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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-07
(45)【発行日】2024-02-16
(54)【発明の名称】部品保持具、および装着方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20240208BHJP
【FI】
H05K13/04 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022527319
(86)(22)【出願日】2020-05-26
(86)【国際出願番号】 JP2020020741
(87)【国際公開番号】W WO2021240646
(87)【国際公開日】2021-12-02
【審査請求日】2023-03-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100162237
【弁理士】
【氏名又は名称】深津 泰隆
(74)【代理人】
【識別番号】100191433
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 友希
(72)【発明者】
【氏名】井上 直幸
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】特開昭54-036575(JP,A)
【文献】特開2017-209764(JP,A)
【文献】国際公開第2018/173279(WO,A1)
【文献】米国特許第04197638(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する把持面を備え、接近することでリード部品の1対のリードを把持する1対の爪部材と、前記1対の爪部材により前記1対のリードが把持される際に前記1対のリードの間に位置する中間部材とを備えた部品保持具であって、
前記1対の爪部材が、
前記中間部材に接近することで、前記中間部材とともに前記1対のリードを把持し、
前記1対の爪部材のうちの一方の爪部材の移動量と他方の爪部材の移動量とが異なる部品保持具。
【請求項2】
前記1対の爪部材のうちの一方の爪部材の接近・離間する移動量が、前記他方の爪部材の接近・離間する移動量より少ない請求項1に記載の部品保持具。
【請求項3】
前記1対の爪部材のうちの少なくとも一方の爪部材の把持面に、前記リードを位置決めするための溝が形成されている請求項1または請求項2に記載の部品保持具。
【請求項4】
互いに対向する把持面を備え、接近することでリード部品の1対のリードを把持する1対の爪部材を備えるとともに、前記1対の爪部材のうちの一方の爪部材の移動量が他方の爪部材の移動量より少ない部品保持具で把持したリード部品を基板に装着する装着方法であって、前記部品保持具で把持したリード部品を、前記基板に装着されている部品である先付部品の隣に装着する際に、
前記一方の爪部材により把持されたリードが、前記他方の爪部材により把持されたリードより前記先付部品の近くに位置するように前記リード部品を前記基板に装着する装着方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに対向する把持面を備え、接近することでリード部品の1対のリードを把持する1対の爪部材を備えた部品保持具等に関する。
【背景技術】
【0002】
部品を把持する部品保持具には、下記特許文献に記載されているように、互いに対向する把持面を含む1対の爪部材を備え、それら1対の爪部材を接近させてリード部品の1対のリードを把持するものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開昭59-63500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、リード部品の1対のリードを1対の爪部材により適切に把持することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本明細書は、互いに対向する把持面を備え、接近することでリード部品の1対のリードを把持する1対の爪部材と、前記1対の爪部材により前記1対のリードが把持される際に前記1対のリードの間に位置する中間部材とを備えた部品保持具であって、前記1対の爪部材が、前記中間部材に接近することで、前記中間部材とともに前記1対のリードを把持し、前記1対の爪部材のうちの一方の爪部材の移動量と他方の爪部材の移動量とが異なる部品保持具を開示する。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、1対の爪部材のうちの一方の爪部材の移動量と他方の爪部材の移動量とが異なるため、それら1対の爪部材によりリード部品の1対のリードを適切に把持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】部品実装機を示す斜視図である。
図2】部品実装機の部品装着装置を示す斜視図である。
図3】部品保持具を示す斜視図である。
図4】部品保持具を示す斜視図である。
図5】部品保持具を示す斜視図である。
図6】部品保持具を示す斜視図である。
図7】部品保持具を示す斜視図である。
図8】部品保持具を示す側面図である。
