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特許7432700動作環境内における用具の識別および管理
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-07
(45)【発行日】2024-02-16
(54)【発明の名称】動作環境内における用具の識別および管理
(51)【国際特許分類】
   B65B 57/00 20060101AFI20240208BHJP
   G06Q 50/04 20120101ALI20240208BHJP
【FI】
B65B57/00 Z
G06Q50/04
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022212250
(22)【出願日】2022-12-28
(62)【分割の表示】P 2019529848の分割
【原出願日】2017-11-30
(65)【公開番号】P2023052171
(43)【公開日】2023-04-11
【審査請求日】2022-12-28
(31)【優先権主張番号】62/428,853
(32)【優先日】2016-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/825,461
(32)【優先日】2017-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511117392
【氏名又は名称】パックサイズ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100138759
【弁理士】
【氏名又は名称】大房 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ハーネスク,アンドレアス
【審査官】▲高▼辻 将人
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-532608(JP,A)
【文献】特表2014-529115(JP,A)
【文献】特開2011-037568(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0332213(US,A1)
【文献】特開2012-162376(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B57/00-57/20
G06Q50/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作環境内においてコンテナを管理および生産するためのコンピュータ・システムであって、
1または複数のプロセッサと、
実行可能命令が格納された1または複数のコンピュータ読み取り可能媒体と、
を備え、
前記実行可能命令は、前記1または複数のプロセッサによって実行されると、
複数の包装可能品目のうちのどれが少なくとも1つのコンテナと関連付けられているかを示す情報を維持する組織的データベース構造を生成するステップと、
前記組織的データベース構造の前記情報にアクセスして、前記少なくとも1つのコンテナと関連付けられている前記複数の包装可能品目の、前記動作環境内における位置を識別するステップと、
前記動作環境内における前記複数の包装可能品目の前記位置を評価して、包装材生産機械に、生のまたは予め処理された段ボールから前記少なくとも1つのコンテナをいつ生産させるべきであるかを判断するステップと、
前記動作環境において前記少なくとも1つのコンテナがいつ生産されるべきであるかを判断した後、前記少なくとも1つのコンテナを、経路距離、歩行距離、前方に並ぶカートの数、または前記複数の包装可能品目の1または複数の棚における位置のうちの少なくとも1つに基づく順序で生産し、前記動作環境に提供するステップであって、前記経路距離は、カートにおける所与の箱または1組の箱において注文を履行するために必要とされる総距離を含み、前記歩行距離は、作業員が包装可能品目間を歩く距離を含み、前記動作環境は、間に通路を備えた1または複数の棚と、前記通路内で再配置可能な1または複数のカートとを含む、ステップと、
を実施するように前記コンピュータ・システムを構成する、コンピュータ・システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つのコンテナは、包装材品目を含む、請求項1に記載のコンピュータ・システム。
【請求項3】
前記動作環境は配送センターを含む、請求項に記載のコンピュータ・システム。
【請求項4】
前記少なくとも1つのコンテナを管理することは、配送のための待ち時間を最小にする、前記配送センターを通る経路を特定することを含む、請求項に記載のコンピュータ・システム。
【請求項5】
前記経路は、カートの干渉を回避し、更に、前記配送センター内部にある仕分け作業所におけるボトルネックを回避する、請求項に記載のコンピュータ・システム。
【請求項6】
前記経路は、最初に、1つの棚だけを使用して満たすことができるコンテナを、指定されたカートに装荷し、続いて、2つの棚だけを使用して満たすことができるコンテナを装荷する、請求項に記載のコンピュータ・システム。
【請求項7】
前記少なくとも1つのコンテナを生産するステップは、前記コンテナの物理的生成を含む、請求項に記載のコンピュータ・システム。
【請求項8】
コンピュータ実行可能命令が格納された1または複数の物理的なコンピュータ読み取り可能記憶媒体を備えるコンピュータ読み取り可能媒体であって、前記コンピュータ実行可能命令は、プロセッサにおいて実行されると、コンピュータ・システムに、動作環境内においてコンテナを管理および生産するための方法を実施させ、前記方法は、
複数の包装可能品目のうちのどれが少なくとも1つのコンテナと関連付けられているかを示す情報を維持する組織的データベース構造を生成するステップと、
前記組織的データベース構造の前記情報にアクセスして、前記少なくとも1つのコンテナと関連付けられている前記複数の包装可能品目の、前記動作環境内における位置を識別するステップと、
前記動作環境内における前記複数の包装可能品目の前記位置を評価して、包装材生産機械に、生のまたは予め処理された段ボールから前記少なくとも1つのコンテナをいつ生産させるべきであるかを判断するステップと、
前記動作環境において前記少なくとも1つのコンテナがいつ生産されるべきであるかを判断した後、前記少なくとも1つのコンテナを、経路距離、歩行距離、前方に並ぶカートの数、または前記複数の包装可能品目の1または複数の棚における位置のうちの少なくとも1つに基づく順序で生産し、前記動作環境に提供するステップであって、前記経路距離は、カートにおける所与の箱または1組の箱において注文を履行するために必要とされる総距離を含み、前記歩行距離は、作業員が包装可能品目間を歩く距離を含み、前記動作環境は、間に通路を備えた1または複数の棚と、前記通路内で再配置可能な1または複数のカートとを含む、ステップと、
