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特許7432692コンタクトレンズの上方部分にレンチキュラを備えるコンタクトレンズ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-07
(45)【発行日】2024-02-16
(54)【発明の名称】コンタクトレンズの上方部分にレンチキュラを備えるコンタクトレンズ
(51)【国際特許分類】
   G02C 7/04 20060101AFI20240208BHJP
   G02C 7/06 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
G02C7/04
G02C7/06
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022192875
(22)【出願日】2022-12-01
(62)【分割の表示】P 2019515919の分割
【原出願日】2017-08-25
(65)【公開番号】P2023025161
(43)【公開日】2023-02-21
【審査請求日】2022-12-14
(31)【優先権主張番号】15/274,159
(32)【優先日】2016-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514137997
【氏名又は名称】オハイオ・ステイト・イノベーション・ファウンデーション
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベイリー,メリッサ・ディ
(72)【発明者】
【氏名】バー,ジョセフ・ティ
【審査官】中村 説志
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102010019961(DE,A1)
【文献】特表平11-514753(JP,A)
【文献】特表2002-540846(JP,A)
【文献】特表2007-510960(JP,A)
【文献】特開2014-048666(JP,A)
【文献】CHRISTOPHER SNYDER,"Designing Minus Carrier RGP Lenses",Contact Lens Spectrum,Issue: December 1998,1998年12月01日,https://www.clspectrum.com/issues/1998/december-1998/designing-minus-carrier-rgp-lenses
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02C 7/04
G02C 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンタクトレンズであって、
前面と、
後面とを備え、前記後面は、着用者の目の上にあるときに前記着用者の前記目に近接し、
前記コンタクトレンズの一部分は、前記コンタクトレンズの上方部分に第1の厚みを有し、前記第1の厚みを有する前記コンタクトレンズの前記一部分は上面を有し、前記第1の厚みは、前記上面と前記後面との間の距離によって定義され、前記第1の厚みを有する前記コンタクトレンズの少なくとも一部は、バラストまたはプリズムによって覆われていない前記コンタクトレンズの前記前面の他の任意の場所における、前記前面と前記後面との間の第2の厚みよりも大きく、
前記第1の厚みを有する前記コンタクトレンズの前記一部分は、前記着用者の上目瞼の上部の瞼板と相互作用し、前記第1の厚みを有する前記コンタクトレンズの前記一部分は、前記上部の瞼板の上方にある前記上目瞼のKessingスペースにフィットすることによって、前記コンタクトレンズを前記上目瞼に付着させるように構成され、当該付着により、前記着用者の下方視の際に前記コンタクトレンズを上方に並進させることをもたらし、
記上面は、平坦、丸みを帯びた角のある平坦、凹状、凸状、又はそれらの組み合わせからなる群から選択された形状を有する、コンタクトレンズ。
【請求項2】
前記コンタクトレンズが、ソフトコンタクトレンズ、硬質ガス透過性コンタクトレンズ、またはハイブリッドコンタクトレンズのうちの1つである、請求項1に記載のコンタクトレンズ。
【請求項3】
前記着用者の前記上目瞼の前記上部の瞼板と相互作用する前記第1の厚みを有する前記コンタクトレンズの前記一部分は、前記コンタクトレンズの中心化および回転安定性を提供する、請求項1に記載のコンタクトレンズ。
【請求項4】
前記第1の厚みを有する前記コンタクトレンズの前記一部分が、複数のセクションからなり、各セクションの少なくとも一部が前記第2の厚みよりも大きい厚みを有する、請求項1に記載のコンタクトレンズ。
【請求項5】
前記第1の厚みを有する前記コンタクトレンズの前記一部分が、解剖学的形状を有し、前記第1の厚みの前記解剖学的形状は、前記着用者の前記上目瞼の上方の前記Kessingスペース内部にフィットするように形成されている、請求項1に記載のコンタクトレンズ。
【請求項6】