図9】部品保持具を示す側面図である。
図10】部品保持具を示す側面図である。
図11】部品保持具を示す側面図である。
図12】昇降プレートとスライドプレートとの作動図である。
図13】昇降プレートとスライドプレートとの作動図である。
図14】保持アームの拡大図である。
図15】リード部品装着時の部品保持具を示す図である。
図16】保持アームの拡大図である。
図17】先付部品の隣にリード部品を装着する際の図である。
図18】保持アームの作動図である。
図19】保持アームの作動図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。
【0009】
図1に、部品実装機10を示す。部品実装機10は、回路基材12に対する部品の実装作業を実行するための装置である。部品実装機10は、装置本体20、基材搬送保持装置22、部品装着装置24、マークカメラ26、パーツカメラ28、部品供給装置30、ばら部品供給装置32を備えている。なお、回路基材12として、回路基板、三次元構造の基材等が挙げられ、回路基板として、プリント配線板、プリント回路板等が挙げられる。
【0010】
装置本体20は、フレーム40と、そのフレーム40に上架されたビーム42とによって構成されている。基材搬送保持装置22は、フレーム40の前後方向の中央に配設されており、搬送装置50とクランプ装置52とを有している。搬送装置50は、回路基材12を搬送する装置であり、クランプ装置52は、回路基材12を保持する装置である。これにより、基材搬送保持装置22は、回路基材12を搬送するとともに、所定の位置において、回路基材12を固定的に保持する。なお、以下の説明において、回路基材12の搬送方向をX方向と称し、その方向に直角な水平の方向をY方向と称し、鉛直方向をZ方向と称する。つまり、部品実装機10の幅方向は、X方向であり、前後方向は、Y方向である。
【0011】
部品装着装置24は、ビーム42に配設されており、2台の作業ヘッド56,58と作業ヘッド移動装置62とを有している。作業ヘッド移動装置62は、X方向移動装置63とY方向移動装置64とZ方向移動装置65とによって構成されている。X方向移動装置63及びY方向移動装置64は、それぞれ、電磁モータ(図示省略)を有している。そして、各電磁モータの作動により、2台の作業ヘッド56,58が、一体的にフレーム40上の任意の位置に移動する。また、Z方向移動装置65は、電磁モータ(図示省略)を有しており、各電磁モータの作動により、スライダ74,76が個別に上下方向に移動する。そして、そのスライダ74,76に作業ヘッド56,58が着脱可能に装着されている。これにより、作業ヘッド56,58は、Z方向移動装置65によって、個別に上下方向に移動する。
【0012】
また、各作業ヘッド56,58の下端面には、図2に示すように、部品保持具78が取り付けられている。部品保持具78は、リード部品のリードを保持するものであり、図3乃至図11に示すように、保持具本体80と開閉装置82と保持アーム84とプッシャ86とを有している。そして、保持アーム84が保持具本体80の下面側に開閉装置82を介して揺動可能に取り付けられており、保持アーム84が揺動する際に、リード部品のリードを把持する。なお、図3及び図4の部品保持具78では、プッシャ86が省略されており、図8乃至図11の部品保持具78では、保持アーム84及びプッシャ86が省略されている。
【0013】
詳しくは、開閉装置82は、エアシリンダ100と昇降ブロック102と揺動ホルダ104とスライド機構106とを有している。エアシリンダ100は、保持具本体80の内部に上下方向に延びるように配設されており、エアシリンダ100のロッド110が保持具本体80の下端面から下方に向って延び出している。そして、そのロッド110の下端部に昇降ブロック102が固定されている。これにより、エアシリンダ100が作動して伸縮することで、昇降ブロック102が昇降する。
【0014】
また、揺動ホルダ104は、板形状のプレートの両端部を同じ方向に屈曲した概してコの字型の部材であり、同じ方向に屈曲された1対の側壁112,114と、それら1対の側壁112を繋ぐ連結壁116とにより構成されている。そして、1対の側壁112,114を後方に向けた状態で配設されている。なお、揺動ホルダ104の屈曲した両端部、つまり、1対の側壁112,114の向く方向を後方と記載し、その反対の方向を前方と記載する場合がある。そして、揺動ホルダ104は、1対の側壁112,114の前端部において、1対の揺動アーム118,120を介して、保持具本体80の下面に揺動可能に保持されている。また、連結壁116には、保持アーム84が下方に延び出す姿勢で連結されている。
【0015】
また、揺動ホルダ104の1対の側壁112,114の間に、昇降ブロック102が位置しており、昇降ブロック102の1対の側面と、揺動ホルダ104の1対の側壁112,114とが対向している。それら1対の側壁112,114と対向する昇降ブロック102の1対の側面には、1対のローラ122,124が配設されている。一方、揺動ホルダ104の1対の側壁112,114には、1対のガイド穴126,128が形成されている。それら1対のガイド穴126,128は、後方から前方に向って概して斜め上方に延びるように形成されている。そして、1対のローラ122,124が1対のガイド穴126,128に挿入されている。
【0016】
