(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-07
(45)【発行日】2024-02-16
(54)【発明の名称】注文管理装置、注文管理システム及び注文管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20240208BHJP
【FI】
G06Q30/06
(21)【出願番号】P 2022065743
(22)【出願日】2022-04-12
【審査請求日】2022-04-13
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)ウェブサイトの掲載日 令和3年12月1日 (2)ウェブサイトのアドレス(URL) https://bloomeelife.com/giftcard、(1)ウェブサイトの掲載日 令和4年1月9日 (2)ウェブサイトのアドレス(URL) https://www.amazon.co.jp/dp/B09Q81HRG4、(1)ウェブサイトの掲載日 令和4年1月12日 (2)ウェブサイトのアドレス(URL) https://www.amazon.co.jp/dp/B09QCT32YP、(1)ウェブサイトの掲載日 令和4年1月24日 (2)ウェブサイトのアドレス(URL) https://speakerdeck.com/userlike1/burumigihutokadofalsegoshao-jie-user-like-20220124、(1)ウェブサイトの掲載日 令和4年2月28日 (2)ウェブサイトのアドレス(URL) https://giftcamp.bloomeelife.com/、(1)販売日又は配布日 令和3年12月3日 「注文管理装置、注文管理システム及び注文管理方法」について公開した。
(73)【特許権者】
【識別番号】518187581
【氏名又は名称】ユーザーライク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100211052
【氏名又は名称】奥村 大輔
(72)【発明者】
【氏名】久保 裕太郎
【審査官】牧 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-097129(JP,A)
【文献】特開2004-145581(JP,A)
【文献】国際公開第2022/054791(WO,A1)
【文献】特開2002-133152(JP,A)
【文献】特開2004-046544(JP,A)
【文献】特開2002-334377(JP,A)
【文献】特開2003-228664(JP,A)
【文献】特開2002-049863(JP,A)
【文献】特開2018-037072(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0174134(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ギフトカードの受取人のユーザ端末、及び、複数の店舗にそれぞれ設けられた複数の店舗端末と通信可能であり、花の注文を管理する注文管理装置であって、
配送先住所を含む注文情報と前記ギフトカードを特定するギフトカードIDとを前記ユーザ端末から取得する注文受付部であり、前記注文情報が花の種類を示す情報を含まない、該注文受付部と、
前記ギフトカードIDと前記ギフトカードの種別とが関連付けられたギフトカード情報を記憶する記憶部と、
前記ユーザ端末から取得した前記ギフトカードIDに対応する前記ギフトカードの種別を前記記憶部から読み出し、読み出した前記ギフトカードの種別に基づいて出荷する花の属性を決定する属性決定部と、
前記複数の店舗端末のうち一つの店舗端末に対して、前記注文情報及び決定された前記属性を示す情報を送信して、前記属性に対応する花の出荷指示を行う注文送信部と、
前記一つの店舗端末の店舗から出荷される花の種類を示す情報を前記一つの店舗端末から受信する出荷情報受信部と、
前記花の種類を示す情報を前記ユーザ端末に送信する出荷情報提示部と、
を備える、注文管理装置。
【請求項2】
前記属性は、花の色、本数、グレード及び品質の少なくとも1つに関する情報を含む、請求項1に記載の注文管理装置。
【請求項3】
前記属性は、花の本数を示す情報を含み、
前記記憶部は、前記ギフトカードの種別と前記花の属性を示す情報とが関連付けられた属性情報を更に記憶し、
前記属性決定部は、取得した前記ギフトカードの種別に対応する前記花の属性を前記属性情報から読み出し、読み出した前記花の属性に基づいて出荷する花の本数を決定する、請求項1に記載の注文管理装置。
【請求項4】
前記属性は、花の色を示す情報を更に含み、
前記記憶部は、過去に注文者に出荷した花の種類を示す情報を含む履歴情報を更に記憶し、
前記属性決定部は、前記履歴情報に基づいて出荷する花の色を決定する、請求項3に記載の注文管理装置。
