(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-07
(45)【発行日】2024-02-16
(54)【発明の名称】ロックアウト機構を含む薬剤送達システム
(51)【国際特許分類】
A61M 5/50 20060101AFI20240208BHJP
【FI】
A61M5/50
(21)【出願番号】P 2022547948
(86)(22)【出願日】2021-01-29
(86)【国際出願番号】 US2021015657
(87)【国際公開番号】W WO2021158434
(87)【国際公開日】2021-08-12
【審査請求日】2022-08-23
(32)【優先日】2020-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】594197872
【氏名又は名称】イーライ リリー アンド カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【氏名又は名称】前堀 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100122286
【氏名又は名称】仲倉 幸典
(72)【発明者】
【氏名】アーネット,ジェイム レイ
【審査官】星名 真幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-188431(JP,A)
【文献】特表2014-515676(JP,A)
【文献】特表2007-510465(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤送達システムであって、
薬剤を搭載し、かつ送達するように構成された薬剤送達デバイスと、
ハウジングであって、
前記薬剤送達デバイスを搭載するチャンバ、および前記チャンバに結合された開口部を備える、主本体と、
前記主本体に結合されたカバーであって、前記カバーが、前記主本体に対して閉鎖位置から開放位置に移動可能であり、前記閉鎖位置では、前記カバーが、前記開口部を覆い、それにより、前記開口部を介する前記チャンバからの前記薬剤送達デバイスの放出を阻止し、前記開放位置では、前記カバーが、前記開口部を介する前記チャンバからの前記薬剤送達デバイスの放出を可能にする、カバーと、を備える、ハウジングと、
前記ハウジングによって搭載されたロックアウト機構であって、前記カバーが前記開放位置に移動した後、前記閉鎖位置に戻ることを阻止するように構成された、ロックアウト機構と、を備える、薬剤送達システム。
【請求項2】
前記ロックアウト機構が、初期位置からロックアウト位置に移動可能であり、前記カバーが前記閉鎖位置を占めるとき、前記ロックアウト機構が前記初期位置を占め、および前記カバーが前記開放位置を占めて、前記カバーが前記閉鎖位置に戻ることを阻止するとき、前記ロックアウト機構が前記ロックアウト位置を占める、請求項1に記載の薬剤送達システム。
【請求項3】
前記ロックアウト機構が、前記ロックアウト位置において前記開口部を通って延在する、請求項2に記載の薬剤送達システム。
【請求項4】
前記チャンバが、主チャンバであり、前記開口部が、主開口部であり、前記カバーが、前記ロックアウト機構を搭載するカバーチャンバおよび前記カバーチャンバに結合されたカバー開口部を備え、前記ロックアウト機構が、前記ロックアウト位置において前記カバー開口部を通って延在する、請求項2に記載の薬剤送達システム。
【請求項5】
前記ロックアウト機構が、前記チャンバ内に搭載されている、請求項1~
3のいずれか一項に記載の薬剤送達システム。
【請求項6】
前記チャンバが、主チャンバであり、前記カバーが、カバーチャンバを備え、前記ロックアウト機構が、前記カバーチャンバ内に搭載されている、請求項1
、2、4のいずれか一項に記載の薬剤送達システム。
【請求項7】
前記ロックアウト機構が、前記カバーと干渉して、前記カバーが前記開放位置に移動した後に前記閉鎖位置に戻ることを阻止するように構成された弾性部材を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の薬剤送達システム。
【請求項8】
前記ロックアウト機構が、前記主本体と干渉して、前記カバーが前記開放位置に移動した後に前記閉鎖位置に戻ることを阻止するように構成された弾性部材を備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の薬剤送達システム。
【請求項9】
前記薬剤送達デバイスが、主本体に対して貯蔵位置から展開位置まで移動可能であり、前記閉鎖位置では、前記カバーが前記薬剤送達デバイスを前記貯蔵位置内に保持し、および前記開放位置では、前記カバーが、前記ロックアウト機構が前記薬剤送達デバイスを前記展開位置に付勢することを可能にする、請求項1
、2、5のいずれか一項に記載の薬剤送達システム。
【請求項10】
前記ロックアウト機構が、前記薬剤送達デバイスが前記展開位置に移動した後に、前記貯蔵位置に戻ることを阻止し、それにより、前記カバーが前記開放位置に移動した後に、前記閉鎖位置に戻ることを阻止するように構成されている、請求項9に記載の薬剤送達システム。
【請求項11】
前記ロックアウト機構が、
前記薬剤送達デバイスを搭載するシャトルと、
前記シャトルを並進可能に搭載するシャトルホルダと、
前記シャトルおよび前記シャトルホルダを結合する弾性部材であって、前記シャトルおよび前記薬剤送達デバイスを前記貯蔵位置から離れて前記展開位置に向かって付勢する、弾性部材と、を備える、請求項9に記載の薬剤送達システム。
【請求項12】