このような構造により、エアシリンダ100が収縮し、昇降ブロック102が上昇することで、図10及び図11に示すように、1対のローラ122,124が1対のガイド穴126,128の内部において上昇し、揺動ホルダ104を後方の斜め上方に向って揺動させる。この際、図5乃至図7に示すように、揺動ホルダ104の連結壁116に連結されている保持アーム84が後方に向って揺動する。一方、エアシリンダ100が伸長し、昇降ブロック102が下降することで、図8及び図9に示すように、1対のローラ122,124が1対のガイド穴126,128の内部において下降し、揺動ホルダ104を前方の斜め下方に向って揺動させる。この際、図3及び図4に示すように、揺動ホルダ104の連結壁116に連結されている保持アーム84が前方に向って揺動する。
【0017】
また、スライド機構106は、スライドレール130と、1対のスライドプレート132,134と、1対の昇降プレート136,138とを有している。スライドレール130は、揺動ホルダ104の連結壁116の前方側の面に、左右方向に延びるように固定されている。そして、そのスライドレール130により、1対のスライドプレート132,134が左右方向にスライド可能に保持されている。なお、1対のスライドプレート132,134が左右方向において接近する方向を内側と記載し、1対のスライドプレート132,134が左右方向において離間する方向を外側と記載する。そして、1対のスライドプレート132,134の左右方向における外側の縁部に、1対のテーパ面140,142が形成されている。1対のテーパ面140,142は、下方に向うほど外側に向って突出する傾斜面とされている。また、1対のスライドプレート132,134は、コイルスプリング(図示省略)の弾性力により、離間する方向に付勢されている。
【0018】
また、1対の昇降プレート136,138は、揺動ホルダ104の1対の側壁112,114の外側の面において上下方向にスライド可能に保持されている。そして、1対の昇降プレート136,138には、後方側の側縁に開口する1対の切欠溝146,148が形成されており、それら1対の切欠溝146,148に、昇降ブロック102の1対の側面に配設されている1対のローラ122,124が、1対のガイド穴126,128を介して挿入されている。これにより、エアシリンダ100の作動により昇降ブロック102が昇降することで、1対の昇降プレート136,138も昇降する。また、1対の昇降プレート136,138の前方側の側縁には、前方に向って突出する1対の突出部150,152が形成されている。そして、1対の昇降プレート136,138の突出部150,152が、1対のスライドプレート132,134のテーパ面140,142に係合している。
【0019】
これにより、1対の昇降プレート136が、エアシリンダ100の作動により昇降することで、1対のスライドプレート132が接近・離間する方向にスライドする。以下に、図12及び図13を用いて、昇降プレート136,138が昇降する際のスライドプレート132,134のスライドについて詳しく説明する。なお、図12は、昇降プレート136が昇降する際のスライドプレート132のスライドを示す図であり、図13は、昇降プレート138が昇降する際のスライドプレート134のスライドを示す図である。
【0020】
まず、昇降ブロック102の下降に伴って、ローラ122,124が下降している場合(図12,13での実線)において、昇降プレート136,138がローラ122,124により下方に向って押される。この際、昇降プレート136,138の突出部150,152により、スライドプレート132のテーパ面140,142が下方に向って付勢され、テーパ面140,142の傾斜により、スライドプレート132,134は内側に向ってスライドする。つまり、昇降ブロック102の下降に伴って、1対の昇降プレート136,138が下降し、1対のスライドプレート132,134がコイルスプリングの弾性力に抗して接近する方向にスライドする。
【0021】
一方、昇降ブロック102の上昇に伴って、ローラ122,124が上昇している場合(図12,13での1点鎖線)において、昇降プレート136,138がローラ122,124により上方に向って押される。この際、昇降プレート136,138の突出部150,152が、スライドプレート132,134のテーパ面140,142から離れる方向に向って上昇する。一方で、1対のスライドプレート132,134は、コイルスプリングの弾性力により離れる方向に付勢されている。つまり、スライドプレート132,134は、コイルスプリングの弾性力により外側に向って付勢されている。このため、テーパ面140,142に係合している突出部150,152の上昇に伴って、スライドプレート132,134は、コイルスプリングの弾性力により外側に向ってスライドする。つまり、昇降ブロック102の上昇に伴って、1対の昇降プレート136,138が上昇し、1対のスライドプレート132,134がコイルスプリングの弾性力により離間する方向にスライドする。このように、昇降ブロック102の昇降、つまり、エアシリンダ100の作動により、1対のスライドプレート132,134が接近・離間する方向にスライドする。
【0022】
