(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-07
(45)【発行日】2024-02-16
(54)【発明の名称】回転機械内の軸方向エントリブレードにシュラウド干渉を与えるための方法及び回転機械
(51)【国際特許分類】
F01D 5/22 20060101AFI20240208BHJP
F01D 5/30 20060101ALI20240208BHJP
F01D 25/00 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
F01D5/22
F01D5/30
F01D25/00 X
(21)【出願番号】P 2022546066
(86)(22)【出願日】2021-02-18
(86)【国際出願番号】 EP2021025060
(87)【国際公開番号】W WO2021170294
(87)【国際公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-08-15
(31)【優先権主張番号】102020000003895
(32)【優先日】2020-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】517029381
【氏名又は名称】ヌオーヴォ・ピニォーネ・テクノロジー・ソチエタ・レスポンサビリタ・リミタータ
【氏名又は名称原語表記】Nuovo Pignone Tecnologie S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ピエリ、マルコ
【審査官】藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-036893(JP,A)
【文献】特開2017-166404(JP,A)
【文献】特開2007-064074(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0081963(US,A1)
【文献】特表2010-501765(JP,A)
【文献】特開昭59-108805(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 1/00-11/24
F01D 13/00-15/12
F01D 23/00-25/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体流で動作するターボ機械のための回転部材アセンブリ(1)であって、前記回転部材アセンブリ(1)が、
ロータホイール(2)であって、
周辺リム(22)を有し、
回転軸(R)の周りを回転するように構成され、
前記ロータホイール(2)が、前記ロータホイール(2)の前記
周辺リム(22)の周り
に円周方向に離間した
複数の雌型ダブテールスロット(21)を有する、ロータホイール(2)と、
複数のブレード(3)であって、
前記ターボ機械が動作している間、前記流体流を捉えるように構成され、
各
前記ブレード(3)が、
挿入方向(I)に沿って、前記ロータホイール(2)の前記雌型ダブテールスロット(21)のうちの対応する1つと嵌合するように形作られた雄型ダブテール(32)と、
前記雄型ダブテール(32)に接続された第1の端部(331)と、第2の端部(332)とを有する翼(33)と、
前記翼(33)の前記第2の端部(332)に固定された翼シュラウド(34)と、を備える、複数のブレード(3)と、を備え、
前記雌型ダブテールスロット(21)の各々が、各対応する
前記雄型ダブテール(32)の前記挿入方向(I)が前記ロータホイール(2)の前記回転軸(R)に収束するように
直線的に形作られ
て、前記挿入方向(I)が前記ロータホイール(2)の前記回転軸(R)と挿入収束角度(α)を形成し、その結果、
前記雄型ダブテール(32)を対応する前記雌型ダブテールスロット(21)に挿入するにつれて前記ブレード(3)が前記
ロータホイール(2)の前記回転軸(R)に対してより近い位置に向かって移動
し、
各
前記ブレード
(3
)の前記雄型ダブテール(32)が前記対応する雌型ダブテールスロット(21)内に挿入されるとき、各
前記ブレード(3)の前記翼シュラウド(34)が互いに接触す
る、回転部材アセンブリ(1)。
【請求項2】
それぞれの
前記挿入方向(I)が前記ロータホイール(2)の前記回転軸(R)を含む平面に平行ではな
く、
前記ロータホイール(2)の前記回転軸(R)に沿った軸をX軸、対応する前記雌型ダブテールスロット(21)の半径方向位置(P)を含んで前記X軸に垂直な軸をZ軸、前記X軸と前記Z軸に垂直な軸をY軸とすると、各前記挿入方向(I)が、XY平面上で前記ロータホイール(2)の前記回転軸(R)とスキュー角(β)を形成する、請求項1に記載の回転部材アセンブリ(1)。
【請求項3】
他の前記翼シュラウド(34)に隣接する各前記翼シュラウド(34)の壁が、半径方向(Z)に対してインターフェース角度(γ)を形成し、
前記インターフェース角度(γ)が
、前記インターフェース角度(γ)の傾きに応じて、前記翼シュラウド(34)の干渉
