(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-07
(45)【発行日】2024-02-16
(54)【発明の名称】電池、電力消費装置、電池の製造方法及び電池の製造装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/291 20210101AFI20240208BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20240208BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20240208BHJP
H01M 50/271 20210101ALI20240208BHJP
H01M 50/588 20210101ALI20240208BHJP
H01M 50/593 20210101ALI20240208BHJP
【FI】
H01M50/291
H01M50/204 401Z
H01M50/249
H01M50/271 S
H01M50/588
H01M50/593
(21)【出願番号】P 2022552640
(86)(22)【出願日】2021-07-28
(86)【国際出願番号】 CN2021109066
(87)【国際公開番号】W WO2023004648
(87)【国際公開日】2023-02-02
【審査請求日】2022-09-01
(73)【特許権者】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100106220
【氏名又は名称】大竹 正悟
(72)【発明者】
【氏名】唐 ▲ゆう▼
(72)【発明者】
【氏名】曾 智敏
(72)【発明者】
【氏名】楊 海奇
(72)【発明者】
【氏名】黄 小騰
(72)【発明者】
【氏名】王 鵬
【審査官】守安 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-276997(JP,A)
【文献】特表2022-543185(JP,A)
【文献】特開2021-007090(JP,A)
【文献】特開2009-146795(JP,A)
【文献】中国実用新案第212874635(CN,U)
【文献】特開2019-129042(JP,A)
【文献】特開2018-005984(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20
H01M 50/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池セルと、
ボックスと、
前記ボックスを第1収容部と第2収容部とに仕切るための仕切アセンブリと、を含み、
前記第1収容部は電気部品を収容するために用いられ、前記第2収容部は前記電池セルを収容するために用いられ、
前記仕切アセンブリには連通部が形成され、前記電気部品は接続部品を介して前記電池セルと電気的に接続され、前記接続部品は前記連通部を貫通し、
前記仕切アセンブリは
互いに接続される第1仕切部材と第2仕切部材とを有し、
前記第1仕切部材の端部及び前記第2仕切部材の端部のうちの一方又は両方に凹溝が設けられ、前記第1仕切部材
の端部と前記第2仕切部材
の端部とを
接続したとき、前記凹溝によって前記連通部が形成される、
電池。
【請求項2】
前記第1仕切部材及び前記第2仕切部材は、取り外し可能な形態で接続される、請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記第1仕切部材及び前記第2仕切部材のうちの一方に凹溝が設けられ、前記凹溝は端部に開口を有し、前記第1仕切部材
の端部と前記第2仕切部材
の端部とを
接続したとき、前記開口が塞がれて前記連通部が形成される、請求項1又は2に記載の電池。
【請求項4】
前記凹溝は前記第1仕切部材及び前記第2仕切部材のうちの一方を第1方向に沿って貫通する、請求項3に記載の電池。
【請求項5】
前記開口は前記第1仕切部材及び前記第2仕切部材のうちの一方の端部に第2方向に沿って設けられ、前記第2方向は前記第1方向と垂直である、請求項4に記載の電池。
【請求項6】
前記第1仕切部材及び前記第2仕切部材にはいずれも凹溝が形成され、前記第1仕切部材
の端部と前記第2仕切部材
の端部とを
接続したとき、前記第1仕切部材の凹溝と前記第2仕切部材の凹溝が対向して配置され、前記連通部が形成される、請求項1又は2に記載の電池。
【請求項7】
前記ボックスは
互いに接続される上カバー及び筐体を有し、前記第1仕切部材は前記上カバーに接続され、前記第2仕切部材は前記筐体に接続される、請求項1~6のいずれか一項に記載の電池。
【請求項8】
前記上カバーは第1カバー及び第2カバーを含み、
前記第1カバーと前記仕切アセンブリと前記筐体とで囲まれた空間は前記第1収容部を形成し、
前記第2カバーと前記仕切アセンブリと前記筐体とで囲まれた空間は前記第2収容部を形成する、請求項7に記載の電池。
【請求項9】
前記第1カバーと前記第2カバーは互いに離して設置される、請求項8に記載の電池。
【請求項10】
前記第1仕切部材は、前記第1カバー及び前記第2カバーに着脱可能な形態で密封固定される、請求項8又は9に記載の電池。
【請求項11】
前記第2仕切部材は前記筐体と一体的に形成される、請求項7~10のいずれか一項に記載の電池。
【請求項12】
前記第2仕切部材は、前記筐体に着脱可能な形態で固定される、請求項7~10のいずれか一項に記載の電池。
【請求項13】
前記連通部内に取り付け部品が設けられ、前記取り付け部品は前記接続部品を取り付けるために用いられる、請求項1~12のいずれか一項に記載の電池。