以下のうちの少なくとも1つである、(i)前記ロックアウト機構が、ピンアンドスロット接続をさらに備え、前記ピンアンドスロット接続が、前記シャトルを前記シャトルホルダに結合し、前記薬剤送達デバイスが前記展開位置に移動した後に前記貯蔵位置に戻ることを阻止するように構成され、それにより、前記ピンアンドスロット接続が、前記カバーが前記開放位置に移動した後に前記閉鎖位置に戻ることを阻止するように構成されるか、または(ii)前記システムが、前記薬剤送達デバイスおよび前記シャトルホルダの一部分を受容するように構成された環状乾燥剤要素をさらに備え、前記薬剤送達デバイスおよび前記シャトルホルダの前記一部分が、同軸関係にあり、前記シャトルホルダが、前記環状乾燥剤に対して回転的にロックされる、および軸方向にロックされる、のうちの少なくとも1つである、請求項11に記載の薬剤送達システム。
【請求項13】
薬剤送達システムであって、
薬剤を搭載し、かつ送達するように構成された薬剤送達デバイスと、
ハウジングであって、
第1のハウジング部分が、前記薬剤送達デバイスを搭載するチャンバ、および前記チャンバに結合された開口部を備え、
前記第1のハウジング部分に結合された第2のハウジング部分であって、前記第2のハウジング部分が、初期に前記開口部を覆い、それにより、前記開口部を介する前記チャンバからの前記薬剤送達デバイスの放出を阻止し、前記第2のハウジング部分が、前記ハウジングを開放するために前記第1のハウジング部分に対して移動可能であり、前記薬剤送達デバイスの前記開口部を介する前記チャンバからの放出を許可する、第2のハウジング部分と、
前記ハウジングによって搭載されたロックアウト機構であって、前記ハウジングが開放された後に再閉鎖することを阻止するように構成された、ロックアウト機構と、を備える、ハウジングと、を備える、薬剤送達システム。
【請求項14】
前記ロックアウト機構が、前記第2のハウジング部分と干渉して、前記ハウジングが開放された後に再閉鎖されることを阻止するように構成された弾性部材を備える、請求項13に記載の薬剤送達システム。
【請求項15】
前記ロックアウト機構が、前記第1のハウジング部分と干渉して、前記ハウジングが開放された後に再閉鎖されることを阻止するように構成された弾性部材を備える、請求項13~14のいずれか一項に記載の薬剤送達システム。
【請求項16】
薬剤送達システムであって、
薬剤を搭載し、かつ送達するように構成された薬剤送達デバイスと、
ハウジングであって、
前記薬剤送達デバイスを搭載するチャンバ、および前記チャンバに結合された開口部を備える、主本体と、
前記主本体に結合されたカバーであって、前記カバーが、前記主本体に対して閉鎖位置から開放位置に移動可能であり、前記閉鎖位置では、前記カバーが、前記開口部を覆い、それにより、前記開口部を介する前記チャンバからの前記薬剤送達デバイスの放出を阻止し、前記開放位置では、前記カバーが、前記開口部を介する前記チャンバからの前記薬剤送達デバイスの放出を可能にする、カバーと、を備える、ハウジングと、
前記ハウジングによって搭載されたロックアウト機構であって、前記ロックアウト機構が、初期位置からロックアウト位置まで移動可能であり、前記カバーが前記閉鎖位置を占めるとき、前記ロックアウト機構が前記初期位置を占め、前記カバーが前記開放位置を占めるとき、前記ロックアウト機構が前記ロックアウト位置を占め、前記ロックアウト位置では、前記ロックアウト機構が、前記薬剤送達デバイスおよび前記ロックアウト機構のうちの1つを前記ハウジングの外側に配設させ、それにより、前記カバーが前記閉鎖位置に戻ることを阻止する、ロックアウト機構と、を備える、薬剤送達システム。
【請求項17】
前記ロックアウト機構が、弾性部材を備え、前記ロックアウト位置では、前記弾性部材が、前記ハウジングの外側に配設されており、それにより、前記カバーが前記閉鎖位置に戻ることを阻止する、請求項16に記載の薬剤送達システム。
【請求項18】
前記弾性部材が、前記初期位置において載荷され、前記ロックアウト位置において除荷される、請求項17に記載の薬剤送達システム。
【請求項19】
前記ロックアウト位置では、前記薬剤送達デバイスが、前記開口部を通って延在し、それにより、前記カバーが前記閉鎖位置に戻ることを阻止する、請求項
16に記載の薬剤送達システム。
【請求項20】
前記ロックアウト機構が、弾性部材を備え、前記弾性部材が前記初期位置において載荷され、前記ロックアウト位置において除荷され、前記ロックアウト位置では、前記弾性部材が、前記薬剤送達デバイスを前記開口部を通って延在するように付勢し、それにより、前記カバーが前記閉鎖位置に戻ることを阻止する、請求項19に記載の薬剤送達システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、薬剤送達システム、具体的には、単回使用の薬剤送達デバイス、薬剤送達デバイスを初期に搭載するためのハウジング、および使用後ハウジング内の薬剤送達デバイスの交換を阻止するためのロックアウト機構を含む薬剤送達システムに関する。
【背景技術】
【0002】
薬剤送達デバイスは、典型的には初期に保護ハウジング内に保管されるか、または搭載され、薬剤または薬が個人に投与されるとき(例えば、緊急事態の間)、デバイスは、典型的にはハウジングから取り外される。一部の薬剤送達デバイスは、単回投与の薬剤のみを搭載する(したがって、「単回使用」デバイスと称される場合がある)。かかるデバイスは、使用後に廃棄されるべきであるが、かかるデバイスは、使用後ハウジングに誤って戻される場合がある。薬剤送達デバイスがすでに使用されており、その薬剤供給が喪失していることが認識されない場合、混乱または問題が生じる可能性がある。
【発明の概要】
【0003】