【請求項5】
前記注文送信部は、前記配送先住所に基づいて、前記複数の店舗端末から前記花の出荷指示を行う前記一つの店舗端末を決定する、請求項1~4の何れか一項に記載の注文管理装置。
【請求項6】
前記ギフトカード情報は、注文可能回数を示す情報を更に含み、
前記注文受付部は、前記ユーザ端末から前記注文情報を受け付けたときに、前記ユーザ端末から取得した前記ギフトカードIDに対応する前記注文可能回数を減ずる、請求項1に記載の注文管理装置。
【請求項7】
前記出荷情報提示部は、花の配送ステータスを示す情報を前記ユーザ端末に更に送信する、請求項1に記載の注文管理装置。
【請求項8】
ギフトカードの受取人のユーザ端末と、複数の店舗にそれぞれ設けられた複数の店舗端末と、前記ユーザ端末と前記複数の店舗端末と通信可能な注文管理装置とを含み、花の注文を管理する注文管理システムであって、
前記注文管理装置は、
配送先住所を含む注文情報と前記ギフトカードを特定するギフトカードIDとを前記ユーザ端末から取得する注文受付部であり、前記注文情報が花の種類を示す情報を含まない、該注文受付部と、
前記ギフトカードIDと前記ギフトカードの種別とが関連付けられたギフトカード情報を記憶する記憶部と、
前記ユーザ端末から取得した前記ギフトカードIDに対応する前記ギフトカードの種別を前記記憶部から読み出し、読み出した前記ギフトカードの種別に基づいて出荷する花の属性を決定する属性決定部と、
前記複数の店舗端末のうち一つの店舗端末に対して、前記注文情報及び決定された前記属性を示す情報を送信して、前記属性に対応する花の出荷指示を行う注文送信部と、
前記一つの店舗端末の店舗から出荷される花の種類を示す情報を前記一つの店舗端末から受信する出荷情報受信部と、
前記花の種類を示す情報を前記ユーザ端末に送信する出荷情報提示部と、
を備え、
前記複数の店舗端末の各々は、
前記注文管理装置から受信した前記注文情報及び決定された前記属性を示す情報を表示装置に表示する注文受信部と、
前記一つの店舗端末の店舗から出荷される花の種類を示す情報を前記注文管理装置に送信する出荷情報送信部と、
を備える、注文管理システム。
【請求項9】
注文受付部、属性決定部、注文送信部、出荷情報受信部及び出荷情報提示部を備える注文管理装置によって実行される注文管理方法であって、
前記注文受付部が、ギフトカードの受取人のユーザ端末から配送先住所を含む注文情報と前記ギフトカードを特定するギフトカードIDとを取得するステップであり、前記注文情報が花の種類を示す情報を含まない、該ステップと、
前記属性決定部が、前記ギフトカードIDと前記ギフトカードの種別とが関連付けられたギフトカード情報を記憶する記憶部から、前記ユーザ端末から取得した前記ギフトカードIDに対応する前記ギフトカードの種別を読み出し、読み出した前記ギフトカードの種別に基づいて出荷する花の属性を決定するステップと、
前記注文送信部が、複数の店舗にそれぞれ設けられた複数の店舗端末のうち一つの店舗端末に対して、前記注文情報及び決定された前記属性を示す情報を送信して、前記属性に対応する花の出荷指示を行うステップと、
前記出荷情報受信部が、前記一つの店舗端末の店舗から出荷される花の種類を示す情報を前記一つの店舗端末から受信するステップと、
前記出荷情報提示部が、前記花の種類を示す情報を前記ユーザ端末に送信するステップと、
を含む、注文管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、花の注文を管理する注文管理装置、注文管理システム及び注文管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通信技術を利用して花の注文を受け付けるシステムが知られている。例えば、下記特許文献1には、贈り主が第1加盟店のプレミアコードを入力して花を注文すると、花通信配達管理装置が配達を担当する第2加盟店に発注情報を送信して花を受取人に配達させ、第1加盟店に還元金を付与するシステムについて記載されている。下記特許文献2には、花注文情報を受信すると、花の配送先から一定距離内の複数の花屋を抽出し、抽出された複数の花屋に花注文情報をプッシュ送信し、複数の花屋のうち受注を希望する花屋から受注希望信号を受信するシステムについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-310546号公報
【文献】特開2018-037072号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
花は贈答品として広く親しまれているが、花は生鮮品であるため長期間鮮度を保つことが難しい。したがって、特許文献1のように贈り主が購入した花を受取人に配送するシステムでは、例えば長期間の不在等で受取人が花を早期に受け取ることができない場合に花の鮮度が低下する恐れがある。したがって、受取人の都合のよいタイミングで花を配送することが望ましい。