コンタクトレンズであって、
前面と、
後面とを備え、前記後面は、着用者の目の上にあるときに前記着用者の前記目に近接し、
前記コンタクトレンズの一部分は、前記コンタクトレンズの上方部分に第1の厚みを有し、前記第1の厚みを有する前記コンタクトレンズの前記一部分は上面を有し、前記第1の厚みは、前記上面と前記後面との間の距離によって定義され、前記第1の厚みを有する前記コンタクトレンズの少なくとも一部は、バラストまたはプリズムによって覆われていない前記コンタクトレンズの前記前面の他の任意の場所における、前記前面と前記後面との間の第2の厚みよりも大きく、
前記第1の厚みを有する前記コンタクトレンズの前記一部分は、前記着用者の上目瞼の上部の瞼板と相互作用し、前記第1の厚みを有する前記コンタクトレンズの前記一部分は、前記上部の瞼板の上方にある前記上目瞼のKessingスペースにフィットすることによって、前記コンタクトレンズを前記上目瞼に付着させるように構成され、当該付着により、前記着用者の下方視において、前記コンタクトレンズを上方に並進させることをもたらし、
前記第の厚みを有する前記コンタクトレンズの前記一部分は、複数のセクションを有し、各セクションは、前記コンタクトレンズの前記第2の厚みよりも厚い少なくとも一部分を有する、コンタクトレンズ。
【請求項7】
前記コンタクトレンズが、ソフトコンタクトレンズ、硬質ガス透過性コンタクトレンズ、またはハイブリッドコンタクトレンズのうちの1つである、請求項に記載のコンタクトレンズ。
【請求項8】
着用者の前記上目瞼の前記上部の瞼板と相互作用する、前記第1の厚みを有する前記コンタクトレンズの前記一部分が、前記コンタクトレンズの中心化および回転安定性を提供する、請求項に記載のコンタクトレンズ。
【請求項9】
前記複数のセクションのうちの少なくとも1つが、解剖学的形状を有し、前記複数のセクションのうちの前記少なくとも1つのセクションの前記解剖学的形状は、前記着用者の上目瞼の上方の前記Kessingスペース内部にフィットするように形成されている、請求項に記載のコンタクトレンズ。
【請求項10】
前記複数のセクションのうちの各セクションが、弧状、曲線状、円形、環状、半球状、正方形、矩形、三角形、楕円形、多面体、及びそれらの組み合わせからなる群から選択された形状を有する、請求項に記載のコンタクトレンズ。
【請求項11】
前記複数のセクションのうちの各セクションが上面を有し、前記上面は、曲線状、円形、球形、平坦、丸みを帯びた角のある平坦、凹状、凸状、又はそれらの組み合わせからなる群から選択された形状を有する、請求項に記載のコンタクトレンズ。
【請求項12】
コンタクトレンズであって、
前面と、
後面とを備え、前記後面は、着用者の目の上にあるときに前記着用者の前記目に近接し、
前記コンタクトレンズの一部分は、前記コンタクトレンズの上方部分に第1の厚みを有し、前記第1の厚みを有する前記コンタクトレンズの前記一部分は上面を有し、前記第1の厚みは、前記上面と前記後面との間の距離によって定義され、前記第1の厚みを有する前記コンタクトレンズの少なくとも一部は、バラストまたはプリズムによって覆われていない前記コンタクトレンズの前記前面の他の任意の場所における、前記前面と前記後面との間の第2の厚みよりも大きく、
前記第1の厚みを有する前記コンタクトレンズの前記一部分は、前記着用者の上目瞼の上部の瞼板と相互作用し、前記第1の厚みを有する前記コンタクトレンズの前記一部分は、前記上部の瞼板の上方にある前記着用者の上目瞼のKessingスペースにフィットすることによって、前記コンタクトレンズを前記上目瞼に付着させるように構成され、前記コンタクトレンズを前記上目瞼に付着させるように構成され、当該付着により、前記着用者の下方視において、前記コンタクトレンズを上方に並進させることをもたらし、
前記第1の厚みを有する前記コンタクトレンズの前記一部分が、解剖学的形状を有し、前記第1の厚みの前記解剖学的形状は、前記着用者の上目瞼の上方の前記Kessingスペース内部にフィットするように形成されている、コンタクトレンズ。
【請求項13】
前記コンタクトレンズが、ソフトコンタクトレンズ、硬質ガス透過性コンタクトレンズ、またはハイブリッドコンタクトレンズのうちの1つである、請求項12に記載のコンタクトレンズ。
【請求項14】
着用者の前記上目瞼の前記上部の瞼板と相互作用する、前記第1の厚みを有する前記コンタクトレンズの前記一部分が、中心化および回転安定性を提供する、請求項12に記載のコンタクトレンズ。
【請求項15】
前記第1の厚みを有する前記コンタクトレンズの前記一部分が、前記コンタクトレンズの前記上方部分に位置する複数のセクションからなり、前記複数のセクションのうちの各セクションが前記コンタクトレンズの前記第2の厚みよりも厚い少なくとも一部を有する、請求項12に記載のコンタクトレンズ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2016年9月23日に出願された米国特許出願第15/274,159号、及び2015年9月23日に出願された米国特許仮出願第62/222,376号の優先権及び利益を主張するものであり、これらの双方は、それらの全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
