTAATGTTTTTGCAGCCCTGATTCAGGATCAGAGTGAGGAAGAGGAGGAGGAAGAAAAACATCCTCCTAAGCCTGCCAAGCCGGAGAAGAATCGGATCAATAAGGCCGTATCTGAGGAACAGCAGCCTGCACTCAAGGGCAAAAAGGGAAAGGAAGAGAAGTCAAAAGGGAAGGCTAAGCCTCAAAATAAATTCGCTGCTCTGGACAATGAAGAGGAGGATAAAGAAGAAGAAATTATAAAGGAAAAGGAGCCTCCCAAACAAGGGAAGGAGAAGGCCAAGAAGGCAGAGCAGGGTTCAGAGGAAGAAGGAGAAGGGGAAGAAGAGGAGGAGGAAGGAGGAGAGTCTAAGGCAGATGATCCCTATGCTCATCTTAGCAAAAAGGAGAAGAAAAAGCTGAAAAAACAGATGGAGTATGAGCGCCAAGTGGCTTCATTAAAAGCAGCCAATGCAGCTGAAAATGACTTCTCCGTGTCCCAGGCGGAGATGTCCTCCCGCCAAGCCATGTTAGAAAATGCATCTGACATCAAGCTGGAGAAGTTCAGCATCTCCGCTCATGGCAAGGAGCTGTTCGTCAATGCAGACCTGTACATTGTAGCCGGCCGCCGCTACGGGCTGGTAGGACCCAATGGCAAGGGCAAGACCACACTCCTCAAGCACATTGCCAACCGAGCCCTGAGCATCCCTCCCAACATTGATGTGTTGCTGTGTGAGCAGGAGGTGGTAGCAGATGAGACACCAGCAGTCCAGGCTGTTCTTCGAGCTGACACCAAGCGATTGAAGCTGCTGGAAGAGGAGCGGCGGCTTCAGGGACAGCTGGAACAAGGGGATGACACAGCTGCTGAGAGGCTAGAGAAGGTGTATGAGGAATTGCGGGCCACTGGGGCGGCAGCTGCAGAGGCCAAAGCACGGCGGATCCTGGCTGGCCTGGGCTTTGACCCTGAAATGCAGAATCGACCCACACAGAAGTTCTCAGGGGGCTGGCGCATGCGTGTCTCCCTGGCCAGGGCACTGTTCATGGAGCCCACACTGCTGATGCTGGATGAGCCCACCAACCACCTGGACCTCAACGCTGTCATCTGGCTTAATAACTACCTCCAGGGCTGGCGGAAGACCTTGCTGATCGTCTCCCATGACCAGGGCTTCTTGGATGATGTCTGCACTGATATCATCCACCTCGATGCCCAGCGGCTCCACTACTATAGGGGCAATTACATGACCTTCAAAAAGATGTACCAGCAGAAGCAGAAAGAACTGCTGAAACAGTATGAGAAGCAAGAGAAAAAGCTGAAGGAGCTGAAGGCAGGCGGGAAGTCCACCAAGCAGGCGGAAAAACAAACGAAGGAAGCCCTGACTCGGAAGCAGCAGAAATGCCGACGGAAAAACCAAGATGAGGAATCCCAGGAGGCCCCTGAGCTCCTGAAGCGCCCTAAGGAGTACACTGTGCGCTTCACTTTTCCAGACCCCCCACCACTCAGCCCTCCAGTGCTGGGTCTGCATGGTGTGACATTCGGCTACCAGGGACAGAAACCACTCTTTAAGAACTTGGATTTTGGCATCGACATGGATTCAAGGATTTGCATTGTGGGCCCTAATGGTGTGGGGAAGAGTACGCTACTCCTGCTGCTGACTGGCAAGCTGACACCGACCCATGGGGAAATGAGAAAGAACCACCGGCTGAAAATTGGCTTCTTCAACCAGCAGTATGCAGAGCAGCTGCGCATGGAGGAGACGCCCACTGAGTACCTGCAGCGGGGCTTCAACCTGCCCTACCAGGATGCCCGCAAGTGCCTGGGCCGCTTCGGCCTGGAGAGTCACGCCCACACCATCCAGATCTGCAAACTCTCTGGTGGTCAGAAGGCGCGAGTTGTGTTTGCTGAGCTGGCCTGTCGGGAACCTGATGTCCTCATCTTGGACGAGCCAACCAATAACCTGGACATAGAGTCTATTGATGCTCTAGGGGAGGCCATCAATGAATACAAGGGTGCTGTGATCGTTGTCAGCCATGATGCCCGACTCATCACAGAAACCAATTGCCAGCTGTGGGTGGTGGAGGAGCAGAGTGTTAGCCAAATCGATGGTGACTTTGAAGACTACAAGCGGGAGGTGTTGGAGGCCCTGGGTGAAGTCATGGTCAGCCGGCCCCGAGAGTGAGCTTTCCTTCCCAGAAGTCTCCCGAGAGACATATTTGTGTGGCCTAGAAGTCCTCTGTGGTCTCCCCTCCTCTGAAGACTGCCTCTGGCCTGCAGCTGACCTGGCAACCATTCAGGCACATGAAGGTGGAGTGTGACCTTGATGTGACCGGGATCCCACTCTGATTGCATCCATTTCTCTGAAAGACTTGTTTGTTCTGCTTCTCTTCATATAACTGAGCTGGCCTTATCCTTGGCATCCCCCTAAACAAACAAGAGGTGACCACCTTATTGTGAGGTTCCATCCAGCCAAGTTTATGTGGCCTATTGTCTCAGGACTCTCATCACTCAGAAGCCTGCCTCTGATTTACCCTACAGCTTCAGGCCCAGCTGCCCCCCAGTCTTTGGGTGGTGCTGTTCTTTTCTGGTGGATTTAATGCTGACTCACTGGTACAAACAGCTGTTGAAGCTCAGAGCTGGAGGTGAGCTTCTGAGGCCTTTGCCATTATCCAGCCCAAGATTTGGTGCCTGCAGCCTCTTGTCTGGTTGAGGACTTGGGGCAGGAAAGGAATGCTGCTGAACTTGAATTTCCCTTTACAAGGGGAAGAAATAAAGGAAAGGAGTTGCTGCCGACCTGTCACTGTTTGGAGATTGATGGGAGTTGGAACTGTTCTCAGTCTTGATTTGCTTTATTCAGTTTTCTAGCAGCTTTTAATAGTCCCCTCTTCCCCACTAAATGGATCTTGTTTGCAGTCTTGCTGACAGTGTTTGCTGTTTAAGGATCATAGGATTCCTTTCCCCCAACCCTTCACGCAAGGAAAAAGCAAAGTGATTCATACCTTC-3'
【0030】
ヒト由来ABCF1 タンパク質(配列番号10)
MPKAPKQQPPEPEWIGDGESTSPSDKVVKKGKKDKKIKKTFFEELAVEDKQAGEEEKVLKEKEQQQQQQQQQQKKKRDTRKGRRKKDVDDDGEEKELMERLKKLSVPTSDEEDEVPAPKPRGGKKTKGGNVFAALIQDQSEEEEEEEKHPPKPAKPEKNRINKAVSEEQQPALKGKKGKEEKSKGKAKPQNKFAALDNEEEDKEEEIIKEKEPPKQGKEKAKKAEQGSEEEGEGEEEEEEGGESKADDPYAHLSKKEKKKLKKQMEYERQVASLKAANAAENDFSVSQAEMSSRQAMLENASDIKLEKFSISAHGKELFVNADLYIVAGRRYGLVGPNGKGKTTLLKHIANRALSIPPNIDVLLCEQEVVADETPAVQAVLRADTKRLKLLEEERRLQGQLEQGDDTAAERLEKVYEELRATGAAAAEAKARRILAGLGFDPEMQNRPTQKFSGGWRMRVSLARALFMEPTLLMLDEPTNHLDLNAVIWLNNYLQGWRKTLLIVSHDQGFLDDVCTDIIHLDAQRLHYYRGNYMTFKKMYQQKQKELLKQYEKQEKKLKELKAGGKSTKQAEKQTKEALTRKQQKCRRKNQDEESQEAPELLKRPKEYTVRFTFPDPPPLSPPVLGLHGVTFGYQGQKPLFKNLDFGIDMDSRICIVGPNGVGKSTLLLLLTGKLTPTHGEMRKNHRLKIGFFNQQYAEQLRMEETPTEYLQRGFNLPYQDARKCLGRFGLESHAHTIQICKLSGGQKARVVFAELACREPDVLILDEPTNNLDIESIDALGEAINEYKGAVIVVSHDARLITETNCQLWVVEEQSVSQIDGDFEDYKREVLEALGEVMVSRPRE
【0031】
ヒト由来CFDP1は、cDNAとして、例えば、NCBIアクセッション番号NM_006324.3で登録されている下記の塩基配列(配列番号11)における下線部(152-1051番目)の領域(終始コドン含む)、タンパク質として、例えば、NCBIアクセッション番号NP_006315.1で登録されている下記のアミノ酸配列(配列番号12)があげられる。配列番号11の塩基配列は、配列番号12のアミノ酸配列をコードする配列である。
【0032】
ヒト由来CFDP1 cDNA(配列番号11)
5'-GTAGTACTCTCTGCGCATGTGCAAAGCGCTGTCGGGGGCCGCCCTAGCTGCCGTCGCCGCCGCCGGGGCTCTATGGTCTCTCCCTAGAGCTTTGCCGTTGGAGGCGGCTGCTGCGGTCTTGTGAGTTTGACCAGCGTCGAGCGGCAGCAACATGGAGGAATTCGACTCCGAAGACTTCTCTACGTCGGAGGAGGACGAGGACTACGTGCCGTCGGGTGGAGAGTATAGTGAAGATGATGTAAATGAATTAGTGAAGGAAGATGAAGTGGATGGTGAAGAGCAGACACAGAAAACCCAAGGGAAAAAAAGAAAGGCCCAGAGCATTCCAGCCAGGAAGAGAAGACAAGGTGGCCTCTCATTAGAAGAAGAGGAAGAGGAGGATGCCAATTCAGAATCTGAGGGAAGCAGTAGTGAGGAGGAAGATGACGCTGCAGAGCAGGAAAAAGGCATTGGATCAGAGGATGCCAGGAAAAAGAAGGAGGACGAACTCTGGGCCAGCTTCCTCAATGATGTGGGACCAAAATCAAAAGTGCCCCCAAGTACACAAGTTAAGAAAGGAGAGGAGACTGAAGAGACAAGTTCAAGTAAATTGTTGGTAAAAGCAGAAGAGCTAGAGAAACCTAAAGAAACAGAAAAAGTTAAAATCACCAAGGTGTTTGATTTTGCTGGTGAAGAAGTAAGGGTAACTAAGGAAGTGGATGCTACATCTAAAGAGGCCAAATCCTTCTTCAAGCAGAATGAGAAAGAAAAACCACAGGCTAATGTTCCTTCAGCTCTGCCATCACTCCCTGCCGGGTCAGGGTTAAAAAGATCAAGTGGCATGAGCAGCCTTTTGGGGAAAATTGGTGCCAAGAAGCAGAAAATGAGCACCCTTGAGAAGTCCAAACTGGACTGGGAGAGCTTCAAGGAGGAAGAGGGGATTGGTGAAGAACTGGCCATCCATAATCGAGGGAAAGAGGGGTACATTGAACGGAAAGCCTTCCTTGACCGAGTGGATCACAGGCAGTTTGAAATTGAGCGAGATCTCAGGCTGAGCAAAATGAAACCTTGATGTTACGGGCTAAATCAAGAGCAGCTTAATCCTGTTTACAATGTGAGCTTTTTGTGCGTCTGTGAAATGTTTTACAGTGTTTCTCATCATCTGTTTCCCAGCAAGGTCTTTTTTTTTTCTACATTGAAGTTCTGTCTATGTATCTTAATCACAAATGGTTTCATTCACTTTACTTTTAAAAATTTGTCCTTAAATGAATAAATAAAATAAAAGTTGGTCCTGTGAGAGGATAATGAAGATGA-3'
【0033】
ヒト由来CFDP1 タンパク質(配列番号12)
MEEFDSEDFSTSEEDEDYVPSGGEYSEDDVNELVKEDEVDGEEQTQKTQGKKRKAQSIPARKRRQGGLSLEEEEEEDANSESEGSSSEEEDDAAEQEKGIGSEDARKKKEDELWASFLNDVGPKSKVPPSTQVKKGEETEETSSSKLLVKAEELEKPKETEKVKITKVFDFAGEEVRVTKEVDATSKEAKSFFKQNEKEKPQANVPSALPSLPAGSGLKRSSGMSSLLGKIGAKKQKMSTLEKSKLDWESFKEEEGIGEELAIHNRGKEGYIERKAFLDRVDHRQFEIERDLRLSKMKP
【0034】