【0005】
そこで、花に代えて花を注文可能なギフトカードを受取人に贈ることが考えられる。贈られたギフトカードを用いて注文者自身が花を注文することにより、新鮮な花を注文者の都合に合わせて受け取ることができる。一方で、出荷可能な花の種類は地域や季節によって日々変化するので、ギフトカードを用いて任意の地域から任意のタイミングで花を注文できるようにするためには、どのような花をどこから出荷するかを決定する仕組みが必要となる。
【0006】
したがって、本開示は、ギフトカードを用いた花の注文に対して花を円滑に配送する仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様では、ユーザ端末、及び、複数の店舗にそれぞれ設けられた複数の店舗端末と通信可能であり、花の注文を管理する注文管理装置が提供される。この注文管理装置は、配送先住所を含む注文情報とギフトカードを特定するギフトカードIDとをユーザ端末から取得する注文受付部と、ユーザ端末から取得したギフトカードIDに基づいて出荷する花の属性を決定する属性決定部と、複数の店舗端末のうち一つの店舗端末に対して、注文情報及び決定された属性を示す情報を送信して、属性に対応する花の出荷指示を行う注文送信部と、を備える。
【0008】
本態様の注文管理装置は、ギフトカードを用いた注文を受け付けるので、注文者は自身の都合に合わせて花の注文を行うことができる。したがって、注文者に新鮮な花を届けることができる。また、本態様では、ギフトカードIDに基づいて出荷する花の属性が決定され、決定された属性に対応する花の出荷指示が一つの店舗端末に対して行われる。このように、特定の花の種類ではなく花の属性を店舗端末に送信することにより、店舗側で出荷可能な花を決定することができ、その結果、注文者に属性に対応する花を円滑に配送することができる。
【0009】
一実施形態の注文管理装置は、一つの店舗端末の店舗から出荷される花の種類を示す情報を一つの店舗端末から受信する出荷情報受信部と、花の種類を示す情報をユーザ端末に送信する出荷情報提示部と、を更に備えていてもよい。この実施形態によれば、注文者に配送される花の種類を知らせることができる。
【0010】
一実施形態では、属性は、花の色、本数、グレード及び品質の少なくとも1つに関する情報を含んでいてもよい。この実施形態では、属性に応じた花を注文者に配送することができる。
【0011】
一実施形態の注文管理装置は、ギフトカードIDとギフトカードの種別とが関連付けられたギフトカード情報を記憶する記憶部を更に備え、属性決定部は、ユーザ端末から取得したギフトカードIDに対応するギフトカードの種別をギフトカード情報から読み出し、読み出したギフトカードの種別に基づいて出荷する花の属性を決定してもよい。この実施形態では、ギフトカードの種別に応じた属性の花を注文者に配送することができる。
【0012】
一実施形態では、属性は、花の本数を示す情報を含み、記憶部は、ギフトカードの種別と花の属性を示す情報とが関連付けられた属性情報を更に記憶し、属性決定部は、取得したギフトカードの種別に対応する花の属性を属性情報から読み出し、読み出した花の属性に基づいて出荷する花の本数を決定してもよい。この実施形態では、ギフトカードの種別に応じた本数の花を注文者に配送することができる。
【0013】
一実施形態では、属性は、花の色を示す情報を更に含み、記憶部は、過去に注文者に出荷した花の種類を示す情報を含む履歴情報を更に記憶し、属性決定部は、履歴情報に基づいて出荷する花の色を決定してもよい。この実施形態では、過去に発送された花の種類を踏まえて注文者に発送する花の色が決定される。したがって、例えば同じ色合いの花が繰り返し配送されるなどして、注文者に飽きられることを抑制することができる。
【0014】
一実施形態では、注文送信部は、配送先住所に基づいて、複数の店舗端末から花の出荷指示を行う一つの店舗端末を決定してもよい。配送先住所に基づいて花の出荷を担当する店舗を決定することにより、注文者に花を円滑に配送することができる。
【0015】
別の態様では、ユーザ端末と、複数の店舗にそれぞれ設けられた複数の店舗端末と、ユーザ端末と複数の店舗端末と通信可能な注文管理装置とを含み、花の注文を管理する注文管理システムが提供される。この注文管理装置は、配送先住所を含む注文情報とギフトカードを特定するギフトカードIDとをユーザ端末から取得する注文受付部と、ユーザ端末から取得したギフトカードIDに基づいて出荷する花の属性を決定する属性決定部と、複数の店舗端末のうち一つの店舗端末に対して、注文情報及び決定された属性を示す情報を送信して、属性に対応する花の出荷指示を行う注文送信部と、を備える。複数の店舗端末の各々は、注文管理装置から受信した注文情報及び決定された属性を示す情報を表示装置に表示する注文受信部と、一つの店舗端末の店舗から出荷される花の種類を示す情報を注文管理装置に送信する出荷情報送信部と、を備える。
