(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-07
(45)【発行日】2024-02-16
(54)【発明の名称】立体表示装置を製造する方法
(51)【国際特許分類】
G02B 30/25 20200101AFI20240208BHJP
【FI】
G02B30/25
(21)【出願番号】P 2022115524
(22)【出願日】2022-07-20
(62)【分割の表示】P 2019512756の分割
【原出願日】2017-08-25
【審査請求日】2022-08-18
(32)【優先日】2016-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519071777
【氏名又は名称】リミナル スペース インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LIMINAL SPACE, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】フーバー、ナサニエル
【審査官】横井 亜矢子
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第102750881(CN,A)
【文献】米国特許第08542270(US,B2)
【文献】特開2004-317815(JP,A)
【文献】特開平02-123321(JP,A)
【文献】特開2010-212409(JP,A)
【文献】特開2014-183192(JP,A)
【文献】特表2016-525798(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104658439(CN,A)
【文献】中国実用新案第202771022(CN,U)
【文献】特開2012-068486(JP,A)
【文献】特開2007-034012(JP,A)
【文献】国際公開第2011/060511(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第102213838(CN,A)
【文献】中国実用新案第203552624(CN,U)
【文献】特開2010-281994(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/00-30/60
H01L 33/00,33/48-33/64
H01L 33/00,33/48-33/64
G09F 9/00
Japio-GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の偏光を有する複数の第1偏光発光筐体と
、前記第1の偏光とは異なる第2の偏光を有する複数の第2偏光発光筐体と
、からなる行列を有する立体表示システムを製造する方法であって、
前記
複数の第1
偏光発光筐体の各々の中に、第1光送信素子の上に配置されている第1偏光素子を提供する工程であって、
前記第1偏光素子は、前記第1
偏光発光筐体の壁まで延び
、前記第1偏光発光筐体の前記壁は、前記第1偏光素子よりも上方に延びる、工程と、
前記
複数の第2
偏光発光筐体の各々
の中に、第2光送信素子の上に配置されている第2偏光素子を提供する工程であって、
前記第2偏光素子は、前記第2
偏光発光筐体の壁まで延び
、前記第1偏光素子とは異なり、前記第2偏光発光筐体の前記壁は、前記第2偏光素子よりも上方に延びる、工程と、
前記
複数の第1
偏光発光筐体の各々と前記
複数の第2
偏光発光筐体の各々とに、キャビティを備える単一の材料本体を提供する工程と、
前記行列が対応する偏光レンズを有するメガネを通じて観察されるときに、観察者が前記行列によって表示される画像を3次元画像として知覚するように、前記
複数の第
1偏光発光筐体と前記
複数の第
2偏光発光筐体とを前記行列に位置決めする位置決め工程と、を備える
、方法。
【請求項2】
前記
複数の第1
偏光発光筐体のうちの1つ以上は、第3光送信素子
を備え、前記第3光送信素子の上に
前記第
1偏光素子
が配置されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1光送信素子は第1の色を送信し、前記第3光送信素子は前記第1の色とは異なる別の色を送信する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記
複数の第1
偏光発光筐体のうちの1つ以上は、第3光送信素
子と、第4光送信素
子と、を備え
、前記第3光送信素子および前記第4光送信素子の上に前記第1偏光素子が配置されている、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1光送信素子、前記第3光送信素子および前記第4光送信素子は、それぞれ赤色光、緑色光および青色光を放射する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の第1偏光発光筐体のうちの1つ以上において、前記第1光送信素
子と前記第1偏光素
子との間に拡散器をボンディングする工程をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の第1偏光発光筐体のうちの1つ以上において、前記第1偏光素
子に下向きの研磨された面を提供する工程をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記行列は市松模様である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記行列は、前記
複数の第2
偏光発光筐体の列と交互である前記
複数の第1
偏光発光筐体からなる列を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記
複数の第
1偏光発光筐体および前記
複数の第
2偏光発光筐体の
うちの少なくともいくつかに、視覚的に区別可能なマーキングを提供する工程をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記行列内に前記
複数の第1偏光発光筐体および前記複数の第2偏光発光筐体の少なくともいくつかを配置するのを補助するように、前記視覚的に区別可能なマーキングを用いる工程をさらに備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記
複数の第
1偏光発光筐体の部材を第1キャリアテープから取り出す工程と、前記
複数の第
2偏光発光筐体の部材を
前記第1キャリアテープとは異なる第2キャリアテープから取り出す工程と、をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記位置決め工程は、前記
複数の第
1偏光発光筐体と前記
