(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-07
(45)【発行日】2024-02-16
(54)【発明の名称】ユーザ装置及び通信方法
(51)【国際特許分類】
H04W 74/08 20240101AFI20240208BHJP
H04W 72/21 20230101ALI20240208BHJP
H04W 48/08 20090101ALI20240208BHJP
【FI】
H04W74/08
H04W72/21
H04W48/08
(21)【出願番号】P 2021550793
(86)(22)【出願日】2019-09-30
(86)【国際出願番号】 JP2019038655
(87)【国際公開番号】W WO2021064842
(87)【国際公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-08-02
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124844
【氏名又は名称】石原 隆治
(72)【発明者】
【氏名】小原 知也
【審査官】青木 健
(56)【参考文献】
【文献】Samsung,Channel Structure for Two-Step RACH,3GPP TSG RAN WG1 #98 R1-1908459,2019年08月26日
【文献】ZTE, Sanechips,On the remaining issues of msgA channel structure,3GPP TSG RAN WG1 #98 R1-1908181,2019年08月26日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/24 - 7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2段階のランダムアクセス手順のMessageAの送信に関するランダムアクセスプリアンブルの送信機会の設定周期及び物理上り共有チャネルの送信機会の設定周期の間の関係性を示す情報を受信する受信部と、
前記関係性を示す情報に基づき、前記2段階のランダムアクセス手順のMessageAの送信に関するランダムアクセスプリアンブルの送信機会及び前記物理上り共有チャネルの送信機会を選択する制御部と、
を備え
、
前記物理上り共有チャネルの送信機会の設定周期は、前記MessageAの送信に関するランダムアクセスプリアンブルの送信機会の設定周期よりも大きく、
前記MessageAの送信に関するランダムアクセスプリアンブルの送信機会の設定周期であって、前記物理上り共有チャネルの送信機会のリソース位置の時間オフセットの開始として用いた前記MessageAの送信に関するランダムアクセスプリアンブルの送信機会が含まれる、前記MessageAの送信に関するランダムアクセスプリアンブルの送信機会の設定周期、に含まれない、MessageAの送信に関するランダムアクセスプリアンブルの送信機会は、物理上り共有チャネルの送信機会と対応付けられず、
前記制御部は、MessageAの送信に関するランダムアクセスプリアンブルの送信機会であって、対応する物理上り共有チャネルの送信機会を持たない、MessageAの送信に関するランダムアクセスプリアンブルの送信機会、を選択した場合、4段階のランダムアクセス手順を実行する、
端末。
【請求項2】
前記関係性を示す情報は、前記ランダムアクセスプリアンブルの送信機会の設定周期と前記物理上り共有チャネルの送信機会の設定周期との間の比を示す、
請求項1に記載の端末。
【請求項3】
前記関係性を示す情報は、前記ランダムアクセスプリアンブルの送信機会の設定周期と前記物理上り共有チャネルの送信機会の設定周期との間のマッピング関係を示す
請求項1に記載の端末。
【請求項4】
2段階のランダムアクセス手順のMessageAの送信に関するランダムアクセスプリアンブルの送信機会の設定周期及び物理上り共有チャネルの送信機会の設定周期の間の関係性を示す情報を受信するステップと、
前記関係性を示す情報に基づき、前記2段階のランダムアクセス手順のMessageAの送信に関するランダムアクセスプリアンブルの送信機会及び前記物理上り共有チャネルの送信機会を選択するステップと、
を備え
、
前記物理上り共有チャネルの送信機会の設定周期は、前記MessageAの送信に関するランダムアクセスプリアンブルの送信機会の設定周期よりも大きく、
前記MessageAの送信に関するランダムアクセスプリアンブルの送信機会の設定周期であって、前記物理上り共有チャネルの送信機会のリソース位置の時間オフセットの開始として用いた前記MessageAの送信に関するランダムアクセスプリアンブルの送信機会が含まれる、前記MessageAの送信に関するランダムアクセスプリアンブルの送信機会の設定周期、に含まれない、MessageAの送信に関するランダムアクセスプリアンブルの送信機会は、物理上り共有チャネルの送信機会と対応付けられず、
MessageAの送信に関するランダムアクセスプリアンブルの送信機会であって、対応する物理上り共有チャネルの送信機会を持たない、MessageAの送信に関するランダムアクセスプリアンブルの送信機会、を選択した場合、4段階のランダムアクセス手順を実行する、
端末による通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムにおけるユーザ装置及び通信方法に関連するものである。
【背景技術】
【0002】
3GPPのリリース16のNRについて、2 step RACHの検討が開始されている。2 step RACHによれば、RACH(random access channel)手順の処理に必要な時間を削減可能であり、かつ消費電力を低減することが可能になると考えられている。
【0003】
2 step RACH手順は2つのステップで行われる。具体的には、ユーザ装置は、基地局に対して、MessageAを送信する。基地局は、ユーザ装置に対して、MessageBを送信する。ここで、MessageAは、4 step RACH手順におけるMessage1+Message3に相当するメッセージである。また、MessageBは、4 step RACH手順におけるMessage2+Message4に相当するメッセージである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】3GPP TS 38.211 V15.4.0(2018-12)
【文献】3GPP TSG RAN Meeting #82、Sorrento、Italy、Dec.10-13、2018
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
MessageA(MsgA)は、preamble+Physical Uplink Shared Channel(PUSCH)となることが想定されており、preambleとPUSCHは少なくとも物理レイヤの観点では一体のものではないことが想定されている。
【0006】
