(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-07
(45)【発行日】2024-02-16
(54)【発明の名称】着脱式の食鳥処理用ナイフのための取付けフレーム、着脱式の食鳥処理用ナイフ、および食鳥処理ライン
(51)【国際特許分類】
A22C 21/00 20060101AFI20240208BHJP
【FI】
A22C21/00 Z
(21)【出願番号】P 2022165937
(22)【出願日】2022-10-17
【審査請求日】2022-10-18
(32)【優先日】2021-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】514175841
【氏名又は名称】メイン フード プロセシング テクノロジー ベー.フェー.
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】弁理士法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ナゲル、バス
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-125317(JP,A)
【文献】特開2005-262337(JP,A)
【文献】特開2000-326303(JP,A)
【文献】英国特許出願公開第2594914(GB,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/256310(US,A1)
【文献】米国特許第4233737(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A22C 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着脱式の食鳥処理用ナイフ(30)のための取付けフレーム(10、20、40)であって、この取付けフレーム(10、20、40)は、食鳥処理用ナイフ(30)を迅速に着脱するためのクイックリリース機構を備え、このクイックリリース機構は、食鳥処理用ナイフ(30)のクイックリリース手段と協働するように設計されており、前記クイックリリース機構は、食鳥処理用ナイフ(30)のリム(31)を解放可能にクランプするクランプ部を備えたものにおいて、
前記クランプ部は、クランプヘッド(13、14、41′、46′)を備えた少なくとも1つの保持ピン(11、12、41、46)を備え、
前記少なくとも1つの保持ピン(11、12、41、46)は、取付けフレーム(10、20、40)の本体(15、25、40′)に対してピンの長手方向に移動可能であり、この移動により、クランプヘッド(13、14、41′、46′)を、食鳥処理用ナイフ(30)のリム(31)にクランプ可能に連結する位置と、取付けフレーム(10、20、40)に取り付けられたまま、食鳥処理用ナイフ(30)のリム(31)から外れたり緩んだりする別の位置との間で移動させるものであることを特徴とする着脱式の食鳥処理用ナイフのための取付けフレーム。
【請求項2】
保持ピン(41)は、外ねじ(43)を備えて、保持ピン(41)のクランプヘッド(41′)で食鳥処理用ナイフ(30)のリム(31)とクランプ可能に連結するようにナット(42)と協働するものであることを特徴とする請求項1記載の着脱式の食鳥処理用ナイフのための取付けフレーム。
【請求項3】
保持ピン(46)は、内ねじ(47)を有する長手方向の貫通孔を備えて、保持ピン(46)のクランプヘッド(46′)で食鳥処理用ナイフ(30)のリム(31)をクランプ可能に連結するようにボルト(48)と協働するものであることを特徴とする請求項1記載の着脱式の食鳥処理用ナイフのための取付けフレーム。
【請求項4】
保持ピン(41、46)は、保持ピン(41、46)の回転を防止するように、取付けフレーム(40)の一部を形成する合わせ面(45)と協働するように配置された外部平坦部(44)を備えることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項記載の着脱式の食鳥処理用ナイフのための取付けフレーム。
【請求項5】
取付けフレーム(10、20、40)の本体(15、25、40′)が、取付けフレーム(10、20、40)の本体(15、25、40′)への食鳥処理用ナイフ(30)の取付中または本体(15、25、40′)からの取外し中に食鳥処理用ナイフ(30)を案内するように配置され、および/または取付けフレーム(40)に対して食鳥処理用ナイフ(30)の位置を固定するように配置された、少なくとも1つの突出部(19、49)を備えることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項記載の着脱式の食鳥処理用ナイフのための取付けフレーム。