複数の第
2偏光発光筐体との両方の部材を単一のキャリアテープから選ぶ工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記複数の第1偏光発光筐体の各々において、前記第1光送信素子
はRGBY半導体である、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記複数の第1偏光発光筐体の各々において、前記第1光送信素子
はRGBW半導体である、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記複数の第1偏光発光筐体の各々において、前記第1光送信素
子は赤外放射半導体である、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記複数の第1偏光発光筐体の各々において、前記第1光送信素
子は量子ドット半導体である、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、3次元(3D)立体表示システムに関する。より詳細には、本発明は、製造および/または最終的なビデオディスプレイ組立の両方における、発光ダイオード(LED)に対する偏光化フィルムまたはレンズ材料の応用に関する。
【背景技術】
【0002】
立体表示システムでは、観察者が各々の目において異なるビューすなわち像を見る、現実世界の視覚体験を再現することが試みられている。現実世界のビュー体験において、1人の観察者は2つの目を有し、各々の目がわずかに異なる観察位置に離間しているので、2つのわずかに異なる画像が見える。立体ビデオ表示システムの目標は、別個の異なるビューを観察者の各々の目に対して提示することである。
【0003】
現実世界の視覚3D体験を再現する初期の試みでは、ある色の1つのレンズと別の色の第2のレンズとからなる矯正アイウェアに類似する装置を利用した。モニタまたはプロジェクタは、1つのスクリーン上に2つのビューを投影し、一方または他方のアイウェアレンズに対し相補的となるように各ビューは色符号化されていた。観察するチャネルを分離するための色の使用は、観察者について頭痛を度々生じさせた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
最近の3D設計では、従来の映画館環境内において3Dビュー体験を作り出すことに焦点が当てられており、布により構成されたレンチキュラースクリーン上の表示に中心を合わせられているデバイスが用いられている。しかしながら、限られた立体観察の進歩が、ビルボードおよび他の公共媒体/広告配信デバイス上を含む、映画館環境の外で生じている。一般に、広範囲のデバイス、ビルボード、LED映画館スクリーン、スタジアムジャンボトロン、および/または他の大画面ディスプレイデバイスを用いた3Dビュー体験を提供することが所望される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本設計の1つの態様によると、立体表示システムにおいて、複数の発光ダイオード(LED)からなるLEDのアレイであって、左カソードと、左アノードと、前記左アノードおよび前記左カソードに接触する左筐体と、前記左筐体内の複数の左リードと、前記左筐体内の左光トランスミッタ配列と、前記左光トランスミッタ配列の上の前記左筐体により配置されている左の偏光素子と、を各々備える複数の左LEDと、右カソードと、右アノードと、前記右アノードおよび前記右カソードに接触する右筐体と、前記右筐体内の複数の右リードと、前記右筐体内の右光トランスミッタ配列と、前記右筐体により前記右光トランスミッタ配列の上に配置されている右の偏光素子と、を各々備える複数の右LEDと、を備えるLEDのアレイを備える立体表示システムが提供される。1つ以上の左筐体と左の偏光素子との組が各々不規則に形成され一体に結合されており、1つ以上の右筐体と右の偏光素子とが前記1つ以上の左筐体と左の偏光素子とに対し相補的であるように各々不規則に形成されている。
【0006】
本設計の別の実施形態によると、立体表示システムにおいて、複数の発光ダイオード(LED)からなるLEDのアレイであって、左筐体と、前記左筐体内の左光トランスミッタ配列と、前記左光トランスミッタ配列の上の前記左筐体により配置されている左の偏光素子と、を各々備える複数の左LEDと、右筐体と、前記右筐体内の右光トランスミッタ配列と、前記右筐体により前記右光トランスミッタ配列の上に配置されている右の偏光素子と、を各々備える複数の右LEDと、を備えるLEDのアレイを備える立体表示システムが提供される。1つ以上の左筐体と左の偏光素子との組が各々不規則に形成され一体に結合されており、1つ以上の右筐体と右の偏光素子とが前記1つ以上の左筐体と左の偏光素子とに対し相補的であるように各々不規則に形成されている。
【0007】
さらなる実施形態によると、発光ダイオード(LED)を配列に配置するための装置であって、キャリアテープと、前記キャリアテープ上に配置されており、筐体と、前記筐体内の光トランスミッタ配列と、前記光トランスミッタ配列の上の前記筐体により配置されている偏光素子と、を各々備える、複数のLEDと、を備える装置が提供される。各筐体は、偏光方向を表す特定の指向性フィーチャを備え、各偏光素子は、1つの対応する筐体に嵌合するように構成されている特定の相補的な指向性フィーチャを備える。
【0008】
本発明のこれらのおよび他の利点が、以下の本発明の詳細な記載および添付の図面から当業者に明らかになる。
本開示のより完璧な理解のために、これより以下の図面に対して参照がなされ、図面を通して同様の参照番号は同様のアイテムを参照する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】1つまたは複数のアノード終端点とカソード終端点とを備える標準的なLED、詳細にはRGB SMD LEDの正面斜視図。
【
図2】RGB半導体の上に積層された偏光化材料もしくはレンズまたは他の光分離材料を備えるRGB SMD LEDの断面図。
【
図3】軽く粗化された偏光化材料もしくはレンズまたはRGB半導体の上に積層された他の光分離材料を備えるRGB SMD LEDの断面図。
【
図4】軽く粗化された偏光化材料もしくはレンズまたはRGB半導体の上に積層された他の光分離材料を備え、偏光化材料とRGB半導体との間に拡散材料の追加の層を備えるRGB SMD LEDの断面図。
【
図5】偏光化材料と、偏光化レンズまたは材料の位置決め用の対応するキーマークまたはスロットとを備える左右両方のSMD LEDの斜視図。
【
図6】偏光化材料と、対応する切欠き、キーマーク、または位置決めされた配向に偏光子を保持するスロットを含み、特定の配向に拡散材料を備える、偏光化レンズまたは材料の位置決め用の対応するキーマークまたはスロットとを備える左右両方のSMD LEDの斜視図。