MsgA PUSCH occasionとMsgA RACH occasionとの間の対応関係を定めることが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、2段階のランダムアクセス手順のMessageAの送信に関するランダムアクセスプリアンブルの送信機会の設定周期及び物理上り共有チャネルの送信機会の設定周期の間の関係性を示す情報を受信する受信部と、前記関係性を示す情報に基づき、前記2段階のランダムアクセス手順のMessageAの送信に関するランダムアクセスプリアンブルの送信機会及び前記物理上り共有チャネルの送信機会を選択する制御部と、を備え、前記物理上り共有チャネルの送信機会の設定周期は、前記MessageAの送信に関するランダムアクセスプリアンブルの送信機会の設定周期よりも大きく、前記MessageAの送信に関するランダムアクセスプリアンブルの送信機会の設定周期であって、前記物理上り共有チャネルの送信機会のリソース位置の時間オフセットの開始として用いた前記MessageAの送信に関するランダムアクセスプリアンブルの送信機会が含まれる、前記MessageAの送信に関するランダムアクセスプリアンブルの送信機会の設定周期、に含まれない、MessageAの送信に関するランダムアクセスプリアンブルの送信機会は、物理上り共有チャネルの送信機会と対応付けられず、前記制御部は、MessageAの送信に関するランダムアクセスプリアンブルの送信機会であって、対応する物理上り共有チャネルの送信機会を持たない、MessageAの送信に関するランダムアクセスプリアンブルの送信機会、を選択した場合、4段階のランダムアクセス手順を実行する、端末が提供される。
【発明の効果】
【0008】
実施例によれば、MsgA PUSCH occasionとMsgA RACH occasionとの間の対応関係を定めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施の形態における通信システムの構成図である。
【
図2】4 step RACH(Contention based random access)手順の例を示す図である。
【
図3】2 step RACH(Contention based random access)手順の例を示す図である。
【
図4】2 step RACH手順のMessageA送信において、タイミングアドバンス値をゼロとした場合及び非ゼロとした場合の例を示す図である。
【
図5】
図5は、提案4-1の方法の例を示す図である。
【
図6】
図6は、提案4-2の方法の例を示す図である。
【
図10】複数のMsgA RACH occasion設定周期の中のMsgA RACH occasionから、一巡のMsgA PUSCH occasionに対するマッピングを行う例を示す図である。
【
図17】ユーザ装置の機能構成の一例を示す図である。
【
図19】ユーザ装置及び基地局のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下で説明する実施の形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られるわけではない。
【0011】
以下の実施の形態における無線通信システムは基本的にNRに準拠することを想定しているが、それは一例であり、本実施の形態における無線通信システムはその一部又は全部において、NR以外の無線通信システム(例:LTE)に準拠していてもよい。
【0012】
(システム全体構成)
図1に本実施の形態に係る無線通信システムの構成図を示す。本実施の形態に係る無線通信システムは、
図1に示すように、端末10、及び基地局20を含む。
図1には、端末10、及び基地局20が1つずつ示されているが、これは例であり、それぞれ複数であってもよい。
【0013】
端末10は、スマートフォン、携帯電話機、タブレット、ウェアラブル端末、M2M(Machine-to-Machine)用通信モジュール等の無線通信機能を備えた通信装置であり、基地局20に無線接続し、無線通信システムにより提供される各種通信サービスを利用する。基地局20は、1つ以上のセルを提供し、端末10と無線通信する通信装置である。端末10と基地局20はいずれも、ビームフォーミングを行って信号の送受信を行うことが可能である。また、端末10をUEと称し、基地局20をgNBと称してもよい。
【0014】
本実施の形態において、複信(Duplex)方式は、TDD(Time Division Duplex)方式でもよいし、FDD(Frequency Division Duplex)方式でもよい。
【0015】
3GPPのリリース16NRについて、2 step RACHの検討が開始されている。2 step RACHによれば、RACH(random access channel)手順の処理に必要な時間を削減可能であり、かつ消費電力を低減することが可能になると考えられている。
【0016】
図2は、通常の、4 step RACH(Contention based random access)手順の例を示す図である。
【0017】
図2に示される4 step RACH手順において、まず、ステップS101において、端末10は、基地局20に対して、Message1(ランダムアクセスプリアンブル)を送信する。ステップS102において、基地局20は、端末10に対して、Message2(ランダムアクセスレスポンス(RAR))を送信する。ステップS103において、端末10は、基地局20に対して、Message3を送信する。ステップS104において、基地局20は、端末10に対して、Message4を送信する。
【0018】
図3は、2 step RACH(Contention based random access)手順の例を示す図である。
【0019】
図3に示される2 step RACH手順では、RACH手順は2つのステップで行われる。具体的には、ステップS201において、端末10は、基地局20に対して、MessageAを送信する。ステップS202において、基地局20は、端末10に対して、MessageBを送信する。ここで、MessageAは、
図2に示される4 step RACH手順におけるMessage1+Message3に相当するメッセージである。また、MessageBは、
図2に示される4 step RACH手順におけるMessage2+Message4に相当するメッセージである。
【0020】
MessageAは、ランダムアクセスプリアンブルと、Physical Uplink Shared Channel(PUSCH)で送信されるデータで構成されている。上位レイヤの観点からは、MessageAを1つのメッセージと見なすことができる可能性がある。しかしながら、物理レイヤの観点からは、MessageAにおいて、例えば、
図4に示されるように、ランダムアクセスプリアンブルのリソースとPUSCHのリソースとは別個のリソースとなりうることが想定されている。言い換えると、端末10がMessageAを送信するとは、端末10がランダムアクセスプリアンブルを送信した後、基地局20からのMessage受信を行う前に、PUSCHでデータ(Message3相当)を送信するという、2つの信号の送信を行うことに対応することが想定されている。MessageAとして、ランダムアクセスプリアンブル送信タイミングとPUSCH送信タイミングの順番が逆転してもよい。
【0021】
3GPPのリリース15の4 step RACH手順では、ランダムアクセスプリアンブルを送信する際、タイミングアドバンス値(timing advance value)NTAをゼロに設定することになっている。
【0022】