ヒト由来POLR3GLは、cDNAとして、例えば、NCBIアクセッション番号NM_032305.3で登録されている下記の塩基配列(配列番号13)における下線部(121-777番目)の領域(終始コドン含む)、タンパク質として、例えば、NCBIアクセッション番号NP_115681.1で登録されている下記のアミノ酸配列(配列番号14)があげられる。配列番号13の塩基配列は、配列番号14のアミノ酸配列をコードする配列である。
【0035】
ヒト由来POLR3GL cDNA(配列番号13)
5'-AGAACGCCACCGACTTGAGGAAGCCCAGTACATTTCAAGTTGGTCGCGGCTTGGGCTCCGCTTTGGGGAGGGGCAGCAGGTTTATTCACTGGATCTCTGAATACCCAGGCCCCCTCCACCATGGCCAGCCGGGGTGGGGGCCGGGGTCGTGGCCGGGGCCAGTTGACCTTCAACGTGGAGGCCGTGGGCATTGGGAAAGGGGATGCTTTGCCCCCACCCACCCTGCAGCCTTCTCCACTCTTCCCTCCCTTGGAGTTCCGCCCAGTACCTTTGCCCTCAGGCGAGGAAGGGGAATATGTCCTGGCACTGAAGCAAGAGCTACGAGGAGCCATGAGGCAGCTCCCCTACTTCATCCGGCCAGCTGTCCCCAAGAGAGATGTGGAGCGTTATTCAGACAAATATCAGATGTCAGGTCCGATTGACAATGCCATCGATTGGAACCCTGATTGGCGGCGTCTACCCCGGGAGCTAAAGATCCGAGTGCGGAAGCTACAGAAGGAACGGATTACAATTCTGCTCCCCAAGAGGCCCCCTAAGACCACAGAAGATAAGGAGGAAACAATACAGAAACTAGAGACCCTGGAGAAGAAGGAAGAAGAAGTAACTTCAGAGGAGGATGAGGAGAAAGAAGAAGAAGAAGAGAAGGAAGAGGAGGAAGAAGAAGAGTATGATGAAGAAGAACATGAAGAGGAAACTGATTACATCATGTCATATTTTGACAATGGAGAGGACTTTGGTGGTGACAGTGATGACAATATGGACGAGGCTATATACTGAAGAAGGACTCTGGACCCTCGTGTCTTTCTTTAGGATACAGAGAGTAACTGTACCTATTATTTGTTTCTTCAGACAAGCAAATCATTTGGTCAGAGTTCATATAATCTGTCTGTTCCCTGGAGATGGGAATAGAGGATGATGACAGTTTATTTTCTACACTTCCCCTCCTTCCACATTTGTATCACCTTTGCTATCTTGGGGAAAGTGCAAAGGACAAACATCTCAATTGTATGAAGGGAGAAAGGAGAATTGAAAGAAGAACTGGGGTTGTTAGAGCTGAGATGACTGTACACATACCCCTGCCCAATTTATATAGCTCTTTGTGGAGATAATTAGGGGTGGGAGCAGTTTGAAGGAGTAAGCCTGGTTTTATACTTTTAAATAAAGTGTTTTTATCTGTC-3'
【0036】
ヒト由来POLR3GL タンパク質(配列番号14)
MASRGGGRGRGRGQLTFNVEAVGIGKGDALPPPTLQPSPLFPPLEFRPVPLPSGEEGEYVLALKQELRGAMRQLPYFIRPAVPKRDVERYSDKYQMSGPIDNAIDWNPDWRRLPRELKIRVRKLQKERITILLPKRPPKTTEDKEETIQKLETLEKKEEEVTSEEDEEKEEEEEKEEEEEEEYDEEEHEEETDYIMSYFDNGEDFGGDSDDNMDEAIY
【0037】
ヒト由来CADM1は、cDNAとして、例えば、NCBIアクセッション番号NM_014333.3で登録されている下記の塩基配列(配列番号15)における下線部(130-1458番目)の領域(終始コドン含む)、タンパク質として、例えば、NCBIアクセッション番号NP_055148.3で登録されている下記のアミノ酸配列(配列番号16)があげられる。配列番号15の塩基配列は、配列番号16のアミノ酸配列をコードする配列である。
【0038】
ヒト由来CADM1 cDNA(配列番号15)
5'-GGTTGGGCTCGCGGCGCTGTGATTGGTCTGCCCGGACTCCGCCTCCAGCGCATGTCATTAGCATCTCATTAGCTGTCCGCTCGGGCTCCGGAGGCAGCCAACGCCGCCAGTCTGAGGCAGGTGCCCGACATGGCGAGTGTAGTGCTGCCGAGCGGATCCCAGTGTGCGGCGGCAGCGGCGGCGGCGGCGCCTCCCGGGCTCCGGCTCCGGCTTCTGCTGTTGCTCTTCTCCGCCGCGGCACTGATCCCCACAGGTGATGGGCAGAATCTGTTTACGAAAGACGTGACAGTGATCGAGGGAGAGGTTGCGACCATCAGTTGCCAAGTCAATAAGAGTGACGACTCTGTGATTCAGCTACTGAATCCCAACAGGCAGACCATTTATTTCAGGGACTTCAGGCCTTTGAAGGACAGCAGGTTTCAGTTGCTGAATTTTTCTAGCAGTGAACTCAAAGTATCATTGACAAACGTCTCAATTTCTGATGAAGGAAGATACTTTTGCCAGCTCTATACCGATCCCCCACAGGAAAGTTACACCACCATCACAGTCCTGGTCCCACCACGTAATCTGATGATCGATATCCAGAAAGACACTGCGGTGGAAGGTGAGGAGATTGAAGTCAACTGCACTGCTATGGCCAGCAAGCCAGCCACGACTATCAGGTGGTTCAAAGGGAACACAGAGCTAAAAGGCAAATCGGAGGTGGAAGAGTGGTCAGACATGTACACTGTGACCAGTCAGCTGATGCTGAAGGTGCACAAGGAGGACGATGGGGTCCCAGTGATCTGCCAGGTGGAGCACCCTGCGGTCACTGGAAACCTGCAGACCCAGCGGTATCTAGAAGTACAGTATAAGCCTCAAGTGCACATTCAGATGACTTATCCTCTACAAGGCTTAACCCGGGAAGGGGACGCGCTTGAGTTAACATGTGAAGCCATCGGGAAGCCCCAGCCTGTGATGGTAACTTGGGTGAGAGTCGATGATGAAATGCCTCAACACGCCGTACTGTCTGGGCCCAACCTGTTCATCAATAACCTAAACAAAACAGATAATGGTACATACCGCTGTGAAGCTTCAAACATAGTGGGGAAAGCTCACTCGGATTATATGCTGTATGTATACGATCCCCCCACAACTATCCCTCCTCCCACAACAACCACCACCACCACCACCACCACCACCACCACCATCCTTACCATCATCACAGATTCCCGAGCAGGTGAAGAAGGCTCGATCAGGGCAGTGGATCATGCCGTGATCGGTGGCGTCGTGGCGGTGGTGGTGTTCGCCATGCTGTGCTTGCTCATCATTCTGGGGCGCTATTTTGCCAGACATAAAGGTACATACTTCACTCATGAAGCCAAAGGAGCCGATGACGCAGCAGACGCAGACACAGCTATAATCAATGCAGAAGGAGGACAGAACAACTCCGAAGAAAAGAAAGAGTACTTCATCTAGATCAGCCTTTTTGTTTCAATGAGGTGTCCAACTGGCCCTATTTAGATGATAAAGAGACAGTGATATTGGAACTTGCGAGAAATTCGTGTGTTTTTTTATGAATGGGTGGAAAGGTGTGAGACTGGGAAGGCTTGGGATTTGCTGTGTAAAAAAAAAAAAAATGTTCTTTGGAAAGTACACTCTGCTGTTTGACACCTCTTTTTTCGTTTGTTTGTTTGTTTAATTTTTATTTCTTCCTACCAAGTCAAACTTGGATACTTGGATTTAGTTTCAGTAGATTGCAGAAAATTCTGTGCCTTGTTTTTTGTTTGTTTGTTGCGTTCCTTTCTTTTCCCCCTTTGTGCACATTTATTTCCTCCCTCTACCCCAATTTCGGATTTTTTCCAAAATCTCCCATTTTGGAATTTGCCTGCTGGGATTCCTTAGACTCTTTTCCTTCCCTTTTCTGTTCTAGTTTTTTACTTTTGTTTATTTTTATGGTAACTGCTTTCTGTTCCAAATTCAGTTTCATAAAAGGAGAACCAGCACAGCTTAGATTTCATAGTTCAGAATTTAGTGTATCCATAATGCATTCTTCTCTGTTGTCGTAAAGATTTGGGTGAACAAACAATGAAAACTCTTTGCTGCTGCCCATGTTTCAAATACTTAGAGCAGTGAAGACTAGAAAATTAGACTGTGATTCAGAAAATGTTCTGTTTGCTGTGGAACTACATTACTGTACAGGGTTATCTGCAAGTGAGGTGTGTCACAATGAGATTGAATTTCACTGTCTTTAATTCTGTATCTGTAGACGGCTCAGTATAGATACCCTACGCTGTCCAGAAAGGTTTGGGGCAGAAAGGACTCCTCCTTTTTCCATGCCCTAAACAGACCTGACAGGTGAGGTCTGTTCCTTTTATATAAGTGGACAAATTTTGAGTTGCCACAGGAGGGGAAGTAGGGAGGGGGGAAATACAGTTCTGCTCTGGTTGTTTCTGTTCCAAATGATTCCATCCACCTTTCCCAATCGGCCTTACTTCTCACTAATTTGTAGGAAAAAGCAAGTTCGTCTGTTGTGCGAATGACTGAATGGGACAGAGTTGATTTTTTTTTTTTTTTCCTTTGTGCTTAGTTAGGAAGGCAGTAGGATGTGGCCTGCATGTACTGTATATTACAGATATTTGTCATGCTGGGATTTCCAACTCGAATCTGTGTGAAACTTTCATTCCTTCAGATTTGGCTTGACAAAGGCAGGAGGTACAAAAGAAGGGCTGGTATTGTTCTCACACTGGTCTGCTGTCGCTCTCAGTTCTCGATAGGTCAGAGCAGAGGTGGAAAAACAGCATGTACGGATTTTCAGTTACTTAATCAAAACTCAAATGTGAGTGTTTTTATCTTTTTACCTTTCATACACTAGCCTTGGCCTCTTTCCTCAGCCTTAAGAACCATCTGCCAAAAATTACTGATCCTCGCATGATGGCAGCCATAGTGCATAGCTACTAAAATCAGTGACCTTGAACATATCTTAGATGGGGAGCCTCGGGAAAAGGTAGAGGAGTCACGTTACCATTTACATGTTTTAAAGAAAGAAGTGTGGGGATTTTCACTGAAACGTCTAGGAAATCTAGAAGTAGTCCTGAAGGACAGAAACTAAACTCTTACCATATGTTTGGTAAGACTCCAGACTCCAGCTAACAGTCCCTATGGAAAGATGGCATCAAAAAAGATAGATCTATATATATATATAAATATATATTCTATTACATTTTCAGTGAGTAATTTTGGATTTTGCAAGGTGCATTTTTACTATTGTTACATTATGTGGAAAACTTATGCTGATTTATTTAAGGGGGAAAAAGTGTCAACTCTTTGTTATTTGAAAACATGTTTATTTTTCTTGTCTTTATTTTAACCTTTGATAGAACCATTGCAATATGGGGGCCTTTTGGGAACGGACTGGTATGTAAAAGAAAATCCATTATCGAGCAGCATTTTATTTACCCCTCCCCTATCCCTAGGCACTTAACCAAGACAAAAAGCCACAATGAACATCCCTTTTTCAATGAATTTTATAATCTGCAGCTCTATTCCGAGCCCTTAGCACCCATTCCGACCATAGTATAATCATATCAAAGGGTGAGAATCATTTAGCATGTTGTTGAAAGGTTTTTTTTCAGTTGTTCTTTTTAGAAAAAAAGAAAAACAAAAACAAAAACAAAAAAAAAAAATCACACCATTGCTCACAGAATTGGCATCTCATTTTTGGGACCTCCCATCTTTCTGTTTTGAAAAGTGTACAGTAGTGCAGTGTTCCTGATGTAACTTTATGGCTTACAATGTTGACATGTCTCAGGTTCATGTGTTGCGATTGGTGTTTTCCGTCTCAGGTAGATTGCAAAGTGTAGGCCCCACACATTGGAAAAAATAATAATAAAACAAAGCAAAAACAGGAAATTATGGATTTTAGTTGTATATTGGTTTATGTATTTTTTCTTAAGTATACAGTGCACTGTTTGAAATGTATTGTTGAGTATTACTTTGTACAGGTTGATCACTTTTTTTAGAGTGAAGAAAGAACAAACTTGTTTTTTGTGTTTTTTAAAGGAATATAAAATAATGAAGGATGTATAATTGATGCCAAATAAGCTTGTTCTTTAGTCACACCGACGTCTTATTTTTCCCTTTAGGCCAGTTCTGTTTTTAAGGTGTACATGGACAATGTTACAGTGTAAGAAACTCCATATCCATATGTTCCCATTCGCATTTTGTATTGGTTCATGTATACCATTTTTACAAAAAAAAAAAGAAAAAAAAGAAGTACTATAAAATATCTGTCTTCTTAATAAAAAAAAATTAATGTTACAAAGTGAAAAAAAAAAAAAAAAAA-3'