【請求項6】
クランプ部は、予め選択された距離をおいて互いに存在する少なくとも2つの保持ピン(11、12)を備え、前記保持ピン(11、12)の各々は、食鳥処理用ナイフ(30)のリム(31)と結合するためのクランプヘッド(13、14)を有することを特徴とする請求項1記載の着脱式の食鳥処理用ナイフのための取付けフレーム。
【請求項7】
少なくとも2つの保持ピン(11、12)は、取付けフレーム(10、20)の本体(15、25)に向かっておよび本体(15、25)から離れるように、互いに連結した状態で移動可能であることを特徴とする請求項6記載の食鳥処理用ナイフのための取付けフレーム。
【請求項8】
少なくとも2つの保持ピン(11、12)が、取付けフレーム(10、20)の本体(15、25)に平行に延びるロッド(16)に接続されていて、取付けフレーム(10、20)の本体(15、25)に対する横方向へのロッド(16)の動きが、少なくとも2つの保持ピン(11、12)の動きを引き起こすことを可能にするようにされていることを特徴とする請求項6または7記載の食鳥処理用ナイフのための取付けフレーム。
【請求項9】
クイックリリース機構は、少なくとも2つの保持ピン(11、12)に接続するロッド(16)に連結するレバー(17、27)を備え、このレバー(17、27)は、ロッド(16)を、取付けフレーム(10、20)の本体(15、25)に対して、取付けフレーム(10、20)の本体(15、25)の横方向に動かすために、自身が移動可能であることを特徴とする請求項8記載の食鳥処理用ナイフのための取付けフレーム。
【請求項10】
レバー(17、27)は、クイックリリース機構のロックを解除する第1の位置と、クイックリリース機構をロックする第2の位置との間で移動可能であることを特徴とする請求項9記載の食鳥処理用ナイフのための取付けフレーム。
【請求項11】
レバー(17、27)は、クイックリリース機構がロックされる第2の位置にあるときに、少なくとも2つの保持ピン(11、12)に接続するロッド(16)を安定的に受け入れるように配置されるところの、くぼんだ部分(18)を含んでいることを特徴とする請求項
9記載の食鳥処理用ナイフのための取付けフレーム。
【請求項12】
2つの保持ピン(11、12)の少なくとも1つは、保持ピン(11、12)のそれぞれのクランプヘッド(13、14)の近傍にスリット(12′)を備え、このスリット(12′)は、食鳥処理用ナイフ(30)のリム(31)を受け入れおよび/または通過可能とする寸法であることを特徴とする請求項6記載の食鳥処理用ナイフのための取付けフレーム。
【請求項13】
請求項1に記載の取付けフレーム(10、20、40)に取り付けるための着脱式の食鳥処理用ナイフ(30)であり、取付けフレーム(10、20、40)のクイックリリース機構と協働するように設けられているクイックリリース手段を備えている着脱式の食鳥処理用ナイフ(30)において、
前記食鳥処理用ナイフ(30)のクイックリリース手段は、取付けフレーム(10、20、40)の少なくとも1つの保持ピン(11、12、41、46)のための少なくとも1つの受入部(32、33)を備え、
この少なくとも1つの受入部(32、33)は、食鳥処理用ナイフ(30)のリム(31)に設けられ、
このリム(31)は、取付けフレーム(10、20、40)における解放可能なクランプ部によりクランプされるように配置されていることを特徴とする着脱式の食鳥処理用ナイフ。
【請求項14】
少なくとも1つの受入部(32、33)が、取付けフレーム(10、20、40)のクイックリリース機構の一部を形成する少なくとも1つの保持ピン(11、12、41、46)を隙間なく受け入れるように装備されていることを特徴とする請求項13記載の着脱式の食鳥処理用ナイフ。
【請求項15】
食鳥処理用ナイフ(30)のリム(31)に、少なくとも1つのガイドスリット(34、50)が設けられており、このガイドスリット(34、50)は、取付けフレーム(10、20、40)の本体(15、25、40′)に設けられた単数または複数の突出部(19、49)に合わせられており、それによって、食鳥処理用ナイフ(30)が取付けフレーム(10、20、40)の本体(15、25、40′)に取り付けられるとき、または取付けフレーム(10、20、40)の本体(15、25、40′)から取り外されるときに前記食鳥処理用ナイフ(30)を案内し、および/または、取付けフレーム(10、20、40)に対する食鳥処理用ナイフ(30)の位置を固定するようにされていることを特徴とする請求項13または14記載の着脱式の食鳥処理用ナイフ。