タイミングアドバンス値とは、端末10が上りリンクの信号の送信を行う場合において、当該信号が基地局20に到達するまでの伝搬遅延を考慮して、複数の端末10から送信される複数の上りリンクの信号が基地局20に到達するタイミングが同じになるようにするために、端末10が上りリンクの信号の送信を行うタイミングを早める際に適用する、タイミングの調整のための値である。従って、例えば、端末10と基地局20との間の距離が大きい場合のように、端末10から送信された上りリンクの信号が基地局20に到達するまでの伝搬遅延が大きい程、タイミングアドバンス値は大きな値とすることが望ましい。このタイミングアドバンス値は、RACH手順の中のランダムアクセスプリアンブルの受信により、基地局20にて算出されることになる。このため、ランダムアクセスプリアンブルを送信する際、NTAをゼロに設定することになっている。
【0023】
しかしながら、NTAをゼロに設定する場合であっても、端末10が上りリンクの信号の送信を行うタイミングは、基地局20の下りリンクの信号の受信に基づいて定められる参照タイミングと比較して、時間的に前方にシフトしている場合がある。一般に、上りリンクのフレームのタイミングは、下りリンクのフレームのタイミングと比較して、(NTA+NTA、offset)Tcだけ、時間に関して前方にシフトしている。このため、プリアンブルを送信する際に、NTAをゼロに設定しても、上りリンクの信号の送信のタイミングは、下りリンクの信号の送信のタイミングと比較して、NTA、offset×Tcだけ、時間に関して前方にシフトすることになる。
【0024】
現在、2 step RACH手順に対して、Contention free random accessを適用することについての検討が3GPPの会合で行われており、2 step RACH手順に対して、Contention free random accessが適用されることが想定されている。
【0025】
MessageA(MsgA)の詳細については、3GPPで現在議論が行われている。基本的に、preamble+PUSCHのことをMsgAと呼んでいる。preambleとPUSCHとは、少なくとも、物理レイヤの観点では一体のものではないことが想定され、例えば、離れた物理リソースを持つpreambleとPUSCHの送信を合わせてMsgAと呼ぶことが想定される。
【0026】
MsgA PUSCH occasionは、1つのMsgA PUSCHリソースである。また、MsgA RACH occasionは、1つのMsgAプリアンブルリソースである。MsgA PUSCH occasionとMsgA RACH occasionとは、それぞれ、別のリソースとして通知されることになる。
【0027】
MsgA PUSCH occasionとMsgA RACH occasionとの間に対応関係(MsgA RACHを送信した端末10がどのMsg PUSCHを送信したかについての対応関係)を定めることが検討されている。対応関係としては、1対1、多体1、1対多、多体多を含めて詳細な対応関係が検討されている。
【0028】
MsgA PUSCH occasionの時間リソース通知方法として、例えば、MsgA RACH occasionとMsgA PUSCH occasionの設定周期(configured periodicity)が同じである場合には、MsgA RACH occasionのPRACH slot開始位置からの時間オフセットによりMsgA PUSCH occasionの時間リソース位置を通知することが検討されている。
【0029】
(課題について)
MsgA PUSCH occasionの設定周期(configuration periodicity)については、MsgA RACH occasionとの対応関係及びリソース通知方法を考慮した上で、適切に通知/規定することが必要とされている。
【0030】
MsgA RACH occasionとMsgA PUSCH occasionの設定周期(configuration periodicity)が異なる場合のMsgA PUSCH occasionの時間リソース通知方法、端末10の動作を適切に規定することが必要とされている。
【0031】
(提案1)
MsgA RACH occasionの設定周期(configuration periodicity)と、MsgA PUSCH occasionの設定周期との間の関係性が規定されてもよい。例えば、MsgA RACH occasionの設定周期と、MsgA PUSCH occasionの設定周期との間の関係は、特定の関係に制限されてもよい。規定された設定周期の関係性については、基地局20から端末10に対して通知されてもよい。
【0032】
(提案1-1)
MsgA PUSCH occasionの設定周期は、MsgA RACH occasionの設定周期以上に設定されてもよい。
【0033】
(提案1-2)
MsgA PUSCH occasionの設定周期は、MsgA RACH occasionの設定周期以下に設定されてもよい。
【0034】
(提案1-3)
MsgA PUSCH occasionの設定周期は、MsgA RACH occasionの設定周期と同じであってもよい。この場合には、端末10にMsgA RACH occasionの設定周期が通知されると、MsgA PUSCH occasionの設定周期が定まることになる。
【0035】
(提案1-4)
MsgA PUSCH occasionの設定周期は、MsgA RACH occasionの設定周期よりも大きくてもよく、小さくてもよく、又は等しくてもよい。MsgA RACH occasionの設定周期は、MsgA PUSCH occasionの設定周期の通知方法/規定方法により定められてもよい。
【0036】
上記の提案1-1~1-4に対して、MsgA PUSCH occasionの設定周期がMsgA RACH occasionの設定周期に比べて大きい場合、小さい場合、又は等しい場合のそれぞれに対して、異なるMsgA PUSCH occasionのリソース位置の通知方法が規定されてもよく、端末10による異なるMsgA送信方法/再送方法が規定/通知されてもよい。また、上記のそれぞれの場合において、端末10が2-step RACHを選択するか、又は4-step RACHを選択するかについての、選択方法が異なっていてもよい。
【0037】
(提案2)
MsgA PUSCH occasionの設定周期の通知方法/規定方法としては、例えば、以下の提案2-1~提案2-4の方法が考えられる。
【0038】
(提案2-1)
基地局20は、MsgA RACH occasionの設定周期に対するMsgA PUSCH occasionの設定周期の相対的な値(比等)を端末10に通知することによって、MsgA PUSCH occasionの設定周期を通知してもよい。
【0039】
例えば、基地局20が端末10に対して「2」を通知したとする。この場合において、MsgA RACH occasionの設定周期が20msであれば、MsgA PUSCH occasionの設定周期は40msであってもよい。
【0040】
例えば、基地局20が端末10に対して「1/2」を通知したとする。この場合において、MsgA RACH occasionの設定周期が20msであれば、MsgA PUSCH occasionの設定周期は10msであってもよい。
【0041】
(提案2-2)
基地局20は、直接MsgA PUSCH occasionの設定周期を端末10に対して通知するのではなく、MsgA PUSCH occasionのリソース位置を通知することによって、端末10に対して、MsgA PUSCH occasionの設定周期を通知してもよい。