【
図7】
図8-
図11に示されるような配向と最終的な組立パターンの参照のための、終了または完成した左右の偏光SMD LEDチップの上面図。
【
図8】PNPマシンによる使用のために各々がそれ自身のキャリアテープにおいて適切に位置付けられ配向されている左右の偏光LEDを含む、
図7に提示されるアイテムの特定の配列の上面図。
【
図9】PNPマシンにおける使用のための交互の左/右LEDを含む、単一のキャリアテープにおいて適切に位置付けられ配向されているLEDを示す、
図7に提示されるアイテムの特定の配列の上面図。
【
図10】左右両方のSMD LEDの組立てられた市松模様を有するLEDタイルまたはモジュールの上面または正面斜視図。
【
図11】左右のSMD LEDの交互の直線パターンを有するLEDタイルまたはモジュールの上面または正面斜視図。
【
図12】LEDタイルまたはモジュールの、プラスチックまたは合金の前面カバーの斜めの断面図。
【
図13】
図12に示されるSMD LED筐体および保護カバーの断面図。
【
図14】SMD LED筐体のまわりおよび上においてしっかりと正確に固定された保護カバーを示す図。
【
図15】保護カバーおよび偏光子905の一部としての拡散材料を示す図。
【
図16】拡散器をSMD LEDレンズの上かつ偏光子の下に保持し固定する保護カバーを示す図。
【
図17】カバーの内側に組立てられるとともに、ネジまたはピンを用いてLEDタイルまたはモジュールに位置整合され固定される、複数の偏光子からなる正確なパターンを有する偏光保護カバーを示す図。
【
図18】偏光カバーとLEDモジュールまたはタイルとの組合せの結果を示す図。
【
図19】カバーの内側に組立てられるとともに、ネジまたはピンを用いてLEDタイルまたはモジュールに、左右の複数の偏光子からなる交互の水平方向列の直線パターンに位置整合され固定される、複数の偏光子からなる正確なパターンを有する偏光保護カバーを示す図。
【
図20】左右の複数の偏光子からなる交互の水平方向列の直線パターンを有する偏光カバーとLEDモジュールまたはタイルとの組合せを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書に表される例示は特定の実施形態を示し、そうした例示は、いずれの手法においても、限定するものと解釈されることを意図するのではない。
以下の記載および図面は、当業者が記載されるシステムおよび方法を実施することが可能となるのに十分に特定の実施形態を示す。他の実施形態が、構造的な、論理的な、過程および他の変更を組み込んでよい。例は、可能な変形形態の典型であるに過ぎない。個々のコンポーネントおよび機能は、明示的に必要とされない限り、一般に任意選択であり、操作の順序は変わってよい。いくつかの実施形態の部分および特徴が、他のものの部分または特徴に含まれるか、他のものの部分または特徴に代えて用いられてよい。
【0011】
本設計は、LEDディスプレイシステムに円、直線もしくは他の偏光または光分離発光ダイオード(右LEDおよび左LED)の構成を提供することによって、従来の設計を用いた問題点を克服するのに有用である。その設計は、3D画像またはビデオコンテンツを表示するために、LED筐体の上または内側に一意に固定され位置決めされる、偏光材料またはレンズのモジュラ使用に提供する。
【0012】
任意の種類のLEDが、本設計に利用されてよいことが理解される。本記載では、一般に、RGB(赤、緑、および青)半導体を用いた表面実装デバイス発光ダイオード(SMD LED)について説明するが、本発明はそのように限定されるのではないことが理解される。RGBY、RGBW(白)、赤外を加えたRGB、OLED、デジタルRGB、および量子ドットLEDを含むがこれらに限定されない、任意の種類のLEDまたは同様のデバイスが利用されてよい。一般に、本設計は、立体観察用のLEDの偏光に関する。
【0013】
1つの特定の実施形態における本設計は、右目または左目が観察する複数のSMD LEDの交互の列により特定のパターンに配列され回路板または基板に取り付けられる、円もしくは直線偏光もしくは他の偏光または光分離の左右のLEDを備える。各個々の右LEDの一部として組立てられる相補的な直線または円偏光材料またはレンズの使用は、右LEDの1つまたは複数の水平方向または対角方向列を通じて出る光により、右観察チャネルを作り出し、一方で、左目観察チャネルは、左LEDの別の水平方向または対角方向列において作り出される。その結果、屋内もしくは屋外スタジアムスクリーンまたは映像展示劇場などの、大きいまたは潜在的に非常に大きいデバイスにおいて満足な3D LED体験が得られる。
【0014】
これに加えて、LEDの半導体から発せられる光の輝きを拡散するための特別に選択された拡散器の応用は、2つの手法により3次元効果を高める。第1に、個々のLED半導体の点光源の性質は、観察用に最適化されない場合があるゴースト効果を生じさせる偏光化材料を「吹き抜ける(blow thru)」傾向がある。後方拡散フィルタの追加は、光を広げ、偏光効果を高める低減したルーメン毎平方ミリメートル値を生じさせる。第2に、後方拡散フィルタは、その源からの光の点も低減し、ディスプレイの全体の外観を効果的に平滑化し、このようにして、明白なピクセル化なしに、より近い距離においてディスプレイ上のコンテンツを観察することを可能とする。いくつかの実施形態において、拡散器は、拡散フィルムを用いて構成される。この「拡散器」は必要ではないが、追加に相応しいものは、より良い3Dビュー体験のために必要とされる追加の光の打消しである。
【0015】
これに加えて、特に選択された拡散器(例えば、前方拡散スクリーン)の応用は、偏光化材料の光沢面からの周囲の屋外または室内の光を除去するのに役立つアンチグレア面として機能する。そうした前方拡散材料は、ディスプレイアセンブリの外部の光源から発せられる光からのグレアを低減するのに役立ち、ディスプレイの全体の外観を平滑化する効果を有し、このようにして、明白なピクセル化なしに、より近い距離においてディスプレイ上のコンテンツを観察することを可能とする。
【0016】
したがって、この設計の応用は数多くあり、劇場、映画館、コンサート、およびスポーツイベントなど、屋外と屋内との両方のイベントにおいて、すなわち、観察者が3D観察に利用可能な適切なアイウェアを有する何処においても現実的な3D観察を可能とする。本実施形態は、永久的な3D LEDタイルまたはパネル製造を容易にするように構成される。LEDは、大画面ディスプレイに組合わされるとき、2Dビデオまたは画像コンテンツを提供することによって、標準的な2D LEDディスプレイとして用いられることが可能であり、または、適切なアイウェアを用いて対応する立体3Dビデオまたはさらに画像を再生するとき、ディスプレイは3Dコンテンツを示すことが可能である。超大画面ディスプレイ領域では、立体コンテンツを提供するように本明細書における教示を有益に用いることができる。