【0016】
別の態様では、花の注文を管理する注文管理方法が提供される。この注文管理方法は、配送先住所を含む注文情報とギフトカードを特定するギフトカードIDとをユーザ端末から取得するステップと、ユーザ端末から取得したギフトカードIDに基づいて出荷する花の属性を決定するステップと、複数の店舗にそれぞれ設けられた複数の店舗端末のうち一つの店舗端末に対して、注文情報及び決定された属性を示す情報を送信して、属性に対応する花の出荷指示を行うステップと、を含む。
【0017】
上述のように、上記態様の注文管理システム及び注文管理方法によれば、注文者に属性に対応する花を円滑に配送することができる。
【発明の効果】
【0018】
本開示の種々の態様によれば、ギフトカードを用いた花の注文に対して花を円滑に配送する仕組みを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】一実施形態に係る注文管理システムの構成を模式的に示す図である。
【
図2】注文管理システムの機能的構成を示すブロック図である。
【
図3】注文管理装置のハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【
図5】一実施形態に係る注文管理方法を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本開示の実施形態について説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は繰り返さない。
【0021】
図1は、一実施形態に係る注文管理システムの構成を概念的に示す図である。注文管理システム1は、ギフトカードGを用いて花を注文した注文者(ユーザ)5に花を配送するシステムである。本明細書において、「花」とは観賞用の植物を意味しており、複数の草花が束ねられた花束を含む。
【0022】
図1に示すように、注文管理システム1は、ユーザ端末2、複数の店舗端末3、及び、注文管理装置10を備えている。ユーザ端末2は、花を注文する注文者5が所有するコンピュータ端末である。例えば、ユーザ端末2は、例えばノートパソコン、タブレット端末、スマートフォン、PDA[Personal Digital Assistant]等の携帯端末であり、注文者5によって操作される。ユーザ端末2は、ネットワークNを介して注文管理装置10と通信可能である。ネットワークNは、例えばインターネット回線である。
図1では、1台のユーザ端末2のみが図示されているが、ユーザ端末2の台数は限定されない。
【0023】
ユーザ端末2のユーザは、ギフトカードGを用いて花を注文する。ギフトカードGは、花の購入に使用可能な商品券である。典型的には、花を贈ることを希望する贈り主は、贈り主の居住地の近くの店舗でギフトカードGを購入し、注文者5に発送する。ギフトカードGを受け取った注文者5は、自身の希望するタイミングでギフトカードGを利用して花を注文する。なお、ギフトカードGを用いた注文によって注文者5に届けられる花の属性は、ギフトカードGの種別に応じて決定される。
【0024】
「花の属性」とは、花の性質又は特徴を表す情報であり、例えば花の色、本数、グレード及び品質の少なくとも1つに関する情報を含む。「花の色」とは、花のメインの色を表しており、例えば複数の花のうち最も大きな面積を占める花の色を意味する。「花の本数」とは、花束に含まれる花の本数を意味する。「花のグレード」とは、花の等級を表している。例えば、高いグレードの花は価格の高い花である。「花の品質」とは、花の鮮度や見た目の良さを表している。
【0025】
一実施形態では、ギフトカードGの種別には、花の本数が関連付けられる。例えば注文に使用するギフトカードGの種別に応じて、届けられる花の本数が異なる。典型的には、ギフトカードGの価格はその種別に応じて異なっており、高額な種別のギフトカードGを用いて花の注文をすると、多くの本数の花を含む花束が注文者に届けられる。贈り主は、希望する種別のギフトカードGを購入して注文者5に贈ることができる。なお、ギフトカードGは、贈り主がインターネット上で購入して注文者5に配送されてもよい。
図1に示すように、ギフトカードGの券面には、ギフトカードGを特定する文字列であるギフトカードIDと、暗証番号であるPINコードが記載される。なお、ギフトカードGは、物理的なカードであってもよいし、電子的なギフトカードであってよい。
【0026】
複数の店舗端末3は、例えばノートパソコン、タブレット端末、スマートフォン、PDA[Personal Digital Assistant]等のコンピュータ端末であり、複数の店舗のそれぞれに設けられる。店舗は、花を販売する販売店である。複数の店舗は、例えば注文管理システム1の利用を許可された加盟店である。これら複数の店舗の各々は、花の配送が可能な配送エリアを有している。店舗端末3は、ネットワークNを介して注文管理装置10と通信可能である。店舗端末3は、各店舗で働く店員によって操作される。後述するように、店舗の店員は、注文管理装置10からの出荷指示に従って花束を作成し、注文者5に配送する。