【0042】
例えば、基地局20は、MsgA PUSCH occasionのリソースとして、時間オフセットの開始位置となる一つ又は複数のPRACHスロット(又はRACH occasion)を指定することにより、端末10に対して、MsgA PUSCH occasionの設定周期を通知してもよい。
【0043】
例えば、基地局20は、MsgA RACH occasionの偶数番目の設定周期内に含まれるPRACHスロットのみを考慮した時間オフセットにより、端末10に対して、MsgA PUSCH occasionのリソース位置を通知してもよい。この場合、MsgA PUSCH occasionの設定周期は、MsgA RACH occasionの設定周期の2倍となることが想定される。
【0044】
(提案2-3)
基地局20は、直接MsgA PUSCH occasionの設定周期を端末10に対して通知するのではなく、MsgA RACH occasionとMsgA PUSCH occasionとのマッピング関係を端末10に通知することにより、端末10に対して、MsgA PUSCH occasionの設定周期を通知してもよい。
【0045】
例えば、端末10は、マッピング関係が繰り返される単位に基づいて、MsgA PUSCH occasionの設定周期を定めてもよい。
【0046】
(提案2-4)
基地局20は、MsgA PUSCH occasionの設定周期を、MsgA RACH occasionの設定周期とは独立に、端末10に対して通知してもよい。
【0047】
例えば、基地局20は、MsgA RACH occasionの設定周期として取り得る値の範囲と同等の範囲から、MsgA PUSCH occasionの設定周期(例:10ms、20ms、40ms、80ms、160ms)を選択して、端末10に通知してもよい。
【0048】
例えば、基地局20は、MsgA RACH occasionの設定周期として取り得る値の範囲とは異なる範囲から、MsgA PUSCH occasionの設定周期(例:5ms、320ms等)を選択して、端末10に通知してもよい。
【0049】
例えば、基地局20は、MsgA PUSCH occasionの設定周期を、MsgA PUSCH関連のconfigurationとしてまとめて端末10に通知してもよい(例:テーブル形式でインデックスを通知してもよい)。
【0050】
MsgA RACH occasionの設定周期として選択可能な値の範囲は、例えば、4-step RACHのRACH occasionが設定周期として選択可能な値の範囲と同等であってもよく、或いは異なっていてもよい。
【0051】
例えば、MsgA RACH occasionの設定周期として選択可能な値は、10ms、20ms、40ms、80ms、160ms、320msであってもよい(4-step RACHのRACH occasionの設定周期として選択可能な値は、10ms、20ms、40ms、80ms、160ms)。なお、端末10は、2-step RACHのMsgA RACH occasionの設定周期に関する設定情報と、4-step RACHのMsgA RACH occasionの設定周期に関する設定情報とが別であることから、基地局20により通知されるRACH occasionの設定周期が2-step RACHに対する設定周期なのか、それとも4-step RACHに対する設定周期なのかを区別することが可能であってもよい。
【0052】
(提案3)
MsgA RACH occasionとMsgA PUSCH occasionとのマッピング関係については、例えば、以下の提案3-1~提案3-3の関係が考えられる。
【0053】
(提案3-1)
例えば、MsgA RACH occasion設定周期を単位として、MsgA RACH occasionとMsgA PUSCH occasionとのマッピング関係が繰り返されてもよい。
【0054】
(提案3-2)
例えば、MsgA PUSCH occasion設定周期を単位として、MsgA RACH occasionとMsgA PUSCH occasionとのマッピング関係が繰り返されてもよい。
【0055】
(提案3-3)
例えば、MsgA RACH occasionとMsgA PUSCH occasionとのマッピング関係が、MsgA RACH occasion設定周期/MsgA PUSCH occasion設定周期とは独立して繰り返されてもよい。
【0056】
(提案3-4)
例えば、MsgA RACH occasion設定周期及びMsgA PUSCH occasion設定周期のうち、大きい方の設定周期を単位として、MsgA RACH occasionとMsgA PUSCH occasionとのマッピング関係が繰り返されてもよい。
【0057】
(提案3-5)
例えば、MsgA RACH occasion設定周期及びMsgA PUSCH occasion設定周期のうち、小さい方の設定周期を単位として、MsgA RACH occasionとMsgA PUSCH occasionとのマッピング関係が繰り返されてもよい。
【0058】
(提案4)
MsgA PUSCH occasionの設定周期がMsgA RACH occasionの設定周期より大きい場合、例えば、基地局20は、端末10に対して、以下の提案4-1~4-3のような方法によって、端末10に対して、MsgA PUSCH occasionの時間リソース位置を通知してもよい。
【0059】
(提案4-1)
例えば、基地局20は、MsgA PUSCH occasion設定周期内のいずれかのMsgA RACH occasionのみを用いて、時間オフセットにより、MsgA PUSCH occasionの時間リソース位置を通知してもよい。
【0060】
図5は、提案4-1の方法の例を示す図である。
図5の例において、例えば、MsgA RACH occasion設定周期が10msであり、かつMsgA PUSCH occasion設定周期が20msであったとする。この場合、MsgA PUSCH occasion設定周期内に2つのMsgA RACH occasion設定周期が含まれてもよい。例えば、基地局20は、2つのMsgA RACH occasion設定周期のうちの一方のMsgA RACH occasion設定周期のMsgA RACH occasionのみを用いて、時間オフセットにより、MsgA PUSCH occasionの時間リソース位置を設定して、端末10に対して、MsgA PUSCH occasionの時間リソース位置を通知してもよい。
【0061】
例えば、基地局20は、どのMsgA RACH occasion設定周期内のMsgA RACH occasionを用いるのかを端末10に対して通知してもよい。例えば、MsgA RACH occasion設定周期=10ms、MsgA PUSCH occasion設定周期=40msの時、基地局20は、0~9msに対応MsgA RACH occasion設定周期、つまりMsgA PUSCH occasion設定周期内の最初のMsgA RACH occasion設定周期を用いることを、端末10に通知してもよい。代替的に、基地局20は、30~39msに対応MsgA RACH occasion設定周期、つまりMsgA PUSCH occasion設定周期内の最後のMsgA RACH occasion設定周期を用いることを、端末10に通知してもよい。すなわち、基地局20は、0~9ms、10~19ms、20~29ms、及び30~39msのうちのいずれのMsgA RACH occasion設定周期を用いるか、端末10に通知してもよい。