【0017】
一般に、本設計は、3D画像およびビデオコンテンツを表示するための発光ダイオード(LED)を用いた大型3次元(3D)立体表示システムを含む。これらの大型LEDディスプレイシステムは、各LEDがピクセルに相当するように配列されたLEDを備える。システムが単一の非偏光LEDの代わりに2つの異なる左右の偏光LEDを用いるように、本設計は、2つの異なる「偏光LED」(左LEDおよび右LED)を提供する。
【0018】
2つのLED同士の間の1つの特定の相違は、LED筐体の上または内側に固定された偏光材料または偏光レンズの正確な位置決めされた回転である。各LED筐体は、観察者により着用される3Dメガネの組におけるレンズのうちの1つ以上において、レンズにマッチする正確な位置決めされた回転を有する、偏光材料または偏光レンズの、カスタム形状の部品を備えてよい。
【0019】
本設計は、回路板基板(LEDモジュールまたはタイル)上の偏光LEDの組(左LEDおよび右LED)を組立てることも含む。基板LEDタイルまたはモジュール上に組立てられる偏光LEDのパターンは、与えられた方向における(例えば水平方向に)交互の異なる2種類のSMD LED(右LEDおよび左LED)を備える。
【0020】
マッチさせた3Dメガネと併せて、また対応する立体ビデオフォーマットにおけるディスプレイ上の立体ビデオまたは画像の提示において、一連の1つのLEDモジュールまたは複数のLEDモジュールにおいて交互のパターンに組立てられる右LEDおよび左LEDの正確な配向の組合せは、3D立体ビュー体験を生じる。対応する3Dビデオフォーマットは、1つまたは複数の左目ビデオピクセルを回路板/基板上に取付けられた左LEDに、また、1つまたは複数の右目ビデオピクセルを回路板/基板上に取付けられた右LEDにマッチさせる。この立体ビデオフォーマットは、左右のLEDがLEDタイルまたはモジュール(回路板/基板)に取付けられているパターンにマッチする。
【0021】
開示されるLEDディスプレイは、交互のパターンに配列されている同一の偏光LED上に2Dビデオまたは画像を表示することによって、2Dビュー体験を提示することも可能である。観察者は、対応するまたはマッチした3Dアイウェアなしに、2D画像を観察してよい。本設計によると、ビデオフィードは、3Dビデオのステレオの直線パターンまたは市松模様による2次元のビデオフィードである。2D画像を観察するために、開示されるハードウェアまたはユーザにより着用されるアイウェアのいずれの変更もない。2Dと3Dとの間の相違は、2D発光が所望されるときに、単一のビデオフィードが単一のフィードにおける3Dビデオパターンによりエンコードされないことである。いずれの状況でも、アイウェアは観察者に満足な画像を提供する。
【0022】
本明細書では、2種類の偏光LEDは、右LEDおよび左LEDと呼ばれる。ピックアンドプレース(PNP)マシンを用いてLEDディスプレイモジュールを組立てるとき、取付けられたSMD LED(表面実装デバイス発光ダイオード)チップのパターンは、右LEDおよび左LEDの交互の対角方向列からなる市松模様であってよい。この配列では、LEDは、(1)左LEDから始まり、その後に(2)右LED、(3)左LED、(4)右LED、(5)左LED、(6)右LEDなどが続く。LEDのその次の列は、(1)右LEDから始まり、その後に(2)左LED、(3)右LEDなどが続き、交互になる。LEDディスプレイは、右LEDと左LEDの列とからなる交互の水平方向列の異なるパターンを有することも可能である。
【0023】
PNPマシンは、LEDをLEDディスプレイモジュール上に組立てるために用いられる最も一般的なデバイスである。PNPマシンは、キャリアテープおよびリールを介してSMD LEDチップを受け取る。PNPマシンは、右LEDの1つまたは複数のリールと、左LEDの1つまたは複数のリールとを受け取る。上記の右/左/右/左の交互の「市松模様」を達成するようにLEDを配置するか組立てるとき、PNPマシンは、右LEDリールから左LEDリールにLEDを調達することを交互に行う。これに代えて、PNPマシンは、順序において交互の(すなわち右、左、右など)左LEDおよび右LEDを保持する単一のリールまたは複数のリールからLEDを受け取ってよい。この場合、PNPマシンは、交互の対角方向列のパターン(市松模様)または所望の水平方向列のパターンにマッチするように、単一のテープおよびリールから指定された交互の偏光LEDのパターンの位置に、交互のLEDを配置するようにプログラムされる。
【0024】
より良い光の打消しでは、拡散材料は偏光子材料またはレンズの下に積層されることも可能である。拡散器は、ダイオードから生成される投光を広げるのに役立つ場合があり、また偏光材料またはレンズの光の打消し効果を増加させる場合がある。3D SMD LEDは、外部の光源からのグレアを低減するように、また観察を向上させるように、前方拡散器を備えてもよい。
【0025】
LEDモジュールに対する個々の偏光LEDの応用のための方法を含む、偏光化材料および/またはレンズを備える左右のLEDの製造及び組立の様々な方法も提供される。さらに含まれるものは、3D画像の観察に用いられるアイウェアの様々な実施形態であり、アイウェアは、左目ビューと右目ビューとを作り出すように光を偏光させる左目レンズと右目レンズとを備える。
【0026】
図1は、1つまたは複数のアノードおよびカソード終端点を備える標準的なRGB SMD LEDの正面斜視図である。SMD LEDの終端点のその数は、本設計に重要ではなく、任意の適切なRGB SMD LEDが用いられてよく、ここで様々なLEDは、1つのアノードと、1つのカソードと、1つのデータ接触点と、1つのグランド接触点とを備えてよい。終端点の総数は、変わってよい。
【0027】
図1は、単一のSMD LEDチップを示す。基板900上に組立てられる複数のSMD LEDチップはディスプレイを形成し、そのディスプレイは、
図10および
図11に見られるように、3D LEDディスプレイを作り出すべく修正される。ディスプレイは、LEDディスプレイ、LEDビデオウォール、LEDスクリーンなどといった、産業界において知られている多数の形態のうちのいずれか1つであってよい。偏光化材料またはレンズは、1つまたは複数のLEDタイルまたはモジュール900上の、各個々のSMD
LEDのSMD LED筐体100(
図1-
図6に示される)の上面に付与される。表示用にソフトウェアエンコード画像データを用いるそうした偏光SMD LEDの使用は、立体画像を提供する。一般に立体画像投影におけるLEDの使用に関して、出願人は、米国特許第8542270号公報において提示される設計を参照し、米国特許第8542270号公報の全体が参照により本明細書に組み込まれる。二次元画像ディスプレイもまた、本設計により提供されてよい。