を含む、コンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項9】
前記少なくとも1つのコンテナは、包装材品目を含む、請求項に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項10】
前記動作環境は配送センターを含む、請求項に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項11】
前記少なくとも1つのコンテナを管理することは、配送のための待ち時間を最小にする、前記配送センターを通る経路を特定することを含む、請求項10に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項12】
前記経路は、カートの干渉を回避し、更に、前記配送センター内部にある仕分け作業所におけるボトルネックを回避する、請求項11に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項13】
前記経路は、最初に、1つの棚だけを使用して満たすことができるコンテナを、指定されたカートに装荷し、続いて、2つの棚だけを使用して満たすことができるコンテナを装荷する、請求項12に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項14】
前記少なくとも1つのコンテナを生産するステップは、前記コンテナの物理的生成を含む、請求項10に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[0001] 本願は、"Identifying and Managing Equipment Within an Operational Environment"(動作環境内における用具の識別および管理)と題し、2017年11月29日に出願された米国特許出願第15/825,461号の優先権および権利を主張する。米国特許出願第15/825,461号は、"Identifying and Managing Equipment Within
an Operational Environment"(動作環境内における用具の識別および管理)と題し、2016年12月1日に出願された米国仮特許出願第62/428,853号の権利および優先権を主張する。これらの出願をここで引用したことにより、これらの内容全体が本願にも含まれるものとする。
【0002】
[0002] コンピューティング・システムは、至る所で見られるようになっており、小型の埋め込み型デバイスから電話機およびタブレットへ、更にPCおよびバックエンド・サーバに及ぶ。これらのコンピューティング・システムの各々は、ソフトウェア・コードを処理するように設計されている。ソフトウェアは、コンピューティング・システムによって提供されるハードウェアと対話処理して、ユーザが機能を実行することを可能にする。ある場合には、これらのコンピューティング・システムに、ワイヤレス無線機または有線ネットワーク・コントローラのような通信コンポーネントが装備されることもある。これらの通信コンポーネントは、コンピューティング・システムが、他のコンピューティング・システムおよびその他のデバイスとの間で、通信を送信および受信することを可能にする。ある場合には、通信コンポーネントは、コンピューティング・システムがデバイスまたは他のシステムからフィードバック・データを受信することを可能にする。
【発明の概要】
【0003】
[0003] 本明細書において説明する実施形態は、動作環境内において用具(equipment)
を管理および生産する(produce)ための装置(apparatus)ならびに方法を対象とする。一実施形態では、動作環境の一部である用具と関連付けられた情報を維持する組織的データベース構造を生成するステップを含む方法を実行する。組織的データベース構造は、どの包装可能品目が用具(piece of equipment)と関連付けられているかを示す情報を含む。更に、この方法は、生成した組織的データベース構造にアクセスし、どの用具が現在動作環境内において生産されるべきかに影響を及ぼす物理的動作環境要因を識別するステップを含む。次いで、この方法は、識別した物理的動作環境要因を評価して、指定された用具を現在動作環境内で生産すべきか否か判断し、指定された用具が現在動作環境内において処理されるべきであると決定したとき、指定された用具を生産し、動作環境に供給する。
【0004】
[0004] 他の実施形態では、用具を生産するための装置(apparatus)を提供する。この
装置は、プロセッサと、複数の用具を生産する順序を決定し、これら複数の用具を生産するように構成された誘導システム(induction system)とを含む。誘導システムは、どの製品が用具と関連付けられているかを示す情報を維持する組織的データベース構造を生成する動作、生成した組織的データベース構造にアクセスして、どの用具を現在生産すべきかに影響を及ぼす物理的動作環境要因を識別する動作、識別した物理的動作環境要因を評価して、指定された用具を現在誘導システムによって生産するべきか否か判断する動作、ならびに評価に基づいて、動作環境内に配置するために、指定された用具を生産する動作を実行することによって、複数の用具を生産するように構成される。
【0005】
[0005] この摘要は、詳細な説明において以下で更に説明する概念から選択したものを、簡略化した形態で紹介するために設けられている。この摘要は、特許請求する主題の鍵となる特徴や本質的な特徴を識別することを意図しているのではなく、特許請求する主題
の範囲を判定するときに補助として使用されることを意図しているのでもない。
【0006】
[0006] 付加的な特徴および利点については、以下に続く説明において明記するが、部分的には以下の説明から当業者には明白であり、または本明細書における教示の実践によって習得することができる。本明細書において説明する実施形態の特徴および利点は、添付した請求項に特定的に指摘されている手段(instruments)および組み合わせによって実
現し獲得することができる。本明細書において説明する実施形態の特徴は、以下の説明および添付した請求項から一層完全に明白となろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
[0007] 本明細書において説明する実施形態の以上の特徴およびその他の特徴を更に明確化するために、添付図面を参照しながら更に特定的な説明を行う。尚、これらの図面は、本明細書において説明する実施形態の例を図示するに過ぎず、したがってその範囲を限定すると見なしてはならないことは認められよう。添付図面の使用を通じて、更に具体的にそして詳細に、実施形態について説明する(described and explained)。
図1図1は、本明細書において説明する実施形態が、動作環境内において用具の管理および生産を含む動作を実行することができる、コンピュータ・アーキテクチャを示す。