を制御することを可能にする、請求項
2に記載の回転部材アセンブリ(1)。
【請求項4】
前記ブレード(3)を互いに接続した状態に保つように、前記翼シュラウド(34)の間に干渉を与えることができる角度の組み合わせが、
α≠0及びβ≠0並びにγ=
0、又は
α≠0及びβ≠0並びにγ≠
0、又は
α≠0及びβ=0並びにγ≠
0、又は
α≠0及びβ=0並びにγ=
0、のうちの1つである、請求項
3に記載の回転部材アセンブリ(1)。
【請求項5】
各
前記ブレード(3)の各
前記翼シュラウド(34)は、各
前記翼シュラウド(34)が隣接する翼シュラウド(34)に接触する嵌合側に余剰材料を提供し、それにより、少なくとも前記雄型ダブテール(32)が前記ロータホイール(2)のそれぞれの
前記雌型ダブテールスロット(21)内に完全に挿入されているときに干渉する、請求項1
~4のいずれか一項記載の回転部材アセンブリ(1)。
【請求項6】
各
前記ブレード(3)が、前記雄型ダブテール(32)と、前記翼(33)の前記第1の端部(331)とに結合されたプラットフォーム(31)を備える、請求項
5に記載の回転部材アセンブリ(1)。
【請求項7】
各
前記ブレード(3)の前記翼シュラウド(34)が、長斜方形形状又は長方形形状を有する、請求項1~
6のいずれか一項に記載の回転部材アセンブリ(1)。
【請求項8】
前記雌型ダブテールスロット(21)が、前記ロータホイール
(2)の前記周辺リム(22)の周りに均一に離間されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の回転部材アセンブリ(1)。
【請求項9】
前記雌型ダブテールスロット(21)が、フィット木形状であり、
前記雄型ダブテール(32)が、前記雌型ダブテールスロット(21)を補完するような逆さフィット木形状である、請求項1~8のいずれか一項に記載の回転部材アセンブリ(1)。
【請求項10】
前記ロータホイール(2)が、ディスク形状である、請求項1~9のいずれか一項に記載の回転部材アセンブリ(1)。
【請求項11】
回転部材アセンブリ(1)を組み立てるための方法であって、
前記回転
部材アセンブリ(1)が、
周辺リム(22)を有し、回転軸(R)の周りを回転するように構成されたロータホイール(2)であって、前記ロータホイール(2)が、前記ロータホイール(2)の前記
周辺リム(22)の周り
に円周方向に離間した
複数の雌型ダブテールスロット(21)を有する、ロータホイール(2)と、
複数のブレード(3)であって、
ターボ機械が動作している間、流体流を捉えるように構成され、各
前記ブレード(3)が、挿入方向(I)に進んで前記ロータホイール(2)の対応する
前記雌型ダブテールスロット(21)に嵌合するように形作られた雄型ダブテール(32)を備える、複数のブレード(3)と、を備え、
前記雌型ダブテールスロット(21)は、各
前記雄型ダブテール(32)の前記挿入方向(I)が、前記ロータホイール(2)の前記回転軸(R)に収束するように
直線的に形作られており、
前記挿入方向(I)が、前記回転軸(R)と挿入収束角度(α)を形成し、
前記方法が、
各
前記ブレード(3)の前記雄型ダブテール(32)をそれぞれの
前記雌型ダブテールスロット(21)に部分的に挿入するステップ(51)と、
すべての前記ブレード(3)が、
関連する
前記雌型ダブテールスロット(21)内に少なくとも部分的に挿入された後に、各
前記ブレード(3)について
、それぞれの
前記雌型ダブテールスロット(21)
に各前記雄型ダブテール(32)及び
当該ブレード(3)の近隣の前記雄型ダブテール(32)を少なくとも更なる距離にわたって挿入し続け(52)、各
前記ブレード(3)の前記雄型ダブテール(32)が
、それぞれの
前記雌型ダブテールスロット(21)内に完全に挿入されるまで、前記
回転部材アセンブリ(1)の前記ロータホイール(2)の全周にわたって同様のことを続けるステップと、
翼シュラウド
(34)の設計された干渉を得るステップと、を含む、方法。
【請求項12】
前記方法が、前記ブレード(3)が前記挿入方向(I)に対して反対方向に抜け出ることを防止するために、軸方向係止ステップを含む、請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
それぞれの前記挿入方向(I)が前記回転軸(R)を含む平面に平行ではなく、
前記ロータホイール(2)の前記回転軸(R)に沿った軸をX軸、対応する前記雌型ダブテールスロット(21)の半径方向位置(P)を含んでX軸に垂直な軸をZ軸、X軸とZ軸に垂直な軸をY軸とすると、前記挿入方向(I)が、XY平面上で前記回転軸(R)とスキュー角(β)を形成する、請求項11又は12記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
明細
本開示は、回転機械、特に蒸気タービン内の軸方向エントリロータブレードにシュラウド干渉を与えるための方法及び回転機械に関し、ロータなどの回転機械の回転部材は、そのような方法によって得られる。
【背景技術】
【0002】