【請求項14】
前記取り付け部品は前記接続部品と前記仕切アセンブリとを絶縁するために用いられる、請求項13に記載の電池。
【請求項15】
前記取り付け部品は前記連通部と係合し、且つ前記取り付け部品にクリップ凹部が形成され、前記クリップ凹部は前記接続部品を固定するために用いられる、請求項13又は14に記載の電池。
【請求項16】
前記第1仕切部材及び前記第2仕切部材のうちの一方に位置決め凸部が形成され、他方に位置決め凹部が形成され、前記位置決め凸部及び前記位置決め凹部は、前記仕切アセンブリの延伸方向に沿って設けられ、
前記位置決め凸部及び前記位置決め凹部を嵌合することにより、前記第1仕切部材及び前記第2仕切部材が組み立てられる、請求項1~15のいずれか一項に記載の電池。
【請求項17】
電気エネルギーを供給するために用いられる請求項1~16のいずれか一項に記載の電池を含む電力消費装置。
【請求項18】
電池セルを提供するステップと、
ボックスを提供するステップと、
前記ボックスを第1収容部と第2収容部とに仕切るための仕切アセンブリを提供するステップであって、前記第1収容部は電気部品を収容するために用いられ、前記第2収容部は前記電池セルを収容するために用いられ、前記仕切アセンブリは
互いに接続される第1仕切部材と第2仕切部材とを有するステップと、
前記仕切アセンブリを前記ボックスに取り付けるとともに、前記第1仕切部材
の端部と前記第2仕切部材
の端部とを
接続することにより前記仕切アセンブリに連通部を形成し、前記電気部品と前記電池セルが接続部品を介して電気的に接続され、前記接続部品は前記連通部を貫通するステップと、を含む電池の製造方法。
【請求項19】
電池セルを提供するための第1提供モジュールと、
ボックスを提供するための第2提供モジュールと、
前記ボックスを第1収容部と第2収容部とに仕切るための仕切アセンブリを提供するための第3提供モジュールであって、前記第1収容部は電気部品を収容するために用いられ、前記第2収容部は前記電池セルを収容するために用いられ、前記仕切アセンブリは
互いに接続される第1仕切部材と第2仕切部材とを有する第3提供モジュールと、
前記仕切アセンブリを前記ボックスに取り付けるとともに、前記第1仕切部材
の端部と前記第2仕切部材
の端部とを
接続したとき前記仕切アセンブリに連通部を形成
され、前記電気部品と前記電池セルが接続部品を介して電気的に接続され、前記接続部品は前記連通部を貫通する取り付けモジュールと、を含む電池の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願はエネルギー貯蔵装置の分野に関し、より具体的には、電池、電力消費装置、電池の製造方法及び電池の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
省エネルギーと排出削減は、自動車産業の持続可能な発展におけるキーポイントである。このような状況において、電動車両は省エネルギーで環境に優しいというその利点から、自動車産業の持続可能な発展における重要な構成部分となっている。電動車両にとって、電池技術はその発展に関わる重要な要素である。
【0003】
電池技術の絶え間ない発展に伴って、電池の性能に対してより高い要件が求められており、電池の設計上、多方面の要素を同時に考慮できることが期待されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、電池の安全性を向上させる電池、電力消費装置、電池の製造方法及び電池の製造装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1側面において、電池セルと、ボックスと、前記ボックスを第1収容部と第2収容部とに仕切るための仕切アセンブリと、を含み、前記第1収容部は電気部品を収容するために用いられ、前記第2収容部は前記電池セルを収容するために用いられ、前記仕切アセンブリには連通部が形成され、前記電気部品は接続部品を介して前記電池セルと電気的に接続され、前記接続部品は前記連通部を貫通し、前記仕切アセンブリはつながっている第1仕切部材と第2仕切部材とを有し、前記第1仕切部材と前記第2仕切部材とを組み立てることにより前記連通部が形成される電池を提供する。
【0006】
電池は、ボックスに電池セル及び高圧、低圧の電気部品を収容している。電池セルが破壊された等の状況では、電池セルから漏洩する高温、高圧の排出物が電気部品に悪影響を及ぼし、ひいては発火、爆発等の問題を引き起こすおそれがある。
【0007】
本願実施例の技術的解決手段は、仕切アセンブリを介して、ボックスを、電気部品を収容する第1収容部と電池セルを収容する第2収容部とに仕切ることにより、電池セルが破壊されて高温、高圧の排出物が噴き出しても、仕切アセンブリにより該排出物を遮断し、電気部品への影響を防ぎ、電池の安全性を向上させることができる。さらに、仕切アセンブリが第1仕切部材と第2仕切部材から形成されているため、仕切アセンブリの取り付け性を向上させることができ、仕切アセンブリを有するボックスを効率よく生産することができる。第1収容部に収容された電気部品と第2収容部に収容された電池セルとを電気的に接続するために、仕切アセンブリに連通部を形成し、電気的に接続された部品に該連通部を貫通させる必要がある。本願において、連通部は第1仕切部材と第2仕切部材とを組み立てることにより形成される。これにより、一体型の仕切アセンブリに貫通孔を直接開ける等のような形成の形態と比較して、連通部の状態を直感的かつ簡単に見ることができ、接続部品を連通部に安定して設置することが容易であり、仕切アセンブリ及びボックス全体の組み立て性を向上させ、生産性を向上させることができる。