【0027】
注文管理装置10は、ギフトカードGを用いた注文者5からの花の注文を一元的に管理する。注文管理装置10は、据置型又は携帯型のパーソナルコンピュータ、ワークステーション又はサーバ装置であってもよいし、ノートパソコン、タブレット端末、スマートフォン、PDA等の携帯端末であってもよい。注文管理装置10は、例えば注文を管理する管理センターに配置され、複数の加盟店を統括管理するフランチャイザー等の本部組織によって管理される。
【0028】
注文管理装置10は、ユーザ端末2、及び、複数の店舗端末3とネットワークNを介して通信可能であり、注文者5からのギフトカードGを用いた花の注文を管理する。注文の管理には、例えば注文の受け付け、花を出荷する出荷店舗の決定、出荷店舗への花の出荷指示、配送ステータスの管理、及び、注文者5への配送情報の提供等が含まれる。
【0029】
図2は、一実施形態に係る注文管理システム1の機能的構成を示すブロック図である。
図2に示すように、注文管理装置10は、注文受付部21、属性決定部22、注文送信部23、出荷情報受信部24、出荷情報提示部25、及び、記憶部26を備えている。
図2では注文管理装置10が1台のコンピュータで構成されているように示しているが、注文管理装置10の機能は複数台のコンピュータに分散して配置されてもよい。例えば、記憶部26を備えるコンピュータとその他の機能を備えるコンピュータとにより、注文管理装置10が構成されてもよい。
【0030】
図3は、注文管理装置10のハードウェアの構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、注文管理装置10は、オペレーティングシステムやアプリケーション・プログラム等を実行するCPU101と、ROM及びRAMで構成される主記憶部102と、ハードディスク等で構成される補助記憶部103と、ネットワークカードなどで構成される通信制御部104と、キーボードやマウス等の入力部105と、ディスプレイ等の出力部106とを備える。注文管理装置10の各機能は、CPU101や主記憶部102の上に所定のソフトウェアを読み込ませ、CPU101の制御の下で通信制御部104や入力部105、出力部106などを動作させ、主記憶部102や補助記憶部103におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。処理に必要なデータやデータベースは主記憶部102や補助記憶部103内に格納される。
【0031】
一実施形態では、記憶部26は、ギフトカード情報、属性情報及び履歴情報を記憶している。ギフトカード情報は、ギフトカードGに関する情報である。
図4は、ギフトカード情報の一例を示している。
図4に示すように、ギフトカード情報には、ギフトカードID、PINコード、ギフトカードの種別を示す情報及び注文可能回数が互いに関連付けられている。なお、PINコードは、暗号化された状態でギフトカード情報に保存されていてもよい。
【0032】
注文可能回数は、ギフトカードGを用いて花の注文が可能な残り回数を示している。例えば、
図4に示す例では、ギフトカードID「100010000001」のギフトカードGは、あと2回の注文が可能であり、ギフトカードID「100010000002」のギフトカードGは、残り1回の注文が可能であることを示している。
【0033】
属性情報は、ギフトカードの種別と花の属性を示す情報とを関連付けて記憶している。一実施形態では、属性情報は、ギフトカードGの種別と花の本数を示す情報とを関連付けて記憶している。例えば、種別AのギフトカードGを用いた注文では、5本の花を含む花束が注文者5に配送され、種別BのギフトカードGを用いた注文では、3本の花を含む花束が注文者5に配送される。
【0034】
履歴情報は、注文者5に過去に出荷した花の種類を記憶している。例えば、履歴情報は、注文者5を特定する注文者ID、出荷した花の種類、出荷した花の属性(花の色、本数、グレード及び品質)、出荷した日付等の情報を含む。
【0035】
注文受付部21は、ユーザ端末2から花の注文を受け付ける。花を注文する際には、注文者5は、例えばユーザ端末2を用いて注文用ウェブページにアクセスし、注文情報、ギフトカードID及びPINコードを入力する。注文情報は、花の注文に関する情報であり、例えば注文者5の氏名、配送先住所、電話番号及び配送希望日に関する情報を含む。注文受付部21は、注文者5によって入力された注文情報、ギフトカードID及びPINコードを取得する。
【0036】