電力は、現代社会においてますます重要になっている。電気の主要部分は、回転機械である蒸気タービンによって生成されると推定される。
【0003】
蒸気タービンは、加圧蒸気から熱エネルギを抽出し、回転出力シャフト上で機械的仕事を行うためにそれを使用する装置である。蒸気タービンは、蒸気の膨張において複数の段階を使用することによって、より良好な熱力学的効率を与える。そのような相当な量の電気エネルギが蒸気タービン発電機によって生成されているので、これらの発電機を可能な限り効率的にすることが、社会の最大の関心である。
【0004】
蒸気タービンの、及び回転機械全般において、効率に影響を与える重要な要因の1つは、タービンブレードである。これは、回転機械の効率を高めるために、関連するロータが現在非常に高速で回転していることを考慮すると特に当てはまり、これはいくつかの設計及び運用上の欠点を引き起こす。
【0005】
より具体的には、蒸気タービンは通常、ロータが受ける蒸気条件に応じて互いに区別されるいくつかの動作段階で作製される。
【0006】
各段階は、少なくともステータ及びロータを備えることがよく知られている。ステータ及びロータは、蒸気流束を逸らしてロータの回転を引き起こすためのブレードを備える。
【0007】
ブレード、特にロータブレードは、回転しながら、可変圧力分布を受ける。したがって、ブレードは、それらの回転中に翼表面上に顕著な機械的及び動的な応力を受け、それは、ブレード自体の長さに沿って異なり得る。
【0008】
上記に基づいて、ブレード設計では、回転機械の改善された効率を確保するために、ブレードの自立型挙動の防止が通常必要とされる。ブレードを動作速度で所定の位置に保つために、シュラウドとしても知られる、翼カバーが、ブレードを互いに接続された状態に保つために使用される。
【0009】
しかしながら、動作速度では、ロータのブレードが伸長する傾向があることも知られている。これは、ロータブレードの遠心伸びとして知られている。この現象により、翼シュラウドがより大きな直径の位置に移動し、その結果、各ロータブレードのピッチがより大きくなる。これは、翼シュラウドがもはや近隣のものと接触しておらず、高い回転速度で自由になり、このため再び可変圧力場効果を受けることを引き起こす。その時、ブレードが動作速度で接触したままであることが望ましい。加えて、高速でのプロファイルの三次元性はまた、解撚現象、すなわちシュラウド間の接触又は干渉の損失、を伴う。
【0010】
この欠点を克服するために、翼シュラウドは、各ブレードの翼シュラウドを隣接するものとの接続を保つのに十分ないくらかの余剰材料、又はストック材料を含む。
【0011】
この解決策は、実際に適切に機能するが、しかしながら、ロータの実現又は組み立て操作において、この配置は、いくつかの構造上及び操作上の欠点を引き起こす。
【0012】
具体的には、各ブレードは、通常、ロータ溝内に得られたそれぞれの雌型ダブテール部分に挿入されるように設計された雄型ダブテール部分、蒸気流束を捉えるための翼、及び翼の上部にある上記の翼シュラウドを有する根を備える。ロータを組み立てるために、ブレードの雄型ダブテールを、ロータホイールの周囲に沿って機械加工されたそれぞれの雌型ダブテールに挿入する必要がある。ブレード構造及び列アセンブリは、近隣のブレード間にシュラウド干渉を提供するようなものである。接線T根及び軸方向モミの木根などのいくつかの結合システムが先行技術で知られている。後者の解決策は、次に、ブレードシュラウドが、少なくとも動作中にすべてのブレードシュラウドが接触するように組み立てられる必要があるため、複雑な追加のブレード機械加工、特別なツーリング及びアセンブリ手順が必要になる場合がある。加えて、アレイの最後のブレードの挿入は、非常に面倒で困難な場合がある。
【0013】
上記の技術的問題を克服するために、先行技術においていくつかの解決策が提案されてきた。ブレードをロータホイールの雌型ダブテール形状スロットに軸方向に挿入するための方法の例は、例えば、米国特許である米国特許第7,122,577(B2)号及び米国特許第9,689.268(B2)号に開示されており、これらはとにかくいくつかの製造上のハードルを必要とする。
【0014】
また、例えば、先行技術による解決策は、インターロックされる特別なシュラウド形状を特徴として提案された。しかしながら、この解決策は、特別なブレード機械加工を必要とし、測定することが困難であり、最終的には、アセンブリステップでブレードを調整することが見出されている。加えて、解決策は、複雑なブレードアセンブリ及び均一ではないシュラウド干渉を示した。最終的に、ブレードをロータホイール内に組み立てるために、特定のアセンブリ設備が必要であり、特定のトレーニングがそのために求められる。
【0015】
先行技術の別の解決策では、シュラウド干渉法が適用されている。それは、翼シュラウドをロックするZ字形ロックシステムに関する。次いで、翼シュラウドは、クリアランスを有して組み立てられ、ロータブレードがねじれていないために高い回転速度で干渉が得られる。しかしながら、この解決策は、非常に複雑なシュラウド幾何学的形状を有するブレードを必要とし、その結果、複雑なブレード機械加工及び顕著な製造コストを伴う。