【請求項16】
取付けフレーム(10、20、40)と協働するように設計された食鳥処理用ナイフ(30)のリム(31)から離れる方向に向く湾曲した刃先(35)を有することを特徴とする請求項13または14記載の着脱式の食鳥処理用ナイフ。
【請求項17】
着脱式の食鳥処理用ナイフ(30)を装着するための、請求項1記載の取付けフレーム(10、20、40)を備えることを特徴とする食鳥処理ライン。
【請求項18】
請求項13または14記載の着脱式の食鳥処理用ナイフが取付けフレーム(10、20、40)に取り付けられていることを特徴とする、請求項17記載の食鳥処理ライン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着脱式の食鳥処理用ナイフのための取付けフレームに関する。また、本発明は、着脱式の食鳥処理用ナイフに関する。
【背景技術】
【0002】
食肉加工工程では、食鳥処理用ナイフが頻繁に使用される。公知の食鳥処理用ナイフは、食鳥の部分を縦方向または横方向に単に切断するために使用されるが、食鳥の特定の部分の骨抜きにも使用される。
【0003】
例として、特許文献1は骨抜き装置を開示しており、この骨抜き装置は、処理される骨に対して調整される向かい合った刃先を有する骨抜き刃を備える。骨抜き刃は、刃用のキャリアに解放可能に接続されており、骨抜き刃どうしは互いに向かって直線的に移動することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】ヨーロッパ特許出願公開第0201980号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
食鳥処理用ナイフが適用される公知の食鳥処理装置の問題点は、メンテナンスまたは洗浄などの他の目的のために食鳥処理用ナイフを交換するのに、手間がかかることである。そこで、本発明の目的は、食鳥処理用ナイフの取外しや取付けに手間がかからないようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的を達成するために、添付の1つ以上の請求項の特徴を有する取付けフレームと、着脱式の食鳥処理用ナイフと、食鳥を処理するための処理ラインとが提案される。
【0007】
本発明の第1の態様においては、取付けフレームが、食鳥処理用ナイフを迅速に着脱するためのクイックリリース機構を備え、このクイックリリース機構は、食鳥処理用ナイフのクイックリリース手段と協働するように設計されており、前記クイックリリース機構は、食鳥処理用ナイフのリムを解放可能にクランプするクランプ部を備える。そして本発明によれば、クランプ部は、クランプヘッドを備えた少なくとも1つの保持ピンを備え、この少なくとも1つの保持ピンは、取付けフレームの本体に対してピンの長手方向に移動可能であり、この移動により、クランプヘッドを、食鳥処理用ナイフのリムにクランプ可能に連結する位置と、取付けフレームに取り付けられたまま、食鳥処理用ナイフのリムから外れたり緩んだりする別の位置との間で移動させる。
【0008】
これに対応して、本発明は、取付けフレームに取り付けるための着脱式の食鳥処理用ナイフに関する。この食鳥処理用ナイフは、取付けフレームのクイックリリース機構と協働するように設けられているクイックリリース手段を備えている。そして本発明によれば、食鳥処理用ナイフのクイックリリース手段は、取付けフレームの少なくとも1つの保持ピンのための少なくとも1つの受入部を備え、この少なくとも1つの受入部は、食鳥処理用ナイフのリムに設けられ、このリムは、取付けフレームにおける解放可能なクランプ部によりクランプされるように配置されている。
【0009】
好ましくは、着脱式の食鳥処理用ナイフにおいて、少なくとも1つの受入部が、取付けフレームのクイックリリース機構の一部を形成する少なくとも1つの保持ピンを隙間なく受け入れるように装備されている。
【0010】
取付けフレームに関して、本発明は、異なる方法で具体化することができる。
【0011】
1つの実施形態では、保持ピンは、外ねじを備えて、保持ピンのクランプヘッドで食鳥処理用ナイフのリムとクランプ可能に連結するように、ナットと協働する。
【0012】
別の実施形態では、保持ピンは、内ねじを有する長手方向の貫通孔を備えて、保持ピンのクランプヘッドで食鳥処理用ナイフのリムをクランプ可能に連結するように、ボルトと協働する。