【0008】
いくつかの実施例では、前記第1仕切部材及び前記第2仕切部材は、取り外し可能な形態で接続される。これにより、第1仕切部材と第2仕切部材とを容易に分解することができる。さらに、第1仕切部材及び第2仕切部材はボックスの上カバー及び筐体にそれぞれ取り付けることができ、仕切アセンブリの取り付け及び取り外し性をいっそう向上させることができる。
【0009】
いくつかの実施例では、前記第1仕切部材及び前記第2仕切部材のうちの一方に凹溝が設けられ、前記凹溝は端部に開口を有し、前記第1仕切部材及び前記第2仕切部材を組み立てることにより、前記開口が塞がれて前記連通部が形成される。
【0010】
いくつかの実施例では、前記凹溝は前記第1仕切部材及び前記第2仕切部材のうちの一方を第1方向に沿って貫通する。
【0011】
いくつかの実施例では、前記開口は前記第1仕切部材及び前記第2仕切部材のうちの一方の端部に第2方向に沿って設けられ、前記第2方向は前記第1方向と垂直である。
【0012】
これにより、第1仕切部材と第2仕切部材とを取り付けていない時、凹溝内の状態をはっきり見ることができ、凹溝に接続部品を簡単に入れることができるとともに、第1仕切部材と第2仕切部材とを組み合わせて取り付けるだけで、一方の仕切部材の凹溝の開口を他方の仕切部材の平坦な端面で塞いで連通部を形成することができ、接続部品を安定して保持することができる。
【0013】
いくつかの実施例では、前記第1仕切部材及び前記第2仕切部材にはいずれも凹溝が形成され、前記第1仕切部材と前記第2仕切部材を組み立てることにより、前記第1仕切部材の凹溝と前記第2仕切部材の凹溝が対向して配置され、前記連通部が形成される。これにより、第1仕切部材と第2仕切部材の汎用性を高めることができ、取り付ける時、作業員は2つの仕切部材の上下位置関係を確認するために時間を費やす必要がなく、より簡便に仕切アセンブリを取り付けることができる。
【0014】
いくつかの実施例では、前記ボックスはつながっている上カバー及び筐体を有し、前記第1仕切部材は前記上カバーに接続され、前記第2仕切部材は前記筐体に接続される。これにより、上カバーが上方になるようにボックスを立てて設置した場合、第1仕切部材が上方に位置し、第2仕切部材が下方に位置することが明確になる。
【0015】
いくつかの実施例では、前記上カバーは第1カバー及び第2カバーを含み、前記第1カバーと前記仕切アセンブリと前記筐体とで囲まれた空間は前記第1収容部を形成し、前記第2カバーと前記仕切アセンブリと前記筐体とで囲まれた空間は前記第2収容部を形成する。いくつかの実施例では、前記第1カバーと前記第2カバーは互いに離して設置される。仕切アセンブリを介してボックス内の空間を互いに独立した第1収容部と第2収容部とに仕切るとともに、第1カバーと第2カバーとが離れて設置されるため、電気部品のメンテナンスや交換が必要な場合、第1カバーを取り外すだけでよく、煩雑な作業を削減し、作業スペースを節約することができる。
【0016】
いくつかの実施例では、前記第1仕切部材は、前記第1カバー及び前記第2カバーに着脱可能な形態で密封固定される。これにより、第1仕切部材が第1カバーと第2カバーの両方に取り付けられ、1つの仕切アセンブリを介してボックス内の空間を第1収容部と第2収容部とに仕切ることが可能である、ということが明確になる。第1カバーと第2カバーの高さが異なる場合、第1仕切部材の、第1カバーと固定される部分と第2カバーと固定される部分との間に段差を形成することができる。さらに、第1仕切部材は第1カバー及び第2カバーのいずれとも密封されている。これにより、第2収容部内の電池セルが破壊されて高温、高圧の排出物が吹き出しても、第1仕切部材と第1カバー及び第2カバーとの接続箇所からボックスの外部に漏れることを防止して、電池全体の安全性を向上させることができる。
【0017】
いくつかの実施例では、前記第2仕切部材は前記筐体と一体的に形成される。これにより、成型の段階で第2仕切部材が形成されたボックスを提供することができ、仕切アセンブリの加工と組み立ての効率が向上する。
【0018】
いくつかの実施例では、前記第2仕切部材は、前記筐体に着脱可能な形態で固定される。これにより、組み立ての自由度を増すことができる。例えば、第1仕切部材と第2仕切部材とを予め組み立ててからボックスに組み立てることができ、又は第2仕切部材を筐体に取り付けた後、第2仕切部材に対して第1仕切部材を取り付けることもできる。第2仕切部材は、筐体と密封固定されてもよい。
【0019】
いくつかの実施例では、前記連通部内に取り付け部品が設けられ、前記取り付け部品は前記接続部品を取り付けるために用いられる。これにより、取り付け部品を介して接続部品をより安定して設置することができ、組み立ての信頼性が向上する。
【0020】
いくつかの実施例では、前記取り付け部品は前記接続部品と前記仕切アセンブリとを絶縁するために用いられる。本願における接続部品には高圧ケーブルが含まれており、取り付け部品を介して接続部品と仕切アセンブリとを絶縁することにより、接続部品の絶縁安全性をさらに向上させることができる。
【0021】
いくつかの実施例では、前記取り付け部品は前記連通部と係合し、且つ前記取り付け部品にクリップ凹部が形成され、前記クリップ凹部は前記接続部品を固定するために用いられる。これにより、取り付け部品が連通部に係合するとともに接続部品を挟み込んで固定し、接続部品を簡便にかつ安定して取り付けることができる。
【0022】