【0016】
先行技術による別の解決策では、摩擦減衰装置が、2つの隣接するシュラウド間でインターロックされる。この減衰装置は、上述のロータブレードの伸びの現象の場合であっても、シュラウドを機械的に接続されたままにさせる。
【0017】
しかしながら、この場合においても、この解決策は、減衰装置を収容する必要があるシュラウドの複雑な幾何学的形状を伴う。次に、それは非常に複雑なブレード機械加工を要求する。また、追加の構成要素、すなわち減衰装置がロータに追加され、このため、アセンブリの複雑さを増加させる。
【発明の概要】
【0018】
先行技術の欠点及び技術的問題を克服することができる改善されたロータアセンブリ及びアセンブリ方法は、技術において歓迎されるであろう。より一般的には、ブレードの形状、特にベース及び翼シュラウドの形状を過度に複雑にすることなく得ることができ、任意の構成要素の追加を必要としないアセンブリ方法を提供することが望ましいであろう。
【0019】
また、低圧ブレード、インパルス/制御段階ブレード、又は高圧及び中間圧力セクション段階ブレードのように、非常に高い遠心荷重を保持し、及び/又は厳しい蒸気条件をサポートすることができる軸方向エントリロータブレードシステムが望ましい。
【0020】
また、ロータブレード列にシュラウド干渉を与える容易、安価かつ堅牢な方法が望ましい。
【0021】
一態様では、本明細書に開示される主題は、回転軸の周りを回転することを意図した、ロータホイールを含むターボ機械のための回転部材アセンブリを対象としている。ロータホイールは、軸方向のエントリ方向で、又は主に軸方向のエントリ方向で、そのリムの周りに複数の円周方向に離間した雌型ダブテール形状の平削りされたスロットを有する。加えて、回転部材アセンブリは、ターボ機械の流体流を捉えるための複数のブレードを備える。
【0022】
各ブレードは、ロータホイールの回転軸に対して軸方向又は角度の付いた挿入方向に沿って、ロータホイールの対応する雌又は第1のダブテールスロットに嵌合するように、雄又は第1のダブテールを備える。この角度は、従来、スキュー角で画定される。
【0023】
各雄型ダブテールは、挿入方向に沿って対応する雌型ダブテールスロットに挿入され、挿入方向は、ロータホイールの回転軸に収束し、回転軸に対して挿入角度を形成する。この角度は、本明細書では収束角度と名付けられる。
【0024】
別の態様では、本明細書に開示される主題は、各雄型ダブテールがそれぞれの雌型ダブテールスロット内に挿入される挿入方向は、ロータホイールの回転軸を含む平面に平行ではない。
【0025】
別の態様では、本明細書に開示されるのは、翼と、翼の自由端に固定された翼シュラウドと、を備えるブレードである。各ブレードの各翼シュラウドは、少なくとも雄型ダブテールがロータホイールのそれぞれの雌型ダブテールスロット内に完全に挿入されたときに、隣接するシュラウドと干渉するように、ストック材料を提供する。
【0026】
本開示の更なる態様は、回転部材アセンブリを組み立てるための方法であって、すべての雄型ダブテールが最初はそれぞれの雌型ダブテールスロットに部分的に挿入され、次いで、すべてのブレードが関連する雌型ダブテールスロット内に少なくとも部分的に挿入された後、各ブレードのすべての雄型ダブテールが、それぞれの雌型ダブテールスロット内に完全に挿入されるまで、すべての雄型ダブテールが徐々に挿入される、方法に関する。実際、挿入中、シュラウド干渉が増加する。ダブテール接合個所は、シュラウド干渉へ力の反作用を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本発明の開示の実施形態とそれに付随する利点の多くは、添付図面に関連して考えながら以下の発明を実施するための形態を参照することによって、理解が深まるにつれてすぐにより完全に分かるようになるであろう。
【
図1】第1の実施形態による、ロータブレードアセンブリの分解斜視図を図示する。
【
図2】第1の実施形態による、ロータブレードアセンブリの追加の斜視組立図を図示する。
【
図3】第1の実施形態による、ブレードのアセンブリなしの機械加工されたロータのロータホイールの上面図を図示する。
【
図4】
図3のロータホイールの雌型ダブテールスロットの詳細の正面図を図示する。
【
図5】第1の実施形態による、ロータホイールの回転軸(X方向)に垂直な平面を図示する。
【
図6】第1の実施形態による、スキュー平面を図示し、スキュー平面は、半径方向(Z方向)を中心とした回転軸に垂直な平面の回転として得られ、回転量がスキュー角と名付けられて図示されている。
【
図7】ロータブレード根基準座標に対応する半径方向座標で半径方向軸Z上に位置する第1の実施形態による点Pを図示し、第1の実施形態による軸Cは、点Pを通過し、スキュー平面上に含まれ、Z軸に垂直である。
【
図8】軸を中心としたスキュー平面の回転によって得られる収束平面と名付けられた、第1の実施形態による新しい平面を図示し、回転量は収束角度と名付けられ、図示されている。
【