注文受付部21は、ユーザ端末2から注文を受信すると、ギフトカード情報を参照してギフトカードGを認証する。例えば注文受付部21は、ユーザ端末2から受信したギフトカードIDに対応するPINコードをギフトカード情報から抽出し、抽出したPINコードとユーザ端末2から受信したPINコードとが一致したときに認証成功と判定する。
【0037】
また、注文受付部21は、ギフトカード情報を参照して、受信したギフトカードIDに対応する注文可能回数が1以上であるか否かを判定する。注文可能回数が1以上である場合には、注文受付部21は、注文者5の注文を受け付けると共に、注文に使用されたギフトカードGの注文可能回数を1だけ減らす。
【0038】
属性決定部22は、ユーザ端末2から受信したギフトカードIDに基づいて、注文者5に発送する花の属性を決定する。一実施形態では、属性決定部22は、花の属性として花の本数及び花の色を決定する。
【0039】
例えば、属性決定部22は、ギフトカード情報を参照して、ギフトカードGの種別を取得する。そして、属性決定部22は、属性情報を参照して、取得したギフトカードGの種別に対応する花の本数を示す情報を抽出し、その花の本数を出荷する花の本数として決定する。
図4に示す例では、注文時に入力されたギフトカードID「100010000001」に対応するギフトカードGは種別Aである。種別Aに関連付けられた花の本数が5本である場合、このギフトカードGを用いた注文に対して注文者に配送される花の本数は5本に設定される。
【0040】
また、属性決定部22は、注文者5に配送する花の色を決定する。配送される花の色は、注文者5の性別、年齢、趣向、配送時期(季節)、配送エリア等に基づいて決定されてもよいし、フランチャイザー等の本部組織によって週ごとに定められてもよい。また、属性情報が花の色を示す情報を更に含んでおり、属性決定部22は、属性情報を参照してギフトカードGの種別に対応する花の色を決定してもよい。
【0041】
また、属性決定部22は、注文者5に対して過去に出荷した花の履歴に基づいて注文者5に配送する花の色を決定してもよい。例えば属性決定部22は、記憶部26に記憶された履歴情報を参照して、過去に発送した花の色とは異なる色を配送する花の色として決定する。過去に発送した花と異なる色の花を配送することにより、注文者5に飽きられにくくなり継続的な花の注文を促進することができる。
【0042】
注文送信部23は、花を出荷する出荷店舗を決定し、当該出荷店舗の店舗端末3に花の注文を送信する。出荷店舗とは、注文者5への花の出荷を担当する店舗である。例えば注文送信部23は、配送先住所に基づいて、複数の店舗から花の出荷を行う出荷店舗を決定する。例えば、注文送信部23は、複数の店舗のうち配送先住所を配送可能エリアに含む店舗を出荷店舗として決定する。注文送信部23は、複数の店舗のうち配送先住所に最も近い店舗を出荷店舗として決定してもよい。
【0043】
そして、注文送信部23は、決定した出荷店舗の店舗端末3に花の出荷指示を送信する。「出荷指示」とは、花の出荷の依頼である。「出荷」とは、配送業者に花の配送を依頼することを含む。このとき、注文送信部23は、ユーザ端末2から受信した注文情報、及び、属性決定部22によって決定された花の属性を示す情報を出荷店舗の店舗端末3(一つの店舗端末)に送信する。例えば、属性決定部22によって決定された花の色が「赤」であり、花の本数が「5本」である場合には、赤い花を含む5本の花を注文者5に出荷するように出荷店舗の店舗端末3に指示する。後述するように、出荷店舗の店員は、注文管理装置10から受信した花の属性に基づいて、出荷する花の種類を決定する。
【0044】
出荷情報受信部24は、属性決定部22で決定された花の属性に対応し、且つ、出荷店舗から発送可能な花の種類を示す情報を出荷店舗の店舗端末3から受信する。花の種類とは、例えばカーネーション、バラ、ダリア等の花の具体名を示す情報である。属性に対応する花の種類とは、その属性が表す性質又は特徴を有する花の種類を表している。例えば、属性決定部22によって決定された花の色が「赤」である場合には、赤いカーネーションは属性に対応する花である。
【0045】
出荷情報提示部25は、出荷店舗の店舗端末3から受信した花の種類を示す情報をユーザ端末2に送信する。例えば、出荷情報提示部25は、ユーザ端末2から配送情報確認用のウェブページへのアクセスに応じて、配送される花の種類が掲載されたウェブページの情報をユーザ端末2に送信する。当該ウェブページには、配送される花の種類に加えて、配送予定日、配送ステータスに関する情報が更に掲載されてもよい。配送ステータスとは、例えば「出荷前」、「出荷済み」及び「配送完了」といった配送の進捗状況を示す情報である。
【0046】
出荷店舗から複数種類の花を含む花束が注文者5に配送される場合には、花束に含まれる花の種類のリストを表示してもよい。例えば、出荷店舗から5種類の花を含む花束が出荷される場合には、5種類の花の名前を示す情報が注文者5に送信される。注文者5は、配送情報確認用のウェブページにアクセスすることにより、いつどのような種類の花が配送されるかを知ることができる。