前記第1仕切部材及び前記第2仕切部材のうちの一方に位置決め凸部が形成され、他方に位置決め凹部が形成され、前記位置決め凸部及び前記位置決め凹部は、前記仕切アセンブリの延伸方向に沿って設けられ、前記位置決め凸部及び前記位置決め凹部を嵌合することにより、前記第1仕切部材及び前記第2仕切部材が組み立てられる。すなわち、第1仕切部材及び第2仕切部材の位置決め精度を保証するために、仕切部材には位置決めのための凹部及び凸部が設けられる。これにより、仕切アセンブリの組み立て精度を向上させることができる。
【0023】
第2側面は、第1側面の電池を含む電力消費装置を提供する。前記電池は、電気エネルギーを供給するために用いられる。
【0024】
第3側面は、電池セルを提供するステップと、ボックスを提供するステップと、前記ボックスを第1収容部と第2収容部とに仕切るための仕切アセンブリを提供するステップであって、前記第1収容部は電気部品を収容するために用いられ、前記第2収容部は前記電池セルを収容するために用いられ、前記仕切アセンブリはつながっている第1仕切部材と第2仕切部材とを有するステップと、前記仕切アセンブリを前記ボックスに取り付けるとともに、前記第1仕切部材と前記第2仕切部材とを組み立てることにより前記仕切アセンブリに連通部を形成し、前記電気部品と前記電池セルが接続部品を介して電気的に接続され、前記接続部品は前記連通部を貫通するステップと、を含む電池の製造方法を提供する。
【0025】
第4側面は、電池セルを提供するための第1提供モジュールと、ボックスを提供するための第2提供モジュールと、前記ボックスを第1収容部と第2収容部とに仕切るための仕切アセンブリを提供するための第3提供モジュールであって、前記第1収容部は電気部品を収容するために用いられ、前記第2収容部は前記電池セルを収容するために用いられ、前記仕切アセンブリはつながっている第1仕切部材と第2仕切部材とを有する第3提供モジュールと、前記仕切アセンブリを前記ボックスに取り付けるとともに、前記第1仕切部材と前記第2仕切部材とを組み立てることにより前記仕切アセンブリに連通部を形成し、前記電気部品と前記電池セルが接続部品を介して電気的に接続され、前記接続部品は前記連通部を貫通する取り付けモジュールと、を含む電池の製造装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
ここで説明される図面は本願に対する更なる理解を提供するために用いられ、本願の一部を構成しているが、本願の例示的な実施例及びその説明は本願を説明するために用いられ、本願に対する不当な制限を構成するものではない。図面は以下のとおりである。
【
図2】本願の一実施例に係る電池の立体構造概略図である。
【
図3】
図2における上カバーを外した状態の構造概略図である。
【
図4】
図4(a)は仕切アセンブリの概略構造図であり、
図4(b)は仕切アセンブリにおける1つの連通部の拡大表示である。
【
図5】
図5(a)及び
図5(b)は、第1仕切部材と第2仕切部材とを組み立てて連通部を形成する他の形態を示す。
【
図6】
図6(a)~
図6(d)は取り付け部品の具体的な構造を説明する概略図である。
【
図7】第1仕切部材と第2仕切部材の位置決め構造の概略図である。
【
図8】第1仕切部材及び第2仕切部材の組み立て後の状態の構造概略図である。
【
図9】本願の一実施例に係る電池の製造方法の概略フローチャートである。
【
図10】本願の一実施例に係る電池の製造装置の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本願の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下に本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例における技術的解決手段を明確に説明するが、明らかな点として、説明される実施例は本願の一部の実施例であり、全ての実施例ではない。本願の実施例に基づき、当業者が創造的な労力を要することなく取得した全ての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0028】
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本願の当業者が一般的に理解するものと同じ意味を有する。本明細書で使用される用語は、単に具体的な実施例を説明することが目的であり、本願を限定することを意図したものではない。本願の明細書、特許請求の範囲及び上記図面の説明における「含む」及び「有する」という用語及びそれらの任意の類似表現は、排他的ではない包含をカバーすることを意図している。本願の明細書、特許請求の範囲又は上記図面における「第1」、「第2」等の用語は異なる対象を区別するために用いられ、特定の順序又は主従関係を説明するために用いられるものではない。
【0029】
本明細書で言及されている「実施例」は、実施例に関連して説明される特定の特徴、構造又は特性が、本願の少なくとも1つの実施例に含まれ得ることを意味する。本明細書の各所にこの語が出現しても、必ずしも全てが同じ実施例を指すわけではなく、他の実施例と相互に排他的で独立した又は代替的な実施例を指すものでもない。当業者は、本明細書に記載の実施例は他の実施例と組み合わせることができることを明示的かつ暗示的に理解する。
【0030】
本願の記載において説明すべきことは、特に明確に定義及び限定しない限り、「取り付ける」、「つながっている」、「接続」、「追加接続」という用語は広義に理解すべきであり、例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能な接続であってもよく、又は一体接続であってもよい。直接つながっていてもよく、中間媒体を介して間接的につながっていてもよく、又は2つの要素内部の連通であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて上記用語の本願における具体的な意味を理解することができる。