図9】第1の実施形態による、雌型ダブテールスロットに挿入する前のロータホイール及びブレードの上面図を図示する。
【
図10】第1の実施形態による、雌型ダブテールスロットに挿入する前のロータホイール及びブレードの斜視図を図示する。
【
図11】挿入方向と整列した、第1の実施形態による、雌型ダブテールスロットに挿入する前のロータホイール及びブレードの視図を説明する。
【
図12】第1の実施形態による、ブレードがロータホイールの雌型ダブテールスロットに部分的に挿入されているときのロータホイール及びブレードの斜視図を図示する。
【
図13】第1の実施形態による、ロータホイールの雌型ダブテールスロットに完全に挿入されたブレードの上面図を図示する。
【
図14】第1の実施形態による、ロータホイールの雌型ダブテールスロットに完全に挿入されたブレードの斜視図を図示する。
【
図15】挿入方向と整列した、第1の実施形態による、ロータホイールの雌型ダブテールスロットに挿入されたブレードの視図を図示する。
【
図16】第1の実施形態のロータアセンブリを組み立てるための方法のフロー図を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0028】
発明者らは、蒸気タービンのロータのブレードを組み立てるための新しく有用な方法を発見したと信じている。解決策は、各ブレードの雄型ダブテールをロータのロータホイールの対応する雌型ダブテールスロットに挿入することによって達成され、いくつかのブレード及び/又は追加の接続構造を修正することなく、蒸気タービンのブレードをパックするように挿入角度が設計されている。
【0029】
特に、それによって得られた回転機械は、回転機械上で傾斜したシュラウド設計(すなわち、翼シュラウドの長斜方形状)であっても、軸方向エントリブレードに(又は挿入の主な軸方向で)シュラウド干渉を提供することができる。
【0030】
より具体的には、回転部材のロータホイールの雌型ダブテールスロット(一般に軸方向に機械加工された溝としても知られる)及び雄型ダブテール(ブレード根としても知られる)の両方の幾何学的特徴、特に、スライド方向とロータ軸ベクトルとの間の収束角度と、回転軸とロータ直径に接する平面上の挿入方向との間のスキュー角と、隣接するシュラウド間のインターフェース角度とによって、ブレード挿入中の低減されたピッチを得ることができる。
【0031】
本方法は、蒸気タービンのロータなどの回転機械の回転部材におけるブレードにシュラウド干渉を提供することを意図している。シュラウドは、ブレードの翼の自由端に配置されたカバーである。ロータの回転部材の回転中にブレードが適切に接続された状態を保つように、近隣のブレードのシュラウドを用いて、それは異なる形状を有することができる。シュラウドは、翼、シュラウド、及び雄型ダブテールを達成するように平削りされた鍛造バーから作製される。シュラウドは、翼の同じ熱力学的条件に供される。ロータシュラウドカバーリングとステータシールとの間には、作動流体(蒸気、ガス...)の漏れを最小限に抑えるために、小さなクリアランスがある。
【0032】
本明細書に開示される主題の態様によれば、ブレードの雄型ダブテールが、最初のものに相補的である雌型ダブテールスロットに挿入されるときはいつでも、ロータホイール周囲上で実現され、挿入軌道はロータホイールの回転軸に平行ではなくて、それは両方に関して傾いており(すなわち、挿入軌道は、ロータホイールの回転軸もある同じ平面上にない)、ロータホイールの回転軸に向かって収束し、ブレードの接線方向のピッチを減少させる。更に、翼シュラウド間のインターフェース角度は、好適なサイズになっている。挿入中、翼シュラウドは、それらの間で最初にクリアランスを克服し、接触し、次に干渉する。このようにして、ロータホイールを組み立てるために、ロータアセンブリのすべてのブレード、又は回転部材全般の雄型ダブテールを、ロータホイールのそれぞれの雌型ダブテール又は溝に部分的に挿入することが可能であり、ブレードの挿入プロセス中に、各シュラウドの近隣のものとの過度の干渉を防ぎ、それにより、すべてのブレードの挿入をほぼ一緒に完了させ、それにより、シュラウド間の均一かつ分布した干渉を引き起こす。このようにして、翼シュラウドは結果としてパックされ、ロータアセンブリが使用されている間に圧力場にさらされたときに、ブレードの翼は、自立型モードにおいて曲がるのを防止される。
【0033】
この方法は、ロータアセンブリのロータホイールのそれぞれの雌型ダブテールスロット内に各ブレードの雄型ダブテールを徐々に挿入することを可能にする。したがって、互いにパックする各ブレードの翼シュラウドの干渉の制御も、簡略化された組み立てとともに得られ、特定の組み立てツール又は設定も必要とされない。
【0034】
本明細書で使用される場合、「軸方向」及び「軸方向に」という用語は、蒸気タービンエンジンの長手方向軸に実質的に平行に延在する方向及び配向を指す。更に、「半径方向」及び「半径方向に」という用語は、蒸気タービンエンジンの長手方向軸、すなわちロータアセンブリの回転軸に対して実質的に垂直に延在する方向及び配向を指す。加えて、本明細書で使用される場合、「円周方向」及び「円周方向に」という用語は、回転機械の長手方向軸を中心に弧状に延在する方向及び配向を指す。