本開示の一実施形態によれば、薬剤送達システムは、薬剤を搭載し、および薬剤を送達するように構成される薬剤送達デバイスを含む。システムは、さらにハウジングを含み、ハウジングは、主本体および主本体に結合されたカバーを含む。主本体は、薬剤送達デバイスを搭載するチャンバ、およびチャンバに結合された開口部を含む。カバーは、主本体に対して閉鎖位置から開放位置まで移動可能である。閉鎖位置では、カバーは開口部を覆い、それにより、開口部を介するチャンバからの薬剤送達デバイスの放出を阻止し、開放位置では、カバーは、開口部を介するチャンバからの薬剤送達デバイスの放出を可能にする。ロックアウト機構は、ハウジングによって搭載される。ロックアウト機構は、開放位置に移動した後、カバーが閉鎖位置に戻ることを阻止するように構成される。
【0004】
本開示の別の実施形態によれば、薬剤送達システムは、薬剤を搭載し、および薬剤を送達するように構成される薬剤送達デバイスを含む。システムは、第1のハウジング部分、および第1のハウジング部分に結合された第2のハウジング部分を有するハウジングをさらに含む。第1のハウジング部分は、薬剤送達デバイスを搭載するチャンバ、およびチャンバに結合された開口部を含む。第2のハウジング部分は、初期に開口部を覆い、それにより、開口部を介するチャンバからの薬剤送達デバイスの放出を阻止する。第2のハウジング部分は、ハウジングを開放するために、第1のハウジング部分に対して移動可能であり、開口部を介するチャンバからの薬剤送達デバイスの放出を可能にする。ロックアウト機構は、ハウジングにより搭載され、ロックアウト機構は、ハウジングが開放された後、再び閉鎖することを阻止するように構成される。
【0005】
本開示のさらなる別の実施形態によれば、薬剤送達システムは、薬剤を搭載し、および薬剤を送達するように構成される薬剤送達デバイスを含む。システムは、さらにハウジングを含み、ハウジングは、主本体および主本体に結合されたカバーを含む。主本体は、薬剤送達デバイスを搭載するチャンバ、およびチャンバに結合された開口部を含む。カバーは、主本体に対して閉鎖位置から開放位置まで移動可能である。閉鎖位置では、カバーは開口部を覆い、それにより、開口部を介するチャンバからの薬剤送達デバイスの放出を阻止し、開放位置では、カバーは、開口部を介するチャンバからの薬剤送達デバイスの放出を可能にする。ロックアウト機構は、ハウジングによって搭載される。ロックアウト機構は、初期位置からロックアウト位置まで移動可能である。ロックアウト機構は、カバーが閉鎖位置を占めるときに初期位置を占め、ロックアウト機構は、カバーが開放位置を占めるときにロックアウト位置を占める。ロックアウト位置では、ロックアウト機構が、薬剤送達デバイスおよびロックアウト機構のうちの1つを、ハウジングの外側に配設させ、それにより、カバーが閉鎖位置に戻ることを阻止する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
この本開示の上述のおよび他の特徴、ならびにそれらを達成する様態は、本開示の実施形態の以下の記載を添付図面と併せて参照することによってより明らかになり、本発明自体がより良好に理解されることになる。
【0007】
【
図1】本開示による薬剤送達システムの第1の実施形態の側面図であり、いくつかの内部構成要素が仮想線で例解され、カバーがハウジングの主本体に結合されて示され、薬剤送達デバイスがハウジングのチャンバ内に搭載されて示されている。
【
図2】
図1の薬剤送達システムの別の側面図であり、カバーが主本体から取り外されて示され、薬剤送達デバイスがハウジングから取り外されて示される。
【
図3】
図1の薬剤送達システムの部分的な縦断面側面図であり、カバーが主本体に結合されて示され、薬剤送達デバイスおよびロックアウト機構がハウジングのチャンバ内に搭載されて示される。
【
図4】
図1の薬剤送達システムの別の部分的な縦断面側面図であり、カバーが主本体から部分的に取り外されて示され、ロックアウト機構がハウジングの再閉鎖を阻止することが示される。
【
図5】本開示による薬剤送達システムの第2の実施形態の部分的な縦断面側面図であり、カバーがハウジングの主本体に結合されて示され、薬剤送達デバイスおよびロックアウト機構がハウジングのチャンバ内に搭載されて示される。
【
図6】
図5の薬剤送達システムの別の部分的な縦断面側面図であり、カバーが主本体から部分的に取り外されて示され、ロックアウト機構がハウジングの再閉鎖を阻止することが示される。
【
図7】
図5の薬剤送達システムのロックアウト機構の斜視図である。
【
図8】本開示による薬剤送達システムの第3の実施形態の部分的な縦断面側面図であり、カバーがハウジングの主本体に結合されて示され、薬剤送達デバイスがハウジングのチャンバ内に搭載されて示される。
【
図9】
図8の薬剤送達システムのロックアウト機構の分解された部分的な縦断面側面図である。
【
図10】
図9のロックアウト機構のスロット内のピンの進行経路を例解する図である。
【
図11】薬剤送達デバイスを受容する前の
図8の薬剤送達システムのハウジングおよびロックアウト機構の部分的な縦断面側面図である。
【
図12】薬剤送達デバイスを受容する前の
図8の薬剤送達システムのロックアウト機構の側面図である。
【
図13】薬剤送達デバイスの受容時の
図8の薬剤送達システムのハウジングおよびロックアウト機構の部分的な縦断面側面図である。
【
図14】薬剤送達デバイスの受容時の
図8の薬剤送達システムのロックアウト機構の側面図である。
【
図15】システムのカバーを開放し、かつ薬剤送達デバイスを展開した際の
図8の薬剤送達システムのロックアウト機構の側面図である。
【