回転安定化における現在の最先端として、(硬質ガス透過性コンタクトレンズに有効な)後面トーリック性、ベースダウン及びペリバラスト(peri-ballast)プリズム、又はベースダウンプリズムの変形である動的安定化が挙げられる。コンタクトレンズの回転安定化をもたらすのに、既存の設計のうちの1つが十分である又は既存の設計には十分なものがない患者が存在する。
【0003】
伝統的に、硬質ガス透過性(RGP)コンタクトレンズは、マイナス形のRGPコンタクトレンズの自然な厚みのある縁部を使用するか又はプラス形のRGPコンタクトレンズにマイナスキャリアレンチキュラ(厚みのある縁部)を追加することのどちらかによって、「眼瞼付着」フィットを用いてフィットされる。従来のRGPレンズで使用されている形状は、眼瞼付着が1970年代に初めて記載されたときに製造され得た形状に応じた面がおそらく大きかった。これらの従来のレンズを使用すると、厚みのある縁部がレンズ周辺部の周囲360°に見出される。しかしながら、レンズは、眼瞼付着を実現するために必ずしもその形状である必要はなく、他の形状及び設計は、コンタクトレンズを下方視の際に上方に並進させる、より良好なフィットを提供し得る。下方視の際のレンズの並進は、レンズの上部、中間部分における遠方度数、及びレンズの下部部分における近方度数といった真の2焦点の使用を可能にする。更に、眼瞼付着フィットは、トーリックレンズの回転安定化及び他の応用をもたらす。
【0004】
したがって、所望されるものは、当技術分野における課題を克服するコンタクトレンズであり、そのうちのいくつか上記に記載されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示され、記載されているのは、眼瞼付着フィットによるソフトコンタクトレンズである。眼瞼付着に使用される部分(すなわち、レンチキュラ)は、コンタクトレンズの頂部(上方)の部面にのみ配置される。現代の製造能力を使用すると、任意の数の形状を実装して眼瞼付着フィットを実現することができる。
【0006】
本開示は、角膜が球形又はトーリックであるときに機能する、並進型の2焦点、3焦点、又は多焦点コンタクトレンズに関する。回転安定化のために、本明細書に開示されたコンタクトレンズは、ベースダウンプリズム、ペリバラスティング(peri-ballasting)、
及び動的安定化に比べて、以下に記載されるレンチキュラ部面と上眼瞼の瞼板との間の相互作用を使用してコンタクトレンズを安定化させ、またプリズムのベースと下眼瞼との間の相互作用も使用できるという点で利点を有する。レンズと1つ又は両方の眼瞼との間の相互作用は、本明細書に開示されたレンズ設計のより良好な安定化をもたらす。この同じコンタクトレンズ設計はまた、患者がまっすぐな注視から下方視へと眼を向けるとき、コンタクトレンズが並進運動をすることも可能にするであろう。下眼瞼によってコンタクトレンズにおけるプリズムのベースを上方に押す代わりに、従来技術が試みる程度に、この設計は上方レンチキュラ部面によってコンタクトレンズを上方に引っ張る。これは、レン
チキュラ部面が、コンタクトレンズによる「眼瞼付着」フィットの使用を可能にするからであり、レンズは、患者が下に眼を向けるとき上眼瞼を離れない。
【0007】
以下の記載は、本開示の1つ以上の実施形態の詳細を説明する。他の特性、目的、及び利点は、説明及び「特許請求の範囲」から、明らかとなろう。
【0008】
本明細書の一部に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図は、以下に記載されるいくつかの態様を例示している。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1-1】図1A及び図1Bは、本明細書に開示されたレンズ設計による2焦点コンタクトレンズの正面図(A)及び輪郭図(B)を提供する概要図である。A及びBは、コンタクトレンズ100の上方縁部に位置する又は近接したマイナスキャリアレンチキュラ状の曲線を備えるレンチキュラ101を示す。
図1-2】図1C及び図1Dは、本本明細書に開示されたレンズ設計による代替2焦点コンタクトレンズの正面図(C)及び輪郭図(D)を提供する概要図である。C及びDは、コンタクトレンズ100の上方縁部から離れてコンタクトレンズの中心に更に向かって位置するマイナスキャリアレンチキュラ状の曲線を備えるレンチキュラ101を示す。
図2図2A(正面図)及び図2B(輪郭図)は、上方レンチキュラ及び下方プリズムセグメントと関連付けられた「プッシュ」及び「プル」機構を示すコンタクトレンズの概要図である。
図3図3A図3Fは、コンタクトレンズの上方部分に様々な形状のレンチキュラを有する例示的なコンタクトレンズの概略輪郭イメージである。
図4A】コンタクトレンズの上方部分に例示的な解剖学的形状のレンチキュラを有する例示的なコンタクトレンズの概略輪郭イメージである。