【0062】
例えば、時間オフセットの対応関係があるMsgA RACH occasionとMsgA PUSCH occasionを端末10のMsgA送信において紐付けてもよく、MsgA送信の紐付けは、当該対応関係とは独立であってもよい。
【0063】
(提案4-2)
例えば、基地局20は、MsgA PUSCH occasionの時間リソース位置を、MsgA RACH occasionとは独立に、端末10に対して通知してもよい。
【0064】
図6は、提案4-2の方法の例を示す図である。
図6に示されるように、MsgA PUSCH occasionの時間リソース位置は、MsgA RACH occasionとは独立に、規定されてもよい。
【0065】
例えば、端末10のMsgA送信における紐付けとして、どのMsgA RACH occasion設定周期内のMsgA RACH occasionと、MsgA PUSCH occasionが紐付けられるのかが通知/規定されてもよい。例えば、MsgA RACH occasion設定周期=10ms、MsgA PUSCH occasion設定周期=40msの時、0~9msに対応するMsgA RACH occasion設定周期、つまり、MsgA PUSCH occasion設定周期内の最初のMsgA RACH occasion設定周期と紐付けることが想定されてもよい。代替的に、30~39msに対応するMsgA RACH occasion設定周期、つまり、MsgA PUSCH occasion設定周期内の最後のMsgA RACH occasion設定周期と紐付けることが想定されてもよい。すなわち、基地局20は、0~9ms、10~19ms、20~29ms、及び30~39msのうちのいずれのMsgA RACH occasion設定周期と紐付けるのか、端末10に通知してもよい。
【0066】
(提案4-3)
例えば、基地局20は、MsgA RACH occasion設定周期内の全てのMsgA RACH occasionを用いて、時間オフセットにより、MsgA PUSCH occasionの時間リソース位置を、端末10に通知してもよい。
【0067】
図7は、提案4-3の方法の例を示す図である。
図7に示されるように、MsgA PUSCH occasionの時間リソース位置は、MsgA RACH occasion設定周期内の全てのMsgA RACH occasionを用いて、時間オフセットにより、規定されてもよい。
【0068】
端末10のMsgA送信におけるMsgA RACH occasionとMsgA PUSCH occasionの紐付け関係は、時間オフセットの対応関係とは異なるものとしてもよい。
【0069】
(提案5)
以下の提案5-1及び5-2の例において、MsgA PUSCH occasionの設定周期がMsgA RACH occasionの設定周期より大きい場合を想定する。
【0070】
(提案5-1)
例えば、1つのMsgA RACH occasion設定周期の中のMsgA RACH occasionから、一巡のMsgA PUSCH occasionに対するマッピングを行ってもよい。
【0071】
例えば、基地局20は、MsgA PUSCH occasion設定周期内のいずれかのMsgA RACH occasionのみを用いて、時間オフセットにより、MsgA PUSCH occasionの時間リソース位置を通知すると仮定する(提案4-1をベースとする)。
【0072】
(提案5-1-1)
図8は、提案5-1-1の例を示す図である。例えば、MsgA PUSCH occasionのリソース位置の時間オフセットの開始として用いたMsgA RACH occasion設定周期内のMsgA RACH occasionと対応するMsgA PUSCH occasionとを、端末10のMsgA送信において紐付け、他のMsgA RACH occasion設定周期内のMsgA RACH occasionからは、いずれのMsgA PUSCH occasionにも対応させなくてもよい。つまり、対応するMsgA PUSCH occasionを持たないMsgA RACH occasionを選択した場合、端末10は、MsgA PUSCHを送信しない。この場合、例えば、端末10は、4-step RACH動作を行ってもよく、4-step RACH以外の動作を行ってもよい。例えば、端末10が2-step RACHの動作を行う場合には、対応するMsgA PUSCH occasionを持たないMsgA RACH occasionを選択しないことが規定されてもよい。
【0073】
(提案5-1-2)
図9は、提案5-1-2の例を示す図である。
例えば、MsgA PUSCH occasionのリソース位置の時間オフセットの開始として用いたMsgA RACH occasion設定周期内のMsgA RACH occasionと対応するMsgA PUSCH occasionとを、端末10のMsgA送信において紐付け、他のMsgA RACH occasion設定周期内のMsgA RACH occasionからは、MsgA RACH occasion設定周期内の紐付け関係を繰り返してもよい。
【0074】
例えば、基地局20は、MsgA PUSCH occasionの時間リソース位置を、MsgA RACH occasionとは独立に、端末10に対して通知すると仮定する(提案4-2をベースとする)。
【0075】
(提案5-1-3)
例えば、端末10によるMsgA送信において、あるMsgA RACH occasion設定周期内のMsgA RACH occasionとMsgA PUSCH occasionとが紐づいている場合において、他のMsgA RACH occasion設定周期内のMsgA RACH occasionは、いずれのMsgA PUSCH occasionとも対応付けられなくてもよい。つまり対応するMsgA PUSCH occasionを持たないMsgA RACH occasionを選択した場合、端末10は、MsgA PUSCHを送信しなくてもよい。その際には、端末10は、4-step RACH動作を行ってもよく、或いは4-step RACH以外の動作を行ってもよい。例えば、端末10が2-step RACH動作を行う場合には、対応するMsgA PUSCH occasionを持たないMsgA RACH occasionを選択しないことを規定してもよい。
【0076】
(提案5-1-4)
例えば、端末10によるMsgA送信において、MsgA RACH occasion設定周期内のMsgA RACH occasionとMsgA PUSCH occasionとが紐づいている場合、他のMsgA RACH occasion設定周期内のMsgA RACH occasionからも同様のMsgA PUSCH occasionへの紐付け関係を繰り返してもよい。
【0077】
(提案5-2)
例えば、
図10に示されるように、複数のMsgA RACH occasion設定周期の中のMsgA RACH occasionから、一巡のMsgA PUSCH occasionに対するマッピングを行ってもよい。
【0078】