【0013】
上述した実施形態は、特に、食鳥処理用ナイフを着脱する間に、保持ピンが単に取付けフレームに取り付けられたまま、または接続されたままであってよいので、食鳥処理用ナイフの迅速な着脱を可能にすることによく適している。
【0014】
好ましくは、保持ピンは、保持ピンの回転を防止するように、取付けフレームの一部を形成する合わせ面と協働するように配置された外部平坦部を備える。
【0015】
取付けフレームの本体が、食鳥処理用ナイフの、取付けフレームの本体への取付け中または本体からの取外し中に、食鳥処理用ナイフを案内するように配置され、および/または取付けフレームに対して食鳥処理用ナイフの位置を固定するように配置された、少なくとも1つの突出部を備えることも好ましい。
【0016】
さらに別の実施形態では、取付けフレームのクランプ部は、予め選択された距離をおいて互いに存在する少なくとも2つの保持ピンを備え、この保持ピンの各々は、食鳥処理用ナイフのリムと結合するためのクランプヘッドを有する。
【0017】
少なくとも2つの保持ピンを用いる場合、この少なくとも2つの保持ピンは、取付けフレームの本体に向かって、および本体から離れるように、互いに連結した状態で移動可能であることが好ましい。これによって、容易に着脱することができ、かつクランプ中に食鳥処理用ナイフを確実に正しく位置決めすることができる。これは、2つの保持ピンと協働するように配置されたスプリングまたはクリップにて行うことができる。これに対応して、本発明の着脱式の食鳥処理用ナイフは、好ましくは、取付けフレームに保持ピンの数だけ受入部を備える。そして、各受入部は、取付けフレームのクイックリリース機構の一部を形成するところの、対応する保持ピンをぴったり隙間なく受け入れるように装備されている。
【0018】
取付けフレームの好適な実施形態では、少なくとも2つの保持ピンが、取付けフレームの本体に平行に延びるロッドに接続されていて、取付けフレームに垂直な方向へのロッドの動きが、少なくとも2つの保持ピンの動きを引き起こすことを可能にするようにされている。
【0019】
好ましくは、取付けフレームのクイックリリース機構は、少なくとも2つの保持ピンに接続するロッドに連結するレバーを備える。このレバーは、ロッドを、取付けフレームの本体に対して移動可能である。このようなレバーを使用することで、取付けフレームに対する食鳥処理用ナイフの着脱の容易性がさらに促進される。
【0020】
レバーは、クイックリリース機構のロックを解除する第1の位置と、クイックリリース機構をロックする第2の位置との間で移動可能であるように配置されることが好ましい。
【0021】
レバーは、クイックリリース機構がロックされる第2の位置にあるときに、少なくとも2つの保持ピンに接続するロッドを安定的に受け入れるように配置されるところの、くぼんだ部分を含んでいることがさらに好ましい。これにより、クイックリリース機構がアンロックされている第1の位置にレバーが意図せずに移動し、その結果、食鳥処理用ナイフが取付けフレームから外れてしまうことを、回避することができる。
【0022】
2つの保持ピンの少なくとも1つが、保持ピンのそれぞれのクランプヘッドの近傍にスリットを備え、この各保持ピンのスリットは、食鳥処理用ナイフのリムを受け入れおよび/または通過可能とする寸法であることが、さらなる好ましい特徴である。
【0023】
取付けフレームの本体が、食鳥処理用ナイフの、取付けフレームの本体への取り付け中または本体からの取り外し中に、食鳥処理用ナイフを案内するように配置され、および/または取付けフレームに対して食鳥処理用ナイフの位置を固定するように配置された、少なくとも1つの突出部を備えることが、さらに好ましい。これに対応して、食鳥処理用ナイフのリムには、取付けフレームの本体に設けられた少なくとも1つの突出部に合わせられた、少なくとも1つのガイドスリットが設けられていることが好ましい。
【0024】
当業者は、本発明の取付けフレームおよび着脱式の食鳥処理用ナイフが、多様な食鳥処理用途に使用可能であることを理解することができる。本発明は、たとえば骨抜き作業において使用可能である。その場合、ナイフが、取付けフレームと協働するように設計された同食鳥処理用ナイフのリムから離れる方向に向いた湾曲した刃先を有することが好ましい場合がある。
【0025】