図2図2は、用具が管理および生産される動作環境の実施形態を示す。
図3図3は、動作環境内において、複数の箱を有するカートの実施形態を示す。
図4図4は、用具を動作環境内に誘導する(induce)誘導システムの実施形態を示す。
図5図5は、動作環境において用具を管理および生産するための方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0013] 本明細書において説明する実施形態は、動作環境内において用具を管理および生産するための装置および方法を対象とする。一実施形態では、動作環境の一部である用具に関連付けられた情報を維持する組織的データベース構造を生成するステップを含む方法を実行する。組織的データベース構造は、どの包装可能品目が用具(piece of equipment)と関連付けられているかを示す情報を含む。更に、この方法は、生成した組織的データベース構造にアクセスし、どの用具が現在動作環境内において生産されるべきかに影響を及ぼす物理的動作環境要因を識別するステップを含む。次いで、この方法は、識別した物理的動作環境要因を評価して、指定された用具を現在動作環境内で生産すべきか否か判断し、指定された用具が現在動作環境内において処理されるべきであると決定したとき、指定された用具を生産し、動作環境に供給する。
【0009】
[0014] 他の実施形態では、用具(equipment)を生産するための装置(apparatus)を提供する。この装置は、プロセッサと、複数の用具を生産する順序を決定し、これら複数の装置を生産するように構成された誘導システム(induction system)とを含む。誘導システムは、どの製品が用具と関連付けられているかを示す情報を維持する組織的データベース構造を生成する動作、生成した組織的データベース構造にアクセスして、どの用具を現在生産すべきかに影響を及ぼす物理的動作環境要因を識別する動作、識別した物理的動作環境要因を評価して、指定された用具を現在誘導システムによって生産するべきか否か判断する動作、ならびに評価に基づいて、動作環境内に配置するために、指定された用具を生産する動作を実行することによって、複数の装置を生産するように構成される。
【0010】
[0015] 以下の論述は、本明細書において開示する主題の1つ以上の実施形態によって実行することができる複数の方法および方法アクトに言及する。尚、方法アクトは、一定の順序で論じられるように、または特定の順序で現れるようにフローチャートにおいて示
されることもあるが、特定して言明されなければ、または要求されなければ、特定の順序付けは必ずしも必須ではないことは注記してしかるべきである。何故なら、1つのアクトは、このアクトが実行される前に完了する他のアクトに依存するからである。
【0011】
[0016] 本明細書において説明する実施形態は、種々の型式のコンピューティング・システムを実装することができる。これらのコンピューティング・システムは、現在増々多種多様な形態をなしつつある。コンピューティング・システムは、例えば、移動体電話機、電子アプライアンス、ラップトップ・コンピュータ、タブレット・コンピュータ、ウェアラブル・デバイス、デスクトップ・コンピュータ、メインフレーム等であってもよい。本明細書において使用する場合、「コンピューティング・システム」という用語は、少なくとも1つのプロセッサと、このプロセッサによって実行可能なコンピュータ実行可能命令を有することができる物理および有形コンピュータ読み取り可能メモリとを含む、任意のデバイス、システム、またはその組み合わせを含む。コンピューティング・システムは、ネットワーク環境を通じて分散されてもよく、更に複数の要素的コンピューティング・システムを含んでも良い。
【0012】
[0017] コンピューティング・システムは、通例、少なくとも1つの処理ユニットと、メモリとを含む。メモリは、物理システム・メモリとして差し支えなく、揮発性、不揮発性、またはこれら2つの何らかの組み合わせでもよい。「メモリ」という用語は、本明細書では、物理記憶媒体または物理記憶デバイスのような、不揮発性大容量ストレージを指すために使用される場合もある。コンピューティング・システムが分散型である場合、処理、メモリおよび/または記憶能力も同様に分散することができる。
【0013】
[0018] 本明細書において使用する場合、「実行可能モジュール」または「実行可能コンポーネント」という用語は、ソフトウェア・オブジェクト、ルーチン、メソッド、またはコンピューティング・システム上で実行することができる同様のコンピュータ実行可能命令を指すことができる。本明細書において説明する異なるコンポーネント、モジュール、エンジン、およびサービスは、コンピューティング・システム上で(例えば、別個のスレッドとして)実行するオブジェクトまたはプロセスとして実装することができる。
【0014】
[0019] 本明細書において説明するように、コンピューティング・システムは、通信チャネルも内蔵することができ、通信チャネルは、コンピューティング・システムが、有線またはワイヤレス・ネットワークを通じて、他のメッセージ・プロセッサと通信することを可能にする。このような通信チャネルは、ハードウェアに基づく受信機、送信機、または送受信機を含むことができ、これらは、データを受信するように、データを送信するように、または双方を実行するように構成される。
【0015】
[0020] また、本明細書において説明する実施形態は、コンピュータ実行可能命令および/またはデータ構造を搬送または格納するために、物理コンピュータ読み取り可能媒体も含む。このようなコンピュータ読み取り可能媒体は、汎用または特殊目的コンピューティング・システムによってアクセスすることができる任意の入手可能な物理媒体とすることができる。
【0016】
[0021] コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ実行可能命令および/またはデータ構造を格納する物理ハードウェア記憶媒体である。物理ハードウェア記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、ソリッド・ステート・ドライブ(「SSD」)、フラッシュ・メモリ、相変化メモリ(「PCM」)、光ディスク・ストレージ、磁気ディスク・ストレージまたは他の磁気記憶デバイス、あるいはコンピュータ実行可能命令またはデータ構造の形態でプログラム・コードを格納するために使用することができる任意の他のハードウェア記憶デバイス(1つまたは複数)のようなコンピュータ・ハードウェアを含む。これら
は、汎用または特殊目的コンピューティング・システムによってアクセスおよび実行して、本明細書において説明する実施形態で開示する機能を実現することができる。データ構造は、プリミティブ型(例えば、キャラクタ、二重、浮動小数点)、複合型(例えば、アレイ、レコード、ユニオン等)、抽象データ型(例えば、コンテナ、リスト、集合、スタック、ツリー等)、ハッシュ、グラフ、または他の任意の他の型のデータ構造を含むことができる。