また、保持アーム84は、図3乃至図7に示すように、1対の把持爪160,162と、補助爪166とにより構成されている。1対の把持爪160,162は、対称的な形状とされており、対称的なことを除いて、略同じ形状かつ同じ寸法とされている。それら1対の把持爪160,162は、先端が直角に屈曲されたL字型をなし、屈曲された先端を下方に向けた状態で1対のスライドプレート132,134に固定されている。なお、把持爪160は、スライドプレート132に固定され、把持爪162は、スライドプレート134に固定されている。また、補助爪166も、先端が直角に屈曲されたL字型をなし、屈曲された先端を下方に向けた状態で、1対の把持爪160,162の間に位置するように揺動ホルダ104の連結壁116に固定されている。このため、1対のスライドプレート132,134がスライドすることで、1対の把持爪160,162が、1対の把持爪160,162の間に位置する補助爪166に接近・離間する。
【0023】
なお、1対の把持爪160,162が最接近した際に、1対の把持爪160,162の先端は、補助爪166の先端に密着し、補助爪166の先端が1対の把持爪160,162の先端により挟持される。つまり、1対の把持爪160,162の先端は、図14に示すように、補助爪166と対向する把持面170,172を有しており、補助爪166の先端は、1対の把持爪160,162の把持面170,172と対向する対向面174,176を有している。そして、1対の把持爪160,162が最接近した際に、1対の把持爪160,162の把持面170,172により、補助爪166の対向面174,176が挟持される。一方、1対の把持爪160,162が離間することで、1対の把持爪160,162の先端が補助爪166の先端から離間し、1対の把持爪160,162の先端による補助爪166の先端の挟持が解除される。つまり、1対の把持爪160,162が離間することで、1対の把持爪160,162の把持面170,172が補助爪166の対向面174,176から離れる。
【0024】
また、1対の把持爪160,162の一方の把持爪160の把持面170にのみ、V溝178が形成されている。つまり、把持爪160の把持面170にV溝178が形成され、把持爪162の把持面172には、V溝が形成されていない。
【0025】
このような構造により、部品保持具78は、リード部品のリードを把持する。詳しくは、リード部品180は、図15に示すように、部品本体182と、1対のリード184,186とにより構成されている。部品本体182は、概して円柱形状をなしている。そして、リード184が、部品本体182の一方の端面から直線状に延び出している。また、リード186は、部品本体182の他方の端面から直線状に延び出した後に180度屈曲し、リード184と同じ方向に延び出している。
【0026】
また、部品保持具78では、上述したように、エアシリンダ100の収縮に伴って昇降ブロック102が上昇することで、図5乃至図7に示すように、保持アーム84、つまり、1対の把持爪160,162及び補助爪166が後方に揺動する。この際、昇降ブロック102の上昇により1対の昇降プレート136,138も上昇することで、1対のスライドプレート132,134が離間する。これにより、1対の把持爪160,162が離間し、1対の把持爪160,162の間に位置する補助爪166から離れる。つまり、エアシリンダ100の収縮に伴って昇降ブロック102が上昇することで、1対の把持爪160,162と補助爪166とが後方に揺動しながら、1対の把持爪160,162が離間し、1対の把持爪160,162の把持面170,172が補助爪166の対向面174,176から離れる。
【0027】
一方、エアシリンダ100の伸長に伴って昇降ブロック102が下降することで、図3及び図4に示すように、保持アーム84、つまり、1対の把持爪160,162及び補助爪166が前方に揺動する。この際、昇降ブロック102の下降により1対の昇降プレート136,138も下降することで、1対のスライドプレート132,134が接近する。これにより、1対の把持爪160,162が接近し、1対の把持爪160,162の間に位置する補助爪166に密着する。つまり、エアシリンダ100の伸長に伴って昇降ブロック102が下降することで、1対の把持爪160,162と補助爪166とが前方に揺動しながら、1対の把持爪160,162が接近し、1対の把持爪160,162の把持面170,172が補助爪166の対向面174,176に近づく。
【0028】
このため、保持アーム84が後方に揺動している状態から、前方に揺動する際に、保持アーム84の補助爪166の先端が、部品本体182の下方において1対のリード184,186の間に進入する。一方、保持アーム84が後方に揺動している状態から、前方に揺動する際に、保持アーム84の1対の把持爪160,162の先端は、1対のリード184,186を挟んで補助爪166の先端と対向する。そして、保持アーム84が前方に揺動する際に、1対の把持爪160,162が補助爪166に接近することで、図15に示すように、1対のリード184,186が、1対の把持爪160,162と補助爪166とにより挟持される。なお、リード184は、把持爪160と補助爪166とにより挟持され、リード186は、把持爪162と補助爪166とにより挟持される。つまり、リード184は、把持爪160の把持面170と補助爪166の対向面174とにより挟持され、リード186は、把持爪162の把持面172と補助爪166の対向面176とにより挟持される。これにより、リード部品180は、1対のリード184,186の先端に近い位置において、1対の把持爪160,162及び補助爪166により把持される。なお、把持爪160の把持面170に形成されているV溝178は、リードの線径に応じた大きさとされており、リード184は、図16に示すように、V溝178に接触した状態で、把持爪160と補助爪166とにわずかに隙間ができる状態で把持される。これにより、リード184がV溝178により位置決めされた状態で把持されることで、把持されたリード部品180のぐらつき,傾き等が防止される。