例えば、基地局20は、MsgA RACH occasion設定周期内の全てのMsgA RACH occasionを用いて、時間オフセットにより、MsgA PUSCH occasionの時間リソース位置を、端末10に通知と仮定する(提案4-3をベースとする)。
【0079】
(提案5-3)
図11は、提案5-3の例を示す図である。端末10によるMsgA送信におけるMsgA RACH occasionとMsgA PUSCH occasionの紐付け関係は、時間オフセットの対応関係と同様であってもよい。
【0080】
(提案5-4)
例えば、端末10によるMsgA送信におけるMsgA RACH occasionとMsgA PUSCH occasionの紐付け関係は、時間オフセットの対応関係とは異なっていてもよい。例えば、あるMsgA RACH occasion設定周期内とMsgA PUSCH occasion設定周期内において、通知/規定された紐付け関係の情報をもとに、それぞれの設定周期内の先頭から順に紐付けてもよい。
【0081】
(提案5-4-1)
図12は、提案5-4-1の例を示す図である。他のMsgA RACH occasion設定周期内のMsgA RACH occasionからは、いずれのMsgA PUSCH occasionにも対応させない、つまり、対応するMsgA PUSCH occasionを持たないMsgA RACH occasionを選択した時、端末10は、MsgA PUSCHを送信しなくてもよい。その場合には、端末10は、4-step RACHの動作を行ってもよく、4-step RACH以外の動作を行ってもよい。例えば、2-step RACHの動作を行う場合には、端末10は、対応するMsgA PUSCH occasionを持たないMsgA RACH occasionを選択しないと規定されてもよい。
【0082】
(提案5-4-2)
図13は、提案5-4-2の例を示す図である。端末10によるMsgA送信において、MsgA RACH occasion設定周期内のMsgA RACH occasionとMsgA PUSCH occasionとが紐づいている場合、他のMsgA RACH occasion設定周期内のMsgA RACH occasionからも同様のMsgA PUSCH occasionへの紐付け関係を繰り返してもよい。例えば、MsgA RACH occasionより時間方法で前のリソースを持つMsgA PUSCH occasionに対してはマッピングしないこととしてもよく、マッピングしてもよい。また、例えば、同一MsgA RACH occasionから、異なるMsgA PUSCH occasion設定周期に含まれるMsgA PUSCH occasionマッピングしないこととしてもよく、マッピングしてもよい。
【0083】
(提案6)
以下の提案6-1~6-3の例において、MsgA PUSCH occasionの設定周期がMsgA RACH occasionの設定周期より小さい場合を想定する。
【0084】
(提案6-1)
図14は、提案6-1の例を示す図である。基地局20は、MsgA RACH occasion設定周期内の一部のMsgA RACH occasionのみを用いて、時間オフセットにより、MsgA PUSCH occasionの時間リソース位置を、端末10に通知してもよい。例えば、基地局20は、どのMsgA RACH occasionを用いるのか通知してもよい。通知されたMsgA RACH occasionにより定まったMsgA PUSCH occasionが、MsgA PUSCH occasion設定周期毎に繰り返されてもよい。
【0085】
(提案6-2)
基地局20は、MsgA RACH occasion設定周期内の全てのMsgA RACH occasionを用いて、時間オフセットにより、MsgA PUSCH occasionの時間リソース位置を端末10に通知してもよい。通知されたMsgA RACH occasionにより定まったMsgA PUSCH occasionが、MsgA PUSCH occasion設定周期毎に繰り返されてもよい。
【0086】
(提案6-2-1)
図15は、提案6-2-1の例を示す図である。例えば、時間オフセット関係にあるMsgA RACH occasionとMsgA PUSCH occasionが、端末10によるMsgA送信のマッピング関係となってもよく、繰り返されたMsgA RACH occasionが同様のMsgA RACH occasionからマッピングされてもよい。
【0087】
(提案6-2-2)
図16は、提案6-2-2の例を示す図である。MsgA RACH occasionとMsgA PUSCH occasion間の時間オフセットの関係とMsgA送信のマッピング関係は独立であってもよい。例えば、MsgA送信のマッピング関係はネットワークから通知されてもよい。
【0088】
(提案6-3)
基地局20は、MsgA PUSCH occasionの時間リソース位置を、MsgA RACH occasionとは独立に通知してもよい。例えば、マッピング関係について、ネットワークから通知されてもよい。
【0089】
(提案6-3-1)
例えば、MsgA RACH occasionとMsgA PUSCH occasion間のMsgA送信のマッピング関係に関して、繰り返されたMsgA PUSCH occasionについても同様のMsgA RACH occasionからのマッピングが繰り返されてもよい。
【0090】
(提案6-3-2)
例えば、MsgA RACH occasionとMsgA PUSCH occasion間のMsgA送信のマッピング関係に関して、繰り返されたMsgA PUSCH occasionでは異なるMsgA RACH occasionからマッピングされてもよい。
【0091】
(装置構成)
次に、これまでに説明した処理動作を実行する端末10及び基地局20の機能構成例を説明する。端末10及び基地局20は、本実施の形態で説明した全ての機能を備えている。ただし、端末10及び基地局20は、本実施の形態で説明した全ての機能のうちの一部のみの機能を備えてもよい。なお、端末10及び基地局20を総称して通信装置と称してもよい。
【0092】
<端末>
図17は、端末10の機能構成の一例を示す図である。
図17に示すように、端末10は、送信部110と、受信部120と、制御部130を有する。
図17に示す機能構成は一例に過ぎない。本実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分及び機能部の名称はどのようなものでもよい。なお、送信部110を送信機と称し、受信部120を受信機と称してもよい。
【0093】
送信部110は、送信データから送信を作成し、当該送信信号を無線で送信する。また、送信部110は、1つ又は複数のビームを形成することができる。受信部120は、各種の信号を無線受信し、受信した物理レイヤの信号からより上位のレイヤの信号を取得する。また、受信部120は受信する信号の測定を行って、受信電力等を取得する測定部を含む。
【0094】
制御部130は、端末10の制御を行う。なお、送信に関わる制御部130の機能が送信部110に含まれ、受信に関わる制御部130の機能が受信部120に含まれてもよい。
【0095】