【0031】
本願における「及び/又は」という用語は、単に関連する対象どうしの関係を説明しているに過ぎず、3種類の関係が存在可能であることを示し、例として、A及び/又はBは、Aが単独で存在する、AとBが同時に存在する、Bが単独で存在する、という3つの状況を示すことができる。なお、本願において記号「/」は、一般的に前後の関連する対象が互いに「又は」の関係であることを示す。
【0032】
本願に出現する「複数」は2つ以上(2つを含む)を指し、同様に、「複数組」は2組以上(2組を含む)を指し、「複数枚」は2枚以上(2枚を含む)を指す。
【0033】
本願の実施例で言及される電池は、より高い電圧及び容量を提供するために複数の電池セルを含む単一の物理的モジュールを指す。例えば、本願で言及される電池は、電池モジュール又は電池パックなどを含むことができる。
【0034】
電池セルは電極アセンブリ及び電解液を含み、電極アセンブリは正極シート、負極シート及びセパレータを含む。電池セルは、主に金属イオンが正極シートと負極シートとの間を移動することによって動作する。正極シートは正極集電体及び正極活物質層を含み、正極活物質層は正極集電体の表面に塗布され、正極活物質層が塗布されていない集電体は正極活物質層が塗布された集電体から突出し、正極活物質層が塗布されていない集電体を正極タブとする。リチウムイオン電池を例とすると、正極集電体の材料はアルミニウムであってもよく、正極活物質はコバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元系リチウム又はマンガン酸リチウム等であってもよい。負極シートは負極集電体及び負極活物質層を含み、負極活物質層は負極集電体の表面に塗布され、負極活物質層が塗布されていない集電体は負極活物質層が塗布された集電体から突出し、負極活物質層が塗布されていない集電体を負極タブとする。負極集電体の材料は銅であってもよく、負極活物質は炭素又はシリコン等であってもよい。大電流によって溶断が発生しないことを保証するために、正極タブの数は複数であり且つ一体に積層され、負極タブの数は複数であり且つ一体に積層される。セパレータの材質は、PP又はPE等であってもよい。また、電極アセンブリは巻回式構造であってもよく、又は積層式構造であってもよく、本願の実施例はこれに限定されない。
【0035】
電池技術の発展には多方面の設計要素、例えば、エネルギー密度、サイクル寿命、放電容量、充放電効率等の性能パラメータを同時に考慮する必要があり、また、電池の安全性を考慮する必要がある。
【0036】
現在、電動車両の電池の多くは数十又は数千個の電池セルで構成する必要がある。電池のボックスには、電池セル及び各種電気部品が収容される。該電気部品にはバス部品、高低圧ケーブル等が含まれる。異常事態により電池が破壊されると、電池セルから高温、高圧の排出物が漏洩するおそれがある。このような排出物が電気部品に直接漏れ出すと、電気部品に悪影響を及ぼし、ひいては発火、爆発等の事故を引き起こすおそれがある。
【0037】
これに鑑み、本願は、電池セルと、ボックスと、前記ボックスを第1収容部と第2収容部とに仕切るための仕切アセンブリと、を含む電池であって、前記第1収容部は電気部品を収容するために用いられ、前記第2収容部は前記電池セルを収容するために用いられ、前記仕切アセンブリに連通部が形成され、前記電気部品は接続部品を介して前記電池セルと電気的に接続され、前記接続部品は前記連通部を貫通し、前記仕切アセンブリはつながっている第1仕切部材と第2仕切部材とを有し、前記第1仕切部材と前記第2仕切部材とを組み立てることにより前記連通部が形成される電池を提供する。
【0038】
仕切アセンブリを介して、ボックスを、電気部品を収容する第1収容部と電池セルを収容する第2収容部とに仕切ることにより、電池セルが破壊されて高温、高圧の排出物が噴き出しても、仕切アセンブリにより該排出物を遮断し、電気部品に対するその影響を防ぎ、電池の安全性を向上させることができる。さらに、仕切アセンブリが第1仕切部材と第2仕切部材から形成されているため、仕切アセンブリの取り付け性を向上させることができ、仕切アセンブリを有するボックスを効率よく生産することができる。第1収容部に収容された電気部品と第2収容部に収容された電池セルとを電気的に接続するために、仕切アセンブリに連通部を形成し、電気的に接続された部品に該連通部を貫通させる必要がある。本願において、連通部は第1仕切部材と第2仕切部材とを組み立てることにより形成される。これにより、一体型の仕切アセンブリに貫通孔を直接開ける等のような形成の形態と比較して、連通部の状態を直感的かつ簡単に見ることができ、接続部品を連通部に安定して設置することが容易であり、接続部品の取り付け作業性を向上させることができる。仕切アセンブリ及びボックス全体の組み立て性を向上させ、生産性を向上させることができる。
【0039】
本願の一実施例は、電池が電気エネルギーを供給するために用いられる電力消費装置を提供する。
【0040】
本願の実施例に記載の技術的解決手段はいずれも電池を使用する様々な装置に適用され、例えば、携帯電話、携帯機器、ノートパソコン、電気自動車、電動玩具、電動工具、電動車両、船舶及び宇宙船等であり、宇宙船は航空機、ロケット、スペースシャトル及びスペースシップ等を含む。
【0041】