【0017】
[0022] 本明細書において使用する場合、コンピュータ実行可能命令は、命令およびデータを含み、1つ以上のプロセッサにおいて実行されると、汎用コンピューティング・システム、特殊目的コンピューティング・システム、または特殊目的処理デバイスに、特定の機能または1群の機能を実行させる。コンピュータ実行可能命令は、例えば、バイナリー、アセンブリ言語のような中間フォーマット命令、またはソース・コードであってもよい。
【0018】
[0023] 本明細書において説明する原理は、多くの型式のコンピューティング・システム構成を有するネットワーク・コンピューティング環境において実践できることが、当業者には認められよう。コンピューティング・システム構成には、パーソナル・コンピュータ、デスクトップ・コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、メッセージ・プロセッサ、ハンドヘルド・デバイス、マルチプロセッサ・システム、マイクロプロセッサ・ベースのまたはプログラマブル消費者用電子用具、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレーム・コンピュータ、移動体電話機、PDA、タブレット、ページャ、ルータ、スイッチ等が含まれる。また、本明細書における実施形態は、分散型システム環境においても実践することができ、ローカルおよびリモート・コンピューティング・システムがネットワークを通じてリンクされ(ハードワイヤ接続データ・リンク、ワイヤレス・データ・リンクによって、またはハードワイヤ接続およびワイヤレス・データ・リンクの組み合わせによってのいずれか)、双方がタスクを実行する。したがって、分散型システム環境では、コンピューティング・システムは複数の要素コンピューティング・システムを含んでもよい。分散型システム環境では、プログラム・モジュールは、ローカルおよびリモート双方のメモリ記憶デバイスに配置されてもよい。
【0019】
[0024] また、本明細書における実施形態は、クラウド・コンピューティング環境においても実践できることも、当業者には認められよう。クラウド・コンピューティング環境は、分散型であってもよいが、これは必須ではない。分散型の場合、クラウド・コンピューティング環境は、組織内で国際的に分散されることもあり、および/または複数の組織を跨いで所有されるコンポーネントを有することもある。この説明および以下の請求項では、「クラウド・コンピューティング」とは、構成変更可能なコンピューティング・リソース(例えば、ネットワーク、サーバ、ストレージ、アプリケーション、およびサービス)の共有プールへの、要求に応じたネットワーク・アクセスを可能にするためのモデルと定義する。「クラウド・コンピューティング」の定義は、このようなモデルが適正にデプロイされたときに得ることができる他の多数の利点のいずれにも限定されない。
【0020】
[0025] 更にまた、本明細書において説明するシステム・アーキテクチャは、複数の独立したコンポーネントを含むことができ、その各々が本システムの機能に全体として寄与する。このモジュール性は、プラットフォーム・スケーラビリティの問題に取り組む(approach)ときに柔軟性向上を可能にし、したがって種々の利点を提供する。規模を小さくして機能範囲を限定した部品の使用により、システムの複雑さおよび増大を一層容易に管理することができる。プラットフォームのフォールト・トレランスは、これらの疎に結合されたモジュールの使用によって強化される。個々のコンポーネントは、業務の必要上迫られるに連れて徐々に増大させることができる。また、モジュール型開発は、新たな機能の市場投入までの時間短縮と解釈される。中核システムに影響を及ぼすことなく、新たな機
能を追加または削除することができる。
【0021】
[0026] 図を参照すると、図1は、本明細書において説明する少なくとも1つの実施形態を採用することができるコンピュータ・アーキテクチャ100を示す。コンピュータ・アーキテクチャ100は、コンピュータ・システム101を含む。コンピュータ・システム101は、少なくとも1つのプロセッサ102と、少なくともいくつかのシステム・メモリ103とを含む。コンピュータ・システム101は、クラウド・コンピュータ・システムを含む、任意の型式のローカルまたは分散型コンピュータ・システムとしてもよい。コンピュータ・システム101は、種々の異なる機能を実行するモジュールを含む。実例をあげると、通信モジュール104は、他のコンピュータ・システムと通信するように構成することができる。通信モジュール104は、他のコンピュータ・システムからデータを受信する、および/または他のコンピュータ・システムにデータを送信することができる任意の有線またはワイヤレス通信手段を含めばよい。通信モジュール104は、データベース、移動体コンピューティング・デバイス(移動体電話機またはタブレットのような)、埋め込み型、またはその他の型式のコンピュータ・システムと相互作用するように構成することができる。
【0022】
[0027] コンピュータ・システム101は、更に、データ構造生成器105を含む。データ構造生成器105は、データベースの一部であってもよく、またはデータベースと協働して、データ構造(例えば、データ・ストア117)を作成してもよい。データ構造(例えば、106)は、所与の動作環境に特定の様式で生成することができる。実例をあげると、組織的データベース構造106は、動作環境111に特定であってもよい。動作環境111は、工業用機械、作業員(operation worker)、電子および非電子デバイス、自動化システム、ユーザ操作システム、生材料、製造された材料、およびその他の品目を含む、種々の用具112(pieces of equipment)を含むことができる。ある場合には、複数の
用具112が、包装可能品目113を受け取るように構成することもできる。実例をあげると、動作環境が配送センターである場合、包装可能品目113は、顧客への配送のために、箱のようなコンテナに入れることができる。
【0023】
[0028] 包装可能品目113および複数の用具112に加えて、動作環境111は用具生産機械114も含むことができる。用具生産機械114は、生材料または予め製造された材料115を取り込み、これらの材料を最終製品の用具116に変換するように構成することができる。この最終的に仕上げられた用具116は、用具112と同じでも異なってもよい。ある実施形態では、用具生産機械114は、箱またはコンテナ生産デバイスであってもよい。用具生産機械114は、生の材料を受け取り、箱を作成するのでもよく、あるいは既製品の箱を受け取り、これらを折り曲げ、これらを整え(arrange)、これらを
順番に並べ、または他の方法で箱を処理して、これらを作業員または動作環境111内にある他の機械に利用可能にすることができる。
【0024】