図4B】幅(w)及び高さ(h)の寸法を示す図4Aの解剖学的形状のレンチキュラの正面図である。
図4C】コンタクトレンズの上方部分に解剖学的形状のレンチキュラを有するコンタクトレンズの正面図である。
図5図5A及び図5Bは、レンチキュラを有しないコンタクトレンズと比較して、レンズの上方部分にレンチキュラを有するコンタクトレンズの眼瞼付着フィットを図示する眼の輪郭イメージである。
図6-1】図6A図6Dは、本明細書に開示され、記載されるレンチキュラの非限定例を有するコンタクトレンズの正面図を図示する。
図6-2】図6E図6Jは、本明細書に開示され、記載されるレンチキュラの非限定例を有するコンタクトレンズの正面図を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、これから特定の例示的な実施形態に関して以下により十分に説明される。実際には、本開示は、多くの異なる形態で具体化され得、本明細書で説明される実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。
【0011】
レンズの上部(上方)部分上にレンチキュラを備えるコンタクトレンズが本明細書に開示される。例えば、レンチキュラは、丸みを帯びた、レンズの中心の上部部分の上にマイナスキャリアのレンチキュラ状の曲線を含み得るが、他のレンチキュラ形状、設計、及び位置が意図される。
【0012】
本明細書に開示されたコンタクトレンズの様々な実施形態は、(1)全ての注視におけるコンタクトレンズの回転安定性、(2)眼が下方視する際のコンタクトレンズの上方向
の並進、又は動き、及び(3)人の注視が変化するときに必要に応じた角膜及び瞳孔の上のコンタクトレンズの一般的な中心配置、をもたらす上方に位置するレンチキュラ設計を含む。「眼が下方視する際のコンタクトレンズの上方向の並進」により、患者が下に目を向けたときコンタクトレンズが上方向の位置に保持されることを意味する。本明細書に開示され、記載された実施形態は、コンタクトレンズの上方部分に位置する1つ以上のレンチキュラを含み、レンチキュラは、任意のコンタクトレンズ(ソフト、硬質ガス透過性、ハイブリッドなど)がそれ自体を上眼瞼の内側に付着できるようにする任意の形状を有する。
【0013】
図1A及び図1Bを参照すると、本明細書に開示されたレンズ設計による2焦点コンタクトレンズ100の正面図(図1A)及び輪郭図(図1B)の概要図が例示されている。レンズは、遠方視領域103及び近方視領域104を有するので2焦点である。図1A及び図1Bに示されるコンタクトレンズの特徴のうちの1つは、コンタクトレンズの上部の中心部分上のレンチキュラ101の配置である。本明細書に記載されるように、コンタクトレンズ100の上部部分は、上方部分と呼ばれ、コンタクトレンズ100の下部部分は、下方部分と呼ばれる。一般的に、レンチキュラ101は、全体が、コンタクトレンズ100の中心を通る水平正中線より上側の、コンタクトレンズ100の上方部分内に位置するが、しかしながら、レンチキュラのうちの1つ以上の端部は、水平正中線より下にあるコンタクトレンズの下方部分へと延在し得る。図1A及び図1Bに示される実施形態において、レンチキュラ101は、コンタクトレンズ100の上部縁部の部分の周りに弧を描いて延びる丸みを帯びた、マイナスキャリアレンチキュラ状の曲線を含むが、レンチキュラ101の他の形状、サイズ及び設計は、本発明の実施形態及び本明細書に開示された実施形態の範囲内であることが意図される。図1A及び図1Bに示される設計の別の特徴は、プリズム102又はコンタクトレンズ100の下部部分におけるバラストの再利用である。本明細書に開示されたコンタクトレンズ100の組み合わされた特徴は、回転安定化、並進、及び/又は中心化をもたらす。本明細書に開示されたコンタクトレンズは、硬質ガス透過性若しくはソフトコンタクトレンズ設計、又はハイブリッド設計であり得、その結果コンタクトレンズは、柔軟な縁取りを備える剛性中心部を有する。レンズは、光の動き又は眼球の環境における微粒子を感知することができ、光又は周りの眼球の環境を調節する要素、すなわち、液晶ディスプレイ、フィルタ、調光材料、他の材料若しくはセンサを含む区画を含む材料から作製することができる。図1A及び図1Bにおいて2焦点レンズとして示されるが、本明細書に記載されたコンタクトレンズ100は、単焦点、2焦点、多焦点、及び/又はトーリックを含む任意の視域の特徴を持ち得ることを理解されたい。
【0014】
図1A図1B図1C、及び図1Dにおいて、レンチキュラ101は、コンタクトレンズ100の頂部で見ることができる。レンチキュラ101(この例ではマイナスキャリアレンチキュラ状の曲線)は、図1Bに見られるようにコンタクトレンズ100の上部縁部に位置し得るか、又は図1Dに見ることができるようにコンタクト100の縁部からある程度離れて位置し得る。例えば、レンチキュラ101は、コンタクトレンズ100の中心の上部部分に位置し得る。レンチキュラ101は、.1、.2、.3、.4、.5、.6、.7、.8、.9、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、若しくは5.0ミリメートル、又はそれ以上、以下、若しくは中間の任意の量だけコンタクトレンズ100の外側縁部から離れ得る。プリズム102又はバラストは、コンタクトレンズ100の下半分に位置し得る。プリズムの使用は、本明細書でより詳細に説明される。