例えば、4 step RACH手順において、送信部110は、ランダムアクセスプリアンブルを送信する。受信部120は、基地局20からランダムアクセスレスポンスを受信する。制御部130は、ランダムアクセスレスポンスから、Message3を送信するための無線リソースの情報を取得する。送信部110は、制御部130により設定される無線リソースを介して、Message3を基地局20に送信する。受信部120は、基地局20からMessage4を受信する。
【0096】
また、例えば、2 step RACH手順において、送信部110は、MessageAの送信を行う。つまり、送信部110は、2 step RACH手順におけるランダムアクセスプリアンブルを基地局20に送信し、4 step RACH手順におけるMessage2に相当するメッセージを受信する前に、2 step RACH手順におけるPUSCHでのデータの送信を行う。受信部120は、MessageBの受信を行う。
【0097】
2 step RACH手順において、制御部130は、送信部110がMessageAを送信する際に、前述の提案方式のいずれかの方式に従って、MsgA RACH occasionとMsgA PUSCH occasionとの間の対応付けを決定してもよい。
【0098】
<基地局20>
図18は、基地局20の機能構成の一例を示す図である。
図18に示すように、基地局20は、送信部210と、受信部220と、制御部230を有する。
図18に示す機能構成は一例に過ぎない。本実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分及び機能部の名称はどのようなものでもよい。なお、送信部210を送信機と称し、受信部220を受信機と称してもよい。
【0099】
送信部210は、端末10側に送信する信号を生成し、当該信号を無線で送信する機能を含む。受信部220は、端末10から送信された各種の信号を受信し、受信した信号から、例えばより上位のレイヤの情報を取得する機能を含む。また、受信部220は受信する信号の測定を行って、受信電力等を取得する測定部を含む。
【0100】
制御部230は、基地局20の制御を行う。なお、送信に関わる制御部230の機能が送信部210に含まれ、受信に関わる制御部230の機能が受信部220に含まれてもよい。
【0101】
例えば、4 step RACH手順において、受信部220は、端末10から送信されたランダムアクセスプリアンブルを受信する。送信部210は、端末10にランダムアクセスレスポンスを送信する。制御部230は、ランダムアクセスレスポンスに、端末10がMessage3を送信するための無線リソースを示す情報を含める。受信部220は、制御部230により設定された無線リソースを介して、Message3を端末10から受信する。送信部210は、端末10にMessage4を送信する。
【0102】
また、例えば、2 step RACH手順において、受信部220は、端末10から送信されるMessageAの受信を行う。つまり、受信部220は、2 step RACH手順におけるランダムアクセスプリアンブルを端末10から受信し、4 step RACH手順におけるMessage2に相当するメッセージを送信する前に、2 step RACH手順におけるPUSCHでのデータの受信を行う。送信部220は、MessageBの送信を行う。
【0103】
また、2 step RACH手順において、制御部230は、例えば、上述の提案方式のいずれかの方式に基づいて、MsgA RACH occasionとMsgA PUSCH occasionとの間の対応付けを決定してもよい。
【0104】
<ハードウェア構成>
上記実施の形態の説明に用いたブロック図(
図17~
図18)は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に複数要素が結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
【0105】
また、例えば、本発明の一実施の形態における端末10と基地局20はいずれも、本実施の形態に係る処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
図19は、本実施の形態に係る端末10と基地局20のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の端末10と基地局20はそれぞれ、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0106】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。端末10と基地局20のハードウェア構成は、図に示した1001~1006で示される各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0107】
端末10と基地局20における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
【0108】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。
【0109】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール又はデータを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、
図17に示した端末10の送信部110、受信部120、制御部130は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよい。また、例えば、
図18に示した基地局20の送信部210と、受信部220と、制御部230は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0110】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施の形態に係る処理を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0111】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及び/又はストレージ1003を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0112】
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。例えば、端末10の送信部110及び受信部120は、通信装置1004で実現されてもよい。また、基地局20の送信部210及び受信部220は、通信装置1004で実現されてもよい。
【0113】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0114】
また、プロセッサ1001及びメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
【0115】
また、端末10と基地局20はそれぞれ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
【0116】
(実施の形態のまとめ)
本明細書には、少なくとも以下の端末及び通信方法が開示されている。
【0117】