[0029] コンピュータ・システム101は、通信モジュール104を通じて、用具生産機械114とインターフェースする(また、場合によっては、コンピュータ・システム101は用具生産機械114に統合され、その一部になる)。これら2つが通信するとき、コンピュータ・システム101は、用具生産機械114についての情報117、および/または動作環境111における他の用具についての情報107を受信する。この情報は、機械の現在の動作ステータス、所与の時間期間内に生産される品目の数、保守データ、材料データ、あるいは現在利用可能な包装可能品目113に関する情報、または出荷する必要がある包装可能品目に関する情報を含む環境要因108を含むことができる。また、用具情報107は、複数の用具112の内どれが現在利用可能であるかについてのデータ、および用具生産機械114によって生産することができる用具112についてのデータを含むことができる。
【0025】
[0030] この用具情報107は、環境要因108と共に、組織的データベース構造106に格納される。環境要因は、1つ以上のセンサ117からのセンサ・データ118に基づくことができ、または少なくともセンサ・データ118によって影響を受ける可能性がある。これらのハードウェア・センサ117は、動作環境111全体にわたって配置することができ、包装可能品目または用具の現在の位置、品目または用具の現在の軌道(例えば、移動中である場合)、品目または用具の物理特性等に関するデータを中継する(relay)ことができる。これらの特性または位置または軌道は、可視光または不可視光センサ、
重量センサ、圧力センサ、温度センサ、カメラ、音響センサ、慣性センサ、あるいは他の型式のセンサによって測定することができる。実際、実質的にいずれの型式のハードウェア・センサでも使用することができる。
【0026】
[0031] 圧電センサのような、一部のセンサは、例えば、圧力、加速度、力、歪み、または温度の変化を測定するために、動作環境111内部の特定の位置に配置することができる。これらのセンサ測定値は、用具が現在どこにあるか(特定の地点における圧力または重量の変化によって証明される)、その用具がどの軌道を辿っているか、現在用具がどのように見えるか、または現在用具の中に何があるか(側面実装または上面実装カメラを使用する)、各ゾーンにはどの包装可能品目が現在位置するか、現在所与のゾーンにどの作業員がいるか(体温を検出することができる重量センサまたは赤外線センサを使用する)、あるいは所与の用具を生産するおよび/または放出するか否か判断する際に有用な任意の数の他の型のフィードバック・センサ・データ118を識別するために使用することができる。
【0027】
[0032] Bluetooth(登録商標)無線機、無線周波数識別(RFID)、WiFi、セルラ、汎地球測位システム(GPS)、またはその他の無線機を含むハードウェア無線機は、用具および/または包装可能品目113の内部に埋め込まれた無線機または送受信機と通信するために使用することができる。無線機は、埋め込み無線機からの信号を使用して、現在の位置、現在の軌道、現在の内容物(contents)、あるいは用具またはその内容物についての他の情報を判定することができる。また、これらのハードウェア無線機は、作業員によって使用される移動体電子デバイス、または動作環境内にあるワークステーションにおいて使用される移動体電子デバイスと通信することができる。もののインターネット(IOT)デバイスがこのような無線機を使用して通信することもでき、用具および移送可能な品目(conveyable item)についての情報を、中央サーバおよび/または
コンベア制御システム101に伝達するようにプログラミングすることができる。また、IOTデバイスは種々のハードウェア・センサと通信することもできる。したがって、コンピュータ・システム101は、ハードウェア・デバイス、センサ、および無線機から種々の入力を受信して、用具の生産を制御し、更に用具が動作環境111内でどこに向かっているか制御することができる。
【0028】
[0033] 一旦用具情報107および/または環境要因108が収集または判定されたなら、次に、これらをコンピュータ・システム101の評価器(evaluator)109によって
評価することができる。評価器109は、組織的データベース構造106にアクセスし、用具生産機械114をどのように稼働すべきか判断する。例えば、用具情報106および動作環境に影響を及ぼす1つ以上の環境要因108に基づいて、評価器109は、現在の注文を履行するために、2つの大型の箱、および4つの小型の箱を、用具生産機械114において生産すべきであると判断してもよい(生産判断110において)。評価器は、この注文を履行するためには、どの包装可能品目113が必要か、これらの品目がどこにあるか、これらの包装可能品目に物理的に到達するにはどの位かかるか、どの位の作業員が現在作業中か、どの位の箱が現在生産されているか、または過去に生産されており現在使用する準備ができているかを考慮に入れることができる。多くの他の種類の情報も評価に
おいて使用することができ、以下で更に説明する。
【0029】
[0034] ある配送(fulfillment)センターまたは流通センターにおいては、箱の注文(box order)は操作員によってカートを使用して詰め込まれる。これらのカートには箱が満載されて、倉庫内を押して通され、ここで製品が棚から出庫されて箱の中に入れられる。実例をあげると、図2に示すように、動作環境201は1つ以上の棚202を含むことができる。これらの棚は、これらの棚の間におけるカート203の配置に対処することができる。つまり、カート1は現在棚3および4の間に位置し、一方カート2は棚1および2の間に位置する。勿論、実質的にいずれの数のカートまたは棚でも、動作環境201内では使用できることは理解されよう。各棚は、複数の異なる包装可能品目(図1からの113)を保持することができる。カートが異なる棚に移動させられると、操作員は包装可能品目113を配送のために箱の中に入れる。
【0030】
[0035] つまり、図3に示すように、カート301は多くの異なる箱を有することができ、その一部は異なるサイズである。実例をあげると、カート301は、箱302Aのような小さい箱、302Bのような中位の箱、または302Cのような大きい箱を有するのでもよい。これらの箱は、生産判断110にしたがって、カート上に載せることができる。次いで、図2の用具誘導204の地点において、用具生産機械(図1の114)によって生産されるに連れて、カート3には指定された1組の箱を装荷することができる。用具生産機械114は、どの注文が履行されようとしているのか注視し、更に包装可能品目113が棚202内のどこに位置するかも注視し、用具誘導204の地点において、動作環境201内における効率を最大化するように、箱を生産することができる。
【0031】