【0028】
図1は、LEDの、詳細にはSMD LEDチップの正面または上面図であり、SMD
LEDチップを形成するように組合わさる様々なコンポーネントを示す。
図1は、LEDの材料本体すなわち「筐体」100と、位置整合するとともに偏光子材料またはレンズを正確または適切な回転および配向に保持するための用いられる位置決めキーまたはスロット104とを示す。
図1は、SMD LEDのこの例において光放射素子である、半導体103(この場合、赤、緑、および青色半導体)も含む。データ情報入力105およびグランド終端106に加えて、アノード102およびカソード101が提示される。素子101,102,105,および106は、任意の変形形態または配向において提供されることが可能である。アノード102、カソード101、データ情報入力105、およびグランド終端106は、SMD LEDチップを基板または回路板に取付けるためのはんだ点でもある。
【0029】
図2は、RGB半導体103の上に積層された偏光化材料、もしくはレンズ、または他の光分離材料203を有するLED、詳細にはRGB SMD LEDの断面図である。偏光子材料またはレンズは、接着剤または樹脂204、好適には可能な限り透明な接着剤または樹脂を用いて定位置に固定されてよく、またはこれに代えて、下にあるRGB半導体を最小限にしか覆い隠さないように、外縁部に提供されてよい。
図2は、耐熱ポリマーLED筐体100、ならびに終端をはんだ付けするアノード101およびカソード102などの他のSMD LED素子も詳細に示す。この画像は、半導体103をその半導体の電力源(アノード101およびカソード102)に取付けるリード201も示す。リード、カソード、およびアノードは、ある場合には用いられても用いられなくてもよい。電流は、様々な手法により導入され得る。さらにこの図に示されるものは、デバイスの底部におけるヒートシンクである。
【0030】
配向、用いられるコンポーネント、および/または半導体の数は、変わってよい。ビデオディスプレイに用いられるSMD LEDは、3つの半導体、一般には赤(R)、緑(G)、および青(B)の発光素子を備えてよい。
【0031】
図3は、RGB半導体の上に積層された、軽く粗化された偏光化材料、もしくはレンズ、または他の光分離材料を備えるRGB SMD LEDの断面図である。偏光子材料またはレンズ303は、接着剤または樹脂204による、より良いボンディングを保証するように粗化すなわち軽く研磨されている。
図2と同様に、
図3の描写は、RGB半導体103を示し、耐熱ポリマーLED筐体100、ならびに終端をはんだ付けするアノード101およびカソード102、半導体103をその半導体の電力源(アノード101およびカソード102)に取付けるリード201、ならびにデバイスの底部におけるヒートシンクなどの他のSMD LED素子も示す。配向、用いられるコンポーネント、および/または半導体の数は変わってよい。
【0032】
図4は、RGB半導体の上に積層された、軽く粗化された偏光化材料もしくはレンズ、または他の光分離材料を備えるRGB SMD LEDの断面図である。この画像は、偏光化材料303とRGB半導体との間の拡散材料400の追加された層も含む。拡散器と偏光子との両方が耐熱ポリマーLED筐体に固定されるのを保証するように、接着剤、樹脂、膠、またはエポキシ樹脂が、RGB半導体と拡散材料400との間、拡散器400と偏光子材料またはレンズ303との間の両方に提供されてよい。さらに、接着剤、樹脂、膠、またはエポキシ樹脂は、好適には可能な限り透明であり、そうしたボンディング材料またはその分野において知られている他の手頃なボンディング材料が用いられてよい。これに代えて、RGB半導体からの放射を弱めたり妨げたりする危険を低減するように、ある量のボンディング材料が偏光子材料かレンズ303、拡散器400、またはその両方の端部など、示されるコンポーネントの端部に付与されてよい。
図4のデバイスにおけるコンポーネントは、詳細に述べられたそれらのコンポーネントを除き、一般には
図2および
図3のものと同様である。
【0033】
図5は、偏光化材料と、偏光化レンズまたは材料の位置決め用の対応するキーマークまたはスロットとを備える左右両方のSMD LEDの斜視図である。
図5は、左右のSMD LEDのLED筐体が、位置決めされた配向に偏光子を保持する、対応する切欠きもしくはキーマークまたはスロットをどのように有するかを示す。これらの位置整合ハードウェアキーまたはスロットは、耐熱ポリマー筐体104の一部であり、キーは、偏光化材料またはレンズ203/303上のキーマークまたはスロットにマッチする。キーまたはスロットマークは、偏光化材料の正確な回転と位置整合とを確実にし、レンズが定位置に固定された後に偏光子が付与されたことを知るための視覚的なキーとしても供給される。左の偏光子の取付けは、その左の偏光子の下端に、左LED筐体の一部であるものにマッチする1つ以上のスロットまたはキー104を切り込むことによって準備される。右の偏光子の取付けは、その右の偏光子の下端に、左LED筐体の角部に形成されている一部品または一部にマッチする1つ以上のスロットまたはキー104を切り込むことによって準備される。様々な配向およびスロットまたはキーの形状または大きさが用いられてよいが、左右間の区別をすることに利益がある。レンズがLED筐体に嵌合するように、LED筐体のキーの数、大きさ、および配置は、偏光子材料またはレンズの底端部に見られる切込みの特徴に対応する。左の偏光子の取り付けはまた、本実施形態では、その左の偏光子の下端に左LED筐体の対応する部分にマッチする1つ以上のスロットまたはキー104を切り込むことにより準備される。
【0034】
キー、スロットなどといったフィーチャは、タイルまたはモジュールに対する配列と組立とのうちの一方または両方のために、人またはマシンが左右のコンポーネントを認識することを可能とする視覚的参照を提供する。フィーチャの配向は、右LEDおよび左LEDと、タイルまたはモジュール上に配置される時にLEDが適切に配向されているか否かと、を識別するように用いられることが可能である。
【0035】
図6は、偏光化材料と、偏光化レンズまたは材料の位置決め用の対応するキーマークまたはスロットとを備える左右両方のSMD LEDの斜視図である。
図6は、位置決めされる配向に偏光子を保持する、対応する切欠き、キーマークまたはスロットを備える、左右のSMDのLED筐体を示す。
図6は、半導体と偏光化材料またはレンズとの間に挿入される拡散材料を示す。
図6は、
図5に提示されるのと同様であるがアセンブリに対し拡散材料400を付加した位置整合方法を示す。
図6は、拡散材料400がLEDチップにおける前面材料であるように、拡散材料400が、LEDの半導体と偏光化材料203/303との間に位置付けられることを示す。