【0039】
ヒト由来CADM1 タンパク質(配列番号16)
MASVVLPSGSQCAAAAAAAAPPGLRLRLLLLLFSAAALIPTGDGQNLFTKDVTVIEGEVATISCQVNKSDDSVIQLLNPNRQTIYFRDFRPLKDSRFQLLNFSSSELKVSLTNVSISDEGRYFCQLYTDPPQESYTTITVLVPPRNLMIDIQKDTAVEGEEIEVNCTAMASKPATTIRWFKGNTELKGKSEVEEWSDMYTVTSQLMLKVHKEDDGVPVICQVEHPAVTGNLQTQRYLEVQYKPQVHIQMTYPLQGLTREGDALELTCEAIGKPQPVMVTWVRVDDEMPQHAVLSGPNLFINNLNKTDNGTYRCEASNIVGKAHSDYMLYVYDPPTTIPPPTTTTTTTTTTTTTILTIITDSRAGEEGSIRAVDHAVIGGVVAVVVFAMLCLLIILGRYFARHKGTYFTHEAKGADDAADADTAIINAEGGQNNSEEKKEYFI
【0040】
ヒト由来RNF128は、cDNAとして、例えば、NCBIアクセッション番号NM_194463.2で登録されている下記の塩基配列(配列番号17)における下線部(214-1500)番目の領域(終始コドン含む)、タンパク質として、例えば、NCBIアクセッション番号NP_919445.1で登録されている下記のアミノ酸配列(配列番号18)があげられる。配列番号17の塩基配列は、配列番号18のアミノ酸配列をコードする配列である。
【0041】
ヒト由来RNF128 cDNA(配列番号17)
5'-GCGGTAGCGGAGAAGACTGGAGCTCCGAGGAGCTGCATCTGCGGCAACCTGTGTGCTGACGCTACGTGCCTCCTGGCTCCGACGTAGCTCGCAGCTCCCCAGTCTCACTCCATTCCTTCCCCACCTGGCGCGCACCTGCTCAAGACCAGGGTCCTGCCAAGCGCTAGGAGGGCGCGTGCCAGGGGCGCTAGGGAACTGCGGAGCGCGCGCGCCATGGGGCCGCCGCCTGGGGCCGGGGTCTCCTGCCGCGGTGGCTGCGGCTTTTCCAGATTGCTGGCATGGTGCTTCCTGCTGGCCCTGAGTCCGCAGGCACCCGGTTCCCGGGGGGCTGAAGCAGTGTGGACCGCGTACCTCAACGTGTCCTGGCGGGTTCCGCACACGGGAGTGAACCGTACGGTGTGGGAGCTGAGCGAGGAGGGCGTGTACGGCCAGGACTCGCCGCTGGAGCCTGTGGCTGGGGTCCTGGTACCGCCCGACGGGCCCGGGGCGCTTAACGCCTGTAACCCGCACACGAATTTCACGGTGCCCACGGTTTGGGGAAGCACCGTGCAAGTCTCTTGGTTGGCCCTCATCCAACGCGGCGGGGGCTGCACCTTCGCAGACAAGATCCATCTGGCTTATGAGAGAGGGGCGTCTGGAGCCGTCATCTTTAACTTCCCCGGGACCCGCAATGAGGTCATCCCCATGTCTCACCCGGGTGCAGTAGACATTGTTGCAATCATGATCGGCAATCTGAAAGGCACAAAAATTCTGCAATCTATTCAAAGAGGCATACAAGTGACAATGGTCATAGAAGTAGGGAAAAAACATGGCCCTTGGGTGAATCACTATTCAATTTTTTTCGTTTCTGTGTCCTTTTTTATTATTACGGCGGCAACTGTGGGCTATTTTATCTTTTATTCTGCTCGAAGGCTACGGAATGCAAGAGCTCAAAGCAGGAAGCAGAGGCAATTAAAGGCAGATGCTAAAAAAGCTATTGGAAGGCTTCAACTACGCACACTGAAACAAGGAGACAAGGAAATTGGCCCTGATGGAGATAGTTGTGCTGTGTGCATTGAATTGTATAAACCAAATGATTTGGTACGCATCTTAACGTGCAACCATATTTTCCATAAGACATGTGTTGACCCATGGCTGTTAGAACACAGGACTTGCCCCATGTGCAAATGTGACATACTCAAAGCTTTGGGAATTGAGGTGGATGTTGAAGATGGATCAGTGTCTTTACAAGTCCCTGTATCCAATGAAATATCTAATAGTGCCTCCTCCCATGAAGAGGATAATCGCAGCGAGACCGCATCATCTGGATATGCTTCAGTACAGGGAACAGATGAACCGCCTCTGGAGGAACACGTGCAGTCAACAAATGAAAGTCTACAGCTGGTAAACCATGAAGCAAATTCTGTGGCAGTGGATGTTATTCCTCATGTTGACAACCCAACCTTTGAAGAAGACGAAACTCCTAATCAAGAGACTGCTGTTCGAGAAATTAAATCTTAAAATCTGTGTAAATAGAAAACTTGAACCATTAGTAATAACAGAACTGCCAATCAGGGCCTAGTTTCTATTAATAAATTGGATAAATTTAATAAAATAAGAGTGATACTGAAAGTGCTCAGATGACTAATATTATGCTATAGTTAAATGGCTTAAAATATTTAACCTGTTAACTTTTTTCCACAAACTCATTATAATATTTTTCATAGGCAAGTTTCCTCTCAGTAGTGATAACAACATTTTTAGACATTCAAAACTGTCTTCAAGAAGTCACGTTTTTCATTTATAACAATTTTCTTATAAAAACATGTTGCTTTTAAAATGTGGAGTAGCTGTAATCACTTTATTTTATGATAGTATCTTAATGAAAAATACTACTTCTTTAGCTTGGGCTACATGTGTCAGGGTTTTTCTCCAGGTGCTTATATTGATCTGGAATTGTAATGTAAAAAGCAATGCAAACTTAGGCGAGTACTTCTTGAAATGTCTATTTAAGCTGCTTTAAGTTAATAGAAAAGATTAAAGCAAAATATTCATTTTTACTTTTTCTTATTTTTAAAATTAGGCTGAATGTACTTCATGTGATTTGTCAACCATAGTTTATCAGAGATTATGGACTTAATTGATTGGTATATTAGTGACATCAACTTGACACAAGATTAGACAAAAAATTCCTTACAAAAATACTGTGTAACTATTTCTCAAACTTGTGGGATTTTTCAAAAGCTCAGTATATGAATCATCATACTGTTTGAAATTGCTAATGACAGAGTAAGTAACACTAATATTGGTCATTGATCTTCGTTCATGAATTAGTCTACAGAAAAAAAATGTTCTGTAAAATTAGTCTGTTGAAAATGTTTTCCAAACAATGTTACTTTGAAAATTGAGTTTATGTTTGACCTAAATGGGCTAAAATTACATTAGATAAACTAAAATTCTGTCCGTGTAACTATAAATTTTGTGAATGCATTTTCCTGGTGTTTGAAAAAGAAGGGGGGGAGAATTCCAGGTGCCTTAATATAAAGTTTGAAGCTTCATCCACCAAAGTTAAATAGAGCTATTTAAAAATGCACTTTATTTGTACTCTGTGTGGCTTTTGTTTTAGAATTTTGTTCAAATTATAGCAGAATTTAGGCAAAAATAAAACAGACATGTATTTTTGTTTGCTGAATGGATGAAACCATTGCATTCTTGTACACTGATTTGAAATGCTGTAAATATGTCCCAATTTGTATTGATTCTCTTTAAATATAAAATGTAAATAAAATATTCCAATAAAAGTTTGTGTCTGGTGTTAGTTTAA-3'
【0042】
ヒト由来RNF128 タンパク質(配列番号18)
MGPPPGAGVSCRGGCGFSRLLAWCFLLALSPQAPGSRGAEAVWTAYLNVSWRVPHTGVNRTVWELSEEGVYGQDSPLEPVAGVLVPPDGPGALNACNPHTNFTVPTVWGSTVQVSWLALIQRGGGCTFADKIHLAYERGASGAVIFNFPGTRNEVIPMSHPGAVDIVAIMIGNLKGTKILQSIQRGIQVTMVIEVGKKHGPWVNHYSIFFVSVSFFIITAATVGYFIFYSARRLRNARAQSRKQRQLKADAKKAIGRLQLRTLKQGDKEIGPDGDSCAVCIELYKPNDLVRILTCNHIFHKTCVDPWLLEHRTCPMCKCDILKALGIEVDVEDGSVSLQVPVSNEISNSASSHEEDNRSETASSGYASVQGTDEPPLEEHVQSTNESLQLVNHEANSVAVDVIPHVDNPTFEEDETPNQETAVREIKS
【0043】
ヒト由来ATP6V1B1は、cDNAとして、例えば、NCBIアクセッション番号NM_001692.4で登録されている下記の塩基配列(配列番号19)における下線部(56-1597)番目の領域(終始コドン含む)、タンパク質として、例えば、NCBIアクセッション番号NP_001683.2で登録されている下記のアミノ酸配列(配列番号20)があげられる。配列番号19の塩基配列は、配列番号20のアミノ酸配列をコードする配列である。
【0044】
ヒト由来ATP6V1B1 cDNA(配列番号19)
5'-AGAGCTGCCACCAGCAGCAGGCTCAGACACTGGGCTCCCAGCTGGGGACTGCTCCATGGCCATGGAGATAGACAGCAGGCCTGGGGGGCTCCCCGGCAGTAGCTGCAACCTAGGTGCAGCCCGAGAACACATGCAGGCGGTCACCCGAAACTACATCACCCACCCCCGTGTCACCTACAGGACTGTGTGCAGCGTGAACGGGCCCCTGGTGGTGCTGGACCGGGTCAAGTTTGCCCAGTATGCGGAGATCGTCCACTTCACCCTCCCAGATGGGACTCAGAGGAGCGGGCAGGTGCTTGAGGTGGCTGGCACCAAGGCGATTGTTCAGGTGTTTGAAGGGACATCAGGGATCGATGCCAGGAAGACCACTTGCGAATTTACAGGGGACATCCTACGAACTCCGGTGTCAGAGGACATGCTGGGTCGGGTTTTCAATGGCTCCGGCAAGCCCATTGACAAGGGGCCAGTGGTCATGGCGGAGGACTTTCTGGATATCAATGGCCAGCCCATCAACCCGCACTCCCGCATCTACCCCGAGGAGATGATTCAGACGGGCATTTCTCCTATTGACGTCATGAACAGCATTGCCCGCGGCCAGAAGATCCCCATCTTCTCAGCAGCCGGGCTCCCCCACAATGAGATTGCCGCTCAGATCTGCCGCCAGGCGGGGCTGGTGAAGAAGTCCAAGGCTGTGCTGGATTACCATGACGACAACTTCGCCATCGTCTTTGCAGCCATGGGGGTGAACATGGAGACAGCCAGATTCTTCAAGTCTGACTTTGAGCAGAATGGAACCATGGGGAACGTCTGCCTCTTCCTGAACTTGGCCAATGACCCCACGATCGAGCGGATCATCACCCCGCGCCTGGCGCTGACCACTGCTGAATTCCTTGCCTACCAGTGTGAGAAGCATGTGCTGGTCATACTGACGGACATGAGTTCCTATGCAGAGGCCTTGCGGGAGGTCTCTGCTGCTAGAGAGGAGGTGCCTGGGCGCCGAGGGTTTCCTGGATATATGTACACAGACCTGGCCACCATCTACGAGCGGGCGGGCCGCGTGGAGGGTCGGGGAGGATCCATCACACAGATCCCCATCCTCACCATGCCCAACGACGATATCACCCACCCTATCCCAGACTTGACGGGCTTCATCACAGAGGGACAGATCTACGTGGACAGACAGCTTCACAACAGACAGATCTACCCCCCCATCAACGTGCTCCCTTCCCTGTCGCGGCTGATGAAGTCAGCCATTGGGGAAGGCATGACAAGAAAGGACCATGGAGATGTCTCCAACCAGCTGTACGCCTGCTATGCCATCGGGAAGGACGTGCAGGCCATGAAGGCAGTAGTTGGGGAGGAGGCGCTCACCTCTGAGGACCTGCTCTACCTGGAATTCCTGCAGAAGTTTGAGAAGAACTTCATCAATCAGGGCCCCTACGAGAACCGCTCGGTGTTCGAGTCGCTGGACCTGGGCTGGAAGCTGCTGCGCATCTTCCCCAAGGAGATGCTGAAGCGCATTCCGCAGGCCGTGATCGACGAGTTCTATTCCCGCGAGGGGGCGCTGCAGGACCTCGCGCCTGACACTGCGCTCTAGCCCCGCGCGCCGTGGCACCCCAACACCGGCAGGGAACCTACCCTCGGCTCCCGGGTCTCCCCTCCCTCGCCACCCCAACCAGCGGCTTCTGCGCCGCCCTCCGCCCTCCGCTGGCTCCGAGGTGGTGGGGGCGCCGCACGCTCCATCCCTTTCCCTCGCTCGATTCCTTTTCCCGCGCTCCATGCCTCCCCCTCGACTCCCGGTGCTGCGGAAGAACTGAAGGTTGCGATGCCTTACTCTGACGGGAGCATCTGTATTTTTATGTTAAAAGCCCACAAAATAAAAATAAAAAGTAACTGAGATGAATTTA-3'