[0036] カート203には箱が満載され、注文が完了するまで、棚全域にわたって移動させられる。一旦カートに箱がなくなると、カートは誘導エリア204に戻される。誘導エリアにおいて、カート内にあるスロットの各々に空箱が載せられる。一旦カートに空箱が満載されたなら、注文履行のために、包装可能品目113を棚から出庫しこれらの品目を正しい箱に入れるために、動作環境内の通路中を移動させられる。1つの棚だけを通った後にカートに箱が満載された場合、直接出口に行き、そして誘導エリアに戻ることができる。ある場合には、棚同士が近すぎて、他のカートが互いに追い越すことが困難になることもある。この結果、交通渋滞および待ち時間が発生するおそれがあり、注文履行時間が長くなることに繋がる。本明細書において説明する実施形態の少なくとも一部は、誘導204の地点において箱が生産される順序を制御することによって、このような交通渋滞を最小限に抑え、棚を通過する流れを最適化するように設計されている。
【0032】
[0037] したがって、一例では、箱の誘導は、同時に1つの通路を占有するカート数が最小になるように制御される。更に、どの包装可能品目113をカート上の各箱に入れる必要があるかに基づいて、通路全体において最短経路または最速経路を識別するように、箱の誘導が制御される。箱誘導システム(即ち、用具生産機械114)は、誘導を制御するときに以下の情報の内任意のものまたは全てにアクセスすることができる。箱のサイズを考慮した、各カート上における箱の位置数、箱の中に入れられようとしている各製品または包装可能品目の位置(通路の本数、および/または包装可能品目を貯蔵するためにビンが使用される場合はビンの位置を含む)、包装可能品目を箱の中に入れる各作業員の位置、現在通路内にあるカートの数、通路内における各カートの位置、履行しなければならない現在の注文、ならびに製品発注の適正な判断を行うために使用することができる他の情報。
【0033】
[0038] 用具生産機械114は、箱のサイズおよびカート203の数量制限にしたがって、箱を生産するように構成することができる。したがって、カートが誘導エリア204に達したとき、箱は、これらが生産される順番に、カートのスロット上に載せられる。歩
行距離を短くしそして交通渋滞を減らすために、用具生産機械114は、通路1(図2の棚1および2の間)に対して、カート1台分(for a complete cart)の箱を生産し、その
後、通路2において満たす(fulfill)ことができる箱を生産し、次いで通路3において満
たすことができる箱を生産する等ができる。1つの通路からの包装可能品目だけで満たすことができる箱をカートに満載することができない場合、用具生産機械114は、次に、通路1および2において満たすことができる箱を生産する。次に、通路2および3等において満たすことができる箱を生産する。操作員(人または自動化のいずれか)が通路1に沿って歩いてカートを満たしているとき、第2カートの作業員は、全く交通渋滞を起こさずに、通路2に沿って歩く(walk down)ことができる。これは、勿論、必要に応じてカー
トを満たすためにもっと多くの通路を含むように、広げることもできる。用具生産機械114は、次のカートを満たすためには複数の通路が必要になる場合、直前のカートの最後の通路から開始して、このカートのために箱を誘導し続ける。
【0034】
[0039] この最適化は、1つのカートまたは多くのカートから、包装可能品目の1つの棚からのフィードバック・データ、あるいは複数の棚等からのフィードバック・データを用いて実行することができる。したがって、用具生産機械114によって箱が生産される順序を最適化する場合、大量のフィードバック・データを用いて、または少量のフィードバック・データだけを用いて実行することができる。更にまた、本明細書において説明する最適化は、多くの異なるサイズのカート、異なるサイズの棚または通路、操作員毎に異なる詰め込み速度、あるいは所与の環境に独特なその他の変数を有する動作環境において実現できることは注記してしかるべきである。このように、注文を一層効率的な方法で履行することができ、配送プロセスにおいて時間および金銭の双方を節約し、操作員の生産性を高め、注文が適時に履行されることを保証し、必要でない棚への無駄な移動(trips)
を防止する。
【0035】
[0040] 図4は、決定された生産順序にしたがって用具を生産するように構成された装置またはシステム(例えば、図1の110)の実施形態を示す。この装置は、少なくとも1つのプロセッサ402と、複数の用具が生産される順序を決定し、次いでこれら複数の用具を生産するように構成された誘導システム401とを含む。これは、以下のことを実行することによって行われる。データ構造生成器404が、どの製品が1つの用具に関連付けられるかを示す情報を維持する組織的データベース構造(例えば、図1の106)を生成する。複数の用具112は、箱、コンテナ、または注文を履行するときに使用されるその他の用具であってもよい。組織的データベース構造106は、データ・ストア403に格納することができ、どの包装可能品目113がどの箱に行くかを示す情報を含むことができる。更に、組織的データベース構造106は、どの棚が、各箱に入れなければならない包装可能品目113を保持しているかを示す情報を含むことができ、更に、どのカートがどの通路に沿って進まなければならないかを示す情報も含むことができる。この情報は全て(更に、おそらくはもっと多くの情報)、生産すべき箱を決定するときに使用することができる。
【0036】
[0041] 次に、誘導システム401のデータ・アクセサ(accessor)405は、生成された組織的データベース構造にアクセスして、どの用具を現在生産すべきかに影響を及ぼす1つ以上の物理動作環境要因を識別する。物理動作環境要因には、動作環境において指定された場所で現在作業していることが識別された配送操作員の人数、カートにおける所与の箱または1組の箱において注文を履行するために必要とされる総経路距離、操作員毎の歩行距離、現在箱が満載されているカートよりも前にあるカートの数、棚における品目の位置、あるいは棚202上の包装可能品目113を使用して、箱が満載されたカートがどのように満たされるかに影響を及ぼすその他の要因を含むことができる。
【0037】
[0042] 誘導システム401の評価器406は、次に、識別された動作環境要因を評価
して、指定された用具を現在誘導システムによって生産すべきか否か判断し、この評価に基づいて、用具生産機械407は、指定された用具を、動作環境(例えば、201)内における受入のために生産する。例えば、用具生産機械407は、生材料または予め処理された材料408(例えば、段ボール)を取り込み、この段ボールを折り曲げ、打ち抜き、開き、またはそれ以外の方法で形状を作り、最終的な箱409にすることができる。次いで、この箱をカート410上に載せることができる。このように、用具生産機械407においてどの箱を生産するか、そしてどのような順序で箱を生産するか決定することによって、評価器は種々の異なる要因を考慮する。これらの要因の各々に、最も効率的な経路を提示するときの重要性にしたがって、重み付けしてもよい。実例をあげると、生産注文を継続的に分析してもよく、この分析からのフィードバックを使用して、箱生産および配送における効率および生産性に対して、1つの要因が及ぼす影響が大きいかまたは小さいか判定することができる。1つの要因または要因の1群が効率に対してより多くの影響を及ぼすと判定された場合、生産順序を特定するときに、この要因には評価器406によってより大きな重み付けがなされる。