図16】ハウジング内の薬剤送達デバイスを交換し、カバーの再閉鎖を試みた際の
図8の薬剤送達システムのロックアウト機構の側面図である。
【0008】
いくつかの図面全体を通して、対応する参照符号は、対応する部品を示す。本明細書に記載される例証は、本開示の実施形態を例示しているが、いくつかの形態では、以下に開示される実施形態は、網羅的であること、または本発明の範囲を開示された厳密な形態に限定するように解釈されることを意図していない。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下でさらに詳細に説明するように、本開示のいくつかの実施形態による薬剤送達システムは、薬剤送達デバイスが使用後にハウジング内で交換されることを有利に阻止するロックアウト機構を含む。
【0010】
図1および
図2は、本開示の一実施形態による薬剤送達システム100を例解する。薬剤送達システム100は、概して、初期に薬剤送達デバイス104を搭載するハウジング102を含む。ハウジング102は、第1のハウジング部分とも称され得る、主本体106を含む。主本体106は、初期に薬剤送達デバイス104を受容する主チャンバ108を含む。ハウジング102は、第2のハウジング部分とも称され得るカバー110をさらに含む。
図1に例解されるように、カバー110は、初期に、主本体106の主チャンバ108に結合された主開口部112を覆う。したがって、カバー110は、初期に、主開口部112を介する主チャンバ108からの薬剤送達デバイス104の放出を阻止する。別の言い方をすれば、閉鎖位置では、カバー110は、主本体106に結合して、主開口部112を覆い、それにより、主開口部112を介する主チャンバ108からの薬剤送達デバイス104の放出を阻止する。
図2に例解されるように、カバー110は、主本体106に対して、主開口部112から離れて移動して、薬剤送達デバイス104が主チャンバ108から主開口部112を介して放出することを可能にし得る。別の言い方をすれば、開放位置では、カバー110は、主開口部112から離れて配設されて、主開口部112を介して主チャンバ108からの薬剤送達デバイス104の放出を可能にする。
【0011】
いくつかの実施形態では、例解されるように、主本体106は、長手方向軸114および垂直半径方向116を画定するほぼ管状または円筒形状を有する。主開口部112は、長手方向軸114に沿って配設された主本体106の端部118に配設され得、それにより、薬剤送達デバイス104は、長手方向軸114に沿って並進することによって、主本体106の主チャンバ108に入り、かつ出ることができる。代替的な実施形態では、主本体106は、他の形状を有し得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、例解されるように、カバー110は、主本体106への初期の結合を容易にするために、複数のラッチ特徴部122を含む。ラッチ特徴部122は、カバー110から主本体106への取り外し可能な結合を容易にする。いくつかの実施形態では、カバー110は、追加の様式または他の様式において主本体106に結合されてもよい。具体的な例として、例解されるように、カバー110は、ヒンジ111を介して主本体106にヒンジ結合され得る(
図2を参照)。いくつかの実施形態では、例解されるように、カバー110は、主本体106の主開口部112および主チャンバ108に初期に結合されるカバーチャンバ124を含む。カバーチャンバ124は、初期に、主チャンバ108とともに薬剤送達デバイス104を受容し得る。カバー110はまた、カバーチャンバ124に結合されたカバー開口部126(
図2)を含み得る。他の実施形態では、カバー110は、カバーチャンバ124およびカバー開口部126を欠いてもよい。
【0013】
図1および
図2を引き続き参照すると、薬剤送達デバイス104は、概して、デバイス本体128、およびノズルとも呼ばれ得る、薬剤デバイス104に、送出要素134内に搭載された薬剤130(
図2)を送出させるように動作可能なトリガーまたはプランジャ132を含む、単回使用デバイスであり得る。より具体的な例として、薬剤130は、粉末系薬剤であり得、トリガー132は、薬剤送達デバイス104内の圧力を増加させて、送出要素130からの薬剤130の送出を容易にするように動作可能であり得る。薬剤送達デバイス104は、グルカゴンなどの低血糖症を治療するための粉末系薬剤を送達するための鼻腔内デバイスであるとして例解的に示される。しかしながら、本開示の実施形態による薬剤送達デバイスは、エピネフリンなどのアナフィラキシーを治療するための液体系薬剤を送達するための注射器デバイス、または気管支拡張薬などの喘息の悪化を治療するためのエアロゾル系薬剤を送達するための経口吸入器デバイスなど、様々な他の形態をとり得る。
【0014】
図3および
図4は、部分的に長手方向断面で薬剤送達システム100を例解し、そのため薬剤送達デバイス104および薬剤送達システム100の再閉鎖を阻止するロックアウト機構136を含む、いくつかの内部構成要素が視認可能である。ハウジング102はまた、例解的に、主チャンバ108内に、薬剤送達デバイス104の送出要素134に近接する乾燥剤要素138を搭載する。一実施形態では、乾燥剤要素138は、内部に軸方向に延在する穴を画定する、環状形状である。穴は、デバイス104の一部分を受容するように構成される。一実施形態では、穴は、例えば、送出要素134などのデバイス104の一部分の輪郭形状に概して対応するように成形され得る。ロックアウト機構136は、概して、金属、プラスチックなどのような弾性特性を提供する1つ以上の材料で形成された薄い構成要素である、弾性部材140を含む。弾性部材140は、デバイス本体128と乾燥剤要素138との間に配設された半径方向に延在する脚部分142(