【0036】
図7は、
図8-
図11に示されるように用いる配向および最終的な組立パターンについての、終了または完成したLEDチップ、すなわち左右の偏光SMD LEDチップの上面図である。様々な切欠き、キーマーク、またはスロットが、2つのSMD LEDに提供される。
図8は、
図7に表されているものの上面図を示し、左右の偏光LEDが、LEDタイルまたはモジュールを組立てるように2つ以上のリールを利用するPNPマシンに使用するためのそれぞれのキャリアテープにおいて位置付けられ配向されている。
図9は、
図7に表されているものの上面図であり、左右の偏光LEDが、単一のキャリアテープにおいて位置付けられ配向されている。各キャリアテープは、LEDタイルまたはモジュールを組立てるように1つ以上のリールを利用するPNPマシンに使用するための交互の左右のLEDを保持する。
【0037】
LEDの配向は、示されるキャリアテープ内において正確であり、結果として、PNPマシンは、配向を評価する必要がない。任意のキャリアテープが用いられることが可能である場合、そうしたマシンは、配向評価機能が備えられる必要がない。換言すると、LEDについての配向は、マシンに知られるか、知られなければ配向機能(マシンによる観察(machine viewing)および決定、人間による観察(human viewing)など)を用いて決定される必要があるか、のいずれかである。
【0038】
図8は、3D LEDタイルまたはモジュールの最終的な組立用のピックアンドプレースマシンへの配送用に用意される左右のSMD LEDを示す。その設計は、キャリアテープおよびリール800,801を介して右および左の偏光LED(701,700)を提供する。
図8の2つの例では、各々が1つまたは複数の右/左の偏光SMD LEDを保持する別個のキャリアテープが示される。表されている第1のものは、キャリアテープ800における右LED701を示す。第2のものは、左LED700を保持する別個のキャリアテープ801の詳細を示す。
【0039】
図9は、交互の左700および右701偏光SMD LEDを投入する交互の種類のキャリアテープ802である。この配列を用いると、PNPマシンを供給するのに2つの別個のリールが必須ではない。単一のリールが、PNPマシンを供給するように用いられることが可能であり、キャリアテープ配列またはPNPマシンは、LEDの配向(すなわち、左または右)を決定するための機能を備える。
【0040】
図10は、3D観察用の右および左のSMD LED701,700を有する、組立てられた3D LEDタイルまたはモジュール900の上面図である。この配列では、右および左のSMD LED701,700は、市松模様に配向され、実線の対角線は、左SMD LED700を覆うか接し、破線の対角線は、右SMD LED701を覆うか接する。寸法は一定の縮尺でなく、SMD LEDは、そのSMD LEDがこれらの図面に表されるよりも近くであってもよく、さらに離れていてもよい。
【0041】
図11は、3D観察用の右および左のSMD LED701,700を有する、組立てられた3D LEDタイルまたはモジュール900の上面図である。この配列では、右および左のSMD LED701,700は、直線パターンに配向されており、実線の水平線が左のSMD LED700を覆うか接し、破線の水平線が右SMD LED701を覆うか接する。寸法は一定の縮尺ではない。
【0042】
このようにして、本設計によると、異なる2種類の円偏光か直線偏光か他の偏光の発光ダイオード、もしくは光分離面取付デバイス発光ダイオード(左右の偏光SMD LED)の製造および配列を含む、装置、または装置を生産する方法が提供される。複数の左右両方のSMD LEDが回路板基板(LEDモジュールまたはタイル)のサブセットに交互のパターンに組立てられ、立体エンコードされた3Dビデオまたは画像コンテンツが複数の左LEDと右LEDとを通じて表示され、かつ偏光3Dアイウェアを通じて観察されるとき、その結果は3Dステレオビュー体験となる。本設計では、カスタム設計の耐熱ポリマーLED筐体が、特定の回転の配向にて、LEDのリード、半導体、およびマイクロレンズの上の偏光材料または偏光レンズの「左」カスタム形状の一部品を保持するための位置決めキーマークまたはスロットを備えるように形作られている。ポリマーが開示された一方で、材料が本明細書に記載される利益を提供しさえすれば、他の材料が利用されてよい。左の偏光材料またはレンズの位置決めは、ある左回転度の左の偏光子レンズに一意なキーマークまたはスロットにより指定される。別のカスタム設計耐熱ポリマーLED筐体は、特定の回転の配向にて、LEDのリードおよび半導体の上の偏光材料または偏光レンズの「右」カスタム形状の一部品を保持するための位置決めキーマークまたはスロットを備えるように形作られている。右の偏光材料または上述のレンズの位置決めは、ある右回転度の右の偏光子レンズに一意なキーマークまたはスロットにより指定される。
【0043】
右LED筐体にマッチする対応するキーマークまたはスロットを備えるための右の偏光材料またはレンズのカスタムカット形状は、耐熱ポリマーLED筐体の上のリードおよび半導体の上に取付けられるように偏光化材料を位置決めする。右の偏光子材料またはレンズは、典型的には、ダイオードのリードおよび半導体の上かつ偏光子材料の下に、膠、シリコーン、またはエポキシ樹脂により(右)LED筐体の上に定位置に固定される。対応するキーマークまたはスロットを備える左の偏光材料またはレンズの別のカスタムカット形状は、耐熱ポリマー(左)LED筐体の上のリード、半導体、およびマイクロレンズの上に取付けられる偏光化材料を位置決めする左LED筐体にマッチする。左の偏光子材料またはレンズは、膠、エポキシ樹脂、またはシリコーンなどのボンディング材料により定位置に固定される。左の偏光子材料またはレンズは、ダイオードのリードおよび半導体の上かつ偏光子材料の下に提供される。左右の偏光子材料またはレンズは、ボンディング材料、すなわち膠またはエポキシ樹脂に対するよりよい接着のために、底部対向面(半導体対向側)において軽く粗化すなわち軽く研磨されていてよい(偏光を損なわない限り)。
【0044】
膠、エポキシ樹脂、またはシリコーンが硬化すると、偏光SMD LEDは、回路板基板または他のもの、すなわち、LEDビデオディスプレイタイルもしくはモジュールに配列される。左LEDおよび右LEDは、直線パターンに配列されてよく、そのパターンでは、水平方向列の第2のセットにおける左LEDとともに右LEDが交互の水平方向列の第1のセットに位置付けられ、右/左列が交互になる。これに代えて、左右のLEDは、「市松模様」に配列されてよく、このパターンでは、右LEDは交互の対角方向列の第1のサブセットに位置付けられ、左LEDは交互の対角方向列に位置付けられる(右対角/左対角/右対角など)。
【0045】