本発明は、望ましくは、食鳥処理ラインにおいて実行される一連の食鳥枝肉に対する連続操作において適用される。そして本発明は、本発明の着脱式の食鳥処理用ナイフのための取付けフレームを備える。したがって、着脱式の食鳥処理用ナイフは、前記の取付けフレームに取り付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】ロック解除された位置にある本発明による取付けフレームの第1の実施形態を示す等角図である。
【
図2】ロックされた位置にある
図1の取付けフレームの第1の実施形態を示す等角図である。
【
図3A】本発明による取付けフレームの第1の実施形態を異なる側から示す分解図である。
【
図3B】本発明による取付けフレームの第1の実施形態を異なる側から示す分解図である。
【
図4】ロック解除された位置にある本発明による取付けフレームの第2の実施形態を示す等角図である。
【
図5】ロックされた位置にある本発明による取付けフレームの第2の実施形態を示す等角図である。
【
図6】取付けの中間段階における、本発明による取付けフレームを本発明の食鳥処理用ナイフと共に示す等角図である。
【
図7】
図6の取付けフレームおよび食鳥処理用ナイフを異なる角度から示す図である。
【
図9】本発明による取付けフレームのさらなる実施形態を示す図である。
【
図10】本発明による取付けフレームのさらなる実施形態を示す図である。
【
図11】本発明による取付けフレームのさらなる実施形態を示す図である。
【
図12】本発明による取付けフレームのさらなる実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
添付図面は、本発明の1つ以上の実施形態を示し、本明細書とともに、本発明の原理を説明するのに役立つものである。図面は、本発明の1つ以上の実施形態を例示するためのものであり、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0028】
図中、同じ符号が付されている場合、それらの符号は同じ部材を指す。
【0029】
図1および
図2は、本発明の食鳥処理用ナイフ30(
図6および
図7参照)なしで、一実施形態による本発明の取付けフレーム10のみを明瞭に示すものである。
【0030】
同様に
図4および
図5は、本発明の食鳥処理用ナイフ30なしで、別の実施形態による本発明の取付けフレーム20を明瞭に示すものである。
【0031】
本発明の取付けフレームの構造を完全に開示するため、
図3Aおよび
図3Bは、本発明の取付けフレーム10の実施形態を、異なる側からの分解図で示す。
図4および
図5に描かれているような取付けフレーム20の実施形態の構造は、以下で議論されるいくつかの特徴を除いて、取付けフレーム10の実施形態とほぼ同様である。したがって、
図4および
図5の取付けフレーム20の実施形態の分解図は示さない。
【0032】
次に、
図1~
図5に示される取付けフレーム10、20の実施形態を説明する。簡潔さのために、以下の説明は、常に、図示された両方の実施形態に同時に言及する。本発明の適切な理解のために役立つ場合には、さらに
図6~
図8に言及する。
【0033】
本発明の取付けフレーム10、20の共通点は、これらの取付けフレーム10、20が、ねじによる接続を避けたうえで、食鳥処理用ナイフ30を迅速に取付けまたは取外すためのクイックリリース機構を備えていることである。
図6および
図7は、本発明の着脱式の食鳥処理用ナイフ30を、取付けフレーム10、20の一実施形態への取付けの中間段階にて示す。これらの
図6および
図7においても、取付けフレーム10のクイックリリース機構と協働するように配置されたクイックリリース手段が見える。これらの手段は、以下において適切に説明される。本発明によれば、取付けフレーム10、20のクイックリリース機構は、食鳥処理用ナイフ30のクイックリリース手段と協働するように設計されている。
【0034】
取付けフレーム10、20のクイックリリース機構は、食鳥処理用ナイフ30のリム31を解放可能にクランプするためのクランプ部を有する。
図6および
図7を参照。
【0035】
好ましくは、取付けフレームのクランプ部は、互いに予め選択された距離をおいて存在する少なくとも2つの保持ピン11、12を有する。保持ピン11、12の各々は、それぞれ
図3Aおよび
図3Bに最もよく示されているクランプヘッド13、14を有している。保持ピン11、12は、クランプヘッド13、14を、食鳥処理用ナイフ30のリム31と連結できる位置と、食鳥処理用ナイフ30のリム31から外れる別の位置との間で動かすために、取付けフレーム10、20の本体15、25に向かうように、および本体15、25から離れるように、ピンの長手方向に移動可能である。