【0035】
ここで図面を参照すると、
図1、
図2、
図3、及び
図4は、回転機械、特にロータアセンブリ1の回転部材を示し、それは、本明細書に開示される解決策の範囲を限定することなく、例えば、蒸気タービン(図示せず)内に設置されることが意図されている。図示された実施形態に従って本明細書に開示されるロータアセンブリ1に適用される解決策は、ガスタービンなどのような他のタイプのタービンの回転機械にも適用することができる。
【0036】
ロータアセンブリ1は、実質的にディスク形状であるロータホイール2を備える。ロータホイール2は、使用時にそれを中心に回転する回転軸を有し、参照文字Rで示される。
【0037】
ロータホイールはまた、以下によりよく開示されるように、ロータホイール2の円周に機械的に接続される複数のブレード3を備える。
【0038】
ロータホイール2はまた、円周方向に離間した複数の雌型ダブテールスロット(又は溝)21を有する。雌型ダブテールスロット21は、ロータホイール2の周辺縁部又はリム22の周りで互いに円周方向に離間されている。
【0039】
見て分かるように、雌型ダブテールスロット21は、対応する雄部品又は雄型ダブテールとよりよく係合するように、モミの木形状であり、これは以下でよりよく説明される。他の実施形態では、雌型ダブテールスロット21は、異なる形状を有し得る。いずれの場合でも、前文で論じたように、ブレード3が接続されているロータホイール2が回転している間、ブレード3は遠心力を受けるので、実質的に軸方向のスロット又は溝の形状は、一般に、ブレード3が動作している間に受ける力を相殺するように、ブレードをロータホイール2に機械的に接続した状態にしっかりと保つようなものである。
【0040】
雌型ダブテールスロット21は、ロータホイールリム22の周りに均一に離間されており、その結果、ブレード3がそれに接続されている。
【0041】
ロータアセンブリ1の各ブレード3は、雄型ダブテール32(一般に根とも呼ばれる)を有するプラットフォーム31を備える。各雄型ダブテール32は、逆さのモミの木形状を有し、これは、雌型ダブテールスロット21を補完して、それとぴったり適合する。より具体的には、雄型ダブテール32は、以下でより詳細に説明されるように、雌型ダブテールスロット21内に挿入されることが意図されている。
【0042】
ブレード3はまた、蒸気を捉えることを意図し、第1の端部331及び第2の端部332を有する翼33を備える。翼3の第1の端部331は、プラットフォーム31に結合されている。
【0043】
ブレード3はまた、翼33の第2の端部332に固定された翼シュラウド34を備える。
【0044】
図に示された実施形態では、翼シュラウド34は、長斜方形の形状を有し、したがって、大文字のIで示される挿入方向は、ゼロより大きい収束角度α及びスキュー角βを有する。より具体的には、使用中、各ブレード3の翼33は蒸気の圧力場によって応力を受け、蒸気は、周知であるように、通常は可変であり、すなわち、ロータアセンブリ1の周囲にわたって不均一である。各翼シュラウド34の長斜方形の形状のために、2つの近隣のブレード3の翼2がまったく異なる応力を受ける場合、第1のブレード3の動きは、第2のブレード3の「アンカリング」効果によって減衰、遮断、又は少なくとも抑制され、それは、翼シュラウド34の接続のために第1のブレード3を保持する傾向がある。
【0045】
他の実施形態では、翼シュラウド34は、異なる形状を有し得る。より具体的には、翼シュラウド34は、それが隣接する翼シュラウド34に接触する、嵌合側にいわゆるZロック形状を有し得る。
【0046】
スキュー角βがゼロであり、翼シュラウド34がしたがって長斜方形ではなく長方形である場合にも同じ効果が適用される。
【0047】
各ブレード3の各翼シュラウド34は、少なくとも雄型ダブテール32がロータホイール2のそれぞれの雌型ダブテールスロット21内に完全に挿入されたときに、干渉するように、ストック材料を提供する。ストック材料は、ロータアセンブリ1が回転している間にロータブレード3の遠心伸びの場合であっても、及び翼解撚の場合であっても、各翼シュラウド34が近隣のものと係合したままであることを確実にする。
【0048】
余剰材料とも称される分野でのストック材料とは、各シュラウド34が理論上寸法よりも大きい有効寸法を有することを意味する。言い換えれば、ストック材料又は余剰材料は、シュラウド34の実際のピッチと理論上のピッチとの間の差であり、後者は、すべてのシュラウド34によって形成されるシュラウドアレイの円周をブレード3の数で割ったものとして得られる。
【0049】
第1の実施形態では、特に
図3及び
図4を参照すると、雌型ダブテールスロット21は、文字Iで示された挿入軸又は方向に沿って雄型ダブテール32の挿入方向を可能にするように形作られており、これは、ロータホイール2の回転軸に向かって収束し、同時に、ロータホイール2の回転軸Rを含まない平面内にある。言い換えれば、ロータホイール2の回転軸R及び挿入軸又は方向Iは、非平行平面にある。方向Iに沿った挿入は、ロータホイール軸Rに対してブレードのより近い半径方向距離を決定し、したがって、ピッチの低減及びシュラウド干渉の増加を得る。