【0038】
[0043] ある実施形態では、この装置は、更に、決定された配置順序にしたがって、複数の用具を経路設定可能なカート(routable cart)上に載せるように構成された機械式並
び替えアーム(mechanized sorting arm)も含む。この機械式アームは、箱が生産されるに連れてこれらを受け取ることができ、これらの箱をカート上に自動的に載せることができる。機械式並び替えアームは、決定された配置順序110にしたがって動作させることができ、したがって、誘導システムによって生産された箱は、特定のカートの特定の位置に供給されるので、1つの棚からの品目、または同じ通路を共有する複数の棚からの品目、または必要に応じて最小数の棚または通路からの品目で箱が満たされる。物理動作環境要因を評価して、指定された箱を誘導システム401によって現在生産すべきか否か判断する動作は、動作環境において配送のために使用される棚の数にしたがって、用具を分類するタイミング関数を評価する動作を含んでもよい。つまり、このような実施形態では、配送のために大多数の棚を使用する箱は、動作環境がさほど忙しくなくなる後の時点まで、またはもっと好ましい時間まで、取り置きされる。これらの概念について、図5の方法500に関して、以下で更に説明する。
【0039】
[0044] 以上で説明したシステムおよびアーキテクチャを考慮して、開示する主題にしたがって実現できる方法は、図5のフローチャートを参照すれば、一層正しく理解されよう。説明を簡単にするために、一連のブロックとしてこの方法を示し説明する。しかしながら、いくつかのブロックは、本明細書において図示および説明する順序とは、異なる順序で現れてもよく、および/または他のブロックと同時に現れてもよいので、特許請求する主題は、ブロックの順序によって限定されないことは、理解され認められてしかるべきである。更に、以降で説明する方法を実現するためには、図示するブロック全てが必要となる訳ではない。
【0040】
[0045] 図5は、動作環境内において用具を管理および生産する方法500のフローチャートを示す。これより、方法500について、図1の環境100のコンポーネントおよびデータを頻繁に参照しながら説明する。
【0041】
[0046] 方法500は、動作環境の一部である少なくとも1つの用具と関連付けられた情報を維持する組織的データベース構造を生成するステップ(510)を含み、組織的データベース構造は、複数の包装可能品目の内どれが用具と関連付けられているかを示す情報を含む。例えば、コンピュータ・システム101のデータ構造生成器105が、組織的データベース構造106を生成するのでもよい。このデータベース構造は、データ・ストア117に格納することができ、データ・ストア117自体は、コンピュータ・システム101に対してローカルでもリモートでもよい。組織的データベース構造106は、動作
環境111内部で進行中のプロセスと関連付けられた情報を維持する。このようなプロセスは、箱をカート輸送システム内に誘導するステップを含むことができ、カート輸送システムが棚の間でカートを移動させて、顧客に出荷される予定の包装可能品目で箱を満たす。
【0042】
[0047] 組織的データベース構造106は、どの包装可能品目113が所与の用具112と関連付けられているか追跡することができる。例えば、組織的データベース構造106は、箱1が包装可能品目A、B、およびCを有することを示すデータを格納することができる。また、組織的データベース構造106は、包装可能品目AおよびBが棚1の上にあり、品目Cが棚2の上にあることを示すデータを格納することもできる。つまり、棚が図2に示すように配列されている場合、棚1および2の間にある通路に沿って1回移動することにより、箱1を満たすことができる。1つの組織的データベース構造106が、複数の箱または箱のカートについてのデータを収容することもでき、あるいは複数の組織的データベース構造を箱毎および/またはカート毎に生成することもできる。このように、先に説明した他の型のデータと共に組織的データベース構造106に格納されたデータは、生産順序の決定において使用することができる。
【0043】
[0048] 次に、方法500において、コンピュータ・システム101は、生成された組織的データベース構造106にアクセスして、動作環境内においてどの用具を現在生産すべきかに影響を及ぼす、1つ以上の物理動作環境要因108を識別する(520)。これらの物理動作環境要因108は、通路を通るカート経路距離、作業員が包装可能品目間を歩く距離、前方に並ぶカートの数、棚における包装可能品目の位置、またはその他の要因を含むことができる。前述のように、これらの要因には、どの箱をそしてどの順序で生産するか(例えば、どのサイズおよび形状で)決定するときに、重み付けすることもできる。動作環境111内部全域に配置された1つ以上のハードウェア・センサ117からのセンサ・データ118を使用して、環境要因を評価(assess)することができる。
【0044】
[0049] 更に、方法500は、識別された物理動作環境要因108を評価して、指定された用具を現在動作環境内で生産すべきか否か判断するステップ(530)を含み、指定された用具を現在動作環境内で処理すべきであると決定した場合、指定された用具を生産し、動作環境に供給するステップ(540)を含む。このように、評価器109は、用具情報107および環境要因108を含む、組織的データベース構造106を評価し(access)、どの箱をそしてどの時点で生産すべきか判断する(即ち、生産判断110において)。用具生産機械114は、多くの異なるサイズおよび形状の箱を生産するように構成することができる。異なるサイズおよび異なる形状で作られた箱は、異なるサイズおよび形状の包装可能品目113を保持するために使用することができる。大きい方の箱は複数の品目を保持するために使用されてもよく、一方小さい方の箱は1品目の注文に使用されてもよい。
【0045】
[0050] このように、評価器109は、どの箱を生産するべきか判断し、更に、動作環境における現在の条件に基づいて、これらを生産する順序を決定する。これらの現在の条件は、環境要因108によって示すことができる。評価器は、どの箱を満たすべきか、それらの包装可能品目が動作環境(例えば、配送センターまたは流通センター)のどの棚に位置するのか、包装可能品目を箱に入れることによって注文を履行するのを助けるために手配可能なのはどの作業員か、どの箱が既に所与のカート上にあるか、カート上にある箱を満たす(fulfill)ためには、どの通路にカートが行く必要があるか、または所与の注文