図6および
図7は、クランプヘッドの1つ、すなわちクランプヘッド13が、食鳥処理ナイフ30のリム31と連結した状況を示している。
【0036】
好ましくは、少なくとも2つの保持ピン11、12は、取付けまたは取外しを容易にし、保持中に食鳥処理用ナイフ30を確実に正しく位置決めするように、取付けフレーム10、20の本体15、25に向かって、また本体15、25から離れるように、一緒にまたは同時に移動可能である。これに対応して、本発明の着脱可能な食鳥処理用ナイフ30は、好ましくは、取付けフレーム10、20のクイックリリース機構の一部を形成する保持ピン11、12を受け入れるための受入部32、33を備えている。
図6および
図7は、受入部32、33が食鳥処理用ナイフ30のリム31に設けられており、このリム31は、取付けフレーム10、20の解放可能なクランプ部によってクランプされるように配置されていることを示している。
【0037】
取付けフレーム10、20の好適な実施形態では、少なくとも2つの保持ピン11、12は、取付けフレーム10、20の本体15、25に対して概ね平行に延びるロッド16に接続されている。これは、取付けフレーム10、20の本体15、25に対して概ね垂直な方向へのロッド16の動きが、少なくとも2つの保持ピン11、12の動きを引き起こすことを可能にするためである。このロッド16の動きは、いくつかの方法で行うことができる。
【0038】
好ましくは、取付けフレーム10、20のクイックリリース機構は、少なくとも2つの保持ピン11、12を接続するロッド16に連結するレバー17、27を有する。そのために、レバー17、27は、取付けフレーム10、20の本体15、25に対してロッド16を移動させるために、自身が移動可能である。このようなレバー17、27を使用することで、食鳥処理用ナイフ30を取付けフレーム10、20に取り付け、または取付けフレーム10、20から取り外すときの容易性をさらに促進する。
【0039】
レバー17、27は、クイックリリース機構がロック解除される第1の位置と、クイックリリース機構がロックされる第2の位置との間で移動可能であるように配置されることが好ましい。
図1は、実施形態の取付けフレーム10によるクイックリリース機構のロック解除位置を示している。一方、
図4は、別の実施形態の取付けフレーム20によるクイックリリース機構のロック解除位置を示している。逆に、
図2は、
図1の実施形態の取付けフレーム10によるクイックリリース機構のロック位置を示している。一方、
図5は、
図4の実施形態の取付けフレーム20によるクイックリリース機構のロック位置を示している。
【0040】
レバー17、27が、くぼんだ部分を有することがさらに好ましい。このくぼんだ部分は、
図1の取付けフレーム10の実施形態に最もよく示されており、このくぼんだ部分は、符号18で示されている。このくぼんだ部分18は、クイックリリース機構がロックされる第2の位置にレバー17があるときに、少なくとも2つの保持ピン11、12を接続するロッド16を、安定的に受け入れるように配置されている。これにより、クイックリリース機構がロックされない第1の位置にロッド16が意図せずに移動し、その結果、食鳥処理用ナイフ30が取付けフレーム10、20から解放されてしまうことが回避される。
【0041】
さらなる望ましい特徴は、2つの保持ピン11、12の少なくとも1つが、保持ピン11、12のそれぞれのクランプヘッド13、14の近傍にスリットを備え、各保持ピン11、12のこのスリットが、食鳥処理用ナイフ30のリム31を受け入れおよび/または通過可能とするような寸法に設定されることにある。スリット12′およびその位置は、一つの保持ピン12を示す
図8に最もよく示されている。
【0042】
取付けフレーム10、20の本体15、25が、
図6および
図7に最もよく示されている突出部19を備えていることがさらに好ましい。この突出部19は、食鳥処理用ナイフ30を取付けフレーム10、20の本体15、25に取り付ける際、または本体15、25から取り外す際に、食鳥処理用ナイフ30を案内するように配置されている。これに対応して、食鳥処理用ナイフ30のリム31には、ガイドスリット34が設けられていることが好ましい。ガイドスリット34は、取付けフレーム10、20の本体15、25に設けられた突出部19に対応して設けられて、食鳥処理用ナイフ30を取付けフレーム10、20の本体15、25へ取り付け、または本体15、25から取り外す際に、食鳥処理用ナイフ30をガイドする。
【0043】