この設計は、ダイオード(半導体)から発せられる光の輝きを拡散するために、また偏光化材料の小さい領域から大きい領域への集光を低減するために、リード、半導体および偏光化材料のカスタムカット形状の間に配置されている後方拡散器も備えてよく、このようにして偏光化材料の効率を増加させ、3D効果と干渉するゴーストアーティファクトを低減する。LEDの外部の光源から発せられる光からのグレアを低減するように、偏光化材料のカスタムカット形状の前方に配置される前方拡散器が提供されてよい。前方拡散器はまた、広い角度において観察者により可視であるように、前方拡散器上の前方面に照らされるピクセルの偏光画像を投影することによりディスプレイの視野角を増加させる。得られた3D画像を観察するためにアイウェアが利用されてよく、そのアイウェアは、第1および第2の投影されたビューから左目のビューと右目のビューとを作り出すように、左右のLEDに相補的な光を偏光させる左レンズと右のレンズとを備える。
【0046】
一実施形態では、左右の偏光SMD LEDが円偏光光を生成し、別の実施形態では、左右の偏光SMD LEDによって直線偏光光が生成される。
そうした設計の結果が、3D画像コンテンツを表示するために用いられる複数の左右の発光ダイオード(右LEDおよび左LED)を備えるディスプレイである。複数の左の偏光LEDは、3D画像の第1のビューを形成し、一方で複数の右の偏光LEDは、3D画像の第2のビューを形成する。特定の実施形態では、偏光LEDの1つ以上がフロスト処理された表面を備えてよい。別の実施形態では、1つ以上の左の偏光LEDは、指向的に面するキーまたはスロットを備え、1つ以上の右の偏光LEDは、左面スロットを備える左LEDおよび右LEDの右面のキーもしくはスロット、または右面スロットを備える左LEDおよび右LEDの左配向キーもしくはスロット、または上および下、内および外などといった、指向的に面する相補的なキーまたはスロットを備える。
【0047】
一実施形態では、1つ以上の左の偏光LEDは、第1の偏光させる方向に光を偏光させるための偏光化材料を備え、また1つ以上の右の偏光LEDは、第2の偏光させる方向に光を偏光させるための偏光化材料を備える。
【0048】
本設計は、PNPマシンに用いるための単一または複数のリールに巻き付けられているキャリアテープにおいて、一貫した回転の配向に位置付けられている2つ以上の左LEDを備えてよい。LEDの特定の回転は、LEDディスプレイタイルまたはモジュールに対するSMD LEDの、交互の水平方向のパターンまたは対角方向のパターンにおける配置において利用される。左LEDの一貫した回転の配向を維持するために、LEDは、典型的にはキャリアテープおよびリールを介してPNPマシンに供給される。キャリアテープは、キャリアテープの合わせ穴に関するLEDの回転に基づいてLEDの適切な回転を保持する。左LEDは、左LEDが配置されることが予定されているところに配置され、右LEDについても同じことが当てはまる。これに代えて、2つ以上の右LEDおよび左LEDの交互のパターンが、PNPマシンの使用のために単一のリールまたは複数のリールに巻き付けられるキャリアテープにおいて提供される(右/左/右/左など)。いずれの実装においても、キャリアテープは、LEDの配向(すなわち、左LEDまたは右LEDのいずれか)と対応するキャリアの隣に一意な合わせ穴または位置決め穴を有してよい。この位置決め穴または合わせは、適切なプログラミングおよび配置のためのPNPマシンによって認識可能である。位置決め穴または合わせは、プログラミングおよび配置のためにPNPマシンによって認識可能な、キャリアにおけるLEDの回転の配向も定める。
【0049】
偏光子材料またはレンズを付与する代わりの方法は、ボンディング材料(膠、エポキシ、樹脂、ポリマーなど)を付与することを含み、偏光子材料またはレンズを固定するための任意の既知の手段または方法は、レンズがSMD LED筐体の中または上に固定されて取付けられることを保証するように用いられることが可能である。偏光子レンズまたは材料をリードおよび半導体の上に定位置に位置整合し保持するように、スリットがLED筐体の上の部分に位置するように設計および製造されてよい。
【0050】
射出成型プラスチックまたは合金グリッド
提示される本設計は、タイル、モジュール、またはパネルを形成する、LEDからなる2次元アレイを備える。相補的な直線または円偏光材料またはレンズは、最終的なLEDタイル/モジュール/またはパネルの中に組立てられ、偏光保護カバーを備える複数のLEDタイルまたはモジュールが、大型3D LEDディスプレイを生成するように組合わされてよい。複数の左右の偏光子は、完全に組立てられた3D LEDビデオタイルまたはモジュールを形成するように、組立てられたLEDの上部に定位置に維持される。LEDビデオタイルの前面のプラスチック(または合金)グリッドへの偏光子レンズの統合によって、そのデバイスを用いて表示されるビデオまたは画像コンテンツにより命令される、2Dおよび3D LEDビデオディスプレイタイルが得られる。前面のプラスチックまたは合金グリッドは、通例、完成したLEDビデオディスプレイタイルまたはモジュールの保護部である。タイルまたはモジュールの各SMD LEDは、保護カバーとして供給されるプラスチックまたは合金グリッドによりSMD LED筐体の上に固定されている偏光フィルタを用いて偏光させられる。
【0051】
一連の1つのLEDモジュールまたは複数のLEDモジュールにおいて、交互のパターンに組立てられる右の偏光子と左の偏光子との正確な配向の組合せは、対応する立体ビデオフォーマットにおける画像が送出されるときに、マッチした3Dメガネとともに用いると、3D立体ビュー体験を生じる。対応する3Dビデオフォーマットは、左の偏光LEDによる1つまたは複数の左目ビデオピクセルに、また右の偏光LEDによる1つまたは複数の右目ビデオピクセルにマッチし、全てのLEDが回路板/基板に取付けられている。
【0052】
プラスチック/合金グリッドは、複数の右の偏光子からなる1つまたは複数の水平方向または対角方向列を通じて出る光によって右の観察チャネルを作り出す1つまたは複数の右の偏光子の特定のパターンにおいて左右両方の偏光子を含み、一方で左目観察チャネルは、複数の左の偏光子からなる別の水平方向または対角方向列に作り出される。その結果、屋外またはスタジアムスクリーンまたは映像展示スクリーンなどの、大きいまたは潜在的に非常に大きいデバイスにおいて満足な3D LED体験が得られる。
【0053】
金属またはプラスチックのグリッドは、対応する左右の偏光子を固定するための基礎として、回路板基板に取り付けられている、その偏光子の対応するSMD LEDの上に提供される。グリッドはまた、それぞれのSMD LEDによる偏光子の回転の位置整合を維持する。それらが保護し偏光させるSMD LEDと同一の基板に取付けるネジ、クリップまたはピンを使用することによって、グリッドが、典型的には、LEDタイルまたはモジュール上の定位置に保持される。