図3)を含む。脚部分142は、概して縦方向に延在する背部分144に結合し、順に、主チャンバ108の主開口部112の近くに配設された、概して半径方向に延在するアーム部分146に結合する。このように、弾性部材140は、概してZ形状である。
【0015】
図3に例解されるように、弾性部材140のアーム部分146は、初期に、カバーチャンバ124内のカバー110と係合する。別の言い方をすれば、弾性部材140は、カバー110が閉鎖位置を占めるとき、アーム部分146がカバーチャンバ124内のカバー110と係合する初期位置を占める。初期位置では、アーム部分146および/または背部分144は、エネルギーを偏向および蓄積する。別の言い方をすれば、弾性部材140は、初期位置において載荷される。
図3の例解された初期位置では、カバー110のラッチ特徴部122は、アーム部分146からの干渉なしに、主本体106と自由に係合し、かつ結合する。
【0016】
図4に例解されるように、カバー110が閉鎖位置から開放位置に移動するとき、弾性部材140は、カバー110と係合解除し、ロックアウト位置に移動する。別の言い方をすれば、弾性部材140は、蓄積されたエネルギーを解放するか、または除荷されて(本明細書で使用されるように、初期位置に対して載荷が少ないことを意味する)、ロックアウト位置に移動する。ロックアウト位置では、弾性部材140のアーム部分146は、主チャンバ108の長手方向および半径方向外側に配設される。結果として、アーム部分146は、例えば、薬剤送達デバイス104のハウジング102からの取り外し、および薬剤送達デバイス104の使用後に、ハウジング102を再閉鎖すること、またはカバー110を開放位置から閉鎖位置に移動することを阻止および/または妨げる。
図4の例解されたロックアウト位置では、アーム部分146は、半径方向外向きに突出して、カバー110のラッチ特徴部122と主本体106との間の接続に干渉する。
【0017】
図5および
図6は、本開示の別の実施形態による、部分的な長手方向断面における薬剤送達システム200を例解する。薬剤送達システム200は、ハウジング202および薬剤送達デバイス204を含み、これらは、それぞれ、上で説明されるハウジング102および薬剤送達デバイス104と類似するか、または同一であり得る。薬剤送達システム200はまた、概してカバーチャンバ224内に搭載されるロックアウト機構236を含む。ロックアウト機構236は、概して、金属、プラスチックなどのような弾性特性を提供する1つ以上の材料で形成された薄い構成要素である、弾性部材240を含む。弾性部材240は、以下でさらに詳細に説明するように、カバー210に結合するヘッド部分248を含む。ヘッド部分248は、概して縦方向に延在する背部分250に結合し、順に、カバー開口部226の近くに配設された、概して半径方向に延在するつま先部分252に結合する。
【0018】
図5に例解されるように、弾性部材240のつま先部分252は、初期に、主チャンバ208内のハウジング202の主本体206と係合する。別の言い方をすれば、弾性部材240は、カバー210が閉鎖位置を占めるとき、つま先部分252が主チャンバ208内の主本体206と係合する初期位置を占める。初期位置では、つま先部分252および/または背部分250は、エネルギーを偏向および蓄積する。別の言い方をすれば、弾性部材240は、初期位置において載荷される。
図5の例解された初期位置では、カバー210のラッチ特徴部222は、つま先部分252からの干渉なしに、主本体206と自由に係合し、かつ結合する。
【0019】
図6に例解されるように、カバー210が閉鎖位置から開放位置に移動するとき、弾性部材240は、主本体206と係合解除し、ロックアウト位置に移動する。別の言い方をすれば、弾性部材240は、蓄積されたエネルギーを解放するか、または除荷されて、ロックアウト位置に移動する。ロックアウト位置では、弾性部材240のつま先部分252は、主チャンバ208の長手方向および半径方向外側に配設される。結果として、つま先部分252は、例えば、薬剤送達デバイス204のハウジング202からの取り外し、および薬剤送達デバイス204の使用後に、ハウジング202を再閉鎖すること、またはカバー210を開放位置から閉鎖位置に移動することを阻止および/または妨げる。
図6の例解されたロックアウト位置では、つま先部分252は、半径方向外向きに突出して、カバー210のラッチ特徴部222と主本体206との間の接続に干渉する。
【0020】
図7は、ロックアウト機構236の斜視図を例解する。ロックアウト機構236のヘッド部分248は、例解的に、ロックアウト機構236をカバー210(
図5および
図6に示される)に結合するための複数の結合特徴部、具体的には、複数の突出バーブ254を含む。
【0021】
薬剤送達システム100および薬剤送達システム200を含む、本開示による薬剤送達システムの様々な実施形態では、システムは、部分的に、比較的薄いツールまたは固定具を使用して、弾性部材を初期位置に向かって移動させ、弾性部材がカバーの内側と係合して初期位置を占めるように、カバーを素早く閉鎖することによって、組み立てられ得る。以下に説明される実施形態を含む、他の実施形態では、システムは、異なる組立プロセスを使用することを容易にする構成要素を含み得る。
【0022】
図8は、本開示のさらに別の実施形態による、部分的な長手方向断面における薬剤送達システム300を例解する。薬剤送達システム300は、ハウジング302および薬剤送達デバイス304を含み、これらは、カバー310が、以下でさらに詳細に説明するような薬剤送達デバイス304と係合するための、そのうちの1つが