【0045】
ヒト由来ATP6V1B1 タンパク質(配列番号20)
MAMEIDSRPGGLPGSSCNLGAAREHMQAVTRNYITHPRVTYRTVCSVNGPLVVLDRVKFAQYAEIVHFTLPDGTQRSGQVLEVAGTKAIVQVFEGTSGIDARKTTCEFTGDILRTPVSEDMLGRVFNGSGKPIDKGPVVMAEDFLDINGQPINPHSRIYPEEMIQTGISPIDVMNSIARGQKIPIFSAAGLPHNEIAAQICRQAGLVKKSKAVLDYHDDNFAIVFAAMGVNMETARFFKSDFEQNGTMGNVCLFLNLANDPTIERIITPRLALTTAEFLAYQCEKHVLVILTDMSSYAEALREVSAAREEVPGRRGFPGYMYTDLATIYERAGRVEGRGGSITQIPILTMPNDDITHPIPDLTGFITEGQIYVDRQLHNRQIYPPINVLPSLSRLMKSAIGEGMTRKDHGDVSNQLYACYAIGKDVQAMKAVVGEEALTSEDLLYLEFLQKFEKNFINQGPYENRSVFESLDLGWKLLRIFPKEMLKRIPQAVIDEFYSREGALQDLAPDTAL
【0046】
本発明のがんマーカーは、例えば、よりマーカーとしての精度が高いことから、抗ヒト由来HIRIP3抗体、抗ヒト由来FNDC11抗体、抗ヒト由来SLC1A3抗体、および抗ヒト由来TMEM33抗体からなる群から選択される少なくとも1つの抗体を含むことが好ましく、抗ヒト由来HIRIP3抗体を含むことがより好ましい。
【0047】
本発明のがんマーカーは、1種類を用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。後者の場合、本発明のがんマーカーの組合せは、特に制限されず、任意のがんマーカーの組合せとできる。具体例として、本発明のがんマーカーの組合せは、よりマーカーとしての精度が高いことから、抗ヒト由来HIRIP3抗体、抗ヒト由来FNDC11抗体、抗ヒト由来SLC1A3抗体、および抗ヒト由来TMEM33抗体を含むことが好ましい。
【0048】
前記本発明の抗体および抗原タンパク質は、がんマーカーとして使用でき、具体的には、例えば、乳がん、卵巣がん、膵がん、肝臓がん、胆管がん、大腸がん、結腸がん、直腸がん、胃がん、口腔がん、肺がんのがんマーカーとして使用でき、より精度よく検出できることから乳がんマーカーとして使用することが好ましい。前記がんは、乳がんが好ましい。前記乳がんは、特に制限されず、例えば、乳管がん、小葉がん等があげられる。本発明のがんマーカーによれば、例えば、原発巣のがんおよび転移がんのいずれであっても試験できる。
【0049】
本発明のマーカーは、例えば、前記本発明の抗体および抗原タンパク質でもよいし、前記本発明の抗体および抗原タンパク質の遺伝子から転写されたmRNAでもよい。
【0050】
(がんの罹患危険度の試験方法)
本発明のがんの罹患危険度の試験方法は、前述のように、被検者の生体試料におけるがんマーカーの発現量を測定する工程(測定工程)を含み、前記がんマーカーが、前記本発明のがんマーカーを含むことを特徴とする。本発明は、がんマーカーとして、前記本発明の抗体および抗原タンパク質の発現量を測定することが特徴であって、その他の工程および条件は、特に制限がない。本発明の試験方法は、前記本発明のがんマーカーの説明を援用できる。
【0051】
本発明の試験方法によれば、例えば、がんの発症の可能性、がんの発症の有無(がん化しているか否か)、がんの進行度および予後の状態等を評価できる。対象となるがんは、前述のように、例えば、乳がん、卵巣がん、膵がん、肝臓がん、胆管がん、大腸がん、結腸がん、直腸がん、胃がん、口腔がん、肺がん等があげられ、より精度よく検出できることから、乳がんが好ましい。また、本発明の試験方法によれば、例えば、原発巣のがん、転移がんのいずれであっても試験できる。
【0052】
本発明の試験方法において、前記被検者は、例えば、ヒト、ヒトを除く非ヒト動物等があげられ、前記非ヒト動物は、前述のように、例えば、マウス、ラット、イヌ、サル、ウサギ、ヒツジ、ウマ等の哺乳類があげられる。
【0053】
本発明の試験方法において、前記生体試料の種類は、特に制限されず、例えば、生体から分離した、体液、体液由来細胞、器官、組織または細胞等があげられる。前記体液は、例えば、血液試料があげられ、具体例として、例えば、全血、血清、血漿等があげられる。前記体液由来細胞は、例えば、血液由来細胞があげられ、具体的には、血球、白血球、リンパ球等の血球細胞があげられる。前記生体試料は、例えば、試験対象のがんの種類に応じて、適宜決定できる。前記生体試料は、例えば、試験対象のがんが発生しうる器官由来である。前記器官は、例えば、乳房、卵巣、膵臓、肝臓、胆管、大腸、結腸、直腸、胃、口腔細胞、肺等である。具体例として、前記がんが乳がんの場合、例えば、乳腺、乳管等の乳房由来の組織または細胞が好ましい。また、本発明の試験方法によれば、例えば、がんを血液中の前記本発明のがんマーカーの発現量によって試験できる。このため、例えば、患者や医師の負担を軽減できることから、前記生体試料は、全血、血清、または血漿が好ましく、より好ましくは、血清または血漿である。
【0054】
前記測定工程におけるがんマーカーの発現量の測定は、例えば、前記生体試料における本発明のがんマーカーの有無の分析(定性分析)でもよいし、前記がんマーカーの量の分析(定量分析)でもよい。
【0055】
前記測定工程において測定対象のがんマーカーは、前記本発明のがんマーカーであり、具体的には、抗HIRIP3抗体、HIRIP3、抗FNDC11抗体、FNDC11、抗SLC1A3抗体、SLC1A3、抗TMEM33抗体、TMEM33、抗ABCF1抗体、ABCF1、抗CFDP1抗体、CFDP1、抗POLR3GL抗体、POLR3GL、抗CADM1抗体、CADM1、抗RNF128抗体、RNF128、抗ATP6V1B1抗体、およびATP6V1B1からなる群から選択される少なくとも1つである。前記がんマーカーは、例えば、よりマーカーとしての精度が高いことから、抗ヒト由来HIRIP3抗体、抗ヒト由来FNDC11抗体、抗ヒト由来SLC1A3抗体、および抗ヒト由来TMEM33抗体からなる群から選択される少なくとも1つの抗体を含むことが好ましく、抗ヒト由来HIRIP3抗体を含むことがより好ましい。
【0056】
前記がんマーカーは、1種類を用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。後者の場合、本発明のがんマーカーの組合せは、特に制限されず、任意のがんマーカーの組合せとできる。具体例として、本発明のがんマーカーの組合せは、よりマーカーとしての精度が高いことから、抗ヒト由来HIRIP3抗体、抗ヒト由来FNDC11抗体、抗ヒト由来SLC1A3抗体、および抗ヒト由来TMEM33抗体を含むことが好ましい。
【0057】
測定対象である前記本発明のがんマーカーの発現は、前記本発明の抗体および/または抗原タンパク質の発現でもよいし、これらの遺伝子のmRNAの発現でもよい。前記測定工程では、例えば、前記生体試料について、前記抗体および/または抗原タンパク質を測定してもよいし、これらの遺伝子のmRNAを測定してもよいし、両方を測定してもよい。各種がんマーカーの測定方法は、特に制限されず、公知の方法が採用できる。具体例として、前記mRNA発現の測定方法は、例えば、逆転写(Reverse transcription:RT)-PCR法等の逆転写反応を利用した遺伝子増幅法等があげられる。具体的には、例えば、mRNAから逆転写反応でcDNAを合成し、前記cDNAを鋳型として遺伝子増幅する方法である。また、前記タンパク質発現の測定方法は、例えば、化学発光酵素免疫測定法(CLEIA)等の免疫抗体法、ELISA法、フローサイトメトリーおよびウエスタンブロット法等があげられる。
【0058】
本発明の試験方法は、さらに、前記被検者の生体試料(以下、「被検生体試料」ともいう)における本発明のがんマーカーの発現量を、基準値と比較することにより、前記被検者のがんの罹患危険度を試験する工程(試験工程)を含んでもよい。前記基準値は、特に制限されず、例えば、健常者、がん患者および進行ステージごとのがん患者の本発明のがんマーカーの発現量等があげられる。予後の評価の場合、前記基準値は、例えば、同じ被検者の治療後(例えば、治療直後)の本発明のがんマーカーの発現量であってもよい。
【0059】
前記基準値は、例えば、前述のような、健常者および/またはがん患者から単離した生体試料(以下、「基準生体試料」ともいう)を用いて、得ることができる。また、予後の評価の場合、例えば、同じ被検者から治療後に単離した基準生体試料を用いてもよい。前記基準値は、例えば、前記被検者の被検生体試料と同時に測定してもよいし、予め測定してもよい。後者の場合、例えば、前記被検者の被検生体試料を測定する度に、基準値を得ることが不要となるため、好ましい。前記被検者の被検生体試料と前記基準生体試料は、例えば、同じ条件で採取し、同じ条件で本発明のがんマーカーの測定を行うことが好ましい。
【0060】
前記試験工程において、被検者のがんの罹患危険度の評価方法は、特に制限されず、前記基準値の種類によって適宜決定できる。具体例として、前記被検者の被検生体試料における本発明のがんマーカーの発現量が、前記健常者の基準生体試料における本発明のがんマーカーの発現量よりも有意に高い場合、前記がん患者の基準生体試料における本発明のがんマーカーの発現量と同じ場合(有意差がない場合)、および/または、前記がん患者の基準生体試料における本発明のがんマーカーの発現量よりも有意に高い場合、前記被検者は、がんに罹患する危険性があるまたは危険性が高いと評価できる。また、前記被検者の被検生体試料における本発明のがんマーカーの発現量が、前記健常者の基準生体試料における本発明のがんマーカーの発現量と同じ場合(有意差が無い場合)、前記健常者の基準生体試料における本発明のがんマーカーの発現量よりも有意に低い場合、および/または、前記がん患者の基準生体試料における本発明のがんマーカーの発現量よりも有意に低い場合、前記被検者は、がんに罹患する危険性が無いまたは危険性が低いと評価できる。また、前記試験工程において、前記被検者の被検生体試料における本発明のがんマーカーの発現量を、前記進行ステージごとのがん患者の基準生体試料における本発明のがんマーカーの発現量と比較することで、がんの進行度を評価できる。具体的には、前記被検者の被検生体試料が、例えば、いずれかの進行ステージの前記基準生体試料と同程度の発現量の場合(有意差がない場合)、前記被検者は、前記進行ステージの可能性があると評価できる。
【0061】
前記試験工程において、予後の状態を評価する場合、例えば、前述と同様に評価判断してもよいし、基準値として、同じ被検者の治療後の基準生体試料における本発明のがんマーカーの発現量を使用して評価することもできる。具体例として、前記被検者の被検生体試料における本発明のがんマーカーの発現量が、前記基準値よりも有意に高い場合、前記被検者は、前記治療後、再発または悪化の危険性があると評価できる。また、前記被検者の被検生体試料における本発明のがんマーカーの発現量が、前記基準値と同じ場合(有意差がない場合)、および/または、前記基準値よりも有意に低い場合、前記被検者は、前記治療後、再発の危険性が無いもしくは危険性が低いと評価できる。
【0062】
本発明において、例えば、同じ被検者の生体試料を経時的に採取し、前記生体試料における本発明のがんマーカー発現量を比較してもよい。これによって、例えば、経時的に発現量が増加すれば、罹患の可能性が高くなった等の判断が可能であり、経時的に発現量が低下すれば、罹患の可能性が低くなったまたは治癒してきた等の判断が可能である。