【0054】
グリッドに関して、
図12は、LEDタイルまたはモジュールのプラスチックまたは合金の前面カバーの斜めの断面図を示す。
図12は、左の偏光子およびフィルタ1201と右の偏光子およびフィルタ1202とを備える、プラスチックまたは合金のカバー1203を含む、保護カバーを構成する様々な要素を示す。プラスチックまたは合金のカバー1203は、定位置に保持され、穴1204などのネジ穴を通じて提供されるネジ、クリップ、またはピンなどの、その分野で知られている任意の手頃な手段を用いてLED基板に固定される。左右の複数の偏光子およびフィルタからなる「市松」のパターンは、保護カバー1203の内側のこの特定の配列に提供される。
【0055】
図13は、
図12に示される保護カバー1203を備えるSMD LED筐体1304の断面である。
図13から、保護カバーは、SMD LED筐体1304の上に位置整合する。
図13は、保護カバーの一部として、切込み1301を用いて定位置に位置決めされ保持される偏光子フィルタ材料を示し、保護カバーを基板1305に固定するネジ1302などのネジを示す。この組立では、偏光子材料1301は、SMD LED筐体1304の一部を形成しない。偏光子材料は、SMD LED筐体1304の上に固定される保護カバーの一部であり、SMD LEDレンズ1303である。
【0056】
図14は、偏光子1403がレンズ1404などの各個々のSMD LEDの各レンズの真上にあるように、ネジ1401などのネジ、クリップ、またはピンによって基板または回路板1406において定位置に保持される、SMD LED筐体1405のまわりおよび上にしっかりと正確に固定された保護カバー1402を示す。
【0057】
図15は、偏光化材料1501の下に保護カバーおよび偏光子を備える拡散材料1502を示し、一方で
図16は、SMD LEDレンズ1603の上かつ偏光子1601の下に拡散器1602を保持し固定する保護カバーを示し、ここで偏光子1601は、本明細書において論じられるようにフィルタまたはレンズを備える。
図17は、カバーの内側に組立てられるとともにネジまたはピンを用いてLEDタイルまたはモジュール1702に位置整合され固定される、複数の偏光子からなる正確なパターンを有する偏光保護カバー1701を示す。
図18は、保護カバーとLEDモジュールまたはタイル1801との組合せの結果を示す。偏光カバーとLEDモジュールまたはタイルとを組合せることは、左右の偏光子の交互の対角方向列の市松模様における偏光子を備える、3D LEDモジュールまたはタイル1801を生成する。
図19および
図20は、
図17および
図18と同様であるが、異なる偏光パターンの位置整合を有する。
図19および
図20は、左右の偏光子の交互の水平方向列の直線パターンにおける偏光子を示す。
【0058】
このように本設計によると、立体表示システムにおいて、複数の発光ダイオード(LED)からなるLEDのアレイであって、左筐体に関連付けられている左側電気接続部と、前記左筐体内の左光トランスミッタ配列と、前記左光トランスミッタ配列の上の前記左筐体により配置されている左の偏光素子と、を各々備える複数の左LEDと、右筐体に関連付けられている右側電気接続部と、前記右筐体内の右光トランスミッタ配列と、前記右筐体により前記右光トランスミッタ配列の上に配置されている右の偏光素子と、を各々備える複数の右LEDと、を備えるLEDのアレイを備える、立体表示システムが提供される。1つ以上の左筐体と左の偏光素子との組が各々不規則に形成され一体に結合されており、1つ以上の右筐体と右の偏光素子とが前記1つ以上の左筐体と左の偏光素子とに対し相補的であるように各々不規則に形成されている。
【0059】
これに加えて、本設計は、1つ以上の左LEDが、前記左の偏光素子と前記左光トランスミッタ配列との間に配置されている左拡散材料を備え、1つ以上の右LEDが、前記右の偏光素子と前記右光トランスミッタ配列との間に配置されている右拡散材料を備える、上述のものを含んでよい。前記複数の左LEDは、左LEDの複数の列に直線的に配列されており、右LEDの複数の列が、左LEDの前記列同士の間に点在してよく、または、前記複数の左LEDおよび前記複数の右LEDは、市松模様に配列されてよい。さらに、1つ以上の左の偏光素子は、ボンディング材料を用いて1つ以上の左筐体に接合されてよい。
【0060】
1つ以上の左の偏光素子が研磨されていてよく、1つ以上の右の偏光素子が研磨されていてよい。前記1つ以上の左筐体と左の偏光素子との組は、キーマーク、スロット、および切欠きからなる群のうちの1つを用いて、一体に結合されるとともに各々不規則に形成されていてよい。1つの配列において、1つ以上の前記左筐体は、1つの角部に左スロットを備え、前記左の偏光素子は、前記1つの角部における前記左スロットに嵌合する開口部を備え、1つ以上の右筐体は、別の角部に右スロットを備える。円または直線偏光光が発せられてよい。
【0061】
これに代えて、本設計は、立体表示システムにおいて、複数の発光ダイオード(LED)からなるLEDのアレイであって、左筐体と、前記左筐体内の左光トランスミッタ配列と、前記左光トランスミッタ配列の上の前記左筐体により配置されている左の偏光素子と、を各々備える複数の左LEDと、右筐体と、前記右筐体内の右光トランスミッタ配列と、前記右筐体により前記右光トランスミッタ配列の上に配置されている右の偏光素子と、を各々備える複数の右LEDと、を備えるLEDのアレイを備える立体表示システムを含んでよい。1つ以上の左筐体と左の偏光素子との組が各々不規則に形成され一体に結合されており、1つ以上の右筐体と右の偏光素子とが前記1つ以上の左筐体と左の偏光素子とに対し相補的であるように各々不規則に形成されている。
【0062】
別の実施形態では、発光ダイオード(LED)を配列に配置するための装置であって、キャリアテープと、前記キャリアテープ上に配置されており、筐体と、前記筐体内の光トランスミッタ配列と、前記光トランスミッタ配列の上の前記筐体により配置されている偏光素子と、を各々備える、複数のLEDと、を備える装置が提供される。各筐体は、偏光方向を表す特定の指向性フィーチャを備え、各偏光素子は、1つの対応する筐体に嵌合するように構成されている特定の相補的な指向性フィーチャを備える。
【0063】
特定の実施形態の上述の記載は、本開示の一般的性質を満足に示し、現在の知識を適用することによって他人が一般概念から逸脱することなく様々な応用のためのシステムおよび方法を容易に修正および/または適応することが可能である。したがって、そうした適応および修正は、開示される実施形態の均等物の意味および範囲内である。本明細書において用いられる表現または用語は、記載のためであって、限定のためではない。