【0029】
このように、エアシリンダ100の伸長に伴って昇降ブロック102が下降することで、保持アーム84が前方に揺動し、1対の把持爪160,162が接近することで、リード部品180が保持アーム84により保持される。そして、リード部品180が保持アーム84により保持された状態において、エアシリンダ100が収縮し、昇降ブロック102が上昇することで、保持アーム84が後方に揺動し、1対の把持爪160,162が離間する。この際、1対のリード184,186の間から保持アーム84の補助爪166が抜け出すとともに、1対の把持爪160,162及び補助爪によるリード184,186の挟持が解除される。これにより、保持アーム84によるリード184,186の保持が解除され、保持アーム84により保持されたリード部品180が離脱する。
【0030】
また、部品保持具78のプッシャ86は、図5乃至図7に示すように、保持アーム84の前方側において、保持具本体80により上下方向に移動可能に保持されており、エアシリンダ190の作動により、昇降する。また、プッシャ86は、下降した際に、保持アーム84により保持されたリード部品180の上方でU字型に屈曲するリード186に接触し、リード部品180を位置決めした状態で下方に向かって押つける。なお、プッシャ86によってリード部品180が下方に向かって押し付けられる際に、保持アーム84が、後方に向かって揺動する。これにより、保持アーム84による保持が解除されたリード部品180がプッシャ86により下方に向って押し付けられる。
【0031】
また、部品実装機10のマークカメラ26は、図2に示すように、下方を向いた状態でスライダ74に取り付けられており、作業ヘッド56とともに、X方向,Y方向およびZ方向に移動させられる。これにより、マークカメラ26は、フレーム40上の任意の位置を撮像する。また、パーツカメラ28は、図1に示すように、フレーム40上の基材搬送保持装置22と部品供給装置30との間に、上を向いた状態で配設されている。これにより、パーツカメラ28は、作業ヘッド56,58の部品保持具78に保持された部品を撮像する。
【0032】
また、部品供給装置30は、図1に示すように、フレーム40の前後方向での一方側の端部に配設されている。部品供給装置30は、トレイ型部品供給装置196とフィーダ型部品供給装置(図示省略)とを有している。トレイ型部品供給装置196は、トレイ上に載置された状態の部品を供給する装置である。フィーダ型部品供給装置は、テープフィーダ、スティックフィーダ(図示省略)によって部品を供給する装置である。
【0033】
ばら部品供給装置32は、フレーム40の前後方向での他方側の端部に配設されている。ばら部品供給装置32は、ばらばらに散在された状態の複数の部品を整列させて、整列させた状態で部品を供給する装置である。つまり、任意の姿勢の複数の部品を、所定の姿勢に整列させて、所定の姿勢の部品を供給する装置である。
【0034】
部品実装機10では、上述した構成によって、基材搬送保持装置22に保持された回路基材12に対して部品の装着作業が行われる。部品実装機10では、種々の部品を回路基材12に装着することが可能であるが、部品保持具78に保持されたリード部品180を回路基材12に装着する場合について、以下に説明する。
【0035】
具体的には、回路基材12が、作業位置まで搬送され、その位置において、クランプ装置52によって固定的に保持される。次に、マークカメラ26が、回路基材12の上方に移動し、回路基材12を撮像する。そして、撮像データに基づいて、回路基材12の保持位置等に関する情報が演算される。また、部品供給装置30若しくは、ばら部品供給装置32が、所定の供給位置において、リード部品180を供給する。そして、部品保持具78の装着された作業ヘッド56,58が、部品の供給位置の上方に移動し、部品保持具78によってリード部品180が上述したように保持される。
【0036】
次に、部品保持具78によってリード部品180が保持されると、部品保持具78がパーツカメラ28の上に移動し、部品保持具78により保持されたリード部品180が、パーツカメラ28によって撮像される。そして、撮像データに基づいて、リード部品180のリード184,186の先端のXY方向における位置座標が演算される。続いて、回路基材12に形成された貫通孔(図15参照)200,202のXY方向における位置座標と、リード184,186の先端のXY方向における位置座標とが一致するように、作業ヘッド移動装置62の作動が制御される。これにより、リード部品180を保持する部品保持具78が、回路基材12に形成された貫通孔200,202の上方に移動し、その貫通孔200,202と、リード184,186の先端とが上下方向において一致する。
【0037】