の時間依存性を識別することができる。どの箱を生産すべきか、そしてこれらをいつ生産しし動作環境111内に誘導するか決定するときには、多くの他の要因も考慮することができる。尚、用具生産機械114によって生成される用具として、箱を中心として説明したが、多くの他の種類の用具も、包装材に加えて、使用できることは理解されてしかるべ
きである。
【0046】
[0051] 動作環境が配送センターまたは流通センターである場合、動作環境111は、棚と、棚の間にある通路と、通路内で再配置可能なカートとを含む。カートには箱が満載され(図3に示す通り)、棚(図2の202)上のビン内に配置された包装可能品目113で箱が満たされる。用具の生産を管理するステップは、配送センターを通る経路の内配送のための待ち時間を最短にするものを識別するステップを含む。配送センター内における包装可能品目の位置はわかっているので、各棚の位置もわかっており、カートが1つの棚、または2つの棚等に行きさえすればよいように、カートに箱(指定された順序で生産された箱)を配置すればよい。評価器109は、動作環境内における各カートの現在の位置、各作業員の位置、各用具生産機械114の動作条件、およびどの箱がどのカート上に載せられたかの指示を示すリアル・タイムのフィードバック・データを受信することができる。このリアル・タイムのフィードバック・データを使用して、評価器109は、用具生産機械114によってどの箱を、どのような順序で生産すべきかについて、情報に基づいた判断を行うことができる。
【0047】
[0052] リアル・タイムのフィードバック・データは、最小数の棚において、または棚を通る最短経路で、またはカートの干渉を回避する経路を使用して(どの箱がこれらのカート上にあるか、そしてどの通路に移動する必要があるかに基づいて)、満たすことができる箱が所与のカートに装荷されるような順序で、評価器109に箱を生産させる。このように、箱の生産は、包装可能品目113がビンから取り出されて箱に入れられる通路または作業所におけるボトルネックを回避するカートの経路決定(routing)を考慮に入れる
ことができる。操作員が、所与のカートに対して取るべき経路を見ることができるように、そのカートに対して特定された経路を表示することができる。この特定経路では、指定されたカートに、1つの棚だけを使用して満たすことができる用具を最初に装荷し、続いて2つの棚だけを使用して満たすことができる用具が装荷される。または、代わりに、特定経路は、既にフロア上にあって満たされつつある他のカートを考慮に入れる、または所与の注文に対する適時性を考慮に入れる。実例をあげると、翌日配達便で発送しなければならない注文は、より高い梱包優先順位を受ける。
【0048】
[0053] このように、どの箱を生産するか、そして最適な配送効率のためにはどのような順序でこれらを生産するか決定するときには、多くの異なる要因を考慮することができる。箱または他の用具を生産することに対する命令は、用具生産機械114に与えられ、次いで、用具生産機械114が物理的に箱または他の用具を生産(generate)する。箱は、物理的に、リアル・タイムで段ボールまたは他の材料から作成することができる。作成は、箱を折り曲げること、箱に封をすること、会社のロゴおよび/または出荷情報を箱に貼り付けること、箱の末端にテープを貼って閉じること、またはその他の生産段階を含むことができる。このように、動作環境111内に箱を誘導することは、指定された順序で実物理的に要求に応じて際に箱を作成することを含むことができる。顧客の注文、異形の箱、温度制御される品目のための包装、動物または植物用コンテナ、およびその他の制約も、評価器によって、どの箱をどのような順序で生産すべきか決定するときに、考慮に入れることができる。
【0049】
[0054] 1つの特定実施形態では、プロセッサ102を含むコンピュータ・システム(例えば、101)において実装される方法を提供する。この方法は、動作環境内において包装材を生産するためのものであり、包装可能品目113で満たされようとしている包装材と関連付けられた用具情報107を維持する組織的データベース構造106を生成するステップを含む。組織的データベース構造106は、包装可能品目の内どれが、包装材と関連付けられているのかを示す情報を含む。次に、この方法は、生成された組織的データベース構造106をメモリ103にロードして、包装材生産機械114によってどの包装
材が現在生産されるべきかに影響を及ぼす生産要因108を識別するステップを含む。先に示したように、これらの要因には、歩行距離、経路距離、前方に並ぶカート、種々の通路における包装可能品目の位置等を含むことができる。
【0050】
[0055] 次いで、識別された生産要因108を使用して、この方法は、包装材生産機械114によって包装材112を現在生産すべきか否か決定するステップと、包装材生産機械によって包装材を現在処理すべきであると決定したとき、包装材生産機械114上において包装材を生産するステップとを含む。包装材は、箱、出荷用コンテナ、または用具生産機械によって必要に応じて生産することができるその他の用具を含むことができる。包装材が生産され動作環境内に誘導されたときに、出荷ラベルを品目に貼り付けることができ、その対応する包装可能品目を受け取るときに、箱を密閉して出荷することができるようにする。
【0051】
[0056] また、どの箱をどのような順序で生産すべきか決定するときに、カートの装荷容量を考慮に入れることができる。例えば、動作環境が多くの異なるカートを有する可能性があり、その一部が異なる装荷容量を有する場合もある。一部のカートは多数の箱を保持できるかもしれないが、他のカートは小数の箱しか扱えない場合もある。同様に、一部のカートは大量の重量を扱うことができるかもしれないが、他のカートは少量の重量しか扱うことができない場合もある。カートの特性に関するこの情報は、組織的データベース構造106に格納することができる。したがって、評価器109は組織的データベース構造106にアクセスし、どのカートが利用可能であり、それらの搬送容量がどのくらいか確認することができる。次いで、識別した装荷容量に基づいて、評価器109は包装材生産機械114によってどの包装材を現在生産すべきか決定し、大きいカートと小さいカートが利用可能なときに、どちらを後の時点に延期すべきか決定することができる。
【0052】
[0057] 以上のように、動作環境内において用具を管理および生産する方法、システム、およびコンピュータ・プログラム製品を提供する。本明細書において説明した概念および特徴は、それらの趣旨や記述的特性から逸脱することなく、他の特定形態においても具体化することができる。説明した実施形態は、あらゆる観点において、限定ではなく例示のみとして解釈されて当然である。したがって、本開示の範囲は、以上の説明ではなく、添付する請求項によって示される。請求項の意味および均等の範囲に該当する全ての変更は、それらの範囲内に包含されるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5