【0050】
図5、
図6、
図7、及び
図8を参照すると、雄型ダブテール32の雌型ダブテールスロット21への挿入方向Iに直交する平面の向きが示されている。
【0051】
特に、
図5は、ロータホイール2の回転軸Rに垂直な平面41を示し、回転軸Rは、3つのXYZ垂直軸のデカルトフレームのX軸に整列している。
【0052】
図6は、Z軸を中心に第1の角度の垂直平面41を回転させて得られたスキュー平面42を示す。また、
図7では、平面42と41との交線上に、21の半径方向位置に対応するZ距離で、点Pが位置付けられている。垂直平面41とスキュー平面42との間の角度は、スキュー角βである。
【0053】
図7は、点Pを通過し、平面42(スキュー)に含まれ、かつデカルト軸X及びYに平行な平面、つまり定数(点Pを含むものと同じ)に等しいZにも含まれる、収束軸Cを示す。
図7の点Pは、ロータ軸に対してスロットの半径方向距離に位置する。
【0054】
最後に、
図8は、収束軸Cの周りのスキュー平面42の回転として得られた収束面43を示す。平面43に対する法線方向は、挿入ベクトルを画定する。スキュー平面42の回転を表す角度αは、挿入角度である。
図8において、実行された回転は、例えば、5°の収束角度αのものである。スキュー角がゼロに等しく、純粋な軸方向エントリの場合でも同じことが当てはまる。この場合、方向Iは、回転軸Rとαに等しい角度で交差する。
【0055】
ロータアセンブリ1を組み立てるための方法及びその動作は、以下のとおりである。
【0056】
図9、
図10、
図11、及び
図12を参照し、また
図16を参照すると、ブレード3のセットを見ることができ、雄型ダブテール32は、示された矢印Iの挿入方向に進んで、関連する雌型ダブテールスロット21内の各1つに挿入されなければならない。
【0057】
翼シュラウド干渉は、次のように(パーセンテージで)定義される。
【数1】
ここで、ピッチ
実際=ピッチ
理論+余剰材料
【0058】
設計されたシュラウド干渉は、0.1%~10%であり得る。
【0059】
ブレードは、収束スロット内の挿入中に比較的近い位置に向かって移動するため、ブレードがスロットの内部に完全に挿入されるとき、アセンブリ中にシュラウド嵌合表面で干渉が得られる。干渉があるとき、シュラウドアレイ全体が接線方向に圧縮され、結果として得られるシュラウド構成は、シュラウド自体が半径方向Zの周りにねじれるようになる(
図11を参照)。この状態では、シュラウドアレイは、剛性連続リングとして挙動することができる。
【0060】
特に
図11を参照すると、2つの隣接する翼シュラウド34がインターフェースすることに関して、インターフェース角度γ角度が示されている。インターフェース角度γは、翼シュラウド34の干渉を更に制御することを可能にし、したがって、追加の設計オプションを表す。半径方向Zに対するγ角度の傾きに応じて、上記の干渉は増加又は減少し得る。したがって、スキュー角β、収束角度α、及びインターフェース角度γの組み合わせた評価によって、段階の干渉を設計することが可能になる。
【0061】
翼シュラウド間に干渉を与えることができる可能な組み合わせは、以下のとおりである。
α=0及びβ≠0並びにγ≠半径方向、又は
α≠0及びβ≠0並びにγ=半径方向、又は
α≠0及びβ≠0並びにγ≠半径方向、又は
α≠0及びβ=0並びにγ≠半径方向、又は
α≠0及びβ=0並びにγ=半径方向。
【0062】
挿入手順に戻ると、第1のステップ51(
図16を参照)において、各ブレード3の雄型ダブテール32を、関連する雌型ダブテールスロット21に部分的に挿入することができる。実際的な観点から、この挿入は、各ブレード3の雄型ダブテール32を1つずつ部分的に挿入することによって、ユーザによって実行される。この時点で、依然としてクリアランスがシュラウドインターフェースに存在する。特に、第1の雄型ダブテール32は、対応する雌型ダブテールスロット21に挿入され、次の1つは、更にそれぞれの雌型ダブテールスロット21に挿入され、以下同様である。このようにして、ブレード3の翼シュラウド34は、近隣の1つの翼シュラウド34と接触することなく接近する。
【0063】
しかしながら、ロータホイール1の回転軸Rに向かって収束する収束角度αに沿って配向された挿入方向I、及び回転軸Rと点Pを通過するロータホイール22の直径に接する平面上に投影された挿入方向Iとの間に形成されるスキュー角βのために、各ブレード3の雄型ダブテール32が雌型ダブテールスロット21内に完全に挿入されていないとき、各ブレード3、及び次にまた各翼シュラウド34は、近隣のブレード3から少し離間したままであり、したがって、前述のように、すべてのブレード3をロータホイール2の雌型ダブテールスロット21内に挿入することを可能にする。各翼シュラウド34の近隣のものとの部分的な干渉は、ロータホイール2の回転軸Rに対する挿入方向Iの角度配置によるものである。言い換えれば、挿入方向Iが回転軸Rに収束し同時に斜めになっているため、ある瞬間の各翼シュラウド34は、2つの近隣のブレード3の翼シュラウド34と接触する一方で、各ブレード3の雄型ダブテール32は、雌型ダブテールスロット21に部分的に挿入される。