図8に示される、複数の長手方向に延在するリブ356を含むことを除いて、それぞれ、上で説明されるハウジング102および薬剤送達デバイス104と類似するか、または同一であり得る。薬剤送達システム300はまた、概して乾燥剤要素338内に搭載され、送出要素334を取り囲むロックアウト機構336を含む。ロックアウト機構336は、概して、乾燥剤要素338に結合されたシャトルホルダ358、シャトルホルダ358に対して並進し、薬剤送達デバイス304の送出要素334に結合するシャトル360、および弾性部材340、例解的に、シャトルホルダ358をシャトル360に結合する圧縮ばねを含む。弾性部材340は、シャトル360および薬剤送達デバイス304を、ハウジング302の主開口部312に向けて付勢する。これらの態様は、以下でさらに詳しく説明される。シャトルホルダ358は、乾燥剤要素338に結合され、そのため例解目的でのみ構成要素間に間隙が示されていても、シャトルホルダ358および乾燥剤要素338は、互いに回転的にロックされるか、および軸方向にロックされるかのうちの少なくとも1つである。一例では、円筒形状を有するシャトルホルダ358の外側半径方向表面は、半径方向締まりばめを介して乾燥剤要素338内に形成される穴によって画定される内部表面に結合するが、他の結合機構、例えば、接着剤、ねじ山の係合、2つの構成要素間のピン/スロット係合などが利用されてもよい。一実施形態では、送出要素334およびシャトルホルダ358などの薬剤送達デバイスの部分は、同軸関係にあり、ならびに/またはシャトルホルダ358は、乾燥剤要素338に対して回転的にロックされる、および軸方向にロックされる、のうちの少なくとも1つである。
【0023】
図9は、シャトル360、弾性部材340、およびシャトルホルダ358を含む、ロックアウト機構336の分解縦断面図を例解する。シャトル360は、薬剤送達デバイス304(
図8に示される)の送出要素334を受容するためのシャトル開口部364を画定するシャトル本体362を含み、送出要素334に結合するためのベース部分366は、シャトル開口部364の下に配設される。シャトル本体362はまた、弾性部材340に結合するためのシャトルフランジ367と、シャトル360がシャトルホルダ358から外れるのを阻止するための複数の停止要素368と、を含む。シャトルホルダ358は、弾性部材340およびシャトル360を受容するための通路372を画定するホルダ本体370を含む。ホルダ本体370はまた、弾性部材340に結合し、シャトル360の停止要素368と係合するためのホルダフランジ374を含む。
【0024】
図9を引き続き参照すると、ロックアウト機構336はまた、半径方向に延在するピン376およびピン376を並進的に受容するための非対称スロット378を含み、これらはともにピンアンドスロット接続と称され得、薬剤送達システム300を再閉鎖することを阻止する。いくつかの実施形態では、例解されるように、シャトル360は、ピン376を含み、シャトルホルダ358は、スロット378を含む。他の実施形態では、シャトル360が、スロット378を含み得、シャトルホルダ358が、ピン376を含み得る。いくつかの実施形態では、例解されるように、ロックアウト機構336は、単一のピンアンドスロット接続(すなわち、1つのスロット378内に並進可能に受容される1つのピン376)を含む。他の実施形態では、ロックアウト機構336は、複数のピンアンドスロット接続(すなわち、各々が異なるスロット378内で受容される複数のピン376)を含む。具体的な例として、ロックアウト機構336は、弾性部材340に適用される力のバランスをとるために2つのピンアンドスロット接続を含む。
【0025】
組み立てを容易にするために、シャトルホルダ358は、シャトル360の挿入を可能にし、ピン376(または複数のピン376)を収容するように変形し得る。ピン376が挿入される際、通路372の端部におけるテーパ379は、組み立て中にピン376のためのスペースを提供するために、ピン376の引き込みを提供して、シャトルホルダ358の壁が一時的に変形するように付勢する。
【0026】
図10は、シャトル360がシャトルホルダ358(他の場所に示される)に対して移動する際の、スロット378内のピン376のピンアンドスロット接続および進行経路380を例解する。
図10を引き続き参照し、
図11~
図12を追加的に参照すると、ハウジング302が薬剤送達デバイス304(他の場所に示される)を受容し、ロックアウト機構336が薬剤送達デバイス304(他の場所に示される)の送出要素334を受容する前に、シャトル360のピン376は、シャトルホルダ358のスロット378内の組立前位置P1を占める。
【0027】
図8、
図10、および
図13~
図14を参照すると、薬剤送達デバイス304を主チャンバ308内に設置し、主本体306に対してカバー310を閉鎖することは、カバー310のリブ356(
図8を参照)に、薬剤送達デバイス304をさらに主チャンバ308に、または貯蔵位置に押圧させる。この作用は、薬剤送達デバイス304の送出要素334(
図13を参照)が、シャトル360のベース部分366と係合し、それにより、薬剤送達デバイス304が、シャトル360をシャトルホルダ358に対してさらに主チャンバ308に押圧することをもたらす。結果として、ピン376は、スロット378内の初期位置P2に並進する。スロット378の形状に起因して、ピン376は、初期位置P2に移動するとき、シャトル360がシャトルホルダ358に対して回転するにつれて、長手方向軸314(