続いて、作業ヘッド移動装置62の作動が制御され、リード部品180を保持する部品保持具78が下降される。これにより、図15に示すように、リード部品180のリード184,186の先端が、貫通孔200,202に挿入される。次に、エアシリンダ190の作動によりプッシャ86が下降され、そのプッシャ86が、リード部品180のリード186に当接することで、リード部品180が回路基材12に向かって押し付けられる。この際、エアシリンダ100の作動により保持アーム84が後方に向って揺動し、1対の把持爪160,162が離間することで、保持アーム84によるリード部品180のリード184,186の把持が解除される。これにより、保持アーム84による把持が解除されたリード部品180が、プッシャ86によって回路基材12に向かって押し付けられることで、部品本体182の下面が回路基材12の上面に接触するまで、リード184,186が貫通孔200,202に挿入される。なお、作業ヘッド56,58は、リード部品180の装着予定位置、つまり、貫通孔200,202の上方に移動してから、リード部品180が回路基材12に装着されるまで、下降するが、左右方向に移動しない。つまり、作業ヘッド56,58は、リード部品180の装着予定位置の上方に移動してから、下降し、リード184,186が貫通孔200,202に挿入されるまで、XY方向には移動しない。これにより、好適にリード184,186を貫通孔200,202に挿入することができる。このようにして、部品実装機10では、部品保持具78に把持されたリード部品180が、リード184,186を貫通孔200,202に挿入させた状態で、回路基材12に装着される。
【0038】
また、ひとつの回路基材12には、通常、リード部品180以外の部品が多数、装着されるため、たとえば、リード部品180が回路基材12に装着される際に、図17に示すように、すでに複数の部品(以下、「先付部品」と記載する)210,212、214が装着されている場合がある。なお、先付部品210,212,214は、リード部品180と同じ種類であってもよく、異なる種類の部品であってもよい。さらに言えば、先付部品210,212,214は、リード部品などの電子部品に限定されず、リード部品180より先に回路基材12に装着されている部品であればよい。そして、先付部品210の隣に、リード部品180が装着される場合に、その先付部品210の非常に近い位置に、リード部品180が装着される場合がある。このような場合には、リード部品180の1対のリード184,186のうちの先付部品210の近くに装着しようとするリード186を把持する把持爪162が先付部品210と接触してしまい、リード部品180を先付部品210の隣に装着できない虞がある。
【0039】
このようなことに鑑みて、部品保持具78では、把持爪162の移動量が少なくされている。詳しくは、図12及び図13に示すように、スライドプレート134に係合する昇降プレート138の上下方向の長さ寸法は、スライドプレート132に係合する昇降プレート136の上下方向の長さ寸法より長くされている。また、スライドプレート134に係合する昇降プレート138の切欠溝148の上下方向の長さ寸法も、スライドプレート132に係合する昇降プレート136の切欠溝146の上下方向の長さ寸法より長くされている。このため、例えば、昇降ブロック102の上昇に伴って、図12に示すように、ローラ122が上昇すると、切欠溝146の内部において、ローラ122は直ぐに昇降プレート136に接触し、昇降プレート136を上方に向って押し上げる。この際、昇降プレート136は、ローラ122により、例えば、α1、押し上げられる。そして、昇降プレート136がα1押し上げられることで、その昇降プレート136に係合するスライドプレート132は、α2スライドする。つまり、スライドプレート132に固定されている把持爪160が、α2スライドする。なお、把持爪160のスライド量(α2)が、把持爪160の移動量であり、把持爪160の移動量は、スライドプレート132がスライドレール130に沿って移動する際に把持爪160が補助爪166に対して接近・離間する距離である。つまり、ここでの把持爪160の移動量には、把持爪160が揺動する際の揺動量は含まれていない。
【0040】
一方、昇降ブロック102の上昇に伴って、図13に示すように、ローラ124が上昇すると、切欠溝148は切欠溝146より上下方向において長いため、切欠溝148の内部において、ローラ124は直ぐに昇降プレート136に接触しない。このため、切欠溝148の内部において、ローラ124がある程度上昇してから、昇降プレート138に接触し、昇降プレート138を上方に向って押し上げる。これにより、昇降プレート138がローラ124により押し上げられる距離は、昇降プレート136と比較して短くなるため、昇降プレート138は、ローラ124により、α1より短い距離、例えば、β1しか押し上げられない。そして、昇降プレート138がβ1押し上げられることで、その昇降プレート138に係合するスライドプレート134は、β2スライドする。つまり、スライドプレート134に固定されている把持爪162が、β2スライドする。なお、昇降プレート138の上昇量とスライドプレート134のスライド量とは、当然、比例する。このため、昇降プレート138の上昇量(β1)は、昇降プレート136の上昇量(α1)より短いため、把持爪162のスライド量(β2)は把持爪160のスライド量(α2)より短くなる。なお、把持爪162のスライド量(β2)が、把持爪162の移動量であり、把持爪162の移動量は、スライドプレート134がスライドレール130に沿って移動する際に把持爪162が補助爪166に対して接近・離間する距離である。つまり、ここでの把持爪162の移動量にも、把持爪162が揺動する際の揺動量は含まれていない。