当然のことながら、本願の実施例に記載の技術的解決手段は上記の機器に適用できるだけではなく、電池を使用する全ての機器にも適用できるが、説明を簡潔にするために、下記実施例はいずれも電動車両を例として説明する。
【0042】
例えば、
図1は本願の一実施例における車両100の構造概略図を示し、車両100はガソリン自動車、天然ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は純粋な電気自動車、ハイブリッド自動車又はレンジエクステンダー自動車等であってもよい。車両100の内部にモータ2、コントローラ3及び電池1を設置することができ、コントローラ3は電池1を制御してモータ2に給電するために用いられる。例えば、車両100の底部、前側又は後側に電池1を設置することができる。電池1は車両100の給電に用いられ、例えば、電池1は車両100の動作電源として、車両100の回路システムに用いることができ、例えば、車両100の起動、ナビゲーション及び走行時の作業電力の必要を賄う。本願の別の実施例において、電池1は車両100の動作電源としてだけでなく、車両100の駆動電源として、燃料又は天然ガスの代わりに又はそれを部分的に代替して車両100に駆動動力を提供することができる。
【0043】
様々な使用電力の需要を満たすために、電池1は複数の電池セル10を含むことができ、ここで、複数の電池セル10の間は直列接続、並列接続又は直並列接続することができ、直並列接続は直列接続と並列接続の混合接続を指す。
【0044】
例えば、
図2は本願の一実施例に係る電池1の立体構造概略図を示す。電池1はボックス20を含み、ボックス20の内部は中空構造であり、ボックス20内に電池セル10を収容する(
図3に示す)。
図2に示すように、ボックス20は、それぞれ上カバー21及び筐体22と称する2つの部分を含むことができる。上カバー21と筐体22は一体に係合される。上カバー21と筐体22の形状は、複数の電池セル10が組み合わされた形状によって決めることができる。例えば、上カバー21と筐体22はいずれも中空の直方体で且つそれぞれ1つの面のみが開口面であり、上カバー21の開口と筐体22の開口は対向して設置され、且つ上カバー21と筐体22は互いに係合して閉塞キャビティを有するボックス20を形成してもよい。上カバー21が開口を有する直方体で筐体22が板状であるか、あるいは、筐体22が開口を有する直方体で上カバー21が板状であり、上カバー21と筐体22が対向して設置され且つ係合して閉塞キャビティを有するボックス20を形成してもよい。
【0045】
図3は、
図2における上カバー21を外した状態の構造概略図を示す。電池1は複数の電池セル10を有し、複数の電池セル10は第1方向X及び第2方向Yに沿って配列することができ、第1方向Xと第2方向Yは直交する。すなわち、電池1における複数の電池セル10は、マトリクス状に配列された構造であってもよい。選択的に、電池1は1つの電池セル10のみ、又は第1方向Xに沿って配列された複数の電池セル10、又は第2方向Yに沿って配列された複数の電池セル10を有していてもよい。複数の電池セル10を互いに並列接続、直列接続又は直並列接続して組み合わせた後、上カバー21と筐体22を係合して形成されたボックス20内に配置する。
【0046】
図3に示すように、仕切アセンブリ30を介して、ボックス20を、第1収容部40と第2収容部41とに仕切ることができ、第1収容部40は電気部品42を収容するために用いられ、第2収容部41は電池セル10を収容するために用いられる。
図2に示すように、上カバー21は第1カバー210及び第2カバー211を含む。これにより、第1カバー210と仕切アセンブリ30と筐体22とで囲まれた空間は第1収容部40を形成し、第2カバー211と仕切アセンブリ30と筐体22とで囲まれた空間は第2収容部41を形成する。第1カバー210と第2カバー211は互いに離して設置される。第1収容部40と第2収容部41とを連通するために、仕切アセンブリ30に連通部33が形成され、電気部品42と電池セル10とは接続部品34を介して電気的に接続され、接続部品34は連通部33を貫通する。
【0047】
本願では仕切アセンブリ30を介して、ボックス20を、電気部品42を収容する第1収容部40と電池セル10を収容する第2収容部41とに仕切るため、電池セル10が破壊されて高温、高圧の排出物が噴き出しても、仕切アセンブリ30により該排出物を遮断することができ、電気部品42に対する付着を防ぎ、電池1の安全性を向上させることができる。
【0048】
さらに、第1カバー210と第2カバー211と仕切アセンブリ30により、ボックス20内の空間を、互いに独立した第1収容部40と第2収容部41とに仕切るとともに、第1カバー210と第2カバー211とが離して設置されるため、電気部品42のメンテナンスや交換が必要な場合、第1カバー210を取り外すだけでよく、煩雑な作業を削減し、作業スペースを節約することができる。
【0049】
図3に示すように、仕切アセンブリ30は、第1仕切部材31と第2仕切部材32とを有する。第1仕切部材31は上カバー21に接続され、第2仕切部材32は筐体22に接続される。すなわち、ボックス20を第3方向Zにおいて上カバー21が上方になるような形態で設置した場合、第1仕切部材31が上方に位置し、第2仕切部材32が下方に位置する。
【0050】
第1仕切部材31は、第1カバー210及び第2カバー211に着脱可能な形態で密封固定される。第3方向Zにおいて、第1カバー210と第2カバー211の高さが異なる場合、第1仕切部材31の、第1カバー210と固定される部分と第2カバー211と固定される部分との間に段差を形成することができる。また、第1仕切部材31は第1カバー210及び第2カバー211のいずれとも、シーラントの塗布やガスケット等により密封される。これにより、第2収容部41内の電池セル10が破壊されて高温、高圧の排出物が噴き出しても、第1仕切部材31と第1カバー210及び第2カバー211との接続箇所からボックス20の外部に漏れることを防止して、電池1全体の安全性を向上させることができる。