図10)に対して対角線上に、または長手方向軸314に沿って、および長手方向軸314に対して垂直に並進する。加えて、弾性部材340は、シャトルフランジ367とホルダフランジ374との間で圧縮される。薬剤送達システム300は、カバー310が閉鎖され、薬剤送達デバイス304が貯蔵位置にあり、ピン376が初期位置P2にあるときに、ユーザに提供され得る。
【0028】
カバー310を開放することは、リブ356(
図8を参照)を薬剤送達デバイス304と係合解除させ、弾性部材340が除荷することを可能にし、それにより、シャトル360の停止要素368が、シャトルホルダ358のホルダフランジ374に接触するまで、シャトル360をシャトルホルダ358に対して主開口部312に向かって並進させる。結果として、薬剤送達デバイス304は、主本体306に対して展開位置に移動し、薬剤送達デバイス304は、そこから薬剤を放出するために、ハウジング302から取り外され得る。
図10および
図15を参照すると、シャトルホルダ358に対するシャトル360の上記の並進は、ピン376を初期位置P2から離れて第1のロックアウト位置P3に向かって並進させる。すなわち、ピン376は、シャトル360がシャトルホルダ358に対して回転する際、長手方向軸314に沿って、および長手方向軸314に対して垂直に並進する。さらに、ピン376は、スロット378の形状、具体的には、初期位置P2と組立前位置P1との間に長手方向および円周方向に配設された第1の頂点382の存在に起因して、組立前位置P1に戻らない。
【0029】
使用後、薬剤送達デバイス304は、展開位置において主本体306内で交換され得る。主本体306上のカバー310の再閉鎖を試みることは、カバー310のリブ356(
図8を参照)に薬剤送達デバイス304を押圧させ、これにより、薬剤送達デバイス304の送出要素334(
図13を参照)にシャトル360のベース部分366を押圧させ、シャトル360は、それにより、シャトルホルダ358に対して主チャンバ308にさらに移動する。
図10および
図16を参照すると、シャトルホルダ358に対するシャトル360の並進は、ピン376を第1のロックアウト位置P3から離れて第2のロックアウト位置P4に向かって並進させる。ピン376は、スロット378の形状、具体的には、第1のロックアウト位置P3と初期位置P2との間に長手方向および円周方向に第2の頂点384が存在することに起因して、初期位置P2に戻らない。第2のロックアウト位置P4は、長手方向軸314に沿って第1のロックアウト位置P3の近くに配設され、ピン376が第1のロックアウト位置P3から第2のロックアウト位置P4に移動するとき、シャトル360は、シャトルホルダ358に対して回転しない。結果として、薬剤送達デバイス304は、カバー310が主本体306上で再閉鎖することを可能にするのに十分な距離で主チャンバ308に入らない。
【0030】
本開示のいくつかの実施形態による送達システムは、薬剤送達デバイスの代わりに、他のタイプのデバイス、製品、または物体を含み得る。例えば、本開示のいくつかの実施形態による送達システムは、注射器、アプリケータ、吸引用カテーテル、歯科用カルプル、初期滅菌/一回使用の外科用デバイスなどの様々なタイプの使い捨て/一回使用の製品を含み得る。
【0031】
本発明の実施形態は、例示的な設計を有するものとして説明されてきたが、本開示の実施形態は、この開示の趣旨および範囲内で、さらに変更されてもよい。それゆえに、本出願は、その一般原則を使用して、本開示の実施形態のあらゆる変形、使用、または適合を包含することが意図されている。
【0032】
以下の態様を含むがこれらに限定されない様々な態様が、本開示に記載されている。
【0033】
態様1.薬剤送達システムであって、薬剤を搭載し、かつ送達するように構成された薬剤送達デバイスと、ハウジングであって、薬剤送達デバイスを搭載するチャンバおよびチャンバに結合された開口部を備える主本体を備える、ハウジングと、主本体に結合されたカバーであって、カバーが、主本体に対して閉鎖位置から開放位置に移動可能であり、閉鎖位置では、カバーが開口部を覆い、それにより、開口部を介するチャンバからの薬剤送達デバイスの放出を阻止し、開放位置では、カバーが開口部を介するチャンバからの薬剤送達デバイスの放出を可能にする、カバーと、ハウジングによって搭載されるロックアウト機構であって、ロックアウト機構が、開放位置に移動した後にカバーが閉鎖位置に戻ることを阻止するように構成された、ロックアウト機構と、を備える、薬剤送達システム。
【0034】
態様2.ロックアウト機構が、初期位置からロックアウト位置に移動可能であり、カバーが閉鎖位置を占めるとき、ロックアウト機構が初期位置を占め、およびカバーが開放位置を占めて、カバーが閉鎖位置に戻ることを阻止するとき、ロックアウト機構がロックアウト位置を占める、態様1に記載の薬剤送達システム。
【0035】
態様3.ロックアウト機構が、ロックアウト位置において開口部を通って延在する、態様2に記載の薬剤送達システム。
【0036】
態様4.チャンバが、主チャンバであり、開口部が、主開口部であり、カバーが、ロックアウト機構を搭載するカバーチャンバおよびカバーチャンバに結合されたカバー開口部を備え、ロックアウト機構が、ロックアウト位置においてカバー開口部を通って延在する、態様2に記載の薬剤送達システム。
【0037】
態様5.ロックアウト機構が、チャンバ内で搭載される、態様1~4のいずれか一項に記載の薬剤送達システム。
【0038】
態様6.チャンバが、主チャンバであり、カバーが、カバーチャンバを備え、ロックアウト機構が、カバーチャンバ内に搭載されている、態様1~5のいずれか一項に記載の薬剤送達システム。
【0039】