【0063】
本発明の試験方法は、例えば、前記試験工程において、がんに罹患する危険性があるまたは危険性が高いと評価された被検者、治療後に再発または悪化の危険性があると評価された被検者に対し、さらに、がんの治療薬を投与する工程(投与工程)を含んでもよい。この場合、本発明の試験方法は、がんの試験および治療方法ということもできる。
【0064】
前記がん治療薬は、特に制限されず、前記がんの種類に応じて、適宜決定できる。前記がんが乳がんの場合、前記乳がん治療薬は、例えば、抗HER2抗体、抗VEGF抗体、抗RANKL抗体等の分子標的薬、トポイソメラーゼ阻害薬、微小管作用薬、アルキル化薬、代謝拮抗薬、白金錯体、ホルモン剤等があげられる。前記がん治療薬の投与条件(投与対象、投与量、投与形態、投与方法等)は、特に制限されず、前記がんの種類に応じて、適宜決定できる。
【0065】
(がんの試験キット)
本発明のがんの試験キットは、前述のように、がんマーカーの発現測定試薬を含み、前記がんマーカーが、前記本発明のがんマーカーを含む。本発明の試験キットによれば、前記本発明のがんの罹患危険度の試験方法を簡便に行える。本発明の試験キットは、がんの罹患危険度の試験を本発明のがんマーカーの発現に基づいて行うことが特徴であり、その他の構成および条件は、特に制限されない。本発明の試験キットは、本発明のがんマーカーの発現が測定できればよく、例えば、前記本発明の試験方法に使用できる。本発明の試験キットは、本発明のがんマーカーおよび試験方法の説明を援用できる。
【0066】
前記発現測定試薬の種類は、特に制限されず、例えば、本発明のがんマーカーの種類に応じて適宜設定できる。前記発現測定試薬は、例えば、本発明の抗体および/または抗原タンパク質の発現測定試薬でもよく、これらの遺伝子のmRNAの発現測定試薬でもよい。
【0067】
本発明の試験キットは、例えば、前記がんマーカーの発現測定試薬のみを含んでもよい。前記発現測定試薬の測定対象のがんマーカーは、前述のように、前記本発明のがんマーカーであり、具体的には、抗HIRIP3抗体、HIRIP3、抗FNDC11抗体、FNDC11、抗SLC1A3抗体、SLC1A3、抗TMEM33抗体、TMEM33、抗ABCF1抗体、ABCF1、抗CFDP1抗体、CFDP1、抗POLR3GL抗体、POLR3GL、抗CADM1抗体、CADM1、抗RNF128抗体、RNF128、抗ATP6V1B1抗体、およびATP6V1B1からなる群から選択される少なくとも1つである。前記がんマーカーは、例えば、よりマーカーとしての精度が高いことから、抗ヒト由来HIRIP3抗体、抗ヒト由来FNDC11抗体、抗ヒト由来SLC1A3抗体、および抗ヒト由来TMEM33抗体からなる群から選択される少なくとも1つの抗体を含むことが好ましく、抗ヒト由来HIRIP3抗体を含むことがより好ましい。
【0068】
前記発現測定試薬の測定対象のがんマーカーは、1種類でもよいし、2種類以上でもよい。後者の場合、前記がんマーカーの組合せは、特に制限されず、任意のがんマーカーの組合せとできる。具体例として、前記がんマーカーの組合せは、よりマーカーとしての精度が高いことから、抗ヒト由来HIRIP3抗体、抗ヒト由来FNDC11抗体、抗ヒト由来SLC1A3抗体、および抗ヒト由来TMEM33抗体を含むことが好ましい。
【0069】
前記がんマーカーの発現測定試薬の種類は、前記がんマーカーの種類に合わせて適宜設定できる。
【0070】
前記がんマーカーが、前記本発明の抗体(抗HIRIP3抗体、抗FNDC11抗体、抗SLC1A3抗体、抗TMEM33抗体、抗ABCF1抗体、抗CFDP1抗体、抗POLR3GL抗体、抗CADM1抗体、抗RNF128抗体、および/または抗ATP6V1B1抗体)である場合、前記発現測定試薬は、前記本発明の抗体が結合可能な抗原タンパク質またはその部分配列からなるペプチド(前記がんマーカーに対応する抗原)と、前記本発明の抗体を検出可能な検出試薬を含んでもよい。
【0071】
この場合、前記検出試薬は、例えば、前記測定方法の種類に応じて、アルカリフォスファターゼ(ALP)、ルシフェラーゼ等の酵素;放射性同位元素;粒子、蛍光タンパク質等の蛍光物質;色素物質等の色素;発光物質;電子供与体;酵素の発色基質;DNP(ジニトロフェノール)、TNP(トリニトロフェノール)等のハプテン、ビオチン等のビタミン類;等の標識で標識化してもよい。前記粒子は、例えば、金、銀等の金属粒子、着色ラテックス粒子等のラテックス粒子、および磁性粒子等があげられる。前記磁性粒子としては、例えば、タンパク質が固相化された固相化磁性粒子があげられ、具体例として、例えば、高DNP抗体が固相化された高DNP抗体磁性粒子、ストレプトアビジン(StAvi)が固相化されたStAvi固相化磁性粒子等があげられる。また、前記検出試薬は、例えば、前記検出方法の種類に応じて、酵素の基質、二価鉄(Fe2+)等の還元剤等と併用してもよい。前記酵素の基質は、特に制限されず、前記酵素に応じて適宜設定できる。具体例として、前記酵素としてALPを使用する場合、前記酵素の基質は、例えば、CDP-Star(登録商標)、NBT等があげられる。
【0072】
前記本発明の抗体を検出する検出試薬は、例えば、本発明の抗体を認識する抗体であってもよい。前記検出試薬が抗体の場合、例えば、前記本発明の抗体に結合する一次抗体のみを使用してもよいし、前記本発明の抗体に結合する一次抗体と前記一次抗体に結合する二次抗体(結合検出試薬)とを併用してもよい。前者の場合、本発明の試験キットは、例えば、前記本発明の抗体に対する一次抗体の結合を検出することにより、前記本発明の抗体と、前記がんマーカーに対応する抗原と、前記一次抗体との複合体を検出できる。後者の場合、本発明の試験キットは、例えば、前記本発明の抗体に結合した一次抗体に対する二次抗体の結合を検出することにより、前記本発明の抗体と、前記がんマーカーに対応する抗原と、前記一次抗体と、前記二次抗体との複合体を検出できる。前記結合の検出は、例えば、前記抗体の標識を検出することにより実施できる。また、前者の場合、前記一次抗体が、例えば、標識化された標識化抗体であることが好ましい。後者の場合、前記二次抗体が、例えば、標識化された標識化抗体であることが好ましい。
【0073】
前記がんマーカーに対応する抗原タンパク質またはその部分配列からなるペプチドは、遊離した状態で使用してもよいし、担体に担持された状態(固定化した状態)で使用してもよい。後者の場合、前記抗原は、例えば、前記その他の成分として前記担体を含む。前記担体は、特に制限されず、例えば、ウェルプレート等のプレート、ビーズ、多孔質体、多孔質膜、フィルタ等のメンブレン等があげられる。前記固定化は、直接的な固定化でもよいし、間接的な固定化でもよい。
【0074】
具体例として、本発明の試験キット(以下、「第1のキット」ともいう)は、例えば、第1の標識および第2の標識で標識化されたがんマーカーに対応する抗原タンパク質またはその部分配列を含む第1の試薬と、前記第1の標識に結合可能な抗体が担体に固定化された第2の試薬と、本発明の抗体に結合可能な抗体(前記一次抗体)が第3の標識で標識化された第3の試薬と、前記第1の標識を含む第4の試薬と、前記第2の標識に結合可能な結合物質が担体に固定化された第5の試薬と、前記第3の標識と反応し、シグナルを発する基質を含む第6の試薬とを含む。前記第1のキットにおいて、前記第1の標識は、好ましくは、DNP、TNP等のハプテンであり、より好ましくは、DNPである。前記第2の標識は、好ましくは、ビオチンである。前記第3の標識は、好ましくは、ALPである。前記第2の試薬における担体は、好ましくは、磁性担体である。前記第4の試薬は、好ましくは、前記第1の標識で標識化された標識物質を含み、より好ましくは、DNPで標識化されたリジンを含む。前記第2の標識に結合可能な結合物質は、好ましくは、ストレプトアビジンである。前記第5の試薬における担体は、好ましくは、磁性担体である。前記第6の試薬における基質は、好ましくは、ALPの基質である。
【0075】
つぎに、前記第2の試薬および前記第5の試薬における担体が磁性担体である場合を例にあげて、前記第1のキットを用いた、前記本発明の抗体を検出方法について説明する。ただし、以下の説明は、前記第1のキットを用いた本発明の抗体の検出方法の一例であり、前記第1のキットの使用法は、以下の説明に限定されない。
【0076】
まず、被検者の生体試料と、前記第1の試薬と前記第2の試薬と前記第3の試薬とを接触させ、前記被検者の生体試料に由来する本発明の抗体と、前記第1の試薬と、前記第2の試薬と、前記第3の試薬との複合体(第1の複合体)を形成する(第1の複合体形成工程)。具体的には、本発明の抗体に対して、前記第1の試薬における抗体および前記第3の試薬の抗体が結合し、さらに、前記第1の試薬における抗体の第1の標識に対して、前記第2の試薬の抗体が結合する。これにより、前記第1の複合体形成工程において、前記第1の複合体を形成できる。
【0077】
つぎに、得られた混合物を磁性体に結合させることで、前記第1の複合体を含む固体画分と、それ以外の液体画分とを固液分離し、前記液体画分を除去する(第1の固液分離工程)。前記第1の固液分離工程後、前記固体画分は、例えば、洗浄液で洗浄してもよい。さらに、前記固体画分を、前記第4の試薬と接触させ、前記第1の複合体から、前記被検者の生体試料に由来する本発明の抗体と、前記第1の試薬と、前記第3の試薬との複合体(第2の複合体)を遊離させる(遊離工程)。前記第2の複合体は、前記第2の試薬における抗体の結合部位に対して、前記第1の試薬における第1の標識と、前記第4の試薬における第1の標識とが競合することにより生じる。前記遊離工程において、添加される前記第4の試薬における第1の標識の分子数は、例えば、前記第1の試薬における第1の標識の分子数より多いことが好ましく、過剰量であることがより好ましい。
【0078】
つぎに、得られた混合物を磁性体に結合させることで、前記第2の複合体を含む液体画分と、それ以外の固体画分とを固液分離し、前記液体画分を回収する(第2の固液分離工程)。さらに、前記液体画分を前記第5の試薬と接触させ、前記被検者の生体試料に由来する本発明の抗体と、前記第1の試薬と、前記第3の試薬と、前記第5の試薬との複合体(第3の複合体)を形成する(第2の複合体形成工程)。前記第3の複合体は、前記第2の複合体における前記第2の標識に対して、前記第5の試薬における結合物質が結合することで形成できる。
【0079】
そして、得られた混合物を磁性体に結合させることで、前記第3の複合体を含む固体画分と、それ以外の液体画分とを固液分離し、前記液体画分を除去する(第3の固液分離工程)。前記第3の固液分離工程後、前記固体画分は、例えば、洗浄液で洗浄してもよい。さらに、前記固体画分を、前記第6の試薬と接触させ、前記第3の複合体における第3の標識と、前記基質とを反応させ、得られたシグナルを検出する(検出工程)。そして、前記シグナルに基づき、前記本発明の抗体の有無または量を検出する。
【0080】
前記がんマーカーが、前記本発明の抗原タンパク質(HIRIP3、FNDC11、SLC1A3、TMEM33、ABCF1、CFDP1、POLR3GL、CADM1、RNF128、および/またはATP6V1B1)である場合、例えば、前記発現測定試薬は、前記抗原タンパク質に結合する物質、および前記抗原タンパク質と前記結合物質の結合を検出する検出試薬を含んでもよい。
【0081】
前記がんマーカーに結合する物質は、前記がんマーカーに結合する物質であれば特に制限されず、例えば、前記がんマーカーを認識する抗体、アプタマー等があげられる。前記がんマーカーを認識する抗体またはアプタマーは、例えば、前記標識化されていてもよい。前記標識化は、前述の説明を援用できる。
【0082】
前記検出試薬が抗体の場合、例えば、前記抗原タンパク質に結合する一次抗体のみを使用してもよいし、前記抗原タンパク質に結合する一次抗体と前記一次抗体に結合する二次抗体(結合検出試薬)とを併用してもよい。前者の場合、前記試験キットは、例えば、前記抗原タンパク質に対する一次抗体の結合を検出することにより、前記本発明の抗原タンパク質と前記一次抗体との複合体を検出できる。後者の場合、前記試験キットは、例えば、前記抗原タンパク質に結合した一次抗体に対する二次抗体の結合を検出することにより、前記抗原タンパク質と、前記一次抗体と、前記二次抗体との複合体を検出できる。前記結合の検出は、例えば、前記抗体の標識を検出することにより実施できる。また、前者の場合、前記一次抗体が、例えば、標識化された標識化抗体であることが好ましい。後者の場合、前記二次抗体が、例えば、標識化された標識化抗体であることが好ましい。
【0083】
前記がんマーカーが、前記本発明の抗体および/または抗原タンパク質の遺伝子である場合、例えば、前記発現測定試薬は、前記mRNAの逆転写試薬および前記mRNAから逆転写されたcDNAの増幅試薬を含んでもよいし、前記mRNAの塩基配列を解読するシークエンス試薬を含んでもよい。前者の場合、具体例として、前記発現測定試薬は、例えば、プライマーがあげられる。前記プライマーは、例えば、本発明のがんマーカーの遺伝子配列に基づいて適宜設計できる。
【0084】