【0047】
次に、
図2を参照して、店舗端末3について詳細に説明する。店舗端末3は、注文管理装置10から花の注文を受信して、注文に関する情報を出荷店舗の店員に提示する。
図2に示すように、一実施形態の店舗端末3は、注文受信部31及び出荷情報送信部32を備えている。
【0048】
注文受信部31は、注文管理装置10の注文送信部23から注文情報及び花の属性を示す情報を受信し、これらの情報を店舗端末3のディスプレイに表示する。出荷店舗の店員は、店舗端末3に表示された花の属性に対応する花を選択する。例えば、属性として指定された花の色が「赤」であり、花の本数が「5本」である場合には、出荷店舗において出荷可能な複数の花から赤い花を含む5本の花を選択する。
【0049】
そして、出荷店舗の店員は、選択した花の種類を店舗端末3に登録する。出荷店舗の店員は、選択した花を束ねた花束をラッピングし、注文情報に含まれる配送先住所に当該花束を出荷する。次いで、店員は配送ステータスを店舗端末3に登録する。例えば、花の出荷を完了すると、配送ステータスを「出荷前」から「出荷済み」に更新する。その後、配送業者によって出荷された花が注文者5に配送されると、配送ステータスは「配送完了」に更新される。
【0050】
出荷情報送信部32は、出荷店舗の店員によって登録された花の種類を示す情報及び配送ステータスに関する情報を注文管理装置10に送信する。上述のように、出荷情報送信部32から送信された花の種類を示す情報及び配送ステータスに関する情報は、出荷情報受信部24によって受信され、出荷情報提示部25によってユーザ端末2に送信される。
【0051】
次に、
図5を参照して、注文管理システム1によって実行される注文管理方法について説明する。
図5は、一実施形態に係る注文管理方法を示すシーケンス図である。この方法では、まず注文者5がギフトカードGを用いて花を注文する(ステップST1)。例えば、注文者5は、ユーザ端末2を用いて注文用のウェブページにアクセスし、注文情報(例えば、注文者5の氏名、住所、電話番号及び配送希望日)、ギフトカードID及びPINコードを入力する。注文情報、ギフトカードID及びPINコードは、ネットワークNを介して注文管理装置10に送信される。
【0052】
次に、注文管理装置10の注文受付部21が、ユーザ端末2から注文情報、ギフトカードID及びPINコードを受信し、注文者5からの注文を受け付ける(ステップST2)。次に、注文受付部21は、ギフトカードGの認証が成功したか否かを判定する(ステップST3)。例えば、注文受付部21は、記憶部26に記憶されたギフトカード情報から受信したギフトカードIDに対応するPINコードを抽出し、抽出したPINコードと受信したPINコードとを照合する。そして、抽出したPINコードと受信したPINコードが一致した場合には、ギフトカードGの認証が成功したと判定する。
【0053】
ギフトカードGの認証が成功した場合には、注文受付部21がギフトカードGの注文可能回数が残っているか否かを判定する(ステップST4)。例えば、注文受付部21は、受信したギフトカードIDに対応する注文可能回数をギフトカード情報から抽出し、抽出した注文可能回数が1以上である場合にギフトカードGの注文可能回数が残っていると判定する。注文可能回数が1以上である場合には、注文受付部21はギフトカード情報の注文回数回数を1だけ減らし、注文者5の注文を確定する(ステップST5)。
【0054】
一方、ギフトカードGの認証が失敗した場合、又は、ギフトカードGの注文可能回数が0である場合には、注文受付部21は、注文が失敗したことを示すエラーメッセージをユーザ端末2に送信する。
【0055】
次に、属性決定部22が花の属性を決定する(ステップST6)。例えば、属性決定部22は、花の属性として花の色及び本数を決定する。例えば、花の本数は、ギフトカードGの種別に応じて決定される。例えば、属性決定部22は、ユーザ端末2から取得したギフトカードIDに対応するギフトカードGの種別をギフトカード情報から読み出す。そして、属性情報から読み出したギフトカードGの種別に対応する花の本数を読み出して、当該花の本数を出荷する花の本数として決定する。また、属性決定部22は、出荷する花の色を決定する。属性決定部22は、注文管理装置10の管理者によって予め指定された色を出荷する花の色として決定してもよいし、履歴情報を参照して過去に注文者5に発送した花の色と異なる色を出荷する花の色として決定してもよい。
【0056】