【0064】
すべてのブレード3が少なくとも部分的に挿入され、それらのシュラウド34がそれらの間で接触した後、次の近隣のブレード3が、更なる距離にわたって再び部分的に挿入され(
図16のステップ52を参照)、ロータアセンブリ1のロータホイール2の全周にわたって継続される。次いで、すべてのブレード3がそれぞれの雌型ダブテールスロット21内に完全に挿入されるまで、円形アレイの各ブレード3の挿入が継続される。ロータホイール2の回転軸Rに向かう挿入方向Iの収束角度αのために、各ブレード3は、それぞれの雌型ダブテールスロット21内に漸進的に挿入されている間に、近隣のものとパックする。
【0065】
挿入プロセスの終わりに、かつ
図13、
図14、
図15、及び
図16を参照して、ブレード3のすべての雄型ダブテール32は、雌型ダブテールスロット21内に完全に挿入され、翼シュラウド34は、設計されたシュラウド干渉を用いて互いに均一にパックされたままであり、その結果、翼33は、翼33が、ロータアセンブリ1が設置されている蒸気タービンの動作中に蒸気圧力場によって自立モダリティで応力を受けるのを防ぐように、シュラウド34が互いに干渉することによって予荷重をかけられたままである。
【0066】
ブレード3の円形アレイ全体の雄型ダブテール32が、雌型ダブテールスロット21内に挿入されている間、翼シュラウド34の干渉が増加する。干渉は、最初の部分的挿入ではより低く、各雄型ダブテール32が挿入されている間は増加する。この技術的効果は、ロータホイール2の回転軸Rに向かって収束する収束挿入方向Iに起因する。
【0067】
いくつかの実施形態では、雌型ダブテールスロット21は、ロータホイール2の回転軸に向かって収束する軸に沿って雄型ダブテール32の挿入方向を可能にするように規則的に形作られており、同時に、挿入方向は、ロータホイール2の当該回転軸も含む平面内にある。加えて、雄型ダブテール32は、関連する雌型ダブテールスロット21の特定の形状に嵌合するように形作られている。
【0068】
ロータアセンブリ1のアセンブリが終了すると、動作中の蒸気圧力の力又は任意の他の外力のいずれかの下でブレード3が挿入方向Iとは反対の方向に抜け出るのを防止するために、軸方向の係止システム又はステップが予見される。したがって、通常、ブレード3をロックするために機械加工ステップが、ロータアセンブリ1上で実行される。
【0069】
いくつかの実施形態では、この係止機械加工ステップは、方向Iに対して横方向に配置された単一の鋼ワイヤを取り付けることを提供し、それは、ブレード3をロックし、それらを引き抜きから防止する。他の実施形態では、ブロックは、各ブレード3の下に設置される。更なる実施形態では、プレートが、各ブレード3の足の下で曲げられるように取り付けられる。
【0070】
挿入手順の後にブレード3の位置をブロックするために、ブレード3の任意の軸方向係止システムを提供し得ることが分かる。
【0071】
本発明の態様は、様々な特定の実施形態に関して説明されてきたが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく多くの修正、変更、及び省略が可能であることが、当業者には明らかであろう。加えて、本明細書で別段の指定がない限り、いずれのプロセス又は方法ステップの順序又は配列も、代替的な実施形態に従って変更又は再配列され得る。
【0072】
本開示の実施形態に対して詳細な参照がなされており、これらの1つ以上の例は、図面に例示されている。各例は、本開示を限定するものではなく、本開示の説明として提供するものである。実際には、本開示の範囲又は趣旨から逸脱しない限り、本開示に様々な修正及び変形を加えることができるということが、当業者には明らかであろう。本明細書全体を通して「ある実施形態」又は「一実施形態」又は「いくつかの実施形態」への言及は、一実施形態に関して述べられる特定の特徴、構造、又は特性が、開示の主題の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通して様々な個所における「ある実施形態では」又は「一実施形態では」又は「いくつかの実施形態では」という句が現れると、それは、必ずしも同じ実施形態を指しているものではない。また、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態において、任意の好適な様式において組み合わされ得る。
【0073】
様々な実施形態の要素を提示する際、冠詞「ある(a)」、「ある(an)」、「その(the)」、及び「当該(said)」は、要素のうちの1つ以上があることを意味することを意図している。「備える(comprising)」、「含む(including)」、及び「有する(having)」という用語は、非排他的であることが意図され、列記された要素以外の追加の要素が存在し得ることを意味するものである。