具体例として、本発明の試験キット(以下、「第2のキット」ともいう)は、例えば、第1の標識および第2の標識で標識化された本発明の抗原タンパク質に結合可能な抗体を含む第1の試薬と、前記第1の標識に結合可能な抗体が担体に固定化された第2の試薬と、本発明の抗原タンパク質に結合可能な抗体(前記一次抗体)が第3の標識で標識化された第3の試薬と、前記第1の標識を含む第4の試薬と、前記第2の標識に結合可能な結合物質が担体に固定化された第5の試薬と、前記第3の標識と反応し、シグナルを発する基質を含む第6の試薬とを含む。前記第1のキットにおいて、前記第1の標識は、好ましくは、DNP、TNP等のハプテンであり、より好ましくは、DNPである。前記第2の標識は、好ましくは、ビオチンである。前記第3の標識は、好ましくは、ALPである。前記第2の試薬における担体は、好ましくは、磁性担体である。前記第4の試薬は、好ましくは、前記第1の標識で標識化された標識物質を含み、より好ましくは、DNPで標識化されたリジンを含む。前記第2の標識に結合可能な結合物質は、好ましくは、ストレプトアビジンである。前記第5の試薬における担体は、好ましくは、磁性担体である。前記第6の試薬における基質は、好ましくは、ALPの基質である。前記第2のキットは、例えば、前記第1のキットと同様にして使用できる。
【0085】
本発明の試験キットは、例えば、さらに、その他の構成要素を含んでもよい。前記構成要素は、例えば、前記担体、前記酵素の基質、緩衝液、洗浄液、および磁性粒子と抗体との遊離剤等の試薬、使用説明書等があげられる。前記遊離剤は、例えば、ジニトロフェニル-リジン(DNP-Lys)等があげられる。本発明の試験キットにおける各試薬は、それぞれ、別個の容器に収容されてもよいし、同一の容器に混合または未混合で収容されてもよい。後者の場合、本発明の試験キットは、試験試薬ということもできる。本発明の試験キットが前記基質を含む場合、前記基質は、例えば、前記担体および前記検出試薬と別個の容器に収容されている。
【0086】
本発明の試験キットにおいて、前記試験対象のがんは、特に制限されず、例えば、前記本発明のがんマーカーおよび試験方法の記載を援用できる。前記試験対象のがんは、乳がんが好ましい。
【0087】
(がんマーカーの測定方法)
本発明のがんマーカーの測定方法は、前述のように、被検者の生体試料と、がんマーカーの発現測定試薬とを接触させ、前記生体試料におけるがんマーカーの発現量を測定する工程を含み、前記がんマーカーが、前記本発明のがんマーカーを含む。本発明の測定方法は、被験者の生体試料と、がんマーカーの発現測定試薬とを接触させ、前記生体試料におけるがんマーカーの発現量を測定する工程を含むことが特徴であり、その他の工程および条件は、特に制限されない。本発明の測定方法は、前記本発明のがんマーカー、試験方法および、試験キットの説明を援用できる。
【0088】
(がん治療薬の候補物質のスクリーニング方法)
本発明のスクリーニング方法は、がん治療薬候補物質のスクリーニング方法であって、被検物質から、がんマーカーの発現を抑制する発現抑制物質を、前記治療用候補物質として選択する工程を含み、前記がんマーカーが、前記本発明のがんマーカーを含む。本発明は、前記選択工程において、前記本発明のがんマーカーに基づき、前記治療薬候補物質を選択することが特徴であり、その他の工程および条件は、特に制限されない。本発明のスクリーニング方法は、前記本発明のがんマーカー、試験方法、試験キット、および測定方法の説明を援用できる。
【0089】
前記発現抑制物質は、例えば、前記がんマーカー遺伝子からのmRNAの転写を抑制する物質、転写されたmRNAを切断する物質およびmRNAからのタンパク質の翻訳を抑制する物質等があげられる。具体例としては、例えば、siRNA等のRNA干渉剤、アンチセンス、リボザイム等があげられる。
【0090】
前記被験物質は、特に制限されず、例えば、低分子化合物、ペプチド、タンパク質および核酸からなる群から選択された少なくとも1つである。
【0091】
本発明の前記発現抑制物質のスクリーニング方法は、例えば、本発明がんマーカーの発現系に前記被検物質を共存させて、本発明のがんマーカーを発現させる工程(発現工程)と、前記発現系における本発明のがんマーカーの発現を検出する工程(検出工程)と、本発明のがんマーカーの発現量が、前記被検物質を共存させていないコントロールの発現系よりも低い前記被検物質を、前記治療用候補物質として選択する工程とを含む。前記検出工程において、検出対象の前記発現は、例えば、本発明のがんマーカータンパク質の発現でもよいし、本発明のがんマーカー遺伝子のmRNAの転写でもよい。前記タンパク質の発現およびmRNAの発現の検出方法は、特に制限されず、前述の説明を援用できる。
【0092】
前記がんマーカーが、抗HIRIP3抗体、抗FNDC11抗体、抗SLC1A3抗体、抗TMEM33抗体、抗ABCF1抗体、抗CFDP1抗体、抗POLR3GL抗体、抗CADM1抗体、抗RNF128抗体、および抗ATP6V1B1抗体からなる群から選択される少なくとも1つの抗体である場合、本発明のスクリーニング方法は、例えば、前記被検物質を生体に投与する工程(投与工程)と、前記生体において、前記がんマーカーを発現させる工程(発現工程)と、前記投与後の生体から生体試料を取得する工程と、前記生体試料におけるがんマーカーの発現を測定する工程と、前記生体試料におけるがんマーカーの発現量が、前記被検物質を投与していないコントロール由来の生体試料よりも低い前記被検物質を、前記治療用候補物質として選択する工程とを含む。前記投与工程において前記生体に投与する被検物質の投与条件は、前記被検物質の種類に応じて、適宜設定できる。前記生体は、例えば、ヒト、ヒトを除く非ヒト動物等があげられ、前記非ヒト動物は、例えば、マウス、ラット、イヌ、サル、ウサギ、ヒツジ、ウマ等の哺乳類があげられる。前記発現工程において前記がんマーカーの発現は、例えば、前記がんマーカーに対応するタンパク質を前記生体に免疫することにより実施できる。前記取得工程において、前記生体試料は、例えば、前記血液試料があげられる。
【0093】
前記がんマーカーは、HIRIP3、FNDC11、SLC1A3、TMEM33、ABCF1、CFDP1、POLR3GL、CADM1、RNF128、およびATP6V1B1からなる群から選択される少なくとも1つのがんマーカーのタンパク質または遺伝子である場合、本発明のスクリーニング方法は、例えば、前記がんマーカーの発現系に前記被検物質を共存させて、がんマーカーを発現させる工程、前記発現系におけるがんマーカーの発現を検出する工程と、前記がんマーカーの発現量が、前記被検物質を共存させていないコントロールの発現系よりも低い前記被検物質を、前記治療用候補物質として選択する工程とを含む。
【実施例】
【0094】
つぎに、本発明の実施例について説明する。ただし、本発明は、下記実施例により制限されない。
【0095】
[実施例1]
乳がん患者および健常者の血清中において、本発明の抗体(本発明のがんマーカーに対する自己抗体)の抗体価を測定した。
【0096】
(自己抗原の調製)
自己抗原タンパク質として、HIRIP3、FNDC11、SLC1A3、TMEM33、ABCF1、CFDP1、POLR3GL、CADM1、RNF128、および、ATP6V1B1を、コムギ無細胞タンパク質合成系を用いて合成した。前記コムギ無細胞タンパク質合成は、下記参考文献1に記載の方法に従って行った。なお、前記各自己抗原タンパク質のDNA鋳型には、あらかじめアミノ末端にHisタグおよびblsタグをコードする配列を付加した。そして、下記参考文献2に記載の方法により、前記無細胞合成時に、反応系にビオチンリガーゼ(BirA)およびD-ビオチンを加え、前記自己抗原タンパク質に付加したblsタグのリジン残基をビオチン化しながら合成した。また、比較例として、乳がんマーカーであるTP53(p53)を、同様にして合成した。
参考文献1:Takai, K et.al.,. “Practical cell-free protein synthesis system using purified wheat embryos.” Nat Protoc. 2010, volume 5, pages 227-238
参考文献2:Sawasaki, Tet.al. “Arabidopsis HY5 protein functions as a DNA-binding tag for purification and functional immobilization of proteins on agarose/DNA microplate.”, FEBS Letters, 2008, volume 582, pages 221-228
【0097】
血清試料として、未治療の乳がん患者女性(n=683)および健常者女性(n=30、対照群)から文書により同意を得た上で採血し、血液から血清を回収した。そして、血清中の抗体価を、下記参考文献3および4に記載の方法に従い、Alpha(Amplified Luminescent Proximity Homogeneous Assay)Screen法により測定した。具体的には、まず、未修飾AlphaScreen アクセプタービーズ(PerkinElmer社)に、Protein Gをアミンカップリングを用いて共有結合させ、Protein G修飾アクセプタービーズを作成した。そして、前記無細胞合成した前記ビオチン化自己抗原タンパク質0.4μLと、血清試料0.025μLを、20μLの希釈液(100 mmol/L Tris-HCl, pH8.0、0.01% Tween20、1 mg/mL ウシ血清アルブミン)中で混和し、室温(25℃)で30分間静置し、反応液を調製した。その後、AlphaScreen Protein G修飾アクセプタービーズ0.06μLとAlphaScreenストレプトアビジン修飾ドナービーズ(PerkinElmer社)0.06μLとを含む希釈液(100 mmol/L Tris-HCl, pH8.0、0.01% Tween20、1 mg/mL ウシ血清アルブミン)5μLを、前記反応液に添加し、さらに室温で60分静置した。そして、前記反応液中の抗原―抗体反応を、Envisionのプレートリーダー(PerkinElmer社)を用いて検出した。コントロールは、各自己抗原タンパク質を添加しなかった以外は同様にして検出した。そして、各マーカーのシグナル強度について、コントロールのシグナル強度との比を算出した。この結果を
図1に示す。
参考文献3:Ishigami, T et.al., “Anti-interleukin-5 and multiple autoantibodies are associated with human atherosclerotic diseases and serum interleukin-5 levels.”, The FASEB Journal, 2013, volume 27, pages3437-3445
参考文献4:Onishi, S. et.al., “Novel Autoantigens Associated with Lupus Nephritis.”, PLoS ONE, 2015, volume 10, page e0126564
【0098】
図1は、各抗原の抗体価を示すグラフであり、(A)は、グラフの全体図であり、(B)は、(A)の対応するグラフの縦軸を拡大した図である。
図1の各グラフにおいて、縦軸は、AlphaScreenのシグナル強度(抗体価)を示し、左側が健常者、右側が乳がん患者の血清試料の結果を示す。
図1に示すように、乳がん患者は、健常者と比較して、血清中のHIRIP3、FNDC11、SLC1A3、TMEM33、ABCF1、CFDP1、POLR3GL、CADM1、RNF128、および、ATP6V1B1に対する自己抗体のシグナル強度が有意に高かった。中でも、HIRIP3、FNDC11、SLC1A3、およびTMEM33に対する自己抗体のシグナル強度が特に高く、乳がんマーカーであるTP53に対する自己抗体と比較して、乳がん患者/健常者の抗体価シグナル比が高く、乳がんマーカーとしてp53と比較して好適に使用できることがわかった。これらのことから、本発明のがんマーカーが、乳がんのマーカーとなることがわかった。
【0099】
[実施例2]
乳がんのステージによる、本発明の抗体(本発明のがんマーカーに対する自己抗体)の抗体価の変化を確認した。
【0100】
前記実施例1で抗体価シグナル比が高かった4種のがんマーカー(抗HIRIP3抗体、抗FNDC11抗体、抗SLC1A3抗体、および抗TMEM33抗体)および比較例(抗TP53抗体)について、乳がん患者のステージを0期(n=97)、I期(n=270)、II期(n=254)、III期(n=34)に分けた以外は前記実施例1と同様にして、血清中の抗体価を確認した。なお、乳がんのステージ分類を下記表1および
図2に示す。
【表1】
【0101】
図2は、各ステージにおける各抗原に対する抗体価を示すグラフである。
図2において、上段は、グラフ全体を示し、下段は、上段のグラフの縦軸を拡大した図である。
図2の各グラフにおいて、縦軸は、AlphaScreenのシグナル強度(抗体価)を示し、横軸は、左から、対照群、0期、I期、II期、III期の血清サンプルを示す。