【0051】
第2仕切部材32は、筐体22と一体に形成されてもよい。これにより、成型の段階で第2仕切部材32が形成されたボックス20を提供することができ、仕切アセンブリ30の加工と組み立ての効率が向上する。又は、第2仕切部材32は、筐体22に着脱可能な形態で固定されてもよい。これにより、組み立ての自由度を増すことができる。例えば、第1仕切部材31と第2仕切部材32とを予め組み立ててからボックス20に組み立てることができ、又は第2仕切部材32を筐体22に取り付けた後、第2仕切部材32に対して第1仕切部材31を取り付けることもできる。第2仕切部材32は、筐体22に密封固定されてもよい。
【0052】
図4(a)は、仕切アセンブリ30の概略構造図を示す。
図4(a)には、仕切アセンブリ30において、高圧接続部品と低圧接続部品とがそれぞれ通る2つの連通部33を有する構造が示されている。
図4(b)は、仕切アセンブリ30における1つの連通部33を拡大表示しており、他方の連通部33の構造も類似しているため、ここでの説明は省略する。なお、仕切アセンブリ30における連通部33は、個数が限定されず、接続部品34の設計に応じて設置することができる。
【0053】
図4(b)に示すように、仕切アセンブリ30は、第1仕切部材31と第2仕切部材32とを有する。第1収容部40と第2収容部41とを連通するために、仕切アセンブリ30に連通部33が形成され、接続部品34は第1方向Xに沿って連通部33を貫通する。第1仕切部材31及び第2仕切部材32は、取り外し可能な形態で接続される。これにより、第1仕切部材31と第2仕切部材32とを容易に分解することができる。連通部33は第1仕切部材31と第2仕切部材32とを組み立てることにより形成される。
【0054】
一体型の仕切アセンブリに貫通孔を開ける等により連通部を形成する形態においては、作業員は経験に頼って接続部品を連通部に挿入する必要があり、連通部の内部の様子を直感的に見ることができず、接続部品が安定して固定されたか否かを確認することもできない。本願では、連通部33は第1仕切部材31と第2仕切部材32とを組み立てることで形成されており、連通部33の状態を直感的かつ簡単に見ることができ、接続部品34を連通部33に安定して設置することが容易であり、仕切アセンブリ30及びボックス20全体の組み立て性を向上させ、生産性を向上させることができる。
【0055】
第1仕切部材31と第2仕切部材32とを組み立てることで連通部33を形成する態様として、例えば、
図4(b)に示すように、第2仕切部材32に凹溝35が設けられ、凹溝35は、端部に開口36を有し、第1方向Xに沿って第2仕切部材32を貫通し、開口36は第2方向Yに沿って第2仕切部材32の端部に設けられる。ここで、第2方向Yは仕切アセンブリ30の延伸方向であり、且つ第2方向Yは第1方向Xと直交する。第1仕切部材31と第2仕切部材32とを組み立てることにより、第2仕切部材32の凹溝35の開口36が、第1仕切部材31の平坦な端面で塞がれて連通部33が形成される。
【0056】
連通部33内に取り付け部品37が設けられ、取り付け部品37は接続部品34を取り付けるために用いられる。また、取り付け部品37は、接続部品34と仕切アセンブリ30とを絶縁することができる。これにより接続部品34の絶縁安全性をさらに向上させることができる。
【0057】
図5(a)及び
図5(b)は、第1仕切部材31と第2仕切部材32とを組み立てることで連通部33を形成する他の形態を示す。
【0058】
図5(a)に示すように、第1仕切部材31に凹溝35が設けられ、凹溝35は、端部に開口36を有し、第1方向Xに沿って第1仕切部材31を貫通し、開口36は第2方向Yに沿って第1仕切部材31の端部に設けられる。これにより、第1仕切部材31と第2仕切部材32とを組み立てることで、第1仕切部材31の凹溝35の開口36が、第2仕切部材32の平坦な端面で塞がれて連通部33が形成される。
【0059】
図5(b)に示すように、第1仕切部材31及び第2仕切部材32にいずれも凹溝35が設けられ、各凹溝35は、端部にいずれも開口36を有し、第1方向Xに沿って第1仕切部材31及び第2仕切部材32を貫通し、開口36は第2方向Yに沿って第1仕切部材31及び第2仕切部材32の端部に設けられる。これにより、第1仕切部材31と第2仕切部材32とを組み立てることで、第1仕切部材31の凹溝35及び第2仕切部材32の凹溝35が対向して配置されて、前記連通部33が形成される。
【0060】
図4(b)、
図5(a)に示す実施例では、第1仕切部材31と第2仕切部材32とを一体に取り付けていない時、凹溝35内の状態をはっきり見ることができ、凹溝35に接続部品34を簡単に入れることができるとともに、第1仕切部材31と第2仕切部材32とを組み合わせて取り付けるだけで、一方の仕切部材の凹溝35の開口を他方の仕切部材の平坦な端面で塞いで連通部33を形成することができ、且つ接続部品34を安定して保持することができる。
【0061】
特に、
図5(b)に示す実施例では、第1仕切部材31と第2仕切部材32にいずれも凹溝35が形成されることにより、第1仕切部材31と第2仕切部材32とを組み立てることで、第1仕切部材31の凹溝35及び第2仕切部材32の凹溝35が対向して配置されて、連通部33が形成される。これにより、第1仕切部材31と第2仕切部材32の汎用性を高めることができ、取り付ける作業員は2つの仕切部材の上下位置関係を確認するために時間を費やす必要がなく、より簡便に仕切アセンブリ30を組み立てることができる。