2段階のランダムアクセス手順のMessageAの送信に関するランダムアクセスプリアンブルの送信機会の設定周期及び物理上り共有チャネルの送信機会の設定周期の間の関係性を示す情報を受信する受信部と、前記関係性を示す情報に基づき、前記2段階のランダムアクセス手順のMessageAの送信に関するランダムアクセスプリアンブルの送信機会及び前記物理上り共有チャネルの送信機会を選択する制御部と、を備える端末。
【0118】
上記の構成によれば、端末は、通知されるランダムアクセスプリアンブルの送信機会の設定周期及び物理上り共有チャネルの送信機会の設定周期の間の関係性を示す情報に基づき、2段階のランダムアクセス手順のMessageAの送信に関するランダムアクセスプリアンブルの送信機会及び前記物理上り共有チャネルの送信機会を決定することが可能となる。
【0119】
前記関係性を示す情報は、前記ランダムアクセスプリアンブルの送信機会の設定周期と前記物理上り共有チャネルの送信機会の設定周期との間の比を示してもよい。
【0120】
上記の構成によれば、端末は、例えば、「2」が通知され、MsgA RACH occasionの設定周期が20msであれば、MsgA PUSCH occasionの設定周期が40msであることを検出することが可能となる。
【0121】
前記関係性を示す情報は、前記ランダムアクセスプリアンブルの送信機会の設定周期と前記物理上り共有チャネルの送信機会の設定周期との間のマッピング関係を示してもよい。
【0122】
上記の構成によれば、端末は、通知されるマッピング関係に基づき、MsgA PUSCH occasionの設定周期を検出することが可能となる。
【0123】
前記関係性を示す情報は、前記ランダムアクセスプリアンブルの送信機会の設定周期と前記物理上り共有チャネルの送信機会の設定周期とが同じであることを示してもよい。
【0124】
上記の構成によれば、端末は、前記ランダムアクセスプリアンブルの送信機会の設定周期に基づき、前記物理上り共有チャネルの送信機会の設定周期を決定することが可能となる。
【0125】
2段階のランダムアクセス手順のMessageAの送信に関するランダムアクセスプリアンブルの送信機会の設定周期及び物理上り共有チャネルの送信機会の設定周期の間の関係性を示す情報を受信するステップと、前記関係性を示す情報に基づき、前記2段階のランダムアクセス手順のMessageAの送信に関するランダムアクセスプリアンブルの送信機会及び前記物理上り共有チャネルの送信機会を選択するステップと、を備える、端末による通信方法。
【0126】
上記の構成によれば、端末は、通知されるランダムアクセスプリアンブルの送信機会の設定周期及び物理上り共有チャネルの送信機会の設定周期の間の関係性を示す情報に基づき、2段階のランダムアクセス手順のMessageAの送信に関するランダムアクセスプリアンブルの送信機会及び前記物理上り共有チャネルの送信機会を決定することが可能となる。
【0127】
(実施形態の補足)
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、開示される発明はそのような実施形態に限定されず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。上記の説明における項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、ある項目に記載された事項が、別の項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。機能ブロック図における機能部又は処理部の境界は必ずしも物理的な部品の境界に対応するとは限らない。複数の機能部の動作が物理的には1つの部品で行われてもよいし、あるいは1つの機能部の動作が物理的には複数の部品により行われてもよい。実施の形態で述べた処理手順については、矛盾の無い限り処理の順序を入れ替えてもよい。処理説明の便宜上、端末10と基地局20は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明の実施の形態に従って端末10が有するプロセッサにより動作するソフトウェア及び本発明の実施の形態に従って基地局20が有するプロセッサにより動作するソフトウェアはそれぞれ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク(HDD)、リムーバブルディスク、CD-ROM、データベース、サーバその他の適切な如何なる記憶媒体に保存されてもよい。
【0128】
情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、ブロードキャスト情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
【0129】
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
【0130】
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0131】
本明細書において基地局20によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局20を有する1つまたは複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末10との通信のために行われる様々な動作は、基地局20および/または基地局20以外の他のネットワークノード(例えば、MMEまたはS-GWなどが考えられるが、これらに限られない)によって行われ得ることは明らかである。上記において基地局20以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MMEおよびS-GW)であってもよい。
【0132】
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。
【0133】
端末10は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0134】
基地局20は、当業者によって、NB(NodeB)、eNB(enhanced NodeB)、ベースステーション(Base Station)、gNB、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0135】
本明細書で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。
【0136】
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0137】
「含む(include)」、「含んでいる(including)」、およびそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0138】
本開示の全体において、例えば、英語でのa,an,及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、これらの冠詞は、文脈から明らかにそうではないことが示されていなければ、複数のものを含み得る。
【0139】
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0140】
10 ユーザ装置
110 送信部
120 受信部
130 制御部
20 基地局
210 送信部
220 受信部
230 制御部
1001 プロセッサ
1002 メモリ
1003 ストレージ
1004 通信装置
1005 入力装置
1006 出力装置