図2に示すように、HIRIP3、FNDC11、SLC1A3、およびTMEM33に対する自己抗体は、いずれのステージの乳がんであっても高いシグナルを示した。また、TP53に対する自己抗体と比較して、0期の乳がんにおける抗体価が高かった。これらのことから、本発明のがんマーカーは、乳がんの早期診断マーカーとして使用可能であることがわかった。前述のように、0期の乳がんは、しこりや画像診断での異常な影等がみられず、早期発見が困難であるが、本発明のがんマーカーによれば、例えば、乳がんの早期診断が可能となる。
【0102】
[実施例3]
乳がんのサブタイプと、本発明の抗体(本発明のがんマーカーに対する自己抗体)抗体価との関係を確認した。
【0103】
前記実施例1で高い抗体価を示した4種のがんマーカー(抗HIRIP3抗体、抗FNDC11抗体、抗SLC1A3抗体、および抗TMEM33抗体)について、乳がんのサブタイプをLuminal A(n=411)、Luminal B(n=38)、Her2(n=41)、およびTriple negative(n=58)に分けた以外は前記実施例1と同様にして、血清中の抗体価を確認した。この結果を
図3に示す。
【0104】
図3は、各乳がんのサブタイプにおける各抗原に対する抗体価を示す。
図3において、上段は、グラフ全体を示し、下段は、上段のグラフの縦軸を拡大した図である。
図3の各グラフにおいて、縦軸は、AlphaScreenのシグナル強度(抗体価)を示し、横軸は、左から、対照群、Luminal A(A)、Luminal B(B)、Her2(H)、およびTriple negative(T)の血清サンプルを示す。
図3に示すように、HIRIP3、FNDC11、SLC1A3、およびTMEM33に対する自己抗体は、いずれのサブタイプの乳がんにおいても、高いシグナルを示し、発現していることが確認できた。また、いずれのサブタイプの乳がんにおいても、乳がんマーカーであるTP53に対する自己抗体と比較して、乳がん患者/健常者の抗体価シグナル比が高く、好適に使用できることがわかった。これらのことから、本発明のがんマーカーは、乳がんのサブタイプによらず使用できることがわかった。
【0105】
[実施例4]
組織免疫染色により、本発明のがんマーカーであるHIRIP3が乳がん組織で発現していることを確認した。
【0106】
神奈川県立がんセンター病理診断科で保管する、患者40名分の、ホルマリン固定パラフィン包埋された乳がん組織から切片を作製し、脱パラフィン操作、再水和操作を行い、被検サンプルを作成した。そして、前記被検サンプルについて、クエン酸緩衝液(pH6)中に浸漬した状態で、高圧蒸気滅菌器で15分間処理し、抗原性の賦活化を行った。前記賦活化後、リン酸緩衝液(PBS)で洗浄し、続いて、3%過酸化水素水に5分間浸漬して、内在性ペルオキシダーゼを不活性化し、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄した。
【0107】
前記被検サンプルを、1700倍希釈した抗ラビットHIRIP3ポリクローナル抗体(Sigma-Aldrich、 HPA063205)と、室温で1時間反応させ、前記PBSで洗浄した。つぎに、前記被検サンプルを、HRP標識2次抗体「ヒストファイン シンプルステインMAX-PO(MULTI)」(ニチレイバイオサイエンス、724152)と、室温で30分間反応させた。続いて、前記被検サンプルを前記PBSで洗浄し、「DAB基質キット」(ニチレイバイオサイエンス、725191)で発色させた。そして、前記被検サンプルを流水で洗浄し、ヘマトキシリンで核染色をした。前記染色後の前記被検サンプルを流水で洗浄し、99.5%エタノールおよび100%キシレンで脱水および透徹した。その後、前記被検サンプルをマリノールで封入し、DABにより茶色に染色されるHIRIP3の発現領域を、光学顕微鏡(BX53、オリンパス社製)を用いて観察した。
【0108】
乳がん組織におけるHIRIP3の発現の結果を
図4に示す。
図4は、乳がん組織におけるHIRIP3の発現を示す組織染色図であり、(A)は、がんの中心部(Tumor Center Area)を示し、(B)は、がんの浸潤先端(Tumor Invasion Front)を示す。また、
図4(B)において、矢印で示す、線で囲った領域ががん細胞が存在する領域である。
図4において、上段の図は、HE染色した組織の染色図であり、下段の図は、DAB染色した染色図である。
図4に示すように、HIRIP3は、乳がん組織の核に局在した。また、
図4(B)の下段の図に示すように、正常組織は、乳がん組織と比較してHIRIP3の発現量が少ないことがわかった。
【0109】
[実施例5]
組織免疫染色により、本発明のがんマーカーが様々ながん組織で発現していることを確認した。
【0110】
神奈川県がんセンターが保有するホルマリン固定パラフィン包埋組織の組織アレイを用い、被検サンプルを、乳がん(転移巣または原発巣)、肺がん、および卵巣がんとした以外は、実施例4と同様にして、免疫染色を行った。そして、各被検サンプルにおいて、染色部位の面積が5%以上の場合を免疫染色陽性(IHC+)、染色部位の面積が5%未満の場合を免疫染色陰性(IHC-)として検体数を計数し、検体数に対するIHC+の割合を算出した。
【0111】
この結果を
図5に示す。
図5は、各被検サンプルにおいて、がんの種類ごとのIHC+の割合を示すグラフである。各
図5に示すように、HIRIP3は、乳がん(転移巣)では66%、乳がん(原発巣)では41%、肺がんでは20%、卵巣がんでは23%発現が確認できた。これらのことから、HIRIP3は、乳がん、肺がん、および卵巣がんのがんマーカーとして使用できることがわかった。また、乳がんの転移巣において特にIHC+の割合が高いことから、乳がんの転移巣のがんマーカーとして好適に使用できることがわかった。
【0112】
[実施例6]
組織免疫染色により、本発明のがんマーカーであるSLC1A3が乳がん組織で発現していることを確認した。
【0113】
被検サンプルを乳がん組織および正常乳腺とし、前記被検サンプルに反応する抗体を抗ラビットSLC1A3ポリクローナル抗体(abcam、ab41751)し、抗体の希釈倍率を50倍とした以外は実施例4と同様にして、SLC1A3の発現領域を、光学顕微鏡を用いて観察した。
【0114】
乳がん組織におけるSLC1A3の発現の結果を
図6に示す。
図6は、正常乳腺および乳がん組織におけるSLC1A3の発現を示す組織染色図であり、左から、乳がん組織のHE染色図、乳がん組織のDAB染色図、正常乳腺のDAB染色図である。また、
図6において、矢印で示す線で囲った領域が、SLC1A3が発現する領域である。
図6の上段および下段の図は、異なる検体を使用した以外は同様の図である。
図6に示すように、SLC1A3は、正常乳腺に比べ、乳がん組織においてより多く発現していることがわかった。
【0115】
[実施例7]
乳がん患者および健常者の血清中において、本発明の抗体(本発明のがんマーカーに対する自己抗体)の抗体価を測定した。
【0116】
自己抗原タンパク質として、FNDC11、SLC1A3、HIRIP3、およびTMEM33とし、サンプル数を、乳がん患者(n=835)および健常者(n=665)とした以外は実施例1と同様にして、乳がん患者および健常者の血清中における、本発明の抗体(本発明のマーカーに対する自己抗体)の抗体価を測定した。また、抗体価の分布を確認したところ、正規分布していなかったため、乳がん患者および健常者の年齢を考慮し、これによる影響を補正した平均値を算出し、共分散分析(ANCOVA)により平均値の比較を行なった。なお、以下の各実施例において、同様の統計処理を行なっている。この結果を
図7に示す。
【0117】
図7は、各抗原の抗体価を示すグラフである。
図7の各グラフにおいて、縦軸は、AlphaScreenのシグナル強度(抗体価)を示し、左側が健常者(対照群)、右側が乳がん患者(患者群)の血清試料の結果を示す。
図7に示すように、乳がん患者は、健常者と比較して、血清中のFNDC11、SLC1A3、HIRIP3、およびTMEM33に対する自己抗体のシグナル強度が有意に高く(p < 0.0001)、乳がんマーカーとして好適に使用できることがわかった。これらのことから、本発明のがんマーカーが、乳がんのマーカーとなることがわかった。
【0118】
つぎに、各自己抗原タンパク質に対する抗体価について、ROC解析を行ない、感度、特異度、およびROC曲線下面積(AUC: area under the curve)を算出することにより、乳がんの診断能を評価した。結果を下記表2に示す。
【0119】
【0120】
前記表2に示すように、FNDC11、SLC1A3、HIRIP3、およびTMEM33に対する自己抗体によれば、いずれも高い感度で乳がんを検出できることがわかった。中でも、FNDC11およびTMEM33に対する自己抗体は、AUCが、それぞれ、0.902および0.873であり、極めて高い診断能を有していることがわかった。
【0121】
[実施例8]
乳がんのステージによる、本発明の抗体(本発明のがんマーカーに対する自己抗体)の抗体価の変化を確認した。
【0122】
実施例7で使用したサンプルを使用した以外は、実施例2と同様にして、乳がんのステージによる、本発明のがんマーカーの抗体価の変化を確認した。本実施例において、乳がん患者のステージは、0期(n=99)、I期(n=304)、II期(n=310)、III期(n=70)に分け、血清中の抗体価を確認した。なお、乳がん患者(n=835)のうち、ステージ不明であった52名については、本実施例の結果から除外している。この結果を
図8に示す。
【0123】
図8は、各ステージにおける各抗原に対する抗体価を示すグラフである。
図8の各グラフにおいて、縦軸は、AlphaScreenのシグナル強度(抗体価)を示し、横軸は、左から、対照群、0期、I期、II期、III期の血清サンプルを示す。
図8に示すように、FNDC11、SLC1A3、HIRIP3、およびTMEM33に対する自己抗体は、いずれのステージの乳がんであっても高いシグナルを示した。これらのことから、本発明のがんマーカーは、乳がんの早期診断マーカーとして使用可能であることがわかった。前述のように、0期の乳がんは、しこりや画像診断での異常な影等がみられず、早期発見が困難であるが、本発明のがんマーカーによれば、例えば、乳がんの早期診断が可能となる。
【0124】
[実施例9]
乳がんのサブタイプと、本発明の抗体(本発明のがんマーカーに対する自己抗体)の抗体価の関係を確認した。
【0125】
実施例7で使用したサンプルを使用した以外は、実施例3と同様にして、乳がんのサブタイプと、本発明のがんマーカーの抗体価の関係を確認した。本実施例において、乳がんのサブタイプは、Her2(n=40)Luminal A(n=406)、Luminal B(n=37)、およびTriple negative(n=56)に分け、血清中の抗体価を確認した。なお、Luminal AまたはLuminal Bの中間群(L*、n=102)および複数のサブタイプが診断された群については、本実施例から除外した。この結果を
図9に示す。
【0126】
図9は、各乳がんのサブタイプにおける各抗原に対する抗体価を示す。
図9の各グラフにおいて、縦軸は、AlphaScreenのシグナル強度(抗体価)を示し、横軸は、左から、対照群、Her2、Luminal A、Luminal B、およびTriple negativeの血清サンプルを示す。
図9に示すように、FNDC11、SLC1A3、HIRIP3、およびTMEM33に対する自己抗体は、いずれのサブタイプの乳がんにおいても、高いシグナルを示し、発現していることが確認できた。これらのことから、本発明のがんマーカーは、乳がんのサブタイプによらず使用できることがわかった。
【0127】
つぎに、各サブタイプにおける、自己抗原タンパク質に対する抗体価について、ROC解析を行ない、感度、特異度、およびROC曲線下面積(AUC: area under the curve)を算出することにより、サブタイプごとの診断能を評価した。結果を下記表3~6に示す。
【0128】
【0129】
【0130】
【0131】
【0132】
前記表3~6に示すように、FNDC11、SLC1A3、HIRIP3、およびTMEM33に対する自己抗体は、いずれも高い感度で、各サブタイプの乳がんを検出できることがわかった。中でも、FNDC11に対する自己抗体は、各サブタイプにおけるAUCが0.877~0.897、TMEM33に対する自己抗体は、各サブタイプにおけるAUCが、0.861~0.882であり、いずれのサブタイプの乳がんに対しても極めて高い診断能を有していることがわかった。
【0133】
[実施例10]
初発の乳がんと、再発の乳がんとで、本発明の(本発明のがんマーカーに対する自己抗体)の関係を確認した。
【0134】
実施例7の乳がん患者を、初発の患者(n=814)と、再発の患者(n=21)に分けた以外は前記実施例7と同様にして、血清中の抗体価を確認した。結果を下記表7に示す。
【0135】
【0136】