【0041】
このように、部品保持具78では、把持爪162の移動量(β2)が、把持爪160の移動量(α2)より短くされている。これは、図18に示すように、把持爪160に形成されたV溝178にリード184が入り込んだ状態で把持爪160と補助爪166とにより挟持されており、リード186はV溝などに入り込むことなく、把持爪162と補助爪166とにより挟持されているためでもある。つまり、リード184は、把持爪160のV溝178に入り込んだ状態でV溝178と補助爪166の対向面174とにより挟持されているため、把持爪160は、少なくともV溝178の深さに相当する距離、補助爪166から離間する必要がある。ただし、把持爪160が、V溝178の深さに相当する距離、補助爪166から離間しても、V溝178の開口がリード184に近い箇所に位置していると、保持アーム84の揺動時にV溝178の開口にリード184が引っ掛かり、把持面170と対向面176との間から抜け出ない虞がある。このため、保持アーム84の揺動時にV溝178の開口にリード184が接触しないように、V溝178の深さに相当する距離に、さらに、ある程度の距離を加算した距離、把持爪160を移動させる必要がある。これらを考慮して、把持爪160の移動量(α2)は決定されている。
【0042】
一方で、リード186は、把持爪162の平らな把持面172と補助爪166の平らな対向面176とにより挟持されている。このため、把持面172と対向面176との挟持力が無くなれば、把持爪162と補助爪166とによるリード186の挟持は解除される。つまり、把持面172と対向面176との挟持力が無くなれば、把持面172と対向面176との間が狭くても、把持面172と対向面176とは平らな面であるため、保持アーム84の揺動時にリード186が把持面172と対向面176との何れに接触しても、把持面172と対向面176との間から抜け出る。このため、把持爪162の移動量(β2)は、把持爪160の移動量(α2)より短くされている。
【0043】
このように、把持爪162の移動量(β2)が、把持爪160の移動量(α2)より短くすることで、把持爪162が補助爪166から離間した際の把持爪162の補助爪166からの離間距離Bは、把持爪160が補助爪166から離間した際の把持爪160の補助爪166からの離間距離Aより短くなる。なお、離間距離Bは、把持爪162の把持面172と反対側の面と、補助爪166の対向面176との間の距離であり、離間距離Aは、把持爪160の把持面170と反対側の面と、補助爪166の対向面174との間の距離である。このように、把持爪162が補助爪166から離間した際の把持爪162の補助爪166からの離間距離Bを、把持爪160の補助爪166からの離間距離Aより短くすることで、リード部品180の装着時における先付部品210への部品保持具78の接触を防止することができる。
【0044】
つまり、図17に示すように、先付部品210の隣が、リード部品180の装着予定位置である場合には、先付部品210の隣に、リード部品180のリード184,186を挿入するための貫通孔200,202が形成されている。なお、貫通孔202は、貫通孔200よりも先付部品210に近い位置に形成されており、貫通孔202は、リード186を挿入するための孔であり、貫通孔200は、リード184を挿入するための孔である。このため、先付部品210の近い位置に形成された貫通孔202への挿入予定のリード186が、移動量の短い把持爪162により把持され、先付部品210から遠い位置に形成された貫通孔200への挿入予定のリード184が、移動量の長い把持爪160により把持される。そして、図17に示すように、保持アーム84により保持されたリード部品180が先付部品210の隣に装着される。この際、リード184が貫通孔200に挿入され、リード186が貫通孔202に挿入される。つまり、移動量の短い把持爪162により把持されたリード186が、移動量の長い把持爪160により把持されたリード184より先付部品210の近くに位置するように、リード部品180が先付部品210の隣に装着される。なお、リード部品180の先付部品210の隣への装着作業とは、リードを把持する部品保持具78が貫通孔200,202の上方に移動してから、リードを把持する部品保持具78が下降してリードが貫通孔に挿入され、リードの貫通孔への挿入後に部品保持具78がリードの把持を解除するまでの作業である。このように、リード部品180が先付部品210の隣に装着されることで、リード部品180の装着予定位置が先付部品210に近い場合であっても、リード部品180を保持する部品保持具78を先付部品210に接触させることなく、リード部品180を先付部品210の隣に装着することができる。つまり、超狭隣接での部品装着が可能となる。
【0045】
なお、回路基材12は、基板の一例である。部品保持具78は、部品保持具の一例である。把持爪160,162は、爪部材の一例である。補助爪166は、中間部材の一例である。把持面170,172は、把持面の一例である。V溝178は、溝の一例である。リード部品180は、リード部品の一例である。リード184,186は、リードの一例である。先付部品210は、先付部品の一例である。