次に、注文送信部23が花の出荷を担当する出荷店舗を決定する(ステップST7)。例えば、注文送信部23は、花の配送先住所を配送可能エリアに含む店舗を出荷店舗として決定する。すなわち、花の配送先住所に近い店舗が出荷店舗として決定される。なお、注文送信部23は、配送先住所以外の情報に基づいて出荷店舗を決定してもよい。例えば、品質の高い花を取り扱う店舗や、指定された色の花を多く取り扱う店舗が出荷店舗として決定されてもよい。また、注文送信部23は、注文可能回数が最後の1回である場合に、品質の高い花を取り扱う店舗を出荷店舗として決定してもよい。最後の1回の注文で品質の高い花を注文者5に配送することにより、注文者5のサービスに対する満足感を高め、ギフトカードGの再購入を促すことができる。
【0057】
次に、注文送信部23が出荷店舗に注文を送信する(ステップST8)。例えば、注文送信部23は、出荷店舗の店舗端末3に注文情報及び花の属性を示す情報を送信する。
【0058】
次に、店舗端末3の注文受信部31は、注文情報及び花の属性を示す情報を受信して(ステップST9)、これらの情報をディスプレイ上に表示する。出荷店舗の店員は、店舗端末3に表示された花の属性を示す情報に基づいて注文者5に配送する花の種類を決定する(ステップST10)。例えば、店員は、花の属性として指定された本数の花を選択する。このとき、選択される花には、花の属性として指定された色の花が含まれる。そして、店員は、選択した花を包装紙で包装して花束を作成する。そして、作成した花束を発送先住所に配送する。このとき、注文情報に含まれる配送希望日に配送先住所に到着するように花束が配送される。
【0059】
次に、店員は、選択した花の種類及び出荷ステータスを店舗端末3に登録する。花の種類及び出荷ステータスが登録されると、出荷情報送信部32が花の種類及び配送ステータスを示す情報を注文管理装置10に送信する(ステップST11)。注文管理装置10の出荷情報受信部24は、花の種類及び配送ステータスを示す情報を受信し(ステップST12)、出荷された花の種類に基づいて履歴情報を更新する。
【0060】
次に、出荷情報提示部25が花の種類及び配送ステータスに関する情報をユーザ端末2に送信する(ステップST13)。例えば、出荷情報提示部25は、ユーザ端末2による配送確認用のウェブページへのアクセスに応じて、注文者5に配送される花の種類と配送ステータスに関する情報を含むウェブページをユーザ端末2に送信する。これにより、注文者5は、配送される花の種類を事前に知ることができる。
【0061】
以上説明したように、注文管理装置10では、ギフトカードIDに応じた花の属性を出荷店舗の店舗端末3に送信する。出荷店舗の店員は、店舗端末3で受信した情報に基づいて、属性に対応し、且つ、店舗から発送可能な花の種類を決定する。これにより、ユーザは、具体的な花の種類を指定せずに、ギフトカードの種別に応じた花を受け取ることができる。したがって、季節や地域に関わらず、新鮮な花を注文者5に届けることができる。また、注文者5は、配送確認用のウェブページにアクセスすることにより、配送される花の種類を知ることができる。
【0062】
以上、種々の実施形態に係る注文管理装置、注文管理システム及び注文管理方法について説明してきたが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく発明の要旨を変更しない範囲で種々の変形態様を構成可能である。すなわち、上述した実施形態は例示説明を目的とするものであり、本発明の範囲を制限するものではないことに留意すべきである。
【0063】
例えば、上記実施形態では、属性情報は、ギフトカードGの種別と花の本数に関する情報とを関連付けて記憶しているが、属性情報は、他の属性に関する情報を含んでいてもよい。例えば、属性情報は、花の本数に関する情報に代えて花の色に関する情報を更に含んでいてもよい。この場合には、ギフトカードGの贈り主は、注文者5に贈りたい花の色を指定することができる。すなわち、ギフトカードGを用いて花の注文をしたときに、ギフトカードGに対応する色を含む花が注文者5に配送される。
【0064】
なお、ギフトカードGは、必ずしもPINコードを含んでいなくてもよい。この場合には、注文受付部21は、ギフトカードIDのみを用いてギフトカードGを認証してもよい。また、上記実施形態では、注文者5からの注文毎に注文受付部21が注文可能回数を減らす処理を行っているが、一実施形態では、注文者5から初回の注文を受けた後に注文可能回数だけ所定の期間毎に花を注文者5に自動的に配送する仕組みとしてもよい。例えば、初回注文時の注文可能回数が3である場合には、初回を含め3週間に亘って注文者5に花が毎週自動的に配送されるようにしてもよい。なお、上述した種々の実施形態は、矛盾のない範囲で組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0065】
1…注文管理システム、2…ユーザ端末、3…店舗端末、10…注文管理装置、21…注文受付部、22…属性決定部、23…注文送信部、24…出荷情報受信部、25…出荷情報提示部、26…記憶部、31…注文受信部、32…出荷情報送信部、G…ギフトカード。