前記表7に示すように、FNDC11、SLC1A3、HIRIP3、およびTMEM33に対する自己抗体は、初発の乳がんと、再発の乳がんとの間で、抗体価に有意な差はなかった。このため、本発明のがんマーカーは、初発の乳がんおよび再発の乳がんのいずれに対しても診断マーカーとして使用可能であることがわかった。既存の乳がんマーカーの多くは、初発の乳がんの検出には不向きであり、初発の乳がんを検出可能な既存の乳がんマーカーであるTP53は、乳がん以外のがんを検出してしまうことが知られている。したがって、本発明のがんマーカーによれば、例えば、初発の乳がんの早期診断が可能となる。
【0137】
以上、実施形態および実施例を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態および実施例に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【0138】
この出願は、2019年3月11日に出願された日本出願特願2019-044316を基礎とする優先権を主張し、その開示のすべてをここに取り込む。
【0139】
<付記>
上記の実施形態および実施例の一部または全部は、以下の付記のように記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
抗HIRIP3抗体、HIRIP3、抗FNDC11抗体、FNDC11、抗SLC1A3抗体、SLC1A3、抗TMEM33抗体、TMEM33、抗ABCF1抗体、ABCF1、抗CFDP1抗体、CFDP1、抗POLR3GL抗体、POLR3GL、抗CADM1抗体、CADM1、抗RNF128抗体、RNF128、抗ATP6V1B1抗体、およびATP6V1B1からなる群から選択される少なくとも1つを含む、がんマーカー。
(付記2)
抗ヒト由来HIRIP3抗体、抗ヒト由来FNDC11抗体、抗ヒト由来SLC1A3抗体、抗ヒト由来TMEM33抗体、抗ヒト由来ABCF1抗体、抗ヒト由来CFDP1抗体、抗ヒト由来POLR3GL抗体、抗ヒト由来CADM1抗体、抗ヒト由来RNF128抗体、および抗ヒト由来ATP6V1B1抗体からなる群から選択される少なくとも1つの抗体を含む、付記1記載のがんマーカー。
(付記3)
抗ヒト由来HIRIP3抗体、抗ヒト由来FNDC11抗体、抗ヒト由来SLC1A3抗体、および抗ヒト由来TMEM33抗体からなる群から選択される少なくとも1つの抗体を含む、付記1または2記載のがんマーカー。
(付記4)
前記がんは、乳がん、卵巣がん、膵がん、肝臓がん、胆管がん、大腸がん、結腸がん、直腸がん、胃がん、口腔がん、および肺がんからなる群から選択される少なくとも1つのがんである、付記1から3のいずれかに記載のがんマーカー。
(付記5)
前記がんは、乳がんである、付記1から4のいずれかに記載のがんマーカー。
(付記6)
被検者の生体試料におけるがんマーカーの発現量を測定する工程を含み、
前記がんマーカーは、抗HIRIP3抗体、HIRIP3、抗FNDC11抗体、FNDC11、抗SLC1A3抗体、SLC1A3、抗TMEM33抗体、TMEM33、抗ABCF1抗体、ABCF1、抗CFDP1抗体、CFDP1、抗POLR3GL抗体、POLR3GL、抗CADM1抗体、CADM1、抗RNF128抗体、RNF128、抗ATP6V1B1抗体、およびATP6V1B1からなる群から選択される少なくとも1つを含む、がんの罹患危険度を試験する方法。
(付記7)
前記がんマーカーは、抗ヒト由来HIRIP3抗体、抗ヒト由来FNDC11抗体、抗ヒト由来SLC1A3抗体、抗ヒト由来TMEM33抗体、抗ヒト由来ABCF1抗体、抗ヒト由来CFDP1抗体、抗ヒト由来POLR3GL抗体、抗ヒト由来CADM1抗体、抗ヒト由来RNF128抗体、および抗ヒト由来ATP6V1B1抗体からなる群から選択される少なくとも1つの抗体を含む、付記6記載の試験方法。
(付記8)
前記がんマーカーは、抗ヒト由来HIRIP3抗体、抗ヒト由来FNDC11抗体、抗ヒト由来SLC1A3抗体、および抗ヒト由来TMEM33抗体からなる群から選択される少なくとも1つの抗体を含む、付記6または7記載の試験方法。
(付記9)
前記がんは、乳がん、卵巣がん、膵がん、肝臓がん、胆管がん、大腸がん、結腸がん、直腸がん、胃がん、口腔がん、および肺がんからなる群から選択される少なくとも1つのがんである、付記6から8のいずれかに記載の試験方法。
(付記10)
前記がんは、乳がんである、付記6から9のいずれかに記載の試験方法。
(付記11)
前記生体試料は、血液試料である、付記6から10のいずれかに記載の試験方法。
(付記12)
がんマーカーの発現測定試薬を含み、
前記がんマーカーは、抗HIRIP3抗体、HIRIP3、抗FNDC11抗体、FNDC11、抗SLC1A3抗体、SLC1A3、抗TMEM33抗体、TMEM33、抗ABCF1抗体、ABCF1、抗CFDP1抗体、CFDP1、抗POLR3GL抗体、POLR3GL、抗CADM1抗体、CADM1、抗RNF128抗体、RNF128、抗ATP6V1B1抗体、およびATP6V1B1からなる群から選択される少なくとも1つを含む、がんの試験キット。
(付記13)
前記がんマーカーは、抗HIRIP3抗体、抗FNDC11抗体、抗SLC1A3抗体、抗TMEM33抗体、抗ABCF1抗体、抗CFDP1抗体、抗POLR3GL抗体、抗CADM1抗体、抗RNF128抗体、および抗ATP6V1B1抗体からなる群から選択される少なくとも1つの抗体であり、
前記発現測定試薬は、前記がんマーカーに対応する抗原と、前記がんマーカーを検出する検出試薬とを含む、付記12記載の試験キット。
(付記14)
前記検出試薬は、標識化されている、付記13記載の試験キット。
(付記15)
前記検出試薬は、前記がんマーカーである抗体を認識する抗体である、付記13または14記載の試験キット。
(付記16)
前記がんマーカーに対応する抗原は、担体に固定化されている、付記13から15のいずれかに記載の試験キット。
(付記17)
前記がんマーカーは、HIRIP3、FNDC11、SLC1A3、TMEM33、ABCF1、CFDP1、POLR3GL、CADM1、RNF128、およびATP6V1B1からなる群から選択される少なくとも1つのがんマーカーのタンパク質であり、
前記発現測定試薬は、前記がんマーカーのタンパク質に結合する物質、および前記がんマーカーのタンパク質と前記結合物質との結合を検出する結合検出試薬を含む、付記12記載の試験キット。
(付記18)
前記がんマーカーは、HIRIP3、FNDC11、SLC1A3、TMEM33、ABCF1、CFDP1、POLR3GL、CADM1、RNF128、およびATP6V1B1からなる群から選択される少なくとも1つのがんマーカーの遺伝子であり、
前記発現測定試薬が、がんマーカーの遺伝子のmRNAを逆転写により増幅する試薬である、付記12記載の試験キット。
(付記19)
前記がんは、乳がん、卵巣がん、膵がん、肝臓がん、胆管がん、大腸がん、結腸がん、直腸がん、胃がん、口腔がん、および肺がんからなる群から選択される少なくとも1つである、付記12から18のいずれかに記載の試験キット。
(付記20)
前記がんは、乳がんである、付記12から19のいずれかに記載の試験キット。
(付記21)
付記6から11のいずれかに記載の試験方法に使用する、付記12から20のいずれかに記載の試験キット。
(付記22)
被検者の生体試料と、がんマーカーの発現測定試薬とを接触させ、前記生体試料におけるがんマーカーの発現量を測定する工程を含み、
前記がんマーカーは、抗HIRIP3抗体、HIRIP3、抗FNDC11抗体、FNDC11、抗SLC1A3抗体、SLC1A3、抗TMEM33抗体、TMEM33、抗ABCF1抗体、ABCF1、抗CFDP1抗体、CFDP1、抗POLR3GL抗体、POLR3GL、抗CADM1抗体、CADM1、抗RNF128抗体、RNF128、抗ATP6V1B1抗体、およびATP6V1B1からなる群から選択される少なくとも1つを含む、がんマーカーの測定方法。
(付記23)
前記がんマーカーは、抗HIRIP3抗体、抗FNDC11抗体、抗SLC1A3抗体、抗TMEM33抗体、抗ABCF1抗体、抗CFDP1抗体、抗POLR3GL抗体、抗CADM1抗体、抗RNF128抗体、および抗ATP6V1B1抗体からなる群から選択される少なくとも1つの抗体であり、
前記発現測定試薬は、前記がんマーカーに対応する抗原と、前記がんマーカーを検出する検出試薬とを含み、
前記被検者の生体試料と、前記発現測定試薬とを接触させ、前記生体試料におけるがんマーカーと、前記がんマーカーに対応する抗原と、前記がんマーカーを検出する検出試薬との複合体を形成する工程と、
前記複合体を測定する工程とを含む、付記22記載の測定方法。
(付記24)
前記検出試薬は、標識化されている、付記23記載の測定方法。
(付記25)
前記検出試薬は、前記がんマーカーである抗体を認識する抗体である、付記23または24記載の測定方法。
(付記26)
前記がんマーカーに対応する抗原は、担体に固定化されている、付記23から25のいずれかに記載の測定方法。
(付記27)
前記がんマーカーは、HIRIP3、FNDC11、SLC1A3、TMEM33、ABCF1、CFDP1、POLR3GL、CADM1、RNF128、およびATP6V1B1からなる群から選択される少なくとも1つのがんマーカーのタンパク質であり、
前記発現測定試薬は、前記がんマーカーのタンパク質に結合する物質、および前記がんマーカーのタンパク質と前記結合物質との結合を検出する結合検出試薬を含み、
前記被検者の生体試料と、前記発現測定試薬とを接触させ、前記生体試料におけるがんマーカーとの複合体を形成する工程と、
前記複合体を測定する工程とを含む、付記22記載の測定方法。
(付記28)
前記がんマーカーは、HIRIP3、FNDC11、SLC1A3、TMEM33、ABCF1、CFDP1、POLR3GL、CADM1、RNF128、およびATP6V1B1からなる群から選択される少なくとも1つのがんマーカーの遺伝子であり、
前記発現測定試薬が、がんマーカーの遺伝子のmRNAを逆転写により増幅する試薬であり、
前記被検者の生体試料と、前記発現測定試薬とを接触後、前記がんマーカーの遺伝子を増幅する工程と、
得られた増幅産物を測定する工程とを含む、付記22記載の測定方法。
(付記29)
前記がんは、乳がん、卵巣がん、膵がん、肝臓がん、胆管がん、大腸がん、結腸がん、直腸がん、胃がん、口腔がん、および肺がんからなる群から選択される少なくとも1つである、付記22から28のいずれかに記載の測定方法。
(付記30)
前記がんは、乳がんである、付記22から29のいずれかに記載の測定方法。
(付記31)
被検物質から、がんマーカーの発現を抑制する発現抑制物質を、前記治療用候補物質として選択する工程を含み、
前記がんマーカーは、抗HIRIP3抗体、HIRIP3、抗FNDC11抗体、FNDC11、抗SLC1A3抗体、SLC1A3、抗TMEM33抗体、TMEM33、抗ABCF1抗体、ABCF1、抗CFDP1抗体、CFDP1、抗POLR3GL抗体、POLR3GL、抗CADM1抗体、CADM1、抗RNF128抗体、RNF128、抗ATP6V1B1抗体、およびATP6V1B1からなる群から選択される少なくとも1つを含む、がん治療薬の候補物質のスクリーニング方法。
(付記32)
前記がんマーカーは、抗HIRIP3抗体、抗FNDC11抗体、抗SLC1A3抗体、抗TMEM33抗体、抗ABCF1抗体、抗CFDP1抗体、抗POLR3GL抗体、抗CADM1抗体、抗RNF128抗体、および抗ATP6V1B1抗体からなる群から選択される少なくとも1つの抗体であり、
前記被検物質を生体に投与する工程と、
前記生体において、前記がんマーカーを発現させる工程と、
前記投与後の生体から生体試料を取得する工程と、
前記生体試料におけるがんマーカーの発現を測定する工程と、
前記生体試料におけるがんマーカーの発現量が、前記被検物質を投与していないコントロール由来の生体試料よりも低い前記被検物質を、前記治療用候補物質として選択する工程とを含む、付記31記載のスクリーニング方法。
(付記33)
前記がんマーカーは、HIRIP3、FNDC11、SLC1A3、TMEM33、ABCF1、CFDP1、POLR3GL、CADM1、RNF128、およびATP6V1B1からなる群から選択される少なくとも1つのがんマーカーのタンパク質または遺伝子であり、
前記がんマーカーの発現系に前記被検物質を共存させて、がんマーカーを発現させる工程、前記発現系におけるがんマーカーの発現を検出する工程と、
前記がんマーカーの発現量が、前記被検物質を共存させていないコントロールの発現系よりも低い前記被検物質を、前記治療用候補物質として選択する工程とを含む、付記31記載のスクリーニング方法。
(付記34)
前記被検物質が、低分子化合物、ペプチド、タンパク質および核酸からなる群から選択された少なくとも1つである、付記31から33のいずれかに記載のスクリーニング方法。
【産業上の利用可能性】
【0140】
以上のように、本発明によれば、本発明のマーカーの発現量を測定することによって、被検者のがんの罹患危険度を試験できる。また、本発明のマーカーを用いたスクリーニングにより、がんの治療用候補物質を得ることもできる。このため、本発明は、臨床分野および生化学分野において極めて有用である。
【配列表】