【0015】
並進型コンタクトレンズにおける現在の最先端技術は、硬質ガス透過性コンタクトレンズである。現在のところ、交代視を実現するのに成功したソフトコンタクトレンズは存在しない。並進型ソフトコンタクトレンズの従来技術は全て、本設計の反対方向に進展して
いる、すなわち、全ての他の設計は、コンタクトレンズの上部部分をより厚くし、上眼瞼に付着させるのではなくコンタクトレンズの上部部分を可能な限り薄くしようとする。本明細書に開示されたコンタクトレンズは、硬質ガス透過性レンズより快適であり、順応時間が短くて済むソフトコンタクトレンズを含む並進型コンタクトレンズをもたらす。一般的に言えば、患者は、硬質ガス透過性コンタクトレンズよりソフトコンタクトレンズを着用することを積極的に望み、着用が可能であり、ソフトコンタクトレンズは、フィットさせるのに専門知識が少なくて済む。2焦点又は多焦点ソフトコンタクトレンズにおける現在の最先端技術は、同時視である。これらのレンズでは、遠方視力に焦点を合わせる光線及び近方視力に焦点を合わせる光線の両方が、同時に瞳孔内にある。したがって、患者は、焦点が合っていない光線を無視することができなければならない。このことは、多少の視力の低下につながる。本明細書に開示された並進型ソフトコンタクトレンズは、一度に一方の距離からの光のみに焦点が合うことを可能にし、各距離でよりはっきりした視覚をもたらす。
【0016】
ソフトコンタクトレンズにおいて老眼の患者にフィッティングするための他の現在の最先端技術オプションは、モノビジョンと呼ばれる。この場合には、1つの眼は、遠方視力用に活動し(通常、優位眼)、1つの眼は、近方視力用に活動する(通常、非優位眼)。一部の患者は、特に患者がより大きな近用の加入度数を必要とするとき、再度このタイプのレンズに適応することができない。2つの眼の間の差は、過度に不快感を与えるようになる。更に、コンタクトレンズにおけるモノビジョン矯正又はレーザーによる視力矯正が、奥行感覚の喪失につながることは、確立している。本明細書に開示された並進型ソフトコンタクトレンズは、遠方視力の質の低下を伴わずにより高い近用の加入度数の使用を可能にする。開示された設計において、両眼が遠方及び近方で完全にかつ等しく矯正されるので、奥行感覚の喪失は誘発されない。本明細書に開示された並進型ソフトコンタクトレンズはまた、遠方セグメントと近方セグメントとの間の度数の変化の勾配をもたらす光学セグメントも有し得る。
【0017】
本明細書に開示されたコンタクトレンズは、多くの実用的な目的に適合するように設計されている。例えば、剛性及びソフトコンタクトレンズの両方において、本明細書に開示されたレンズ設計は、トーリックコンタクトレンズ設計、電子的に生成されたかつ/若しくは仮想の光学的に表示された画像のために球形の補正を越えて様々なタイプの眼球の収差を補正するように設計されたコンタクトレンズ、並びに/又は2焦点若しくは多焦点コンタクトレンズに対して、全ての注視における回転安定化をもたらす。更に、本明細書に開示されたレンズ設計は、下方視における2焦点/多焦点コンタクトレンズの上方向の並進をもたらす。更に、本明細書に開示されたレンズ設計は、硬質ガス透過性コンタクトレンズと同様に「眼瞼付着」フィットを実現する、すなわち、瞬きの前、間、及び後にコンタクトレンズを上眼瞼の下に取り付けておく。
【0018】
一実施形態では、コンタクトレンズの上部部分は、着用者の上眼瞼と相互作用する。上眼瞼と相互作用するコンタクトレンズの上部部分は、コンタクトレンズの上部縁部とコンタクトレンズの幾何学中心との間の区域の5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、又は75%を含むことができる。例えば、上眼瞼と相互作用するコンタクトレンズの上部部分の区域(コンタクトレンズの「上半分」、又は上部縁部とコンタクトレンズの幾何学中心との間の区域を意味する)は、レンズの上部区域の10~50%を含み得る。
【0019】
従来、マイナスキャリアレンチキュラは、プラス形のコンタクトレンズにおいて眼瞼付着フィットをもたらすために硬質ガス透過性コンタクトレンズで使用され得る。本明細書に開示されたコンタクトレンズ設計において、レンチキュラ101は、レンズの中心の上部部分のみに配置される。本明細書に開示されたレンズ設計のいくつかの実施形態は、上
眼瞼辺縁と相互作用するために相対的に厚い縁部が存在するより小さい区域を有し、最小限度のレンチキュラの存在は、通常はレンズ全周にわたって配置される、より伝統的なマイナスキャリアレンチキュラに比べて快適性を改善する。本明細書に開示されたコンタクトレンズ内に存在する、ただし、中心化及び回転安定性を支援するために上部の瞼板と相互作用するのに十分な、レンチキュラの面積及び厚さが存在する。
【0020】