本発明の取付けフレーム10、20および着脱可能な食鳥処理用ナイフ30は、多様な食鳥処理用途、たとえば骨抜き作業において使用可能である。その場合に、食鳥処理用ナイフ30が、取付けフレーム10、20と協働するように設計された、食鳥処理用ナイフ30のリム31から離れる方向に向いて湾曲した刃先35を有することが望ましい。これは、
図6および
図7に描かれている。
【0044】
【0045】
これらの実施形態では、クランプ部は、クランプヘッド41′、46′を有する一つの保持ピン41、46にて構成される。保持ピン41、46は、取付けフレーム40の本体40′に対してピンの長手方向に移動可能になっている。それによって、クランプヘッド41′、46′を、(
図10および
図12に示すように)食鳥処理用ナイフ30のリム31にクランプ的に連結する位置と、食鳥処理用ナイフ30のリム31から離脱するまたは緩む別の位置との間で動かすようになっている。保持ピンの構造に係る以下の説明を明確にする理由から、
図9および
図11は、保持ピン41、46が取付けフレーム40から完全に緩んでいることを、-実際の本発明に反して-示している。しかしながら、本発明を実施する際には、ピン41、46は、食肉処理用ナイフ30を取付けフレーム40から取り外すとき、および食肉処理用ナイフ30を取付けフレーム40に取り付けるときには、取付けフレーム40に取り付けられたままである。
【0046】
図9および
図10は、保持ピン41が、外ねじ43を備え、ナット42と協働するように配置されて、食鳥処理用ナイフ30のリム31を保持ピン41のクランプヘッド41′とクランプ結合する実施形態を示している。
【0047】
逆に、
図11および
図12は、保持ピン46が、内ねじ47を有する長手方向貫通穴を備え、この内ねじ47がボルト48と協働するように配置されて、ピン46のクランプヘッド46′で食鳥処理用ナイフ30のリム31とクランプ結合する構成の別の実施形態を示している。
【0048】
図9~
図12の実施形態では、保持ピン41、46は、保持ピン41、46の回転を防止するように、取付けフレーム40の一部を形成する合わせ面45と協働するように配置された外部平坦部44を備えている。
【0049】
さらに
図9~
図12に示すように、取付けフレーム40の本体40′は、取付けフレーム40に対する食鳥処理用ナイフ30の位置を固定するように配置された少なくとも1つの突出部49を備えている。この少なくとも1つの突出部49は、少なくとも1つのスリット50と協働する。このスリット50は、取り付けフレーム40の本体40′に設けられた単数または複数の突出部49に合わせられたものである。これにより、主に、取付けフレーム40に対するナイフ30の位置を確保する。
【0050】
本発明は、望ましくは、一連の食鳥枝肉に対する連続的な操作を提供する処理ラインにおいて適用される。そして、この処理ラインは、本発明による着脱式の食鳥処理用ナイフ30のための取付けフレーム10、20、40を備えている。したがって、着脱式の食鳥処理用ナイフ30は、取付けフレーム10、20、40に取り付けられる。
【0051】
本発明の実施形態は、本明細書に開示される特徴のあらゆる組み合わせを互いに独立して含むことができる。上記において、本発明は、本発明の例示的な実施形態を参照して説明されてきたが、本発明は、本発明から逸脱することなく多くの方法で変化させることができるこれらの特定の実施形態に限定されるものではない。したがって、説明された例示的な実施形態は、添付の請求項を同実施形態にしたがって厳密に解釈するために使用されるものではないものとする。それどころか、実施形態は、単に添付の請求項の文言を説明するためのものであり、請求項に係る発明をこれらの例示的な実施形態に限定する意図はない。したがって、本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲のみにしたがって解釈されるものとし、特許請求の範囲の文言において起こり得る曖昧さは、この例示的な実施形態を使用して解決されるものとする。
【0052】
本発明の変形および修正は、当業者には明らかであり、添付の請求項において、すべてのそのような修正および等価物を網羅することが意図される。上記で引用した全ての文献、出願、特許、および出版物の開示内容全体は、参照することにより本明細書に組み込まれる。上記で「必須」であると具体的に述べない限り、様々な構成要素またはその相互関係のいずれも、本発明の動作に必須であるわけではない。むしろ、様々な構成要素を代用すること、および/または、それらの相互の関係を再構成することによって、望ましい結果を達成することができる。