【0046】
また、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、例えば、上記実施例では、昇降プレート136と昇降プレート138との形状を異ならせることで、把持爪160と把持爪162との移動量が調整されているが、別の部材、例えば、スライドプレート132,134のテーパ面140,142の形状を異ならせることで、把持爪160と把持爪162との移動量が調整されてもよい。また、例えば、把持爪160と把持爪162とが個別の駆動源により移動する場合には、それら個別の駆動源の制御量を異ならせることで、把持爪160と把持爪162との移動量が調整されてもよい。
【0047】
また、上記実施例では、1対の把持爪160,162と、それら1対の把持爪160,162の間に位置する補助爪166とにより、1対のリード184,186が把持されているが、1対の把持爪160,162のみにより1対のリード184,186が把持されてもよい。つまり、1対の把持爪160,162の挟持力及びリードの弾性力により1対のリード184,186が把持されてもよい。
【0048】
また、上記実施例では、1対の把持爪160,162は、対称的な形状とされており、対称的なことを除いて、略同じ形状かつ同じ寸法とされているが、互いに異なる形状の1対の把持爪が採用されてもよい。例えば、図19に示すように、把持爪162の代わりに、把持爪220をスライドプレート134に装着する。把持爪220は先端において幅狭とされており、把持爪220の先端の幅寸法は、把持爪162の先端の幅寸法より短くされている。これは、把持爪220の先端にV溝が形成されないため、把持爪220の先端を幅狭にすることができるためである。一方、スライドプレート132には、上記実施例と同様に、把持爪160が装着される。この際、スライドプレート134に装着された把持爪220の移動量は、把持爪162の移動量と同じβ2である。一方、ライドプレート132に装着された把持爪160の移動量は、上述したように、α2である。ただし、把持爪220の離間距離Cは、把持爪220の先端の幅寸法が把持爪162の先端の幅寸法より短くされているため、把持爪162の離間距離Bより短くなる。これにより、超狭隣接での部品装着をより好適に行うことが可能となる。
【0049】
また、上記実施例では、リードを位置決めするための溝として、V溝178が採用されているが、溝の形状はV溝178に限定されない。例えば、溝の底面が平面形状に凹んだ概してコの字型の溝であってもよい。また、凹んだ形状に限定されず、突起部が2つ並んで形成され、それら2つの突起部の間が溝として機能してもよい。
【0050】
また、上記実施例では、1対の把持爪160,162の一方の把持爪160にV溝178が形成され、他方の把持爪162にV溝は形成されていないが、1対の把持爪の両方にV溝が形成されてもよく、1対の把持爪の両方にV溝が形成されていなくてもよい。このように、1対の把持爪の両方にV溝が形成されている場合および、1対の把持爪の両方にV溝が形成されていない場合であっても、上記実施例と同様の効果を奏することができる。
【0051】
また、1対の把持爪は、リード部品のリードを保持するものでなくとも良く、リード部品の部品本体を保持するものであっても良い。つまりは、リードを有さない電気部品を保持して先付部品のある回路基材に装着するものであっても良い。
【0052】
また、上記実施例では、1対の把持爪160,162の間に補助爪166が配置されているが、1対の把持爪の間に補助爪が無くてもよい。このように、1対の把持爪の間に補助爪が無い場合には、1対の把持爪により1対のリードを把持する際に、1対のリードの並ぶ方向と直行する方向でなく、例えば、平行な方向から1対の把持爪により1対のリードを把持してもよい。
【0053】
また、1対の把持爪の間に補助爪がなく、それら1対の把持爪の移動量が同じである部品保持具を用いて、1対の把持爪がリード部品等の電気部品を保持するタイミング、若しくは保持を解除するタイミングで、1対の把持爪を開閉する方向と同じ方向にX方向移動装置あるいはY方向移動装置によって当該部品保持具を移動させることでも、上記実施例における部品保持具78と同様の効果を奏することができる。
【0054】
また、図17に示すように、先付部品210の隣にリード部品180を装着する際に、部品保持具78を鉛直軸線回りに回転させてもよい。つまり、作業ヘッド56,58若しくは、作業ヘッド移動装置62が、部品保持具78を鉛直軸線回りに回転させる回転装置を備え、部品保持具78がリード部品180を保持するとき、あるいは部品保持具78に保持されたリード部品180が回路基材12に装着されるときに、回転装置により部品保持具78を回転させてもよい。
【符号の説明】
【0055】
12:回路基材(基板) 78:部品保持具 160:把持爪(爪部材) 162:把持爪(爪部材) 166:補助爪(中間部材) 170:把持面 172:把持面 178:V溝(溝) 180:リード部品 184:リード 186:リード 210:先付部品 220:把持爪(爪部材)
図1
図2
図3
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図10
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