図2A及び図2Bに示され、かつ本明細書で「プッシュ」及び「プル」機構と呼ばれるように、レンチキュラと相互作用する上眼瞼に加えて、上眼瞼はまた、本明細書に開示されたレンズ設計に従ったコンタクトレンズの下部部分にある任意のプリズムと相互作用することもできる。上眼瞼の縁部は、瞬きごとにコンタクトのプリズムのより厚いベースを下に押し込む。プリズムのベースはまた、瞬きごとに下眼瞼とも相互作用するので、プリズムのベースは、下側コンタクトレンズ辺縁の上に、眼が開いているときに下眼瞼の上に留まるほど十分に高く配置される。複数のベースカーブオプションが、異なる角膜曲率のフィッティングに使用可能であるように、プリズムベースの複数の高さは、眼瞼の開口サイズ及び位置の差を解決するために必要に応じて使用される。更に、複数のコンタクトレンズの全直径もまた使用され得る。言い換えれば、プリズム部分は、コンタクトレンズの中心光学ゾーンからの度数の変化を提供し得る。患者がまっすぐ及び/又は下に眼を向けているとき(when in)、眼が開いているとき、並びに瞬きの間に、プリズムのベースは
、下眼瞼の裏で1、1.5、2、2.5、又は3ミリメートル(mm)を超えて摺動することができない。
【0021】
上述のように、コンタクトレンズは、コンタクトレンズの残りの部分と比べて相対的に厚い区域を含む。この厚さの区域は、コンタクトレンズの残りの「厚くない」部分より、1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10倍厚くすることができる。例えば、相対的に厚い区域は、コンタクトレンズの残りの中心部分より2~10倍厚みがある、最も厚い部分を含むことができる。
【0022】
本明細書に開示されたコンタクトレンズの実施形態は、老視(すなわち、並進によって上向きに移動する近用加入度(reading add))を有する若しくは有しない患者、他の調
節障害を有する患者の屈折異常(近視、遠視、乱視、及び/又は高次収差)の矯正に使用することができ、及び/又は立体視障害を有する患者もまた本明細書に開示されたレンズ設計で提供することができる。老視は、その状態を発症するのに十分に長生きしている(-45歳)人口の約100%に影響を及ぼす。本明細書に開示されたコンタクトレンズの実施形態はまた、他の調節障害、又は立体視障害も治療することができる。場合によっては、本明細書に開示されたコンタクトレンズの実施形態を使用して、電子的に生成されたかつ/又は他の仮想の光学的に表示された画像を表示することができる。
【0023】
従来のコンタクトレンズは、直径及び曲率などの設計パラメータに関して非常に限定されたオプションを提供する。開示されたコンタクトレンズは、ソフトコンタクトレンズにおいて並進を実現する。ソフトコンタクトレンズは、典型的には、2つのベースカーブオプションでのみ製造することが可能であり、複数の直径で提供されることはほとんどない。プリズムの高さ、サイズ、量、又は軸を変えることができるのに加えて、これらの2つのパラメータにおけるこれらの複数のオプションは、必要に応じて本明細書に開示されたレンズ設計に考慮される。後面又は前面のトーリック性は、乱視を有する一部の患者に生じるトーリックの(球形ではなく)角膜形状を利用する。本明細書に開示されたレンズは、角膜が球形(非トーリック)であるときに更に機能する。記載されたレンズはまた、ベースダウンプリズム、ペリバラスティング、及び動的安定化に比べて、必要に応じて上記のレンチキュラ部面を使用して、(下方プリズム又はバラストを有するレンズにおける)下眼瞼のプリズムの相互作用に加えてコンタクトレンズを安定化させるために上眼瞼の瞼板を使用するという点で利点を有する。両方の眼瞼との相互作用は、より良好な安定化を
もたらし得る。
【0024】
図3A図3Fは、コンタクトレンズの上方部分に様々な形状のレンチキュラを有する例示的なコンタクトレンズの概略輪郭イメージである。レンチキュラ301のそれぞれは、成形された上面302を有する。図3Aで、レンチキュラ301は、レンズの中心の上部部分の上に丸みを帯びた、マイナスキャリアの曲線302を含む。本明細書に記載されるように、レンチキュラは、コンタクトレンズ100の縁部の上若しくはこの縁部に近接して、又はレンズ100の縁部から更に離れて配置されてもよい。更に、レンズ100は、単一のレンチキュラ301を含んでもよいか、又は様々な形状、サイズ、及び設計を有する複数のレンチキュラであり得る。図3B図3Fは、平坦な頂部302のレンチキュラ301(図3B)、丸みを帯びた縁部を持つ平坦な頂部302(すなわち、「バンプ」)を有するレンチキュラ301(図3C)、凹状頂部302を有するレンチキュラ301(図3D)、凸状頂部302を有するレンチキュラ301(図3E)、及びコンタクトレンズの縁部のより近くでより厚くなり、コンタクトレンズの中心に向かって漸進的に薄くなる、先細状頂部302形状を有するレンチキュラ301(図3F)を含む、様々な他のレンチキュラの輪郭の非限定例を図示している。図3A図3Fに示されるレンチキュラ301は、非限定であるように意図されており、例示的な目的のみであることを理解されたい。本発明のレンチキュラは、(それらが実質的にコンタクトレンズの上方部分内部に位置する限り)形状、サイズ、数、位置、又は場所によって限定されないことが企図される。