【0062】
図4(a)及び
図4(b)に取り付け部品37の構造を示し、
図6(a)~
図6(d)に基づいて取り付け部品37の具体的な構造をさらに説明する。取り付け部品37は連通部33と係合し、且つ取り付け部品37にクリップ凹部38が形成され、クリップ凹部38は接続部品34を固定するために用いられる。これにより、
図6(a)~(d)に示すように、取り付け部品37の外面が連通部33に係合するとともに、取り付け部品37の内面が接続部品34の外形形状に係合したクリップ凹部38を形成し、接続部品34を挟み込んで固定することにより、接続部品34を簡便かつ安定して取り付け、絶縁性を補強することができる。
図6(a)は、連通部33が角孔であり、接続部品34の外形が方形である場合の取り付け部品37の構造を示す。
図6(b)は、連通部33が角孔であり、接続部品34の外形が弧状である場合の取り付け部品37の構造を示す。
図6(c)は、連通部33が弧状孔であり、接続部品34の外形が弧状である場合の取り付け部品37の構造を示す。
図6(d)は、連通部33が弧状孔であり、接続部品34の外形が方形である場合の取り付け部品37の構造を示す。連通部33及び接続部品34の形状は、図に示す方形及び弧状に限らず、任意の形状に形成することができる。取り付け部品37の外面が連通部33に係合し、且つクリップ凹部38が接続部品34に係合すればよい。
【0063】
図7は、第1仕切部材31と第2仕切部材32の位置決め構造の概略図を示す。第1仕切部材31に位置決め凸部50が形成され、第2仕切部材32に位置決め凹部51が形成され、位置決め凸部50及び位置決め凹部51は、仕切アセンブリ30の延伸方向(すなわち第2方向Y)に沿って設けられ、位置決め凸部50及び位置決め凹部51を嵌合することにより、第1仕切部材31及び第2仕切部材32が位置決めされる。これにより、仕切アセンブリ30における第1仕切部材31と第2仕切部材32との間の位置決め精度を向上させることができる。また、位置決め凹部51が第1仕切部材31に形成され、位置決め凸部50が第2仕切部材32に形成されてもよい。
【0064】
図8は、第1仕切部材31と第2仕切部材32の組み立てが完了した構造概略図を示す。接続部品34は図示しない。
図8に示すように、第1仕切部材31と第2仕切部材32とはボルト52によって締結固定される。しかし、仕切アセンブリ30の固定形態はこれに限定されるものではなく、接着、かしめ等の他の方式で第1仕切部材31と第2仕切部材32とを強固に固定できればよい。
【0065】
本願の一実施例は、前記各実施例における電池1を含むことができる電力消費装置をさらに提供する。電池1は、該電力消費装置に電気エネルギーを供給するために用いられる。
【0066】
以上は本願の実施例の電池及び電力消費装置を説明し、以下では本願の実施例の電池の製造方法及び装置を説明し、ここで詳細に説明しない部分は上記各実施例を参照することができる。
【0067】
図9は本願の一実施例に係る電池の製造方法400の概略フローチャートを示す。
【0068】
図9に示すように、該方法400は、
電池セル10を提供するステップ410と、
ボックス20を提供するステップ420と、
ボックス20を第1収容部40と第2収容部41とに仕切るための仕切アセンブリ30を提供するステップ430であって、第1収容部40は電気部品42を収容するために用いられ、第2収容部41は電池セル10を収容するために用いられ、仕切アセンブリ30はつながっている第1仕切部材31と第2仕切部材32とを有するステップ430と、
電池セル10と仕切アセンブリ30をボックス20に取り付けるとともに、第1仕切部材31と第2仕切部材32とを組み立てることにより仕切アセンブリ30に連通部33を形成し、電気部品42と電池セル10が接続部品34を介して電気的に接続され、接続部品34は連通部33を貫通するステップと、を含む方法である。
【0069】
図10は本願の一実施例における電池の製造装置500の概略ブロック図である。
【0070】
図10に示すように、電池の製造装置500は、
電池セル10を提供するための第1提供モジュール510と、
ボックス20を提供するための第2提供モジュール520と、
ボックス20を第1収容部40と第2収容部41とに仕切るための仕切アセンブリ30を提供するための第3提供モジュール530であって、第1収容部40は電気部品42を収容するために用いられ、第2収容部41は電池セル10を収容するために用いられ、仕切アセンブリ30はつながっている第1仕切部材31と第2仕切部材32とを有する第3提供モジュール530と、
電池セル10と仕切アセンブリ30をボックス20に取り付けるとともに、第1仕切部材31と第2仕切部材32とを組み立てることにより仕切アセンブリ30に連通部33を形成し、電気部品42と電池セル10が接続部品34を介して電気的に接続され、接続部品34は連通部33を貫通する取り付けモジュール540と、を含んでもよい。
【0071】
最後に説明すべきことは、以上の実施例は本願の技術的解決手段を説明するためのものに過ぎず、それを制限するものではない。前記実施例を参照して本願を詳細に説明したが、当業者は、さらに前記各実施例に記載の技術的解決手段を修正し、又はそのうち一部の技術的特徴を等価置換することができるが、これらの修正又は置換は、対応する技術的解決手段の本質を本願の各実施例の技術的解決手段の主旨及び範囲から逸脱させるものではないことを理解すべきである。