態様7.ロックアウト機構が、カバーと干渉して、カバーが開放位置に移動した後に閉鎖位置に戻ることを阻止するように構成された弾性部材を備える、態様1~6のいずれか一項に記載の薬剤送達システム。
【0040】
態様8.ロックアウト機構が、主本体と干渉して、カバーが開放位置に移動した後に閉鎖位置に戻ることを阻止するように構成された弾性部材を備える、態様1~7のいずれか一項に記載の薬剤送達システム。
【0041】
態様9.薬剤送達デバイスが、主本体に対して貯蔵位置から展開位置まで移動可能であり、閉鎖位置では、カバーが薬剤送達デバイスを貯蔵位置内に保持し、および開放位置では、カバーが、ロックアウト機構が薬剤送達デバイスを展開位置に付勢することを可能にする、態様1~8のいずれか一項に記載の薬剤送達システム。
【0042】
態様10.ロックアウト機構が、薬剤送達デバイスが展開位置に移動した後に、貯蔵位置に戻ることを阻止し、それにより、カバーが開放位置に移動した後に、閉鎖位置に戻ることを阻止するように構成される、態様9に記載の薬剤送達システム。
【0043】
態様11.ロックアウト機構が、薬剤送達デバイスを搭載するシャトルと、シャトルを並進可能に搭載するシャトルホルダと、シャトルおよびシャトルホルダを結合する弾性部材であって、弾性部材が、シャトルおよび薬剤送達デバイスを貯蔵位置から離れて展開放位置に向かって付勢する、弾性部材と、を備える、態様9に記載の薬剤送達システム。
【0044】
態様12.以下のうちの少なくとも1つである、(i)ロックアウト機構は、ピンアンドスロット接続をさらに備え、ピンアンドスロット接続が、シャトルをシャトルホルダに結合し、薬剤送達デバイスが展開位置に移動した後に貯蔵位置に戻ることを阻止するように構成され、ピンアンドスロット接続が、それにより、カバーが開放位置に移動した後に閉鎖位置に戻ることを阻止するように構成されるか、または(ii)システムが、薬剤送達デバイスおよびシャトルホルダの一部分を受容するように構成された環状乾燥剤要素をさらに備え、薬剤送達デバイスおよびシャトルホルダの該一部分が、同軸関係にあり、シャトルホルダが、環状乾燥剤に対して回転的にロックされる、および軸方向にロックされる、のうちの少なくとも1つである、態様11に記載の薬剤送達システム。
【0045】
態様13.薬剤送達システムであって、薬剤を搭載し、かつ送達するように構成された薬剤送達デバイスと、ハウジングであって、薬剤送達デバイスを搭載するチャンバおよびチャンバに結合された開口部を備える第1のハウジング部分と、第1のハウジング部分に結合された第2のハウジング部分であって、第2のハウジング部分が、初期に開口部を覆い、それにより、開口部を介するチャンバからの薬剤送達デバイスの放出を阻止し、第2のハウジング部分が、ハウジングを開放するために第1のハウジング部分に対して移動可能であり、開口部を介するチャンバからの薬剤送達デバイスの放出を可能にする、第2のハウジング部分と、ハウジングによって搭載されるロックアウト機構であって、ハウジングが開放された後に再閉鎖することを阻止するように構成された、ロックアウト機構と、を備える、ハウジングと、を備える、薬剤送達システム。
【0046】
態様14.ロックアウト機構が、第2のハウジング部分と干渉して、ハウジングが開放された後に再閉鎖されることを阻止するように構成された弾性部材を備える、態様13に記載の薬剤送達システム。
【0047】
態様15.ロックアウト機構が、第1のハウジング部分と干渉して、ハウジングが開放された後に再閉鎖されることを阻止するように構成された弾性部材を備える、態様13~14のいずれか一項に記載の薬剤送達システム。
【0048】
態様16.薬剤送達システムであって、薬剤を搭載し、かつ送達するように構成された薬剤送達デバイスと、ハウジングであって、薬剤送達デバイスを搭載するチャンバおよびチャンバに結合された開口部を備える主本体を備えるハウジングと、主本体に結合されたカバーであって、カバーが、主本体に対して、閉鎖位置から開放位置に移動可能であり、閉鎖位置では、カバーが開口部を覆い、それにより、開口部を介するチャンバからの薬剤送達デバイスの放出を阻止し、開放位置では、カバーが開口部を介するチャンバからの薬剤送達デバイスの放出を可能にするカバーと、ハウジングによって搭載されるロックアウト機構であって、ロックアウト機構が、初期位置からロックアウト位置まで移動可能であり、ロックアウト機構が、カバーが閉鎖位置を占めるとき、初期位置を占め、ロックアウト機構が、カバーが開放位置を占めるときにロックアウト位置を占め、ロックアウト位置において、ロックアウト機構が、薬剤送達デバイスおよびロックアウト機構のうちの1つをハウジングの外側に配設させ、それにより、カバーが閉鎖位置に戻ることを阻止する、ロックアウト機構と、を備える、薬剤送達システム。
【0049】
態様17.ロックアウト機構が、弾性部材を含み、ロックアウト位置では、弾性部材がハウジングの外側に配設され、それにより、カバーが閉鎖位置に戻ることを阻止する、態様16に記載の薬剤送達システム。
【0050】
態様18.弾性部材が、初期位置において載荷され、ロックアウト位置で除荷される、態様17に記載の薬剤送達システム。
【0051】
態様19.ロックアウト位置において、薬剤送達デバイスが、開口部を通って延在し、それにより、カバーが閉鎖位置に戻ることを阻止する、態様16~18のいずれか一項に記載の薬剤送達システム。
【0052】
態様20.ロックアウト機構が、弾性部材を備え、弾性部材が初期位置で載荷され、ロックアウト位置で除荷され、ロックアウト位置では、弾性部材が、薬剤送達デバイスを開口部を通って延在するように付勢し、それにより、カバーが閉鎖位置に戻ることを阻止する、態様19に記載の薬剤送達システム。