【0025】
図4Aは、コンタクトレンズの上方部分に例示的な解剖学的形状のレンチキュラを有する例示的なコンタクトレンズの概略輪郭イメージである。この実施形態では、レンチキュラは、結膜嚢に特にフィットし、着用者の上眼瞼に付着するような形状である。例えば、図4Aのレンチキュラは、着用者の上眼瞼のKessingスペース(Kessing's Space
)内部にフィットするように設計されている(参照により完全に本明細書に援用されるKessing,Svend V.,「A New Division of the Conjunctiva on the Basis of X-Ray Examination」Acta Ophthalmologica Vol.45,1967を参照されたい)。図4Bは、幅(w)及び高さ(h)の寸法を示す図4Aの解剖学的形状のレンチキュラ401の正面図である。実施形態のうちの1つでは、図4A及び図4Bに示される解剖学的形状のレンチキュラ401は、米国特許第6,217,896号に開示及び記載された結膜挿入物に従った形状及びサイズにされる。
【0026】
体積測定寸法及び線形寸法は、個人差があるが、ヒトの下方結膜嚢は、ある程度一般的に共通の特徴:水平に三日月形、厚い下方水平方向の隆起、及び矢状に楔形状を有する)。ヒト結膜嚢に含まれ得る実際の体積及び形状を最大限に利用するために、解剖学的形状のレンチキュラ401は、水平面において三日月形にすることができ、中心後面曲率(central back curvature)が球面(後面曲率の半径約14mm、範囲12~18mm)に適合している。装置の体積の大部分は、レンチキュラ401の頂部からの経路の約2/3及びレンチキュラ401の底部からの経路の1/3に位置している水平の隆起内、形状の下方50%に含まれる。水平面で三日月形になっているこの隆起の最大厚さは、下の表(表I)に述べられた寸法である。レンチキュラ401の前面は、三日月形を実現するために後面より湾曲している。レンチキュラ401は、瞼板と球体との間に位置するように、隆起より上で上方に先細になり、結果として解剖学的形状のレンチキュラ401は、上方縁部で鋭角に薄くなる。したがって、矢状面において、レンチキュラ401は、隆起の上に楔形が現れ、その結果上眼瞼の下方辺縁の圧力は、「マイナスキャリア」効果を誘発することになり、下方結膜円蓋の内側にレンチキュラ401を包含する助けになる。隆起のより厚い体積の中央から先が丸くなった点へ、レンチキュラ401は、鼻側にかつ一時的に先細になり、その結果、レンチキュラ401は、組織内に固定され、眼角でより緊密に結
合される。レンチキュラ401の水平の長さは、表Iでカバーされた寸法であり、隆起の裏を左から右へレンチキュラ401の後面に沿って測定される。底部において、レンチキュラは、左から右へ(曲率半径約22mm、範囲20~25mm)及び前から後ろへ(曲率半径約0.75mm、範囲0.5~1.0mm(中央で))丸みを帯びており、水平面の中央にレンチキュラ401の最も下方部分を有する。
【0027】
下の、表Iは、解剖学的形状のレンチキュラ401の3つのサイズの例示的な寸法を提供する(図4A及び図4Bを参照されたい)。
【0028】
【表1】
【0029】
水平の中点の最も厚い矢状面から、右側へ、解剖学的形状のレンチキュラ401は、反対側であるが左側に存在するものと等しい構造の形状を有する。これは、解剖学的形状のレンチキュラ401がどちらかの眼の結膜円蓋内に装着することができるためであり、2つの眼の結膜嚢間の左/右形状差は、最小限であるように示されている。挿入物の垂直高さ(又は厚さ、T)(図4Aを参照されたい)、表Iに記載された別の寸法は、挿入物の中心で最大であり、左及び右を先が丸くなった外側末端まで減少する。これは、解剖学的形状のレンチキュラ401が、顔面平面でいくぶんメニスカス状であり、下方縁部でより凸状になっており、上方縁部で相対的に水平に平坦であるためである。図4Cは、コンタクトレンズの上方部分に解剖学的形状のレンチキュラ401を有するコンタクトレンズ100の正面図である。
【0030】
解剖学的形状のレンチキュラの追加の非限定例は、円形/楕円形、長円、三角形、ハート形、正方形、五角形、ダイヤモンド、ナシ形、矩形、それらの組み合わせなどを含む形状を有するレンチキュラを含み、結果として、レンチキュラは、結膜嚢の中にフィットし、着用者の上眼瞼に付着するような形状をしている。
【0031】
図5A及び図5Bは、レンチキュラを有しないコンタクトレンズと比較して、レンズの上方部分にレンチキュラ501を有するコンタクトレンズ100の眼瞼付着フィットを図示する眼の輪郭イメージである。様々な実施形態において、レンチキュラ501は、結膜嚢内部のフィッティングによって上眼瞼に付着させるために解剖学的形状になっていてもよい。
【0032】
図6A図6Jは、本明細書に開示され、記載されるコンタクトレンズの上方部分におけるレンチキュラの非限定例を有するコンタクトレンズの正面図を図示する。図6A図6Jに示される実施形態のレンチキュラ領域は、中心部分でレンチキュラの厚さがレンズの厚さより大きいレンチキュラの少なくとも一部を有することを理解されたい。図6Aでは、レンチキュラ601は、半円形を有する。図6Bでは、レンチキュラ601は、弧状を有する。弧長は、図6Bに示される長さより(that)短くする又は長くすることができ
ることを理解されたい。図6C及び図6Dでは、レンチキュラ601は、複数のレンチキュラセクション602からなる。例えば、図6Cのレンチキュラ601は、コンタクトレンズの上方部分上の複数の半球状セクションからなり、図6Dのレンチキュラ601は、複数の弧状セクションからなる。図6C及び図6Dの複数セクションのレンチキュラは、例示的であり、他のセクション数、レンチキュラの形状、及びサイズは、本発明の実施形態の範囲内であると意図されることを理解されたい。図6E図6Jは、本発明の実施形態の範囲内であると意図されるレンチキュラ601の他の形状、サイズ、位置及び場所の非限定例を図示している。本明細書に示された実施形態のそれぞれは、コンタクトレンズ100の下方部分にプリズム及び/又はバラストを有してもよいか、又は有さなくてもよい。
【0033】
更に本明細書に開示されるのは、本明細書に開示されたコンタクトレンズを製造する方法である。例えば、開示されるのは、コンタクトレンズを製造する方法であって、方法は、レンズの上方部分にレンチキュラを形成することを含むコンタクトレンズを製造することを含む。コンタクトレンズは、レンズの下方部分にベースダウンプリズム又はバラストを更に含み得る。一例では、ベースダウンプリズム又はバラストは、製法の第2の工程でレンズに追加される。
【0034】
更に開示されるのは、視力矯正を必要とする個人を治療する方法であって、方法は、本明細書に開示されたコンタクトレンズを個人に分配し、したがって視力矯正を必要とする個人を治療することを含む。一例では、その個人は、屈折異常と診断された(例えば、乱視、近視、遠視)。別の例では、その個人は、老視、別の調節障害、及び/又は立体視障害と診断された。例えば、本明細書に記載されたコンタクトレンズの実施形態の1つ以上の表面は、(乱視を治療するために)トーリックにすることができ、及び/又は(近視若しくは遠視のどちらかを矯正するために)より平坦若しくはより急な前面を、本明細書に記載されたコンタクトレンズの実施形態で形成することができ、及び/又は2焦点/3焦点/多焦点の度数変化を、老視を治療するためにレンズの底部(下方部分)に形成することができる。本明細書に記載されたコンタクトレンズの実施形態の追加の医学的用途は、円すい角膜の治療を含む。
【0035】
更に、開示されたコンタクトレンズの実施形態は、眼の色及び/又は眼の外観を変更/向上させるなど美容上の目的で使用することができる。
【0036】
本明細書及び添付の「特許請求の範囲」において使用されるとき、単数形「a」、「an」、「the」は、その内容について別段の明確な指示がない限り、複数の指示対象を包含する。
【0037】
添付の「特許請求の範囲」の組成物及び方法は、本明細書に記載の特定の組成物及び方法により範囲を限定されるものではなく、「特許請求の範囲」のいくつかの態様の説明のとおりであることを意図し、機能的に同等な任意の組成物及び方法は「特許請求の範囲」内に収まるものとする。本明細書に示され記載されたものに加え、組成物及び方法の種々の変更は、添付の「特許請求の範囲」内に収まるものとする。更に、本明細書に開示の特定の代表的な組成物及び方法ステップのみが詳細に記載されるが、組成物及び方法工程のその他の組み合わせも、特に列挙されずとも、添付の「特許請求の範囲」内に収まるものとする。したがって、工程、要素、構成成分又は構成物の組合せは、本明細書において明示的に言及され得る、又はそれほど明示的には言及され得ないが、工程、要素、構成成分及び構成物の他の組合せも、明示的に述べられていない場合でさえも含まれる。本明細書で使用する場合、用語「含む(comprising)」及びその変化形は、用語「含む(including)」及びその変化形と同義的に使用され、オープンな非限定的用語である。用語「含む
(comprising)」及び「含む(including)」は、様々な実施形態を記載するために、本
明細書において使用されているが、本発明のより具体的な実施形態を提示するために、用語「から本質的になる(consisting essentially of)」及び「からなる(consiting of
)」を、「含む(comprising)」及び「含む(including)」の代わりに使用することが
でき、やはり開示もされている。実施例以外、又は別途記述される場合以外において、明細書及び「特許請求の範囲」に使用される成分、反応条件などの量を表す全ての数字は、最低限理解されるものであり、「特許請求の範囲」に対する均等論の適用を制限することは企図されず、有効数字の数及び通常の四捨五入の手法に照らし合わせて解釈されるものとする。
図1-1】
図1-2】
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6-1】
図6-2】